JP5311926B2 - 電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザープリンタの如き電子写真画像形成装置に関する。
感光ドラム上の静電潜像をトナーにより可視化する現像方式として、弾性層を備えた現像ローラにトナーを担持させ、感光ドラムに当接させて現像を行う接触現像方式が提案されている。
ここで、接触現像に用いる現像ローラにおいては、弾性層から染み出す低分子量物質の感光ドラムへの付着を抑制する必要がある。そのために、弾性層を表面層(被覆層)で被覆してなる構成が提案されている(特許文献1)。
このような表面層には、一般的に以下の性能を有することが求められている。
(1)弾性層からの低分子成分の現像ローラ表面へのブリードアウトを有効に抑制できること。
(2)トナー離型性に優れた表面を有すること。
(3)繰返しの画像形成によってもひび割れが生じ難いこと。
特開2007−33665号公報
そして、本発明者らはこれまでの検討の結果、酸化ケイ素膜からなる表面層を備えた現像ローラは上記(1)乃至(3)に記載した性能を高いレベルで満たし得るとの知見を得ている。
しかし、酸化ケイ素膜からなる表面層を備えた現像ローラを、現像ローラと感光ドラムとの周速比が大きい電子写真画像形成装置に適用した場合、上記(1)及び(3)の性能において更なる改善の余地があることを知見した。すなわち、現像ローラの周速を感光ドラムの周速よりも速くすることで、現像ローラの周面に永久変形が生じた場合であっても、当該永久変形が電子写真画像の品位に与える影響を緩和できるという利点がある。
ところが、酸化ケイ素膜からなる表面層は、弾性層と比較して硬質な膜であるため、当該周速比を大きした場合、表面層と弾性層との界面に応力が集中し、表面層が弾性層から剥離したり、表面層にひび割れが生じてしまう場合があることを認識した。
従って、本発明の目的は、現像ローラが上記(1)乃至(3)の性能を十分に維持し得る電子写真画像形成装置を提供することにある。
すなわち、本発明にかかる電子写真画像形成装置は感光体、及び該感光体に接触して配置されている現像ローラを有し、該現像ローラの周速が、該感光体の周速に対して1.5倍以上2.5倍以下である電子写真画像形成装置において、該現像ローラが、軸芯体、弾性層及び該弾性層を被覆している表面層を含み、該表面層は、ケイ素原子と化学結合している炭素原子を含む酸化ケイ素膜からなり、該酸化ケイ素膜は、高周波グロー放電発光表面分析法により測定したケイ素、酸素、炭素及び水素の元素数の合計が全検出元素数に対して90.00%以上であり、X線光電子分光法により測定したケイ素原子と化学結合を形成している酸素原子のケイ素原子に対する原子比(O/Si)が0.65以上1.95以下であり、ケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する原子比(C/Si)が0.05以上1.65以下であり、該弾性層の引裂き強度が、11.5N/mm2以上110.0N/mm2以下であることを特徴とする。
本発明によれば、電子写真画像の形成プロセスの高速化に伴う現像ローラと感光ドラムとの周速比の増大によっても現像ローラにおける表面層と弾性層との間に応力が緩和されるため、表面層が弾性層から剥離し難く、或いは表面層にひび割れが生じにくい。その結果、当該表面層によるブリードアウトの抑制効果が安定し、電子写真画像プロセススピードが速いにも関わらず、高品位な電子写真画像を安定して形成可能な電子写真画像形成装置を得られるという効果を奏する。
図1は、本発明の一実施態様に係る現像ローラ1の軸芯体11に直交する方向の概略断面図である。現像ローラ1は、通常、金属の如き導電性材料で形成された軸芯体11を有し、その外周面上に少なくとも1層の弾性層12があり、さらに外周面に少なくとも1層の表面層13が積層されている。
<軸芯体11>
軸芯体11は、本図では円柱状であるが、前記軸芯体は中空円筒状であってもよい。電子写真画像形成装置に利用される現像ローラでは、軸芯体11は、通常、直径4mmから10mmの範囲とするのが適当である。現像ローラ1は、一般的に、電気的なバイアスを印加又は接地されて使用される。そこで、軸芯体11は、支持部材であると共に、導電材として少なくとも表面が導電性であることが好ましい。したがって、軸芯体11は、少なくとも外周面がその上に形成された弾性層12に所定の電圧を印加するに十分な導電性の材質からなる。具体的な軸芯体の構成として以下のものが挙げられる。
・Al、Cu合金、SUSの如き金属又は合金製の軸芯体。
・Cr又はNiメッキを施した鉄製の軸芯体。
・Cr又はNiメッキを施した合成樹脂製の軸芯体。
<弾性層12>
弾性層12は、引裂き強度が、11.5N/mm2以上110.0N/mm2以下である。引き裂き強度をこの範囲内とすることで、現像ローラと感光体との周速比が1.5倍以上2.5倍以下の範囲においては、後述する酸化ケイ素膜からなる表面層と弾性層との間に生じる応力が該弾性層において十分に緩和される。その結果、表面層の弾性層からの剥離や、表面層へのひび割れの発生を有効に抑制することができる。
ここで、本発明における引裂き強度は、JIS−K6252に記載された方法に準じて測定される。なお、本発明においては、現像ローラの表面を0.5mmの厚みで研磨を行い、表面層を剥がした後、図2に示すように長さ100mmでローラ半周分であるサンプルを現像ローラ1から切り取って、試験片40とする。なお、この試験片40には、長手方向中央に、試験片の厚みの10%になる深さ、及び試験片の幅の50%になる幅の切込み50を入れてある。測定には、万能引張試験機「テンシロンRTC−1250A」(商品名、株式会社オリエンテック製)を使用し、測定環境を、20±3℃/60±10%RHとする。なお、測定は、試験片の両端各10mmをチャックに取り付け、チャック間長さ80mm、測定速度20mm/minで行い、破断時にかかる力を測定する。この破断時の力及び破断点の断面積を算出して単位面積あたりの破断時の力を算出する。同様の試験を5回繰り返し、その値の平均値を算出し、当該試験片の引裂強度とする。
上記した引き裂き強度を有する弾性層12は、原料主成分としてゴム又は樹脂を用いて形成することができる。
原料主成分のゴムとして、従来、現像ローラに用いられている種々のゴムを用いることができる。具体的には、以下のものを挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム。
また、原料主成分の樹脂は主に熱可塑性樹脂であり、以下のものが挙げられる。低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)の如きポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリイミド;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートの如きポリエステル樹脂;フッ素樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6の如きポリアミド樹脂など。
そして、これらゴム及び樹脂は、単独であるいは2種以上混合して用いられる。さらに、本発明の現像ローラでは、弾性層自体に要求される機能に必要な、導電剤や非導電性充填剤のような成分、また、ゴム及び樹脂成型体とする際に利用される各種添加剤成分、例えば、架橋剤、触媒、分散促進剤の如きを原料主成分に適宜配合できる。
導電剤としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質と、電子導電機構による導電付与剤があり、どちらか一方、或いは併用することも可能である。
