JP4438516B2 - アクスルモジュール - Google Patents

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本発明は、一対の等速自在継手と、これら等速自在継手に連結されたドライブシャフトと、一対の等速自在継手のうち固定型の等速自在継手と車輪用軸受とがユニット化された車輪用軸受アッセンブリー(以下、アクスルモジュールと言う)、特に、車両への組立作業性を向上させたアクスルモジュールに関する。
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪へ動力を伝達すると共に、悪路走行時における車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、およびモーメント変位を許容する必要があるため、例えば、図8に示すように、エンジン側と駆動車輪側との間に介装されるドライブシャフト100の一端を、摺動型等速自在継手101を介してディファレンシャル102に連結し、他端を、固定型等速自在継手103を含む車輪用軸受装置104を介して車輪105に連結している。
このような車輪用軸受装置104は、第3世代と呼称される車輪用軸受106と、この車輪用軸受106に着脱自在に連結された固定型等速自在継手103とからなる。近年、この車輪用軸受装置104は、さらに軽量・コンパクト化を狙って、車輪用軸受106と固定型等速自在継手103とをユニット化する、所謂第4世代の構造に移行する傾向にある。
このような車輪用軸受装置の代表的な一例を、本発明の第1の実施形態を示す図2によって説明する。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2と等速自在継手3とをユニット化して構成している。ハブ輪1は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ4を一体に有し、その円周等配位置にハブボルト6が植設されている。ハブ輪1の内周面には凹凸部5が形成され、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。熱処理としては、局部加熱ができ、硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による焼入れが好適である。
なお、凹凸部5はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、あるいは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。また、凹凸部5の凸部は良好な食い込み性を確保するために、その先端部が三角形状等の尖塔形状に形成されている。
複列の転がり軸受2は、外方部材7と内方部材8と複列の転動体(ボール)9、9とを備えている。外方部材7は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、外周に懸架装置を構成するナックルN1に取り付けるための車体取付フランジ7bを一体に有し、内周には複列の外側転走面7a、7aが形成されている。一方、内方部材8は、ハブ輪1と、このハブ輪1の小径段部13に突合せ状態に内嵌された後述する外側継手部材14とを指し、外方部材7の外側転走面7a、7aに対向するアウトボード側の内側転走面1aがハブ輪1の外周に、またインボード側の内側転走面14aが外側継手部材14の外周にそれぞれ形成されている。複列の転動体9、9がこれら転走面7a、1aと7a、14a間にそれぞれ収容され、保持器10、10で転動自在に保持されている。複列の転がり軸受2の端部にはシール11、12が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15とケージ16およびトルク伝達ボール17とを備えている。そして、外側継手部材14は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる中空の軸部20を有している。この軸部20の外周には、前記小径段部13に内嵌される小径段部20aと、この小径段部20aから軸方向に延びる嵌合部20bが形成されている。
また、マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状の8本のトラック溝18aが形成されると共に、このトラック溝18aに対向する8本のトラック溝15aが継手内輪15の外周に形成されている。そして、これら両トラック溝18a、15a間にトルク伝達ボール17が収容されている。この外側継手部材14において、トラック溝18aと、肩部19および軸部20の表面に高周波焼入れ等によって所定の硬化層が形成されている。
そして、外側継手部材14の軸部20をハブ輪1に内嵌すると共に、軸部20にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部20bを拡径し、嵌合部20bをハブ輪1の凹凸部5に食い込ませて加締め、ハブ輪1と外側継手部材14とが一体に塑性結合される。これにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪1の強度・耐久性を向上させ、かつ長期間その予圧量を維持することができる。さらに、車両への組込性を簡便にすることができるという特徴を有している。
