明 細 書
コンタクトプローブ、及びその作製方法
技術分野
[0001] 本発明は、半導体集積回路、半導体集積回路用パッケージ、及びプリント回路基 板等において、その高周波特性の測定に用いられ、特に複数チャンネル信号に対 応するコンタクトプローブ、及びその作製方法に関する。 背景技術
[0002] 近来、電子機器の高速化'高周波化に伴い、機器を構成する電子デバイス、電子 部品、実装部品等について、その高速'高周波信号に対する電気特性を測定検査 する需要が従来に比べ増加している。この測定検査の際に用いられるのが、高周波 コンタクトプローブである。従来の高周波コンタクトプローブは、細線リジッド同軸ケー ブルの先端に微細な金属コンタクトパッドを接続した構成のものが主流であった。製 品としては、例えば、 GGB社、カスケード 'マイクロテック社、ズース 'マイクロテック社 の高周波コンタクトプローブが広く普及してレ、る。
[0003] し力、しながら、従来から広く用いられているコンタクトプローブの多くは、その先端の 電極間ピッチ(信号電極とグランド電極の間隔) ヽ微細なものでも 100 II m程度であ り、 50 μ m未満の微細ピッチを有する集積回路用インターポーザ等の特性評価を行 うのが困難であるという課題があった。
このような課題を解決する技術として、測定対象に接触する信号電極及びグランド 電極を有するプローブ先端部材をプリント回路基板で作製し、同軸ケーブルの先端 に前記プローブ先端部材を半田付けにより電気的に接続する構成が特許文献 1に 開示される。
特許文献 1に開示される構成によれば、プリント配線基板の作製技術によりプロ一 ブ先端部材の電極間ピッチを 50 μ m未満に形成することができ、微細ピッチを有す る測定対象であっても高速 ·高周波信号の測定が可能となる。
特許文献 1:特開 2006— 10678号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] し力 ながら、特許文献 1に開示のコンタクトプローブにあっては、測定機器からの 同軸ケーブルをプローブ先端部材に直接的に接続する際、そのプローブ先端部材 が微小であるために、半田付けによる正確な接続が困難であるという課題があった。
[0005] また、複数の測定対象が存在する場合、各測定対象間のピッチが広ければ、特許 文献 1に示されるような単一チャンネルの高周波プローブを複数用いて測定可能で あるが、各測定対象間のピッチが狭い場合には、 2チャンネル以上の複数チャンネル 信号に対応した高周波コンタクトプローブの利用が不可欠となっている。
[0006] し力しながら、特許文献 1に開示のプローブを含む従来の単一チャンネルの高周波 コンタクトプローブを用いて複数チャンネル対応の高周波プローブを構成する場合、 複数のプローブ先端を例えば横一列に並べる必要があり、 50 μ m以下の微細ピッチ で複数のプローブを並べるのは技術的に困難であるという課題があった。
[0007] 本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、測定機器との電気的接 続が容易であると共に微細ピッチの高速 ·高周波信号の測定を容易且つ正確に行う ことができ、また、複数チャンネルの信号測定に対応することのできるコンタクトプロ一 ブ、及びその作製方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008] 前記課題を解決するためになされた、本発明にかかるコンタクトプローブは、高速 高周波特性の測定評価に用いるコンタクトプローブにおいて、測定対象への接触部 となる信号電極及びグランド電極を有し、前記信号電極及びグランド電極が基板上 の金属配線パターンにより形成された第一のプリント配線基板と、信号線路及び該信 号線路の周りを絶縁層を介して取り囲むシールド電極を有する同軸線路構造の第二 のプリント配線基板とを備え、前記第一のプリント配線基板の信号電極と前記第二の プリント配線基板の信号線路とが電気的に接続され、前記第一のプリント配線基板の グランド電極と前記第二のプリント配線基板のシールド電極とが電気的に接続されて 構成されることに特徴を有する。尚、前記信号電極と前記グランド電極との間の電極 間ピッチは、 10 / m以上〜 50 μ m未満に形成されてレ、ることが望ましい。
[0009] このように、コンタクトプローブをプリント配線基板により作製することによって、電極
間ピッチが微細(例えば 50 β m未満)なプローブ先端部(第一のプリント配線基板)を 容易且つ精度よく形成することができる。したがって、そのプローブ先端を、半導体集 積回路、半導体集積回路用パッケージ、及びプリント回路基板等に形成された微細 ピッチに押し当て、その高速 ·高周波測定を実現することができる。
また、第一のプリント回路基板 (プローブ先端部)と測定機器 (の同軸ケーブル)との 電気的接続に、同軸線路構造を有する第二のプリント回路基板を介すため、その接 続を容易且つ正確に行うことができる。特に微小な構成となる第一のプリント回路基 板と、第二のプリント回路基板との接続は、基板同士の接続であるため、微細バンプ 等を介して行うことができ、容易且つ正確な電気的接続を実現することができる。
[0010] また、第二のプリント回路基板は、同軸線路構造を有するため、高速'高周波信号 の伝送効率を向上すると共に、外来ノイズ及び配線間のクロストーク発生を低減する こと力 Sできる。
また、先端部が非常に微小な構造となる第一のプリント回路基板と、第二のプリント 回路基板との電気接続とは、微細バンプを介して行なうため、接続部分での特性イン ピーダンスの変動が小さく抑えられ、伝送特性を大幅に向上することができる。
尚、第一のプリント回路基板と、第二のプリント回路基板とを 1枚のプリント回路基板 上に一体に作製することは可能であるが、その場合にはビア接続構造を用いる必要 力 Sある。し力しながら、従来のビア接続構造は、高周波特性が悪いため、本発明では 微細バンプ接続を採用している。
[0011] また、前記第二のプリント配線基板において、前記シールド電極と導通するグランド 線路が前記信号線路と同一平面上に形成され、前記信号線路及び前記グランド線 路の上下レ、ずれかの面が所定面積露出するように切り欠き部が形成されてレ、ること が望ましい。
このように第二のプリント配線基板において、切り欠き部を形成することにより第一 のプリント配線基板との接続部を設けられ、その接続を容易に行うことができる。
