JP2007030689A - 駆動車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
車両への組立作業性を向上させると共に、分解・組立における部品の損傷を防止して品質を安定させた駆動車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】
ナックルNに固定ボルト23を介して締結される車体取付フランジ7bを有し、内周に複列の外側転走面7aが形成された外方部材7と、一端に車輪取付フランジ4を一体に有し、外周に内側転走面1aが形成されたハブ輪1および外周に内側転走面14aと軸部20が一体に形成された外側継手部材14が塑性結合されてなる内方部材8とを備え、ナックルNに嵌合される外方部材7の外径部が等速自在継手3の最大外径よりも大径に形成されると共に、固定ボルト23が水平線に対して所定角度α傾斜して締結されているので、車体取付フランジ7bのボルト孔24のPCDを大径にすることなく締付用ソケット28と等速自在継手3との干渉を回避することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、車輪用軸受と等速自在継手とがユニット化され、車両への組立作業性を向上させると共に、分解・組立時における部品の損傷を防止して品質の信頼性を向上させた駆動車輪用軸受装置に関する。
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪へ動力を伝達すると共に、悪路走行時における車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、およびモーメント変位を許容する必要があるため、例えば、図6に示すように、エンジン側と駆動車輪側との間に介装されるドライブシャフト100の一端を、摺動型等速自在継手101を介してディファレンシャル102に連結し、他端を、固定型等速自在継手103を含む駆動車輪用軸受装置104を介して車輪105に連結している。
このような駆動車輪用軸受装置104には、懸架装置に複列の転がり軸受(図示せず)が装着された第1世代から、この複列の転がり軸受の外方部材に車体取付フランジを一体に有する第3世代と呼称される車輪用軸受まで種々な構造のものが開発されている。近年、この駆動車輪用軸受装置104は、さらに軽量・コンパクト化を狙って、車輪用軸受106と固定型等速自在継手103とがユニット化された、所謂第4世代の構造に移行する傾向にある。
図7は、このような第4世代の駆動車輪用軸受装置の代表的な一例である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪51と複列の転がり軸受52と等速自在継手53とをユニット化して構成している。ハブ輪51は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、その円周等配位置にハブボルト56が植設されている。外周面にはアウトボード側の内側転走面51aと、この内側転走面51aから軸方向に延びる小径段部63が形成され、内周面には凹凸部55が形成され、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化処理が施されている。
複列の転がり軸受52は、外方部材57と内方部材58と複列のボール59、59とを備えている。外方部材57は、外周に懸架装置を構成するナックルN1に取り付けるための車体取付フランジ57bを一体に有し、内周には複列の外側転走面57a、57aが形成されている。一方、内方部材58は、ハブ輪51と、このハブ輪51の小径段部63に突合せ状態に内嵌された外側継手部材64とを指し、この外側継手部材64の外周にインボード側の内側転走面64aが一体に形成されている。複列のボール59、59がこれら転走面57a、51aと57a、64a間にそれぞれ収容され、保持器60、60で転動自在に保持されている。また、複列の転がり軸受52の端部にはシール61、62が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
等速自在継手53は、外側継手部材64と継手内輪65とケージ66およびトルク伝達ボール67を備えている。外側継手部材64は、カップ状のマウス部68と、このマウス部68の底部をなす肩部69と、この肩部69から軸方向に延びる中空の軸部70とを有している。この軸部70の外周には、前記小径段部63に内嵌される小径段部70aと、この小径段部70aから軸方向に延びる嵌合部70bが形成されている。そして、外側継手部材64の軸部70をハブ輪51に内嵌すると共に、軸部70にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部70bを拡径し、嵌合部70bをハブ輪51の凹凸部55に食い込ませて加締め、ハブ輪51と外側継手部材64とが一体に塑性結合されている。
ここで、ナックルN1の内径に外方部材57が嵌合されるが、その嵌合面57cの外径をDaとし、等速自在継手53の最大外径、ここでは、マウス部68の外周に装着されたブーツ71の最大外径をDbとしたとき、Da>Dbに設定されている。これにより、図8に示すように、一対の等速自在継手53、72と、これら等速自在継手53、72に連結されたドライブシャフト73と、一対の等速自在継手53、72のうちアウトボード側の等速自在継手53と複列の転がり軸受52とがユニット化された車輪用軸受アッセンブリー(アクスルモジュール)がナックルN1内を通過することが可能となる。したがって、車両への組立の作業性が一段と改善され、また、点検・補修等の作業性も向上する。
特開2001−171308号公報
然しながら、こうした従来の駆動車輪用軸受装置では、図9に示すように、ナックルN1と外方部材57の車体取付フランジ57bとを固定ボルト74を介して締結する場合、固定ボルト74を締め付ける治具(ソケット)75と等速自在継手53のブーツ71とが干渉する恐れがある。これを回避するには、車体取付フランジ57bのボルト孔76のPCD(ピッチ円直径)を大きく設定すれば良いが、これでは外方部材57だけでなくナックルN1の重量増加を招き、軽量・コンパクト化された装置としての効果を半減させることになって好ましくない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両への組立作業性を向上させると共に、分解・組立における部品の損傷を防止して品質を安定させた駆動車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、外周に固定ボルトを介してナックルに締結するための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ナックルに対して車輪を回転自在に支承する駆動車輪用軸受装置において、前記固定ボルトが、水平線に対して所定角度αだけ傾斜して締結されている構成を採用した。
