WO2008001856A1 - Composition adhésive pour filtre optique, couche adhésive ayant la fonction d'un filtre optique, et filtre composite - Google Patents

Composition adhésive pour filtre optique, couche adhésive ayant la fonction d'un filtre optique, et filtre composite Download PDF

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Description

明 細 書
光学フィルタ用粘着剤組成物、光学フィルタ機能を有する粘着剤層、及 び複合フィルタ
技術分野
[0001] 本発明は、表示装置の前面に配置され、表示装置から放射される不要な光をカット したり、色調を調整可能な粘着剤層、及び当該粘着剤層を形成するのに適した光学 フィルタ用粘着剤組成物、並びに当該粘着剤層を用いた表示装置用複合フィルタに 関するものである。
背景技術
[0002] 近年、種々の電子機器の表示装置として、 CRT (ブラウン管)、 LCD (液晶ディスプ レイ)、 PDP (プラズマディスプレイ)、有機'無機 ELディスプレイ、 FED (フィールドェ ミッションディスプレイ)等の表示装置が使用されて 、る。
このような表示装置の前面には、不要な発光成分を除去して、表示色を鮮明にする ために、光学フィルタが設置されている。例えば、プラズマディスプレイでは、放電に よりキセノンとネオンの混合ガスが励起され真空紫外線を放射し、その真空紫外線励 起による赤、青、緑のそれぞれの蛍光体の発光を利用して 3原色発光を得ている。そ の際、ネオン原子が励起された後、基底状態に戻る際に 590nm付近を中心とするネ オンオレンジ光(以下、 Ne光ともいう)を発光するため、プラズマディスプレイでは、赤 色にオレンジ色が混ざり鮮やかな赤色が得られない欠点がある。また一方で、キセノ ン原子が励起された後、基底状態に戻る際には紫外線以外に 800〜1100nm付近 の近赤外線 (以下、 NIRともいう)が発生し、発生した近赤外線は周辺機器の誤作動 を引き起こす。この為、プラズマディスプレイではネオンオレンジ光や近赤外線を吸 収除去する機能を有するフィルタ、例えば、ネオンオレンジ光および近赤外線の波長 の透過率を局所的に低下させているフィルタを、ディスプレイの前面に設置している 。更に上記フィルタには可視光波長領域の透過率の調節により、画像の色バランス を補正したり色純度を改善する機能を付与することもある。更に、これら各種フィルタ 機能を実現する為のフィルタ、中でも NIR吸収フィルタは、其の中に含まれる色素が 日光等に由来する紫外線 (以下、 UVともいう)で劣化し易いと云う問題が有り、これを 解決する為に、 UV吸収機能も求められる場合がある。
[0003] また、電気電子機器の機能高度化及び利用増加に伴い、電磁気的なノイズ妨害( Electro Magnetic Interference; EMI)が増えており、 PDPなど、上述の表示装 置でも電磁波が発生する。そこで、通常、 PDPなどでは、その前面に電磁波遮蔽機 能を有する電磁波遮蔽シート (電磁波遮蔽フィルタ)を配置する。なお、 PDPの前面 力 発生する電磁波に対する遮蔽性は、 30MHz〜lGHzにおいて 30dB以上の性 能が必要である。尚、本願明細書においては、「電磁波」の語は MHz〜GHz程度の 周波数帯域以下の電磁波の意味で使用し、赤外線、可視光線、及び紫外線とは区 別して用いる。
この様な用途に用いる電磁波遮蔽シートでは電磁波遮蔽性能と共に光透過性も要 求される。従って、電磁波遮蔽シートとしては、榭脂フィルムからなる透明基材フィル ムに接着剤で貼り合わせた銅箔等の金属箔をエッチングして導電体メッシュ層とした もの等が知られている。
[0004] そこでディスプレイの前面に配置する前面フィルタとしては、電磁波遮蔽機能と共に 、 NIR吸収機能、 Ne光吸収機能、色補正機能、 UV吸収機能なども複合化して一体 化した複合フィルタとしたものが使用されることが多い。
[0005] 例えば、特許文献 1や特許文献 2では、透明基材フィルムの一方の面に導電体メッ シュ層、更にディスプレイに貼り付ける為の粘着剤層を順次形成し、該透明基材フィ ルムの他方の面に、 NIR吸収フィルタフィルムなどを、ラミネートした複合フィルタが提 案されている。
また、特許文献 3では、透明基材フィルムの一方の面に、接着剤層を介して金属箔 をラミネートして、該金属箔をエッチングカ卩ェして導電体メッシュ層とし、ディスプレイ に貼り付ける為の接着剤層中に NIR吸収色素を添加したり、或いは背面に NIR吸収 色素を添加した榭脂層を形成した複合フィルタが提案されている。
[0006] 一方、特許文献 4には、(i)アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック (A 1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を主体とし重合体ブロック (A1)とは構造の 異なる重合体ブロック(B1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル酸 エステル単位を主体とする重合体ブロック(A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル単 位を主体とし重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B1)の 1個が互 いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有するブロック共重合体であつ て、質量平均分子量が 120, 000以上で且つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満 であるブロック共重合体 (I);および、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブ ロック(A2)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を主体とし重合体ブロック(A2)とは 構造の異なる重合体ブロック (B2)の 1個が結合している、分子量分布 (MwZMn) が 1. 5未満のジブロック共重合体 (II);を含有するアクリル系ブロック共重合体組成 物であって;(ii)ブロック共重合体 (I):ジブロック共重合体 (II)の含有割合が 100 : 5 0〜: L00: 500の質量比である;ことを特徴とするアクリル系ブロック共重合体組成物 が記載されており、粘着剤組成物として有用であることが記載されている。し力しなが ら、特許文献 4には、表示装置用途として用いることや、光学フィルタ機能を付与する ことや、光吸収剤の劣化や、耐衝撃性に関しては、一切記載されていない。
[0007] 特許文献 1 :特開 2001— 210988号公報
特許文献 2:特開平 11— 126024号公報
特許文献 3:特許第 3473310号公報
特許文献 4:特開 2005 - 307063号公報
特許文献 5:特開 2002— 260539号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0008] 表示装置の大型化が進み、光学フィルタも軽量化、薄膜化が求められる中、表示 装置の前面ガラス等に直接貼付可能な接着性と、近赤外線吸収機能、ネオン光吸 収機能、色調調整機能等の光学フィルタ機能とを兼ね備えるような層が単層で実現 できれば、軽量化、薄膜ィ匕が可能となる上、製造工程の簡略ィ匕及び低コストィ匕が図 れると考えられる。
し力しながら、粘着剤層として機能するような従来用いていたアクリル系粘着剤層に 、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色調調整機能を有するような光吸収剤( 色素)を含有させると、光吸収剤 (色素)が劣化して光学フィルタとしての分光特性が 変化するという問題が生じており、実用化は困難であった。
[0009] 例えば、特許文献 3のように、複合フィルタをディスプレイの表面に貼り付ける為に、 導電体メッシュ面に塗工する接着剤層 (なお、所謂粘着剤も接着剤の一形態である) 中に NIR吸収色素などの色素を添加する方式の場合、確かに構成層数及び製造ェ 程数は削減される。しかし、該接着剤層が透明基材フィルムに対して導電体メッシュ 層と同じ側にあると、隣接する各層と色素とが反応して変色、或いは褪色し、吸収ス ベクトル特性の変化を生じること、即ち光吸収剤が劣化するという問題があった。この 光吸収剤の劣化は、室温雰囲気下 (気温 10〜20°C前後、相対湿度 30〜60%前後 )でも長時間経過するに従って起きるが、特に高温雰囲気下 (気温 50°C以上)、或い は高温高湿度雰囲気下 (気温 50°C以上、且つ相対湿度 70%以上)において促進さ れ、顕著となる。特にジィモ -ゥム系等の有機系色素が専ら用いられる NIR吸収色 素について、この傾向が大であった。
[0010] この原因は、詳細は未解明の部分も有るが、力かる構成のフィルタに於いて、色素 劣化の機構には大別して、以下の 2種類があると推測される。
(1)〔色素と隣接する各層との相互作用 (化学反応)〕具体的には、導電体メッシュ層 の金属 (特に、一般的に多用される銅、鉄等の遷移金属元素)、黒化層を構成する 金属化合物 (特に、一般的に多用される銅、亜鉛、コバルト等の遷移金属元素の化 合物)、被着体である表示装置の硝子板中のナトリウムイオン、或いは導電体メッシュ 層と透明基材フィルムとの間にウレタン系榭脂の接着剤層が介在する場合には、ウレ タン結合等の接着剤層中の原子団 (官能基)等と、色素とが直接反応するか、又は触 媒として間接的に反応促進するかして、色素の吸収スペクトルを変化させる。
(2)〔色素と接着剤との相互作用〕具体的には、色素を添加する接着剤中の成分 (特 に、原子団ゃ官能基)と色素との相互作用(化学反応、或は触媒作用)で色素の分 子構造が変化し、それに伴うエネルギー順位の変化によって色素の吸収スペクトル を変化させる。
そして、いずれの場合においても、単に色素の反応劣化を防止する為だけであれ ば、化学的に耐久性の有る無機系の光吸収剤、例えばカーボンブラック (炭素)、金 属酸化物等を使用すれば解決可能では有る。しかし、これら高耐久性の光吸収剤は 、何れも可視光線帯域での透過率が低ぐ透明性が必須の画像表示装置用途には 適用が困難であった。
[0011] また、特許文献 5には、ディスプレイの前面に反射防止膜を有する光学フィルター を粘着剤層を介して貼付したプラズマディスプレイパネルであって、衝撃試験による 破壊エネルギーが 0. 5ジュール以上であるプラズマディスプレイパネルが提案されて おり、粘着剤層に耐衝撃性をもたせることや、色素のような光吸収剤を含有させること が記載されている。しかしながら特許文献 5に記載されている粘着剤層によれば、金 属イオンを架橋してアイオノマー榭脂としているので光吸収剤が経時で劣化するため 、分光特性変化が起こり、やはり実用上問題があった。
[0012] 本発明は以上のような問題点を考慮してなされたものであり、接着性と、所望の光 学フィルタ機能とを単層で兼ね備えながら、長時間の使用、特に高温高湿下でも光 吸収剤の劣化に起因する分光特性変化が起こり難い粘着剤層、中でも特に、粘着剤 と添加された光吸収剤との相互作用による吸収スペクトルの変化の生じ難 、粘着剤 層を提供することを目的とする。及び、当該粘着剤層を実現することができる粘着剤 組成物、並びにこの粘着剤層を用いた光学フィルタ機能を有する複合フィルタを提 供することを目的とするものである。
[0013] また、複合フィルタの中でも特に、電磁波遮蔽機能以外に、 NIR吸収機能、 Ne光 吸収機能、色補正機能等の各種機能も複合化した複合フィルタにおいて、総厚、積 層数、及び製造工程の増加を抑えられるようにし、また複合フィルタをディスプレイの 表面に貼り付ける為の粘着剤層中に NIR吸収剤等の各種光吸収剤を添加し、しかも 該色素が金属力 成る導電体メッシュと接触しても、金属等と光吸収剤との相互作用 による光吸収剤の変質、劣化及び変色を防げる、透明性に優れた複合フィルタを提 供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
[0014] 上記課題を解決するために、本発明は、アクリル酸エステル単位を含んで成る重合 体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック( A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、 又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アタリ ル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロッ ク(B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有する多元ブ ロック共重合体と、ジィモ二ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤とを含有する光学フ ィルタ用粘着剤組成物であって、前記多元ブロック共重合体中の低分子量成分が、 当該粘着剤組成物からなる膜を気温 60°C、相対湿度 95%の雰囲気環境下で 1000 時間静置した前後の膜の色度差 Δ X及び Δ yが 、ずれも 0. 03以下になる量であるこ とを特徴とする、光学フィルタ用粘着剤組成物を提供する。
[0015] また、上記課題を解決するために、本発明は、アクリル酸エステル単位を含んで成 る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブ ロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B1)の 2個が互いに結合したトリブロッ ク構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ )アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体 ブロック (B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有し、 質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満である 多元ブロック共重合体と、所定波長域の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とを含 有することを特徴とする、光学フィルタ用粘着剤組成物を提供する。
[0016] 更に、上記課題を解決するために、本発明は、表示装置の前面に配置される粘着 剤層であって、アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メ タ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合 体ブロック (B1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル酸エステル単 位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで 成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 1個が互いに結合 したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有する多元ブロック共重合体と、ジィモ- ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤とを含有する粘着剤層であって、
前記多元ブロック共重合体中の低分子量成分が、当該粘着剤層を気温 60°C、相 対湿度 95%の雰囲気環境下で 1000時間静置した前後の膜の色度差 Δ X及び Δ y がいずれも 0. 03以下になる量であることを特徴とする、光学フィルタ機能を有する粘 着剤層を提供する。 [0017] また、上記課題を解決するために、本発明は、表示装置の前面に配置される粘着 剤層であって、アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メ タ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合 体ブロック (B1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル酸エステル単 位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで 成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 1個が互いに結合 したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有し、質量平均分子量が 50, 000以上で 且つ分子量分布 (MwZMn)が 1. 5未満である多元ブロック共重合体と、所定波長 域の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とを含有することを特徴とする、光学フィル タ機能を有する粘着剤層を提供する。
[0018] 本発明によれば、上記特定のブロック共重合体と、所定波長域の光吸収を有する 光吸収剤の 1種以上とが用いられていることにより、表示装置の前面に配置されたガ ラス板に直接貼付可能な接着性と、所望の光学フィルタ機能とを単層で兼ね備えな がら、長時間の使用、特に高温高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変 化が起こり難いという効果を得ることができる。また、上記特定のブロック共重合体を 用いたことで、本発明に係る粘着剤層は、耐衝撃性をも付与される。
[0019] また、本発明に係る粘着剤組成物、及び、粘着剤層にお!ヽては、少なくとも 800〜 1 lOOnmに吸収極大を有する光吸収剤を含有することが、近赤外線を吸収除去し、 近赤外線の波長の透過率を局所的に低下させる光学フィルタとすることができる点か ら好ましい。
また、本発明に係る粘着剤組成物、及び、粘着剤層においては、前記少なくとも 80 0〜: L lOOnmに吸収極大を有する光吸収剤として、フタロシアニン系化合物及び Z 又はジィモ -ゥム系化合物を含有させることができる。中でも、ジィモ -ゥム系化合物 は、近赤外域の吸収が大きぐ吸収域が広ぐ可視域の透過率も高い点から、近赤外 線吸収剤として好ましい化合物である力 長時間の使用、特に高温高湿下で特に劣 化しやすい化合物であり、従来粘着剤中に含有させることは非常に困難であった。 本発明に係る上記特定のブロック共重合体にぉ 、ては、高温高湿下でも劣化が抑 制されるために、近赤外線吸収剤として好適に用いることができる。 [0020] 本発明に係る粘着剤組成物、及び、粘着剤層にお 、ては、少なくとも 570〜610n mに吸収極大を有する光吸収剤を含有することが、少なくともディスプレイ力ものォレ ンジ色発光が抑制可能で、鮮やかな赤色を得ることができる点力 好ま 、。
[0021] また、本発明に係る粘着剤層においては、厚みが 50〜5, 000 mで、質量 534g の鋼球を落球させる落球衝撃試験による破壊エネルギーが 0. 5J以上と 、ぅ耐衝撃 性を有することが、耐衝撃性をも兼ね備えた光学フィルタ機能を有する粘着剤層とな る点力も好ましい。
[0022] 本発明に係る複合フィルタは、表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付 されるための光学フィルタ機能を有する複合フィルタであって、前記本発明に係る粘 着剤層に、電磁波遮蔽機能、反射防止機能、防眩機能、紫外線吸収機能、表面保 護機能のいずれか一種以上の機能を有する一層以上の機能層が積層されてなるこ とを特徴とする。
[0023] 本発明に係る複合フィルタにおいては、 800〜: L lOOnmの波長範囲の透過率が 3
0%以下であることが、ディスプレイ内部力も放出され、他の機器に誤動作を与え得る 近赤外線を遮断する効果の点から好まし ヽ。
本発明に係る複合フィルタにおいては、 560〜630nmの波長範囲における最大吸 収波長の透過率が 50%以下であることが、ディスプレイ内部力も放出され、色調に影 響を与えるネオン光を遮断する効果の点力も好ま 、。
本発明に係る複合フィルタにおいては、可視光 380〜780nmの波長範囲の透過 率が 20%以上であることが透明性が高く且つ外光存在下での画像コントラスト低下 の少な 、複合フィルタを得る点から好ま 、。
[0024] また、本発明に係る複合フィルタの中でも、好適な一態様の複合フィルタは、透明 基材フィルムの一方の面に、金属を用いた導電体メッシュ層、及び粘着剤層がこの 順に形成され、該透明基材フィルムの他方の面に表面保護層が形成された複合フィ ノレタであって、
前記粘着剤層中には近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、及び色補正光吸収剤の 3系統の光吸収剤が添加され、
電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能、及び、表 面保護機能の各機能を少なくとも有し、
なお且つ前記粘着剤層は、粘着剤の榭脂として、
アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸 エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B 1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、
又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アタリ ル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロッ ク(B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、
