JP5517522B2 - 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、複写機、レーザープリンタの如き電子写真画像形成装置において用いられる現像ローラ、該現像ローラを備える電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置に関する。
感光ドラム上の静電潜像をトナーにより可視化する現像方法として、現像ローラにトナーを担持させ、感光ドラムに当接させて現像する接触現像法が知られている。
接触現像法に用いる現像ローラとして、弾性層を有するものが多く提案されている。このような現像ローラは、感光ドラムの表面に形成したトナー像を傷めにくく、また、感光ドラムとの当接部において所定量のニップ幅を確保できる。
しかし、弾性層が現像ローラの表面層である場合、現像ローラの表面は粘着性が強くなることがある。現像ローラの表面の粘着性(タック性)が強い場合、搬送している現像剤が現像ローラの表面に強固に付着し、容易には脱離しなくなる。そして、現像ローラの表面に係留する現像剤は、現像ローラと感光ドラムとの間で繰り返し加圧され、徐々に劣化していく。その結果、現像ローラの表面に現像剤が固着してしまう(フィルミング現象が生じる)ことがある。現像ローラの表面のタック性を抑制するために、特許文献1では、現像ローラの表面に無機粒子を付着させ、トナー(現像剤)の離型性を向上させる発明を開示している。
本発明者らの検討によれば、この無機粒子は、現像ローラの表面から容易に離脱してしまい、現像剤の現像ローラ表面への固着の抑制効果を長期に亘って維持させることは困難であった。また、上記特許文献1に記載の発明は、弾性層に不可避的に含まれている低分子量物質の現像ローラ表面へのブリードを抑制することが困難であった。
さらに、特許文献1には、従来の技術として弾性層の表面に樹脂コーティング層を設けることが示されている。また、このようにして設けられた樹脂コーティング層は、可撓性が不十分であったり、弾性層に対する接着性が不十分であったりして、経時的に割れたり、剥れたりする恐れがあったことも示されている。
特開平9−62086号公報
本発明者らは、上記の事情に鑑みて、接触現像に用いる、弾性層を備えた現像ローラにおいては、表面層が以下の機能を有する必要があるとの認識を得るに至った。
1.弾性層からの低分子量物質が表面へのブリードするのを十分に抑制できること。
2.トナー離型性に優れた表面を有していること。
3.低温から高温までの多様な環境の下での弾性層の伸縮によく追従し、剥離や割れが生じにくく、十分な可撓性を有すること。
従って、本発明は、上記の1乃至3の機能を高いレベルで兼ね備えた表面層を有する現像ローラ及びそれの製造方法の提供をすることを課題とする。
また、本発明は、高品位の電子写真画像を安定して形成可能な現像方法、電子写真画像形成装置及び電子写真プロセスカートリッジの提供をすることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく検討した。その結果、特定の酸化ケイ素膜が、上記1〜3の要求を兼ね備えた現像ローラの表面層に好適であることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明に係る現像ローラは、軸芯体、弾性層及び表面層としての被覆層を有する現像ローラであって、
該被覆層は、ケイ素原子と化学結合している炭素原子を含む酸化ケイ素膜を含み、
該酸化ケイ素膜は、
高周波グロー放電発光表面分析法により検出される、ケイ素原子、酸素原子、炭素原子及び水素原子の存在元素数の合計の全検出元素数に対する比率が90%以上であり、
ケイ素原子と化学結合している酸素原子の、ケイ素原子に対する存在比(O/Si)が0.65以上1.95以下であり、
ケイ素原子と化学結合している炭素原子の、ケイ素原子に対する存在比(C/Si)が0.05以上1.65以下であり、
該存在比(C/Si)が該被覆層の深さ方向に変化しており、かつ、
該存在比(C/Si)の該被覆層の厚み方向での最大値と最小値の比が1.5乃至33.0である
ことを特徴とする現像ローラである。
また、本発明に係る現像方法は、現像ローラの表面にトナーを有する現像剤の層を形成した現像ローラにより、該現像剤の層を感光体に押圧し、感光体の表面に現像剤を供給して、トナー画像を形成させる現像方法であって、現像ローラとして、上記の現像ローラを使用することを特徴とする。
本発明に係る電子写真プロセスカートリッジは、トナーを有する現像剤、該現像剤を収容している現像剤容器、現像剤量規制ブレード、感光ドラム及び該感光ドラムに圧接されている現像ローラを有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱自在である電子写真プロセスカートリッジであって、該現像ローラが上記の現像ローラであることを特徴とする。
本発明に係る電子写真画像形成装置は、感光ドラム及び該感光ドラムに対して圧接されている現像ローラを有する電子写真画像形成装置であって、該現像ローラが上記の現像ローラであることを特徴とする。
本発明によれば、弾性層からの低分子量物質の表面へのブリードを有効に抑制でき、トナー離型性に優れた表面を有し、かつ、低温から高温までの多様な環境の下での弾性層の伸縮によく追従し、剥離や割れが生じにくい十分な可撓性を有する表面層を備えた現像ローラを得ることができる。その結果、多様な環境下でも安定して高品質な電子写真画像を形成し得る。
本発明の現像ローラの1例の断面図である。 引張弾性率の測定用試験片の採取方法を示す説明図である。 プラズマCVD法による酸化ケイ素膜の製造装置の模式図である。 本発明の現像ローラを搭載した画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明の現像ローラを搭載したプロセスカートリッジを示す模式図である。 本発明の現像ローラの被覆層の存在比(C/Si)の測定点A及びBを説明する模式図である。
図1は、本発明に係る現像ローラの一例の軸芯体に直交する方向の断面図である。
現像ローラ1は、金属の如き導電性材料で形成されている軸芯体11、その外周面上に形成された弾性層12、及び表面層としての被覆層13を有している。
<軸芯体>
軸芯体11は、本図では円柱状であるが、中空円筒状であってもよく、金属以外の導電性材料で形成されたものであってもよい。
現像ローラ1は、一般的に、電気的なバイアスを印加又は接地されて使用される。そこで、軸芯体11は、支持部材であると共に、導電材として少なくとも表面が導電性であることが必要である。すなわち、軸芯体11は、少なくとも外周面がその上に形成された弾性層12に所定の電圧を印加するに十分な導電性の材質、具体的には、Al、Cu合金、SUSの如き金属又は合金、あるいは、Cr又はNiメッキを施した鉄や合成樹脂で構成されている。電子写真画像形成装置に使用される現像ローラでは、軸芯体11は、通常、外径4mmから10mmの範囲が適当である。
<弾性層>
弾性層は、原料主成分としてゴム又は樹脂(これらを併せて、以下において、「ゴム材料」ということがある)を用いた成型体である。
