JP2006273132A - 後輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
分解・組立作業性を向上させると共に、軽量・コンパクト化を図った後輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】
外側継手部材8が、端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ12を一体に有し、このインボード側の基部に、複列の転がり軸受1が当接する肩部13と、これから軸方向に延びる円筒状の小径段部14が形成され、これに複列の転がり軸受1が圧入され、固定ナット16を介して軸方向に固定されて所定の予圧量に管理されると共に、内周に複数の直線状のトラック溝8aが形成されて摺動型の等速自在継手2を構成し、この最大径がナックルの内径よりも小径に設定されていると共に、外側継手部材8のアウトボード側の開口部にパイロット部材18が圧入され、この両側に凹所19a、19bが形成されて柱部19が設けられ、この柱部19が車輪取付フランジ12の真下に位置するように設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両の後輪を回転自在に支承する後輪用軸受装置、特に、車両への組立作業性および補修時の分解作業性を向上させると共に、軽量・コンパクト化を図った後輪用軸受装置に関する。
自動車等の車両のエンジン動力を車輪に伝達する動力伝達装置は、エンジンから車輪へ動力を伝達すると共に、悪路走行時における車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車輪からの径方向や軸方向変位、およびモーメント変位を許容する必要があるため、例えば、図4に示すように、エンジン側と駆動車輪側との間に介装されるドライブシャフト100の一端を、摺動型等速自在継手101を介してディファレンシャル102に連結し、他端を、固定型等速自在継手103を含む車輪用軸受装置104を介して車輪105に連結している。
このような車輪用軸受装置104は、第3世代と呼称される車輪用軸受106と、この車輪用軸受106に着脱自在に連結された固定型等速自在継手103とからなる。近年、この車輪用軸受装置104は、さらに軽量・コンパクト化を狙って、車輪用軸受106と固定型等速自在継手103とをユニット化する、所謂第4世代の構造に移行する傾向にある。
図5は、このような第4世代の車輪用軸受装置の代表的な一例である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図面左側)、中央寄り側をインボード側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は、ハブ輪51と複列の転がり軸受52と等速自在継手53とをユニット化して構成されている。ハブ輪51は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、その円周等配位置にハブボルト56が植設されている。また、ハブ輪51の内周面には凹凸部55が形成され、熱処理によって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化層が形成されている。
複列の転がり軸受52は、外方部材57と内方部材58と複列のボール59、59とを備えている。外方部材57は、外周に懸架装置(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ57bを一体に有し、内周には複列の外側転走面57a、57aが形成されている。一方、内方部材58は、ハブ輪51と、このハブ輪51の小径段部51bに突合せ状態に内嵌された外側継手部材63とからなり、この外側継手部材63の外周にインボード側の内側転走面63aが形成されている。ハブ輪51の外周には、アウトボード側の内側転走面51aが形成され、複列のボール59、59がこれら転走面57a、51aと57a、63a間にそれぞれ収容され、保持器60、60で転動自在に保持されている。また、複列の転がり軸受52の端部にはシール61、62が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
等速自在継手53は、外側継手部材63と継手内輪64とケージ65およびトルク伝達ボール66とを備えている。外側継手部材63は、カップ状のマウス部67と、このマウス部67の底部をなす肩部68と、この肩部68から軸方向に延びる中空の軸部69を有している。この軸部69の外周には、前記ハブ輪51の小径段部51bに内嵌されるインロウ部69aと、このインロウ部69aからさらに軸方向に延びる嵌合部69bが形成されている。そして、外側継手部材63の軸部69をハブ輪51に内嵌すると共に、軸部69の内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部69bを拡径し、嵌合部69bをハブ輪51の凹凸部55に食い込ませて加締め、ハブ輪51と外側継手部材63とが一体に塑性結合されている。これによりアクスル部のモジュール化を達成することができる。
特開2001−18605号公報
