WO2009096211A1 - 空気調和機の熱交換器および空気調和機 - Google Patents

Abstract

　空気調和機の室内機の熱交換器（１０）は、間隔をおいて配列された複数の放熱フィン（１６、１７、１８）と、前記複数の放熱フィン（１６、１７、１８）を貫通する複数の冷媒配管（２０、２１、２２）と、少なくとも一方の側面に取り付けられた端板（３０）と、を備える。そして、端板（３０）は、熱交換器（１０）の端部面（１１Ｄ、１２Ｄ、１３Ｄ）に対応する形状を有する。更に、端板（３０）は、熱交換器（１０）の端部面より突出して設けられた冷媒配管（２０，２１，２２）のＵ字状配管部分（２０Ｔ、２１Ｔ、２２Ｔ）の突出高さよりも高くＵ字状配管部分を囲むように形成される複数の区画部分（４１、４２、４３）を備える。

Description

空気調和機の熱交換器および空気調和機

　本発明は、空気調和機の熱交換器および空気調和機に関し、特に、複数の冷媒配管が間隔をおいて配列された複数の放熱フィンを貫通し、端板が少なくとも一方の側面に取り付けられている空気調和機の熱交換器および空気調和機に関する。

　通常用いられている空気調和機は、空調しようとする室に取り付けられる室内機と、建屋の外部に据え付けられる室外機から構成される。そして、室内機と室外機とは、冷媒管や電気配線等で接続される。

　空調しようとする室の空気は、室内機の前面パネルの吸い込み口から室内機内に吸い込まれて、室内機の内部の熱交換器を通過して熱交換され、そして前面パネルの下部の吹き出し口から再び空調しようとする室内に吹き出される。

　室内機は、遠隔制御盤を有する。そして、送風機や圧縮機等の冷凍サイクルを構成する部品は、この遠隔制御盤からの指示信号を受けて、設定された空調条件を得ることができるように、電気的に制御される。

　多数枚の放熱フィンの配列に複数のＵ字状の冷媒配管を貫通させた熱交換器が、室内機内に配置される。そして、端板が熱交換器の側面に配置される。

　空気調和機の端板についての関連技術は、特許文献１と特許文献２に開示されている。特許文献１では、アルミニウム製の側板が熱交換器の側部に配置される。また、特許文献２では、熱交換器の端板が樹脂で形成されており、冷媒配管の挿入部の周囲のみに小さなリブが端板の板状部分に立ち上げて形成される。
特開２０００－１８６８９６号公報 特開２００３－４２４７５号公報

　しかし、上述の特許文献１に開示されている技術では、各冷媒配管の一部は端板を貫通しており、この端板から側方に露出している。このため、空気調和機の室内機を組み立てる時やサービス時に、露出している冷媒配管が床や壁あるいは他の部品等に接触して損傷するおそれがある。従って、端板は冷媒配管を保護することができない。

　また、特許文献２に開示されている技術では、端板が平板状であり、冷媒配管の周囲のみに小さなリブが形成されているだけであり、冷媒配管の一部が側方に露出している。このため、空気調和機の室内機を組み立てる時やサービス時に、露出している冷媒配管が床や壁あるいは他の部品等に接触して損傷するおそれがある。従って、端板は冷媒配管を保護することができない。

　本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、空気調和機の室内機を組み立てる時やサービス時に、露出している冷媒配管が床や壁あるいは他の部品等に接触して損傷するのを確実に防ぐことができる空気調和機の熱交換器および空気調和機を提供することである。

本発明の実施形態の空気調和機の室内機を示す斜視図である。 図１に示す室内機の内部に配置される熱交換器を示す斜視図である。 熱交換器の左側端板の付近を図２に示すＢ方向から見た斜視図である。 図３に示す熱交換器をＣ方向から見た側面図である。 熱交換器を床面に立てて置いた状態を示す斜視図である。

