JP2004083570A - 低酸素応答誘導剤およびその製法 - Google Patents

低酸素応答誘導剤およびその製法 Download PDF

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Hideki Kobayashi
小林 英毅
Osamu Ando
安東 治
Masaaki Kitsuka
木塚 正明
Keiko Suzuki
鈴木 敬子
Mayuko Ori
小里 麻由子
Mutsuo Nakajima
中島 睦男
Yuki Hirota
廣田 由紀
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Abstract

【課題】Hif−1誘導活性を有する、新規な化合物、該化合物を有効成分として含有する医薬、および、該化合物の合成中間体を提供することを目的とする。
【解決手段】
【化1】
Figure 2004083570

[式中、Rは、塩素原子又は水酸基を示し、Rは、水酸基又はメタンスルホニルオキシ基を示す。]で表される化合物又はその塩等。
【選択図】なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低酸素応答誘導活性を有する化合物、該化合物を有効成分とする医薬、特に血管新生誘導、嫌気的糖代謝活性化、エネルギー代謝改善・賦活等の活性によって治療または予防できる疾患の治療薬または予防薬、虚血性心疾患、潰瘍、火傷、創傷、糖尿病性神経障害、赤血球生産低下・貧血、肥満・脂肪組織形成、糖尿病、脳虚血、腫瘍・転移、悪液質の治療薬または予防薬、遺伝子治療制御剤、並びに、該化合物の製造法及びその原料化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体・細胞は、低酸素、低栄養または低糖濃度等の刺激に暴露されると、低酸素応答エレメント(hypoxia responsive element、以下「HRE」という。)を介して低酸素応答をすることが知られている。HREは、例えば5’−RCGTG−3’(Rはプリン塩基)等の、転写因子ハイポキシアインデューシブルファクター(hypoxia−inducible factor)(以下、「HIF」という。)が結合する塩基配列である。HREは、上記刺激により転写が活性化する遺伝子群(以下、「低酸素応答遺伝子」という。)の発現調節部位に存在し、本配列に転写因子HIFが結合することにより低酸素応答遺伝子の転写が誘導される。
【0003】
HIFは、ハイポキシアインデューシブルファクター−1(hypoxia−induciblefactor−1)(以下、「HIF−1」という。)およびハイポキシアインデューシブルファクター−2(hypoxia−inducible factor−2)(以下、「HIF−2」という。)の総称であり、上記の刺激に応答して蛋白量および生物活性が増加すると考えられている。HIF−1またはHIF−2は、それぞれ、ハイポキシアインデューシブルファクター−1α(hypoxia−inducible factor−1α)(以下、「HIF−1α」という。)またはハイポキシアインデューシブルファクター−2α(hypoxia−inducible factor−2α)(以下、「HIF−2α」という。)(EPAS)と、Arnt(ハイポキシアインデューシブルファクターβ(hypoxia−inducible factorβ)(以下、「HIFβ」という。))との複合体からなる。
【0004】
低酸素応答遺伝子としては、血管内皮増殖因子(以下、「VEGF」という。)、エリスロポエチン(以下、「EPO」という。)、血管内皮増殖因子レセプターFLT−1 (以下、「VEGFR−1」という。)、α1Bアドレナジックレセプター(α1B−adrenergic receptor)、アドレノメジュリン(adrenomedullin)、エンドセリン1(endothelin−1)、ヘムオキシゲナーゼ(heme oxygenase 1、以下、「HO−1」という。)、ニトリックオキシドシンターゼ2(nitric oxide synthase 2)、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1(plasminogen activator inhibitor 1、以下、「PAI1」という。)、グルコーストランスポーター1(glucose transporter 1)、グルコーストランスポーター3(glucose transporter3)、グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ(glyceraldehyde−3−phosphate dehydrogenase)、ヘキソキナーゼ(hexokinase)1、ヘキソキナーゼ2、乳酸デヒドロゲナーゼ(lactate dehydrogenase)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(phosphoglycerate kinase)、ピルビン酸キナーゼ(pyruvate kinase)などが報告されている(非特許文献1参照)。またHIFはDEC1/Stra13を誘導することでペルオキソームプロリファレーターアクティベイティッドレセプター(Peroxisome Proliferator−Activated Receptor)γ(以下、「PPARγ」という。)の発現を抑制することが報告されている(非特許文献2参照)。また、HIFは6−ホスホフルクト2−キナーゼ/フルクトース2,6−ビスホスファターゼ3(6−phosphofructo−2−kinase/fructose−2,6−bisphosphatase 3、以下、「PFKBF3」という。)を誘導する。PFKBF3はフルクトース2,6−ビスホスフェート(fructose−2,6−bisphosphate)を生産することでホスホフルクトキナーゼ1(phosphofructokinase 1)を活性化、フルクトース1,6−ビスホスファターゼ(fructose−1,6−bisphosphatase)を阻害する(非特許文献3参照)。さらにHIFはp53、誘導性一酸化窒素合成酵素(inducible nitric oxide synthase、以下、「iNOS」という。)を誘導する(非特許文献4参照)。
【0005】
上記低酸素応答遺伝子のうち、VEGFおよびFLT−1は血管新生において主要な役割を果たすことが報告されている(非特許文献5、非特許文献6参照)。このほかにもα1Bアドレナジックレセプター、アドレノメジュリン、エンドセリン1、HO−1、誘導性一酸化窒素合成酵素2、PAI1は血管新生に働くと考えられている(非特許文献1参照)。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、血管新生誘導剤として有用である。
【0006】
また、解糖系は細胞におけるエネルギー生産に重要な役割を果たしており、特に低酸素時には必須のエネルギー供給経路となる。グルコーストランスポーター1およびグルコーストランスポーター3の誘導はグルコースの細胞への取り込みを促進すると考えられており、グリセルアルデヒドリン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ1、ヘキソキナーゼ2、乳酸デヒドロゲナーゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、ピルビン酸キナーゼ、PFKBF3などの発現はグルコースを原料とする解糖系を活性化すると考えられている。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、嫌気的糖代謝活性化剤、エネルギー代謝改善・賦活剤として有用である。
