明 細 書 現像ローラ、 現像装置、 プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 技術分野
本発明は、 複写機、 プリンターあるいはファクシミリの受信装置、 電子写真 方式を採用した画像形成装置に組み込まれる潜像担持体 (感光ドラム) に接触 させて使用される現像ローラに関する。 またそれを用いた現像装置、 プロセス カートリッジ、 および電子写真画像形成装置に関する。 背景技術
現像ローラは、 感光ドラムとの-ップ幅を確保するためにゴム成分や樹脂成 分を含む弾性体層を設けることが実質的に必須となっている。 そして、 このよ うな弾性体層から染み出すことがある低分子成分の感光ドラムへの付着を抑え るために弹 1·生体層の上に被覆層を設けた構成が採用されている。
ところで、 現像ローラの A s k e r一 C硬度は、 トナーの経時的な劣化と密 接に関連する。 即ち、 As k e r— C硬度が高すぎる場合、 トナーの経時的な 劣化を加速してしまうことがある。 そのため、 現像ローラの A s k e r— C硬 度として、 25° 以上、 85° 以下の範囲内とすることが従来より提案されて いる (例えば、 特開 2001— 166533号公報 (特許文献 1 ) およぴ特開 2005- 121728号公報 ((特許文献 2) 参照)。
一方、 上記したように弾性体層の存在を必須の構成要素として備えた現像口 .ーラが有する他の課題として、 感光ドラム、 クリーニングブレード等の当接部 材との当接状態が長期間にわたり継続したときに生じることがある部分的な永 ■ 久変形がある。 部分的な永久変形の生じた現像ローラを用いて電子写真画像を 形成すると、 永久変形した部分に対応して画像不良が生じることがある。
従って、 低硬度でありながら、 永久変形を生じにくい現像ローラの提供は、 従来より解決すべき課題として拳げられている。 例えば、 特開 2006— 10 6323号公報 (特許文献 3 ) および特開 2005— 248084号公報 (特 許文献 4) には、 当該課題を解決する種々の構成が開示されている。 し力 し、 本発明者らの検討によれば、 従来の提案にかかる現像ローラは上記課題につい て必ずしも十分な効果を得られているとは言えず、 上記の課題をより高いレべ ルで解決することができる新規な現像ローラの開発が必要であるとの認識を得 るに至った。 発明の開示
そこで、 本発明の課題は、 トナーの経時的劣化を抑制できる程度に柔軟であ り、 かつ、 永久変形を生じにくい現像ローラを提供することにある。
本発明者らは上記の課題に対し鋭意検討を重ねた結果、 柔軟な弾性層の上に、 特定の硬度を有し、 かつ、 極めて薄い被覆層を表面層として形成した場合に、 上記の課題を高いレベルで解決できることを見出した。 本発明はこのような新 たな知見に基づき為されたものである。
即ち、 本発明に係る現像ローラは、 軸芯体と、 弾性体層と、 該弾性層を被覆 する表面層としての被覆層とを有し、 該被覆層の表面における A s k e r -C 硬度が 40° 以上、 85° 以下である現像ローラであって、 該被覆層は、 厚さ 15 nm以上、 5000 n m以下であって、 かつ、
該現像ローラの表面におけるマルテンス硬度 HI (N/mm2) と、 前記弾性 体層のマルテンス硬度 H 2 (N/mm2) と、 前記被覆層の膜厚 d (mm) とが 下記式 (1) の関係を満たすことを特徴とする :
400 ≤ (H1-H2) /d ≤ 2000 (1)。
本発明によれば、 低硬度であって、 かつ、 永久変形を生じにくいため、 高品 位な電子写真画像を安定して提供することのできる現像ローラを得ることがで
さる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の現像ローラの一例の全体構成を模式的に示す図である。 図 2は、 本発明の現像ローラにおける、 軸芯体に直交する面での断面を模式 的に示した図である。
図 3は、 本発明の現像装置を用いた電子写真画像形成装置の一例を示す概略 構成図である。
図 4は、 本発明のプロセスカートリッジの実施形態の一例を示す概略構成図 である。
図 5は、 本発明の現像ローラの被覆層の製造装置としての C VD装置の一例 を示す概略構成図である。
図 6は、 本発明の電子写真画像形成装置による画像評価に用いた、 原稿を示 す図である。
図 7は、 マルテンス硬度の測定装置の一部を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
以下に、 本発明をより詳細に説明する。
本発明にかかる現像ローラは、 電子写真画像形成装置において、 トナーを担 持して静電潜像の形成された潜像担持体表面にトナーを供給し前記静電潜像を 顕在化するためのものである。 そして、 軸芯体と、 該軸芯体の外周面に形成さ れた弹性体層と、 該弾性体層を被覆してなる表面層としての被覆層を有してい る。 そして、 下記 (ァ) 〜 (ゥ) の要件をも満たしている。
(ァ) 表面のァスカー C (A s k e r - C )硬度が、 4 0 °以上 8 5。以下である こと ;
(ィ) 被覆層の厚さが 1 5 n m以上、 5 0 0 0 n m以下であること ;
(ゥ) 現像ローラ表面のマルテンス硬度 H 1 (N/mm2) と、 弾性体層のマル テンス硬度 H 2 (N/mm2) と、 被覆層の膜厚 d (mm) とが下記式 ( 1 ) に 示す関係を満たしていること :
4 0 0 ≤ (H 1 - H 2 ) / ά ≤ 2 0 0 0 ( 1 )。
上記 (ァ) 乃至 (ゥ) の要件を満たすことにより、 現像ローラは、 低硬度で あり、 かつ、 変形回復性に優れたものとなる。 その結果、 当該現像ローラは、 トナーに与えるストレスを軽減でき、 経時的なトナーの劣化を有効に抑制でき るものとなる。 その一方で、 当該現像ローラは、 比較的に硬い被覆層を表面層 として具備していることにより、 当接部材が長期間にわたり特定の部位に当接 した場合であっても部分的な永久変形を生じにくいものとなる。
本発明にかかる現像ローラの実施形態の一例を図 1及び図 2に示す。 図 1は、 本発明の現像ローラの一例の全体構成を模式的に示す図であり、 図 2は、 軸芯 体に直交する面での断面を模式的に示した図である。 図 1及び図 2に示した実 施形態の現像ローラ 1は、 中心に軸芯体 1 1と、 該軸芯体の外周面に順次、 弾 性体層 1 2及ぴ被覆層 1 3を有している。
<軸芯体 >
軸芯体 1 1は、 通常、 円柱状の形状を有しており、 金属の如き導電性材料で 形成されているものを用いることができる。 画像形成装置に利用される現像口 ーラは、 電気的なバイアスを印加して、 または、 接地されて、 使用されるのが 一般的であるので、 軸芯体 1 1は、 支持部材であって、 現像部材の電極として も機能する。
そこで、 軸芯体 1 1は、 少なくともその外周面は、 その上に形成されるゴム を含む弾性体層に所定の電圧を印加するに十分な導電性の材質で構成する。 具 体的には、 ァノレミニゥム, 銅合金, ステンレス鋼の如き金属または合金、 ある いは、 クロム, ニッケルで鍍金処理を施した鉄、 導電化された合成樹脂等が挙 げられる。画像形成装置に利用される現像ローラにおいては、軸芯体の外径は、
通常 4〜1 O mmの範囲とされる。
<弾性体層>
弾性体層 1 2は柔軟性を有するものであり、 ゴムを原科主成分とした成型体 を用いることができる。 原料主成分のゴムとしては、 従来から弾性ローラに用 いられている種々のゴムを用いることができる。 ゴムの具体例を以下に列挙す る。 エチレン一プロピレン一ジェン共重合ゴム (E P DM)、 アクリル二トリル 一ブタジエンゴム (N B R)、 クロロプレンゴム (C R;)、 天然ゴム (NR)、 ィ ソプレンゴム ( I R)、 スチレン一ブタジエンゴム (S B R)、 フッ素ゴム、 シ リコーンゴム、 ェピクロロヒ ドリンゴム、 N B Rの水素化物、 ウレタンゴム。 所望とする弾性体層の硬度や現像ローラとしての特性を与える限り、 これら のゴムは必要に応じて 2種以上を組み合わせて用いてもよレ、。
また、 これらのゴムに種々の添加剤を必要に応じて配合して弾性体層を成形 することができる。 添加剤としては、 現像ローラの個別的な用途に合わせて、 弾性体層自体に要求される機能に必要な成分、導電剤、非導電性充填剤、また、 ゴム成型体とする際に利用される各種添加剤成分、 架橋剤、 触媒、 分散促進剤 等が挙げられる。
弾性体層に導電性を付与するために用レ、得る導電剤の具体例を以下に列挙す る。
'カーボンブラック、 グラフアイト (G F)、 アルミニウム、 銅、 錫、 ステン レス鋼の如き金属や合金;
'酸化錫、 酸ィ匕亜鉛、 酸ィヒインジウム、 酸化チタン、 酸化錫一酸化アンチモン 固溶体、 酸ィヒ錫一酸ィヒインジウム固溶体の如き導電性の金属酸ィ匕物;
•上記金属や合金または金属酸化物で被覆された絶縁性物質の微粉末。
これらの内、 カーボンブラックは、 比較的容易に入手でき、 また、 主成分の ゴムの種類によらず、 良好な帯電性が得られるため、 好適である。
前記弾 体層を導電化する手段としてカーボンブラックを用いる場合、 D B
P吸収量が 5 Om 1 /100 g以上、 l l OmlZl O O g以下の範囲内にあ る力一ボンブラックが好まし V、。 この範囲の D B P吸収量のカーボンブラック を用いると、 弾性体層の硬度を相対的に低く抑えて、 所望の導電性を得ること が容易となる。
より具体的には、 D B P吸収量が 50ml/100 g以上のカーボンブラッ クを用いると、 弾性体層中への分散が容易になると共に、 導電性を出すための 添加量を抑えることができる。 また、 DB P吸収量が 11 Om 1 Zl 00 g以 下のカーボンブラックを用いると、 弾性体層に対する補強効果が大きくなく、 必要以上に硬度を上げることがなく、 好適な硬度と所望の導電性を安定して得 ることが容易となる。 力一ボンブラックの DB P吸収量は、 60mlZl 00 g以上 100ml/100 g以下の範囲にあることがより好ましい。
カーボンブラックの D BP吸収量は、 カーボンブラック 100 g当たりの D BPの吸収量を示しており、 カーボンブラックのストラクチャ一の大小を判断 する指標の 1つである。 カーボンブラックのストラクチャ一はカーボンブラッ クの単位粒子が鎖状に連係してできるものであって、 その大きさが、 ゴム中に 配合された際のカーボンブラックの電気伝導性を左右する。 本発明において、 D BP吸収量は、 J I SK6217— 4の規定に従って測定したものである。 これらのカーボンブラックは前記特性を備えるものであれば、 市販品であって も、 市販品を処理したものであっても、 あるいは新規に製造されたものであつ てもよい。 オイルファーネスブラック、 ガスファーネスブラック、 チャンネノレ タイプのカーボンブラック、 これらのカーボンブラックに対し酸化処理を施し たものを挙げることができる。
また、 前記カーボンブラックの添加量としては、 通常、 前記弾性体層を形成 するゴム 100質量部に対して、 10質量部以上 80質量部以下とすることが 好ましい。 10質量部以上とすると所望とする導電性を安定して得ることが容 易となる。 また、 80質量部以下とすると硬度が高くなりすぎてしまうことが