ハブ輪1の外周において、アウトボード側のシール11のシールリップが摺接するシールランド部、内側転走面1a、および小径段部13の表面には高周波焼入れによって硬化層が形成されている。また、拡径される嵌合部20bは、鍛造後の素材表面硬さ24HRC以下の未焼入れ部とし、前記したハブ輪1の凹凸部5の表面硬さ54〜64HRCとの硬度差を30HRC以上に設定するのが好ましい。これにより、嵌合部20bが凹凸部5に容易に、かつ深く食い込み、凹凸部5の先端が潰れることなく強固に両者を塑性結合することができる。
ここで、ナックルN1の内径に嵌合される外方部材7の嵌合面7cの外径をDaとし、等速自在継手3の最大外径、ここでは、マウス部18の外周に装着されたブーツ21の最大外径をDbとしたとき、Da≧Dbに設定されている。これにより、複列の転がり軸受2と等速自在継手3とを予め組み立ててからナックルN1に組み付けることが可能となり、車両への組立の作業性が一段と改善され、また、点検・補修等の作業性も向上する。
特開2001−171308号公報
こうした従来の車輪用軸受装置において、外方部材7の嵌合面7cの外径Daを等速自在継手3の最大外径Dbよりも大きくすることによって、複列の転がり軸受2と等速自在継手3とが一体となった車輪用軸受装置がナックルN1内を通過することができる。さらに、外方部材7の嵌合面7cの外径Daと等速自在継手3の最大外径Dbとの間隙を大きくすれば、その組立作業性を向上させることができるが、これは外方部材7だけでなくナックルN1の重量増加を招き、軽量・コンパクト化された装置としての効果を半減させることになり好ましくない。増してや、インボード側の摺動型等速自在継手(図示せず)がフランジタイプ(図8参照)では、外方部材7の嵌合面7cの外径Da、あるいはナックルN1の内径をこのフランジ外径より大径に設定するのは極めて難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車両への組立作業性を向上させると共に、品質を安定させたアクスルモジュールを提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、懸架装置を構成するナックルに固定される車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、この外方部材に複数の転動体を介して回転自在に支承され、外周に車輪取付フランジと前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面とが形成された内方部材とを備えた車輪用軸受、およびこの車輪用軸受に連結された外側継手部材を有する固定型の等速自在継手と、この等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他端に連結され、外周に放射状に延びる複数の取付フランジが一体に形成され、これら取付フランジを介してデファレンシャルに固定される外側継手部材を有する摺動型の等速自在継手とからなるアクスルモジュールにおいて、前記ナックルに、前記取付フランジを有する外側継手部材の外郭に沿った形状の内周面が形成され、この内周面が、前記一対の等速自在継手の最大外径よりも大径に形成された内径を有する内筒部と、前記取付フランジの外郭に沿った形状をなし、当該取付フランジが通過可能な内接円径を有する複数の切欠き部とからなる構成を採用した。
このように、ナックルに固定される車体取付フランジを有する外方部材と、駆動車輪を取り付ける車輪取付フランジを一体に有する内方部材とを備え、駆動車輪を回転自在に支承する車輪用軸受と、この車輪用軸受に連結された外側継手部材を有する固定型の等速自在継手と、この等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他端に連結され、外周に放射状に延びる複数の取付フランジが一体に形成され、これら取付フランジを介してデファレンシャルに固定される外側継手部材を有する摺動型の等速自在継手とからなるアクスルモジュールにおいて、ナックルに、取付フランジを有する外側継手部材の外郭に沿った形状の内周面が形成され、この内周面が、一対の等速自在継手の最大外径よりも大径に形成された内径を有する内筒部と、取付フランジの外郭に沿った形状をなし、当該取付フランジが通過可能な内接円径を有する複数の切欠き部とからなるので、それぞれの等速自在継手のブーツに傷を付けることなくナックルに対してそれぞれの外側継手部材を容易に内挿することができ、簡便にアクスルモジュールをナックルに組み立てられ足回りのモジュール化を実現することができる。また、そのまま車両組立まで装着しておくこともでき、車両の組立作業性を一層向上させることができる。したがって、品質を安定させたアクスルモジュールを提供することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記切欠き部が、前記取付フランジの外接円径より大径に形成された内接円径を有するので、ナックルに外側継手部材をスムーズに内挿することができる。