【0007】
さらに、虚血状態にある心筋に血管新生を誘導または嫌気的糖代謝を促進すると、梗塞部位を含む心筋の血流を改善し、酸素および栄養源補給を増大し、または虚血状態の細胞のエネルギー代謝を改善することにより、心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患の予防、進行・発症の抑制、回復促進活性を示すことが期待されている。また、虚血性心疾患の動物モデルである、ラット心臓冠状動脈虚血再環流試験においてHO−1を発現させる遺伝子治療が組織破壊保護作用を示すことが報告されている(非特許文献7参照)。従って、低酸素応答誘導能を有し、血管新生を誘導または嫌気的糖代謝を促進する化合物は、虚血性心疾患治療薬として有用である。
【0008】
潰瘍、火傷、創傷部位においては血管新生誘導活性および嫌気的糖代謝促進活性を通じ、損傷を受けた組織の細胞死抑制および組織再生促進効果が期待されている。また、低酸素応答遺伝子の一つであるVEGFは、消化管潰瘍モデル動物実験系において治療効果を有することが報告されている(非特許文献8参照)。また、火傷および創傷を負った患者において、VEGF誘導と治癒との相関が報告され、VEGFの治癒促進活性が示唆されている(非特許文献9参照)。従って、低素応答誘導能を有する化合物は、潰瘍、火傷、創傷治癒薬として有用である。
【0009】
糖尿病性神経障害においては、末梢組織が虚血状態に起因する損傷を受けることが主要な病態である。組織に血管新生を誘導または嫌気的糖代謝を促進することで、組織損傷の抑制・予防・治療効果が期待される。また、低酸素応答遺伝子の一つであるVEGFは、動物実験系において糖尿病性神経障害治療効果を発揮することが報告されている(非特許文献10参照)。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、糖尿病性神経障害治療薬として有用である。
【0010】
上記低酸素応答遺伝子のうち、EPOは赤血球生産において不可欠な役割を果たし、様々なタイプの貧血の治療に用いられている(非特許文献11参照)。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、赤血球生産増強薬・貧血治療薬として有用である。
【0011】
また、上記低酸素応答遺伝子のうち、PPARγは脂肪細胞分化促進活性を有する。嫌気的糖代謝を活性化すること、およびPPARγの発現を低下させて脂肪細胞の分化を抑制することで、抗肥満活性が期待される。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、抗肥満薬・脂肪組織形成抑制剤として有用である。
【0012】
さらに、上記低酸素応答遺伝子のうちグルコーストランスポーターは、高発現により、細胞内へのグルコース取り込みが促進する。また解糖系の活性化により、グルコース消費が促進される。さらにPFKBF3高発現によって生じたフルクトース2,6−二リン酸は解糖系を活性化すると共にフルクトース1,6−ビスホスファターゼを阻害し、糖新生を抑制する。低酸素応答誘導能を有する化合物は、これらの現象により達成される、血中からのグルコース取り込み、消費の活性化、および血中へのグルコース供給の抑制を通じ、血糖低下作用および糖尿病予防・治療効果を発揮することが期待されている。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、抗糖尿病剤として有用である。
【0013】
脳梗塞をはじめとする脳虚血時には、低酸素に暴露された神経細胞の細胞死が観察される。HIFは、血管新生または嫌気的糖代謝活性化または赤血球増強活性を通じて脳虚血時の組織傷害を抑制することが期待される。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は、抗脳虚血薬として有用である。
【0014】
腫瘍細胞の原発巣および転移巣においては、HIFの活性化によりVEGFが発現することで腫瘍組織に血管新生を誘導する。全身性にHIF誘導を通じてVEGF濃度を上昇させることで腫瘍組織周辺のVEGF濃度勾配を破壊し、腫瘍組織における血管新生を阻害することが期待される。低酸素刺激で誘導されたHif−1は、p53の産生量および生物活性を増大させることが知られている(非特許文献12参照)また、p53は細胞周期停止、細胞死誘導活性があることが知られている。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は抗腫瘍薬・抗転移薬として有用である。
【0015】
癌に伴って発症する悪液質は糖代謝をはじめとする代謝異常によりエネルギー枯渇を生じる病態である(非特許文献13参照)。低酸素応答誘導能を有する化合物は、細胞内へのグルコース取り込み、解糖系によるエネルギー産生によってこの症状を緩和することが期待されている。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は悪液質治療薬として有用である。
【0016】
遺伝子治療において導入遺伝子の発現を制御することは治療の有効性と安全性の見地から非常に重要である(非特許文献14参照)。HREで発現制御されるトランスジーンを体内に導入した場合、HREは常酸素状態では遺伝子発現を誘導しないが、活性化された場合にのみどの組織においても迅速に遺伝子を発現誘導することが期待される。従って、低酸素応答誘導能を有する化合物は遺伝子治療制御剤として有用である。
【0017】
低酸素応答誘導剤は、上述の通り種々の薬理活性が期待されているが、このような化合物としては、現在のところデフェロキサミン(Deferoxamine)などの鉄キレーター、コバルトイオンなどの金属イオンが知られているのみである。これら、キレーター類や金属イオンは生体内では選択的な薬効を発現しない可能性が高いのみでなく、他の生体機能に影響を与えて副作用が発現する危険性があり、未だ満足すべき低酸素応答誘導剤は存在しない。
【0018】
また、下記式
【0019】
【化10】
Figure 2004083570
で表されるビラントマイシン(以下、「C物質」という。)は、抗ウイルス剤として使用できることは知られているが(非特許文献15参照)、本発明の低酸素応答誘導能を有することは知られていなかった。
【0020】
【非特許文献1】
Gregg L. Semenza、「Genes & Development」 14, p.1983−1991 (2000)
【非特許文献2】
Z. Yunら、「Developmental Cell」 2, p.331−341 (2002)
【非特許文献3】
Alexander Minchenkoら、「Journal of Biological Chemistry」 277, p.6183−6187 (2002)
【非特許文献4】
V. Chiarugiら、「J. Cancer Res. Clin. Oncol.」 125, p.525−528 (1999)
【非特許文献5】
Masabumi Shibuya、「Cell Structure and Function」 26, p.25−35 (2001)
【非特許文献6】
Napoleone Ferrara、「Am. J. Physiol. Cell. Phisiol.」 280, C1358−C1366(2001)
【非特許文献7】
L. G. Meloら、「Circulation」 105, p.602−607 (2002)
【非特許文献8】
S. Szaboら、「Journal of Physiology−Paris」 95, p.325−335 (2001)
【非特許文献9】