[0012] また、前記第一のプリント配線基板における信号電極及びグランド電極と、前記第 二のプリント配線基板における信号線路及びシールド電極とは、夫々の基板に複数 系統形成され、前記第一のプリント配線基板の信号電極と前記第二のプリント配線
基板の信号線路とが対応する系統毎に電気的に接続され、前記第一のプリント配線 基板のグランド電極と前記第二のプリント配線基板のシールド電極とが対応する系統 毎に電気的に接続されていることが望ましい。
[0013] このようにプリント配線基板により複数チャンネル (複数系統)の電極を形成すること で、コンタクトプローブ先端において、電極間ピッチが微細(例えば 50 μ m未満)な複 数チャンネルの電極を並べて形成することができる。したがって、複数チャンネルの 測定対象が微細ピッチで存在する場合であっても、この複数チャンネルに対応する コンタクトプローブによって、各チャンネルについて高速 ·高周波信号の測定を行うこ とができる。
また、第二のプリント配線基板の形状を後端(同軸ケーブルとの接続側)の幅が広 い扇状に形成することによって、その後端の隣り合うチャンネルの電極間のピッチを 広くすることができ、測定機器からの同軸ケーブルとの接続を容易に行うことができる
[0014] また、前記課題を解決するためになされた、本発明にかかるコンタクトプローブの作 製方法は、高速高周波特性の測定評価に用いるコンタクトプローブの作製方法にお いて、測定対象への接触部となる信号電極及びグランド電極が金属配線パターンに より形成された第一のプリント配線基板を作製すると共に、信号線路及び該信号線 路の周りを絶縁層を介して取り囲むシールド電極を有する同軸線路構造の第二のプ リント配線基板を作製する工程と、前記第一のプリント配線基板の信号電極に、前記 第二の多層プリント配線基板の信号線路を電気的に接続し、前記第一のプリント配 線基板のグランド電極に、前記第二のプリント配線基板のシールド電極を電気的に 接続する工程とを実行することに特徴を有する。
[0015] このような方法により、プリント配線基板により形成されたコンタクトプローブを作製 することができ、このコンタクトプローブのプローブ先端を、半導体集積回路、半導体 集積回路用パッケージ、及びプリント回路基板等に形成された微細ピッチに押し当て 、その高速 ·高周波測定を実現することができる。
[0016] また、前記第一のプリント配線基板における信号電極及びグランド電極と、前記第 二のプリント配線基板における信号線路及びシールド電極とを、夫々の基板に複数
系統形成し、前記第一のプリント配線基板の信号電極と前記第二のプリント配線基 板の信号線路とを対応する系統毎に電気的に接続し、前記第一のプリント配線基板 のグランド電極と前記第二のプリント配線基板のシールド電極とを対応する系統毎に 電気的に接続することが望ましい。
このような方法により、複数の測定対象が存在する場合、各測定対象間のピッチが 例えば 50 μ m未満と微細であっても、それに対応する複数チャンネル (複数系統)の コンタクトプローブを作製することができ、各チャンネルについて高速'高周波信号の 測定を行うことができる。
尚、第一のプリント配線基板及び第二のプリント配線基板を作製する工程について は、所謂シリコンインターポーザの作製工程に準ずる作製方法を採用することも可能 である。その場合には、微細線路パターン形成の精度が向上して線路の特性インピ 一ダンス制御性が改善し、伝送特性を向上することができる。
[0017] また、前記第一のプリント配線基板を作製する工程において、シリコンまたはガラス からなる基板上に薄膜の金属層を積層するステップと、前記金属層上に絶縁層を積 層するステップと、信号電極及びグランド電極を形成するためのフォトレジストパター ンを前記絶縁層上に形成するステップと、前記フォトレジストパターンが形成された絶 縁層上に金属層を積層するステップと、前記フォトレジストパターンを除去し、前記絶 縁層上に積層された金属層により信号電極及びグランド電極を形成するステップとを 実行することが望ましい。
[0018] 尚、前記第一のプリント配線基板を作製する工程において、シリコンまたはガラスか らなる基板上に薄膜の金属層を積層するステップと、前記金属層上に絶縁層を積層 するステップと、前記絶縁層上に金属層を積層するステップと、最上層の金属層に信 号電極及びグランド電極となる金属配線パターンをエッチングにより形成するステツ プとを実行してもよい。
或いは、前記第一のプリント配線基板を作製する工程において、両面に薄膜の金 属層が貼り合わせてなる絶縁層の上下いずれかの金属層に信号電極及びグランド 電極となる金属配線パターンをエッチングにより形成するステップを実行してもよい。 このようなステップを実行することにより、電極間ピッチが微細(例えば 50 μ m未満)
なプローブ先端部(第一のプリント配線基板)を容易且つ精度よく形成することができ る。
[0019] また、前記第二のプリント配線基板を作製する工程において、両面に薄膜の金属 層が貼り合わせてなる絶縁層の上下いずれかの金属層上に、片面に金属層を貼り 合わせてなる絶縁層の絶縁面を積層するステップと、最上面の金属層に信号線路及 びグランド線路となる金属配線パターンをエッチングにより形成するステップと、前記 金属配線パターンが形成された面に対し、片面に金属層を貼り合わせてなる絶縁層 の絶縁面を積層するステップと、前記信号線路の延長方向に沿って該信号線路の 両側に、上方から下方に向け、前記グランド線路と交差し、前記信号線路より下層の 金属層に達するように夫々溝加工を施すステップと、少なくとも前記溝加工を施した 部分に対して金属メツキ処理を施し、前記信号線路の周りを絶縁層を介して取り囲む シールド電極を形成するステップと、前記信号線路とグランド線路の上下レ、ずれかの 面が夫々所定面積露出するよう切削処理を施すステップとを実行することが望ましレヽ
[0020] このようなステップを実行することにより、同軸線路構造の第二の回路基板を作製 すること力 Sできる。また、第一のプリント配線基板と測定機器からの同軸ケーブルとの 接続をこの第二のプリント配線基板を介して行うことで、夫々との接続を容易に行うこ とができる。
[0021] 尚、前記各絶縁層に、ポリイミド系樹脂、 BCB系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオキサ ゾール系樹脂、エポキシ系樹脂、テフロン (登録商標)系樹脂、もしくはシクロォレフィ ン系榭脂のいずれかによるプリプレダを用いることが望ましい。
