WO2007138757A1 - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

　この発明は、浄化機能を有する気体が外部に漏れることを防止する洗濯機である。この洗濯機では、洗い工程に先立って、乾燥した洗濯物にオゾンを供給することによって洗濯物の浄化を行なうオゾン洗浄工程を行う。このオゾン洗浄工程の開始前に、除湿水バルブ１４を開くことによって、いったん外槽７の下部に除湿水を溜めた後、その水を利用して溢水トラップ４５に水を溜め、外槽７と外部との流路を水封する。また、洗剤用バルブ５５または仕上剤用バルブ５６を開くことによって、給水トラップ２４に水を溜め、外槽７と外部との流路を水封する。

Description

明 細 書

洗濯機

技術分野

[0001] この発明は、洗濯機、詳しくは、気体発生機能を有する洗濯機に関する。

背景技術

[0002] 従来から、洗濯槽内に収容された洗濯物に、オゾンを供給することによって、洗濯 物を浄ィ匕することができる洗濯機が知られている。このような洗濯機として、たとえば、 洗濯槽と、上記洗濯槽内にオゾンを供給するオゾン供給装置とを備えた洗濯機が提 案されている (たとえば、特許文献 1参照)。

特許文献 1：特開 2002— 320792号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] 特許文献 1に記載されて 、る洗濯機では、洗 、工程終了後の排水工程にぉ 、て、 除菌成分であるオゾンを洗濯槽内に供給することによって、洗濯物を浄化している。 ところで、オゾンは、独特の臭いを有すると共に、人体が吸引することは好ましくな いため、オゾンを洗濯機の外部に漏れないようにすることが望まれるが、特許文献 1 に記載されている洗濯機のように、排水工程、つまり、排水弁が開いている間にォゾ ンを供給する方法では、供給されたオゾンが排水管を通って外部に漏れるおそれが ある。

[0004] また、一般的な洗濯機には、たとえば、洗濯槽カも所定水位以上の水を外部に排 水するための溢水管や、洗濯槽内へ給水する給水管の途中に設けられる洗剤収容 部などが備えられており、オゾン供給装置を取り付けた場合、これらの部分からもォゾ ンが外部に漏れな 、ようにする必要がある。

この発明は、力かる背景のもとでなされたもので、洗濯物にオゾンその他の除菌成 分や滅菌成分を含む浄化機能を有する気体を供給する場合に、その気体が外部に 漏れることを防止することができる洗濯機を提供することを主たる目的とする。

課題を解決するための手段 [0005] 請求項 1記載の発明は、洗濯物を収容し、水を溜めることができ、洗濯、脱水などの 処理を行なうための処理槽と、前記処理槽に給水するための給水手段と、前記処理 槽に溜められた水を外部に排水するための排水路と、前記排水路に合流し、前記処 理槽に溜められた水が所定量以上になった場合に、その所定量以上の水を排水す るための溢水路と、前記排水路または前記溢水路の少なくとも一方の一部として設け られ、水を滞留させるための排水トラップと、洗濯物を浄化するための気体を発生し、 その気体を前記処理槽に供給するための気体供給手段と、前記気体を前記処理槽 に供給する前に、前記給水手段を制御することによって、前記排水トラップに水を溜 めるための給水制御手段とを備えることを特徴とする、洗濯機である。

[0006] 請求項 2記載の発明は、前記排水路の、前記溢水路の合流位置より上流側に設け られ、前記排水路の流路を開閉するための排水バルブを備え、前記給水制御手段 は、前記排水バルブを閉じ、前記給水手段を制御することによって、前記処理槽に 所定量の水を溜めた後、前記排水バルブを開くことにより、前記排水トラップに水を 溜めることを特徴とする、請求項 1記載の洗濯機である。

[0007] 請求項 3記載の発明は、前記処理槽内の水位を検知するための水位センサを備え 、前記給水制御手段は、前記水位センサが予め定める設定水位を検知した場合に、 前記排水バルブを開くことにより、前記排水トラップに水を溜めることを特徴とする、請 求項 2記載の洗濯機である。

請求項 4記載の発明は、前記給水制御手段は、前記水位センサが前記設定水位 を検知しない場合に、給水エラー処理を実行することを特徴とする、請求項 3記載の 洗濯機である。

[0008] 請求項 5記載の発明は、前記給水制御手段は、前記処理槽への給水開始から予 め定める第 1時間給水後に前記水位センサにより検知される第 1設定水位と、前記第 1時間経過後、さらに予め定める第 2時間給水後に検知される第 2設定水位との水位 差が、所定の閾値以上である場合に、前記排水バルブを開くことにより、前記排水ト ラップに水を溜めることを特徴とする、請求項 3または 4に記載の洗濯機である。

[0009] 請求項 6記載の発明は、前記給水手段は、水を前記処理槽へと導くための給水路 を有し、前記給水路の途中に設けられ、給水される水に溶解させる洗剤や仕上剤を 収容するための洗剤収容部と、前記給水路における前記洗剤収容部の下流側に設 けられ、給水される水を滞留させるための給水トラップとを備え、前記給水制御手段 は、前記気体を前記処理槽に供給する前に、前記給水トラップにも水を溜めることを 特徴とする、請求項 1な！、し 5の 、ずれかに記載の洗濯機である。

[0010] 請求項 7記載の発明は、前記給水路は、前記洗剤収容部を経由させずに前記処 理槽に給水するバイパス給水路を有し、前記給水制御手段は、前記バイパス給水路 を経て前記給水トラップに水を溜めることを特徴とする、請求項 6記載の洗濯機であ る。

請求項 8記載の発明は、洗濯物を収容し、水を溜めることができ、洗濯、脱水などの 処理を行なうための処理槽と、前記処理槽に溜められた水を外部に排水するための 排水路と、前記排水路に合流し、前記処理槽に溜められた水が所定量以上になった 場合に、その所定量以上の水を排水するための溢水路と、前記排水路または前記溢 水路の少なくとも一方の一部として設けられ、水を滞留させるための排水トラップと、 洗濯物を浄化するための気体を発生し、その気体を前記処理槽に供給するための 気体供給手段と、一端が前記処理槽の下部に接続され、他端が前記処理槽の別の 部位に接続されていて、前記処理槽内の空気を一端から流出させ、循環させて、他 端から処理槽内へ流入させるための循環風路と、前記循環風路に接続され、前記循 環風路を通る空気中の湿気を取り除くための除湿水を前記循環風路内に供給する 除湿水供給手段と、前記気体を前記処理槽に供給する前に、前記除湿水供給手段 を制御することによって、前記循環風路から前記処理槽下部を経て前記排水トラップ に水を溜めるための給水制御手段とを備えることを特徴とする、洗濯機である。

[0011] 請求項 9記載の発明は、前記排水路の、前記溢水路の合流位置より上流側に設け られ、前記排水路の流路を開閉するための排水バルブを備え、前記給水制御手段 は、前記排水バルブを閉じ、前記除湿水供給手段を制御することによって、前記処 理槽に所定量の水を溜めた後、前記排水バルブを開くことにより、前記排水トラップ に水を溜めることを特徴とする、請求項 8記載の洗濯機である。

発明の効果

[0012] 請求項 1記載の発明によれば、洗濯物を浄化する気体が処理槽に供給される前に 、排水路または溢水路の少なくとも一方の一部として設けられた排水トラップに水が 溜められることによって、処理槽→溢水路→排水路→外部と連通する経路の一部が 、排水トラップに溜められた水によって水封される。その結果、その後、洗濯物を浄化 するための気体を処理槽に供給しても、その気体が処理槽→溢水路→排水路→外 部と連通する経路を通って洗濯機の外部に漏れることを防止することができる。たと えば、オゾンなどのように、独特の臭いを有する気体を供給しても、外部にそのような 臭!、が漂うことを防止することができる。

[0013] 請求項 2記載の発明によれば、排水トラップに溜められる水は、排水路の、溢水路 の合流位置より上流側に設けられた排水バルブを閉じることにより、いったん処理槽 に所定量まで溜められた後、排水バルブを開くことによって流出して、排水トラップに 溜められる。そのため、たとえば、排水トラップを、溢水路の、排水路との合流位置よ り上流側に設けた場合においても、上記のように所定量の水を一気に排水路に流出 させることによって、その流出した水を上記合流位置力 溢水路側、つまり、排水トラ ップ側にも流出させることができる。その結果、確実に排水トラップに水を溜めること ができる。また、このような構成では、複雑な形状である排水トラップを排水路側に設 ける必要がないため、効率よく排水処理を行なうこともできる。

[0014] 請求項 3記載の発明によれば、水位センサが、処理槽内の水位が所定水位に達し ていることを検知した場合に、排水バルブを開くことによって、排水トラップに水が溜 められる。そのため、排水トラップに溜めるための水量に相当する水位を予め水位セ ンサに設定することによって、確実に排水トラップに水を溜めることができる。

請求項 4記載の発明によれば、水位センサが、処理槽内の水位が所定水位に達し ていることを検知しない場合、つまり、排水トラップに溜めるために必要な量の水が処 理槽に溜められていない場合には、排水バルブを開けずに、給水エラー処理が行な われる。そのため、たとえば、給水手段や除湿水供給手段の故障などが原因で、処 理槽内に水が溜められず、排水トラップに水を溜めることができない場合において、 誤って浄化機能を有する気体が処理槽内に供給されて、外部に漏れることを防止す ることがでさる。

[0015] 請求項 5記載の発明によれば、処理槽への給水開始から第 1時間経過後の第 1設 定水位 (X)と、第 2時間経過後の第 2設定水位 (Y)との水位差が、所定の閾値 (Z)以 上である場合、つまり、 Y—X≥Zである場合に、排水バルブを開くことによって、排水 トラップに水が溜められる。排水トラップに溜めるために必要な水量は、少量でよぐ そのような水量を水位センサで正確に測るためには、高精度の水位センサが必要と なる。つまり、ごく少量の水位でも精密に測定することができる水位センサが必要とな る。しかし、排水トラップに水を溜める場合、上記少量の水量以上であれば、特に制 限されないため（排水トラップの許容量以上の水は排水路力 外部に排水されるため )、処理槽に溜められている水量が所定の量以上であることが判別できれば十分であ る。そこで、上記構成のように、 2点間の水位差が所定の閾値 (たとえば、排水トラップ に溜めるために必要な水量程度。）以上である力否かを判別することによって、リセッ ト水位 (水位センサが精密に測定することができる最低水位)以下においても、高精 度の水位センサを用いるまでもなぐ少量の水が処理槽に溜められている力否かを 判別することができ、確実に排水トラップに水を溜めることができる。また、高精度の 水位センサを必要としな!/、ので、コストアップを招かな!/、。

