JP2006111576A - ムコ多糖類とシルクペプチドを含有する皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】紫外線による肌へのダメージを防止・回復する効果を有し、使用感も良好で、かつ、保湿性にも優れた皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ムコ多糖類とシルクペプチドを含有することを特徴とする皮膚外用剤、並びに、前記ムコ多糖類がヒアルロン酸及び/又はその塩と、デルマタン硫酸及び/又はその塩であることを特徴とする皮膚外用剤、さらに、前記ムコ多糖類の配合量が0.001〜5重量%であること、前記シルクペプチドの配合量が0.01〜20重量%であることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】ムコ多糖類とシルクペプチドを含有することを特徴とする皮膚外用剤、並びに、前記ムコ多糖類がヒアルロン酸及び/又はその塩と、デルマタン硫酸及び/又はその塩であることを特徴とする皮膚外用剤、さらに、前記ムコ多糖類の配合量が0.001〜5重量%であること、前記シルクペプチドの配合量が0.01〜20重量%であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ムコ多糖類とシルクペプチドを含有する皮膚外用剤に関する。
健康な皮膚を保つためには水分の保持が不可欠であり、保湿を目的とした皮膚外用剤が数多く市販されている。近年、保湿に関与する物質について、ムコ多糖類をはじめとして多くの研究が行なわれ、今日では、皮膚外用剤においても数多くの保湿剤が使用されるに至っている。
ムコ多糖類は、皮膚の天然保湿因子として知られ、優れた保湿効果を有していることから、種々の化粧品に保湿剤として使用されている。これらムコ多糖類を含む皮膚外用剤は、充分な保湿効果を持ち、使用感が良好なものであった。
しかしながら、近年、従来から皮膚のしわ、しみなど皮膚の老化の原因となるものとして知られていた紫外線による肌への悪影響が注目されるようになり、紫外線対策用の皮膚外用剤が望まれている。具体的には、適する種類及び量の紫外線吸収剤等の紫外線防御剤を、主として、クリーム、乳液基剤に配合し、紫外線そのものを皮膚に到達させない機能を有する皮膚外用剤である。
前記ムコ多糖類を含む皮膚外用剤は、充分な保湿効果と良好な使用感を併せもつものであったが、紫外線遮断効果を有しておらず、紫外線対策用の皮膚外用剤として、従来の皮膚外用剤のみでは対応しきれなくなった。
また、上述した、紫外線を遮断する効果のみならず、紫外線が皮膚に到達してしまった後においても、紫外線によりダメージを受けた皮膚を回復させ、皮膚の状態をできるだけ健全に保つことのできる皮膚外用剤の開発も望まれている。
上述の観点から、紫外線そのものの防止効果が高く、かつ、紫外線によるダメージを受けた皮膚を回復させる効果に優れ、尚且つ、充分な保湿効果を持ち、使用感が良好な皮膚外用剤の開発が強く望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、紫外線による皮膚のダメージを防止し、かつ、ダメージを受けた皮膚を回復させる効果に優れ、しかも、使用感に優れた、保湿性を有する皮膚外用剤を提供することにある。
即ち、請求項1は、ムコ多糖類とシルクペプチドを含有することを特徴とする皮膚外用剤に関する。
請求項2は、前記ムコ多糖類が少なくともヒアルロン酸及び/又はその塩、デルマタン硫酸及び/又はその塩から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤に関する。
請求項3は、前記ムコ多糖類の配合量が、0.001〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤に関する。
請求項4は、前記ヒアルロン酸及び/又はその塩とデルマタン硫酸及び/又はその塩の配合比率が、1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項5は、前記シルクペプチドの配合量が、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項6は、化粧料組成物であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項7は、医薬部外品であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項2は、前記ムコ多糖類が少なくともヒアルロン酸及び/又はその塩、デルマタン硫酸及び/又はその塩から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤に関する。
請求項3は、前記ムコ多糖類の配合量が、0.001〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤に関する。