また、前記絶縁層に貼り合わされる金属層が、金、銀、銅のいずれかにより形成さ れることが望ましい。
また、前記溝力卩ェを施した部分になされる金属メツキが、銅メツキであることが望まし レ、。
[0022] 本発明によれば、測定機器との電気的接続が容易であると共に微細ピッチの高速' 高周波信号の測定を容易且つ正確に行うことができ、また、複数チャンネルの信号 測定に対応することのできるコンタクトプローブ、及びその作製方法を得ることができ
る。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明に係るコンタクトプローブの第一の実施の形態を示す側面図で ある。
[図 2]図 2は、図 1のコンタクトプローブの下面図である。
[図 3]図 3は、図 1のコンタクトプローブのプローブ本体とプローブ先端部の上方から の斜視図である。
[図 4]図 4は、図 1のコンタクトプローブのプローブ本体とプローブ先端部の下方から の斜視図である。
[図 5]図 5は、プローブ本体の作製方法を示すフローである。
[図 6A]図 6Aは、図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6B]図 6Bは、図 6Aに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6C]図 6Cは、図 6Bに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6D]図 6Dは、図 6Cに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6E]図 6Eは、図 6Dに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6F]図 6Fは、図 6Eに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6G]図 6Gは、図 6Fに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 6H]図 6Hは、図 6Gに続く図 5のフローに対応した工程図である。
[図 7]図 7は、プローブ先端部の作製方法を示すフローである。
[図 8A]図 8Aは、図 7のフローに対応した工程図である。
[図 8B]図 8Bは、図 8Aに続く図 7のフローに対応した工程図である。
[図 8C]図 8Cは、図 8Bに続く図 7のフローに対応した工程図である。
[図 8D]図 8Dは、図 8Cに続く図 7のフローに対応した工程図である。
[図 8E]図 8Eは、図 8Dに続く図 7のフローに対応した工程図である。
[図 9]図 9は、プローブ先端部の他の作製方法を示すフローである。
[図 10A]図 10Aは、図 9のフローに対応した工程図である。
[図 10B]図 10Bは、図 10Aに続く図 9のフローに対応した工程図である。
[図 10C]図 10Cは、図 10Bに続く図 9のフローに対応した工程図である。
[図 10D]図 10Dは、図 IOCに続く図 9のフローに対応した工程図である。
[図 10E]図 10Eは、図 10Dに続く図 9のフローに対応した工程図である。
[図 10F]図 10Fは、図 10Eに続く図 9のフローに対応した工程図である。
[図 11]図 11は、プローブ先端部の他の作製方法を示すフローである。
[図 12A]図 12Aは、図 11のフローに対応した工程図である。
[図 12B]図 12Bは、図 12Aに続く図 11のフローに対応した工程図である。
[図 12C]図 12Cは、図 12Bに続く図 11のフローに対応した工程図である。
[図 12D]図 12Dは、図 12Cに続く図 11のフローに対応した工程図である。
園 13]図 13は、プローブ先端部のコンタクトバンプの作製方法を示すフローである。
[図 14A]図 14Aは、図 13のフローに対応した工程図である。
[図 14B]図 14Bは、図 14Aに続く図 13のフローに対応した工程図である。
[図 14C]図 14Cは、図 14Bに続く図 13のフローに対応した工程図である。
[図 14D]図 14Dは、図 14Cに続く図 13のフローに対応した工程図である。
園 15]図 15は、本発明に係るコンタクトプローブの第二の実施の形態を示す平面図 である。
[図 16A]図 16Aは、図 15のコンタクトプローブのプローブ本体の構成を示す平面図 である。
[図 16B]図 16Bは、図 16Aにおける A— A断面図である。
[図 17A]図 17Aは、図 15のコンタクトプローブのプローブ先端部の構成を示す平面 図である。
[図 17B]図 17Bは、図 17Aにおける B— B断面図である。
園 18A]図 18Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
園 18B]図 18Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
園 19A]図 19Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
園 19B]図 19Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図
)である。
