JP2014013196A - 高周波プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】交換が容易で、伝送特性に優れ、しかも、安価かつ微細ピッチに対応できる高周波プローブを提供する。
【解決手段】外部機器からの同軸ケーブル42が接続されるコネクタ31と、一端が被検査体の電極に接触される接触子12とされる信号配線体およびグランド配線体が微小電気機械システム技術によって基材上に形成されたMEMSプローブ101と、MEMSプローブ101とコネクタ31との間に設けられて信号配線体およびグランド配線体の他端からなる端子部とコネクタ31のコネクタ端子47とを導通させるインピーダンス整合された高周波基板33と、を備え、MEMSプローブ101が高周波基板33に対して着脱可能とされている。
【選択図】図6

Description

本発明は、高周波帯域で駆動するデバイスなどを検査する際に用いられる高周波プローブに関する。
近年、電子機器に搭載される半導体デバイスの微細化の開発が積極的に行われているなか、これらを試験するために、電極の微細ピッチ化に対応可能かつ高周波(例えば、20GHz以上)の周波数帯域のデバイスの特性検査が可能な高周波プローブが必要となってきている。
デバイスの検査用プローブとしては、基板上にメッキ析出させて間隔が一定に設けられた信号線とGND線と、プローブ針と、コネクタ接点に接続されたコネクタと、信号線の周囲を電気的に絶縁する中空構造と、これらを覆うメタルボディとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、一方の先端で被検査体の信号電極およびグランド電極に押し付け他方の端部に電気信号を入出力する第一の伝送路を有する先端ユニットと、外部接続コネクタ、中継基板、先端部ガイドおよび先端ユニット位置決め部を有する本体ユニットと、本体ユニットの先端部ガイドおよび先端ユニット位置決め部に嵌め込まれた先端ユニットの第一の伝送路を第二の伝送路に押し付けて電気的に接続する押さえブロックとを備えるものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−196821号公報 特開平11−258270号公報
ところで、フォトリソグラフィー等の微小電気機械システム技術であるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いてウエハ上に配線を形成し、その配線を基板上に転写して製造されるような特許文献1に記載のプローブでは、転写工程によって基板へ配線を貼り付けることとなる。したがって、基板と配線との間に接着材が介在し、このため、伝送損失が増大して高周波伝送特性が劣化してしまう。また、検査対象となるデバイスの種類が変わった際に、プローブ針を配線ごと交換しなければならず、その交換作業に多大な手間を要するとともに、コストが嵩んでしまう。また、デバイスに対して接触子を円滑に接触させるために、プローブの配線部分は、コネクタから接触子までの距離がある程度長くなり、伝送損失が増大してしまうという問題もある。
特許文献2に記載のプローブは、接触子を有する先端ユニットを交換して各種のデバイスに対応することが可能であるが、コネクタを除くほぼ大半の部品を交換することとなり、コストが嵩んでしまう。
本発明の目的は、交換が容易で、伝送特性に優れ、しかも、安価かつ微細ピッチに対応できる高周波プローブを提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明の高周波プローブは、
外部機器からのケーブルが接続されるコネクタと、
一端が被検査体の電極に接触される接触子とされる配線体が微小電気機械システム技術によって基材上に形成されたプローブと、
前記プローブと前記コネクタとの間に設けられて前記配線体の他端からなる端子部と前記コネクタの端子とを導通させるインピーダンス整合された高周波基板と、を備え、
前記プローブが前記高周波基板に対して着脱可能とされていることを特徴とする。
また、本発明の高周波プローブにおいて、
前記高周波基板は、表面に信号配線パターンとグランド配線パターンとを有し、
前記グランド配線パターンは、前記高周波基板の裏面に形成された金メッキ層に導通していることが好ましい。
また、本発明の高周波プローブにおいて、
前記高周波基板は、補強板上に配置され、
前記プローブは、前記高周波基板を挟んで前記補強板に装着されるアタッチメントに固定され、
前記配線体の前記端子部は、前記補強板への前記アタッチメントの装着方向へ向かって屈曲され、
前記アタッチメントが前記補強板に装着されることで、前記配線体の前記端子部が前記高周波基板の配線パターンに押し付けられて導通されることが好ましい。
また、本発明の高周波プローブにおいて、
前記高周波基板は、補強板上に配置され、
