WO2007099757A1

WO2007099757A1 - 乳化組成物

Info

Publication number: WO2007099757A1
Application number: PCT/JP2007/052370
Authority: WO
Inventors: Isamu Sawai; Yasuhiro Shinkawa; Hiroyuki Kawashima
Original assignee: Kowa Company, Ltd.; Cathy Chemical Industry Co., Ltd.
Priority date: 2006-02-28
Filing date: 2007-02-09
Publication date: 2007-09-07
Also published as: KR20080104027A; CN101389308A; JPWO2007099757A1

Abstract

　アルゲコロイド又はヒアルロン酸、好ましくはアルゲコロイド及びヒアルロン酸を含有する乳化組成物に、シルク末を配合することによって、皮膚外用剤として使用したときに滑らかな使用感を有する乳化組成物を得る。

Description

明細書

乳化組成物

技術分野

[oooi] 本発明は、アルゲコロイド及び Z又はヒアルロン酸を含有し、かつ、滑らかな使用感を有する乳化組成物、特に皮膚外用剤用に好適な乳化組成物に関する。

背景技術

[0002] アルゲコロイド、ヒアルロン酸は、ともに優れた保湿作用、及び血行促進作用が知られている成分であり、化粧品等で広く使用される成分である。アルゲコロイドは褐藻から抽出される天然成分であり、 D—マンノウロン酸の |8—1, 4—結合力成る多糖類であるアルギン酸を主成分とするものである。アルゲコロイドは、優れた保湿作用を有する他、美肌効果を有することも知られている。ヒアルロン酸は、グルクロン酸と N—ァセチルダルコサミンの /3ーグリコシド結合力なる二糖の繰り返し構造を有する物質で、分子量数百万に達する高分子化合物である。ヒアルロン酸は非常に長い酸性糖鎖を持っため、高い抱水能を有する。

[0003] アルゲコロイド、及びヒアルロン酸をともに含有する化粧品としては例えば、（A)ミソハギ科（Lythraceae)サルスべリ属（Lagerstroemia L.)の植物の抽出物と、（B)褐藻抽出物 (アルゲコロイド)等の美白剤、抗酸化剤、抗炎症剤、紫外線防御剤、ヒアルロン酸等の保湿剤、細胞賦活剤、血流促進剤からなる群より選択される生理活性成分の 1種以上とを含有することを特徴とする皮膚化粧料 (特許文献 1)が挙げられる。しかしながら、アルゲコロイド、及びヒアルロン酸を含有する乳化組成物においては、使用時における滑ら力さに欠け、使用感が悪、と、う欠点を有して、た。

[0004] ところで、シルク末は、家蚕の繭から得られる絹繊維を構成する非水溶性の蛋白質の粉末である。シルク末の効能としては紫外線吸収作用、抗菌作用及び防菌作用等が知られている。

[0005] 特許文献 1 :特開 2005— 139070号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0006] 本発明はアルゲコロイド及び Z又はヒアルロン酸を含有する、滑らかな使用感を有する乳化組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルゲコロイド及び

Z又はヒアルロン酸を含有する乳化組成物に、粉末であるシルク末を配合することによって、使用時における滑らかさが向上することを見出し、以下の本発明を完成した

[0008] (1)アルゲコロイド及び Z又はヒアルロン酸、並びにシルク末を含有する、乳化組成物。

(2)アルゲコロイド、ヒアルロン酸、及びシルク末を含有する、（1)の乳化組成物。

(3)乳化組成物が、水中油型乳化組成物である、（1)又は（2)に記載の乳化組成物

(4)皮膚外用剤である、 (1)〜（3)のいずれかの乳化組成物。

発明の効果

[0009] アルゲコロイド、及び Z又はヒアルロン酸を含有する乳化組成物に、シルク末を配合することにより、皮膚外用剤として使用した時における滑らかさを向上することができる。また、アルゲコロイド及びヒアルロン酸を配合した乳化組成物にシルク末を配合することにより、さらに乳化組成物の使用時における滑ら力さを向上することができる発明を実施するための最良の形態

[0010] 本発明の乳化組成物は、アルゲコロイド及びヒアルロン酸の一方又は両方と、シルク末を含有する。本発明の乳化組成物は、アルゲコロイド及びヒアルロン酸の両方を含有することが好ましい。

[0011] 本発明において、使用時における滑ら力さとは、乳化組成物の皮膚への塗布の際に、塗布する指又は塗布部の皮膚が感じる摩擦感のなさを表す。こうした使用感は、一般的にパネラーによる官能評価のほか、粘度等のレオロジー特性力も評価することがでさる。

