WO2010010906A1 - 3相直流モータ - Google Patents

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Abstract

 8極6スロット12セグメントで構成され、接続線(25)が回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータであって、各ティース(9)をU相、W相、V相の順で割り当てたとき、隣接するセグメント(14)間に、各ティースにそれぞれ巻装された各相の巻線(12)の巻き始め端(61)および巻き終わり端(62)がU相、V相、W相の順となるように接続される。また、上記巻き始め端、および巻き終わり端が、これら巻き始め端および巻き終わり端の引き出し位置近傍に存在するセグメントに接続されている。上記構成により、磁極数を多極化しつつ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能な3相直流モータを提供することができる。

Description

3相直流モータ
 本発明は、車両等に搭載される3相直流モータに関する。
 本願は、2008年7月22日に日本に出願された特願2008-188668号、特願2008-188757号、および特願2008-188758号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 一般に、車両等に搭載されるブラシ付きの3相直流モータは、内周面に永久磁石を取り付けた円筒状のヨークの内側に、アーマチュアコイルが巻装されたアーマチュアが回転自在に配置された構成を有している。アーマチュアは回転軸に外側から嵌合し固定されたアーマチュアコアを有している。アーマチュアコアには軸方向に長いティースが放射状に複数形成され、これらティース間に軸方向に長いスロットが形成されている。アーマチュアコアは磁気回路として機能し、アーマチュアコアの各ティースには、スロットを介して巻線が巻装され、3相(U相、V相、W相)構造のコイルが形成されている。
 各コイルは、回転軸に取り付けられた複数のセグメントにそれぞれ導通している。各セグメントはブラシと摺接可能になっており、このブラシからセグメントに電圧を印加することによって各コイルに電流が供給される。
 そして、アーマチュアコアに形成される磁界と永久磁石との間に生じる磁気的な吸引力や反発力によって回転軸が回転される。この回転によってブラシが摺接するセグメントが順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われ、アーマチュアコアが継続的に回転する。
 この種の3相直流モータでは、永久磁石とスロットとセグメントの個数比が2:3:3に設定されている場合がある。例えば、永久磁石の個数が4個、つまり、磁極が4極の場合、スロット数は6つに設定され、セグメント数も6つに設定される(例えば、特許文献1参照)。
 また、この種の直流モータでは、アーマチュアの回転に伴い、ブラシがセグメントと接触、および離間を繰り返す。このため、セグメント間電圧が大きいとブラシがセグメントから離間する際、コイルに蓄電された電磁エネルギーが放出されることによりブラシとセグメントとの間で放電が発生することがある。ブラシとセグメントとの間で放電が発生すると、ブラシ、およびセグメントが放電摩耗を起こし、ブラシとセグメントとの電気的接触不良を引き起こすおそれがあると共に、ブラシの寿命が短くなる可能性がある。
 このため、永久磁石とスロットとセグメントの個数比を2:3:6に設定し、セグメント間の電圧を低減させる技術が提案されている。例えば、磁極が4極の場合、スロット数を6つに設定する一方、セグメント数をスロット数に対して2倍の12個に設定する。このようにすることで、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗の低減を図ることができる(例えば、特許文献2参照)。
特開2004-328987号公報 特開2007-6633号公報
 ところで、モータの小型化、軽量化を図ろうとした場合、この一手段として多極化が考えられる。すなわち、多極化することによって磁極の1極当たりの有効磁束量を低減することが可能になり、この結果、磁気回路を形成するアーマチュアコアの小型化、軽量化を図ることができる。
 しかしながら、上述の従来技術にあっては、アーマチュアコアの外径を一定に保ちつつ多極化していくとスロット数が多くなるので、巻線の巻装作業が困難になる。つまり、例えば、磁極を4極から8極に多極化すると、スロット数は6つから12個に増大する。また、磁極を4極から8極に多極化した場合、スロット開口幅を狭くしないと4極と同等の磁束を得ることが難しくなる。スロット開口幅を狭くすると、ティースに巻線が巻き難くなる。
 この発明は、上述した事情に鑑みてなされ、磁極数を多極化しつつ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能な3相直流モータを提供する。
 また、上述の従来技術にあっては、セグメント間電圧の低減に限界がある。
 そこで、この発明では、さらにセグメント間電圧を低減でき、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗をより低減することが可能な3相直流モータを提供する。
 本発明に係る第一の発明は、8極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、これらのティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ12枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、前記コンミテータに、周回り方向に沿って2つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータに関する。そして、各ティースをU相、W相、V相の順で割り当てたとき、隣接するセグメント間には、各ティースにそれぞれ巻装された各相の前記巻線の端末部がU相、V相、W相の順となるように接続されると共に、各端末部は、これら端末部の引き出し位置近傍に存在するセグメントに接続されている。
 この場合、本発明に係る第二の発明のように、同じ相に相当するティース同士に前記巻線が連続して直列になるように巻装されていてもよい。
 また、本発明に係る第三の発明のように、各ティースにそれぞれ別体の前記巻線が巻装されていてもよい。
 このように構成することで、磁極数を8極に設定しつつ、スロットの個数を6つに設定できる。
 また、接続線が回転軸の全周に亘るように配されているので、ブラシが摺接しているセグメントからこのセグメントと同電位の他のセグメントへブラシを中心にして両側から電流を流すことができる。
 さらに、各ティースにそれぞれ別体の巻線を巻装することで、同じ相に相当するティース同士に巻線が連続して直列になるように巻装されている場合と比較して並列回路数を2回路から4回路にすることができる。
 また、本発明に係る第四の発明は、8極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、これらのティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ12枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備えた3相直流モータに関する。また、各ティースは、互いに同方向に前記巻線を巻装して形成された第一コイル、および第二コイルの2つのコイルを備える。そして、各ティースをU相、W相、V相の順で割り当てたとき、隣接するセグメント間には、前記第一コイル、および第二コイルの端末部がU相、V相、W相の順となるように電気的に接続されている。
 このように構成することで、並列回路数を8回路にすることができるので、さらに巻線を細径化することができる。
 また、本発明に係る第五の発明では、前記コンミテータに、周回り方向に沿って2つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている。
 このように構成することで、ブラシが摺接しているセグメントと同電位のセグメントに接続された全ての巻線に電流を供給することができる。
 また、本発明に係る第六の発明は、8極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、これらのティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ12枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、前記コンミテータに、周回り方向に沿って2つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配され、各ティースをU相、W相、V相の順で割り当てたとき、各ティースに巻線を逆方向に巻回して-U相、-W相、および-V相のコイルを形成し、隣接するセグメント間には、前記-U相、-W相、および-V相のコイルの端末部が-U相、-V相、-W相の順となるように電気的に接続されている3相直流モータに関する。また、前記-U相、および-W相のコイルの各端末部は、それぞれ隣接するセグメント間に接続される一方、前記-V相のコイルの各端末部は、前記回転軸を中心にして対向するよう配置され、かつ隣接するセグメント間の電位差に等しい2つのセグメントに接続されている。
 このように構成することで、各ティースに巻線を逆方向に巻回するので、コンミテータとアーマチュアコアとの間に配される巻線がクロスした状態、つまり、捩れた状態になる。
 また、本発明に係る第七の発明は、8極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延びる6つのティースと、これらのティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、各ティースに前記巻線を集中巻き方式にて順方向に巻回して形成される第一コイルと、各ティースに前記巻線を集中巻き方式にて逆方向に巻回して形成される第二コイルと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ24枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、前記コンミテータに、周回り方向に沿って5つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータに関する。そして、各ティースを周回り方向にU相、W相、V相の順で割り当て、各相の前記ティースに形成されている前記第一コイルをそれぞれU相、W相、およびV相のコイルとし、各相の前記ティースに形成されている前記第二コイルをそれぞれ-U相、-W相、および-V相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、-W相、V相、-U相、W相、-V相の各コイルの端末部をこの順で電気的に接続する。
 このように構成することで、磁極数を8極に設定しつつ、スロットの個数を6つに設定できる。
 また、接続線が回転軸の全周に亘るように配されているので、ブラシが摺接しているセグメントからこのセグメントと同電位の他のセグメントへブラシを中心にして両側から電流を流すことができる。
 さらに、従来のセグメント数がスロット数に対して2倍であるのに対し、セグメント数をスロット数の4倍に設定することで、一極対(N極とS極)当たりのセグメント数を6枚にすることができる。
 また、本発明に係る第八の発明では、同じ相に相当するティース同士に各相の第一コイルを連続して直列になるように巻装すると共に、同じ相に相当するティース同士に各相の第二コイルを連続して直列になるように巻装し、前記第一コイル、および前記第二コイルの端末部は、これら端末部の引き出し位置近傍に存在するセグメントに接続されている。
 このように構成することで、各コイルの端末部のスロットからセグメントに至る間における配線の距離を短く設定することができる。また、コイルの端末部とセグメントとの結線作業工数を少なく設定することができる。
 また、本発明に係る第九の発明では、同じ相に相当する各ティースに、それぞれ別体の前記巻線で前記第一コイルを形成すると共に、同じ相に相当する各ティースに、それぞれ別体の前記巻線で前記第二コイルを形成する。
 このように構成することで、同じ相に相当するティース同士に第一コイル、および第二コイルが連続して直列になるように巻装されている場合と比較して並列回路数を2回路から4回路にすることができる。
 また、本発明に係る第十の発明は、8極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、これらのティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ24枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、前記コンミテータに、周回り方向に沿って5つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータに関する。そして、各ティースを周回り方向にU相、W相、V相の順で割り当てて相毎に2つのティースを設定し、前記2つのティースのうちの一方に、前記巻線を順方向に巻回してU相、W相、およびV相のコイルを形成し、前記2つのティースのうちの他方に、前記巻線を逆方向に巻回して-U相、-W相、および-V相のコイルを形成し、隣接するセグメント間に、U相、-W相、V相、-U相、W相、-V相の各コイルの端末部をこの順で電気的に接続する。
 このように構成することで、アーマチュアコアの小型化、軽量化を図りつつ、スロット開口幅を大きく設定することができ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能になる。また、接続線が回転軸の全周に亘って配されていない場合と比較して電流バランスがよくなり、モータ効率の安定化を図ることができる。さらに、セグメント間電圧を低減することができ、ブラシの延命化を図ることが可能になる。
 そして、1つのティースに順方向に巻回したコイルと逆方向に巻回したコイルとが巻装されず、1つのティースに順方向に巻回したコイル、または逆方向に巻回したコイルの何れか1つのコイルが巻装されるので、コイルとセグメントとの結線作業工数を低減させることができる。
 また、本発明に係る第十一の発明は、複数の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、前記複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備え、Aを1以上の自然数、前記磁極の磁極数をP、前記スロットのスロット数をSr、前記セグメントの個数をSeとしたとき、P=2A、Sr=3A、およびSe=9Aを満たすように磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seが設定されている3相直流モータに関する。また、各ティースは、前記巻線を集中巻き方式にて順方向に巻装して形成された第一コイルと、前記巻線を集中巻き方式にて逆方向に巻装して形成された第二コイル、および第三コイルとを備える。そして、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記第一コイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記第二コイル、および前記第三コイルをそれぞれ-U相、-V相、-W相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V、-V相のコイルをこの順で電気的に接続する。
 このように構成することで、セグメント数をスロット数に対して3倍に設定することができる。
 また、本発明に係る第十二の発明では、同じ相に相当する各ティースに、それぞれ別体の前記巻線で前記第一コイル、前記第二コイル、および前記第三コイルを形成する。
 このように構成することで、並列回路数を磁極数と同じ数に設定することができる。
