JP2014096859A - 電動モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】アーマチュアの製造時間を短縮して製造コストを抑えることができ、且つアーマチュアの重量バランスを向上させることができる電動モータを提供する。
【解決手段】所定のティース9に、巻線12を巻回してアーマチュアコイル7を形成すると共に、同電位となるセグメント14同士を巻線12で短絡して接続線25を形成し、アーマチュアコイル7及び接続線25を、1本の巻線12で一連に形成し、複数のセグメント14のうち、ティース9から引き出した巻線12が接続されるセグメント14を第1セグメントとし、ティース9に引き込む巻線12が接続されるセグメント14を第2セグメントとしたとき、これら第1セグメントと第2セグメントとが隣り合うように配置され、第1セグメントに接続されている巻線12と、第2セグメントに接続されている巻線12とが、コンミテータ13とアーマチュアコア6との間で交差して複数の交差部26を形成している。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば、車両に搭載されるブラシ付きの3相直流の電動モータに関するものである。
一般に、車両等に搭載されるブラシ付きの3相直流の電動モータは、内周面に永久磁石を取り付けた円筒状のヨークの内側に、アーマチュアが回転自在に支持された構成になっている。アーマチュアは、回転軸と、回転軸に外嵌固定されたアーマチュアコアと、回転軸に外嵌固定されたコンミテータとを有している。
アーマチュアコアには、軸方向に長いティースが放射状に複数形成され、各ティース間に、軸方向に長いスロットが形成されている。アーマチュアコアは磁気回路として機能し、アーマチュアコアの各ティースに、スロットを介して巻線が巻回される。
コンミテータには、複数のセグメントが周方向に沿って配置されており、各セグメントに巻線が接続されている。各セグメントはブラシと摺接可能になっており、このブラシからセグメントに電圧を印加することによって巻線に電流が供給される。
ところで、電動モータの小型化、軽量化を図ろうとした場合の手段として、永久磁石の多極化が考えられる。多極化することによって磁極の1極当たりの有効磁束量を低減することが可能になり、この結果、磁気回路を形成するアーマチュアコアの小型化、軽量化を図ることができる。
ここで、単純に多極化しようとするとスロット数が多くなるので、アーマチュアコアの外径を一定に保とうとすると、スロットが小さくなってしまい、巻線の巻回作業が困難になってしまう。
このため、例えば、電動モータの磁極数を8、スロット数を6、セグメント数を12に設定し、同電位となるセグメント同士を接続線で短絡し、隣接するセグメント間に、各ティースにそれぞれ巻回された各相の巻線の巻き始め端及び巻き終わり端をU相、V相、W相の順となるように接続し、且つ巻線の巻き始め端及び巻き終わり端の引き出し位置近傍に存在するセグメントに接続する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2010/010906号
しかしながら、上述の従来技術にあっては、その巻線の構造から接続線を形成する巻線と、ティースに巻回される巻線とを別々の巻線にする必要があり、接続線を形成する作業とティースへの巻線の巻回作業とが別々になる。このため、部品点数が増えるばかりか、アーマチュアの製造時間が増加して製造コストが嵩むという課題がある。
また、単純に、無理やり1本の巻線で接続線とティースに巻回される巻線とを一連に形成しようとすると、アーマチュアコアとコンミテータとの間において、巻線同士の重なりが多い箇所と少ない箇所のムラができ、アーマチュアの重量バランスが悪化してしまうという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、アーマチュアの製造時間を短縮して製造コストを抑えることができ、且つアーマチュアの重量バランスを向上させることができる電動モータを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る電動モータは、複数の磁極を有するヨークと、前記ヨークに回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸に取り付けられ、巻線が巻回される複数のティースを有するアーマチュアコアと、前記回転軸に取り付けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータと、前記セグメントに摺接され、前記巻線に給電を行うための少なくとも2つのブラシとを備え、所定の前記ティースに、前記巻線を集中巻方式にて巻回してアーマチュアコイルを形成すると共に、同電位となる前記セグメント同士を短絡するように前記巻線を配線して接続線を形成し、前記アーマチュアコイル及び前記接続線を、1本の前記巻線で一連に形成し、前記複数のセグメントのうち、前記ティースから引き出した前記巻線が接続されるセグメントを第1セグメントとし、前記ティースに引き込む前記巻線が接続されるセグメントを第2セグメントとしたとき、これら第1セグメントと第2セグメントとが隣り合うように配置され、前記第1セグメントに接続されている前記巻線と、前記第2セグメントに接続されている前記巻線とが、前記コンミテータと前記アーマチュアコアとの間で交差して複数の交差部を形成していることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、前記複数の交差部が、周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、前記巻線の巻き始め端と、前記巻線の巻き終わり端とが同一の前記セグメントに接続されていることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、前記巻線の引き回し方向が常に同一方向になるように前記巻線を引き回すと共に、同電位となる前記セグメントに前記巻線を接続していく順番が、前記巻線の引き回し方向とは逆方向になっていることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、前記複数のティースのうち、同相のティースに前記巻線を連続に巻回し、同相同士のティースに前記巻線を巻回していく順番が、前記巻線の引き回し方向と同方向になっていることを