WO2008023574A1

WO2008023574A1 - Formule en émulsion de sensation d'utilisation agréable

Info

Publication number: WO2008023574A1
Application number: PCT/JP2007/065598
Authority: WO
Inventors: Isamu Sawai; Yasuhiro Shinkawa; Hiroyuki Kawashima
Original assignee: Kowa Company, Ltd.
Priority date: 2006-08-25
Filing date: 2007-08-09
Publication date: 2008-02-28
Also published as: CN101505719A; JP2008050311A; TW200817040A; KR20090057044A

Description

明細書

使用感の良い乳化組成物

技術分野

[0001] 本発明は、アルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有し、かつ、滑らかな使用感を有する乳化組成物、特に皮膚外用剤に好適な乳化組成物に関する。

背景技術

[0002] アルゲコロイド及びヒアルロン酸は、ともに優れた保湿作用、及び血行促進作用が知られている成分であり、化粧品等で広く使用される成分である。アルゲコロイドは褐藻から抽出される天然成分であり、 β D マンヌロン酸と α Lーグルロン酸の /3 - 1 , 4 結合からなる多糖類であるアルギン酸を主成分とするものである。アルゲコロイドは、優れた保湿作用を有する他、美肌効果を有することも知られている。ヒアルロン酸は、 D グルクロン酸と D— N ァセチルダルコサミンの /3—グリコシド結合からなる二糖の繰り返し構造を有する物質で、分子量数百万に達する高分子化合物である。ヒアルロン酸は非常に長い酸性糖鎖を持っため、高い抱水能を有する。

[0003] アルゲコロイド及びヒアルロン酸をともに含有する化粧品としては例えば、（Α)ミソハギ科（Lythraceae)サルスべリ属（Lagerstroemiaし）の植物の抽出物と、（B)褐藻抽出物（アルゲコロイド）等の美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防御剤、ヒアルロン酸等の保湿剤、細胞賦活剤、血流促進剤からなる群より選択される生理活性成分の 1 種以上とを含有することを特徴とする皮膚化粧料 (特許文献 1)が挙げられる。しかしながら、アルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有する乳化組成物は、使用時における滑らかさに欠け、使用感が悪レ、とレ、う欠点を有して!/、た。

特許文献 1 :特開 2005— 139070号公報

[0004] ところで、ァセチル化ヒアルロン酸はヒアルロン酸の水酸基をァセチル化した誘導体であり、詳しくは下記の構造式を有する。

[0005] [化 1]

R : -COCH3 又は -H

nは自然数

[0006] ァセチル化ヒアルロン酸はヒアルロン酸以上の保湿性を有することが知られて!/、る。

また、導入されたァセチル基によって疎水性が高まるため、角層への親和性が高ぐ曳糸性は低ぐアルコールへの溶解性に優れるなど、皮膚外用剤の配合成分として好適な特徴を有している。

発明の開示

[0007] 本発明はアルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有する化粧料などの乳化組成物に、滑らかな使用感を付与する技術を提供することを課題とする。

[0008] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有する乳化組成物に、ァセチル化ヒアルロン酸を配合することによつて、使用時における滑らかさが向上することを見出し、以下の本発明を完成した。

[0009] (1)アルゲコロイド及びヒアルロン酸、並びにァセチル化ヒアルロン酸を含有する、乳化組成物。

(2)乳化組成物が、水中油型乳化組成物である、（1)に記載の乳化組成物。

(3)皮膚外用剤である、（1)又は（2)に記載の乳化組成物。 [0010] アルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有する乳化組成物に、ァセチル化ヒアルロン酸を配合することにより滑らかさが向上し、皮膚に塗布する際の摩擦感を低減すること力できる。なお、本明細書において、「滑らかさ」とは乳化組成物の皮膚への塗布の際に、塗布する指又は塗布部の皮膚が感じる摩擦感の度合いを表す。滑らかさは、一般的にパネラーによる官能評価のほか、粘度等のレオロジー特性を用いて評価すること力 Sでさる。