電子導電機構による導電剤としては、以下のものが挙げられる。アルミニウム、パラジウム、鉄、銅、銀の如き金属の粉や繊維;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛の如き金属酸化物;硫化銅、硫化亜鉛等の如き金属化合物粉;適当な粒子の表面に酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化モリブデン、亜鉛、アルミニウム、金、銀、銅、クロム、コバルト、鉄、鉛、白金、ロジウムの如きを電解処理、スプレー塗工、混合振とうの如きにより付着させた粉;アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック、カーボンナノチューブの如きカーボンブラック系の導電剤など。
また、イオン導電機構による導電付与剤として、以下のものが挙げられる。LiCF3SO3、NaClO4、LiClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaClの如きアルカリ金属塩;NH4Cl、NH4SO4、NH4NO3の如きアンモニウム塩;Ca(ClO42、Ba(ClO42の如きアルカリ土類金属塩;これらの塩の1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き多価アルコールやそれらの誘導体との錯体;これらの塩のエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル等のモノオールとの錯体;第四級アンモニウム塩の如き陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の如き陰イオン性界面活性剤;ベタインの如き両性界面活性剤など。
これら導電剤は、単独で又は2種類以上混合して使用することができる。
その他、弾性層に導電性を付与する手段として、導電剤に代えて、あるいは、導電剤と共に、導電性高分子化合物を添加する手法も利用できる。なお、導電性高分子化合物とは、ポリアセチレンの如き共役系を有するポリマーをホストポリマーとし、これにI2の如きドーパントをドープして導電化した高分子化合物である。
ホストポリマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリピロール、ポリチオフェニン、ポリ(p−フェニレンオキシド)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリ(p−フェレンビニレン)、ポリ(2、6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリビニルカルバゾール、ポリジアセチレン、ポリ(N−メチル−4−ビニルピリジン)、ポリアニリン、ポリキノリン、ポリ(フェニレンエーテルスルフォン)など。
ドーパントしては、I2の他、以下のものが挙げられる。Cl2、Br2、ICl、ICl3、IBr、IF3の如きハロゲン類;PF5、AsF5、SbF5、FeCl3、AlCl3、CuCl2の如きルイス酸類;Li、Na、Rb、Csの如きアルカリ金属類;Be、Mg、Ca、Sc、Baの如きアルカリ土類金属類、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸の如き芳香族スルホン酸又はそのアルカリ金属塩など。
これらの内、カーボンブラック系の導電剤は、比較的安価かつ容易に入手でき、また、主成分のゴム及び樹脂材料の種類に依らず、良好な導電性を付与できるため、好適である。
主成分のゴム及び樹脂材料中に、微粉末状の導電剤を分散させる手段としては、従来から利用される下記の手段を、主成分のゴム及び樹脂材料に応じて適宜利用すればよい。例えば、ロールニーダー、バンバリーミキサー、ボールミル、サンドグラインダー、ペイントシェーカーの如きが挙げられる。
充填剤及び増量剤としては、以下のものが挙げられる。シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤など。
これらの充填剤は表面を有機ケイ素化合物で処理して疎水化してもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤の如き高分子化合物に対して使用される公知のものを適宜選択して使用できる。
加工助剤としては、公知の材料が使用可能である。具体的には、ステアリン酸、オレイン酸の如き脂肪酸、脂肪酸の金属塩やエステルなどが使用できる。
例えば、ゴム成型体をシリコーンゴムで作製するには、液状シリコーンゴムを主剤として用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを架橋成分とし、白金系触媒を用いて、ゴム成分相互の架橋を図る。
なお、上記弾性層の引裂き強度については、一般的には、原料主成分であるゴム又は樹脂の分子量や成型後のゴム又は樹脂の架橋密度、あるいは添加する充填剤及び増量剤の種類や添加部数により、調整することが可能である。
なお、感光体と当接して、ニップ幅を確保し、加えて、好適なセット性を満たすものとするために、弾性層の厚さは、好ましくは、0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とする。また、弾性層の厚さの上限は、作製される現像ローラの外径精度を損なわない限り、特にない。しかしながら、弾性層の厚さを過度に厚くすると、現像ローラと当接部材を長時間当接させたまま放置すると、当接箇所の変形が大きくなり、歪みが残るので好ましくない。したがって、実用上、弾性層の厚さは6.0mm以下とするのが適当であり、5.0mm以下がより好ましい。なお、弾性層の厚さは、目的とするニップ幅を達成するため、その硬さに応じて、適宜決定する。
なお、本発明では、この弾性層の成形は、従来から知られている押出成形法、射出成形法等によって可能であるが、特に限定されない。層構成としても、本発明に記載された特徴を有すれば、限定されず、2層以上の構成とすることもできる。
<表面層13>
本発明の現像ローラは、図1に示したように、弾性層12の表面を被覆している表面層13を有する。該表面層13は、ケイ素原子に化学結合している炭素原子を含む酸化ケイ素被膜(以降、「SiOx膜」と記載することがある)を含む。すなわち、表面層13に含まれるSiOxの膜は、Si−O及びSi−Cの化学結合を有する。そして、ケイ素原子と化学結合している酸素原子のケイ素原子に対する原子比(O/Si)が0.65以上1.95以下である。また、ケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する原子比(C/Si)が0.05以上1.65以下である。
前記の原子比(O/Si)は1.30以上1.80以下であることがより好ましい。原子比(O/Si)が0.65より小さいと弾性層から汚染物質がブリードするのを防ぐことが困難であり、現像ローラとして使用する際、当接する感光ドラムへの汚染が問題となる場合がある。また、原子比(O/Si)が1.95超では、SiOx膜自体が硬く、ヒビ割れが生じやすく、現像ローラとして使用した際、得られた画像にはヒビに起因してスジが発生しやすい。
また、前記の原子比(C/Si)は0.10以上0.70以下であることがより好ましい。原子比(C/Si)が0.05より小さいと、酸化ケイ素の膜と弾性層表面との密着性が低下し、均一かつ適正な表面層を得ることが困難となることがある。また、原子比(C/Si)が1.65超では膜の表面がタック(粘着)性になりやすく、現像ローラとして使用する際、トナーへの離型性が低下し、フィルミングが発生しやすくなる。
