JP2014096859A - 電動モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定のティース9に、巻線12を巻回してアーマチュアコイル7を形成すると共に、同電位となるセグメント14同士を巻線12で短絡して接続線25を形成し、アーマチュアコイル7及び接続線25を、1本の巻線12で一連に形成し、複数のセグメント14のうち、ティース9から引き出した巻線12が接続されるセグメント14を第1セグメントとし、ティース9に引き込む巻線12が接続されるセグメント14を第2セグメントとしたとき、これら第1セグメントと第2セグメントとが隣り合うように配置され、第1セグメントに接続されている巻線12と、第2セグメントに接続されている巻線12とが、コンミテータ13とアーマチュアコア6との間で交差して複数の交差部26を形成している。
【選択図】図3
Description
コンミテータには、複数のセグメントが周方向に沿って配置されており、各セグメントに巻線が接続されている。各セグメントはブラシと摺接可能になっており、このブラシからセグメントに電圧を印加することによって巻線に電流が供給される。
ここで、単純に多極化しようとするとスロット数が多くなるので、アーマチュアコアの外径を一定に保とうとすると、スロットが小さくなってしまい、巻線の巻回作業が困難になってしまう。
また、単純に、無理やり1本の巻線で接続線とティースに巻回される巻線とを一連に形成しようとすると、アーマチュアコアとコンミテータとの間において、巻線同士の重なりが多い箇所と少ない箇所のムラができ、アーマチュアの重量バランスが悪化してしまうという課題がある。
(電動モータ)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、電動モータの縦断面図、図2は、アーマチュアを軸方向コンミテータ側からみた平面図である。
図1、図2に示すように、電動モータ1は、ブラシ付きの3相直流モータであって、車両に搭載される電装品(例えば、電動シート)の駆動源として用いられる。電動モータ1は、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている。ヨーク2の内周面にはリングマグネット4が設けられている。リングマグネット4は、周方向に8極に着磁されている。
アーマチュアコア6は、例えば、リング状の金属板を軸方向に複数枚積層したものである。尚、アーマチュアコア6を、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
ライザ15には、アーマチュアコイル7を形成する巻線12が掛け回わされ、この巻線12が、例えば、ヒュージングにより固定されている。これにより、巻線12とセグメント14とが電気的に接続される。
次に、図3、図4に基づいて、アーマチュアコイル7及び接続線25の形成方法について説明する。
図3は、アーマチュアの展開図であり、隣接するティース間の空隙がスロットに相当している。尚、以下の図3においては、各セグメント14、各ティース9及び巻装されたアーマチュアコイル7にそれぞれ符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
尚、アーマチュアコイル7及び接続線25を形成する巻線装置(不図示)としては、1つのフライヤを有する所謂シングルフライヤ方式の巻線装置が用いられる。この巻線装置のフライヤの先端にはノズルが設けられており、このノズルから巻線12が繰り出されるようになっている。
また、巻線12が常に左方向に引き回されているので、ライザ15に、右方向から巻線12が掛け回され、左方向へと引き出される。このため、ライザ15に、巻線12をα巻方式により掛け回すことが可能になる。本実施形態においては、全てのライザ15に、巻線12がα巻方式により掛け回されている。
同図に示すように、α巻方式とは、巻線12の引き回し方向上流側(本実施形態では図3における右側)からライザ15のアーマチュアコア6側に巻線12を引き回し、この後、巻線12を折り返すようにライザ15に掛け回し、さらに、巻線12を引き回し方向下流側(本実施形態では図3における左側)へと引き回す方式である。
尚、この実施形態では、ティース9への所定の巻回方向は、反時計回り方向であり、全てのティース9に反時計回り方向で巻線12が巻回される。しかしながら、これに限られるものではなく、ティース9への巻回方向が全て同一方向であればよく、時計回り方向であってもよい。
さらに、1本の巻線12で全ての各相コイル7U1〜7W2及び接続線25を形成するので、並列回路数は2つになる。
すなわち、3番ティース9に巻回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11から引き出され、12番セグメント14のライザ15に掛け回されている。また、5番ティース9に巻回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11から引き出され、4番セグメント14のライザ15に掛け回されている。さらに、1番ティース9に巻回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11から引き出され、8番セグメント14のライザ15に掛け回されている。
すなわち、1番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、4番ティース9に巻回されている。また、5番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、6番ティース9に巻回されている。さらに、9番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、2番ティース9に巻回されている。
ここで、交差部26を形成する12,4,8番セグメント14は、周方向に等間隔に配置、つまり、周方向で約120°ずつ間隔をあけて配置されていると共に、1,5,9番セグメント14も周方向に等間隔に配置、つまり、周方向で約120°ずつ間隔をあけて配置されている。このため、3つの交差部26も、周方向に等間隔に配置、つまり、周方向で約120°ずつ間隔をあけて配置された状態になっている。
このような構成のもと、図3に示すように、例えば、2つのブラシ21のうち、陽極側となるブラシ21が1番セグメント14に接触し、2つのブラシ21のうち、陰極側となるブラシ21が5−6番セグメント14に跨るように接触している場合、2つのU相コイル7U1,7U2には、図3において反時計回りの電流Iが発生し、2つのV相コイル7V1,7V2には、図3において時計回りの電流Iが発生する。そして、2つのW相コイル7W1,7W2は、ブラシ21により短絡されて電流Iが発生しない。
したがって、上述の第1実施形態によれば、アーマチュアコイル7を構成する各相コイル7U1〜7W2と、同電位のセグメント14同士を短絡する接続線25とが、1本の巻線12により所謂一筆書きの要領で一連に形成されているので、アーマチュア3の製造時間を短縮して製造コストを抑えることができる。
また、ブラシ21の数を2つに設定することにより、部品点数の増加を防止し、電動モータ1の製造コストを低減することができる。