このように、第2世代乃至第4世代構造の駆動車輪用軸受装置において、ナックルに車体取付フランジを締結する固定ボルトが、水平線に対して所定角度αだけ傾斜して締結されているので、車体取付フランジおよびナックルに穿設される各ボルト孔のPCDを大径に設定することなく、固定ボルトあるいはこの固定ボルトを締め付けるソケットと等速自在継手との干渉を余裕をもって回避することができる。また、外方部材の車体取付フランジ自体の形状をコンパクトにすることができ、装置の軽量化を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記車体取付フランジの側面と、この側面に当接する前記ナックルの側面が、垂直面に対して所定角度だけ傾斜して形成されていれば、良好な密着性を確保することができると共に、各側面とボルト孔とが直角となり、ボルト孔の孔加工を容易に、かつ精度良く行なうことができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記固定ボルトの座面となる前記ナックルの側面が、垂直面に対して所定角度だけ傾斜して形成されていれば、固定ボルトの頭部がシックリと側面に密着して長期間に亘って弛みを防止することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記内方部材が、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が直接形成され、内周に硬化した凹凸部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる中空状の軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材とからなり、前記ハブ輪に前記軸部が内嵌され、この軸部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませ、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されると共に、前記ナックルにインロウ嵌合される前記外方部材の外径部が、前記等速自在継手の最大外径よりも大径に形成されていれば、軽量・コンパクト化なアクスルモジュールを達成することができると共に、車両への分解・組立性を一層簡便にすることができ、足回りのモジュール化を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記内方部材が、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成されていれば、各ボルト孔のPCDを大径に設定することなく、固定ボルトの頭部と外側継手部材との干渉を回避することができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、外周に固定ボルトを介してナックルに締結するための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記ナックルに対して車輪を回転自在に支承する駆動車輪用軸受装置において、前記固定ボルトが、水平線に対して所定角度αだけ傾斜して締結されているので、車体取付フランジおよびナックルに穿設される各ボルト孔のPCDを大径に設定することなく、固定ボルトあるいはこの固定ボルトを締め付けるソケットと等速自在継手との干渉を余裕をもって回避することができる。また、外方部材の車体取付フランジ自体の形状をコンパクトにすることができ、装置の軽量化を図ることができる。
固定ボルトを介してナックルに締結される車体取付フランジを有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、内周に硬化した凹凸部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と中空状の軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材からなり、前記ハブ輪に前記軸部が内嵌され、この軸部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませ、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されると共に、前記ナックルにインロウ嵌合される前記外方部材の外径部が、前記等速自在継手の最大外径よりも大径に形成された駆動車輪用軸受装置において、前記固定ボルトが、水平線に対して所定角度αだけ傾斜して締結されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図、図3は、図2の変形例を示す要部拡大図である。
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3がユニット化された第4世代と呼称される構成を備えている。ハブ輪1は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、その円周等配位置にハブボルト6が植設されている。ハブ輪1の内周面には凹凸部5が形成され、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。熱処理としては、局部加熱ができ、硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による焼入れが好適である。
なお、凹凸部5はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、あるいは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。また、凹凸部5の凸部は良好な食い込み性を確保するために、その先端部が三角形状等の尖塔形状に形成されている。