ない。 さらには、 弾性体層中への分散がし易く、 導電性を安定して得ることが 出来る点より、 20質量部以上 50質量部以下であることがより好ましい。 主成分のゴム中に、 微粉末状の導電剤を分散させる手段としては、 従来から 利用される手段、 ロールニーダー、 バンバリ一ミキサー、 ポールミル、 サンド グラインダー、 ペイントシェーカーの如き装置を用いる方法を挙げることがで きる。 これらは、 主成分のゴム材料に応じて適宜選択し利用すればよい。
弾性体層に導電性を付与するその他の方法として、 導電剤とともに、 あるい は単独で導電性高分子化合物を添加する手法を利用することができる。 導電性 高分子化合物としては、 ホストポリマーに種々のドーパントをドープしたもの を用いることができる。
ホストポリマーの具体例を以下に列挙する。 ポリアセチレン、 ポリ (p—フ ェニレン)、 ポリピロール、 ポリチォフェン、 ポリ (p—フエ-レンォキシド)、 ポリ (p—フエ二レンスルブイ ド)、 ポリ (p—フェレンビニレン)、 ポリ (2, 6—ジメチルフヱ二レンォキサイド)、ポリ (ビスフエノール Aカーボネート)、 ポリビ-ルカルバゾール、 ポリジアセチレン、 ポリ (N—メチルー 4一ビニル ピリジン)、 ポリア二リン、 ポリキノリン、 ポリ (フエ二レンエーテルスルフォ ン) など。
ドーパントの具体例を以下に列挙する。 As F5、 I2、 B r 2、 S〇3、 Na、 K、 C 104、 F e C l3、 F、 C l、 B r、 I、 Kr、 L i、 7, 7, 8, 8一 テトラシァノキノジメタン (TCNQ)。
弾性体層に添加可能な非導電性充填剤としては、 珪藻土、 石英粉末、 乾式シ リカ、 湿式シリカ、 酸化チタン、 酸化亜鉛、 アルミノケィ酸、 炭酸カルシウム を挙げることができる。
弾性体層を作製する際に利用される架橋剤の具体例を以下に列挙する。 有 機過酸化物、 硫黄、 硫黄化合物、 含硫黄有機加硫剤、 トリアジン系化合物等。
また、 加硫剤として、 有機過酸ィ匕物を使用する場合には、 有機過酸化物と併
用して、 共架橋剤を配合することができる。 共架橋剤の具体例を以下に列挙す る。
硫黄、 p—キノンジォキシム、 p—べンゾキノンジォキシム、 ρ, ρ ' —ジ ベンゾィルキノンジォキシム、 Ν—メチルー Ν' — 4ージニトロアニリン、 Ν, Ν' 一 m—フエ二レンジマレイミ ド、 ジペンタメチレンチウラムペンタスノレフ イ ド、 ジ-トロソベンゼン、 ジビニルベンゼン、 トリァリルシアヌレート、 ト リアリルイソシァヌレート、 トリアジンチオール、 エチレングリコールジメタ タリレート、 ジエチレングリコーノレジメタクリレート、 トリエチレングリコー ノレジメタクリレート、 ポリエチレングリコーノレジメタクリレート、 ネオペンチ ルグリコールジメタクリレート、 ジプロピレングリコールジメタタリレート、 トリメチロールプロパントリアタリレート、 エリスリ トールテトラメタクリレ ート、 トリメチロールプロパントリメタクリレート、 ジァリルメラミン、 トリ メタタリレート、 ジメタタリレート、 ジビュルアジぺート、 ビニノレプチラート、 ビニルステアレート、 液状ポリブタジエンゴム、 液状ポリイソプレンゴム、 液 状スチレン一ブタジエンゴム、 液状アクリロニトリル一ブタジエンゴム、 マグ ネシゥムジァクリレート、 カルシウムジアタリレート、 アルミニウムアタリレ ート、 亜鉛アタリレート、 スタナスアタリレート、 メタクリル酸亜鉛、 メタク リル酸マグネシゥム、 ジメタクリル酸亜鉛。
これらの共架橋剤は、 1種単独で、 あるいは 2種以上を併用することができ る。
また、 加硫剤として、 硫黄系加硫剤を使用する場合には、 加硫促進剤を使用 することができる。 このような加硫促進剤の具体例を以下に列挙する。
.へキサメチレンテトラミン、 ァセトアルデヒ ド ·アンモニアなどのアルデヒ ドアンモニア類;
' n—プチルアルデヒドーァ-リン縮合物、 ブチルアルデヒドーモノブチルァ ミン縮合品、 ヘプトアルデヒ ドーァニリン縮合物、 トリクロトニリデン 'テト
ラミン縮合物などのアルデヒドアミン類;
ジフヱニルダァニジン、 ジー O—トリルグァ二ジン、 オルト · トリノレ . ビグ ァニド、 ジカテコール ·ほう酸のジオルト ' トリノレ 'グァ-ジン塩などのグァ 二ジン塩類;
· 2—メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン類;
• 2—メルカプトべンゾチアゾール、 2—メルカプトチアゾリン、 ジベンゾチ ァジル ·ジスルフイ ド、 2—メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、 2—メル カプトベンゾチアゾールのナトリゥム塩、 2—メルカプトべンゾチアゾールの シクロへキシルァミン塩、 2— ( 2 , 4ージ-トロフエ二ルチオ) ベンゾチア ゾール、 2 - (N, N—ジェチルチオ.カルパモイルチオ) ベンゾチアゾール、 2 - ( 4 ' 一モノレホリノ 'ジチォ) ベンゾチアゾーノレ、 4一モルホリノ一 2— ベンゾテアジノレ ·ジスルフィ ドなどのチアゾ一/レ類;
• N—シクロへキシノレ一 2—べンゾチアゾ一/レ ·ス /レフェンアミ ド、 N, N— ジシクロへキシルー 2—べンゾチアジル ·スルフェンアミ ド、 N—ォキシジェ チレン一 2—ベンゾチアジル 'スルフェンアミ ド、 N, N—ジイソプロピル一 2一べンゾチアジノレ ·スノレフェンァミ ド、 N _ t一プチルー 2—べンゾチアジ ル 'スルフェンアミドなどのスルフェンアミ ド類;
'チォ力ルバ-ド、 エチレン 'チォ尿素 (2—メルカプトイミダゾリン)、 ジェ チル ·チォ尿素、 ジブチル ·チォ尿素、 混合アルキルチオ尿素、 トリルメチル チォ尿素、 ジラゥリルチオ尿素などのチォ尿素類;
•ジメチル ·ジチォ力ルバミン酸ナトリウム、 ジェチル ·ジチォカルバミン酸 ナトリウム、 ジ一 n—ブチル '力ルバミンン酸ナトリウム、 ジメチル'ジチォ 力ルバミン酸鉛、 ジァミル ·ジチォカルパミン酸鉛、 ジァミル ·ジチォカルパ ミン酸亜鉛、 ジェチル ·ジチォ力ルバミン酸亜鉛、 ジー n—プチル ·ジチォ力 ルバミン酸亜鉛、 ジベンジル ·ジチォカルパミン酸亜鉛、 N—ペンタメチレン · ジチォ力ルバミン酸亜鉛、 ェチルフエニル'ジチォ力ルバミン酸亜鉛、 ジメチ
ノレ 'ジチォ力ルバミン酸セレン、 ジェチル 'ジチォカルパミン酸セレン、 ジェ チル ·ジチォカルパミン酸テルル、 ジェチル ·ジチォカルパミン酸力ドミゥム、 ジメチル ·ジチォカルパミン酸銅、 ジメチル ·ジチォ力ルバミン酸鉄、 ジメチ ル'ジチォカルパミン酸ビスマス、 ジメチル'ジチォカルパミン酸ピぺリジン、 メチルぺンタメチレン ·ジチォ力ルバミン酸ピぺコリン、 活性化ジチォ力ルバ メートなどのジチォ力ルバミン酸塩類;
•テトラメチルチウラム ·モノスルフィ ド、 テトラメチルチウラム ·ジスルフ ィド、 活性テトラメチルチウラム ·ジスルフィド、 テトラェチルチウラム ·ジ スルフィド、 テトラプチルチウラム 'ジスルフィド、 Ν, Ν' 一ジメチルー Ν , N' —ジフエ-ノレチウラム .ジスノレフイ ド、 ジペンタメチレンチウラム 'ジス ルフイド、 ジペンタメチレンチウラム 'テトラスルフイ ド、 混合アルキル 'チ ウラム 'ジスルフイ ドなどのチウラム類;
.ィソプロピル .キサントゲン酸ナトリゥム、 ィソプロピル ·キサントゲン酸 亜鉛、 プチル ·キサントゲン酸亜鉛などのザンテート類;
· 4, 4 7 ージチォジモルホリン、 アミノジァノレキルジチォホスフェート、 亜 ο , ο— η—プチノレ .ホスホロジチォエート、 3—メ カプトイミダゾリ ンーチオン一 2、 チォグリコーノレ酸エステノレなど。
これらの加硫促進剤は、 1種単独で、 あるいは 2種以上を併用することがで ぎる。
上記加硫剤および加硫促進剤に加え、 必要に応じて、 加硫促進助剤を添加す ることもできる。 このような加硫促進助剤を以下に列挙する。 酸ィヒマグネシゥ ム、 亜鉛華、 活性亜鉛華、 表面処理亜鉛華、 炭酸亜鉛、 複合亜鉛華、 複合活性 亜鉛華、 表面処理酸化マグネシウム、 水酸化カノレシゥム、 極微細水酸化カルシ ゥム、 一酸化鉛、 リサージ、 鉛丹、 鉛白などの金属酸化物;ステアリン酸、 ォ レイン酸、 ラウリル酸、 ステアリン酸亜鉛、 ステアリン酸カルシウム、 ステア リン酸カリウム、 ステアリン酸ナトリゥムなどの有機酸 '(塩) 類。 特に、 亜鉛
華、 ステアリン酸、 ステアリン酸亜鉛が好ましい。
これらの加硫促進助剤は、 単独でまたは 2種以上を混合して使用することが- できる。 ,
また、 液状シリコーンゴムの場合には、 硬化可能なオルガノポリシロキサン と、 シロキサン骨格を有する硬化剤を用いて架橋したものであることが好まし い。
硬化可能なオルガノポリシロキサンとしては例えば、 ジメチルポリシロキサ ンまたは末端にビュル基等の硬化剤と反応する官能基を有するオルガノポリシ ロキサンを用いることができる。 硬化可能なオルガノポリシロキサンはシリコ ーンゴム原料のベースポリマーであり、 その分子量は特に限定されないが 1 0 万以上 1 0 0万以下が好ましく、 平均分子量はおよそ 5 0万程度が好ましい。 また、 硬化剤としてはオルガノハイドロジエンポリシロキサンを用いること ができる。 硬化可能なオルガノポリシロキサンのァルケニル基は、 硬化剤であ るオルガノハイドロジエンポリシロキサンの活性水素と反応して架橋点を形成 する部位である。 このようなアルケニル基の種類は特に限定されないが、 活性 水素との反応性が高い等の理由から、 ビュル基おょぴァリル基の少なくとも一 方であることが好ましく、 ビュル基が特に好ましい。 オルガノハイドロジェン ポリシロキサンは、 硬化工程における付加反応の架橋剤の働きをするもので、 一分子中のケィ素原子結合水素原子の数は 2コ以上であり、 硬化反応を最適に 行わせるために、 3個以上のポリマーが好ましい。 オルガノハイドロジェンポ リシロキサンの分子量に特に制限は無く、 低分子量 (オリゴマー) から高分子 量まで含有される。 し力 し、 硬化反応を最適に行わせるために、 比較的低分子 量のポリマーが好ましい。
本発明において、 上記オルガノハイドロジエンポリシロキサンの架橋触媒と して使用される塩化白金酸六水和物のかわりに、 ヒドロシリル化反応において 触媒作用を示す遷移金属化合物が使用できる。 架橋触媒としては、 特に制限は
ないが、 例えば、 以下のものを挙げることができる。 F e (CO) 5、 Co (C O) 8、 Ru C 13、 I r C 13、 〔(ォレフイン) P t C 12〕 2、 ビニル基含有ポ リシロキサン一 P t錯体、 H2P t C l 6 ' 6H2〇、 L3RhC l 3、 L2N i (ォ レフイン)、 L4P d、 L4P t、 L2N i C 12 (但し、 L = PPh3若しくは P R' 3、 ここで Phはフエ-ル基、 R' はアルキル基を示す)。 その中でも、 好 ましくは白金、 パラジウム、 ロジウム系遷移金属化合物触媒である。
