JPH0962086A - 現像ローラ - Google Patents

現像ローラ

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Publication number
JPH0962086A
JPH0962086A JP24383195A JP24383195A JPH0962086A JP H0962086 A JPH0962086 A JP H0962086A JP 24383195 A JP24383195 A JP 24383195A JP 24383195 A JP24383195 A JP 24383195A JP H0962086 A JPH0962086 A JP H0962086A
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JP
Japan
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elastic body
developing roller
particles
toner
polyamide resin
Prior art date
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Application number
JP24383195A
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English (en)
Inventor
Atsushi Ota
温 太田
Takayuki Yoshii
孝之 吉井
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適正な硬度を維持し、圧縮永久歪を出来るだ
け小さくしたりする機械的特性の改善を図ると共に、簡
単な構成でトナーを良好に帯電させることができ、かつ
表面にトナーフィルミングが形成されない現像ローラを
提供することである。 【解決手段】 現像ローラ1は、芯軸上に固定された弾
性体4の表面に、トナーを帯電させる特性と、トナーに
対する離型性を良くする特性を有した粒子9を分散点在
させたものから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現像用のトナーを
担持して搬送する現像ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ或いはファクシミリな
どの画像形成装置において、像担持体に静電潜像を形成
するものでは、その静電潜像を現像装置によってトナー
像として可視像化している。この種の現像装置で、像担
持体に接触して回転する現像ローラを用いるものが知ら
れているが、かかる現像ローラに求められる特性として
は次に示すものを挙げることができる。
【0003】(1)像担持体上に形成される画像を傷め
ないようにしたり、或いは、現像ローラの回転トルクを
軽減したりするために、現像ローラとしては、ある程
度、低硬度のものが要求される。例えばその硬度がJI
S A材料硬度30乃至40程度であることが望ましい
とされている。
【0004】(2)現像ローラが像担持体に対して圧縮
するように接触しても、歪が残らないこと。すなわち、
現像ローラが像担持体に所定のニップ幅で接触しても、
現像ローラの圧縮永久歪を出来るだけ小さくすることが
望ましい。例えば、70℃、22時間放置の加熱条件
(JIS K6301)で現像ローラを半径方向に25
%圧縮したとき、この圧縮量を100%としたときの圧
縮永久歪が20%以下であることが望ましいとされてい
る。
【0005】(3)現像ローラ上にできるだけトナーフ
ィルミングが形成されないこと。すなわち、現像ローラ
の表面が、トナーに対して離型性の良い表面であること
が要求される。
【0006】(4)トナーが良好に帯電する現像ローラ
であること。すなわち、トナーを摩擦帯電させる特性が
良好な現像ローラであることが要求される。
【0007】(5)現像バイアスを印加できる現像ロー
ラであること。現像の体積固有抵抗率が、例えば105
乃至108Ωcmの範囲のものが望ましいとされている。
【0008】従来より、このような一連の要求に答える
現像ローラとして、芯軸の周りに、その芯軸と一体に弾
性体を設けた弾性ローラ上に少なくとも1種類の樹脂を
コーティングしたタイプの現像ローラが提案されてい
る。この形式の現像ローラは、その弾性体によって上述
の(1),(2)及び(5)の要求を満足させ、そのコ
ーティング層によって上述の(3)と(4)の少なくと
も一方の要求を満足させるべく構成されたものである。