　以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。

　空気調和機の室内機（室内ユニットとも言う）１は、図１に示すように、ユニット本体１Ｈを備える。そして、ユニット本体１Ｈは、前面パネル２と、前面パネル２がはめ込まれる後板３と、を備える。

　前面パネル２は、上部吸い込み用のグリル４と、前部吸い込み用のグリル５と、を備える。上部吸い込み用のグリル４は上部吸い込み口６を備える。前部吸い込み用のグリル５は前部吸い込み口７を備える。さらに、吹き出し口８が、前面パネル２の下部に設けられる。そして、受信表示部９が、吹き出し口８の近くに設けられる。受信表示部９は、遠隔操作盤から発信される設定信号を受ける受信部と、運転状態を表示する表示部と、を備える。図２に示す熱交換器１０と図示しない電気部品箱と送風機等が、機本体１Ｈ内に配置される。

　図２は、ユニット本体１Ｈ内に配置される熱交換器１０を示す。なお、この熱交換器１０は横方向ＨＬに長い。そのため、図２では、熱交換器１０の中間部分の図示が省略されている。

　図２に示す熱交換器１０は、いわゆるフィンドチューブタイプのものである。熱交換器１０は、熱交換パイプを複数枚の放熱フィンに貫通して固定した後に、放熱フィンの所定位置を折り曲げて逆Ｖ字型に形成される。そして、熱交換器１０は、上部吸い込み用グリル４と前部吸い込み用グリル５に対向する位置に、上部熱交換部１１と前部熱交換部１２と下部熱交換部１３とを備える。そして、送風機１４が熱交換器１０の付近に配置される。この送風機１４は、駆動モータと、この駆動モータの回転軸に固定された横流ファンと、を備える。

　図２に示す熱交換器１０の上部熱交換部１１には、多数枚の上部放熱フィン１６が、所定間隔を離して、横方向ＨＬに沿って配列される。同様に、熱交換器１０の前部熱交換部１２には、多数枚の前部放熱フィン１７が、所定間隔を離して、横方向ＨＬに沿って配列される。そして、熱交換器１０の下部熱交換部１３には、多数枚の下部放熱フィン１８が、所定間隔を離して、横方向ＨＬに沿って配列される。各放熱フィン１６、１７、１８は、放熱性の優れた金属、例えばアルミニウムで作成される。

　図２に示すＵ字状の上部冷媒配管２０が、横方向ＨＬに沿って、上部熱交換部１１の多数枚の上部放熱フィン１６を貫通する。Ｕ字状の前部冷媒配管２１が、横方向ＨＬに沿って、前部熱交換部１２の多数枚の前部放熱フィン１７を貫通する。Ｕ字状の下部冷媒配管２２が、横方向ＨＬに沿って、下部熱交換部１３の多数枚の下部放熱フィン１８を貫通する。各冷媒配管２０、２１、２２は、例えば銅で作成される。各冷媒配管２０、２１、２２は、冷媒供給管７０を介して図示しない室外機に接続される。そして、冷媒が各冷媒配管２０、２１、２２を循環する。

　なお、部分６０、６１では、エバシールが右側端板８０に引っ掛けて取り付けられる。また、部分６２、６３では、エバシールが左側端板３０に対してネジを用いて留められる。

　次に、左側端板３０の構造について、図２と図３を参照して説明する。

　図２と図３に示すように、熱交換器１０の左側の側面には、左側端板３０が取り付けられる。この左側端板３０は、各熱交換部１１、１２、１３の側部の各端部面１１Ｄ、１２Ｄ、１３Ｄにわたって配置される。左側端板３０は、熱交換器１０の各端部面１１Ｄ、１２Ｄ、１３Ｄの形状に対応する形状を有する。すなわち、左側端板３０は、熱交換器１０の各端部面１１Ｄ、１２Ｄ、１３Ｄと略同等の側面形状を有する。左側端板３０は、例えば樹脂モールド成形により、一体成形物として作られる。左側端面３０が各熱交換部１１、１２、１３の側部の各端部面１１Ｄ、１２Ｄ、１３Ｄに固定される。このことで、左側端面３０が、各熱交換部１１、１２、１３相互間の角度と形状を保持する。

