明 細 書
トリプレユルフェノール化合物及びトリプレユルフェノール化合物の製造方 法並びに、血栓溶解促進剤
技術分野
[0001] 本発明は、トリプレニルフヱノール化合物及びトリプレニルフヱノール化合物の製造 方法並びに、血栓溶解促進剤に関する。
背景技術
[0002] トリプレニルフエノール骨格を有する微生物代謝産物には、重要な生理活性を有す るものがある。例えば、糸状菌から得られた特定のトリプレニルフヱノール化合物は、 血栓溶解促進作用や、血管新生抑制作用といった生体に重要な現象に対する生理 活性作用を有することが知られている(特許文献 1〜3)。
また、上記トリプレニルフヱノール化合物とは立体構造が異なる他のトリプレニルフ ヱノール化合物として、特許文献 4には、育毛活性を有するトリプレニルフヱノール化 合物が開示されている。また、非特許文献 1には、抗菌活性及び抗真菌活性を有す るトリプレニルフヱノール化合物が開示されている。
糸状菌を用いた培養によって得られるトリプレニルフヱノール化合物は、プラスミノ 一ゲン(Pig)のコンフオメーシヨン変化を導き、この結果、プラスミノーゲンァクチべ一 ター(PA)による活性化の感受性とプラスミノーゲンのフイブリン結合能を増加させ、 その結果血栓溶解を促進することが示唆されている(非特許文献 2)。アミノ酸として オノレニチンを添カ卩したときに得られるトリプレニルフヱノール骨格を 2つ有する化合物 (以下、オルニプラビンという)は、特にこのような血栓溶解促進作用が顕著に強いこ とが知られている(特許文献 2)。
このように、トリプレユルフェノール骨格を有する化合物は、その立体構造や置換基 によって多様な活性を発揮するため、その利用価値が高い。
[0003] これら多様な活性型のトリプレニルフヱノール化合物は、複雑な構造を有しているた めより効率よく得ることが要請されている。このような製造方法としては、微生物を培養 することによって製造する方法が開発されている。しかし微生物を用いる方法では通
常、数多くの類似体と共に生産されるため、効率よく大量に得るために種々の工夫が なされている。特に、血栓溶解促進作用や血管新生阻害作用といった生理活性を有 する活性型トリプレニルフヱノール化合物を製造するために、特許文献:!〜 3では、培 養開始直後などの糸状菌の培養初期に、置換基に応じたアミノ酸又はアミノアルコー ルを添加する培養系が開示されている。
特許文献 1 :特開 2002— 65288号公報
特許文献 2:特開 2004— 224737号公報
特許文献 3:特開 2004— 224738号公報
特許文献 4 :国際公開 98/56940号パンフレット
非特許文献 1 :J. Org. Chem., (1992), Vol.57, pp.6700- 6703
非特許文献 2 : FEBS Letter, (1997) Vol.418, pp.58-62
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] しかしながら、オル二プラビンは分子量 800を超える 2量体であるため、生体への吸 収とレ、う観点からは不利と考えられてレ、る。
また、従来の糸状菌を利用した培養方法では、添加可能なアミノ酸及びアミノアル コールの種類に応じて、得られる生成物の種類が限定される。また、生成量も充分と は言えない。さらには、活性型トリプレニルフヱノールイ匕合物は複雑な構造をしている ため、全工程を化学合成することは非常に効率が悪い。
従って、本発明の目的は、低分子量で高い血栓溶解促進作用を発揮することがで きる新規なトリプレニルフヱノール化合物を提供すること、及びこれを含む血栓溶解 促進剤を提供することである。
また、本発明の他の目的は、生理活性の高い活性型トリプレニルフエノール化合物 を効率よく製造することである。
課題を解決するための手段
[0005] 本発明の第一のトリプレニルフエノール化合物は、下記式 (I)で表され、旋光度(一 )のトリプレニルフヱノール化合物である。下記式(I)中、 Xは _CHY_ (CH ) Zであ り、 Y及び Zは、それぞれ— H又は— OHである力 \一緒になつて単結合を形成する。
好ましくは、本第一のトリプレニルフエノール化合物は、下記式 (I—A)で表されるも のである。
[0006] [化 1]
[0007] また、本発明の第二のトリプレユルフェノール化合物は、下記一般式 (II)で表される トリプレニルフエノールイ匕合物である。下記一般式 (II)中 R1は、カルボキシ基、水酸基 、スルホン酸基及び第二アミノ基からなる群より選択された少なくとも 1つを置換基とし て若しくは置換基の一部として有する芳香族基、又は第二アミノ基を含み且つ窒素を 含んでいてもよい芳香族基を表す。 Xは CHY— (CH ) Zであり、 Y及び Zは、それ ぞれー H又は OHであるか、一緒になつて単結合を形成する。
[0008] [化 2]
[0009] 本発明の第三のトリプレエルフェノールイ匕合物は、下記一般式 (III)で表されるトリプ
レニルフエノールイ匕合物である。下記一般式 (III)中 R4は、下記一般式 (III— 1)で示さ れる芳香族アミノ酸残基を表し、下記一般式 (III 1)中 R5は、あってもなくてもよい水 酸基を表し、 nは 0又は 1の整数を表す。 Xは CHY— (CH ) Zであり、 Y及び Zは、 それぞれ— H又は _〇Hである力、、一緒になつて単結合を形成する。
[化 3]
[0011] [化 4]
[0012] 本発明の血栓溶解促進剤は、上記一般式 (Π)又は(III)で表されるトリプレユルフェ ノール化合物を有効成分として含む血栓溶解促進剤である。
[0013] 本発明の上記第二のトリプレニルフヱノールイ匕合物の製造方法は、ァミノフエノーノレ 、ァミノ安息香酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、ァミノナフト 一ルスルホン酸、スルファニル酸及びそれらの誘導体からなる群より選択された添加 ァミン化合物を含む培養液中で糸状菌を培養する培養工程と、培養工程後の培養
物から、本トリプレユルフェノール化合物を分離する分離工程と、を含むものである。 本発明の上記第三のトリプレニルフエノールイ匕合物を製造する製造方法は、芳香 族アミノ酸又はその誘導体からなる群より選択された添加アミン化合物を含む培養液 中で糸状菌を培養する培養工程と、培養工程後の培養物から、本トリプレニルフエノ ール化合物を分離する分離工程と、を含むものである。
また本発明の上記第二及び第三のトリプレニルフエノール化合物は、前記糸状菌 の培養工程が、ァミン化合物の含有量が 0. 5質量%以下の制限培地による第 1の培 養工程と、培養中期以降の、添加アミン化合物を含有している生産用培地による第 2 の培養工程と、を含む上記製造方法によって製造してもよい。
[0014] 本発明のトリプレニルフエノール化合物を製造する製造方法は、糸状菌を、ァミン 化合物の種類及び量の少なくとも一方が制限された制限培地による第 1の培養工程 で培養し、培養中期以降に、ァミン化合物を含有している生産用培地による第 2の培 養工程で培養すること、前記第 2の培養工程後の培養物から、トリプレニルフエノール 化合物を得ること、を含むものである。
ここで、前記第 1の培養工程で使用される制限培地が 0. 5質量%以下のアミン化 合物を含み、前記生産用培地が有機アミン化合物を含むものであってもよい。
また本発明の第一のトリプレニルフヱノール化合物は、本製造方法において、前記 第 1の培養工程で使用される制限培地が 0. 5質量%以下の有機アミン化合物を含 み、前記第 2の培養工程で使用される生産用培地が無機第一アミンィヒ合物を含む方 法によって製造されることが好ましい。
[0015] 本発明の上記いずれかの製造方法において、前記制限培地及び生産用培地が、 マグネシウム、コバルト、鉄、カルシウムからなる群より選択された少なくとも 1種の金 属イオンを更に含むものであることが好ましい。
まだ、本発明の上記いずれかの製造方法において、前記糸状菌が、スタキボトリス' ミクロスポラ IFO30018であることが好ましい。
発明の効果
[0016] 本発明によれば、低分子量で高い血栓溶解促進作用を発揮することができる新規 なトリプレユルフェノール化合物を提供すること、及びこれを含む血栓溶解促進剤を
提供すること力 Sできる。
また、本発明によれば、生理活性の高い活性型トリプレニルフエノールイ匕合物を効 率よく製造することができる。
図面の簡単な説明
[0017] [図 1]本発明に係る各種の SMTP化合物の構造の一覧である。
[図 2]本実施例 1にかかるクロマトグラフィーのチャートである。
[図 3]本実施例 5に力かる SMTP— 0及びオルニプラビン(SMTP— 7)のプラスミノー ゲン活性化に及ぼす影響を示すグラフである(凡例の濃度の単位は μ Μ)。
[図 4]本実施例 5に力かる SMTP— 0及びオルニプラビン(SMTP— 7)のプラスミノー ゲン断片の生成に及ぼす影響を示すグラフである(濃度の単位は μ Μ)。
発明を実施するための最良の形態
[0018] <トリプレニルフヱノール化合物の製造方法及び第一のトリプレニルフヱノール化合 物 >
本発明のトリプレニルフエノール化合物を製造する製造方法は、糸状菌を、ァミン 化合物の種類及び量の少なくとも一方が制限された制限培地による第 1の培養工程 で培養し、培養中期以降に、ァミン化合物を含有している生産用培地による第 2の培 養工程で培養すること、前記第 2の培養工程後の培養物から、トリプレニルフエノール 化合物を得ること、を含むことを特徴としている。
上記製造方法では、第 1の培養工程で使用する培地として、ァミン化合物の種類及 び量の少なくとも一方が制限された制限培地を用いるので、第 2の培養工程に移る 培養中期以降に、従来よりも大量の中間体化合物を得ることができる。その後、ァミン 化合物を含む生産用培地による第 2の培養工程を実行することにより、効率よく且つ 選択性よく目的とするトリプレニルフエノールイ匕合物を得ることができる。
[0019] また本発明の第一のトリプレニルフヱノール化合物は、下記式 (I)で表され、旋光度
(一)の化合物である。式中 Xは、 -CHY- (CH ) Ζであり、 Υ及び Ζは、それぞれ
Η又は ΟΗであるか、一緒になつて単結合を形成する。
[0020] [化 5]
[0021] この式 (I)で表されるトリプレニルフヱノール化合物は、 1位の窒素原子が第二アミン あり、 8位及び 9位が共に(S)の絶対配置を有すると共に全体として(一)の旋光度を 示す。このような光学活性及び絶対配置は、血栓溶解促進などの生理活性を有する 活性型トリプレニルフエノールイ匕合物と同一のものであるため、本化合物における 1 位の置換基を適宜変更することにより、多様なトリプレニルフエノール化合物を容易 に得ることができる。
[0022] 以下、本発明のトリプレユルフェノール化合物の製造方法について説明する。
本発明の製造方法において、トリプレエルフェノールイ匕合物を得るために使用され る糸状菌としては、スタキボトリス属の糸状菌が選択される。特に好ましい生産菌は、 スタキボトリス'ミクロスポラ(Stachybotrys microspora)などであり、より好ましくはスタキ ボトリス'ミクロスポラ(S. microspora) IFO30018株である力 本発明は、この菌に限 定されるものではない。
[0023] 本発明の製造方法では、上記糸状菌を、制限培地を用いた第 1の培養工程と、培 養中期以降の生産用培地を用いた第 2の培養工程との 2段階の培養工程によって培 養する。
第 1の培養工程では、ァミン化合物の種類及び量の少なくとも一方が制限された制 限培地が用レ、られる。ここでいう「種類及び量の少なくとも一方が制限された」とは、 選択されたァミン化合物の種類に応じて制限培地への添加量が決定されることを意 味する。ァミン化合物の種類及び量の少なくとも一方を制限したこのような制限培地 を用いることによって、培養中期以降の第 2の培養工程で、効率よく且つ選択性よくト リプレニルフヱノール化合物を生成することができる。
培養中期以降の第 2の培養工程では、アミンィ匕合物を含有している生産用培地が 用いられる。ここで「培養中期」とは、第 1の培養工程を確実に継続させるための培養 開始力 の所定期間、好ましくは培養開始後 2日目以降、更に好ましくは 4日目以降 とすることができる。この期間が短すぎる、例えば培養開始直後に生産用培地による 培養を開始すると、 目的とするトリプレニルフヱノール化合物を得るために必要な中 間体化合物の量が不充分となり、効率よくトリプレユルフェノール化合物を生成するこ とができない。
[0024] 本発明の製造方法では、第 1の培養工程で使用される制限培地が 0. 5質量%以 下のアミンィ匕合物を含み、第 2の培養工程で使用される生産用培地が有機アミンィ匕 合物を含むものとすることができる(以下、本明細書では「本発明の第一の製造方法」 という)。
これにより、制限培地中における糸状菌の化合物生成能を損なうことなぐ生産用 培地に含まれる有機アミンィ匕合物に対応した官能基を含む中間体化合物、例えば、 下記一般式 (I B)で表される化合物を得ることができる。一般式 (I B)中、 Xは前 記と同様であり、式中 #は生産用培地に含まれるァミン化合物に対応した所定の官 能基を示す。
[0025] [化 6]
( I一 B )
本発明の第一の製造方法において、制限培地中のアミン化合物は、後述する有機 及び無機のアミンィ匕合物のいずれもが該当する。このアミン化合物は、制限培地での 糸状菌成育のための窒素源、成育促進因子、あるいはトリプレニルフヱノールイ匕合物 前駆体の生産促進因子として作用する。添加の形態としては、酵母エキス、ブイヨン
、ペプトン、トリプトン、ソィビーンミール、ファーマメディア、コーンスティープリカ一、 魚肉エキス等の天然の混合物として、あるいは精製化合物として利用することができ る。天然の混合物は多種のァミン化合物を含有するため、制限培地ではその量を制 限する必要がある。この場合、制限培地の全容量に対して 0. 5質量%以下、菌の生 育、生産量及び生産の選択性の観点から好ましくは、 0. 01-0. 5質量%、更に好 ましくは 0. 1質量%〜0. 3質量%とすることができる。 0. 5質量%を超える場合には 、中間体化合物以外の化合物が同時に生成されて選択性に劣り、生産効率も下がる 場合があり、好ましくない。一方、 0. 01質量%未満では、糸状菌の活性に劣る場合 力 Sあり好ましくない。また、精製化合物をァミン化合物として添加する場合は、生産に 用いる糸状菌の成育とトリプレユルフェノール化合物前駆体の生産が良好に起こる 範囲の量と種類が用いられる。
[0027] 制限培地中で培養された糸状菌は、培養中期以降に、有機アミン化合物を含有す る生産用培地による第 2の培養工程での培養に提供される。
第 2の培養工程で用いられる生産用培地は、有機アミン化合物を含有する以外は、 制限培地と同一の組成で構成することができる。このため、第 2の培養工程における 培養は、第 1の培養工程で使用した制限培地に、有機アミン化合物を添加することに よって実施してもよぐ改めて調製したァミン化合物含有培地をそのまま添加してもよ レ、。
第 2の培養工程での生産用培地に含有可能な有機アミンィ匕合物は、 目的とするトリ プレニルフエノールイヒ合物を得るために必要な量で培地中に存在していればよぐ培 地の全容量の 5質量%以下、生産量の観点から好ましくは 0. 01質量%〜:!質量%、 更に好ましくは 0. 1質量%〜0. 5質量%で用いられる。
[0028] 本発明の第一の製造方法における有機アミン化合物としては、合成品又は天然由 来のアミンィ匕合物を挙げることができる。天然由来のァミン化合物成分としては、例え ば酵母エキス、ブイヨン、ペプトン、トリプトン、ソィビーンミール、ファーマメディア、コ ーンスティープリカ一、魚肉エキス等の主としてタンパク質や天然アミノ酸を培地に添 加するために従来使用されている成分を挙げることができ、生産量の観点から酵母 エキス、ペプトンが好ましい。
また生成されるトリプレニルフエノールイヒ合物の種類及び生産量から、生産用培地 に添加される有機アミン化合物には、第一アミン化合物が含まれていることが好まし レ、。第一アミン化合物としては、天然アミノ酸、合成アミノ酸を含み、例えば α—ァミノ 酸として、バリン、ロイシン、イソロイシン、フエ二ルァラニン、トリプトファン、シスチン、 リジン、オル二チン、また、天然アミノ酸におけるカルボキシル基を水素、ヒドロキシノレ 基叉はヒドロキシルメチル基に置き換えたもの、例えば、 2_アミノエタノールなどのァ ミノアルコール等を挙げることができる。