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、1本の前記巻線で一連に形成された前記アーマチュアコイルと前記接続線の組を2組設け、これら2組のうち、1つ目の組の前記巻線の巻き始め端が接続される前記セグメントを第1巻き始めセグメント、1つ目の組の前記巻線の巻き終わり端が接続される前記セグメントを第1巻き終わりセグメントとし、2つ目の組の前記巻線の巻き始め端が接続される前記セグメントを第2巻き始めセグメント、2つ目の組の前記巻線の巻き終わり端が接続される前記セグメントを第2巻き終わりセグメントとし、前記第1巻き始めセグメントと前記第2巻き始めセグメントとを、前記回転軸を中心に点対称位置に配置し、前記第1巻き始めセグメントと前記第2巻き終わりセグメントとを、同一セグメントとすると共に、前記第2巻き始めセグメントと前記第1巻き終わりセグメントとを、同一セグメントとしたことを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、前記磁極を8極、前記ティースの個数を6つ、前記セグメントの個数を12個に設定したことを特徴とする。
本発明に係る電動モータは、前記ブラシの個数を2つに設定し、これら2つの前記ブラシを、それぞれ2つの磁極を間に挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置したことを特徴とする。
本発明によれば、所定のティースに巻線を巻回してなるアーマチュアコイルと、同電位となるセグメント同士を巻線で接続してなる接続線とを1本の巻線で一連に形成しつつ、アーマチュアコアとコンミテータとの間において、巻線同士が重なる部分を周方向にムラなく分散させることができる。このため、アーマチュアの製造時間を短縮して製造コストを抑えることができ、且つアーマチュアの重量バランスを向上させることができる。
本発明の実施形態における電動モータの縦断面図である。 本発明の実施形態におけるアーマチュアを軸方向コンミテータ側からみた平面図である。 本発明の第1実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 図3のA部拡大図である。 本発明の第2実施形態におけるアーマチュアの展開図である。 本発明の第2実施形態におけるアーマチュアの展開図である。
(第1実施形態)
(電動モータ)
次に、この発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は、電動モータの縦断面図、図2は、アーマチュアを軸方向コンミテータ側からみた平面図である。
図1、図2に示すように、電動モータ1は、ブラシ付きの3相直流モータであって、車両に搭載される電装品(例えば、電動シート)の駆動源として用いられる。電動モータ1は、有底円筒形状のヨーク2内にアーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている。ヨーク2の内周面にはリングマグネット4が設けられている。リングマグネット4は、周方向に8極に着磁されている。
アーマチュア3は、回転軸5に外嵌固定されたアーマチュアコア6と、アーマチュアコア6に巻回されているアーマチュアコイル7と、回転軸5に外嵌固定され、アーマチュアコア6の一端側(図1における右側)に配置されたコンミテータ13とにより構成されている。
アーマチュアコア6は、例えば、リング状の金属板を軸方向に複数枚積層したものである。尚、アーマチュアコア6を、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
アーマチュアコア6には、軸方向平面視T字型のティース9(図2参照)が、放射状に6つ形成されている。そして、隣接するティース9間には、蟻溝状のスロット11が形成されている。スロット11は軸方向に沿って延びており、周回方向に沿って等間隔に6つ形成されている。各ティース9には、スロット11を介してエナメル被覆の巻線12が集中巻方式にて巻回されており、これにより、アーマチュアコア6の外周に複数のアーマチュアコイル7が形成される。
コンミテータ13の外周面には、導電材で形成されたセグメント14が12枚取り付けられている。セグメント14は、軸方向に長い板状の金属片からなり、互いに絶縁された状態でコンミテータ13の周回り方向に沿って等間隔に並列に固定されている。各セグメント14のアーマチュアコア6側の端部には、外径側に折り返す形で折り曲げられたライザ15が一体形成されている。
ライザ15には、アーマチュアコイル7を形成する巻線12が掛け回わされ、この巻線12が、例えば、ヒュージングにより固定されている。これにより、巻線12とセグメント14とが電気的に接続される。
ここで、巻線12は、同電位となるセグメント14(本実施形態では2つ置きのセグメント14)同士を短絡するように、ライザ15に掛け回され、接続線25を形成する。そして、接続線25は、回転軸5の全周に亘るように配線され、且つアーマチュアコア6とコンミテータ13との間に配線される。尚、巻線12によるアーマチュアコイル7の形成方法及び接続線25の形成方法についての詳細は、後述する。
図1に示すように、回転軸5の他端側(図1における左側)は、ヨーク2の底部2aに突出形成されたボス内の軸受16によって、回転自在に支持されている。また、ヨーク2の開口部2bには、カバー17が設けられている。このカバー17の内側には、ホルダーステー18が取り付けられている。
ホルダーステー18には、2つのブラシホルダ19が設けられている。2つのブラシホルダ19は、それぞれ2つの磁極を挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置されている。換言すれば、リングマグネット4が8極に磁極されているので、2つのブラシホルダ19は、周方向に約135°の間隔をあけて配置されていることになる。そして、それぞれブラシホルダ19が配置されている箇所に対応する磁極は、互いに異極となっている。
各ブラシホルダ19には、それぞれブラシ21が出没自在に収納されている。つまり、図2に示すように、2つのブラシ21は、それぞれ2つの磁極を挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置され、周方向に約135°の間隔をあけて配置された状態になっている。ブラシ21は、スプリング29を介してコンミテータ13側に向かって付勢されている。そして、各ブラシ21の先端部が、コンミテータ13のセグメント14に摺接した状態になっている。これにより、外部からの電源がブラシ21を介してコンミテータ13に供給される。