前記プローブは、前記補強板に装着され、前記配線体の端子部が前記高周波基板の配線パターンに接合されることが好ましい。
また、本発明の高周波プローブにおいて、
前記補強板は、前記高周波基板の裏面に形成された前記金メッキ層と面接触する金メッキ層を有することが好ましい。
また、本発明の高周波プローブにおいて、
前記プローブは、前記配線体が前記基材に直接接合されて設けられ、前記配線体の一部が前記基材の外縁から突出されて前記接触子とされていることが好ましい。
本発明の高周波プローブによれば、微小電気機械システム技術によって極小サイズ化が可能なプローブとコネクタとの間、すなわち、コネクタから先の信号等の電気経路の大部分がインピーダンス整合された高周波基板に置き換えられている。これにより、確実かつ容易にインピーダンス整合を図ることができ、電気信号の損失、反射を最小限に抑制できる。従って、高周波領域で良好な電気特性を確保できる。
しかも、プローブが着脱可能であるため、プローブを交換して電極ピッチ等の異なる各種の被検査体に対応させることができる。また、プローブだけを交換することができるので、プローブ以外の他の部材の全てを再利用することができ、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、極小サイズ化が可能なプローブを用いたことで、プローブを交換した際のプローブ毎の特性の差異を抑制することができる。
本発明に係る高周波プローブの一実施形態を示す使用時の姿勢での斜視図である。 本発明に係る高周波プローブの組み立て側から視た斜視図である。 高周波プローブの先端部における斜視図である。 プローブアッシを取り外した状態の高周波プローブの斜視図である。 高周波プローブの分解斜視図である。 高周波プローブの断面図である。 高周波プローブの一部の拡大斜視図である。 高周波基板の斜視図である。 高周波基板の裏面側から視た斜視図である。 高周波基板の拡大斜視図である。 高周波基板の概略断面図であり、(a)はソルダーレジストが形成された部分の概略断面図であり、(b)はソルダーレジストが形成されていない部分の概略断面図である。 補強板の斜視図である。 プローブアッシの裏面側から視た斜視図である。 組み付け前の状態のコネクタアッシ及びプローブアッシの先端部における側面図である。 MEMSプローブの斜視図である。 組み付けた状態のコネクタアッシ及びプローブアッシの先端部における側面図である。 変形例に係る高周波プローブの先端部における斜視図である。 コンデンサの設置状態を示す高周波基板の一部の斜視図である。 コンデンサの設置状態を示すMEMSプローブの一部の斜視図である。
以下、本発明に係る高周波プローブの実施の形態の一例を、図面を参照して説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態に係る高周波プローブ11は、図示しないマニピュレータの先端に装着される取付ブロック15を有している。この高周波プローブ11は、図3に示すように、先端部に接触子12を有しており、マニピュレータによって移動されて半導体デバイス等の被検査体の電極に接触子12が押し付けられて導通される。そして、この状態で、被検査体の検査が行われる。
マニピュレータに取り付けられる取付ブロック15は、アルミニウムから形成されたもので、その表面には、絶縁メッキが施されている。この取付ブロック15には、その先端に、後述する一対の挿通孔16(図5参照)が形成されており、これらの挿通孔16には、それぞれ固定ボルト17が挿通される。
また、高周波プローブ11は、図4に示すように、コネクタアッシ21と、このコネクタアッシ21に着脱可能に取り付けられるプローブアッシ22とを有している。コネクタアッシ21は、取付ブロック15の挿通孔16に挿通された固定ボルト17によって取付ブロック15に締結固定されている。また、プローブアッシ22は、コネクタアッシ21に、固定ネジ23によって固定されている。
まず、図5〜図12を参照してコネクタアッシ21の構成について説明する。
図5に示すように、コネクタアッシ21は、コネクタ31、コネクタブロック32、高周波基板33、補強板34およびフランジ35を有している。
図6に示すように、コネクタ31は、導電性金属材料から形成されたもので、コネクタブロック32に固定されている。このコネクタ31には、その中心に信号導体40が設けられている。また、このコネクタ31には、後端側に接続穴41が形成されており、この接続穴41に、試験装置等の外部機器からの同軸ケーブル(ケーブルの一例)42が挿し込まれて接続される。
同軸ケーブル42は、中心導体43の周囲に絶縁体44、外部導体45及び外被46が順に設けられたもので、コネクタ31と接続される端末部分では、中心導体43および外部導体45が露出されている。そして、このように中心導体43および外部導体45を露出させた同軸ケーブル42の端末部分を接続穴41に挿し込むと、中心導体43が信号導体40に導通され、また、外部導体45がコネクタ31に導通される。