S. Gradら、「Clin. Chem. Lab. Med.」 36, p.379−83, (1998)
【非特許文献10】
Pete Schratzbergerら, 「The Journal of Clinical Investigation」 107, p.1083−1092 (2001)
【非特許文献11】
Kai−Uwe Eckardt、「Nephrology Dialysis Transplantation」 16, p.1745−1749 (2001)
【非特許文献12】
W. G. Anら、「Nature」 392, p.405−408 (1998)
【非特許文献13】
J. M. Argilesら、「Med. Res. Rev.」 21, p.83−101 (2001)
【非特許文献14】
Philip W. Zoltick and James M. Wilson、「Annals of the New York Academyof Sciences」 953, p.53−63 (2001)
【非特許文献15】
A. Nakagawaら、「J. Antibiotics」 34, p.408−415 (1981)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らはこのような観点から新たな低酸素応答誘導活性を有する物質を探索した結果、土壌より分離した、ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101(FRRM BP−8016)株の培養液中に生産される化合物が低酸素応答の誘導活性を有すること、および同一培養液中に含まれる化合物が低酸素応答の誘導活性を有する化合物の合成中間体になり得る事を見出して本発明を完成した。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) 下記一般式(I)又は下記一般式(II)
【0023】
【化11】
Figure 2004083570
【0024】
[式中、Rは、塩素原子又は水酸基を示し、Rは、水酸基又はメタンスルホニルオキシ基を示す。]
で表される化合物又はその塩、
(2) 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩、
1)性質:無色粉末;
2)[α]25 D =+70.6°(c 0.5,MeOH);
3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
4)分子式:C1926ClNO(ESI−TOFMSスペクトルにより測定);
5)分子量: 351.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(32850)、227(11950)、308(24070)nmに吸収極大を示す;
7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:
3402、2983、2924、1672、1610、1503、1455、1431、1271、1120、774;
8) H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
1.60 (3H, s), 1.61 (3H, s), 1.62 (3H, s) 1.69 (1H, m), 1.79 (1H, m), 2.12, (2H, m), 3.01 (1H, dd, 16.5Hz, 8.0 Hz) 3.11 (1H, dd, 16.5 Hz, 10.5 Hz), 3.34 (3H, s), 3.58 (1H, d, 10.0 Hz), 3.62 (1H, d, 10.0 Hz), 4.28 (1H,m), 6.46 (1H, d, 8.0 Hz), 6.73 (1H, d, 2.0 Hz), 7.51 (1H, s), 7.56 (1H,dd, 8.5 Hz, 1.5 Hz), 11.95 (1H, br, s)
9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
18.2, 19.6, 20.3, 28.4, 30.4, 33.3, 58.6, 63.4, 73.9, 78.5, 106.0, 118.1, 124.0, 125.2, 126.5, 127.2, 130.3, 155.6, 167.4
10)高速液体クロマトグラフィー
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)(ワイエムシィ社製)
移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=6:4
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 9.9分
(3) 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩、
1)性質:無色粉末;
2)[α]25 D =+30.2°(c0.5,MeOH);
3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
4)分子式:C1927NO(ESI−TOFMSスペクトルにより測定);
5)分子量: 333.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、204(30340)、226(11460)、307(19180)nmに吸収極大を示す;
7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3411、3353、2983、2924、1671、1610、1503、1455、1433、1270、1113、774;
8) H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
1.37 (2H, m), 1.57 (3H, s), 1.57 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.97 (1H, m), 2.06 (1H, m), 2.89 (1H, dd, 16.5 Hz, 10.0 Hz), 2.97 (1H, dd, 16.5 Hz, 9.0 Hz), 3.29 (3H, s), 3.30 (2H, m), 3.97 (1H, m), 4.26 (1H, s), 6.34 (1H, s), 6.43 (1H, d, 8.0 Hz), 7.48 (1H, s), 7.53 (1H, dd, 8.0 Hz, 1.0 Hz), 11.87 (1H, br, s)
9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
18.2, 19.6, 20.3, 27.6, 28.8, 31.8, 58.6, 64.2, 73.2, 75.0, 105.9, 117.5, 122.8, 125.2, 127.7, 128.0, 130.2, 156.3, 167.5
10)高速液体クロマトグラフィー
分離カラム:SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)(ウォーターズ社製)
移動相: アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:2
流速: 1.0ml/分
検出波長: 210nm
保持時間: 4.2分
(4) 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩、
1)性質:白色粉末;
2)[α]25 D =−13.9°(c 0.51、MeOH);