なお、原料主成分のゴムとして、種々のゴムを用いることができ、具体的には次のものを挙げることができる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ブタジエンゴム(BR)、NBRの水素化物、多硫化ゴム、ウレタンゴム。
また、原料主成分の樹脂としては主に熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には次のものを挙げることができる。ポリエチレン系樹脂(低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)など);ポリプロピレン系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリスチレン系樹脂;ABS樹脂;ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等);フッ素樹脂;ポリアミド樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66、MXD6)。これらのゴム材料は、単独であるいは2種以上を混合して用いられる。
弾性層には適度に低硬度であり十分な変形回復力を持たせることが好ましい。そのために、弾性層の原材料としては液状シリコーンゴム、液状ウレタンゴムを用いることが好ましい。特には加工性が良好で寸法精度の安定性が高く、硬化反応時に反応副生成物が発生しないなどの生産性に優れる理由から、付加反応架橋型液状シリコーンゴムを用いることがより好ましい。
弾性層は、導電剤、充填剤や増量剤、酸化防止剤、加工助剤等を主成分のゴム材料に適宜含有させてもよい。
導電剤としては、イオン導電機構によるイオン導電性物質と、電子導電機構による導電付与剤があり、どちらか一方でもよいが、併用することも可能である。
電子導電機構による導電剤としては、次のものが挙げられる。カーボンブラック、グラファイトの如き炭素系物質;アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅―ニッケル合金の如き金属あるいは合金;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀の如き導電性金属酸化物;各種フィラーに銅、ニッケル又は銀で導電性表面処理を施した物質。
また、イオン導電機構による導電剤としては、次のものが挙げられる。LiCF3SO3、NaClO4、LaClO4、LiAsF6、LiBF4、NaSCN、KSCN、NaClの如き周期律表第1族金属の塩;NH4Cl、(NH42SO4、NH4NO3の如きアンモニウム塩;Ca(ClO42、Ba(ClO42の如き周期律表第2族金属の塩;これらの塩と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き多価アルコールやそれらの誘導体との錯体;これらの塩とエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテルの如きモノオールとの錯体;第4級アンモニウム塩の如き陽イオン性界面活性剤;脂肪族スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩の如き陰イオン性界面活性剤;ベタインの如き両性界面活性剤。これら導電剤は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
これらの中で、カーボンブラック系の導電剤は、比較的安価かつ容易に入手でき、また、原料主成分のゴム材料の種類に依らず、良好な導電性を付与できるため、好ましい。原料主成分のゴム材料中に、微粉末状の導電剤を分散させる手段としては、従来から利用される手段、例えば、ロールニーダー、バンバリーミキサー、又は2軸押し出し機等を、ゴム材料に応じて適宜利用すればよい。
充填剤及び増量剤としては、次のものが挙げられる。シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤。これらの充填剤は表面を有機珪素化合物で処理して疎水化してもよい。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤の如き高分子化合物に対して使用される公知のものを適宜選択して使用できる。
加工助剤としては、公知の材料が使用可能である。具体的には、ステアリン酸、オレイン酸の如き脂肪酸、脂肪酸の金属塩やエステルが使用できる。
シリコーンゴムを主として含む弾性層の形成は、液状シリコーンゴムを主剤として用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンを架橋成分とし、白金系触媒を用いて、ゴム成分相互の架橋を図ることで達成できる。
なお、感光ドラムと圧接して、ニップ幅を確保し、加えて圧縮永久歪(セット)を小さくするためには、弾性層の厚さは、好ましくは、0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上とするのが良い。また、弾性層の厚さの上限は、作製される現像ローラの外径精度を損なわない限り、特にない。しかしながら、弾性層の厚さを過度に厚くすると、現像ローラと感光体やトナー量規制ブレードと長時間圧接させたまま放置した際に、圧接箇所の変形が大きくなり、セットが発生しやすくなることがある。したがって、実用上、弾性層の厚さは6.0mm以下とするのが適当であり、5.0mm以下がより好ましい。なお、弾性層の厚さは、必要なニップ幅を達成するため、その硬さに応じて、適宜決定される。
弾性層の成形は、従来から知られている押出成形法、射出成形法によって可能であり、特に限定されない。層構成としても本発明に記載された特徴を有すれば、特に限定されず、2層以上の構成とすることもできる。
また、弾性層の引張弾性率は、図2に従って作成したローラ半周分の被覆層と弾性層の積層体で測定した引張弾性率が、1.0MPa以上100.0MPa以下が好ましく、1.0MPa以上30.0MPa以下がより好ましい。該引張弾性率を上記数値範囲内とすることで、圧接永久歪が発生しにくくなる。また、現像ローラと圧接部材とが接するニップ幅が小さくなり過ぎないため、圧接間を通過するトナーに過度に高い圧力が加わることがなく、トナーの弾性ローラへ固着、フィルミングを効果的に抑制できる。
本発明における引張弾性率は、JIS−K7113:1995に記載された方法に準じて測定される。なお、本発明においては、図2に示すように、長さ100mmでローラ半周分であるサンプルを現像ローラ1から切り取って、試験片40とする。
測定には、万能引張試験機(商品名:テンシロンRTC−1250A、株式会社オリエンテック製)を使用し、測定環境を、温度20±3℃/湿度60±10%RHとする。なお、測定は、試験片の両端各10mmをチャックに取り付け、チャック間長さ80mm、測定速度20mm/minで行う。5個の試料で測定を繰り返し、その平均値を当該試験片の引張弾性率とする。
<被覆層>
