WO2008068902A1 - 継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車輪用軸受装置総アッセンブリー - Google Patents

Abstract

【課題】等速自在継手を保護するユニットカバーの着脱性を向上させると共に、総アッセンブリーの車両への組立作業性を向上させた継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車輪用軸受装置総アッセンブリーを提供する。 【解決手段】円筒状に形成されたエラストマー製のユニットカバー７が軸心を含む平面で二分割されて放射状に延びる板状の接合面７ｂ、７ｃが形成され、これらの外縁部の互いに軸方向にオフセットした位置にフック部３５ａ、３５ｂが形成されると共に、接合面７ｂ、７ｃの略中央部に、先端部が拡径して形成された凸部３４ａ、３６ａと、内径部３８の略中央部に環状溝３８ａが形成された凹部３４ｂ、３６ｂからなる凹凸部３４、３６が形成され、接合面７ｂ、７ｃを衝合させることにより凹凸部３４、３６が弾性変形により互いに係合して等速自在継手３に着脱自在に装着されている。

Description

明 細 書

継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車輪用軸受装置総アツ センプリ一

技術分野

[0001 ] 本発明は、 ユニットカバーが装着された等速自在継手と、 この等速自在継 手に連結されたドライブシャフトからなる継手アッセンブリーおよびこれを 備えた駆動車輪用軸受装置総アッセンブリーに関する。

背景技術

[0002] 自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、 ェンジ ンから車輪へ動力を伝達すると共に、 悪路走行時における車両のバウンドゃ 車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、 およびモーメント変 位を許容する必要があるため、 ェンジン側と駆動車輪側との間に介装される ドライブシャフ卜の一端を、 摺動型等速自在継手を介してディファレンシャ ルに連結し、 他端を、 固定型等速自在継手を含む駆動車輪用軸受装置を介し て車輪に連結している。

[0003] このような駆動車輪用軸受装置は、 複列の転がり軸受を単独に使用する第

1世代と称される構造から、 外方部材に車体取付フランジを一体に有する第 2世代に進化し、 さらに、 車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に 複列の転がり軸受の一方の内側転走面が一体に形成された第 3世代、 さらに はこのハブ輪に等速自在継手が一体結合され、 この等速自在継手を構成する 外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側転走面が一体に形成さ れた第 4世代のものまで開発されている。

[0004] 本出願人は、 図 9に示すように、 第 4世代構造の駆動車輪用軸受装置とュ ニットカバ一■継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車輪用軸受装置 総アッセンブリーを既に提案している。 なお、 以下の説明では、 車両に組み 付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側 （図面左側） 、 中央寄り 側をインナー側 （図面右側） という。 [0005] この駆動車輪用軸受装置は、 ハブ輪 5 1 と複列の転がり軸受 5 2と等速自 在継手 5 3とをユニット化して構成されている。 ハブ輪 5 1は、 アウター側 の端部に車輪取付フランジ 5 4を一体に有し、 外周にアウター側の内側転走 面 5 1 aが形成され、 内周には硬化した凹凸部 5 5が形成されている。

[0006] 複列の転がり軸受 5 2は、 外方部材 5 7と内方部材 5 8と複列のポール 5 6、 5 6とを備えている。 外方部材 5 7は、 外周にはナックル Nに取り付け るための車体取付フランジ 5 7 bを一体に有し、 内周には複列の外側転走面 5 7 a、 5 7 aが形成されている。 一方、 内方部材 5 8は、 ハブ輪 5 1 と、 このハブ輪 5 1に内嵌され、 外周にインナ一側の内側転走面 6 0 aが形成さ れた等速自在継手 5 3の外側継手部材 6 0とからなる。

[0007] 等速自在継手 5 3は、 外側継手部材 6 0と継手内輪 6 1 とケージ 6 2およ びトルク伝達ポール 6 3とを備えている。 外側継手部材 6 0は、 力ップ状の マウス部 6 4と、 このマウス部 6 4の底部をなす肩部 6 5と、 この肩部 6 5 から軸方向に延びる中空の軸部 6 6を有している。 この軸部 6 6の外周には 、 小径段部 6 6 aと、 これから軸方向に延びる嵌合部 6 6 bが形成されてい る。 そして、 外側継手部材 6 0の軸部 6 6がハブ輪 5 1に内嵌されると共に 、 軸部 6 6にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部 6 6 bを拡径して 凹凸部 5 5に食い込ませて加締め、 ハブ輪 5 1 と外側継手部材 6 0とが一体 に塑性結合されている。

[0008] この駆動車輪用軸受装置には継手アッセンブリー J Aが連結されている。

この継手アッセンブリー J Aは、 外側継手部材 6 0と、 継手内輪 6 1に一端 が連結されたドライブシャフト 6 7と、 このドライブシャフト 6 7と外側継 手部材 6 0の開口側外周部に装着されたブーツ 6 8とで構成された固定型の 等速自在継手 5 3、 および、 ドライブシャフト 6 7と外側継手部材 6 9の開 口側外周部に装着されたブーツ 7 0とで構成された摺動型の等速自在継手 7 1からなる。 そして、 外方部材 5 7の嵌合面 5 7 cの外径 D aが等速自在継 手 5 3の最大外径 D bよりも大径に形成されると共に、 継手アッセンブリー J Aの外周部を覆うように円筒状に形成され、 両端部に縮径部 7 2 a、 7 2 bを有するエラストマ一製のュニットカバ _ 7 2が装着されている。