なお、表面層中の各元素の存在比率は次のようにして求める。
軽元素を含む全元素の存在比については、高周波グロー放電発光表面分析法により、グロー放電発光分析装置「GD−PROFILER2型GD−OES」(商品名、株式会社堀場製作所社製)を用いて測定を行った。
具体的には、測定は、以下のような測定条件により行う。
測定モード:パルススパッタ
アノード径(分析面積):直径φ4mm
放電電力:35W
Arガス圧:600Pa
前記表面層13が含有するケイ素Si、酸素O、炭素C及び水素Hの存在元素数の合計が全検出元素数に対して90.00%以上である。
表面層13の原子比及び化学結合状態については、X線光電子分光法により、次のようにして求める。
X線光電子分光装置「Quantum2000」(商品名、アルバック・ファイ株式会社製)を用い、X線源をAlKαとして、現像ローラの表面層13の表面をSiの2p軌道、O及びCの1s軌道の結合エネルギーに起因するピークを測定する。ピークの存在によりSi−O結合、及び、Si−C結合の存在を確認する。また、それぞれのピーク強度から各原子の存在比を算出し、得られた存在比より原子比(O/Si)及び原子比(C/Si)を求める。なお、後述する方法にて形成される本発明に係る表面層の原子比(O/Si)及び原子比(C/Si)の値の位置におけるバラツキは殆ど生じ得ないため、測定箇所は表面層の一箇所でよい。
また、SiOxの化学結合状態については、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)装置「SpectrumOne」(商品名、株式会社パーキンエルマージャパン製)によっても確認することができる。すなわち、現像ローラの表面層13を構成するSiOx膜の表面を上記の装置で測定し、Si−O振動ピーク(450cm-1)、及び、Si−C伸縮ピーク(800−820cm-1)の存在により、Si―O及びSi−Cの化学結合の存在を確認することができる。
本発明にかかるSiOxの膜を弾性層上に形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。ディップコート、スプレーコート、ロールコート、リングコートの如き湿式コート法;真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングの如き物理的気相成長(PVD)法;プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDの如き化学的気相成長(CVD)法など。
中でも、弾性層と表面層(SiOx膜)との密着性や処理時間及び処理温度、装置の簡便性、得られる表面層の均一性を考慮すると、プラズマCVD法が好ましい。
以下に、プラズマCVD法によるSiOx膜の形成方法の1例を示す。
なお、図3は、このプラズマCVD法によるSiOx膜を形成する装置の模式図を示す。
本装置は、真空チャンバ41、平行に置かれた平板電極42、原料ガスボンベ及び原料液体タンク43、原料供給手段44、チャンバ内のガス排気手段45、高周波を供給する高周波供給電源46及び弾性ローラ48を回転するモータ47により構成されている。
図3に示した装置を用いて、下記の手順(1)乃至(4)によりSiOx膜を表面層として有する現像ローラを製造することができる。
・手順(1)平板電極42の間に軸芯体上に弾性層が形成された原料ローラ48を設置し、得られるSiOx膜が均一となるように、モータ47を駆動させて周方向に回転させる。
・手順(2)排気手段45により、真空チャンバ41内を真空に引く。
・手順(3)原料ガス導入口より原料ガスを導入し、平板電極42に高周波供給電源46により高周波電力を供給し、プラズマを発生させ、成膜を行う。
・手順(4)所定時間経過した後、原料ガス及び高周波電力供給を停止し、真空チャンバ41内に空気又は窒素を大気圧まで導入(リーク)し、弾性ローラ48を取り出す。
以上のような手順により炭素原子を含有するSiOx膜からなる表面層を有する現像ローラを製造することが可能である。なお、プラズマCVD処理される弾性ローラ48は、均一なプラズマ雰囲気下に置けるのであれば多数本を同時に処理してもよい。
ここで、原料ガスとして、通常、ガス状の或いはガス状化した有機ケイ素化合物を、必要により炭化水素化合物と共に、不活性ガス、酸化性ガス等の気体の共存下或いは不存在下に導入する。上記炭化水素化合物の例としては、トルエン、キシレン、メタン、エタン、プロパン、アセチレン等が挙げられる。
なお、有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。1、1、3、3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなど。
取扱い上の安全面から、1、1、3、3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルシランが好ましい。
シラン源としては、有機ケイ素化合物に限定されるものではなく、シラン、アミノシラン、シラザンも用いることができる。
なお、有機ケイ素化合物等がガス状であればそのまま使用し、常温で液体であれば加熱し気化させて不活性ガスにより搬送して、あるいは、不活性ガスにてバブリングして搬送して用いる。さらに常温で固体のものでは、加熱して気化させ、不活性ガスにより搬送して用いる。また、原料物質を減圧状態において、気化を促進させても良い。
なお、原料の有機ケイ素化合物が含酸素化合物である時は、酸素が無くてもSiOx膜を堆積することが可能である。また、上記原料ガスと共に、又は原料ガスに加えて、真空チャンバ内へ、酸素、酸化力を有するガス(N2O、CO2等)の如き酸化性ガスを導入することも可能である。また、上記で使用できる不活性ガスとして、ヘリウム、アルゴン、窒素の如きを挙げることができる。
SiOx膜におけるケイ素原子、ケイ素原子に化学結合している酸素原子、及びケイ素原子に化学結合している炭素原子の存在比率は、導入する原料ガスの配合比、導入時の流量、供給する高周波電力により制御することが可能である。
具体的には、例えば、前記した有機ケイ素化合物と酸素ガスとの配合比において、酸素ガスの比率を高めることにより原子比(O/Si)の値を増加させることができる。酸素ガスの比率を低下させることで原子比(C/Si)の値を増加させることができる。
また、湿式法によりSiOx膜の製造方法としては以下の方法が例示できる。
無機高分子前駆体溶液(例えば、パーヒドロポリシラザン溶液等)と水酸基を有する高分子溶液(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等)の混合物を、弾性層上に均一に塗布し、次いで、加熱や紫外線の照射により当該混合物の被膜を硬化させる方法。そして、この方法においては、無機高分子前駆体溶液と高分子溶液のモル比を変化させることにより原子比(O/Si)並びに原子比(C/Si)の値を制御することができる。
ここで、SiOx原料混合物を弾性層上に塗布する前に、弾性層表面に、該混合物が上手く塗布できるように、紫外線照射や電子線照射、あるいはプラズマ処理の如き活性化処理を施しても良い。
このようにして形成されたSiOx膜の厚さは、15nm以上5000nm以下であることが好ましく、300nm以上3000nm以下であることがより好ましい。膜厚を上記の数値範囲内とすることで、長期の使用に伴う摩耗に対しても実用上十分となる。また、前記したCVD法でSiOxの膜を製造した場合であっても弾性層が過度に昇温して、弾性層の特性が変化してしまうことを有効に抑制できる。