また、請求項3に記載の発明は、前記切欠き部が、前記取付フランジの外接円径と略同径あるいは小径に形成された内接円径を有し、かつ前記取付フランジの基部に環状溝が形成されているので、ナックル自体をコンパクト化でき、軽量化を図りつつ強度の低下を抑えることができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記内方部材が、一端に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち一方の内側転走面が形成されたハブ輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち他方の内側転走面が形成された外側継手部材とからなり、硬化した凹凸部が形成された前記ハブ輪の内径に、前記外側継手部材に一体に形成された中空状の軸部が内嵌されると共に、この軸部に形成された嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されているので、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪の強度・耐久性を向上させ、かつ長期間その予圧量を維持することができる。さらに、車両への組込性を簡便にすることができる。
本発明に係るアクスルモジュールは、懸架装置を構成するナックルに固定される車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、この外方部材に複数の転動体を介して回転自在に支承され、外周に車輪取付フランジと前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面とが形成された内方部材とを備えた車輪用軸受、およびこの車輪用軸受に連結された外側継手部材を有する固定型の等速自在継手と、この等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他端に連結され、外周に放射状に延びる複数の取付フランジが形成され、これら取付フランジを介してデファレンシャルに固定される外側継手部材を有する摺動型の等速自在継手とからなり、前記ナックルに、前記取付フランジを有する外側継手部材の外郭に沿った形状の内周面が形成され、この内周面が、前記一対の等速自在継手の最大外径よりも大径に形成された内径を有する内筒部と、前記取付フランジの外郭に沿った形状をなし、当該取付フランジが通過可能な内接円径を有する複数の切欠き部とからなるので、それぞれの等速自在継手のブーツに傷を付けることなくナックルに対して外側継手部材を容易に内挿することができ、簡便にアクスルモジュールをナックルに組み立てられ足回りのモジュール化を実現することができる。また、そのまま車両組立まで装着しておくこともでき、車両の組立作業性を一層向上させることができる。したがって、品質を安定させたアクスルモジュールを提供することができる。
懸架装置を構成するナックルに固定される車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、一端に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち一方の内側転走面と、内周に硬化した凹凸部が形成されたハブ輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち他方の内側転走面と中空状の軸部が形成された等速自在継手の外側継手部材と、前記両転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、前記外側継手部材の軸部が前記ハブ輪に内嵌されると共に、この軸部に形成された嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている内方部材とからなる車輪用軸受、およびこの車輪用軸受に連結された固定型の等速自在継手と、この等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他端に連結され、外周に放射状に延びる複数の取付フランジが形成され、これら取付フランジを介してデファレンシャルに固定される外側継手部材を有する摺動型の等速自在継手とからなり、前記ナックルに、前記外側継手部材の外郭に沿った形状の内周面が形成され、この内周面が、前記一対の等速自在継手の最大外径よりも大径に形成された内径を有する内筒部と、前記取付フランジの外郭に沿った形状をなし、当該取付フランジの外接円径より大径に形成された内接円径を有する複数の切欠き部とからなる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るアクスルモジュールの第1の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の要部拡大図である。