【0009】例えば、特開平3−192377号公報に
開示された現像ローラは、EPDM、ウレタン、シリコ
ン、クロロプレン、NBRなどの弾性体上に、ウレタン
樹脂層を設けたものとなっている。かかる樹脂層にトナ
ーを良好に負帯電させるために、4級アンモニア塩が添
加されている。また、特開平4−303864号公報に
開示された現像ローラは、トナー帯電性を一層向上させ
るため、塗料中にポリアミド樹脂やシリコン粉末などを
添加したものとなっている。更に、特開平1−1248
81号公報に開示された現像ローラは、エピクロルヒド
リンやNBRなどの極性ゴムの上に、離型性を付与する
ために、ウレタン樹脂層やフッ素系樹脂層を設けたもの
となっている。
【0010】これらの現像ローラは、弾性機能と、帯電
性や離型性の機能とを分離し、前者の機能を弾性体に受
け持たせ、後者の機能をコーティング層に受け持たせる
ようにしたものである。
【0011】しかしながら、このような現像ローラにお
いては、コーティング層の可撓性や、そのコーティング
層の弾性体に対する接着性が不十分であるため、経時的
にコーティング層が割れたり、剥がれたりするおそれが
あり、その信頼性に問題がある。更に、コーティング層
に、トナーの帯電性を高め、或いはそのコーティング層
の導電性を得るための粒子を分散させると、コーティン
グ層の可撓性が一層低下する。またかかる現像ローラは
高コストとなるおそれもある。
【0012】一方、弾性体の表面にコーティング層を設
けることなく、弾性ローラのみで構成した現像ローラも
種々提案されている。例えば、特開平4−70876号
公報に開示された現像ローラは、その弾性体がウレタン
ゴムコンパウンド中に、主としてトナーの帯電性を向上
させるべくシリカを分散させるものとなっている。ま
た、先の特開平4−303864号公報、特開平3−1
92377号公報等に開示されているポリアミド樹脂や
4級アンモニウム塩をゴム中に分散させて現像ローラを
構成することも可能である。
【0013】しかしながら、このようにゴムコンパウン
ド中に何らかの添加剤を分散させることは、ゴム物性を
損うことにもなりかねない。例えば、硬度が高くなった
り、圧縮永久歪が大きくなり、前述の(1)及び(2)
の要求を満たすことができなくなるおそれがある。ま
た、添加剤の脱離や凝集による外観欠陥が発生するおそ
れもある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、叙上の点に
鑑みなされたものであって、その目的とするところは、
機械的特性の改善、すなわち適正な硬度を維持でき、し
かも圧縮永久歪をできるだけ小さくすることができると
共に、簡単な構成で、トナーを良好に帯電させ、ないし
はトナーに対する離型性を高めることのできる現像ロー
ラを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、芯軸の周りに、該芯軸と一体に弾性体を設
けた現像ローラであって、表面に静電潜像が形成された
像担持体に接触して回転し、前記静電潜像を現像するた
めのトナーを担持して搬送する現像ローラにおいて、ト
ナーを帯電させる特性と、トナーに対して離型性を示す
特性との少なくとも一方の特性を有する粒子を、弾性体
の表面にふりかけて当該表面に付着させた現像ローラを
提案する。
【0016】その際、上記構成において、弾性体表面に
付着する粒子として、その平均粒子径が弾性体の表面粗
さ値(Rz)以下の粒子を用いると有利である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に従って詳細に説明する。
【0018】図1は、本発明一実施形態例の現像ローラ
の一部を模式的に拡大して示した断面図である。この図
に示した現像ローラ1は、例えば、図3に示すような現
像装置2に備えられている。
【0019】同図中、符号10で示すものは像担持体の
一構成例であるドラム状の感光体であり、この感光体1
0は、アルミニウム等の導体より成るドラムの外周面
に、OPCやセレンなどの感光層をディッピング法或い
は蒸着法などによって被覆形成したものとなっている。
なお、現像ローラ1が接触する相手の像担持体として、
かかるドラム状感光体の他に無端ベルト状の感光体など
を用いることもできる。
【0020】感光体10は、図における時計方向に回転
駆動され、この回転時に感光体に対して帯電や露光等が
行われて、その表面に所定の静電潜像が形成される。
【0021】現像ローラ1は、例えば金属製の丸棒など
から成る導電性の芯軸3の周りに、該芯軸と一体かつ同