分子中に少なくとも有し、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布 (Mw ZMn)が 1. 5未満である多元ブロック共重合体を含有する、複合フィルタ(以下、当 該構成の複合フィルタを「シンプルフィルタ」と呼称する場合がある。 )である。
上記複合フィルタにおいては、前記表面保護層が反射防止機能又は防眩機能を 有する複合フィルタであることが好まし 、。
発明の効果
[0025] 本発明に係る粘着剤組成物は、接着性と、所望の光学フィルタ機能とを単層で兼 ね備えながら、長時間の使用、特に高温高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分 光特性変化が起こり難 ヽ粘着剤層を提供することができると ヽつた効果を奏する。 また、本発明に係る粘着剤層は、接着性、中でも表示装置の前面に配置されたガ ラス板に直接貼付可能な接着性と、所望の光学フィルタ機能とを単層で兼ね備えな がら、長時間の使用、特に高温高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変 化が起こり難ぐ且つ製造工程の簡略ィ匕及び低コストィ匕が図れるといった効果を奏す るものである。
[0026] 更に、本発明に係る光学フィルタ機能を有する複合フィルタは、前記本発明に係る 粘着剤層に 1層以上の機能層が積層されてなることにより、長時間の使用、特に高温 高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変化が起こり難ぐ分光特性の安 定性に優れるものである。また、従来のプラズマディスプレイパネルの表示面に直接 貼付されるための複合フィルタと比べても、層構成を単純化でき、軽量化、薄膜化が 可能で、製造工程の簡略化及び低コスト化が図れる。 [0027] 本発明に係る複合フィルタの中でも特に、上記シンプルフィルタの構成を有する場 合には、光吸収剤を用いた NIR吸収機能、 Ne光吸収機能、及び色補正機能の 3種 類の光学フィルタ機能を、各機能用光吸収剤を粘着剤層中に添加することにより実 現しているが、該粘着剤層に用いる粘着剤に特定の物質を採用してあるので、特に 、該粘着剤層や隣接各層と、各機能用光吸収剤との相互作用による光吸収剤の変 質や劣化を防げ光吸収剤の変色を防げる。
また、複合フィルタの透明基材フィルム側の表面は表面保護層によって、擦り傷、 汚染など力 保護できる。
また、 NIR吸収機能、 Ne光吸収機能、及び色補正機能などの各々を、フィルタフィ ルムを積層して付与する場合に比べて、複合フィルタとしての総厚が厚くなり構成層 数が増加する事、またこれによる製造工程数が増加する事も防げる。
図面の簡単な説明
[0028] [図 1]本発明の複合フィルタをプラズマディスプレイパネルの前面に直接貼付した場 合の積層構造の一例の断面図である。
[図 2]本発明の複合フィルタの他の一例の断面図である。
[図 3]本発明に用いられる電磁波遮蔽シートの一例の平面図である。
[図 4]本発明の耐衝撃性試験をするのに用いられる衝撃試験装置を示す図である。 符号の説明
[0029] 1 粘着剤層
2 電磁波遮蔽層
3 粘着剤層
4 反射防止層
5 表面保護層
10 複合フィルタ
11 透明基材
12 導電体メッシュ層
13 黒化処理
20 プラズマディスプレイパネル 31 試験台
32 土台
33 ガラス板
34 電磁石
35 鋼球
121 メッシュ領域
122 接地用領域
発明を実施するための最良の形態
[0030] 本発明は、光学フィルタ用粘着剤組成物及び光学フィルタ機能を有する粘着剤層 、並びに、それを用いた光学フィルタ機能を有する複合フィルタを含むものである。以 下、それぞれについて詳述する。
[0031] I.光学フィルタ機能を有する粘着剤層
本発明に係る第一の光学フィルタ機能を有する粘着剤層は、表示装置の前面に配 置される粘着剤層であって、アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A 1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造 の異なる重合体ブロック (B1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル 酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル 単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 1個 が互 、に結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有する多元ブロック共重合 体と、ジィモ -ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤とを含有する粘着剤層であって 前記多元ブロック共重合体中の低分子量成分が、当該粘着剤層を気温 60°C、相 対湿度 95%の雰囲気環境下で 1000時間静値した前後の当該粘着剤層の色度差 Δ X及び Δ yが 、ずれも 0. 03以下になる量であることを特徴とする。
ここで、上記多元ブロック共重合体中の低分子量成分とは、多元ブロック共重合体 を合成する際に使用される重合開始剤、分子量調節剤、その他添加剤などの反応 性のある物質の残留物や、残留モノマー、重合が不十分で構造末端に重合可能な 官能基を有するオリゴマーなどをさす。該低分子量成分は、各種光吸収剤の吸収ス ベクトルに変動 (劣化)を与え得る官能基又は原子団を有し得る。当該低分子量成分 は、質量平均分子量で 10, 000未満を目安とすることができる。
このような低分子量成分に伴って、光吸収剤の劣化(吸収スペクトルの変化、特に 可視光線領域における吸収スペクトルの変化)を促進し得る官能基又は原子団とし ては、例えば、水酸基、カルボキシル基、イソシァネート基、ウレタン結合等が代表的 なものである。
本発明は、粘着剤層における粘着剤として特定の多元ブロック共重合体に着目し、 中でも、高温高湿環境下でのジィモ -ゥム系近赤外線吸収剤の可視領域のスぺタト ル変化である色度差 Δ χ、 Ayを指標として、多元ブロック共重合体に含まれるジィモ 二ゥム系近赤外線吸収剤を劣化させる成分の許容量を選択することにより、上記課 題を解決した。
本発明の第一の粘着剤層によれば、劣化しやすいが吸収域が広く可視域の透過 率も高いジィモ -ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤に、上記低分子量成分含有 量が所定量よりも少な 、特定のブロック共重合体を組み合わせたことにより、ジィモ- ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤と粘着剤の相互作用による光吸収剤の劣化が 抑制され、接着性と、所望の近赤外線吸収機能とを単層で兼ね備えながら、長時間 の使用、特に高温高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変化が起こり難 V、と 、う効果を得ることができる。
本発明に係る第二の光学フィルタ機能を有する粘着剤層は、表示装置の前面に配 置される粘着剤層であって、アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A 1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造 の異なる重合体ブロック (B1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル 酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル 単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B)の 1個が 互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有し、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布 (Mw/Mn)が 1. 5未満である多元ブロック共重合体と 、所定波長域の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とを含有することを特徴とする。 本発明の第二の粘着剤層によれば、上記特定のブロック共重合体と、所定波長域 の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とが用いられていることにより、接着性と、所 望の光学フィルタ機能とを単層で兼ね備えながら、長時間の使用、特に高温高湿下 でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変化が起こり難いという効果を得ることがで きる。
[0033] 本発明に係る光学フィルタ機能を有する粘着剤層は、表示装置の前面に配置され たガラス板に直接貼付可能な接着性を有するが、表示装置の前面に配置されれば、 表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼り付けて使用されなくても、他の機 能層ゃ基材との間に配置されてそれらの層を接着するために使用されても良い。表 示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付又は層間接着が可能な接着性には 、半永久的な使用に耐え得るように剥がれやずれが生じず、且つ、貼りつけ後も平滑 な面力 は比較的容易に剥がすことができる程度の接着性、所謂粘着性が要求され る。特に、表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼り付けて使用される場合 には、剥離後には表示装置の再利用が可能 (以下、リワーク性ということがある。)なよ うに、再剥離性も求められる。
[0034] 表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付可能な接着性と、所望の光学フ ィルタ機能とを単層で兼ね備えるような粘着剤層は、光学フィルムを形成する際に、 層構成を単純化でき、軽量化、薄膜ィ匕が可能で、層構成を製造工程の簡略化及び 低コストィ匕が図れると 、う利点を有するが、ガラス板に直接貼付可能な接着性を有す るような材料を選択した上で、所望の光学フィルタ機能を達成するような光吸収剤を 含有させると、長時間の使用、特に高温高湿下で光吸収剤が劣化しやすいことから、 光学フィルタ機能の安定性が高い粘着剤層を実用化することは困難であるという問 題点があった。例えば、粘着剤層には、優れた粘着性乃至成膜性を与えるように、架 橋剤のような反応性モノマーが含有される場合が多 、が、このような反応性が高 ヽモ ノマーが含有される場合には顕著に近赤外線吸収剤のような光吸収剤が劣化する。 この点、本発明によれば、粘着剤層に用いられる榭脂が上記特定のブロック共重 合体であることにより、所望の光学フィルタ機能を達成するような光吸収剤を含有させ ても、光吸収剤と粘着剤の相互作用による光吸収剤の劣化が抑制され、長時間の使 用、特に高温高湿下で光吸収剤が劣化し難ぐ分光特性変化が起こり難い光学フィ ルタ機能の安定性が高い粘着剤層を得ることができる。
[0035] 本発明の粘着剤層に用いられる上記ブロック共重合体が、特定のトリブロック構造 を分子中に有するブロック共重合体であって、質量平均分子量が 50, 000以上で且 つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満であることにより、表示装置の前面に配置さ れたガラス板に直接貼付可能な接着性と、所望の光学フィルタ機能とを単層で兼ね 備えながら、長時間の使用、特に高温高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光 特性変化が起こり難い機能層を形成できるのは、未解明であるが、次のような理由に よるちのと考免られる。
すなわち、従来のガラス板に直接貼付可能な接着性を有するような材料において、 光吸収剤の劣化が起こりやすいのは、金属イオンを架橋してアイオノマー榭脂とした り、反応性の高い架橋剤を含有させたり、反応性が高いモノマーやオリゴマー成分等 を含有することに起因するものと考えられる。
それに対し、本発明に用いられる上記ブロック共重合体は、特定のトリブロック構造 を分子中に有するため、塗膜を形成すると擬似架橋構造をとつてミクロ相分離構造を 形成し易いと推定され、架橋剤を添加しなくても、接着性や成膜性が高い上、耐衝撃 性をも付与し得る。そして、本発明に用いられる上記ブロック共重合体は、質量平均 分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布 (MwZMn)が 1. 5未満と分子量分布が 狭いことにより、上記接着性や成膜性が損なわれない上に、反応性が高いモノマー やオリゴマー成分等が含まれないため、光吸収剤を共存させても長時間の使用、特 に高温高湿下でも光吸収剤が劣化し難いと推定される。
このように、本発明においては特定のブロック共重合体を選択したため、架橋剤を 含有させることなぐ必要な接着性と成膜性を実現でき、且つ、光吸収剤の劣化を抑 制することが可能になるため、表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付可 能な接着性と、所望の光学フィルタ機能とを単層で兼ね備えながら、長時間の使用、 特に高温高湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変化が起こり難い機能層 を形成することが可能になると考えられる。
[0036] 本発明の光学フィルタ機能を有する粘着剤層は、少なくとも上記特定のブロック共 重合体と、所定波長域の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とを含有するものであ り、必要に応じて他の化合物を含有しても良 、ものである。
このような本発明の光学フィルタ機能を有する粘着剤層は、以下の本発明に係る光 学フィルタ用粘着剤組成物を用いて形成することができる。そこで、まず、本発明に 係る光学フィルタ用粘着剤組成物について説明する。
[0037] 《光学フィルタ用粘着剤組成物》
本発明に係る第一の光学フィルタ用粘着剤組成物は、アクリル酸エステル単位を 含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り 重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 2個が互いに結合した トリブロック構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2 個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異な る重合体ブロック(B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくと も有する多元ブロック共重合体と、ジィモ -ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤とを 含有する光学フィルタ用粘着剤組成物であって、前記多元ブロック共重合体中の低 分子量成分が、当該粘着剤組成物からなる膜を気温 60°C、相対湿度 95%の雰囲 気環境下で 1000時間静値した前後の膜の色度差 Δ X及び Δ yが 、ずれも 0. 03以 下になる量であることを特徴とする。
ここでの色度差を求める試験用サンプルとしての粘着剤組成物からなる膜は、例え ば以下のように調製することができる。粘着剤組成物を、離型処理 PET (例えば、東 洋紡績社製 E7002)上に乾燥膜厚 25 mとなるように塗工し、適宜乾燥後、上から 離型処理 PETをラミネートして、膜を形成する。そして、当該膜をガラス (例えば、旭 硝子社製 PD— 200 :厚み 2. 8mm)と貼り合わせた後、上力も PETフィルム(例えば 、東洋紡績社製 A4100 :厚み 50 m)を積層し、試験用サンプルを調製する。
[0038] また、本発明に係る第二の光学フィルタ用粘着剤組成物は、アクリル酸エステル単 位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで 成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 2個が互いに結合 したトリブロック構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1) の 2個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の 異なる重合体ブロック(B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少 なくとも有し、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満である多元ブロック共重合体と、所定波長域の光吸収を有する光吸収剤の 1 種以上とを含有することを特徴とする。
本発明の光学フィルタ用粘着剤組成物は、少なくとも上記特定のブロック共重合体 と、所定波長域の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とを含有するものであり、必要 に応じて他の化合物を含有しても良いものである。
以下、このような本発明の粘着剤組成物の各構成について順に詳細に説明する。
[0039] <特定のトリブロック構造を有する多元ブロック共重合体 >
本発明の必須成分としての 3元以上の多元ブロック共重合体は、以下の { (I a)或 いは (I— b) }の何れかの構造を分子中に有してなる。中でも本発明の第二の態様に 用いられる多元ブロック共重合体は、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子 量分布(MwZMn)が 1. 5未満である。
(i-a)アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)〔以下単に (A1)と も略称〕の 1個と、
(メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる 重合体ブロック (B1)〔以下単に (B1)とも略称〕の 2個が、
互いに結合した、 (A1) (B1) (B1)、或いは(B1) (A1) (B1)のトリブロック 構造。
(i-b)アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と、
(メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる 重合体ブロック(B 1 )の 1個が、
互いに結合した、 (A1) - (A1) - (B1)、或いは(A1) - (B1) - (A1)のトリブロック 構造。
ここで、(メタ)アクリル酸エステル単位とは、アクリル酸エステル単位及び/又はメタ クリル酸エステル単位を 、う。
[0040] 又、多元ブロック共重合体は、 1種類のみを用いて良いが、所望の要求特性を、より 確実に、或いはより大きな自由度で得る為に、 2種類以上混合して用いることも出来 る。 [0041] 尚、該多元ブロック共重合体は、重合体ブロック(A1)の 1乃至 2個及び重合体ブロ ック(B1)の 1乃至 2個のみから成るトリブロック共重合体;
(A1) -(B1) -(Bl)、
(B1) -(A1) -(Bl)、
(A1) -(A1) -(Bl)、
或いは (A1)—(B1)—(Al)、
であってもよいし、或いは該トリブロック共重合体のいずれかに更に 1個または 2個以 上の重合体ブロック (Cl)、(C2)、(C3)、…… [以下これらの重合体ブロックをまとめ て「重合体ブロック (C)」と総称することがある]が結合したテトラブロック以上のブロッ ク共重合体;
(A1) - (B1) - (B1) - (C)、
(Bl)— (Al)— (Bl)— (C)、
(A1) - (A1) - (B1) - (C)、
或いは (Al) - (Bl) - (Al) - (C)、
などであってもよい。
[0042] そのうちでも、多元ブロック共重合体は、製造の容易性、取扱性、製造上の容易さ などの点から、ブロック数 7以下のブロック共重合体であることが好ましぐブロック数 3 のトリブロック共重合体 [重合体ブロック (C)が結合して ヽな 、物]が更に好ま 、。
[0043] 前記(I— a)の式(B1)—(A1)—(B1)、及び (I—b)の式 (A1)—(B1)—(A1)で 表されるトリブロック共重合体では、両端に存在する 2つの重合体ブロック (A1)と (A 1)、或いは(B1)と (B1)は、中央の重合体ブロックと構造が異なりさえすれば、互い に同じであっても、或いは異なって!/ヽても 、ずれでも良!、。
前記 (I a)の式 (A1)— (B1) (B1)、及び (I b)の式 (A1)一(A1)—(B1)で 表されるトリブロック共重合体では、隣接する 2つの重合体ブロック (A1)と (A1)、或 いは(B1)と (B1)同士は、 V、ずれも互いに構造が異なって 、ると共に、もう 1種の重 合体ブロック { (A1) - (A1)については(B1)、又(B1) - (B1)については (A1) }と 構造が異なって ヽることが必要である。
尚、ここで、それぞれの重合体ブロックの構造が違うとは、重合体ブロックを構成し ているモノマー単位の種類が異なる力、モノマー単位組成が異なる力 その立体規 則性が異なっていることの何れか 1以上の条件が満たされれば良い。
[0044] 又、上記のアクリル系ブロック共重合体のうち、粘着剤 (組成物)の接着力、凝集力 、タックなどの粘着特性、及び耐熱性が優れている点から、 (i-a)の(B1) - (A1) - (B1)の式で表されるトリブロック共重合体がより好ましく用いられる。
[0045] 多元ブロック共重合体中を構成する重合体ブロック (A1)は、アクリル酸エステルに 由来する構造単位 (アクリル酸エステル単位)を含んで成るアクリル酸エステル系重 合体力 なる重合体ブロックである。
ブロック共重合体中の重合体ブロック (A1)におけるアクリル酸エステルに由来する 構造単位の含有量としては、具体的な用途、要求性能及び光吸収剤等配合する他 の成分に応じて、実験的に最適範囲を選定すれば良い。中でも、本発明の効果の点 から、ブロック共重合体中の重合体ブロック (A1)は、アクリル酸エステルに由来する 構造単位 (アクリル酸エステル単位)を 50質量%以上の割合で含有することが好まし い。