[0009] こうした構成により継手アッセンブリー J Aを保護すると共に、 運搬等の 取扱いが一段と楽になる。 また、 ユニットカバ一 7 2の端部に縮径部 7 2 a 、 7 2 bが形成されているので、 等速自在継手 5 3の外側継手部材 6 0に弾 性的に装着することができ、 ュニットカバ一 7 2の脱落を防止することがで きる。 したがって、 車両への組立作業性を向上させると共に、 装置の品質を 安定させた継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車輪用軸受装置総ァ ッセンブリ一を提供することができる。

特許文献 1 ：特開 2 0 0 5 _ 2 5 6 9 3 8号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0010] 然しながら、 こうした従来の駆動車輪用軸受装置総アッセンブリーにおい て、 ユニットカバ一 7 2が円筒状に一体成形されているため、 継手アッセン ブリー J Aへの装着作業に時間がかかるだけでなく、 駆動車輪用軸受装置総 アッセンブリーを車両に取り付けた後、 ブーツ 6 8に傷が付くのを防ぎなが らこのュニットカバー 7 2を取り外す作業に時間がかかる問題が内在してい た。

[001 1 ] 本発明は、 このような事情に鑑みてなされたもので、 等速自在継手を保護 するュニットカバーの着脱性を向上させると共に、 総アッセンブリーの車両 への組立作業性を向上させた継手アッセンブリーおよびこれを備えた駆動車 輪用軸受装置総ァッセンブリ一を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0012] 係る目的を達成すべく、 本発明のうち請求項 1記載の発明は、 内周に曲線 部を有する複数の軸方向に延びるトラック溝が形成された外側継手部材と、 外周に前記トラック溝に対向するトラック溝が形成された継手内輪と、 前記 両トラック溝によって形成されるポールトラックにそれぞれ収容されたトル ク伝達ポールと、 このトルク伝達ポールを転動自在に保持するケージと、 前 記継手内輪に一端が連結されたドライブシャフ卜と、 このドライブシャフト と前記外側継手部材の開口側外周部に装着されたブーツとで構成された固定 型の等速自在継手、 および、 前記ドライブシャフトと外側継手部材の開口側 外周部に装着されたブーツとで構成された摺動型の等速自在継手を備えると 共に、 端部に縮径部を有し、 円筒状に形成されたエラストマ一製のユニット カバーが前記等速自在継手の外周部を覆うように装着された継手アッセンブ リーにおいて、 前記ユニットカバーが軸心を含む平面で二分割され、 これら 分割部に放射状に延びる板状の接合面が形成されると共に、 これら接合面に 弾性変形により互いに係合する固定部がそれぞれ形成され、 当該ュニットカ バーが前記一対の等速自在継手にそれぞれ着脱自在に装着されている。

[0013] このように、 一対の等速自在継手と、 これらの等速自在継手を連結するド ライブシャフトを備え、 端部に縮径部を有し、 円筒状に形成されたエラスト マー製のュニットカバーが等速自在継手の外周部を覆うように装着された継 手アッセンブリーにおいて、 ュニットカバーが軸心を含む平面で二分割され 、 これら分割部に放射状に延びる板状の接合面が形成されると共に、 これら 接合面に弾性変形により互いに係合する固定部が形成され、 当該ュニットカ バーが一対の等速自在継手にそれぞれ着脱自在に装着されているので、 二分 割されたュニットカバ一をワンタッチで容易に一体化することができ、 組立 ■分解作業性を向上させることができると共に、 継手アッセンブリーを保護 すると共に、 一対の等速自在継手が屈曲して垂れ下がるのを防止することが でき、 また、 継手アッセンブリーが持ち易くなり運搬等の取扱いが一段と楽 になる。

[0014] 好ましくは、 請求項 2に記載の発明のように、 前記固定部が、 その先端部 が拡径して形成された凸部と、 内径部の略中央部に環状溝が形成された凹部 とで構成され、 前記先端部が前記内径部を弾性変形させながら嵌挿されて前 記環状溝に係合されていれば、 ュニットカバーが分離するのを確実に防止す ることができる。

[0015] さらに好ましくは、 請求項 3に記載の発明のように、 前記接合面の外縁部 にフック部がそれぞれ形成され、 これらフック部が、 互いに軸方向にオフセ ッ卜した位置に形成されていれば、 フック部を押し広げるだけで容易に分離 することができ、 組立■分解作業性を向上させることができる。

[001 6] また、 請求項 4に記載の発明のように、 前記ユニットカバーが対称形に形 成されていれば、 成形時の金型が単一で済み、 低コスト化を図ることができ ると共に、 組立作業性がさらに向上する。

[001 7] また、 本発明のうち請求項 5に記載の発明は、 ハブ輪と複列の転がり軸受 および等速自在継手がュニット化された駆動車輪用軸受装置、 およびこの駆 動車輪用軸受装置に連結された継手アッセンブリーを備えた駆動車輪用軸受 装置総アッセンブリーであって、 前記複列の転がり軸受が、 外周にナックル に取り付けられるための車体取付フランジと、 前記ナックルとの嵌合面が一 体に形成され、 内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、 一端部に 車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、 外周に前記複列の 外側転走面に対向する一方の内側転走面が形成されたハブ輪、 およびこのハ ブ輪に内嵌される中空状の軸部を一体に有し、 前記複列の外側転走面の他方 に対向する内側転走面が形成された等速自在継手の外側継手部材からなる内 方部材と、 この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容され た複列の転動体列とを備え、 前記ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に 塑性結合された駆動車輪用軸受装置、 およびこの駆動車輪用軸受装置に連結 された前記請求項 1乃至 4いずれかに記載の継手ァッセンブリーとを備え、 前記複列の転動体列のうちィンナー側の転動体列のピッチ円直径がァウタ一 側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、 前記外方部材 の嵌合面の外径が前記継手アッセンブリーの最大外径よりも大径に形成され ている構成を採用した。