(アーマチュアコイル及び接続線の形成方法)
次に、図3、図4に基づいて、アーマチュアコイル7及び接続線25の形成方法について説明する。
図3は、アーマチュアの展開図であり、隣接するティース間の空隙がスロットに相当している。尚、以下の図3においては、各セグメント14、各ティース9及び巻装されたアーマチュアコイル7にそれぞれ符号を付して説明する(以下の実施形態についても同様)。
同図に示すように、各ティース9は、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている。つまり、1番、4番ティース9にU相、2番、5番ティース9にV相、3番、6番ティース9にW相が割り当てられている。また、セグメント14に付した番号のうち、1番に相当する位置は、1番ティース9の近傍に位置しているものとする。
そして、アーマチュアコイル7及び接続線25は、1本の巻線12により、所謂一筆書きの要領で一連に形成される。さらに、アーマチュアコア6とコンミテータ13との間に配線される巻線12は、引き回し方向が回転軸5周りに常に同一方向となるように配線されている。
尚、アーマチュアコイル7及び接続線25を形成する巻線装置(不図示)としては、1つのフライヤを有する所謂シングルフライヤ方式の巻線装置が用いられる。この巻線装置のフライヤの先端にはノズルが設けられており、このノズルから巻線12が繰り出されるようになっている。
以下、アーマチュアコイル7及び接続線25の形成方法についてより具体的に説明する。尚、以下の説明において、各ティース9及び各セグメント14に番号を付した順番の方向、つまり、図3における右方向を、単に右方向と称して説明する。また、この右方向とは反対側の方向、つまり、図3における左方向を、単に左方向と称して説明する(以下の実施形態についても同様)。
図3に示すように、まず、巻線12の巻き始め端12aを4番セグメント14のライザ15に掛け回す。この後、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、7番セグメント14のライザ15に掛け回す。さらに、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、10番セグメント14のライザ15に掛け回す。さらに、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、1番セグメント14のライザ15に掛け回す。これにより、同電位となるセグメント14同士が巻線12により短絡される。
ここで、巻線12の引き回し方向は常に左方向であるのに対し、同電位となるセグメント14が巻線12によって短絡されていく順番は、4番、7番、10番、1番と続くように、右方向になっている。
また、巻線12が常に左方向に引き回されているので、ライザ15に、右方向から巻線12が掛け回され、左方向へと引き出される。このため、ライザ15に、巻線12をα巻方式により掛け回すことが可能になる。本実施形態においては、全てのライザ15に、巻線12がα巻方式により掛け回されている。
ここで、図4に基づいて、α巻方式について詳述する。図4は、図3のA部拡大図である。
同図に示すように、α巻方式とは、巻線12の引き回し方向上流側(本実施形態では図3における右側)からライザ15のアーマチュアコア6側に巻線12を引き回し、この後、巻線12を折り返すようにライザ15に掛け回し、さらに、巻線12を引き回し方向下流側(本実施形態では図3における左側)へと引き回す方式である。
このように引き回すことにより、ライザ15に掛け回された巻線12がα状になる。このため、ライザ15周りの巻線12の拡がりを抑制することができる。よって、ライザ15周りの巻線12の嵩張りを抑えることができると共に、巻線12が嵩張ることにより、巻線12の温度が上昇してしまうことを抑えることができる。尚、α巻方式を採用しない場合、ライザ15周りの巻線12は、図4の2点鎖線に示すように拡がってしまう。
図3に戻り、1番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回した後、巻線12を左方向に引き回しながら3−4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn(nは1以上の自然数)回、所定方向に巻回して第1U相コイル7U1を形成する。
尚、この実施形態では、ティース9への所定の巻回方向は、反時計回り方向であり、全てのティース9に反時計回り方向で巻線12が巻回される。しかしながら、これに限られるものではなく、ティース9への巻回方向が全て同一方向であればよく、時計回り方向であってもよい。
続いて、4−5番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、左方向に引き回して6−1番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2U相コイル7U2を形成する。これら4番ティース9と1番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
1番ティース9に第2U相コイル7U2を形成した後、1−2番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、巻線12を左方向に引き回し、7番セグメント14に隣接する8番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回す。この後、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、11番セグメント14のライザ15に掛け回す。さらに、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、2番セグメント14のライザ15に掛け回す。
さらに、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、5番セグメント14のライザ15に掛け回す。これにより、同電位となるセグメント14同士が巻線12により短絡される。このように、同電位となるセグメント14が巻線12によって短絡されていく順番は、8番、11番、2番、5番と続くように、右方向になっている。