[0016] 請求項 6記載の発明によれば、給水路における洗剤収容部の下流側に給水トラッ プが設けられ、洗濯物を浄化する気体が処理槽に供給される前に、給水トラップにも 水が溜められることによって、処理槽→給水路→洗剤収容部→外部と連通する経路 の一部が、給水トラップに溜められた水によって水封される。その結果、その後、洗濯 物を浄化するための気体を処理槽に供給しても、その気体が処理槽→給水路→洗 剤収容部→外部と連通する経路を通って洗濯機の外部に漏れることを防止すること ができる。たとえば、オゾンなどのように、独特の臭いを有するものを供給しても、外部 にそのような臭いが漂うことを防止することができる。

[0017] 請求項 7記載の発明によれば、洗剤収容部を経由させずに処理槽に給水すること ができるバイパス給水路を経て、給水トラップに水が溜められる。そのため、たとえば 、ユーザが、浄化機能を有する気体による浄化運転の後、通常の洗濯運転を行なう ために、洗剤収容部に洗剤や仕上剤を投入している場合であっても、給水トラップに 供給される水は洗剤収容部を経由せずに給水されるため、洗剤や仕上剤を含んだ 洗浄水が給水トラップに溜められ、洗剤成分や仕上剤成分が給水トラップに滞留して しまうことを防止することができる。

[0018] 請求項 8記載の発明によれば、除湿水供給手段から循環風路内に除湿水が供給 され、その除湿水が、循環風路力 処理槽下部を経て排水トラップに溜められる。そ のため、処理槽上部から給水することなぐ排水トラップに水を溜めることができる。そ の結果、たとえば、洗濯に先立って、水を使用せずに、浄化機能を有する気体によつ て洗濯物を浄化する運転を行なう場合において、予め処理槽内に洗濯物を収容して も、洗濯物を濡らさずに排水トラップに水を溜めることができる。

[0019] 請求項 9記載の発明によれば、請求項 2記載の発明と同様に、排水トラップに溜め られる水は、排水路の、溢水路の合流位置より上流側に設けられた排水バルブを閉 じることにより、いったん処理槽に所定量まで溜められた後、排水バルブを開くことに よって流出して、排水トラップに溜められる。そのため、たとえば、排水トラップを、溢 水路の、排水路との合流位置より上流側に設けた場合においても、上記のように所 定量の水を一気に排水路に流出させることによって、その流出した水を上記合流位 置から溢水路側、つまり、排水トラップ側にも流出させることができる。その結果、確実 に排水トラップに水を溜めることができる。また、このような構成では、複雑な形状であ る排水トラップを排水路側に設ける必要がないため、効率よく排水処理を行なうことも できる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]この発明の一実施形態に係るドラム式洗濯機 1の斜視図である。

[図 2]ドラム式洗濯機 1における要部を抜き出して後側上方かつ右側力 見た斜視図 である。

[図 3]図 2に示したドラム式洗濯機 1における要部の平面図である。

[図 4]ドラム式洗濯機 1の縦断面図であって、左右方向に沿った鉛直面で切断したと きの断面を前方から見た図である。

[図 5A]ドラム式洗濯機 1の縦断面図であって、前後方向に沿った鉛直面で切断した ときの断面を右側から見た図において、外蓋 2Aが開口 4を閉じた態様を示している。

[図 5B]図 5Aにおいて、外蓋 2Aが開口 4を開いた態様を示している。

[図 6]洗剤容器収容室 81に洗剤容器 80を装着した状態での右側面断面図である。 [図 7]注水ユニット 82を構成する部材の外観斜視図である。

[図 8]図 6における A— Aに沿った面で切断した断面図である。

圆 9]外槽 7、乾燥ユニット 3および周辺部品を後側上方かつ右側力も見た斜視図で ある。

[図 10]図 9に示した外槽 7、乾燥ユニット 3および周辺部品の右側面図である。 圆 11]このドラム式洗濯機 1の電気的構成を示すブロック図であって、この発明に関 連する部分を示した図である。

[図 12]このドラム式洗濯機 1による所定の洗濯運転を開始させた場合の制御部 40に よる制御の流れを示すフローチャートである。

[図 13A]トラップ給水工程における給水制御の前半部を示すフローチャートである。

[図 13B]トラップ給水工程における給水制御の後半部を示すフローチャートである。

[図 13C]トラップ給水工程における、給水トラップ 24への給水制御を示すフローチヤ ートである。

符号の説明

1 ドラム式洗濯機

3 乾燥ユニット

7 外槽

8 洗剤収容部

10 ドラム

14 除湿水バルブ

17 給水ホース

18 水バノレブ

20 水ホース

24 給水トラップ

31 風路部材

33 誘導フード

36 除湿水供給口 40 制御部

42 オゾン発生装置

43 導入管

45 溢水トラップ

47 水位センサ

55 洗剤用バルブ

56 仕上剤用バルブ

80 洗剤容器

81 洗剤容器収容室

522 仕上剤用水道水通水路

535A 下側吐水口

発明を実施するための最良の形態

以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。 くドラム式洗濯機の構成 >

図 1は、この発明の一実施形態に係る洗濯機としての、いわゆるトップオープンタイ プのドラム式洗濯機 1の斜視図である。なお、ドラム式洗濯機 1の姿勢については、 図 1の紙面右上に示した方向矢印に沿うものとする。図 2は、ドラム式洗濯機 1におけ る要部を抜き出して後側上方かつ右側力 見た斜視図である。図 3は、図 2に示した ドラム式洗濯機 1における要部の平面図である。図 4は、ドラム式洗濯機 1の縦断面 図であって、左右方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を前方力 見た図であ る。また、図 5Aは、ドラム式洗濯機 1の縦断面図であって、前後方向に沿った鉛直面 で切断したときの断面を右側力 見た図において、外蓋 2Aが開口 4を閉じた態様を 示しており、図 5Bは、図 5Aにおいて、外蓋 2Aが開口 4を開いた態様を示している。 (筐体）

図 1に示すように、このドラム式洗濯機 1は、その外殻を形成する筐体 2により区画さ れている。筐体 2の上壁は、前後方向略中央位置力も前側下方へ緩やかに湾曲して 前壁に連続するように側断面視で扇状に形成されている。筐体 2の上壁の前後左右 方向中央位置には、洗濯物を筐体 2内に出し入れするための開口 4が形成されてい る。開口 4は、前後方向に長手の略矩形状に形成され、外蓋 2Aで開閉可能である。 また、筐体 2の上壁の、開口 4が形成されている部分には、 1対のガイドレール 21L、 21Rが開口 4の左端縁および右端縁に沿って延設されており、外蓋 2Aは、ガイドレ 一ノレ 21L、 21Rに沿って前後方向にスライド自在となって 、る。

[0023] 外蓋 2Aは、ばね 38 (図 5A参照）によって開口 4を開く方向、つまり後方へ付勢され ており、このドラム式洗濯機 1の運転中には、筐体 2内（たとえば、開口 4の前端部）に 配置された外蓋ロック機構 49 (図 5A参照）が外蓋 2Aに係合することにより、外蓋 2A が閉じた状態でロックされるようになっている。 筐体 2の上壁の、開口 4よりも左側の 部分の前後方向略中央位置には、洗濯に使用する洗剤や仕上剤を収容するための 洗剤収容部 8が配置されている。この洗剤収容部 8の具体的な構成については、図 6 〜図 8を参照して後に詳説する。筐体 2の上壁の、開口 4よりも右側の部分の前半分 側には、このドラム式洗濯機 1の運転に関する設定操作や各種表示 (たとえば、エラ 一表示など）を行うための操作表示部 6が配置されて 、る。

[0024] 操作表示部 6には、上述した外蓋ロック機構 49 (図 5A参照）の外蓋 2Aに対する係 合を解除して外蓋 2Aを開く際に操作するための蓋開ボタン 6Aが備えられている。外 蓋 2Aが閉じた状態で蓋開ボタン 6Aを押操作すると、外蓋ロック機構 49 (図 5A参照） の外蓋 2Aに対する係合が解除され、ばね 38 (図 5A参照）の付勢力によって外蓋 2 Aが開口 4の後方にスライドし、開口 4が開かれる。外蓋 2Aの前端部には把持部 2C が形成されており、開口 4が開かれた状態で、把持部 2Cを把持して開口 4の前方に スライドさせることにより、外蓋 2Aで開口 4を閉じることができる。なお、開口 4が開か れた状態において、把持部 2Cが開口 4の後端縁に当接することにより、外蓋 2Aの、 それ以上後方へのスライドが規制される。

[0025] また、筐体 2の上壁の開口 4よりも後側部分の内側（下側）には、図 2に示すように、 左右方向に長手の略直方体形状であり、上面が開口された収容部 15が筐体 2に対 して一体的に設けられている。収容部 15の内部は、上端縁がガイドレール 21Lに連 続するように形成された仕切壁 16Lと、上端縁がガイドレール 21Rに連続するように 形成された仕切壁 16Rとによって、左から順に、第 1室 27と第 2室 28と第 3室 29とに 区画されている。上述したように、仕切壁 16Lがガイドレール 21Lに連続し、仕切壁 1 6Rがガイドレール 21Rに連続しているので、外蓋 2A (図 1参照）のスライドは、ガイド レール 21L、 21Rに加えて、仕切壁 16L、 16Rの各上端縁によっても案内される。ま た、図 5Aおよび図 5Bに示すように、外蓋 2Aは、開口 4の開閉に係わらず、第 2室 28 の上方を常に塞ぐように配置されている。なお、図 5Bに示すように、外蓋 2Aを開くと 、外蓋 2Aの、第 2室 28の上方を塞いでいる部分以外は、収容部 15の下方において 筐体 2の後側壁に沿って収容される。

[0026] 図 2に示すように、第 1室 27には、水道水給水バルブ 2Bが配置され、第 3室 29に は、風呂水ポンプ 2Dが配置されている。水道水給水バルブ 2Bおよび風呂水ポンプ 2Dは、図 1に示すように、各給水口が筐体 2の上壁において対応する位置力 外部 に露出されている。そのため、水道水給水バルブ 2Bと外部の給水設備 (水道栓など )とを図示しない給水ホースで接続することにより、機内に水道水を供給することがで きる。同様に、風呂水ポンプ 2Dに、浴槽に漬けた図示しない給水ホースで接続する ことにより、機内に風呂水を供給することができる。