 また、本発明に係る第十三の発明では、Aを2以上の自然数としたとき、同じ相に相当するティース同士に各相の前記第一コイルを連続して直列になるように巻装し、同じ相に相当するティース同士に各相の前記第二コイルを連続して直列になるように巻装し、同じ相に相当するティース同士に各相の前記第三コイルを連続して直列になるように巻装する。
 このように構成することで、ティースごとに巻線の巻き始め端、および巻き終わり端が引き出されることなく、同じ相に相当する全てのティースを併せて巻き始め端、および巻き終わり端がそれぞれ1本づつ引き出される状態にすることができる。
 また、本発明に係る第十四の発明は、複数の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、前記複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備え、Aを2以上の自然数、前記磁極の磁極数をP、前記スロットのスロット数をSr、前記セグメントの個数をSeとしたとき、P=4A、Sr=6A、およびSe=18Aを満たすように磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seを設定し、各ティースに巻装された巻線は、前記回転軸を中心に点対称に配置された2つの3相集中巻き方式のコイル群を形成している3相直流モータに関する。また、各コイル群はそれぞれ前記巻線が順方向に巻回された第一コイルと、前記巻線が逆方向に巻回された第二コイル、および第三コイルとを備える。そして、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記第一コイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記第二コイル、および前記第三コイルをそれぞれ-U相、-V相、-W相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V相、-V相のコイルをこの順で電気的に接続する。
 このように構成することで、セグメント数がスロット数に対して3倍に設定されるので、セグメント間電圧を低減できる。
 また、2つの3相集中巻き方式のコイル群を並列にセグメントに接続することで、磁極数に係らず並列回路数を4回路に設定することができる。
 また、本発明に係る第十五の発明は、複数の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、前記複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備え、Aを2以上の自然数、前記磁極の磁極数をP、前記スロットのスロット数をSr、前記セグメントの個数をSeとしたとき、P=4A、Sr=6A、およびSe=18Aを満たすように磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seを設定し、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当てた3相直流モータに関する。また、3つ置きに存在する3相の各ティースそれぞれに、前記巻線を連続して直列になるように集中巻き方式にて巻装し、これを1つのコイル群として前記アーマチュアコアに2つのコイル群を形成し、各コイル群はそれぞれ前記巻線が順方向に巻回された第一コイルと、前記巻線が逆方向に巻回された第二コイル、および第三コイルとを備える。そして、各相に巻装されている前記第一コイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記第二コイル、および前記第三コイルをそれぞれ-U相、-V相、-W相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V相、-V相のコイルをこの順で電気的に接続する。
 このように構成することで、磁極数に係らず並列回路数を4回路に設定した場合において、回転軸を中心にして点対称となる位置に存在するティース同士に、巻線が連続して直列になるように巻装されるので、磁気バランスが向上し、回転軸の振れ回りを低減することができる。
 また、本発明に係る第十六の発明は、6極の磁極を有するヨークと、前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される9つのティースと、これらのティース間に形成され軸方向に沿って延びる9つのスロットとを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ27枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、前記コンミテータに、周回り方向に沿って8つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設けた3相直流モータに関する。そして、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当てて相毎に第一ティース、第二ティース、および第三ティースの3つのティースを設定し、前記第一ティースに、前記巻線を順方向に巻回してU相、V相、およびW相のコイルを形成し、前記第二ティース、および第三ティースに、前記巻線を逆方向に巻回して-U相、-V相、および-W相のコイルをそれぞれ形成し、隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V、-V相のコイルをこの順で電気的に接続する。
 このように構成することで、セグメント間電圧を低減し、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗を低減することが可能になる。
 また、1つのティースに第一コイル、第二コイル、および第三コイルの3つのコイルが全て巻装されず、1つのティースに第一コイル、第二コイル、または第三コイルの何れか1つのコイルが巻装されるので、コイルとセグメントとの結線作業工数を低減させることができる。
 本発明に係る第一ないし第三の発明によれば、磁極数を8極に設定しつつ、スロットの個数を6つに設定できる。このため、多極化することでアーマチュアコアの小型化、軽量化を図りつつ、スロット開口幅を大きく設定することができ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能になる。
 また、接続線が回転軸の全周に亘るように配されているので、ブラシが摺接しているセグメントからこのセグメントと同電位の他のセグメントへブラシを中心にして両側から電流を流すことができる。このため、接続線が回転軸の全周に亘って配されていない場合と比較して電流バランスがよくなり、モータ効率の安定化を図ることができる。
 さらに、各ティースにそれぞれ別体の巻線を巻装することで、同じ相に相当するティース同士に巻線が連続して直列になるように巻装されている場合と比較して並列回路数を2回路から4回路にすることができる。並列回路数が4回路の場合、2回路と比較して巻線の細径化を図ることができるので、巻装作業をさらに容易に行うことが可能になる。
 本発明に係る第四の発明によれば、並列回路数を8回路にすることができるので、さらに巻線を細径化することができる。このため、より巻装作業を容易に行うことが可能になる。
 本発明に係る第五の発明によれば、ブラシが摺接しているセグメントと同電位のセグメントに接続された全ての巻線に電流を供給することができる。このため、ブラシを磁極の数だけ設ける必要がなく、ブラシの数を低減することができ、3相直流モータの製造コストを低減することが可能になる。
 本発明に係る第六の発明によれば、各ティースに巻線を逆方向に巻回するので、コンミテータとアーマチュアコアとの間に配される巻線がクロスした状態、つまり、捩れた状態になる。このため、コンミテータの首下部分の嵩張りが防止できる。
 本発明に係る第七の発明によれば、磁極数を8極に設定しつつ、スロットの個数を6つに設定できる。このため、多極化することでアーマチュアコアの小型化、軽量化を図りつつ、スロット開口幅を大きく設定することができ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能になる。
 また、接続線が回転軸の全周に亘るように配されているので、ブラシが摺接しているセグメントからこのセグメントと同電位の他のセグメントへブラシを中心にして両側から電流を流すことができる。このため、接続線が回転軸の全周に亘って配されていない場合と比較して電流バランスがよくなり、モータ効率の安定化を図ることができる。
 さらに、従来のセグメント数がスロット数に対して2倍であるのに対し、セグメント数をスロット数の4倍に設定することで、一極対(N極とS極)当たりのセグメント数を6枚にすることができる。このため、セグメント間電圧を低減することができ、ブラシの延命化を図ることが可能になる。
 本発明に係る第八の発明によれば、各コイルの端末部のスロットからセグメントに至る間の配線の距離を短く設定することができる。また、コイルの端末部とセグメントとの結線作業工数を少なく設定することができる。このため、3相直流モータの組み立て作業の簡素化、製造コストの低減化を図ることが可能になる。
 本発明に係る第九の発明によれば、同じ相に相当するティース同士に第一コイル、および第二コイルが連続して直列になるように巻装されている場合と比較して並列回路数を2回路から4回路にすることができる。並列回路数が4回路の場合、2回路と比較して巻線の細径化を図ることができるので、巻装作業をさらに容易に行うことが可能になる。
 本発明に係る第十の発明によれば、アーマチュアコアの小型化、軽量化を図りつつ、スロット開口幅を大きく設定することができ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能になる。また、接続線が回転軸の全周に亘って配されていない場合と比較して電流バランスがよくなり、モータ効率の安定化を図ることができる。さらに、セグメント間電圧を低減することができ、ブラシの延命化を図ることが可能になる。
 そして、1つのティースに順方向に巻回したコイルと逆方向に巻回したコイルとが巻装されず、1つのティースに順方向に巻回したコイル、または逆方向に巻回したコイルの何れか1つのコイルが巻装されるので、コイルとセグメントとの結線作業工数を低減させることができる。このため、巻線の巻装作業を容易化することができる。
 本発明に係る第十一の発明によれば、セグメント数をスロット数に対して3倍に設定することができる。このため、さらにセグメント間電圧を低減でき、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗をより低減することが可能になる。
 本発明に係る第十二の発明によれば、並列回路数を磁極数と同じ数に設定することができる。
 ここで、例えば同じ相に相当するティース同士に連続して直列に各コイルを巻装した場合にあっては、磁極数に係らず並列回路数が2回路になる。このため、並列回路数を磁極数と同じ数に設定できると、並列回路数が2回路の場合と比較してコイル全体の抵抗を小さくできるので、巻線を細径化することが可能になる。よって、巻線を細径化できる分巻装作業を容易に行うことが可能になる。
 本発明に係る第十三の発明によれば、ティースごとに巻線の巻き始め端、および巻き終わり端が引き出されることなく、同じ相に相当する全てのティースを併せて巻き始め端、および巻き終わり端がそれぞれ1本づつ引き出される状態にすることができる。このため、巻線とセグメントとの接続箇所を減少させることができ、セグメントとアーマチュアコアとの間の嵩張りを防止できる。
 本発明に係る第十四の発明によれば、セグメント数がスロット数に対して3倍に設定されるので、セグメント間電圧を低減できる。このため、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗を低減することが可能になる。
 また、2つの3相集中巻き方式のコイル群を並列にセグメントに接続することで、磁極数に係らず並列回路数を4回路に設定することができる。このため、並列回路数のバリエーションを増大させることができ、多種多様な3相直流モータを提供することが可能になる。
 本発明に係る第十五の発明によれば、磁極数に係らず並列回路数を4回路に設定した場合において、回転軸を中心にして点対称となる位置に存在するティース同士に、巻線が連続して直列になるように巻装されるので、磁気バランスが向上し、回転軸の振れ回りを低減することができる。このため、低振動、低騒音の3相直流モータを提供することが可能になる。
 本発明に係る第十六の発明によれば、セグメント間電圧を低減し、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗を低減することが可能になる。
 また、1つのティースに第一コイル、第二コイル、および第三コイルの3つのコイルが全て巻装されず、1つのティースに第一コイル、第二コイル、または第三コイルの何れか1つのコイルが巻装されるので、コイルとセグメントとの結線作業工数を低減させることができる。このため、巻線の巻装作業を容易化することができる。
本発明の実施形態における3相直流モータの縦断面図である。 本発明の実施形態におけるアーマチュアの平面図である。 本発明の第一実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第一実施形態における3相直流モータの作用説明図である。 本発明の第一実施形態における有効磁束の変化を示すグラフである。 本発明の第二実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第三実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第三実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第四実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第四実施形態における巻線の巻装手順を示す説明図である。 本発明の第五実施形態におけるアーマチュアの平面図である。 本発明の第五実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第五実施形態における3相直流モータの作用説明図である。 本発明の第六実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第六実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第七実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第七実施形態における3相直流モータの作用説明図である。 本発明の第七実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第八実施形態におけるアーマチュアの平面図である。 本発明の第八実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第八実施形態における3相直流モータの作用説明図である。 本発明の第八実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第八実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第八実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第九実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第九実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第九実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第九実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第九実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。 本発明の第十実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第十一実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第十二実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第十二実施形態における3相直流モータの作用説明図である。 本発明の第十二実施形態の変形例を示すアーマチュアの展開図である。