請求項4は、前記ヒアルロン酸及び/又はその塩とデルマタン硫酸及び/又はその塩の配合比率が、1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項5は、前記シルクペプチドの配合量が、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項6は、化粧料組成物であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
請求項7は、医薬部外品であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の皮膚外用剤に関する。
本発明によれば、紫外線による皮膚のダメージを防止し、かつ、ダメージを受けた皮膚を回復させる効果に優れ、しかも、使用感に優れた、保湿性を有する皮膚外用剤が提供される。
本発明にかかる皮膚外用剤は、ムコ多糖類とシルクペプチドが含有される。
本発明に用いられるムコ多糖類としては、特に限定されるものではないが、デルマタン硫酸 、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、或いはこれらの塩類が好適である。中でも、デルマタン硫酸、ヒアルロン酸或いはこれらの塩類が最適である。
本発明に用いられるムコ多糖類としては、特に限定されるものではないが、デルマタン硫酸 、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、或いはこれらの塩類が好適である。中でも、デルマタン硫酸、ヒアルロン酸或いはこれらの塩類が最適である。
デルマタン硫酸は、コンドロイチン硫酸Bとも呼ばれる分子量2〜40万のグリコサミノグリカンの一種である。一般的には、デルマタン硫酸は次式1(化1)に示されるL−イズロン酸とN−アセチルガラクトサミン−4−硫酸からなる二糖単位の繰り返しが主体となっているが、ウロン酸の一部がL−イズロン酸硫酸あるいはD−グルクロン酸である場合や、N−アセチルガラクトサミン−4−硫酸の一部が硫酸化されていない場合や、4,6−二硫酸化されている場合がある。
デルマタン硫酸は、皮膚の繊維形成に関与し、リポタンパク(LDLとVLDL)及びカイロミクロンの血管壁沈着を防止する効果が、また表皮レベルでは、紫外線B暴露後の炎症皮膚において、デルマタン硫酸による抗浮腫作用と再生効果が、それぞれ確認されている。その他にも、デルマタン硫酸を含有することにより、表皮有棘細胞のトラブルを解消し、角化作用を改善すること、及び、デルマタン硫酸の線溶作用と血管拡張作用によって蜂巣炎、小血腫などの除去にも役立つことが確認されている。
また、デルマタン硫酸による肌の潤滑、保湿作用の特徴はデルマタン硫酸中に含まれている多マイナスイオン基の働きから誘導されたもので、化粧用デルマタン硫酸は、つかれ肌や老人肌の活性化によい効果を示す。
また、デルマタン硫酸による肌の潤滑、保湿作用の特徴はデルマタン硫酸中に含まれている多マイナスイオン基の働きから誘導されたもので、化粧用デルマタン硫酸は、つかれ肌や老人肌の活性化によい効果を示す。
ヒアルロン酸は、次式2(化2)に示されるO−β−D−グルクロノシル(1→3)−N−アセチル−β−D−グルコサミニル(1→4)単位の二糖繰り返し構造を持つグリコサミノグリカンの一種であり、主として、動物の関節液や眼球ガラス体液、臍帯(へそのお)、真皮表層などの結合組織等に存在している。
ヒアルロン酸は、皮膚の年齢を若返らす効果、皮膚の柔軟性を高める効果、皮膚の保湿性を高める効果、皮膚の新陳代謝を高める効果、紫外線による肌へのダメージを軽減する効果、肌のくすみを消す効果、顔のシミを減らす効果、化粧のノリを良くする効果、小じわを減らす効果、目のまわりにハリを出す効果、吹き出物を消す効果、乾燥肌を治す効果、唇の荒れを治す効果、赤ら顔を改善する効果、傷の治りを早める効果、踵の角質を柔らかくする効果などがある。
本件発明に用いられるデルマタン硫酸とヒアルロン酸は、合成品か、半合成品であってもよく、鳥類、魚類、哺乳類等からの天然物抽出物であってもよい。尚、合成品とは、化学合成によって製造されたものを指し、半合成品とは、化学合成品、又は天然物抽出物をさらに合成したものを指す。ヒアルロン酸とデルマタン硫酸が天然物抽出物の場合は、抽出源は特に限定されないが、人間と同じ哺乳類が好ましく、哺乳類の中でも人間との組織和合性が高いとされる豚(Sus属)由来のものがより好ましい。尚、豚の品種としては、デュロック種(Duroc)、バークシャー種(Berkshire)、ハンプシャー種(Hampshire)、ランドレース種(Landrace)、大ヨークシャー種(Large Yorkshire, Large White)、中ヨークシャー種(Middle Yorkshire, Middle White)等やそれらの雑種等を挙げることができる。
本発明で使用するヒアルロン酸とデルマタン硫酸の配合比率は、特に限定されないが、好ましくは、重量比でヒアルロン酸1に対してデルマタン硫酸を1〜200、より好ましくは、1〜100とする。
この理由は、デルマタン硫酸の配合比率がヒアルロン酸の配合比率と比較して、あまりにも低すぎると、デルマタン硫酸による効果が望みにくい場合があり、逆に、高すぎると、ヒアルロン酸による効果が望みにくいからである。