表面層としての被覆層は、ケイ素原子と化学結合している炭素原子を含む酸化ケイ素膜を含む。そして、該酸化ケイ素膜は、高周波グロー放電発光表面分析法により検出される、ケイ素原子、酸素原子、炭素原子及び水素原子の存在元素数の合計が、全検出元素数の90%以上である。
ケイ素原子と化学結合している炭素原子を含む酸化ケイ素膜中のケイ素原子、酸素原子、炭素原子及び水素原子の存在元素数の合計が全検出元素の90%未満である場合、酸化ケイ素が膜化しにくく、弾性層表面に酸化ケイ素が島状に点在した状態となりやすくなる。このような状態では、弾性層に含まれる低分子量物質の現像ローラ表面へのブリードの抑制が困難である。
酸化ケイ素膜に含まれる、軽元素を含む全元素の数は、高周波グロー放電発光表面分析法により測定したものである。その測定に使用できる装置としては、グロー放電発光分析装置GD−PROFILER2型GD−OES(商品名、株式会社堀場製作所製)がある。本発明においては上記のグロー放電発光分析装置を用いて、下記の条件にて測定した。
測定モード :パルススパッタ
アノード径(分析面積):直径4mm
放電電力 :35W
Arガス圧 :600Pa
本発明に係る酸化ケイ素膜は、ケイ素原子と化学結合している酸素原子の、ケイ素原子に対する存在比(O/Si)は0.65以上1.95以下である。また、ケイ素原子と化学結合している炭素原子の、ケイ素原子に対する存在比(C/Si)は0.05以上1.65以下である。
一般に酸化ケイ素膜は、ケイ素原子と酸素原子との化学結合(Si−O結合)が強固に結合し、緻密な網目構造を有するため、非常に硬い膜となる。このような酸化ケイ素の膜中に、Si−O結合よりも結合エネルギーが弱いSi−C結合を導入することによって酸化ケイ素の膜を柔軟化できる。すなわち、酸化ケイ素膜中のSi−O結合の相対的な量が減少すると、酸化ケイ素膜の硬度が低下できる。
そのため、ケイ素原子と化学結合を形成している酸素原子の、ケイ素原子に対する存在比(O/Si)(以下、「(O/Si)」と略す)が0.65より小さいと酸化ケイ素膜中のSi−O結合の量の低下により酸化ケイ素膜の耐磨耗性が低下する。(O/Si)が1.95より大きい場合、被覆層中のSi−O結合が多くて、硬度が増し、酸化ケイ素膜の柔軟性が損なわれやすい。そのため酸化ケイ素膜の応力によりクラックが生じることがある。このようなクラックは、電子写真画像にスジ等の欠陥を生じさせることがある。
ケイ素原子と化学結合を形成している炭素原子の、ケイ素原子に対する存在比(C/Si)(以下、「(C/Si)」と略す)が0.05より小さい場合、酸化ケイ素膜が硬くなる。そのため、感光体やトナー量規制ブレードの如き圧接部材と圧接させると酸化ケイ素膜にはひび割れが発生し易くなる。また(C/Si)が1.65超では酸化ケイ素膜の弾性層への密着性が低下しやすい。
酸化ケイ素膜と弾性層との密着性は、弾性層の表面に存在する水酸基と酸化ケイ素膜中の酸素原子との分子間力に由来するものと考えられる。そのため、(C/Si)が1.65超の酸化ケイ素中では、ケイ素原子と結合している酸素原子の量が低下することとなり、密着力が低下すると考えられる。
また、本発明に係る酸化ケイ素膜は、(C/Si)の該酸化ケイ素膜の厚み方向での最大値と最小値の比(最大値/最小値)が1.5乃至33.0である。
このように被覆層におけるC/Siを深さ方向に変化させることで、酸化ケイ素膜中の応力を緩和させることができ、弾性層が多様な環境下で大きく伸縮した場合にも、当該被覆層へのクラックの発生を効果的に抑制できる。
ここで、(C/Si)の被覆層厚み方向での(最大値/最小値)が1.5倍より小さい場合、被覆層中の組成が厚み方向でほぼ均一となるために、酸化ケイ素膜中の引張応力が緩和されにくい。そのため高温高湿環境の如き苛酷な環境下で、弾性層が大きく伸びた場合には、被覆層が弾性層の伸びに追従できず、現像ローラ表面にクラックが発生することがある。
一方、(C/Si)の酸化ケイ素膜の厚み方向での(最大値/最小値)が33.0倍より大きい場合、被覆層を構成する酸化ケイ素中の(C/Si)が、最大値、最小値或いはその両方で、0.05乃至1.65という数値範囲を超えてしまうこととなる。すなわち、酸化ケイ素膜が硬質化してクラックが発生したり、酸化ケイ素中のSi−O結合の低下により酸化ケイ素膜と弾性層との密着力が低下したりする。
本発明で、(C/Si)の被覆層厚み方向での最大値と最小値とは、被覆層最表面から、被覆層の層厚の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%ごと深さでそれぞれ測定した(C/Si)値の最大値と最小値のことである。
被覆層の層厚は、30nm以上5000nm以下であることが好ましく、300nm以上3000nm以下であることがより好ましい。被覆層の層厚を上記の数値範囲内とすることで、現像ローラの耐久性が良好となる。また、感光体やトナー規制ブレードの如き圧接部材と圧接した際にも、被覆層にひび割れ等が生じることを効果的に抑制できる。
なお、形成された炭素を含有する酸化ケイ素膜層厚Xは、現像ローラの長手方向を端部より等間隔に3箇所、かつ周方向に等間隔に3箇所の合計9箇所を測定し、得られた値の平均値である。なお、測定には、薄膜測定装置((商品名、F20−EXR(商品名、フィルメトリクス(FILMETRICS)社製)を用い、測定時における炭素を含む酸化ケイ素膜の屈折率を1.42と設定した。
上記の如き構成を有している酸化ケイ素膜は、柔軟性に富むため、弾性層自体の環境変動に伴う伸縮による形状変化によく追従する。そして、該酸化ケイ素膜は、弾性層の形状変化に追従したときにもひび割れが生じにくい。そのため、ひび割れに起因する低分子量物質の染み出しも抑制できる。
酸化ケイ素膜からなる被覆層の最表面から深さ10nmの位置での(C/Si)の値をAとし、当該被覆層の層厚をXとしたときの、当該被覆層の最表面から深さ(X−10)nmの位置での(C/Si)の値をBとしたとき、A及びBは、それぞれ下記式(1)、式(2)を満たしていることが好ましい。なお、この被覆層の(C/Si)のA及びBの測定点の説明図を図6に示した。
式(1):0.90<A≦1.65
式(2):0.05≦B≦0.90
上記Aに関して、被覆層の表面近傍の(C/Si)が0.90超1.65以下であると、現像ローラ表面が粘着性を有することが効果的に抑制できている。その結果、現像ローラの表面へのトナーのフィルミングの発生を抑制でき、かつ、現像剤に対する良好な摩擦帯電性能を長期にわたって維持することができる。
上記Bに関して、被覆層の弾性層近傍の(C/Si)が0.05以上0.90以下であることによって、被覆層と弾性層との密着性がより強固となる。これは、被覆層の弾性層に近い領域における、弾性層との密着性向上に寄与する酸素原子の存在量が確保されているためであると考えられる。
酸化ケイ素膜中の(O/Si)、(C/Si)及び、酸素原子とケイ素原子の化学結合状態及び炭素原子とケイ素原子との化学結合状態については、X線光電子分光法により測定できる。
X線光電子分光法による測定装置としては市販の装置が支障なく使用できる。例えば、 アルバック・ファイ株式会社製のX線光電子分光装置(商品名:Quantum2000)がある。この装置では、軽元素を除く全元素の存在比を測定することが可能である。そこで、X線源をAlKαとして、被覆層13の表面におけるSiの2p軌道、O及びCの1s軌道の結合エネルギーに起因するピークを測定する。それぞれのピークから各原子の化学結合状態、及び各元素の存在数を算出し、得られた数から存在比(O/Si)及び(C/Si)を求める。