発明を実施するための最良の形態

[0011] 本発明の乳化組成物は、アルゲコロイド、ヒアルロン酸及びァセチル化ヒアルロン酸を含有する。

[0012] 本発明において、アルゲコロイドとは、褐藻から抽出される天然成分であり、アルギン酸を主成分とするものである。アルギン酸は、 /3—D—マンヌロン酸と a—L—ダルロン酸の /3 — 1 , 4—結合からなる多糖類である。アルゲコロイドは、褐藻から抽出して用いること力 Sできる。また、市販品を用いてもよぐこのような市販品としては例えばアルゲコロイド（BOTTGER社製）が挙げられる。

[0013] アルゲコロイドの含有量は、特に限定されるものではないが、乳化組成物全量に対して 0. 00；!〜 5重量⁰ /₀カ好まし <、より好まし < (ま 0. 005〜2重量⁰ /₀であり、特に 0. 0 ；!〜 1重量％が好ましい。

[0014] 本発明において、ヒアルロン酸とは、 D—グルクロン酸と D— N—ァセチルダルコサミンの /3—グリコシド結合からなる二糖の繰り返し構造を有する物質で、分子量数百万に達する高分子化合物及びその塩である。本発明に使用するヒアルロン酸の分子量は、特に限定されるものではないが、 1万〜 500万が好ましぐ特に 10万〜 200万が好ましい。ヒアルロン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシゥム塩、カルシウム塩等の金属塩類、リジン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩、アンモニゥム塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩等の有機塩類が挙げられる。本発明においては、特にヒアルロン酸ナトリウムを好ましく用いること力 Sできる。ヒアルロン酸は、微生物培養により生産したり、ヒアルロン酸含有組織から抽出したりすることにより得ること力 Sできる。また、市販品を用いてもよぐこのような市販品としては例えばバイオヒアルロン酸ナトリウム HA12 (資生堂社製）が挙げられる。

[0015] ヒアルロン酸の含有量は、特に限定されるものではな!/、が、乳化組成物全量に対して 0. 00；!〜 5重量％が好ましぐより好ましくは 0. 005〜2重量％であり、特に好ましくは 0. 01〜；!重量％である。

[0016] 本発明において、ァセチル化ヒアルロン酸とは、ヒアルロン酸の水酸基の少なくとも一部をァセチル化した誘導体及びその塩である。本発明に使用するァセチル化ヒアルロン酸の分子量は、特に限定されるものではないが、 1万〜 500万が好ましぐ特に 10万〜 200万が好ましい。また、水酸基に対するァセチル化率は特に限定されないが、前記一般式 (I)で表される繰り返し構造単位においてァセチル基の置換数が平均して 2〜4のものが好ましい。ァセチル化ヒアルロン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩類、リジン塩、ァルギニン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩、アンモニゥム塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩等の有機塩類が挙げられる。ァセチル化ヒアルロン酸は当業者に周知の方法で製造でき、その方法は例えば特開平 6— 6707号公報ゃ特開平 8— 53501号公報に開示されている。また、市販品を用いてもよぐこのような市販品としては例えばァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム（資生堂社製）が挙げられ

[0017] ァセチル化ヒアルロン酸の配合量は、特に限定されるものではないが、乳化組成物全量に対して 0. 0001〜；!重量⁰ /₀カ好ましく、より好ましく (ま 0. 0002-0. 1重量⁰ /₀ であり、特に 0. 0005〜0. 01重量⁰ /₀カ好ましレヽ。

[0018] 本発明の乳化組成物において、アルゲコロイドとァセチル化ヒアルロン酸の配合量の相対比率は特に限定されるものではない。滑らかさ等の使用感の向上の観点からは、ァセチル化ヒアルロン酸の配合量を 1とした場合に、アルゲコロイドが 0. 01— 50 000であるのカ好まし <、 0.；!〜 10000であるの力り好まし <、 10〜； 1000であるのが特に好ましい。また、ヒアルロン酸とァセチル化ヒアルロン酸の配合量の相対比率も特に限定されるものではない。滑らかさ等の使用感の観点からは、ァセチル化ヒアルロン酸の配合量を 1とした場合に、ヒアルロン酸が 0. 01〜； 10000であるのが好まし <、0·；!〜 1000であるのカより好まし <、；!〜 100であるのカ特に好ましレヽ。 [0019] 本発明の乳化組成物の乳化形態は、水中油型乳化組成物及び油中水型乳化組成物を問わず、また水中油中水型乳化組成物、油中水中油型乳化組成物等の多層乳化組成物にも適用されるが、さらさら感などの好ましい使用感を得る観点からは、特に水中油型乳化組成物が好ましい。また、本発明の乳化剤組成物における水分と油分の相対比は特に限定されるものではないが、さらさら感などの好ましい使用感を得る観点からは、好ましくは水分：油分（質量比） = 2 :；!〜 100 : 1であり、特に好ましくは水分：油分（質量比） =4 :；!〜 50 : 1である。