[図 20A]図 20Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 20B]図 20Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 21A]図 21Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 21B]図 21Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 22A]図 22Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 22B]図 22Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 23A]図 23Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 23B]図 23Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 24A]図 24Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 24B]図 24Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 25A]図 25Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 25B]図 25Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 26A]図 26Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
[図 26B]図 26Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図
)である。
園 27A]図 27Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
園 27B]図 27Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
園 28A]図 28Aは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(正面 図)である。
園 28B]図 28Bは、切り欠き部を形成する他の方法を説明するための工程図(側面図 )である。
[図 29]図 29は、切り欠き部を形成する他の方法を説明するためのフローである。 園 30A]図 30Aは、基板に形成した同軸線路に対し、同軸ケーブルを接続する方法 を説明するための図である。
園 30B]図 30Bは、基板に形成した同軸線路に対し、同軸ケーブルを接続する方法 を説明するための図である。
園 30C]図 30Cは、基板に形成した同軸線路に対し、同軸ケーブルを接続する方法 を説明するための図である。
園 31A]図 31Aは、基板に形成した同軸線路に対し、同軸ケーブルを接続する方法 を説明するための図である。
園 31B]図 31Bは、基板に形成した同軸線路に対し、同軸ケーブルを接続する方法 を説明するための図である。
園 31C]図 31Cは、基板に形成した同軸線路に対し、同軸ケーブルを接続する方法 を説明するための図である。
符号の説明
2 プローブ本体(第二のプリント配線基板)
2a 切り欠き部
3 プローブ先端部(第一のプリント配線基板)
4 微細バンプ
5 基板
6 補強板
7 コンタクトバンプ
8 絶縁層
9 金属層
10 金属層
10a 信号電極
10b グランド電極
11 絶縁層
12 金属層
13 金属層
14 絶縁層
15 金属層
15a 信号線路
15b グランド線路
16 絶縁層
17 金属層
18 金属メツキ層
19 溝部
20 プローブ本体 (第二のプ:リント配線基板)
30 プローブ先端部(第一のプリント配線基板)
100 コンタクトプローブ
101 コンタクトプローブ
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明に力かるコンタクトプローブ及びその作製方法の実施の形態につき、 図に基づいて説明する。図 1は、本発明に係るコンタクトプローブの第一の実施の形 態を示す側面図、図 2は、図 1のコンタクトプローブの下面図である。尚、第一の実施 の形態に示すコンタクトプローブは、単一チャンネル(単一系統)に対応する構造の プローブである。
[0026] 図示するようにコンタクトプローブ 100は、測定対象との接触部となるプローブ先端 部 3と、図示しない同軸ケーブル等を介し高周波測定機器と接続されるプローブ本 体 2とを有する。
プローブ先端部 3 (第一のプリント配線基板)とプローブ本体 2 (第二のプリント配線 基板)は、夫々プリント配線基板により形成され、それらが微細バンプ 4を用いた 100 °C〜150°Cの熱圧着により相互に接合されている。尚、この微細バンプ 4は、金、金 合金、銀、銀合金のいずれかにより形成されるのが好ましい。
尚、プローブ先端部 3とプローブ本体 2との電気接続については、微細バンプを用い るものの、熱圧着による接合を形成せずに、圧接により実施することもできる。その場 合、プローブ先端部 3とプローブ本体 2との隙間に熱硬化樹脂を塗布した後、互いに 圧接させ、加熱による硬化収縮によって接触圧力を高め、電気接続を確保することが 可能となる。このような方法は NCP (Non Conductive Paste)工程と呼ばれてい る。
[0027] また、微細バンプ 4による接合のみではプローブとして強度が不十分の虞があるた め、図 1に示すようにプローブ本体 2の上層にシリコンまたはガラスからなる基板 5が 形成され、これにより面一状態になされたプローブ本体 2とプローブ先端部 3の上面 に、樹脂板または金属板等からなる補強板 6が接着剤により接着されて設けられてい る。
尚、基板 5をガラスにより形成した場合、プローブ先端部 3において透過性が得られ、 電極位置に対する視認性が向上するため、測定対象との接触時に位置合わせを容 易とすることができる。その場合には、補強板も透明樹脂等により形成されていること が望ましい。
また、前記したようにプローブ先端部 3とプローブ本体 2との電気接続を圧接により実 現する場合、補強板 6の接着剤、及び、プローブ先端部 3とプローブ本体 2の隙間に 封入された樹脂を剥離用の溶媒、酸などで溶解させてやれば、プローブ先端部 3を 交換すること力 Sできる。
[0028] また、図 2に示すように、プローブ先端部 3の下面の金属配線パターン 10には 3つ の線路が形成され(1本の信号電極 10aと 2本のグランド電極 10b)、夫々の先端に測
定対象と接触するためのコンタクトバンプ 7 (1つの信号用コンタクトバンプ 7aと 2つの グランド用コンタクトバンプ 7b)が設けられている。即ち、中央の信号電極 10aの先端 に設けられた信号用コンタクトバンプ 7aは測定対象から信号を拾うためのコンタクトバ ンプであり、両側のグランド電極 10bの先端に設けられたグランド用コンタクトバンプ 7 bは、測定対象側のグランドレベル信号を拾うためのコンタクトバンプである。尚、信 号用コンタクトバンプ 7aとグランド用コンタクトバンプ 7bとの電極間ピッチは、例えば 1 0〜50 μ mに設定されている。