　図４は、左側端板３０と、送風機１４と、そして本体または熱交換器の固定用部品４４を示す。

　ここで、図３と図４を参照して、左側端板３０の構造を説明する。

　図３と図４に示すように、左側端板３０は、第１部分３１、第２部分３２、そして第３部分３３を有する。上部冷媒配管２０の端部のＵ字状配管部分２０Ｔが、左側端板３０の第１部分３１に配置される。また、前部冷媒配管２１の端部のＵ字状配管部分２１Ｔが、端板３０の第２部分３２に配置される。そして、下部冷媒配管２２の端部のＵ字状配管部分２２Ｔが、端板３０の第３部分３３に配置される。

　図３と図４に示すように、左側端面３０が、各熱交換部１１、１２、１３の側部の各端部面１１Ｄ、１２Ｄ、１３Ｄに固定される。このことで、左側端板３０の第１部分３１と第２部分３２とはほぼＶ字状に配置される。そして、左側端板３０の第２部分３２と第３部分とが、ほぼＶ字状に配置される。

　図４と図３に示すように、左側端板３０の第１部分３１は、複数の第１区画部分４１と、複数の第１穴部４１Ｈと、第１リブ５１と、を備える。同様に、左側端板３０の第２部分３２は、複数の第２区画部分４２と、複数の第２穴部４２Ｈと、第２リブ５２と、を備える。同様に、左側端板３０の第３部分３３は、複数の第３区画部分４３と、複数の第３穴部４３Ｈと、第３リブ５３と、を備える。各リブ５１、５２、５３は、例えば板状部材である。

　図３と図４に示すように、複数の第１区画部分４１は、上部熱交換部１１の端部面１１ＤからＳ方向に突出して形成される。同様に、複数の第２区画部分４２は、前部熱交換部１２の端部面１２ＤからＳ方向に突出して形成される。同様に、複数の第３区画部分４３は、下部熱交換部１３の端部面１３ＤからＳ方向に突出して形成される。各区画部分４１、４２、４３は、上部冷媒配管２０のＵ字状配管部分２０Ｔと、前部冷媒配管２１のＵ字状配管部分２１Ｔと、下部冷媒配管２２のＵ字状配管部分２２Ｔと、を保護するための壁部とも呼ぶことができる。

　図４に示すように、上部冷媒配管２０のＵ字状配管部分２０Ｔを通すための第１穴部４１Ｈが、各第１区画部分４１の内部に形成される。同様に、前部冷媒配管２１のＵ字状配管部分２１Ｔを通すための第２穴部４２Ｈが、各第２区画部分４２の内部に形成される。同様に、下部冷媒配管２２のＵ字状配管部分２２Ｔを通すための第３穴部４３Ｈが、各第３区画部分４３の内部に形成される。

　図４に示すように、各第１区画部分４１は第１穴部４１Ｈの周囲を囲むように区画され、上部冷媒配管２０のＵ字状配管部分２０ＴがＳ方向に向けて第１穴部４１Ｈに挿入される。同様に、各第２区画部分４２は第２穴部４２Ｈの周囲を囲むように区画され、前部冷媒配管２１のＵ字状配管部分２１ＴがＳ方向に向けて第２穴部４２Ｈに挿入される。同様にして、各第３区画部分４３は第３穴部４３Ｈの周囲を囲むように区画され、下部冷媒配管２２のＵ字状配管部分２２ＴがＳ方向に向けて第３穴部４３Ｈに挿入される。