なお、形成されたSiOx膜の膜厚は、薄膜測定装置「F20−EXR」(商品名、FILMETRICS社製)を用いて、現像ローラの長手方向を端部より等間隔に3箇所、かつ周方向に等間隔に3箇所の合計9箇所を測定し、得られた値の平均値である。
また、本発明における現像ローラは、図4のようにして、現像ローラを回転させてDC50V印加させた際に計測される電流値が5μA以上5000μA以下であることが好ましく、100μA以上500μA以下であることがより好ましい。該電流値を上記数値範囲とすることで、電子写真感光ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像する際、現像に十分な現像バイアスを得やすい。そのため、十分な濃度の電子写真画像を得ることができる。また電子写真感光ドラムの表面にピンホールが生じた際にもバイアスリークが発生しにくいため、当該ピンホールに起因する横スジ等が電子写真画像に発生することを有効に抑制できる。
直径φ40mmのSUS製円筒状電極51に、現像ローラ1の軸芯体露出部に各500gの荷重を加え、該現像ローラ1の外周面を当接させる。この状態で円筒状電極51を回転させ、連れ周りにより、現像ローラ1を周方向に24rpmの速度で回転させる。回転が安定したところで、直流電源52より軸芯体に電圧を印加し、円筒状電極との間に50Vの電圧をかける。なお、この時の環境は20℃、50%RHとする。その時の電流計53にて電流値を現像ローラ1の1周分計測し、その平均値を求めて、電流値とする。なお、本明細書ではこのようにして計測した電流値を「現像ローラの電流値」という。この現像ローラの電流値を適正かつ均一に制御することは、トナーが移動するための電界強度を適正かつ均一に保つ点で重要である。
<現像ローラのマイクロゴム硬度>
また、本発明で用いる現像ローラのマイクロゴム硬度は、30度以上80度以下であることが好ましい。この範囲内であれば、現像ローラを圧接部材へ長期間圧接したまま放置した場合にも永久変形が生じにくい。また、現像ローラ及び現像ローラ上に担持されているトナーと圧接部材との当接圧力が大きくなり過ぎることがない。そのため、トナーの劣化が抑制され、現像ローラ表面上へのフィルミングの発生や、電子写真画像への濃度ムラやカブリの発生を抑制できる。
ここで、マイクロゴム硬度とは、高分子計器株式会社製のマイクロゴム硬度計MD−1(商品名)を用いて測定したマイクロ硬さのことである。本発明において、軸体上に積層された弾性層の硬度は、長手方向に等間隔で定めた3点の各点と周方向に等間隔で定めた3点の合計9点について常温・常湿度の環境下で測定し、得られた測定値を平均して求めた値である。
上記した現像ローラは、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真画像形成装置に直接に、また、プロセスカートリッジタイプの電子写真画像形成装置においてはプロセスカートリッジの現像ローラとして組み込んで使用される。
上記した現像ローラを搭載した本発明にかかるカラー電子写真画像形成装置の一例を図5の模式図により、以下説明する。
図5の模式図に示すカラー電子写真画像形成装置は、イエローY、マゼンダM、シアンC及びブラックBKの色トナー毎に設けられた画像形成部10(10a乃至10d)をタンデム形式で有している。該画像形成部10は、仕様は各色トナー特性に応じて少し差異があるものの、基本的構成において同じである。画像形成部10には、矢印方向に回転する潜像担持体としての感光体21が設けられている。その周囲には、感光体21を一様に帯電するための帯電部材26、一様に帯電した感光体21にレーザー光25を照射して静電潜像を形成する露光手段、静電潜像を形成した感光体21にトナーを供給し静電潜像を現像する現像装置22が設けられている。更に、感光体21上のトナー像を、給紙ローラ37により供給され搬送ベルト34によって搬送される紙等の記録媒体36の裏面からバイアス電源32を印加して記録媒体36上に転写する転写ローラ31を有する転写部材が設けられている。搬送ベルト34は、駆動ローラ30、従動ローラ35及びテンションローラ33に懸架され、各画像形成部で形成されたトナー像を記録媒体36上に順次重畳して転写するように、画像形成部10と同期して移動して記録媒体36を搬送するよう制御されている。なお、記録媒体36は、搬送ベルト34にさしかかる直前に設けられた吸着ローラ38の働きにより、搬送ベルト34に静電的に吸着されて、搬送されるようになっている。
本発明の電子写真画像形成装置においては、感光体21と現像ローラ1は接触又は近接して配置されており、それらは図7に示すように、感光体21と現像ローラ1の接触もしくは近接箇所において同方向に回転している。さらに、現像ローラ1の周速は、感光ドラム21の周速に対して1.5倍以上2.5倍以下で設定される。周速比をこの数値範囲内とすることにより、現像ローラに永久変形が生じたとしても、現像ローラの周面に永久変形が生じた場合であっても、当該永久変形が電子写真画像の品位に与える影響を有効に緩和することができる。また、現像ローラ1の周速が感光ドラム21の周速に比して速すぎる場合に生じることがある電子写真画像の濃度の不均一なども有効に抑制できる。
なお、現像ローラ1の周速は、電子写真画像のプロセススピードの高速化への要求と、得られる電子写真画像の品位とを勘案して、60mm/sec以上300mm/sec以下とすることが好ましい。
更に、カラー電子写真画像形成装置には、記録媒体36上に重畳転写したトナー像を加熱などにより定着する定着装置29と、画像形成された記録媒体を装置外に排紙する搬送装置(図示せず)とが設けられている。なお、記録媒体36は剥離装置39の働きにより搬送ベルト34から剥がされて定着装置29に送られるようになっている。
一方、画像形成部10には感光体21上に転写されずに残存する転写残トナーを除去するクリーニングブレード28を有するクリーニング部材と、感光ドラムから掻き取られたトナーを収納する廃トナー容器27とが設けられている。クリーニングされた感光ドラム21は画像形成が可能な状態となっている。
なお、現像装置22のみ、もしくは感光体21、帯電部材26、現像装置22、クリーニングブレード28及び廃トナー容器27を一体として、着脱式のプロセスカートリッジとすることも可能である。
上記画像形成部10に設けられる現像装置22には、トナー23を収容したトナー容器24と、トナー容器の開口を閉塞するように設置され、トナー容器から露出した部分で感光ドラムと対向する現像ローラ1が設けられている。トナー容器24内には、現像ローラ1に当接し現像ローラ1にトナーを供給するローラ状のトナー塗布部材7と、現像ローラ1に供給したトナーを薄膜状に形成すると共に、摩擦帯電を行うトナー量規制ブレード9が設けられている。
トナー塗布部材7としては、例えば、軸芯体上に、発泡スポンジ体やポリウレタンフォームを設けたものや、レーヨン又はポリアミドのような繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ1上の残留トナーを除去する点から好ましい。このトナー塗布部材7は現像ローラ1と適切な当接幅を有して配置することが好ましく、また、図7に示すように現像ローラ1に対してその当接部において逆方向に回転することが好ましい。
本発明のプロセスカートリッジは、上記したように、電子写真画像形成装置本体に脱着可能であり、上記の現像ローラを具備するものである。なお、単色の画像形成装置用のプロセスカートリッジについて、図6にその一例の模式図を示す。