[0029] また、プローブ本体 2の、プローブ先端部 3が接続されてレ、る側と反対側(後端側) には、図示しない同軸ケーブルが接続可能になされ、その同軸ケーブルを高周波測 定機器等に接続することによって高周波信号の測定が可能になされている。
即ち、このコンタクトプローブ 100によれば、プリント配線基板によりプローブ先端部 3が作製されるため、例えば 50 μ m未満の所望の電極間ピッチを容易に形成するこ とができ、測定対象の微細ピッチに対する測定が可能になされている。また、プロ一 ブ本体 2は、詳細に後述するように同軸線路構造を有しており、これにより、高速 ·高 周波信号の伝送効率を向上すると共に、外来ノイズ及び配線間のクロストーク発生を 低減するようになされている。尚、プローブ本体 2の同軸線路の延長方向の長さ寸法 は任意に設定され形成される。
[0030] また、プローブ本体 2は、前記のように同軸線路構造を有するプリント配線基板によ り作製されるため、そのプローブ先端部 3との接続、及び測定機器からの同軸ケープ ノレとの接続を夫々容易なものとすることができる。即ち、プローブ先端部 3と測定機器 との電気的接続を容易且つ正確に行うことができる。特に微小な構成となるプローブ 先端部 3と、プローブ本体 2との接続は、基板同士の接続であるため、微細バンプ 4を 介して行うことができ、容易且つ正確な電気的接続を実現することができる。
[0031] 続いて、プローブ本体 2とプローブ先端部 3の構造について、さらに詳細に説明す る。図 3は、プローブ本体 2とプローブ先端部 3の上方からの斜視図であり、図 4は下 方からの斜視図である。
先ず、プローブ本体 2の構造について説明する。図 3に示すように、プローブ本体 2 は、多層構造になされたプリント配線基板であって、最下層であるグランド層 13の上
に絶縁層 11、金属層 12、絶縁層 14、金属層 15、絶縁層 16、金属層 17、金属メツキ 層 18が順に積層されている。このうち、金属層 15は、信号線路 15aと、その両側に絶 縁層 14を介し形成されたグランド線路 15bとで構成される。即ち、信号線路 15aは、 グランド線路 15bと電気的に絶縁された状態になされている。
[0032] また、図 3に示すように、信号線路 15a及びグランド線路 15bの延長方向に沿って、 プローブ本体 2の上面から下方に向け、信号線路 15aの両側に(2つの)溝部 19が形 成され、その溝部 19の表面にも金属メツキ層 18が形成されている。ここで溝部 19は 、グランド線路 15bと交差し、さらに金属層 12に達する深さまで形成されるため、金属 メツキ層 18により、金属層 12とグランド線路 15bと金属層 17とが相互に導通状態とな される。即ち、信号線路 15aの周囲を、絶縁層を介して取り囲むシールド電極が形成 された同軸線路構造となされている。
また、図 3に示すように、プローブ本体 2の上部先端には、信号線路 15a及びグラン ド線路 15bの上面が露出し、プローブ先端部 3との接続部が形成されるように切り欠 き部 2aが設けられている。
[0033] 次に、プローブ先端部 3の構成について説明する。プローブ先端部 3は、図 3、図 4 に示すように、絶縁層 8の上層に金属層 9、下層に金属層 10が形成された構造にな され、金属層 10は、前記したように中央に信号電極 10a、その両側にグランド電極 1 Obが形成されている。
[0034] このプローブ先端部 3がプローブ本体 2に接続される際には、信号電極 10aの後端 部 10c (図 4参照)と切り欠き部 2aにおける信号線路 15aの上面(図 3参照)、及びグ ランド電極 10bの後端部 10d (図 4参照)と切り欠き部 2aにおけるグランド線路 15bの 上面(図 3参照)が、前記の微細バンプ 4により電気的に接続されるようになされる。 尚、図 4に示す信号電極 10aの先端部 10eとグランド電極 10bの先端部 10fに、図 2 に示したコンタクトバンプ 7a、 7bが夫々設けられるようになされている。
[0035] 続いて、プローブ本体 2とプローブ先端部 3の作製方法について説明する。最初に 、図 5のフロー及び、そのフローに対応した図 6A乃至図 6Hの工程図に従レ、、同軸 線路構造を有するプローブ本体 2の作製方法について説明する。
[0036] 先ず、図 6Aに示すように、絶縁層 11の両面に薄膜の金属層 12、 13が貼り合わせ
てなる両面金属貼り樹脂コア基板を用意する(図 5のステップ SI)。
次いで、図 6Bに示すように、金属層 12上に、片面に金属層 15を貼り合わせてなる 絶縁層 14を積層する。具体的には金属層 12上に片面金属貼り樹脂プリプレダを熱 圧着する(図 5のステップ S2)。これにより、金属層 12の上に絶縁層 14、その上に金 属層 15が形成される。
また、図 6Bに示すように金属層 15の上にフォトレジスト Rを塗布し(図 5のステップ S
3)、露光 ·現像処理により所定のレジストパターンを形成する(図 5のステップ S4)。
[0037] 次いで、図 6Cに示すように、レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を行レ、、 金属層 15に金属配線パターンを形成する(図 5のステップ S5)。これにより、信号線 路 15a、グランド線路 15bの金属配線パターンが形成される。
金属層 15のパターン形成がなされフォトレジスト Rが除去されると、図 6Dに示すよう に、その上に片面に金属層 17を貼り合わせてなる絶縁層 16を積層する。具体的に は、金属層 15 (金属配線パターン)上に片面金属貼り樹脂プリプレダを熱圧着する( 図 5のステップ S6)。これにより絶縁層 16、金属層 17が積層され、ストリップ線路 (信 号線路 15a)が形成される。
[0038] 次いで、図 6Fに示すように、信号線路 15aの延長方向に沿って信号線路 15aの両 側に、上方から下方に向け、グランド線 15bに交差し、且つ、信号線路 15aよりも下層 の金属層、即ち金属層 12に達するようレーザービーム照射、エンドミル等の方法によ り溝加工処理がなされる(図 5のステップ S7)。