[0027] また、水道水給水バルブ 2Bは、後述する洗剤用バルブ 55 (図 11参照）と、後述す る仕上剤用バルブ 56 (図 11参照）と、後述する除湿水バルブ 14 (図 11参照）とがュ ニットィ匕された 3連バルブである。

洗剤用バルブ 55 (図 11参照）および仕上剤用バルブ 56 (図 11参照）は、洗剤収容 部 8の後述する洗剤用水道水流入口 511 (図 6参照）および仕上剤用水道水流入口 512 (図 6参照）に、たとえば、ゴムパッキンなどを介してそれぞれ接続されているため 、これらのバルブを開くことによって、洗剤収容部 8内に水道水を供給することができ る。

[0028] また、除湿水バルブ 14は、一端が後述する除湿水供給口 36 (図 7A参照）に接続さ れている図示しない供給管の他端に接続されているため、除湿水バルブ 14を開くこ とによって、後述する風路部材 31内に水道水を供給することができる。

一方、風呂水ポンプ 2Dは、一端が洗剤収容部 8の後述する風呂水流入口 513 (図 6参照）に接続されて!ヽる図示しな!、風呂水供給ホースの他端に接続されて ヽるため 、風呂水ポンプ 2Dを駆動させることによって、洗剤収容部 8内に風呂水を供給するこ とがでさる。 [0029] また、図 3に示すように、第 2室 28と第 1室 27および第 3室 29との間は、仕切壁 16L および仕切壁 16Rによって遮断され、また、第 2室 28の上方は外蓋 2A (図 1参照）に よって常に塞がれているので、水道水給水バルブ 2Bおよび風呂水ポンプ 2Dのいず れかにおいて万が一水漏れが発生したとしても、漏れ出した水が第 2室 28内に流入 するおそれはない。

(外槽およびドラム）

図 4に示すように、筐体 2内における収容部 15 (図 2参照）よりも下方位置には、外 槽 7が収容されている。外槽 7は、略円筒状の周面壁 7Aの両端面が端面壁 (左端面 壁 7Lおよび右端面壁 7R)で閉塞されることにより液密的かつ空密的に形成されてお り、その軸線が左右（略水平）に延びるように配置されている。外槽 7は、その周面壁 7Aの下部を複数のダンバ 5 (図 5A参照）により支持されている。

[0030] 外槽 7の内部には、洗濯物を内部に収容するためのドラム 10が配置されている。ド ラム 10は、略円筒状の周面壁 10Cの両端面が端面壁 (左端面壁 10Lおよび右端面 壁 10R)で閉塞されることにより形成されており、その軸線が左右（略水平）に延びる ように配置されている。この発明においては、外槽 7およびドラム 10が処理槽として機 能する。

[0031] ドラム 10の左右端面壁 10L、 10Rには、それぞれ、当該ドラム 10の軸線に沿って 延びる回転軸 11L、 11Rが取り付けられている。各回転軸 11L、 11Rは、外槽 7の左 右端面壁 7L、 7Rに対して回転可能に取り付けられている。左側の回転軸 11Lには、 いわゆる DD (ダイレクトドライブ)方式でドラム駆動用のモータ 12が連結されて 、て、 このモータ 12が回転駆動されることにより、回転軸 11Lに連結されたドラム 10が軸線 回りに同じ回転速度で回転するようになって!/、る。ドラム 10の周面壁 10Cの内面には 、当該ドラム 10の回転時にドラム 10内の洗濯物を持ち上げるための 3つのバッフル 1 OBが、周面壁 10Cの周方向に互いに等間隔を空けて (たとえば、 120° ごとに）、そ れぞれ左右方向に延びるように突設されて 、る。

[0032] 図 5Aに示すように、ドラム 10の周面壁 10Cの一部には、洗濯物の出し入れのため の開口 22が形成されている。外槽 7の周面壁 7Aには、筐体 2の開口 4に対向する位 置に開口 23が形成されている。 ドラム 10の開口 22は、外側に向力つて回動可能なドラム蓋 25により開閉できるよう になっており、外槽 7の開口 23は、外側に向力つて回動可能な中蓋 26により開閉で きるようになつている。外蓋 2A、中蓋 26およびドラム蓋 25をすベて開くことにより、筐 体 2の開口 4、外槽 7の開口 23およびドラム 10の開口 22を介してドラム 10に対して洗 濯物の出し入れを行うことができる。

[0033] なお、ドラム 10に対して洗濯物の出し入れを行う際には、ドラム 10の開口 22が外槽 7の開口 23に対向する位置になければ、ドラム蓋 25を開けることができない。そこで 、図 4に示すように、外槽 7の左端面壁 7Lの下部には、ドラム式洗濯機 1の運転停止 中などにモータ 12に係合して、ドラム 10の回転位置を、ドラム 10の開口 22 (図 5A参 照）が外槽 7の開口 23 (図 5A参照）に対向する位置に固定するためのドラム位置固 定装置 9が取り付けられて 、る。

[0034] 図 5Aに示すように、外槽 7の周面壁 7Aの後端部には、洗剤収容部 8内に連通する 給水路としての給水ホース 17が接続されている。洗剤用バルブ 55 (図 11参照）また は仕上剤用バルブ 56 (図 11参照）を開くことにより、または風呂水ポンプ 2D (図 1参 照）を駆動させることにより、水道水給水バルブ 2Bからの水道水または風呂水ポンプ 2D (図 1参照)からの風呂水（以下、総称するときは「水」と呼ぶ。）が、洗剤収容部 8 ( 図 1参照）および給水ホース 17を介して外槽 7内に供給される。給水ホース 17は、例 えば、可撓性を有する蛇腹ホースであり、外槽 7内への給水の役割に加えて、ドラム 1 0の回転時に外槽 7に生じる振動が筐体 2に伝達されることを防止する役割も兼ねて おり、図 2に示すように、外槽 7においては、周面壁 7Aに形成された外槽給水口 88 に接続されている。なお、この発明においては、洗剤用バルブ 55および仕上剤用バ ルブ 56から給水ホース 17を介して外槽給水口 88に至るまでの流路が給水手段とし て機能する。

[0035] 給水ホース 17と洗剤収容部 8との間（洗剤収容部 8の下流側）には、給水トラップ 2 4が介在されている。給水トラップ 24は、洗剤収容部 8から給水ホース 17へ流れる水 を一時的に滞留させ、この水により洗剤収容部 8と給水ホース 17との間を水封して、 外槽 7内の空気が外部と流通することを防止するものである。なお、給水トラップ 24へ の給水方法については、図 13Cを参照して、後に詳説する。 [0036] 図 4に示すように、外槽 7の周面壁 7Aの右側下部には、排水口 19が形成されてい る。この排水口 19に連設され、後述する排水路としての排水ホース 20と溢水路として の溢水管 37との合流位置より上流側に設けられた排水バルブ 18を閉じた状態で給 水を行うことにより、外槽 7内に水を溜めることができる。ドラム 10の周面壁 10Cには、 開口 22を除くほぼ全周にわたって多数の通水孔 10Aが形成されており、外槽 7内に 供給された水は、通水孔 10Aを通ってドラム 10内にも流入するようになっている。外 槽 7内に溜まった水は、排水バルブ 18を開くことにより、排水口 19および排水ホース 20を介して外部に排出される。排水ホース 20の途中には溢水管 37 (図 2参照）の一 端が接続されている。溢水管 37の他端は、図 2に示すように、所定の高さの位置に おいて外槽 7の右端面壁 7Rに接続されており、外槽 7内に所定水位以上に水が溜 められる場合に、その超過分の水は、溢水管 37および排水ホース 20 (図 4参照）を 介して強制的に外部へ排出される。溢水管 37と排水ホース 20 (図 4参照）との間には 、排水トラップとしての溢水トラップ 45が介在されている。溢水トラップ 45は、下方に 向かって折れ曲がる V字状に形成されており、この V字部 95に、溢水管 37および Z または排水ホース 20 (図 4参照）を流れる水を一時的に滞留させ、この水により、溢水 管 37および/または排水ホース 20を介して外槽 7内の空気が外部と流通するのを 防止するものである。なお、溢水トラップ 45への給水方法については、図 13Aおよび 図 13Bを参照して、後に詳説する。

(洗剤収容部）

図 6は、洗剤容器収容室 81に洗剤容器 80を装着した状態での右側面断面図であ り、図 7は、注水ユニット 82を構成する部材の外観斜視図であり、図 8は、図 6におけ る A— Aに沿った面で切断した断面図である。なお、図 8について、後述する円筒部 431およびキャップ 432についても、説明の便宜上断面で示す。

[0037] 洗剤収容部 8は、図 6に示すように、粉末洗剤、液体洗剤、液体漂白剤および仕上 剤が収められる洗剤容器 80と、筐体 2と一体的に形成され、洗剤容器 80が着脱自在 に収容される洗剤容器収容室 81と、筐体 2に備えられ、洗剤容器 80に水を供給する ための注水ユニット 82と、洗剤容器 80が収容された洗剤容器収容室 81の上部を塞 ぐ洗剤蓋 94とを備えている。この発明においては、洗剤容器 80が洗剤収容部として 機能する。

[0038] 洗剤容器収容室 81は、前後方向に延伸し底壁が後方に向力つて下傾斜した凹状 に形成されている。この洗剤容器収容室 81の後壁の下端には流出口 81Aが設けら れ、流出口 81Aは機内側に接続されている。

注水ユニット 82は、洗剤容器収容室 81の左側壁に配置されており、前後方向に長 手で薄板状の主部材 82Aおよび副部材 82Bを左右方向に対向させて貼り合わせた 構造を有し、その 2つの部材 82Aと 82Bとの間に中空の通水路が形成されている（図 8参照)。

