JP2007162826A - 車輪用軸受装置およびこれを備えたアクスルモジュール - Google Patents

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Hiroshi Kawamura
浩志 河村
Shigeaki Fukushima
茂明 福島
Kiyoshige Yamauchi
清茂 山内
Hitohiro Ozawa
仁博 小澤
Hikari Umekida
光 梅木田
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Abstract

【課題】軽量・コンパクト化と共に、高剛性化と耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置およびこれを備えたアクスルモジュールを提供する。
【解決手段】外側継手部材14の内径に硬化した凹凸部11が形成され、ハブ輪1の嵌合部1cを拡径させてこの凹凸部11に食い込ませ、ハブ輪1と外側継手部材14とが塑性結合によりユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置において、複列のボールのうちインナー側のボール6bのピッチ円直径PCDiがアウター側のボール6aのピッチ円直径PCDoよりも大径に設定されると共に、複列のボール6a、6bが同じサイズで、かつインナー側のボール6bの個数がアウター側の個数よりも多く設定されている。これにより、軽量・コンパクト化を図れると共に、軸受剛性の増大と軸受の長寿命化を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、軽量・コンパクト化と共に、高剛性化と耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置およびこれを備えたアクスルモジュールに関するものである。
自動車等の車輪を回転自在に支承する車輪用軸受装置は、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から、外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方の内側転走面が一体に形成された第3世代、さらにこのハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側転走面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。
図3に示す車輪用軸受装置は、軽量・コンパクト化を図った第3世代構造で、ハブ輪50と複列の転がり軸受51および等速自在継手52とがユニット化して構成されている。複列の転がり軸受51は、外方部材53と内方部材54と、両部材間に収容された複列のボール55、55とを備えている。
外方部材53は、外周に図示しない懸架装置を構成するナックルに取り付けられる車体取付フランジ53cを一体に有し、内周に複列の外側転走面53a、53bが形成されている。ここで、アウター側の内側転走面53aの直径は、インナー側の内側転走面53bの直径よりも小径に設定されている。一方、内方部材54は、ハブ輪50と、このハブ輪50と一体に構成された後述する外側継手部材58と、この外側継手部材58に圧入された別体の内輪56とを有している。
ハブ輪50は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ57を一体に有し、外周に複列の外側転走面53a、53bに対向する一方(アウター側)の内側転走面50aが直接形成されると共に、内輪56の外周には複列の外側転走面53a、53bに対向する他方(インナー側)の内側転走面56aが形成されている。これにより、アウター側の内側転走面50aの直径が、インナー側の内側転走面56aの直径よりも小径に設定されている。
等速自在継手52は、カップ状のマウス部59と、このマウス部59の底部をなす肩部60とからなる外側継手部材58を有し、この外側継手部材58の内周には曲線状のトラック溝58aが形成されている。内輪56はマウス部59の外径に圧入され、止め輪61によって軸方向に固定されている。
外方部材53と内方部材54の両転走面間には複列のボール55、55が転動自在に収容されている。これら複列のボール55、55のうちアウター側のボール55のピッチ円直径は、インナー側のボール55のピッチ円直径よりも小さく設定されている。これにより、外方部材53のアウター側の外径を小さくすることができ、ハブ輪50の車輪取付フランジ57を小さくできて軽量・コンパクト化を図ることができる(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、このような車輪用軸受装置にあっては、外側継手部材58のマウス部59に内輪56が固定される構造のため、軸方向には確かにコンパクト化されるが、外方部材53の外径自体が大きくなり、軽量化を阻害するだけでなく、ナックルをはじめとする周辺部品の設計変更を伴い好ましくない。こうした問題を解決したものとして、図4に示す車輪用軸受装置が知られている。この車輪用軸受装置は第4世代構造と称され、ハブ輪62と複列の転がり軸受63および等速自在継手64とがユニット化して構成されている。複列の転がり軸受63は、外方部材65と内方部材66と、両部材間に収容された複列のボール67、67とを備えている。
外方部材65は、外周に図示しない懸架装置を構成するナックルに取り付けられる車体取付フランジ65bを一体に有し、内周に複列の外側転走面65a、65aが形成されている。一方、内方部材66は、ハブ輪62と、このハブ輪62に内嵌された後述する外側継手部材71とを有している。