[0018] このように、 ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された駆 動車輪用軸受装置、 およびこの駆動車輪用軸受装置に連結された継手アツセ ンブリーとを備え、 複列の転動体列のうちインナ一側の転動体列のピッチ円 直径がァゥタ一側の転動体列のピツチ円直径よりも大径に設定されると共に 、 外方部材の嵌合面の外径が継手アッセンブリーの最大外径よりも大径に形 成されているので、 軽量■ コンパク ト化を図ることができると共に、 軸受剛 性の増大と軸受の長寿命化を図ることができる。 また、 継手アッセンブリー に傷を付けることなく容易にナックルを外揷することができ、 簡便に継手ァ ッセンブリーをナックルに組み立てることができると共に、 駆動車輪用軸受 装置総ァッセンブリーのコンタミ付着や傷付きを防止することができると共 に、 そのまま足回りのコーナ一モジュールや車両組立まで装着しておくこと もでき、 運搬等の取扱いだけでなく組立作業性を一層向上させることができ る。

発明の効果

本発明に係る継手アッセンブリーは、 内周に曲線部を有する複数の軸方向 に延びるトラック溝が形成された外側継手部材と、 外周に前記トラック溝に 対向するトラック溝が形成された継手内輪と、 前記両トラック溝によって形 成されるポールトラックにそれぞれ収容されたトルク伝達ポールと、 このト ルク伝達ポールを転動自在に保持するケージと、 前記継手内輪に一端が連結 されたドライブシャフトと、 このドライブシャフトと前記外側継手部材の開 口側外周部に装着されたブーツとで構成された固定型の等速自在継手、 およ び、 前記ドライブシャフ卜と外側継手部材の開口側外周部に装着されたブー ッとで構成された摺動型の等速自在継手を備えると共に、 端部に縮径部を有 し、 円筒状に形成されたエラストマ一製のュニットカバーが前記等速自在継 手の外周部を覆うように装着された継手アッセンブリーにおいて、 前記ュニ ットカバーが軸心を含む平面で二分割され、 これら分割部に放射状に延びる 板状の接合面が形成されると共に、 これら接合面に弾性変形により互いに係 合する固定部がそれぞれ形成され、 当該ュニットカバーが前記一対の等速自 在継手にそれぞれ着脱自在に装着されているので、 二分割されたュニットカ バーをワンタッチで容易に一体化することができ、 組立■分解作業性を向上 させることができると共に、 継手アッセンブリーを保護すると共に、 一対の 等速自在継手が屈曲して垂れ下がるのを防止することができ、 また、 継手ァ ッセンブリ一が持ち易くなり運搬等の取扱いが一段と楽になる。 [0020] また、 本発明に係る駆動車輪用軸受装置総アッセンブリーは、 ハブ輪と複 列の転がり軸受および等速自在継手がュニット化された駆動車輪用軸受装置 であって、 前記複列の転がり軸受が、 外周にナックルに取り付けられるため の車体取付フランジと、 前記ナックルとの嵌合面が一体に形成され、 内周に 複列の外側転走面が形成された外方部材と、 一端部に車輪を取り付けるため の車輪取付フランジを一体に有し、 外周に前記複列の外側転走面に対向する 一方の内側転走面が形成されたハブ輪、 およびこのハブ輪に内嵌される中空 状の軸部を一体に有し、 前記複列の外側転走面の他方に対向する内側転走面 が形成された等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、 この内方部 材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体列とを 備え、 前記ハブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された駆動車 輪用軸受装置、 およびこの駆動車輪用軸受装置に連結された前記請求項 1乃 至 4いずれかに記載の継手ァッセンブリーとを備え、 前記複列の転動体列の うちィンナー側の転動体列のピッチ円直径がァゥタ一側の転動体列のピッチ 円直径よりも大径に設定されると共に、 前記外方部材の嵌合面の外径が前記 継手アッセンブリーの最大外径よりも大径に形成されているので、 軽量 - コ ンパク ト化を図ることができると共に、 軸受剛性の増大と軸受の長寿命化を 図ることができる。 また、 継手アッセンブリーに傷を付けることなく容易に ナックルを外揷することができ、 簡便に継手ァッセンブリーをナックルに組 み立てることができると共に、 駆動車輪用軸受装置総ァッセンブリーのコン タミ付着や傷付きを防止することができると共に、 そのまま足回りのコーナ —モジュールや車両組立まで装着しておくこともでき、 運搬等の取扱いだけ でなく組立作業性を一層向上させることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0021 ] 内周に曲線部を有する複数の軸方向に延びるトラック溝が形成された外側 継手部材と、 外周に前記トラック溝に対向するトラック溝が形成された継手 内輪と、 前記両トラック溝によって形成されるポールトラックにそれぞれ収 容されたトルク伝達ポールと、 このトルク伝達ポールを転動自在に保持する ケージと、 前記継手内輪に一端が連結されたドライブシャフトと、 このドラ イブシャフトと前記外側継手部材の開口側外周部に装着されたブーッとで構 成された固定型の等速自在継手、 および、 前記ドライブシャフトと外側継手 部材の開口側外周部に装着されたブーツとで構成された摺動型の等速自在継 手を備えると共に、 端部に縮径部を有し、 円筒状に形成されたエラストマ一 製のュニットカバーが前記等速自在継手の外周部を覆うように装着された継 手アッセンブリーにおいて、 前記ュニットカバーが軸心を含む平面で二分割 され、 これら分割部に放射状に延びる板状の接合面が形成され、 これら接合 面の外縁部の互いに軸方向にオフセットした位置にフック部がそれぞれ形成 されると共に、 前記接合面の略中央部に凹凸部が形成され、 この凹凸部が、 その先端部が拡径して形成された凸部と、 内径部の略中央部に環状溝が形成 された凹部とで構成され、 当該接合面を衝合させることにより、 前記凹凸部 が弾性変形により互いに係合して当該ュニットカバーが前記一対の等速自在 継手にそれぞれ着脱自在に装着されている。