[0029] これらのうち、第 2の培養工程での生産用培地に含有されるァミン化合物の種類は
、 目的とするトリプレニルフヱノールイ匕合物の種類に応じて適宜選択することができる 例えば、血栓溶解促進作用を有する活性型トリプレニルフエノール化合物を得るに は、 D—リジン、 D—フエ二ルァラニン、 D—ロイシン、 D—トリプトファン、 D—オル二 チンなどのアミノ酸を含有する生産用培地とすればよい。
[0030] 具体的には、 SMTP— 3Dは D—セリンを、 SMTP— 4Dは D—フエ二ルァラニンを 、 SMTP— 5Dは D—ロイシンを、 SMTP— 6Dは D—トリプトファンを、 SMTP— 7D は D—オル二チンを、 SMTP— 8Dは D—リジンを、 SMTP— 3は L—セリンを、 SMT P— 4は L—フエニノレアラニンを、 SMTP— 5は L—ロイシンを、 SMTP— 6は L—トリ プトファンを、 SMTP— 7は L—オル二チンを、 SMTP— 8は L—リジンを、 SMTP— 9Lは L—シスチンを、 SMTP— 10Lは L—イソロイシンを、 SMTP— 11Lは L—バリ ンを、それぞれ含有する生産用培地を用いることによって、 目的とするトリプレニルフ ェノール化合物を選択的に生産することができる(図 1参照)。
第 2の培養工程での生産用培地におけるアミノ酸の含有量は、生産培地の容量に 対して 0. 03質量%〜0. 3質量%であることが望ましい。
[0031] また本製造方法における無機アミンィ匕合物としては、無機塩類として含有される硝 酸、無機第一アミン化合物等を挙げることができる。無機第一アミン化合物について は後述する。
[0032] 制限培地及び生産用培地には、上記成分に加えて、微生物による化合物の生成 を促進するためなどを目的として、上記微生物の培養に通常用いられている合成培
地の添加成分を含む。本制限培地に添カ卩可能な添加成分としては、例えばダルコ一 ス、シユークロース、デキストリン、動物油、植物油などの栄養源、ビタミン類、例えば 塩素、硝酸、硫酸、リン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、 及びその他のイオンを生成しうる無機塩類を挙げることができる。
[0033] 無機塩類のうち、特に金属イオンを生成しうる無機塩類、生成物の生産量の増大や 生産効率の観点から、好ましく制限培地に添加することができる。このような金属ィォ ンとしては、マグネシウムイオン、コバルトイオン、鉄イオン、カルシウムイオン、力リウ ムイオン、ナトリウムイオン等を挙げることができる。
これらの金属イオンの添カ卩量は、生成物の生産量ゃ菌の生育の観点からそれぞれ 培地の全容量に対して、マグネシウムイオンの場合には硫酸マグネシウム 7水和物と して 0. 001質量%〜0. 5質量% (より好ましくは 0. 01質量%〜0. 1質量%)、コバ ルトイオンの場合には塩化コバルト 6水和物として 0. 00001質量%〜0. 01質量0 /0 ( より好ましくは 0. 0001質量%〜0. 005質量%)、鉄イオンの場合には硫酸鉄 (11) 7 水和物として 0. 0001質量%〜0. 1質量% (より好ましくは 0. 0005質量%〜0. 05 質量0 /0)、カルシウムイオンの場合には塩化カルシウム 2水和物として 0. 00001質量 %〜0· 1質量% (より好ましくは 0· 0001質量%〜0. 05質量0 /0)、カリウムイオンの 場合にはリン酸二カリウムあるいは硝酸カリウムとして 0. 002質量%〜2質量% (より 好ましくは 0. 05質量0/。〜 0. 5質量0 /0)、ナトウムイオンの場合にはリン酸ニナトウム あるいは硝酸ナトウムとして 0. 002質量%〜2質量% (より好ましくは 0. 05質量%〜 0. 5質量%)、とすることができる。
上記無機塩類及び金属イオンは、これらを単独で使用してもよぐ 2種以上を組み 合わせて使用してもよい。
[0034] 制限培地による第 1の培養工程は、効率よく目的とするトリプレニルフエノール化合 物を得るために充分な量の中間体化合物が得られる培養中期まで継続する。トリプ レニルフエノールイヒ合物の効率的な製造の観点から、生産用培地による第 2の培養 工程は、好ましくは糸状菌の培養開始後 2日以降、更に好ましくは培養開始後 4日か ら実施される。
第 2の培養工程は、生成されたトリプレニルフヱノール化合物の量が最大のときに
培養を停止することによって終了する。第 2の培養工程の期間は、微生物の状態及 び培養系の大きさによって異なる力 一般に 1日〜 5日、生産量の観点から好ましく は:!〜 3日間である。
[0035] また、本発明の製造方法では、第 1の培養工程で使用される制限培地が 0. 5質量 %以下の有機アミンィ匕合物を含み、第 2の培養工程で使用される生産用培地が無機 第一アミン化合物を含むものとすることができる(以下、本明細書では「本発明の第二 の製造方法」という)。
これにより、制限培地中における糸状菌の化合物生成能を損なうことなぐ生産用 培地に含まれる無機第一アミンィ匕合物に対応して第二アミンを含む下記式 (I)で表さ れ、旋光度(一)の化合物を得ることができる。式中 Xは、 -CHY- (CH ) Zであり、
Y及び Zは、それぞれ— H又は— OHである力、、一緒になつて単結合を形成する。
[0036] [化 7]
[0037] 本発明の第二の製造方法において、制限培地は 0. 5質量%以下の有機アミンィ匕 合物を含む。ここでの有機アミンィ匕合物は、第一の製造方法について前述したものと 同様のものを挙げることができ、好ましくは天然由来のァミン化合物成分を挙げること ができる。これにより、糸状菌の生産能を損なうことなぐ中間体化合物を得ることがで きる。制限培地における有機アミン化合物の含有量は、制限培地の全容量に対して 0. 5質量%以下、菌の生育、生産量及び生産の選択性の観点から好ましくは、 0. 0 :!〜 0. 5質量%、更に好ましくは 0. 1質量%〜0. 3質量%とすることができる。 0. 5 質量%を超える有機アミン化合物を含有すると、上記式 (I)の化合物に対応した中間 体化合物以外の化合物が同時に生成されて選択性に劣り、生産効率も下がる場合
があり、好ましくない。
[0038] また本製造方法の制限培地は、無機アミンィ匕合物を含有してもよい。この無機アミ ン化合物は、無機塩類として含有される硝酸の他、他の無機ァミンであってもよぐ得 られるトリプレニルフヱノールイ匕合物の構造の観点から無機第一アミン化合物が好ま しく含まれる。制限培地に含有可能な無機アミンィ匕合物の含有量は、 目的とするトリ プレニルフヱノール化合物の種類及び量によって異なるが、菌の生育、生産量及び 生産の選択性の観点から、制限培地の容量に対して 1質量%以下であることが好ま しぐ生産性の観点から 0. 5質量%以下であることがより好ましぐ 0. 3質量%以下で あることが更に好ましい。
[0039] 本発明の第二の製造方法において、生産用培地は無機第一アミン化合物を含む。
これにより、上記式 (I)の化合物を効率よく得ることができる。
制限培地及び生産性培地に含有される無機第一アミン化合物としては、例えば、 塩化アンモニゥム、酢酸アンモニゥム、硫酸アンモニゥム、リン酸アンモニゥム等のァ ンモニゥム塩を挙げることができる。中でも、生成物の生産量の観点から、塩化アンモ 二ゥムが好ましい。
第 2の培養工程での生産用培地に含有可能な無機アミンィ匕合物は、 目的とするトリ プレニルフエノールイヒ合物を得るために必要な量で培地中に存在していればよぐ培 地の全容量の 5質量%以下、生産量の観点から好ましくは 0. 01質量%〜:!質量%、 更に好ましくは 0. 1質量%〜0. 5質量%で用いられる。
[0040] 本発明の第二の製造方法での制限培地及び生産用培地については、本発明の第 一の製造方法と同様に、糸状菌の生育及び生産される化合物の生産量の観点から 、無機塩類を含有することが好ましい。含有可能な無機塩類及び金属イオンに関し ては前記した内容をそのまま適用することができる。
[0041] 本発明の第一及び第二の製造方法における第 1及び第 2の培養工程は、通常、上 記培地を用いて静置培養または振盪培養による。振盪培養を適用する場合には、真 菌の培養で通常適用される速度で行えばよぐ例えば高崎科学社製、 TB— 25S (振 幅 70mm)のロータリーシエイカーであれば、 500ml容のフラスコ中 100mlの培地量 とした場合に 30rpm〜240rpm、好ましくは 160rpm〜200i"pmとすることができる。
また第 1及び第 2の培養工程における培養温度は、種々の温度における真菌の生 育条件に応じて適宜設定することができる力 一般に 4〜50°C、好ましくは 15〜37 °C、より好ましくは 20〜30°C、最も好ましくは室温(25°C)である。この範囲外では、 効率よくトリプレユルフェノール化合物を生成することができなレ、。またそれぞれ用い られる培地の pHは、一般に 3〜9、好ましくは 5〜6とすることができる。
[0042] なお、第 1及び第 2の培養工程よりも前に、微生物による生成能を安定化させるた めに、予備培養工程を設けてもよい。予備培養工程で用いられる培地は、微生物を 維持するために用いられる通常の生育培地であってもよレ、。
[0043] 得られたトリプレニルフヱノール化合物は、培養物から回収'精製することによって 得ること力 Sできる。回収'精製方法としては、培地中に放出されたトリプレニルフエノー ル化合物を回収 ·精製できる手段であればいずれであってもよぐ液体クロマトグラフ ィー、溶媒抽出、結晶化等を挙げることができる。生成物の回収'精製は、回収効率 の観点から 2段階以上の多段階で行うことが好ましい。
これらの回収'精製方法においては、トリプレニルフエノール化合物が脂溶性である ことを利用して、溶媒等を選択することが好ましい。
トリプレニルフエノールイ匕合物を培養物から回収 ·精製する際には、予め培養物から 菌体を除去することが好ましい。その際には、培養物にメタノールなどの溶媒をカロえ て菌体内のトリプレニルフヱノール化合物を抽出し、その後の菌体の除去には、濾過 等を用いればよい。
[0044] 次に本発明の第一のトリプレニルフヱノール化合物、即ち前駆体トリプレニルフエノ ール化合物について説明する。
下記式(I)で表される前駆体トリプレニルフヱノール化合物(式(I)中、 Xは— CHY - (CH ) Zであり、 Y及び Zは、それぞれ— H又は—OHである力 \一緒になつて単 結合を形成する)は、前述したように、血栓溶解促進などの生理活性を有する活性型 トリプレユルフェノールイ匕合物と同一の光学活性及び絶対配置を有するため、化合 物中の 1位の置換基を他の置換基に適宜変更することにより、多様なトリプレニルフ ェノール化合物を容易に得ることができる。これは、 1位が二級ァミンとなっているの で、 1位の第二アミンを生理活性置換基で修飾することができるためである。これによ
つて、血栓溶解促進などの生理活性を有する活性型トリプレニルフヱノール化合物に 誘導すること力 Sできる。このとき、修飾に用いる生理活性置換基は、 目的とする活性 に応じて、既知の置換基から適宜選択することができる。
また、トリプレニルフエノールイ匕合物は、抗癌作用ゃ腎障害治療作用、また後述す るように血栓溶解促進作用などをもち、また、それらの目的に適応した体内動態や吸 収特性をもつので、このようなトリプレニルフヱノール化合物の誘導体の合成にも、本 発明の前駆体トリプレニルフヱノール化合物を利用することができる。
[0045] [化 8]
[0046] 一般に生理活性物質では平面構造が同一であっても光学活性などによって性質 が大きく異なることが知られている。上記トリプレニルフエノールイ匕合物においても、 8 (R)、 9 (R)の絶対配置を有し(+ )の旋光度を示すものは、 8 (S)、 9 (S)であって(― )の旋光度を示すものと異なる作用を示す。本発明のトリプレユルフェノール化合物 は、 8 (S)、 9 (S)であって(一)の旋光度を示し、生体において有用な生理活性を有 する活性型トリプレニルフヱノール化合物を効率よく得るために有用なものである。 ここで 8位及び 9位の絶対配置及び旋光度にっレ、ては、化合物の立体構造を確認 するために当業界で通常用いられている周知の手段、例えば、 C_NMR、 H-NM R、質量分析、 IR、 X線結晶構造解析、比旋光度などを用いて、確認することができ る。
生理活性の観点から特に好ましくは、 Y及び Zは、それぞれ一緒になつて単結合を 形成した下記式 (I—A)で表され、旋光度(一)のトリプレニルフヱノール化合物である
[0047] [化 9]
[0048] 本発明の第一のトリプレユルフェノールイ匕合物は、化学合成や微生物を用いた製 造方法によって得ることができるが、本発明の第二の製造方法を用いることが、本化 合物を効率よく得ることができるため特に好ましレ、。
[0049] <第二のトリプレニルフヱノール化合物 >
本発明の第二のトリプレユルフェノールイ匕合物は、下記一般式 (Π)で表される化合 物である。
本第二のトリプレニルフヱノール化合物は、トリプレニルフヱノール骨格に加えて、 後述する所定の置換基を有する芳香族基が 1位の窒素原子に直接結合している単 量体且つ低分子量の化合物であり、低濃度でも高レ、プラスミノーゲン活性化促進作 用を示すことができる。
[0050] [化 10]
式中 R
1は、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基及び第二アミノ基からなる群より選 択された少なくとも 1つを置換基として若しくは置換基の一部として有する芳香族基、 又は第二アミノ基を含み且つ窒素を含んでいてもよい芳香族基を表す。即ち、本化 合物は、トリプレニルフエノール骨格中の窒素原子に芳香族基が直接連結している。
芳香族基の置換基が複数存在する場合には、これらは互いに同一であっても異なつ てもよレ、。このような置換基は、吸収性の観点から置換基全体として分子量 200以下 の芳香族基であることが好ましぐ 160以下であることが更に好ましぐ 140以下であ ることが特に好ましい。また、芳香族基の置換基の位置は、トリプレニルフヱノール骨 格の窒素原子に対してパラ位、メタ位、オルト位のいずれであってもよい。
[0052] 本化合物における芳香族基は、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基及び第二アミ ノ基からなる群より選択された少なくとも 1つを置換基として若しくは置換基の一部とし て有し、或いは第二アミノ基を含み且つ窒素を含んでレ、てもよレ、芳香族基であれば よぐ他の置換基を追加の置換基として更に有していてもよレ、。このような追加の置換 基としては、低級アルキル基、例えば炭素数 1〜5のアルキル基を挙げることができる
[0053] 芳香族基としては、血栓溶解作用の観点から、下記一般式 (Π— 1)で表されるもの であることが好ましい。下記一般式 (Π— 1)中 R2及び R3はそれぞれ水素原子、カルボ キシ基、水酸基若しくはスルホン酸基、又は互いに結合して第二アミノ基を含む環状 構造基を表すが、同時に水素原子になることはない。
[0054] [化 11]
[0055] このような芳香族基としては、下記から選択されたものであることが血栓溶解作用の 観点から更に好ましい。
[0056] [化 12]
[0057] このような芳香族基は、後述するようにァミノフエノール、ァミノ安息香酸、アデニン、 アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、ァミノナフトールスルホン酸、スルファニル 酸及びこれらの誘導体からなる群より選択された添加アミン化合物から誘導すること ができる。
[0058] また式中 Xは、 -CHY- (CH ) Zであり、 Y及び Zは、それぞれ—H又は—OHで ある力、一緒になつて単結合を形成する。生理活性の観点から、 Y及び Zはそれぞれ 一緒になつて単結合を形成したものであることが好ましい。
[0059] このような第二のトリプレニルフエノール化合物としては、以下のものを挙げることが できる。
[0060] [化 13]
[0061] [化 14]
[0062] [化 15]
[0063] [化 16]
[0064] [化 17]
[0065] [化 18]