この理由は、デルマタン硫酸の配合比率がヒアルロン酸の配合比率と比較して、あまりにも低すぎると、デルマタン硫酸による効果が望みにくい場合があり、逆に、高すぎると、ヒアルロン酸による効果が望みにくいからである。
また、前記ムコ多糖類、即ち、ヒアルロン酸及び/又はデルマタン硫酸の配合量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定されないが、皮膚外用剤全量の0.001〜5重量%とするとよく、0.01〜2重量%とすることがより好ましい。この理由は、0.001重量%未満の配合量では、保湿の効果に劣るために、また、5重量%を超えて配合すると、使用感に問題が生じる場合があるために、いずれの場合も好ましくないからである。
次に前記ムコ多糖類とともに、本発明にかかる皮膚外用剤に含有されるシルクペプチドについて詳説する。シルクペプチドは、昆虫が自分のライフサイクルを守る為に分泌した繊維状のタンパク質であり、これにより、暑さ、寒さ、風雨や紫外線及び外的最近等から身を守るだけでなく、酸素や水分を取り入れ、二酸化炭素や排出物を出す生理的な住環境を可能とするものであるところ、紫外線を吸収する、吸湿性と放湿性が極めてよい、適度な保水性を持つ、抗菌性がある等の効果を有する。
更に、シルクペプチドのアミノ酸組成は人体のアミノ酸組成に近似している為、肌にも馴染み易いという特徴を有する。
更に、シルクペプチドのアミノ酸組成は人体のアミノ酸組成に近似している為、肌にも馴染み易いという特徴を有する。
シルクペプチドは、その抽出源として、家蚕(屋内飼育)由来か、野蚕(山野に生育)由来のどちらであってもよい。また、用いられるシルクペプチドは、家蚕若しくは野蚕から抽出したシルク由来タンパクを酵素分解したもので、完全水溶性のパウダー状であることが好ましい。
尚、シルクペプチドとして、市販のものを使用してもよく、シルクパウダーのシルクAN−P(平均分子量3000以下)、BN−P(平均分子量500以下)、AW−1等(以上、全てエヌディシー社製)が例示される。
尚、シルクペプチドとして、市販のものを使用してもよく、シルクパウダーのシルクAN−P(平均分子量3000以下)、BN−P(平均分子量500以下)、AW−1等(以上、全てエヌディシー社製)が例示される。
前記シルクペプチドの配合量は、本発明の効果を発揮すれば特に限定されず、皮膚外用剤全量の0.01〜20重量%とするとよく、0.1〜5重量%とすることがより好ましい。
この理由は、0.01重量%未満の配合量では、紫外線防御の効果に劣るために、また、20重量%を超えて配合すると、使用感に問題が生じる場合があるために、いずれの場合も好ましくないからである。
この理由は、0.01重量%未満の配合量では、紫外線防御の効果に劣るために、また、20重量%を超えて配合すると、使用感に問題が生じる場合があるために、いずれの場合も好ましくないからである。
前記構成による本発明の皮膚外用剤は、化粧料、医薬品、医薬部外品等、いずれにも用いることができ、その剤型としては、例えば、化粧水、クリ−ム、乳液、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏、パップ剤、エッセンス、パック、洗浄剤、浴用剤、ファンデ−ション、打粉、口紅等の皮膚に適用されるものであれば良い。
本発明の皮膚外用剤は、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲において、上記必須成分の他に、通常化粧料や医薬品、医薬部外品等に用いられる各種任意成分を適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば精製水、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレート剤等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤は、患部に約50mg塗布することのみで、紫外線による肌のダメージを防止・回復する効果を発揮し、優れた使用感、高い保湿効果をも発揮することができる。
その他、上述した本発明の皮膚外用剤に含まれる構成成分の働きにより、角化作用、炎症沈静化能、抗菌能、細胞賦活化能、抗酸化作用等にも優れる。
このことから、本発明にかかる皮膚外用剤は、紫外線吸収剤として化粧品原料等にも広く適用できる他、その作用効果に応じて、抗炎症剤、抗菌剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、保湿剤、抗酸化剤など様々な用途に使用可能となる。
このことから、本発明にかかる皮膚外用剤は、紫外線吸収剤として化粧品原料等にも広く適用できる他、その作用効果に応じて、抗炎症剤、抗菌剤、細胞賦活剤、活性酸素除去剤、保湿剤、抗酸化剤など様々な用途に使用可能となる。
以下、本発明を実施例に基づき更に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。尚、特記しない限り、配合量を重量%で表す。
(試料の調製)
表1に記した組成に従い、実施例1乃至6及び比較例1乃至6の各試料をそれぞれ定法により調製し、下記評価、即ち、保湿効果の評価及び紫外線吸収能の評価に供した。○の表示は、当該成分が含有されていることを示し、―の表示は、当該成分が含有されていないことを示す。尚、実施例1乃至6及び比較例1乃至6は、全て5%グリセリン水溶液を使用し調製した。