弾性体層の厚さとしては、 感光ドラムと当接する際に均一な二ップ幅を確保 し、 かつ、好適なセット回復性を満たすためには、 0. 5 mm以上、 特には 1. 0mm以上とすることが好ましい。 作製される現像ローラの外径精度を損なわ ない限り、 弾性体層の厚さに特に制限はないものの、 一般に、 弾性体層の厚さ を過度に厚くすると、 作製コストを適正な範囲に抑えることが難しく、 現像口 ーラ自体の寸法精度を安定させることが難しくなる。 これらの実用上の制約を 考慮すると、 弾性体層の厚さは 5. 0mm以下、 特には 4. Omm以下とする ことが好ましい。 即ち、 弾性体層の厚さは 0. 5 mm以上、 5. 0 mm以下、 特には 1. 0 mm以上、 4. 0 mm以下の範囲とすることが好ましい。 そして、 弾性体層の厚さは上記の範囲内において、 その硬さに応じて適宜決められる。 弾性体層の形成は、 押出成形、 注型成形等いずれの方法によってもよく、 弾 性体層に用いる材料の種類によっては、 被覆層を積層する前に、 弾性体層の外 周面に改質処理を施してもよい。 改質処理としては、 コロナ処理、 プラズマ処 理、 低圧水銀 UV処理、 エキシマ UV処理等を挙げることができる。
く被覆層 (表面層) >
本発明の現像ローラは、 弾性体層 12の外周面に被覆層 (表面層) 13を有 する。
<要件 (ィ) および (ゥ) について >
被覆層は、 前記の要件 (ィ) 及び (ゥ) を満たしていることを要する。 以下 に要件 (ィ) 及び (ゥ) の技術的意義について説明する。
まず、 要件 (ゥ) は、 単位厚さ (1 mm) あたりの被覆層の硬さを特定して いるものである。
本発明において、 マルテンス硬度は、 I S O 1 4 5 7 7に基づく、 圧子に荷 重をかけながら、 測定対象物に押し込むことにより求められる物性値であり、 以下の式によって求められる:
(試験荷重) / (試験荷重下での圧子の表面積) (NZniin2^
マルテンス硬度の測定は、 超微小硬さ試験システム (商品名: ピコデンター HM 5 0 0 ;フィッシャー 'インストルメンッ社製) を用いて行うことが可能 である。 この測定装置では、 所定の形状の圧子を、 所定の比較的小さい試験荷 重をかけながら被測定物に押し込む。 そして、 所定の押し込み深さに達した時 点で、 その押し込み深さから圧子が接触している表面積を求め、 上記式よりマ ルテンス硬度を求めるものである。 つまり、 定荷重測定条件で圧子を被測定物 に押し込んだ際に、 押し込まれた深さに対するそのときの応力をマルテンス硬 度として定義するものである。
本発明においては、 現像ローラ表面に対し、 表面から垂直方向へ、 一定荷重 印加速度 (l mNZmm2Z s e c ) で四角錐形状圧子を深さ 0 . 8 Ο μπιまで 押し込みマルテンス硬度を測定した。 測定は、 現像ローラの長手方向を 4等分 した位置である 3力所にて測定し、 その相加平均した値を、 現像ローラ表面の マルテンス硬度 H I (N/mm2) とする。
弾性体層のマルテンス硬度 H 2は、 現像ローラの外周面を周方向で 6等分し たときの隣り合う 2点間を結ぶ直線 (断面で考えると、 外周 6分の 1に相当す る弧に対する弦) を通り、 軸芯体の軸に平行な平面で切断した現像ローラの弾 性体層の切断面にて測定する。
弾性体層のマルテンス硬度 H 2の測定自体は、 上記現像ローラ表面のマルテ ンス硬度の測定と同様の方法で行う。 なお、 測定箇所は、 現像ローラの長手方 向を 4等分した位置である 3力所で測定し、 その相加平均した値を弾性体層の
マルテンス硬度 H 2 (N/mm2) とする。
このようにして測定されるマルテンス硬度 H Iと H 2との差を被覆層の厚さ で除することにより、 単位厚さあたりの被覆層の硬度が求められる。 被覆層の 硬度を、 このように定義付けた理由は、 被覆層が、 1 5 n m以上、 5 0 0 0 η m以下と非常に薄いためである。 即ち、 このような薄い被覆層が弾性体層の表 面に存在している場合において、 当該被覆層の固有の硬度を直接、 かつ精度よ く測定することは現在の技術水準では極めて困難である。 そこで、 弾性体層と 被覆層との積層体としての硬度、 並びに弾性体層の硬度を各々測定し、 その差 をとることによって被覆層に固有の硬度と定義したのである。
そして、 現像ローラにおいて (H I— H 2 ) / dの値を 4 0 0以上とするこ とは、 被覆層の厚さが 1 5 n m以上、 5 0 0 0 n m以下の範囲内にあることを 前提として、 現像ローラに生じる部分的な永久変形を有効に抑制することがで さる。
部分的な永久変形を抑制出来る理由は明確ではないが、 以下のように考える ことが出来る。 すなわち、 被覆層が比較的に硬いため、 被覆層自体が変形し難 く、 力つ、 適度な可撓性を有する。 被覆層自体は膜として橈むが、 部分的な急 激な屈曲や、 膜厚が薄くなるような変形を起こし難くなる。 被膜層自体は、 当 接部材が当接したときに受ける力を、 その内部へ分散させて、 下層の弾性体層 へ伝える。 当接部材が長期間にわたり現像ローラの特定の部位に当接し、 その 後、 その当接から解放された際、 該弾性層は、 低硬度で、 かつ変形回復に優れ ているため、 十分に変形を回復させ得る。 同時に、 被膜層自体も、 弾性層の回 復に合わせて、 元の形状に戻る。 つまり、 被覆層は、 弾性層の優れた変形回復 性を阻害しないことはもとより、 弾性層へ応力を分散させることにより、 弾性 層の変形回復性をさらに優れたものとする。
—方、 現像ローラにおいて (H I— H 2 ) / dの値を 2 0 0 0以下とするこ とは、 被覆層の厚さが 1 5 n m以上、 5 0 0 0 n m以下の範囲内にあることを
前提として、 トナーの劣化を抑制し得る現像ローラとしての柔軟性を備えるも のとなる。 被覆層は、 厚さが 15 nm以上、 5000 nm以下であることを 必要とする。
被膜層の厚さが 15 nm以上であれば、 式 (1) の関係を満たすマルテンス 硬度を有する被膜層を安定して形成することができる。 一方、 被膜層の厚さが 5000 nm以下であれば、 被覆層が、 現像ローラのァスカー C硬度に実質的 な影響を及ぼすことを抑制できる。 そして、 式 (1) の関係を満たすマルテン ス硬度の被覆層の厚さが 5000 nm以下であれば、 ァスカー C硬度を 85° とし易く、 をトナーの劣化を抑制することができる。
く被覆層の具体的構成、 製法について >
被覆層 13を形成する成分の具体例を以下に列挙する。
'ポリアミド樹脂、 ウレタン樹脂、 ゥレア樹脂、 エポキシ樹脂、 アクリル樹 脂、 フッ素樹脂、 ポリイミド樹脂、 ポリエチレン樹脂、 ポリプロピレン樹脂お よびポリスチレン樹脂、 S i Oxの如きシリカ系材料、 ダイヤモンドライク力 一ボン (D i amo n d l i k e C a r b o n ; D L Cと表すことがある) など。
これらの材料は、 単独であるいは 2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、 機械的性質に優れるフッ素樹脂、 ポリイミド樹脂、 S i O
Xのシリカ系材料、 DLCが好適である。
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルォロエチレン、ポリフッ化ビユリデン、 四フッ化工チレン一六フッ化プロピレン共重合体等の一般的なフッ素を含む重 合体を用いることができる。
フッ素樹脂としては、 以下の材料があげられる。 ポリテトラフルォロェチレ ン、 ポリクロ口 トリフルォロエチレン、 ポリビニリデンフルオライ ド、 テトラ フルォロエチレンおよびこれと共重合可能な少なくとも 1種の他のエチレン性 不飽和単量体との共重合体。 ここで、 ェチレン性不飽和単量体の具体例として
は例えば以下のものが挙げられる。エチレン、プロピレンなどのォレフィン類、 へキサフルォロプロピレン、 ビニリデンフルオライド、 クロ口トリフルォロェ チレン、 ビニルフルオライ ドなどのハロゲン化ォレフイン類、 パーフルォロア ルキルビエルエーテル類等。
また、 溶剤可溶型フッ素樹脂を用いた場合には、 そのフッ素樹脂溶液の濃度 を調整することにより、 後述する湿式法を用いることにより、 比較的簡便に、 所望の厚みを有するフッ素榭脂の被覆層を得ることが出来る。 溶剤可溶型フッ 素樹脂としては、 以下のものがあげられる。
•フッ化ビニリデン;テトラフルォロエチレン及びへキサフルォロプロピレン の三元共重合体等のフッ化ビ-リデン共重合体;
•テトラフノレォロエチレン, クロ口トリフルォロエチレンなどのフルォロォレ フィンとビエルエーテル, ビエルエステル, ビニルシランなどの炭化水素系ォ レフインとの共重合体;
•フルォロアクリレートとアタリレートとの共重合体;
.パーフルォロアルキル基によって置換されたジエポキシ化合物の重合体。 これらの樹脂は樹脂成分として単独で用いられてもよく、 また他の樹脂と混 合して用いられてもよい。
ポリイミド樹脂は、 主鎖に環状イミド構造を持ったポリマーであれば、 芳香 族ポリイミドでも、 脂環式ポリイミドでもよレヽ。 より具体的なポリイミド樹脂 材料としては、 例えば、 ポリピロメリット酸イミド系のポリイミド樹脂材料、 ポリビフィニノレテトラ力ルポン酸ィミド酸系樹脂材料等の熱硬化性樹脂が挙げ られる。
また、被覆層の含まれる S i O Xとしては以下のものが挙げられる。酸素ーケ ィ素ー酸素を主骨格とし、 ケィ素一炭素の結合を持ち、 水素、 酸素、 炭素のうち 少なくとも 1つの元素が、 ケィ素に対して 2つ結合された構造を有する酸化ケ ィ素系材料。
前記 D L Cとはダイャモンドに類似した高硬度 ·電気絶縁性 ·赤外線透過性 を持つカーボン薄膜の総称である。 具体的には、 炭素を主成分とし、 水素を少 量含み, ダイヤモンド結合 (S P 3結合) とグラフアイト結合 (S P 2結合) の 両結合が混在しているアモルファス構造の材料を意味する。
上記した被覆層は、 湿式法、 真空蒸着、 物理的気相成長 (P VD) 法、 化学 的気相成長 (C V D) 法などの乾式法で弾性体層 1 2上に形成される。 湿式法 の具体例としては、 ディップコート、 スプレーコート、 ロールコート等が挙げ られる。 また、 P V D法の具体例としては、 スパッタリング、 イオンプレーテ イング等が挙げられる。 更に C V D法の具体例としては、 プラズマ C V D、 熱 C VD、 レーザー C V D等が挙げられる。
ディップコート、 スプレーコート、 ロールコート等に用いる溶液を調製する ための溶剤は、 形成しようとする被覆層の材料に応じて溶解するものを選択す ればよい。 通常、 メタノール、 エタノール、 イソプロパノール等の低級アルコ ール、 アセトン、 メチルェチルケトン、 シク口へキサノン等のケトン類、 トル ェン、 キシレン、 N—メチルピロリ ドン、 N, N—ジメチルァセトアミドが好 ましく用いられる。
本発明において、 被覆層を、 S i O xを主成分とする材料で形成することが 特に好ましい。 上記の要件 (ィ) 及び (ゥ) の調整を容易に行うことができる ためである。 S i O xを主成分とする被覆層は、 被覆層の組成や膜厚をより均 一に形成することができるという理由から、 プラズマ C V D法で形成すること が好ましい。 即ち、 一対の電極間に弾性ローラを配置したチャンパ一内に原料 ガスとして有機ケィ素化合物を、 必要な炭化水素化合物、 酸素ガス等と共に導 入し、 電極間に高周波電力を供給し、 プラズマを発生させて弹性層上に S i O X膜を形成する方法である。 ここで、 有機ケィ素化合物の具体例としては、 へ キキササメメチチノノレレジジシシロロキキササンン、、 11,, 11,, 33 ,,