[0020] 本発明の乳化組成物に含有する油分としては、アボカド油、マカデミアナッツ油、トゥモロコシ油、ォリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマヮリ油、茶実油、山茶花油、コメヌ力油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、ステアリン酸、セタノール、 1 , 3—ブチレングリコール、スクワレン、スクヮラン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロゥ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン（8モル）ォレイルアルコールエーテル、モノォレイン酸グリセリル、ミリスチン酸オタチルドデシル、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジフエ二ルポリシロキサン等が挙げられ、特に山茶花油、ホホバ油、スクヮラン、ステアリン酸、セタノール、ミリスチン酸オタチルドデシノレ、 1 , 3—ブチレングリコールが好ましい。また、油分の配合量は乳化組成物全量に対して 0. 5〜40重量％が好ましぐより好ましくは 2〜30重量％であり、特に 3〜20 重量％が好ましい。乳化組成物における油分の配合量を上述した範囲とすることにより、組成物の使用時におけるベとつき感を抑え、使用感を向上することができる。

[0021] 本発明の乳化組成物には、乳化安定性を高める乳化剤をさらに含有させることもできる。乳化剤としては、皮膚外用剤に用いられるものであれば、特に限定されず、例えばアルキル硫酸塩、ァシルアミノ酸塩、脂肪酸塩等のァニオン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のノニオン界面活性剤、テトラアルキルアンモニゥム塩等のカチォン界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型、イミダゾリニゥム型、レシチン、リゾレシチン等の両性界面活性剤が挙げられ、特にモノステアリン酸グリセリン、水素添加大豆リン脂質が好ましい。 [0022] 本発明の乳化組成物においては、さらに美白成分、抗炎症成分、抗酸化成分、増粘剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、 pH調節剤、香料等を配合することができる。

[0023] 美白成分としては、ァスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミン A又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、アルブチン等のハイドロキノン及びその誘導体、エラグ酸、コウジ酸、ルシノール等のレゾルシン及びその誘導体、カモミラ ET、システィン及びその誘導体並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン、フェルラ酸及びその誘導体並びにそれら塩、カフヱ酸及びその誘導体並びにそれら塩等が挙げられる。抽出物では、蝉退抽出物、ブラセンタ抽出物、カンゾゥ抽出物、力ミツレ抽出物、カロチノイド類を含有する動植物抽出物、ァスパラガス抽出物、エンドゥ豆抽出物、エイジッ抽出物、ォゥゴン抽出物、オノニス抽出物、海藻抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケィケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コ一ヒー抽出物、コメヌ力抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクャク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、トマト抽出物、ビヤクレン抽出物、ブナの芽抽出物、ブドウ抽出物、フローデマニータ抽出物、ホップ抽出物、マイカイ力抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユーカリ抽出物、ョクイニン抽出物及び羅漢果抽出物等が挙げられる。

[0024] 抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、ダリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイァズレン、酢酸トコフエロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレビン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。

[0025] 抗酸化成分としては、トコフエロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシァ二ソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、ダルタチオン、ダルタチオンペルォキシダーゼ、ダルタチオン- S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーォキシドジスムターゼ、チォレドキシン、タウリン、チォタウリン、ヒポタウリン等が挙げられる。

[0026] 増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビュルポリマー及び/又はその塩、ヒドロキシェチルセルロース、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビュルアルコール、ローカストビーンガム、グァーガム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。