また、コネクタ31には、前方側へ延在するコネクタ端子(コネクタの端子の一例)47を有している。このコネクタ端子47には、その中心に、信号導体40に接続された端子線48が設けられており、この端子線48の端部は、コネクタ端子47の端部から突出されている。
コネクタブロック32には、その後面側にコネクタ31が取り付けられている。コネクタブロック32は、導電性金属材料から形成されたものである。コネクタブロック32には、端子挿入孔51が形成されており、この端子挿入孔51にコネクタ31のコネクタ端子47が挿入されている。
そして、図7に示すように、コネクタブロック32の前面側には、端子挿入孔51に挿入されたコネクタ端子47の端子線48が突出されている。また、コネクタブロック32は、両側から前方へ向かって突出する固定部52を有しており、これらの固定部52には、上下に貫通する挿通孔53(図5参照)が形成されている。
図8および図9に示すように、高周波基板33は、平面視略三角形状に形成されており、後端から先端へ向かって次第に幅が狭くされている。この高周波基板33には、その表面における中心に、信号配線パターン(配線パターンの一例)62が前後方向にわたって形成されている。また、高周波基板33の表面には、信号配線パターン62の両側に、隙間をあけてグランド配線パターン(配線パターンの一例)63が形成されている。信号配線パターン62は、その幅寸法が240±5μmとされており、また、信号配線パターン62とグランド配線パターン63との間隔は、215±5μmとされている。
この高周波基板33には、後端側に、一対の取付孔64が形成されている。また、この高周波基板33には、前後方向の中間部分に、一対の固定孔65および一対の位置決め孔66が形成されている。さらに、図10に示すように、この高周波基板33には、グランド配線パターン63における信号配線パターン62側の縁部近傍に、前後方向に沿って配列する複数のスルーホール67が形成されている。
図11(a)に示すように、高周波基板33は、フッ素樹脂からなる基材71を有しており、図8および図10において斜線が付された部分は、この基材71の表面に、銅層72および表面保護用のソルダーレジスト層75がこの順に積層されて構成されている。また、図11(b)に示すように、図8および図10において斜線が付された部分の外側の部分は、基材71の表面に、銅層72、無電解ニッケル層73および無電解金めっき層74がこの順に積層されて構成されている。この高周波基板33は、周波数特性を調整した基板であり、例えば、インピーダンスを所定値(約50Ω)に整合させたものである。
この高周波基板33の具体的な特性としては、誘電正接が、0.001より小さくされており、比誘電率が2.3より小さくされている。なお、この高周波基板33は、誘電正接が0.0001〜0.001であれば、より優れた高周波特性が得られる。また、高周波基板33の比誘電率としては、1.0〜2.3であることが好ましい。また、この高周波基板33には、表面、裏面およびスルーホール67の内面に金メッキが施されている。これにより、高周波基板33は、表面側のグランド配線パターン63と裏面側の金メッキ層とがスルーホール67を介して導通されることとなる。そのため、グランドの面積をより広くとることができるため、優れた高周波特性が得られる。また、高周波基板33の裏面全体に金メッキを施すことで、より優れた高周波特性が得られる。
図12に示すように、補強板34は、平面視略三角形状に形成されており、後端から先端へ向かって次第に幅が狭くされている。この補強板34は、アルミニウムからなる板体から形成されたもので、その外面には、金メッキが施されている。この補強板34には、後端側に、一対の取付孔84が形成されている。また、この補強板34には、前後方向の中間部分に、一対の固定孔85および一対の位置決め孔86が形成されている。
図5に示すように、フランジ35は、略直方体形状に形成されたもので、その両側部近傍には、ネジ孔91が形成されている。このフランジ35は、導電性金属材料から形成されたものである。
コネクタ31、コネクタブロック32、高周波基板33、補強板34およびフランジ35からなるコネクタアッシ21を取付ブロック15に組み付けるには、まず、取付ブロック15の挿通孔16へ固定ボルト17を挿入する。そして、この固定ボルト17を、コネクタブロック32の固定部52の挿通孔53へ挿入する。さらに、この固定ボルト17を、高周波基板33の取付孔64、補強板34の取付孔84へ順に挿入し、フランジ35のネジ孔91へねじ込む。