重合体ブロック (A1)を構成するアクリル酸エステル単位は、アルキル基に置換基 を有して!/、てもよ!、アクリル酸アルキルエステルおよび Zまたは環状アルキル基に置 換基を有していてもよいアクリル酸環状アルキルエステルに由来する構造単位である ことが好ましい。前記アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸環状アルキルエステル の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、アクリル酸 n—プロピル、ァク リル酸イソプロピル、アクリル酸 n—ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸 sec—ブ チル、アクリル酸 tert—ブチル、アクリル酸 n キシル、アクリル酸 2—ェチルへキ シル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シク 口へキシル、アクリル酸イソボル-ル、アクリル酸 2—メトキシェチル、アクリル酸 2— ( N, N—ジメチルァミノ)ェチル、アクリル酸トリフルォロメチル、アクリル酸トリメトキシシ リルプロピルなどを挙げることができる。重合体ブロック (A1)は前記したアクリル酸ァ ルキルエステルおよびアクリル酸環状アルキルエステルの 1種または 2種以上から形 成されていることがでさる。
[0046] そのうちでも、重合体ブロック (A1)は、例えば、アクリル酸 n—ブチル、アクリル酸ィ ソブチル、アクリル酸 sec—ブチル、アクリル酸 tert—ブチル、アクリル酸 n キシル 、アクリル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、アクリル 酸ステアリルなどのような炭素数力 以上のアルキル基を有するアクリル酸アルキル エステル;アクリル酸 2—メトキシェチル、アクリル酸 2— (N, N—ジメチルァミノ)ェチ ル、アクリル酸トリフルォロメチル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピルなどのアルキル 基に置換基を有するアクリル酸アルキルエステルの 1種または 2種以上に由来する構 造単位を 50質量%以上の割合で含有する重合体力もなるブロックであることが、得ら れる粘着剤層の基材への密着性が良好になる点力も好ましい。
[0047] 特に、重合体ブロック(A1)は、アクリル酸 n—ブチル、アクリル酸 n キシル、ァク リル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシルおよびアクリル 酸ステアリルの 1種または 2種以上に由来する構造単位を 50質量%以上の割合で含 有する重合体力 なるブロックであることが、各重合体ブロックの耐水性などの点から 更に好ましく、アクリル酸 n—ブチルまたはアクリル酸 2—ェチルへキシルに由来する 構造単位を 50質量%以上の割合で含有する重合体力 なる重合体ブロックであるこ とが一層好ましい。
[0048] 重合体ブロック(A1)は、重合体ブロック(A1)の質量に基づ 、て、アクリル酸エステ ル単位を 50質量%以上の割合で有することが好ましいが、 80質量%以上、更に 90 質量%以上、より更に 100質量%の割合で有していることが望ましい。重合体ブロッ ク (A1)中のアクリル酸エステル単位の割合が 50質量%未満であると、得られる粘着 剤層の接着力ゃ耐衝撃性を損なう傾向となり、本発明の目的を達成することが困難 な場合がある。
[0049] ブロック共重合体中の重合体ブロック (A1)力 50質量%以下、好ましくは 20質量 %以下、より好ましくは 10質量%以下の割合で含有することが好ましい他のモノマー 単位としては、例えば、メタクリル酸アルキルエステル [例えばメタクリル酸メチル、メタ クリル酸ェチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸 sec—ブチル、メタクリル酸イソ ブチル、メタクリル酸 tert—ブチル、メタクリル酸シクロへキシル、その他の以下で説 明する重合体ブロック(B1)を形成するメタクリル酸エステル類]、メタクリルアミド、 N ーメチルメタクリルアミド、 N—ェチルメタクリルアミド、 N—イソプロピルメタクリルアミド 、 N, N—ジメチルメタクリルアミド、 N, N—ジェチルメタクリルアミドなどのメタクリルァ ミド類;アクリルアミド、 N—メチルアクリルアミド、 N—ェチルアクリルアミド、 N—イソプ 口ピルアクリルアミド、 N, N—ジメチルアクリルアミド、 N, N—ジェチルアクリルアミド などのアクリルアミド類;メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイ ン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するビュル系モノマー;スチレン、 aーメチ ルスチレン、 p—メチルスチレンなどの芳香族ビュル系モノマー;ブタジエン、イソプレ ンなどの共役ジェン系モノマー;エチレン、プロピレンなどのォレフィン; ε—力プロラ タトン、バレロラタトンなどのラタトンなどのモノマーに由来する構造単位を挙げること ができる。
一方、多元ブロック共重合体中を構成する重合体ブロック (B1)は、(メタ)アクリル 酸エステル単位を含んで成る重合体ブロックであって、且つ前記した重合体ブロック
(A1)とは構造の異なる重合体力もなるブロックである。(メタ)アクリル酸エステル単位 は、アルキル基に置換基を有して 、てもよ 、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよ び Ζまたは環状アルキル基に置換基を有して 、てもよ 、 (メタ)アクリル酸環状アルキ ルエステルに由来する構造単位であることが好ましい。
重合体ブロック (B1)における (メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有 量としても、具体的な用途、要求性能及び光吸収剤等配合する他の成分に応じて、 実験的に最適範囲を選定すれば良い。中でも、本発明の効果の点から、重合体プロ ック (B1)は、中でも、メタクリル酸エステル単位を 50質量%以上の割合で含有するこ とが好ましい。メタクリル酸エステル単位は、アルキル基に置換基を有していてもよい メタクリル酸アルキルエステルおよび Ζまたは環状アルキル基に置換基を有していて もよぃメタクリル酸環状アルキルエステルに由来する構造単位であることが好ましい。 前記メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステルの具体例とし ては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸 s ec—ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸 tert—ブチル、メタクリル酸シクロへ キシル、メタクリル酸イソボル-ル、メタクリル酸 2—メトキシェチル、メタクリル酸 2— ( N, N—ジメチルァミノ)ェチル、メタクリル酸トリフルォロメチル、メタクリル酸 n—ペン チル、メタクリル酸 n—へキシル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル、メタクリル酸ドデシ ル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸 2—メトキシペンチル、 メタクリル酸 2— (N, N—ジメチルァミノ)ペンチル、メタクリル酸パーフルォロペンチ ル、メタクリル酸 2—トリメトキシシリルペンチルなどを挙げることができる。
[0051] そのうちでも、重合体ブロック(B1)は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メタ クリル酸イソプロピル、メタクリル酸 sec—ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸 tert—ブチルなどのアルキル基の炭素数が 1〜4であるメタクリル酸アルキルエステ ル;メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸イソボル-ルなどの環構造を有するアル キル基を有するメタクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を 50質量%以上 含有する重合体力もなるブロックであることが、得られる粘着剤層における光吸収剤 の耐久性向上の点から好ましい。
特に、メタクリル酸メチルに由来する構造単位を 50質量%以上含有する重合体か らなるブロックであることが、透明性や光吸収剤の耐久性向上の点からより好ましい。
[0052] 重合体ブロック(B1)は、重合体ブロック(B1)の質量に基づいて、メタクリル酸エス テルに由来する構造単位 [メタクリル酸エステル単位]を 50質量%以上の割合で有 することが好ましいが、 80質量%以上、更に 90質量%以上、より更に 100質量%の 割合で有していることが望ましい。重合体ブロック(B1)におけるメタクリル酸エステル 単位の割合が 50質量%未満であると、得られる粘着剤層の接着力ゃ耐衝撃性を損 なう傾向となり、本発明の目的を達成することが困難な場合がある。
[0053] ブロック共重合体の重合体ブロック(B1)が 50質量%以下、好ましくは 20質量%以 下、より好ましくは 10質量%以下の割合で有することが好ましい他のモノマー単位と しては、例えば、上述のようなアクリル酸エステル類;上述のようなメタクリルアミド類; 上述のようなアクリルアミド類;上述のようなカルボキシル基を有するビュル系モノマー ;上述のような芳香族ビュル系モノマー;上述のような共役ジェン系モノマー;上述の ようなォレフィン;上述のようなラタトンなどのモノマーに由来する構造単位を挙げるこ とがでさる。
[0054] ブロック共重合体が、重合体ブロック(A1)の 1個および重合体ブロック(B1)の 2個 と共に、または重合体ブロック (A1)の 2個および重合体ブロック (B1)の 1個と共に、 1個または 2個以上の重合体ブロック(C)を更に有するテトラブロック以上のブロック 共重合体である場合は、重合体ブロック (C)の種類や内容はいずれでもよい。テトラ ブロック以上のブロック構造を形成する限りは、重合体ブロック(C)は重合体ブロック( A1)および Zまたは重合体ブロック(B1)と同じであってもよいし、または異なってい てもよい。さらに、ブロック共重合体が 2個以上の重合体ブロック (C)を有するペンタ ブロック以上のブロック共重合体である場合は、複数の重合体ブロック(C)は互いに 同じであってもよいし、または異なっていてもよい。
[0055] 重合体ブロック(C)は、例えば、上述のような、メタクリル酸エステル類;アクリル酸ェ ステル類;メタクリルアミド類;アクリルアミド類;芳香族ビュル系モノマー類;共役ジェ ン系モノマー類;ォレフィン類;ラタトン類などのモノマーの 1種または 2種以上に由来 する構造単位を有する重合体ブロックであることができる。
[0056] そのうちでも、重合体ブロック(C)は、ブロック共重合体中への重合体ブロック(C) の導入のし易さ、熱安定性などの点から、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、 芳香族ビュル系モノマーに由来する構造単位を 50質量%以上含有する重合体プロ ックであることが好ましぐ耐熱性などの観点から、メタクリル酸エステルおよび Zまた はアクリル酸エステルに由来する構造単位を 50質量%以上含有する重合体ブロック であることがより好ましい。
[0057] 本発明では、多元ブロック共重合体として、接着力、成膜性をバランス良く備え、且 つ光吸収剤の劣化を起こし難い点から、質量平均分子量 (Mw)が 50, 000以上のも のを用いることが好ましぐ更に、質量平均分子量 (Mw)は 60, 000以上であること が好ましい。また、流動性の点から、ブロック共重合体の質量平均分子量 (Mw)は、 500, 000以下、更に 300, 000以下であること力 子まし!/ヽ。力力る点、力ら、本発明で は、ブロック共重合体として質量平均分子量(Mw)が 50, 000〜500, 000のもの力 S 好ましく用 ヽられ、 60, 000〜300, 000のもの力より好ましく用!ヽられる。
上記多元ブロック共重合体の質量平均分子量 (Mw)が上記規定未満であって、低 い程、又分子量分布 (MwZMn)が下記規定未満であって、広い程、同じ光吸収剤 を使用した場合でも前記光吸収剤の耐久性は低下する事が判明した。有機系色素、 特にジィモ -ゥム系化合物である近赤外線吸収剤等の場合にこの傾向が見られた。
[0058] 本発明で用いる多元ブロック共重合体中の重合体ブロック (A1)の分子量は、特に は限定されないが、得られる粘着剤層の接着力、耐衝撃性をバランス良く備える点か ら、重合体ブロック(A1)の質量平均分子量(Mw)は、 10, 000〜500, 000であるこ と力 子ましく、 20, 000〜300, 000であること力より好まし!/、。
また、本発明で用いる多元ブロック共重合体中の重合体ブロック (B1)の分子量も 特に制限されないが、得られる粘着剤層の接着力、耐衝撃性をバランス良く備える点 力ゝら、重合体ブロック(B1)の質量平均分子量(Mw)は、 1, 000〜50, 000であるこ と力 子ましく、 5, 000-30, 000であること力より好まし!/、。
また、本発明で用いる多元ブロック共重合体力 重合体ブロック (A1)および重合 体ブロック (B1)と共に重合体ブロック (C)を有するテトラブロック以上のブロック共重 合体である場合は、重合体ブロック (C)の分子量は特に制限されないが、耐熱性や 力学的特性を効果的に発現させるために、重合体ブロック (C)の質量平均分子量( Mw)は 1, 000〜50, 000であること力 S好ましく、 1, 000〜30, 000であること力 S更 に好ましい。
[0059] 本発明で用いる多元ブロック共重合体は、質量平均分子量 (Mw)と数平均分子量
(Mn)の比(MwZMn)で示される分子量分布 (Mw/Mn)が 1. 5未満であることが 好ましぐ 1. 4以下であることが好ましぐ 1. 3以下、更に 1. 2以下であることがより好 ましい。
本発明で用いる多元ブロック共重合体の分子量分布 (MwZMn)が 1. 5未満であ つて、分子量分布が狭いことにより、得られる粘着剤層の接着力、成膜性、耐衝撃性 などがより向上する上、し力も反応性が高い低分子量モノマー成分等による光吸収 剤を劣化させることを抑制できる。
[0060] なお、本明細書における質量平均分子量 (Mw)および分子量分布 (Mw/Mn)は 、 GPC (ゲル'パーミエーシヨン'クロマトグラフィー)によりポリスチレン換算分子量で 求めたものである。例えば装置として東ソー株式会社製 GPC装置「HLC— 8020」を 用い、分離カラムとして、東ソー株式会社製「TSKgel GMHXL」、 「G4000HXL」 および「G5000HXL」を直列に連結し、溶離剤としてテトラヒドロフランを用い、溶離 剤流量:1. OmlZ分、カラム温度: 40°C、検出方法:示差屈折率 (RI)として測定する ことができる。 [0061] また、本発明で用いるブロック共重合体中の重合体ブロック (A1)のガラス転移温 度は、 40°C〜50°Cであることが好ましぐ更に 30°C〜30°Cであること力 接着 性の点力も好ましい。更に、本発明で用いるブロック共重合体中の重合体ブロック (B 1)のガラス転移温度は、 80°C〜140°Cであることが好ましぐ更に 100°C〜120°Cで あることが、接着性の点カゝら好ましい。このようなガラス転移温度をそれぞれ有する重 合体ブロックを組み合わせることにより、重合体ブロック (A1)がよりソフトなセグメント となり、重合体ブロック (B1)がよりハードなセグメントとなって、ミクロ相分離構造を形 成しやすくなり、接着性と共に成膜性ゃ耐衝撃性が向上しやすい。中でも、前記重 合体ブロック (A1)の示差走査熱量計測定によるガラス転移温度が— 40°C〜50°C で且つ、前記重合体ブロック (B1)の示差走査熱量計測定によるガラス転移温度が 1 00°C〜120°Cであり、 (B1) - (A1) - (B1)のトリブロック構造を有する場合には、重 合体ブロック (B1)により擬似架橋構造が形成されやすくなり、接着性と共に耐衝撃 性が向上する。
なおここで、本明細書におけるガラス転移温度は、示差走査熱量計 (例えば、 NET ZSCH社製、商品名 DSC204 Phoenix)を用い、 JIS K7121に準拠して測定した ものである。測定方法は、例えば、測定開始温度は 50°C、測定終了温度は 200°C 、昇温および冷却速度は 2°CZ分、そして窒素雰囲気下で実施することができる。ま た、ここでのガラス転移温度とは、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等 距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度、すな わち中間点ガラス転移温度のことを言う。
[0062] 本発明で用いるブロック共重合体では、接着性及び耐衝撃性の点でより優れる粘 着剤層が得られる点から、重合体ブロック (B1)の含有量 [重合体ブロック (B1)を 2個 有する場合はその合計質量]が、ブロック共重合体の質量に基づいて、 5〜30質量 %である [重合体ブロック (A1)の含有量が 95〜70質量%である]ことが好ましぐ 5 〜22質量%であることがより好ましぐ 5〜20質量%であることが更に好ましい。
[0063] 本発明で用いるブロック共重合体の製法は特に制限されず、好ましくは質量平均 分子量が 50000以上で且つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満であり、し力も上記 した特性を備える多元ブロック共重合体を製造できれば、 Vヽずれの方法で製造したも のであってもよい。そのうちでも、 1. 5未満の狭い分子量分布(MwZMn)を有する 本発明で用いるブロック共重合体は、ァ-オン重合法または原子移動ラジカル重合 法 (ATRP)、特にァ-オン重合法により円滑に製造することができる。
[0064] 前記のァニオン重合法としては、分子量分布(MwZMn)の狭 、重合体を製造で き、かつ目的のブロック共重合体を高い純度で製造できることから、例えば、有機ァ ルカリ金属化合物を重合開始剤としアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩などの 鉱酸塩の存在下でァ-オン重合する方法 (特公平 7— 25859号公報参照)、有機ァ ルカリ金属化合物を重合開始剤とし有機アルミニウム化合物の存在下でァ-オン重 合する方法 (特開平 11— 335432号公報参照)、有機希土類金属錯体を重合開始 剤としてァ-オン重合する方法 (特開平 6 - 93060号公報参照)などが挙げられる。 前記ァ-オン重合による場合は、より分子量分布の狭い重合体を製造でき、残存モ ノマーが少なぐし力も分子構造が高シンジオタクチックなものとなり、生成するブロッ ク共重合体のガラス転移温度 (Tg)が高くなるなどの利点がある。かかる点から、本発 明では、ブロック共重合体としてァ-オン重合によって得られるブロック共重合体が好 ましく用いられる。そのうちでも、極低温ではなくて比較的高い温度でァ-オン重合を 行うことができ、それによりブロック共重合体を製造する際の環境負荷 (主に重合温度 を制御するための冷凍機代)が少なくて済む点から、有機アルミニウム化合物の存在 下でァ-オン重合して得られるブロック共重合体が好ましく用いられる。
[0065] 本発明で用いるブロック共重合体をァ-オン重合によって製造するに当っては、例 えば、前記した特開平 11— 335432号公報などに記載されているような、有機リチウ ム化合物、および特定の有機アルミニウム化合物の存在下に、必要に応じて N, N, Ν', Ν", Ν,,一ペンタメチルジェチレントリァミンやその他の 3級ァミン; 1, 2—ジメトキ シェタンや 12—クラウンー4等のクラウンエーテルなどのエーテルを更に用いて、ブ ロック共重合体中の各重合体ブロックを形成するアクリル酸エステルモノマーまたは( メタ)アクリル酸エステルモノマーを逐次重合させる方法などを採用することができる( 特許文献 3参照)。
また、上記多元ブロック共重合体中に含まれる可能性がある、反応性のある物質の 残留物や、残留モノマー、オリゴマー等の低分子量成分の含有量は、その性質によ り異なるため特に限定されないが、例えば 100重量 ppm以下、更に 1重量 ppm以下 であることが好ましい。
[0066] <光吸収剤 >
本発明にお!、て用いられる所定波長域の光吸収を有する光吸収剤は、表示装置 力 放射される不要な発光成分を除去したり、表示色を鮮明にすることを目的として 使用されるものである。目的に応じて、所望の波長域に吸収極大を有する光吸収剤 が適宜用いられる。具体的には、少なくとも 800〜: L lOOnmに吸収極大を有する光 吸収剤(以下、特に「近赤外線吸収剤」と呼ぶ。)、少なくとも 570〜610nmに吸収極 大を有するネオン光吸収することを目的とする光吸収剤(以下、特に「ネオン光吸収 剤」と呼ぶ。)、少なくとも 380〜570nm若しくは 610〜780nmに吸収極大を有する 色調調整を目的とする光吸収剤 (色素)(以下、「色補正色素」と呼ぶ。)等が挙げら れる。これらの光吸収剤は単独で用いても、 2種類以上を組み合わせて用いてもよい 。その他に、光吸収剤としては、後述のように、必要に応じて、波長 380nm以下に吸 収極大を有する光吸収剤(以下、特に「紫外線吸収剤」と呼ぶ。)を添加しても良い。
[0067] [近赤外線吸収剤]
近赤外線吸収剤としては、 800〜: L lOOnmの波長を吸収できるものであるならば、 任意の化合物の中力も選択することができる。中でも、 800ηπ!〜 l lOOnmの波長領 域を吸収し、且つ可視光領域、即ち、 380ηπ!〜 780nmの波長領域では吸収が少な くて十分な光線透過率を有する近赤外線吸収剤が好ましい。