上記本発明の第二のトリプレニルフヱノールイ匕合物は、化学合成によって製造する こともできる力 糸状菌を用いて効率よく製造することができる。
即ち、本発明の第二のトリプレニルフエノール化合物を製造する製造方法は、後述 する添加アミン化合物を含む培養液中で糸状菌を培養する培養工程と、培養工程 後の培養物から、上記トリプレニルフエノール化合物を分離する分離工程とを含むも のである。
本製造方法では、糸状菌が、培養液中のアミノフエノール、ァミノ安息香酸、アデ二 ン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、ァミノナフトールスルホン酸、スルファ ニル酸又はそれら誘導体である添加アミン化合物を、トリプレニルフヱノール骨格に 直接連結する芳香族基として取り込む。これにより、効率よく第二のトリプレニルフエノ ール化合物を得ることができる。
[0067] 本発明のトリプレニルフヱノール化合物を得るために使用される糸状菌としては、ス タキボトリス属の糸状菌が選択される。特に好ましい生産菌は、スタキボトリス'ミクロス ポラ(Stachybotrys microspora)などであり、より好ましくはスタキボトリス'ミクロスポラ(S . microspora) IFO30018株である力 本発明は、この菌に限定されるものではなレ、。
[0068] 本製造方法では、本製造方法にかかる添加アミン化合物は、糸状菌の培養工程中 に存在していればよぐ培養初期から存在させてもよいが、生産効率の観点から、培 養中期に添加されることが好ましレ、。
培養中期に添加アミン化合物を添加する場合には、前記糸状菌の培養工程が、ァ ミン化合物の含有量が 0. 5質量%以下の制限培地による第 1の培養工程と、培養中 期以降の添加アミンィ匕合物を含有している生産用培地による第 2の培養工程と、を含 むことが好ましい。
第 1の培養工程で使用する培地として、ァミン化合物の含有量が 0. 5質量%に制 限された制限培地を用いるので、第 2の培養工程に移る培養中期以降に、従来よりも 大量の中間体化合物を得ることができる。またこのように中間体化合物を大量に生成 してから、第二のトリプレニルフヱノールイ匕合物を得るための添カ卩ァミン化合物を含む 生産用培地による第 2の培養工程を実行することにより、効率よく且つ選択性よく目 的とする第二のトリプレニルフエノールイ匕合物を得ることができる。なお、本明細書に おいて「ァミン化合物」とは、特に断らないかぎり、添加アミン化合物も包含する。
[0069] 第二のトリプレニルフヱノール化合物を製造するための製造方法は、添加アミンィ匕
合物の種類以外は、前述の本発明のトリプレユルフェノールィヒ合物の製造方法にお ける第一の製造方法について記述したものと同様であり、前述した記載をそのまま適 用すること力 Sできる。
[0070] 添加アミン化合物としては、カルボキシ基、水酸基、スルホン酸基及び第二アミノ基 の他に置換基を有していてもよぐ低級アルキル基、例えば炭素数 1〜5のアルキル 基を有してレ、てもよレ、。また添カ卩ァミン化合物は複数のアミノ基を有してレ、てもよレ、が 、製造効率の観点から、アミノ基を 1つ有するものであることが好ましい。
このような添カ卩可能なアミンィ匕合物は、血栓溶解促進作用の観点から好ましくは、 カルボキシ基と水酸基とを共に有するモノアミン化合物である。
[0071] 添加ァミン化合物としては、ァミノフエノーノレ、ァミノ安息香酸、アデニン、アデノシン 、アミノジヒドロフタラジンジオン、ァミノナフトールスルホン酸、スルファニル酸及びこ れらの誘導体を挙げることができる。このような添加アミン化合物としては、例えば、ァ ミノフエノーノレ、メチノレ了ミノフエノーノレ、了ミノ安肩、香酸、了ミノサリチノレ酸、了ミノヒドロ キシ安息香酸、ヒドロキシアントラニル酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジ ンジオン、ァミノナフトールスルホン酸、スルファニル酸を挙げることができ、例えば、 p ーァミノ安息香酸、 3—ァミノサリチル酸、 o ァミノ安息香酸、 4 アミノー 3—ヒドロキ シ安息香酸、 3—ヒドロキシアントラニル酸、 5—ヒドロキシアントラニル酸、 4 アミノサ リチノレ酸、 5—了ミノサリチノレ酸、 3—了ミノー 4ーヒドロキシ安肩、香酸、 4 了ミノー 3— メチルサリチル酸、アデニン、アデノシン、 5 アミノー 2, 3 ジヒドロ一 1 , 4 フタラ ジンジオン、 1 アミノー 2—ナフトールー4ースルホン酸、 p—スルファニル酸及びそ れらの誘導体等を挙げることができる。これらの添加アミン化合物は、 1又は複数を組 み合わせて使用することができる。
これらの内でも、血栓溶解促進作用の観点から、 p _アミノ安息香酸、 o _アミノ安 息香酸、 3—ァミノサリチル酸、 4—ァミノ _ 3—ヒドロキシ安息香酸、 3—ヒドロキシァ ントラニル酸、 5—ヒドロキシアントラニル酸、 3—ァミノ _4—ヒドロキシ安息香酸、 4 _ アミノサリチノレ酸、 5—ァミノ一 2, 3—ジヒドロ一1 , 4 _フタラジンジオン、 1—ァミノ一 2 _ナフトール一 4—スルホン酸、が好ましい。
[0072] 第 2の培養工程での生産用培地に含有可能な添加アミン化合物は、 目的とするトリ
プレニルフエノールイヒ合物を得るために必要な量で培地中に存在していればよぐ培 地の全容量の 5質量%以下、生産量の観点から好ましくは 0. 01質量%〜:!質量%、 更に好ましくは 0. 1質量%〜0. 5質量%で用いられる。
[0073] く第三のトリプレニルフヱノール化合物 >
本発明の第三のトリプレユルフェノールイ匕合物は、下記一般式 (ΠΙ)で表されるトリプ レニルフヱノール化合物である。
本第三のトリプレニルフヱノール化合物は、トリプレニルフヱノール骨格に、 ひ—芳 香族アミノ酸に由来する置換基が 1位の窒素原子に直接結合してレ、る。このため第 二のトリプレニルフヱノール化合物は、この 1位の窒素原子と芳香環との間に 1個又は 2個のメチル基のみが介在する。この結果、第二のトリプレニルフヱノール化合物は 単量体且つ低分子量の化合物であり、低濃度でも高レ、プラスミノーゲン活性化促進 作用を示すことができる。
[0074] [化 19]
[0075] 式中 R4は、下記一般式 (III一 1)で示される芳香族アミノ酸残基を表す。下記一般式
(III- 1)中 R5はあってもなくてもよい水酸基を表し、 nは 0又は 1の整数を表す。
[0076] [化 20]
[0077] 本化合物における芳香族アミノ酸残基は、吸収性の観点から置換基全体として分 子量 200以下であることが好ましぐ 160以下であることが更に好ましぐ 140以下で あることが特に好ましい。本芳香族アミノ酸残基は、 ひ位のカルボキシ基以外の他の 置換基を追加の置換基として更に有してレ、てもよレ、。このような追加の置換基として は、水酸基、カルボキシ基や、例えば炭素数 1〜5のアルキル基を挙げることができる 。なお、芳香族アミノ酸残基における芳香環に連結した置換基の位置は、パラ位、メ タ位、オルト位のいずれであってもよレ、。
[0078] このような芳香族アミノ酸残基としては、血栓溶解作用の観点から、フエニルダリシ ン、チロシン又はこれらの誘導体であることが好ましい。なお、チロシン残基の場合、 芳香環に連結した水酸基、カルボキシ基、低級アルキル基等の位置はパラ位、メタ 位、オルト位のいずれであってもよレ、。このような芳香族アミノ酸残基としては、中でも 、以下に挙げるものが更に好ましい。
[0079] [化 21]
[0080] このような芳香族アミノ酸残基は、後述するようにフエニルダリシン、チロシン及びこ れらの誘導体からなる群より選択された添カ卩ァミンィ匕合物から誘導することができる。
[0081] また式中 Xは、 -CHY- (CH ) Zであり、 Y及び Zは、それぞれ—H又は—OHで ある力、一緒になつて単結合を形成する。生理活性の観点から、 Y及び Zはそれぞれ 一緒になつて単結合を形成したものであることが好ましい。
[0082] このような第三のトリプレニルフエノール化合物としては、以下のものを挙げることが できる。
[0083] [化 22]
l7.SS0/.00Zdf/X3d OS com動 o OA
[0085] [化 24]
tLSS0/L 0ZdT/lJd
[0086] 上記本発明の第三のトリプレニルフエノールイヒ合物は、化学合成によって製造する こともできるが、糸状菌を用いて効率よく製造することができる。
即ち、本発明の第三のトリプレニルフエノール化合物を製造する製造方法は、後述 する添加アミン化合物を含む培養液中で糸状菌を培養する培養工程と、培養工程 後の培養物から、上記トリプレユルフェノール化合物を分離する分離工程とを含むも のである。
本製造方法では、糸状菌が、培養液中の芳香族アミノ酸又はその誘導体である添 加ァミン化合物を、トリプレユルフェノール骨格中の窒素原子に直接連結するひ—芳 香族アミノ酸残基として取り込む。これにより、効率よく第三のトリプレユルフェノール 化合物を得ることができる。
[0087] 本発明の第三のトリプレユルフェノール化合物を得るために使用される糸状菌とし ては、前記製造方法と同様にスタキボトリス属の糸状菌が選択される。特に好ましレ、 生産菌は、スタキボトリス'ミクロスポラ(Stachybotrys microspora)などであり、より好ま しくはスタキボトリス'ミクロスポラ(S. microspora) IFO30018株である力 本発明は、 この菌に限定されるものではない。
[0088] 第三のトリプレニルフヱノール化合物の製造方法では、芳香族アミノ酸及びその誘 導体である添カ卩ァミンィヒ合物は、糸状菌の培養工程中に存在していればよぐ培養 初期から存在させてもよいが、生産効率の観点から、培養中期に添加されることが好 ましい。
培養中期に添加アミン化合物を添加する場合には、前記糸状菌の培養工程が、ァ ミン化合物の含有量が 0. 5質量%以下の制限培地による第 1の培養工程と、培養中 期以降の添加アミンィ匕合物を含有している生産用培地による第 2の培養工程と、を含 むことが好ましい。
第 1の培養工程で使用する培地として、ァミン化合物の含有量が 0. 5質量%に制 限された制限培地を用いるので、第 2の培養工程に移る培養中期以降に、従来よりも 大量の中間体化合物を得ることができる。またこのように中間体化合物を大量に生成 してから、第三のトリプレニルフヱノールイ匕合物を得るための添カ卩ァミン化合物を含む 生産用培地による第 2の培養工程を実行することにより、効率よく且つ選択性よく目
的とする第三のトリプレニルフエノールイ匕合物を得ることができる。
なお、本明細書において「アミンィ匕合物」とは、特に断らないかぎり、添加アミン化合 物も包含する。
[0089] 第三のトリプレニルフヱノール化合物を製造するための製造方法は、添加アミンィ匕 合物の種類以外は、前述の本発明のトリプレユルフェノールィヒ合物の製造方法にお ける第一の製造方法について記述したものと同様であり、前述した記載をそのまま適 用すること力 Sできる。
[0090] 添加アミン化合物としては、アミノ基、カルボキシ基の他に置換基を有していてもよく 、水酸基や、例えば炭素数 1〜5の低級アルキル基を有していてもよい。また添加アミ ン化合物中にアミノ基が複数あってもよいが、製造効率の観点から、アミノ基を 1つ有 するものであることが好ましい。
[0091] 添加ァミン化合物としては、フエニルグリシン、ヒドロキシフエニルグリシン、チロシン 及びこれらの誘導体を挙げることができる。このような添カ卩ァミン化合物としては、例え ば、 L フエニルグリシン、 D フエニルグリシン、 L ヒドロキシフエニルグリシン、 D— ヒドロキシフエニルグリシン、 L チロシン、 D チロシン、 L ヒドロキシメチルフエ二 ノレグリシン、 D ヒドロキシメチルフエニルグリシン、 Lーヒドロキシェチルフエ二ルグリ シン、 D ヒドロキシェチルフエニルグリシン、 L—カルボキシフエニルグリシン、 D 力 ノレボキシフエニルグリシン、 L—カルボキシメチルフエニルグリシン、 D—カルボキシメ チルフエニルグリシン、 L カルボキシェチルフエニルグリシン、 D カルボキシェチ ノレフエニルグリシン、 Lーメチルチロシン、 D メチルチロシン、 Lーェチルチロシン、 D ェチルチロシン、 L—カルボキシフエ二ルァラニン、 D—カルボキシフエ二ルァラ ニン、 L—カルボキシメチルフエ二ルァラニン、 D—カルボキシメチルフエ二ルァラニン 、 L—カルボキシェチルフエ二ルァラニン、 D—カルボキシェチルフエ二ルァラニン等 を挙げることができる。具体例としては、例えば、 L—フエニルダリシン、 D—フエニル グリシン、 L— 3—ヒドロキシフエニルグリシン、 D— 3—ヒドロキシフエニルグリシン、 L _4—ヒドロキシフエニルグリシン、 D— 4—ヒドロキシフエニルグリシン、 L_p_チロシ ン、 D— p—チロシン、 L— 2—ヒドロキシフエニルグリシン、 D— 2—ヒドロキシフエニル グリシン、 L (or D) - 2 (or 3 or 4)—ヒドロキシ一3 (2 or 4 or 5 or 6)—メチル(orェ
チル)一フエニルグリシン、 L (or D)— 2 (or 3 or 4)—カルボキシ一フエニルグリシン 、 L (or D)— 2 (or 3 or 4) カルボキシ 3 (2 or 3 or 4 or 5 or 6)ーメチノレ(orェ チル)一フエニルグリシン、 L (or D)— 0—チロシン、 L (or D)—m チロシン、 L (or D)—2 (or 3 or 4 or 5 or 6)—メチノレ (orェチノレ) _p (or o or m)—チロシン、 L (or D) - 2 (or 3 or 4)—カルボキシフヱ二ルァラニン、 L (or D) - 2 (or 3 or 4)—カル ボキシ一3 (2 or 4 or 5 or 6)—メチル(orェチノレ)フエ二ルァラニン及びそれらの誘 導体等を挙げることができる。これらの添加アミン化合物は、 1又は複数を組み合わ せて使用することができる。
これらの内でも、血栓溶解促進作用の観点から、 L—フエニルダリシン、 D—フエ二 ノレグリシン、 L— 3—ヒドロキシフエニルグリシン、 D— 3—ヒドロキシフエニルグリシン、 L_p—チロシンが好ましい。
[0092] 第 2の培養工程での生産用培地に含有可能な添加アミン化合物は、 目的とするトリ プレニルフエノールイヒ合物を得るために必要な量で培地中に存在していればよぐ培 地の全容量の 5質量%以下、生産量の観点から好ましくは 0. 01質量%〜:!質量%、 更に好ましくは 0. 1質量%〜0. 5質量%で用いられる。
[0093] <血栓溶解促進剤 >
本発明の血栓溶解促進剤は、上記第二及び第三のトリプレユルフェノール化合物 の少なくとも 1つを有効成分として含むことを特徴とするものである。
上述した第二及び第三のトリプレニルフヱノール化合物は、低分子量で効果的な 血栓溶解促進作用を有する。
上記トリプレニルフエノール化合物は、本血栓溶解剤中では、遊離形態、薬学的に 許容可能な塩又はエステルなど、医薬として通常適用可能な形態で本血栓溶解剤 に含有されることができる。
また本血栓溶解剤は、各種投与形態に応じて適宜剤型を変更することができる。経 口投与形態としては、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤又はシロップ 剤等を挙げることができ、非経口投与形態としては、注射剤、点滴剤、座剤、吸入剤 、貼付剤等を挙げることができる。
これらの形態を維持するために、これらの用途に使用可能な周知の溶媒、賦形剤
等の添加剤を含むことができる。
[0094] 本発明の血栓溶解剤は、年齢、体重、症状に応じて適切な投与量で投与すること ができ、例えば静脈内投与の場合には、成人 1日あたり有効成分量として、 1から 25 mgZkgの投与、経口投与の場合には、成人 1日あたり有効成分量として、 2から 20 OmgZkgの投与が好ましぐ投与期間は、年齢、症状に応じて任意に定めることがで きる。
実施例
[0095] 以下に本発明の実施例について説明する力 これに限定されるものではなレ、。また 実施例中の%は、特に断らない限り、質量/容量基準である。
[0096] [実施例 1]