[0039] 具体的には、右側に位置する主部材 82Aの内側には、図 7に示すように、通水路 を形成するためのリブが複雑に形成されている。これにより、主部材 82Aと副部材 82 Bとを貼り合わせた状態において、注水ユニット 82内部には、主部材 82Aの後端部 にて開口される洗剤用水道水流入口 511に連通する洗剤用水道水通水路 521と、 洗剤用水道水流入口 511の後方斜め上側で開口される風呂水流入口 513に連通 する風呂水通水路 523と、洗剤用水道水流入口 511の前側で開口される仕上剤用 水道水流入口 512に連通する仕上剤用通水路 522とが形成される。そして、洗剤用 水道水通水路 521には、水の流れ方向に沿って第 1吐水口 534と第 2吐水口 531と が順に設けられている。また、洗剤用水道水通水路 521の、水の流れ方向における 末端には、補助吐水口 536が設けられている。風呂水通水路 523には、水の流れ方 向に沿って、第 3吐水口 533と第 4吐水口 532とが順に設けられている。仕上剤用通 水路 522には、第 5吐水口 535が設けられている。第 5吐水口 535は、仕上剤用通 水路 522の下端縁に沿って配置される 2つの下側吐水口 535Aと下側吐水口 535A よりも上方に配置される上側吐水口 535Bとで構成されている。

[0040] 洗剤用水道水流入口 511および仕上剤用水道水流入口 512には、上述したように 、洗剤用ノ レブ 55 (図 11参照）および仕上剤用バルブ 56 (図 11参照）がそれぞれ 接続されている。そのため、これらのバルブを適宜開閉することによって水道水給水 バルブ 2Bからの水道水を洗剤用水道水流入口 511および仕上剤用水道水流入口 512に対して選択的に供給することができる。また、風呂水流入口 513には、上記風 呂水供給ホース（図示せず)の一端が接続されて 、る。上記風呂水供給ホース（図示 せず）の他端は、風呂水ポンプ 2Dに接続されており、風呂水ポンプ 2Dを駆動させる ことにより、風呂水を風呂水流入口 513に対して供給することができる。

[0041] 洗剤容器 80は、図 6および図 8に示すように、前後方向に長手で上部が開口され たボックス状に形成されており、その内部は、前方側から、粉末洗剤を収容するため の粉末洗剤収容部 85と、液体洗剤や液体漂白剤 (洗濯時に洗剤と同時に投入され る液剤）を収容するための液体洗剤収容部 86と、柔軟仕上剤 (最終すすぎ時に投入 される液剤）を収容するための仕上剤収容部 87とに区画されている。

[0042] 粉末洗剤収容部 85の左側壁には、洗剤容器 80を洗剤容器収容室 81に装着した 状態にお 、て、第 2吐水口 531および第 4吐水口 532のそれぞれに対向する位置に 開口部が形成されており（ここでは、上記開口部を図示しないが、たとえば、図 8に示 すように、上側吐水口 535Bと対向する位置に形成される開口部 50のように形成され る。）、粉末洗剤収容部 85内部と洗剤用水道水通水路 521および風呂水通水路 52 3とは連通状態にある。そのため、洗剤用水道水通水路 521からの水道水または風 呂水通水路 523からの風呂水を粉末洗剤収容部 85内に供給することができる。一方 、粉末洗剤収容部 85の左側壁における、補助吐水口 536に対向する位置には、上 記したような開口部は形成されていないため、補助吐水口 536から流出する水は、粉 末洗剤収容部 85を経由せずに洗剤容器収容室 81内部に直接供給される。

[0043] 粉末洗剤収容部 85の底壁は後方に向力つて緩やかに下傾しており、その後壁下 部には、洗剤流出口 412が開口している。この粉末洗剤収容部 85内に粉末洗剤が 収容され、水道水または風呂水が流入すると、流入した水は、粉末洗剤を伴い、洗 剤流出口 412を介して洗剤容器収容室 81に流出する。この場合、流れ出る洗剤が 粉末洗剤であるため、洗剤容器収容室 81に落ちた粉末洗剤が溶解せずに洗剤容 器収容室 81の底壁上に残りがちである。特に、洗剤容器収容室 81において、洗剤 流出口 412よりも前側に粉末洗剤が流れてきてしまうと、洗剤流出口 412から流出す る水によって、この洗剤を流出口 81Aまで押し流すことは困難である。このような場合 であっても、上述したように、注水ユニット 82には、補助吐水口 536が設けられている ため、補助吐水口 536から水が洗剤容器収容室 81の前端部に供給されることによつ て、洗剤容器収容室 81の底壁上に残留した粉末洗剤を流出口 81Aから円滑に流出 させることがでさる。

[0044] 液体洗剤収容部 86の左側壁には、洗剤容器 80を洗剤容器収容室 81に装着した 状態にお 、て、第 1吐水口 534および第 3吐水口 533のそれぞれに対向する位置に 開口部開口部が形成されており（ここでは、上記開口部を図示しないが、たとえば、 図 8に示すように、上側吐水口 535Bと対向する位置に形成される開口部 50のように 形成される。）、液体洗剤収容部 86内部と洗剤用水道水通水路 521および風呂水通 水路 523とは連通状態にある。そのため、洗剤用水道水通水路 521からの水道水ま たは風呂水通水路 523からの風呂水を液体洗剤収容部 86内に供給することができ る。

[0045] 仕上剤収容部 87の左側壁には、図 8に示すように、洗剤容器 80を洗剤容器収容 室 81に装着した状態において、上側吐水口 535Bと対向する位置に開口部 50が形 成されており、仕上剤収容部 87内部と仕上剤用通水路 522とは連通状態にある。そ のため、仕上剤用通水路 522を満たす程度の量の水道水が供給されると、その水道 水は、上側吐水口 535B力も流出し、開口部 50を通って仕上剤収容部 87内に供給 される。また、開口部 50は、下側吐水口 535Aより上方に形成されているため、供給 される水道水の量が少ない場合、より具体的には、水道水の水位が上側吐水口 535 Bが位置する高さに満たない場合には、その水道水は、下側吐水口 535Aのみから 流出して、仕上剤収容部 87を経由せずに、洗剤容器収容室 81内部に直接供給さ れる。この発明においては、上記した仕上剤用通水路 522→下側吐水口 535A→洗 剤容器収容室 81となる流路がバイパス給水路として機能する。

[0046] また、図 6に示すように、液体洗剤収容部 86および仕上剤収容部 87の底壁には中 央が上下に貫通した円筒部 421、 431がそれぞれ立設され、この円筒部 421、 431 にはその基底部を残して上部を覆う円筒状のキャップ 422、 432が被せられて 、る。 このキャップ 422、 432の内周側壁面と円筒部 421、 431の外周側壁面との間には 狭い隙間が形成され、この隙間と円筒部 421、 431の貫通孔を介して液体洗剤収容 部 86および仕上剤収容部 87の内側と外側とが連通している。これにより、液体洗剤 収容部 86に所定水位以上の水が溜められると、サイフォン作用によって、その水は 液体洗剤を伴い、円筒部 421の貫通孔を介して洗剤容器収容室 81内に流出する。 同様に、仕上剤収容部 87に所定水位以上の水が溜められると、サイフォン作用によ つて、その水は仕上剤を伴い、円筒部 431の貫通孔を介して洗剤容器収容室 81内 に流出する。

(乾燥ユニット）

図 9は、外槽 7、乾燥ユニット 3および周辺部品を後側上方かつ右側力も見た斜視 図であり、図 10は、図 9に示した外槽 7、乾燥ユニット 3および周辺部品の右側面図 である。

[0047] 図 9に示すように、このドラム式洗濯機 1は、洗濯物を乾燥させるための乾燥工程を 実行可能であって、外槽 7の右端面壁 7Rには、乾燥機能のための乾燥ユニット 3が 外側から取り付けられて 、る。

乾燥ユニット 3は、外槽 7内の空気を吸 、込んで上方へ導くための風路部材 31と、 風路部材 31からの空気を外槽 7内へ向けて送り込むためのファン 32と、ファン 32か ら送り込まれた空気を外槽 7内に導くための誘導フード 33と、外槽 7内に送り込む空 気を温めるための 1対のヒータ 34Aおよび 34B (図 10参照）とを備えている。この発明 においては、風路部材 31および誘導フード 33が、内部を流れる空気、つまり風を外 槽 7内へ導き入れるための循環風路として機能する。ファン 32は、その略上半分部 分が収容部 15の第 2室 28内（図 3参照）に収容されるように、風路部材 31の上部に 配置されており、ブロワモータ 35により回転駆動される。また、ヒータ 34Aおよび 34B (図 10参照）は、誘導フード 33内において左右に並べて配置されている。

[0048] ここで図 4を参照して、外槽 7の周面壁 7Aの後側下部には、たとえばその左右方向 略中央部に、正面視が略矩形状の排気口 71が形成されている。風路部材 31の下端 部には吸込口 30 (図 10'BR〉Q照）が形成されており、排気口 71と吸込口 30 (図 10 参照）とは、左右方向に延びる接続管 72により接続されており、風路部材 31内と外 槽 7内とは連通状態にある。そこで、ファン 32 (図 9参照）を回転駆動させると、風が流 れる方向に見てファン 32よりも上流側に位置する風路部材 31内は負圧となるので、 外槽 7内の空気を、排気口 71および接続管 72を介して乾燥ユニット 3内（風路部材 3 1内）に取り込むことができる。

[0049] 外槽 7の右端面壁 7Rの中央部には、開口 7Bが形成されており、誘導フード 33 (図 10参照）の下端部には吹出口 41 (図 10参照）が形成されており、吹出口 41と外槽 7 の開口 7B (図 10参照）とは連通しているため、誘導フード 33 (図 10参照）内と外槽 7 内とは連通状態にある。これにより、図 9に示すように、外槽 7内から風路部材 31内に 取り込んだ空気を、ファン 32で誘導フード 33内に送り込み、さらに吹出口 41から外 槽 7内に吹き出すことにより、風路部材 31、ファン 32および誘導フード 33、つまり乾 燥ユニット 3と、外槽 7とで形成される循環風路内で風を循環させることができる。また 、ドラム 10の右端面壁 10Rの中央部には、外槽 7の開口 7Bに対向する位置に、開口 10Dが形成されているので、循環風路内を循環する風はドラム 10内の洗濯物にも供 給される。

[0050] たとえば乾燥工程時には、循環風路内を循環する風をヒータ 34で加熱して、吹出 口 41 (図 10参照）から外槽 7およびドラム 10の各開口 7Bおよび 10Dを介してドラム 1 0内に送りつつ、ドラム 10を回転させる。これにより、ドラム 10内の洗濯物をバッフル 1 OBによって持ち上げ、ある程度の高さから自然落下させると!、つた動作が繰り返され るので、加熱された風を洗濯物に満遍なく吹きつけることができ、洗濯物を良好に乾 燥させることができる。