また、上記グロー放電発光分析装置とX線光電子分光装置は、被覆層を表面からArプラズマによりスパッタリングしながら測定できる。そのため、被覆層の深さ方向での測定が可能である。
酸化ケイ素膜は、Si、O、C及びH以外の元素を含有していてもよい。例えば、酸化ケイ素膜の安定性の向上のために、窒素原子及びフッ素原子から選ばれる少なくとも一方を含有することがより好ましい。
被覆層の弾性層上への形成方法としては、次の方法が挙げられる。ディップコート、スプレーコート、ロールコート、リングコートの如き湿式コート法;真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングの如き物理的気相成長(PVD)法;プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDの如き化学的気相成長(CVD)法。
中でも、特に、弾性層と被覆層(酸化ケイ素の被膜)との密着性が高く、処理時間の短縮及び低処理温度、装置の簡便性、得られる被覆層の均一性を考慮すると、プラズマCVD法がより好ましい。
以下に、プラズマCVD法による酸化ケイ素膜の形成方法の1例を示す。図3は、このプラズマCVD法による酸化ケイ素膜を形成する装置の説明図である。
本装置は、真空チャンバ41、平行に置かれた平板電極42、原料ガスボンベ及び原料液体タンク43、原料供給手段44、チャンバ内のガス排気手段45、高周波を供給する高周波供給電源46及び弾性ローラ48を回転するモータ47により構成されている。
図3に示した装置を用いて、以下のような手順により炭素を含有する酸化ケイ素膜からなる被覆層を有する現像ローラを製造することができる。
手順(1):平板電極42の間に軸芯体上に弾性層が形成された弾性ローラ48を設置し、形成される炭素を含有する酸化ケイ素の被膜が均一となるように、モータ47を駆動させて周方向に回転させる。
手順(2):排気手段により、真空チャンバ41内を1Pa以下にする。
手順(3):原料ガス導入口より原料ガスを導入し、平板電極42に高周波供給電源46により高周波電力を供給し、プラズマを発生させ、成膜を行う。
手順(4):所定時間経過した後、原料ガス及び高周波電力供給を停止し、真空チャンバ41内に空気又は窒素を大気圧まで導入(リーク)し、被覆層が形成された弾性ローラ48を取り出す。
以上のような手順により本発明の被覆層(酸化ケイ素膜)を有する現像ローラを製造することが可能である。なお、プラズマCVD処理される弾性ローラ48は、均一なプラズマ雰囲気下に置けるのであれば多数本を同時に処理してもよい。
ここで、原料ガスとして、通常、ガス状の又はガス状化した有機ケイ素化合物を、必要により炭化水素化合物とともに、不活性ガス、酸化性ガスの如き気体の共存下あるいは不存在下に導入する。
なお、有機ケイ素化合物としては、次のものが挙げられる。1、1、3、3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン。取扱いの容易性から、1、1、3、3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン及びテトラメチルシランが好ましい。
Si源としては、上記有機ケイ素化合物のほかに、シラン、アミノシラン及びシラザンも用いることができる。
なお、有機ケイ素化合物等がガス状であればそのまま使用し、常温で液体であれば加熱し気化させて不活性ガスにより搬送して、あるいは、不活性ガスにてバブリングして搬送して用いる。さらに常温で固体のものでは、加熱して気化させ、不活性ガスにより搬送して用いる。また、原料物質を減圧状態において、気化を促進させても良い。
なお、上記原料ガスとともに、又は原料ガスに加えて、真空チャンバ内へ、窒素含有ガス(N2O、N2、アンモニア)あるいは、酸素含有ガス(酸素、CO2、CO)を導入することも可能である。また、上記で使用できる不活性ガスとして、ヘリウム、アルゴンの如きガスが挙げられる。
酸化ケイ素膜中に存在するSi、O、C及びHの元素数の全元素数に対する比率のコントロールは、導入する原料ガスの配合比、導入時の流量、供給する高周波電力により行うことが可能である。
また、酸化ケイ素膜の厚さ方向での(C/Si)も、成膜工程における原料ガスの配合比、真空チャンバへの原料ガスの導入時の原料ガスの流量、供給する高周波電力を変化させることにより可能である。具体的には、例えば、原料ガスとして、前記した有機ケイ素化合物と酸素ガスとの混合物を用いる場合、成膜中に、有機ケイ素化合物に対する酸素ガスの比率(体積比)を低下させることにより、酸化ケイ素膜の表面側の(C/Si)を増加させることができる。
また、湿式法により酸化ケイ素膜からなる被覆層を製造するには、無機高分子前駆体溶液と水酸基を有する高分子溶液の混合物を、弾性層上に均一に塗布した後、加熱、紫外線照射の如き硬化手段を適用することができる。ここで、酸化ケイ素膜用の原料混合物を弾性層上に塗布する前に、弾性層表面に、該混合物が上手く塗布できるように、紫外線照射や電子線照射、あるいはプラズマ処理の如き活性化処理を施しても良い。
本発明に係る現像ローラは、複写機、ファクシミリ、プリンタの如き画像形成装置に現像ローラとして、また、プロセスカートリッジタイプの画像形成装置においてはプロセスカートリッジの現像ローラとして有用である。さらに、本発明の現像ローラは、その表面にトナーを有する現像剤の薄層を形成した現像ローラの現像剤層を感光体に押圧して、感光体の表面に現像剤を供給して、トナー画像を形成させる現像方法の現像ローラとして有用である。
本発明に係る現像ローラを搭載したカラー電子写真画像形成装置の一例を図4に示した。
図4に示したカラー電子写真画像形成装置は、イエローY、マゼンダM、シアンC及びブラックBKの色トナー毎に設けられた画像形成部10a乃至10dをタンデム形式で有している。該画像形成部10a、10b、10c及び10dは、基本的に同じ構成を有する。画像形成部10a乃至10dには、矢印方向に回転する潜像担持体としての感光体21が設けられている。その周囲には、感光体21を一様に帯電するための帯電ローラ26、一様に帯電した感光体21にレーザー光25を照射して静電潜像を形成する露光手段、静電潜像を形成した感光体21に現像剤を供給し静電潜像を現像する現像装置22が設けられている。更に、感光体21上のトナー画像を、給紙ローラ37により供給され搬送ベルト34によって搬送される紙の如き記録媒体(転写材)36の裏面からバイアス電源32を印加して記録媒体36上に転写する転写ローラ31を有する転写部材が設けられている。搬送ベルト34は、駆動ローラ30、従動ローラ35及びテンションローラ33に懸架され、各画像形成部で形成されたトナー像を記録媒体36上に順次重畳して転写するように、画像形成部と同期して移動して記録媒体36を搬送するよう制御されている。なお、記録媒体36は、搬送ベルト34にさしかかる直前に設けられた吸着ローラ38の働きにより、搬送ベルト34に静電的に吸着されて、搬送されるようになっている。