[0068] 少なくとも 800〜: L lOOnmの波長領域内に吸収最大波長を有する近赤外線吸収 剤としては、具体的には、ポリメチン系化合物、シァニン系化合物、フタロシアニン系 化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物 、ジチオール系化合物、インモニゥム系化合物、ジィモ二ゥム系化合物、アミ二ゥム系 化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクヮリリウム系化合物、銅錯体類 、ニッケル錯体類、ジチオール系金属錯体類の有機系近赤外線吸収剤、酸化スズ、 酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸ィ匕クロム、酸ィ匕ジルコニウム、酸 化ニッケル、酸ィ匕アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸ィ匕アンモン、酸化鉛、酸化ビス マス、酸ィ匕ランタン等の無機系近赤外線吸収剤、を 1種、又は 2種以上を併用するこ とができる。ここで、「系化合物」とは、例えばアントラキノン系化合物の場合、アントラ キノン誘導体をいう。中でも、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、フタロシ ァニン系化合物、ジィモ -ゥム系化合物が好ましい。その中でも、フタロシア-ン系化 合物及び Z又はジィモ二ゥム系化合物が好まし 、。
ジィモ -ゥム系化合物は、近赤外領域、特に 900〜: L lOOnmの波長領域の吸収が 大きぐ吸収域が広ぐ可視域の透過率も高い点から好ましい。また、フタロシアニン 系化合物は、吸収域が 800〜900nmであるため、ジィモ -ゥム系化合物と組み合わ せた場合に更に近赤外領域の吸収域を拡大させることができ、且つ比較的耐久性が 高い点力も好ましい。フタロシアニン系化合物とジィモ -ゥム系化合物を併用すると、 上記利点を兼ね備えることが可能になり、特に好ましい。
元来、近赤外線吸収剤を添加した粘着剤層にお ヽて劣化傾向が顕著であった有 機系色素、特にジィモ二ゥム系化合物なども、本発明において上記特定のブロック共 重合体と組み合わせて用いることにより、耐久性向上し、好適に用いることが可能に なる。
[0069] ジィモ二ゥム系化合物としては、具体的には下記式(1)で表されるジィモ二ゥム化 合物が挙げられる。
[0070] [化 1] 式 ( 1 )
Figure imgf000029_0001
(式中、 R〜Rは、水素原子、アルキル基、ァリール基、ァルケ-ル基、ァラルキル基
1 8
、又はアルキニル基を表し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。 R〜R は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シァノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキ ル基、又はアルコキシ基を表し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。 R 〜
1
R で置換基を結合できるものは置換基を有しても良い。 ΧΊま陰イオンを表す。 )
12
[0071] 前記式(1)中の R 〜Rの具体例として、置換基を有していても良いアルキル基とし
1 8
てはメチル基、ェチル基、 n—プロピル基、 iso—プロピル基、 n—ブチル基、 iso—ブ チル基、 ter—ブチル基、 n—ァミル基、 n—へキシル基、 n—ォクチル基、 2—ヒドロキ シェチル基、 2—シァノエチル基、 3—ヒドロキシプロピル基、 3—シァノプロピル基、メ トキシェチル基、エトキシェチル基、ブトキシェチル基などが挙げられる。また、置換 基を有していてもよいァリール基としてはフエ-ル基、フルオロフヱ-ル基、クロ口フエ -ル基、トリル基、ジェチルァミノフエ-ル基、ナフチル基などが挙げられる。また、置 換基を有していてもよいァルケ-ル基としては、ビュル基、プロべ-ル基、ブテュル 基、ペンテニル基などが挙げられる。また、置換基を有していてもよいァラルキル基と しては、ベンジル基、 p—フルォロベンジル基、 p—クロ口フエ-ル基、フエ-ルプロピ ル基、ナフチルェチル基などが挙げられる。これらの中でも iso—プロピル基、 iso— ブチル基、 ter—ブチル基などの分岐鎖状アルキル基であること力 ジィモ -ゥム系 化合物の熱分解点を上昇させ、耐久性を向上させる点力 好ましい。 R 〜Rの少な
1 8 くとも一つが分岐鎖状アルキル基であることが好ましぐ R 〜Rの全てが分岐鎖状ァ
1 8
ルキル基であることがより好まし 、。
また、 R 〜R としては、水素、フッ素、塩素、臭素、ジェチルァミノ基、ジメチルアミ
9 12
ノ基、シァノ基、ニトロ基、メチル基、ェチル基、プロピル基、トリフルォロメチル基、メト キシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
[0072] ΧΊま、無機の 1価陰イオンとして、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、 ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、チォシアン酸イオン、へキサフルォロアンチモン酸 イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルォロホウ酸イオン 、へキサフルォロリン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸 イオン、バナジン酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン等が挙げられる。また、 ΧΊま 有機酸の 1価陰イオンとして、例えば、酢酸イオン、乳酸イオン、トリフルォロ酢酸ィォ ン、プロピオン酸イオン、安息香酸イオン、シユウ酸イオン、コハク酸イオン、ステアリ ン酸イオン等の有機カルボン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸 ィ才ン、ナフタレンモノスノレホン酸ィ才ン、クロ口ベンゼンスノレホン酸ィ才ン、ニトロベン ゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸ィォ ン、エタンスルホン酸イオン、トリフルォロメタンスルホン酸イオン等の有機スルホン酸 イオン、テトラフエ-ルホウ酸イオン、ブチルトリフエ-ルホウ酸イオン等の有機ホウ酸 イオン等が挙げられ、更に、ビスクロロメタンスルホ二ルイミド酸イオン、ビスジクロロメ タンスルホ二ルイミド酸イオン、ビストリクロロメタンスルホ二ルイミド酸イオン、ビスフル ォロスルホニルイミド酸イオン、ビスジフルォロメタンスルホ二ルイミド酸イオン、ビストリ フルォロメタンスルホ二ルイミド酸イオン、ビスペンタフルォロエタンスルホニルイミド酸 イオン、等のスルホ二ルイミド酸イオンが挙げられる。中でも、スルホ-ルイミド酸ィォ ンが、強い電子吸引性によってイオン性ィ匕合物であるジィモ -ゥム化合物を安定ィ匕し 、結果として耐久性を向上させる点力 好ましい。この中でも特にビストリフルォロメタ ンスルホニルイミド酸イオンが好ましい。ただし、本発明では上記で挙げたものに限 定されるものではない。
[0073] これらジィモ -ゥム化合物の一部は市販品として入手可能であり、例えば日本ィ匕薬 社製、 KayasorblRG— 022、 IRG— 068等を好適に用いることができる。
[0074] 近赤外線吸収剤は、 1種、又は 2種以上混合して使用することができる。近赤外線 吸収剤の種類や添加量は、近赤外線吸収剤の吸収波長や吸収係数や、色調及び 要求される透過率などによって適宜選択すればよい。例えば、近赤外線吸収剤の添 加量は、粘着剤層中に 0. 001〜15質量%程度添加することができる。
[0075] [ネオン光吸収剤]
ネオン光吸収剤としては、 570〜610nmの波長を吸収できるものであるならば、任 意の化合物の中力も選択することができる。 570〜61011111の波長領域^6光領域) を吸収し、且つ該波長領域を除 ヽた可視光領域 380ηπ!〜 780nmの波長領域中で はなるべく吸収が少なくて十分な光線透過率を有するネオン光吸収剤が好ましい。 ネオン光吸収剤としては、少なくとも 570〜610nmの波長領域内に光線透過率の 吸収極大を有する色素として従来力 利用されてきた色素、例えば、シァニン系、ォ キソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系若しくはテトラァザポルフィリン等のポ ルフィリン系等を挙げることができる。中でも特に、テトラァザポルフィリンが耐久性、 ネオン光領域の吸収性と可視光線の透明性との両立性等の点で好ましい。
[0076] ネオン光吸収剤は、 1種、又は 2種以上混合して使用することができる。ネオン光吸 収剤の種類や添加量は、ネオン光吸収剤の吸収波長や吸収係数や、色調及び要求 される透過率などによって適宜選択すればよい。例えば、ネオン光吸収剤の添加量 は、粘着剤層中に 0. 001〜15質量%程度添加することができる。
[0077] [色補正色素]
色補正色素は、表示画像を好みの色調 (天然色、或いは天然色から多少偏移した 色)に補正する為の色素である。このような色補正色素としては、有機系色素、無機 系色素などを 1種単独使用、又は 2種以上併用することができる。
色補正色素として用いることのできる公知の色素としては、特開 2000— 275432号 公報、特開 2001— 188121号公報、特開 2001— 350013号公報、特開 2002— 1 31530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。更にこのほかにも、黄色光、赤 色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、ァゾ系、フタ口 シァニン系、ピロメテン系、テトラァザポルフィリン系、スクァリリウム系、シァニン系等 の色素を使用することができる。
色補正色素の種類や添加量は、色補正色素の吸収波長や吸収係数や、色調及び 要求される透過率などによって適宜選択すればよい。例えば、色補正色素の添加量 は、粘着剤層中に 0. 001〜15質量%程度添加することができる。
[0078] 本発明における粘着剤組成物又は粘着剤層の中には、表示装置から放射される 不要な発光成分を除去して、表示色を鮮明にすることを目的として使用される光吸収 剤の他に、当該光吸収剤が外光の紫外線により劣化することを防止するための紫外 線吸収剤を含有しても良い。紫外線吸収剤としては、波長 380nm以下の紫外線領 域に吸収スペクトルを持つ化合物、例えば、 2- (2,ーヒドロキシー5, 一メチルフエ- ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系; 2, 4—ジヒドロキシベンゾフエノン等 のべンゾフエノン系;フエ-ルサリシレート等のサリシレート系;へキサデシルー 2, 5— tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系等の有機系紫外線吸収 剤や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の無機系紫外 線吸収剤が挙げられる。
[0079] <その他の成分 >
本発明に係る粘着剤組成物及び粘着剤層には、上記本発明の効果が損なわれな い限り、更に、粘着付与剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、シランカップリング剤等を 1種以上含有させても良い。また、本発明に係る粘着剤組成物及び粘着剤層には、 上記本発明の効果が損なわれない限り、イソシァネートイ匕合物等の架橋剤を含有さ せることち 除するちのではな 、。
粘着付与剤としては、例えば、例えば、ロジンエステル、ガムロジン、トール油ロジン 、水添ロジンエステル、マレイン化ロジン、不均化ロジンエステルなどのロジン誘導体 ;テルペンフエノール榭脂などを主体とするテルペン系榭脂;(水添)石油榭脂、クマ ロン インデン系榭脂、水素化芳香族コポリマー、スチレン系榭脂、フエノール系榭 脂、キシレン系榭脂などを挙げることができる。可塑剤としては、例えばオリゴアタリレ ート系等が挙げられる。また、酸ィ匕防止剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物等が 挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物は、導電体メッシュ層と直接接触する箇所 に用いられる場合、導電体メッシュ層が酸ィ匕され色変化するのを防ぐのに好適である また、粘着剤組成物には、後述するような溶剤が含まれていても良い。
[0080] 《粘着剤層〉〉
本発明の粘着剤層は、合目的な任意の方法によって形成することができる。光吸 収剤及びブロック共重合体の劣化防止を図るために光吸収剤及びブロック共重合体 等の劣化原因となる有害成分を使用せず、あるいは使用量が少なくて、かつ過度の 温度や圧力を必要としない方法によって形成することが好ましい。そのような方法の 一つとして、上記本発明に係る光学フィルタ用粘着剤組成物を用いて、当該組成物 を必要に応じて溶剤に溶解させて、離型フィルム上や後述するような機能層上に塗 布、あるいは押し出して、必要に応じて乾燥して形成する方法が挙げられる。
[0081] 粘着剤層の必須成分のブロック共重合体を溶解させ、前記光吸収剤及びその他添 加剤を分散させる溶剤としては、上記光吸収剤及びブロック共重合体を均一に溶解 又は分散可能なものであれば特に限定されない。例えば、トルエン、メチルェチルケ トン、メチルイソブチルケトン、酢酸ェチル等が挙げられる力 これら以外のものであつ ても良い。
[0082] 上記光吸収剤及びブロック共重合体が均一に溶解又は分散された粘着剤組成物 を支持体上に塗布する方法としては、例えば、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、マイヤー バーコーティング、ドクターブレードコーティング、グラビアコーティング、グラビアリバ ースコーティング、キスリバースコーティング、 3本ローノレリバースコーティング、スリット リバースダイコーティング、ダイコーティング、もしくはコンマコーティング等の各種コー ティングの方式を用いることができる。
[0083] 本発明の粘着剤層の厚さとしては、 目的に応じて適宜選択され、特に限定されない 力 通常乾燥時の厚さを 10〜5, 000 /z mとなるようにする範囲で選択される。 2層以 上の機能層を接着させたり、表示装置の前面ガラス板に直接貼り付ける粘着剤層と する場合には、乾燥時の厚さを 10〜50 /ζ πιとなるようにすることが好ましい。表示装 置の前面ガラス板に直接貼り付け、なお且つ、耐衝撃層としても機能するように高い 衝撃性を達成することを目的とする場合には、乾燥時の厚さを 50〜5, 000 mとな るようにすることが好ましい。より好ましくは、 75-3, 000 mであり、特に好ましくは 100〜1, 000 /z mである。
[0084] 本発明の粘着剤層は、粘着剤層として使用される際には単層である力 流通時に は、シリコーン榭脂又はフッ素系榭脂が塗布された PET等の離型フィルム等が層の 両面又は片面に貼り付けられて 、ても良 、。
[0085] また、本発明の粘着剤層は、上記 800ηπ!〜 l lOOnmの波長領域での近赤外線の 吸収量が、透過率でいえば 30%以下、更に好ましくは 10%以下となるように、 NIR 吸収剤の種類、 NIR吸収剤の粘着剤層中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設 定するのが好ましい。中でも、 825nmにおける透過率が 20%以下、 850nmにおけ る透過率が 20%以下、 880nmにおける透過率が 5%以下、で且つ、 980nmにおけ る透過率が 5%以下であることが好ましい。
また、粘着剤層は、上記 Ne光領域の中心波長を 590nmとすれば、該 590nmにお ける光線の透過率が 50%以下になるように、 Ne光吸収剤、 Ne光吸収剤の粘着剤層 中での含有量、及び粘着剤層の厚み等を設定するのが好ましい。 [0086] 本発明の粘着剤層は、半永久的な使用に耐え得るように剥がれやずれが生じず、 且つ、貼りつけ後も平滑な面力 は比較的容易に剥がすことができる程度の接着性 を有することが好ましぐ乾燥膜厚が 25 mの塗膜のガラス密着性が、 0. 5〜30N Z25mmであることが好ましい。ここで上記ガラス密着性は、 JIS Z0237— 2000の 試験に準拠して、ナトリウムソーダガラスに貼り合わせ、速度 200mmZminで、 90度 で剥離させて測定することができる。ガラス密着性は、さらに好ましくは、 1〜20NZ2 5mm、より好ましくは 5〜15NZ25mmである。
[0087] 本発明の粘着剤層は、優れた耐久性を有し、高温高湿下での長時間の使用によつ ても粘着力の変化が起こり難い。具体的には、以下のように耐熱性試験を行った場 合に、高温雰囲気下 (例えば、気温 80°C、相対湿度 10%以下)、或いは、高温高湿 雰囲気下 (例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)に 500時間放置する前後のガラ ス密着性の値の差が、 10NZ25mm以下であることが望ましい。また、 500時間放置 した後のガラス密着性力 lNZ25mm以上、更に 5NZ25mm以上であることが好 ましい。
[0088] 本発明の粘着剤層は、表示装置の画像表示面に貼り付けされることから透明性が 高いことが好ましぐヘーズが 3以下であることが好ましい。ここでヘーズは、 JIS K7 105— 1981に準拠した方法により測定された値を意味する。具体的には、 1. 2mm 厚のガラス板に粘着剤層を貼り合せて、ガラス板と逆面に PETフィルム、例えば東洋 紡製コスモシャイン A— 4100の易接着面を粘着榭脂層と重なるように貼り合せて作 製した試料を用いて、ヘーズ値を測定できる。
[0089] 本発明の粘着剤層は、優れた光学フィルタ機能の耐久性を有し、高温高湿下での 長時間の使用によっても光吸収剤の劣化に帰属される分光特性の変化が起こり難い 。光吸収剤は通常、高温高湿度環境下で、粘着剤分子中の残留官能基乃至は原子 団との化学反応乃至は触媒作用により、分子構造 (エネルギー順位)が変化して吸 収スペクトルに変動を生じることが多い。このような吸収スペクトルの変動は、可視光 線吸収剤、近赤外線吸収剤、或は紫外線吸収の何れにおいても、可視光線領域の 吸収スペクトルに変化に現れることが多い。例えば、前記ジィモ -ゥム系化合物の場 合も、元来は可視光線領域では無色透明性で近外赤外線領域にぉ 、て吸収を持つ ものであるが、分子構造変化に伴う吸収スペクトルの変化は、近赤外線領域よりも可 視光線領域において、より大きな変化が観測される。何れの光吸収剤であっても、画 像表示装置前面に設置する光学フィルタに用いる以上は、このような可視光線領域 の吸収スペクトルの変動は解決すべき問題である。本発明の粘着剤層は、粘着剤の 選択により、高温高湿度下における可視光線領域の吸収スペクトルの変化を実用上 問題無い程度に収束、低減させるものである。具体的には、以下のように耐熱性試 験を行った場合に、高温雰囲気下に放置する前後の色度 (x、 y)の値の差 Δ χ及び Ayがいずれも、 0. 03以下、更に好ましくは 0. 02以下であることが望ましい。更に、 以下のように耐湿熱性試験を行った場合に、高温高湿雰囲気下に放置する前後の 色度 (x、 y)の値の差 Δ χ及び Ayがいずれも、 0. 03以下、更に好ましくは 0. 02以 下であることが望ましい。
[0090] まず、本発明の粘着剤層をガラス (旭硝子社製 PD— 200 :厚み 2. 8mm)に貼り合 わせた後、粘着剤層の上に PETフィルム (東洋紡績社製 A4100:厚み 50 μ m)を積 層して耐久性試験用サンプルを調製する。当該耐久性試験用サンプルの耐久性試 験前の色度 (x、 y)を測定する。色度は、例えば分光光度計 (島津製作所社製、品番 :「UV— 3100PCJ )を用いて測定することができる。
次に、得られた耐久性試験用サンプルを高温雰囲気下 (例えば、気温 80°C、相対 湿度 10%以下)、或いは、高温高湿雰囲気下 (例えば、気温 60°C、相対湿度 90%R H)に 1000時間放置した後、上記と同様に耐久性試験後の色度を測定する。上記 高温雰囲気下、或いは高温高湿雰囲気下に放置する前後の色度の測定値から、色 度 (x、 y)の値の差 Δ X及び Δ yを求める。ここで、色度 (x、 y)は、国際照明委員会 (C IE)で規定されたものである。
[0091] 本発明の粘着剤層は、特に乾燥時の厚さを、用いられる層数の合計で 50〜5, 00 O /z mとなるよう〖こした場合、下記の衝撃試験による破壊エネルギーが 0. 5J以上、好 ましくは 0. 6J以上という耐衝撃性を有することが望ましい。ここで衝撃試験は、図 4に 示す衝撃試験装置を用いて行い、直径 50. 8mmの鋼球 35 (質量 534g) (JIS B15 01 玉軸受用鋼球に規定されたもの)を電磁石 34から落下させたときの、破壊エネ ルギーを測定して行う。鋼球の落下高さを変えることで破壊エネルギーを変化させる ことができる。試験台 31としてステンレス鋼板を用いる。該試験台 31上に、本発明の 粘着剤層 33が積層された表示装置用の前面ガラス板 32として例えば旭硝子社製の 高歪点ガラス板 (PD— 200 :商品名、厚み 2. 8mm)を載置する。なお、 PD— 200は 、プラズマディスプレイメーカー各社が共通に使用して 、るプラズマディスプレイ用の 前面ガラス板である。
[0092] 本発明に係る光学フィルタ機能を有する粘着剤層は、表示装置に組み込まれて用 いられるのに適しており組み込まれ方は時に限定されないが、中でも、表示装置の前 面に配置されるガラス板に直接貼付されて用いられる層として特に適している。表示 装置としては、特に限定されず適用可能であるが、特に多種類の光学フィルタ機能を 必要とするプラズマディスプレイパネルに、好適に用いることができる。
[0093] II.複合フィルタ
本発明に係る複合フィルタは、表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付 されるための光学フィルタ機能を有する複合フィルタであって、前記本発明に係る粘 着剤層に、電磁波遮蔽機能、反射防止機能、防眩機能、紫外線吸収機能、表面保 護機能のいずれか一種以上の機能を有する一層以上の機能層が積層されてなるこ とを特徴とする。