挙挙げげらられれるる。。 ままたた、、 炭炭化化水水素素化化合合物物のの具具体体例例ととししててはは、、 トトルルエエンン、、 キキシシレレンン
メタン、 ェタン、 プロパン、 アセチレン等が挙げられる。
プラズマ CVD法を用いて形成した S i〇x膜を被覆層とする場合、 S i O X膜におけるケィ素原子、 および、 ケィ素原子に化学結合している酸素原子の 存在比率によりその硬度を調整することができる。 具体的には、 ケィ素原子に 対するケィ素原子に化学結合している酸素原子の存在比 (OZS i) を高める こと、言い換えれば S i 02に近づくほどに S i Ox膜は硬質の膜となる。即ち、 [(H1-H2) /d] の値を大きくすることができる。 また、 O/S iを低め ることで、 S i Ox膜は軟質の膜となる。 即ち、 [(HI— H2) /d] の値を 小さくすることができる。
そして O/S iは、 原料ガスの配合比などにより調整することができる。 例 えば、 有機ケィ素化合物と酸素ガスとの配合比において、 酸素ガスの比率を高 めることにより OZS iの値を増加させることができる。 また、 高周波電力を 増加させることで、 OZS iの値を低下させることができる。
シリコーンゴムを含む弾性体層上に、 プラズマ C V D法によって S i O X膜 を形成した場合において、 Oノ S iが 1. 00以上 1. 80以下の範囲にある S i Ox膜は、 上記要件 (ィ) を満たすことを前提として上記要件 (ゥ) を満 たすものとなる。
なお、 S i Ox膜からなる被覆層中の各元素の存在比率は次のようにして求 めることが出来る。
X線光電子分光装置 (商品名: Qu a n t um2000 ;アルバック ·ファ ィ株式会社製) を用い、 X線源を A 1 Καとして、 現像ローラの表面層 13の表 面を S iの 2 ρ軌道、 Oの 1 s軌道の結合エネルギーに起因するピークを測定 する。 それぞれのピークから各原子の存在比を算出し、 得られた存在比より O /S iとする。
く要件 (ァ) について >
被覆層が形成された現像ローラは、 当該表面から測定されるァスカー C (A
s k e r - C)硬度が 4 0 °以上 8 5。以下の範囲にある必要がある。 トナーの劣 化を抑制し、 電子写真感光ドラムとの二ップ幅を確保するためである。
ここで、 現像ローラ表面の A s k e r一 C硬度は、 実質的には、 弾†生体層と 被覆層との厚みによる影響を受ける値であるが、 同じ材質の弾性体層で、 層厚 が薄く A s k e r— C硬度が高くなる場合にも、 上記と同じ傾向がある。 これ は、 弾性体層の厚みが薄い場合には、 軸芯体の硬度が測定値に反映されるため である。 いずれの場合であっても、 被覆層の表面における A s k e r - C硬度の 測定値が上記範囲であれば、 本発明の現像ローラにおいて、 要件 (ァ) を満た すことになる。
本発明では、 実質的に弾性体層より被覆層の硬度が高くなつているが、 被覆 層の厚みが上記範囲にある場合、 現像ローラ表面の A s k e r一 C硬度は、 実 質的には、弾性体層の A s k e r—C硬度により実質的に支配される。そして、 要件 (ァ) を満たす限り、 被覆層を形成する前の弾性体層が表面にあるローラ 表面の A s k e r— C硬度は、 2 5 ° 以上 8 2 ° 以下の範囲にあることが好ま しい。
くジョ一ドメタンに対する接触角 >
本発明において、 現像ローラ表面は、 ジョードメタンに対する接触角が 4 0 ° 以上、 7 0 °以下、特には 5 0 °以上 6 5 °以下の範囲にあることがより好ましい。 ジョードメタンに対する接触角が 4 0 °以上の場合、 トナーの構成成分である外 添材ゃトナー自体の付着を低く抑えることが出来る。 ジョードメタンに対する 接触角が 7 0 °以下の場合、 現像ローラの表面に安定してトナーを担持させるこ とができる。 すなわち、 画像を形成する際に十分な濃度を得ることが出来る。 現像ローラ表面のジョ一ドメタンに対する接触角を制御することで、 外添剤 やトナーの付着を防ぐことが出来る理由としては、 以下のように考えることが 出来る。 外添剤やトナーの付着は物理的に除去できるものである。 本発明にお ける被覆層 1 3が無機系膜からなる場合には、 外添剤やトナーの付着は、 v a
n d e r Wa a 1 s力が支配的となる。 この場合、 水素結合成分を有さな いジョードメタンの接触角を制御することが、 外添剤やトナーの付着を防ぐこ とに結びついている。
水素結合成分とは、 表面自由エネルギー (γ Τ ο t a 1 ) を構成する一要素 であり、 以下のように定義する。 すなわち、 表面自由エネルギー (γ Τ ο t a 1 ) は、 3つの成分、 分散力成分 (γ d)、 配向力成分 (γ p)、 水素結合力成 分 (γ h) に分けて考えれ、 以下の式で表すことができる。
77 o t a 1 =γ ά + γ ρ + 7 ΐι
(上記式中、 y dは、 分散力 (誘起双極子間) 成分を、 τ/ ρは、 配向力 (極性 ノ極性分子間) 成分を、 は、 水素結合力 (水素原子 Z陰†生原子) 成分を表 す。)
この解析については北崎一畑理論に準じており、具体的には、畑らの論文( J · A d h e s i o n, 2 1, 1 7 7, (1 9 8 7)) に述べられている。
現像ローラにおいて、ジョードメタンの接触角の値と表面自由エネルギー(γ T o t a l ) とは必ずしも反比例する関係にあるとは限らないが、 表面のジョ 一ドメタンに対する接触角を制御することにより、 付着物を低減させ得る効果 が得られる。
さらに本発明の現像ローラは、 現像ローラ表面が 2 Om j/m2以上 4 0m J Zm2以下の表面自由エネルギーを有し、 かつ、 該表面自由エネルギーの分散 力成分が 1 Om jZm2以上 2 5 m J Zm2以下であることが好ましい。 これら の値がこの範囲にある場合、 外添材ゃトナーの付着をより低く抑えることが出 来ると共に、 必要なトナー搬送性を両立することが容易である。
< 5%延伸変形時の割れについて >
また、 本発明の現像ローラは、 被覆層が、 該現像ローラから切り取った被覆 層及び弾性体層を含む短冊状の被験試料を 5%延伸変形させたときに、 該被覆 層に割れを生じないものであることが好ましい。 被覆層をこのようなものとす
ると、 弾性体層に含まれる成分が、 現像ローラ表面にブリードし難く、 現像口 ーラ表面へのトナーや外添剤の付着を、 抑制することができる。
以上、 軸芯体 1 1の外周面に順次、 弾†生体層 1 2及び被覆層 1 3を有する 2 層構造の現像ローラについて説明したが、 本発明に係る現像ローラは、 軸芯体 の外周面上の層構成は 3層以上の多層構成を有するものであってもよい。 この ような現像ローラとして、 例えば、 弾性体層 1 2自体が複数の層で構成される 現像ローラがあげられる。 その場合、 最も外側に位置する弾性体層のマルテン ス硬度 H 2 (N/mm2) を、式(1 ) におけるマルテンス硬度 H 2 (N/mm2) として、 用いれば良い。
以上説明したように、本発明の現像ローラは、低硬度かつ変形回復性に優れ、 感光ドラムの汚染を抑制し、 トナーや外添剤の付着し難い表面性を合せ持つ現 像ローラとなる。 この利点から、 現像装置、 プロセスカートリッジ、 電子写真 画像形成装置の現像ローラとして用いた場合、 画像出力枚数を重ねた際に、 画 像濃淡ムラや濃度低下を抑制することができる。 また、 規制部材へのトナー融 着による画像スジの発生を抑制し、 良好な画像を継続して得ることが出来る。 さらに、利用される画像形成装置自体、高速化され、 プロセス速度、すなわち、 感光ドラムの表面速度が増す条件において、 前記の利点は一層顕著なものとな る。
<現像装置、 電子写真プロセスカートリッジ、 電子写真画像形成装置について >
次に、 本発明にかかる現像装置、 電子写真プロセスカートリッジ及び電子写 真画像形成装置について説明する。
本発明にかかる現像装置は、 静電潜像を担持する潜像担持体と対向した状態 でトナーを担持する現像ローラと、 該現像ローラに担持されたトナーを摩擦帯 電しながら該トナーの層厚を規制する規制プレードとを備えている。 そして前 記現像ローラが、 前記潜像担持体にトナーを付与することにより前記静電潜像
をトナー像として顕像化する現像装置であり、 前記現像ローラが、 上記本発明 の現像ローラであることを特敷とする。
本発明にかかる電子写真プロセスカートリッジは、 潜像担持体と、 該潜像担 持体の表面を一様に帯電する帯電装置と、 該潜像担持体に形成された静電潜像 を現像する現像装置とを備えており、 前記現像装置が上記本発明の現像装置で ある。
本発明にかかる電子写真画像形成装置は、 電子写真方式により静電潜像が形 成される潜像担持体、 該静電潜像形成に必要な帯電量に該潜像担持体を帯電す るための帯電装置、 該潜像担持体の帯電領域に静電潜像を形成するための静電 潜像形成装置を有している。 更に、 前記静電潜像形成装置により形成された静 電潜像にトナーを付着させてトナーの像として顕像化する現像装置、 及ぴ該ト ナ一の像を転写材に転写するための転写装置を有している。 そして、 本発明の 電子写真画像形成装置は、 前記現^象装置が、 上記本発明の現像装置であること を特 ί敷とする。
図 3は、 本発明にかかる ¾像ローラを用いた現像装置を備えた電子写真画像 形成装置の一例の概略構成を示す断面図である。 図 3に示した電子写真画像形 成装置は、 電子写真方式により静電潜像が形成される潜像担持体としての感光 ドラム 2 1、 該静電潜像形成に必要な帯電量に該潜像担持体を帯電するための 帯電装置としての帯電部材 2 6を備えている。
また、 該潜像担持体の帯電領域に静電潜像を形成するための静電潜像形成装 置 (不図示)、 該静電潜像にトナーを付着させて可視化させトナーからなる画像 を形成するための現像装置 2を有している。 更に該潜像担持体上に形成された トナーの像を転写材としての転写紙 3 6に転写するための転写装置としての転 写ローラ 3 1を有している。 そして、 図 3に示した画像形成装置は、現像装置 2 として、 本発明の現像装置を備えている。
図 3に示した電子写真画像形成装置においては、 感光ドラム 2 1が矢印方向
に回転し、 感光ドラム 2 1を帯電処理するための帯電部材 2 6によって一様に 帯電される。 感光ドラム 2 1に静電潜像を書き込むための静電潜像形成装置の 露光手段であるレーザー光 2 5により、 感光ドラム 2 1の表面に静電潜像が形 成される。 レーザー光 2 5により形成された静電潜像は、 感光ドラム 2 1に対 して接触配箧される現像装置 2によってトナーを付与されることにより現像さ れ、 トナー像として可視化される。 現像は露光部にトナー像を形成するいわゆ る反転現像により行われる。 可視化された感光ドラム 2 1上のトナー像は、 転 写ローラ 3 1によって転写紙 3 6に転写される。 トナーの像を転写された転写 紙 3 6は、 定着装置 2 9により定着処理され、 装置外に排紙されプリント動作 が終了する。