このようにして取付ブロック15にコネクタアッシ21を組み付けると、図6および図7に示すように、高周波基板33および補強板34が互いに重ね合わされてコネクタブロック32の固定部52とフランジ35とで挟持される。これにより、高周波基板33のグランド配線パターン63が取付ブロック15の固定部52に当接されて導通される。さらに、高周波基板33の信号配線パターン62には、コネクタ31の端子線48の端部が押し付けられて導通接触される。また、補強板34は、フランジ35と当接されて導通される。これにより、高周波基板33のグランド配線パターン63は、スルーホール67、裏面側の金メッキ層および補強板34を介してフランジ35と導通される。
次に、図13〜図16を参照して、プローブアッシ22の構成について説明する。
図13および図14に示すように、プローブアッシ22は、MEMSプローブ(プローブの一例)101と、アタッチメント102とを有している。
図15に示すように、MEMSプローブ101には、その表面における中心に、前後方向に延びる信号配線体(配線体の一例)111が形成されている。また、MEMSプローブ101の表面には、信号配線体111の両側に、隙間をあけてグランド配線体(配線体の一例)112が形成されている。これらの信号配線体111およびグランド配線体112は、絶縁材料からなる基材113の上面に形成されている。
このMEMSプローブ101は、先端側に、接触子12が設けられている。この接触子12は、信号配線体111の一端からなる信号接触子114と、グランド配線体112の一端から信号接触子114に沿って延びるグランド接触子115とから構成されており、これらの信号接触子114およびグランド接触子115が所定ピッチで並列に配置されている。
また、MEMSプローブ101は、後端側に、端子部121が設けられている。端子部121は、信号配線体111の他端から延びる信号端子部122と、グランド配線体112の他端から延びるグランド端子部123とを有している。端子部121を構成する信号端子部122およびグランド端子部123は、それぞれ基材113側へ屈曲されている。
このMEMSプローブ101は、SOI(Silicon-On-Insurator)ウエハまたはセラミックス等の薄膜基材からなる基材113上にフォトリソグラフィー等の微小電気機械システム技術であるMEMS技術を用い、ニッケル合金からなる信号配線体111およびグランド配線体112を一括形成して金メッキを施したものである。
図13および図14に示すように、アタッチメント102は、先端へ向かって次第に幅が狭まる平面視略三角形状に形成されている。このアタッチメント102には、その先端側に、取付凹部131が形成されており、この取付凹部131に、MEMSプローブ101の基材113と反対側が接着固定される。また、アタッチメント102には、後端側に、一対の位置決めピン132が設けられている。さらに、アタッチメント102には、位置決めピン132よりも前方側に、一対のネジ孔133が形成されている。このアタッチメント102は、アルミニウムから形成されたもので、位置決めピン132を除く外面に、金メッキが施されている。
MEMSプローブ101およびアタッチメント102からなるプローブアッシ22をコネクタアッシ21の補強板34に組み付けるには、プローブアッシ22をコネクタアッシ21の高周波基板33に重ね合わせ、アタッチメント102の位置決めピン132を、高周波基板33の位置決め孔66および補強板34の位置決め孔86に挿し込む。このようにすると、プローブアッシ22がコネクタアッシ21に対して所定位置に位置決めされる。この状態で、補強板34側から補強板34の固定孔85および高周波基板33の固定孔65へ固定ネジ23を挿し込み、アタッチメント102のネジ孔133へねじ込む。
このようにすると、プローブアッシ22がコネクタアッシ21の高周波基板33に位置決めされて重ね合わされた状態で補強板34に締結固定される。すると、図16に示すように、補強板34への装着方向である基材113側へ屈曲されていた信号端子部122およびグランド端子部123が高周波基板33の信号配線パターン62およびグランド配線パターン63に押し付けられて弾性変形する。これにより、信号端子部122およびグランド端子部123が、それぞれの弾性力で信号配線パターン62およびグランド配線パターン63を押圧し、よって、互いに確実に導通される。
上記構造の高周波プローブ11は、マニピュレータによって移動されて半導体デバイス等の被検査体の電極に接触子12が押し付けられて導通される。これにより、外部機器である試験装置からの検査信号は、同軸ケーブル42の中心導体43からコネクタ31の信号導体40および端子線48を介して高周波基板33の信号配線パターン62に伝送され、さらに、MEMSプローブ101の信号配線体111へ伝送され、この信号配線体111の一端の信号接触子114から被検査体に送信される。
また、被検査体のグランドの電極は、MEMSプローブ101のグランド接触子115が接触されることで、MEMSプローブ101のグランド配線体112を介して高周波基板33のグランド配線パターン63と導通する。