 次に、この発明の第一実施形態を図1~図5に基づいて説明する。
 図1、図2に示すように、3相直流モータ1は、車両に搭載する電装品(例えば、ラジエータファン)の駆動源となるもので、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている。ヨーク2の内周面には周回り方向に永久磁石4が8つ固定され、ヨーク2の磁極数は8極に設定されている。
 アーマチュア3は、回転軸5に固定されたアーマチュアコア6と、アーマチュアコア6に巻装されたアーマチュアコイル7と、アーマチュアコア6の一端側に配置されたコンミテータ13とから構成されている。アーマチュアコア6は、リング状の金属板8を軸方向に複数枚積層したものである。金属板8の外周部にはT字型のティース9(図2参照)が周回り方向に沿って等間隔に6つ放射状に形成されている。
 複数枚の金属板8を回転軸5に外側から嵌合することにより、アーマチュアコア6の外周には隣接するティース9間に蟻溝状のスロット11が形成されている。スロット11は軸方向に沿って延びており、周回り方向に沿って等間隔に6つ形成されている。
 各ティース9には、スロット11を介してエナメル被覆の巻線12が集中巻方式にて巻装され、これによりアーマチュアコア6の外周に複数のアーマチュアコイル7が形成される。
 コンミテータ13は、回転軸5の一端に外側から嵌合され、固定されている。コンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が12枚取り付けられている。
 セグメント14は軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態でコンミテータ13の周回り方向に沿って等間隔に並列に固定されている。各セグメント14のアーマチュアコア6側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ15が一体形成されている。
 ライザ15には、アーマチュアコイル7を形成する巻線12の巻き始め端61、および巻き終わり端62(後述の図3で詳述する)が掛け回わされている。これら巻き始め端61、および巻き終わり端62は、ヒュージングによりライザ15に固定されている。これにより、セグメント14とこれに対応するアーマチュアコイル7とが電気的に接続される。
 また、図2に示すように、同電位となるセグメント14(本実施形態では2つ置きのセグメント14)に対応するライザ15には、それぞれ接続線25が掛け回され、接続線25はヒュージングによりライザ15に固定されている。接続線25は、同電位となるセグメント14同士を短絡するためのものであって、回転軸5の全周に亘るように配され、かつコンミテータ13とアーマチュアコア6との間に配されている。
 図1に示すように、回転軸5の他端側は、ヨーク2に突出形成されたボス内の軸受16によって回転自在に支持されている。ヨーク2の開口端にはカバー17が設けられており、このカバー17の内側にはホルダーステー18が取り付けられている。ホルダーステー18には、周回り方向に45°の間隔を開けてブラシホルダ19が2箇所形成されている。
 ブラシホルダ19には、それぞれブラシ21が各々スプリング29を介して付勢された状態で出没自在に内装されている。これらブラシ21の先端部は、スプリング29によって付勢されているためコンミテータ13に摺接しており、外部からの電源がブラシ21を介してコンミテータ13に供給される。
 このように構成された、8極6スロット12セグメントの3相直流モータ1のアーマチュア3には、以下のように巻線12が巻装されている。
 図3は、アーマチュア3のセグメント14(ライザ15)とティース9、ヨーク2側に固着される永久磁石4、そして、接続線25を展開した図面であり、隣接するティース9間の空隙がスロット11に相当している(以下の実施形態でも同様)。なお、以下の図面においては、各セグメント14、各ティース9、および巻装された巻線12にそれぞれ符号を附して説明する。
 同図に示すように、同電位となるセグメント14同士は、接続線25によって短絡されている。つまり、2つ置きのセグメント14同士(例えば、1番セグメント14、4番セグメント14、7番セグメント14、10番セグメント14)が接続線25によってそれぞれ短絡されている。
 また、各ティース9には、それぞれU相、W相、V相が周回り方向にこの順で割り当てられている。つまり、1番、4番ティース9がU相、2番、5番ティース9がW相、3番、6番ティース9がV相になっている。
 巻線12は、例えば、その巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14の近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn(nは1以上の自然数)回、順方向(図3における時計回り方向)に巻装してU相の第一コイル7aを形成する。
 続いて、1-2番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、3-4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn回、順方向に巻装して第二コイル7bを形成する。これら1番ティース9と4番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
 巻線12は、4番ティース9に第二コイル7bを形成した後、4-5番ティース9の間のスロット11から引き出され、4番ティース9の近傍に存在する8番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、8番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、1,4番セグメント14,14の間には1番ティース9と4番ティース9に巻装され、かつ直列に接続された一対のコイル7a,7bを備えるU相のアーマチュアコイル7Uが形成される。
 なお、巻き終わり端62が接続されている8番セグメント14と1番セグメント14に隣接する2番セグメント14は、接続線25により短絡されている。このため、1番セグメント14、8番セグメント14間の電位差は、隣接する1番セグメント14と2番セグメント14との間の電位差に等しくなる。つまり、巻き終わり端62は、この引き出し位置の近傍に存在するセグメント14であって、2番セグメント14と同電位の8番セグメント14に接続されている。
 同様にして、例えば、巻線12の巻き始め端61が3番セグメント14より巻き始められた場合、まず、3番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を3番セグメント14近傍に存在する1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、2番ティース9にn回、順方向に巻装して第一コイル7aを形成する。
 続いて、2-3番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、4-5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、5番ティース9にn回、順方向に巻装して第二コイル7bを形成する。これら2番ティース9と5番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
 巻線12は、5番ティース9に第二コイル7bを形成した後、5-6番ティース9の間のスロット11から引き出され、5番ティース9の近傍に存在する10番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、10番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。つまり、巻き終わり端62は、この引き出し位置近傍に存在するセグメント14である10番セグメント14に接続される。
 これにより、3,10番セグメント14,14の間には2番ティース9と5番ティース9に巻装され、かつ直列接続された一対のコイル7a,7bを備えるW相のアーマチュアコイル7Wが形成される。
 そして、これを順次各セグメント14間に一対のコイル7a,7bを繰り返し形成しながら巻き進むことにより、アーマチュアコア6には3相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vが形成される。
 また、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されていることを利用して、結果的に隣接するセグメント14間には、U,W,V相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vがこの順で電気的に順次接続される。つまり、1-2番セグメント14,14間にはU相のアーマチュアコイル7Uが接続され、2-3番セグメント14,14間にはV相のアーマチュアコイル7Vが接続され、さらに、3-4番セグメント14,14間にはW相のアーマチュアコイル7Wが接続される。
 次に、図4に基づいて、この実施形態の3相直流モータ1の作用について説明する。なお、以下の説明においては、2つのブラシ21,21の一方が1番セグメント14に配置され、他方が2-3番セグメント14,14間に配置されている場合について説明する。これに加え、1番セグメント14に配置されたブラシ21を陽極側のブラシ21とし、2-3番セグメント14,14間に配置されたブラシ21を陰極側のブラシ21とした場合について説明する。
 図4に示すように、陰極側のブラシ21は、2-3番セグメント14,14間に跨って配置されているので、V相のアーマチュアコイル7Vは短絡された状態になる。そして、1番ティース9、および4番ティース9に巻装されているU相のアーマチュアコイル7Uに順方向(図4における時計回り方向)に電流が流れる。一方、2番ティース9、5番ティース9に巻装されているW相のアーマチュアコイル7Wには、逆方向(図4における反時計回り方向)に電流が流れる。
 すると、1,2,4,5番ティース9にそれぞれ磁界が形成される。これらの磁界の向きは、周回り方向に順番になるので、これらの磁界と永久磁石4との間に磁気的な吸引力や反発力が回転軸5を中心にして点対称となる位置で同じ方向に作用し、これによって回転軸5が回転する(図2、図4参照)。
 回転軸5が回転し始めると、ブラシ21,21に摺接するセグメント14が順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われる。
 したがって、上述の第一実施形態によれば、磁極数を8極に設定しつつ、スロットの個数を6つに設定できる。このため、多極化することでアーマチュアコア6の小型化、軽量化を図りつつ、スロット開口幅を大きく設定することができ、巻線12の巻装作業を容易に行うことが可能になる。
 図5は、縦軸を有効磁束(Mx)とし、横軸をスロット開口幅(mm)とした場合のこの第一実施形態のアーマチュア3における有効磁束の変化を示すグラフである。
 同図に示すように、スロット開口幅を大きく設定すればするほど、所定のスロット開口幅(図5における開口幅P)に至るまでの間は、有効磁束が増大していくことが確認できる。このため、スロット開口幅を大きく設定しても有効磁束を十分確保することができるので、3相直流モータ1のモータ効率の低減を防止することができる。
 また、上述の第一実施形態によれば、接続線25が回転軸5の全周に亘るように配されているので、ブラシ21が摺接しているセグメント14からこのセグメント14と同電位の他のセグメント14へブラシ21を中心にして両側から電流が流れる(図3における矢印参照)。このため、接続線25が回転軸5の全周に亘って配されていない場合と比較して電流バランスがよくなる。
 次に、この発明の第二実施形態を図1、図2を援用し、図6に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態でも同様)。
 この第二実施形態において、3相直流モータ1は8極6スロット12セグメントに構成されたものである点、コンミテータ13に摺接する2つのブラシ21,21は周回り方向に45°の間隔を開けて配置されている点、セグメント14には同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25が接続され、これら接続線25は、回転軸5の全周に亘って配されている点、各ティース9にはそれぞれU相、W相、V相が周回り方向にこの順で割り当てられている点等の基本的構成は前記第一実施形態と同様である。
 この第二実施形態と前述の第一実施形態との相違点は、前述の第一実施形態では、同じ相同士のティース9にそれぞれ形成された一対のコイル7a,7bを直列接続して各相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vを形成しているのに対し、この第二実施形態では、巻線12を隣接するセグメント14間に接続し、ティース9毎に巻線12を巻装している点にある。
 具体的には、図6に示すように、巻線12は、例えば、その巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn回、順方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-2番ティース9の間のスロット11から引き出され、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、2番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。つまり、巻き終わり端62は、この引き出し位置近傍に存在するセグメント14であって、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14に接続される。
 これにより、1,2番セグメント14,14の間には1番ティース9に巻装されたU相のアーマチュアコイル7Uが形成される。
 そして、これを順次隣接するセグメント14間にティース9毎に巻装された各相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vを繰り返し形成しながら巻き進むことにより、アーマチュアコア6には3相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vが形成される。
 また、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているため、結果的に隣接するセグメント14間には、U,V,W相のアーマチュアコイル7U,7V,7Wがこの順で電気的に順次接続された構造となっている。さらに、ブラシ21からセグメント14に電圧を印加して各相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vに電流を供給する場合、接続線25によってブラシ21が当接しているセグメント14と同電位のセグメント14に接続されているアーマチュアコイル7全てに電流が供給される。
 このように、ティース9毎にアーマチュアコイル7を形成すると、同じ相同士のティース9にそれぞれ形成された一対のコイル7a,7bを直列接続してアーマチュアコイル7を形成する場合と比較して、並列回路数を増加させることができる。具体的には、直列接続してアーマチュアコイル7を形成する場合は並列回路数が2回路であるのに対し(図4参照)、ティース9毎にアーマチュアコイル7を形成する場合は並列回路数が4回路となる。このため、並列回路数が増大する分、アーマチュアコイル7全体としての抵抗値を低減できるので、巻線12の線径を細くすることが可能になる。
 したがって、上述の第二実形態によれば、前述の第一実施形態と同様の効果に加え、巻線12の細径化を図ることができるので、巻装作業をさらに容易に行うことが可能になる。