Stachybotrys microspora IFO30018株の胞子を種培養用培地 100mlの入った 50 Oml容三角フラスコに接種し、ロータリーシエイカーを用いて 180i"pm, 25°Cで 4日間 にわたり種培養を行った。種培養用培地は、グルコース (4%)、大豆ミール (0. 5%) ,乾燥ブイヨン(0· 3%)、粉末酵母エキス(0· 3%)を水に溶かし、 HC1を用いて pH5 • 8に調製し、消泡斉 ljCB442 (0. 01 %) (日本油脂化学, 日本)を加え、培養器に 10 0mlずつ分注後、オートクレーブ(121°C, 15min)を行ったものを使用した。
[0097] この培養液 5mlを、本培養培地 100mlの入った 500ml容三角フラスコに接種し、 ロータリーシヱイカーを用いて 180rpm, 25°Cで 4日間にわたり本培養を行った。本 培養用培地(制限培地)は、スクロース(5%) ,粉末酵母エキス(0. 1 %) , NaNO (0
. 3%) , K HPO (0. 1%) , MgSO · 7Η〇(0· 05%) , KC1 (0. 05%)、 CoCl · 6
H O (0. 00025%) , FeSO · 7Η〇(0. 0015%) , CaCl · 2Η〇(0. 00065%)を 水に溶かし、 HC1を用いて pH5. 8に調製し、消泡剤 CB442 (0. 01%) (日本油脂 化学, 日本)を加え培養器に 100mlずつ分注後、オートクレープ(121°C, 15min) を行ったものを使用した。
接種した日を培養 0日目とし、培養 4日目(96時間後)に lOOmgの塩化アンモニゥ ムを培地に添加(生産用培地)して培養を継続した。培養 5日目にメタノールを 200m 1添加して、培養を終了した。その後、ロータリーシエイカーを用いて 180rpm, 25°C で約 3時間にわたり振盪して抽出を行つた。
[0098] [実施例 2]
実施例 1の培養抽出液 300mlから、ブフナーロートを用いて菌体を除去し、培養上 清を得た。水流ポンプによる減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行つ た。残量が約 50mlとなった時点で濃縮を止めた。等量の酢酸ェチルで 3回抽出し、 無水硫酸ナトリウムで脱水後、ろ過し、濃縮、乾固した。乾固物を、 Me〇H約 3mlに 溶解した後、ろ過した。
さらにこれを 3000rpm, lOminで遠心した。 HPLCでの分取を行う前に、この上清 を Lichrolut (登録商標) RP— 18 (lOOmg) (MERCK KGaA、 Darmstadt, Germany)に て前処理を行った。逆相 HPLCはカラム; Inertsil PREP- ODS (直径 30 X 250mm) ( ジーエルサイエンス株式会社,東京, 日本)、温度; 40°C、流速; 25ml/min、検出 波長; 260nm、展開溶媒; 50mM酢酸アンモニゥムを含む 75%メタノールで行い、 保持時間 11. 5分のピークを分取した(図 2参照)。ロータリーエバポレーターを用い てメタノールを留去した後、等量の酢酸ェチルで 3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱 水後ろ過し、濃縮した。これをメタノールに溶解してろ過し、濃縮、乾固して精製物 33 . 23mgを得た。収率約 30質量/質量%。
[0099] [実施例 3]
実施例 2で得られた白固体の化合物(SMTP— 0とする)の物理化学的性状を調べ た。
なお、本実施例の化合物の対照物としては、下記スタキボトリン(Stachybotrin) B ( 旋光度は( + ) )を用いた。スタキボトリン Bの構造は、 J. Org. Chem" (1992), Vol.57, pp.6700-6703を参照したものである。 (ただし、絶対立体構造が未決定であるため下 記の構造は相対立体配置である。 )
[0100] [化 25]
Stachybotrin B
[0101] NMRは、 Alpha600 lE〇L)を用い、 H 600MHz, C 150MHz、 50。Cで測 定した。サンプルは約 10mg/mlの DMSO— d溶液とした。
6
MALDI— T〇F— MSは、 Voyager- DE STR (Applied Biosystem社)を用い、 ositiv e ion modeで α シァノ 4—ヒドロキシケィヒ酸をマトリックスとして測定した。
UVは、 320 spectrophotometer (Hitachi)を用いた。試料は MeOHに溶解した(5 β g/ ml)。
FT— IRは、 JIR—WINSPEC50 FEOL)を用いた。 Me〇Hに溶解した試料 750 μ gを岩塩に塗布して測定した。
旋光度は、 01?_360 八3〇0)を用ぃた(27°〇、 Na)。試料は Me〇Hに溶解した uOmg ml)。
結果を図 2及び表 1に示す。
[0102] 実施例 2で得られた SMTP— 0の物理化学的性状は、以下の通りであった。
外観:白固体
分子式: C H NO
23 31 4
MALDI -TOF- MS (M + H) + : 386. 2599
理論値: 386· 2331 (C H NO )
23 32 4
UV え max" ) MeOH:
215( ε 55,769)、 251 ( ε 10,615)、 300( ε 4,000)
IRスペクトル v (cm—1):
3259.15、 2917.81、 1666.22、 1612.22、 1469.51、 1359.59、 1166.74、 1081.88、 85 0.46、 773.32、 723.18、 674.97、 566.98、
27
比旋光度 [ Ct ] 2. 23。 (c 1. 0, MeOH)
[0103] [表 1]
[0104] これらの結果から、実施例 2で得られた SMTP— 0は、スタキボトリン B (前述の非特 許文献 1参照)と同一の平面構造を有することが示唆された。し力 ながら、 SMTP —0は(一)の旋光度を有するのに対して、スタキボトリン Bの旋光度は(+ )であった。 このように、下記に示される本実施例の SMTP— 0は明らかにスタキボトリン Bと異な る立体構造を有している。
[0105] [化 26]
[実施例 4]
実施例 3で明らかになった SMTP— 0とスタキボトリン Bの立体構造の相違の詳細を 明らかにするため、改変モッシヤー法を用いた解析を行った。
SMTP— 0 (50mg、 78 μ mol)をァセトニトリル(2mL)に溶解し、 N, N—ジイソプ 口ピルェチルァミン(50 μ
0Μ、へキサン溶液) (1
50 μ 1)をカ卩ぇ室温で 24時間撹拌した。反応液を濃縮することによって SMTP— 0の メチルエーテル(SMTP _ 0 _ OMe) (44mg)を得た。
SMTP _ 0 _〇Me (20mg、 50 μ mol)を N, N—ジメチルホルムアミド(lmL)に溶 解し、 R- (-) - ひ一メトキシ一ひ一(トリフルォロメチル)フエニルァセチルクロリド(2 5mg)、トリェチルァミン(30 μ 1)、 4—ジメチルァミノピリジン(2mg)を加えて室温で 2 4時間撹拌した。反応液に水(10mL)をカ卩え、酢酸ェチル(50mL)で抽出した。有 機層は、 IN HC1、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で洗浄した 後、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、減圧下濃縮した。残留物を薄層クロマト グラフィー(へキサン一酢酸ェチル)により精製し、 S - a—メトキシ一ひ - (トリフルォ ロメチル)フエニルァセチル酢酸の SMTP— 0— OMeエステル(S— MTPA— SMT Ρ- 0 - OMe) (18mg)を得た。
R- (一) - a—メトキシ一ひ - (トリフルォロメチル)フエニルァセチルクロリドの代わ りに、 S— ( + )— α—メトキシ一 α - (トリフルォロメチル)フエニルァセチルクロリドを 用いた上記と同様の反応を行うことによって、 SMTP— 0— OMe (20mg、 50 μ mol )から R— —メトキシ一 α - (トリフルォロメチル)フエニルァセチル酢酸の SMTP— OMeエステル(R - MTPA- SMTP— 0— OMe) ( 17mg)を得た。
[0108] 上記の方法にょり得られたR— MTPA— SMTP— 0—〇Me、 S— MTPA—SMT P— 0— OMeについて各種核磁気共鳴スペクトルを測定し、それぞれの化合物のプ 口トンの帰属を行った。結果を表 2に示す。
S_MTPA_SMTP_0_〇Meのケミカノレシフト δ SとR_MTPA_SMTP_0 — OMeのケミカルシフト δ Rの差(Δ δ = δ S- δ R)を計算した結果、 7位のアキシ アル位プロトンの Δ δが負の値となり(Δ δ =_0. 12)、 25位メチル基プロトンの Δ δが正の値(Δ δ =+0.03)となったこと力、ら、本発明の SMTP— 0の絶対立体配 置は、上記実施例 3で示したような絶対立体配置(8位および 9位の立体はともに S)と 決定した。
[0109] [表 2]
S TP-0-OMe, R- TPA-SMTP-0-O eおよび S-MTPA-SMTP-0-OMeの NMRスペクトルの »Β
S TP-0-OMe R-MTPA-S TP-0-OMe S- TPA-S TP-0-OMe
Position (Hz) J (Hz) (Hz)
4 6.91 1 H,s 6.90 1 H, s 6.94 1 H' s
7 2.98 1 H, dd 5.1, 17.6 3.16 1 H, dd 5.3, 18.0 3.16 1 H, dd 5.1, 18.0
2.77 1 H, dd 5.5, 18.0 2.76 1 H, dd 6.6, 18.0 2.88 1 H, dd 5.9, 18.0
8 3.94 1 H,dd 5.1, 8.6 5.29 1 H, dd 5.5, 6.2 5.28 1 H, t 5.5
13 4.32 1 H'd 17.2 4.27 2 H, s 4.28 2 H's
4.28 1 H,d 16.9
14 1.65 2 H,m 1.64 2 H, m 1.63 2 H, m
15 2.14 2 H, m 2.12 2 H, m 2.11 2 H, m
16 5.10 1 H,t 7.0 5.07 H' m 5,07 1 H, t 7.0
18 1.96 2 H, m 1.96 2 H, t 7.7 1.96 2 H, t 7.7
19 2.04 2 H,m 2.05 2 H, m 2.04 2 H, m
20 5.07 1 H, t 7.0 5.06 1 H, m 5.02 1 H,t 7.0
22 1.67 3H,s 1.67 3 H, s 1.67 3 H, s
23 1.57 3 H, s 1.57 3H, s 1.56 3H, s
24 1.58 3 H, s 1.59 3H, s 1.58 3H,s
25 1.37 3 H, s 1.28 3 H,s 1.23 3 H,s
5-O e 3.87 3 H, s 3.86 3 H, s 3.87 3 H, s TPA 3.45 3H, s 3.49 3 H, s moiety 7.36 3H, m 7.30 1 H, t 7.7
7.48 2 H, d 7.7 7.36 1 H, t 7.3
7.43 2 H, d 7.7
[0110] [実施例 5]
実施例 2で得られた SMTP— O (50 μ Μ、 100 μ Μ、 200 μ Μ)の線溶促進活性を 、ゥロキナーゼ触媒によるプラスミノーゲン活性化を促進する活性として以下のように
して評価した。
30mMの SMTP溶液(DMSO溶液)を TBS/T(50mM Tris-HCl, lOOmM NaCl及び 0. 01% Tween80, pH7. 4)で希釈して 1. 5mM (in 5%DMSO-TBS /T)溶液を調製した。この溶液を 5%DMS〇 in TBSZTで希釈して上記の濃度の SMTP溶液を調製した。
[0111] (1)プラスミノーゲン断片生成活性の測定
SMTP溶液(60 μ 1)を 240 μ 1の 1. 25倍濃度反応液(VLK_pNA(Val_Leu_L ys— p—二トロア二リド)を含まない)と混合して 37°Cで 60分間反応させた。その後、 7 5 μ 1の 50%トリクロ口酢酸 (TCA)を加えて反応を停止して氷上で 60分間放置した。 TCA不溶性物質を遠心により沈殿させ、これをアセトンで 2回洗浄した。得られた沈 殿を乾燥後、 Ιΐμΐの SDSサンプノレノ ッファー(0. 125MTris-Cl, pH6. 8, 4% SDS, 20%グリセロール, 0. 02%ブロモフエノールブルー)を加えて溶解し、その 1 O/ilを用いて SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った(10%ゲル)。結果を図 3 に示す。
[0112] (2)プラスミノーゲン活性化の測定
10 μ 1( SMTP¾¾(10 μ 1) ¾r40 μ\(01. 25倍濃度反応液(0. 0625 μΜのプラ スミノーゲン, 62. 5U/mlのゥロキナーゼ、 0. 125mMの VLK— pNA)と 96穴マイ クロプレート中で混合し、直ちにマイクロプレートリーダーで経時的に VLK—pNAの 加水分解を 405nmの吸収をモニタすることにより測定した。測定は 37°Cで、 2分間 隔で 60分まで行った。結果を図 4に示す。
[0113] 図 3及び図 4に示されるように、その結果、いずれの濃度においてもプラスミノーゲ ン活性化を促進する作用は示さなかった(図 3参照)。また、血管新生阻害活性をも つプラスミノーゲン断片の生成に対しても作用を示さなかった(図 4参照)。
このような SMTP— 0の二級アミンを D—トリプトファンなどのアミノ酸で修飾すること によって、強レ、プラスミノーゲン活性化促進作用を示す活性型トリプレニルフヱノール 化合物を得ることができる。
[0114] 本実施例では、活性化トリプレニルフエノール化合物を容易に誘導可能な中間体ト リプレニルフヱノール化合物を提供することができた。
これにより、安定して発酵法では生産できない態様な活性化トリプレユルフェノール 化合物を得ることができる。
[0115] [実施例 6]
ァミン化合物の添加時期につレ、て以下のように検討した。
本培養用培地(制限培地)は、スクロース(5%) , NaNO (0. 3%) , K HPO (0. 1
3 2 4
%), MgSO · 7Η〇(0· 05%) , KC1 (0. 05%)を水に溶力、し、 HC1を用いて pH5
4 2
. 8に調製し、消泡斉 ljCB442 (0. 01 %) (日本油脂化学, 日本)を加え培養器に 100 mlずつ分注後、オートクレーブ(121°C, 15min)を行ったものを使用し、実施例 1と 同様に培養を行った。
培養開始後、 24時間、 48時間、 72時間、 96時間、 120時間にそれぞれ、アミンィ匕 合物としての L—シスチン(0. 3%)を添カ卩し、その後、 24時間培養して、生産量を測 定した。生産量の測定には、培養液に 2倍量のメタノールを添加後 1時間振とうして S MTP化合物を抽出し、 10,000rpmで遠心して上清を分離して、これを用いた。この 上清の 0. 01mlを、シリカ ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーに供し、 50 mM酢酸アンモニゥムを含む 80%メタノールで lml/minの流速で展開し、 260nm の吸光度をモニタした。標準サンプルの保持時間と一致するサンプルのピークの面 積を標準サンプルのピーク面積と比較することにより定量を行った。
結果を表 3に示す。
[0116] [表 3]
L-シスチンの添加 SMTP-9の蓄
時間(生産培養開 手貝夏
始後の時間) mg/ml
24 0.14
48 0.04
72 0.67
96 0.34
120 0.30
[0117] 表 3に示されるように、ァミン化合物を含有しない制限培地による培養開始直後で はなぐ一定期間後に、アミノ酸を含有する生産用培地による培養を行うことによって 、 SMTP— 9の生産量が増加した。特に、制限培地による培養開始後の培養初期で はなぐ 72時間以降、即ち、培養中期以降にアミノ酸を添加した場合に、 SMTP - 9 の生産量が大幅に増加した。