実施例

[0022] 以下、 本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。

図 1は、 本発明に係るュニットカバーが装着された駆動車輪用軸受装置総 アッセンブリーの一実施形態を示す縦断面図、 図 2は、 本発明に係る駆動車 輪用軸受装置を示す縦断面図、 図 3は、 固定型の等速自在継手側のユニット カバ一を示し、 （a ) は正面図、 （b ) は左側面図、 （c ) は右側面図、 図 4は、 図 3のユニットカバ一の一体化方法を示す説明図、 図 5は、 同上固定 部を示す要部拡大図、 図 6は、 この固定方法を示す要部拡大図、 図 7は、 摺 動型の等速自在継手側のユニットカバ一を示し、 （a ) は正面図、 （b ) は 左側面図、 （c ) は右側面図、 図 8は、 同上、 一体化されたユニットカバ一 を示し、 （a ) は正面図、 （b ) は左側面図である。

[0023] この駆動車輪用軸受装置総アッセンブリーは、 エンジンから車輪へ動力を 伝達すると共に、 自動車の車輪 （図示せず） を懸架装置に対して回転自在に 支承する駆動車輪用軸受装置、 およびユニットカバー 7、 8が装着された一 対の等速自在継手 3、 4と、 これらの等速自在継手 3、 4に連結されたドラ イブシャフト 5からなる継手アッセンプリ _ 6で構成されている。 また、 駆 動車輪用軸受装置は、 ハブ輪 1 と複列の転がり軸受 2と等速自在継手 3をュ ニット化した、 所謂第 4世代と呼称される構成を備えている。

[0024] 複列の転がり軸受 2は、 図 2に示すように、 外方部材 9と内方部材 1 0と 複列のポール 1 1 a、 1 1 bとを備えている。 内方部材 1 0は、 ハブ輪 1 と 、 このハブ輪 1に内嵌された外側継手部材 1 6とからなる。

[0025] 外方部材 9は S 5 3 C等の炭素 0 . 4 0〜0 . 8 0 w t %を含む中高炭素 鋼からなり、 外周にナックル Nに取り付けるための車体取付フランジ 9 cを —体に有し、 内周に円弧状の複列の外側転走面 9 a、 9 bが形成されている 。 この複列の外側転走面 9 a、 9 bは、 高周波焼入れによって表面硬さを 5 8〜6 4 H R Cの範囲に硬化処理されている。

[0026] —方、 ハブ輪 1は S 5 3 C等の炭素 0 . 4 0〜0 . 8 0 w t %を含む中高 炭素鋼からなり、 アウター側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フラ ンジ 1 2を一体に有し、 この車輪取付フランジ 1 2の周方向等配に複数のハ ブポルト 1 3が植設されている。 また、 ハブ輪 1の外周には、 前記複列の外 側転走面 9 a、 9 bの一方 （アウター側） に対向する円弧状の内側転走面 1 aと、 この内側転走面 1 aから軸方向に延びる円筒状の小径段部 1 bが形成 されている。 そして、 アウター側のシール 1 4が摺接するシールランド部 1 2 aから内側転走面 1 aおよび小径段部 1 bに亙って高周波焼入れによって 表面硬さを 5 8〜6 4 H R Cの範囲に硬化処理されている。 これにより、 車 輪取付フランジ 1 2の基部となるシールランド部 1 2 aの耐摩耗性が向上す るばかりでなく、 車輪取付フランジ 1 2に負荷される回転曲げ荷重に対して 充分な機械的強度を有し、 ハブ輪 1の耐久性が向上する。

[0027] ハブ輪 1の内周には凹凸部 1 5が形成され、 熱処理によって表面硬さを 5 4〜6 4 H R Cの範囲に表面が硬化処理されている。 熱処理としては、 局部 加熱ができ、 硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による 焼入れが好適である。 なお、 凹凸部 1 5はアヤメ口一レット状に形成され、 旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、 ブローチ加工等により形 成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、 あるいは、 互い に傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。 また、 凹凸部 1 5の凸部は良 好な食い込み性を確保するために、 その先端部が三角形状等の尖塔形状に形 成されている。

[0028] 等速自在継手 3は、 外側継手部材 1 6と継手内輪 1 7、 ケージ 1 8、 およ びトルク伝達ポール 1 9とからなり、 固定型 （ゼッパー型） の等速自在継手 を構成している。 外側継手部材 1 6は S 5 3 C等の炭素 0 . 4 0〜0 . 8 0 w t %を含む中高炭素鋼からなり、 カップ状のマウス部 2 0と、 このマウス 部 2 0の底部をなす肩部 2 1 と、 この肩部 2 1から軸方向に延びる円筒状の 軸部 2 2とが一体に形成されている。 この軸部 2 2には、 ハブ輪 1の小径段 部 1 bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部 2 2 aと、 こ のインロウ部 2 2 aの端部に嵌合部 2 2 bがそれぞれ形成されている。