表1に記した組成に従い、実施例1乃至6及び比較例1乃至6の各試料をそれぞれ定法により調製し、下記評価、即ち、保湿効果の評価及び紫外線吸収能の評価に供した。○の表示は、当該成分が含有されていることを示し、―の表示は、当該成分が含有されていないことを示す。尚、実施例1乃至6及び比較例1乃至6は、全て5%グリセリン水溶液を使用し調製した。
(試験例1:保湿効果の評価)
25℃、湿度45%の条件化で、被験者を2時間制動後、上腕内側部に上記の被験溶液を約50mg塗布し、経時的に水分量(%)を測定した。
水分測定には、モイスチャーチェッカーMY707S(スカラ株式会社製)を使用した。測定はそれぞれ計6回行い、平均値と標準偏差を算出した。尚、計測数値は、高ければ高いほど、保湿効果が優れていることを示す。結果を以下の表2に示す。
25℃、湿度45%の条件化で、被験者を2時間制動後、上腕内側部に上記の被験溶液を約50mg塗布し、経時的に水分量(%)を測定した。
水分測定には、モイスチャーチェッカーMY707S(スカラ株式会社製)を使用した。測定はそれぞれ計6回行い、平均値と標準偏差を算出した。尚、計測数値は、高ければ高いほど、保湿効果が優れていることを示す。結果を以下の表2に示す。
(保湿効果の検討)
上記表2の結果より、ムコ多糖類(ヒアルロン酸及び/又はデルマタン硫酸)とシルクペプチドの双方を含有する溶液を使用した場合(実施例1乃至6)、その水分量(%)は、未塗布の場合等と比較すると、処理後5分、30分及び60分の全てにおいて、明らかに高く、優れた保湿効果を有しているといえる。
特に、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、シルクペプチドの3種を含有した溶液(実施例3及び6)では、極めて優れた保湿効果が認められた。
また、ムコ多糖類若しくはシルクペプチドのどちらか一方のみを含有する溶液(比較例2乃至6)にも、優れた保湿効果が認められたが、前記3種を含有した溶液(実施例3及び6)に見られる極めて優れた保湿効果は認められなかった。
上記表2の結果より、5%グリセリン水溶液のみの場合(比較例1)では、処置後の経過時間(5分、30分、60分)に伴い、その保湿効果が低下しているのに対し、ムコ多糖類とシルクペプチドの双方を含有する溶液(実施例1乃至6)では、処理後5分、30分、60分に関りなく、肌の水分量を持続していることが判明した。
また、極めて優れた保湿効果が認められた実施例3及び6でも、処理後5分、30分、60分に関りなく、肌の水分量を持続していることが判明した。
その他、ムコ多糖類若しくはシルクペプチドのどちらか一方のみを含有する溶液(比較例2乃至6)についても、処理後の肌の水分量に変化は認められなかった。
また、極めて優れた保湿効果が認められた実施例3及び6でも、処理後5分、30分、60分に関りなく、肌の水分量を持続していることが判明した。
その他、ムコ多糖類若しくはシルクペプチドのどちらか一方のみを含有する溶液(比較例2乃至6)についても、処理後の肌の水分量に変化は認められなかった。
以上より、保湿効果は、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、シルクペプチドの3種を含有した実施例3及び6が、最も優れていることが判明した。よって、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、シルクペプチドの3種を含有した皮膚外用剤が、高い保湿性を発揮する上で、最も適した組成であるといえる。
(試験例2:紫外線吸収効果の検討)
紫外線吸収能の測定は、UV−2500PC(SHIMADZU社製)を使用し、定法により、それぞれのサンプルにおける紫外線吸収スペクトルを測定した。尚、全てのサンプルにおいて、5%グリセリン水溶液を使用し調整した。結果を図1乃至図3に示す。
紫外線吸収能の測定は、UV−2500PC(SHIMADZU社製)を使用し、定法により、それぞれのサンプルにおける紫外線吸収スペクトルを測定した。尚、全てのサンプルにおいて、5%グリセリン水溶液を使用し調整した。結果を図1乃至図3に示す。
図1は、ヒアルロン酸0.1%水溶液(1で示す)、デルマタン硫酸0.1%水溶液(2で示す)と、平均分子量500のシルクペプチド0.1%水溶液(3で示す)及び平均分子量3000以下のシルクペプチド0.1%水溶液(4で示す)のそれぞれについて測定した、紫外線吸収スペクトルを示したものである。
図1より、シルクペプチドは、共に、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有することが判明した。一方、ムコ多糖類はともに目立った紫外線吸収能は示さなかった。
図1より、シルクペプチドは、共に、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有することが判明した。一方、ムコ多糖類はともに目立った紫外線吸収能は示さなかった。