一方、 転写されずに感光ドラム上 2 1上に残存した転写残トナーは、 感光ド ラム 2 1表面をクリーユングするためのクリーユングブレード 2 8により搔き 取られる。 搔き取られた転写残トナーは、 廃トナー容器 2 7に収納される。 ク リーニングされた感光ドラム 2 1は上述作用を繰り返し行う。
現像装置 2は、 静電潜像を担持する潜像担持体としての感光ドラム 2 1と対 向した状態でトナーを担持する現像ローラ 1と、 現像ローラ 1に担持されたト ナーを摩擦帯電しながら該トナーの層厚を規制する規制ブレード 2 4とを備え ている。 現像装置 2においては、 現像ローラ 1が潜像担持体である感光ドラム 2 1にトナー 2 3を付与することにより静電潜像をトナー像として顕像ィ匕 (可 視化) し、 トナーからなる画像 (トナー像) を形成する。 図 3に示された現像 装置 2は、 一成分トナーとして非磁性トナー 2 3を収容した現像容器と、 該現 像容器内の長手方向に延在する開口部の位置に、 トナー担持体である本発明に 係る現像ローラ 1を備えている。 また、 規制プレード 2 4は、 現像容器の長手 方向に延在する開口部の上縁に沿って配置されている。 なお、 図 3において、 3 4は転写紙 3 6を搬送する転写搬送ベルトである。 3 0、 3 3及び 3 5は、 各々転写搬送ベルトの回動に用いられる駆動ローラ、 テンションローラ及び従
動ローラである。 3 2はバイアス 1^原である。 更に、 3 7は不図示の給紙カセ ットから転写紙 3 6を供給する給紙ローラである。 また、 3 8は給紙ローラ 3 7によって供給された転写紙 3 6を吸着して転写搬送ベルト 3 4に担持させる ための吸着ローラである。
また本発明にかかる電子写真プロセスカートリッジの実施形態の一例の説明 図を図 4に示す。 図 4に示したプロセスカートリッジ 4は、 潜像担持体として の感光ドラム 2 1と、 感光ドラム 2 1の表面を一様に帯電する帯電装置として の帯電部材 2 6と、 感光ドラム 2 1に形成された静電潜像を現像する現像装置 としての本発明の現像装置 2を備えている。 なお、 本発明の電子写真プロセス カートリッジは、 さらに、 クリーニング部材 2 8、 転写ローラ 3 1のうちの少 なくとも一つを有しているものであってもよレ、。 本発明のプロセスカートリツ ジは、 上記部材がー体的に保持されてなるものであり、 電子写真画像形成装置 に着脱可能に設けられる。 画像形成時には、 現像ローラ 1は感光ドラム 2 1と 接触幅をもって接触している。現像装置 2においては、 トナー塗布部材 2 2力 現像容器内で、 トナーの層厚を規制する部材である規制ブレード 2 4と現像口 ーラ 1表面との接触部に対し現像ローラ 1の回転方向上流側に接触し、 かつ、 回転可能に支持されている。 トナー塗布部材 2 2の構造としては、 発泡骨格状 スポンジ構造や軸芯体上にレーヨン、 ポリアミドの如き繊維を植毛したファー ブラシ構造のものが、 現像ローラ 1へのトナー 2 3の供給および未現像トナー の剥ぎ取りの点から好ましい。 具体的には、 例えば、 軸芯体上にポリウレタン フォームを設けた直径 1 6 mmの弾性ローラをトナー塗布部材 2 2として用い ることができる。 このトナー塗布部材 2 2の現像ローラ 1に対する接触幅とし ては、 l〜8 mmが好ましく、 また、 現像ローラ 1に対してその接触部におい て相対速度をもたせることが好ましい。
(実施例)
以下に、 実施例を示し、 本発明をより具体的に説明する。 ここでは、 上記の
ような軸芯体の外周面に順次弾性体層及び被覆層を有する現像ローラを例にし て説明する。 これら実施例は、 本発明における最良の実施形態の一例ではある ものの、 本発明は、 実施例によって、 何ら限定されるものではない。 実施例に 示す手法で作製される現像ローラは、 電子写真画像形成装置で使用される現像 ローラとして好適に使用できる。
なお、 本実施例において、 被覆層の膜厚、 A s k e r—C硬度、 マルテンス 硬度、 接触角、 表面自由エネルギー、 表面自由エネルギーの分散力成分、 カー ボンブラックの D B P吸収量については下記の方法により測定したものである。 く被覆層の膜厚 >
本発明の被覆層の膜厚は、 薄膜測定装置 F 20—EXR (商品名、 F I LM METR I CS社製) を用いて測定した。 現像ローラの長手方向を 4等分した 位置である 3力所で、 周方向に 120。で分けた各 3点の、 計 9点にて測定し相 加平均した値である。
< A s k e r一 C硬度 >
' 本発明における A s k e r—C硬度 (ァスカー C硬度) は、 日本ゴム協会標 準規格 SR I S 0101に準拠したァスカー C型スプリング式ゴム硬度計 (高 分子計器 (株) 社製) を用いて測定した現像ローラ表面の硬度である。 常温常 湿 (23°C、 55%RH) の環境中に 12時間以上放置した現像ローラに対し て、 上記硬度計を 1 ONの力で当接させてから 30秒後の測定値とする。
<マルテンス硬度 >
マルテンス硬度の測定は、 超微小硬さ試験システム ピコデンター HM 5 00 (商品名、 フィッシャー 'インストルメンッ社製) を用いて前記した方法 により測定した。 現像口ーラ表面のマルテンス硬度、 弾性体層のマルテンス硬 度の測定には、 ビッカース圧子 (オフセット長さ (図 7の 71) =0. 3μπι) を用い、 四角錐の形状に補正して求めた。
ぐ接触角〉
本発明における現像ローラ表面のジョードメタンに対する接触角は、 協和界 面科学(株)製の接触角計 C A— S ROLL (商品名) を使用して測定した。 現像ローラの長手方向を 4等分した位置である 3力所で測定し、 その相加平均 した値を現像ローラ表面のジョードメタンに対する接触角 Θ dとした。測定は温 度 25°C、 相対湿度 50%RHの環境下にて行った。
<表面自由エネルギー及ぴその分散力成分 >
本発明における現像ローラ表面の表面自由エネルギーは、 表 1に示される表 面自由エネルギー 3成分が既知のプローブ液体を使用し、 測定を行った。
(表 1)
単位: mJ/m2
具体的には、 ショードメタン以外のプローブ液体 (水、 エチレングリコール) についても、 ジョードメタンと同様にして、 該プローブ液体と現像ローラ表面 との接触角 Θを測定した。
表 1のプローブ液体の水、 ジョードメタン、 エチレングリコールの表面自由 エネルギー《y
Ld、
y Lp^ γ 及ぴ
Y L talとそれぞれのプローブ液体を用いて求 めた上記接触角 0を下記式 (2) で示される北崎 ·畑の式に代入して 3つの式 を作る。 その 3元連立方程式を解いて、 現像ローラ表面の表面自由エネルギー の各成分 γ s
d、 γ S P、 y s
hを求め、 γ s
d、 γ s P、 γ s
hの和である表面自由 エネルギー (γΤο t a 1)及び該表面自由エネ^^ギ一の分散力成分 (Ysd) を
求めた。
(2)
<延伸時の被覆層の割れ >
現像ローラの外周面を周方向で 6等分した場合の隣り合う 2線間を結ぶ直線 (断面で考えると、 外周 6分の 1に相当する弧に対する弦) を通り、 軸心体の 中心線に平行な平面で切断し弾性体層と被覆層をその表面に有するゴム片を切 り出した。 これは、 弾性体層部のマルテンス硬度 H 2 (N/mm2) を測定する 際の加工で現像ローラから切り取られた部分に相当する。 このゴム片を長さ 1 0 0 mmに切断し、 長手方向の 4 0 mm、 6 O mmの位置に、 標線間の間隔が 2 0 mmとなるようにスタンプし被験試料とした。 この被験試料を加硫ゴム引 張永久歪み試験用定伸長冶具 (ダンベルネ土製) にセットし、 標線間が 2 1 mkn となるように伸張し、 5分間静置した後に定伸長冶具より被験試料を取り外し た。 5 %延伸変形された標線間の被覆層の状態を目視で観察し被覆層の割れの 有無を判断した。 測定は温度 2 5 °C± 2。C、 相対湿度 5 0 % R H ± 5 %の環境 下にて行った。
く D B P吸収量 > '
D B P吸収量は、 弾性体層中に存在するカーボンブラックを下記の手順にて 弾性体層から単離したものについて、 J I S K 6 2 1 7 - 4 「ゴム用カーボ ンブラック一基本特1生一第 4部: D B P吸収量の求め方」 の規定に従って測定 した。
弾性体層からカーボンブラック成分を取り出し単離する方法は以下のとおり とした。 現像ローラから弾性体層 1 2を切り出し、 l〜2 mm角程度に細かく した弾性体層片を、 ロータリーキルンを用いて窒素気流下で一定時間にわたり 高温加熱することでゴム成分を分解し、 その残渣よりカーボンブラック成分を
回収した。 温度と時間は、 弾性体層に含まれるゴムの種類や量等に応じて選択 する。シリコーンゴムの場合、 750°Cで 15分間加熱することで分解できる。 ゴムは、 炭化水素及び/又はオイルに分解される。 また、 回収された残渣に、 カーボンブラック成分の他に、 シリカ、 石英、 タルク等の無機添加剤、 シリコ ーンゴムから生成する S i O成分等が含まれる場合は、 これらを比重の違いを 利用して分離した。 なお、 弾性体層からカーボンブラック成分を取り出し単離 する方法としては、 これに限らず一般的に用いられる方法を用いればよい。
[実施例 1] 現像ローラ 1
軸芯体としてニッケル鍍金を施した S US製の芯金 (直径 6. Omm) の外 周面に接着剤 (プライマー) として DY39— 051 A/B (商品名、 東レダ ゥコ一二ング社製) を塗布し、 焼き付けたものを用いた。
弾性体層形成用の原材料として下記原材料を準備した。
•液状シリコーンゴム 100質量部
(25 °Cにおける粘度が 12000 P a · sの末端ビニル基封鎖の直鎖状ポリ ジメチルシロキサン 40質量0 /0、 25°Cにおける粘度が 40 P a · sであり 1 つのビニル基を有する分岐ポリシロキサンセグメントとニ官能のジメチルシロ キサンを 200個連続して有する直鎖状オイルセグメントとからなるブロック ポリマー 60質量%とからなるポリシ口キサン混合物、 架橋剤として 1分子中 にケィ素結合水素原子を平均 2. 4個有したオルガノシロキサンと白金系触媒 を加え、 混合した付加型シリコーンゴム組成物)
• シリカ粉体 15質量部
(AEROS I L 130 (商品名、 日本ァエロジル社製))
•石英粉末 60質量部
(M i n -U- S i 1 15 (商品名、 U. S. S i l i c a C o mp a n y社製)) ·カーボンブラック (導電性付与剤) 20質量部 ック粒状品 (商品名、 電気化学工業社製))
P2008/058292
29 上記原材料を混合することにより、 導電性の液状ゴムコンパゥンドを作製した。 前記軸芯体を金型に配置し、 上記液状ゴムコンパウンドを金型内に形成され たキヤビティに注入した。 次いで、 該金型を 120°Cで 8分間加熱し、 その後 室温に冷却した後に脱型した。 得られたシリコーンゴムを、 再ぴ、 200°Cで 60分間加熱し、 加硫硬化して、 厚み 3. Ommの弾性体層を軸芯体の外周面 に設けた。 - 上記の方法で得られた弾性体層を有するローラを、 「シリコーン弾性体層ロー ラ 0」 とする。 このシリコーン弾性体層ローラ 0を、 図 5に示すプラズマ CV D装置内に設置し 20 r pmで回転させながら、 原料ガスを供給して、 弾性体 層の外周面に被覆層を形成し、現像ローラ 1を作製した。 なお、図 5において、 41は反応ガス供給部、 42は希ガス供給部、 43は一対の平行に配置された 電極、 44は高周波電源、 45はチャンバ一 47の内部を減圧する減圧装置、 46はチャンバ一 47内に配置した弾' !·生体ローラ 48を回転させる回転装置で める。