また比較例として、培養初期(培養と同時〜 4日目以内)に、ァミン化合物の量と種 類を制限しない培地に L—シスチンを添加することにより、 SMTP— 9を得た(特開 2 002— 65288号及び特開 2004— 224737号参照)力 本実施例による製造方法と 比較して、生産量は、最大で 0. lmgZml程度で、本方法の 15%以下であった。ま た、この従来の方法では特に、アミノ酸又はァミノアルコールを培養開始後 5日以降 に添加すると、生成物の生産が激減したが、本実施例では 5日後の添加でも高い生 成量を維持することができた。
従って、本実施例の製造方法は、 SMTP化合物を効率よく製造することができる。
[0118] [実施例 7]
次に、制限培地及び生産用培地に添加可能な無機塩類について以下のとおり検 討した。
本培養用培地(制限培地)は、グルコース(2%) , NaNO (0. 3%) , K HPO (0.
1 %) , MgSO · 7Η O (0. 05%) , KC1 (0. 05%) , FeSO · 7Η O (0. 001%)を 水に溶かし、 HC1を用いて pH5. 8に調製し、消泡剤 CB442 (0. 01%) (日本油脂 化学, 日本)を加え培養器に 100mlずつ分注後、オートクレーブ(121°C, 15min) を行った培地 (D培地)を基本培地として、表 4に記載の成分および濃度を変更した。 これらの培地を使用し、実施例 1と同様に培養を行った。
培養開始後、 72時間にァミン化合物としての L—シスチン (0. 1 %)を添カ卩し、その 後、 48時間培養して、生産量を実施例 6に記載の方法で測定した。
結果を表 4に示す。
[0119] [表 4]
変更、あるいは追加し 度 D培地から除外し SMTP-9 積量
た培地成分 (%) た成分 mg/ml 硝酸ナトリウム 0.1 0.08
0.3 0.10
0.5 0.14
硝酸カリウム 0.1 硝酸ナトリウム 0.06
0.3 0.18
0.5 0.26
硫酸第一鉄 7水和物 0.005 0.43 リン酸一カリウム リン酸二カリウム 塩化カルシウム 2水和
塩化コバルト 6水和物
0.20
0.01 0.04
硫酸マグネシウム 0.1 0.40
0.2 0.16
0.3 0.18
塩化カリウム 0.1 0.30
0.25 0.03
0.5 0.03
[実施例 8]
さらに、金属塩、炭素源、硝酸ナトリウム、添加するァミン (以下の実施例では L—シ スチン)の濃度の検討を以下のように行った。
本培養用培地(制限培地)は、スクロース(5%) ,ペプトン(0. l%)、 NaNO (0. 3
%), K HPO (0. 1 %) , MgSO · 7Η O (0. 05%) , KC1 (0. 05%)を水に溶かし
、 HC1を用いて pH5. 8に調製し、消泡斉' JCB442 (0. 01 %) (日本油脂化学, 日本) を加え培養器に 100mlずつ分注後、オートクレーブ(121°C, 15min)を行った培地
(F培地)を基本培地として、表 5に記載の成分および濃度を変更した。これらの培地 を使用し、実施例 1と同様に培養を行った。
培養開始後、 72時間にァミン化合物としての L シスチン (表 5に記載の量)を添加 し、その後、 24時間、 48時間および 72時間培養して、生産量を実施例 6に記載の方 法で測定した。
結果を表 5に示す。
[表 5] 塩化カル 硫酸第一 ¾化コバ 変更、あるいは F培地から , 、 、 ^ SMTP-9の蓄¾¾ シゥ厶 2水鉄 7水和物 ルト 6水和 追加した培地 澳度 (%) 除外した成 ^^^^ ^ mg/ml
和物(%) (%) 成分 分 添加量(%)
物 (%) 24時間後 48時間後 _J2時間後
0.00065 0.005 0.0005 0.1 0.43 '.53 0.46
0.00065 0.005 D.0005 0.3 0.21 0 .25 0.23
0,00065 0.005 0.0005 0.5 0.63 0 .92 0.85
0.00065 0.005 0.0005 1 0.55 0 .85 0.85
0.00065 0.0015 0.00025 0.1 0.31 0 .32 0.30
0.00065 0.0015 0,00025 硝酸ナトリウム 0.7 0.1 0.48 0 .88 0.93
0.00065 0.0015 0.00025 0.3 0.67 0.98 1.01
0.00065 0.005 0.0005 スクロース 10 0.3 0.70 .01 1.01
0.00065 0.005 0.0005 スクロース 10 0.5 0.70 .43 1.75
スクロース 10
0.00065 0.005 0.0005 0.5 0.69 .0 1.05
ΐ肖酸ナトリウム 0.7
0.00065 0.005 0.00D5 グルコース 5 スクロース 0.1 0.32 .35 0.37
0.00065 0.005 0.0005 グルコース 5 スクロース 0.3 0.48 0.67
0.00065 0.0015 0.00025 グルコース 5 スクロース 0.1 0.36 0.34
0.00065 0.0015 0.00025 グルコース 5 スクロース 0.3 0.57
0.97
o
[0122] これらの結果から、炭素源としてスクロース、窒素源として酵母エキスおよび硝酸ナ トリウム、無機塩類としてリン酸二カリウム、硫酸マグネシウム、塩ィ匕カリウム、硫酸第 一鉄、塩化カルシウム、塩化コバルトを含む培地を用いることにより、 SMTP— 9の生 産量力 特開 2004— 224737号に記載された方法(2%のグルコース, 0. 5%のぺ プトン, 0. 3%の酵母エキス, 0. 3%の K HPO , 0. 01%の MgSO · 7Η Οと、 L_
2 4 4 2
シスチン lOOmgを含む培地 100ml中で培養を開始する)と比較して 10倍以上(0. 0 8mg/mlから lmg/ml以上)に増加した。また、上記制限培地(F培地)で 24時間、 48時間、 72時間、 96時間、 120時間培養後にそれぞれ、ァミン化合物としての L— シスチン(0. 5%)を添カ卩し、その後、 48時間培養して、生産量を測定した場合、 SM TP— 9の生産量はそれぞれ、 0. 55、 0. 70、 0. 92、 1. 21、 1. 15mg/mlとなった
[0123] SMTP— 9以外での化合物の生産を検討するため、オル二チン lmg/mlを用い
て、 SMTP— 7を、実施例 1で用いた制限培地及び生産用培地を用いた培養と(ォ ルニチンの添加時期は培養 4日目)、比較例として特開 2002— 65288号に記載の 基本培地(グルコース(2%) ,ペプトン 0· 5%,酵母エキス 0· 3%, K HPO (0. 3%
) , MgSO · 7Η 0 (0. 01 %)を水に溶力、し、 HC1又は NaOHを用いて ρΗ5. 5に調 整したもの)とオル二チン lmg/mlを含む培地を用いた培養とで生産量を比較した。 その結果、 SMTP— 7の生産量は、約 5倍(0. 3mg/mlから 1. 5mgZml)に増加し た。
これらの結果から、 SMTP化合物を効率よく得るためには、制限培地による培養開 始中期以降に、ァミン化合物を含有する生産用培地による培養を行って生成する際 に、所定の無機塩類を制限培地及び生産用培地に含有することが好ましいことがわ かった。
[0124] [実施例 9]
化合物 I 1の合成
Stachybotrys microspora IFO30018株(財団法人発酵研究所)の胞子を種培養用 培地 100mlの入った 500ml容三角フラスコに接種し、ロータリーシエイカーを用いて 180rpm, 25°Cで 4日間にわたり種培養を行った。種培養用培地は、グルコース(4 %)、大豆ミール (0. 5%)、乾燥ブイヨン (0. 3%)、粉末酵母エキス(0. 3%)を水に 溶かし、 HC1を用いて ρΗ5· 8に調製し、消泡斉 IJCB442 (0. 01 %) (0. lg/mlァセ トン溶液を lml/L添加) (日本油脂化学, 日本)を加え、培養器に 100mlずつ分注 後、オートクレーブ(121°C, 15min)を行ったものを使用した。
[0125] この培養液 5mlを、本培養培地 100mlの入った 500ml容三角フラスコに接種し、 ロータリーシヱイカーを用いて 180rpm, 25°Cで 5日間にわたり本培養を行った。 本培養用培地(制限培地)は、スクロース (5%) ,粉末酵母エキス(0. 1 %) , NaN O (0. 3%)、 K HPO (0. 1%) , MgSO · 7Η O (0. 05%)、KC1 (0. 05%)、 Co
CI - 6H O (0. 00025%) , FeSO - 7H O (0. 0015%)、 CaCl - 2H O (0. 00065
%)を水に溶かし、 HC1を用いて pH5. 8に調製し、消泡剤 CB442 (0. 01 %) (0. lg /mlアセトン溶液を lml/L添加) (日本油脂化学, 日本)をカ卩ぇ培養器に 100mlず つ分注後、オートクレーブ(121°C, 15min)を行ったものを使用した。
接種した日を培養 0日目とし、培養 4日目(96時間後)に lOOmgの p アミノフエノ ールを培地に添加して生産用培地とし、培養を継続した。それから約 24時間後にメ タノールを 200ml添加して、培養を終了した。その後、ロータリーシエイカーを用いて 180rpm, 25°Cで約 3時間にわたり振盪して抽出を行った。
[0126] 得られた培養抽出液 300mlから、ブフナーロートを用いて菌体を除去し、培養上清 を得た。水流ポンプによる減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行った 。残量が約 100ml以下となった時点で濃縮を止め、リン酸で pHを 2に調製して低温 室に一晩放置した。生じた沈殿を遠心により分離し、これをアセトンに溶解した。この アセトン懸濁液を遠心して上清を分離して濃縮乾固して 324. lmgの乾固物を得た 。これに Me〇Hを加えて lOOmgZmlの溶液とした後に 3000rpm, lOminで遠心し た。 HPLCでの分取を行う前に、この上清を Lichrolut (登録商標) RP_ 18 (100mg) (MERCK KGaA、 Darmstadt, Germany)にて前処理を行った。逆相 HPLCはカラム; I nertsil PREP-ODS (直径 30 X 250mm) (ジーエルサイエンス株式会社,東京, 日本 )、温度; 40°C、流速; 25ml/min、検出波長; 260nm、展開溶媒; 50mM酢酸アン モニゥムを含む 80%メタノールで行い、保持時間 16〜: 17分のピークを分取した。口 一タリーエバポレーターを用いてメタノールを留去した後、等量の酢酸ェチルで 3回 抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後ろ過し、濃縮した。これをメタノールに溶解して ろ過し、濃縮、乾固して化合物 1—1の精製物 99. 33mgを得た。
[0127] 化合物 I 1の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MSは、 Voyager- DE STR (Applied Biosystem社)を用い、 ositiv e ion modeで α シァノ 4—ヒドロキシケィヒ酸をマトリックスとして測定した。
UVは、メタノール中で 320 spectrophotometer (Hitachi)を用いて測定した。 FT— IRは、 JIR— WINSPEC50 FEOL)を用いた。アセトンに溶解した試料を岩 塩に塗布して測定した。
[0128] 化合物 I一 1の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 478.4473
Calculated: 478.2593 for C H NO
29 36 5
UV λ nm ( ε ) 214 (sh) (84,000), 260 (sh) (21,500), 291 (30,000)
max
IR v (NaCl) cm—1 3855, 3747, 3309, 2971, 2919, 2863, 1664, 1618, 1513, 146 max
1, 1373, 1247, 1168, 1074, 943, 835, 765, 684
[0129] [実施例 10]
化合物 I一 2の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 p—アミノ安息香酸とした以外は、実 施例 9と同様に本培養を行つた。
得られた培養抽出液 300mlから、ブフナーロートを用いて菌体を除去し、培養上清 を得た。水流ポンプによる減圧下、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮を行った 。残量が約 100ml以下となった時点で濃縮を止め、リン酸で pHを 2に調製して低温 室に一晩放置した。生じた沈殿を遠心により分離し、これをアセトンに溶解した。この アセトン懸濁液を遠心して上清を分離して濃縮乾固して 603. 3mgの乾固物を得た 。これに MeOHを加えて 100mg/mlの溶液とした後に 3000i"pm, lOminで遠心し た。 HPLCでの分取を行う前に、この上清を Lichrolut RP— 18 (lOOmg)にて前処 理を行った。逆相 HPLCはカラム; Inertsil PREP- ODS (直径 30 X 250mm)、温度 40 °C、流速; 25ml/min、検出波長: 260nm、展開溶媒; 50mM酢酸アンモニゥムを 含む 70%メタノールで行レ、、保持時間 21〜22分のピークを分取した。ロータリーェ バポレーターを用いてメタノールを留去した後、等量の酢酸ェチルで 3回抽出し、無 水硫酸ナトリウムで脱水後ろ過し、濃縮した。これをメタノールに溶解してろ過し、濃 縮、乾固して化合物 1_ 2の精製物 52. 44mgを得た。
[0130] 化合物 1— 2の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、及び FT— IRは、実施例 9と同様に測定した。 NMR は、 Alpha600 (JEOL)を用レ、、 ¾ 600MHZ, 1 C 150MHZ、 60。Cで測定した。 サンプルは約 1 Omg/mlの DMSO _ d溶液とした。
6
化合物 I一 2の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 506.2778
Calculated: 506.2543 for C H NO
30 36 6
UV λ nm ( ε ) 296 (29, 300)
max
IR v (NaCl) cm—1 3853, 3739, 3392, 2969, 2915, 2858, 1691, 1610, 1513, 146 max
3, 1429, 1365, 1303, 1267, 1 187, 1076, 939, 848, 779, 676, 551
NMR
[表 6]
11 148.29 2 : S MT P - 1 9
12 1 1870
13 47.53 4.73 (1 Ht d, J = : 15.8)
4.78 (1 H, d, J = : 15.8)
14 37.02 1.66 (2H, dd, J ^ = 7.5, 8.7)
15 20.91 2.16 (2H, m)
16 124.09 5.16 (1 H, t, J = 7.0)
17 134.13
18 38.94 1 ,93 (2H, m)
19 26.00 2,01 (2H, m)
20 123.87 5.05 (1 H, m)
21 130.36
22 25.07 1.60 (3H, s)
23 17.19 1.52 (3H, s)
24 15.45 1.57 (3H, s)
25 18.00 1.22 (3H, s)
26 142.82
27, 31 117.79 7.98 (2H, dd, J: = 1 .8, 7.0)
28, 30 129.90 7.95 (2H, dd, J: = 1.8, 7.0)
29 127.33
32 167.38
The chemical shift is relative to DMSO-cf6 39.5
ppm; 2.49 ppm). The coupling constant (J) is
given in Hz.
[実施例 11]
化合物 I 3の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
この培養液 5mlを、本培養培地 100mlの入った 500ml容三角フラスコに接種し、 ロータリーシエイカーを用いて 180rpm, 25°Cで 6日間にわたり本培養を行った。 本培養用培地(制限培地)は、スクロース (5%)、粉末酵母エキス(0· 1 %)、 KNO
