WO2008075544A1 - タイヤ - Google Patents

Abstract

サイドウォールに配置された、文字列よりなる標章を、その視認性を低下させることなく、文字列を読みやすくすることのできるタイヤを提供するため、このタイヤのサイドウォールを、少なくとも一つの標章３において、そのタイヤ半径方向内側の包絡線１３が、タイヤ半径方向外側に凸の円弧状をなし、その円弧の曲率半径r1は、タイヤ回転中心O0から、タイヤ回転中心O0に最も近い前記円弧上の点までの距離r0より大きなるよう構成する。

Description

明 細 書

タイヤ

技術分野

[0001] 本発明は、一対のサイドウォールの少なくとも一方に設けられた環状の装飾帯に、 文字列よりなる標章を配置したタイヤに関し、特に、文字列の視認性を犠牲にするこ となく文字を読みやすくすることができるものに関する。

背景技術

[0002] 図 1に示すように、タイヤ 90のサイドウォール表面 1に設けられた環状の装飾帯 2に は、社名や商品名やサイズ等の文字列や記号よりなる標章 93が表示されているが、 従来、これらの標章 93は、タイヤの回転中心を中心とする同心円状に配置されてい る。このことは、例えば、標章 93の半径方向内側の包絡線 95をとつてみれば、タイヤ の回転中心を中心とする半径 rの円弧上に位置することを意味している（例えば、特

1

許文献 1参照。）。

特許文献 1 :特開 2003— 182317号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] しかしながら、文字列を読むとき、もっとも読みやすいのは、文字列を構成するそれ ぞれの文字が直線上に並んだときであり、それらの文字列を円弧上に並べてこの円 弧の曲率半径を小さくしてゆくと、どんどん読みに《なる。一方で、環状をなす装飾 帯 2内に文字を直線上に並べようとした場合には、図 2に示すように、これを環状の装 飾帯内に収めるため、文字列の長さ、および幅の少なくとも一方を小さくする必要が 生じ、この場合、標章 93の視認性を低下させてしまうことになる。

[0004] 本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、文字列よりなる標章を、 その視認性を低下させることなぐ文字列を読みやすくすることのできるタイヤを提供 することを目白勺とする。

課題を解決するための手段

[0005] < 1〉は、一対のサイドウォールの少なくとも一方に設けられた環状の装飾帯に、文 字列よりなる標章を配置したタイヤにおいて、

少少なくとも一つの標章において、そのタイヤ半径方向内側の包絡線力 タイヤ半 径方向外側に凸の円弧状をなし、その円弧の曲率半径は、タイヤ回転中心から、タ ィャ回転中心に最も近い前記円弧上の点までの距離より大きいことを特徴とするタイ ャである。

[0006] < 2〉は、 < 1〉において、前記特性を有する標章は 1以上のサイドウォール表面 に平行な平坦面で構成され、これらの標章の周囲に、複数のリッジを並列してなる背 景部分が配置され、この背景部分のタイヤ半径方向内側の縁は、前記特徴を有する 標章のタイヤ半径方向内側包絡線と同一の曲率半径を有することを特徴とするタイ ャである。

[0007] < 3〉は、 < 1〉もしくはく 2〉において、前記特性を有する標章を、 3個、タイヤの 周方向に等間隔に配列してなるタイヤである。

発明の効果

[0008] < 1 >によれば、文字列よりなる少なくとも一つの標章を、そのタイヤ半径方向内側 の包絡線が、タイヤ半径方向外側に凸の円弧状をなし、その円弧の曲率半径は、タ ィャ回転中心から、タイヤ回転中心に最も近い前記円弧上の点までの距離より大きく なるよう構成したので、文字列の配置が直線状の配置に近づけることができ文字が読 みやすくなり、一方で、その配置は、完全には直線ではないので、環状の装飾帯の 大きさに合わせて十分大きくし視認性を低下させなくて済ませることができる。

[0009] < 2〉によれば、前記特性を有する標章は 1以上のサイドウォール表面に平行な平 坦面で構成され、これらの標章の周囲に、複数のリッジを並列してなる背景部分を配 置したので、文字列の周囲に対するコントラストを上げ文字列の視認性を向上させる ことができ、さらに、この背景部分のタイヤ半径方向内側の縁を、前記特徴を有する 標章のタイヤ半径方向内側包絡線と同一の曲率半径を有するよう構成したので、文 字列に下線を付けたと同様の効果を得ることができ、文字列を強調して視認性をさら に高めることができる。

[0010] < 3〉によれば、前記特性を有する標章を、 3個、タイヤの周方向に等間隔に配列 してので、最も効果的に文字の視認性とデザインの良さとのバランスを得ることができ る。標章の配列を 1個、もしくは 2個とした場合、視覚的なバランスがよくない場合があ り、例えば、これを 2個の配列とした場合、標章が天と地に配置される回転位置でタイ ャが停止した場合は、デザイン的にはバランスがとれてよいが、 2つの標章配置が天 地の位置から少しずれたタイヤ回転位置の場合には、天地の軸が傾いたように見え 視覚的なバランスはよくない。停車時、どのような回転位置でタイヤが止まっても、視 覚的なバランスを確保するのがよぐその点で、標章は 3個以上有するのがよい。

