JP2013048538A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の永久磁石を有するヨークと、回転軸と、回転軸に取り付けられ複数のティース12、及びスロット13を有するアーマチュアコア8と、各ティース12に、それぞれ集中巻方式にて巻装されるアーマチュアコイル9と、回転軸に設けられ複数のセグメント15を周方向に配置したコンミテータと、セグメント15を介してアーマチュアコイル9に給電を行う低速用ブラシ21a、高速用ブラシ21b、及びこれらに共通して用いられる共通ブラシ21cを備え、nを3以上の自然数としたとき、磁極、スロット13、及びセグメント15の個数比が2:3:3nに設定されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
このとき、減速比を大きくする分、モータの回転数を増加させる必要があるが、スロット数が多い場合、磁極数とスロット数との最小公倍数により決定する次数が大きくなる。このため、モータの騒音が高音質になり、この騒音が耳障りになるという課題がある。
さらに、一極対あたりのセグメント数が少ないので、セグメント間電圧が大きくなり、整流性が悪化するという課題がある。
そして、ティースに、分布巻方式にてコイルを巻回するので、コイルエンドの重なりが多くなり、コイルの線材コストが嵩むと共に、モータ性能を低下させ、電動モータが大型化してしまうという課題がある。
また、スロット数を減少させることにより、この分、アーマチュアコアの形状が簡素化でき、アーマチュアの生産性を高めることができる。さらに、スロット数を減少させる分、各々スロットの大きさを大きく設定することができる。このため、各ティースへのコイルの巻回数を多く設定することができる。この結果、アーマチュアコアの小型、軽量化を図ることが可能になる。
また、ティースに、集中巻方式にてコイルを巻回するので、分布巻方式にてコイルを巻回する場合と比較してコイルの占積率を向上させることができると共に、コイルエンドの重なりを減少させることができる。このため、コイルの線材コストを低減させることができ、安価な電動モータを提供することが可能になる。さらに、モータ性能を同一とした場合、アーマチュアコアの小型、軸短化を図ることができる。
この場合、請求項3に記載した発明のように、各ティースに巻装されているコイルは、順方向に巻回して形成された1つの順巻きコイルと、逆方向に巻回して形成されて2つの逆巻きコイルとを備え、各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記順巻きコイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記逆巻きコイルをそれぞれ−U相、−V相、−W相のコイルとしたとき、隣接するセグメント間に、U相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V、−V相のコイルをこの順で電気的に接続してもよい。
また、スロット数を減少させることにより、この分アーマチュアコアの形状が簡素化でき、アーマチュアの生産性を高めることができる。さらに、スロット数を減少させる分、各々スロットの大きさを大きく設定することができる。このため、各ティースへのコイルの巻回数を多く設定することができ、この結果、アーマチュアコアの小型、軽量化を図ることが可能になる。
また、ティースに、集中巻方式にてコイルを巻回するので、従来のように、分布巻方式にてコイルを巻回する場合と比較してコイルの占積率を向上させることができると共に、コイルエンドの重なりを減少させることができる。このため、コイルの線材コストを低減させることができ、安価な電動モータを提供することが可能になる。さらに、モータ性能を同一とした場合、アーマチュアコアの小型、軸短化を図ることができる。
(減速機付モータ)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動モータ2が適用された減速機付モータ1の縦断面図、図2は、電動モータ2を軸方向からみた平面図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば、自動車のワイパ駆動用に用いるものであって、電動モータ2と、電動モータ2の回転軸3に連結された減速機構4とを備えている。電動モータ2は、有底筒状のヨーク5と、ヨーク5内に回転自在に設けられたアーマチュア6とを有している。