このグランド配線パターン63は、同軸ケーブル42の外部導体45に対してコネクタ31を介して導通されたコネクタブロック32に接触されて導通されている。さらに、このグランド配線パターン63は、スルーホール67、高周波基板33の裏面側の金メッキ層および補強板34を介してフランジ35と導通されている。また、このフランジ35は、同軸ケーブル42の外部導体45に対してコネクタ31を介して導通されたコネクタブロック32に固定ボルト17で導通されている。さらに、MEMSプローブ101のグランド配線体112は、金メッキされたアタッチメント102に導通され、このアタッチメント102を介して高周波基板33のグランド配線パターン63に導通されている。
このように、高周波プローブ11では、MEMSプローブ101のグランド配線体112と同軸ケーブル42の外部導体45とのグランドの導通経路が確実に確保されている。
したがって、被検査体のグランドの電極にMEMSプローブ101のグランド接触子115が接触することで、被検査体のグランドの電極が同軸ケーブル42の外部導体45に確実に導通されて接地されることとなる。特に、金メッキされた補強板34の金メッキ層に対して、高周波基板33の金メッキされた裏面の金メッキ層が面接触していることで、極めて良好な接地状態が確保される。これにより、被検査体に対する高精度な検査が可能とされる。
また、被検査体の種類の変更や検査による消耗のためにMEMSプローブ101を異なるピッチのものや新たなものに変更する場合は、まず、固定ネジ23を弛めてプローブアッシ22をコネクタアッシ21から取り外す。次いで、アタッチメント102からMEMSプローブ101を取り外し、変更するMEMSプローブ101をアタッチメント102に接着固定する。
その後は、MEMSプローブ101がアタッチメント102に固定されたプローブアッシ22をコネクタアッシ21の高周波基板33に重ね合わせ、アタッチメント102の位置決めピン132を、高周波基板33の位置決め孔66および補強板34の位置決め孔86に挿し込む。そして、補強板34側から補強板34の固定孔85および高周波基板33の固定孔65へ固定ネジ23を挿し込み、アタッチメント102のネジ孔133へねじ込む。
このように、上記実施形態に係る高周波プローブ11によれば、微小電気機械システム技術によって極小サイズ化が可能なMEMSプローブ101を用いたことにより、コネクタ31から先の信号等の電気経路の大部分(90%以上)を、インピーダンス整合した高周波基板33とすることができる。これにより、確実かつ容易にインピーダンス整合を図ることができ、電気信号の損失、反射を最小限に抑制できる。
ここで、MEMSプローブ101は、信号配線体111およびグランド配線体112を基材113に直接接合させて形成するため、転写することで接着材によって接着して接合する構造と比較して電気信号の劣化を極めて小さくすることができる。また、微小電気機械システム技術であるMEMSプロセスで加工することで、接触子12を100μmピッチ以下に容易にかつ高精度に形成することができる。
しかも、MEMSプローブ101が交換可能であるため、MEMSプローブ101を交換して電極ピッチ等の異なる各種の被検査体に容易に対応させることができる。また、MEMSプローブ101だけを交換することができるので、MEMSプローブ101以外のアタッチメント102等の他の部材の全てを再利用することができ、大幅なコストダウンを図ることができる。
また、極小サイズ化が可能なMEMSプローブ101を用いたことで、MEMSプローブ101を交換した際のプローブ毎の特性の差異を抑制することができる。
また、屈曲した信号端子部122およびグランド端子部123を高周波基板33の信号配線パターン62およびグランド配線パターン63に押し付けて互いに接触させる構成のため、信号端子部122およびグランド端子部123がそれぞれの弾性力で互いに確実に導通させることができる。また、アタッチメント102と補強板34の組み付けを解除することで、MEMSプローブ101を高周波基板33から簡単に離間させることができる。
また、信号配線体111およびグランド配線体112の両端を基材113の外縁から突出させることで、MEMSプローブ101に接触子12および端子部121を極めて容易に設けることができる。これにより、MEMSプローブ101の低コスト化及び製造時間の短縮化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、MEMSプローブ101を固定したアタッチメント102を固定ネジ23でコネクタアッシ21の補強板34に組み付ける構造としたが、MEMSプローブ101が高周波基板33に対して着脱可能であれば、固定構造は固定ネジ23によるものに限らない。
次に、MEMSプローブ101の固定構造が異なる変形例に係る高周波プローブについて説明する。
図17は、変形例に係る高周波プローブの先端部における斜視図である。