3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
4)分子式:C1927NO(TOF−MSスペクトルにより測定);
5)分子量: 333.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(31300)、229(10360)、309(24310)nmに吸収極大を示す;
7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3404、2981、2926、1672、1607、1517、1288、1254、1108、774;
8) 1H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
1.53 (1H, m), 1.61 (3H, s), 1.61 (3H, s), 1.63 (3H, s), 1.82 (1H, m), 2.07 (2H, m), 2.86 (1H, dd, 16.5 Hz, 6.0 Hz), 3.11 (1H, dd, 17.0 Hz, 4.0 Hz), 3.40 (3H, s), 3.49 (1H, d, 9.5 Hz), 3.67 (1H, d, 9.0 Hz), 3.99 (1H, m), 4.50 (1H, br, s), 6.50 (1H, d, 8.5 Hz), 7.75 (1H, dd, 8.0 Hz, 2.0 Hz), 7.78 (1H, d, 1.5 Hz)
9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
18.4, 20.0, 20.6, 27.7, 32.7, 33.3, 57.6, 59.5, 67.4, 75.0, 113.4, 117.0, 117.8, 124.6, 126.8, 130.2, 133.2, 147.4, 171.7
10)高速液体クロマトグラフィー
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 3.75分。
(5) 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩、
1)性質:白色粉末;
2)[α]25 D =+10.0°(c 0.28、MeOH);
3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
4)分子式:C2029NOS;
5)分子量:411 (APCI−MSスペクトルにより測定);
6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(25910)、225(sh)、297(13840)nmに吸収極大を示す;
7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3391、2925、1673、1609、1518、1333、1174、1111916、900;
8) 1H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
1.56 (1H, m), 1.58 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.71 (1H, m), 2.04 (2H, m), 3.01 (3H, s), 3.15 (1H, dd, 17.5 Hz, 3.0 Hz), 3.22 (1H, dd, 17.5 Hz, 3.0 Hz), 3.43 (3H, s), 3.46 (1H, d, 9.0 Hz), 3.59 (1H, d, 9.0 Hz), 4.66 (1H, br, s), 5.07 (1H, t, 3.5 Hz), 6.52 (1H, d, 9.0 Hz), 7.77 (1H, d, 9.0 Hz), 7.78 (1H, s)
9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
18.4, 19.9, 20.6, 27.7, 30.0, 33.3, 39.1, 57.2, 59.3, 72.7, 74.5, 113.5,114.7, 117.7, 125.0, 126.2, 130.5, 132.6, 146.8, 171.3
10)高速液体クロマトグラフィー
分離カラム:Waters SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)
移動相: アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:2
流速: 1.0ml/分
検出波長: 210nm
保持時間: 4.40分
(6) ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する、(1)から(4)のいずれか1項に記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より(1)から(4)のいずれか1項に記載の化合物を回収することを特徴とする、(1)から(4)に記載の化合物の製造方法(ただし、式(II)で表される化合物において、Rがメタンスルホニルオキシ基である化合物を製造する場合を除く。)、
(7) ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物の生産菌がストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101(FERM BP−8016)株であることを特徴とする、請求項6に記載の製造法、
(8) ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101(FERM BP−8016)、
(9) 下記式
【0025】
【化12】
Figure 2004083570
【0026】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物あるいはその塩を有効成分として含有する医薬、
(10) 下記式
【0027】
【化13】
Figure 2004083570
【0028】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物あるいはその塩を有効成分として含有する血管新生誘導剤、
(11) 下記式
【0029】
【化14】
Figure 2004083570
【0030】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する嫌気的糖代謝活性化剤またはエネルギー代謝改善・賦活剤、
(12) 下記式
【0031】
【化15】
Figure 2004083570
【0032】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する虚血性心疾患の予防薬または治療薬、
(13) 下記式
【0033】
【化16】
Figure 2004083570
【0034】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する潰瘍、火傷または創傷治癒剤、
(14) 下記式
【0035】
【化17】
Figure 2004083570
【0036】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する糖尿病性神経障害の予防薬または治療薬、
(15) 下記式
【0037】
【化18】
Figure 2004083570
【0038】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する赤血球生産増強剤または貧血の予防薬若しくは治療薬、
(16) 下記式
【0039】