感光体21と現像ローラ1は所定の当接圧で接触して配置されており、それらは感光体21と現像ローラ1の接触箇所において同方向に回転している。なお、現像ローラ1は、感光体21と非接触形態で用いることも可能であり、その際には感光体に所定の空隙をもって設けられている。
更に、記録媒体36上に重畳転写したトナー画像は、定着装置29により定着された後、不図示の搬送装置により電子写真画像形成装置の外に排出される。なお、記録媒体36は剥離装置39の働きにより搬送ベルト34から剥がされて定着装置29に送られるようになっている。
画像形成部10には感光体21上に転写されずに残存する転写残トナーを除去するクリーニングブレード28を有するクリーニング部材と、感光体から掻き取られた現像剤を収納する廃現像剤容器27とが設けられている。クリーニングされた感光体21は画像形成可能となって次の画像形成に待機するようになっている。
なお、現像装置22のみ、もしくは感光体21、帯電部材26、現像装置22、クリーニングブレード28及び廃現像剤容器27を一体として、電子写真装置本体に着脱自在である、着脱式のプロセスカートリッジとすることも可能である。
上記画像形成部10に設けられる現像装置22には、現像剤23を収容した現像剤容器24と、現像剤容器の開口を閉塞するように設置され、現像剤容器から露出した部分で感光体と対向する現像ローラ1が設けられている。現像剤容器24内には、現像ローラ1に当接し現像ローラ1に現像剤を供給するローラ状の現像剤塗布部材7と、現像ローラ1に供給した現像剤を薄膜状に形成すると共に、摩擦帯電を行う現像剤量規制ブレード9が設けられている。
現像剤塗布部材7としては、例えば、軸芯体上に、発泡スポンジ体やポリウレタンフォームを設けたものや、レーヨン又はポリアミドのような繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ1上の残留現像剤を除去する点から好ましい。この現像剤塗布部材7は現像ローラ1と適切な当接幅を有して配置することが好ましく、また、現像ローラ1に対してその当接部において逆方向に回転することが好ましい。
本発明に係るプロセスカートリッジは、上記したように、電子写真装置本体に脱着可能であり、上記の現像ローラを具備するものである。なお、単色の画像形成装置用のプロセスカートリッジについて、図5にその一例の模式図を示す。
現像ローラ1は感光体21及び現像剤塗布部材7に接する状態で装着されている。現像剤容器24に入れられた現像剤23は、現像剤塗布部材7によって現像ローラ1に供給することができる。このときその量は現像剤量規制ブレード9で調整される。一方、帯電部材26で帯電された感光体21上にレーザー光25により静電潜像が形成され、該静電潜像は、現像ローラ1に担持搬送されたトナーにより顕像化され、トナー画像とされる。この感光体21のトナー画像は紙の如き記録媒体上に転写される。そして、感光体21上に残った現像剤は、クリーニングブレード28によって掻き取られ、廃現像剤容器27に掻き落とされる構造となっている。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
また、使用した試薬は、下記する他、特に明記しない限り、純度99.5%以上のものである。
1)弾性層用ゴム原料
・液状シリコーンゴム:両末端ビニル基のジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.15質量%)と両末端Si−H基のジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Si原子に結合するH含有量0.30%)を使用。なお、硬化触媒として塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体(0.5質量%)を使用した。
・オレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名、AESジャパン株式会社製)
・オレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−45」(商品名、AESジャパン株式会社製)
・LDPE「ノバテックLD LJ902」(商品名、日本ポリエチレン株式会社製)
・LDPE「ノバテックLD LJ802」(商品名、日本ポリエチレン株式会社製)
・EVA「エバフレックス EV45LX」(商品名、三井・デュポンポリケミカル株式会社製)
2)弾性層用その他成分
・石英粉末:「Min−USil」(商品名、Pennsylvania Glass Sand社製)
・カーボンブラック:「デンカブラック」(商品名、電気化学工業株式会社製、粉状品)
・MTカーボンブラック:「サーマックスフローフォームN990」(商品名、CANCAB社製)
製造例1(弾性ローラ1の製造)
両末端ビニル基のジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.15質量%)100質量部に、充填剤として石英粉末7質量部及びカーボンブラック10質量部を配合し、プラネタリーミキサーを用いて混合脱泡し、液状シリコーンゴムのベース材料とした。このベース材料に、硬化触媒として塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を0.5質量部配合し、A液とした。また、前記ベース材料に、両末端Si−H基のジメチルシロキサン−メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Si原子に結合するH含有量0.30%)1.5質量部を配合し、B液とした。
一方、円筒形金型の中心部に、表面をプライマー処理した直径6mm、長さ250mmのSUM材製円柱状軸芯体を配置したものを用意した。この金型に、上記A液、B液をスタティックミキサーにより質量比1:1で混合したものを注入し、温度130℃で20分間、加熱硬化し、脱型を行った。その後、温度200℃の恒温槽中で4時間加熱して、長さ240mm、厚み3mmの弾性層を有する弾性ローラ1を得た。
製造例2(弾性ローラ2の製造)
ポリオレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名)100質量部及びMTカーボンブラック40質量部を直径φ30mm、L/D32の2軸押出機にてペレット化して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を、クロスヘッド押出成形して、軸芯体(直径6mm、長さ250mm)上に樹脂層を形成した。この樹脂層の端部を切断し、さらに樹脂層部分を回転砥石で研磨して、長さ240mm、厚み3mmの弾性層を有する弾性ローラ2を得た。
製造例3(弾性ローラ3の製造)
ポリオレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名)に代えて、オレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−45」(商品名)を用いる他は製造例2と同様にして弾性ローラ3を得た。