本発明に係る複合フィルタは、前記本発明に係る粘着剤層に 1層以上の機能層が 積層されてなることにより、良好な接着性を有しながら、長時間の使用、特に高温高 湿下でも光吸収剤の劣化に起因する分光特性変化が起こり難ぐ分光特性の安定 性に優れる光学フィルタ機能と、更に積層された機能層の機能を有するものである。 本発明に係る複合フィルタにお 、ては、機能層同士や機能層と表示装置の前面ガラ スとを貼り合わせるのに必ず使用される粘着剤層が光学フィルタ機能を兼ねているの で、従来の複合フィルタと比べると、層構成を単純化でき、軽量化、薄膜ィヒが可能で 、製造工程の簡略ィ匕及び低コストィ匕が図れる。
[0094] 本発明に係る複合フィルタにお 、て、上記本発明に係る光学フィルタ機能を有する 粘着剤層に積層される上記一種以上の機能層は、 1層又は 2層以上でも良い。 1層 の機能層中に、上記二種類以上の機能が含まれていても良い。また、機能層の中に 、或いは別途、透明基材が含まれていても良い。 本発明に係る複合フィルタは、上記本発明に係る粘着剤層の少なくとも片面に上記 一層以上の機能層が積層されて ヽればよく、上記本発明に係る粘着剤層の両面に 上記一層以上の機能層が積層されていても良い。また、本発明に係る複合フィルタ 中には、上記本発明に係る粘着剤層が 2層以上含まれて ヽても良 ヽ。
本発明に係る複合フィルタは、少なくとも最表面に上記本発明に係る粘着剤層を形 成してなるものであって、表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付されるた めの粘着剤層が上記本発明に係る粘着剤層であるものが好ましいが、更に 2層以上 の機能層同士を接着する層として上記本発明に係る粘着剤層が含まれて ヽても良い し、 2層以上の機能層同士を接着する層としてのみ上記本発明に係る粘着剤層が含 まれていても良い。
[0095] 図 1は、本発明の実施態様の複合フィルタ 10をプラズマディスプレイパネル 20の前 面に貼付した場合の積層構造の一例の断面を模式的に示したものである。複合フィ ルタ 10の層構成としては、上記本発明に係る光学フィルタ機能を有する粘着剤層 1 の一面側に、電磁波遮蔽層 2、粘着剤層 3、反射防止層 4がこの順に積層されている 。(以下、このような積層構造を「粘着剤層 1Z電磁波遮蔽層 2Z粘着剤層 3Z反射 防止層 4」と表すことがある。)ここで、粘着剤層 3は、上記本発明に係る光学フィルタ 機能を有する粘着剤層 1としても良 、。このように複合フィルタ 10中で上記本発明に 係る粘着剤層 1が複数存在する場合にお!、ては、それぞれの粘着剤層 1の厚みは異 なっていても良い。また、複合フィルタ 10中で上記本発明に係る粘着剤層 1が複数 存在する場合においては、必要な光学フィルタ機能や付与され得る耐衝撃性は、複 数層組み合わせた時に得られる機能によって適宜調節することができる。
[0096] 本発明に係る光学フィルタの層構成は、特に限定されな!、が、具体例としては、粘 着剤層,電磁波遮蔽層、粘着剤層,反射防止層、粘着剤層,防眩層、粘着剤層
Z紫外線吸収層、粘着剤層 Z表面保護層、粘着剤層 Z電磁波遮蔽層 Z反射防止 層、粘着剤層 Z電磁波遮蔽層 Z防眩層、粘着剤層 Z電磁波遮蔽層 Z紫外線吸収 層、粘着剤層 Z電磁波遮蔽層 Z表面保護層、粘着剤層 Z電磁波遮蔽層 Z紫外線 吸収層 Z反射防止層、粘着剤層 Z電磁波遮蔽層 Z紫外線吸収層 Z防眩層等が挙 げられる。また、上記において 2つの機能層の間には、粘着剤層及び Z又は透明基 材が含有されていても良い。ここで粘着剤層として、上記本発明に係る粘着剤層を用 いても良い。また、本発明に係る複合フィルタにおいて、上記本発明に係る光学フィ ルタ機能を有する粘着剤層の他に、光学フィルタ機能を付与するような、近赤外線吸 収層、ネオン光吸収層、色補正層を更に別途設けることは妨げない。
[0097] また、本発明に係る複合フィルタの中でも、好適な一態様の複合フィルタは、透明 基材フィルムの一方の面に、金属を用いた導電体メッシュ層、及び粘着剤層がこの 順に形成され、該透明基材フィルムの他方の面に表面保護層が形成された複合フィ ノレタであって、
前記粘着剤層中には近赤外線吸収剤として、少なくとも 800〜: L lOOnmに吸収極 大を有する光吸収剤、ネオン光吸収剤として、少なくとも 570〜610nmに吸収極大 を有する光吸収剤、及び色補正用光吸収剤として少なくとも波長 380〜570nm若し くは 610〜780nmに吸収極大を有する光吸収剤の 3系統の光吸収剤が添加され、 電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能、及び、表 面保護機能の各機能を少なくとも有し、
なお且つ前記粘着剤層は、粘着剤の榭脂として、
アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸 エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B 1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、
又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アタリ ル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロッ ク(B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、
分子中に少なくとも有し、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布 (Mw ZMn)が 1. 5未満である多元ブロック共重合体を含有する、複合フィルタ(以下、当 該構成の複合フィルタを「シンプルフィルタ」と呼称する場合がある。 )である。
[0098] 本発明による複合フィルタの一例の断面図を図 2で概念的に示す。図 2に示す複 合フィルタ 10は、透明基材フィルム 11の一方の面(ディスプレイ側の面。以下、裏面 とも呼称する。 )に、金属を用いた導電体メッシュ層 12、さらに粘着剤層 1が順次形成 されており、しカゝも、該粘着剤層 1はその中に近赤外線吸収剤、 Ne光吸収剤、色補 正光吸収剤の 3系統の光吸収剤が添加されており、該透明基材フィルム 11は紫外 線吸収剤を含有し、透明基材フィルム 11の他方の面 (観察者側の面。以下、表面と も呼称する。 )に表面保護層 5が形成された構成である。しかも、該粘着剤層 1には導 電体メッシュ層 12の金属等に対して耐久性を有する特定の粘着剤を採用した構成 である。
なお、図 2の複合フィルタ 10は、図 3を参照して後述するように、粘着剤層 1が導電 体メッシュ層 12の全面にでは無く一部 (接地用領域 122)を露出させる様に間欠塗 ェなどで部分的にパターン状に形成されている形態の場合を概念的に示す断面図 でもある。
図 2は、該透明基材フィルム 11は紫外線吸収剤を含有した例であるため、紫外線 吸収機能も有する複合フィルタとなる。紫外線吸収機能は、複合フィルタの使用状態 に合わせて適宜付与されれば良!、。
[0099] 以下、本発明において用いられる機能層、粘着剤層、及び透明基材を順に説明す る。尚、以下に例示する各層は、「シンプルフィルタ」の形態の場合に用いられる例を 開示するのみに留まらず、それ以外の各種構成、組合せの複合フィルタに用いられ る場合の例示にもなつている。
<電磁波遮蔽層 >
電磁波遮蔽層は、プラズマディスプレイ等カゝら発生した電磁波を遮蔽する機能を有 するものである。
電磁波遮蔽層としては、従来公知の各種形態が適用可能であり、後述の導電体メッ シュ層の他、銀、 ITO (酸化錫インジウム)、 ATO (アンチモンドープ酸化錫)等の透 明な連続体 (メッシュ開口部非形成の)薄膜を仕様することも可能である。但し、透明 性と電磁波遮蔽性の両立の観点力 は、金属等の導電体メッシュ層が好ましぐ以下 においても電磁波遮蔽層としては導電体メッシュ層の形態を中心に説明する。 本発明にお 、て好適に用いられる電磁波遮蔽層としては、図 1に示すように透明基 材 11、導電体メッシュ層 12がこの順に積層された積層構造を有するものである。
[0100] (導電体メッシュ層)
導電体メッシュ層 12は、導電性を有することで電磁波遮蔽機能を担える層であり、 またそれ自体は不透明性だがメッシュ状の形状で多数の開口部が存在するメッシュ により、電磁波遮蔽性能と光透過性を両立させている層である。
また、導電体メッシュ層は、通常金属層を主とし、通常は更にこれに加えて、導電性 を有する黒ィ匕層や防鲭層を含み、或 ヽは特に導電体メッシュ層を後述する電解メッ キにより形成する場合には、更に導電処理層を構成層として含むものである。
なお、導電体メッシュ層の側面も含めた表裏面の一部又は全面上に、導電性を有 しない層が更に形成されていてもよい。当該導電性を有しない層の例としては、導電 性を有しない防鲭層ゃ黒ィ匕層等である。ただし、防鲭層ゃ黒ィ匕層等であっても、導 電性を有する場合には、本発明において導電体メッシュ層に含まれる。これらの導電 性の層は導電体メッシュ層の構成層となる。
[メッシュの形状]
メッシュの形状は、任意で特に限定されないが、開口部の形状は正方形が代表的 である。開口部の形状は、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、 台形等の四角形、六角形、等の多角形、或いは、円形、楕円形などである。メッシュ はこれらの形状力 なる複数の開口部を有し、開口部間は開口部を区画するライン 部となり、ライン部は通常幅均一でライン状のものであり、また、通常は開口部及び開 口部間は、全面で各々同一形状同一サイズである。
具体的サイズを例示すれば、開口率及びメッシュの非視認性の点で、開口部間の ライン部の幅(ライン幅)は 100 μ m以下、より好ましくは 50 μ m以下である。但し、電 磁波遮蔽機能の確保、破断防止の点で、下限は 5 m以上とするのが良い。
なお、メッシュ領域のバイアス角度 (メッシュのライン部と複合フィルタの外周辺との なす角度)は、適用するディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが 出難い角度に適宜設定すれば良い。
また、開口部の間口幅 [ラインピッチ一ライン幅]は、 100 /z m以上、より好ましくは 1 50 m以上とする。但し、電磁波遮蔽機能の確保の観点から最大 3000 m以下が 好ましい。また、ライン幅及び間口幅は、光透過性の観点、及び透明保護層形成時 に開口部内に気泡が残留し難い観点から、開口率が 60%以上となるようにするのが 好ましぐまた開口率は、電磁波遮蔽機能の確保の観点力 97%以下となるようにす るのが好ま 、。なお、開口率 = [ (間口幅)2 / (ラインピッチ) 2] X 100%である。
[0102] [接地用領域とメッシュ領域]
また、導電体メッシュ層 12は、図 3の平面図で概念的に例示する導電体メッシュ層 12のように、その平面方向に於いて、メッシュ領域 121以外に接地用領域 122を備 えた層とするのが、接地をとり易い点でより好ましい。該接地用領域は画像表示を阻 害し無い為に、画像表示領域周縁部の一部又は全周に形成する。該メッシュ領域と は複合フィルタを適用するディスプレイの画像表示領域を全て覆うことが出来る領域 である。該接地用領域とは接地をとる為の領域である。該画像表示領域とは、デイス プレイが実質的に画像を表示している領域 (実質的画像表示領域)を少なくとも意味 する力 ディスプレイを観察者力 見た場合にディスプレイの外枠体による枠の内側 全体の領域も便宜上含めた意味としても良い。その理由は、当該枠の内側で且つ実 質的画像表示領域の外側に黒い領域 (縁取り)が存在する場合、そこは本来画像表 示領域外だが、目に触れる以上は外観が実質的画像表示領域と異なるのは違和感 が生じるからである。
なお、接地用領域は基本的にはメッシュは不要だが、接地用領域の反り防止等の 目的から、開口部力 成るメッシュが存在しても良い。
[0103] 導電体メッシュ層の厚みは、メッシュ領域と接地用領域とは必ずしも同じ厚みでなく ても良いが、通常はメッシュ領域も接地用領域も同じ厚さとなる。そして、導電体メッ シュ層の厚みは電磁波遮蔽機能の観点力も少なくともメッシュ領域にて 1〜20 μ mで あるが、さらに、より薄膜である点で、(斜めから観察する場合の)画像の視認性が良 い点、表面保護層形成時の開口部とライン部との段差による開口部への気泡混入が 少ない点、工程が短く歩留りが良い点、などの観点から、より好ましくは 1〜5 /ζ πι、更 により好ましくは 1〜3 μ mとするのが、望ましい。
また、導電体メッシュ層のメッシュ領域のライン部の高さは、開口部とライン部との段 差の観点から、ライン部が導電体メッシュ層のみ力 構成される場合は、ライン部の高 さは導電体メッシュ層の厚さに等いが、例えば、非導電性黒化層及び非導電性防鲭 層も形成されている場合は、ライン部の高さは導電体メッシュ層、非導電性黒化層、 及び非導電性防鲭層の厚みの合計値として捉える。 [0104] [導電体メッシュ層の形成方法]
本発明にお!ヽて、メッシュ領域や接地用領域を有する導電体メッシュ層の材料や形 成方法は特に限定はなぐ従来公知の電磁波遮蔽シートにおけるものを適宜採用で きる。
[0105] このような、メッシュ領域を有する導電体メッシュ層の形成方法は、特に制限されず 、例えば、次の(1)〜 (4)の方法が挙げられる。
(1)透明基材フィルムへ導電インキをパターン状に印刷し、形成された導電インキ層 の上へ金属メツキする方法 (例えば、特開 2000— 13088号公報)。
(2)透明基材フィルムへ、導電インキ又は化学メツキ触媒含有感光性塗布液を全面 に塗布し、形成された塗布層をフォトリソグラフィ一法でメッシュ状とした後に、該メッ シュの上へ金属メツキする方法 (例えば、住友大阪セメント株式会社新材料事業部新 規材料研究所新材料研究グループ、 "光解像性ィ匕学メツキ触媒"、 [online] ,掲載 年月日記載なし、住友大阪セメント株式会社、 [平成 15年 1月 7日検索]、インターネ ットく URL :http:z / www. socnb. com/ product/ hproduct/ display, html
(3)透明基材フィルムと金属箔とを接着剤を介して積層した後に、金属箔をフォトリソ グラフィ一法でメッシュ状とする方法 (例えば、特開平 11― 145678号公報)。
(4)透明基材フィルムの一方の面へ、金属薄膜をスパッタ等により形成して導電処理 層を形成し、その上に電解メツキにより金属メツキ層として金属層を形成した透明基 材フィルムを準備し、該金属メツキした透明基材フィルムの金属メツキ層及び導電処 理層を、フォトリソグラフィ一法でメッシュ状とする方法 (例えば、特許第 3502979号 公報、特開 2004— 241761号公報)。
[0106] これら方法の中でも、厚さが 5 μ m以下の薄膜である点で、(斜めから観察する場合 の)画像の視認性が良い点、表面保護層形成時の気泡混入が少ない点、工程が短 く歩留りが良い点、低コストが可能である点などの点から、(4)の方法が特に好ましい 。そこで、ここでは、該 (4)の方法によって、導電体メッシュ層を透明基材フィルム上 に形成する方法について、詳述する。
[0107] この方法では、透明基材フィルムの一方の面に、メッシュが未だ非形成で導電体メ ッシュ層となる前の状態として導電体層を形成し、該導電体層を加工してメッシュを形 成し導電体メッシュ層とすることができる。
[0108] [導電処理層]
導電処理層は、用いる透明基材フィルムが榭脂フィルムであり電気絶縁性である為 に、金属メツキ層を電解メツキで形成できるように、該フィルムの表面を導電処理して メツキに必要な導電性を確保する為の層である。該導電処理の方法としては、導電 性材料の薄膜を形成する公知の方法によれば良い。該導電性材料としては、例えば 、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなどの金属、或いはこれらの金属の合金(例えば、 ニッケル—クロム合金)から成る。或いはまた、酸化スズ、 ITO、 ΑΤΟなどの透明な金 属酸化物でもよい。導電処理層は、これらの材料を公知の真空蒸着法、スパッタリン グ法、無電解メツキ法などの薄膜形成方法で形成することができる。導電処理層は、 単層でも多層(例えば、ニッケル クロム合金層と銅層との積層)でもよい。導電処理 層の厚さは、メツキ時に必要な導電性が得られればよいので、 0. 001-1 μ m程度 の極薄 、厚みが、導電体メッシュ層全体として薄膜ィ匕ができる点で好ま 、。
[0109] [金属メツキ層]
金属メツキ層は上記導電処理層の表面に電解メツキ法によって形成する。該金属メ ツキ層の材料としては、電磁波遮蔽機能に必要な導電性が得られる材料であれば良 ぐ例えば金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなど金属、或いはこれら金属の合金が挙 げられる。これらのなかでも、メツキが容易である点、及び導電性の観点から、好まし い材料を例示すれば、銅又は銅合金が挙げられる。また、金属メツキ層は、単層でも 多層でも良い。
また、金属メツキ層の厚さは、詳述しているこの(4)の方法においては導電体メッシ ュ層の少なくともメッシュ領域にぉ 、て、厚さが 5 μ m以下の薄膜を目指す背景から、 前記導電処理層と該金属メツキ層との両層の総厚が 5 m以下などと、薄膜の導電 体メッシュ層が可能となる様な厚みとするのが良い。
[0110] [黒化層]
黒ィ匕層は、必要に応じて、金属メツキ層の少なくとも片面に設ける。黒化層は外光 吸収、画像の視認性向上、コントラスト向上などを目的に設ける。黒化層は金属メツキ 層の面を粗面化したり、全可視光領域に亘つて光吸収性を付与 (黒化)したり、或い はこれら両者を併用したりする方法のいずれかよって設けることができる。
黒ィ匕層を設ける具体的方法としては、金属酸化物、金属硫化物の形成や種々の方 法を採用できる。黒ィ匕層を設ける面が鉄カゝらなる場合は、通常スチーム中で 450〜4 70°C程度の温度で 10〜20分間さらし、厚さ 1〜2 ;ζ ΐη程度の酸ィ匕膜 (黒ィ匕膜)を形 成する、濃硝酸などの薬品処理による酸ィ匕膜 (黒ィ匕膜)でもよい。また、黒化層を設け る面が銅の場合は、銅-コバルト合金の粒子層、硫化ニッケル層、酸化銅層等が好ま しい。
黒ィ匕層を設ける面は、少なくとも観察側であるが、他方の粘着剤層側 (つまりデイス プレイ側)にも設ければ、ディスプレイ力 の迷光を吸収でき画像の視認性がさらに 向上できる。
[0111] また、電解メツキで導電体メッシュ層を形成しなお且つ該層の透明基材フィルム側 に黒ィ匕層を設ける際に、例えば次の (A法)や (B法)を採用できる。
(A法)透明基材フィルム上に設ける導電処理層を黒色の層として形成しこれを黒 化層と兼用させて黒化層兼導電処理層として、この上に金属メツキ層を形成する方 法。
(B法)透明基材フィルム上に導電処理層を ITO等で透明な透明導電処理層として 形成しこの透明導電処理層上に導電性黒化層を形成して、都合、透明導電処理層 及び導電性黒化層からなる導電処理層の導電性黒化層上に、金属メツキ層を形成 する方法。
[0112] 黒化層の好ましい黒濃度は 0. 6以上である。なお、黒濃度の測定方法は、 COLO R CONTROL SYSTEMの GRETAG SPM100— 11 (株式会社きもと製、商品 名)を用いて、観察視野角 10度、観察光源 D50、照明タイプとして濃度標準 ANSIT に設定し、白色キヤリブレイシヨン後に、試験片を測定する。また、黒化層の光線反射 率としては 5%以下が好ましい。光線反射率は、 JIS— K7105に準拠して、ヘイズメ 一ター HM150 (株式会社村上色彩科学研究所製、商品名)を用いて測定する。 また、黒濃度は上記反射率の測定に替えて、色差計により反射の Y値で表わしても よぐこの際には好ましい黒濃度は Y値として 10以下である。 [0113] [防鲭層]
また、防鲭層を金属メツキ層、或いは黒ィ匕層の表面を覆うように設けるのが好ましい 導電体メッシュ層(そのうち金属メツキ層、或いはさらに黒ィ匕層)の表面は、少なくとも メッシュ領域は粘着剤層又は機能層で最終的には覆われるが、粘着剤層又は機能 層を形成する前の製造工程では露出している。そこで、防鲭の防止、黒化層の脱落 や変形を防止するために、防鲭層を設ける。また、上記の目的において少なくとも、 黒ィ匕層上には設けるのが好ましい。
防鲭層としては、例えば、ニッケル、亜鉛、及び/又は銅の酸化物、又はクロメート 処理層が適用できる。ニッケル、亜鉛、及び Z又は銅の酸ィ匕物の形成法としては、公 知のメツキ法でよい。また、防鲭層の厚さはその目的実現及び過剰性能を避けてなる ベく薄膜とする点、で、 0. 001-1 μ m程度、好ましくは 0. 001-0. 1 μ mである。
[0114] [メッシュの形成]
次に、上述のように設けられた透明基材フィルム上の導電体層(なお、透明基材フ イルムと導電体層とが積層された物を以下「積層体」とも呼ぶことにする)を、フォトリソ グラフィ一法でメッシュを形成して導電体メッシュ層とする工程を説明する。
先ず最初は、透明基材フィルム上に積層された導電体層面にレジスト層を設け、こ れをメッシュ状にパターンィ匕し、レジスト層で覆われて ヽな 、部分の導電体層をエツ チングして除去後、レジスト層を除去して、メッシュ領域が形成された導電体メッシュ 層とする。この方法は、既存設備を使用でき、且つ工程の多くを連続的に行え、品質 、生産効率、歩留り、コストなどに優れた生産が可能である。
[0115] このフォトリソグラフィ一法によるメッシュ形成工程は、連続帯状の状態で連続して卷 き取られたロール状の積層体を加工して行く(卷取り加工、ロールツーロール加工と いう)のが好ましい。積層体の搬送は連続的又は間欠的に行い、緩みなく伸張した状 態で、マスキング、エッチング、レジスト剥離の各工程を行うことができる。
[0116] まず、マスキングは、例えば、導電体層上へ感光性レジストを塗布し、乾燥後、所定 のメッシュパターンを有するフォトマスクにて密着露光し、水現像し、硬膜処理などを 施し、ベーキングする。なお、感光性レジストのネガ型、ポジ型の何れも使用できる。 ネガ型の場合は、パターン版のメッシュパターンはライン部が透明なポジ(陽画)とす る。一方、ポジ型の場合は、パターン版のメッシュパターンは開口部が透明なネガ( 陰画)とする。又、露光パターンとしては、所望のメッシュ形状を有するパターンで、少 なくともメッシュ領域のパターンを有する。更に必要に応じて、メッシュ領域の外周に 接地用領域のパターンも有する。