しかし、市場ニーズとして、軸受部と等速自在継手とが分離可能、すなわち、軸受部が予めサブユニット化され、組立工程で等速自在継手およびドライブシャフトと容易にユニット化できると共に、市場における補修点検時に、ユニット交換ではなく不具合のある一部の部品を交換することができる車輪用軸受装置が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、分解・組立作業性を向上させると共に、軽量・コンパクト化を図った後輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、懸架装置を構成するナックルに対して後輪を回転自在に支承する複列の転がり軸受と、この複列の転がり軸受が着脱可能に固定された外側継手部材とを備えた後輪用軸受装置において、前記複列の転がり軸受が、前記外側継手部材に締結された固定ナットで軸方向に固定されて所定の予圧量に管理されると共に、前記外側継手部材が、内周に複数の直線状のトラック溝が形成されて摺動型の等速自在継手を構成し、この等速自在継手の最大径が前記ナックルの内径よりも小径に設定されている構成を採用した。
このように、ナックルに対して、後輪を回転自在に支承する複列の転がり軸受と、この複列の転がり軸受が着脱可能に固定された外側継手部材とを備えた後輪用軸受装置において、複列の転がり軸受が、外側継手部材に締結された固定ナットで軸方向に固定されて所定の予圧量に管理されると共に、外側継手部材が、内周に複数の直線状のトラック溝が形成されて摺動型の等速自在継手を構成し、この等速自在継手の最大径がナックルの内径よりも小径に設定されているので、装置の軽量・コンパクト化によってばね下重量を格段に低減することができ、車両の操安性を向上させることができる。また、補修時等、後輪用軸受装置が懸架装置に固定された状態においても、容易に複列の転がり軸受と等速自在継手とを分離することができ、複列の転がり軸受、外側継手部材およびトリポードキットのみの交換ができる。また、車両への組立時においても、複列の転がり軸受とドライブシャフトを含む等速自在継手とをユニット化した状態で懸架装置に組み立てることもでき、装置の分解・組立性を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記外側継手部材が、アウトボード側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジのインボード側の基部に、前記複列の転がり軸受が当接する肩部と、この肩部から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されると共に、前記外側継手部材のアウトボード側の開口部にパイロット部材が圧入され、このパイロット部材の両側に凹所が形成されて柱部が設けられ、この柱部が前記車輪取付フランジの真下に位置するように設定されていれば、外側継手部材の剛性が向上し、車両の旋回時にモーメント荷重等が負荷されても変形を抑制することができる。
好ましくは、請求項3に記載の発明のように、前記外側継手部材の内周に段部が形成され、この段部と前記パイロット部材とで挟持された状態で、断面が略コの字状に形成されたエンドキャップが装着されていれば、外側継手部材内に封入されたグリースの漏洩を防止すると共に、ドライブシャフトの移動を所定量に規制することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記パイロット部材が、前記外側継手部材との嵌合部にリング状のクリップを介して軸方向に位置決めされていても良いし、また、請求項5に記載の発明のように、前記パイロット部材の外周に突条が形成されると共に、この突条に係合する環状凹所が前記外側継手部材の開口部に形成され、溶接によって前記パイロット部材が前記外側継手部材に接合されていても良い。
本発明に係る後輪用軸受装置は、懸架装置を構成するナックルに対して、後輪を回転自在に支承する複列の転がり軸受と、この複列の転がり軸受が着脱可能に固定された外側継手部材とを備えた後輪用軸受装置において、前記複列の転がり軸受が、前記外側継手部材に締結された固定ナットで軸方向に固定されて所定の予圧量に管理されると共に、前記外側継手部材が、内周に複数の直線状のトラック溝が形成されて摺動型の等速自在継手を構成し、この等速自在継手の最大径が前記ナックルの内径よりも小径に設定されているので、装置の軽量・コンパクト化によるばね下重量を格段に低減することができ、車両の操安性を向上させることができる。また、補修時等、後輪用軸受装置が懸架装置に固定された状態においても、容易に複列の転がり軸受と等速自在継手とを分離することができ、複列の転がり軸受、外側継手部材およびトリポードキットのみの交換ができる。また、車両への組立時においても、複列の転がり軸受とドライブシャフトを含む等速自在継手とをユニット化した状態で懸架装置に組み立てることもでき、装置の分解・組立性を向上させることができる。
懸架装置を構成するナックルに対して、後輪を回転自在に支承する複列の転がり軸受と、この複列の転がり軸受が着脱可能に固定された外側継手部材とを備えた後輪用軸受装置において、前記外側継手部材が、アウトボード側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジのインボード側の基部に、前記複列の転がり軸受が当接する肩部と、この肩部から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成され、この小径段部に前記複列の転がり軸受が圧入され、固定ナットを介して軸方向に固定されて所定の予圧量に管理されると共に、前記外側継手部材が、内周に複数の直線状のトラック溝が形成されて摺動型の等速自在継手を構成し、この等速自在継手の最大径が前記ナックルの内径よりも小径に設定されていると共に、前記外側継手部材のアウトボード側の開口部にパイロット部材が圧入され、このパイロット部の両側に凹所が形成されて柱部が設けられ、この柱部が前記車輪取付フランジの真下に位置するように設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る後輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。