[0029] また、 マウス部 2 0の内周には曲線部を有する軸方向に延びるトラック溝 2 0 aが形成されると共に、 継手内輪 1 7の外周にこのトラック溝 2 0 aに 対応するトラック溝 1 7 aが形成されている。 そして、 これら両トラック溝 2 0 a、 1 7 a間にケージ 1 8を介してトルク伝達ポール 1 9が収容されて いる。 また、 肩部 2 1の外周には、 前記複列の外側転走面 9 a、 9 bの他方 (インナ一側） に対向する円弧状の内側転走面 1 6 aが形成されている。 そ して、 トラック溝 2 0 aと、 インナ一側のシール 2 3が嵌合する外周面から 内側転走面 1 6 aおよび軸部 2 2に亙って高周波焼入れによって表面硬さを 5 8〜6 4 H R Cの範囲に硬化処理されている。 ここで、 軸部 2 2のうち嵌 合部 2 2 bは鍛造後の生のままとされている。

[0030] 外方部材 9の複列の外側転走面 9 a、 9 bと、 これらに対向する複列の内 側転走面 1 a、 1 6 a間には複列のポール 1 1 a、 1 1 bが収容され、 保持 器 2 4 a、 2 4 bによって転動自在に保持されている。 また、 外方部材 9と 内方部材 1 0との間に形成される環状空間の開口部にはシール 1 4、 2 3が 装着され、 軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、 外部から軸受内部 に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。 さらに、 ハブ輪 1のァウタ 一側の開口部と外側継手部材 1 6の肩部 2 1の内径部にはェンドキャップ 2 5、 2 6が装着され、 後述する塑性結合部に雨水等が浸入してその部位が発 鯖するのを防止すると共に、 ブーツ 3 3と共にマウス部 2 0内に封入された グリースが外部に漏洩するのを防止し、 外部から継手内部に雨水やダスト等 が侵入するのを防止している。 これらの複列の転がり軸受 2は、 両転走面 9 a、 1 3ぉょび9 13、 1 6 aに加わる力の作用方向の作用線が軸心に向うほ ど軸方向に離反する、 所謂背面合せタイプの複列アンギユラ玉軸受を構成し ている。

[0031 ] 次に、 ハブ輪 1 と複列の転がり軸受 2および等速自在継手 3のュニット化 の方法について詳細に説明する。

まず、 外方部材 9の複列の外側転走面 9 a、 9 bに保持器 2 4 a、 2 4 b を介して複列の転動体 1 1 a、 1 1 bが仮組みされると共に、 外方部材 9の 両端部にシール 1 4、 2 3が装着される。 次に、 外方部材 9の両側からハブ 輪 1 と外側継手部材 1 6が内挿され、 ハブ輪 1の小径段部 1 bの端面に外側 継手部材 1 6の肩部 2 1が衝合され、 突合せ状態になるまでハブ輪 1に外側 継手部材 1 6の軸部 2 2が内嵌される。 そして、 この軸部 2 2の嵌合部 2 2 bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部 2 2 bを拡径し、 こ の嵌合部 2 2 bをハブ輪 1の凹凸部 1 5に食い込ませて加締め、 ハブ輪 1 と 外側継手部材 1 6とが一体に塑性結合されて完了する。 これにより、 従来の ようにナツト等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、 軽量 · コンパク ト化を図ることができると共に、 ハブ輪 1の強度■耐久性を向上さ せ、 かつ長期間その予圧量を維持することができる。

[0032] なお、 ハブ輪 1 と外側継手部材 1 6とを塑性結合する手段として例示した 構成以外にも、 例えば、 図示はしないが、 ハブ輪に外側継手部材の軸部をセ レーシヨンを介してトルク伝達可能に嵌合すると共に、 この軸部の端部を径 方向外方に塑性変形させて加締部を形成し、 この加締部で両部材を軸方向に 固定する、 所謂揺動加締方式を採用しても良い。 [0033] ここで、 本実施形態では、 インナ一側のポール 1 1 b列のピッチ円直径 P C D iがァウタ一側のポール 1 1 a列のピッチ円直径 P C D oよりも大径に 設定されている。 これら複列のポール 1 1 a、 1 1 bの外径は同じであるが 、 このピッチ円直径 P C D o、 P C D iの違いにより、 インナ一側のポール 1 1 b列のポール個数がアウター側のポール 1 1 a列のポール個数よりも多 く設定されている。 本実施形態の場合、 複列のポール 1 1 a、 1 1 bの外径 を同じにすることにより、 組立工程における誤組みの問題を解消することが でき、 製造コストが低減できると共に、 品質の信頼性が向上する。

[0034] このように、 複列のポール 1 1 a、 1 1 b列のピッチ円直径 P C D o、 P C D iの違いに伴い、 内方部材 1 0において、 外側継手部材 1 6の内側転走 面 1 6 aの溝底径はハブ輪 1の内側転走面 1 aの溝底径ょりも拡径して形成 されている。 一方、 外方部材 9において、 複列のポール 1 1 a、 1 1 b列の ピッチ円直径 P C D o、 P C D iの違いに伴い、 インナ一側の外側転走面 9 bの溝底径がアウター側の外側転走面 9 aの溝底径ょりも拡径して形成され ている。

[0035] こうした構成の駆動車輪用軸受装置において、 ィンナー側の内側転走面 1 6 aを外側継手部材 1 6の肩部 2 1の外周に直接形成するようにしたので、 インナ一側のポール 1 1 b列のピッチ円直径 P C D i をアウター側のポール 1 1 a列のピッチ円直径 P C D oよりも大径に設定することができると共に 、 インナ一側のポール 1 1 b列のポール個数をアウター側のポール 1 1 a列 のポール個数よりも多く設定することができるため、 軽量 ' コンパク ト化を 図ることができると共に、 軸受剛性の増大と軸受の長寿命化を図ることがで さる。