そして、図 6Gに示すように、上面及び溝部 19に金属メツキ処理がなされる(図 5の ステップ S8)。この金属メツキ層 18により、金属層 12と金属層 17とが導通し、同軸線 路構造のプリント配線基板が形成される。
[0039] 次いで、図 6Hに示すように、この同軸線路構造のプリント配線基板の先端上部に 切削加工により切り欠き部 2aが形成される。これにより、信号線路 15a及びグランド線 路 15bの上面が所定面積露出し、プローブ先端部 3との接続部が形成され、全体の 成形処理後、プローブ本体 2が完成する(図 5のステップ S9)。
[0040] 尚、前記各絶縁層は、ポリイミド系樹脂、 BCB系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオキサ ゾール系樹脂、エポキシ系樹脂、テフロン (登録商標)系樹脂、もしくはシクロォレフィ
ン系榭脂のいずれかによるプリプレダであるのが好ましい。
また、前記各金属層は、金、銀、銅のいずれかにより形成されることが望ましぐ金 属メツキ層 18は、銅メツキであることが望ましい。
また、前記切り欠き部 2aを形成する方法については、特開平 10— 242594号公報 及び、特開 2001— 156444号公報に開示の方法、即ち、プリント基板内に開口部を 形成するプリント配線基板の製造方法を適用することも可能である。
その方法とは、予め切り欠きを形成したい部分に対応するプリント回路のプリプレダ 層に切り欠きを設ける一方、通常の積層プロセスを経てプリント配線基板を作製し、 それらを一体化させるものである。
[0041] 以下、その具体例を図 18A乃至図 28Bの工程図を用レ、、図 29のフローに沿って 説明する。尚、図 18A、図 19A、図 20A、図 21A、図 22A、図 23A、図 24A、図 25 A、図 26A、図 27A、図 28Aは夫々、作製されるプローブ本体 2の正面側から見た図 、図 18B、図 19B、図 20B、図 21B、図 22B、図 23B、図 24B、図 25B、図 26B、図 2 7B、図 28Bは、それらに対応する側面図である。
[0042] 先ず、図 18A,図 18Bに示すように、絶縁層 14の両面に薄膜の金属層 15、 12が 貝占り合わせてなる両面金属貼り樹脂コア基板を用意する(図 29のステップ ST1)。 次いで、図 19A、図 19Bに示すように金属層 15の上にフォトレジスト Rを塗布し(図 29のステップ ST2)、露光.現像処理により所定のレジストパターンを形成する(図 29 のステップ ST3)。
次いで、図 20A、図 20Bに示すように、レジストパターンをマスクとしてエッチング処 理を行い、金属層 15に金属配線パターンを形成する(図 29のステップ ST4)。これに より、金属配線パターンが形成される(以下、金属層 15を金属配線パターン 15とも呼 ぶ)。
[0043] 金属層 15のパターン形成がなされフォトレジスト Rが除去されると、図 21A、図 21B に示すように、上面に金属層 17を貼り合わせてなる半硬化性樹脂層 51を用意し(図 29のステップ ST5)、図 22A、図 22Bに示すように、半硬化性樹脂層 51の先端部分 に切削加工を施す(図 29のステップ ST6)。尚、半硬化性樹脂層 51は、一般にノン フロー樹脂、ローフロー樹脂とも呼ばれるプリキュア状態の樹脂層からなり、半硬化状
態のエポキシ樹脂、フエノール樹脂、イミド樹脂、 BT樹脂、テフロン (登録商標)の榭 脂等が用いられる。
[0044] そして、図 23A、図 23Bに示すように、半硬化性樹脂層 51を金属配線パターン 15 上に熱プレスし、これにより半硬化性樹脂層 51が完全に硬化する(図 29のステップ S
T7)。また、このとき、図示するように、切削加工を施した半硬化性樹脂 51の部位が 中空状態となっている。
次に、図 24Α、図 24Βに示すように、下面に金属層 13を貼り合わせてなる絶縁層 1
1 (片面金属貼り樹脂プリプレダ)を金属層 12の下面から補強のために熱圧着する( 図 29のステップ ST8)。
補強され、図 25A、図 25Bの状態となると、図 26A、図 26Bに示すように、金属層 1
2に達するようレーザービーム照射、エンドミル等の方法により溝加工処理がなされる
(図 29のステップ ST9)。
[0045] そして、図 27A、図 27Bに示すように、上面及び溝部 19に金属メツキ処理(無電解 銅めつき処理)がなされる(図 29のステップ ST10)。この金属メツキ層 18により、金属 層 12と金属層 17とが導通し、同軸線路構造のプリント配線基板が形成される。
次いで、図 28A、図 28Bに示すように、中空状態であった半硬化性樹脂層 51の部 分が切削により取り除かれ、切り欠き部 2aが形成される(図 29のステップ ST11)。
[0046] 続いて、図 7のフロー及び、そのフローに対応した図 8A乃至図 8Eの工程図に従い
、図 1に示す基板 5上に、プローブ先端部 3 (コンタクトバンプ 7無し)をリフトオフ法に より作製する方法について説明する。
[0047] 先ず、図 8Aに示すように、シリコンまたはガラスからなる基板 5の上面に、真空蒸着
、スパッタ、 CVD、メツキ等のいずれかの手法により、金属層 9を形成し(図 7のステツ プ S11)、さらに、金属層 9上に絶縁層 8を形成する(図 7のステップ S12)。
次に絶縁層 8にフォトレジスト Rを塗布し(図 7のステップ S13)、露光、現像処理によ り図 8Dに示すようにレジストパターンを形成する(図 7のステップ S14)。
[0048] 次いで、図 8Dに示すようにレジストパターンが形成された絶縁層 8上に真空蒸着、 スパッタ、 CVD、メツキ等のいずれかの手法により金属層 10を堆積する(図 7のステツ プ S15)。
そして、図 8Eに示すように、基板を溶媒に浸潤することにより、フォトレジスト Rを除 去する。これによりレジストパターン上の金属層 10が除去され、絶縁層 8上に信号電 極 10a及びグランド電極 10bの金属配線パターンが形成されてプローブ先端部 3が 完成する(図 7のステップ S16)。
[0049] 続いて、図 9のフロー及び、そのフローに対応した図 10A乃至図 10Fの工程図に 従レ、、図 1に示す基板 5上に、プローブ先端部 3 (コンタクトバンプ 7無し)をエッチング 法により作製する方法について説明する。