この後輪用軸受装置は、複列の転がり軸受1と摺動型の等速自在継手2とで構成され、複列の転がり軸受1は、外方部材3と一対の内輪4、4と複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。
外方部材3は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に懸架装置(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ3bを一体に有し、内周に複列の外側転走面3a、3aが形成されている。これら複列の外側転走面3a、3aは、熱処理によって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。熱処理としては、局部加熱ができ、硬化層深さの設定が比較的容易にできる高周波誘導加熱による焼入れが好適である。
一方、内輪4は、SUJ2等の高炭素クロム鋼からなり、外周に前記外側転走面3a、3aに対向する内側転走面4aが形成されている。この内輪4は、ズブ焼入れによって芯部まで58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。そして、複列の転動体5、5がこれら両転走面3a、4a間にそれぞれ収容され、保持器6、6で転動自在に保持されている。また、外方部材3と内輪4間に形成される環状空間の開口部にはシール7、7が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。なお、ここでは、複列の転がり軸受1の転動体5にボールを使用した複列アンギュラ玉軸受を例示したが、これに限らず、例えば、転動体に円錐ころを用いた複列円錐ころ軸受であっても良い。
等速自在継手2は、外側継手部材8と、ドライブシャフトD/Sの端部にセレーション(またはスプライン)を介して装着され、外周部に径方向外方に延びる3本の脚軸9aが等配に突設されたトリポード部材9と、これらの脚軸9aに針状ころ10を介して回転自在に外挿されたローラ11とを備え、トリポード型の等速自在継手を構成している。
外側継手部材8は、アウトボード側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ12を一体に有し、この車輪取付フランジ12のインボード側の基部に、複列の転がり軸受1の内輪4が当接する肩部13と、この肩部13から軸方向に延びる円筒状の小径段部14が形成されている。車輪取付フランジ12の円周等配位置にはハブボルト12aが植設されている。
外側継手部材8の内周には軸方向に延びる直線状の3本のトラック溝8aが形成され、このトラック溝8a上をローラ11が転動する。また、小径段部14のインボード側端部には合成ゴム等からなるブーツ15が装着され、外側継手部材8内に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が継手内に侵入するのを防止している。なお、ここでは、等速自在継手2にトリポード型を例示したが、これに限らず、摺動型の等速自在継手なら良く、他の構造のトリポード型をはじめ、例えば、ボールを使用したダブルオフセット型の等速自在継手(DOJ)であっても良い。
ここで、外側継手部材8の小径段部14に前記複列の転がり軸受1が所定のシメシロを介して圧入されると共に、その端部に形成されたねじ部14aに固定ナット16が螺着され、複列の転がり軸受1が所定の予圧量に管理されている。なお、符号17は、固定ナット6の弛みを防止するための鋼板製のワッシャである。
外側継手部材8はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、トラック溝8aの表面および肩部13から小径段部14に亙って表面に高周波焼入れ等によって所定の硬化層が形成されている。これにより、車輪取付フランジ12に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、外側継手部材8の耐久性が向上する。
また、外側継手部材8のアウトボード側の開口部にはパイロット部材18が圧入されている。このパイロット部材18は、その両側に軽量化のための凹所19a、19bを有し、略中央部に柱部19が形成されている。この柱部19は、車輪取付フランジ12と軸方向に略同じ位置になるように設定されている。すなわち、柱部19が車輪取付フランジ12の略真下に位置するようにパイロット部材18が内嵌されている。これによって外側継手部材8の剛性が向上し、車両の旋回時にモーメント荷重等が負荷されても変形を抑制することができる。なお、パイロット部材18は、外側継手部材8との嵌合部に装着されたクリップ20によって軸方向の移動が防止されている。
また、外側継手部材8の内周には段部21が形成され、この段部21とパイロット部材18とで挟持された状態でエンドキャップ22が装着されている。このエンドキャップ22は、鋼板をプレス加工によって断面が略コの字状に形成され、外側継手部材8内に封入されたグリースの漏洩を防止すると共に、前記ドライブシャフトD/Sの移動を規制している。