上記被覆層形成用の原料ガスとして、 以下の混合ガスを用いた。
•へキサメチルジシロキサン蒸気 1. O s c cm
•酸素 0. 5 s c c m
•ァノレゴンガス 23. 5 s c c m ここで 「 s c c m」 は、 前記原料ガスが 0°C 1気圧の時の毎分あたり 1 c m3の 体積流量を表す。 また、 真空チャンバ一内の圧力を 25. 3 P aとし、 周波数 13. 56MHz、 出力 120 wにて 4分間高周波加熱処理し上記被覆層を形 |¾した。
なお、 へキサメチ ジシロキサンは、 純度 99%の一級品を、 酸素は純度 9 9. 999%以上のものを、 アルゴンガスは純度 99. 999%以上のものを 使用した。
こうして形成した S i Ox膜からなる被覆層中の各元素の存在比率を次のよ
うにして求めた。 X線光電子分光装置 (商品名 : Qu a n t um2000 ;ァ ルパック ·フアイ株式会社製) を用い、 X線源を A 1 Καとして、現像ローラの 表面層 1 3の表面を S iの 2 ρ軌道、 及ぴ、 Οの 1 s軌道の結合エネルギーに 起因するピークを測定する。 それぞれのピークから各原子の存在比を算出し、 得られた存在比より OZS iを求めた。
また、 S i Oxの化学結合については、 フーリエ変換赤外分光分析 (FT— I R)装置 (商品名: S p e c t r umOn e ;株式会社パーキンエルマージャパ ン製) により、 S i Ox膜の表面の I R測定にて確認した。 すなわち、 S i一 O振動ピーク (450 cm—つ の存在により、 S i— Oの化学結合の存在を確認 した。 その結果、 本実施例にかかる S i Ox膜の〇/S iの値は、 1. 03で あった。
[実施例 2] 現像ローラ 2
原料ガスの酸素を 1. 0 s c c m、 アルゴンガスを 23. 0 s c c mとした こと以外は実施例 1と同様にして現像ローラ 2を作製した。 本実施例にかかる S i Ox膜の O/S iの値は 1. 29であった。
[実施例 3] 現像ローラ 3
原料ガスの酸素を 1. 5 s c cm、 アルゴンガスを 22. 5 s c c mとし 7こ こと以外は実施例 1と同様にして現像ローラ 3を作製した。 本実施例にかかる S i Ox膜の OZS iの値は 1. 56であった。
[実施例 4] 現像ローラ 4
原料ガスの酸素を 2. 0 s c cm、 アルゴンガスを 22. 0 s c c mとした こと以外は実施例 1と同様にして現像ローラ 4を作製した。 本実施例にかかる S i Ox膜の OZS iの値は 1. 66であった。
[実施例 5] 現像ローラ 5
原料ガスの酸素を 2. 5 s c cm、 アルゴンガスを 21. 5 s c cmとした こと以外は実施例 1と同様にして現像ローラ 5を作製した。 本実施例にかかる
S i Ox膜の O/S iの値は 1. 77であった。
[実施例 6] 現像ローラ 6
原材料のシリ力粉体の使用量を 20質量部、 石英粉末の使用量を 70質量部 とし、 カーボンブラックをデンカブラック FX— 35 (商品名、 電気化学工業 社製) に変更したこと以外は実施例 1と同様にして現像ローラ 6を作製した。 本実施例にかかる S i Ox膜の〇/S iの値は 1. 03であった。
[実施例 7] 現像ローラ 7
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1と同様にして現像口 ーラ 7を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の OZS iの値は 1. 77で あった。
•原材料のシリ力粉体の使用量を 10質量部、
•石英粉末の使用量を 40質量部、
•カーボンブラックをトーカブラック # 7350 F (商品名、 東海カーボン社 製)、
·カーボンブラックの使用量を 40質量部、
•原料ガスの酸素を 2. 5 s c cm、
•ァノレゴンガスを 21. 5 s c c m。
[実施例 8] 現像ローラ 8
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1と同様にして現像口 ーラ 8を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の OZS iの値は 1. 90で あった。
•原材料のシリ力粉体の使用量を 10質量部、
•石英粉末の使用量を 4.0質量部、
'カーボンブラックをトーカブラック # 7350 F」 (商品名、 東海カーボン社 製)、
•カーボンブラックの使用量を 40質量部、
'原料ガスの酸素を 2. 8 s c c m、 アルゴンガスを 21. 2 s c c m。
[実施例 9] 現像ローラ 9
原料ガスの酸素を 1. 5 s c cm、 アルゴンガスを 22. 5 s c cmとし、 高周波加熱処理時間を 30秒としたこと以外は実施例 1と同様にして現像ロー ラ 9を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の O/S iの値は 1. 56であ つた。
[実施例 10] 現像ローラ 10
原科ガスの酸素を 1. 5 s c cm、 アルゴンガスを 22. 5 s c cmとし、 高周波加熱処理時間を 90秒としたこと以外は実施例 1と同様にして現像ロー ラ 10を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の O/S iの値は 1. 56で あった o
[実施例 1 1] 現像ローラ 1 1
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1と同様にして現像口 ーラ 1 1を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の Oノ S iの値は 1. 77 であった。
•原材料のシリ力粉体の使用量を 40質量部、
•カーボンブラックをデンカブラック FX— 35 (商品名、電気化学工業社製)、 •原料ガスの酸素を 2. 5 s c c m、
'ァノレゴンガスを 21. 5 s c cm。
[実施例 12] 現像ローラ 12
下記原材料を準備した。
• ゴム 100質量部
(NBR、 (J SR N230 SL、 商品名、 J SR社製))
酸化亜鉛 5. 0質量部 ステアリン酸 2. 0質量部 炭酸; 30質量部
• 2—メルカプトべンズイミダゾール (MB) 0. 5質量部
•カーボンブラック 35質量部
(トー力ブラック # 7360 SB (商品名、 東海カーボン社製))
•可塑剤 20質量部 (ポリサイザ一 P— 202 (商品名、 大日本インキ社製)
上記原材料を、 50°Cに調節した密閉型ミキサーにて 10分間混練して、 ゴム コンパウンドを調製した。
さらに上記ゴムコンパウンドに、 ゴム (本実施例 1においては、 NBR) 1 00質量部に対して下記の各種添加剤を添カ卩し、 20 °Cに冷却した二本ロール 機にて 10分間混練して、 弾性体層用コンパウンドを得た。
•分散性硫黄 1. 2質量部
(S u 1 f a X 200 S (商品名、 鶴見化学工業社製、 純度 99. 5%) •ジー 2—べンゾチアゾリルジスルフイ ド 1. 0質量部
(ノクセラー DM (商品名、 大内新興化学社製))
·ジペンタメチレンチウラムテトラスノレフィ ド 0質量部
(ノクセラー TRA (商品名、 大内新興化学社製))
(ノクセラー TS (商品名、 大内新興化学社製))
上記弾性体層用コンパゥンドを押出成形によってチューブ状に成形し、 蒸気 加硫によって一次加硫を 130°Cで 30分間行い、 さらに電気炉によって二次 加硫を 140°Cで 30分間行ない、 ゴム製チューブを得た。 このチューブを切 断した後、 外周面に接着剤 (プライマー) を塗布し焼き付けした、 ニッケル鍍 金を施した S US製の軸芯体 (直径 6. 0 mm) を圧入した。 ついで、 表面を 研磨して厚み 3 mmの弾性体層を軸芯体の外周面に設けた。
上記の方法で得られた弾性体層を有するローラを 「NB R弾性体層ローラ 0」 とする。 この NBR弹性体層ローラ 0の周囲に被覆層を形成した。 被覆層の形
成は、 原料ガスとして下記の混合ガスを用い、 下記の条件とした以外は、 実施 例 1と同様として現像ローラ 1 2を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の 07 3丄の値は1 . 5 6であった。
原料ガス ;
·へキサメチルジシロキサン蒸気 1 . 0 s c c m、
•酸素 2 . 5 s c c m、
•アルゴンガス 2 1 . 5 s c c m の混合ガス。
高周波加熱処理時間を 5分間。
[実施例 1 3 ] 現像ローラ 1 3
弾性体層形成用の原材料として下記原材料を準備した。
•熱可塑性樹脂 1 0 0質量部
(サントプレーン 8 2 1 1—2 5 (商品名、 エーィーエスジャパン社製)) '可塑剤 . 2 0質量部 (ポリサィザー P— 2 0 2 (商品名、 大日本ィンキ社製) )
•カーボンブラック 3 5質量部
(トーカブラック # 7 3 5 O F (商品名、 東海カーボン社製))
これらの原材料を、 スクリュー直径 Dが 3 0 mm、 長さ Lが 9 6 0 mm、 L ZDが 3 2である 2軸押出機にて混練し、 樹脂組成物ペレツトを作製した。 また、 別途、 ニッケル鍍金を施した S U S製の芯金 (直径 6 . 0 mm) の外 周面に、 接着剤 (プライマー) を塗布し、 焼き付けした軸芯体を準備した。 こ の軸芯体と上記樹脂組成物ペレツトを用い、 クロスへッドダイを備えた押出機 で、 該軸芯体の外周面に前記樹脂組成物からなる弾性体層を形成し、 両端部の 余分な弾性体層を切断して除去し、 軸受け部を設けた。 さらに、 弾性体層を回 転砥石で研磨加工することにより、 厚み 3 mmの弾性体層を軸芯体の外周面に 設けた。
上記の方法で得られた弾性体層を有するローラを 「熱可塑性樹脂による弾性 体層ローラ 0」 とする。 この熱可塑性樹脂による弾性体層ローラ 0の周囲に被 覆層を形成した。 被覆層の形成は、 原料ガスとして下記の混合ガスを用い、 下 記の条件とした以外は、 実施例 1と同様として現像ローラ 1 3を作成した。 本 実施例にかかる S i O X膜の O/S iの値は 1. 56であった。
原料ガス ;
•へキサメチルジシ:口キサン蒸気 1. 0 s c cm、 ·酸素 2 - 5 s c c m、
*ァノレゴンガス 21. 5 s c cm、 の混合ガス。
高周波加熱処理時間を 3分。
[実施例 14] 現像ローラ 14
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1と同様にして現像口 ーラ 14を作製した。 本実施例にかかる S i O X膜の O/S iの値は 1. 56 であった。
.熱可塑性樹脂をサントプレーン 821 1 -35 (商品名、 エーィーエスジャ パン社製))、 .