5番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回した後、巻線12を左方向に引き回しながら5−6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、6番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1W相コイル7W1を形成する。続いて、6−1番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、左方向に引き回して2−3番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、3番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2W相コイル7W2を形成する。これら6番ティース9と3番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
3番ティース9に第2W相コイル7W2を形成した後、3−4番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、巻線12を左方向に引き回し、11番セグメント14に隣接する12番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回す。この後、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、3番セグメント14のライザ15に掛け回す。さらに、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、6番セグメント14のライザ15に掛け回す。
さらに、巻線12を左方向に引き回し、回転軸5の周囲をほぼ1周させた後、9番セグメント14のライザ15に掛け回す。これにより、同電位となるセグメント14同士が巻線12により短絡される。このように、同電位となるセグメント14が巻線12によって短絡されていく順番は、12番、3番、6番、9番と続くように、右方向になっている。
9番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回した後、巻線12を左方向に引き回しながら1−2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、2番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1V相コイル7V1を形成する。続いて、2−3番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出し、左方向に引き回して4−5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、5番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2V相コイル7V2を形成する。これら2番ティース9と5番ティース9は、互いに回転軸5を中心に点対称となる位置に存在している。
5番ティース9に第2V相コイル7V2を形成した後、5−6番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、巻線12の巻き終わり端12bを、巻き始め端12aが掛け回されている4番セグメント14のライザ15に掛け回す。これにより、アーマチュアコイル7及び接続線25の形成が完了する。
このように、アーマチュアコイル7は、2つのU相コイル7U1,7U2(第1U相コイル7U1、第2U相コイル7U2)、2つのV相コイル7V1,7V2(第1V相コイル7V1、第2V相コイル7V2)、及び2つのW相コイル7W1,7W2(第1W相コイル7W1、第2W相コイル7W2)により構成されている。そして、これら各相コイル7U1〜7W2と接続線25とが、1本の巻線12により所謂一筆書きの要領で一連に形成される。
また、巻線12の巻き始め端12aと巻き終わり端12bとが、同一のセグメント14、つまり、4番セグメント14に接続されているので、全てのセグメント14に2本の巻線12が接続された状態になっている。
さらに、1本の巻線12で全ての各相コイル7U1〜7W2及び接続線25を形成するので、並列回路数は2つになる。
また、アーマチュアコア6側からコンミテータ13側へと引き出された巻線12が接続されているセグメント14は、12,4,8番セグメント14に設定されている。
すなわち、3番ティース9に巻回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11から引き出され、12番セグメント14のライザ15に掛け回されている。また、5番ティース9に巻回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11から引き出され、4番セグメント14のライザ15に掛け回されている。さらに、1番ティース9に巻回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11から引き出され、8番セグメント14のライザ15に掛け回されている。
一方、コンミテータ13側からアーマチュアコア6側へと引き出され、所定のティース9に巻回される巻線12が接続されているセグメント14は、1,5,9番セグメント14に設定されている。
すなわち、1番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、4番ティース9に巻回されている。また、5番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、6番ティース9に巻回されている。さらに、9番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、2番ティース9に巻回されている。
このように、複数のセグメント14のうち、ティース9から引き出した巻線12が接続される12,4,8番セグメント14(第1セグメント)と、ティース9に引き込む巻線12が接続される1,5,9番セグメント14(第2セグメント)は、隣合うようになっている。つまり、12番セグメント14と1番セグメント14とが隣り合っている。また、4番セグメント14と5番セグメント14とが隣り合っている。さらに、8番セグメント14と9番セグメント14とが隣り合っている。