例えば、FR(フロントエンジン、リアドライブ)車の後輪側のように、操舵を伴わない後輪用軸受装置においては、アウトボード側の等速自在継手2の作動角は、4WS(4輪操舵)車であっても、操舵側(前輪)の46〜50°に対し、精々23°と小さくて良い。したがって、従来のように許容作動角が大きなゼッパー型等の固定型の等速自在継手を使用しなくても、本実施形態のように、コンパクトなトリポード型等の摺動型の等速自在継手で充分適用が可能である。
このように、本発明に係る後輪用軸受装置は、複列の転がり軸受1と摺動型の等速自在継手2で構成され、外側継手部材8に車輪取付フランジ12が一体に形成されると共に、複列の転がり軸受1が外周に装着されているので、装置の軽量・コンパクト化によるばね下重量を格段に低減することができ、車両の操安性を向上させることができる。また、補修時等、アウトボード側のブーツ15の大径側を取外すことにより、後輪用軸受装置が懸架装置に固定された状態においても、容易にアウトボード側の複列の転がり軸受1とドライブシャフトD/Sとを分離することができる。また、これにより、複列の転がり軸受1、外側継手部材8およびトリポードキットのみの交換ができ、分解・組立性を向上させることができる。
図2は、本発明に係る後輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態は前述したものとパイロット部材の固定方法が異なるのみで、その他同一部品同一部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
外側継手部材8’のアウトボード側の開口部にはパイロット部材18’が内嵌されている。このパイロット部材18’の外周には位置決め用の突条23が形成され、外側継手部材8’のアウトボード側の端部に形成された環状凹所24に係合している。そして、溶接によってパイロット部材18’が外側継手部材8’に接合されている。これにより、パイロット部材18’の移動が阻止されると共に、外部からの雨水やダスト等が外側継手部材8’内に侵入するのを確実に防止することができる。
図3は、本発明に係る後輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。この実施形態は前述した第1および第2の実施形態と複列の転がり軸受と外側継手部材の構成が異なり、その他同一部品同一部位、また同一機能を有する部品、部位には同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
この後輪用軸受装置は、複列の転がり軸受25と摺動型の等速自在継手26とで構成され、複列の転がり軸受25は、ハブ輪27と、このハブ輪27に圧入固定された内輪4とからなる内方部材28と、この内方部材28に複列の転動体5、5を介して外挿された外方部材3とを備えている。
ハブ輪27はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウトボード側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ29を有し、外周に外方部材3の複列の外側転走面3a、3aに対向する一方(アウトボード側)の内側転走面27aと、この内側転走面27aから軸方向に延びる円筒状の小径段部27bが形成されている。また、内周にはセレーション(またはスプライン)27cが形成されている。そして、アウトボード側のシール7’が摺接するシールランド部から内側転走面27aおよび小径段部27bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、車輪取付フランジ29の基部となるシールランド部は耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ29に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪27の耐久性が一層向上する。
内輪4はSUJ2等の高炭素クロム鋼からなり、外周に前記外側転走面3a、3aに対向する他方(インボード側)の内側転走面4aが形成されている。この内輪4は、ハブ輪27の小径段部27bに所定のシメシロを介して圧入固定され、第3世代を構成している。そして、複列の転動体5、5がこれら両転走面3a、27a、3a、4a間にそれぞれ収容され、保持器6、6で転動自在に保持されている。また、外方部材3と内方部材28間に形成される環状空間の開口部にはシール7’、7が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部からの雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
等速自在継手26は、外側継手部材30と、ドライブシャフトD/Sの端部にセレーション(またはスプライン)を介して装着され、外周部に径方向外方に延びる3本の脚軸9aが等配に突設されたトリポード部材9と、これらの脚軸9aに針状ころ10を介して回転自在に外挿されたローラ11とを備え、トリポード型の等速自在継手を構成している。