ハブ輪62は、一端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ68を一体に有し、外周に複列の外側転走面65a、65aに対向する一方(アウター側)の内側転走面62aと、この内側転走面62aから軸方向に延びる円筒状の小径段部62bが形成されている。車輪取付フランジ68の周方向等配にはハブボルト69が植設されている。そして、アウター側のシール78が摺接するシールランド部から内側転走面62aおよび小径段部62bに亙って高周波焼入れによって表面が所定の硬さに硬化処理されている。
また、ハブ輪62の内周には凹凸部70が形成され、高周波焼入れによって表面が所定の硬さに硬化処理されている。凹凸部70はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝からなる。
等速自在継手64は、外側継手部材71と継手内輪72、ケージ73、およびトルク伝達ボール74とからなる。外側継手部材71は、カップ状のマウス部75と、このマウス部75の底部をなす肩部76と、この肩部76から軸方向に延びる円筒状の軸部77が一体に形成されている。この軸部77は、ハブ輪62の小径段部62bに所定の径方向すきまを介して円筒嵌合するインロウ部77aと、このインロウ部77aの端部に嵌合部77bがそれぞれ形成されている。
肩部76の外周には、外方部材65の複列の外側転走面65a、65aに対向する他方(インナー側)の内側転走面71aが形成されている。そして、インナー側のシール79が嵌合する外周面から内側転走面71aおよび軸部77に亙って高周波焼入れによって表面が所定の硬さに硬化処理されている。ここで、嵌合部77bは鍛造後の生のままとされている。
ハブ輪62と複列の転がり軸受63および等速自在継手64の組立は、まず、外方部材65の複列の外側転走面65a、65aにそれぞれ保持器80を介してボール67が仮組みされる。次に、ハブ輪62の小径段部62bの端面に外側継手部材71の肩部76が衝合され、突合せ状態になるまでハブ輪62に軸部77が内嵌される。さらに、この軸部77における嵌合部77bの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部77bを拡径し、この嵌合部77bをハブ輪62の凹凸部70に食い込ませて加締め、ハブ輪62と外側継手部材71とを一体に塑性結合させることによって行われる。こうした第4世代構造により軽量・コンパクト化が図れると共に、緩みのない結合部を備えた車輪用軸受装置を得ることができる(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−151904号公報 特開2004−76872号公報
然しながら、近年、車両の燃費向上とばね下重量軽量化による運動性能向上のため、さらなる軽量化が求められている。また、大きなモーメント荷重等が負荷されても充分な強度・耐久性を発揮すると共に、安定した走行のために軸受剛性を高めることが望まれる。こうした従来の車輪用軸受装置において、車両の燃費向上やばね下重量軽量化による運動性能の向上のために軽量・コンパクト化を図りつつ、さらに耐久性と共に軸受剛性を高めることが望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量・コンパクト化と共に、高剛性化と耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することを目的としている。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1記載の発明は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成され、外周に車体取付フランジと、この車体取付フランジのインナー側に相手部材との嵌合に供される基準面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部および嵌合部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に外嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボール群とを備え、前記外側継手部材の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記ハブ輪の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている車輪用軸受装置において、前記複列のボール群のうちインナー側のボール群のピッチ円直径がアウター側のボール群のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、インナー側のボール群のボールの個数がアウター側のボール群のボールの個数よりも多く設定されている構成を採用した。
このように、等速自在継手を構成する外側継手部材の内径に硬化した凹凸部が形成され、ハブ輪の嵌合部を拡径させてこの凹凸部に食い込ませ、ハブ輪と外側継手部材とが塑性結合によりユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置において、複列のボール群のうちインナー側のボール群のピッチ円直径がアウター側のボール群のピッチ円直径よりも大径に設定されることで、軸方向寸法の増大なしに、軸受スパン(両転走面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)の増大を図ることができる。加えて、インナー側のボール群のボールの個数がアウター側のボールの個数よりも多く設定されるので、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、軸受剛性の増大が図れる。また、インナー側のボール群のボールの個数が多くなることで、軸受の負荷容量が増大し、軸受の長寿命化を図ることができる。したがって、高剛性化と耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、外側継手部材において、従来のような軸部を廃止して形状が簡素化できるため鍛造が容易になると共に、さらに鍛造性が良好な肌焼鋼を使用し、浸炭焼入れによって硬化処理をすることもできるため、材料選択の自由度が高くなる。