そして、これら隣り合っているセグメント14に接続されている巻線12は、アーマチュアコア6とコンミテータ13との間で交差し、3つの交差部26を形成している。
ここで、交差部26を形成する12,4,8番セグメント14は、周方向に等間隔に配置、つまり、周方向で約120°ずつ間隔をあけて配置されていると共に、1,5,9番セグメント14も周方向に等間隔に配置、つまり、周方向で約120°ずつ間隔をあけて配置されている。このため、3つの交差部26も、周方向に等間隔に配置、つまり、周方向で約120°ずつ間隔をあけて配置された状態になっている。
(電動モータの動作)
このような構成のもと、図3に示すように、例えば、2つのブラシ21のうち、陽極側となるブラシ21が1番セグメント14に接触し、2つのブラシ21のうち、陰極側となるブラシ21が5−6番セグメント14に跨るように接触している場合、2つのU相コイル7U1,7U2には、図3において反時計回りの電流Iが発生し、2つのV相コイル7V1,7V2には、図3において時計回りの電流Iが発生する。そして、2つのW相コイル7W1,7W2は、ブラシ21により短絡されて電流Iが発生しない。
これにより、2つのU相コイル7U1,7U2が形成されている1,4番ティース9と、2つのV相コイル7V1,7V2が形成されている2,5番ティース9には、互いに異なる磁界が発生する。そして、これらの磁界と、ヨーク2に設けられたリングマグネット4との間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、アーマチュア3が回転する。
(効果)
したがって、上述の第1実施形態によれば、アーマチュアコイル7を構成する各相コイル7U1〜7W2と、同電位のセグメント14同士を短絡する接続線25とが、1本の巻線12により所謂一筆書きの要領で一連に形成されているので、アーマチュア3の製造時間を短縮して製造コストを抑えることができる。
しかも、隣り合っているセグメント14に接続されているティース9から引き出した巻線12と、ティース9に引き込む巻線12とが3つの交差部26を形成するように巻線12を引き回している。より具体的には、巻線12の引き回し方向と、同相同士のティース9に巻線12が巻回されていく順番の方向を常に左方向とし、同電位となるセグメント14が巻線12によって短絡されていく順番の方向を右方向とすることで、3つの交差部26が形成される。このため、アーマチュアコア6とコンミテータ13との間において、巻線12同士が重なる部分を周方向にムラなく分散させることができる。よって、アーマチュア3の重量バランスを向上させることができる。
これに加え、3つの交差部26が、周方向に等間隔に配置されているので、アーマチュア3の重量バランスをさらに向上させることができる。
また、ブラシ21の数を2つに設定することにより、部品点数の増加を防止し、電動モータ1の製造コストを低減することができる。
さらに、2つのブラシ21を、それぞれ2つの磁極を挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置、つまり、周方向に約135°の間隔をあけて配置したので、各ブラシ21の配置スペースを十分確保することができる。
すなわち、隣接する磁極の中心にそれぞれブラシ21を配置してしまうと、2つのブラシ21の位置が近接し、各ブラシ21の配置スペースを十分に確保することが困難になる。このため、各ブラシ21を必要以上に小さく製造しなければならなくなる。
しかしながら、上述の第1実施形態によれば、各ブラシ21の配置スペースを十分確保することができるので、ブラシ21を可能な限り大型化することができる。この分、ブラシ21を製造することが容易になる。また、小さいブラシと比較して電気抵抗を小さくすることができると共に高電圧を印加することが可能になるので、ブラシ21の温度上昇も抑制できる。
さらに、巻線12の巻き始め端12aと巻き終わり端12bとが、同一のセグメント14、つまり、4番セグメント14に接続されているので、全てのセグメント14に2本の巻線12が接続された状態になっている。このため、各セグメント14から供給される電流Iを巻線12に均等に分散することができる。
より詳しくは、例えば、巻線12の巻き終わり端12bを4番セグメント14と同電位の他のセグメント14(7番セグメント14や10番セグメント)に接続した場合、4番セグメント14から巻線12が二又状に延びず、1本の巻線12のみ接続された状態になる。このような場合、4番セグメント14から供給される電流Iは、全て1本の巻線12に集中して流れることになり、巻線12の温度が上昇して電動モータ1の能力が低下してしまう。
しかしながら、上述の第1実施形態では、巻線12の巻き始め端12aと巻き終わり端12bとが、同じ4番セグメント14に接続されているので、4番セグメント14から供給される電流Iが2本の巻線12に分散して流れる。このため、巻線12の温度上昇を抑制し。電動モータ1の能力が低下してしまうことを防止できる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、図1、図2を援用し、図5、図6に基づいて説明する。尚、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
この第2実施形態において、電動モータ1は、ブラシ付きの3相直流モータであって、有底円筒形状のヨーク2内に、アーマチュア3を回転自在に配置した構成となっている点は、前述の第1実施形態と同様である。また、ヨーク2の内周面に設けられたリングマグネット4が8極に着磁されている点、アーマチュアコア6には、6つのティース9及びスロット11が形成されている点、コンミテータ13の外周面にセグメント14が12枚取り付けられている点も、前述の第1実施形態と同様である。さらに、巻線12により、同電位となるセグメント14同士を短絡する接続線25が形成されている点も、前述の第1実施形態と同様である。そして、各ティース9は、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている点、各ティース9に、アーマチュアコイル7を構成する各相コイル7U1〜7W2が形成されている点も、前述の第1実施形態と同様である。また、コンミテータ13には、2つのブラシ21が摺接されている点も、前述の第1実施形態と同様である。