[0036] 図 1に示す継手アッセンブリー 6は、 一対の等速自在継手 3、 4と、 これ ら等速自在継手 3、 4に連結されたドライブシャフト 5とを備えている。 こ のドライブシャフト 5の一端は、 アウター側の等速自在継手 3の継手内輪 1 7にセレ一シヨンを介して内嵌され、 他端はディファレンシャル （図示せず ) に固定されるインナ一側の摺動型 （トリポード型） の等速自在継手 4に連 結されている。

[0037] このインナ一側の等速自在継手 4は、 外側継手部材 26と、 外周部に 3本 の脚軸 27 aが等配に突設されたトリポード部材 27と、 これらの脚軸 27 aに針状ころ 28を介して回転自在に外揷されたローラ 29とを備えている 。 外側継手部材 26は、 S 53 C等の炭素 0. 40〜0. 80w t %を含む 中高炭素鋼で形成された円筒状の外筒部 30と、 この外筒部 30の底部から 軸方向に延びる軸部 3 1を一体に有している。 軸部 3 1の外周にはディファ レンシャルに固定するためのセレ一シヨン （またはスプライン） 3 1 aが形 成されている。

[0038] 外筒部 30の内周には軸方向に延びる直線状の 3本のトラック溝 30 aが 形成され、 このトラック溝 30 a上をローラ 29が転動する。 外側継手部材 26において、 トラック溝 30 aの表面に高周波焼入れ等によって所定の硬 化層が形成されている。 また、 外筒部 30の開口側の外周には合成ゴム等か らなるブーツ 32が装着され、 外筒部 30内に封入されたグリースの漏洩と 、 外部から雨水やダスト等が継手内に侵入するのを防止すると共に、 外側継 手部材 26に対するドライブシャフト 5の軸方向のスライ ドが許容される。

[0039] なお、 外筒部 30は円筒状に限らず、 図示はしないが、 例えば、 外周がト ラック溝 30 aに対応した花形形状に形成されたものであっても良く、 また 、 外筒部 30の底部から軸方向に延びる軸部 3 1に限らず、 外筒部 30の底 部からディファレンシャルに固定するための取付フランジが一体に形成され ている構造であっても良い。 また、 ここでは、 インナ一側の等速自在継手 4 にトリポード型を例示したが、 これに限らず、 摺動型の等速自在継手なら良 く、 他の構造のトリボード型をはじめ、 例えば、 ポールを使用したダブルォ フセット型の等速自在継手 （DO J) であっても良い。

[0040] ここで、 本実施形態では、 ナックル Nに取り付けられる外方部材 9の嵌合 面 9 dの外径 D aが、 等速自在継手 3、 4の最大外径 D b、 D c (ここでは 、 後述するユニットカバー 7、 8の最大外径） よりも大径に形成されている (D a >D b≥D c) 。 これにより、 ばね下重量の軽量化を図り、 車両への 分解■組立が簡便化できるだけでなく、 ナックル Nに対して継手アッセンブ リ一 6を容易に嵌揷することができると共に、 ブーツ 3 3、 3 2がナックル Nに干渉して傷付くことなく組み立てることができる。

[0041 ] —対の等速自在継手 3、 4には、 それらの外周部を覆う円筒状のユニット カバ _ 7、 8が装着されている。 このユニットカバ _ 7、 8は、 P A (ポリ アミ ド） 6 6等のエラストマ一を射出成形して形成され、 両端部に外側継手 部材 1 6、 2 6およびブーツ 3 3、 3 2にそれぞれ弾性的に嵌合する縮径部 7 a、 8 aを有し、 軸心を含む平面で二分割された対称構造からなる。 なお 、 ユニットカバ一 7、 8は P A 6 6限らず、 装着性の面から弾性変形する材 料で、 所定の剛性を有する弾性部材で形成されていれば良い。 例えば、 P P (ポリプロピレン） 樹脂や、 硬質ウレタン、 発泡ウレタン等のウレタン樹脂 を例示することができる。

[0042] これらのユニットカバ一 7、 8のうちアウター側の等速自在継手 3に装着 されるユニットカバ一 7は、 図 3に示すように、 ブーツ 3 3の外郭形状に沿 つて縮径部 7 aがテーパ状に形成されていると共に、 両端部に放射状に延び る板状の接合面 7 b、 7 cが一体に形成されている。 これら接合面 7 b、 7 cのうち、 大径側の接合面 7 b側には凹凸部 3 4が形成されると共に、 縮径 部 7 a側の接合面 7 cにはフック部 3 5と凹凸部 3 6が形成されている。

[0043] 次に、 接合面 7 b、 7 cの固定部構造について、 図 4乃至図 6に示す縮径 側 7 a側を例に挙げて詳細に説明する。 図 4に示すように、 二分割されたュ ニットカバ _ 7におけるそれぞれの接合面 7 cの外縁部にフック部 3 5 a、 3 5 bが形成されていると共に、 接合面 7 cの略中央部に凹凸部 3 6が形成 されている。 これらフック部 3 5 a、 3 5 bおよび凹凸部 3 6を構成する凸 部 3 6 a、 凹部 3 6 bは、 それぞれ縮径部 7 aから図中上下方向に延びる接 合面 7 c、 7 cに一個ずつ形成されている。 すなわち、 図 6に示すように、 それぞれのフック部 3 5 a、 3 5 bは、 互いに軸方向にオフセットした位置 に形成され、 接合面 7 c、 7 cを衝合させた際、 フック部 3 5 a、 3 5 bが 相対位置関係となり、 ユニットカバー 7を容易に分離することができる。 ま た、 同時に、 凸部 3 6 aと凹部 3 6 bが弾性変形により相手側に係合してュ ニットカバー 7が分離するのを確実に防止することができる。