【化19】
Figure 2004083570
【0040】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する抗肥満薬または脂肪組織形成抑制剤、
(17) 下記式
【0041】
【化20】
Figure 2004083570
【0042】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する糖尿病の予防薬または治療薬、
(18) 下記式
【0043】
【化21】
Figure 2004083570
【0044】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する抗脳虚血剤、
(19) 下記式
【0045】
【化22】
Figure 2004083570
【0046】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する腫瘍の治療薬若しくは予防薬または抗転移薬、
(20) 下記式
【0047】
【化23】
Figure 2004083570
【0048】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する悪液質の予防薬または治療薬、
(21) 下記式
【0049】
【化24】
Figure 2004083570
【0050】
で表される化合物または(2)若しくは(5)に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する遺伝子治療制御剤、
(22) 下記式
【0051】
【化25】
Figure 2004083570
【0052】
で表される化合物に塩素化剤を反応させることを特徴とする、下記式
【0053】
【化26】
Figure 2004083570
【0054】
で表される化合物の製造方法、
(23) 下記式
【0055】
【化27】
Figure 2004083570
【0056】
で表される化合物にメタンスルホン化剤を反応させることを特徴とする、下記式
【0057】
【化28】
Figure 2004083570
【0058】
で表される化合物の製造方法。
(24) 下記式
【0059】
【化29】
Figure 2004083570
【0060】
で表される化合物を塩基で処理した後、塩素イオンを反応させることを特徴とする、下記式
【0061】
【化30】
Figure 2004083570
【0062】
で表される化合物の製造方法に関する。
【0063】
本明細書において「化合物A」とは、下記式
【0064】
【化31】
Figure 2004083570
【0065】
で表される化合物または上記(2)に記載の物理化学的性状を有する化合物である。
【0066】
本明細書において、「化合物B」とは、下記式
【0067】
【化32】
Figure 2004083570
【0068】
で表される化合物または上記(3)に記載の物理化学的性状を有する化合物である。
【0069】
本明細書において「化合物D」とは、下記式
【0070】
【化33】
Figure 2004083570
【0071】
で表される化合物または上記(4)に記載の物理化学的性状を有する化合物である。
【0072】
本明細書において「化合物E」とは、下記式
【0073】
【化34】
Figure 2004083570
【0074】
で表される化合物または上記(5)に記載の物理化学的性状を有する化合物である。
【0075】
本発明の化合物のうち、A物質、E物質及びC物質は低酸素応答誘導活性を有するため、血管新生誘導剤、嫌気的糖代謝活性化剤、エネルギー代謝改善・賦活剤、虚血性心疾患治療薬、潰瘍、火傷、創傷治癒薬、糖尿病性神経障害治療薬、赤血球生産増強薬・貧血治療薬、抗肥満薬・脂肪組織形成抑制剤、抗糖尿病剤、抗脳虚血薬、抗腫瘍薬・抗転移薬、悪液質治療薬または遺伝子治療制御剤あるいはこれらの疾患の予防剤として有用である。
【0076】
上記B物質はA物質またはC物質の合成中間体として、C物質はA物質の合成中間体として、D物質はE物質の合成中間体として、それぞれ使用することができる。
【0077】
本発明の化合物は、種々の異性体を有する。すなわち、本発明の化合物は不斉炭素原子を有するため光学異性体が存在し、各々がS配位、R配位である立体異性体が存在する。本発明においては、これらの異性体がすべて単一の式で示されているが、本発明はこれら各々の異性体およびこれらの異性体の混合物も全て含む。これらの異性体は、立体特異的合成法を使用し、または光学活性化合物を原料化合物として使用して、直接製造するか、または、異性体の混合物から常法により抽出することにより得ることができる。
【0078】
本発明の化合物として好適には、以下の式で表される光学異性体である。
【0079】
【化35】
Figure 2004083570
【0080】
本発明の化合物は、塩基性の基及び酸性の基を有するので、酸または塩基と反応して塩になることができる。本発明はそのような化合物の塩も包含する。本発明の化合物が医薬として使用される場合、本発明の化合物の塩は、薬理学的に許容されるものであれば特に限定はない。
【0081】
酸との塩としては、たとえば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸の塩;酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩などのカルボン酸の塩;メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸の塩;グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩などのアミノ酸の塩等が挙げられ、好適には無機酸の塩又はカルボン酸の塩であり、更に好適には塩酸塩、硝酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩又はシュウ酸塩である。
【0082】
また、塩基との塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩;アルミニウム、鉄、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト等の金属塩;アンモニウム等の無機塩;t−オクチルアミン、ジベンジルアミン、モルフォリン、グルコサミン、フェニルグリシンアルキルエステル、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、グアニジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、プロカイン、ジエタノールアミン、N−ベンジル−フェネチルアミン、ピペラジン、テトラメチルアンモニウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等の有機塩等のアミン塩;および、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、アスパラギン塩のようなアミノ酸塩の塩等を挙げることができる。
【0083】
本発明の塩として好適には、薬理学的に許容される塩として好ましく使用されるもの、すなわち、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩等を挙げることができる。
【0084】
また、本発明の化合物は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明に包含される。
【0085】
さらに、本発明の化合物は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような塩も本発明に包含される。