図17に示すように、変形例に係る高周波プローブ11では、MEMSプローブ101の端子部121を構成する信号端子部122およびグランド端子部123が、屈曲されることなく側方へ延在されている。また、この高周波プローブ11では、アタッチメント102がなく、MEMSプローブ101は、補強板34に直接装着されている。そして、このMEMSプローブ101の信号端子部122およびグランド端子部123が高周波基板33の信号配線パターン62およびグランド配線パターン63に、例えば、半田等の接合材によって導通接合されている。
この高周波プローブ11によれば、MEMSプローブ101の信号端子部122およびグランド端子部123が、高周波基板33の信号配線パターン62およびグランド配線パターン63に確実に接合されているので、不連続部分による反射を抑制することができ、良好な電気特性を確保できる。
また、半田を溶かすなどによって信号端子部122およびグランド端子部123と信号配線パターン62およびグランド配線パターン63との接合を解除して補強板34からMEMSプローブ101を取り外すことで、MEMSプローブ101を容易に交換することもできる。
なお、MEMSプローブ101の信号端子部122およびグランド端子部123を高周波基板33の信号配線パターン62およびグランド配線パターン63に接合する方法としては、半田付けに限らず、接合箇所に設けたバンプによって接合させたり、導電性接着剤によって接合させても良い。
また、上記実施形態の高周波プローブ11において、ノイズを除去するために、信号電気経路とグランドとの間にコンデンサを設けるのが好ましい。
図18は、コンデンサの設置状態を示す高周波基板の一部の斜視図、図19は、コンデンサの設置状態を示すMEMSプローブの一部の斜視図である。
図18に示すように、コンデンサ141は、高周波基板33における信号配線パターン62とグランド配線パターン63とに掛け渡すように設けても良く、また、図19に示すように、MEMSプローブ101における信号配線体111とグランド配線体112とに掛け渡すように設けても良い。
11:高周波プローブ、12:接触子、31:コネクタ、33:高周波基板、34:補強板、42:同軸ケーブル(ケーブルの一例)、47:コネクタ端子(コネクタの端子の一例)、62:信号配線パターン(配線パターンの一例)、63:グランド配線パターン(配線パターンの一例)、101:MEMSプローブ(プローブの一例)、102:アタッチメント、111:信号配線体(配線体の一例)、112:グランド配線体(配線体の一例)、113:基材、121:端子部

Claims (6)

  1. 外部機器からのケーブルが接続されるコネクタと、
    一端が被検査体の電極に接触される接触子とされる配線体が微小電気機械システム技術によって基材上に形成されたプローブと、
    前記プローブと前記コネクタとの間に設けられて前記配線体の他端からなる端子部と前記コネクタの端子とを導通させるインピーダンス整合された高周波基板と、を備え、
    前記プローブが前記高周波基板に対して着脱可能とされていることを特徴とする高周波プローブ。
  2. 請求項1に記載の高周波プローブであって、
    前記高周波基板は、表面に信号配線パターンとグランド配線パターンとを有し、
    前記グランド配線パターンは、前記高周波基板の裏面に形成された金メッキ層に導通していることを特徴とする高周波プローブ。
  3. 請求項2に記載の高周波プローブであって、
    前記高周波基板は、補強板上に配置され、
    前記プローブは、前記高周波基板を挟んで前記補強板に装着されるアタッチメントに固定され、
    前記配線体の前記端子部は、前記補強板への前記アタッチメントの装着方向へ向かって屈曲され、
    前記アタッチメントが前記補強板に装着されることで、前記配線体の前記端子部が前記高周波基板の配線パターンに押し付けられて導通されることを特徴とする高周波プローブ。
  4. 請求項2に記載の高周波プローブであって、
    前記高周波基板は、補強板上に配置され、
    前記プローブは、前記補強板に装着され、前記配線体の端子部が前記高周波基板の配線パターンに接合されることを特徴とする高周波プローブ。
  5. 請求項3または4に記載の高周波プローブであって、
    前記補強板は、前記高周波基板の裏面に形成された前記金メッキ層と面接触する金メッキ層を有することを特徴とする高周波プローブ。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の高周波プローブであって、
    前記プローブは、前記配線体が前記基材に直接接合されて設けられ、前記配線体の一部が前記基材の外縁から突出されて前記接触子とされていることを特徴とする高周波プローブ。
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