しかしながら、上述の第1実施形態によれば、各ブラシ21の配置スペースを十分確保することができるので、ブラシ21を可能な限り大型化することができる。この分、ブラシ21を製造することが容易になる。また、小さいブラシと比較して電気抵抗を小さくすることができると共に高電圧を印加することが可能になるので、ブラシ21の温度上昇も抑制できる。
しかしながら、上述の第1実施形態では、巻線12の巻き始め端12aと巻き終わり端12bとが、同じ4番セグメント14に接続されているので、4番セグメント14から供給される電流Iが2本の巻線12に分散して流れる。このため、巻線12の温度上昇を抑制し。電動モータ1の能力が低下してしまうことを防止できる。
次に、この発明の第2実施形態を、図1、図2を援用し、図5、図6に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
この第2実施形態において、電動モータ1は、ブラシ付きの3相直流モータであって、有底円筒形状のヨーク2内に、アーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている点は、前述の第1実施形態と同様である。また、ヨーク2の内周面に設けられたリングマグネット4が8極に着磁されている点、アーマチュアコア6には、6つのティース9及びスロット11が形成されている点、コンミテータ13の外周面にセグメント14が12枚取り付けられている点も、前述の第1実施形態と同様である。さらに、巻線12により、同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25が形成されている点も、前述の第1実施形態と同様である。そして、各ティース9は、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている点、各ティース9に、アーマチュアコイル7を構成する各相コイル7U1〜7W2が形成されている点も、前述の第1実施形態と同様である。また、コンミテータ13には、2つのブラシ21が摺接されている点も、前述の第1実施形態と同様である。
尚、ダブルフライヤ方式の巻線装置は、2つのフライヤを有しており、回転軸5を中心にして点対称となる関係で2か所同時に巻線12を引き回すようになっている。
次に、図5、図6に基づいて、第2実施形態におけるアーマチュアコイル7及び接続線25の形成方法について説明する。
図5、図6は、アーマチュアの展開図であり、隣接するティース間の空隙がスロットに相当している。そして、図5は、2つのフライヤのうち、第1フライヤの巻線12の引き回し方法について示し、図6は、2つのフライヤのうち、第2フライヤの巻線12の引き回し方法について示している。
まず、図5に基づいて、第1フライヤによる1つ目の組30aの形成方法について詳述する。
同図に示すように、まず、巻線12の巻き始め端12aを4番セグメント14のライザ15に掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら7番、10番、1番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら3−4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1W相コイル7W1を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら2−3番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、3番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1V相コイル7V1を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら1−2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、2番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1U相コイル7U1を形成する。
ここで、10番セグメント14は、4番セグメント14に対して点対称となる位置に存在しており、第2フライヤによる巻線12の巻き始め端12aが接続されるセグメント14である。
次に、図6に基づいて、第2フライヤによる2つ目の組30bの形成方法について詳述する。
ここで、第2フライヤの動きは、全て第1フライヤの動き(図5参照)と点対称になる。
すなわち、図6に示すように、巻線12の巻き始め端12aを10番セグメント14のライザ15に掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら1番、4番、7番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら6−1番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2W相コイル7W2を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら5−6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、6番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2V相コイル7V2を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら4−5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、5番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2U相コイル7U2を形成する。
また、2つ目の組30bを形成する巻線12の巻き始め端12a(図6参照)が接続されるセグメント14(第2巻き始めセグメント)が10番セグメント14になっていると共に、1つ目の組30aを形成する巻線12の巻き終わり端12b(図5参照)が接続されるセグメント14(第1巻き終わりセグメント)が10番セグメント14になっている。
すなわち、2番ティース9に巻回された巻線12は、2−3番ティース9の間のスロット11から引き出され、10番セグメント14のライザ15に掛け回されている。また、3番ティース9に巻回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11から引き出され、12番セグメント14のライザ15に掛け回されている。さらに、4番ティース9に巻回された巻線12は、4−5番ティース9の間のスロット11から引き出され、2番セグメント14のライザ15に掛け回されている。
すなわち、1番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、4番ティース9に巻回されている。また、9番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、2番ティース9に巻回されている。さらに、11番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、2−3番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、3番ティース9に巻回されている。