•可塑剤の使用量を 15質量、
.カーボンブラックをトー力ブラック # 7350F (商品名、 東海カーボン社 製)、
•カーボンブラックの使用量を 32質量部。
[実施例 1 5] 現像ローラ 1 5
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1と同様にして現像口 ーラ 1 5を作製した。 本実施例にかかる S i Ox膜の〇/S iの値は 1. 56 であった。
'熱可塑性樹脂をサントプレーン 821 1 -45 (商品名、 エーィーエスジャ
パン社製)、 - •可塑剤の使用量を 1 0質量、
•カーボンプラックの使用量を 3 0質量部。 ' [実施例 1 6 ] 現像ローラ 1 6
シリコーン弾性体層ローラ 0を、 真空蒸着装置に载置して、 るつぼ内にフッ 素樹脂 (F 1 u o n ファインパウダー C D 1 4 5 (商品名、 旭硝子社製) を 入れた後、 該真空蒸着装置内を 1 3 . 3 3 P aまで減圧した。 その状態で、 る つぼの温度を 6 5 0 °Cになるように調整し、 載置したローラを 2 0 r p mで回 転させながら、 3分間装置内に置いて、 被覆層を形成したこと以外は実施例 1 と同様にして、 現像ローラ 1 6を作製した。
[実施例 1 7 ] 現像ローラ 1 7
真空蒸着装置内の処理時間を 1 0分間に変更した以外は、 実施例 1 6と同様 にして現像ローラ 1 7を作製した。
[実施例 1 8 ] 現像ローラ 1 8
真空蒸着装置内の処理時間を 2 0分間に変更した以外は、 実施例 1 6と同様 にして現像ローラ 1 8を作製した。
[実施例 1 9 ] 現像ローラ 1 9
トルエンを溶剤として、 溶剤可溶性フッ素樹脂 ルミフロン L F 1 0 0 (商 品名、 旭硝子社製) を 3 . 0質量%溶解したフッ素樹脂溶液を作成した。 この 溶液中にシリコーン弾性体層ローラ 0を、 浸漬し、 これを引き上げ 1 5 0 °Cで 2時間乾燥し、 被覆層を形成した。 これら以外は実施例 1と同様にして、 現像 ローラ 1 9を作製した。
[実施例 2 0 ] 現像ローラ 2 0
N—メチルー 2—ピロリ ドンを溶剤として、 ポリイミ ドワニス U—ワニス — A (商品名、 宇部興産社製) を 1 . 0質量%溶解したフッ素樹脂溶液を作成 した。 この溶液中にシリコーン弾性体層ローラ 0を、浸漬し、 これを引き上げ、
150 で 4時間の熱処理をした後、 さらに 200 °Cで 2時間の熱処理をし、 被覆層を形成した。 これら以外は実施例 1と同様にして、 現像ローラ 20を作 製した。
[実施例 21] 現像ローラ 21
フッ素樹脂溶液における U—ワニス一 Aの質量0 /0を 3. 0質量%に変更した 以外は、 実施例 20と同様にして現像ローラ 21を作製した。
[比較例 1] 現像ローラ 22
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1と同様にして現像口 —ラ 22を作製した。 本比較例にかかる S i Ox膜の OZS iの値は 0. 94 であった。
•原材料のシリ力粉体の使用量を 20質量部、
•石英粉末の使用量を 70質量部、
'カーボンブラックをデンカブラック FX— 35 (商品名、電気化学工業社製)、 •原料ガス ;
•へキサメチ /レジシロキサン蒸気 1. 2 s c c m、
•酸素 0. 3 s c c m、
•ァノレゴンガス 23. 5 s c cm の混合ガス。
[比較例 2] 現像ローラ 23
原材料のシリ力粉体の使用量を 40質量部、 カーボンブラックをデンカブラ ック FX— 35 (商品名、 電気化学工業社製) とし、 原料ガスの酸素を 3. 0 s c c m、 アルゴンガスを 21. 0 s c cmとした。 これら以外は実施例 1と 同様にして現像口 ラ 23を作製した。 本比較例にかかる S i Ox膜の OZS iの値は 1. 98であった。
[比較例 3] 現像ローラ 24
原材料のゴムを J SR N222L (商品名、 .T S R社製) とし、 カーボン
ブラックを MA 230 (商品名、 三菱化学社製) としたこと以外は、 実施例 1 2と同様にして現像ローラ 24を作製した。 本実施例にかかる S 10 膜の0 ZS iのイ直は 1. 5 6であった。
[比較例 4] 現像ローラ 2 5
以下の通りに材料、 条件等を変更した以外は、 実施例 1 6と同様にして現像 ローラ 25を作製した。
'フッ素樹脂 F l u o n ファインパウダー CD 1 23 (商品名、 旭硝子 社製)
-真空蒸着装置内の処理時間 1分間
[比較例 5] 現像ローラ 26
N—メチルー 2—ピロリ ドンを溶剤として、 ポリイミドワニス U—ワニス 一 S (商品名、 宇部興産社製) を 3. 5質量%溶解したフッ素樹脂溶液を作成 した。 この溶液中にシリコーン弾性体層ローラ 0を、浸漬し、 これを引き上げ、 1 50 °Cで 4時間の熱処理をした後、 さらに 200でで 2時間の熱処理をし、 被覆層を形成したこと以外は実施例 1と同様にして、 現像ローラ 26を作製し
[比較例 6] 現像ローラ 2 7
実施例 1に示した方法で、 「シリコーン弾性体層ローラ 0」 を得た。
塗料調製用原材料として、 下記の原材料を準備した。
'ポリオール (ニッポラン 5 1 96 (商品名、 日本ポリゥレタン工業社製) )
'硬化剤 (イソシァネート 「コロネート L」 (商品名、 日本ポリウレタン工業社 製))
'導電剤 (カーボンブラック 「MA 1 1」 (商品名、 三菱化学社製)) 上記-ッポラン 5 1 9 6 (固形分で 1 00質量部) に、 コロネート L (固形分 で 4質量部) 及びカーボンブラック (MA 1 1) 22質量部を添加し、 さらに メチルェチルケトンを加え十分に撹拌して塗工液 (固形分 9. 5%) を調製し
た。 この塗工液中に、 上記 「シリコーン弾性体層ローラ 0」 を浸漬してコーテ イングした後、 引上げて乾燥し、 1 4 5 °Cにて 3 0分間加熱処理して、 1 5 μ mの被覆層を弾性体層の外周に設けた。 これら以外は、 実施例 1と同様にして 現像ローラ 2 7を作製した。
[参考例 1 ] 現像ローラ 2 8
実施例 1で得られたシリコーン弾性体層ローラ 0に、 被覆層を設けず、 その ものを、 現像ローラ 2 8とした。
実施例及ぴ比較例で用いたカーボンブラックの、 D B P吸収量 (使用前の測 定値) を表 2に示した。
(表 2 )
実施例 1 2は、 弾性体層が架橋ゴムを含み、 D B P吸収量が 8 7 m 1 Z 1 0 0 gのカーボンブラックを含有している。 同様に、実施例 1 3 , 1 4, 1 5は、 弾性体層が、 熱可塑性エラストマ一を含み、 D B P吸収量が 1 0 6 m 1 Z 1 0 0 gのカーボンブラックを含有している。
また、 実施例 1〜 1 5、 比較例 1〜 3の被覆層は、 S i O Xを主成分とする 材料を含んでいる。
作成した現像ローラ 1〜3 0の下記の値を表 3及び表 4に示した。
表 3 ;
•現像ローラ表面の A s k e r一 C硬度、
•現像ローラ表面のマルテンス硬度、
•弾性体層部のマルテンス硬度、
•被膜層の膜厚 (d )、
• (H I -H 2 ) Z d、
表 4 ;
•現像ローラ表面のジョードメタンに対する接触角、
•現像ローラ表面の表面自由エネルギー、 及ぴ
•分散力成分
• 延伸時の被覆層の割れ
延伸時の被膜層の割れに関し、 現像ローラ 8、 2 3について評価した結果、 目視にて割れは生じていないが、 被膜層の表面がやや曇るような状態が確認さ れた。 参考までに、 現像ローラ 8、 2 3について光学顕微鏡にて追加確認をお こなつたが被膜層の割れはなかつた。
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(表 3)
現像ローラの 被覆層の
(H1-H2) 現像 A s k e r一し 硬度 硬度 膜厚
/d ローラ 硬度 (HI) (H2) (d)
No. (N/
(° ) (N/mm2) 、nm) (N/mm) mm2)
実施例
1 51 2.11 1.15 1820 527
1
2 2 56 2.34 1.15 1785 667
3 3 59 2.41 1.15 1690 746
4 4 63 2.67 1.15 1740 874
5 5 67 2.94 1.15 1660 1078
6 6 74 2.08 1.36 1780 404
7 7 42 2.96 1.02 1750 1109
8 8 45 3.11 1.02 1680 1244
9 9 46 1.71 1.15 290 1931
1 0 1 0 48 2.25 1.15 760 1447
1 1 1 1 77 2.96 1.41 1710 906
1 2 1 2 82 3.22 1.66 2140 729
1 3 1 3 50 2.23 1.18 1310 802
1 4 1 4 67 2.71 1.38 1290 1031
1 5 1 5 85 3.15 1.72 1280 1117
1 6 1 6 56 1.61 1.15 240 1917
1 7 1 7 62 2.44 1.15 840 1536
1 8 1 8 71 2.57 1.15 1550 916
1 9 1 9 85 4.11 1.15 4700 630
20 20 53 2.35 1.15 1070 1121
2 1 2 1 74 3.22 1.15 3470 597 比較例
22 38 1.97 1.02 1720 552 1
2 23 87 5.45 1.41 1710 2363
3 24 88 3.44 1.88 2110 739
4 25 53 1.41 1.15 85 3059
5 26 88 3.66 1.15 6700 375
6 27 51 4.05 1.02 15000 202 参考例 ※被覆層