ヨーク5の底壁(エンド部)51には、径方向中央に軸方向外側に向かって突出する軸受ハウジング19が形成され、ここに回転軸3の一端を回転自在に軸支するための滑り軸受18が設けられている。この滑り軸受18は、回転軸3の調心機能を有している。
磁極数P、スロット数Sr、及びセグメント数Seは、
P:Sr:Se=2:3:3n ・・・(1)
を満たすように設定されている。
本実施形態では、永久磁石7が4つ(磁極数が4極)、スロット13の個数が6つ、セグメント15の枚数が18枚に設定されているので、「n=3」に設定され、上述の式(1)を満たしている。
図3は、ブラシ収納部22の平面図である。
図3に示すように、ブラシ収納部22は、ギヤハウジング23の電動モータ2側に凹状に形成されたものである。ブラシ収納部22の周壁30は、断面略長円形に形成されており、平面壁30aと円弧壁30bとで構成されている。
ここで、図4に基づいて、接続線17の結線構造、及びアーマチュアコイル9の巻装構造について詳述する。
図4は、アーマチュア6の展開図であり、隣接するティース12間の空隙がスロット13に相当している。尚、以下の図4においては、各セグメント15、各ティース12、及び巻装されたアーマチュアコイル9にそれぞれ符号を付して説明する。
このうち、1番セグメント15のライザ16に巻き始め端81が掛け回される巻線14は、この後、1番セグメント15と同電位の10番セグメント15に掛け回される。そして、1−6番ティース12の間のスロット13に、巻線14を引き込む。次に、各ティース12に巻線14をそれぞれN(Nは1以上の自然数)回、巻回するものとした場合、1番ティース12にN/3回順方向に巻回してU相コイル91aを形成する。
これにより、1番ティース12には、U相コイル91a、「−U相」コイル92a、及び「−U相」コイル93aにより構成されるN回巻回されたU相のアーマチュアコイル9U1が形成される。また、3番ティース12には、「−W相」コイル91b、「−W相」コイル92b、及びW相コイル93bにより構成されるN回巻回されたW相のアーマチュアコイル9W1が形成される。さらに、5番ティース12には、V相コイル91c、「−V相」コイル92c、及び「−V相」コイル93cにより構成されるN回巻回されたV相のアーマチュアコイル9V1が形成される。
そして、2番ティース12には、V相コイル91d、「−V相」コイル92d、及び「−V相」コイル93dにより構成されるN回巻回されたV相のアーマチュアコイル9V2が形成される。また、4番ティース12には、U相コイル91e、「−U相」コイル92e、及び「−U相」コイル93eにより構成されるN回巻回されたU相のアーマチュアコイル9U2が形成される。さらに、6番ティース12には、「−W相」コイル91f、「−W相」コイル92f、及びW相コイル93fにより構成されるN回巻回されたW相のアーマチュアコイル9W2が形成される。
そして、隣接するセグメント15間には、各相コイル91a〜93fがU,「−W」,「−W」,V,「−U」,「−U」,W,「−V」,「−V」相の順で電気的に順次接続されている。
また、アーマチュアコア8とセグメント15のライザ16との間に配索される巻線14が、回転軸3に掛け回されるように配索されているので、コンミテータ10の首下の巻太りが抑えられる。
図1に示すように、このような電動モータ2が取付けられているギヤハウジング23には、ハウジング本体42に歯車群41が収納されている。歯車群41は、電動モータ2の回転軸3に連結されたウォーム軸25と、ウォーム軸25に噛合う1対の段付歯車26,26と、段付歯車26に噛合うスパーギヤ27とで構成されている。
また、ウォーム軸25は、互いに逆ネジの第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bを有している。これら第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bは、1条又は2条に形成されている。しかしながら、第1ネジ部25a、及び第2ネジ部25bを、3条以上に形成してもよい。
1対の段付歯車26は、ウォーム軸25に噛合うウォームホイール28と、ウォームホイール28よりも小径に形成された小径歯車29とが一体成形されたものである。段付歯車26の径方向中央には、アイドラー軸61が圧入されている。アイドラー軸61は、小径歯車29とは反対側に突出しており、この突出した端部61aがハウジング本体42に回転自在に軸支されている。一方、アイドラー軸61の端部61aとは反対側端に存在する小径歯車29の先端は、ボトムプレート43に回転自在に軸支されている。