心状に円筒状の弾性体4を設けたものとなっていて、感
光体10に一定のニップ幅をもって接触する。現像ロー
ラ1は、表面に静電潜像が形成された感光体10に接触
し、感光体10と対向する面が、感光体10の表面の移
動方向と同じになる、順方向に回転駆動される。また、
現像ローラ1には、芯軸3を通して所定の現像バイアス
が印加される。
【0022】現像装置2の本体をなす現像タンク5内に
は、一成分の磁性又は非磁性のトナー(一成分系現像
剤)6が収容されている。導電性スポンジなどの軟質弾
性体より成るトナー補給ローラ7は、現像ローラ1に喰
い込むように、該ローラに圧接していて、現像ローラ1
の表面の移動方向に対してカウンタ方向に回転駆動され
る。
【0023】現像タンク5内のトナー6は、トナー補給
ローラ7の周面に担持されて、現像ローラ1とトナー補
給ローラ7との間の接触ニップ部に向けて送られ、ここ
で所定の極性に摩擦帯電される。この摩擦帯電されたト
ナーは、現像ローラ4上に担持されて、板金や板状弾性
体より成るトナー規制ブレード8により層厚を規制され
つつ、現像ローラ1と感光体10との接触ニップ部に向
けて搬送される。そしてこの部位で、感光体10上に形
成されている静電潜像の可視像化に供される。このよう
に、現像ローラ1は、静電潜像を現像するためのトナー
を担持して搬送するものとなっている。
【0024】この例においては、現像ローラ1の周面に
担持されて搬送されるトナーとして、一成分非磁性トナ
ー(7μm重合トナー)が用いられている。
【0025】現像ローラ1(図3)は、先にも述べたよ
うに、導電性の芯軸3の周りに弾性体4を設けたものと
なっているのであるが、かかる弾性体4の表面には、図
1に模式的に示すように、トナーを良好に帯電させる特
性と、トナーに対して高い離型性を示す特性の少なくと
も一方の特性を有する粒子9がふりかけられ、当該粒子
9が弾性体表面に付着している。かかる粒子9は、有機
化合物、無機化合物又はその混合体より成り、弾性体4
の表面の全体を覆い、或いはこれよりもまばらな状態で
弾性体表面に分散点在する。
【0026】上記構成によれば、その弾性体4の材質を
適宜選択し、或いはこれに添加剤を加えることにより、
現像ローラに課せられる前述の要求(1),(2)及び
(5)を満足させることができる。しかも、その弾性体
4の表面に付着する粒子9によって、前述の要求(3)
ないしは(4)を満足させることができる。その際、粒
子9は、弾性体4の表面に対してふりかけられて付着し
ているだけであって、弾性体4内に分散・結着されてい
るわけではなく、また接着処理されているわけでもな
い。しかも粒子9が弾性体4に化学結合によって一体化
されていることもない。従って、粒子9が弾性体4の物
性に対して何らの影響を与えることはない。このため、
ゴムコンパウンドより成る弾性体中に添加剤を分散させ
た従来の現像ローラのように、その弾性体の硬さや圧縮
永久歪の上昇を招くことはなく、長期に亘って現像ロー
ラ1の所定の特性を維持することができる。また弾性体
の表面にコーティング層を積層した従来の現像ローラの
ように、そのコーティング層が割れたり、剥がれるよう
な不具合が発生する余地はなく、さらに現像ローラ1の
可撓性が著しく低下するような不具合も発生しない。
【0027】このように、本例の現像ローラ1によれ
ば、従来の欠点を全て除去でき、長期に亘って高い機械
的特性を維持でき、常に高品質な可視像を感光体10上
に形成することができる。
【0028】次に、その現像ローラ1のより具体的な実
施例を、その製造方法及び本発明者の行った実験結果を
説明しながら明らかにする。
【0029】本例の弾性体4は、BR(ブタジエンゴ
ム)をベースとするコンパウンドを芯軸3の周囲に加硫
して成形した後、この成形品を円筒研削盤によって研削
することにより作製される。ここで弾性体4としてBR
(ブタジエンゴム)を用いたのは、これが汎用的で低コ
ストであり、且つ非極性でトナーに対しての離型性が良
好であるためである。
【0030】上述の如く作製された弾性体4の表面に、
トナーを良好に帯電させ得る特性を有したポリアミド樹
脂より成る粒子9をふりかけて、その表面に、3〜5kg
/cm2の圧力でエアブロー(弾性体4までの距離は10〜
20cm)を実施し、目的とする現像ローラ1を作製し
た。
【0031】エアブローは余分な微粒子を除去するため
に実施するものであり、あまりエアブローの圧力が強す
ぎると、粒子が全て除去されてしまい、また、その圧力
が弱ぎると、余分な粒子が除去されなくなり、現像ロー
ラ1を実際に使用したとき、余分な粒子が遊離して、そ
の粒子が転写部や定着部などに移行し、転写や定着に悪