　図３と図４に示した実施形態において、各区画部分４１、４２、４３は、同じ大きさであるのが好ましい。また、各区画部分４１、４２、４３の内部空間は、長穴形状を有しているのが好ましい。この長穴形状の各区画部分４１、４２、４３は、上部冷媒配管２０のＵ字状配管部分２０Ｔと、前部冷媒配管２１のＵ字状配管部分２１Ｔと、下部冷媒配管２２のＵ字状配管部分２２Ｔとを密接して挿入することができる形状と大きさを有する。

　図３に示す各区画部分４１、４２、４３のＳ方向に関する形成高さＭは、冷媒配管２０のＵ字状配管部分２０Ｔと冷媒配管２１のＵ字状配管部分２１Ｔと冷媒配管２２のＵ字状配管部分２２ＴのＳ方向に沿った突出高さよりも大きくなるように設定される。

　これにより、作業者が室内機を組み立てる時や室内機を点検サービスする時に、露出している上部冷媒配管２０のＵ字状配管部分２０Ｔと前部冷媒配管２１のＵ字状配管部分２１Ｔと下部冷媒配管２２のＵ字状配管部分２２Ｔとが、床や壁あるいは他の部品等に接触して損傷するのを確実に防ぐことができる。従って、作業者が室内機を組み立てる時や室内機を点検サービスする時に、各冷媒配管のＵ字状配管部分が確実に保護される。

　また、図４に示すように、モールド成形により一体的に形成された左側端板３０は、第１部分３１と第２部分３２と第３部分３３とを備える。左側端板３０の第１部分３１は熱交換器１０の上部熱交換部１１を保持する。左側端板３０の第２部分３２は熱交換器１０の前部熱交換部１２を保持する。左側端板３０の第３部分３３は熱交換器１０の下部熱交換部１３を保持する。このため、左側端板３０は、各熱交換部１１、１２、１３の相互の折り曲げ角度を、または各熱交換部１１、１２、１３がそれぞれ分離している場合には各熱交換部１１、１２、１３の組立角度を、確実に保持する。

　従って、熱交換器１０は高い組立て形状精度を保持できる。ゆえに、図４に示す熱交換器１０と本体または熱交換器の固定用部品４４との隙間のバラツキが、最小限に抑えられる。このため、送風機１４の横流ファンは内部結露を防止される。

　さらに、左側端板３０の第１部分３１は複数の第１区画部分４１を備え、左側端板３０の第２部分３２は複数の第２区画部分４２を備え、左側端板３０の第３部分３３は複数の第３区画部分４３を備える。更に、各区画部分４１、４２、４３の穴部分４１Ｈ、４２Ｈ、４３Ｈは、左側端板３０において相互に同じような間隔を置いて蜂の巣形状に配列される。このため、左側端板３０の強度が高められる。

　図３に示すように、３つのリブ５１、５２、５３が、Ｓ方向に沿って形成される。しかも、端板３０は、Ｓ方向に沿った形成高さが複数個のリブ５１、５２、５３を各区画部分４１、４２、４３の形成高さＭよりも高くなるように、突出して形成される。これらのリブ５１、５２、５３は、図５に示すように、熱交換器１０を単体で、例えば床面Ｆに立てて、置くことができるように、相互に間隔をおいて各リブ５１，５２，５３の形成方向が設定される。

　このように、左側端板３０のＳ方向に沿った形成高さは、複数個のリブ５１、５２、５３を各区画部分４１、４２、４３の形成高さＭよりも高くなるように形成する。このことで、熱交換器１０は、端板３０を下側にした状態で、単体で床面Ｆ等に立てて置くことができる。従って、例えば空気調和機の室内機を組み立てる作業時に、熱交換器１０を立たせて置くための治具等が不要となる。このため、空気調和機の室内機の組立時の作業性が改善される。