[0012] 本発明において、アルゲコロイドとは、褐藻力も抽出される天然成分であり、アルギン酸を主成分とする。アルギン酸は D—マンノウロン酸の |8—1, 4—結合力成る多糖類である。アルゲコロイドとしては例えばアルゲコロイド（BOTTGER社製）、アルゲコロイド S (BOTTGER社製）が挙げられる。

[0013] アルゲコロイド配合量は、特に限定されるものではないが、乳化組成物全量に対し TO. 001〜5重量⁰/₀カ好ましく、より好ましく ίま 0. 005〜2重量⁰ /₀であり、特に 0. 01 〜1重量％が好ましい。

[0014] 本発明において、ヒアルロン酸とは、グルクロン酸と Ν ァセチルダルコサミンの 13

ーグリコシド結合力なる二糖の繰り返し構造を有する物質で分子量数百万に達する高分子化合物及びその塩である。本発明に使用するヒアルロン酸の分子量は、特に限定されるものではないが、 1万〜 500万が好ましぐ特に 10万〜 200万が好ましい。ヒアルロン酸は塩であってもよぐヒアルロン酸の塩としては、ナトリウム塩、力リウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等の金属塩類、リジン塩、アルギ- ン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸塩、アンモ-ゥム塩、トリエタノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩等の有機塩類が挙げられ、特にヒアルロン酸ナトリウムが好ましい。このようなヒアルロン酸としては例えばバイオヒアルロン酸ナトリウム ΗΑ12 ( 資生堂社製)などが挙げられる。

[0015] ヒアルロン酸配合量は、特に限定されるものではないが、乳化組成物全量に対して 0. 001〜5重量％が好ましぐより好ましくは 0. 005〜2重量％であり、特に好ましくは 0. 01〜1重量％である。

[0016] 本発明におヽて、シルク末とは、家蚕の繭から得られる絹繊維を構成する非水溶性の蛋白質の粉末であり、フイブ口インを主成分とする。シルク末としては、例えば巿販品として、シルクゲン Gパウダー（一丸フアルコス社製）、シルク IDパウダー Κ— 50 (出光石油化学社製)等が挙げられる。また、本発明でいうシルク末は表面を修飾して様々な付加効果を持たせたものであってもよい。例えば市販品としては、シルク IDパゥダー A— 705 (出光石油化学社製）、シルク IDパウダー S— 702 (出光石油化学社製 )、シルク IDパウダー L— 710 (出光石油化学社製)等が挙げられる。

[0017] シルク末配合量は、特に限定されるものではないが、乳化組成物全量に対して 0.

001〜5重量％が好ましぐより好ましくは 0. 01〜2重量％であり、特に 0. 1〜1重量 %が好ましい。

[0018] 本発明の乳化組成物において、アルゲコロイドとシルク末の配合量の相対比率は特に限定されるものではないが、滑ら力さ等の使用感の観点から、シルク末の配合量を 1とした場合に、アルゲコロイドが 0. 005〜100であるの力 s好ましく、 0. 01〜10であるのがより好ましぐ 0. 02〜1であるのが特に好ましい。また、ヒアルロン酸とシルク末の配合量の相対比率も特に限定されるものではないが、滑らかさ等の使用感の観点から、シルク末の配合量を 1とした場合に、ヒアルロン酸が 0. 002〜50であるの力 S 好ましく、 0. 005〜5であるのがより好ましぐ 0. 01-0. 5であるのが特に好ましい。本発明の乳化組成物が、アルゲコロイドとヒアルロン酸の両方を含有する場合も、各々とシルク末との配合量の好ましい相対比率は、上記と同様である。

[0019] 本発明において、乳化組成物の乳化形態は、水中油型乳化組成物及び油中水型乳化糸且成物を問わず、また水中油中水型乳化糸且成物、油中水中油型乳化糸且成物等の多層乳化組成物にも適用されるが、さらさら感などの使用感の観点から、特に水中油型乳化組成物が好ましい。また、本発明の乳化剤組成物における水分と油分の相対比は特に限定されるものではないが、さらさら感などの使用感の観点から、好ましくは水分：油分 = 2 : 1〜： LOO : lであり、特に好ましくは水分：油分 =4 : 1〜50 : 1である