 次に、この発明の第三実施形態を図7に基づいて説明する。
 この第三実施形態では、各ティース9にそれぞれ第一コイル33U,33W,33Vと第二コイル34U,34W,34Vとが巻装されている。基本的構成は前記第一実施形態と同様である。
 より詳しくは、巻線12は、この巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、各ティース9に巻線12をそれぞれn回巻装するものとした場合、1番ティース9にn/2回、順方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-2番ティース9の間のスロット11から引き出され、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、2番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、1-2番セグメント14,14間には、1番ティース9にn/2回、順方向に巻装されたU相の第一コイル33Uが形成される。
 一方、1番セグメント14と接続線25によって短絡され、1番セグメント14と同電位になっている10番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12を1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/2回、第一コイル33Uと同方向(順方向)に巻装する。
 続いて、巻線12は1-2番ティース9の間のスロット11から引き出され、2番セグメント14と接続線25によって短絡されている5番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、5番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、10,5番セグメント14,14間には、1番ティース9にn/2回、順方向に巻装されたU相の第二コイル34Uが形成される。
 したがって、U相に相当する1番ティース9には、巻線12が同方向にn/2回、順方向に巻装されたU相の第一コイル33U、およびU相の第二コイル34Uの2つのコイルを備えたn回巻きのU相のアーマチュアコイル7Uが形成される。
 同様にして、1番ティース9と同相のU相である4番ティースにもU相の第一コイル33U,およびU相の第二コイル34Uの2つのコイルを備えたn回巻きのU相のアーマチュアコイル7Uを形成する。すなわち、1番セグメント14と接続線25によって短絡され、1番セグメント14と同電位になっている7番セグメント14と、2番セグメント14と接続線25によって短絡され、2番セグメント14と同電位になっている8番セグメント14との間に、4番ティース9にn/2回、順方向に巻装されたU相の第一コイル33Uを形成する。また、4番セグメント14と11番セグメント14との間に、6番ティース9にn/2回、順方向に巻装されたU相の第二コイル34Uを形成する。
 U相以外の他の相のティース9にも同様にして巻線12を巻装し、かつ隣接するセグメント14間に、U相、V相、W相の各相のコイル33U~34Wがこの順で電気的に順次接続されるように構成する。
 例えば、W相のティース9において、巻線12の巻き始め端61が3番セグメント14より巻き始められ、W相に相当する2番ティース9にn/2回、順方向に巻装してW相の第一コイル33Wを形成する。その後、3番セグメント14に隣接する4番セグメント14に接続する。
 また、3番セグメント14と接続線25によって短絡され、3番セグメント14と同電位になっている12番セグメント14と、4番セグメント14と接続線25によって短絡され、4番セグメント14と同電位になっている7番セグメント14間に、2番ティース9にn/2回、順方向に巻装されたW相の第二コイル34Wを形成する。
 これを順次各セグメント14間に各相のコイル33U~34Vを形成しながら巻き進むことにより、アーマチュアコア6には3相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vが形成される。
 また、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているため、結果的に隣接するセグメント14間には、U相、V相、W相のアーマチュアコイル7がこの順で電気的に順次接続された構造になる。
 したがって、上述の第三実施形態によれば、各ティース9に形成された各相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vをそれぞれ第一コイル33U,33W,33Vと第二コイル34U,34W,34Vとで構成することによって、並列回路数を磁極数と同じ8回路とすることができる。このため、上述の第一実施形態と同様の効果に加え、並列回路数を8回路にする分、巻線12の線径を細くすることが可能になり、さらに巻装作業を容易に行うことができる。
 なお、この第三実施形態にあっては、図8に示すように、同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25を設けなくてもよい。この場合、磁極の数だけブラシ21を設置する必要がある。
 すなわち、コンミテータ13に、同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25が設けられている場合にあっては、2つのブラシ21で各相のコイル33U~34Wに電流を供給することができる。しかしながら、接続線25を設けない場合にあっては、2つのブラシ21で各相のコイル33U~34Wに電流を供給することができないので、ブラシ21を磁極の数と同じ8つ設ける必要がある。つまり、接続線25を設けることは、3相直流モータ1の部品点数を減少させ、3相直流モータ1の製造コストを低減させるという効果も奏している。
 次に、この発明の第四実施形態を図9、図10に基づいて説明する。
 この第四実施形態では、基本的構成は前記第一実施形態と同様である。但し、上述の第一実施形態から第三実施形態の各ティース9に巻装されている巻線12が全て順方向に巻回されているのに対し、各ティース9に巻装されている巻線12が全て逆方向に巻回されている。
 より詳しくは、巻線12は、例えば、その巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14近傍に存在する1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn回、逆方向(図9における反時計回り方向)に巻装する。
 続いて、巻線12は1-6番ティース9の間のスロット11から引き出され、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、2番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、1,2番セグメント14,14の間には1番ティース9に巻装された「-U」相のアーマチュアコイル7Uが形成される。
 そして、これを順次隣接するセグメント14間にティース9毎に巻装された各相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vを繰り返し形成しながら巻き進むことにより、アーマチュアコア6には3相のアーマチュアコイル7U,7W,7Vが形成される。
 このような構成において、隣接するセグメント14間では、「-U」相、「-V」相、「-W」相のアーマチュアコイル7がこの順で電気的に順次接続された構造になる。
 ここで、U相に相当する1,4番ティース9、およびW相に相当する2,5番ティース9に巻装されたアーマチュアコイル7の巻き始め端61、および巻き終わり端62は、それぞれのティース9に隣接し、かつ対応するセグメント14間に接続されている。また、V相に相当する3,6番ティース9に巻装されたアーマチュアコイル7の巻き始め端61、および巻き終わり端62は、回転軸5を中心にして対向するよう配置され、かつ隣接するセグメント14間の電位差に等しい2つのセグメント14,14に接続されている。
 すなわち、3番ティース9に逆方向に巻装された「-V」相のアーマチュアコイル7Vは、この巻き始め端61が2番セグメント14に接続されている。また、巻き終わり端62は、2番セグメント14に隣接する3番セグメント14に接続されず、この3番セグメント14と回転軸5を中心にして対向するよう配置され、かつ3番セグメント14と同電位の9番セグメント14に接続されている。
 また、6番ティース9に逆方向に巻装された「-V」相のアーマチュアコイル7Vは、この巻き始め端61が8番セグメント14に接続されている。また、巻き終わり端62は、8番セグメント14に隣接する9番セグメント14に接続されず、3番セグメント14に接続されている。
 次に、図10に基づいて、この第四実施形態の巻線12の巻装手順について説明する。
 ここで、巻線12をティース9に巻装するにあたって、巻装用自動機械(不図示)を使用する。また、自動機械としては、巻線12をスロット11に案内するノズル(不図示)を2つ有し、かつこれらノズルが回転軸5を中心にして対向するよう配置されている、所謂ダブルフライヤー方式の自動機械を用いる。
 同図に示すように、まず、1番セグメント14、およびこれに回転軸5を中心に対向するよう配置された7番セグメント14から巻線12を巻き始める場合、1番セグメント14に接続された巻線12は、1番ティース9に逆方向に巻装される(図10における矢印A1)。一方、2つのノズル(不図示)は互いに回転軸5を中心にして対向するよう配置されていることから、7番セグメント14に接続された巻線12は、4番ティース9に逆方向に巻装される(図10における矢印A2)。
 続いて、1番ティース9に巻装された巻線12は、2番セグメント14のライザ15に掛け回され、3番ティース9に逆方向に巻装される(図10における矢印B1)。一方、4番ティース9に巻装された巻線12は、8番セグメント14のライザ15に掛け回され、6番ティース9に逆方向に巻装される(図10における矢印B2)。
 次に、3番ティース9に巻装された巻線12は、9番セグメント14のライザ15に掛け回され、5番ティース9に逆方向に巻装される(図10における矢印C1)。一方、6番ティース9に巻装された巻線12は、3番セグメント14のライザ15に掛け回され、2番ティース9に逆方向に巻装される(図10における矢印C2)。
 そして、5番ティース9に巻装された巻線12を10番セグメント14に接続すると共に、2番ティース9に巻装された巻線12を4番セグメント14に接続し、巻線12の巻装作業が完了する。
 したがって、上述の第四実形態によれば、前述の第一実施形態と同様の効果に加え、各ティース9に巻線12を逆方向に巻回するので、コンミテータ13とアーマチュアコア6との間に配される巻線12がクロスした状態、つまり、捩れた状態になる(図9参照)。このため、コンミテータ13の首下部分の嵩張りが防止できる。
 また、ダブルフライヤー方式の自動機械(不図示)を用いれば途中で巻線12を切断させることなく各ティース9への巻線12の巻装作業を連続して行うことができる。このため、巻装作業の工数を低減させることが可能になる。
 なお、各ティース9への巻線12の巻装方法のさまざまな形態について第一実施形態から第四実施形態で説明した。しかしながら、巻線12の巻装方法はこれらに限られるものではなく、3相直流モータ1が8極6スロット12セグメントで構成され、かつ、各ティース9がU相、W相、V相が周回り方向にこの順で割り当てられている場合であって、隣接するセグメント14間に、U相、V相、W相のアーマチュアコイル7がこの順で電気的に順次接続されているか、または、「-U」相、「-V」相、「-W」相のアーマチュアコイル7がこの順で電気的に順次接続されていればよい。
 また、上述の実施形態では、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているアーマチュア3にあっては、ブラシ21が2つ設けられている場合について説明した(例えば、図3、図6、図7、図9参照)。しかしながら、ブラシ21の個数は2つに限られるものではなく、磁極数と同じ個数までブラシ21を増加することができる。
 次に、この発明の第五実施形態を図11~図13に基づいて説明する。
 この第五実施形態において、回転軸5の一端に外側から嵌合され固定されたコンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が24枚取り付けられている。
 また、図11に示すように、同電位となるセグメント14(本実施形態では5つ置きのセグメント14)に対応するライザ15には、それぞれ接続線25が掛け回され、接続線25はヒュージングによりライザ15に固定されている。他の構成は前記第一実施形態と同様である。
 このように構成された、8極6スロット24セグメントの3相直流モータ1のアーマチュア3には、以下のように巻線12が巻装されている。
 図12に示すように、同電位となるセグメント14同士は、接続線25によって短絡されている。つまり、5つ置きのセグメント14同士(例えば、1番セグメント14、7番セグメント14、13番セグメント14、19番セグメント14)が接続線25によってそれぞれ短絡されている。
 また、各ティース9には、それぞれU相、W相、V相が周回り方向にこの順で割り当てられている。つまり、1番、4番ティース9がU相、2番、5番ティース9がW相、3番、6番ティース9がV相になっている。
 巻線12は、例えばその巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14の近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、各ティース9に巻線12をそれぞれn(nは1以上の自然数)回巻装するものとした場合、1番ティース9にn/2回順方向に巻装して順巻きコイル33aを形成する。
 続いて、1-2番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、3-4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn/2回順方向に巻装した順巻きコイル33bを形成する。これら1番ティース9と4番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
 巻線12は、順巻きコイル33bを形成した後、4-5番ティース9の間のスロット11から引き出し、4番ティース9の近傍に存在する14番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、14番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、1-14番セグメント14,14間には1番ティース9と4番ティース9に順方向に巻装され、かつ直列接続された一対の順巻きコイル33a,33bを備えるU相の第一コイル33Uが形成される。
 なお、巻き終わり端62が接続されている14番セグメント14と1番セグメント14に隣接する2番セグメント14は、接続線25により短絡されている。このため、1-14番セグメント14,14間の電位差は、隣接するセグメント間の電位差と等しくなる。つまり、巻き終わり端62は、この引き出し位置近傍に存在するセグメント14であって、2番セグメント14と同電位の14番セグメント14に接続されている。
 したがって、第一コイル33は、隣接する1-2番セグメント14,14間(互いに隣接するセグメント間)に電気的に接続されており、この1-2番セグメント14,14間にU相の第一コイル33Uが形成されているのと等しい。
 一方、4番セグメント14のライザ15に巻き始め端61が掛け回された巻線12を1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/2回逆方向に巻装して逆巻きコイル34aを形成する。
 続いて、1-6番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、4-5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn/2回逆方向に巻装して逆巻きコイル34bを形成する。