3
(0. 7%)、K HP〇 (1. 5%)、MgS〇 · 7Η〇(0· 05%)、KC1 (0. 05%)、CoCl
2 4 4 2 2
•6H〇(0. 00025%)、 FeS〇 · 7Η〇(0. 0015%)、 CaCI · 2Η〇(0. 00065%)
2 4 2 2 2
を水に溶かし、 HC1を用いて pH5. 8に調製し、消泡剤 CB442 (0. 01 %) (0. lg/ mlアセトン溶液を lml/L添加) (日本油脂化学, 日本)をカ卩ぇ培養器に 100mlずつ 分注後、オートクレーブ(121°C, 15min)を行ったものを使用した。
接種した日を培養 0日目とし、培養 4日目(96時間後)に lOOmgの m—ァミノ安息 香酸を培地に添加して生産用培地とし、培養を継続した。それから約 40時間後にメ タノールを 200ml添加して、培養を終了した。その後、ロータリーシエイカーを用いて 180rpm, 25°Cで約 2時間にわたり振盪して抽出を行った。
[0133] 実施例 10と同様に粗精製を行い、 223. lmgの乾固物を得た。これに MeOHを加 えて 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPL Cは、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸ァ ンモニゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 70%から 90%へ、 30分間かけ て直線的に増加させた。保持時間 17. 5〜18. 5分のピークを分取した。得られた画 分を実施例 10と同様に精製し、化合物 I 3の精製物 40. 36mgを得た。
[0134] 化合物 I 3の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、及び FT— IRは、実施例 10と同様に測定した。 NM Rは、 Alpha600 lE〇L)を用い、 'H 600MHZ, 1 C 150MHZ、 25°Cで測定した 。サンプルは約 lOmgZmlのアセトン— d溶液とした。
6
[0135] 化合物 I一 3の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
30 35 6
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 506.2573
Calculated: 506.2543 for C H NO
30 36 6
UV λ nm ( ε ) 217 (46,786), 281 (17,583)
IR v (NaCl) cm 3352, 2970, 2920, 2858, 2634, 2540, 1693, 1616, 1593, 1462 max
1367, 1290, 1244, 1155, 1072
NMR
[0136] [表 7]
No. 6
11 149.87
12 120,52 I— 3 : S MT P - 2 0
13 48.61 4.81 (2H, s)
14 38.44 1.76 (2H, m)
15 22.23 2.25 (2H, m)
16 125.31 5.19 (1H, t, J = 6.6)
17 135.65
18 40.44 1.96 (2H, m)
19 27.39 〜2.03 (2H, m)
20 125.11 5.07 (1 H, t, J = 6.6)
21 131.66
22 25.79 1.61 (3H, s)
23 17.68 1.54 (3H, s)
24 16.01 1.61 (3H, s)
25 18.62 1.32 (3H, s)
26 141.55
27 120.58 8.60 (1 H, s)
28 132.34
29 125.43 7.79 (1H, dt J - ■ 7.2)
30 129.85 7.52 (1H, t, J = 7,8)
31 123.76 8.26 (1 H, d, J = 7.8)
32 167.62
The chemical shift is relative to acetone-d6 (5C 29.8
ppm [methyl carbon atom]; δΗ 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[0137] [実施例 12]
化合物 I一 4の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 0—ァミノ安息香酸とした以外は、実 施例 11と同様に本培養を行つた。
実施例 10と同様に粗精製を行い、 120mgの乾固物を得た。これに MeOHを加え て 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC
は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アン モニゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 70%から 90%へ、 40分間かけて 直線的に増加させた。保持時間 22. 8〜23. 8分のピークを分取した。得られた画分 を実施例 10と同様に精製し、化合物 1— 4の精製物 14. 58mgを得た。
[0138] 化合物 1— 4の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、及び FT— IRは、実施例 9と同様に測定した。 NMR は、 40°Cで実施例 11と同様に測定した。
[0139] 化合物 I一 4の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 506.2573
Calculated: 506.2543 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 215 (sh) (48,908), 260 (13,440), 301 (sh) (5,255)
IR v (NaCl) cm—1 3398, 2970, 2920, 2860, 2630, 2488, 1707, 1612, 1466, 1369,
1240, 1159, 1078, 1036
NMR
[0140] [表 8]
No. c
1 1 149.78
12 12178
13 51.01 4.70 (2H, s) I - 4 : S M T P 2
14 38.6B 1.76 (2H, m)
15 22.28 2.24 (2H, m)
16 125.36 5.19 (1 H, t, J = 6.6)
17 135.72
18 40.48 1 .97 (2H, m)
19 27.48 〜2.06 (2H, m)
20 125.19 5.08 (1 H, t, J = 6.6)
21 131.69
22 25.80 1.63 (3H, s)
23 17.72 1.56 (3H, s)
24 16.05 1.60 (3H, s)
25 18.51 1.30 (3H, s)
26 139.54
27 130.85
28 131.66 7.95 (1 H, d, J = ■7.2)
29 127.80 7.44 (1 H, t, J = 7.2)
30 133.27 7.65 (1 H, t, J = 7-8)
31 128.88 7.53 (1 H, dp J = 7.8)
32 167.62
The chemical shift is relative to acetone-cfe (5c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 5n 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 13]
化合物 I 5の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 4—ァミノサリチル酸とした以外は、 実施例 11と同様に本培養を行つた。
実施例 10と同様に粗精製を行レ、、 408mgの乾固物を得た。これに MeOHを加え て 150mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。検出波長は 290nmとした。展開溶 媒としては、 50mM酢酸アンモニゥムを含む 70%メタノールを用い、保持時間 12. 7 〜15分のピークを分取した。得られた画分を実施例 10と同様に精製し、化合物 1— 5
の精製物 18. 50mgを得た。
[0142] 化合物 I 5の特性を以下のようにして確認した。
FAB— MSは JEOL SX—102Aを用いて、グリセローノレをマトリックスとしてポジテ イブイオンモードで測定した。 UV、 FT—IR及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
[0143] 化合物 I一 5の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
FAB-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522
Calculated: 522.2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 212 (sh) (47,641), 288 (18,973), 306 (18,243)
IR v (NaCl) cm—1 3396, 2968, 2922, 2860, 2553, 1689, 1622, 1462, 1362, 1253,
1218, 1157, 1074
NMR
[0144] [表 9]
9 80.18
1 1 149.85 I - 5 : S M T P - 2 2
12 120.61
13 48.62 4.78 (2H, S s s s s)
14 38.42 1.77 (2Ht m)
15 22.21 2.26 (2H, m)
16 125.31 5.20 (1 H, m)
17 135.65
18 40.45 1.97 (2H, m)
19 27.39 〜2.06 (2Ht m)
20 125.10 5.08 (1 H, m)
26 147,49
27 106.43 7.69 (1 H, d, J = 2.2)
28 163.73
29 108.46
30 132.00 7.89 (1 H, d, J = 8.8)
31 110.15 7,54 (1 H, dd, J = 2.2, 8,8)
32 172.24
The chemical shift is relative to acetone-de (5c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 6 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 14]
化合物 I 6の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 4—ァミノ _ 3—ヒドロキシ安息香酸と した以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 10と同様に粗精製を行レ、、 170mgの乾固物を得た。これに MeOHをカロえ て 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アン モニゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 70%から 100%へ、 40分間かけ て直線的に増加させた。保持時間 14. 3〜: 15. 3分のピークを分取した。得られた画
分を実施例 10と同様に精製し、化合物 I 6の精製物 9. 54mgを得た。
[0146] 化合物 I 6の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 6の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522.2533
Calculated: 522.2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 206 (66,823), 263 (16,471), 297 (13,865)
IR v (NaCl) cm—1 3388, 2968, 2922, 2858, 2578, 1697, 1614, 1466, 1371, 1215
1076
NMR
[0147] [表 10]
No.
1 1 149.82
12 122.48
13 50.64 4.93 (2H, S s s s d, J: 4.0) I - 6 : S MT P— 2 3
14 38.40 1.76 (2H, m}
15 22.18 2.24 (2H, m)
16 125.21 5.18 (1 H, m)
17 135.67
18 40.41 1 .96 (2H, m)
19 27.38 〜2.05 (2H, m)
26 131.66
27 151.74
28 121.30 7.65 (1 H, d, J = 1 .8)
29 130.51
30 122.53 7.63 (1 H, dd = 1.8, 8.4)
31 125.13 7.59 (1 H, d, J = 8.4)
32 167.05
The chemical shift is relative to acetone-d6 (5c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 15]
化合物 I 7の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 3—ヒドロキシアントラニル酸とした以 外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 10と同様に粗精製を行い、 200mgの乾固物を得た。これに Me〇Hを加え て 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アン モニゥムを含むメタノールを用い、メタノール濃度を 70%から 80%へ、 10分間かけて 直線的に増加させた後に 80%を 10分間維持した。保持時間 12. 4〜13. 5分のピ
一クを分取した。得られた画分を実施例 10と同様に精製し、化合物 I 7の精製物 3 1. lmgを得た。
[0149] 化合物 I 7の特性を以下のようにして確認した。
MALDI_T〇F_MS、 UV、 FT_IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 7の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522.2327
Calculated: 522.2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 213 (57,753), 255 (11,155), 290 (7,714)
IR v (NaCl) cm—1 3356, 2968, 2920, 2858, 1697, 1616, 1470, 1294, 1159, 1076
762
NMR
[0150] [表 11]
No. d r. δ
232222233222211111191 811
5ί 99 ο46781235_90146782531
125.21 5.18 (1H, t, J = 6.6)
135.62
40.38 1.95 (2H, t, J = 7.8)
27.35 〜2.07 (2H, m)
125.07 5.07 (1H, t, J = 6.6)
126.16
132.97
120.91 7.49 (1H, d, J = 7.2)
129.32 7.33 (1 H, t, J = 7.8)
122.60 7.23 (1 H, d, J = 7.8)
155.83
167.31
The chemical shift is relative to scetone-cfe (6c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; δΗ 2.04 ppm). The
coupling constant {J) is given in Hz.