【0086】
周知のとおり、放線菌は自然界において、または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照射、化学薬品処理等)により、変異を起こしやすく、本発明のSANK 60101株もこの点は同じである。本発明にいうSANK 60101株はその全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝学的方法、例えば、組み替え、形質導入、形質転換等により得られたものも包含される。即ちA物質、B物質、C物質またはD物質を生産する、SANK 60101株およびその変異株およびそれらと明確に区別されない菌株は、すべてSANK 60101株に包含されるものである。
【0087】
【発明の実施の形態】
1.生産菌について
本発明のA物質、B物質、C物質またはD物質の製造法において用いられるストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する菌株としては、例えばストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101株を挙げることができる。SANK 60101株は茨城県岩井市で採集した土壌から土壌希釈法による希釈液から分離できる。SANK 60101株の菌学的特徴は、次のとおりである。
(1)形態学的特徴
SANK 60101株は、ISP.〔インターナショナル・ストレプトマイセス・プロジェクト(International Streptomyces Project)〕規定の寒天培地上28℃、14日間培養後、顕微鏡下観察では、SANK 60101株の基生菌糸は良好に伸長、分岐し、薄黄、薄黄味茶乃至黄味灰を示すが、ノカルディア(Nocardia)属菌株様の菌糸断裂やジグザグ伸長は観察されない。気菌糸は単純分岐し、薄青乃至は青味灰を示す。気菌糸の先端に3乃至10個またはそれ以上の胞子連鎖を形成し、胞子連鎖の形態はフック乃至ループ状を示す。走査型電子顕微鏡による観察では、胞子の表面構造は平滑乃至しわ状を示す。胞子は楕円形で、その大きさは0.4〜0.6×1.5〜2.0μmである。また、気菌糸の車軸分岐、菌核や胞子のうなどの特殊器官は観察されない。
(2)各種培養基上の諸性質
各種培養基上で28℃、14日培養後の性状は表1に示したとおりである。色調の表示はマンセル方式による日本色彩研究所版「標準色票」のカラーチップ・ナンバーをあらわす。
【0088】
【表1】
Figure 2004083570
Figure 2004083570
(3)生理学的性質
28℃で培養後、2乃至21日間に観察したSANK 60101株の生理学的性質は表2に示したとおりである。
【0089】
【表2】
Figure 2004083570
また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地(ISP. 9)を使用して、28℃、14日間培養後に観察したSANK 60101株の炭素源の資化性は表3に示すとおりである。
【0090】
【表3】
Figure 2004083570
(4)化学分類学的性質
SANK 60101株の化学分類学的性状は放線菌の分類と同定(Identification Manual of Actinomycetes) 〔日本放線菌学会編、日本学会事務センター、49−82頁(2001)〕に従い検討した。その結果、細胞壁からLL−ジアミノピメリン酸が検出され、全細胞中の糖成分として特徴的なパターンは認められなかった。主要メナキノン分子種としてMK−9(H), MK−9(H)が検出された。
【0091】
ISP.〔インターナショナル・ストレプトマイセス・プロジェクト(International Streptomyces Project)〕基準、ワックスマン著、ジ・アクチノミセテス(S.A. Waksman、The Actinomycetes)第2巻、ブキャナンとギボンズ編、バージーズ・マニュアル(R. E. Buchanan and N. E. Gibbons、Bergey’s Manual ofDeterminative Bacteriology)第8版(1974年)、バージーズ・マニュアル(Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology)第 4 巻(1989年)、放線菌の分類と同定(Identification Manual of Actinomycetes) 〔日本放線菌学会編、日本学会事務センター(2001)〕およびストレプトマイセス(Streptomyces)属放線菌に関する最近の文献によって同定を行い、本菌株が放線菌の中でもストレプトマイセス(Streptomyces)属に属すると判断した。そこで、本菌株をストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101株と同定した。なお、本菌株は2002年4月12日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(住所:日本国茨城県つくば市東1−1−1中央第6)に国際寄託され、寄託番号FERM BP−8016を付与された。
【0092】
また、A物質、B物質、C物質またはD物質を生産するSANK 60101株の変異株およびそれらと明確に区別されない菌株は、生物化学の分野で通常使用される遺伝学的方法、例えば組み換え、形質導入、形質転換等により得ることができる。
【0093】
2.培養について
A物質、B物質、C物質またはD物質を得るための、微生物の培養は、通常発酵生成物を生産するために用いられている培地中で行うことができる。このような培地には、微生物が同化できる炭素源、窒素源および無機塩を含有する。
【0094】
一般に、炭素源としてグルコース、フルクトース、マルトース、シュークロース、マンニトール、グリセリン、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウモロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸等を単一に、あるいは併用して用いることができる。一般には、培地量の1〜10重量%で変量するが、この範囲に限定されない。
【0095】
窒素源としては、一般に蛋白質およびその加水分解物を含有する物質または無機塩を用いる。適当な窒素源としては、大豆粉、綿実粉、フスマ、落花生粉、綿実油、カゼイン加水分解物、ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプトン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等である。窒素源は、単一または併用して培地量の0.2〜10重量%の範囲で用られることが好ましい。
【0096】
栄養無機塩としては、ナトリウム、アンモニウム、カルシウム、リン酸、硫酸、塩化物、炭酸等のイオンを得ることのできる通常の塩類を使用し得る。また、カリウム、カルシウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の微量の金属の塩も使用し得る。
【0097】
液体培養に際しては、シリコン油、植物油、界面活性剤等が、消泡剤として使用される。
【0098】
SANK 60101株を培養し、A物質、B物質、C物質またはD物質を生産する培地のpHは、5.0〜8.0に変化できる。
【0099】
本菌株は14℃乃至45℃の範囲で生育し、特に19.5℃乃至39.5℃の範囲で良好に生育する。更にA物質、B物質、C物質またはD物質の生産には22℃乃至30℃が好適である。