図2は、ヒアルロン酸0.1%を含有した水溶液(1で示す)及び平均分子量500のシルクペプチド0.1%水溶液(2で示す)の他、ヒアルロン酸0.1%と平均分子量500のシルクペプチド0.1%を含有した混合水溶液(3で示す)のそれぞれについて測定した、紫外線吸収スペクトルを示したものである。
図2より、ヒアルロン酸とシルクペプチドを含有した混合水溶液は、シルクペプチド単独水溶液の場合と同様、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有することが判明した。
図2より、ヒアルロン酸とシルクペプチドを含有した混合水溶液は、シルクペプチド単独水溶液の場合と同様、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有することが判明した。
図3は、ヒアルロン酸0.1%と平均分子量500のシルクペプチド0.1%を含有した水溶液(1で示す)と、前記1で示す水溶液にデルマタン硫酸0.1%を加えた混合水溶液(2で示す)のそれぞれについて測定した、紫外線吸収スペクトルを示したものである。
図3より、吸収スペクトル波形は、ほぼ同一のものであることが確認できた。
また同様に、図3は、ヒアルロン酸0.1%と平均分子量3000以下のシルクペプチド0.1%を含有した水溶液(3で示す)と、前記3で示す水溶液にデルマタン硫酸0.1%を加えた混合水溶液(4で示す)のそれぞれについて測定した、紫外線吸収スペクトルを示したものである。
図3より、吸収スペクトル波形は、ほぼ同一のものであることが確認できた。
以上より、シルクペプチドとヒアルロン酸の混合溶液に、さらにデルマタン硫酸を加えても、紫外線吸収能は変化せず、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有することが判明した。
図3より、吸収スペクトル波形は、ほぼ同一のものであることが確認できた。
また同様に、図3は、ヒアルロン酸0.1%と平均分子量3000以下のシルクペプチド0.1%を含有した水溶液(3で示す)と、前記3で示す水溶液にデルマタン硫酸0.1%を加えた混合水溶液(4で示す)のそれぞれについて測定した、紫外線吸収スペクトルを示したものである。
図3より、吸収スペクトル波形は、ほぼ同一のものであることが確認できた。
以上より、シルクペプチドとヒアルロン酸の混合溶液に、さらにデルマタン硫酸を加えても、紫外線吸収能は変化せず、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有することが判明した。
以上より、シルクペプチドが有する優れた紫外線吸収能は、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸を加えることによって、変化することはなく、ヒアルロン酸若しくはデルマタン硫酸とシルクペプチドを含有した皮膚外用剤、及び、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、シルクペプチドの3種を含有した皮膚外用剤は、波長280nm付近において極大した紫外線吸収能を有する。
このことから、本発明に係る皮膚外用剤は、紫外線の中で特に皮膚に急性の炎症と火傷を起こす波長280nm〜320nmの中波長紫外線(紫外線B)を吸収することができ、日焼けによるシミなどを防御する紫外線吸収剤や、日焼けによる炎症を保湿機能により沈静する炎症沈静化剤等にも利用できる。
このことから、本発明に係る皮膚外用剤は、紫外線の中で特に皮膚に急性の炎症と火傷を起こす波長280nm〜320nmの中波長紫外線(紫外線B)を吸収することができ、日焼けによるシミなどを防御する紫外線吸収剤や、日焼けによる炎症を保湿機能により沈静する炎症沈静化剤等にも利用できる。
以下、本発明にかかる皮膚外用剤の処方例を示す。尚、配合量は重量%である。
(処方例1:クリーム剤)
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
スクワラン 5.5
オリーブ油 3.0
ステアリン酸 2.0
ミツロウ 2.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ベヘニルアルコール 1.5
1,3−ブチレングリコール 7.5
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
スクワラン 5.5
オリーブ油 3.0
ステアリン酸 2.0
ミツロウ 2.0
ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ベヘニルアルコール 1.5
1,3−ブチレングリコール 7.5
パラオキシ安息香酸エチル 0.05
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
(処方例2:軟膏)
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 6.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
プロピレングリコール 10.0
ケラタン硫酸ナトリウム 0.05
精製水 残分
合計 100.0