[実施例 16]
化合物 I 8の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 3—ァミノサリチル酸とした以外は、 実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 10と同様に粗精製を行い、 280mgの乾固物を得た。これに Me〇Hを加え て 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アン モニゥムを含む 75%メタノールを用い、保持時間 16. 0〜18. 6分のピークを分取し た。得られた画分を実施例 10と同様に精製し、化合物 I一 8の精製物 23. 29mgを得
た。
[0152] 化合物 I 8の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 8の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522.2537
Calculated: 2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 4 (57,962), 256 (10,633), 304 (11,676)
IR v (NaCl) cm—1 221, 2850, 2918, 2976, 1678, 1616, 1464, 1240, 1157, 1074
NMR
[0153] [表 12]
Νθ.
.36 1.94 (2H, m)
27.34 2.06 (2H, m)
125.06 5.05 (1 H, m)
127.82
158.51
115.53
130.02 7.88 (1H, dd, = 1.5, 7.7)
119.13 6.98 (1 H, = 7.7)
135.41 7.65 (1 H, dd, J = 1.5, 7.7)
173.03
The chemical shift is relative to acetone-cfe (5c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 5 2.04 ppm). The
coupling constant is given in Hz.
[実施例 17]
化合物 I 9の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 5—ァミノサリチル酸とした以外は、 実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 10と同様に粗精製を行い、 502mgの乾固物を得た。これに Me〇Hを加え て 200mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アン モニゥムを含む 70%メタノールを用い、保持時間 22. 0-25. 5分のピークを分取し た。得られた画分を実施例 10と同様に精製し、化合物 I一 9の精製物 66. 34mgを得
た。
[0155] 化合物 I 9の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 9の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522.2505
Calculated: 522.2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 214 (50,665), 259 (sh) (9,591), 295 (14,490)
IR v (NaCl) cm—1 3394, 2970, 2920, 2858, 1676, 1618, 1489, 1464, 1370, 1203
1161, 1076
NMR
[0156] [表 13]
67.61 3.96 (1 Ht del, J = 5.5, 7.7)
80.02 I - 9 : S M T P— 2 6 149.76
120.38
48.96 4.73 (2H, s)
38.46 1.76 (2H, m)
22.21 2.24 (2H, m)
125.31 5.19 (1 H, m)
135.62
40.43 1.96 (2H, m)
27.38 -2.06 (2H, m)
, 9.2)
The chemical shift is relative to acetone-cfe (5c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 5 2.04 ppm). The
coupling constant is given in Hz.
[実施例 18]
化合物 I 10の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 3—ァミノ _4—ヒドロキシ安息香酸と した以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 10と同様に粗精製を行レ、、 420mgの乾固物を得た。これに MeOHをカロえ て 150mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、展開条件以外は実施例 10と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アン モニゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 65%で 25分間維持した後に、 65 %から 100%へ、 5分間かけて直線的に増加させた後に 100%を 10分間維持した。
保持時間 28. 7〜32. 5分のピークを分取した。得られた画分を実施例 10と同様に 精製し、化合物 I 10の精製物 78. 94mgを得た。
[0158] 化合物 1—10の特性を以下のようにして確認した。
MALDI_T〇F_MS、 UV、 FT_IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 10の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522.2550
Calculated: 522.2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 215 (52,124), 252 (22,205), 308 (sh) (6,255)
IR v (NaCl) cm—1 3803, 3429, 3068, 2970, 2924, 2860, 2549, 2517, 1691, 1601
1464, 1302, 1076, 1036
NMR
[0159] [表 14]
No. δ
11 149.83
12 122.39 333 3 I - 1 0 : S MT P - 2 7
13 50.58 4.88 (2H, £ s S s d, J = 1.8)
14 38.45 1.76 (2H, m)
15 22.18 2.24 (2H, m)
16 125.26 5,18 (1 H, m)
17 135.63
18 40.40 1.95 (2H, m)
19 27.36 -2.06 (2H, m)
20 125.09 5.06 (1H, m)
21 131.63
22 25.78 1.61
23 17.68 1.54
24 15.98 1.60
25 18.54 1.31
26 127.96
27 156.64
28 119.43 7.08 (1H, d, J = 8.4)
29 130,36 7.87 (1 H, dd, J = 2.4f 8.4)
30 123.67
31 128.11 8.09 (1 H, d, .J = 2.4)
32 167.05
The chemical shift is relative to acetone-c/6 (6C 29.8
ppm [methyl carbon atom]; δΗ 2.04 ppm). The
coupling constant {J) is given in Hz.
[実施例 19]
化合物 I 11の合成
実施例 10と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 5—ヒドロキシアントラニル酸とした以 外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 10と同様に粗精製を行レ、、 305mgの乾固物を得た。これに MeOHをカロえ て 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 10と同様に前処理を行った。逆相 HPLC は、検出方法および展開条件以外は実施例 10と同様に行った。検出はダイオードァ レイ検出器を用レ、 260〜350nmをモニタした。展開溶媒としては、 0. 1 % (vol/vol )ギ酸を含む 80%メタノールを用レ、、保持時間 16. 7-17. 7分のピークを分取した。
得られた画分をロータリーエバポレーターで濃縮してメタノールを除去した後に凍結 乾燥した。乾燥物に n へキサンを加えて攪拌後遠心し、不溶物を回収した。この操 作を 3回行い、不溶物をメタノールで溶解後ろ過し、これを濃縮乾固して、化合物 I 11の精製物 43. 37mgを得た。
[0161] 化合物 1—11の特性を以下のようにして確認した。
MALDI_T〇F_MS、 UV、 FT_IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 11の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M + H)+: 522.2516
Calculated: 522.2492 for C H NO
UV λ nm ( ε ) 214 (66,614), 260 (16,471), 297 (sh) (9,695)
IR v (NaCl) cm—1 3373, 3329, 2970, 2920, 2860, 1705, 1660, 1610, 1504, 1464,
1338, 1296, 1219, 1074, 1032
NMR
[0162] [表 15]
12170
51.48 4.61 (2H, s)
38.56 1 .74 (2H, m)
22.17 2.22 (2H, m)
125.25 5.18 (1 H, m)
135.63
40.42 1.95 (2H, m)
27.39 〜2.06 (2H, m)
125.10 5.07 (1 H, m)
31.22
31.58
18.08 7.44 (1 H, d, J = 2.9)
157.16
120.07 7.09 (1 H, dd, J = 2.9, 8.4)
130.95 7.34 (1 H, d, J = 8.4)
167.09
The cherrncal shift is relative to acetone-cfe (6c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 20]
化合物 I 16の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、アデニンとした以外は、実施例 11と 同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 123mgの乾固物を得た。これに Me〇Hを加えて 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 9と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アンモニ ゥムを含むメタノールを用い、メタノール濃度を 70%から 100%へ、 30分間かけて直 線的に増加させた。保持時間 17. 5〜18分のピークを分取した。得られた画分を実
施例 9と同様に精製し、化合物 1—16の精製物 1. 66mgを得た。
[0164] 化合物 1—16の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— TOF— MS、 UVは、実施例 9と同様に測定した。
化合物 I一 16の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H N O
28 33 5 4
MALDI- TOF- MS (m/z)
Found (M+H)+: 504.2665
Calculated: 504.2611 for C H N O
28 34 5 4
UV λ nm ( ε ) 212 (43,984), 258 (9,260), 301 (3,422)
max
[0165] [実施例 21]
化合物 I一 17の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添カ卩した有機アミン化合物を、 5—アミノー 2, 3—ジヒドロ一 1, 4- フタラジンジオンとした以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 130mgの乾固物を得た。これに MeOHを加えて 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 9と同様に行った。展開溶媒は、 50mM酢酸アンモニゥムを 含む 75%メタノールで行レ、、保持時間 16. 5〜: 17. 5分のピークを分取した。分取画 分を実施例 9と同様に精製し、化合物 1—17の精製物 10. 20mgを得た。
[0166] 化合物 1—17の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、及び FT— IRは、実施例 9と同様に測定した。
化合物 I一 17の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H N O
31 35 3 6
MALDI- TOF- MS (m/z)
Found (M+H)+: 546.2742
Calculated: 546.2604 for C H N〇
31 36 3 6
UV λ nm ( ε ) 208 (85,822), 260 (14,722), 306 (11,668)
max
IR v (NaCl) cm"1 3408, 3259, 2968, 2918, 2858, 1659, 1605, 1473, 1333, 11 max
59,1076, 1041
[0167] [実施例 22]
化合物 I 18の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 1—ァミノ一 2—ナフトーノレ一 4—ス ルホン酸とした以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 199mgの乾固物を得た。これに MeOHをカ卩えて lOOmgZmlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 9と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アンモニ ゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 70%から 100%へ、 30分間かけて直 線的に増加させた。保持時間 14. 5〜: 15. 5分のピークを分取した。得られた画分を 実施例 9と同様に精製し、化合物 1—18の精製物 18. 40mgを得た。
[0168] 化合物 1—18の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— TOF— MS、 UV、及び FT— IRは、実施例 9と同様に測定した。 化合物 I 18の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO S
MALDI- TOF- MS (m/z)
Found (M+H)+: 608.2346
Calculated: 608.2318 for C H NO S
UV λ nm ( ε ) 217 (63,880), 234 (sh) (49,185), 260 (12,144), 285 (11,173), 29
6 (11,051), 326 (5,586), 338 (60,72)
IR v (NaCl) cm—1 3452, 3242, 2968, 2916, 2856, 2146, 1670, 1616, 1464, 1425,
1358, 1171, 1051
[0169] [実施例 23]
化合物 I一 19の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 p_スルファニル酸とした以外は、実 施例 11と同様に本培養を行つた。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 316mgの乾固物を得た。これに MeOHを加えて 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 9と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アンモニ ゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 65%から 100%まで 35分間かけて直 線的に増加させた。保持時間 18〜: 18. 5分のピークを分取した。得られた画分を実 施例 19と同様に精製し、化合物 1—19の精製物 12. 33mgを得た。
[0170] 化合物 1—19の特性を以下のようにして確認した。
MALDI_T〇F_MS、 UV、 FT— IR及び NMRは、実施例 12と同様に測定した 化合物 I一 19の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO S
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 542.2233
Calculated: 542.2212 for C H NO S
UV λ nm ( ε ) 224 (sh) (25,112), 286 (19,484)
IR v (NaCl) cm—1 3188, 3057, 2972, 2918, 2856, 1697, 1606, 1460, 1367, 1174
, 1132, 1080, 1036
NMR
[0171] [表 16]
11 148.35
12 118.71 1— 1 9 : S MT P— 4 2
13 47.71 4.71 (1 H, cid, J = 16.1, 24.9)
14 37.08 1.63 (2H, dd, J = 7.0, 9.2)
15 20.98 2.15 (2H, m)
16 124.16 5.14 (1H, m)
17 134.26
18 〜39.5 1.92 (2H, m)
19 26.07 2.00 (2H, m)
20 123.96 5.04 (1H, m)
21 130.52
22 25.27 1.60 (3H, s)
23 17.36 1.52 (3H, s)
24 15.57 1.56 (3H, s)
25 18.12 1.20 (3H, s)
26 143.77
27, 31 126.06 7.61 (2H, m)
28, 30 117.85 7.83 (2H, m)
29 139.55
The chemical shift is relative to dimethyl-cfe-sulfoxide
(5C 39.5 ppm [methyl carbon atom]; 5H 2.49 ppm).
The coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 24]
化合物 I 20の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 L フエニルダリシンとした以外は、 実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行レ、、 270mgの乾固物を得た。これに MeOHをカ卩えて 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 9と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アンモ- ゥムを含むメタノールを用レ、、メタノール濃度を 75%から90%へ、 40分間力、けて直 線的に増加させた。保持時間 15〜: 18. 5分のピークを分取した。得られた画分を実 施例 9と同様に精製し、化合物 1— 20の精製物 37. 85mgを得た。
[0173] 化合物 I— 20の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR及び NMRは、実施例 11と同様に測定した 化合物 I一 20の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
31 37 6
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 520.2662
Calculated: 520.2699 for C H NO
31 38 6
UV λ nm ( ε ) 214 (46,214), 259 (11,112), 300 (3,012)
max
IR v (NaCl) cm—1 3423, 2968, 2920, 2864, 1726, 1660, 1620, 1464, 1350, 1205 max
, 1169, 1074
NMR
[0174] [表 17]
No. dc δ
2 169,12
14 38.35 1.69 (2H, m) 1 -20 : SMTP - 43
15 22.19 2.16 (2H, m)
16 25.23 5.15 (1H, m)
17 135.61
18 40.40 1.95 (2H, t, J
19 27.38 2.06 (2H, m)
26 58.81 6.16 (1H s)
27 136.19
28, 32 12970 7.45 (2H, m)
29, 31 129.83 7.45 (2H, m)
30 129.32 7.40 (1H, m)
33 171.81
The chemical shift is relative to acetone-cf6 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz,
[実施例 25]
化合物 I 21の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 D フエニルグリシンとした以外は、 実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 150mgの乾固物を得た。これに Me〇Hを加えて 75mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、展 開条件以外は実施例 9と同様に行った。展開溶媒としては、 50mM酢酸アンモニゥ ムを含むメタノールを用い、メタノール濃度を 70%から 100% 30分間かけて直線 的に増加させた。保持時間 19 20.5分のピークを分取した。得られた画分を実施
例 9と同様に精製し、化合物 I 21の精製物 17. 59mgを得た。
[0176] 化合物 1— 21の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 21の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
31 37 6
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 520.2747
Calculated: 520.2699 for C H NO
31 38 6
UV λ nm ( ε ) 215 (44,864), 259 (11,008), 300 (3,012)
max
IR v (NaCl) cm"1 3354, 2968, 2922, 2862, 1714, 1664, 1620, 1466, 1356, 120 max
7, 1167, 1074
NMR
[0177] [表 18]
No. (5
169.12
26 58.82 6.16 (1H,
27 136.12
28, 32 129.68 7.44 (2H, m)
29, 31 12978 7.44 (2H,
30 129.27 7.40 (1H,
33 171.89
The chemical shift is relative to acetone-d6 (5 [; 29.8
ppm [methyl carbon atom); SH 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 26]
化合物 I 22の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 L—4ーヒドロキシフエニルダリシンと した以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 365mgの乾固物を得た。これに MeOHをカ卩えて 150mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 19と同様に行った。展開溶媒としては、 0. 1 % (vol/vol) ^" 酸とメタノールを用レ、、メタノール濃度を 75%から 90%へ、 30分間かけて直線的に 増加させた。保持時間 13〜: 14分のピークを分取した。得られた画分を実施例 19と
同様に精製し、化合物 I 22の精製物 69. 68mgを得た。
[0179] 化合物 1— 22の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 22の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
31 37 7
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 536.2656
Calculated: 536.2648 for C H NO
31 38 7
UV λ nm ( ε ) 216 (42,714), 262 (11,026), 300 (2,783)
max
IR v (NaCl) cm"1 3348, 2974, 2922, 2856, 1718, 1660, 1612, 1514, 1464, 1365 max
, 1211, 1173, 1072
NMR
[0180] [表 19]
No. d
14 38.35 1.69 (2H, m)
15 22.18 2,16 (2H, m) 1—2 2 : S M T P - 4 4
16 125.23 5.15 {1 H, m)
17 135.60
18 40.40 1.96 (2H, m)
19 27.37 ~2.06 (2H, m)
20 125.12 5.08 (1H, m)
28, 32 131.03 7.27 (2H, m)
29, 31 116.48 6.91 (2H, nn)
3D 158.43
33 172.13
The chemical shift is relative to acetone-d6 (Sc 29.8
ppm [methyl carbon atom]; δΗ 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 27]
化合物 I一 23の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 D— 4—ヒドロキシフエニルダリシンと した以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行レ、、 510mgの乾固物を得た。これに Me〇Hを加えて 200mgZmlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 19と同様に行った。展開溶媒としては、 0. 1 % (vol/vol)ギ 酸とメタノールを用レ、、メタノール濃度を 75%から 90%へ、 30分間かけて直線的に 増加させた。保持時間 13. 5〜15分のピークを分取した。得られた画分を実施例 19
と同様に精製し、化合物 I 23の精製物 150. 39mgを得た。
[0182] 化合物 1— 23の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— T〇F— MS、 UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I一 23の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
31 37 7
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 536.2671
Calculated: 536.2648 for C H NO
31 38 7
UV λ nm ( ε ) 215 (52,563), 261 (13,274), 300 (5,353)
max
IR v (NaCl) cm"1 3325, 2970, 2922, 2858, 1711, 1662, 1612, 1512, 1464, 1365 max
1217, 1173, 1074
NMR
[0183] [表 20]
No, 6
12 121.85
13 45.61 4.48 (1H, d, J = 16.5)
375 (1H, d, J 16.5)
14 38.28 1.65 (2H, m) 1—2 3 S MT P— 4 4 D
15 22.17 2.11 (2H, m)
16 125.20 5.09 (1 H, m)
17 135.48
18 40.34 1.89 (2H, m)
19 27.29 2.00 (2H, m)
20 125.08 5,04 (1H, m)
21 131.63
22 25.78 1.61 (3H, m)
23 17.68 1.49 (3H, s)
24 15.84 1.54 (3H, s)
25 18.65 1.26 (3H, s)
26 58.28 6.04 (1 s)
27 126.73
28, 32 131.00 7.27 (2H, m)
29, 31 116.45 6.90 (2H, m)
30 158.42
33 172.18
The chemical shift is relative to aceton e-c/β (6c 29.8
ppm [methyl carbon atom]; δΗ 2.04 ppm). The
coupling constant (J) is given in Hz.