好ましくは、請求項2に記載の発明のように、前記複列のボール群のボールが同じサイズであれば、組立工程における誤組みの問題を解消でき、製造コストが低減できると共に、品質の信頼性が向上する。
また、請求項3に記載の発明のように、請求項1または2に記載の車輪用軸受装置を備え、前記アウトボード側の等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他端に連結されたインボード側の等速自在継手とからなるアクスルモジュールであれば、ばね下重量の軽量化を図ると共に、車両への分解・組立が簡便化できる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記外方部材の基準面の外径が前記等速自在継手の最大外径よりも大径に設定されていれば、懸架装置を構成するナックルに対してアクスルモジュールを容易に嵌挿でき、ブーツ等がナックルに干渉して傷付くことなく組み立てることができる。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成され、外周に車体取付フランジと、この車体取付フランジのインナー側に相手部材との嵌合に供される基準面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部および嵌合部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に外嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボール群とを備え、前記外側継手部材の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記ハブ輪の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている車輪用軸受装置において、前記複列のボール群のうちインナー側のボール群のピッチ円直径がアウター側のボール群のピッチ円直径よりも大径に設定されることで、軸方向寸法の増大なしに、軸受スパン(両転走面に加わる力の作用方向の作用線と軸心との交点の間隔)の増大を図ることができる。加えて、インナー側のボールの個数がアウター側の個数よりも多く設定されるので、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、軸受剛性の増大が図れる。また、インナー側のボールの個数が多くなることで、軸受の負荷容量が増大し、軸受の長寿命化を図ることができる。したがって、高剛性化と耐久性の向上を図った第4世代構造の車輪用軸受装置を提供することができる。さらに、外側継手部材において、従来のような軸部を廃止して形状が簡素化できるため鍛造が容易になると共に、さらに鍛造性が良好な肌焼鋼を使用し、浸炭焼入れによって硬化処理をすることもできるため、材料選択の自由度が高くなる。
ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成され、外周に車体取付フランジと、この車体取付フランジのインナー側に相手部材との嵌合に供される基準面が形成された外方部材と、一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部および嵌合部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に外嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボール群とを備え、前記外側継手部材の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記ハブ輪の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている車輪用軸受装置において、前記複列のボール群のうちインナー側のボール群のピッチ円直径がアウター側のボール群のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、前記複列のボール群のボールが同じサイズで、かつインナー側のボール群のボールの個数がアウター側のボール群のボールの個数よりも多く設定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、図2は、図1の車輪用軸受装置が適用されたアクスルモジュールを示す縦断面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側をインナー側(図面右側)という。
この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3とがユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、外方部材4と内方部材5と複列のボール6a、6bとを備えている。内方部材5は、ハブ輪1と、このハブ輪1に内嵌された後述する外側継手部材14とからなる。