外側継手部材30はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成され、円筒状の外筒部31と、この外筒部31の底部をなす肩部32と、この肩部32から軸方向に延びる軸部33が一体に形成されている。この軸部33は、ハブ輪27の小径段部27bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部33aと、このインロウ部33aからアウトボード側に亙ってセレーション(またはスプライン)33b、およびその端部にねじ部14aがそれぞれ形成されている。また、外筒部31の内周に軸方向に延びる直線状の3本のトラック溝8aが形成され、このトラック溝8aの表面および肩部32から軸部33に亙って表面に高周波焼入れ等によって所定の硬化層が形成されている。
ここで、外側継手部材30の軸部33に複列の転がり軸受25がセレーション27c、33bを介して外嵌されている。そして、内輪4と外側継手部材30の肩部32とが突き合わせ状態でねじ部14aに固定ナット16が緊締され、複列の転がり軸受25が所定の予圧量に管理されている。また、アウトボード側の等速自在継手に摺動型の等速自在継手26を使用しているため、その最大外径が懸架装置(ナックル)の内径よりも小径に設定することが容易にできる。
このように、本実施形態においても、後輪用軸受装置は、前述した実施形態と同様、複列の転がり軸受25と摺動型の等速自在継手26で構成され、装置の軽量・コンパクト化によってばね下重量を格段に低減することができ、車両の操安性を向上させることができる。また、補修時等、摺動型の等速自在継手26およびインボード側の等速自在継手(図示せず)のスライドにより、後輪用軸受装置が懸架装置に固定された状態においても、容易に複列の転がり軸受25と等速自在継手26とを分離することができる。また、等速自在継手26の最大外径がナックルの内径よりも小径に設定されているので、車両への組立時において、複列の転がり軸受25とドライブシャフトD/Sを含む等速自在継手26とをユニット化した状態で懸架装置に組み立てることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る後輪用軸受装置は、複列の転がり軸受および摺動型の等速自在継手の構成に拘わらず、駆動側の後輪を回転自在に支承する軸受装置に適用することができる。
本発明に係る後輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る後輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る後輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図である。 車輪用軸受装置を組込んだ動力伝達装置の一例を示す縦断面図である。 従来の4世代構造の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1、25・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
2、26・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
3・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
3a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
3b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
4・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
4a、27a・・・・・・・・・・・内側転走面
5・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
6・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
7、7’・・・・・・・・・・・・・シール
8、8’、30・・・・・・・・・・外側継手部材
9・・・・・・・・・・・・・・・・トリポード部材
9a・・・・・・・・・・・・・・・脚軸
10・・・・・・・・・・・・・・・針状ころ
11・・・・・・・・・・・・・・・ローラ
12、29・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
12a・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
13、32・・・・・・・・・・・・肩部
14、27b・・・・・・・・・・・小径段部
14a・・・・・・・・・・・・・・ねじ部
15・・・・・・・・・・・・・・・ブーツ
16・・・・・・・・・・・・・・・固定ナット
17・・・・・・・・・・・・・・・ワッシャ
18、18’・・・・・・・・・・・パイロット部材
19・・・・・・・・・・・・・・・柱部
19a、19b・・・・・・・・・・凹所
20・・・・・・・・・・・・・・・クリップ
21・・・・・・・・・・・・・・・段部
22・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
23・・・・・・・・・・・・・・・突条
24・・・・・・・・・・・・・・・環状凹所
27・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
27c、33b・・・・・・・・・・セレーション
28・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
31・・・・・・・・・・・・・・・外筒部
33・・・・・・・・・・・・・・・軸部
33a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