複列の転がり軸受2は、外方部材7と内方部材8と複列の転動体(ボール)9、9とを備えている。外方部材7は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に懸架装置を構成するナックルNに取り付けるための車体取付フランジ7bを一体に有し、内周に複列の外側転走面7a、7aが形成されている。
一方、内方部材8は、ハブ輪1と、このハブ輪1の小径段部13に突合せ状態に内嵌される後述する外側継手部材14とを指し、外周に複列の外側転走面7a、7aに対向する一方(アウトボード側)の内側転走面1aがハブ輪1の外周に、他方(インボード側)の内側転走面14aが外側継手部材14の外周にそれぞれ形成されている。そして、複列の転動体9、9がこれら転走面7a、1aと7a、14a間にそれぞれ収容され、保持器10、10によって転動自在に保持されている。また、外方部材7の端部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、ここでは、複列の転がり軸受2として、転動体9にボールを用いた複列アンギュラ玉軸受を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、転動体9に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15とケージ16およびトルク伝達ボール17を備えている。外側継手部材14は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる中空の軸部20とを有している。この軸部20の外周には、ハブ輪1の小径段部13に内嵌される小径段部20aと、この小径段部20aから軸方向に延びる嵌合部20bとが形成されている。マウス部18の開口側の外周には樹脂製のブーツ21が装着され、中空の軸部20に装着されたエンドキャップ22とで、マウス部18内に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が継手内部に侵入するのを防止している。
また、マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状の8本のトラック溝18aが形成されると共に、このトラック溝18aに対向する8本のトラック溝15aが継手内輪15の外周に形成されている。そして、これら両トラック溝18a、15a間にトルク伝達ボール17が収容され、ケージ16によって転動自在に保持されている。この外側継手部材14において、少なくともトラック溝18aと、肩部19から軸部20の小径段部20aに亙って高周波焼入れ等によって所定の硬化層が形成されている。なお、軸部20の嵌合部20bは鍛造後の硬さのままとされている。
なお、ここでは、8個ボールを有するコンパクトタイプの等速自在継手3を例示したが、これに限らず、一般的な6個ボールからなる等速自在継手であっても良い。さらに、等速自在継手3は固定型であれば良く、トラック溝15a、18aは、例示した曲線状のものに限らず、図示はしないが、一部直線部を有するトラック溝からなる、所謂アンダーカットフリータイプの等速自在継手であっても良い。
ハブ輪1と外側継手部材14との結合は塑性結合によって行われる。すなわち、外側継手部材14の軸部20をハブ輪1に内嵌すると共に、中空の軸部20にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部20bを拡径し、この嵌合部20bをハブ輪1の凹凸部5に食い込ませて加締め、ハブ輪1と外側継手部材14とが一体に塑性結合されている。これにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪1の強度・耐久性を向上させ、かつ長期間その予圧量を維持することができる。さらに、車両への組込性を簡便にすることができるという特徴を有している。
また、ハブ輪1は、アウトボード側のシール11のシールリップが摺接するシールランド部、内側転走面1a、および小径段部13の表面に高周波焼入れによって硬化層が形成されている。また、拡径される嵌合部20bは、鍛造後の素材表面硬さ24HRC以下の未焼入れ部とし、ハブ輪1の凹凸部5の表面硬さ54〜64HRCとの硬度差を30HRC以上に設定するのが好ましい。これにより、嵌合部20bが凹凸部5に容易にかつ深く食い込み、凹凸部5の先端が潰れることなく強固に両者を塑性結合することができる。
ここで、本実施形態では、外方部材7の外径部7cがナックルNにインロウ嵌合されている。この外径部7cの外径は、干渉余裕量を確保した状態で、等速自在継手3の最大外径(ここではブーツ21の最大外径)よりも大径に形成されている。さらに、図2に拡大して示すように、外方部材7における車体取付フランジ7bには、固定ボルト23が螺着されるボルト孔24が傾斜して穿設され、この内周に雌ねじ24aが形成されている。
一方、ナックルNは可鍛鋳鉄等の鉄系金属からなり、フランジ状の取付部25にボルト孔26が傾斜して穿設されている。
各ボルト孔24、26のPCDは、インボード側に向って大径となるように、水平線に対して所定角度αだけ傾斜している。そして、これらボルト孔24、26を貫通して固定ボルト23が締結されている。また、ナックルNにおける取付部25のアウトボード側の側面25aは、車体取付フランジ7bの側面27に対応する垂直面に形成されているが、固定ボルト23の座面となるインボード側の側面25bは、垂直面に対して所定角度αだけ傾斜して形成されている。これにより、固定ボルト23の頭部がシックリと側面25bに密着して長期間に亘って弛みを防止することができる。なお、取付部25のインボード側の側面25bを垂直面に形成し、固定ボルト23の頭部との間に断面がテーパ状の間座を介装させることによって側面25bと固定ボルト23との密着性を確保するようにしても良い。
このように、本実施形態では、外方部材7における車体取付フランジ7bのボルト孔24とナックルNにおける取付部25のボルト孔26が傾斜して形成されているので、固定ボルト23を斜めに締結することができる。したがって、各ボルト孔24、26のPCDを大径に設定することなく、固定ボルト23を締め付けるソケット28(図1に二点鎖線で示す)と等速自在継手3のブーツ21との干渉を回避することができる。また、外方部材7の車体取付フランジ7b自体の形状をコンパクトにすることができ、装置のさらなる軽量化を図ることができる。