外方部材4は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ4cを一体に有し、内周に円弧状の複列の外側転走面4a、4bが形成されている。この複列の外側転走面4a、4bは、高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
一方、ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、アウター側の端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジ7を有し、この車輪取付フランジ7の周方向等配に複数のハブボルト8が植設されている。また、ハブ輪1の外周には、前記複列の外側転走面4a、4bに対向する一方(アウター側)の円弧状の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小径段部1bおよび端部に嵌合部1cが形成されている。そして、アウター側のシール10が摺接するシールランド部7aから内側転走面1aおよび小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。これにより、車輪取付フランジ7の基部となるシールランド部7aの耐摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付フランジ7に負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性が向上する。なお、ここで、嵌合部1cは鍛造後の生のままとされている。
等速自在継手3は、外側継手部材14と継手内輪15、ケージ16、およびトルク伝達ボール17とからなる。外側継手部材14はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼からなり、カップ状のマウス部18と肩部19が一体に形成されている。マウス部18の内周には曲線部を有する軸方向に延びるトラック溝18aが形成されると共に、継手内輪15の外周にこのトラック溝18aに対応するトラック溝15aが形成されている。そして、これら両トラック溝18a、15a間にケージ16を介してトルク伝達ボール17が収容されている。また、肩部19の外周には、前記複列の外側転走面4a、4bに対向する他方(インナー側)の円弧状の内側転走面14aと、この内側転走面14aから軸方向に延び、ハブ輪1の小径段部1bに所定の径方向すきまを介して外嵌される小径段部14bが形成されている。そして、トラック溝18aと、インナー側のシール10が嵌合する外周面から内側転走面14aおよび小径段部14bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。
また、肩部19の内周には凹凸部11が形成され、高周波焼入れによって表面硬さを54〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、凹凸部11はアヤメローレット状に形成され、旋削等により独立して形成された複数の環状溝と、ブローチ加工等により形成された複数の軸方向溝とを略直交させて構成した交叉溝、あるいは、互いに傾斜した螺旋溝で構成した交叉溝からなる。また、凹凸部11の凸部は良好な食い込み性を確保するために、その先端部が三角形状等の尖塔形状に形成されている。
外方部材4の複列の外側転走面4a、4bと、これらに対向する複列の内側転走面1a、14a間には複列のボール6a、6bが収容され、保持器9a、9bによって転動自在に保持されている。また、外方部材4の端部にはシール10、10が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。これらの複列の転がり軸受2は、両転走面4a、1aおよび4b、14aに加わる力の作用方向の作用線が軸心に向うほど軸方向に離反する、所謂背面合せタイプの複列アンギュラ玉軸受を構成している。
次に、ハブ輪1と複列の転がり軸受2および等速自在継手3のユニット化の方法について詳細に説明する。
まず、外方部材4の複列の外側転走面4a、4bに保持器9a、9bを介して複列の転動体6a、6bが仮組みされると共に、外方部材4の両端部にシール10、10が装着される。次に、外方部材4の両側からハブ輪1と外側継手部材14が内挿され、ハブ輪1の肩部20に外側継手部材14の小径段部14bの端面が衝合され、突合せ状態になるまでハブ輪1に外側継手部材14の肩部19が外嵌される。そして、ハブ輪1の嵌合部1cの内径にマンドレル等の拡径治具を押し込んで嵌合部1cを拡径し、この嵌合部1cを肩部19の凹凸部11に食い込ませて加締め、ハブ輪1と外側継手部材14とが一体に塑性結合されて完了する。これにより、従来のようにナット等で強固に緊締して予圧量を管理する必要がないため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、ハブ輪1の強度・耐久性を向上させ、かつ長期間その予圧量を維持することができる。なお、ハブ輪1の嵌合部1cにはエンドキャップ12が装着され、マウス部18に装着されたブーツ13と共に、マウス部18内に封入されたグリースの外部への漏洩と、外部からマウス部18内に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
本実施形態では、外側継手部材14の肩部19に硬化した凹凸部11が形成され、ハブ輪1の嵌合部1cを拡径させてこの凹凸部11に食い込ませて塑性結合するようにしたので、外側継手部材14において、従来のような軸部を廃止して形状が簡素化できるため鍛造が容易になると共に、さらに鍛造性が良好なSCR415等の肌焼鋼を使用し、浸炭焼入れによって硬化処理をすることもできるため、材料選択の自由度が高くなる。