ここで、前述の第1実施形態と第2実施形態との相違点は、前述の第1実施形態のアーマチュアコイル7及び接続線25を形成する巻線装置(不図示)としては、所謂シングルフライヤ方式の巻線装置が用いられるのに対し、第2実施形態の巻線装置(不図示)としては、所謂ダブルフライヤ方式の巻線装置が用いられる点にある。
尚、ダブルフライヤ方式の巻線装置は、2つのフライヤを有しており、回転軸5を中心にして点対称となる関係で2か所同時に巻線12を引き回すようになっている。
(アーマチュアコイル及び接続線の形成方法)
次に、図5、図6に基づいて、第2実施形態におけるアーマチュアコイル7及び接続線25の形成方法について説明する。
図5、図6は、アーマチュアの展開図であり、隣接するティース間の空隙がスロットに相当している。そして、図5は、2つのフライヤのうち、第1フライヤの巻線12の引き回し方法について示し、図6は、2つのフライヤのうち、第2フライヤの巻線12の引き回し方法について示している。
図5、図6に示すように、各ティース9は、それぞれU相、V相、W相が周回り方向にこの順で割り当てられている。この第2実施形態では、2番、5番ティース9にU相、3番、6番ティース9にV相、6番、1番ティース9にW相が割り当てられている。また、セグメント14に付した番号のうち、1番に相当する位置は、1番ティース9の近傍に位置しているものとする。
そして、図5に示すように、第1フライヤは、第1U相コイル7U1、第1V相コイル7V1、第1W相コイル7W1及び接続線25を、1本の巻線12により所謂一筆書きの要領で一連に引き回し、1つ目の組30aを形成している。また、図6に示すように、第2フライヤは、第2U相コイル7U2、第2V相コイル7V2、第2W相コイル7W2及び接続線25を、1本の巻線12により所謂一筆書きの要領で一連に引き回し、2つ目の組30bを形成している。
(1つ目の組の形成方法)
まず、図5に基づいて、第1フライヤによる1つ目の組30aの形成方法について詳述する。
同図に示すように、まず、巻線12の巻き始め端12aを4番セグメント14のライザ15に掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら7番、10番、1番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら3−4番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、4番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1W相コイル7W1を形成する。
次に、4−5番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、左方向に巻線12を引き回し、1番セグメント14に隣接する2番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら5番、8番、11番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら2−3番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、3番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1V相コイル7V1を形成する。
次に、3−4番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、左方向に巻線12を引き回し、11番セグメント14に隣接する12番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら3番、6番、9番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら1−2番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、2番ティース9にn回、所定方向に巻回して第1U相コイル7U1を形成する。
次に、2−3番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、巻線12の巻き終わり端12bを、巻き始め端12aが掛け回されている4番セグメント14と同電位の10番セグメント14のライザ15に掛け回す。このように、第1フライヤによって、第1U相コイル7U1、第1V相コイル7V1、第1W相コイル7W1及び接続線25で構成される1つ目の組30aの形成が完了する。そして、第1U相コイル7U1、第1V相コイル7V1、第1W相コイル7W1及び接続線25が、1本の巻線12によって所謂一筆書きの要領で一連に形成される。
ここで、10番セグメント14は、4番セグメント14に対して点対称となる位置に存在しており、第2フライヤによる巻線12の巻き始め端12aが接続されるセグメント14である。
(2つ目の組の形成方法)
次に、図6に基づいて、第2フライヤによる2つ目の組30bの形成方法について詳述する。
ここで、第2フライヤの動きは、全て第1フライヤの動き(図5参照)と点対称になる。
すなわち、図6に示すように、巻線12の巻き始め端12aを10番セグメント14のライザ15に掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら1番、4番、7番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら6−1番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、1番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2W相コイル7W2を形成する。
次に、1−2番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、左方向に巻線12を引き回し、7番セグメント14に隣接する8番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら11番、2番、5番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら5−6番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、6番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2V相コイル7V2を形成する。