【0100】
A物質、B物質、C物質またはD物質は、好気的な培養により生産され、その培養方法としては、通常用いられる好気的培養法、例えば固体培養法、振とう培養法、通気攪拌培養法等が用いられる。
【0101】
小規模には、振とう培養機を使用し、三角フラスコ中の液体培地で培養する。フラスコは通常のものまたは水流調節壁がついたものを用い、100〜250 rpmでフラスコを振とうすることが好適である。培養は一段階または複数段階の種培養の発育工程を経ておこなうことができる。種培養フラスコは1乃至10日間、または菌体の成長が目視で確認できるまで培養する。成長した種培養液は、その一部または全部を次段階の種培地または生産培地への接種に使用することができる。接種した生産培地を含むフラスコを1乃至10日間培養し、培養終了後、フラスコの含有物を回収する。
【0102】
大量の培養の場合には、攪拌機、通気装置をつけた適当なタンクで通気攪拌培養をすることが好ましい。この場合、栄養培地をタンクの中で作製することができる。栄養培地を121℃乃至130℃まで加熱して滅菌し、冷却後、小規模または大規模培養の方法であらかじめ成長させてあった種培養液を接種する。攪拌速度、通気量、溶存酸素濃度を制御し、1乃至10日間培養をおこない、内容物を回収する。この培養方法は多量の化合物を得るのに適している。
【0103】
培養の経過にしたがって生産される目的化合物の量の経時変化を知るには、例えば培養液の一部を等量のアセトンで抽出、アセトン留去後、酸性条件下酢酸エチル抽出し、濃縮、乾固した油状物中の目的化合物の量を高速液体クロマトグラフィーに付して測定する。通常は96時間から168時間の培養で目的化合物の生産量は最高値に達する。
【0104】
3.抽出精製
培養終了後、培養液中の液体部分および菌体に存在する目的化合物は、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤とするろ過操作または遠心分離によって分別し、菌体およびそのろ液または上清中に存在する目的化合物をその物理化学的性状を利用し抽出精製することにより得られる。
【0105】
例えば、目的化合物を含む溶液を、水と混和しない有機溶剤、たとえば、n−ブタノール、酢酸エチル、メチレンクロライド等の単独またはそれらの組合せにより、目的化合物を抽出することにより精製が可能である。
【0106】
また、活性炭または吸着用樹脂であるアンバーライトXAD−2、XAD−4(以上、ローム・アンド・ハース社製)等や、ダイヤイオンHP−10、HP−20、HP−50、CHP20P(以上、三菱化学(株)社製)等が使用される。目的化合物を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、または目的化合物を吸着させた後、メタノール水、アセトン水等の水と有機溶剤との混合溶剤を用いて溶出させることにより得られる。イオン交換樹脂としては、ダウエックス 50W×4、ダウエックス1×2、ダウエックス SBR−P(ダウ・ケミカル社製)等が使用される。目的化合物を含む上記のごときイオン交換樹脂の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、または目的化合物を吸着させた後、塩酸やアンモニア水を用いて溶出させることにより得られる。
【0107】
このようにして得られた目的化合物は、さらにシリカゲル、フロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、アビセル(旭化成工業(株)社製)、セファデックスLH−20(アマシャムバイオサイエンス社製)等を用いた分配カラムクロマトグラフィーおよび順相、逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製することができる。
【0108】
目的化合物の精製における所在は化合物が有する物理化学的性質または生物学的性質を利用したさまざまな検出手段によって測定することができる。例えば次に挙げる各々の方法によって測定することができる。
【0109】
高速液体クロマトグラフィー
<A物質>
分離カラム: YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 9.9分、
<B物質>
分離カラム: Waters SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)
移動相: アセトニトリル:5mM NH4OAc水(pH4.5)=3:2
流速: 1.0ml/分
検出波長: 210nm
保持時間: 4.2分
<C物質>
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: 60%アセトニトリル−トリエチルアミンリン酸バッファー(0.3%、pH5)
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 8.9分。
<D物質>
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 3.75分。
4.A物質、C物質、E物質の合成
(A物質またはC物質の製造)
また、本発明のA物質およびC物質は、B物質を溶媒中、塩素化剤と反応させることによっても得ることができる。
【0110】
「塩素化剤」としては、トリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィンまたは置換されていてもよいトリフェニルホスフィンと四塩化炭素の組み合わせを挙げることができる。好適には、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素の組み合わせである。
【0111】
使用される溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類を挙げることができ、好適にはエーテル類である。好適には、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類またはエーテル類であり、より好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、もっとも好適には、ジクロロメタンである。
【0112】
反応温度は、原料化合物、反応試薬によって異なるが、−20℃乃至100℃で行なわれ、好適には、室温乃至70℃である。
【0113】
反応時間は、反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常10分間乃至3日間で、好適には、15時間乃至40時間である。
【0114】
反応終了後、本反応の目的化合物は、例えば、反応混合物を濃縮し、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
【0115】
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
(E物質の製造)
本発明のE物質は、D物質を溶媒中、塩基性条件下にメタンスルホン化剤を反応させることにより得ることもできる。
【0116】
「メタンスルホン化剤」としては、メタンスルホニルクロリドを使用することができる。
【0117】
使用される塩基としては、例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類を挙げることができ、好適には、有機塩基類であり、特に好適にはジメチルアミノピリジンまたはトリエチルアミンである。
【0118】