[0051] なお、図 10に示す 1対のヒータ 34 (ヒータ 34Aおよび 34B)のうち一方のヒータにの み通電を行うことにより、ヒータ 34を「弱」（たとえば、約 700W)で駆動して比較的低 温の風をドラム 10内に供給することができ、両方のヒータに通電を行うことにより、ヒー タ 34を「強」（たとえば、約 1400W)で駆動して比較的高温の風をドラム 10内に供給 することができるようになつている。また、ヒータ 34Aおよび 34Bの両方に通電を行い 、そのうちの一方のヒータを流れる交流電流に対して半波制御（半周期おきの交流電 流を用いてヒータを駆動する制御）を行うことにより、ヒータ 34を「中」（たとえば、約 10 OOW)で駆動して、「弱」と「強」との中間の温度の風をドラム 10内に供給することもで きる。

[0052] 再び図 9を参照して、風路部材 31は、下端部に上述した吸込口 30が形成され、そ の下端部が外槽 7の右端面壁 7Rに接続され、上端部が外槽 7の右端面壁 7Rに沿つ て上方に延びる第 1風路部材 311と、この第 1風路部材 311の上端部に連設され、 外槽 7の周面壁 7Aに対向するように、左方に向力つて張り出した第 2風路部材 312と がー体的に形成されることにより構成されている。第 1風路部材 311は、左右方向の 厚みの方が前後方向の厚みよりも小さい扁平形状を有している。一方、第 2風路部 材 312は、前後方向の厚みの方が左右方向の厚みよりも小さい扁平形状を有してい る。

[0053] 図 10を参照して、第 1風路部材 311の左側面壁には、第 2風路部材 312との結合 部よりもやや低い位置に、第 1風路部材 311内に水を供給するための除湿水供給口

36が形成されている。除湿水供給口 36には、上述したように、一端が除湿水バルブ

14 (図 11参照）に接続された図示しない供給管の他端が、その外側力も接続されて いて、除湿水バルブ 14 (図 11参照）が開かれることにより、上記供給管および除湿水 供給口 36を介して所定量 (たとえば、毎分約 0. 5リットル)の冷却水 (水道水）が第 1 風路部材 311内に流れ込むようになつている。この発明においては、除湿水バルブ 1

4 (図 11参照)から除湿水供給口 36に至るまでの流路が給水手段および除湿水供 給手段として機能する。乾燥工程時において、第 1風路部材 311には、除湿水バル ブ 14 (図 11参照）が開かれることにより除湿水供給口 36から冷却水が供給される。そ のため、第 1風路部材 311は、洗濯物力も出る水分 (水蒸気)を含んだ風を冷却して その水蒸気を凝縮液化させるための熱交換部として機能する。

(オゾン発生装置）

図 9を参照して、このドラム式洗濯機 1には、洗濯物を浄化するための気体の一例と して、オゾンを発生するオゾン発生装置 42と、オゾン発生装置 42と風路部材 31とを 連通させてオゾン発生装置 42が発生したオゾンを風路部材 31内に導くための導入 管 43とが備えられている。なお、気体を用いた洗濯物の浄化には、洗浄、消臭、除 菌または芳香 (心地の良!、匂！/、を洗濯物につける）などが挙げられる。この発明にお いては、オゾン発生装置 42および導入管 43が気体供給手段として機能する。

[0054] ここで図 2を参照して、オゾン発生装置 42は、筐体 2の収容部 15における第 2室 28 内に収容されている。より具体的には、仕切壁 16Lを挟んで水道水給水バルブ 2Bに 隣接し、第 2室 28内において、ファン 32に対して、その左側で隣接配置されている。 また、オゾン発生装置 42は、外槽 7、風路部材 31および誘導フード 33の上方に位置 している。 [0055] オゾン発生装置 42には、実際にオゾンを発生するオゾン基板（図示せず）が備えら れており、このオゾン基板に高電圧が印加されることによって、無声放電が生じ、上 記オゾン基板の周辺の空気内にオゾンが発生する。

導入管 43は、その一端部がオゾン発生装置 42の左端部に接続され、その他端部 が風路部材 31の第 2風路部材 312の左側壁に接続されることにより、オゾン発生装 置 42内部と、風路部材 31、つまり乾燥ユニット 3を含む上述した循環風路内部とを連 通している。導入管 43は、上述した一端部から下方へ緩やかに折れ曲がり、途中で 屈曲してさらに下方に延びてから再度屈曲して上述した他端部に至る経路を形成し ている。そのため、オゾン発生装置 42で発生されたオゾンを含む空気は、導入管 43 に沿って下方向きに流れて風路部材 31内に供給される。上述したように、ファン 32 が回転駆動しているときには、風路部材 31内は負圧となるので、オゾン発生装置 42 力 風路部材 31へのオゾンの供給が促進される。

<ドラム式洗濯機の洗濯運転 >

図 11は、このドラム式洗濯機 1の電気的構成を示すブロック図であって、この発明 に関連する部分を示した図である。

[0056] 図 11に示すように、ドラム式洗濯機 1には、たとえば、マイクロコンピュータなどで構 成された、給水制御手段としての制御部 40が備えられて 、る。

制御部 40は、たとえば、マイクロコンピュータなどで構成されており、 CPU51と、 R OM52と、 RAM53と、タイマ 54とを備えている。ドラム式洗濯機 1の洗い、すすぎ、 脱水および乾燥などの各工程における運転動作は、この制御部 40によって制御され る。

[0057] 制御部 40には、操作表示部 6 (図 1参照）が接続されており、ユーザは、操作表示 部 6を操作することにより、ドラム式洗濯機 1に所望の運転を行なわせることができる。 また、制御部 40には、モータ 12、ブロワモータ 35、ヒータ 34、洗剤用バルブ 55、仕 上剤用バルブ 56、風呂水ポンプ 2D、除湿水バルブ 14、排水バルブ 18、外蓋ロック 機構 49、オゾン発生装置 42および水位センサ 47が、それぞれ負荷駆動部 48を介し て、接続されている。

[0058] 図 12は、このドラム式洗濯機 1による所定の洗濯運転を開始させた場合の制御部 4 0による制御の流れを示すフローチャートである。

以下、図 11および図 12を参照して、ドラム式洗濯機 1における各運転工程におけ る制御部 40による制御について説明する。

(洗い工程）

ドラム式洗濯機 1の運転が開始されると、まず、第 1洗い工程が行なわれる (ステップ Sl)。第 1洗い工程が開始されると、洗剤用バルブ 55が開かれることにより、または、 風呂水ポンプ 2Dが駆動されることにより、洗剤用水道水通水路 521または風呂水通 水路 523を介して外槽 7内に給水が行われる。この際、図 6に示す粉末洗剤収容部 8 5および液体洗剤収容部 86に予め投入されている粉末洗剤および液体洗剤が、そ れぞれ給水された水に溶け込んで、これらの洗剤が溶け込んだ水が流出口 81Aから 流出して給水トラップ 24および給水ホース 17を介して外槽 7内に溜められる。外槽 7 内への給水が完了した後、モータ 12を所定の停止時間を挟んで 45rpmで交互に正 転 Z反転させる第 1間欠制御（たとえば、 10秒オン— 3秒オフ）と、モータ 12を所定の 停止時間を挟んで 30rpmで交互に正転 Z反転させる第 2間欠制御（たとえば、 10秒 オン 3秒オフ）と、モータ 12を所定の停止時間を挟んで 60rpmで交互に正転 Z反 転させる第 3間欠制御 (たとえば、 10秒オン— 3秒オフ）とが所定の順序で繰り返し行 われる。第 1間欠制御では、ドラム 10内の洗濯物がバッフル 10Bによって持ち上げら れ、ある程度の高さから自然落下すると 、つた動作 ( 、わゆるタンブリング）が繰り返さ れることにより、いわゆるたたき洗いが行なわれる。第 2間欠制御では、ドラム 10内の 底部にある洗濯物がバッフル 10Bによって転がされることにより、いわゆるもみ洗いが 行なわれる。第 3間欠制御では、ドラム 10内の洗濯物がドラム 10の周面壁 10Cに張 り付いた状態で回転され、洗濯物が外槽 7の底部に来たときに外槽 7内に貯まった水 が洗濯物に吸収され、その洗濯物に吸収された水が遠心力によって洗濯物力 抜け 出ることにより、洗濯物に含まれる汚れが水とともに洗濯物から除去される。そして、 上記した動作が所定時間 (たとえば、 6分間)行なわれると、第 1洗い工程が終了する 。第 1洗い工程が終了すると、外槽 7内に溜められている水が排水され、ドラム 10内 の洗濯物は水と洗剤成分を含んだ状態となる。そして第 2洗い工程に移行する (ステ ップ S2)。 第 2洗い工程が開始されると、図 4に示す乾燥ユニット 3から外槽 7内にスチームが 供給され、洗濯物を温めつつドラム 10が回転される。これにより、洗濯物に含まれる 水が温められ、その温められた水を含む洗濯物力 ドラム 10の回転に伴って、他の 洗濯物やドラム 10の内面と擦れたり、ドラム 10の内面にたたきつけられたりされる、い わゆるスチーム洗浄が行なわれる。そして、上記した動作が所定時間（たとえば、 14 分間）行なわれると、第 2洗い工程が終了する。なお、スチームは、図 10に示す除湿 水供給口 36から第 1風路部材 311内に供給される冷却水が霧状にされ、ヒータ 34で 加熱蒸発されることによって生成される。このように、第 2洗い工程では、外槽 7内に 給水を行う必要がないので、外槽 7内に水を溜めた状態でドラム 10を回転させること により洗濯を行う場合 (たとえば、上記第 1洗い工程)と比較して、水の使用量を低減 することができる。そして、第 2洗い工程が終了すると、中間脱水工程に移行する (ス テツプ S3)。

(中間脱水工程）

中間脱水工程が開始されると、図 4に示すドラム 10が高速 (たとえば、 300〜： LOOO rpm)で回転されることにより、ドラム 10内の洗濯物に含まれる水が遠心力により絞り 出され、この洗濯物力も絞り出された水がドラム 10の通水孔 10Aを通って外槽 7側へ 飛散し、排水口 19から排出される。この中間脱水工程により、洗濯物に含まれる水と ともに、洗濯物に含まれる洗剤成分も絞り出される。そして、中間脱水工程が終了す ると、すすぎ工程に移行する (ステップ S4)。