 巻線12は、逆巻きコイル34bを形成した後、3-4番ティース9の間のスロット11から引き出し、4番セグメント14に隣接する11番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、11番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、4-11番セグメント14,14間には1番ティース9と4番ティース9に逆方向に巻装され、かつ直列接続された一対の逆巻きコイル34a,34bを備える「-U」相の第二コイル34Uが形成される。
 このように、U相に相当する1番ティース9、および4番ティース9には、巻線12が順方向にn/2回巻装されたU相の第一コイル33Uと巻線12が逆方向にn/2回巻装された「-U」相の第二コイル34とを備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 また、2つのブラシ21のうち、一方のブラシ21が1-2番セグメント14,14間に当接しているとき、他方のブラシ21は4-5番セグメント14,14間に当接している。すなわち、順方向に巻装されたU相の第一コイル33Uの巻き始め端61が接続されている1番セグメント14と逆方向に巻装された「-U」相の第二コイル34Uの巻き始め端61が接続されている4番セグメント14との相対位置は、2つのブラシ21の相対位置に対応するように周回り方向に45°の間隔を開けて存在するように設定されている。
 同様にして、例えば、巻線12の巻き始め端61が5番セグメント14より巻き始められた場合、W相に相当する2番ティース9と5番ティース9にそれぞれn/2回順方向に巻装して順巻きコイル33a,33bを形成してV相の第一コイル33Wを形成する。その後、巻き終わり端62を18番セグメント14に接続する。
 一方、2番ティース9と5番ティース9とにそれぞれn/2回逆巻き方向に巻装した逆巻きコイル34a,34bを形成して「-W」相の第二コイル34Wを形成する。この「-W」相の第二コイル34Wの巻き始め端61、および巻き終わり端62は、8-15番セグメント14,14に接続されている。すなわち、「-W」相の第二コイル34Wの巻き始め端61が接続されている8番セグメント14は、W相の第一コイル33Wの巻き始め端61が接続されている3番セグメント14から周回り方向に45°の間隔を開けて存在している。
 このようにすることで、W相に相当する2番ティース9、および5番ティース9には、巻線12が順方向にn/2回ずつ巻装されたW相の第一コイル33Wと巻線12が逆方向にn/2回ずつ巻装された「-W」相の第二コイル34Wとを備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 そして、これを各相に対応するセグメント14間で順次行うことにより、アーマチュアコア6には第一コイル33U,33W,33Vと第二コイル34U,34W,34Vとを備えた3相構造のアーマチュアコイル7が形成される。
 また、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているので、各々隣接するセグメント14間は、両隣が互いに異相、かつ順逆交互となるようにU,「-W」,V,「-U」,W,「-V」相のコイル33U~34Vがこの順で電気的に順次接続された構造となっている。
 次に、図13に基づいて、この第五実施形態の3相直流モータ1の作用について説明する。なお、以下の説明においては、2つのブラシ21,21の一方が1-2番セグメント14,14間に配置され、他方が4-5番セグメント14,14間に配置されている場合について説明する。これに加え、1-2番セグメント14,14間に配置されたブラシ21を陽極側のブラシ21とし、4-5番セグメント14,14間に配置されたブラシ21を陰極側のブラシ21とした場合について説明する。
 図13に示すように、陽極側のブラシ21は、1-2番セグメント14,14間に跨って配置されている一方、陰極側のブラシ21は、4-5番セグメント14,14間に跨って配置されているので、U相の第一コイル33U、および「-U」相の第二コイル34Uは短絡された状態になる。
 そして、2番ティース9、および5番ティース9に巻装されているW相の第一コイル33W、および「-W」相の第二コイル34Wに逆方向(図13における反時計回り方向)に電流が流れる。一方、3番ティース9、6番ティース9に巻装されているV相の第一コイル33V、および「-V」相の第二コイル34Vには、順方向(図13における時計回り方向)に電流が流れる。
 すると、2,3,5,6番ティース9にそれぞれ磁界が形成される。これらの磁界の向きは、周回り方向に順番になるので、これらの磁界と永久磁石4との間に磁気的な吸引力や反発力が回転軸5を中心にして点対称となる位置で同じ方向に作用する。そして、これによって回転軸5が回転する(図11、図13参照)。
 回転軸5が回転し始めると、ブラシ21,21に摺接するセグメント14が順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われる。
 なお、図13に示すように、同じ相同士のティース9に形成されたコイル(例えば、順巻きコイル33aと逆巻きコイル33b)が直列接続されているので、並列回路数は2回路になる。
 したがって、上述の第五実施形態によれば、磁極数を8極に設定しつつ、スロットの個数を6つに設定できる。このため、多極化することでアーマチュアコア6の小型化、軽量化を図りつつ、スロット開口幅を大きく設定することができ、巻線12の巻装作業を容易に行うことが可能になる。その理由は上記第一実施形態と同様である(図5参照)。
 また、上述の第五実施形態によれば、接続線25が回転軸5の全周に亘るように配されているので、ブラシ21が摺接しているセグメント14からこのセグメント14と同電位の他のセグメント14へブラシ21を中心にして両側から電流が流れる(図12における矢印参照)。このため、接続線25が回転軸5の全周に亘って配されていない場合と比較して電流バランスがよくなり、モータ効率の安定化を図ることができる。
 さらに、セグメント14の個数がスロット11の個数の4倍に設定されている。つまり、スロット11が6つ形成されているのに対し、コンミテータ13にはセグメント14が24枚取り付けられている。このため、一極対(N極とS極)当たりのセグメント数を6枚にすることができる(図12における2点鎖線参照)。このため、セグメント間電圧を低減することができ、ブラシ21の延命化を図ることが可能になる。
 次に、この発明の第六実施形態を図11を援用し、図14、図15に基づいて説明する。基本的構成は前記第五実施形態と同様である。
 この第六実施形態において、3相直流モータ1は8極6スロット24セグメントに構成されたものである点、コンミテータ13に摺接する2つのブラシ21,21は周回り方向に45°の間隔を開けて配置されている点、セグメント14には同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25が接続され、これら接続線25は、回転軸5の全周に亘って配されている点、各ティース9にはそれぞれU相、W相、V相が周回り方向にこの順で割り当てられている点等の基本的構成は前記第五実施形態と同様である。
 ここで、第六実施形態の各ティース9には、それぞれU相、W相、V相の第一コイル33U,33W,33Vが巻装されていると共に、「-U」相、「-W」相、「-V」相の第二コイル34U,34W,34Vが巻装されている。しかしながら、第五実施形態のように、同じ相同士のティース9に形成されたコイル(例えば、順巻きコイル33aと逆巻きコイル33b)が直列接続されておらず、ティース9毎に、それぞれ別体の巻線12で各々第一コイル33U,33W,33Vと第二コイル34U,34W,34Vとが巻装されている。
 具体的には、図14に示すように、例えば、巻線12の巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/2回順方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-2番ティース9の間のスロット11から引き出され、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、2番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、1-2番セグメント14,14間には、1番ティース9に順方向に巻装されたU相の第一コイル33Uが形成される。
 一方、4番セグメント14のライザ15に巻き始め端61が掛け回された巻線12を1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/2回逆方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-6番ティース9の間のスロット11から引き出され、4番セグメント14に隣接する5番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、5番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、4-5番セグメント14,14間には、1番ティース9に逆方向に巻装された「-U」相の第二コイル34Uが形成される。
 したがって、U相に相当する1番ティース9には、巻線12が順方向にn/2回巻装されたU相の第一コイル33Uと巻線12が逆方向にn/2回巻装された「-U」相の第二コイル34Uとを備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 そして、これを各相に対応するセグメント14間で順次行うことにより、アーマチュアコア6には第一コイル33U,33W,33Vと第二コイル34U,34W,34Vとを備えた3相構造のアーマチュアコイル7が形成され、隣接するセグメント14間にU,「-W」,V,「-U」,W,「-V」相のコイル33U~34Vがこの順で電気的に順次接続される。
 このように、ティース9毎に、それぞれ別体の巻線12で各々第一コイル33U,33W,33Vと第二コイル34U,34W,34Vとを巻装すると、前述の第一実施形態の並列回路数が2回路であったのに対し、並列回路数を4回路に増大することができる。
 したがって、上述の第二実施形態によれば、前述した第一実施形態と同様の効果に加え、並列回路数を増やすことができるので、並列回路数が増大した分、巻線12の線径を細くすることが可能になる。このため、巻線12の線径が細い分だけ巻装作業をさらに容易に行うことが可能になる。
 なお、この第六実施形態では、「-U」相、「-W」相、および「-V」相の第二コイル34U,34W,34Vの巻き始め端61、および巻き終わり端62が隣接するセグメント14間(例えば、「-U」相の第二コイル34Uの場合、4-5番セグメント14,14間)に接続された場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、隣接するセグメント14間が全体でU,「-W」,V,「-U」,W,「-V」相のコイル33U~34Vがこの順で電気的に順次接続された構成になっていればよい。
 すなわち、図15に示すように、例えば、1番ティース9に巻装された「-U」相の第二コイル34Uの巻き始め端61を22番セグメント14に接続する一方、巻き終わり端62を5番セグメント14に接続してもよい。
 次に、この発明の第七実施形態を図16~図18に基づいて説明する。
 この第七実施形態では、同相同士の2つのティース9のうち、一方のティース9には第一コイル33U,33W,33Vのみが巻装され、他方のティース9には第二コイル34U,34W,34Vのみが巻装されている。すなわち、U相のティース9にあっては、1番ティース9にU相の第一コイル33Uが巻装されている一方、4番ティース9に「-U」相の第二コイル34Uが巻装されている。
 また、W相のティース9にあっては、2番ティース9にW相の第一コイル33Wが巻装されている一方、5番ティース9に「-W」相の第二コイル24Wが巻装されている。さらに、V相のティース9にあっては、3番ティース9にV相の第一コイル33Vが巻装されている一方、6番ティース9に「-V」相の第二コイル34Vが巻装されている。
 そして、隣接するセグメント14間には、U,「-W」,V,「-U」,W,「-V」相のコイル33U~34Vがこの順になるように電気的に順次接続されている。
 次に、図17に基づいて、この第七実施形態の3相直流モータ1の作用について説明する。
 同図に示すように、陽極側のブラシ21が1-2番セグメント14,14間に跨って配置されている一方、陰極側のブラシ21が4-5番セグメント14,14間に跨って配置されているので、U相の第一コイル33U、および「-U」相の第二コイル34Uは短絡された状態になる。
 そして、2番ティース9に巻装されているW相の第一コイル33W、および5番ティース9に巻装されている「-W」相の第二コイル34Wに逆方向(図17における反時計回り方向)に電流が流れる。一方、3番ティース9に巻装されているV相の第一コイル33V、および6番ティース9に巻装されている「-V」相の第二コイル34Vには、順方向(図17における時計回り方向)に電流が流れる。すると、2,3,5,6番ティース9にそれぞれ磁界が周回り方向に順番になるように形成される。このため、各ティース9に形成される磁界と永久磁石4との間に磁気的な吸引力や反発力によって回転軸5が回転する。
 したがって、上述の第七実施形態によれば、上述の第五実施形態と同様の効果に加え、1つのティース9に第一コイル33U~33W、および第二コイル34U~34Wの2つのコイルが全て巻装されず、1つのティース9に第一コイル33U~33W、または第二コイル34U~34Wの何れか1つのコイルが巻装されるので、コイル33U~34Wとセグメント14との結線作業工数を低減させることができる。このため、巻線12の巻装作業を容易化することができる。
 なお、この第七実施形態では、1番、2番、3番ティース9にそれぞれ第一コイル33U,33W,33Vを巻装し、4番、5番、6番ティース9にそれぞれ第二コイル34U,34W,34Vを巻装した場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、同相同士の2つのティース9のうち、一方のティース9に第一コイル33U,33W,33Vのみを巻装し、他方のティース9に第二コイル34U,34W,34Vのみを巻装し、かつ隣接するセグメント14間が全体でU,「-W」,V,「-U」,W,「-V」相のコイル33U~34Vがこの順で電気的に順次接続された構成になっていればよい。
 すなわち、例えば、図18に示すように、1番、3番、5番ティース9にそれぞれ第一コイル33U,33V,33Wを巻装する一方、2番、4番、6番ティース9にそれぞれ第二コイル34W,34U,34Vを巻装してもよい。
 さらに、上述の実施形態では、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているアーマチュア3にあっては、ブラシ21が2つ設けられている場合について説明した(例えば、図12、図17参照)。しかしながら、ブラシ21の個数は2つに限られるものではなく、磁極数と同じ個数までブラシ21を増加することができる。
 次に、この発明の第八実施形態を図19~図34に基づいて説明する。
 この第八実施形態において、ヨーク2の内周面には周回り方向に等間隔で永久磁石4が複数(本実施形態では4つ)固定されている。
 また、回転軸5の一端に外側から嵌合され固定されたコンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が18枚取り付けられている。
 ここで、コンミテータ13には、スロット11の個数に対して3倍の数のセグメント14が設けられている。すなわち、永久磁石4の磁極数をP、スロット11のスロット数をSr、セグメント14の個数をSe、Aを1以上の自然数としたとき、
 P=2A、Sr=3A、Se=9A
 を満たすように、磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seが設定されている。
 この実施形態では、永久磁石4が4つ(磁極数が4極)、スロット11の個数が6つ、セグメント14の個数が18枚に設定されているので、「A=2」に設定されていることになる。「A=2」とした場合、