このアクスルモジュールは、エンジンから車輪へ動力を伝達すると共に、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承するものである。なお、このアクスルモジュールの基本構成は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2と固定型の等速自在継手3をユニット化してなる車輪用軸受装置と、等速自在継手3にドライブシャフトD/Sを介して連結された摺動型の等速自在継手22とからなる。車輪用軸受装置は第4世代と呼称される構成を備えており、従来の車輪用軸受装置の一例としてこの図2を用いて説明したので、詳細な説明を省略し、本発明の特徴部分のみを主体に説明する。
固定型となるアウトボード側の等速自在継手3における外側継手部材14は、カップ状のマウス部18と、このマウス部18の底部をなす肩部19と、この肩部19から軸方向に延びる中空の軸部20を有している。マウス部18の内周には軸方向に延びる曲線状の8本のトラック溝18aが形成されると共に、このトラック溝18aに対向する8本のトラック溝15aが継手内輪15の外周に形成されている。そして、これら両トラック溝18a、15a間にトルク伝達ボール17が収容されている。マウス部18の開口側の外周には樹脂製のブーツ21が装着され、マウス部18内に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が継手内に侵入するのを防止している。
なお、ここでは、8個ボールを有するコンパクトタイプの等速自在継手3を例示したが、これに限らず、等速自在継手3の最大外径、本実施形態ではブーツ21の外径Dbが、外方部材7の嵌合面7cの外径Da以下に設定されていれば良く、一般的な6個ボールからなる等速自在継手であっても良い。さらに、等速自在継手3は固定型であれば良く、トラック溝が曲線状のものに限らず、一部直線部を有するトラック溝、所謂アンダーカットフリータイプのような等速自在継手であっても良い。
図1に示すように、ドライブシャフトD/Sの一端は、この等速自在継手3の継手内輪15にセレーション15bを介して内嵌され、他端はディファレンシャル(図示せず)に固定される摺動型の等速自在継手22に連結されている。このインボード側の等速自在継手22は、外側継手部材23と、外周部に3本の脚軸24aが等配に突設されたトリポード部材24と、これらの脚軸24aに針状ころ25を介して回転自在に外挿されたローラ26とを備えている。外側継手部材23は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成された円筒状の外筒部27と、この外筒部27の底部から径方向に延びる取付フランジ28を有している。この取付フランジ28にディファレンシャル(図示せず)に固定するためのねじ孔28aが形成されている。なお、外筒部27は円筒状に限らず、例えば、外周がトラック溝27aに対応した花形形状に形成されたものであっても良い。
また、外筒部27の内周には軸方向に延びる直線状の3本のトラック溝27aが形成され、このトラック溝27a上を前記ローラ26が転動する。外側継手部材23において、トラック溝27aの表面に高周波焼入れ等によって所定の硬化層が形成されている。また、外筒部27の開口側の外周には合成ゴム等からなるブーツ29が装着され、外筒部27内に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が継手内に侵入するのを防止している。なお、ここでは、インボード側の等速自在継手22にトリポード型を例示したが、これに限らず、摺動型の等速自在継手なら良く、他の構造のトリポード型をはじめ、例えば、ボールを使用したダブルオフセット型の等速自在継手(DOJ)であっても良い。
図3は、本実施形態におけるインボード側の外側継手部材23を示す概略図であるが、この外側継手部材23の外筒部27は、トラック溝27a間にその底部から放射状に延びる複数(3本)の取付フランジ28が一体に形成され、これら取付フランジ28の外周部には図示しないデファレンシャルに固定するためのねじ孔28aが形成されている。
また、図4に示すように、ナックルN1には、この外側継手部材23の外郭に沿った形状の内周面30が形成されている。すなわち、この内周面30は、等速自在継手3、22の最大外径Db、Dc(図1参照)よりも僅かに大径に形成された内径D1を有する内筒部30aと、取付フランジ28の外郭に沿った形状をなし、取付フランジ28の外接円径D2より僅かに大径に形成された内接円径D3を有する複数(3つ)の切欠き部30bとからなる。さらに、ナックルN1の切欠き部30b間には、車輪用軸受装置を構成する外方部材7を固定するためのボルト孔31が形成されている。
このように、ナックルN1に、取付フランジ28を有する外側継手部材23の外郭に沿った形状の内周面30が形成され、かつ等速自在継手3、22の最大外径Db、Dcよりも大径の内径D1が形成されているので、それぞれのブーツ21、29に傷を付けることなくナックルN1に対して外側継手部材23を容易に内挿することができ、簡便にアクスルモジュールをナックルN1に組み立てられ足回りのモジュール化を実現することができる。また、そのまま車両組立まで装着しておくこともでき、車両の組立作業性を一層向上させることができる。