28 46 1.36 1.36 一 1 なし
(表 4 )
シ、、ョ-ト、、メタンに 表面自由 延伸時の 分散力成分'
対する接触角 ェ ノレギ^" 被膜層の割れ
(。 ) (m J Zm2) (m J /m2) 一 実施例
56.7 31.4 17.9 なし
1
2 59.5 30.6 18.7 なし
3 62.1 29.4 20.1 なし
4 65.8 26.3 21,2 なし
5 67.9 23.6 22.3 なし
6 56.9 31.2 17.8 なし
7 67.4 23.8 22.0 なし
8 68.5 22.6 20.8 なし
9 62.0 29.5 20.2 なし
1 0 62.1 29.3 20.0 なし
1 1 68.1 23.5 22.1 なし
1 2 62.4 29.2 19.9 なし
1 3 62.2 29.4 20.2 なし
1 4 j 62.3 29.3 20.0 なし
1 5 62.1 29.5 20.1 なし
1 6 42.5 38.6 24.1 なし
1 7 42.3 38.7 24.2 なし
1 8 42.6 38.5 24.1 なし
1 9 46.4 31.9 25.0 なし
2 0 54.6 33.0 22.5 なし
2 1 54.8 32.9 22.4 なし 比較例
53.1 32.2 16.5 なし 1
2 68.9 21.6 20.3 なし
3 62.2 29.6 20.4 なし
4 41.9 39.1 24.4 なし
5 51.5 34.6 17.2 あり
6 36.5 41.9 35.8 なし 参考例
96.3 10.3 9.6 - 1
8292
43 作製した現像ローラ 1〜28にっき、 以下の評価を行った
<感光ドラムの汚染性〉
プロセスカートリッジとして、 トナーカートリッジ 311 (シアン) (商品名、 キャノン製) に現像ローラを組み込み、 室温35 ±2°0、 相対湿度 85 %R H士 5 %の環境試験機内に 14日間放置した。 その後に、 カートリッジを分角军 し、 潜像担持体表面上への付着の有無を目視で観察した。 カートリッジへの現 像ローラの組み込み、 分解、 観察は、 室温25°〇±2°0、 相対湿度 50%RH 土 5 %の環境下にて行つた。
あり :感光ドラム表面上への付着がない
なし:感光ドラム表面上への付着がみられる。
<画像評価 >
電子写真画像形成装置として、 カラープリンター (S a t e r a LBP 5 400 (商品名、 キャノン社製)) の出力スピードを A4用紙 25枚/分に改造 した装置 (以下、 改造機ともいう。) を用意した。 このカラープリンタ一は、 シ アン、 マゼンタ、 イェロー及びブラックのカラーカートリッジを備え、 各カー トリッジに対し、 画像書き込み手段 (レーザ) が設けられ、 転写ベルトを備え たタンデム型である。 尚、 標準の画像作成能力は A 4サイズで 21枚/分であ る。
上記カラーカートリッジは、 感光ドラム、 帯電ローラ、 現像ローラ、 トナー 供給ローラ規制ブレードが設けられ (一成分接触現像方式対応)、 現像ローラは 感光ドラムに当接して配置されている。 さらに、前記カラーカートリッジには、 感光ドラムに当接して、 クリーニングプレードが設けられている。 上記カラー プリンタ一は、 帯電ローラによる帯電前に感光ドラム上に残る帯電を除去する ための前露光手段を備えているシアンカラーカートリッジの現像ローラとして 現像ローラ 1〜23をそれぞれ;且み込んだ。 また、 マゼンタ、 イェローおよび ブラックの各カラーカートリッジは、 トナーを抜き取り、 さらにトナー残量検
知機構を無効として、 それぞれのステーションに配置した。
上記各カラーカートリッジを上記の改造機に装着し、 低温低湿 (温度 15°C 土 2 °C、 相対湿度 20 %RH± 5 %) 及び、■高温高湿 (温度 30 °C± 2。C、 相 対湿度 80%RH±5%) 下において電子写真画像を作成した。 当該画像につ いて、 下記のように評価した。 転写材としては、 レターサイズの普通紙 (商品 名: XEROX 4024用紙;富士ゼロックス社製) を用いた。
く画像濃淡ムラの評価〉
低温低湿 (温度 15°C±2。C、 相対湿度 20%RH± 5%) 下において 1 1 日間に亘る画像出力試験を行い、 初日、 および 1 1日目に得られた画像の濃淡 ムラを評価した。 具体的には、 以下の通りとした。
'初日 :図 6に示す標準チャート (レターサイズ、 ベタ黒部 6ケ所と、 Sの文 字を配置し、 印字比率を 4%としたもの) の画像を 9枚、 画像領域全体が一様 であるベタ画像を 1枚、 全面ハーフトーン画像を 1枚、 及ぴ上記標準チャート の画像を 389枚連続印字。
· 2日目〜 10日目 :上記標準チヤ一トを 400枚連続印字。
• 1 1日目 :上記標準チャートを 9枚、 ベタ画像を 1枚、 ハーフトーン画像を 1枚連続印字。
そして、 初日に形成したベタ画像 (10枚目に出力) 及びハーフトーン画像 (1 1枚目に出力)の濃淡ムラの有無を目視により観察し、下記基準で評価し、 当該現像ローラでの初期画像における濃淡ムラとした。 11日目に形成したベ タ画像 (4010枚目に出力)、 ハーフトーン画像 (401 1枚目に出力) につ いても同様に評価し、 経時での画像における濃淡ムラ評価とした。
Α:濃淡ムラが、 ベタ画像、 ハーフトーン画像共に確認されない
B :濃淡ムラが、 ベタ画像では確認されるが、 ハーフトーン画像では確認され る
C :濃淡ムラが、 ベタ画像、 ハーフトーン画像共に確認される確認される
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<画像縦スジの評価〉
高温高湿 (温度30 ±2。 相対湿度 80%RH± 5%) 下において 1 1 日間に!:る画像出力試験を行い、 初日、 および 1 1日目に得られた画像の濃淡 ムラを評価した。 具体的には、 以下の通りとした。
'初日 :図 6に示す標準チャート (レターサイズ、 ベタ黒部 6ケ所と、 Sの文 字を配置し、 印字比率を 4%としたもの) の画像を 9枚、 画像領域全体が一様 であるベタ画像を 1枚、 全面ハーフトーン画像を 1枚、 及び上記標準チヤ一ト の画像を 389枚連続印字。
• 2日目〜 10日目 :上記標準チャートを 400枚連続印字した。 1 1日目に は、 上記標準チヤートを 9枚、 ベタ画像を 1枚、 ハーフトーン画像を 1枚連続 印字。
そして、 初日に形成したベタ画像 (10枚目に出力) 及びハーフトーン画像 (1 1枚目に出力) における、 現像ローラ周期の画像印字方向と水平な方向の スジ状の濃淡ムラの有無を目視により、下記の基準で評価した。これをもって、 当該現像ローラでの初期画像における縦スジ (規制部材への融着による画像ス ジ) の評価とした。 1 1日目に形成したベタ画像 (4010枚目に出力)、 ハー フトーン画像 (401 1枚目に出力) についても同様に評価し、 経時での画像 における縦スジとした。
A:縦スジが、 ベタ画像、 ハーフトーン画像共に、 確認されない
B :縦スジが、 ベタ画像では確認されるが、 ハーフトーン画像では確認されな レヽ
C:縦スジが、 ベタ画像、 ハーフトーン画像共に確認され、 ベタ画像で確認さ れる縦スジの本数が 5本以上のもの
<当接部画像の評価 >
シアンカラーカートリッジに現像ローラ 1〜 28をそれぞれ組み込んだ後、 各カートリッジを 25°C± 2°C、 50%RH± 5%の環境に、 60日間放置し
た。 その後、 同環境で上記標準チャートを 9枚、 ベタ画像を 1枚、 ハーフトー ン画像を 1枚連続出力した。 得られたベタ画像 (1 0枚目に出力) 及びハーフ トーン画像 (1 1枚目に出力) について、 現像ローラ周期の画像印字方向と垂 直な方向のスジ状の濃淡ムラの有無を目視により観察し、 下記基準で評価した。 前記スジ状の濃淡ムラは、 規制ブレード 2 4の現像ローラ 1表面との当接部に 相当する箇所である。
A:スジ状の濃淡ムラが、 ベタ画像、 ハーフトーン画像共に、 確認されない。 B :スジ状の濃淡ムラが、 ベタ画像で確認されるが、 ハーフトーン画像では確 認されなレ、。
C :スジ状の濃淡ムラが、 ベタ画像、 ハーフトーン画像共に確認される。
上記の基準に基づき評価した結果を、 表 5に示した。
表 5に示すとおり、 実施例 1〜2 1は良好な結果が得られた。 その中でも実 施例 3、 4、 5、 7は特に良好な結果が得られた。
表 5
画像評価 .
感光ドラム
画像濃淡ムラ 画像縦スジ 当接部 への汚染千生
画像 初日 1 1曰目 初日 1 1曰 S 実施例
なし A B A A B
1
2 なし A B A A A
3 なし A A A A A
4 なし A A A A A
5 なし A A A A A
6 なし A B A A B
7 なし A A A A A
8 なし A A A B A
9 なし A A A B B
1 0 なし A A A B B
1 1 なし A A A B A
1 2 なし A A A B B
1 3 なし A A A A B
1 4 なし A A A A B
1 5 なし A A A A B
1 6 なし A A A B B
1 7 なし A A A B B
1 8 なし A A A A B
1 9 なし A B A A B
2 0 なし A A A B B
2 1 なし A B A A B 比較例
あり (軽微) A B A B C 1
2 なし B C A C A
3 なし B C A B A
4 あり (軽微) A A A C B
5 なし C C A B A
6 なし A C A B B 参考例
あり - 一 - - 一 1
この出願は 2 0 0 7年 4月 2 7日に出願された日本国特許出願第 2 0 0 7 - 1 1 8 7 8 2号からの優先権を主張するものであり、 その内容を引用してこの 出願の一部とするものである。