[0027] この中でも、カルボキシビュルポリマー及び/又はその塩を好ましく用いることができる。カルボキシビュルポリマーは、カルボキシル基を有する水溶性のポリマーで、ァクリル酸の重合体である。カルボキシビュルポリマー及び/又はその塩は、その水溶液をアルカリで中和することにより増粘する。本発明において使用されるカルボキシビュルポリマーは特に限定されないが、 0. 2%の水溶液の粘度が 1000〜50000m Pa ' sの範囲にあるものが好ましぐ特に 5000〜30000mPa ' sの範囲にあるもの力 S 好ましい。カルボキシビュルポリマーは常法によりアクリル酸を重合して製造すること力 Sできる。また、本発明においては、市販品を用いてもよぐこのような市販品として例えば、カーボポーノレ 980、カーボポーノレ 981、カーボポーノレ 2984、カーボポーノレ 59 84、カーボポール ETD2050、カーボポール ultrezlO (Noveon社製）、ハイビスヮコー 103、ハイビスヮコー 104、ハイビスヮコー 105、シンタレン K、シンタレン L (和光純薬工業社製）、ジュンロン（日本純薬社製)等が挙げられる。

[0028] カルボキシビュルポリマーは、乳化安定性、温度変化に対する粘度安定性を高める作用を有し、特に乳化組成物をゲルやクリームの形態とする場合に好適に用いること力 Sできる。さらに、カルボキシビュルポリマーは、チキソトロピー性を有する、保湿作用を有する、微生物汚染に強い、天然ガム類に比して品質の均一性に優れるなどの利点を有する。

[0029] カルボキシビュルポリマーの含有量は、特に限定されるものではないが、乳化組成物全量に対して 0. 0；!〜 5重量％が好ましぐより好ましくは 0. 02〜2重量％であり、特に 0. 05〜；!重量％が好ましい。

[0030] 保存剤としては、パラォキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニゥム等が挙げられる。

安定化剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルェン、ブチルヒドロキシァニソール、ェデト酸或いはその塩類等が挙げられる。

[0031] 湿潤剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、 1 , 3—ブチレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。

pH調節剤としては、塩酸等の無機酸、クェン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、トリエタノールァミン、ジエタノールァミン、ジイソプロノ V—ルァミン等のアミン類が挙げられる。

香料としては、スペアミント油、ペパーミント油、リナロール、ウィンダーグリーン油、サッサフラス油、チヨウジ油、ハツ力油、タイム油、セージ油、ユーカリ油、ラベンダー油、マョナラ油、肉桂油、ライム油、レモン油及びオレンジ油等の天然香料及び 1-メントール、 e -カンフル等が挙げられる。

[0032] 本発明の乳化組成物の剤型は、特に制限されるものではないが、クリーム剤、ローシヨン剤、乳剤、乳剤性軟膏等が挙げられ、特にクリーム剤、ローション剤及び乳剤が好ましい。

[0033] 本発明の乳化組成物は、乳化剤などの必要な成分をそれぞれ水相、油相に混合し、必要であれば加熱溶解後、水相、油相を混合、乳化し、製造すること力 Sできる。本発明で用いる乳化方法としては、一般的な乳化方法をとることができ、コロイドミル、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波乳化機等を用いて乳化することができる。

[0034] 本発明の乳化組成物は、その使用時における滑らかさ、保湿効果等により、例えば皮膚外用化粧料や乾燥性皮膚疾患に対する治療剤等の、皮膚外用剤として好適に使用できるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の乳化組成物の使用量、使用頻度は特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択可能である。