なお、本実施形態では、車輪用軸受装置が、ハブ輪1と複列の転がり軸受2と等速自在継手3をユニット化して構成した第4世代構造を例示したが、本発明に係るアクスルモジュールは足回りのモジュール化を実現するものであるから、車輪用軸受装置の構造に拘わらず、例えば、等速自在継手がセレーション等を介して着脱可能に連結されるような第1乃至第3世代構造の車輪用軸受装置であっても良い。
図5は本発明に係るアクスルモジュールにおける外側継手部材を示す一部を断面した正面図、図6(a)は、ナックルを示す断面図、(b)はその正面図である。なお、前述した実施形態と同一部位、同一部品、あるいは同一の機能を有する部位には同じ符号を付けてその詳細な説明を省略する。
この摺動型のインボード側の等速自在継手における外側継手部材33は、その外筒部34の底部から径方向外方に延びる3本の取付フランジ28を有し、これら取付フランジ28の基部には環状溝35が形成されている。また、図6に示すように、ナックルN2には、この外側継手部材33の外郭に沿った形状の内周面36が形成されている。すなわち、この内周面36は、等速自在継手3、22の最大外径Db、Dc(図1参照)よりも僅かに大径に形成された内径D1を有する内筒部30aと、取り付けフランジ28の外郭に沿った形状をなし、取付フランジ28の外接円径D2より僅かに大径に形成された内接円径D4を有する3つの切欠き部36aとからなる。
次に、図7を用いて、ナックルN2内に外側継手部材33を通過させる手順について説明する。
1.(a)に示すように、ナックルN2に対して外側継手部材33を傾斜させた状態で、切欠き部36から取付フランジ28のみを通過させる。
2.次に、ナックルN2の内筒部30aの位置に、外側継手部材33における外筒部34の環状溝35を一致させ、外側継手部材33を偏心させた状態で、ナックルN2の内筒部30aから取付フランジ28に対向する側の外筒部34を通過させる。
3.そして、(b)に示すように、外側継手部材33の傾斜を戻し、ナックルN2と軸心を一致させた状態で、ナックルN2の内筒部30aから外側継手部材33の外筒部24をインボード側(図中右側)に通過させる。
このように、取付フランジ28の基部に環状溝35が形成されているため、前述した実施形態よりもナックルN2に対して外側継手部材33をスムーズに内挿することができ、簡便にアクスルモジュールをナックルN2に組み立てることができる。また、切欠き部36aの内接円径D4は、取付フランジ28の外接円径D2より大径に形成せずとも略同径あるいは小径に形成することが可能となり、ナックルN2自体をコンパクト化でき、軽量化を図りつつ強度の低下を抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係るユニットカバーは、自動車等の動力伝達装置を構成するドライブシャフト、およびこれに連結された等速自在継手に装着され、等速自在継手の保護と取扱い性を向上させるものであって、等速自在継手およびこの等速自在継手に連結される車輪用軸受の構造・仕様に拘わらず、あらゆる動力伝達装置におけるアクスルモジュールに適用することができる。
本発明に係るアクスルモジュールの第1の実施形態を示す縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 同上、本発明に係るアクスルモジュールを構成するインボード側の外側継手部材を示す概略図で、(a)は一部を断面した正面図で、(b)はその側面図である。 (a)は、ナックルを示す断面図である。 (b)は、同上正面図である。 本発明に係るインボード側の外側継手部材における第2の実施形態を示す一部を断面した正面図である。 (a)は、ナックルの第2の実施形態を示す断面図である。 (b)は、同上正面図である。 ナックル内に外側継手部材を通過させる手順を示す説明図で、(a)は、ナックルの切欠き部から外側継手部材の取付フランジのみを通過させた状態を示し、(b)は、ナックルの内筒部から外側継手部材の外筒部を通過させた状態を示している。 車輪用軸受装置を組込んだ動力伝達装置の一例を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・・内側転走面
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3、22・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
6・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
7・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
7a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
7b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
7c・・・・・・・・・・・・・・・嵌合面
8・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
9・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
