WO2010143319A1 - 鼻部クッション付きマスク - Google Patents

Abstract

粉じんをろ過するフィルターで構成されているマスクのフィルターを折り返して、鼻部両脇の凹部に沿うようなフラップを設け、その内側にウレタンフォームなどのスポンジを貼ることにより、鼻部の起伏に追従して密着性を高め、クッション性と高い防護性能を有する鼻部クッション付きマスクが得られる。

Description

鼻部クッション付きマスク

　本発明は医療、食品衛生、花粉対策、感染予防対策及び日常生活において衛生上用いられるマスク及び一般産業用として用いられるマスクに関し、特に装着者の顔面に密着させることが困難な鼻部の密着性を高めたマスクに関する。

　マスクは主として食品工場や精密機械工場などの清潔を要求される職場や医療又は日常生活において衛生上用いられるマスクと、浮遊粉じんなどの多い環境下での作業に際して用いられる産業用マスクとがある。
　本発明はこれらの分野で使用されるもので、マスク本体はガーゼ、不織布などのシート状フィルターで構成され、これで人間の顔の鼻、口部及びあご付近を覆い、しめひもを頭部にかけて装着するが、人間の顔の形状は様々であるので、従来から顔の形状に合わせるため、いろいろな工夫が施されている。
　特に、鼻部の起伏に追従することが難しく、確実なフィットが得られない。この改良方法として特許文献１にはシート状フィルターに軟質アルミニウムなどの金属部品を貼り合わせ、特に起伏のはげしい鼻部周辺は、金属部品を曲げて各個人の鼻部の形状に合わせるマスクが記載されている。しかし、この場合各個人で自己の顔型（鼻部形状）に合わせて曲げなければならず、曲げても容易には合わせ難い。曲げが甘いと合わなく、曲げすぎても合わない。更に、このマスクは使い捨て式防じんマスク及びその他の簡易マスク等の比較的安価なマスクに使用されているが、金属を使用しているため、廃棄の際、金属部品を分別しなければならず、煩わしいという問題がある。
　近年では、軟質アルミニウムなどの金属製に替わる素材としてポリオレフィン系合成樹脂からなる形状保持機能を備えた可撓性の形状保持材料を使用したものもあるが（特許文献２）、高価な材料であることと、時間と共に押さえつけがゆるむといった問題がある。
　また、鼻部の密着性を高めるため、上記部品の押さえつけを強くすると鼻に痛みが生じることがある。その場合、上記部品と併せて鼻に当たる箇所にウレタンフォームなどのスポンジを貼り、鼻部のクッション性と密着性を向上させることも行われている。しかし、ウレタンフォームなどのスポンジで安価なものは通気性があるためスポンジの断面から粉じんなどが通過し、マスク内に侵入する可能性が高く、湿度の高い呼気がスポンジを通過してメガネが曇るなどの弊害もある。また、通気性のない独立発泡素材は高価である。
　また、フィルターの鼻部付近を顔面と密着する側に折り返して、密着性を向上させる方法（特許文献３）、マスクの裏側に別のフィルターを貼り合わせる方法（特許文献４・５）もあるが、十分な密着性を確保する反発力を得ることができない。

特開２００６−３０５２７９号公報 特開２００６−４３２２７号公報 特開２００９−１１７０９号公報 特開２００７−５４２７０号公報 特開２００７−４４１４０号公報

　本発明は上記の欠点を改良したもので、鼻部の起伏に追従して密着性を高め、クッション性と高い防護性能が得られる構造のマスクを提供することを目的とする。

　本発明の要旨は、粉じんをろ過するフィルターと装着するためのしめひもで構成されているマスクにおいて、前記フィルターの上縁部を折り返してフラップを設け、その内側にスポンジ体を貼り付けて鼻部両脇の凹部に密着するようにしたことを特徴とするマスクである。

　本発明に係るマスクは鼻部両脇の凹部に沿うようにフィルターフラップを設け、その内側にスポンジ体を貼ることにより、フィルターフラップにクッション性が付与されると共に、鼻部との密着性を高めることができる。

　図１は本発明に係るマスクの裏面正面図である。
　図２は該マスクを上部より見た平面図である。
　図３は該マスクのフラップ部分の断面図である。
　図４は本発明に係るマスクを装着した使用図である。