[0117] レジストの形成は、卷取り加工では、連続帯状の積層体を連続又は間欠送りで搬送 させながら、メッシュ領域を形成する導電体層面へ、カゼイン、 PVA、ゼラチンなどの レジストを、デイツビング (浸漬)、カーテンコート、掛け流しなどの方法で塗布する。ま た、レジストの形成は塗布以外に、ドライフィルムレジストを利用してもよぐこの場合、 作業性が向上する。ベーキングはカゼインレジストの場合は 200〜300°Cでするが、 積層体の反り防止の点で、なるべく低い温度が良い。
[0118] エッチングは、そのエッチング液として、エッチングを連続して行う場合には循環使 用が容易にできる塩ィ匕第二鉄、塩ィ匕第二銅の溶液を用いるのが良い。また、エッチ ングの工程は、連続帯状の鋼材、特に厚さ 20〜80 mの薄板をエッチングするカラ 一 TVのブラウン管用のシャドウマスクを製造する設備と、基本的に同様の工程であ る。また、エッチング後は、水洗、アルカリ液によるレジスト剥離、洗浄後、乾燥すれば よい。
[0119] 本発明に用いられる上述したような導電体メッシュ層は、表面抵抗が 10_6ΩΖ口〜 5 ΩΖ口の範囲内、中でも 10_4ΩΖ口〜 3 ΩΖ口の範囲内であることが好ましい。一 般的に、電磁波遮蔽性は、表面抵抗により測定することができ、この表面抵抗が低い ほど、電磁波遮蔽性が良好なものということができる。ここで、上記表面抵抗の値は、 表面抵抗測定装置ロレスター GP、(株)ダイヤインスッノレメンッ製にて JIS K7194「 導電性プラスチックの 4探針法による抵抗率試験法」に記載される方法にて測定され た値である。
[0120] (透明基材)
透明基材は電磁波遮蔽層を構成する一部の層であり、必要に応じて接着剤層を介 して導電体メッシュ層を積層するための基材となる層である。
透明基材 11は、機械的強度が弱い導電体メッシュ層を補強するための層であり、 紫外線吸収機能等の他の機能を更に有する層であっても良い。従って、透明基材フ イルムとしては、機械的強度、光透過性と共に、紫外線吸収機能等の機能、その他、 耐熱性等の性能を適宜勘案したものを用途に応じて選択すればよい。このような、透 明基材としては、透明基材フィルムとしての樹脂フィルム (乃至は榭脂シート)が用い られる。
[0121] 榭脂フィルムの材料として用いる透明榭脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタ レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタノレ酸 イソフ タル酸 エチレングリコール共重合体、テレフタル酸 シクロへキサンジメタノール エチレングリコール共重合体などのポリエステル系榭脂、ナイロン 6などのポリアミド系 榭脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロォレフイン重合体などのポリオレフィ ン系榭脂、ポリメチルメタタリレートなどのアクリル系榭脂、ポリスチレン、スチレンーァ クリロ-トリル共重合体などのスチレン系榭脂、トリァセチルセルロースなどのセルロー ス系榭脂、ポリカーボネート榭脂等が挙げられる。
[0122] なお、これらの榭脂は、単独、又は複数種類の混合榭脂 (ポリマーァロイを含む)と して用いられ、透明基材の層構成は、単層、又は 2層以上の積層体として用いられる 。また、榭脂フィルムの場合、 1軸延伸や 2軸延伸した延伸フィルムが機械的強度の 点でより好ましい。
[0123] 透明基材の厚さは、基本的には用途に応じ選定すればよぐ特に制限はないが、 通常は 12〜: LOOO μ m、好ましくは 50〜500 μ m、より好ましくは 50〜200 μ mであ る。このような厚み範囲ならば、機械的強度が十分で、反り、弛み、破断などを防ぎ、 連続帯状で供給して加工する事も容易である。
なお、本発明では、透明基材とは、榭脂フィルム (榭脂シートも含む)以外に榭脂板 と呼ばれるものも含めて呼ぶこと〖こする。但し、 NIR吸収、 Ne光吸収、色補正を各フ ィルタフイルム毎に積層することによる総厚増加を回避して複合フィルタの薄型化を 図る観点から、透明基材は薄 、ものが好ま 、。
[0124] この様な点で、透明基材の形態としては榭脂板よりは榭脂フィルムが好ま 、。該 榭脂フィルムのなかでも特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート 等のポリエステル系榭脂フィルム力 透明性、耐熱性、コスト等の点で好ましぐより好 ましくは 2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが最適である。なお、透明基材の 透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光線透過率で 80%以上となる光透過性の フィルムがよい。
[0125] 本発明に用いられる透明基材フィルムは、紫外線吸収機能を有していても良い。こ の場合、該透明基材フィルムは、該透明基材フィルムの榭脂中に紫外線吸収剤をフ イルム中に練り込んだり、該透明基材フィルムの構成層の一部として紫外線吸収剤を 含む表面コート層を表面に設けたり、或いはこれら両方を併用した、構成とする。な お、表面コート層を設ける表面は表裏面のいずれか片側、両側のいずれでもよい。 また、上記シンプルフィルタの態様においては、透明基材フィルムの一方の面に表 面保護層を設ける関係上、該表面保護層形成面側に、紫外線吸収剤を含む前記表 面コート層を形成する場合には、該表面コート層と表面保護層とを兼用してこれを表 面保護層とする形態としても良 、。
[0126] 紫外線吸収剤としては、例えば、上述のようなベンゾトリァゾール、ベンゾフエノン等 の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸ィ匕セリウム等力 なる無機系化合物から なる公知の化合物を用いることができる。
また、紫外線吸収剤を含む表面コート層(紫外線吸収層)は、このような紫外線吸収 剤を榭脂バインダに添加した組成物を公知の方法で塗布形成すれば良 ヽ。榭脂バ インダ一の樹脂としては、ポリエステル榭脂、ポリウレタン榭脂、アクリル榭脂等の熱 可塑性榭脂や、エポキシ、アタリレート、メタアタリレート等の単量体、プレボリマー等 から成る熱硬化型榭脂或!ヽは電離放射線硬化型榭脂、 2液硬化型ウレタン榭脂等の 硬化性榭脂などが挙げられる。
[0127] また、透明基材の榭脂中には、更に必要に応じて適宜、公知の添加剤、例えば、 充填剤、可塑剤、帯電防止剤などを本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で加えること ができる。
[0128] また、透明基材は、その表面に適宜、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、 フレーム処理、プライマー処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、 などの公知の易接着処理を行ってもょ 、。
[0129] (接着剤層) 接着剤層は図 1の電磁波遮蔽層にお ヽて図示して ヽな ヽが、形成方法によっては 透明基材と導電体メッシュ層とを接着するのに用いられても良い層である。接着剤層 は、導電体メッシュ層及び透明基材とを接着することが可能な層であれば、その種類 等は特に限定されるものではないが、本発明においては、上記導電体メッシュ層を構 成する金属箔及び透明基材を接着剤層を介して貼り合わせた後、金属箔をエツチン グによりメッシュ状とすることから、接着剤層も耐エッチング性を有することが好ましい 。具体的には、アクリル榭脂、ポリエステル榭脂、ポリウレタン榭脂、エポキシ榭脂、ポ リウレタンエステル榭脂等が挙げられる。また、本発明に用いられる接着剤層は、紫 外線硬化型であってもよぐまた熱硬化型であってもよい。特に、透明基材との密着 性などの観点力もポリウレタン榭脂、アクリル榭脂もしくはポリエステル榭脂が好ま ヽ
[0130] 接着剤層を介してドライラミネーシヨン法等により透明基材及び導電体メッシュ層を 形成するための金属箔とを接着することができる。また、この接着剤層の膜厚が 0. 5 πι〜50 ;ζ πιの範囲内、中でも1 111〜20 111でぁることが好ましぃ。これにより、透 明基材及び導電体メッシュ層とを強固に接着することができ、また、導電体メッシュ層 を形成するエッチングの際に透明基材が塩ィ匕鉄等のエッチング液の影響を受けるこ と等を防ぐことができるからである。
[0131] <反射防止層 >
画像表示装置表面での外来光の鏡面反射による背景の映り込み、画像の白化、及 び画像コントラスト低下を低減する為の手段として、本発明の複合フィルタの最上層 には、所謂防眩層及び Ζ又は所謂反射防止層を形成することが好ましい。前者の防 眩層としては、磨りガラスのように光を散乱もしくは拡散させて外来光による背景像を ボカス手法である。
また、後者の反射防止層としては、屈折率の高い材料と低い材料を交互に積層し、 最表面が低屈折率層となる様に多層化 (マルチコート)し、各層界面での反射光を干 渉によって相殺することで、表面の反射を抑え、良好な反射防止効果を得る手法で あり、所謂狭義の反射防止層である。
[0132] この反射防止層は、通常、 MgF、 SiOに代表される低屈折率材料と、 TiO、 ZrO 等の高屈折率材料とを交互に蒸着等により成膜する気相法等によって形成される。 反射防止効果を向上させるためには、低屈折率層の屈折率は、 1. 45以下である ことが好ましい。これらの特徴を有する材料としては、例えば LiF (屈折率 n= l. 4)、 MgF (屈折率 n= l. 4)、 3NaF'AlF (屈折率 n= l. 4)、 A1F (屈折率 n= l. 4)、
2 3 3
Na A1F (屈折率 n= l. 33)、 SiO (屈折率 n= l. 45)等の無機材料を微粒子化し
3 6 2
、アクリル系榭脂ゃエポキシ系榭脂等に含有させた無機系低反射材料、フッ素系'シ リコーン系の有機化合物、熱可塑性榭脂、熱硬化型榭脂、放射線硬化型榭脂等の 有機低反射材料を挙げることができる。
[0133] さら〖こ、 5〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素 系の皮膜形成剤を混合した材料を使用することもできる。該 5〜30nmのシリカ超微 粒子を水もしくは有機溶剤に分散したゾルは、ケィ酸アルカリ塩中のアルカリ金属ィ オンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケィ酸アルカリ塩を鉱酸で中和する方 法等で知られた活性ケィ酸を縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシラン を有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合することにより得られる公知 のシリカゾル、さらには上記の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置 換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル (才ルガノシリカゾル)が用いられる 。これらのシリカゾルは水系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。有機 溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶剤に置換する必要はない。前記 シリカゾルは SiOとして 0. 5〜50質量%濃度の固形分を含有する。シリカゾル中の
2
シリカ超微粒子の構造は球状、針状、板状等様々なものが使用可能である。また、皮 膜形成剤としては、アルコキシシラン、金属アルコキシドゃ金属塩の加水分解物や、 ポリシロキサンをフッ素変性したものなどを用いることができる。
[0134] 低屈折率層は、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーティング、口 ールコーティングや印刷等によるウエットコーティング法や、真空蒸着、スパッタリング
、プラズマ CVD、イオンプレーティング等による気相法で、高屈折率層上に設けて乾 燥後、熱や放射線 (紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化 させること〖こよって得ることができる。
[0135] 高屈折率層の形成は、屈折率を高くするために高屈折率のバインダ榭脂を使用す る力、高い屈折率を有する超微粒子をバインダ榭脂に添加することによって行なうか
、あるいはこれらを併用することによって行なう。高屈折率層の屈折率は 1. 55〜2. 7 0の範囲にあることが好まし!/、。
[0136] 高屈折率層に用いる榭脂については、透明なものであれば任意の榭脂が使用可 能であり、熱硬化型榭脂、熱可塑性榭脂、放射線 (紫外線を含む)硬化型榭脂などを 用いることができる。熱硬化型榭脂としては、フエノール榭脂、メラミン榭脂、ポリウレタ ン榭脂、尿素樹脂、ジァリルフタレート榭脂、グアナミン榭脂、不飽和ポリエステル榭 脂、アミノアルキッド榭脂、メラミン—尿素共縮合榭脂、珪素榭脂、ポリシロキサン榭脂 等を用いることができ、これらの榭脂に、必要に応じて架橋剤、重合開始剤等の硬化 剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を加えることができる。
[0137] 高い屈折率を有する超微粒子としては、例えば、紫外線遮蔽の効果をも得ることが できる、 ZnO (屈折率 n= l. 9)、TiO (屈折率 n= 2. 3〜2. 7)、CeO (屈折率 n= l
2 2
. 95)の微粒子、また、帯電防止効果が付与されて埃の付着を防止することもできる 、アンチモンがドープされた SnO (屈折率 n= l. 95)又は ITO (屈折率 n= l. 95)
2
の微粒子が挙げられる。その他の微粒子としては、 Al O (屈折率 n= l . 63)、 La O
2 3 2 3
(屈折率 n= l. 95)、ZrO (屈折率 n= 2. 05)、 Y O (屈折率 n= l. 87)等を挙げる
2 2 3
ことができる。これらの微粒子は単独又は混合して使用され、有機溶剤又は水に分 散したコロイド状になったものが分散性の点において良好であり、その粒径としては、 1〜: L00nm、塗膜の透明性力も好ましくは、 5〜20nmであることが望ましい。
高屈折率層を設けるには、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコー ティング、ロールコーティング、印刷等の方法で基体上に設けて乾燥後、熱や放射線
(紫外線の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させればよい。 また、反射防止層に紫外線遮蔽機能をもたらす点から、反射防止層中に紫外線吸 収剤を含有させても良い。
[0138] <防眩層>
防眩層 (Anti Glare層、略称して AG層)は、外来光を散乱もしくは拡散させるた めに、光の入射面を粗面化することが基本である。この粗面化処理には、サンドブラ スト法やエンボス法等により基体表面を直接、微細凹凸を形成して粗面化する方法、 基体表面に放射線、熱の何れかもしくは組み合わせにより硬化する榭脂バインダ中 にシリカなどの無機フィラーや、榭脂粒子などの有機フィラーを含有させた塗膜により 粗面化層を設ける方法、及び基体表面に海島構造による多孔質膜を形成する方法 を挙げることができる。榭脂バインダの榭脂としては、表面層として表面強度が望まれ る関係上、硬化性アクリル榭脂や、上記ハードコート層同様に電離放射線硬化性榭 脂等が好適には使用される。
[0139] <紫外線吸収層 >
本発明において、紫外線吸収層は、上記本発明に係る粘着剤層に含有される光 吸収剤の劣化を防止するために、上記粘着剤層とは独立した層として粘着剤層より も観察側に配置される層であることが好まし 、。上記他の機能層に紫外線吸収剤を 含有させた、他の機能層と紫外線吸収層を兼ねる層であっても良いし、或いは独立 した層であっても良い。上記機能層に用いる紫外線吸収剤としては、上記本発明に 係る粘着剤層にお 、て記載したものと同様の紫外線吸収剤を用いることができる。独 立した層とする場合に用いられるバインダ榭脂としては、ポリエステル榭脂、ポリウレタ ン榭脂、アクリル榭脂、エポキシ榭脂等の樹脂が用いられる。又バインダ榭脂の乾燥 、硬化方式としては、溶液 (又はェマルジヨン)力もの溶媒 (又は分散媒)の乾燥による 乾燥固化方式、熱、紫外線、電子線などのエネルギーによる重合、架橋反応を利用 した硬化方式、或いは榭脂中の水酸基、エポキシ基等の官能基と硬化剤中のイソシ ァネート基などとの架橋、重合等の反応を利用した硬化方式などが適用できる。 また、市販の紫外線カットフィルタ、例えば、富士写真フィルム社製の「シャープカツ トフィルター SC— 38」(商品名)、「同 SC— 39」、「同 SC— 40」、三菱レーヨン社製の 「アタリプレン」(商品名)等を用いることもできる。
[0140] <表面保護層 >
表面保護層 5は、複合フィルタの表面を保護する機能を有する層である。表面保護 層は透明な榭脂層として形成することができ、榭脂層は擦り傷、表面汚染に対する耐 性の点で好ましくは硬化性榭脂が硬化してなる榭脂硬化層として形成する。また、こ のような榭脂硬化層はいわゆるハードコート層〔HC (Hard Coat)層とも略称〕として 形成できる。また、表面保護層は単層の他、多層として形成してもよい。 ハードコート層としても適用可能な表面保護層を形成する場合、用いる硬化性樹脂 としては、電離放射線硬化性榭脂、その他公知の硬化性榭脂などを要求性能などに 応じて適宜採用すればよい。電離放射線硬化性榭脂としては、アタリレート系、ォキ セタン系、シリコーン系などが挙げられる。例えば、アタリレート系の電離放射線硬化 性榭脂は、単官能 (メタ)アタリレートモノマー、 2官能 (メタ)アタリレートモノマーモノマ 一、 3官能以上の(メタ)アタリレートモノマーなどの(メタ)アクリル酸エステルモノマー 、ウレタン (メタ)アタリレート、エポキシ (メタ)アタリレート、ポリエステル (メタ)アタリレー ト等の (メタ)アクリル酸エステルオリゴマー乃至は (メタ)アクリル酸エステルプレボリマ 一などからなる。さらに 3官能以上の (メタ)アタリレートモノマーを例示すれば、トリメチ ロールプロパントリ(メタ)アタリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アタリレート、ジ ペンタエリスリトールへキサ (メタ)アタリレート等がある。
[0141] このような電離放射線硬化性榭脂などの硬化樹脂からなる榭脂組成物を、透明基 材フィルムの面に適用して榭脂を硬化させて、表面保護層を形成する。なお、電離 放射線硬化性榭脂を硬化させる電離放射線としては、紫外線、電子線などが代表的 である。硬化榭脂からなる榭脂組成物を透明基材フィルムの面に適用するには、公 知の塗工法、印刷法 (転写印刷でもよ!/、)を適宜採用する。
なお、表面保護層の厚さは、複合フィルタを保護できる厚さにすれば良い。
[0142] また、表面保護層は、耐汚染性向上の点で、シリコーン系化合物、フッ素系化合物 などを添加するのもよい。
また表面保護層は、専ら防汚染層として、複合フィルタを使用する際に、その表面 に不用意な接触や環境力 の汚染が原因でごみや汚染物質が付着するのを防止し 、あるいは付着しても除去しやすくするために形成される層であっても良い。例えば、 フッ素系コート榭脂、シリコン系コート剤、シリコン 'フッ素系コート剤等が使用され、中 でもシリコン 'フッ素系コート剤が好ましく適用される。これらの防汚染層としての厚さ は好ましくは lOOnm以下で、より好ましくは lOnm以下であり、更に好ましくは 5nm以 下である。これらの防汚染層の厚さが lOOnmを超えると防汚染性の初期値は優れて いるが、耐久性において劣るものとなる。防汚染性とその耐久性のバランスから 5nm 以下が最も好ましい。 [0143] また、表面保護層は表面保護機能に加えて、更に外来光の鏡面反射防止機能を 有していても良い。
具体的には、表面保護層を防眩層或いは反射防止層とする形態である。例えば、防 眩層とする場合は、表面保護層 (複数層有る場合は、其の最上層)中に光拡散性粒 子を添加した形態、表面保護層の表面が粗面賦形された形態を挙げることができる 。上記光拡散性粒子としては、無機粒子や有機粒子が挙げられ、無機粒子としては 例えばシリカ、有機粒子としては例えば榭脂粒子が挙げられる。
なお、表面を賦形で粗面とするには、表面保護層を形成する為の榭脂組成物を、 透明基材フィルム面上に適用した後或いは適用時に、榭脂を硬化させる場合は完全 硬化前で賦形可能な流動性を有するうちに、賦形シートゃ賦形版で表面を賦形すれ ば良い。
又、反射防止層とする場合は、表面保護層 (複数層有る場合は、其の最上層)を前 記の反射防止層のところで述べた様な手法により、其の直下の層よりも低屈折率ィ匕 すれば良い。
[0144] く粘着剤層、透明基材>
本発明に係る複合フィルタにお 、ては、光吸収剤を添加する粘着剤層につ 、ては 、上記本発明に係る粘着剤層を用いる。但し、光吸収剤を添加しない粘着剤層を併 用する場合については、上記本発明に係る粘着剤層の他、他の構成物からなる粘着 剤層を有していても良い。粘着剤層に用いる粘着剤としては、公知の粘着剤の中か ら、粘着性 (接着力)、透明性、塗工適性などを有し、またそれ自体好ましくは無着色 のものを適宜選択する。このような粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム 系粘着剤、ポリエステル系粘着剤などカゝら選定することができるが、粘着性、透明性 の点でアクリル系粘着剤が好ましい。また、例えば、市販の両面接着テープ (例、 CS 9611:商品名、日東電工 (株)製)を使用することもできる。
また、必要に応じて上記各機能層の支持体として用いられる透明基材としては、上 記電磁波遮蔽層において説明したような透明基材と同様の物を用いることができる。
[0145] 以上、各層を例示して説明したが、本発明の複合フィルタは、代表的な用途である プラズマディスプレイパネルの前面に適用される場合には、プラズマディスプレイパネ ルがキセノンガス放電を利用して発光する際に生じる近赤外線領域、即ち、 800〜1 lOOnmの波長域における光線透過率が 30%以下、更に 20%以下、特に 10%以下 であることが好ましい。