(すすぎ工程）

すすぎ工程が開始されると、洗剤用バルブ 55が開かれることにより、または、風呂 水ポンプ 2Dが駆動されることにより外槽 7内に給水が行われた後、外槽 7内に所定 量の水が溜められた状態でドラム 10が回転されることにより、ドラム 10内の洗濯物が タンブリングされ、すすぎが行なわれる。その後、所定時間が経過すると、いったんド ラム 10が停止される。そして、外槽 7内の水が排水され、再び給水が行なわれた後、 再度すすぎが行なわれる。そして、上記した動作が複数回 (たとえば、 2回)行なわれ ると、すすぎ工程が終了する。なお、最終すすぎ工程 (たとえば、 2回目）においては 、上記した外槽 7への給水は、洗剤用バルブ 55に加えて、仕上剤用バルブ 56も開か れて行われる。これにより、仕上剤収容部 87に予め投入されている柔軟仕上剤が、 給水された水に溶け込んで、柔軟仕上剤が溶け込んだ水が流出口 81Aから流出し て外槽 7内に供給され、この水によって洗濯物がすすがれる。また、この最終すすぎ 工程における給水の終了時には、給水された水の一部が給水トラップ 24に滞留し、 外槽 7と洗剤収容部 8との間が水封される。そして、すすぎ工程が終了すると、最終 脱水工程に移行する (ステップ S5)。

(最終脱水工程）

最終脱水工程が開始されると、ドラム 10が高速 (たとえば、 300〜： LOOOrpm)で回 転されることにより、ドラム 10内の洗濯物に含まれる水が遠心力により絞り出されて排 水ホース 20から排水される。なお、この最終脱水工程における排水の終了時には、 排水される水の一部が、図 2に示す溢水トラップ 45の V字部 95に滞留し、溢水管 37 および排水ホース 20と外部との間、つまり外槽 7と外部との間が水封される。そして、 最終脱水工程が終了すると、乾燥工程に移行する (ステップ S6)。

(乾燥工程）

乾燥工程が開始されると、図 10に示すヒータ 34で加熱された風が乾燥ユニット 3か ら外槽 7内に送られ、ドラム 10が回転されることにより、ドラム 10内の洗濯物がタンブ リングされる。これにより、加熱された風にドラム 10内の洗濯物が満遍なく晒されて、 乾燥が行なわれる。

乾燥工程では、図 10に示すブロワモータ 35が駆動（たとえば、 4500rpm)されると ともに、ヒータ 34 (34Aおよび 34B)に通電が行われることにより、ヒータ 34が「強」で 駆動される。これにより、乾燥工程中は、ドラム 10内の洗濯物から出る湿気を含んだ 空気が、外槽 7内から排気口 71 (図 4参照)および接続管 72 (図 4参照)を介して風 路部材 31内（第 1風路部材 311内）に流入し、ヒータ 34により温められて再び外槽 7 内（ドラム 10内）に送り込まれることとなる。また、乾燥工程中は、除湿水バルブ 14が 開かれて、除湿水供給口 36から第 1風路部材 311内に冷却水が供給されることによ り、第 1風路部材 311内では、湿気を含む空気が冷却水により冷却され、熱交換によ つて空気に含まれる水分が凝縮する。したがって、第 1風路部材 311内に流入した空 気は、第 1風路部材 311内を通過する過程で水分が除去され、その後にヒータ 34に より温められて、再び外槽 7内（ドラム 10内）に送り込まれる。熱交換によって凝縮した 水分は、第 1風路部材 311の内壁面に結露し、この内壁面を伝って流下する。そして 、第 1風路部材 311の内壁面を伝つて第 1風路部材 311の底部まで流下した水は、 冷却水とともに吸込口 30から流れ出て、接続管 72および排気口 71を介して外槽 7 内へと流出した後、排水口 19から排水される。

[0061] 乾燥工程の終了前には、加熱されていない空気をドラム 10内に供給することで、乾 燥された洗濯物を所定温度まで冷却する 、わゆるクールダウン運転力 所定時間行 われる。このクールダウン運転中において、オゾン発生装置 42が ONにされてオゾン が発生する。発生したオゾンは、導入管 43を介して風路部材 31内に流れ込むことに より、上述した循環風路内を流れる風とともに外槽 7内（ドラム 10内）に送り込まれ、洗 濯物に浴びせられる。これにより、洗濯物に残留している汚れ成分や、臭い成分や、 雑菌成分は、供給されるオゾンにより酸化されることで、洗浄され、消臭され、あるい は除菌される。なお、オゾンが外槽 7内に供給されている間、洗剤用バルブ 55、仕上 剤用バルブ 56、除湿水バルブ 14および排水バルブ 18は閉じられており、風呂水ポ ンプ 2Dは停止されている。また、洗い工程での給水時において給水トラップ 24に水 が滞留し、排水時において溢水トラップ 45に水が滞留している。これにより、外槽 7内 は空密的な状態になり、オゾンが外部へ漏れ出すおそれはない。また、オゾンが外 槽 7内に供給されている間、そして、供給された全てのオゾンが酸ィ匕反応により消滅 し、オゾンの濃度が人体にとって影響のないレベルにまで低下するまでの間、制御部 40は、図 9に示すように、外蓋ロック機構 49を作動させて、外蓋 2A (図 1参照）が閉じ られた状態でロックして 、る。

(トラップ給水工程）

このドラム式洗濯機 1は、上述したような洗い工程、すすぎ工程、脱水工程および乾 燥工程の他に、水を使用せずにオゾンを供給して洗濯物の浄ィ匕 (たとえば、除菌-消 臭など）を行なうオゾン洗浄工程 (オゾンを含む空気によって洗濯物を洗うと！ヽぅィメ ージから、「エアゥォッシユエ程」と称することもできる。）を行なうことができる。

[0062] オゾン洗浄工程は、たとえば、通常の洗濯運転の付加運転として行なわれる場合 には、洗い工程より前、すなわち、すすぎ工程や最終脱水工程より前に行なわれる。 また、洗濯物を洗う必要はないけれども、洗濯物に付着した臭いなどを脱臭、消臭す るためにオゾン洗浄工程のみを行なうコース（このコースをそのイメージから、「エアゥ ォッシュコース」と称することができる。）が選択された場合にも行なわれる。そのため、 オゾン洗浄工程開始時にぉ 、て、給水トラップ 24 (図 2参照）および溢水トラップ 45 ( 図 2参照）に水が滞留していない場合がある。そこで、オゾン洗浄工程に先立って、 外槽 7内を上述した空密的な状態にするために、オゾン洗浄工程を開始する前に、 洗剤用バルブ 55、仕上剤用バルブ 56、除湿水バルブ 14および排水バルブ 18を適 宜開閉することにより、給水トラップ 24および溢水トラップ 45に水を滞留させるトラッ プ給水工程が行なわれる。なお、オゾン洗浄工程が通常の洗濯運転の付加運転とし て行なわれる場合には、上述したように乾燥工程におけるクールダウン運転中に行な われてもよいし、洗い工程前およびクールダウン運転中の両方で行われてもよい。ォ ゾン供給時間が長いほど、洗濯物の浄化が促進される。また、このドラム式洗濯機 1 では、オゾンで洗濯物を浄ィ匕する機能により、水に濡らすことができない洗濯物に対 応することちでさる。

[0063] 以下、図 13A、図 13Bおよび図 13Cを参照して、トラップ給水工程における給水制 御について説明する。

図 13Aは、トラップ給水工程における給水制御の前半部を示すフローチャートであ り、図 13Bは、トラップ給水工程における給水制御の後半部を示すフローチャートで あり図 13Cは、トラップ給水工程における、給水トラップ 24への給水制御を示すフロ 一チャートである。

[0064] トラップ給水工程が開始されると、まず、給水トラップ 24への給水トラップ給水制御 が開始される (ステップ S101)。

ここで、図 13Cを参照して、給水トラップ給水制御について説明する。給水トラップ 給水制御とは、洗剤用バルブ 55または仕上剤用バルブ 56を適宜開閉して、給水トラ ップ 24に水を滞留させるための制御である。給水トラップ給水制御が開始されると、 n =0と設定される (ステップ S201)。ここで、 nとは、後述するステップ S203〜ステップ S206における処理が行なわれた回数を示す。次いで、 n≥ 8である力否か判別され る（ステップ S202)。最初に行なわれるステップ S202の判断では、上記のように n= 0であるため、 n≥ 8でないと判別され (ステップ S 202の No)、仕上剤用バルブ 56が、 0. 1秒間開かれた後 (ステップ S203)、仕上剤用バルブ 56が「閉」にされる (ステップ S204)。このように、仕上剤用バルブ 56が「開」にされている時間を、 0. 1秒という微 小時間とすることによって、仕上剤用水道水流入口 512から仕上剤用通水路 522に 対しては、僅かの量の水しか流されない。そのため、その水は、仕上剤用通水路 522 の上側吐水口 535Bの高さより低い位置を流れ、下側吐水口 535A力も流出し、仕上 剤収容部 87を経由せずに、洗剤容器収容室 81内部を経て、給水トラップ 24に給水 される。つまり、仕上剤収容部 87を経由しないバイパス給水路を経て給水トラップ 24 に給水される。その結果、仕上剤を含まない水道水を給水トラップ 24に溜めることが できる。その後、 10秒間、仕上剤用バルブ 56「閉」の状態が維持される (ステップ S2 05)。この 10秒間という時間は、仕上剤用通水路 522内を流れるおよそ全ての水が 下側吐水口 535Aから流出するために必要な時間であるため、特に 10秒に限定され ず、上記条件を満たす時間であれば、 10秒以上であっても、 10秒以下であってもよ い。その後、ステップ S203〜ステップ S205の処理が 1回実行されたものとして、 n= n+ 1にされる (ステップ S206)。たとえば、給水トラップ給水制御が開始された時点 では、 n=0と設定されるため（ステップ S201)、ステップ S206の処理においては、 n = 1とされる。そして、 n≥8となるまで、ステップ S202〜ステップ S206における判断 または処理が繰り返される。その後、 n≥ 8であると判別されると (ステップ S202の Ye s)、給水トラップ給水制御が終了する。つまり、ステップ S202〜ステップ S206の処 理が 8回繰り返されることによって、給水トラップ 24に水が溜められ、外槽 7と洗剤収 容部 8との流路が水封される。これによつて、外槽 7内にオゾンを供給しても、オゾン が、外槽 7→給水ホース 17→給水トラップ 24→洗剤収容部 8→外部という経路を通 つて外部に漏れることを防止することができる。なお、この給水トラップ給水制御は、 図 13Aに示すステップ S101における処理によって開始され、後述するステップ S10 2以降の判断または処理と並行して実行される。また、ステップ S202の判断において は、 n≥ 8として判断している力 nの値については、外槽 7と洗剤収容部 8との流路を 水封するために必要な水を溜めることができれば、特に制限されない。たとえば、ス テツプ S203の処理における 0. 1秒をさらに短くし、 n≥ 9としてもよいし、ステップ S20 3の処理における 0. 1秒を少し長くし、 n≥ 7としてもよい。また、外部の給水設備 (水 道栓など）の給水能力が高い場合には、単に nを 8未満にすることもできる。