すなわち、5番ティース9に巻回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11から引き出され、4番セグメント14のライザ15に掛け回されている。また、6番ティース9に巻回された巻線12は、6−1番ティース9の間のスロット11から引き出され、6番セグメント14のライザ15に掛け回されている。さらに、1番ティース9に巻回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11から引き出され、8番セグメント14のライザ15に掛け回されている。
すなわち、3番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、4−5番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、5番ティース9に巻回されている。また、5番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、6番ティース9に巻回されている。さらに、7番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、6−1番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、1番ティース9に巻回されている。
ここで、6つの交差部26は、それぞれ2−3番セグメント14間、4−5番セグメント14間、6−7番セグメント14間、8−9番セグメント14間、10−11番セグメント14間、12−1番セグメント14間に形成される。つまり、6つの交差部26は、周方向に等間隔に配置されている。
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、2か所同時に巻線12を引き回す分、アーマチュアコイル7及び接続線25の形成時間を短縮することができる。
尚、巻線12の線径については、並列回路数を4つにすることにより、極端に細くなってしまう場合がある。このような場合、前述の第1実施形態のように構成して並列回路数を2つにし、巻線12の線径を太くすることが望ましい。
例えば、上述の実施形態では、電動モータ1は、車両に搭載される電装品の駆動源として用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな機器に使用される電動モータに、本実施形態を採用することが可能である。
また、ブラシ21の個数は2つに限られるものではなく、極数と同じ数である8つまでブラシ21を増やすことも可能である。
2 ヨーク
3 アーマチュア
4 リングマグネット
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7 アーマチュアコイル
9 ティース
12 巻線
12a 巻き始め端
12b 巻き終わり端
13 コンミテータ
14 セグメント
21 ブラシ
25 接続線
26 交差部
30a 1つ目の組
30b 2つ目の組
7U1 第1U相コイル
7U2 第2U相コイル
7V1 第1V相コイル
7V2 第2V相コイル
7W1 第1W相コイル
7W2 第2W相コイル
Claims (8)
- 複数の磁極を有するヨークと、
前記ヨークに回転自在に支持される回転軸と、
前記回転軸に取り付けられ、巻線が巻回される複数のティースを有するアーマチュアコアと、
前記回転軸に取り付けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータと、
前記セグメントに摺接され、前記巻線に給電を行うための少なくとも2つのブラシとを備え、
所定の前記ティースに、前記巻線を集中巻方式にて巻回してアーマチュアコイルを形成すると共に、同電位となる前記セグメント同士を短絡するように前記巻線を配線して接続線を形成し、
前記アーマチュアコイル及び前記接続線を、1本の前記巻線で一連に形成し、
前記複数のセグメントのうち、前記ティースから引き出した前記巻線が接続されるセグメントを第1セグメントとし、前記ティースに引き込む前記巻線が接続されるセグメントを第2セグメントとしたとき、これら第1セグメントと第2セグメントとが隣り合うように配置され、
前記第1セグメントに接続されている前記巻線と、前記第2セグメントに接続されている前記巻線とが、前記コンミテータと前記アーマチュアコアとの間で交差して複数の交差部を形成していることを特徴とする電動モータ。 - 前記複数の交差部が、周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
- 前記巻線の巻き始め端と、前記巻線の巻き終わり端とが同一の前記セグメントに接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動モータ。
- 前記巻線の引き回し方向が常に同一方向になるように前記巻線を引き回すと共に、同電位となる前記セグメントに前記巻線を接続していく順番が、前記巻線の引き回し方向とは逆方向になっていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動モータ。
- 前記複数のティースのうち、同相のティースに前記巻線を連続に巻回し、
同相同士のティースに前記巻線を巻回していく順番が、前記巻線の引き回し方向と同方向になっていることを特徴とする請求項4に記載の電動モータ。 - 1本の前記巻線で一連に形成された前記アーマチュアコイルと前記接続線の組を2組設け、
これら2組のうち、
1つ目の組の前記巻線の巻き始め端が接続される前記セグメントを第1巻き始めセグメント、1つ目の組の前記巻線の巻き終わり端が接続される前記セグメントを第1巻き終わりセグメントとし、
2つ目の組の前記巻線の巻き始め端が接続される前記セグメントを第2巻き始めセグメント、2つ目の組の前記巻線の巻き終わり端が接続される前記セグメントを第2巻き終わりセグメントとし、
前記第1巻き始めセグメントと前記第2巻き始めセグメントとを、前記回転軸を中心に点対称位置に配置し、
前記第1巻き始めセグメントと前記第2巻き終わりセグメントとを、同一セグメントとすると共に、前記第2巻き始めセグメントと前記第1巻き終わりセグメントとを、同一セグメントとしたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電動モータ。 - 前記磁極を8極、前記ティースの個数を6つ、前記セグメントの個数を12個に設定したことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の電動モータ。
- 前記ブラシの個数を2つに設定し、これら2つの前記ブラシを、それぞれ2つの磁極を間に挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の電動モータ。
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