また、本発明の複合フィルタは、代表的な用途であるプラズマディスプレイパネルの 前面に適用される場合には、プラズマディスプレイパネルがキセノンガス放電を利用 して発光する際、ネオン原子が励起された後、基底状態に戻るときに発光するネオン 光、即ち、 570〜610nmの波長域における光線透過率が 50%以下、更に 40%以 下であることが好ましい。
また、本発明の複合フィルタは、可視光領域、即ち、 380〜780nmの波長域で、充 分な光線透 過率、すなわち視感透過率 20%以上、更に 30%以上を有することが 望ましい。
なお、本発明における光線透過率は、 JIS— Z8701に準拠して分光光度計 (例え ば、品番: UV— 3100PC、会社名:株式会社島津製作所)にて測定することができる
[0146] 本発明の複合フィルタは、優れた光学フィルタ機能の耐久性を有し、高温高湿下で の長時間の使用によっても光吸収剤の劣化に帰属される分光特性の変化が起こり難 い。具体的には、高温雰囲気下 (例えば、気温 80°C、相対湿度 10%以下)、或いは 、高温高湿雰囲気下(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)に 1000時間放置し た前後の色度 (x、 y)の値の差 Δ χ及び Ayが、いずれも、 0. 03以下、更に好ましく は 0. 02以下であることが望ましい。
[0147] {複合フィルタの製造方法)
複合フィルタの製造方法としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、透 明基材フィルムとして連続帯状のものを用意し、これを連続帯状で連続的又は間欠 的に走行させて、連続的又は間欠的に必要な層を形成していくのが好ましい。つまり 、いわゆるロールツーロール加工で製造するの力 生産性などの点で好ましい。その 場合、最後の層積層までを一台の機械で全て連続的に行うのがより好ましい。
また、各層の形成順も特に制限はなく仕様により適宜順で行えばよい。例えば、上 記シンプルフィルタの構成を例に挙げて説明する。 透明基材フィルムを先ず用意し、この透明基材フィルムに対して、
(A) : l.表面保護層の形成、 2.導電体層の形成とその後の導電体メッシュ層の形 成
、 3.粘着剤層の形成。
(B) : l.導電体層の形成とその後の導電体メッシュ層の形成、 2.表面保護層の形成 、 3.粘着剤層の形成。
(C) : l.導電体層の形成、 2.表面保護層の形成、 3.導電体層から導電体メッシュ 層の形成、 4.粘着剤層の形成。
などである。
[0148] ロールツーロール力卩ェで複合フィルタを製造する場合、例えば導電体メッシュ層の 接地用領域を露出させる目的で、粘着剤層を部分的に形成するには、連続帯状の 積層体 (透明基材フィルムに導電体メッシュ層を積層済みの積層フィルム)に対して、 その幅方向(走行方向に対して直角方向)の両端或いは片端のみを露出させ、長手 方向(走行方向)は連続層として粘着剤層を形成する様な部分的形成の形態 (形態 A)であれば、粘着剤層の形成は、例えば塗布幅をその分狭くし長手方向には連続 して塗布すれば良い。
[0149] また、粘着剤層を部分的に形成する際に、連続帯状の積層体に対してその幅方向 の全幅に亘るように部分的に露出させる様な形態 (形態 B:わ力りやすく言えば、形態 Aとは縦横関係が 90度異なるような形態)では、長手方向では当該部分が幅方向に 露出するように粘着剤層が形成されてない様に間欠塗工すれば良い。つまり、全面 形成するのではなぐパターン状に形成する。間欠塗工ではいわゆる塗工法の他、 転写を含めた印刷法でも良ぐこれらは公知の方法力も適宜採用することができる。 また、最も一般的な形態でもあるが、導電体メッシュ層が中央部のメッシュ領域とそ の四辺周囲の額縁状の接地用領域とを有し、この接地用領域の露出を額縁状にす る様な場合には (形態 C)、上記形態 Aで狭幅にしてなお且つ間欠塗工すればよい。 なお、粘着剤層を部分的に形成する場合、接地用領域の一部、通常はメッシュ領 域側となる内側の一部にも形成する。その理由は、多少の形成位置ズレがあっても 機械的に弱いメッシュ領域を確実に保護できるようにするためである。 [0150] そして、このようにして連続帯状で製造した、適用するディスプレイ 1単位に対応し た 1単位の複合フィルタが長手方向に複数連なつたものを、該複合フィルタの 1単位 毎に裁断して枚葉化する。
[0151] なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示 であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成 を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範 囲に包含される。
実施例
[0152] 以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。
[実施例 1]
質量平均分子量が 80, 000で且つ分子量分布(MwZMn) l. 17の(ポリメタタリ ル酸メチル) (ポリアクリル酸 n プチル) (ポリメタクリル酸メチル)構造を有するト リブロックトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部に対して、 溶剤としてトルエン 25質量部、メチルェチルケトン 25質量部を混合して作製した榭脂 溶液に、近赤外線吸収剤として、エタスカラー IR12 (フタロシアニン系化合物)を 0. 2 質量部、 IR14 (フタロシアニン系化合物)(以上 2種類共に商品名、 日本触媒株式会 社製)を 0. 1質量部、 KayasorblRG— 068 (ジィモ -ゥム系化合物)(商品名、 日本 化薬社製)を 0. 4質量部、各々添加し十分分散させて光学フィルタ用粘着剤組成物 を調製した。
上記粘着剤組成物を、厚み 100 μ mの離型処理 PET (東洋紡績社製 Ε7002)上 に、乾燥膜厚 25 mとなるようにアプリケーターにて塗工し、 80°Cで 3分乾燥後、上 力も厚み 100 mの離型処理 PETをラミネートして、光学フィルタ機能を有する粘着 剤層を得た。
[0153] 実施例 1の粘着剤層を以下の評価方法で耐久性とガラス密着性について評価した その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも色度 (x、 y) の値の差 Δ X及び Δ yはそれぞれ 0. 02以下となった。 また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前後の!/、ず れも、被着体面に糊残りが生じず、 10〜15NZ25mmの範囲の値を示した。
[0154] <評価 >
得られた粘着剤層をガラス板 32 (表示装置用前面ガラス板として旭硝子社製の高 歪点ガラス板 (PD— 200 :商品名、厚み 2. 8mm)を用いた。)と貼り合わせた後、上 力も PETフィルム(東洋紡績社製 A4100:厚み 50 μ m)を積層して、試験サンプルと した。
[0155] (1)耐久性
まず、上記耐久性試験前の試験サンプルの色度 (x、 y)を測定した。次に、 〔高温耐久性試験〕
得られた試験サンプルを高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下に 1000 時間放置した後、上記と同様に色度 (x、 y)を測定した。色度は、分光光度計 (島津 製作所社製、品番:「UV— 3100PC」)を用いて測定した。
上記高温雰囲気下に放置する前後の色度 (x、 y)の測定値から、色度 (x、 y)の値の 差 Δ χ及び Ayを求めた。
〔高温高湿耐久性試験〕
得られた試験サンプルを高温高湿(気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 10 00時間放置した後、上記と同様に色度 (x、 y)を測定した。
上記高温高湿雰囲気下に放置する前後の色度 (x、 y)の測定値から、色度 (x、 y) の値の差 Δ X及び Δ yを求めた。
[0156] (2)ガラス密着性
ガラス密着性は、 JIS Z0237— 2000の試験に準拠して、ガラス板に貼り合わせら れた PETフィルム及び粘着剤層を、速度 200mmZminで、ガラス板と PETフィルム とのなす角度が 90度で剥離させて測定することができる。
[0157] [比較例 1]
p -キシレン ビス (N, N -ジェチルジチォカルバメート)を重合開始剤として用い るィ-ファーター重合法にてアクリル酸 n—ブチル及びメタクリル酸メチルを重合する ことによって、ポリメタクリル酸メチルブロック(14質量部) ポリアクリル酸 n-ブチルブ ロック(72質量部)—ポリメタクリル酸メチルブロック(14質量部)のトリブロック共重合 体を得た。得られたトリブロック共重合体の質量平均分子量は 316, 400であり、分子 量分布(MwZMn)は 2. 26であった。
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、上記で得られた質量平均分子量は 316, 400で且つ分子量分布( MwZMn)が 2. 26のトリブロック共重合体 50質量部を用いた以外は、実施例 1と同 様にして、比較例 1の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0158] 比較例 1の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも透過色が変 化し、色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03を超えた。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前後の!/、ず れも、 5NZ25mm未満であった。
[0159] [比較例 2]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、アクリル系粘着剤(実施例 1と同様の B1— A1— B1の結合構造のト リブロック共重合体であって、重量平均分子量 Mw=47, 000、分子量分布 MwZ Mn= l. 65になる様に重合したものを含んで成る) 50質量部を用いた以外は、実施 例 1と同様にして、比較例 2の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0160] 比較例 2の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (例え ば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも透 過色が変化し、色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03を超えた。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、 30NZ25mm以上を示し、被着体面に糊残りが発生した。
[0161] [実施例 2]
質量平均分子量が 80, 000で且つ分子量分布(MwZMn) l. 17の(ポリメタタリ ル酸メチル) (ポリアクリル酸 n プチル) (ポリメタクリル酸メチル)構造を有するト リブロックトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部に対して、 溶剤としてトルエン 25質量部、メチルェチルケトン 25質量部を混合して作製した榭脂 溶液に、近赤外線吸収剤エタスカラー IR- 10A (フタロシアニン系化合物)を 0. 1質 量部、エタスカラー 906B (フタロシアニン系化合物)を 0. 05質量部、エタスカラー 91 0B (フタロシアニン系化合物)(以上 3種類共に商品名、 日本触媒株式会社製)を 0. 1質量部、ネオン光吸収剤 (テトラァザポルフィリン系化合物)(山田化学株式会社製 、 TAP— 2)を 0. 0225質量部、調色用色素 (アントラキノン系化合物)(有本化学株 式会社製、 Plast red 8320)を 0. 0125質量部、各々添加し十分分散させて光学フ ィルタ用粘着剤組成物を調製した。
上記粘着剤組成物を、厚み 100 μ mの離型処理 PET (東洋紡績社製 Ε7002)上 に、乾燥膜厚 500 mとなるようにアプリケーターにて塗工し、 100°Cで 5分乾燥後、 上力も厚み 100 mの離型処理 PETをラミネートして、光学フィルタ機能を有する粘 着剤層を得た。
[0162] 実施例 1と同様に耐久性及びガラス密着性の評価を行うと共に、下記の方法で耐 衝撃性も評価した。
その結果、実施例 2の粘着剤層は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気 下、及び高温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間 放置した後のいずれも色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 02以下とな つた o
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、被着体面に糊残りが生じず、 10〜15NZ25mmを示した。
更に、下記の耐衝撃性試験の結果、破壊エネルギーは、 0. 6Jであった。 [0163] <耐衝撃性評価 >
耐衝撃性試験は、図 4に示す衝撃試験装置を用いて行った。高さ 7. 7cm力も順に 破壊エネルギーが 0. 1Jずつ大きくなるように高さを上げて行き、直径 50. 8mmの鋼 球 35 (質量 534g) (JIS B1501 玉軸受用鋼球に規定されたもの)を落下させた。こ の耐衝撃性試験後、厚み 2. 8mmのガラス板が割れたカゝどうかを目視で確認し、破 壊がなく異常がみられない、最大の破壊エネルギーを測定した。試験台 31として SU S鋼板を用いた。該試験台 31上に、上記試験サンプルを載置した。なお、鋼球を落 下させたときの破壊エネルギーは、例えば高さ 9. 6cmの場合、鋼球重さ (Kg) X高さ (m) X 9. 8 (m/s2) =0. 534 X 0. 096 X 9. 81として求められ、約 0. 5Jである。
[比較例 3]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部 を用いる代わりに、ジブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA1114) 50質量部を 用いた以外は、実施例 1と同様にして、乾燥膜厚 500 mの比較例 3の光学フィルタ 機能を有する粘着剤層を得た。
[0164] 比較例 3の粘着層を実施例 2と同様の評価方法で耐久性、ガラス密着性、及び耐 衝撃性について評価した。
その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも透過色が変 化し、色度 (x、 y)の値の差 Δ χ及び Ayはそれぞれ 0. 03を超えた。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前後の!/、ず れも、 30N/25mm以上を示し、被着対面に糊残りが発生した。
更に、耐衝撃性試験の結果、破壊エネルギーは、 0. 5Jであり、同じ厚みでも実施 例 2に比べ 0. 1J低かった。
[0165] [実施例 3]
(重量平均分子量 Mw≥ 5万、且つ分子量分布 MwZMn< l . 5) (表面保護層はハ ードコート)
(1)連続帯状の積層体の作成: 先ず、連続帯状の積層体 (透明基材フィルムに導電体メッシュ層を積層済みの積 層フィルム)を次のようにして作成した。
透明基材フィルム 11として、連続帯状で無着色透明な厚さ 100 mの 2軸延伸ポリ エチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名「HBPF8W」)を 用意した。また、この透明基材フィルムは、紫外線吸収剤を含有し紫外線吸収機能も 有するフィルムである。
[0166] この透明基材フィルムの片面にポリエステル榭脂系プライマー層を形成し、次いで 、スパッタ法で、順次、厚さ 0. 1 μ mのニッケル クロム合金層及び厚さ 0. 2 mの 銅層(導電体層の一部)を設けて、導電処理層とした。次に、該導電処理層面に、硫 酸銅浴を用いた電解メツキ法で厚さ 2. 0 mの銅の金属メツキ層を設けた。
[0167] 次いで、該導電体層(金属メツキ層)上に黒化層を形成した。具体的には、アノード にニッケル板を用い、硫酸ニッケルアンモ-ゥム水溶液と硫酸亜鉛水溶液とチオシァ ン酸ナトリウム水溶液との混合水溶液力もなる黒ィ匕処理メツキ浴に、該導電体層が透 明基材フィルム上に形成された積層フィルムを、浸漬して電解メツキを行って黒ィ匕処 理して、ニッケル一亜鉛合金力もなる黒ィ匕層を、露出している金属メツキ層の全面に 被覆形成して、透明基材フィルムの片面に導電体層(導電処理層、金属メツキ層、及 び黒ィ匕層)が積層された、連続帯状の積層体を得た。
[0168] 次いで、上記連続帯状の積層体に対して、その導電体層をフォトリソグラフィ一法を 利用したエッチングにより、適用するディスプレイ一単位毎に、開口部及びライン部と 力 成るメッシュ領域、及びメッシュ領域の 4周を囲繞する外縁部に額縁状の接地用 領域を形成した。
なお、上記エッチングは、カラー TVシャドウマスク用の製造ラインを利用し、上記連 続帯状の積層体に対して、マスキング力もエッチングまでを一貫して行った。すなわ ち、上記積層体の導電体層面の全面に、感光性エッチングレジストを塗布後、所望 のメッシュパターンのネガパターンを有するマスクを用いて密着露光し、現像、硬膜 処理、ベーキングして、メッシュのライン部に相当する部分にはレジスト層が残留し、 開口部に相当する部分にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層をカ卩ェ後、塩 化第二鉄水溶液によって、導電体層(導電処理層と金属メツキ層)及び黒化層を、ェ ツチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、 乾燥を順次行った。
[0169] また、上記パターンは、メッシュ領域のメッシュの形状は、その開口部が正方形で、 非開口部となるライン部のライン幅は 10 m、そのライン間隔 (ピッチ)は 300 m、ラ イン部の高さは 2. で、長方形の枚葉シートに切断した場合に、該長方形の長 辺に対する劣角として定義されるバイアス角度は 49度である。また、連続帯状の複合 フィルタを、適用するディスプレイ一単位 (一台)毎に四角形の枚葉シートに切断した 時に、そのメッシュ領域は、複合フィルタを PDPの前面に貼り合わせた際に、該 PDP の画像表示領域に対畤する部分が存在し、又該メッシュ状領域の周縁部の四辺外 周には、接地用領域として開口部が存在し無い幅 15mmの額縁部を残す様なパタ ーンに設計した。
[0170] このようにして、連続帯状の積層体 (透明基材フィルムに導電体メッシュ層を積層済 みの積層フィルム)を得た。
[0171] (2)表面保護層の形成:
表面保護層を、上記連続帯状の積層体の表側とする面 (積層体の透明基材フィル ム側の面)に対してその全面に形成した。具体的には、先ず、電離放射線硬化型榭 脂として紫外線硬化型榭脂であるジペンタエリスリトールへキサアタリレートを 100質 量部(日本ィ匕薬 (株))と、光硬化開始剤として商品名ィルガキュア 184を 4. 0質量部 (チバガイギ (株)製)と、溶剤としてメチルイソプチルケトンを 52質量部とを、十分混 合して、表面保護層形成用の塗布液を調整した。次に、上記連続帯状の積層体の 透明基材フィルム面上に、該塗布液を、膜厚 7 mとなるようにダイコーターを用いて 間欠的に塗工した後、 50°Cのオーブンで加熱乾燥させ、 N2雰囲気下で UV照射装 置(フィ一ジョン UVシステムジャパン (株)製)の Hバルブを光源に用いて硬化し (積 算光量 200mi)て、ハードコート層となる単層の表面保護層を形成した。
[0172] (3)粘着剤層の形成:
次に、上記表面保護層形成済みで連続帯状の積層体の裏面 (導電体メッシュ層側 の面)に対して、各種色素を添加した粘着剤層を形成した。粘着剤層を形成する為 の粘着剤としては、アクリル系粘着剤 (株式会社クラレ製、商品名 LA2140e、重量平 均分子量 Mw= 80, 000、分子量分布 MwZMn= l . 17、硝子転移温度 Tg= 110 °Cのポリメタクリル酸メチルカもなる重合体ブロック B1と、硝子転移温度 Tg= -45°C のポリアクリル酸 nブチルからなる重合体ブロック A1とから B1— A1— B1の形で結合 したトリブロック共重合体を含んで成る)を溶媒 {メチルェチルケトン Zトルエン (溶媒 配合比 =質量基準で 1: 1) }中に、固形分 20% (質量基準)となるよう溶解したアタリ ル系粘着剤溶液 20質量部に対して、フタロシアニン系 NIR吸収色素である、商品名 エタスカラー IR- 10Aを 0. 04質量部、エタスカラー 906Bを 0. 02質量部、ェクスカラ 一 910B (以上 3種類共に日本触媒株式会社製)を 0. 04質量部、テトラァザポルフィ リン系 Ne光吸収色素(商品名 TAP— 2 山田化学工業株式会社製)を 0. 009質量 部、色補正用色素(商品名 Hast red 8320 有本ィ匕学工業株式会社製) 0. 005 質量部を、各々添加し十分分散させて光学フィルタ用粘着剤組成物を作製した。 そして、積層体の裏面となる導電体メッシュ層側の面に対して、ダイコーターにより、 厚み 25 μ mになるように塗布し、風速 5m/secのドライエアーが当たるオーブンにて 100°Cで 1分間乾燥して粘着剤層を形成して、連続帯状の状態で複合フィルタを得 た。尚、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り合わせて保護し た。
また、粘着剤層の形成は、間欠塗工法によって、導電体メッシュ層の接地用領域は 被覆せずメッシュ領域は被覆するように部分的に形成した。
[0173] 得られた複合フィルタを気温 80°C、相対湿度 10%以下の雰囲気下および気温 60 。C、相対湿度 95%RHの雰囲気下に各々 1000時間放置したのち、色度 (x、 y)の値 を測定したところ、初期値との差(Δ χ、 A y)は気温 80°C、相対湿度 10%以下の雰 囲気下、および気温 60°C、相対湿度 95%RHの雰囲気下の両条件において Δ χ< 0. 02、 A y< 0. 02に収まった。