実施例

[0035] 以下に実施例により本発明を具体的に詳述するが、本発明はこれらに制限されるものではない。

[0036] 〔実施例 1〕

アルゲコロイド（アルゲコロイド： BOTTGER社製） 0· lg、ヒアルロン酸ナトリウム（バィオヒアルロン酸ナトリウム HA12 :資生堂社製、分子量 110万〜 160万） 0. 05g、ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム（ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム：資生堂社製、分子量約 10万、ァセチル化率 2. 8〜3. 8) 0. 005g、濃グリセリン lg、カルボキシビニノレポリマー（カーボポーノレ Ultrez 10 : Noveon社製、米占度 16, 000〜28, 000m Pa - s(0. 2%)) 0. 3g及び水酸ィ匕カリウム 0· 25gを精製水 86· 7gにカロ免、 80。Cにカロ熱したものを水相とした。一方、ステアリン酸 3g、山茶花油 4g、ホホバ油 0. 4g、セタノール 0. 2g、スクヮラン 3g及びモノステアリン酸グリセリン（ニッコール MGS— BMV ：日光ケミカノレズ社製） lgを加えて 80°Cに加熱混合したものを油相とした。水相に油相を加え、 80°Cで撹拌 ·混合して乳化した後に 30°C以下に冷却してクリーム剤を製 λ&しプし。

[0037] 〔比較例;!〜 3〕

実施例 1においてァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムの代わりに水を配合したものを比較例 1、ヒアルロン酸ナトリウムの代わりに水を配合したものを比較例 2、アルゲコロイドの代わりに水を配合したものを比較例 3としてクリーム剤を製造した。

[0038] 〔比較例 4〜6〕

実施例 1においてアルゲコロイド、ヒアルロン酸ナトリウム、ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムのうち 2成分の代わりに水を配合したものを比較例 4、比較例 5、比較例 6とし、上記 3成分の代わりに水を配合したものを対照として、クリーム剤を製造した。

[0039] [試験例]

実施例 1及び比較例 1〜6で製造したクリーム剤について、使用感の評価を行った。使用感は、 10名のパネラーにより使用テストを行ない、滑らかさについて以下の基準で評価を行ない、その平均点で判定した。また、上述の通り滑らかさとは塗布の際に、塗布する指若しくは塗布部の皮膚が感じる摩擦感に関連することから、本発明の乳化組成物を薄く延ばし、乾燥させた後の粘度と相関すると考えられる。従って、乾燥時の粘度を測定することにより、本発明の乳化組成物の使用時における滑らかさを評価した。具体的には、実施例 1及び比較例 1〜6で製造したクリーム剤について、レオメーター（AR— 1000N)を用い、試料 lgを直径 4cmの円形の平板及び試料台に均一に延ばし、ドライヤーで 5分間乾燥したのち、測定温度 25°C、ずり応力 500Pa での粘度を測定することにより評価した。また、対照のクリーム剤についても同様に試験を行った。

[0040] [判断基準]

滑らかさ：本外用剤組成物を手甲部皮膚に塗布して十分に伸ばした後、塗布部を他方の手の指で摩擦した際の摩擦感を評価した。

[0041] [評価基準]

5点：非常に良好 (摩擦感を認めず、指がなめらかに動く。 4点：良好（ほとんど摩擦感を認めな!/、。 )

3点：普通（やや摩擦感を認める。 )

2点：不良（摩擦感を認める。 )

1点：非常に不良（摩擦感を強く認め、指がひっかかる。 ) [0042] [判定]

〇：平均点 4. 7以上

△;平均点 3. 5以上 4. 7未満

X：平均点 3. 5未満

[0043] 試験結果を表 1に示す。

[0044] [表 1]

表 1

[0045] アルゲコロイドとヒアルロン酸ナトリウムを含有する比較例 1、アルゲコロイドとァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する比較例 2、ヒアルロン酸ナトリウムとァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する比較例 3、ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムのみを含有する比較例 4、ヒアルロン酸ナトリウムのみを含有する比較例 5、アルゲコロイドのみを含有する比較例 6のクリーム剤の使用時における滑らかさは△(普通）ないしは X (不良）であったのに対し、アルゲコロイド、ヒアルロン酸ナトリウム及びァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する実施例 1のクリーム剤の使用時における滑らかさは〇

(良好）であった。

[0046] また、アルゲコロイドとヒアルロン酸ナトリウムを含有する比較例 1、アルゲコロイドとァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する比較例 2、ヒアルロン酸ナトリウムとァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する比較例 3、ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムのみを含有する比較例 4、ヒアルロン酸ナトリウムのみを含有する比較例 5、アルゲコロイドのみを含有する比較例 6のクリーム剤における乾燥時の粘度はそれぞれ 3· 08 5、 2. 546、 0. 985、 12. 910、 1. 115、 2. 421と高ィ直であったのに対し、ァノレゲコロイド、ヒアルロン酸ナトリウム、及びァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する実施例 1のクリーム剤における乾燥時の粘度は 0. 510と低ぐ塗布後の粘度が低いことが明らかとなった。