影響を与えるおそれがある。なお、現像ローラ表面と芯
軸3との間の体積固有抵抗率については、後述する添加
カーボン量の調整により約105Ωcmとした。このよう
にして、弾性体表面にポリアミド樹脂の粒子9を付着さ
せ、ポリアミド樹脂粒子を、図1に示すように弾性体表
面上において分散点在させ、その表面を粒子9が覆った
現像ローラ1が得られる。その際、弾性体4の表面への
粒子9の多少の付着むらは、現像ローラ1の機能に大き
な影響を与えることはない。ポリアミド樹脂は、トナー
を良好に帯電させ得る特性を有する他、トナーに対して
の離型性機能もあり、また弾性体4の表面に対する所定
の粘着性機能も備えており、かかる粘着力によって、ポ
リアミド樹脂粒子9は弾性体4の表面に付着し、その表
面に分散点在して該表面を覆っている。
【0032】かかる現像ローラ1は、弾性体4の表面に
トナーの帯電性を向上させるコーティング層を形成した
り、或いはポリアミド樹脂のような微粒子を弾性体内に
分散点在させたものと比較して、構成が極めて簡単であ
る。弾性体4の表面にふりかけられて付着する粒子9
は、弾性体4を構成するゴム内部の構成をまったく変え
ないため、粒子をゴム内に分散させるものと比較して、
ゴム自体の特性が変わることがないことは先に説明した
通りである。
【0033】また弾性体4のゴム表面と、この表面にふ
りかけられた粒子9とは、初期的には粘着力や静電気力
によって互いに結合しているが、最終的には、粒子また
はゴム表面の塑性変形により両者が結合し、その粒子9
が弾性体4のゴム表面に残留保持されることとなる。
【0034】かような構成によって、ポリアミド樹脂よ
り成る粒子9が現像ローラ表面に無いものと比較して、
トナーを帯電させる機能を高めることができるが、かか
るトナー帯電性の向上は、ポリアミド樹脂自体の正帯電
能(その粒子自体は正極性に帯電する)に起因するもの
である。従って、この例ではトナーはマイナスに帯電す
る。
【0035】ここで、図2は、図1に示した現像ローラ
1の弾性体4の表面を巨大視したものであり、その表面
は所定の表面粗さ状態となっている。かかる弾性体表面
に付着するポリアミド樹脂の粒子9として、その平均粒
子径が弾性体4の表面粗さ値(Rz)以下の小さな粒子
を用いると、弾性体表面の凹凸部に粒子9が積極的に入
り込むようになり、その弾性体表面への粒子9の付着量
や、その付着力を増大させることができる。特に、粒子
9の平均粒子径を、弾性体4の表面粗さ値(Rz)より
も小さくすると、その効果を高めることができる。例え
ば、弾性体4の表面粗さの値(Rz)を12μmとし、こ
の表面に付着し易いように、粒子9の粒子径を5乃至7
μmとすると、その表面に対する粒子9の付着量や、そ
の付着力を増大させることができる。
【0036】次に、本発明者の行った実験例を説明す
る。次の表1は、本発明例と比較例とのコンパウンド配
合状態や、そのゴム物性などを比較して示したものであ
る。
【0037】
【表1】
【0038】上記表1中、商品名で表わされる「BR0
1(JSR)」はブタジエンゴムの一例であり、また商
品名「ケッチェンEC(ライオン)」はカーボンの一種
であり、弾性体4の体積固有抵抗率は、そのカーボンの
添加量の違いによって調整される。
【0039】上記表1中の本発明例において、ポリアミ
ド樹脂「0重量部」というのは、弾性体4のゴムコンパ
ウンド内にポリアミド樹脂を入れないという意味であ
る。但し、本発明例の現像ローラは、その弾性体の表面
にポリアミド樹脂の粒子がふりかけられて付着してい
る。そのポリアミド樹脂の粒子としては、商品面「オル
ガソール2002D NAT」(平均粒子径5乃至7μ
m)(日本リルサン社)である。
【0040】比較例1は、ポリアミド樹脂を弾性体のゴ
ムコンパウンド内に入れないもので、且つ、弾性体表面
にポリアミド樹脂の粒子をふりかけないものである。比
較例2は、ポリアミド樹脂の粒子をゴムコンパウンド中
に分散して加硫成形したもので、且つその表面にポリア
ミド樹脂の粒子をふりかけないものである。なお、比較
例1,2のゴムコンパウンドの組成は、本発明例のもの
と同じになっている。比較例2で用いたポリアミド樹脂
も、商品名「Aオルガソール2002D NAT」(平
均粒子径5〜7μm)であり、表1中の「A20重量
部」のAがかかるポリアミド樹脂であることを示し、か
かる樹脂の粒子が20重量部、ゴムコンパウンド中に入
れられている。
【0041】比較例1は、図4に示すように、弾性体4
の表面にポリアミド樹脂の粒子が存在しないものとなっ
ているのである。これに対し、比較例2は、ポリアミド