[0065] 再び、図 13Aを参照して説明する。上記したように、図 13Cで示す給水トラップ給 水制御の開始と並行して、排水バルブ 18が「開」にされ (ステップ S102)、排水バル ブ 18が「開」にされてから 30秒経過したか否か判別される（ステップ S103)。 30秒経 過していないときは（ステップ S 102の No)、 30秒経過するまで排水バルブ 18「開」の 状態が維持される。継続的にこのドラム式洗濯機 1が運転された場合、トラップ給水 工程開始時において、たとえば、外槽 7の内周面に水が付着している場合がある。こ れらの水力 外槽 7内に残存していると、時間の経過とともに外槽 7の下部に溜まって しまうため、ステップ S103以降の判断において、その外槽 7に溜められた水力 あた 力も除湿水供給口 36から供給された水であると誤検知してしまう場合がある。しかし 、上記のように、まず、排水バルブ 18を 30秒間開くことで、それらの水を概ね排水す ることができ、ステップ S 103以降の判断の信頼性を高めることができる。そして、排水 バルブ 18が「開」にされてから 30秒経過すると (ステップ S 102の Yes)、外槽 7内の 水位が水位センサ 47によって読み込まれ、その水位がリセット水位以下であるか否 か判別される (ステップ S 104)。ここでリセット水位とは、水位センサ 47が精密に測定 することができる最低水位である。つまり、水位センサ 47は、外槽 7内の水位がリセッ ト水位以上であれば、リセット水位以下の場合と比較して、より精密に測定することが できる。

[0066] 外槽 7内の水位がリセット水位以下であるときは（ステップ S 104の Yes)、排水バル ブ 18「閉」にされ (ステップ S105)、そのときの外槽 7内の水位 L1が読み込まれ (ステ ップ S106)、除湿水バルブ 14が「開」にされる（ステップ S107)。除湿水バルブ 14が 「開」にされることによって、除湿水供給口 36から給水される除湿水は、溢水トラップ 4 5に滞留させるための水として、風路部材 31を経て外槽 7の下部に溜められる。

[0067] 一方、ステップ S104における判断において、外槽 7内の水位がリセット水位以下で ないときは (ステップ S104の No)、排水動作が連続して 5回目である力否力判別され る（ステップ S108)。つまり、トラップ給水工程において、ステップ S104→ステップ S1 08→ステップ S110→ステップ SI 11→ステップ S112→ステップ S 104となるフロー が連続して 4回行なわれていた力否か判別される。排水動作が連続して 5回目である ときは (ステップ S108の Yes)、たとえば、ブザー（図示せず）を鳴らしたり、操作表示 部 6にエラー表示番号を表示させたりすることによって、排水異常報知が行なわれる ( ステップ S109)。つまり、ステップ S104において、外槽 7内の水位がリセット水位以 下でないと 5回連続して判別されるということは、排水バルブ 18が故障していて、排 水不良を起こしている力、洗濯物が濡れており、洗濯物に含まれている水が外槽 7の 底面に滴り落ちつづけることによって外槽 7内の水位が上昇している力、または、水 位センサ 47が故障して 、る可能性があるものとして、上記異常報知が行なわれる。 一方、排水動作が連続して 5回目でないときは (ステップ S 108の No)、排水バルブ 1 8が「開」にされ (ステップ S 110)、排水バルブ 18が「開」にされてから 10秒経過した か否か判別される（ステップ SI 11)。 10秒経過して!/、な!/、ときは（ステップ S 111の N o)、 10秒経過するまで排水バルブ 18「開」の状態が維持される。そして、排水バルブ 18力 ^開」にされてから 10秒経過すると (ステップ SI 11の Yes)、排水バルブ 18が「 閉」にされ (ステップ S112)、再び外槽 7内の水位がリセット水位以下である力否力判 別される（ステップ S104)。リセット水位以下になっているときは (ステップ S 104の Ye s)、排水バルブ 18力 ^閉」にされ (ステップ S105)、上記同様にステップ S106および ステップ S 107の処理が行なわれる。

[0068] 続いて図 13Bを参照して、ステップ S107の処理において、除湿水バルブ 14力 ^開 」にされた後、外槽 7内の水位がリセット水位以下であるか否力判別される (ステップ S 113)。リセット水位以下でないときは (ステップ S113の No)、給水異常でないと判断 し、除湿水ノ レブ 14が「閉」にされ (ステップ S122)、上述した給水トラップ給水制御 (図 13C参照）が終了しているか否力判別される (ステップ S123)。そして、給水トラッ プ給水制御が終了していないときは (ステップ S123の No)、終了されるまで待機状 態となる。その後、給水トラップ給水制御が終了したことが判別されると (ステップ S12 3の Yes)、ステップ SI 18に移行する。

[0069] 一方、ステップ S113の判断において、外槽 7内の水位がリセット水位以下であると きは（ステップ S113の Yes)、除湿水バルブ 14力 ^開」にされてから、つまり、除湿水 供給口 36からの給水が開始されてから、第 1時間としての所定時間、たとえば、 120 秒経過しているか否か判別され (ステップ SI 14)、 120秒経過していなければ (ステツ プ S114の No)、 120秒経過するまで除湿水バルブ 14「開」の状態が維持される。そ して、除湿水バルブ 14力 ^開」にされてから 120秒経過すると (ステップ S114の Yes) 、除湿水バルブ 14力 ^閉」にされ (ステップ SI 15)、そのときの外槽 7内の水位 L2が 読み込まれ (ステップ S116)、上記した L1との差力 L2— L1≥Xであるか否か判別 される（ステップ S117)。 L2— L1≥Xでないときは（ステップ S117の No)、たとえば、 ブザー（図示せず)を鳴らしたり、操作表示部 6にエラー表示番号を表示させたりする ことによって、給水異常報知（給水エラー処理）が行なわれる (ステップ S119)。ここで 、 Xとは、溢水トラップ 45が外槽 7と外部との流路を水封するために必要なおよその水 量 (所定の閾値)であり、予め制御部 40に記憶されている。つまり、 L2— L1≥Xでな い場合には、除湿水バルブ 14が故障などして、外槽 7内に水が溜められていない可 能性がある。そのため、このような状態で排水バルブ 18を「開」にしても、溢水トラップ 45が外槽 7と外部との流路を水封できずに、オゾン洗浄工程において、外槽 7に供 給されたオゾンが、外槽 7→溢水管 37→排水ホース 20→外部と 、う経路を通って外 部に漏れるおそれがあるため、給水異常報知をすることによって、オゾン漏れを未然 に防止することができる。

[0070] 一方、 L2— L1≥Xであるときは（ステップ S117の Yes)、排水バルブ 18が「開」にさ れ (ステップ S118)、排水バルブ 18が「開」にされてから 30秒経過したか否か判別さ れる（ステップ S120)。 30秒経過していないときは（ステップ SI 20の No)、 30秒経過 するまで排水バルブ 18「開」の状態が維持される。そして、排水ノ レブ 18が「開」にさ れてから 30秒経過すると (ステップ S120の Yes)、排水バルブ 18が「閉」にされ (ステ ップ S121)、トラップ給水工程が終了する。

[0071] また、上記したように、ステップ S113の判断において、外槽 7内の水位がリセット水 位以下でないと判別され (ステップ S113の No)、給水トラップ給水制御が終了してい ると判別されて (ステップ S123の Yes)、ステップ S118に移行した場合においても、 上記同様に、排水バルブ 18が「開」にされ (ステップ S 118)、排水バルブ 18が「開」 にされてから 30秒経過すると (ステップ S120の Yes)、排水バルブ 18が「閉」にされ（ ステップ S121)、トラップ給水工程が終了する。 [0072] このように、所定の量の水を外槽 7に溜めた後に、排水バルブ 18を「開」にして、一 気に排水ホース 20に流出させることによって、流出した水は、排水ホース 20と溢水管 37との合流位置においては、排水ホース 20の下流側（外部側）だけでなぐ溢水管 3 7の上流側 (溢水トラップ 45側）にも流出する。その結果、溢水管 37側に流出する水 を利用して溢水トラップ 45の V字部 95に水を滞留させることができる。

<効果 >

以上示したように、オゾン洗浄工程が開始される前に溢水トラップ 45に水が溜めら れるトラップ給水工程が実行されることによって、外槽 7→溢水管 37→排水ホース 20 →外部と連通する経路の一部力 溢水トラップ 45に溜められた水によって水封される 。そのため、その後、オゾン洗浄工程が実行されても、オゾンが外槽 7→溢水管 37→ 排水ホース 20→外部と連通する経路を通ってドラム式洗濯機 1の外部に漏れること を防止することができ、外部にオゾン臭が漂うことを防止することができる。

[0073] また、溢水トラップ 45に溜められる水としては、除湿水供給口 36から風路部材 31を 経て外槽 7の下部に溜められる水が利用される。つまり、外槽 7の上部に接続された 給水ホース 17 (図 2参照）から給水する必要がないため、オゾン洗浄工程に先立って 、予めドラム 10内に乾燥した洗濯物を収容しても、洗濯物を濡らさずに溢水トラップ 4 5に水を溜めることができる。

[0074] また、溢水トラップ 45に溜められる水は、外槽 7に所定量溜められた後に、排水バ ルブ 18を「開」にして、一気に排水ホース 20に流出されるため、流出した水は、排水 ホース 20と溢水管 37との合流位置にぉ 、ては、排水ホース 20の下流側（外部側）だ けでなぐ溢水管 37の上流側 (溢水トラップ 45側）にも流出する。その結果、溢水管 3 7側に流出する水を利用して溢水トラップ 45の V字部 95に水を確実に滞留させること ができる。また、このような構成では、 V字形状の溢水トラップ 45を排水ホース 20側に 設ける必要がないため、効率よく排水処理を行なうこともできる。