 磁極数P=2A=2×2=4、Sr=3A=3×2=6、Se=9A=9×2=18
 であるので、
 P=2A、Sr=3A、Se=9A
 を満たしている。
 また、図19に示すように、同電位となるセグメント14(本実施形態では8つ置きのセグメント14)に対応するライザ15には、それぞれ接続線25が掛け回され、接続線25はヒュージングによりライザ15に固定されている。さらに、この第八実施形態では、永久磁石4が周回り方向に4つ周回り方向に等間隔で配置されているので、ホルダーステー18には、電気角で180°の間隔を開けて、つまり、周回り方向に機械角で90°の間隔を開けてブラシホルダ19が2箇所形成されている。他の構成は前記第一実施形態と同様である。
 このように構成された、4極6スロット18セグメントの3相直流モータ1のアーマチュア3には、以下のように巻線12が巻装されている。
 図20に示すように、同電位となるセグメント14同士は、接続線25によって短絡されている。つまり、8つ置きのセグメント14同士(例えば、1番セグメント14と10番セグメント14)が接続線25によってそれぞれ短絡されている。
 また、各ティース9には、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている。つまり、1番、4番ティース9がU相、2番、5番ティース9がV相、3番、6番ティース9がW相になっている。
 巻線12は、例えばその巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14の近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、各ティース9に巻線12をそれぞれn(nは1以上の自然数)回巻装するものとした場合、1番ティース9にn/3回順方向に巻装して順巻きコイル33aを形成する。
 続いて、1-2番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、3-4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn/3回順方向に巻装した順巻きコイル33bを形成する。これら1番ティース9と4番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
 巻線12は、順巻きコイル33bを形成した後、4-5番ティース9の間のスロット11から引き出し、4番ティース9の近傍に存在する11番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、11番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、1-11番セグメント14,14間には1番ティース9と4番ティース9に順方向に巻装され、かつ直列接続された一対の順巻きコイル33a,33bを備えるU相の第一コイル33Uが形成される。
 なお、巻き終わり端62が接続されている11番セグメント14と1番セグメント14に隣接する2番セグメント14は、接続線25により短絡されている。このため、1-11番セグメント14,14間の電位差は、隣接するセグメント間の電位差と等しくなる。
つまり、巻き終わり端62は、この引き出し位置近傍に存在するセグメント14であって、2番セグメント14と同電位の11番セグメント14に接続されていることになる。
 したがって、第一コイル33は、隣接する1-2番セグメント14,14間(互いに隣接するセグメント間)に電気的に接続されており、この1-2番セグメント14,14間にU相の第一コイル33Uが形成されているのと等しい。
 また、5番セグメント14のライザ15に巻き始め端61が掛け回された巻線12を1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/3回逆方向に巻装して逆巻きコイル34aを形成する。
 続いて、1-6番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、4-5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn/3回逆方向に巻装して逆巻きコイル34bを形成する。
 巻線12は、逆巻きコイル34bを形成した後、3-4番ティース9の間のスロット11から引き出し、5番セグメント14に隣接する6番セグメント14と接続線25を介して接続されている15番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、15番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、5-15番セグメント14,14間には1番ティース9と4番ティース9に逆方向に巻装され、かつ直列接続された一対の逆巻きコイル34a,34bを備える「-U」相の第二コイル34Uが形成される。
 さらに、6番セグメント14のライザ15に巻き始め端61が掛け回された巻線12を1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/3回逆方向に巻装して逆巻きコイル35aを形成する。
 続いて、1-6番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、4-5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn/3回逆方向に巻装して逆巻きコイル35bを形成する。
 巻線12は、逆巻きコイル35bを形成した後、3-4番ティース9の間のスロット11から引き出し、6番セグメント14に隣接する7番セグメント14と接続線25を介して接続されている16番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、16番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、6-16番セグメント14,14間には1番ティース9と4番ティース9に逆方向に巻装され、かつ直列接続された一対の逆巻きコイル35a,35bを備える「-U」相の第三コイル35Uが形成される。
 このように、U相に相当する1番ティース9、および4番ティース9には、巻線12が順方向にn/3回巻装されたU相の第一コイル33U、巻線12が逆方向にn/3回巻装された「-U」相の第二コイル34、および巻線12が逆方向にn/3回巻装された「-U」相の第三コイル35を備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 同様にして、4-14番セグメント14,14間に、2番ティース9と5番ティース9にそれぞれn/3回順方向に巻装し、かつ直列接続した一対の順巻きコイル33a,33bを備えるV相の第一コイル33Vを形成する。
 また、8-18番セグメント14,14間に、2番ティース9と5番ティース9にそれぞれn/3回逆方向に巻装し、かつ直列接続した一対の逆巻きコイル34a,34bを備える「-V」相の第二コイル34Vを形成する。
 さらに、9-19番セグメント14,14間に、2番ティース9と5番ティース9にそれぞれn/3回逆方向に巻装し、かつ直列接続した一対の逆巻きコイル35a,35bを備える「-V」相の第三コイル35Vを形成する。
 このようにすることで、V相に相当する2番ティース9、および5番ティース9には、巻線12が順方向にn/3回ずつ巻装されたV相の第一コイル33V、巻線12が逆方向にn/3回ずつ巻装された「-V」相の第二コイル34V、および巻線12が逆方向にn/3回ずつ巻装された「-V」相の第三コイル35Vを備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 そして、これをW相に相当する3番、6番ティース9にも対応するセグメント14間で巻線12を巻装することにより、アーマチュアコア6には第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wを備えた3相構造のアーマチュアコイル7が形成される。
 また、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているので、各々隣接するセグメント14間は、U,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続された構造となっている。
 ここで、2つのブラシ21のうち、一方のブラシ21が例えば1-2番セグメント14,14間に当接しているとき、他方のブラシ21は、一方のブラシ21と周回り方向に90°間隔をあけた6番セグメント14に当接している。すなわち、U相に対向するように一方のブラシ21が存在しているとき、他方のブラシ21は、「-U」相と「-U」相との間に存在している。
 このように、隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続されるということは、すなわち、2つのブラシ21,21の配置間隔と各相の間隔とが互いに対応するということを示す。
 次に、図21に基づいて、この第八実施形態の3相直流モータ1の作用について説明する。なお、以下の説明においては、2つのブラシ21,21の一方が1-2番セグメント14,14間に配置され、他方が6番セグメント14に配置されている場合について説明する。これに加え、1-2番セグメント14,14間に配置されたブラシ21を陽極側のブラシ21とし、6番セグメント14に配置されたブラシ21を陰極側のブラシ21とした場合について説明する。
 図21に示すように、陽極側のブラシ21は、1-2番セグメント14,14間に跨って配置されているので、U相の第一コイル33Uが短絡した状態になる。
 一方、1番、4番ティース9に巻装されている「-U」相の第二コイル34Uには逆方向(図4における反時計回り方向)に電流が流れる。他方、1番、4番ティース9に巻装されている「-U」相の第三コイル35Uには順方向(図4における時計回り方向)に電流が流れる。このように、1番、4番ティース9に巻装され、ブラシ21によって短絡されない2つのコイル34U,35Uには、互いに逆向きの電流が流れるので磁界が相殺され、永久磁石4との間にトルクが発生しない。
 これに対し、2番ティース9、および5番ティース9に巻装されているV相の第一コイル33V、「-V」相の第二コイル34V、および「-V」相の第三コイル35Vには、それぞれ順方向に電流が流れる。
 一方、3番ティース9、および6番ティース9に巻装されているW相の第一コイル33W、「-W」相の第二コイル34W、および「-W」相の第三コイル35Wには、それぞれ逆方向に電流が流れる。
 すると、2,3,5,6番ティース9にそれぞれ磁界が形成される。これらの磁界の向きは、周回り方向に順番になるので、各ティース9に形成される磁界と永久磁石4との間に磁気的な吸引力や反発力が回転軸5を中心にして点対称となる位置で同じ方向に作用する。そして、これによって回転軸5が回転する(図19、図21参照)。
 回転軸5が回転し始めると、ブラシ21,21に摺接するセグメント14が順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われる。
 なお、図21に示すように、同じ相同士のティース9に形成されたコイル(例えば、順巻きコイル33aと逆巻きコイル33b)が直列接続されているので、並列回路数は2回路になる。
 したがって、上述の第八実施形態によれば、スロット11の個数に対して3倍の数のセグメント14を設けることができるので、従来よりもセグメント間電圧を低減でき、ブラシ21、およびセグメント14の放電摩耗を低減することが可能になる。
 また、同じ相同士のティース9に形成された各コイル33a,33bが直列接続されているので、それぞれに流れる電流が接続線25を介すことがない。このため、同じ相に相当する各ティース9に安定した電流を供給することができ、形成される磁界を安定させることが可能になる。よって、磁気バランスのよい3相直流モータ1を提供することができる。
 なお、この第八実施形態の各相のコイル33U~35Wの巻き始め端61、および巻き終わり端62のセグメント14への接続箇所は、隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続されていればよく、例えば、図22に示すように、各々巻き始め端61、および巻き終わり端62のセグメント14への接続箇所を変更してもよい。
 また、3相直流モータ1は、永久磁石4の磁極数をP、スロット11のスロット数をSr、セグメント14の個数をSe、Aを1以上の自然数としたとき、P=2A、Sr=3A、Se=9Aを満たすように設定されていればよ。例えば、図23に示すように、永久磁石4を6つ、スロット11を9つ、セグメント14を27個有する6極9スロット27セグメントに構成されている3相直流モータ1であってもこの第八実施形態の巻装方法を適用することができる。
 すなわち、同じ相同士のティース9に巻線12を直列に巻装し、隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wをこの順で電気的に順次接続することで、上述の第八実施形態と同様の効果を奏することができる。このことは、図24に示すように、8極12スロット36セグメントの場合であっても同様である。
 次に、この発明の第九実施形態を図25に基づいて説明する。
 この第九実施形態において、各ティース9に、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている点、ブラシ21が周回り方向に電気角で180°の間隔を開けて配置されている点等の基本的構成は前記第八実施形態と同様である。
 ここで、第九実施形態の3相直流モータ1は、永久磁石4の磁極数をP、スロット11のスロット数をSr、セグメント14の個数をSe、Aを1以上の自然数としたとき、P=2A、Sr=3A、Se=9Aを満たすように、4極6スロット18セグメントで構成されている。
 また、セグメント14には、同電位となるセグメント14同士に接続線25(図19参照)が接続されておらず磁極数と等しい4つのブラシ21が設けられている。
 さらに、第九実施形態の各ティース9には、同じ相同士のティース9に形成されたコイル(例えば、上述の第八実施形態の順巻きコイル33aと逆巻きコイル33b)が直列接続されておらず、ティース9毎に、それぞれ別体の巻線12で各々第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wが巻装されている。
 具体的には、図25に示すように、例えば、巻線12の巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、巻線12を1番セグメント14近傍に存在する1-6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/3回順方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-2番ティース9の間のスロット11から引き出され、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、2番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、1-2番セグメント14,14間には、1番ティース9に順方向に巻装されたU相の第一コイル33Uが形成される。
 また、5番セグメント14のライザ15に巻き始め端61が掛け回された巻線12を1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/3回逆方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-6番ティース9の間のスロット11から引き出され、5番セグメント14に隣接する6番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、6番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、5-6番セグメント14,14間には、1番ティース9に逆方向に巻装された「-U」相の第二コイル34Uが形成される。