図3は、図2に示した実施形態の変形例を示している。外方部材7’における車体取付フランジ7b’の側面27’は、垂直面に対して所定角度αだけ傾斜して形成されている。一方、ナックルN’における取付部25’のアウトボード側の側面25a’も、この車体取付フランジ7b’の側面27’に対応して傾斜して形成されている。これにより、各ボルト孔24、26の孔加工を容易に、かつ精度良く行なうことができる。
図4は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図、図5は、図4の要部拡大図である。なお、この実施形態は、本発明に係る駆動車輪用軸受装置を第3世代構造に適用したもので、前述した第1の実施形態と同一部品同一部位あるいは同一機能を有する部位には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
この駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪29と複列の転がり軸受30および等速自在継手31がユニット化されている。ハブ輪29は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、その円周等配位置にハブボルト6が植設されている。また、外周にアウトボード側の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる小径段部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレーション(またはスプライン)1cが形成されている。
複列の転がり軸受30は、外方部材7’と内方部材32と、両部材間に転動自在に収容された複列の転動体9、9とを備えている。内方部材32は、ハブ輪29と、このハブ輪29の小径段部1bに圧入された内輪33とからなる。この内輪33はSUJ2等の高炭素クロム鋼からなり、外周には複列の外側転走面7a、7aに対向するインボード側の内側転走面33aが形成されている。
等速自在継手31は、外側継手部材34と、図示しない継手内輪、ケージ、およびトルク伝達ボールを備えている。外側継手部材34は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、カップ状のマウス部35と、このマウス部35の底部をなす肩部36と、この肩部36から軸方向に延びる軸部37とを有している。この軸部37の外周には、ハブ輪1のセレーション1cに係合するセレーション(またはスプライン)37aと、その端部に雄ねじ37bが形成されている。
そして、外側継手部材34の肩部36が内輪33の端面に衝合するまで外側継手部材34の軸部37をハブ輪29に内嵌し、それぞれのセレーション1c、37aを係合させると共に、軸部37の雄ねじ37bに固定ナット38を所定の締付トルクで緊締し、ハブ輪29と外側継手部材34とがトルク伝達可能に、かつ軸方向に着脱可能に結合されている。
ここで、図5に拡大して示すように、外方部材7’における車体取付フランジ7b’のボルト孔24およびナックルN‘における取付部25’のボルト孔26は傾斜して形成され、固定ボルト23が斜めに締結されている。これにより、各ボルト孔24、26のPCDを大径に設定することなく、固定ボルト23の頭部と外側継手部材34との干渉を回避することができる。
また、外方部材7’における車体取付フランジ7b’の側面27’は、垂直面に対して所定角度αだけ傾斜して形成されている。また、この側面27’に当接するナックルN’における取付部25’の側面25a’が、この側面27’に対応して傾斜して形成されると共に、固定ボルト23の座面となるインボード側の側面25bも傾斜して形成されている。これにより、ナックルN‘と車体取付フランジ7b’とが良好な密着性を確保することができると共に、長期間に亘って固定ボルト23の弛みを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、車輪を回転自在に支承するハブ輪と複列の転がり軸受および等速自在継手がユニット化された第2世代乃至第4世代構造の駆動車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の変形例を示す要部拡大図である。 本発明に係る駆動車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 図4の要部拡大図である。 駆動車輪用軸受装置を組込んだ動力伝達装置の一例を示す縦断面図である。 従来の駆動車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 ナックルにアクスルモジュールを嵌挿する方法を示す説明図である。 図7の要部拡大図である。
符号の説明
1、29・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a、33a・・・・・・・内側転走面
1b、13、20a・・・・・・・・小径段部
1c、37a・・・・・・・・・・・セレーション
2、30・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3、31・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
6・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
7、7’・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
7b、7b’・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
8、32・・・・・・・・・・・・・内方部材
9・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
10・・・・・・・・・・・・・・・保持器
11、12・・・・・・・・・・・・シール
14、34・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18、35・・・・・・・・・・・・マウス部
19、36・・・・・・・・・・・・肩部
20、37・・・・・・・・・・・・軸部
20b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
21・・・・・・・・・・・・・・・ブーツ