現像ローラ1は感光体21及びトナー塗布部材7に接する状態で装着されている。トナー容器24に入れられたトナー23は、トナー塗布部材7によって現像ローラ1に供給することができる。このときその量はトナー量規制ブレード9で調整される。一方、帯電部材26で帯電された感光体21上にレーザー光25により静電潜像が形成され、該静電潜像は、現像ローラ1に担持搬送されたトナーにより顕像化され、トナー像とされる。この感光体21のトナー像は紙等の記録媒体上に転写される。そして、感光体21上に残ったトナーは、クリーニングブレード28によって掻き取られ、廃トナー容器27に掻き落とされる構造となっている。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
使用した試薬等は、下記する他、特に明記しない限り、純度99.5%以上のものを用いた。
1)弾性層用ゴム原料
・ポリエチレン系エラストマー:特殊エチレン系エラストマー「エスプレン505」(商品名、住友化学株式会社製)
・ポリオフィン系エラストマー:オフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名、AESジャパン株式会社製)
・熱可塑性ポリウレタン:熱可塑性ポリウレタン「クラミロンU8145」(商品名、株式会社クラレ製)
・NBR:中高二トリルNBR「Nipol DN−219」(商品名、日本ゼオン株式会社製)
・LDPE:LDPE「ノバテックLD LJ902」(商品名、日本ポリエチレン株式会社製)
・EVA:EVA「エバフレックス EV45LX」(商品名、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)
・液状シリコーンゴム:両末端ビニル基のジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.15質量%)と両末端Si−H基のジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Si原子に結合するH含有量0.30%)を使用。なお、硬化触媒として塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体(0.5質量%)を使用した。
2)弾性層用その他成分
・石英粉末:石英粉末「Min−USil」(商品名、Pennsylvania Glass Sand社製)
・CB#4500:導電性カーボンブラック「トーカブラック#4500」(商品名、東海カーボン株式会社製)
・デンカCB:カーボンブラック「デンカブラック」(商品名、電気化学工業株式会社製、粉状品)
・MTCB:MTカーボンブラック「サーマックスフローフォームN990」(商品名、CANCAB社製)
・プロセスオイル:パラフィン系プロセスオイル「ダイアナプロセスオイルPW−380」(商品名、出光興産株式会社製)
・MTB:メルカプトメルトカプトベンゾチアゾール(加硫補助剤)
<製造例1(弾性ローラ1の製造)>
ポリエチレン系エラストマー 100質量部に以下の成分を加え、オープンロールにて混合し、弾性体の未加硫ゴム組成物を得た。
プロセスオイル 100質量部
ステアリン酸 1質量部
CB#4500 50質量部
加硫剤(硫黄) 1質量部
MBT(加硫助剤) 1質量部
得られた未加硫ゴム組成物をベント式ゴム押出機(直径50mmベント押出機、L/D=16、株式会社 イー・エム技研製)によってチューブ状に押出し、加硫缶を用いた加圧水蒸気により160℃で30分間の一次加硫を行った。得られたチューブを切断して、外径13mm、内径5.5mm、長さが280mmのゴムチューブを得た。
次に、直径6mm、長さ280mmの円柱形の軸芯体(鋼製、表面はニッケルめっき仕上げ)の円柱面の軸方向中央部に237mmにプライマーを塗布したものに、前述のゴムチューブを圧入し、熱風炉にて160℃で2時間の二次加硫と接着処理を行った。この加硫後のローラのゴム両端をそれぞれ30mm、13mm突っ切り、ゴム部分の長さを237mmとした後、ゴム部分を回転砥石で研磨し、外径12mmの直線形状の弾性層を有する弾性ローラ1を得た。
<製造例2(弾性ローラ2の製造)>
ポリオレフィン系エラストマー 100質量部とMTCB 40質量部を直径30mm、L/D32の2軸押出機にてペレット化して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、クロスヘッド押出成形して、軸芯体(直径6mm、長さ280mm)上に樹脂層を形成した。この樹脂層の端部を切断し、さらに樹脂層部分を回転砥石で研磨して、外径12mmの直線形状の弾性層を有する弾性ローラ2を得た。
<製造例3(弾性ローラ3の製造)>
ポリオレフィン系エラストマーに代えて、熱可塑性ポリウレタン 100質量部を用い、MTCBに代えて、デンカCB 40質量部を用いる他は製造例2と同様にして、外径12mmの直線形状の弾性層を有する弾性ローラ3を得た。
<製造例4(弾性ローラ4の製造)>
ポリエチレン系エラストマーに代えて、NBR 100質量部を用い、CB#4500に代えて、MTCB 40質量部を用いる他は製造例1と同様にして、外径12mmの直線形状の弾性層を有する弾性ローラ4を得た。
<製造例5(弾性ローラ5の製造)>
ポリオレフィン系エラストマーに代えて、LDPE 100質量部を用いる他は製造例2と同様にして、外径12mmの弾性ローラ5を得た。
<製造例6(弾性ローラ6の製造)>
ポリオレフィン系エラストマーに代えて、EVA 100質量部を用いる他は製造例2と同様にして、外径12mmの弾性ローラ6を得た。
<製造例7(弾性ローラ7の製造)>
両末端ビニル基のジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.15質量%)100質量部に、充填剤として石英粉末 7質量部及びデンカCB 10質量部を配合し、プラネタリーミキサーを用いて混合脱泡し、液状シリコーンゴムのベース材料とした。このベース材料に、硬化触媒として塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体0.5質量部を配合し、A液とした。また、前記ベース材料に、両末端Si−H基のジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Si原子に結合するH含有量0.30%)1.5質量部を配合し、B液とした。
一方、円筒形金型の中心部に、表面をプライマー処理した直径6mm、長さ280mmの上記円柱形の軸芯体を配置したものを用意した。この金型に、上記A液、B液をスタティックミキサーにより質量比1:1で混合して注入し、温度130℃で20分間加熱硬化し、さらに温度200℃で4時間ポストキュアーして、長さ237mm、外径12mmの直線形状の弾性層を有する弾性ローラ7を得た。
<実施例1>
製造例1の弾性ローラ48を図3に示したプラズマCVD装置内に設置した後、真空ポンプを用いて真空チャンバ内を1Pa以下になるまで減圧にした。その後、原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及び酸素100sccmの混合ガスを真空チャンバ内に導入し、真空チャンバ内の圧力が27Paになるように調整した。圧力が一定になった後、高周波電源より、周波数13.56MHz、70Wの電力を平板電極に供給し、電極間にプラズマを発生させた。真空チャンバ内に設置した弾性ローラ48を10rpmで回転させて、300秒間処理した。処理終了後電力供給を停止し、真空チャンバ内に残留している原料ガスを排気し、空気を真空チャンバ内に大気圧になるまで導入した。その後、表面層が形成された現像ローラを取り出した。