樹脂をゴムコンパウンド中に入れて分散させたあと、加
硫成形し、ゴムローラとしたものであり、且つポリアミ
ド樹脂の粒子を弾性体表面にふりかけないものである。
すなわち、図5に示すように、弾性体4の表面にポリア
ミド樹脂が存在せず、その弾性体の中にポリアミド樹脂
9が分散して存在するものとなっているのである。
【0042】なお、表1に示されている硬さと圧縮永久
歪のデータは、150℃×30分(プレス)なる条件
で、JISで決められた物性測定用テストピースを作製
することによって得たものである。圧縮永久歪は、その
テストピースを25%の圧縮状態で70℃22時間放置
後、この25%の圧縦量を100%としたときに、これ
に対する残っている歪の%を示したものである。
【0043】表1によると、比較例2においては、ゴム
コンパウンド中に、ポリアミド樹脂の粒子が存在するこ
とで、ゴム特性が変化してしまっている。すなわち、ゴ
ムコンパウンド中にポリアミド樹脂を入れないものと比
較して、ゴムの硬さが高くなってしまっているのであ
る。ゴム硬度が高くなると、初めにも述べたように、像
担持体上に形成される画像を傷めたり、或いは、現像ロ
ーラの回転トルクが大きくなったりするおそれがある。
【0044】比較例1では、ゴム硬度や圧縮永久歪など
の機械的特性に関して、本発明例と変わらないが、ゴム
表面にポリアミド樹脂の粒子が存在しないので、トナー
を良好に帯電させたり、或いはトナーに対する離型性を
良くしたりすることができない。
【0045】本発明例においては、比較例1,2と比較
して、機械的特性(ゴム硬度が、さほど高くなく、適正
に維持されること、圧縮永久歪が小さいこと)にすぐれ
ると共に、トナーを良好に帯電させることができ、トナ
ーに対する離型性も向上させることができる。
【0046】次の表2は、本発明例と比較例との、トナ
ーの現像ローラへの付着状態や、画像品質の評価などを
比較して示したものである。すなわち、表1に示した弾
性体を用い、150℃×70分(缶加硫機)の条件で現
像ローラ1を製作し、これを図3に示した現像装置に組
込んで、現像動作を行ったときの結果を示している。本
発明例の現像ローラでは、その弾性体の表面にポリアミ
ド樹脂の粒子が付着し、比較例1,2の現像ローラの表
面にはかかる粒子がふりかけられていないことは先に述
べた通りである。
【0047】
【表2】
【0048】上記表2中、表面粗さは、現像ローラの弾
性体4の表面粗さのことであり、これが粗い場合(12
μm)と粗くない場合(4μm)とで、本発明例と比較例
1とに関して比較している。すなわち、先の表1に示し
た本発明例の場合で、弾性体4の表面粗さを変えた例に
つき、それぞれ比較した実験結果である。比較例1につ
いても同様である。比較例2の現像ローラの表面粗さは
10μmである。
【0049】同表2中、「m/a」は現像ローラ上の単
位面積当たりのトナー付着量を示し、また、「q/m」
はトナーの単位質量当たりの帯電量を示している。
【0050】比較例1に関しては、表面粗さ4μmの現
像ローラでは、m/aが低くなり過ぎ、画像濃度が低く
なっている。これに対し、本発明例(ポリアミド樹脂の
粒子を弾性体表面に付着させたもの)で4μmの現像ロ
ーラでは、m/aが上昇し、やや画像濃度が低いものの
ほとんど問題のない画質となっている。
【0051】次に、弾性体の表面粗さが粗いもの(12
μmの現像ローラ)では、比較例1の場合、m/aは良
くなっているものの、q/mが小さくなっており、トナ
ーを帯電させる特性が劣っている。このため、画像につ
いても、細線の再現性が悪くなっている。
【0052】これに対し、本発明例(ポリアミド樹脂の
粒子を弾性体表面に付着させたもの)で、弾性体の表面
粗さが粗いもの(12μm)では、m/aとq/mの双
方が良好であり、画像も良好になっている。すなわち、
画像濃度が適正であり、画像の細線再現性(解像度)も
良くなっているのである。この表面粗さ12μmの現像
ローラでは、ポリアミド樹脂の粒子が表面に付着し易い
ように、前述した粒子径が5〜7μmのものを用いてい
る。
【0053】なお比較例2において、表面粗さが10μ
mの現像ローラでは、先にも述べたように弾性体のゴム
硬度が高くなってしまい、現像ローラのトルク異常が発
生し、画像ブレが生じたため、このこと自体が大きな欠
陥であることから、m/a,q/m等については測定し
なかった。
【0054】なお、弾性体の中にポリアミド樹脂粒子を
分散させた比較例2においては、その表面粗さを10μ
mより小さくすることができなかったが、これは樹脂分
散の影響と考えられる。
【0055】この他、本発明者の実験によると、本発明