製造例4(弾性ローラ4の製造)
ポリオレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名)に代えて、LDPE「ノバテックLD LJ902」(商品名)を用いる他は製造例2と同様にして弾性ローラ4を得た。
製造例5(弾性ローラ5の製造)
ポリオレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名)に代えて、LDPE「ノバテックLD LJ802」(商品名)を用いる他は製造例2と同様にして弾性ローラ5を得た。
製造例6(弾性ローラ6の製造)
ポリオレフィン系エラストマー「サントプレーン8211−25」(商品名)に代えて、EVA「エバフレックス EV45LX」(商品名)を用いる他は製造例2と同様にして弾性ローラ6を得た。
<実施例1>
製造例1の弾性ローラ1を図3に示したプラズマCVD装置の真空チャンバ41内に設置した後、真空ポンプを用いて真空チャンバ41内を1Paまで減圧にした。
(第1成膜工程)
次いで、原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm及び酸素300sccmの混合ガスを真空チャンバ内に導入し、真空チャンバ内の圧力が55Paになるように調整した。圧力が一定になった後、高周波電源46より、周波数13.56MHz、70Wの電力を平板電極42に供給し、平板電極42間にプラズマを発生させた。真空チャンバ内の弾性ローラ1は10rpmで回転させて、218秒間処理した。
(第2成膜工程)
次いで、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及び酸素30sccmの混合ガスを真空チャンバ内へ導入し、真空チャンバ内の圧力が13Paになるように調整した。圧力が一定になった後、高周波電源46より、周波数13.56MHz、200Wの電力を平板電極42に供給し、平板電極42間にプラズマを発生させた。真空チャンバ内の弾性ローラ1を10rpmで回転させて、410秒間処理した。
処理終了後電力供給を停止し、真空チャンバ内に残留している原料ガスを排気し、空気を真空チャンバ内に大気圧になるまで導入した。その後、被覆層が形成された現像ローラを取り出した。
得られた現像ローラの被覆層の層厚を、薄膜測定装置「F20−EXR」(商品名)を用いて測定した。
次に現像ローラの表面を高周波グロー放電発光表面分析法により、グロー放電発光分析装置(商品名:GD−PROFILER2型GD−OES)を用いて、存在元素及びその数を測定し、検出全元素に対するSi、O、C及びHの存在元素数の合計の比を求めた。
また、X線光電子分光法により、X線光電子分光装置(商品名:Quantum2000)を用い、被覆層厚み方向での(C/Si)、(O/Si)の値を測定し、各々の最大値、最小値を求めた。また、現像ローラから図2に従って作製した長さ100mmのローラ半周分の試験片を用いて被覆層を有する弾性層の引張弾性率を測定した。それらの結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm、真空チャンバ内圧力3Pa及び処理時間2272秒間とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm、酸素250sccmとし、真空チャンバ内の圧力を46Paとし、処理時間756秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程の条件を、ヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm、真空チャンバ内圧力3Paとなるように導入し、電力を70W、処理時間を2200秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1の第1成膜工程において、処理時間を207秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程の条件において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccmとトルエン蒸気10sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力6Paとなるように導入し、電力70W、処理時間を1200秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気15sccm、真空チャンバ内圧力6Pa、及び処理時間750秒間とした。それ以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm、酸素300sccmとし、真空チャンバ内の圧力を54Paとし、電力250W及び処理時間500秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm、真空チャンバ内圧力7Pa、電力150W及び750秒間処理した。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1の第1成膜工程において、処理時間を5秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、処理時間を8秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例1の第1成膜工程において、処理時間を725秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、処理時間を1360秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表2に示す。
<実施例9>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm、真空チャンバ内圧力7Paとし、電力150W、処理時間を750秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm及び酸素200sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力54Paになるように調整し、250W/500秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表2に示す。
<実施例10>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気3sccm、真空チャンバ内圧力3Paとし、電力250W600秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm、真空チャンバ内圧力7Pa、電力150W及び500秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表2に示す。
<実施例11>
成膜工程を以下のように3段階とした以外は、実施例1と同様にして現像ローラを製造した。