[0020] 本発明において、油分としてはアボカド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ォリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマヮリ油、茶実油、山茶花油、コメヌ力油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、ステアリン酸、セタノール、 1, 3—ブチレングリコール、スクワレン、スクヮラン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナパロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン（8モル)ォレイルアルコールエーテル、モノォレイン酸グリセリル、ミリスチン酸オタチルドデシル、シクロメチコン、ジメチルポリシロキサン、ジフエ-ルポリシロキサン等が挙げられ、特に山茶花油、ホホバ油、スクヮラン、ステアリン酸、セタノール、ミリスチン酸オタチルドデシル、 1, 3—ブチレングリコールが好ましい。また、油分の配合量は乳化組成物全量に対して 0. 5〜40 重量％が好ましぐより好ましくは 2〜30重量％であり、特に 3〜20重量％が好ましい。乳化組成物における油分の配合量を上述した範囲とすることにより、組成物の使用時におけるベとつき感を抑えられる。

[0021] 本発明で用いられる乳化剤としては、皮膚外用剤に用いられるものであれば、特に限定されず、例えばアルキル硫酸塩、ァシルアミノ酸塩、脂肪酸塩等のァ-オン界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のノ-オン界面活性剤、テトラアルキルアンモ-ゥム塩等のカチオン界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン型、スルホアミノ酸型、イミダゾリ-ゥム型、レシチン、リゾレシチン等の両性界面活性剤が挙げられ、特にモノステアリン酸グリセリン、水素添加大豆リン脂質が好まし、。

[0022] 本発明の乳化組成物においては、さらに美白成分、抗炎症成分、抗酸化成分、増粘剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、 PH調節剤、香料などを配合することができる。

[0023] 美白成分としては、ァスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミン A又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体、アルブチン等のハイドロキノン及びその誘導体、エラグ酸、コウジ酸、ルシノール等のレゾルシン及びその誘導体、カモミラ ET、システィン及びその誘導体並びにその塩、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン、フェルラ酸及びその誘導体並びにそれら塩、カフェ酸及びその誘導体並びにそれら塩等が挙げられる。抽出物では、蝉退抽出物、ブラセンタ抽出物、カンゾゥ抽出物、力ミツレ抽出物、カロチノイド類を含有する動植物抽出物、ァスパラガス抽出物、エンドゥ豆抽出物、エイジッ抽出物、ォゥゴン抽出物、オノニス抽出物、キイチゴ抽出物、クジン抽出物、ケィケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コーヒー抽出物、コメヌ力抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクャク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、トマト抽出物、ビヤクレン抽出物、ブナの芽抽出物、ブドウ抽出物、フローデマ-一タ抽出物、ホップ抽出物、マイカイ力抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ユーカリ抽出物、ョクイニン抽出物及び羅漠果抽出物等が挙げられる。

[0024] 抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、ダリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイァズレン、酢酸トコフエロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレビン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。

[0025] 抗酸化成分としては、トコフエロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシァ二ソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルォキシダーゼ、グルタチオン- S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーォキシドジスムターゼ、チォレドキシン、タウリン、チオタゥリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。

[0026] 増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビ二ルポリマー、ヒドロキシェチルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビュルアルコール、ローカストビーンガム、グァーガム、ゼラチン、ヒドロキシプ口ピルメチルセルロース等が挙げられる。

保存剤としては、パラォキシ安息香酸エステル類、塩ィ匕ベンザルコ -ゥム等が挙げられる。

安定化剤としては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルェン、ブチルヒドロキシァ-ソール、ェデト酸或いはその塩類等が挙げられる。

[0027] 湿潤剤としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、 1, 3—ブチレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。

pH調節剤としては、塩酸等の無機酸、クェン酸等の有機酸、水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、トリエタノールァミン、ジエタノールァミン、ジイソプロノ V—ルァミン等のアミン類が挙げられる。

香料としては、スペアミント油、ペパーミント油、リナロール、ウィンダーグリーン油、サッサフラス油、チヨウジ油、ハツ力油、タイム油、セージ油、ユーカリ油、ラベンダー油、マョナラ油、肉桂油、ライム油、レモン油及びオレンジ油等の天然香料及び 1-メントール、 dl-カンフル等が挙げられる。

[0028] 本発明の乳化組成物の剤型は、特に制限されるものではないが、クリーム剤、ローシヨン剤、乳剤、乳剤性軟膏等が挙げられ、特にクリーム剤、ローション剤及び乳剤が好ましい。

[0029] 本発明の乳化組成物は、乳化剤などの必要な成分を水相又は油相に混合し、必要であれば加熱溶解後、水相、油相を混合、乳化し、製造することができる。本発明で用いる乳化方法としては、一般的な乳化方法をとることができ、コロイドミル、ホモミキサ一、高圧ホモジナイザー、超音波乳化機等を用いて乳化することができる。