得られた現像ローラの表面を、グロー放電発光分析装置により、全検出元素数に対するSi、O、C及びHの存在元素数の合計を求めたところ99.81%であった。また、X線光電子分光装置により原子比(O/Si)を求めたところ、1.14であり、原子比(C/Si)は0.87であった。
また、現像ローラの表面層の膜厚を、薄膜測定装置「F20−EXR」(商品名)を用いて測定したところ、膜厚は864nmであった。なお、測定は現像ローラの長手方向等分された3箇所、かつ周方向等分された3箇所の合計9箇所で行い、得られた値の平均値を膜厚とした。
現像ローラから図2に従って作製した長さ100mmのローラ半周分の試験片を用いて測定した弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は57度であった。
<実施例2>
ヘキサメチルシロキサン蒸気5sccm及び酸素300sccmの混合ガスを真空チャンバ内の圧力が54Paになるように導入し、電力250Wを平行平板電極に供給した以外は、実施例1におけるのと同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.92%であった。また、原子比(O/Si)は1.95であり、原子比(C/Si)は0.05であった。表面層の膜厚は983nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は57度であった。
<実施例3>
原料ガスとしてヘキサメチルシロキサン蒸気20sccmを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入し、電力150Wを平行平板電極に供給した以外は、実施例1におけるのと同じ条件で処理をし、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.20%であった。また、原子比(O/Si)は0.65であり、原子比(C/Si)は1.65であった。表面層の膜厚は345nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は57度であった。
<実施例4>
ヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm及びトルエン蒸気10sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入した以外は、実施例1におけるのと同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.55%であった。また、原子比(O/Si)は1.95であり、原子比(C/Si)は1.65であった。表面層の膜厚は168nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は57度であった。
<実施例5>
原料ガスとしてヘキサメチルシロキサン蒸気3sccmを、真空チャンバ内の圧力が2Paになるように導入し、電力250Wを平行平板電極に供給した以外は、実施例1におけるのと同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.65%であった。また、原子比(O/Si)は0.65であり、原子比(C/Si)は0.05であった。表面層の膜厚は213nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は57度であった。
<実施例6>
弾性ローラを製造例2で作成した原料ローラ2とした以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.81%であった。また、原子比(O/Si)は1.14であり、原子比(C/Si)は0.87であった。表面層の膜厚は860nmであり、弾性層の引裂き強度は11.8N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は30度であった。
<実施例7>
ヘキサメチルシロキサン蒸気20sccm及び酸素300sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が43Paになるように導入した以外は、実施例6におけるのと同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.91%であった。また、原子比(O/Si)は1.22であり、原子比(C/Si)は0.59であった。表面層の膜厚は1860nmであり、弾性層の引裂き強度は11.8N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は30度であった。
<実施例8>
弾性ローラを製造例3で作成した原料ローラ3とし、ヘキサメチルシロキサン蒸気10sccm及び酸素300sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が57Paになるように導入し、電力200Wを平板電極に供給した。それ以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.28%であった。また、原子比(O/Si)は1.60であり、原子比(C/Si)は0.23であった。表面層の膜厚は676nmであり、弾性層の引裂き強度は110.0N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は80度であった。
<実施例9>
原料ガスとしてヘキサメチルシロキサン蒸気20sccmを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入し、電力30Wを平板電極に供給した以外は、実施例8と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.82%であった。また、原子比(O/Si)は0.79であり、原子比(C/Si)は1.54であった。表面層の膜厚は303nmであり、弾性層の引裂き強度は110N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は80度であった。
<実施例10>
弾性ローラを製造例4で作成した原料ローラ4とし、ヘキサメチルシロキサン蒸気20sccm及び酸素200sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が43Paになるように導入し、電力30Wを平板電極に供給した。それ以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.31%であった。また、原子比(O/Si)は0.69であり、原子比(C/Si)は1.10であった。表面層の膜厚は320nmであり、弾性層の引裂き強度は65.1N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は70度であった。
<実施例11>
弾性ローラを製造例4で作成した原料ローラ4とした以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.81%であった。また、原子比(O/Si)は1.14であり、原子比(C/Si)は0.87であった。表面層の膜厚は872nmであり、弾性層の引裂き強度は65.1N/mm2であった。また、現像ローラの硬度は70度であった。
<実施例12>