ここで、本実施形態では、インナー側のボール6bのピッチ円直径PCDiがアウター側のボール6aのピッチ円直径PCDoよりも大径に設定されている。これら複列のボール6a、6bの外径は同じであるが、このピッチ円直径PCDo、PCDiの違いにより、インナー側のボール6bの個数がアウター側のボール6aの個数よりも多く設定されている。本実施形態の場合、複列のボール6a、6bの外径を同じにすることにより、組立工程における誤組みの問題を解消することができ、製造コストが低減できると共に、品質の信頼性が向上する。
このように、左右のボール6a、6bのピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、内方部材5において、外側継手部材14の内側転走面14aの溝底径は、ハブ輪1の内側転走面1aの溝底径よりも拡径して形成されている。一方、外方部材4において、左右のボール6a、6bのピッチ円直径PCDo、PCDiの違いに伴い、インナー側の外側転走面4bの溝底径がアウター側の外側転走面4aの溝底径よりも拡径して形成されている。
こうした構成の車輪用軸受装置では、インナー側の内側転走面14aを外側継手部材14の肩部19の外周に直接形成するようにしたので、インナー側のボール6bのピッチ円直径PCDiをアウター側のボール6aのピッチ円直径PCDoよりも大径に設定することができると共に、ボール6bの個数もインナー側の個数をアウター側よりも多く設定することができるため、軽量・コンパクト化を図ることができると共に、軸受剛性の増大と軸受の長寿命化を図ることができる。
図2は前述した車輪用軸受装置を適用したアクスルモジュールを示す縦断面図である。このアクスルモジュールは、一対の等速自在継手3、21と、これら等速自在継手3、21に連結されたドライブシャフト22とを備えている。このドライブシャフト22の一端は、アウトボード側の等速自在継手3の継手内輪15にセレーションを介して内嵌され、他端はディファレンシャル(図示せず)に固定されるインボード側の等速自在継手21に連結されている。
このインボード側の等速自在継手21は、外側継手部材23と、外周部に3本の脚軸24aが等配に突設されたトリポード部材24と、これらの脚軸24aに針状ころ25を介して回転自在に外挿されたローラ26とを備えている。外側継手部材23は、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中炭素鋼で形成された円筒状の外筒部27と、この外筒部27の底部から軸方向に延びる軸部28を一体に有している。軸部28の外周にはディファレンシャルに固定するためのセレーション(またはスプライン)28aが形成されている。
外筒部27の内周には軸方向に延びる直線状の3本のトラック溝27aが形成され、このトラック溝27a上をローラ26が転動する。外側継手部材23において、トラック溝27aの表面に高周波焼入れ等によって所定の硬化層が形成されている。また、外筒部27の開口側の外周には合成ゴム等からなるブーツ29が装着され、外筒部27内に封入されたグリースの漏洩と、外部から雨水やダスト等が継手内に侵入するのを防止している。
なお、外筒部27は円筒状に限らず、例えば、外周がトラック溝27aに対応した花形形状に形成されたものであっても良く、また、軸部28に限らず、ディファレンシャルに固定するための取付フランジが一体に形成されている構造であっても良い。また、ここでは、インボード側の等速自在継手21にトリポード型を例示したが、これに限らず、摺動型の等速自在継手なら良く、他の構造のトリポード型をはじめ、例えば、ボールを使用したダブルオフセット型の等速自在継手(DOJ)であっても良い。
ここで、本実施形態では、ナックルとの嵌合部となる外方部材4の基準面4dの外径Daが、等速自在継手3、21の最大外径Db、Dc(ここでは、ブーツ13、29の最大外径)よりも大径に形成されている(Da>Db≧Dc)。これにより、ばね下重量の軽量化を図り、車両への分解・組立が簡便化できるだけでなく、ナックルに対してアクスルモジュールを容易に嵌挿でき、ブーツ13、29がナックルに干渉して傷付くことなく組み立てることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る車輪用軸受装置は、ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された第4世代構造の車輪用軸受装置に適用することができる。
本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の車輪用軸受装置を適用したアクスルモジュールを示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。 他の従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、14a・・・・・・・・・・・内側転走面
1b、14b・・・・・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
3、21・・・・・・・・・・・・・等速自在継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
4a、4b・・・・・・・・・・・・外側転走面
4c・・・・・・・・・・・・・・・車体取付フランジ
4d・・・・・・・・・・・・・・・基準面
5・・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
6a、6b・・・・・・・・・・・・ボール
7・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