[0030] 本発明の乳化組成物は、その使用時における滑らかさ、保湿効果等により、例えば皮膚外用化粧料や乾燥性皮膚疾患に対する治療剤等の、皮膚外用剤として好適に使用できるが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の乳化組成物の使用量、使用頻度は特に限定されず、使用目的に応じて適宜選択可能である。

実施例

[0031] 以下に実施例により本発明を具体的に詳述するが、本発明はこれらに制限されるものではない。

〔実施例 1〕

[0032] アルゲコロイド（アルゲコロイド： BOTTGER社製） 0. lg、ヒアルロン酸ナトリウム（バィオヒアルロン酸ナトリウム HA12 :資生堂社製) 0. 05g、濃グリセリン lg、カルボキシビ-ルポリマー（カーボポール UltrezlO： Noveon社製） 0. 3g及び水酸化カリウム 0. 25gを精製水 85. 7gにカ卩え、 80°Cに加熱したものを水相とした。一方、ステアリン酸 3g、山茶花油 4g、ホホバ油 0. 4g、セタノール 0. 2g及びモノステアリン酸グリセリン（-ッコール MGS— BMV:日光ケミカルズ社製） lgをカ卩えて加熱混合させた後、シルク末（シルクゲン Gパウダー：一丸フアルコス社製） lgをスクヮラン 3gに分散させたものをカ卩えて 80°Cに加熱したものを油相とした。水相に油相をカ卩え、 80°Cで撹拌' 混合して乳化した後に 30°C以下に冷却してクリーム剤を製造した。

〔実施例 2、 3〕

[0033] 実施例 1にお!/、てアルゲコロイドの代わりに水を配合したものを実施例 2、ヒアルロン酸ナトリウムの代わりに水を配合したものを実施例 3としてクリーム剤を製造した。〔比較例 1〕

[0034] 実施例 1にお!/ヽてシルク末の代わりに水を配合したものを比較例 1としてクリーム剤を製造した。

〔比較例 2〜4〕

[0035] 実施例 1においてアルゲコロイド、ヒアルロン酸、シルク末のうち 2成分の代わりに水を配合したものを比較例 2、比較例 3、比較例 4としてクリーム剤を製造した。

[0036] [試験例]

実施例 1〜3及び比較例 1〜4で製造したクリーム剤について、使用感の評価を行つた。使用感の評価は 10名のパネラーにより使用テストを行ない、滑らかさについて以下の基準で評価を行ない、その平均点で判定した。また、上述の通り滑らかさとは塗布の際に、塗布する指若しくは塗布部の皮膚が感じる摩擦感に関連することから、本発明の乳化組成物を薄く延ばし、乾燥させた後の粘度と相関すると考えられる。従つて、乾燥時の粘度を測定することにより、本発明の乳化組成物の使用時における滑ら力さを評価した。具体的には、実施例 1〜3及び比較例 1〜2で製造したクリーム剤について、レオメーター（AR— 1000N)を用い、試料 lgを直径 4cmの円形の平板及び試料台に均一に延ばし、ドライヤーで 5分間乾燥したのち、測定温度 25°C、ずり応力 500Paでの粘度を測定することにより評価した。

[0037] [判断基準]

滑らかさ：本外用剤組成物を手甲部皮膚に塗布して十分に伸ばした後、塗布部を他方の手の指で摩擦した際の摩擦感を評価した。

[0038] [評価基準]

5点:非常に良好 (摩擦感を認めず、指がなめらかに動く。 )

4点：良好（ほとんど摩擦感を認めな！/、。 )

3点:普通 (やや摩擦感を認める。 )

2点:不良 (摩擦感を認める。）

1点:非常に不良 (摩擦感を強く認め、指がひっかかる。 )

[0039] [判定]

◎:平均点 4. 5以上

〇：平均点 3. 5以上 4. 5未満

△;平均点 2. 5以上 3. 5未満

X：平均点 2. 5未満

[0040] 試験結果を表 1に示す。

[0041] [表 1] 表 1

[0042] アルゲコロイドとヒアルロン酸を含有する比較例 1、シルク末のみを含有する比較例 2、ヒアルロン酸のみを含有する比較例 3、アルゲコロイドのみを含有する比較例 4のクリーム剤の使用時における滑らかさは普通ないしは不良であつたのに対し、ヒアルロン酸とシルク末を含有する実施例 2、アルゲコロイドとシルク末を含有する実施例 3 のクリーム剤の使用時における滑らかさは良好であった。また、アルゲコロイド、ヒアルロン酸及びシルク末を含有する実施例 1のクリーム剤の使用時における滑らかさは特に良好であった。