[0044] ここで、 凸部 3 6 aは中空状に形成され、 その先端部 3 7が拡径して形成 されると共に、 凹部 3 6 bは、 内径部 3 8の略中央部に環状溝 3 8 aが形成 され、 先端部 3 7が先端部 3 7外径よりも小径の内径部 3 8を弾性変形しな がら揷通されて環状溝 3 8 aに係合される。 すなわち、 図 5に示すように、 凸部 3 6 aの基部の外径 a 1は、 凹部 3 6 bの内径部 3 8の内径 b 1よりも 小径 （a 1 < b 1 ) に形成されると共に、 凸部 3 6 aの先端部 3 7の外径 a 2は凹部 3 6 bの環状溝 3 8 aの内径 b 2よりも僅かに小径 （ a 2 < b 2 ) に形成されていると共に、 凸部 3 6 aの先端部 3 7の外径 a 2は凹部 3 6 b の内径部 3 8の内径 b 1よりも大径 （a 2 > b 1 ) に形成されている。

[0045] このように、 本実施形態では、 二分割されたュニットカバ一 7の接合面 7 cにフック部 3 5 a、 3 5 bと凹凸部 3 6が形成され、 凹凸部 3 6の弾性変 形を利用して係合されているので、 ワンタツチで容易に両者を一体化するこ とができると共に、 フック部 3 5 a、 3 5 bを押し広げるだけで分離するこ とができ、 組立■分解作業性を向上させることができる。 また、 一対のュニ ットカバ一 7が対称形に形成されているため、 成形時の金型が単一で済み、 低コスト化を図ることができると共に、 組立作業性がさらに向上する。

[0046] 次に、 ユニットカバ一 7、 8のうちインナ一側の等速自在継手 4に装着さ れるユニットカバ一 8は、 図 7に示すように、 ブーツ 3 2の外郭形状に沿つ て縮径部 8 aがテーパ状に形成されていると共に、 両端部に放射状に延びる 板状の接合面 8 b、 8 cが一体に形成されている。 なお、 ここでは、 前述し た実施形態と同じ機能を有する部品や部位には同じ符号を付して重複した説 明を省略する。 これら接合面 8 b、 8 cの外縁部にはフック部 3 5 a、 3 5 bが形成されていると共に、 接合面 8 b、 8 cの略中央部に凹凸部 3 6が形 成されている。 凹凸部 3 6は、 凸部 3 6 aと凹部 3 6 bで構成され、 それぞ れ接合面 8 b、 8 cの図中上下位置に配設されている。

[0047] これらの一対のユニットカバ一 8は、 図 8に示すように、 接合面 8 c、 8 cを衝合させることにより、 凸部 3 6 aと凹部 3 6 bが弾性変形により相手 側に係合して二分割されたユニットカバ一 8が一体化される。 なお、 ここで は、 ユニットカバ一 7、 8の接合面 7 c、 8 b、 8 cにフック部 3 5 a、 3 5 bおよび凹凸部 3 6が形成されたものを例示したが、 これに限らず、 凹凸 部 3 6だけでも良い。

[0048] 本実施形態では、 一対の等速自在継手 3、 4にそれぞれ二分割されたュニ ットカバ一 7、 8が装着され、 継手アッセンブリー 6の外周部がこれらュニ ットカバ一 7、 8で覆われているので、 継手アッセンプリ _ 6を保護すると 共に、 一対の等速自在継手 3、 4が屈曲して垂れ下がるのを防止することが でき、 また、 継手アッセンブリー 6が持ち易くなり運搬等の取扱いが一段と 楽になる。

[0049] また、 外方部材 9の嵌合面 9 dの外径 D aが等速自在継手 3、 4の最大外 径 D b、 D cよりも大径に形成され、 かつ、 ユニットカバ一 7、 8の縮径部 7 a、 8 aがテ一パ状に形成されているので、 継手アッセンプリ _ 6に傷を 付けることなく容易にナックル Nを外揷することができ、 駆動車輪用軸受装 置総ァッセンブリーをナックル Nに簡便に組み立てることができる。 したが つて、 駆動車輪用軸受装置総ァッセンブリーのコンタミ付着や傷付きを防止 することができると共に、 そのまま足回りのコーナーモジュールや車両組立 まで装着しておくこともでき、 運搬等の取扱いだけでなく組立作業性を一層 向上させることができる。

[0050] 以上、 本発明の実施の形態について説明を行ったが、 本発明はこうした実 施の形態に何等限定されるものではなく、 あくまで例示であって、 本発明の 要旨を逸脱しない範囲内において、 さらに種々なる形態で実施し得ることは 勿論のことであり、 本発明の範囲は、 特許請求の範囲の記載によって示され 、 さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、 および範囲内のすべての変更 を含む。

産業上の利用可能性

[0051 ] 本発明に係るユニットカバーは、 一対の等速自在継手と、 これらを連結す るドライブシャフトからなる継手アッセンプリ一、 およびこれを備え、 ハブ 輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがュニット化された駆動車輪用軸受 装置総ァッセンブリーに適用することができる。