[0011] 一方、前記特性を有する標章を、 4個以上、タイヤ周方向に配列した場合には、周 方向に隣接する標章と近づきすぎたり、干渉したりする場合が生じ、その場合、文字 の視認性を低下させてしまう。

図面の簡単な説明

[0012] [図 1]従来のタイヤを示す側面図である。

[図 2]文字列を直線状に配列した場合のタイヤを示す側面図である。

[図 3]本発明に係る実施形態のタイヤを示す側面図である。

符号の説明

[0013] 1 サイドウォール

2 装飾域

3 文字列よりなる標章

5 背景部分

6 リッジ

13 標章のタイヤ半径方向内側の包絡線

15 背景部分のタイヤ半径方向内側の縁

発明を実施するための最良の形態

[0014] 本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図 3は、本発明に係るタイヤ を示す側面図であり、タイヤ 10の、少なくとも一方のサイドウォール表面 1には、装飾 域 2が配置され、この装飾域 2は、 1以上（図示の場合は 3個）の文字列よりなる標章 3 が配置されている。

[0015] ここで、本発明に係るタイヤ 10は、少なくとも一つ（図示の場合は 3個とも）の標章 3 は、そのタイヤ半径方向内側の包絡線 13が、タイヤ半径方向外側に凸の円弧状をな し、その円弧の曲率半径 Rは、タイヤ回転中心 Pから、タイヤ回転中心に最も近い前

1 0

記円弧上の点までの距離 Rより大きいことを特徴とする。包絡線 13を構成する円弧

0

の回転中心 Pは、標章の周方向最外側の点同士の中点とタイヤ回転中心とを結んだ

1

線分の延長線上にあるのが好ましぐこのことによって、タイヤ回転中心を中心とする 円に対して傾斜しない配置とすることができ、安定したデザインを付与することができ

[0016] ここで、標章のタイヤ半径方向内側の包絡線とは、標章を構成する各文字の最もタ ィャ半径方向内側に位置する点を円弧で繋いだ曲線をいうものとする。

[0017] このように、標章 3の、タイヤ半径方向内側の包絡線 13の曲率半径 Rを、そこでの

1

タイヤ回転中心からの半径 Rより大きくすることによって、この標章 3を、文字を直線に

0

近い配列で配置して、文字を読みやすくすることができ、一方、これを完全な直線状 にしないことによって、装飾帯 2内に許容されるスペースに、高い視認性を有するデ ザインでこれを配置することができる。

[0018] さらに、図示の通り、例えば縁取りした文字のように、標章 3を、サイドウォール表面 に平行な複数の平坦面で構成する一方、標章 3の周囲に、複数の、直線状もしくは 円弧状に並列するリッジ 6よりなる背景部分 5を設けることが好ましぐ標章 3の視認性 をさらに向上させることができる。

[0019] この場合、背景部分 5のタイヤ半径方向内側の縁 15を、包絡線 13の曲率半径 Rと

1 同じ曲率半径を有する円弧で構成するのがよぐこの縁 15によって文字列よりなる標 章 3の下線効果を得ることができ、文字の視認性をさらに高めることができる。そして、 背景部分 5のタイヤ半径方向内側の縁 15構成する円弧の曲率の中心 Pは、タイヤ回 転中心 Pと、包絡線 13を構成する円弧の回転中心 Pとを結ぶ線分 Lの延長上に配

0 1

置するのがよぐこのことによって、包絡泉 13を構成する円弧を並進させて、背景部 分 5のタイヤ半径方向内側の縁 15と重なるようにすることができ、前記下線効果をさ らに強めることカでさる。

[0020] また、上記の条件を満足させる標章 3を、図示のように 3個、タイヤ周方向に配列す るのが好ましく、さらには、これらを等間隔で配列するのがー層好ましぐこのことによ つて、先に説明したように、デザイン性と視認性とを両立させることができる。 [0021] 本発明は、種々の種類や用途のタイヤに好適に用いることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 一対のサイドウォールの少なくとも一方に設けられた環状の装飾帯に、文字列より なる標章を配置したタイヤにぉレ、て、

少なくとも一つの標章は、そのタイヤ半径方向内側の包絡線力、タイヤ半径方向外 側に凸の円弧状をなし、その円弧の曲率半径が、タイヤ回転中心から、タイヤ回転中 心に最も近い前記円弧上の点までの距離より大きいという特性を有することを特徴と するタイヤ。

[2] 前記特性を有する標章は 1以上のサイドウォール表面に平行な平坦面で構成され 、これらの標章の周囲に、複数のリッジを並列してなる背景部分が配置され、この背 景部分のタイヤ半径方向内側の縁は、前記特徴を有する標章のタイヤ半径方向内 側包絡線と同一の曲率半径を有することを特徴とする請求項 1に記載のタイヤ。

[3] 前記特性を有する標章を、 3個、タイヤの周方向に等間隔に配列してなる請求項 1 もしくは 2に記載のタイヤ。