51・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
51a、63a・・・・・・・・・・内側転走面
51b・・・・・・・・・・・・・・小径段部
52・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
53・・・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
54・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
56・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
57・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
57a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
57b・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
58・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
59・・・・・・・・・・・・・・・ボール
60・・・・・・・・・・・・・・・保持器
61、62・・・・・・・・・・・・シール
63・・・・・・・・・・・・・・・外側継手部材
64・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
65・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
66・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
67・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
68・・・・・・・・・・・・・・・肩部
69・・・・・・・・・・・・・・・軸部
69a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
69b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
100・・・・・・・・・・・・・・ドライブシャフト
101・・・・・・・・・・・・・・摺動型等速自在継手
102・・・・・・・・・・・・・・ディファレンシャル
103・・・・・・・・・・・・・・固定型等速自在継手
104・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受装置
105・・・・・・・・・・・・・・車輪
106・・・・・・・・・・・・・・車輪用軸受
D/S・・・・・・・・・・・・・・ドライブシャフト

Claims (5)

  1. 懸架装置を構成するナックルに対して後輪を回転自在に支承する複列の転がり軸受と、
    この複列の転がり軸受が着脱可能に固定された外側継手部材とを備えた後輪用軸受装置において、
    前記複列の転がり軸受が、前記外側継手部材に締結された固定ナットで軸方向に固定されて所定の予圧量に管理されると共に、
    前記外側継手部材が、内周に複数の直線状のトラック溝が形成されて摺動型の等速自在継手を構成し、この等速自在継手の最大径が前記ナックルの内径よりも小径に設定されていることを特徴とする後輪用軸受装置。
  2. 前記外側継手部材が、アウトボード側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、この車輪取付フランジのインボード側の基部に、前記複列の転がり軸受が当接する肩部と、この肩部から軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されると共に、前記外側継手部材のアウトボード側の開口部にパイロット部材が圧入され、このパイロット部材の両側に凹所が形成されて柱部が設けられ、この柱部が前記車輪取付フランジの真下に位置するように設定されている請求項1に記載の後輪用軸受装置。
  3. 前記外側継手部材の内周に段部が形成され、この段部と前記パイロット部材とで挟持された状態で、断面が略コの字状に形成されたエンドキャップが装着されている請求項2に記載の後輪用軸受装置。
  4. 前記パイロット部材が、前記外側継手部材との嵌合部にリング状のクリップを介して軸方向に位置決めされている請求項2または3に記載の後輪用軸受装置。
  5. 前記パイロット部材の外周に突条が形成されると共に、この突条に係合する環状凹所が前記外側継手部材の開口部に形成され、溶接によって前記パイロット部材が前記外側継手部材に接合されている請求項2または3に記載の後輪用軸受装置。
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KR101867686B1 (ko) * 2016-08-26 2018-06-14 현대위아 주식회사 하우징 일체형 액슬
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KR20200080064A (ko) * 2018-12-26 2020-07-06 주식회사 일진글로벌 차량용 휠베어링

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