ヘキサメチルシロキサン蒸気10sccm及び酸素200sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が41Paになるように導入し、処理時間を1000秒とした以外は、実施例11と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.65%であった。また、原子比(O/Si)は1.31であり、原子比(C/Si)は0.46であった。表面層の膜厚は3002nmであり、弾性層の引裂き強度は65.1N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は70度であった。
<実施例13>
弾性ローラを製造例5で作成した原料ローラ5とし、原料ガスとしてヘキサメチルシロキサン蒸気20sccmを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入した以外は、実施例1と同じ条件で処理をし、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.88%であった。また、原子比(O/Si)は0.79であり、原子比(C/Si)は1.54であった。表面層の膜厚は298nmであり、弾性層の引裂き強度は85.2N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は65度であった。
<実施例14>
原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccmを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入し、電力30Wを平板電極に供給し、プラズマCVD処理時間を150秒間とした以外は実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.82%であった。また、(O/Si)は0.77であり、(C/Si)は1.54であった。表面層の膜厚は31nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は57度であった。
<実施例15>
ヘキサメチルシロキサン蒸気20sccm及び酸素200sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が43Paになるように導入し、プラズマCVD処理時間を800秒間とした以外は、実施例8と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.28%であった。また、原子比(O/Si)は1.28であり、原子比(C/Si)は0.62であった。表面層の膜厚は4960nmであり、弾性層の引裂き強度は110.0N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は80度であった。
<実施例16>
弾性ローラを製造例6で作成した原料ローラ6とし、原料ガスとしてヘキサメチルシロキサン蒸気20sccmを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入し、プラズマCVD処理時間を30秒間とした。それ以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.91%であった。また、原子比(O/Si)は0.77であり、原子比(C/Si)は1.58であった。表面層の膜厚は18nmであり、弾性層の引裂き強度は98.3N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は49度であった。
<実施例17>
ヘキサメチルシロキサン蒸気10sccm及び酸素300sccmを、真空チャンバ内の圧力が57Paになるように導入し、電力70Wを平行平板電極に供給し、プラズマCVD処理時間を1500秒間とした。それ以外は、実施例10と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は98.23%であった。また、原子比(O/Si)は1.48であり、原子比(C/Si)は0.29であった。表面層の膜厚は5180nmであり、弾性層の引裂き強度は65.1N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は70度であった。
<比較例1>
ヘキサメチルシロキサン蒸気20sccm及び酸素200sccmを、真空チャンバ内の圧力が44Paになるように導入した以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.33%であった。また、原子比(O/Si)は1.28であり、原子比(C/Si)は0.62であった。表面層の膜厚は1213nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は57度であった。
<比較例2>
ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及び酸素200sccmの混合ガスを、真空チャンバ内の圧力が41Paになるように導入し、プラズマCVD処理時間を300秒とした以外は、実施例16と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.63%であった。また、原子比(O/Si)は1.16であり、原子比(C/Si)は0.88であった。表面層の膜厚は864nmであり、弾性層の引裂き強度は98.3N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は49度であった。
<比較例3>
弾性ローラを製造例7で作成した原料ローラ7とした以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.51%であった。また、原子比(O/Si)は1.14であり、原子比(C/Si)は0.87であった。表面層の膜厚は850nmであり、弾性層の引裂き強度は、11.0N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は28度であった。
<比較例4>
原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン蒸気30sccmを、真空チャンバ内の圧力が6Paになるように導入し、電力200Wを供給した以外は、実施例1と同じ条件で処理し、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.12%であった。また、原子比(O/Si)は0.53であり、原子比(C/Si)は1.42であった。表面層の膜厚は643nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は57度であった。
<比較例5>
加熱硬化型シリコーン接着シール剤「TSE3251−C」(商品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)の固形分が5質量%になるようにメチルエチルケトンで調整した。このメチルエチルケトン主溶媒とする混合溶液に、デンカCBを、樹脂成分に対し21質量%添加し、十分に攪拌して、ディップ液と調製した。この液中に製造例1の弾性ローラ1を浸漬してコーティングした後、引き上げて乾燥し、140℃にて2時間加熱処理して、現像ローラを得た。
以下、実施例1と同様の評価をした。Si、O、C及びHの存在元素数の合計は99.27%であった。また、原子比(O/Si)は0.98であり、原子比(C/Si)は1.95であった。表面層の膜厚は4873nmであり、弾性層の引裂き強度は44.2N/mm2であった。また、得られた現像ローラの硬度は57度であった。