(第1成膜工程)
原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm及びトルエン蒸気5sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力が5Paになるように導入した。圧力が一定になった後、周波数13.56MHz、70Wの電力を供給し、電極間にプラズマを発生させ、弾性ローラ1を10rpmで回転させて、900秒間処理した。
(第2成膜工程)
次に、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm及びトルエン蒸気10sccmの混合ガスを真空チャンバの圧力が5Paになるように導入した。圧力が一定になった後、周波数13.56MHz、70Wの電力を平板電極に供給し、電極間にプラズマを発生させ、弾性ローラ1を10rpmで回転させて、900秒間処理した。
(第3成膜工程)
最後に、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及びトルエン蒸気30sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力が13Paになるように導入した。圧力が一定になった後、周波数13.56MHz、200Wの電力を平板電極に供給し、電極間にプラズマを発生させ、弾性ローラ1を10rpmで回転させて、300秒間処理した。その後、真空チャンバより、被覆層が形成された現像ローラを取り出した。得られた現像ローラを実施例1と同様にして測定した。結果を表2に示す。
<実施例12>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccm及び酸素200sccmの混合ガスを真空チャンバ内の圧力39Paになるように導入し、電力200W、処理時間を204秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気8sccmを真空チャンバ内の圧力4Paになるように導入し、電力200W、処理時間を1120秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表2に示す。
<実施例13>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及び酸素100sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力27Paになるように導入し、電力200W、処理時間を105秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気10sccmを真空チャンバ内圧力が6Paになるように導入し、電力70W、処理時間を2143秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表2に示す。
<実施例14>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm及び酸素250sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力が46Paになるように導入し、処理時間を750秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及び酸素50sccmの混合ガスを真空チャンバ内圧力が15Paになるように導入し、電力30W、処理時間を904秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表2に示す。
<実施例15>
実施例1の第1成膜工程において、処理時間を45秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、処理時間を80秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表3に示す。
<実施例16>
実施例1の第1成膜工程において、処理時間を430秒間とした。また、実施例1の第2の成膜工程において、処理時間を820秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表3に示す。
<実施例17乃至21>
弾性ローラを、それぞれ製造例2乃至6で作製した弾性ローラ2乃至6とした以外は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、以下、実施例1と同様の測定をした。結果を表3に示す。
<比較例1>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気20sccm及び酸素100sccmの混合ガスを空チャンバ内の圧力27Paになるように導入し、電力200W、処理時間を105秒間とした。それ以外は、実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表4に示す。
<比較例2>
実施例1の第1成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気5sccm及び酸素250sccmの混合ガスを真空チャンバ内の圧力46Paになるように導入し、750秒間とした。また、実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気30sccmを真空チャンバ内圧力が9Paになるように導入し、電力70W、処理時間を449秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表4に示す。
<比較例3>
実施例1の第1成膜工程において、真空チャンバ内圧力72Paとし、電力150W、処理時間を200秒とした。また、実施例1の第2成膜工程において、真空チャンバ内圧力12Paとした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表4に示す。
<比較例4>
実施例1の第2成膜工程において、ヘキサメチルジシロキサン蒸気30sccmを真空チャンバ内圧力6Paになるように導入し、処理時間を300秒間とした。その他は実施例1と同様にして現像ローラを製造し、実施例1と同様の測定をした。結果を表4に示す。
Figure 0005517522
Figure 0005517522
Figure 0005517522
Figure 0005517522
<現像ローラの評価>
上記実施例、比較例で得た現像ローラを、電子写真式レーザープリンタ(商品名、Color Laser Jet3600、ヒューレット・パッカード(Hewlett−Packard)社製)の電子写真プロセスカートリッジに現像ローラとして組み込んだ。このカートリッジを温度10℃、湿度30%RHの環境に12時間放置し、その後、温度25℃、湿度70%RHの環境に8時間放置した。更にその後、温度40℃、湿度95%RHの環境に12時間放置し、再び温度25℃、湿度70%RHの環境に8時間放置した。