22・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
23・・・・・・・・・・・・・・・固定ボルト
24、26・・・・・・・・・・・・ボルト孔
24a・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ
25・・・・・・・・・・・・・・・取付部
25a、25a’・・・・・・・・・アウトボード側の側面
25b・・・・・・・・・・・・・・インボード側の側面
27、27’・・・・・・・・・・・車体取付フランジの側面
28・・・・・・・・・・・・・・・ソケット
33・・・・・・・・・・・・・・・内輪
37b・・・・・・・・・・・・・・雄ねじ
38・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
51・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、64a・・・・・・・・・・内側転走面
52・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
53・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
54・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
56・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
57・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
57a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
57b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
57c・・・・・・・・・・・・・・嵌合面
58・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
59・・・・・・・・・・・・・・・ボール
60・・・・・・・・・・・・・・・保持器
61、62・・・・・・・・・・・・シール
63、70a・・・・・・・・・・・小径段部
64・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
65・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
66・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
67・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
68・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
69・・・・・・・・・・・・・・・肩部
70・・・・・・・・・・・・・・・軸部
70b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
71・・・・・・・・・・・・・・・ブーツ
72・・・・・・・・・・・・・・・内径
100・・・・・・・・・・・・・・ドライブシャフト
101・・・・・・・・・・・・・・摺動型等速自在継手
102・・・・・・・・・・・・・・ディファレンシャル
103・・・・・・・・・・・・・・固定型等速自在継手
104・・・・・・・・・・・・・・駆動車輪用軸受装置
105・・・・・・・・・・・・・・車輪
106・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
N、N’、N1・・・・・・・・・・ナックル
α・・・・・・・・・・・・・・・・傾斜角

Claims (5)

  1. 外周に固定ボルトを介してナックルに締結するための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
    前記ナックルに対して車輪を回転自在に支承する駆動車輪用軸受装置において、
    前記固定ボルトが、水平線に対して所定角度αだけ傾斜して締結されていることを特徴とする駆動車輪用軸受装置。
  2. 前記車体取付フランジの側面と、この側面に当接する前記ナックルの側面が、垂直面に対して所定角度だけ傾斜して形成されている請求項1に記載の駆動車輪用軸受装置。
  3. 前記固定ボルトの座面となる前記ナックルの側面が、垂直面に対して所定角度だけ傾斜して形成されている請求項1または2に記載の駆動車輪用軸受装置。
  4. 前記内方部材が、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面が直接形成され、内周に硬化した凹凸部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に内嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる中空状の軸部が一体に形成された等速自在継手の外側継手部材とからなり、前記ハブ輪に前記軸部が内嵌され、この軸部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませ、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されると共に、前記ナックルにインロウ嵌合される前記外方部材の外径部が、前記等速自在継手の最大外径よりも大径に形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
  5. 前記内方部材が、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の駆動車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010095062A (ja) * 2008-10-14 2010-04-30 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2013533429A (ja) * 2010-08-03 2013-08-22 ボーグワーナー インコーポレーテッド 排気ガスターボチャージャ

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