　本発明について詳細に説明する。
　本発明に係るマスクは、衛生用マスク或いは防塵用マスクの何れでもよく、またマスクを構成するフィルターとしては不織布、ガーゼなどで特に限定はされない。また、使用されるスポンジ体としては、ラバースポンジ、ウレタンフォーム等何れの材質でも良い。そして、スポンジ体としては独立発泡、または連続発泡の何れでもよいが、本発明に係るマスクは外気と通じる部位にないため、通気性のある安価なスポンジを選択することが可能である。
　マスクの形状についても特に限定はなく、鼻部、口部、及び顎付近を覆うマスク本体と、該マスク本体の両側縁にしめひもを設けたものであればよいが、特にマスク本体としては本出願人が先に出願した特願２００９−０５９３０７に係るマスクに適用すると、小さく折り畳める顔面に密着した使い捨てマスクを提供することができるので好ましい。
　前記特願２００９−０５９３０７に係るマスクとは、マスク本体の中心線を顔面の鼻梁の線に合わせ、左右に展開した長方形の中央部のフィルターとその長辺の上下に三角形状のフィルターとが一体に構成されたものである。従って、本発明にかかるマスクはその裏面に鼻部の凹部に相当する個所にフラップを設け、該フラップの内側にウレタンフォームなどのスポンジを入れたもので、該スポンジ体を入れることによって反発力が生まれ、鼻部に適度な圧力が加わり、高い密着性を確保することが可能となると共に、スポンジ体の緩衝性によって痛みを感じることはない。また、粉じんを捕集するフィルターでスポンジ体を覆っているため、スポンジ体の断面方向からの漏れ込みもない。
　次に実施例として図面をもって具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって限定させるものではない。

　図は本発明に係るマスクの裏面正面図であって、このマスクは中心線Ｏ，Ｏに対して左右対称で中央部に長方形のフィルター１、１’を有し、その長方形の上部に三角形状のフィルター２、２’を、下部に三角形状のフィルター３，３’を一体的に設けてマスク本体を構成する。マスク本体の両側縁はしめひもを挟んで折り返す。また、このマスクには立体的形状を保持し且つ折り畳みやすいように上部三角形状フィルターに超音波溶着等によって固めたハリ４，４’を、下部三角形状フィルターにも同様に超音波溶着等によって固めたハリ５，５’を設ける。そして、本発明においてはこのようなマスクの鼻部付近を顔面と密着する側に折り返してフラップ６，６’を設け、折り返したフラップ６，６’の内側にスポンジ体７，７’を介在させる。スポンジ体を介在させる方法としてはスポンジを貼り付けた個所を折り返してスポンジの左右を超音波溶着等で接着するか、或いは折り返した先の面にスポンジを貼り付けても良い。また、左右の上部三角形状をゴムひもで結ぶと立体的形状を保持し易いので好ましい。
　本発明においては折り返したフラップの内側にスポンジを入れることによって反発力が生じ、鼻部に適度な圧力が加わり、高い密着性を確保することが可能となり、また、粉じんを捕集するフィルターでスポンジ体を覆っているため、スポンジ体の断面方向からの漏れ込みもない。

　本発明にかかるマスクは鼻部の起伏に追従するように鼻部の両脇の凹部に沿うようなフラップを設け、その内側にウレタンフォームなどのスポンジを貼ったので、顔面とマスクとの密着性は良好なマスクを提供することが出来る。

１，１’・・・中央部フィルタ　　　２，２’・・・上部方三角形状フィルタ
３，３’・・・下部三角形状フィルタ　　　４，４’５，５’・・・ハリ
６，６’・・・フラップ　　　７、７’・・・スポンジ体
８・・・ゴムひも　　　Ｏ，Ｏ・・・中心線

Claims (2)

1. 　粉じんをろ過するフィルターと装着するためのしめひもで構成されているマスクにおいて、前記フィルターの上縁部を折り返してフラップを設け、その内側にスポンジ体を貼り付けて鼻部両脇の凹部に密着するようにしたことを特徴とするマスク。
2. 　マスクがその本体の中心線を顔面の鼻梁の線に合わせ、左右に展開した長方形の中央部のフィルターとその長辺の上下に三角形状のフィルターとが一体に構成されたものであることを特徴とする請求の範囲１記載のマスク。

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