次に、6−1番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、左方向に巻線12を引き回し、5番セグメント14に隣接する6番セグメント14のライザ15に巻線12を掛け回す。この後、巻線12を、左方向に引き回しながら9番、12番、3番セグメント14のライザ15に順に掛け回す。そして、同電位となるセグメント14同士が短絡された接続線25を形成する。
続いて、巻線12を左方向に引き回しながら4−5番ティース9の間のスロット11に引き込む。そして、5番ティース9にn回、所定方向に巻回して第2U相コイル7U2を形成する。
次に、5−6番ティース9の間のスロット11から巻線12を引き出す。そして、巻線12の巻き終わり端12bを、第1フライヤの巻線12の巻き始め端12aが掛け回されている4番セグメメント14のライザ15に掛け回す。このように、第2フライヤによって、第2U相コイル7U2、第2V相コイル7V2、第2W相コイル7W2及び接続線25で構成される2つ目の組30bの形成が完了する。そして、第2U相コイル7U2、第2V相コイル7V2、第2W相コイル7W2及び接続線25が、1本の巻線12によって所謂一筆書きの要領で一連に形成される。
ここで、1つ目の組30aを形成する巻線12の巻き始め端12a(図5参照)が接続されるセグメント14(第1巻き始めセグメント)が4番セグメント14になっていると共に、2つ目の組30bを形成する巻線12の巻き終わり端12b(図6参照)が接続されるセグメント14(第2巻き終わりセグメント)が4番セグメント14になっている。
また、2つ目の組30bを形成する巻線12の巻き始め端12a(図6参照)が接続されるセグメント14(第2巻き始めセグメント)が10番セグメント14になっていると共に、1つ目の組30aを形成する巻線12の巻き終わり端12b(図5参照)が接続されるセグメント14(第1巻き終わりセグメント)が10番セグメント14になっている。
さらに、図5に示す1つ目の組30aにおいて、アーマチュアコア6側からコンミテータ13側へと引き出された巻線12が接続されるセグメント14は、10,12,2番セグメント14に設定されている。
すなわち、2番ティース9に巻回された巻線12は、2−3番ティース9の間のスロット11から引き出され、10番セグメント14のライザ15に掛け回されている。また、3番ティース9に巻回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11から引き出され、12番セグメント14のライザ15に掛け回されている。さらに、4番ティース9に巻回された巻線12は、4−5番ティース9の間のスロット11から引き出され、2番セグメント14のライザ15に掛け回されている。
また、図5に示す1つ目の組30aにおいて、コンミテータ13側からアーマチュアコア6側へと引き出され、所定のティース9に巻回される巻線12が接続されているセグメント14は、1,9,11番セグメント14に設定されている。
すなわち、1番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、3−4番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、4番ティース9に巻回されている。また、9番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、2番ティース9に巻回されている。さらに、11番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、2−3番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、3番ティース9に巻回されている。
一方、図6に示す2つ目の組30bにおいて、アーマチュアコア6側からコンミテータ13側へと引き出された巻線12が接続されるセグメント14は、4,6,8番セグメント14に設定されている。
すなわち、5番ティース9に巻回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11から引き出され、4番セグメント14のライザ15に掛け回されている。また、6番ティース9に巻回された巻線12は、6−1番ティース9の間のスロット11から引き出され、6番セグメント14のライザ15に掛け回されている。さらに、1番ティース9に巻回された巻線12は、1−2番ティース9の間のスロット11から引き出され、8番セグメント14のライザ15に掛け回されている。
また、図6に示す2つ目の組30bにおいて、コンミテータ13側からアーマチュアコア6側へと引き出され、所定のティース9に巻回される巻線12が接続されているセグメント14は、3,5,7番セグメント14に設定されている。
すなわち、3番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、4−5番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、5番ティース9に巻回されている。また、5番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、5−6番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、6番ティース9に巻回されている。さらに、7番セグメント14のライザ15に掛け回された巻線12は、6−1番ティース9の間のスロット11に引き込まれ、1番ティース9に巻回されている。
このように、1つ目の組30aと2つ目の組30bとが形成された状態では、複数のセグメント14のうち、ティース9から引き出した巻線12が接続される2,4,6,8,10,12番セグメント14(第1セグメント)と、ティース9に引き込む巻線12が接続される1,3,5,7,9,11番セグメント14(第2セグメント)とが、隣り合っている。
そして、これら隣り合っているセグメント14に接続されている巻線12は、アーマチュアコア6とコンミテータ13との間で交差し、6つの交差部26を形成している。