10・・・・・・・・・・・・・・・保持器
11、12・・・・・・・・・・・・シール
13、20a・・・・・・・・・・・小径段部
14、23、33・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a・・・・・・・・・・トラック溝
15b・・・・・・・・・・・・・・セレーション
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・・・・・・・・・肩部
20・・・・・・・・・・・・・・・軸部
20b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
21、29・・・・・・・・・・・・ブーツ
24・・・・・・・・・・・・・・・トリポード部材
24a・・・・・・・・・・・・・・脚軸
25・・・・・・・・・・・・・・・針状ころ
26・・・・・・・・・・・・・・・ローラ
27、34・・・・・・・・・・・・外筒部
28・・・・・・・・・・・・・・・取付フランジ
28a・・・・・・・・・・・・・・ねじ孔
30、36・・・・・・・・・・・・内周面
30a・・・・・・・・・・・・・・内筒部
30b、36a・・・・・・・・・・切欠き部
31・・・・・・・・・・・・・・・ボルト孔
35・・・・・・・・・・・・・・・環状溝
100・・・・・・・・・・・・・・ドライブシャフト
101・・・・・・・・・・・・・・摺動型等速自在継手
102・・・・・・・・・・・・・・ディファレンシャル
103・・・・・・・・・・・・・・固定型等速自在継手
104・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受装置
105・・・・・・・・・・・・・・車輪
106・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
Da・・・・・・・・・・・・・・・外方部材の嵌合面の外径
Db・・・・・・・・・・・・・・・固定型の等速自在継手の最大外径
Dc・・・・・・・・・・・・・・・摺動型の等速自在継手の最大外径
D1・・・・・・・・・・・・・・・ナックルの内筒部の内径
D2・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材の取付フランジのが外接円径
D3、D4・・・・・・・・・・・・ナックルの切欠き部の内接円径
D/S・・・・・・・・・・・・・・ドライブシャフト
N1、N2・・・・・・・・・・・・ナックル

Claims (4)

  1. 懸架装置を構成するナックルに固定される車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
    この外方部材に複数の転動体を介して回転自在に支承され、外周に車輪取付フランジと前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面とが形成された内方部材とを備えた車輪用軸受、
    およびこの車輪用軸受に連結された外側継手部材を有する固定型の等速自在継手と、
    この等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、
    このドライブシャフトの他端に連結され、外周に放射状に延びる複数の取付フランジが一体に形成され、これら取付フランジを介してデファレンシャルに固定される外側継手部材を有する摺動型の等速自在継手とからなるアクスルモジュールにおいて、
    前記ナックルに、前記取付フランジを有する外側継手部材の外郭に沿った形状の内周面が形成され、この内周面が、前記一対の等速自在継手の最大外径よりも大径に形成された内径を有する内筒部と、前記取付フランジの外郭に沿った形状をなし、当該取付フランジが通過可能な内接円径を有する複数の切欠き部とからなることを特徴とするアクスルモジュール。
  2. 前記切欠き部が、前記取付フランジの外接円径より大径に形成された内接円径を有する請求項1に記載のアクスルモジュール。
  3. 前記切欠き部が、前記取付フランジの外接円径と略同径あるいは小径に形成された内接円径を有し、かつ前記取付フランジの基部に環状溝が形成されている請求項1に記載のアクスルモジュール。
  4. 前記内方部材が、一端に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち一方の内側転走面が形成されたハブ輪と、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面のうち他方の内側転走面が形成された外側継手部材とからなり、硬化した凹凸部が形成された前記ハブ輪の内径に、前記外側継手部材に一体に形成された中空状の軸部が内嵌されると共に、この軸部に形成された嵌合部を拡径させて前記凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている請求項1乃至3いずれかに記載のアクスルモジュール。
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