7a・・・・・・・・・・・・・・・シールランド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
9a、9b・・・・・・・・・・・・保持器
10・・・・・・・・・・・・・・・シール
11・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
12・・・・・・・・・・・・・・・エンドキャップ
13、29・・・・・・・・・・・・ブーツ
14、23・・・・・・・・・・・・外側継手部材
15・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
15a、18a、27a・・・・・・トラック溝
16・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
17・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
18・・・・・・・・・・・・・・・マウス部
19・・・・・・・・・・・・・・・肩部
22・・・・・・・・・・・・・・・ドライブシャフト
24・・・・・・・・・・・・・・・トリポード部材
24a・・・・・・・・・・・・・・脚軸
25・・・・・・・・・・・・・・・針状ころ
26・・・・・・・・・・・・・・・ローラ
27・・・・・・・・・・・・・・・外筒部
28・・・・・・・・・・・・・・・軸部
28a・・・・・・・・・・・・・・セレーション
50、62・・・・・・・・・・・・ハブ輪
50a、56a、62a、71a・・内側転走面
51、63・・・・・・・・・・・・複列の転がり軸受
52、64・・・・・・・・・・・・等速自在継手
53、65・・・・・・・・・・・・外方部材
53a、53b、65a・・・・・・外側転走面
54、66・・・・・・・・・・・・内方部材
55、67・・・・・・・・・・・・ボール
56・・・・・・・・・・・・・・・内輪
57、68・・・・・・・・・・・・車輪取付フランジ
58、71・・・・・・・・・・・・外側継手部材
58a・・・・・・・・・・・・・・トラック溝
59、75・・・・・・・・・・・・マウス部
60、76・・・・・・・・・・・・肩部
61・・・・・・・・・・・・・・・止め輪
69・・・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
70・・・・・・・・・・・・・・・凹凸部
72・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
73・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
74・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝達ボール
77・・・・・・・・・・・・・・・軸部
77a・・・・・・・・・・・・・・インロウ部
77b・・・・・・・・・・・・・・嵌合部
78・・・・・・・・・・・・・・・アウター側のシール
79・・・・・・・・・・・・・・・インナー側のシール
80・・・・・・・・・・・・・・・保持器
Da・・・・・・・・・・・・・・・外方部材のインナー側の外径
Db・・・・・・・・・・・・・・・アウトボード側の等速自在継手の最大外径
Dc・・・・・・・・・・・・・・・インボード側の等速自在継手の最大外径
PCDi・・・・・・・・・・・・・インナー側のボールのピッチ円直径
PCDo・・・・・・・・・・・・・アウター側のボールのピッチ円直径

Claims (4)

  1. ハブ輪と複列の転がり軸受と等速自在継手とがユニット化された車輪用軸受装置であって、
    前記複列の転がり軸受が、内周に複列の外側転走面が形成され、外周に車体取付フランジと、この車体取付フランジのインナー側に相手部材との嵌合に供される基準面が形成された外方部材と、
    一端部に車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小径段部および嵌合部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪に外嵌され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された前記等速自在継手の外側継手部材からなる内方部材と、
    この内方部材と前記外方部材の両転走面間に転動自在に収容された複列のボール群とを備え、前記外側継手部材の内径に硬化した凹凸部が形成され、前記ハブ輪の嵌合部を拡径させて当該凹凸部に食い込ませることにより、前記ハブ輪と外側継手部材とが一体に塑性結合されている車輪用軸受装置において、
    前記複列のボール群のうちインナー側のボール群のピッチ円直径がアウター側のボール群のピッチ円直径よりも大径に設定されると共に、インナー側のボール群のボールの個数がアウター側のボール群のボールの個数よりも多く設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記複列のボール群のボールが同じサイズである請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 請求項1または2に記載の車輪用軸受装置を備え、前記アウトボード側の等速自在継手に一端が連結されたドライブシャフトと、このドライブシャフトの他端に連結されたインボード側の等速自在継手とからなることを特徴とするアクスルモジュール。
  4. 前記外方部材の基準面の外径が前記等速自在継手の最大外径よりも大径に設定されている請求項3に記載のアクスルモジュール。
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