また、ハウジング本体42の側壁42bには、コネクタ68が回転軸3の軸方向に沿って突設されている。コネクタ68は、不図示の制御機器に接続され、不図示の外部電源の電力を電動モータ2に供給する。
次に、図4に基づいて、電動モータ2の作用について説明する。
例えば、図4に示すように、1−2番セグメント15間に低速用ブラシ21aが配置され、6番セグメント15に共通ブラシ21cが配置された状態であって、これら低速用ブラシ21aと共通ブラシ21cとの間に電圧を印加した場合について説明する。
この場合、1−2番セグメント15,15間に跨って低速用ブラシ21aが配置されているので、U相の順巻きコイル91a,91eが短絡した状態になる。
一方、3番ティース12、及び6番ティース12に巻回されている「−W相」コイル91b,91f、「−W相」コイル92b,92f、及びW相コイル93b,93fには、それぞれ逆方向に電流が流れる。
回転軸3が回転し始めると、ブラシ21a,21cに摺接するセグメント15が順次変更されコイルに流れる電流の向きが切り替えられる、所謂整流が行われる。これにより、回転軸3が回転し続ける。
図5は、アーマチュアコイル9の温度[℃]を、空孔11bがある場合と無い場合とで比較し、ブラシ21(21a,21b,21c)の温度[℃]を、空孔11bがある場合と無い場合とで比較したグラフである。
同図に示すように、電動モータ2の作動時におけるアーマチュアコイル9、及びブラシ21は、アーマチュアコア8に空孔11bが形成されていない場合と比較して、空孔11bが形成されている場合のほうが温度上昇が抑制されていることが確認できる。
したがって、上述の第1実施形態によれば、ヨーク5に永久磁石7を4つ設け、アーマチュアコア8にスロット13を6つ形成し、コンミテータ10にセグメント15を18枚設け、磁極数とスロット数との最小公倍数により決定する次数を12次とすることができる。これに対し、従来の電動モータは、磁極数が4極、スロット数が16に設定されているので、次数が32次となる。このため、モータ性能を悪化させることなく、従来と比較して次数を減少させることができるので、電動モータ2の高速回転時の高音質な騒音を防止することができる。
さらに、スロット数を減少させる分、各々スロット13の大きさを大きく設定することができる。このため、各ティース12への巻線14の巻回数を多く設定することができ、この結果、アーマチュアコア8の小型、軽量化を図ることが可能になる。
また、各ティース12には巻線14が集中巻方式により巻回されているので、隣接するティース12間に跨る巻線14の渡り線を無くすことができる。この分、アーマチュアコイル9の線材コストを低減させることができ、安価な電動モータ2を提供することが可能になる。
さらに、ウォーム軸25と回転軸3との連結部24、つまり、回転軸3の他端が、ハウジング本体42に設けられている転がり軸受32に回転自在に支持されている。転がり軸受32は、滑り軸受と比較して摺動抵抗を減少させることができるので、回転軸3の回転数を増大させた場合であっても効率よく回転軸3を回転させることが可能になる。この結果、さらに高効率な電動モータ2を提供できる。
次に、この発明の第2実施形態を図6〜図9に基づいて説明する。
図6は、この第2実施形態における減速機付モータ201の縦断面図であって、上述の第1実施形態の図1に対応している。図7は、この第2実施形態におけるアーマチュア206の斜視図、図8は、ホルダステー234を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
より詳しくは、図6、図7に示すように、第2実施形態のコンミテータ210は、扁平型のディスクコンミテータであって、略円板状に形成された樹脂モールド体101を有している。樹脂モールド体101の径方向中央には、回転軸3に外嵌固定される筒部102が一体成形されている。
また、各セグメント215の径方向外側端は、樹脂モールド体210よりも径方向外側に延出形成されている。各セグメント215の径方向外側端には、アーマチュアコア8側にライザ216が一体成形されている。
さらに、ブラシホルダ236には、このブラシホルダ236の閉断面形状に対応するように、断面略扇状に形成されたブラシ221(221a,221b,221c)が、それぞれ出没自在に収納されている。各ブラシ221a,221b,221cは、不図示のスプリングSを介して付勢された状態になっており、コンミテータ210のセグメント215に摺接している。