　本実施形態では、空気調和機の室内機に備えられた熱交換器は、間隔をおいて配列された複数の放熱フィンと、この複数の放熱フィンを貫通する複数の冷媒配管と、少なくとも一方の側面に取り付けられた端板と、を備える。端板は、熱交換器の端部面に対応する形状を有する。更に、端板は、熱交換器の端部面より突出して設けられた冷媒配管のＵ字状配管部分の突出高さよりも高く、且つＵ字状配管部分を囲むように形成された複数の区画部分を備える。これにより、室内機を組み立てる時やサービス時に、露出している冷媒配管のＵ字状配管部分が床や壁あるいは他の部品等に接触して損傷するのを確実に防ぐことができる。

　また、端板は、樹脂のモールド成形により形成され、且つ側方に突出した複数のリブを備える。この複数のリブにより、作業者が空気調和機の室内機を組み立てたり、室内機を点検サービスする時に、熱交換器１０を立たせて置くための治具等が不要となる。このため、例えば空気調和機の室内機の組立時の作業性が改善できる。

　区画部分は、Ｕ字状配管部分を通すための穴部の周囲に形成されている。これにより、端板は複数の穴部を有し、蜂の巣状に穴部が形成されている。このため、端板は軽量化されると共に、強度を高められる。

　なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。

　例えば、上記実施形態では、左側端板３０が熱交換器１０の左側の側面に取り付けられている。しかし、熱交換器１０の左側の側面と右側の側面の両方に、端板が取り付けられるようにしても良い。

　また、上記実施形態では、リブは、図示例の左側端板３０では間隔をおいて３つ形成されている。しかし、これに限らず、熱交換器を立てて置くことができれば、リブの形状や大きさは任意に設定でき、リブは２つあるいは４つ以上形成してもよい。

　また、上記実施形態では、熱交換器１０は、３つの熱交換部１１、１２、１３により構成される。しかし、熱交換器は、これに限らず２つの熱交換部あるいは４つ以上の熱交換部により構成してもよい。

　また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の実施形態が形成される。例えば、上記実施形態に示された全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。

産業上の利用の可能性

　本発明により、空気調和機の室内機を組み立てる時やサービス時に、露出している冷媒配管が床や壁あるいは他の部品等に接触して損傷するのを確実に防ぐことができる空気調和機の熱交換器および空気調和機が提供される。

Claims (6)

1. 　空気調和機の熱交換器であって、
   　　間隔を置いて配列された複数の放熱フィンと、
   　　前記複数の放熱フィンを貫通する複数の冷媒配管と、
   　　少なくとも一方の側面に取り付けられた端板と、
   を備え、
   　前記端板は、前記熱交換器の端部面に対応する形状を有し、
   　前記端板は、前記熱交換器の前記端部面より突出して設けられた前記冷媒配管のＵ字状配管部分の突出高さよりも高く、前記Ｕ字状配管部分を囲むように形成されている複数の区画部分を備えたもの。
2. 　請求項１に記載の空気調和機の熱交換器において、
   　前記端板は、樹脂のモールド成形により形成され、側方に突出する複数のリブを備えたもの。
3. 　請求項１に記載の空気調和機の熱交換器において、
   　前記区画部分が、前記Ｕ字状配管部分を通すための穴部の周囲に形成されたもの。
4. 　空気調和機であって、
   　間隔を置いて配列された複数の放熱フィンと、前記複数の放熱フィンを貫通する複数の冷媒配管と、少なくとも一方の側面に取り付けられた熱交換器と、を備えた熱交換器を備え、
   　前記熱交換器の前記端板は、前記熱交換器の端部面に対応する形状を有し、
   　前記端板は、前記熱交換器の前記端部面より突出して設けられた前記冷媒配管のＵ字状配管部分の突出高さよりも高く、前記Ｕ字状配管部分を囲むように形成されている区画部分を備えたもの。
5. 　請求項４に記載の空気調和機において、
   　前記端板は樹脂のモールド成形により形成され、側方に突出する複数のリブを備えたもの。
6. 　請求項４に記載の空気調和機において、
   　前記区画部分は、前記Ｕ字状配管部分を通すための穴部の周囲に形成されたもの。

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