 さらに、6番セグメント14のライザ15に巻き始め端61が掛け回された巻線12を1-2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn/3回逆方向に巻装する。
 続いて、巻線12は1-6番ティース9の間のスロット11から引き出され、6番セグメント14に隣接する7番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、7番セグメント14に巻き終わり端62が接続される。これにより、6-7番セグメント14,14間には、1番ティース9に逆方向に巻装された「-U」相の第三コイル35Uが形成される。
 したがって、U相に相当する1番ティース9には、巻線12が順方向にn/3回巻装されたU相の第一コイル33U、巻線12が逆方向にn/3回巻装された「-U」相の第二コイル34U、および「-U」相の第三コイル35Uを備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 そして、これを各相に対応するセグメント14間で順次行うことにより、アーマチュアコア6には第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wを備えた3相構造のアーマチュアコイル7が形成され、隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続される。
 このように、ティース9毎に、それぞれ別体の巻線12で各々第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wを巻装すると、前述の第八実施形態の並列回路数が2回路であったのに対し、並列回路数を磁極数と同等に設定することができる。つまり、第九実施形態の場合は、磁極数が4極であるので、並列回路数を4回路に増大することができる。
 したがって、上述の第九実施形態によれば、前述した第八実施形態と同様の効果に加え、並列回路数を増やすことができるので、並列回路数が増大した分、巻線12の線径を細くすることが可能になる。このため、巻線12の線径が細い分だけ巻線12の巻装作業を容易に行うことが可能になり、製造効率を高めることができる。
 なお、この第九実施形態の各相のコイル33U~35Wの巻き始め端61、および巻き終わり端62のセグメント14への接続箇所は、隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続されていればよく、例えば、図26に示すように、各々巻き始め端61、および巻き終わり端62のセグメント14への接続箇所を変更してもよい。
 また、3相直流モータ1は、永久磁石4の磁極数をP、スロット11のスロット数をSr、セグメント14の個数をSe、Aを1以上の自然数としたとき、P=2A、Sr=3A、Se=9Aを満たすように設定されていればよい。例えば、図27に示すように、永久磁石4を2つ、スロット11を3つ、セグメント14を9つ有する2極3スロット9セグメントに構成されている3相直流モータ1であってもこの第九実施形態の巻装方法を適用することができる。
 すなわち、ティース9毎に、それぞれ別体の巻線12で各々第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wを巻装し、かつ隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wをこの順で電気的に順次接続することで、上述の第九実施形態と同様の効果を奏することができる。このことは、図28に示すように、6極9スロット27セグメントの場合であっても同様である。また、図29に示すように、8極12スロット36セグメントの場合であっても同様である。
 次に、この発明の第十実施形態を図30に基づいて説明する。
 ここで、第三実施形態の3相直流モータ1にあっては、永久磁石4の磁極数をP、スロット11のスロット数をSr、セグメント14の個数をSe、Aを2以上の自然数としたとき、P=4A、Sr=6A、Se=18Aを満たすように磁極数P、スロット数をSr、およびセグメント14の個数をSeが設定されている。具体的に、第十実施形態の3相直流モータ1は、8極12スロット36セグメントで構成されている(以下の第十一実施形態でも同様)。
 また、各ティース9に巻装された巻線12は、回転軸5を中心にして互いに点対称に配置された2つの3相集中巻き方式の第一コイル群71と第二コイル群72とを形成している。
 より詳しくは、第一コイル群71の巻線12は、例えば、その巻き始め端61が1番セグメント14より巻き始められた場合、まず、1番セグメント14のライザ15に掛け回された後、1番セグメント14の近傍に存在する1-12番ティース9の間のスロット11に引き込まれる。そして、1番ティース9にn/3回順方向に巻回して順巻きコイル33aを形成する。
 続いて、1-2番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、3-4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn/3回順方向に巻装した順巻きコイル33bを形成する。
 巻線12は、順巻きコイル33bを形成した後、4-5番ティース9の間のスロット11dから引き出し、4番ティース9の近傍に存在する11番セグメント14のライザ15に掛け回される。そして、11番セグメント14に巻線12の巻き終わり端62が接続される。これにより、1-11番セグメント14,14間に、1番ティース9と4番ティース9に順方向に巻装され、かつ直列接続された一対の順巻きコイル33a,33bを備えるU相の第一コイル33Uが形成される。
 次に、5-15番セグメント14,14間に、1番ティース9と4番ティース9にそれぞれn/3回逆方向に巻装し、かつ直列接続した一対の逆巻きコイル34a,34bを備える「-U」相の第二コイル34Uを形成する。
 また、6-16番セグメント14,14間に、1番ティース9と4番ティース9にそれぞれn/3回逆方向に巻装し、かつ直列接続した一対の逆巻きコイル35a,35bを備える「-U」相の第三コイル35Uを形成する。
 このように、第一コイル群71のU相に相当する1番ティース9、および4番ティース9には、巻線12が順方向にn/3回巻装されたU相の第一コイル33Uと巻線12が逆方向にn/3回巻装された「-U」相の第二コイル34U、および第三コイル35Uを備えたn回巻きのアーマチュアコイル7が形成される。
 そして、これをW相に相当する3番、6番ティース9にも対応するセグメント14間で巻線12を巻装することにより、1番ティース9から6番ティース9に至る間には、第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wを備えた3相集中巻き方式の第一コイル群71が形成される。
 また、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているので、1番セグメント14から19番セグメント14に至る間であって、隣接するセグメント14間には、U,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続された構造となっている。
 一方、第一コイル群71に対して回転軸5を中心に点対称となる位置に形成されている第二コイル群72の巻線12は、7番ティース9から12番ティース9に至る各ティース9に巻装されている。
 すなわち、第二コイル群72のU相に相当する7番ティース9、および10番ティース9にそれぞれU相の第一コイル33U(順巻きコイル33a,33b)、「-U」相の第二コイル34U(逆巻きコイル34a,34b)、および「-U」相の第三コイル35U(逆巻きコイル35a,35b)とを巻装し、これらに対応する19番、23番、24番、29番、33番、および34番セグメント14にそれぞれの巻き始め端61、巻き終わり端62を接続する。
 そして、V相に相当する8番、11番ティース9にも対応するセグメント14間で巻線12を巻装すると共に、W相に相当する9番、12番ティース9にも対応するセグメント14間で巻線12を巻装する。これにより、7番ティース9から12番ティース9に至る間には、第一コイル33U,33V,33W、第二コイル34U,34V,34W、および第三コイル35U,35V,35Wを備えた3相集中巻き方式の第二コイル群72が形成される。また、19番セグメント14から1番セグメント14に至る間であって、隣接するセグメント14間には、U,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続された構造となっている。
 したがって、上述の第十実施形態によれば、前述した第八実施形態と同様の効果に加え、3相集中巻き方式の第一コイル群71と第二コイル群72とを並列にセグメント14に接続することで、磁極数に係らず並列回路数を4回路に設定することができる。このため、並列回路数のバリエーションを増大させることができ、多種多様な3相直流モータ1を提供することが可能になる。
 次に、この発明の第十一実施形態を図31に基づいて説明する。
 ここで、この第十一実施形態では、3つ置きに存在する3相(U相、V相、W相)のティース9にそれぞれ巻線12を直列に集中巻き方式にて巻装し、これを1つのコイル群としてアーマチュアコア6に2つのコイル群71,72を形成している。
 つまり、1番、2番、3番ティース9の3相のティース9と、これらから3つのティース9を飛ばして存在する7番、8番、9番ティースの3相のティース9とにそれぞれ各相のコイル33U~35Wを形成し、これらで第一コイル群71を形成している。
 一方、4番、5番、6番ティース9の3相のティース9と、これらから3つのティースを飛ばして存在する10番、11番、12番ティース9の3相のティース9とにそれぞれ各相のコイル33U~35Wを形成し、これらで第二コイル群72を形成している。
 また、各相のコイル33U~35Wの巻き始め端61、および巻き終わり端62は、隣接するセグメント14間に、U,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相の順となるように接続されている。
 したがって、この第十一実施形態によれば、上述の第十実施形態と同様の効果を奏することができる。
 次に、この発明の第十二実施形態を図32~図34に基づいて説明する。
 ここで、図32に示すように、第十二実施形態の3相直流モータ1は、永久磁石4が6つ、スロット11が9つ、セグメント14が27枚設けられた6極9スロット27セグメントに構成されている。すなわち、第十二実施形態のアーマチュアコア6は、相毎に第一ティース9a、第二ティース9b、および第三ティース9cの3つのティース9a~9cを有している。
 各相のティース9a~9cには、それぞれ3つのコイル33U~35Wのうち、何れか1つのコイル33U~35Wのみが巻装される。
 より詳しくは、例えば、1番ティース9をU相の第一ティース9a、4番ティース9をU相の第二ティース9b、7番ティース9をU相の第三ティース9cとしたとき、1番ティース9に「-U」相の第二コイル34Uを巻装し、4番ティース9にU相の第一コイル33Uを巻装し、7番ティース9に「-U」相の第三コイル35Uを巻装する。
 また、例えば、2番ティース9をV相の第一ティース9a、5番ティース9をV相の第二ティース9b、8番ティース9をV相の第三ティース9cとしたとき、2番ティース9に「-V」相の第二コイル34Vを巻装し、5番ティース9に「-V」相の第三コイル35Vを巻装し、8番ティース9にV相の第一コイル33Vを巻装する。
 さらに、例えば、3番ティース9をW相の第一ティース9a、6番ティース9をW相の第二ティース9b、9番ティース9をW相の第三ティース9cとしたとき、3番ティース9に「-W」相の第二コイル34Wを巻装し、6番ティース9にW相の第一コイル33Wを巻装し、9番ティース9に「-W」相の第三コイル35Wを巻装する。
 そして、これら各相のコイル33U~35Wの巻き始め端61、および巻き終わり端62は、隣接するセグメント14間に、U,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相の順となるように接続される。
 次に、図33に基づいて、この第十二実施形態の3相直流モータ1の作用について説明する。
 なお、2つのブラシ21,21は、電気角で180°周回り方向に間隔を開けて配置されているが、ここでは、2つのブラシ21のうち、一方のブラシ21が例えば1-2番セグメント14,14間に当接(U相に対向するように配置)され、他方のブラシ21が6番セグメント14に当接(「-U」相と「-U」相との間に配置)されている場合について説明する。これに加え、1-2番セグメント14,14間に配置されたブラシ21を陽極側のブラシ21とし、6番セグメント14に配置されたブラシ21を陰極側のブラシ21とした場合について説明する。
 同図に示すように、陽極側のブラシ21は、1-2番セグメント14,14間に跨って配置されているので、4番ティース9に巻装されているU相の第一コイル33Uが短絡した状態になる。
 一方、1番ティース9に巻装されている「-U相」の第二コイル34Uには順方向(図33における時計回り方向)に電流が流れる。他方、7番ティース9に巻装されている「-U」相の第三コイル35Uには逆方向(図33における反時計回り方向)に電流が流れる。このように、1番、7番ティース9に巻装され、ブラシ21によって短絡されない2つのコイル34U,35Uには、互いに逆向きの電流が流れるので磁界が相殺され、永久磁石4との間にトルクが発生しない。
 これに対し、2番ティース9、5番ティース9、および8番ティース9に巻装されているV相の第一コイル33V、「-V」相の第二コイル34V、および「-V」相の第三コイル35Vには、それぞれ順方向に電流が流れる。
 一方、3番ティース9、6番ティース9、および9番ティース9に巻装されているW相の第一コイル33W、「-W」相の第二コイル34W、および「-W」相の第三コイル35Wには、それぞれ逆方向に電流が流れる。
 すると、2,3,5,6,8,9番ティース9にそれぞれ磁界が形成される。これらの磁界の向きは、周回り方向に順番になるので、これらの磁界と永久磁石4との間に磁気的な吸引力や反発力が回転軸5を中心にして点対称となる位置で同じ方向に作用する。そして、これによって回転軸5が回転する。
 回転軸5が回転し始めると、ブラシ21,21に摺接するセグメント14が順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われる。
 したがって、上述の第十二実施形態によれば、前述した第八実施形態と同様の効果に加え、1つのティース9に第一コイル33U~33W、第二コイル34U~34W、および第三コイル35U~35Wの3つのコイルが全て巻装されず、1つのティース9に第一コイル33U~33W、第二コイル34U~34W、または第三コイル35U~35Wの何れか1つのコイルが巻装されるので、コイル33U~35Wとセグメント14との結線作業工数を低減させることができる。このため、巻線12の巻装作業を容易化することができる。
 なお、この第十二実施形態では、1番、2番、3番ティース9をそれぞれ各相の第一ティース9aとし、4番、5番、6番ティース9をそれぞれ各相の第二ティース9bとし、7番、8番、9番ティース9をそれぞれ各相の第三ティース9cとした場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、相毎の3つのティース9において、第一ティース9a、第二ティース9b、第三ティース9cの割り当てはそれぞれ自由に設定することが可能である。また、各ティース9a~9cに巻装するコイル33U~35Wも対応する相のティース9に巻装されていれば自由に設定することが可能である。
 例えば、相毎の3つのティース9a~9cにそれぞれ3つのコイル33U~35Wを1つずつ巻装されていれば、図34に示すような巻装構造にしてもよい。そして、隣接するセグメント14間にU,「-W」,「-W」,V,「-U」,「-U」,W,「-V」,「-V」相のコイル33U~35Wがこの順で電気的に順次接続されていればよい。