ここで、6つの交差部26は、それぞれ2−3番セグメント14間、4−5番セグメント14間、6−7番セグメント14間、8−9番セグメント14間、10−11番セグメント14間、12−1番セグメント14間に形成される。つまり、6つの交差部26は、周方向に等間隔に配置されている。
(効果)
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果に加え、2か所同時に巻線12を引き回す分、アーマチュアコイル7及び接続線25の形成時間を短縮することができる。
また、前述の第1実施形態では、並列回路数が2つとなるが、第2実施形態では、2本の巻線12で全ての各相コイル7U1〜7W2及び接続線25を形成するので、並列回路数が4つとなる。このため、巻線12の線径を細くすることができ、巻線12による巻回作業を容易に行うことができる。
尚、巻線12の線径については、並列回路数を4つにすることにより、極端に細くなってしまう場合がある。このような場合、前述の第1実施形態のように構成して並列回路数を2つにし、巻線12の線径を太くすることが望ましい。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、電動モータ1は、車両に搭載される電装品の駆動源として用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな機器に使用される電動モータに、本実施形態を採用することが可能である。
また、上述の実施形態では、2つのブラシ21は、それぞれ2つの磁極を挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置され、周方向に約135°の間隔をあけて配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、互いに異なる2つの磁極の中心に、それぞれ2つのブラシ21が配置されていればよい。
また、ブラシ21の個数は2つに限られるものではなく、極数と同じ数である8つまでブラシ21を増やすことも可能である。
1 電動モータ
2 ヨーク
3 アーマチュア
4 リングマグネット
5 回転軸
6 アーマチュアコア
7 アーマチュアコイル
9 ティース
12 巻線
12a 巻き始め端
12b 巻き終わり端
13 コンミテータ
14 セグメント
21 ブラシ
25 接続線
26 交差部
30a 1つ目の組
30b 2つ目の組
7U1 第1U相コイル
7U2 第2U相コイル
7V1 第1V相コイル
7V2 第2V相コイル
7W1 第1W相コイル
7W2 第2W相コイル

Claims (8)

  1. 複数の磁極を有するヨークと、
    前記ヨークに回転自在に支持される回転軸と、
    前記回転軸に取り付けられ、巻線が巻回される複数のティースを有するアーマチュアコアと、
    前記回転軸に取り付けられ、前記巻線が接続される複数のセグメントを有するコンミテータと、
    前記セグメントに摺接され、前記巻線に給電を行うための少なくとも2つのブラシとを備え、
    所定の前記ティースに、前記巻線を集中巻方式にて巻回してアーマチュアコイルを形成すると共に、同電位となる前記セグメント同士を短絡するように前記巻線を配線して接続線を形成し、
    前記アーマチュアコイル及び前記接続線を、1本の前記巻線で一連に形成し、
    前記複数のセグメントのうち、前記ティースから引き出した前記巻線が接続されるセグメントを第1セグメントとし、前記ティースに引き込む前記巻線が接続されるセグメントを第2セグメントとしたとき、これら第1セグメントと第2セグメントとが隣り合うように配置され、
    前記第1セグメントに接続されている前記巻線と、前記第2セグメントに接続されている前記巻線とが、前記コンミテータと前記アーマチュアコアとの間で交差して複数の交差部を形成していることを特徴とする電動モータ。
  2. 前記複数の交差部が、周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動モータ。
  3. 前記巻線の巻き始め端と、前記巻線の巻き終わり端とが同一の前記セグメントに接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動モータ。
  4. 前記巻線の引き回し方向が常に同一方向になるように前記巻線を引き回すと共に、同電位となる前記セグメントに前記巻線を接続していく順番が、前記巻線の引き回し方向とは逆方向になっていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の電動モータ。
  5. 前記複数のティースのうち、同相のティースに前記巻線を連続に巻回し、
    同相同士のティースに前記巻線を巻回していく順番が、前記巻線の引き回し方向と同方向になっていることを特徴とする請求項4に記載の電動モータ。
  6. 1本の前記巻線で一連に形成された前記アーマチュアコイルと前記接続線の組を2組設け、
    これら2組のうち、
    1つ目の組の前記巻線の巻き始め端が接続される前記セグメントを第1巻き始めセグメント、1つ目の組の前記巻線の巻き終わり端が接続される前記セグメントを第1巻き終わりセグメントとし、
    2つ目の組の前記巻線の巻き始め端が接続される前記セグメントを第2巻き始めセグメント、2つ目の組の前記巻線の巻き終わり端が接続される前記セグメントを第2巻き終わりセグメントとし、
    前記第1巻き始めセグメントと前記第2巻き始めセグメントとを、前記回転軸を中心に点対称位置に配置し、
    前記第1巻き始めセグメントと前記第2巻き終わりセグメントとを、同一セグメントとすると共に、前記第2巻き始めセグメントと前記第1巻き終わりセグメントとを、同一セグメントとしたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の電動モータ。
  7. 前記磁極を8極、前記ティースの個数を6つ、前記セグメントの個数を12個に設定したことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の電動モータ。
  8. 前記ブラシの個数を2つに設定し、これら2つの前記ブラシを、それぞれ2つの磁極を間に挟んで両側に存在する2つの磁極の中心に配置したことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の電動モータ。
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