[0174] [実施例 4]
(重量平均分子量 Mw≥ 5万、且つ分子量分布 MwZMn< l . 5) (表面保護層は防 眩機能)
実施例 3において、(2)表面保護層の形成のみを次の様に行った他は実施例 3と 同様にして、連続帯状の状態で複合フィルタを得た。 [0175] (2)表面保護層の形成:
表面保護層を、上記連続帯状の積層体の表面 (積層体の透明基材フィルム側の面 )に対してその全面に形成した。具体的には、先ず、電離放射線硬化型榭脂として紫 外線硬化型榭脂であるペンタエリスリトールトリアタリレートを 70質量部(日本ィ匕薬 (株 )製、屈折率 1. 49)、同じく紫外線硬化型榭脂であるイソシァヌル酸 EO変性ジアタリ レートを 30質量部 (東亜合成 (株)製、屈折率 1. 51)、アクリル系ポリマー(三菱レイョ ン (株)製、分子量 75, 000)を 10. 0質量部、光硬化開始剤である商品名ィルガキュ ァ 184を 5. 0質量部(チバガイギ (株)製)、透光性微粒子としてスチレンビーズを 15 . 0質量部 (綜研ィ匕学 (株)製、粒径 3. 5 111、屈折率 1. 60)、レべリング剤として商 品名「10— 28」を 0. 01質量部(ザ'インクテック (株)製)、トルエンを 127. 5質量部、 及び、シクロへキサノン 54. 6質量部、を十分混合して塗布液とした。この塗布液を孔 径 30 mのポリプロピレン製フィルターでろ過して、表面保護層形成用の塗布液を 調製した。次に、上記連続帯状の積層体の透明基材フィルム面上に、該塗布液を、 膜厚 7 mとなるようにダイコーターを用いて間欠的に塗工した後、 50°Cのオーブン で加熱乾燥させ、 N2雰囲気下で UV照射装置(フィ一ジョン UVシステムジャパン (株 )製)の Hバルブを光源に用いて硬化し (積算光量 200mj)て、ハードコート層となる 単層の表面保護層を形成した。
[0176] 得られた複合フィルタを気温 80°C、相対湿度 10%以下の雰囲気下および気温 60 。C、相対湿度 95%RHの雰囲気下に各々 1000時間放置したのち、色度 (x、 y)の値 を測定したところ、初期値との差(Δ χ、 A y)は気温 80°C、相対湿度 10%以下の雰 囲気下、および気温 60°C、相対湿度 95%RHの雰囲気下の両条件において Δ χ< 0. 02、 A y< 0. 02に収まった。
[0177] [比較例 4] (フィルタフィルムの追加的積層が必要な形態)
(1)粘着フィルタフィルムの作成:
透明基材フィルム 11として、連続帯状で無着色透明な厚さ 100 mの 2軸延伸ポリ エチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、商品名「HBPF8W」)を 用意した。また、この透明基材フィルムは、紫外線吸収剤を含有し紫外線吸収機能も 有するフィルムである。 そして、この透明基材フィルムの片面 (表側とする面)に、高屈折率層と低屈折率層 とを各 1層ずつ順次形成して、これら層からなる反射防止層を形成した。該高屈折率 層は、ジルコユア超微粒子を紫外線硬化型榭脂中に分散させた組成物 CFSR (株)製 、商品名「KZ7973」)を用いた、厚さ で屈折率 1. 69の硬化物層から成る。一 方、該低屈折率榭脂層は、フッ素榭脂系の紫外線硬化型榭脂 CFSR (株)製、商品名 「TM086」)を用いた、厚さ lOOnmで屈折率 1. 41の硬化物層力も成る。
[0178] 次に、上記反射防止層を形成済みの透明基材フィルムの他方の面 (裏側とする面) に、厚さ 5 mの NIR吸収兼 Ne光吸収層を積層したフィルタフィルムを作成した。な お、近赤外線吸収剤としては、ジィモ -ゥム系色素、及びフタロシアニン系色素を、ネ オン光吸収剤としてはシァニン系色素を用い、これら色素とアクリル榭脂系バインダ 一(BR— 52 三菱レーヨン製;本発明に用いられる特定のブロック共重合体とは異な る)とを混合して得た塗工液を、グラビアロールで透明基材フィルムに塗工して、 NIR 吸収兼 Ne光吸収層を形成した。
更に、 NIR吸収兼 Ne光吸収層上に色補正機能を付加した色補正粘着剤層を積層 して連続帯状の粘着フィルタフィルムを作成した。
なお、該粘着剤層は色補正色素を添加したアクリル榭脂系粘着剤を用いた塗工液 を、グラビアロールで塗工して厚さ 25 μ mに形成した。
[0179] (2)連続帯状の積層体の作成:
実施例 3における(1)の連続帯状の積層体の作成と同様にして作成した、連続帯 状の積層体 (透明基材フィルムに導電体メッシュ層を積層済みの積層フィルム)を用 いたので、詳細は省略する。
[0180] (3)粘着フィルタフィルムと連続帯状の積層体との積層:
上記粘着フィルタフィルムをその粘着剤層面で、上記連続帯状の積層体の導電体 メッシュ層側の面に、ラミネータを用いて貼り合せて、積層フィルムを作成した。
[0181] (4)粘着剤層の形成:
実施例 3における(3)粘着剤層の形成において各色素の添加を全て省略し、なお 且つ形成面を透明基材フィルムの面とした他は、実施例 3と同様にして、上記積層フ イルムの透明基材フィルム側の面に対して、通常の粘着剤層を形成して、比較例とし ての複合フィルタを作製した。
[0182] 得られた複合フィルタは、 7層構成、総厚 260 μ mであるのに対し、実施例 3および 4で作製した複合フィルタは 4層構成、総厚 134 /z mとなり、層構成数および総厚削 減に効果があることを確認した。
[0183] [比較例 5] (重量平均分子量 Mw< 50000、且つ分子量分布 MwZMn≥ 1. 5) 実施例 3において、(3)粘着剤層の形成を次の様に行った他は、実施例 3と同様に して、連続帯状の状態で複合フィルタを得た。
[0184] (3)粘着剤層の形成:
次に、粘着剤層を間欠塗工法によって、上記連続帯状の積層体の裏面 (導電体メ ッシュ層)上に対して、その接地用領域は被覆せずメッシュ領域は被覆するように部 分的に形成した。粘着剤層を形成する為の粘着剤としては、アクリル系粘着剤 (実施 例 3と同様の B1— A1— B1の結合構造のトリブロック共重合体であって、重量平均分 子量 Mw=47, 000、分子量分布 MwZMn= l. 65になる様に重合したものを含ん で成る)を溶媒 {メチルェチルケトン Zトルエン (溶媒配合比 =質量基準で 1: 1) }中に 、固形分 20% (質量基準)となるよう溶解したアクリル系粘着系溶液 20質量部に対し て、フタロシアニン系 NIR吸収色素である、商品名エタスカラー IR- 10Aを 0. 04質量 部、エタスカラー 906Bを 0. 02質量部、エタスカラー 910B (以上 3種類共に日本触 媒株式会社製)を 0. 04質量部、テトラァザポルフィリン系 Ne光吸収色素(商品名 TA P- 2 山田化学工業株式会社製)を 0. 009質量部、調色用色素 (商品名 Plast re d 8320 有本ィ匕学工業株式会社製) 0. 005質量部を、各々添加し十分分散させ て塗布用溶液を作製した。
そして、積層体の裏面となる透明基材フィルム側の面に対して、ダイコーターにより 、塗布量 20gZm2になるように間欠的に塗布し、風速 5mZsecのドライエアーが当 たるオーブンにて 100°Cで 1分間乾燥して粘着剤層を形成して、連続帯状の状態で 複合フィルタを得た。尚、粘着剤層の面には、更に再剥離可能な離型フィルムを貼り 合わせて保護した。
[0185] 得られた複合フィルタを気温 60°C、相対湿度 95%RHの雰囲気下に 500時間放置 した結果、フィルタの透過色が変化した(Δ χ>0. 03、 Δγ>0. 03)。 [0186] [実施例 5]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、アクリル系粘着剤(実施例 1と同様の B1— A1— B1の結合構造のト リブロック共重合体であって、重量平均分子量 Mw= 60, 000、分子量分布 MwZ Mn= l. 40になる様に重合したものを含んで成る) 50質量部を用いた以外は、実施 例 1と同様にして、実施例 5の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0187] 実施例 5の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、実施例 5の粘着剤層は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気 下、及び高温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間 放置した後のいずれも色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03以下とな つた o
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、被着体面に糊残りが生じず、 10〜15NZ25mmを示した。
[0188] [実施例 6]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、アクリル系粘着剤(実施例 1と同様の B1— A1— B1の結合構造のト リブロック共重合体であって、重量平均分子量 Mw= 110, 000、分子量分布 MwZ Mn= l. 40になる様に重合したものを含んで成る) 50質量部を用いた以外は、実施 例 1と同様にして、実施例 6の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0189] 実施例 6の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、実施例 6の粘着剤層は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気 下、及び高温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間 放置した後のいずれも色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03以下なつ た。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、被着体面に糊残りが生じず、 10〜15NZ25mmを示した。
[0190] [比較例 6]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、アクリル系粘着剤(実施例 1と同様の B1— A1— B1の結合構造のト リブロック共重合体であって、重量平均分子量 Mw= 60, 000、分子量分布 MwZ Mn= l. 65になる様に重合したものを含んで成る) 50質量部を用いた以外は、実施 例 1と同様にして、比較例 6の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0191] 比較例 6の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (例え ば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも透 過色が変化し、色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03を超えた。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、 30NZ25mm以上を示し、被着体面に糊残りが発生した。
[0192] [比較例 7]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、アクリル系粘着剤(実施例 1と同様の B1— A1— B1の結合構造のト リブロック共重合体であって、重量平均分子量 Mw=47, 000、分子量分布 MwZ Mn= l. 17になる様に重合したものを含んで成る) 50質量部を用いた以外は、実施 例 1と同様にして、比較例 7の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0193] 比較例 7の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (例え ば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも透 過色が変化し、色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03を超えた。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、 30NZ25mm以上を示し、被着体面に糊残りが発生した。
[0194] [比較例 8]
実施例 1におけるトリブロック共重合体 (株式会社クラレ製、 LA2140e) 50質量部を 用いる代わりに、アクリル系粘着剤(実施例 1と同様の B1— A1— B1の結合構造のト リブロック共重合体であって、重量平均分子量 Mw= 110, 000、分子量分布 MwZ Mn= l. 65になる様に重合したものを含んで成る) 50質量部を用いた以外は、実施 例 1と同様にして、比較例 8の光学フィルタ機能を有する粘着剤層を得た。
[0195] 比較例 8の粘着層を実施例 1と同様の評価方法で耐久性とガラス密着性について 評価した。
その結果、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高温高湿 (例え ば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した後のいずれも透 過色が変化し、色度 (x、 y)の値の差 Δχ及び Ayはそれぞれ 0. 03を超えた。
また、ガラス密着性は、高温 (気温 80°C、相対湿度 10%以下)雰囲気下、及び高 温高湿(例えば、気温 60°C、相対湿度 90%RH)雰囲気下に 1000時間放置した前 後のいずれも、 30NZ25mm以上を示し、被着体面に糊残りが発生した。

Claims

請求の範囲
[1] アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸 エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B 1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成 る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブ ロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B1)の 1個が互いに結合したトリブロッ ク構造を、分子中に少なくとも有する多元ブロック共重合体と、ジィモ二ゥム系化合物 を含む近赤外線吸収剤とを含有する光学フィルタ用粘着剤組成物であって、 前記多元ブロック共重合体中の低分子量成分が、当該粘着剤組成物からなる膜を 気温 60°C、相対湿度 95%の雰囲気環境下で 1000時間静置した前後の膜の色度 差 Δ χ及び Ayがいずれも 0. 03以下になる量であることを特徴とする、光学フィルタ 用粘着剤組成物。
[2] アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸 エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B 1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成 る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブ ロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B1)の 1個が互いに結合したトリブロッ ク構造を、分子中に少なくとも有し、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量 分布 (MwZMn)が 1. 5未満である多元ブロック共重合体と、所定波長域の光吸収 を有する光吸収剤の 1種以上とを含有することを特徴とする、光学フィルタ用粘着剤 組成物。
[3] 少なくとも 800〜: L lOOnmに吸収極大を有する光吸収剤を含有する、請求の範囲 第 2項に記載の光学フィルタ用粘着剤組成物。
[4] 前記少なくとも 800〜: L lOOnmに吸収極大を有する光吸収剤力 フタロシアニン系 化合物及び Z又はジィモ二ゥム系化合物である、請求の範囲第 3項に記載の光学フ ィルタ用粘着剤組成物。
[5] 少なくとも 570〜610nmに吸収極大を有する光吸収剤を含有する、請求の範囲第
1項〜第 4項のいずれかに記載の光学フィルタ用粘着剤組成物。
[6] 表示装置の前面に配置される粘着剤層であって、アクリル酸エステル単位を含んで 成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体 ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 2個が互いに結合したトリプロ ック構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メ タ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合 体ブロック (B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有す る多元ブロック共重合体と、ジィモ -ゥム系化合物を含む近赤外線吸収剤とを含有 する粘着剤層であって、
前記多元ブロック共重合体中の低分子量成分が、当該粘着剤層を気温 60°C、相 対湿度 95%の雰囲気環境下で 1000時間静置した前後の膜の色度差 Δ X及び Δ y がいずれも 0. 03以下になる量であることを特徴とする、光学フィルタ機能を有する粘 着剤層。
[7] 表示装置の前面に配置される粘着剤層であって、アクリル酸エステル単位を含んで 成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体 ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の 2個が互いに結合したトリプロ ック構造、又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メ タ)アクリル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合 体ブロック (B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有し 、質量平均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満であ る多元ブロック共重合体と、所定波長域の光吸収を有する光吸収剤の 1種以上とを 含有することを特徴とする、光学フィルタ機能を有する粘着剤層。
[8] 少なくとも 800〜: L lOOnmに吸収極大を有する光吸収剤を含有する、請求の範囲 第 7項に記載の光学フィルタ機能を有する粘着剤層。
[9] 前記少なくとも 800〜: L lOOnmに吸収極大を有する光吸収剤力 フタロシアニン系 化合物及び Z又はジィモ二ゥム系化合物である、請求の範囲第 8項に記載の光学フ ィルタ機能を有する粘着剤層。
[10] 少なくとも 570〜610nmに吸収極大を有する光吸収剤を含有する、請求の範囲第 6項〜第 9項のいずれかに記載の光学フィルタ機能を有する粘着剤層。
[11] 厚みが 50〜5, 000 μ mで、質量 534gの鋼球を落球させる落球衝撃試験による破 壊エネルギーが 0. 5J以上という耐衝撃性を有する、請求の範囲第 6項〜第 10項の いずれかに記載の光学フィルタ機能を有する粘着剤層。
[12] 表示装置の前面に配置されたガラス板に直接貼付されるための光学フィルタ機能 を有する複合フィルタであって、請求の範囲第 6項〜第 11項のいずれかに記載の粘 着剤層に、電磁波遮蔽機能、反射防止機能、防眩機能、紫外線吸収機能、表面保 護機能のいずれか一種以上の機能を有する一層以上の機能層が積層されてなるこ とを特徴とする、複合フィルタ。
[13] 800〜: L lOOnmの波長範囲の透過率が 30%以下であることを特徴とする、請求の 範囲第 12項に記載の複合フィルタ。
[14] 560〜630nmの波長範囲における最大吸収波長の透過率が 50%以下であること を特徴とする、請求の範囲第 12項又は第 13項に記載の複合フィルタ。
[15] 可視光 380〜780nmの波長範囲の透過率が 20%以上であることを特徴とする、 請求の範囲第 12項〜第 14項のいずれかに記載の複合フィルタ。
[16] 透明基材フィルムの一方の面に、金属を用いた導電体メッシュ層、及び粘着剤層が この順に形成され、該透明基材フィルムの他方の面に表面保護層が形成された複合 フィルタであって、
前記粘着剤層中には近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、及び色補正光吸収剤の 3系統の光吸収剤が添加され、
電磁波遮蔽機能、近赤外線吸収機能、ネオン光吸収機能、色補正機能、及び、表 面保護機能の各機能を少なくとも有し、
なお且つ前記粘着剤層は、粘着剤の榭脂として、
アクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 1個と (メタ)アクリル酸 エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロック (B 1)の 2個が互いに結合したトリブロック構造、
又はアクリル酸エステル単位を含んで成る重合体ブロック (A1)の 2個と (メタ)アタリ ル酸エステル単位を含んで成り重合体ブロック (A1)とは構造の異なる重合体ブロッ ク(B1)の 1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有し、質量平 均分子量が 50, 000以上で且つ分子量分布(MwZMn)が 1. 5未満である多元ブ ロック共重合体を含有する、複合フィルタ。
前記表面保護層が反射防止機能又は防眩機能を有する請求の範囲第 16項に記 載の複合フィルタ。
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