 ここで、図34に示すように、各ティース9に巻線12を巻装すると共に、各セグメント14に接続線25を接続した場合にあっては、巻装作業を一筆書きの要領で完了させることができるので、巻装作業の工数を低減させることが可能になる。
 なお、上述の実施形態では、同電位となるセグメント14同士が接続線25によって短絡されているアーマチュア3にあっては、ブラシ21が2つ設けられている場合について説明した(例えば、図20、図33参照)。しかしながら、ブラシ21の個数は2つに限られるものではなく、磁極数と同じ個数までブラシ21を増加することができる。
 また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
 さらに、上述の実施形態では、3相直流モータ1は、車両に搭載する電装品(例えば、ラジエータファン)の駆動源となるものである場合について説明したが、これに限られるものではなく、さまざまな製品に適用することが可能である。
 以上説明した通り、本発明によれば、磁極数を多極化しつつ、巻線の巻装作業を容易に行うことが可能な3相直流モータを提供することができる。また、本発明によれば、さらにセグメント間電圧を低減でき、ブラシ、およびセグメントの放電摩耗をより低減することが可能な3相直流モータを提供することができる。
 1 3相直流モータ、2 ヨーク、3 アーマチュア、4 永久磁石(磁極、)5 回転軸、6 アーマチュアコア、7,7U,7V,7W アーマチュアコイル、7a 第一コイル、7b 第二コイル、9 ティース、11 スロット、12 巻線、13 コンミテータ、14 セグメント、25 接続線(短絡部材)、33U U相の第一コイル、33V V相の第一コイル、33W W相の第一コイル、34U -U相の第二コイル、34V -V相の第二コイル、34W -W相の第二コイル、35U -U相の第三コイル、35V -V相の第三コイル、35W -W相の第三コイル、61 巻き始め端(端末部)、62 巻き終わり端(端末部)

Claims (16)

  1.  8極の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、このティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ12枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、
     前記コンミテータに、周回り方向に沿って2つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、
     各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータであって、
     各ティースをU相、W相、V相の順で割り当てたとき、
     隣接するセグメント間には、各ティースにそれぞれ巻装された各相の前記巻線の端末部がU相、V相、W相の順となるように接続されると共に、
     各端末部は、これら端末部の引き出し位置近傍に存在するセグメントに接続されている3相直流モータ。
  2.  同じ相に相当するティース同士に前記巻線が連続して直列になるように巻装されている請求項1に記載の3相直流モータ。
  3.  各ティースにそれぞれ別体の前記巻線が巻装されている請求項1記載の3相直流モータ。
  4.  8極の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、このティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ12枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備えた3相直流モータであって、
     各ティースは、互いに同方向に前記巻線を巻装して形成された第一コイル、および第二コイルの2つのコイルを備え、
     各ティースをU相、W相、V相の順で割り当てたとき、
     隣接するセグメント間には、前記第一コイル、および第二コイルの端末部がU相、V相、W相の順となるように電気的に接続されている3相直流モータ。
  5.  前記コンミテータに、周回り方向に沿って2つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、
     各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている請求項4に記載の3相直流モータ。
  6.  8極の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、このティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ12枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、
     前記コンミテータに、周回り方向に沿って2つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、
     各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配され、
     各ティースをU相、W相、V相の順で割り当てたとき、
     各ティースに巻線を逆方向に巻回して-U相、-W相、および-V相のコイルを形成し、
     隣接するセグメント間には、前記-U相、-W相、および-V相のコイルの端末部が-U相、-V相、-W相の順となるように電気的に接続されている3相直流モータであって、
     前記-U相、および-W相のコイルの各端末部は、それぞれ隣接するセグメント間に接続され、
     前記-V相のコイルの各端末部は、前記回転軸を中心にして対向するよう配置され、かつ隣接するセグメント間の電位差に等しい2つのセグメントに接続されている3相直流モータ。
  7.  8極の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延びる6つのティースと、このティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
     各ティースに前記巻線を集中巻き方式にて順方向に巻回して形成される第一コイルと、
     各ティースに前記巻線を集中巻き方式にて逆方向に巻回して形成される第二コイルと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ24枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、
     前記コンミテータに、周回り方向に沿って5つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、
     各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータであって、
     各ティースを周回り方向にU相、W相、V相の順で割り当て、各相の前記ティースに形成されている前記第一コイルをそれぞれU相、W相、およびV相のコイルとし、各相の前記ティースに形成されている前記第二コイルをそれぞれ-U相、-W相、および-V相のコイルとしたとき、
     隣接するセグメント間に、U相、-W相、V相、-U相、W相、-V相の各コイルの端末部がこの順で電気的に接続されている3相直流モータ。
  8.  同じ相に相当するティース同士に各相の第一コイルを連続して直列になるように巻装すると共に、同じ相に相当するティース同士に各相の第二コイルを連続して直列になるように巻装し、
     前記第一コイル、および前記第二コイルの端末部は、これら端末部の引き出し位置近傍に存在するセグメントに接続されている請求項7記載の3相直流モータ。
  9.  同じ相に相当する各ティースに、それぞれ別体の前記巻線で前記第一コイルを形成すると共に、
     同じ相に相当する各ティースに、それぞれ別体の前記巻線で前記第二コイルを形成する請求項7に記載の3相直流モータ。
  10.  8極の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される6つのティースと、このティース間に形成され軸方向に沿って延びる6つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ24枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、
     前記コンミテータに、周回り方向に沿って5つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設け、
     各短絡部材は、前記回転軸の全周に亘って配されている3相直流モータであって、
     各ティースを周回り方向にU相、W相、V相の順で割り当てて相毎に2つのティースを設定し、
     前記2つのティースのうちの一方に、前記巻線を順方向に巻回してU相、W相、およびV相のコイルを形成し、
     前記2つのティースのうちの他方に、前記巻線を逆方向に巻回して-U相、-W相、および-V相のコイルを形成し、
     隣接するセグメント間に、U相、-W相、V相、-U相、W相、-V相の各コイルの端末部がこの順で電気的に接続されている3相直流モータ。
  11.  複数の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、
     前記複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備え、
     Aを1以上の自然数、前記磁極の磁極数をP、前記スロットのスロット数をSr、前記セグメントの個数をSeとしたとき、
     P=2A、Sr=3A、およびSe=9A
     を満たすように磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seが設定されている3相直流モータであって、
     各ティースは、前記巻線を集中巻き方式にて順方向に巻装して形成された第一コイルと、前記巻線を集中巻き方式にて逆方向に巻装して形成された第二コイル、および第三コイルとを備え、
     各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記第一コイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記第二コイル、および前記第三コイルをそれぞれ-U相、-V相、-W相のコイルとしたとき、
     隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V、-V相のコイルがこの順で電気的に接続されている3相直流モータ。
  12.  同じ相に相当する各ティースに、それぞれ別体の前記巻線で前記第一コイル、前記第二コイル、および前記第三コイルを形成する請求項11に記載の3相直流モータ。
  13.  Aを2以上の自然数としたとき、
     同じ相に相当するティース同士に各相の前記第一コイルが連続して直列になるように巻装され、
     同じ相に相当するティース同士に各相の前記第二コイルが連続して直列になるように巻装され、
     同じ相に相当するティース同士に各相の前記第三コイルが連続して直列になるように巻装されている請求項11に記載の3相直流モータ。
  14.  複数の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、
     前記複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備え、
     Aを2以上の自然数、前記磁極の磁極数をP、前記スロットのスロット数をSr、前記セグメントの個数をSeとしたとき、
     P=4A、Sr=6A、およびSe=18A
     を満たすように磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seを設定し、
     各ティースに巻装された巻線は、前記回転軸を中心に点対称に配置された2つの3相集中巻き方式のコイル群を形成している3相直流モータであって、
     各コイル群はそれぞれ前記巻線が順方向に巻回された第一コイルと、前記巻線が逆方向に巻回された第二コイル、および第三コイルとを備え、
     各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記第一コイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記第二コイル、および前記第三コイルをそれぞれ-U相、-V相、-W相のコイルとしたとき、
     隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V相、-V相のコイルがこの順で電気的に接続されている3相直流モータ。
  15.  複数の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線を巻装するための複数のティースと、前記ティース間に形成され軸方向に沿って延びる複数のスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータと、
     前記複数のセグメントのうち、同電位となるセグメント同士をそれぞれ短絡する短絡部材とを備え、
     Aを2以上の自然数、前記磁極の磁極数をP、前記スロットのスロット数をSr、前記セグメントの個数をSeとしたとき、
     P=4A、Sr=6A、およびSe=18A
     を満たすように磁極数P、スロット数Sr、およびセグメント数Seを設定し、
     各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当てた3相直流モータであって、
     3つ置きに存在する3相の各ティースそれぞれに、前記巻線を連続して直列になるように集中巻き方式にて巻装し、これを1つのコイル群として前記アーマチュアコアに2つのコイル群を形成し、
     各コイル群はそれぞれ前記巻線が順方向に巻回された第一コイルと、前記巻線が逆方向に巻回された第二コイル、および第三コイルとを備え、
     各相に巻装されている前記第一コイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記第二コイル、および前記第三コイルをそれぞれ-U相、-V相、-W相のコイルとしたとき、
     隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V相、-V相のコイルがこの順で電気的に接続されている3相直流モータ。
  16.  6極の磁極を有するヨークと、
     前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
     前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延び、巻線が集中巻き方式にて巻装される9つのティースと、このティース間に形成され軸方向に沿って延びる9つのスロットとを有するアーマチュアコアと、
     前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ27枚のセグメントを周回り方向に配置したコンミテータとを備え、
     前記コンミテータに、周回り方向に沿って8つ置きに存在する同電位のセグメント同士を短絡する短絡部材を設けた3相直流モータであって、
     各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当てて相毎に第一ティース、第二ティース、および第三ティースの3つのティースを設定し、
     前記第一ティースに、前記巻線を順方向に巻回してU相、V相、およびW相のコイルを形成し、
     前記第二ティース、および第三ティースに、前記巻線を逆方向に巻回して-U相、-V相、および-W相のコイルをそれぞれ形成し、
     隣接するセグメント間に、U相、-W相、-W相、V相、-U相、-U相、W相、-V、-V相のコイルがこの順で電気的に接続されている3相直流モータ。
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