この電子写真カートリッジを上記電子写真式レーザープリンタに装填し、温度30℃、湿度80%RHの環境下で電子写真画像を出力した。この電子写真式レーザープリンタは、A4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピード16ppmのものである。また、現像ローラのトナー規制部材への圧接圧力及び進入量は、現像ローラ上のトナー担持量が0.35mg/cm2となるようにした。
画像形成にはブラックトナーを用い、画像としては、まず、最初にベタ黒画像(第1のベタ黒画像)を形成し、次いで、「マクベス反射濃度計RD−918」(商品名、マクベス社製)測定による濃度0.7のハーフトーン画像を形成した。引き続いて、1%印字物を6000枚出力した後、再び黒ベタ画像(第2のベタ黒画像)を形成し、最後にベタ白画像を形成した。
こうして得た第1のベタ黒画像、ハーフトーン画像、第2のベタ黒画像及びベタ白画像について、カブリ及び濃度ムラを評価した。また、ベタ白画像の出力後の現像ローラの表面を観察し、被覆層のひび割れ、フィルミングの状況及び被覆層の耐久性(剥離)についても評価した。
(被覆層のひび割れ)
第1のベタ黒画像及びハーフトーン画像について、現像ローラ被覆層のひび割れに起因するスジを目視により確認し、下記基準で判断した。
A:スジが見当たらない。
B:スジが見られるものの、画像にはひび割れに起因するスジは見られない。
C:スジが見られ、画像にもひび割れに起因するスジが見られる。
(非印字部のトナー付着−カブリ)
ベタ白画像を、フォトボルト反射濃度計「TC−6DS/A」(商品名、東京電色株式会社製)で反射濃度を測定し、非印字部分との差をカブリ(%)とし、下記基準で評価した。
A:1.5%未満。
B:1.5%以上3.0%未満。
C:3.0%以上。
(印字部の濃度ムラ)
第1のベタ黒画像及びハーフトーン画像について、濃度ムラを目視により観察し、下記基準で評価した。なお、濃度ムラはハーフトーン画像で最も見やすく、ベタ黒画像でも比較的見やすい。
A:いずれの画像でも肉眼では確認されず良好である。
B:ハーフトーン画像に濃度ムラが見られるが、ベタ黒画像には濃度ムラが見られない。
C:いずれの画像にも濃度ムラが見られる。
(被覆層の耐久性)
ベタ白画像の出力終了後、現像ローラの表面をデジタルマイクロスコープ「VH―8000」(商品名、株式会社キーエンス製)にて観察し、被覆層に剥離が見られるか否かを確認し、下記基準で判断した。
A:被覆層に剥離が見られない。
B:被覆層に剥離が若干見られるが、軽微である。
C:被覆層に剥離が明らかにある。
(現像ローラ表面のトナー融着−フィルミング)
ベタ白画像の出力終了後に、現像ローラの表面を観察し、現像ローラ表面へのトナーの融着(いわゆるフィルミング)の発生状況と、ベタ白画像の観察から、フィルミングを下記基準で評価した。
A:現像ローラ上にフィルミングは見られない。
B:ベタ白画像に問題がないが、現像ローラ上に軽微なフィルミングが発生している。
C:現像ローラ上にフィルミングが見られ、その影響がベタ白画像にもやや発生している。
さらに、実施例、比較例で得た現像ローラについて、以下の特性試験も行った。
(現像ローラのセット及び染み出し)
現像ローラがトナー規制部材と圧接していることから生じるセット及び弾性体からの低分子量物質の染み出しについて、下記のようにして試験した。
実施例、比較例で作成した各現像ローラの新品を上記の電子写真式レーザープリンタ用の電子写真プロセスカートリッジに組み込み、現像ローラと、トナー規制部材及び感光ドラムとを圧接させたまま温度40℃、湿度95%RHの環境下で30日間放置した。その後、この電子写真プロセスカートリッジを上記のレーザープリンタに組み込み、ベタ黒画像及びハーフトーン画像を出力した。得られたベタ黒画像及びハーフトーン画像を目視にて観察し、弾性層からの染み出し物が感光ドラムに付着したことによる電子写真画像への不具合の発生の有無、及びその程度を下記基準に基づき評価した。
A:染み出し物に基づく画像の不具合は見られない。
B:染み出し物に基づく画像の不具合は見られるが、問題がない程度である。
C:染み出し物に基づく画像の不具合が観察される。
上記の現像ローラの評価結果を表5に示す。
Figure 0005517522
1 現像ローラ
11 軸芯体
12 弾性層
13 被覆層

Claims (6)

  1. 軸芯体、弾性層及び表面層としての被覆層を有する現像ローラであって、
    該被覆層は、ケイ素原子と化学結合している炭素原子を含む酸化ケイ素膜を含み、
    該酸化ケイ素膜は、
    高周波グロー放電発光表面分析法により検出される、ケイ素原子、酸素原子、炭素原子及び水素原子の存在元素数の合計の全検出元素数に対する比率が90%以上であり、
    ケイ素原子と化学結合している酸素原子の、ケイ素原子に対する存在比(O/Si)が0.65以上1.95以下であり、
    ケイ素原子と化学結合している炭素原子の、ケイ素原子に対する存在比(C/Si)が0.05以上1.65以下であり、
    該存在比(C/Si)が該被覆層の深さ方向に変化しており、かつ、該存在比(C/Si)の該被覆層の厚み方向での最大値と最小値の比が1.5乃至33.0である
    ことを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記被覆層の表面から10nmの位置における前記存在比(C/Si)の値をAとし、前記被覆層の層厚をXとしたときに、該被覆層の表面から(X−10)nmの位置における前記存在比(C/Si)の値をBとしたとき、下記の式(1)及び(2)を満たしている請求項1に記載の現像ローラ。
    式(1):0.90<A≦1.65
    式(2):0.05≦B≦0.90
  3. 前記被覆層の厚さが30nm以上5000nm以下である請求項1又は2に記載の現像ローラ。
  4. 現像ローラの表面に、トナーを有する現像剤の層を形成し、該現像剤の層を感光体に押圧して、該感光体の表面に該現像剤を供給して、トナー画像を形成させる工程を含む現像方法であって、
    該現像ローラが、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像ローラであることを特徴とする現像方法。
  5. 電子写真画像形成装置の本体に着脱自在である電子写真プロセスカートリッジであって、
    該電子写真プロセスカートリッジは、トナーを有する現像剤、該現像剤を収容している現像剤容器、現像剤量規制ブレード、感光体及び該感光体に圧接されている現像ローラを有しており、
    該現像ローラが、請求項1〜3の何れかに一項に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  6. 感光体と、該感光体に対して圧接されている現像ローラとを有している電子写真画像形成装置であって、
    該現像ローラが請求項1〜3の何れかに1項に記載の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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