[0050] 先ず、図 10Aに示すように、シリコンまたはガラスからなる基板 5の上面に、真空蒸 着、スパッタ、 CVD、メツキ等のいずれかの手法により金属層 9を形成し(図 9のステツ プ S21)、さらに、金属層 9上に絶縁層 8を形成する(図 9のステップ S22)。
次いで、図 10Cに示すように、絶縁層 8上に、真空蒸着、スパッタ、 CVD、メツキ等 のいずれかの手法により金属層 10を形成する(図 9のステップ S23)。
次に金属層 10上にフォトレジスト Rを塗布し(図 9のステップ S24)、露光、現像処理 により図 10Dに示すようにレジストパターンを形成する(図 9のステップ S25)。
[0051] そして、図 10Eに示すように、化学またはプラズマエッチングによりレジストパターン をマスクとして金属層 10をカ卩ェし、信号電極 10a及びグランド電極 10bとなる金属配 線パターンを形成する(図 9のステップ S26)。
最後に、基板を溶媒に浸潤することにより、図 10Fに示すようにフォトレジスト Rを除 去する。これによりプローブ先端部 3が完成する(図 9のステップ S27)。
尚、以上の図 9のフローに基づき説明した作製方法によれば、電極間ピッチを 10 μ m未満(下限は 2 μ m)に形成することが可能である。
[0052] 続いて、図 11のフロー及び、そのフローに対応した図 12A乃至図 12Dの工程図に 従レ、、基板 5を用いずにプローブ先端部 3 (コンタクトバンプ 7無し)をエッチング法に より作成する方法について説明する。
[0053] 先ず、図 12Aに示すように、絶縁層 8の両面に薄膜の金属層 9、 10が貼り合わせて なる両面金属貼り樹脂コア基板を用意する(図 11のステップ S31)。
次に金属層 10にフォトレジスト Rを塗布し(図 11のステップ S32)、露光、現像処理 により図 12Bに示すようにレジストパターンを形成する(図 11のステップ S 33)。
[0054] そして、図 12Cに示すように、化学またはプラズマエッチングによりレジストパターン をマスクとして金属層 10をカ卩ェし、信号電極 10a及びグランド電極 10bとなる金属配 線パターンを形成する(図 11のステップ S34)。
最後に、基板を溶媒に浸潤することにより、図 12Dに示すようにフォトレジスト Rを除 去する。これによりプローブ先端部 3が完成する(図 11のステップ S35)。
尚、以上の図 11のフローに基づき説明した作製方法によれば、 10 z mを下限とす る電極間ピッチを形成することが可能である。
[0055] 尚、図 7〜図 12Dを用いて説明したプローブ先端部 3の作製方法において、プロ一 ブ先端部 3の各絶縁層は、ポリイミド系樹脂、 BCB系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオ キサゾール系樹脂、エポキシ系樹脂、テフロン (登録商標)系樹脂、もしくはシクロォ レフイン系樹脂のいずれかによるプリプレダであるのが好ましい。また、前記各金属層 は、金、銀、銅のいずれかにより形成されることが望ましい。
[0056] 続いて、図 13のフロー及び、そのフローに対応した図 14A乃至図 14Dの工程図に 従レ、、プローブ先端部 3にコンタクトバンプ 7を形成する方法について説明する。尚、 この説明においては、基板 5上に形成されたプローブ先端部 3に、コンタクトバンプ 7 を設ける場合を例に説明する。
[0057] 先ず、図 14Aに示すように、図 7または図 9の工程により作製されたコンタクトバンプ が未形成のプローブ先端部 3 (プリント配線基板)を用意する(図 13のステップ S41) 次いで、金属層 10上にフォトレジスト Rを塗布し(図 13のステップ S42)、図 14Bに 示すように、露光、現像によりレジストパターン Rを形成する(図 13のステップ S43)。
[0058] そして、図 14Cに示すようにレジストパターン R上に金、銀、銅等のいずれかを真空 蒸着、スパッタ、 CVD、メツキ等のいずれかの手法により堆積し、コンタクト層 7を形成 する(図 13のステップ S44)。
そして、図 14Dに示すように、基板を溶媒に浸潤することにより、フォトレジスト Rを 除去する。これによりレジストパターン上のコンタクト層 7が除去され、信号電極 10a上 に信号用コンタクトバンプ 7a、グランド電極 10b上にグランド用コンタクトバンプ 7bが 形成される(図 13のステップ S45)。
尚、コンタクトバンプ 7の金属材料として、コンタクト耐久性が必要な場合は、硬度の 高い金属が望ましレ、。そのようなものとして、例えば、 Ni、 Ni合金、 W、 W合金、 Pt、 P t合金等が挙げられる。このうち、 Ni、 Ni合金については、表面の酸化を防ぐために Auめっき処理を施すことが望ましレ、。
[0059] 以上のように、本発明に係る第一の実施の形態によれば、コンタクトプローブ 100を プリント配線基板により作製することによって、電極間ピッチが微細(例えば 50 μ m未 満)なプローブ先端部 3を容易に且つ精度よく形成することができる。
したがって、プローブ先端 3を、半導体集積回路、半導体集積回路用パッケージ、 及びプリント回路基板等に形成された微細ピッチに押し当て、その高速'高周波測定 を実現すること力 Sできる。
[0060] また、プローブ先端部 3と測定機器との電気的接続に、プローブ本体 2を介すため 、その接続を容易且つ正確なものとすることができる。即ち、プローブ本体 2は、同軸 線路構造を有するプリント配線基板により作製されるため、そのプローブ先端部 3との 接続、及び測定機器からの同軸ケーブルとの接続を夫々容易なものとすることができ る。特に微小な構成となるプローブ先端部 3と、同軸線路構造を有するプローブ本体 2との接続は、基板同士の接続であるため、微細バンプ 4を介して行うことができ、容 易且つ正確な電気的接続を実現することができる。
また、プローブ本体 2が同軸線路構造を有することにより、高速'高周波信号の伝送 効率を向上すると共に、外来ノイズ及び配線間のクロストーク発生を低減することが できる。
[0061] 尚、前記した第一の実施の形態においては、信号用コンタクトバンプ 7aとグランド 用コンタクトバンプ 7bとの電極間ピッチを 10〜50 μ mとしたが、本発明のコンタクトプ ローブはそれに限定されるものではなぐ電極間ピッチを 10 μ m未満或いは 50 μ m 以上に形成する場合であっても、本発明のコンタクトプローブ、及びその作製方法を 適用することができ、前記の作用効果を得ることができる。