例において、弾性体表面へのポリアミド樹脂の粒子の付
着ムラが、ある程度あっても、トナーの帯電性を良好に
したり、画像濃度を適正に維持したり、機械的特性を損
うことがないようにしたりする点については変わりがな
いことが確認されている。
【0056】以上説明した現像ローラにおいては、その
弾性体表面にポリアミド樹脂の粒子を付着させたが、こ
れ以外の粒子を弾性体表面に付着させ、その表面へのト
ナーフィルミングが形成されることを防止し、またトナ
ーを所定の極性に良好に帯電させることができる。
【0057】例えば、シリカなどの無機化合物より成る
粒子を用いると、特にトナーの帯電性を良好にすること
ができる。また、炭酸カルシウムなどの無機化合物より
成る粒子を用いると、特にトナーに対する離型性を良好
にすることができ、現像ローラ表面へのトナーフィルミ
ングの発生を防止でき、画質を向上させることができ
る。さらに、ウレタン樹脂や4級アンモニウム塩などの
有機化合物より成る粒子を用いると、特にトナーの帯電
性を良好にすることができる。また、ポリプロピレン樹
脂や、シリコン系樹脂や、フッ素系樹脂などの有機化合
物より成る粒子を用いると、特にトナーに対する離型性
を良くすることができ、矢張り、画質を向上させること
ができる。このように、粒子9としては、有機化合物と
無機化合物の少なくとも一種類を適宜選択して使用する
ことができる。粒子9としては、好ましくは3μm乃至
60μm程度の粒径のものが適宜用いられるが、これに
限定されるものではない。
【0058】また、粒子としては、1種類ではなく、複
数種類にわたって混合したものを用いても良い。例え
ば、帯電性を良くする粒子と、トナーに対する離型性を
良くする粒子とを混合したものを用いても良いのであ
る。使用するトナーの性質に応じて、その帯電性を高
め、またトナーに対する離型性に優れた粒子を適宜使用
すればよいのである。また、現像ローラの弾性体表面に
対する粒子の被覆形態としては、一層ではなく多層であ
っても構わない。
【0059】
【発明の効果】請求項1に記載の現像ローラによれば、
弾性体の表面にコーティング層を形成したり、その弾性
体中に粒子を分散させることがないので、長期に亘っ
て、トナーに対する高い帯電性ないしはトナーに対する
高い離型性を維持できる。しかも長期に亘って適正な硬
度を維持できるので、像担持体上に形成される画像を傷
めないようにすることができ、自身の回転トルクも低減
できる。さらに、自身の圧縮永久歪を小さくできるの
で、耐久性が向上すると共に、画質への圧縮永久歪の影
響を最小限のものとすることができる。
【0060】請求項2に記載の現像ローラによれば、弾
性体表面への粒子の付着量や付着力が増大するので、ト
ナーに対しての帯電性や、トナーに対する離型性を効果
的に向上させることができ、画質を一段と向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施形態例の現像ローラの一部を模式
的に拡大して示した断面図である。
【図2】現像ローラの弾性体の一部の表面を、この表面
に付着する粒子と共に、巨大視した模式図である。
【図3】現像ローラが備えられる現像装置を感光体と共
に示す断面図である。
【図4】従来の現像ローラの一部を示す断面図である。
【図5】従来の、別の例の現像ローラの一部を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 現像ローラ 3 芯軸 9 粒子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯軸の周りに、該芯軸と一体に弾性体を
    設けた現像ローラであって、表面に静電潜像が形成され
    た像担持体に接触して回転し、前記静電潜像を現像する
    ためのトナーを担持して搬送する現像ローラにおいて、
    トナーを帯電させる特性と、トナーに対して離型性を示
    す特性との少なくとも一方の特性を有する粒子を、弾性
    体の表面にふりかけて当該表面に付着させたことを特徴
    とする現像ローラ。
  2. 【請求項2】 弾性体表面に付着する粒子として、その
    平均粒子径が弾性体の表面粗さ値(Rz)以下の粒子を
    用いた請求項1に記載の現像ローラ。
JP24383195A 1995-08-29 1995-08-29 現像ローラ Pending JPH0962086A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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