図9は、ホルダステー334を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
すなわち、図9(a)、図9(b)に示すように、ホルダステー334に形成されているホルダステー開口部114には、ブラシ221(221a,221b,221c)のみが挿入されるようになっている。そして、ブラシ221を保持するブラシホルダ336は、ホルダステー334の減速機構4側(図9(b)における左側)の面に、ホルダステー開口部114を覆うように設けられている。
このように構成した場合であっても、前述の第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
例えば、上述の実施形態では、電動モータ2,202は、永久磁石7が4つ(磁極数が4極)、スロット13の個数が6つ、セグメント15の枚数が18枚に設定されているモータである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、磁極数P、スロット数Sr、及びセグメント数Seが式(1)を満たすように設定されていればよい。このように構成することで、従来のモータ性能が同等のものと比較してスロット数、次数を減少させることができる。
2,202 電動モータ
3 回転軸
5 ヨーク
7 永久磁石(磁極)
8 アーマチュアコア
9 アーマチュアコイル(コイル)
10 コンミテータ
12 ティース
13 スロット
15,215 セグメント
18 軸受
21,221 ブラシ
21a,221a 低速用ブラシ
21b,221b 高速用ブラシ
21c,221c 共通ブラシ
32 転がり軸受
91a,91e U相コイル(U相のコイル)
92a,93a,92e,93e −U相コイル(−U相のコイル)
91b,92b,91f,92f −W相コイル(−W相のコイル)
93b,93f W相コイル(W相のコイル)
91c,91d V相コイル(V相のコイル)
92c,93c,92d,93d −V相コイル(−V相のコイル)
9U1,9U2 U相のアーマチュアコイル
9V1,9V2 V相のアーマチュアコイル
9W1,9W2 W相のアーマチュアコイル
210 コンミテータ(ディスクコンミテータ)
Claims (5)
- 複数の磁極を有するヨークと、
前記ヨークの内側に回転自在に設けられる回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ径方向に向かって放射状に延びる複数のティース、及びこれらティース間に形成される複数のスロットを有するアーマチュアコアと、
各ティースに、それぞれ集中巻方式にて巻装されるコイルと、
前記回転軸に前記アーマチュアコアと隣接して設けられ複数のセグメントを周方向に配置したコンミテータと、
前記セグメントを介して前記コイルに給電を行う低速用ブラシ、高速用ブラシ、及びこれらに共通して用いられる共通ブラシの3つのブラシとを備え、
nを3以上の自然数としたとき、
前記磁極、前記スロット、及び前記セグメントの個数比が2:3:3nに設定されていることを特徴とする電動モータ。 - 前記磁極を4極、前記スロットの個数を6つ、前記セグメントの個数を18つに設定したことを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 各ティースに巻装されているコイルは、順方向に巻回して形成された1つの順巻きコイルと、逆方向に巻回して形成されて2つの逆巻きコイルとを備え、
各ティースを周回り方向にU相、V相、W相の順で割り当て、各相に巻装されている前記順巻きコイルをそれぞれU相、V相、W相のコイルとし、各相に巻装されている前記逆巻きコイルをそれぞれ−U相、−V相、−W相のコイルとしたとき、
隣接するセグメント間に、U相、−W相、−W相、V相、−U相、−U相、W相、−V、−V相のコイルをこの順で電気的に接続したことを特徴とする請求項2に記載の電動モータ。 - 前記回転軸の軸方向両端側を、それぞれ軸受を介して回転自在に支持し、
各軸受のうちの少なくとも1つは、転がり軸受であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の電動モータ。 - 前記コンミテータは、扁平型のディスクコンミテータであって、このディスクコンミテータの回転摺動面に、周方向に沿って前記複数のセグメントが配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の電動モータ。
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