[0047] これらのことから、アルゲコロイド、ヒアルロン酸ナトリウム及びァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムの全てを含有する乳化組成物は、使用時における滑らかさに極めて優れることが明らかとなった。

[0048] 〔実施例 2〕

アルゲコロイド（アルゲコロイド： BOTTGER社製） 0· lg、ヒアルロン酸ナトリウム（バィオヒアルロン酸ナトリウム HA12 :資生堂社製） 0. 05g、ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム（ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム：資生堂社製） 0· OOlg、濃グリセリン lg、 1 , 3—ブチレングリコール 2g、カルボキシビュルポリマー（カーボポール ETD2050 : Noveon社製、粘度 4, 000—7, 500mPa - s (0. 2%) ) 0. 15g及び水酸化カリウム 0 . 27gを精製水 87. 4gに加え、 80°Cに加熱したものを水相とした。一方、ステアリン酸 2g、山茶花油 2g、ホホバ油 0· 4g、セタノール 0. 3g、ミリスチン酸オタチルドデシル 2g、スクヮラン 2g及びモノステアリン酸グリセリン（ニッコール MGS— BMV:日光ケミカルズ社製） 0. 3gを加えて 80°Cに加熱混合したものを油相とした。水相に油相を加え、 80°Cで撹拌 ·混合して乳化した後に 30°C以下に冷却して乳液を製造した。得られた乳液の使用感の評価を、 10名のパネラーによる使用テストにより上記の試験例と同様に行った。結果を表 2に示す。

[表 2]

表 2

コロイド、ヒアルロン酸ナトリウム、及びァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する実施例 2の乳液は、滑らかな使用感を有していることが明ら力、となった。

[0051] 〔実施例 3〕

水素添加大豆リン脂質（PHOSPHOLIPON90H：ェイチ ·ホルスタイン ·アンド ·力ンパニー社製） 0· 5gを 1 , 3—ブチレングリコール 5gに加え、 65°Cで溶解した後 30 °Cに冷却し、油相とした。一方、アルゲコロイド（アルゲコロイド： BOTTGER社製） 0· lg、ヒアルロン酸ナトリウム（バイオヒアルロン酸ナトリウム HA12 :資生堂社製） 0· 05 g、ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム（ァセチル化ヒアルロン酸ナトリウム：資生堂社製 ) 0. 001g、カルボキシビュルポリマー（シンタレン L :和光純薬社製、粘度 7，000〜1 4,000mPa- s (0. 2%) ) 0. lg、濃グリセリン 3g及び水酸化カリウム 0. 044gを精製水 91. 2gに加え、室温で撹拌し、水相とした。油相に水相を加え、 30°Cで撹拌 '混合しローションを製造した。得られたローションの使用感の評価を、 10名のパネラーによる使用テストにより上記の試験例と同様に行った。結果を表 3に示す。

[0052] [表 3]

表 3

[0053] アルゲコロイド、ヒアルロン酸ナトリウム、及びァセチル化ヒアルロン酸ナトリウムを含有する実施例 3のローションは、滑らかな使用感を有していることが明らかとなった。産業上の利用可能性

[0054] 本発明は、アルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有し、かつ、滑らかな使用感を有する乳化組成物を提供するものである。本発明の乳化組成物は、例えば皮膚外用化粧料等として化粧品産業において利用できるほか、乾燥性皮膚疾患に対する治療剤として医薬品産業において利用でき、産業上の利用可能性を有する。

Claims

請求の範囲

[1] アルゲコロイド、ヒアルロン酸及びァセチル化ヒアルロン酸を含有する乳化組成物。

[2] 乳化組成物が、水中油型乳化組成物である、請求項 1に記載の乳化組成物。

[3] 皮膚外用剤である、請求項 1又は 2に記載の乳化組成物。