[0043] また、アルゲコロイドとヒアルロン酸を含有する比較例 1、シルク末のみを含有する比較例 2のクリーム剤における乾燥時の粘度はそれぞれ 3. 085、 9. 897と高値であつたのに対し、アルゲコロイド、ヒアルロン酸、及びシルク末を含有する実施例 1、ヒアルロン酸とシルク末を含有する実施例 2、アルゲコロイドとシルク末を含有する実施例 3 のクリーム剤における乾燥時の粘度はそれぞれ 1. 263、 2. 008、 1. 472と低く、塗布後の粘度が低ぐすなわち滑らかさが良好であることが明らかとなった。

[0044] これらのことから、本発明の乳化組成物の使用時における滑らかさが良好であり、ァルゲコロイド又はヒアルロン酸を含有する乳化組成物に、シルク末を配合することにより、使用時における滑らかさが顕著に向上することが明らかとなった。特に、アルゲコロイド、ヒアルロン酸、及びシルク末を含有する本発明乳化組成物は、使用時における滑らかさが非常に良好であることが明らかとなった。

〔実施例 4〕

[0045] アルゲコロイド（アルゲコロイド： BOTTGER社製） 0. lg、ヒアルロン酸ナトリウム（バィオヒアルロン酸ナトリウム HA12 :資生堂社製) 0. 05g、濃グリセリン lg、 1, 3—ブチレングリコール 2g、カルボキシビュルポリマー（カーボポール ETD2050 :Noveon 社製) 0. 15g及び水酸化カリウム 0. 27gを精製水に加え、 80°Cに加熱したものを水相とした。一方、ステアリン酸 2g、山茶花油 2g、ホホバ油 0. 4g、セタノール 0. 3g、ミリスチン酸オタチルドデシル 2g及びモノステアリン酸グリセリン（-ッコール MGS— B MV:日光ケミカルズ社製） 0. 3gをカ卩えて加熱混合させた後、シルク末（シルクゲン G パウダー：一丸フアルコス社製） lgをスクヮラン 2gに分散させたものをカ卩えて 80°Cに加熱したものを油相とした。水相に油相をカ卩え、 80°Cで撹拌 '混合して乳化した後に 30°C以下に冷却して乳液を製造した。得られた乳液の使用感の評価を、 10名のパネラーによる使用テストにより上記の試験例と同様に行った。結果を表 2に示す。

[0046] [表 2]

表 2

[0047] アルゲコロイド、ヒアルロン酸、及びシルク末を含有する実施例 4の乳液は、滑らかな使用感を有していることが明ら力となった。

〔実施例 5〕

[0048] 水素添加大豆リン脂質（PHOSPHOLIPON90H：ェイチ ·ホルスタイン ·アンド ·力ンパ-一社製) 0. 5gを 1, 3—ブチレングリコール 5gに加え、 65°Cで溶解した後 30 °Cに冷却し、油相とした。一方、アルゲコロイド (アルゲコロイド: BOTTGER社製) 0. lg、ヒアルロン酸ナトリウム（バイオヒアルロン酸ナトリウム HA12 :資生堂社製） 0. 05 g、シルク末（シルクゲン Gパウダー：一丸フアルコス社製） 0. 5g、カルボキシビ-ルポリマー（シンタレン L:和光純薬社製) 0. lg、濃グリセリン 3g及び水酸ィ匕カリウム 0. 04 4gを精製水に加え、室温で撹拌し、水相とした。油相に水相を加え、 30°Cで撹拌' 混合しローションを製造した。得られたローションの使用感の評価を、 10名のパネラ一による使用テストにより上記の試験例と同様に行った。結果を表 3に示す。

[0049] [表 3] 表 3

[0050] アルゲコロイド、ヒアルロン酸、及びシルク末を含有する実施例 5のローションは、滑らかな使用感を有していることが明らかとなった。

産業上の利用可能性

[0051] 本発明は、アルゲコロイド及び Z又はヒアルロン酸を含有し、かつ、滑らかな使用感を有する乳化組成物を提供するものである。本発明の乳化組成物は、例えば皮膚外用化粧料等として化粧品産業において利用できるほか、乾燥性皮膚疾患に対する治療剤として医薬品産業において利用でき、産業上の利用可能性を有する。

Claims

請求の範囲

[1] アルゲコロイド及び Z又はヒアルロン酸、並びにシルク末を含有する、乳化組成物。

[2] アルゲコロイド、ヒアルロン酸、及びシルク末を含有する、請求項 1に記載の乳化組成物。

[3] 乳化組成物が、水中油型乳化組成物である、請求項 1又は 2に記載の乳化組成物 [4] 皮膚外用剤である、請求項 1〜3のいずれか一項に記載の乳化組成物。