上記実施例及び比較例で得られた現像ローラにおいて、電子写真式レーザープリンタ「Color Laser Jet3600」(商品名、Hewlett−Packard社製)のカートリッジに現像ローラとして組み込んだ。なお、カートリッジ内の現像ローラ駆動に係るギヤを変更し、感光体に対する現像ローラの周速を、感光体の周速に対して表1に示す倍率なるように調整した。
このようにして作成したカートリッジを用い、25℃/50%RHの環境下で静電潜像をブラックBKトナーで現像することにより画像出力し、得られた画像を、評価項目(カブリ、濃度ムラ、セット及び染み出し試験)について評価した。また、下記評価画像出力後の現像ローラの表面を観察し、評価項目(表面層の剥離、フィルミング及びヒビ割れ)についても評価した。
ここで用いたレーザープリンタ「Color Laser Jet3600」(商品名)は、A4縦出力用のマシンであり、記録メディアの出力スピード16ppmのものである。また、画像評価には、初期ベタ黒画像、「マクベス反射濃度計RD−918」(商品名、マクベス社製)測定で濃度0.7であるハーフトーン画像、1%印字による連続画像形成を15000枚行った後のベタ黒画像及び同ベタ白画像を出力したものを用いた。
(カブリ)
15000枚後のベタ白画像を、フォトボルト反射濃度計「TC−6DS/A」(商品名、東京電色株式会社製)で反射濃度を測定し、未印字部分との差をカブリ(%)とし、下記基準で評価した。
A:1.5%未満。
B:1.5%以上3.0%未満。
C:3.0%以上。
(濃度ムラ)
初期ベタ黒画像及びハーフトーン画像について、濃度ムラを目視により観察し、下記基準で評価した。なお、濃度ムラはハーフトーン画像で最も見やすく、ベタ黒画像では比較的見やすい。
A:いずれの画像でも肉眼では濃度ムラは確認されず良好。
B:ハーフトーン画像に若干の濃度ムラがあるが、ベタ黒画像では濃度ムラは見られない。
C:いずれの画像でも濃度ムラが見られる。
(表面層の剥離)
全画像評価用画像を出力した後、現像ローラの表面をデジタルマイクロスコープ「VHX―500」(商品名、株式会社キーエンス製)にて観察し、表面層に剥離が見られるか否かを確認し、「なし」、「軽微」及び「あり」の3段階で評価した。
(フィルミング)
全画像評価用画像を出力した後の現像ローラの表面観察でフィルミングの発生状況を調べ、一方、最終の評価画像(ベタ黒画像)を目視により観察して、フィルミングを以下の基準で評価した。
A:現像ローラ上にフィルミングなし。
B:画像には問題がないが、現像ローラ上に軽微にフィルミングが発生している。
C:現像ローラ上へのトナー付着の影響が、画像にモヤとして観察される。
また、実施例及び比較例で得られた現像ローラについて、さらに、以下の特性試験を行った。
(ヒビ割れ)
表面層の剥離の観察をデジタルマイクロスコープにて行った際に、表面層にヒビ割れが見られるか否かも確認した。また、15000枚後のベタ黒画像を目視により観察し、表面層のヒビ割れを以下の基準で評価した。
A:現像ローラにはヒビ割れが観察されず、かつ、画像上も問題なし。
B:画像には問題はなかったが、現像ローラ上に軽微にヒビ割れが発生している。
C:現像ローラにヒビ割れが観察され、かつ、画像上にもヒビ割れに起因するスジが確認される。
(セット性及び染み出し性の試験)
現像ローラがトナー規制部材と当接していることによるセット性及び弾性体からの低分子量物質の染み出し性は下記のようにして試験した。
現像ローラをプロセスカートリッジに組み込み、トナー規制部材及び感光ドラムと当接させたまま40℃/95%RHの環境下で30日間放置した。その後、該プロセスカートリッジをレーザープリンタに組み込み、ベタ黒画像及びハーフトーン画像を出力した。その画像を目視により観察し、セット性(セットによる横スジの発生の有無)及び染み出し性(弾性体からの染み出し物が感光ドラムへ付着することによる画像への不具合の発生の有無)について、下記の評価をした。
なし:当接跡に基づく横スジ、染み出し物に基づく画像の不具合はない。
軽微:当接跡に基づく横スジ又は染み出し物に基づく画像のどちらかの不具合は見られるものの、画像上問題がない。
あり:当接跡に基づく横スジ、染み出し物に基づく画像の不具合が共に観察される。
上記物性評価を表1に、また、特性評価結果を表2にまとめた。
Figure 0005311926
Figure 0005311926
現像ローラの1例の断面図である。 引張弾性率の測定用試験片の採取方法を示す説明図である。 プラズマCVD法によるCVD膜製造装置の模式図である。 本発明の電子写真画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明の電子写真画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明の電子写真画像形成装置用プロセスカートリッジの模式図である。 現像ローラ、感光体及びトナー塗布部材の回転方向を示す模式図である。
符号の説明
1 現像ローラ
7 トナー塗布部材
9 トナー量規制ブレード
10 画像形成部
10a〜10d 画像形成部(各色用)
11 軸芯体
12 弾性層
13 表面層
21 感光体(感光ドラム)
22 現像装置
23 トナー
24 トナー容器
25 レーザー光
26 帯電部材
27 廃トナー容器
28 クリーニングブレード
29 定着装置
30 駆動ローラ
31 転写ローラ
32 バイアス電源
33 テンションローラ
34 搬送ベルト
35 従動ローラ
36 記録媒体
37 給紙ローラ
38 吸着ローラ
39 剥離装置
40 引裂き強度測定用試験片
41 真空チャンバ
42 平板電極
43 原料ガスボンベ及び原料液体タンク
44 原料供給手段
45 排気手段
46 高周波供給手段
47 モータ
48 弾性ローラ(原料ローラ)
50 引裂き強度測定用試験片の切り込み
51 円筒状電極
52 直流電源
53 電流計

Claims (4)

  1. 感光体、及び該感光体に接触して配置されている現像ローラを有し、該現像ローラの周速が、該感光体の周速に対して1.5倍以上2.5倍以下である電子写真画像形成装置において、
    該現像ローラが、軸芯体、弾性層及び該弾性層を被覆している表面層を含み、
    該表面層は、ケイ素原子と化学結合している炭素原子を含有する酸化ケイ素膜からなり、
    該酸化ケイ素膜は、高周波グロー放電発光表面分析法により測定したケイ素、酸素、炭素及び水素の元素数の合計が全検出元素数に対して90.00%以上であり、X線光電子分光法により測定したケイ素原子と化学結合を形成している酸素原子のケイ素原子に対する原子比(O/Si)が0.65以上1.95以下であり、ケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子のケイ素原子に対する原子比(C/Si)が0.05以上1.65以下であり、
    該弾性層の引裂き強度が、11.5N/mm2以上110.0N/mm2以下である
    ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
  2. 前記現像ローラの表面層の膜厚が、15nm以上5000nm以下である請求項1に記載の電子写真画像形成装置。
  3. 前記現像ローラの表面層の膜厚が、300nm以上3000nm以下である請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
  4. 前記現像ローラの表面層が、プラズマCVD法により作製されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真画像形成装置。
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