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0
流動パラフィン 5.0
セタノール 6.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
プロピレングリコール 10.0
ケラタン硫酸ナトリウム 0.05
精製水 残分
合計 100.0
(処方例3:ゲル剤)
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
エタノール 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
ヘパラン硫酸ナトリウム 0.015
水酸化カリウム 0.2
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
エタノール 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
ヘパラン硫酸ナトリウム 0.015
水酸化カリウム 0.2
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
(処方例4:化粧水)
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
キサンタンガム 0.02
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.1
エタノール 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 3.0
キサンタンガム 0.02
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.1
エタノール 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.1
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
(処方例5:乳液)
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
セタノール 1.5
モノステアリン酸グリセリン 2.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 2.0
プロピレングリコール 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
ヒアルロン酸 0.1
デルマタン硫酸 0.1
平均分子量500のシルクペプチド 0.1
グリセリン 5.0
オリーブ油 5.0
ホホバ油 5.0
セタノール 1.5
モノステアリン酸グリセリン 2.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート 2.0
プロピレングリコール 1.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.2
香料 適量
精製水 残分
合計 100.0
Claims (7)
- ムコ多糖類とシルクペプチドを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
- 前記ムコ多糖類が少なくともヒアルロン酸及び/又はその塩、デルマタン硫酸及び/又はその塩から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- 前記ムコ多糖類の配合量が、0.001〜5重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- 前記ヒアルロン酸及び/又はその塩とデルマタン硫酸及び/又はその塩の配合比率が、1:9〜9:1であることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の皮膚外用剤。
- 前記シルクペプチドの配合量が、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の皮膚外用剤。
- 化粧料組成物であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の皮膚外用剤。
- 医薬部外品であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の皮膚外用剤。
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JP2004300795A JP2006111576A (ja) | 2004-10-14 | 2004-10-14 | ムコ多糖類とシルクペプチドを含有する皮膚外用剤 |
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- 2004-10-14 JP JP2004300795A patent/JP2006111576A/ja active Pending
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