図面の簡単な説明

[0052] [図 1 ]本発明に係るュニットカバーが装着された駆動車輪用軸受装置総アツセ ンブリーの一実施形態を示す縦断面図である。

[図 2]本発明に係る駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。

[図 3]固定型の等速自在継手側のユニットカバーを示し、 （a ) は正面図、 （ b ) は左側面図、 （c ) は右側面図である。

[図 4]ユニットカバーの一体化方法を示す説明図である。

[図 5]ュニットカバーの固定部を示す要部拡大図である。

[図 6]同上、 固定方法を示す要部拡大図である。

[図 7]摺動型の等速自在継手側のユニットカバーを示し、 （a ) は正面図、 （ b ) は左側面図、 （c ) は右側面図である。

[図 8]同上、 一体化されたユニットカバ一を示し、 （a ) は正面図、 （b ) は 左側面図である。

[図 9]従来のュニットカバーが装着された駆動車輪用軸受装置総アッセンプリ 一を示す縦断面図である。

符号の説明

[0053] 1 ハブ輪

1 a、 1 6 a 内側転走面

2 複列の転がり軸受

3、 4 等速自在継手

5 ドライブシャフト

6 継手アッセンプリ一

7 固定型の等速自在継手側のュニットカ バー

7 a , 8 a 縮径部 大径側の接合面

縮径側の接合面

摺動型の等速自在継手側のュニットカ 外方部材

外側転走面

車体取付フランジ

嵌合面

内方部材

アウター側のポール

ィンナー側のポール

車輪取付フランジ

シールランド部

ハブポルト

アウター側のシール

凹凸部

外側継手部材

継手内輪

トラック溝

ケージ

トルク伝達ポール

マウス部

肩部

軸部

インロウ部

嵌合部

インナ一側のシール

アウター側の保持器 ィンナー側の保持器 ェンドキャップ トリポード部材 脚軸

針状ころ

ローラ

外筒部

セレ一シヨン ブーツ

凹凸部

凸部

凹部

フック部

先端部

内径部

環状溝

ハブ輪

内側転走面 複列の転がり軸受 固定型の等速自在継 車輪取付フランジ 凹凸部

ポール

外方部材

外側転走面 車体取付フランジ 嵌合面

内方部材 外側継手部材

継手内輪

ケージ

トルク伝達ポール

マウス部

肩部

軸部

小径段部

嵌合部

ドライブシャフト

ブーツ

摺動型の等速自在継手

ュニットカバ一

縮径部

凸部の基部の外径

凸部の先端部の外径

凹部の内径

凹部の環状溝の内径

外方部材の嵌合面の外径 固定型の等速自在継手の最大外径 摺動型の等速自在継手の最大外径 継手アッセンブリー

ナックル

Claims

請求の範囲

[1 ] 内周に曲線部を有する複数の軸方向に延びるトラック溝が形成された外側 継手部材と、

外周に前記トラック溝に対向するトラック溝が形成された継手内輪と、 前記両トラック溝によって形成されるポールトラックにそれぞれ収容され たトルク伝達ポールと、

このトルク伝達ポールを転動自在に保持するケージと、

前記継手内輪に一端が連結されたドライブシャフ卜と、

このドライブシャフ卜と前記外側継手部材の開口側外周部に装着されたブ ーッとで構成された固定型の等速自在継手、

および、 前記ドライブシャフ卜と外側継手部材の開口側外周部に装着され たブーツとで構成された摺動型の等速自在継手を備えると共に、

端部に縮径部を有し、 円筒状に形成されたエラストマ一製のュニットカバ 一が前記等速自在継手の外周部を覆うように装着された継手アッセンブリー において、

前記ュニットカバーが軸心を含む平面で二分割され、 これら分割部に放射 状に延びる板状の接合面が形成されると共に、 これら接合面に弾性変形によ り互いに係合する固定部がそれぞれ形成され、 当該ュニットカバーが前記一 対の等速自在継手にそれぞれ着脱自在に装着されていることを特徴とする継 手アッセンブリー。

[2] 前記固定部が、 その先端部が拡径して形成された凸部と、 内径部の略中央 部に環状溝が形成された凹部とで構成され、 前記先端部が前記内径部を弾性 変形させながら嵌挿されて前記環状溝に係合されている請求項 1に記載の継 手アッセンブリー。

[3] 前記接合面の外縁部にフック部がそれぞれ形成され、 これらフック部が、 互いに軸方向にオフセッ卜した位置に形成されている請求項 1または 2に記 載の継手アッセンブリー。

[4] 前記ュニットカバーが対称形に形成されている請求項 1乃至 3いずれかに 記載の継手アッセンブリー。

ハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がュニット化された駆動車 輪用軸受装置、

およびこの駆動車輪用軸受装置に連結された継手アッセンブリーを備えた 駆動車輪用軸受装置総ァッセンブリーであって、

前記複列の転がり軸受が、 外周にナックルに取り付けられるための車体取 付フランジと、 前記ナックルとの嵌合面が一体に形成され、 内周に複列の外 側転走面が形成された外方部材と、

—端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランを一体に有し、 外周に前 記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が形成されたハブ輪、 およ びこのハブ輪に内嵌される中空状の軸部を一体に有し、 前記複列の外側転走 面の他方に対向する内側転走面が形成された等速自在継手の外側継手部材か らなる内方部材と、

この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列の 転動体列とを備え、

前記/ \ブ輪と外側継手部材とが軸方向に一体に塑性結合された駆動車輪用 軸受装置、 およびこの駆動車輪用軸受装置に連結された前記請求項 1乃至 4 いずれかに記載の継手ァッセンブリーを備え、

前記複列の転動体列のうちィンナー側の転動体列のピッチ円直径がァゥタ 一側の転動体列のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、 前記外方部 材の嵌合面の外径が前記継手アッセンブリーの最大外径よりも大径に形成さ れていることを特徴とする駆動車輪用軸受装置総アッセンブリー。