[0062] 続いて、図 15乃至図 17Bに基づき、本発明に係る第二の実施の形態として、複数 チャンネル (複数系統)に対応するコンタクトプローブについて説明する。
図 15は、本発明に係るコンタクトプローブの第二の実施の形態を示す平面図であ
る。図 16Aは、図 15のコンタクトプローブのプローブ本体の構成を示す平面図であつ て、図 16Bはその正面図(A— A矢視図)である。また、図 17Aは、図 15のコンタクト プローブのプローブ先端部の構成を示す平面図であって、図 17Bはその正面図(B _B矢視図)である。
[0063] 尚、第二の実施の形態に示すコンタクトプローブは、前記第一の実施の形態で示し た作成方法と同様の工程により作製することができるため、その作製方法についての 詳細な説明を省略する。また、同一部材については同一の符号で示し、その詳細な 説明を省略する。
[0064] 図 15に示すコンタクトプローブ 101は、プローブ本体 20とプローブ先端部 30とが 図示しなレ、微細バンプを用いた熱圧着により相互に接合され形成されてレ、る。図 15 に示すコンタクトプローブ 101は、複数チャンネル信号(図では例として 8チャンネル を示す)に対応可能に構成されており、プローブ本体 20の後端に図示しない測定機 器からの同軸ケーブル 40の先端が接続可能になされている。
図示するように、プローブ本体 20は、先端の幅が狭く後端の幅が広い扇状に形成 され、隣接する同軸ケーブル間のピッチが広くなされているため、複数の同軸ケープ ル 40を横並びに容易に接続することができる。
[0065] また、プローブ本体 20は、図 16A、図 16Bに示すように先端部に切り欠き部 20aが 形成されており、この切り欠き部 20aにプローブ先端部 30の後端が接続される。切り 欠き部 20aには、夫々が対応する同軸ケーブル 40に接続された複数の同軸線路 20 bの先端が所定のピッチで横並びに形成されており、夫々の信号線路 15a及びダラ ンド線路 15bの上面が露出した状態となされている。
[0066] 一方、プローブ先端部 30は、図 17A、図 17Bに示すように、プローブ本体 20と同 様に先端の幅が狭く後端の幅が広い扇状に形成され、後端において隣り合う信号電 極 10aのピッチは、プローブ本体 20の切り欠き部 20aで横並びに露出した信号線路 15aと同じピッチで形成されている。
[0067] また、測定対象に対してコンタクト部となるプローブ先端部 30の先端は、複数チヤ ンネルの信号電極 10a及びグランド電極 10bが横並びに形成される。尚、プローブ先 端において隣り合う信号電極 10aとグランド電極 10bとの間のピッチ、及び信号電極
10a間のピッチは、夫々例えば 10〜50 μ ΐηの所定値に形成されている。
このように、複数チャンネルに対応するプローブ先端部 30は、第一の実施の形態 で説明したようにプリント配線基板の形成技術により作製されるため、隣り合う電極間 のピッチが例えば 50 μ m未満の微細ピッチであっても、所望のピッチで複数のコンタ タト電極を容易に並べて形成することができる。
[0068] 以上のように、本発明に係る第二の実施の形態によれば、プローブ先端部 30をプ リント配線基板で作製することにより、コンタクトプローブ先端において、電極間ピッチ が微細(例えば 50 μ m未満)な複数チャンネルの電極を並べて形成することができる 。したがって、複数チャンネルの測定対象が微細ピッチで存在する場合であっても、 複数チャンネルに対応するコンタクトプローブ 101によって、各チャンネルについて 高速 ·高周波信号の測定を行うことができる。
また、プローブ本体 2の形状を後端の幅が広い扇状に形成することによって、後端 の隣り合うチャンネル間のピッチを広くすることができ、測定機器からの同軸ケーブル との接続を容易に行うことができる。
[0069] 尚、前記した第二の実施の形態においては、信号電極 10aとグランド電極 10bとの 間のピッチ、及び信号電極 10a間のピッチを、夫々例えば 10〜50 μ ΐηとした力 本 発明のコンタクトプローブはそれに限定されるものではなレ、。即ち、本発明のコンタク トプローブの作製方法によれば、例えば電極間ピッチを夫々 ΙΟ μ ΐη未満、或いは 50 β m以上に形成する場合であっても、従来の作製方法では実現困難な 8チャンネル 、 16チャンネルといった多チャンネルのコンタクトプローブを容易に得ることができ、 前記の作用効果を得ることができる。
[0070] また、前記実施の形態で示した方法により、図 30Aに示すような複数の同軸線路 5 5が並列に形成された基板 54を作製し、同軸線路 55と同軸ケーブルとを接続する場 合には、次のように行なうことができる。
先ず、図 30Bに示すように、基板 54において、同軸ケーブルと接続する部分、即ち 各同軸線路 55の先端部分において信号線路 56及びグランド電極 57が上側に露出 するように切り欠き部 55aを形成する。
一方、図 30Cに示すように、同軸ケーブル 60において、同軸線路 55と接続する部
分、即ち同軸ケーブル 60の先端部に、信号線路 61及びグランド電極 62が上面に露 出するように切り欠き部 60aを形成する。
[0071] そして、図 31Aに示すように、基板 54における同軸線路 55の切り欠き部 55aと、同 軸ケーブル 60の切り欠き部 60aとを互いに向かい合わせ、さらに図 31Bに示すように 互いの信号線路とグランド電極とを電気的に接触させた状態で接合する。
[0072] 尚、同軸線路 55と同軸ケーブル 60との接合は、接合を行なう同軸線路 55のメタル 部分と同軸ケーブル 60のメタル部分とを共に、予め、半田に馴染ませておき、接合 部位同士の接触後に、全体を加熱することで実現される。
このような接合方法によれば、同軸構造が略維持された接続が可能となるため、接 続部の伝送特性の劣化を抑えることができる。
また、前記接合方法により、図 31Cに示すように、複数の同軸線路 55に対して複数 の同軸ケーブル 60を接続することができる。
産業上の利用可能性
[0073] 本発明にかかるコンタクトプローブは、半導体集積回路、半導体集積回路用パッケ ージ、及びプリント回路基板等において、その高速'高周波特性の測定評価に用い ること力 Sできる。