[実施例 28]
化合物 I_ 24の合成及び化合物 I_ 25の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添カ卩した有機アミン化合物を、 50mgの DL— 3—ヒドロキシフエ二 ルグリシンとした以外は、実施例 11と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 230mgの乾固物を得た。これに MeOHをカ卩えて 70mgノ mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、展 開条件以外は実施例 19と同様に行った。展開溶媒としては、 0. l % (volZvol)ギ酸 とメタノールを用レ、、メタノール濃度を 75%から 90%へ、 30分間かけて直線的に増 カロさせた。保持時間 16〜: 17分のピーク (ィ匕合物 1— 24)と、保持時間 17· 5〜: 19分
のピーク(ィ匕合物 I— 25)を分取した。得られたそれぞれの画分を実施例 19と同様に 精製し、化合物 1— 24の精製物 16. 43mgと、化合物 1— 25の精製物 22. 98mgを得 た。
[0185] 化合物 1— 24の特性を以下のようにして確認した。
MALDI_T〇F_MS、 UV及び FT— IRは、実施例 9と同様に測定した。 化合物 I一 24の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
31 37 7
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 536.2716
Calculated: 536.2648 for C H NO
31 38 7
UV λ nm ( ε ) 215 (47,531), 261 (11,348), 299 (3,212)
max
IR v (NaCl) cm"1 3294, 2970, 2926, 2858, 1703, 1662, 1605, 1464, 1367, 1219, max
1161, 1076
[0186] 化合物 I 25の特性を以下のようにして確認した。
MALDI-TOF-MS, UV、 FT— IR、及び NMRは、実施例 11と同様に測定し た。
化合物 I 25の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
31 37 7
MALDI-TOF-MS (m/z)
Found (M+H)+: 536.2723
Calculated: 536.2648 for C H NO
31 38 7
UV λ nm ( ε ) 215 (57,915), 261 (13,703), 300 (3,747)
max
IR v (NaCl) cm—1 3309, 2974, 2924, 2864, 1707, 1662, 1603, 1464, 1365, 1224, max
1163, 1076
NMR
[0187] [表 21]
No. 5
13 45.67 4.53 (1H, d, J = 16.5)
378 (1H, dl = = 16.5)
1
14 38.30 1.66 (2H m) —25 : SMT P - 45 - Π
15 22.17 2.10 (2H m)
16 125.16 5.09 (1H, tt = 7,0)
17 135.53
18 40.33 1.89 (2H, m)
19 27.29 2.00 (2H, m)
20 125.10 5.04 (1H, m)
21 131.62
22 25.78 1.66 (3H, s)
23 17.68 1.54 (3H, s)
24 15.85 1.48 (3H, s)
25 18.69 1.26 (3H, s)
26 58.71 6.08 (1H, s)
27 137.43
28 116.38 6.91 (1H, m)
29 158.64
30 116.25 6.86 (1H, dd, = 2.2, 77)
31 130.88 7.26 (1H t, J =7.7)
32 120.59 6.89 (1H, 6, J = 7.7)
33 171.91
The chemical shift is relative to acetone-d6 29.8
ppm [methyl carbon atom]; 2,04 ppm). The
coupling constant {J) is given in Hz.
[実施例 29]
化合物 I 26の合成
実施例 9と同様に前培養を行った。
本培養 4日目に添加した有機アミン化合物を、 L チロシンとした以外は、実施例 1 1と同様に本培養を行った。
実施例 9と同様に粗精製を行い、 310mgの乾固物を得た。これに MeOHを加えて 100mg/mlの溶液とした後に、実施例 9と同様に前処理を行った。逆相 HPLCは、 展開条件以外は実施例 19と同様に行った。展開溶媒としては、 0.1%ギ酸とメタノ ールを用い、メタノール濃度を 70%から 80% 30分間かけて直線的に増加させた 。保持時間 2:! 23分のピークを分取した。得られた画分を実施例 19と同様に精製
し、化合物 I— 26の精製物 53. 94mgを得た。
[0189] 化合物 1— 26の特性を以下のようにして確認した。
MALDI— TOF— MS、 UV及び FT— IRは、実施例 9と同様に測定した。
NMRは、 Alpha600 (JE〇Uを用レヽ、 'Η 600MHZ, 1 C 1 50MHZ、 40°Cで測 定した。サンプルは約 30mgZmlの DMSO_d溶液とした。
6
化合物 I一 26の物理化学的性質を以下に示す。
Molecular formula C H NO
32 39 7
MALDI- TOF- MS (m/z)
Found (M + H)+: 550.4594
Calculated: 550.2805 for C H NO
32 40 7
UV λ nm ( ε ) 215 (39,050), 261 (8,690), 297 (sh) (2,530)
max
IR v (NaCl) cm"1 3379, 2922, 2854, 1707, 1664, 1514, 1464, 1363, 1221, 1167, max
1074
NMR
[0190] [表 22]
No.
11 148.30
12 119.53
13 44.47 4.19 (1H, d, J = 16.8)
4.13 (1H, d, J = 16.8) 1 - 2 6 : S MT P— 1 4
14 36.92 1.56 (2H, m)
15 21.00 2.09 (2H, m)
16 124.06 5.11 (1H, m)
17 134.27
18 39.04 1.92 (2H, m)
19 26.10 2.00 (2H, m)
26 54.83 4.97 (1 H, dd, J = 5.1, 11.1 )
27 33.75 3.22 (1H, dd, J = 4.8, 15.0)
3.07 (1 H, dd, J = 11.4' 14.4)
28 127.42
29, 33 29.18 6.99 (2H, d, J = 8,4)
30t 32 115.04 6.60 (2H, d, J = 9.0)
31 155.69
34 172.03
The chemical shift is relative to dimet yl-cfe-sulfoxide
(5c 39.5 ppm [methyl carbon atom]; δΗ 2.49 ppm).
The coupling constant (J) is given in Hz.
[0191] [実施例 30]
上記のようにして得られた各種トリプレニルフヱノール化合物について、ゥロキナー ゼ触媒によるプラスミノーゲン (pig)活性化を促進する活性として、血栓溶解活性を 以下のように行って性能を評価した。
なお、比較例としてはオルニプラビン(SMTP— 7)を用いた。各化合物は以下の通 りである。
[0192] [表 23]
化合物 No. 添加アミン 備考
1-1 p—ァミノフエノール SMTP- 18 ト 2 p—ァミノ安息香酸 SMTP— 19
1—3 —ァミノ安息香酸 SMTP— 20
1-4 o—ァミノ安息香酸 SMTP— 21
1—5 4ーァミノサリチル酸 SMTP— 22
1-6 4一アミノー 3—ヒドロキシ安息香酸 SMTP— 23
1-7 3—ヒドロキシアントラニル酸 SMTP— 24
1-8 3—ァミノサリチル酸 SMTP— 25
1-9 5—ァミノサリチル酸 SMTP— 26
1-10 3—アミノー 4ーヒドロキシ安息香酸 SMTP— 27
1-11 5—ヒドロキシアントラニル酸 SMTP— 28
1-16 アデニン SMTP— 32
1—17 5—アミノー 2, 3—ジヒドロ一 1, 4一フタラジンジオン SMTP— 36
1-18 1ーァミノ一 2—ナフトール一 4ースルホン酸 SMTP— 37
1-19 p—スルファニル酸 SMTP— 42
1-20 L—フエニルグリシン SMTP— 43
1-21 D—フエニルグリシン S TP-43D ト 22 L一 4ーヒドロキシ一フエニルグリシン SMTP— 44
I一 23 D— 4ーヒドロキシ一フエニルグリシン SMTP-44D
1-24 Dし一 3—ヒドロキシ一フエニルグリシン SMTP— 45— I
1-25 DL— 3—ヒドロキシ一フエニルグリシン SMTP— 45— H
L—チロシン SMTP- 14 オルニプラビン オル二チン 比較例
X-1 セリン 比較例
X-2 フエ二ルァラニンメチルエス亍ル 比較例
HO- \\ /厂
NH2 HOOC- 厂 NH
2 —ァミノフエノール) ^一ァミノ安息香酸)
n—アミノ安息香酸) (o—ァミノ安息香酸)
OH
HOOC ヽ) ~NH2
(4ーァミノサリチル酸) (4一アミノー 3—ヒドロキシ安息香酸)
[0194] [化 28]
(3—ヒドロキシアントラニル酸) (3—ァミノサリチル酸)
ァミノサリチル酸) (3—アミノー 4ーヒドロキシ安息香酸)
(5—ヒドロキシアントラニル酸)
(p—スルファニル酸) ( 1—アミノー 2—ナフトール一 4ースルホン酸:
(5—ァミノ一 2, 3—ジヒドロ一 1, 4—フタラジンジオン) (アデニン)
[0196] [化 30] CH3
(フエ二ルァラニンメチルエステル)
(L—フエニルダリシン) (D—フヱニルグリシン)
(L— 4—ヒドロキシ一フエニルグリシン) (D— 4—ヒドロキシ一フエ二
(DL— 3—ヒドロキシーフエニルグリシン) (L—チロシン)
プラスミンが合成発色基質 VLK - pNA (Val - Leu _ Lys _ p—ニトロァニリド)のぺ プチド結合を切断し、 P—ニトロァリニン (pNA)を生成することを利用し、 pNAの 405 nmで吸収される黄色の発色を測定することにより、サンプルのプラスミノーゲン活性 化促進活性を測る。測定器には MTP— 500形マイクロプレートリーダー(コロナ電気 )を用い、 96穴丸底マイクロプレートにて測定を行った。
測定条件は力イネティック測定 37°C、デュアル波長 405nm (activity)— 595nm (b ackground)で 1分ごとに 60回測定した。
精製したサンプルは、 DMSO溶液あるいはナトリウム塩の水溶液とした。それを TB S/T (50mM Tris-HCl, lOOmM NaCl及び 0. 01 % Tween80, pH7. 4)で 希釈して測定サンプノレとした。サンプル 15 μ ΐに、反応液 (TBS/Tによりそれぞれ終 濃度が 0· ImM VLK— pNA、 50nM Glu— plg、 50U/ml u— PAになるように調 製されたもの)を各 35 μ 1加え、 50 μ 1/ゥエル、各濃度 3連で測定を行った。
また、ブランクとして u—PAを含まない反応液を用いて反応を行い、その値を上記
の反応で得られた値から差し引いた。時間の二乗に対する吸光度をプロットし、その 傾きを反応初速度とし、各種トリプレニルフヱノール化合物をカ卩えなレ、ものを対照とし て比較することで、各化合物の活性の度合いとした。
[0200] 「10倍促進活性濃度」は、 SMTP化合物を含まない反応液 (対照)を用いたときの 値を 1とした場合に 10倍の促進活性となる濃度を表す。また、「最大促進活性」は、 S MTP化合物によるプラスミノーゲン活性化の促進が最大となる濃度を表す。
結果を表 24に示す。
[0201] [表 24]
* *促進活性がないため該当せず
I— 1〜1一 11、 I— 16〜1— 19のトリプレユルフェノール化合物は、ァミノフエノール 若しくはァミノ安息香酸、アデニン、アデノシン、アミノジヒドロフタラジンジオン、ァミノ ナフトールスルホン酸、スルファニル酸又はそれら誘導体を添加することによって得ら れたものである。これらの化合物では、カルボキシ基又は水酸基等を置換基として有
する芳香族基が、トリプレニルフエノール骨格に直接連結してレ、る。
また I— 20〜1— 26のトリプレニルフエノール化合物は、フエニルグリシン、チロシン を添加することによって得られたものである。これらの化合物では、芳香環とトリプレニ ルフエノール骨格との間にメチル基が 1又は 2個となっている。
表 24に示されるように、これらの化合物のいずれにも、プラスミノーゲン活性化促進 活性が認められ、オルニプラビンと同様に血栓溶解剤として利用可能であり、また、こ れらの化合物はいずれも低分子量の化合物であるため、オノレニプラビンよりも良好な 吸収性が期待される。
また特に化合物 1— 2、 1— 5、 1— 8、 1- 20, 1- 24, 1— 26は、オル二プラビンと同 等又はそれ以上の高いプラスミノーゲン活性化促進活性を示し、これらの化合物は、 吸収性の観点からオノレニプラビンよりも良好な血栓溶解剤として使用できることが示 唆された。
これにより本実施例の化合物は、吸収が良く高い活性を有する効果的な血栓溶解 剤として利用可能なことは明らかである。