[0075] また、上記のように排水バルブ 18を「開」にする力否かは、たとえば、水位センサ 47 力 SL2— L 1≥ Xであると判断した場合に実行されるため（図 13Bのステップ S 117の Y es)、溢水トラップ 45に溜めるための水量に相当する値を予め水位センサ 47に設定 することによって、確実に排水トラップに水を溜めることができる。 また、水位センサ 4 7によって L2— LI≥Xであると判断されない場合は、排水バルブ 18が「開」にされず に、給水異常報知が行なわれる（図 13Bのステップ S119)。そのため、たとえば、除 湿水バルブ 14の故障などが原因で、溢水トラップ 45に水を溜めることができず、外 槽 7と外部とが排水ホース 20などで連通して 、る状況下にお!/、て、誤ってオゾン洗浄 工程が実行されて、外部にオゾンが漏れることを防止することができる。

[0076] また、溢水トラップ 45に溜めるために必要な水量は、少量でよぐそのような水量を 水位センサで正確に測るためには、高精度の水位センサが必要となる。つまり、ごく 少量の水位でも精密に測定することができる水位センサが必要となる。しかし、溢水ト ラップ 45に水を溜める場合、上記少量の水量以上であれば、特に制限されないため (溢水トラップ 45の許容量以上の水は排水ホース 20から外部に排水されるため）、外 槽 7に溜められている水量が所定の量以上であることが判別できれば十分である。そ こで、上記のように、 2点間の水位差が所定の閾値 (たとえば、溢水トラップ 45に溜め るために必要な水量程度。）以上である力否かを判別、つまり、 L2— L1≥Xであるか 判別することによって、リセット水位以下においても、高精度の水位センサを用いるま でもなく、少量の水が外槽 7に溜められている力否かを判別することができ、確実に 溢水トラップ 45に水を溜めることができる。また、高精度の水位センサを必要としない ので、コストアップを招かない。

[0077] また、溢水トラップ 45だけでなぐ図 13Cに示すように、給水トラップ給水制御が実 行されること〖こよって、オゾン洗浄工程開始前に給水トラップ 24にも水が溜められる。 そのため、外槽 7→給水ホース 17→洗剤収容部 8→外部と連通する経路の一部が、 給水トラップ 24に溜められた水によって水封されるので、その後、オゾン洗浄工程が 開始されても、オゾンが外槽 7→給水ホース 17→洗剤収容部 8→外部と連通する経 路を通ってドラム式洗濯機 1の外部に漏れることを防止することができ、外部にオゾン 臭が漂うことを防止することができる。

[0078] さらに、給水トラップ 24に水を溜める場合においては、図 13Cに示すように、仕上 剤用バルブ 56を「開」にしている時間を微小時間、たとえば、 0. 1秒にすることによつ て、仕上剤用通水路 522に僅かの量の水しか給水されないように制御され、この操 作力 複数回（たとえば、 8回)繰り返される。そのため、 1回の操作で給水される水は 、仕上剤用通水路 522の上側吐水口 535Bの高さより低い位置を流れ、下側吐水口 535Aから流出し、仕上剤収容部 87を経由せずに、洗剤容器収容室 81内部を経て 、給水トラップ 24に給水される。つまり、仕上剤収容部 87を経由しないバイパス給水 路を経て給水トラップ 24に給水される。し力も、この操作が複数回（たとえば、 8回)繰 り返されるため、給水トラップ 24には確実に水を溜めることができる。また、上記バイ ノ ス給水路を経て給水されるため、仕上剤を含まない水道水を給水トラップ 24に溜 めることができ、仕上剤成分が給水トラップ 24に滞留してしまうことを防止することが できる。

<変形例>

この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなぐ請求項記載の範 囲内において種々の変更が可能である。

[0079] たとえば、溢水管 37の、排水ホース 20と溢水管 37との合流位置より上流側に溢水 トラップ 37を設けた力 上記合流位置より排水ホース 20の下流側に設けてもよいし、 上流側および下流側の双方に設けてもよい。なお、このような構成にした場合であつ ても、溢水トラップに確実に水が溜められているか否かを確認する必要があるため、 上記実施形態と同様に、水位センサ 47の検知水位に基づく給水制御（図 13Aおよ び図 13B参照）を行なう必要がある。

[0080] また、溢水トラップ 45への給水は、洗濯物を濡らさな 、ようにするために、除湿水バ ルブ 14を開けて、除湿水を供給することによって行なった力 たとえば、外槽 7内に 洗濯物が収容されて ヽな 、状態であれば、洗濯物が濡れると ヽぅ問題などは生じな いため、洗剤用バルブ 55を開いて、給水ホース 17を介して外槽 7の上部力も水を供 給してちょい。

[0081] また、上記給水トラップ給水制御にぉ 、ては、仕上剤用バルブ 56を複数回（たとえ ば、 8回）開くことによって、給水トラップ 24に水を滞留させた力 ユーザによってエア ゥォッシュコースが選択された場合には、洗剤収容部 8に洗剤および仕上剤が収容さ れないため、洗剤用ノ レブ 55を開くことによって、給水トラップ 24に水を滞留させて もよ 、し、両方のバルブを開くことによって行なってもよ 、。

[0082] また、オゾン発生装置 42に限らず、洗濯物を洗浄、消臭、除菌する滅菌または殺 菌などする気体や、洗濯物に芳香を与える気体を発生させるものであってもよい。 また、ドラム 10は、その軸線が左右方向に延びるように配置された構成に限らず、 たとえば前後方向に延びるような構成であってもよい。この場合、ドラムの軸線は、略 水平方向に延びるような構成に限らず、たとえば水平方向に対して所定角度範囲内

(たとえば、 30° 程度まで)で傾いていてもよい。また、ドラムの軸線が垂直に延びる 構成であってもよい。

また、ドラム式洗濯機 1を、上蓋 2Aを筐体 2の上壁に設けたいわゆるトップオープン タイプの構成とした力 前壁に設けた 、わゆるフロントオープンタイプの構成としても よい。

さらに、ドラム式洗濯機の一例として、乾燥機能を備えたドラム式洗濯機 1を例にと つて説明したが、この発明は、乾燥機能を備えていないドラム式洗濯機や、パルセー タを用いた渦巻式の洗濯機にも適用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 洗濯物を収容し、水を溜めることができ、洗濯、脱水などの処理を行なうための処理 槽と、

前記処理槽に給水するための給水手段と、

前記処理槽に溜められた水を外部に排水するための排水路と、

前記排水路に合流し、前記処理槽に溜められた水が所定量以上になった場合に、 その所定量以上の水を排水するための溢水路と、

前記排水路または前記溢水路の少なくとも一方の一部として設けられ、水を滞留さ せるための排水トラップと、

洗濯物を浄化するための気体を発生し、その気体を前記処理槽に供給するための 気体供給手段と、

前記気体を前記処理槽に供給する前に、前記給水手段を制御することによって、 前記排水トラップに水を溜めるための給水制御手段とを備えることを特徴とする、洗 濯機。

[2] 前記排水路の、前記溢水路の合流位置より上流側に設けられ、前記排水路の流路 を開閉するための排水バルブを備え、

前記給水制御手段は、前記排水バルブを閉じ、前記給水手段を制御することによ つて、前記処理槽に所定量の水を溜めた後、前記排水バルブを開くことにより、前記 排水トラップに水を溜めることを特徴とする、請求項 1記載の洗濯機。

[3] 前記処理槽内の水位を検知するための水位センサを備え、

前記給水制御手段は、前記水位センサが予め定める設定水位を検知した場合に、 前記排水バルブを開くことにより、前記排水トラップに水を溜めることを特徴とする、請 求項 2記載の洗濯機。

[4] 前記給水制御手段は、前記水位センサが前記設定水位を検知しな!、場合に、給 水エラー処理を実行することを特徴とする、請求項 3記載の洗濯機。

[5] 前記給水制御手段は、前記処理槽への給水開始から予め定める第 1時間給水後 に前記水位センサにより検知される第 1設定水位と、前記第 1時間経過後、さらに予 め定める第 2時間給水後に検知される第 2設定水位との水位差が、所定の閾値以上 である場合に、前記排水バルブを開くことにより、前記排水トラップに水を溜めること を特徴とする、請求項 3または 4に記載の洗濯機。

[6] 前記給水手段は、水を前記処理槽へと導くための給水路を有し、

前記給水路の途中に設けられ、給水される水に溶解させる洗剤や仕上剤を収容す るための洗剤収容部と、

前記給水路における前記洗剤収容部の下流側に設けられ、給水される水を滞留さ せるための給水トラップとを備え、

前記給水制御手段は、前記気体を前記処理槽に供給する前に、前記給水トラップ にも水を溜めることを特徴とする、請求項 1な ヽし 5の ヽずれかに記載の洗濯機。

[7] 前記給水路は、前記洗剤収容部を経由させずに前記処理槽に給水するバイパス 給水路を有し、

前記給水制御手段は、前記バイパス給水路を経て前記給水トラップに水を溜めるこ とを特徴とする、請求項 6記載の洗濯機。

[8] 洗濯物を収容し、水を溜めることができ、洗濯、脱水などの処理を行なうための処理 槽と、

前記処理槽に溜められた水を外部に排水するための排水路と、

前記排水路に合流し、前記処理槽に溜められた水が所定量以上になった場合に、 その所定量以上の水を排水するための溢水路と、

前記排水路または前記溢水路の少なくとも一方の一部として設けられ、水を滞留さ せるための排水トラップと、

洗濯物を浄化するための気体を発生し、その気体を前記処理槽に供給するための 気体供給手段と、

一端が前記処理槽の下部に接続され、他端が前記処理槽の別の部位に接続され ていて、前記処理槽内の空気を一端から流出させ、循環させて、他端から処理槽内 へ流入させるための循環風路と、

前記循環風路に接続され、前記循環風路を通る空気中の湿気を取り除くための除 湿水を前記循環風路内に供給する除湿水供給手段と、

前記気体を前記処理槽に供給する前に、前記除湿水供給手段を制御することによ つて、前記循環風路から前記処理槽下部を経て前記排水トラップに水を溜めるため の給水制御手段とを備えることを特徴とする、洗濯機。

前記排水路の、前記溢水路の合流位置より上流側に設けられ、前記排水路の流路 を開閉するための排水バルブを備え、

前記給水制御手段は、前記排水バルブを閉じ、前記除湿水供給手段を制御するこ とによって、前記処理槽に所定量の水を溜めた後、前記排水バルブを開くことにより

、前記排水トラップに水を溜めることを特徴とする、請求項 8記載の洗濯機。