使用される溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類を挙げることができ、好適にはエーテル類である。好適には、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類またはエーテル類であり、より好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、もっとも好適には、クロロホルムである。
【0119】
反応温度は、原料化合物、反応試薬によって異なるが、−20℃乃至100℃で行なわれ、好適には、室温乃至70℃である。
【0120】
反応時間は、反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常10分間乃至3日間で、好適には、15時間乃至40時間である。
【0121】
反応終了後、本反応の目的化合物は、例えば、反応混合物を濃縮し、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
【0122】
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
(C物質の製造)
本発明のA物質は、C物質を塩基で処理した後、塩素イオンを反応させることにより得ることもできる。
▲1▼塩基処理
使用される塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、リチウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類を挙げることができ、好適には、アルカリ金属アルコキシド類であり、特に好適にはカリウムt−ブトキシドである。
【0123】
塩基処理に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t‐ブチルアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノールのようなアルコール類を挙げることができ、好適には、t−ブチルアルコールである。
▲2▼塩素イオンとの反応
塩素イオンを与える物質としては、塩酸、塩化ピリジニウム、または、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムのようなテトラアルキルアンモニウム塩を挙げることができ、好適には、塩化ピリジニウムである。
【0124】
使用される溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類を挙げることができ、好適にはエーテル類である。好適には、脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類またはエーテル類であり、より好適には、ハロゲン化炭化水素類であり、もっとも好適には、ジクロロメタンである。
【0125】
反応温度は、原料化合物、反応試薬によって異なるが、−20℃乃至100℃で行なわれ、好適には、室温乃至70℃である。
【0126】
反応時間は、反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常10分間乃至3日間で、好適には、15時間乃至40時間である。
【0127】
反応終了後、本反応の目的化合物は、例えば、反応混合物を濃縮し、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することで得られる。
【0128】
得られた化合物は、必要ならば、常法、例えば、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
5.投与形態
本発明のA物質、E物質またはC物質を医薬として使用する場合には、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等により経口的に、注射剤、局所投与剤、経膣剤、経皮吸収剤等により非経口的に又は吸入剤により経口若しくは経鼻的に投与することができる。
【0129】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビットのような糖類;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α−デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのようなデンプン誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩類;リン酸カルシウムのようなリン酸塩類;炭酸カルシウムのような炭酸塩類;硫酸カルシウムのような硫酸塩類等)、結合剤(例えば、前記のデンプン誘導体又はセルロース誘導体;ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マグロゴール等)、崩壊剤(例えば、前記のデンプン誘導体又はセルロース誘導体;クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾された、デンプン又はセルロース誘導体等)、滑沢剤(例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;ビーズワックス、ゲイロウのようなワックス類;グリコール;フマル酸のようなカルボン酸類;硫酸カルシウムのような硫酸類塩;ロイシン;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;前記の賦形剤におけるデンプン誘導体等)、安定剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;無水酢酸;ソルビン酸;ホウ酸;アジピン酸;安息香酸ナトリウムのようなカルボン酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;レチノ−ル、トコフェロール、アスコルビン酸ナトリウムのような抗酸化剤、合成ヒドロスルファイト等)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等)、懸濁化剤(例えば、ポリソルベート80、カルボキシメチルセルロースナトリウム等)、希釈剤、製剤用溶剤(例えば、水、エタノール、グリセリン、生理食塩水、グルコース溶液、シクロデキストリン分子当たり2乃至11個のヒドロキシプロピル基を有するα、β、又はγ−シクロデキストリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400等)等の添加物を用いて周知の方法で製造される。
【0130】
その使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1日当たり下限1mg(好適には、5mg)、上限2000mg(好適には、1000mg)を、静脈内投与の場合には、1日当たり下限0.1mg(好適には0.5mg)、上限600mg(好適には、500mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
【0131】
【実施例】
次に、実施例、試験例、製剤例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1) A物質の製造
(A)培養
ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101株を培地組成−1で示される培地450mlを含む2リットル容三角フラスコに、スラントより接種し、回転振盪培養機を用いて、210rpm、28℃で144時間培養したものを種培養液とした。次に、培地組成−1で示される培地15リットルを30リットル容ジャー・ファーメンターに入れ、121℃で30分間加熱滅菌した。これを28℃に冷却した後、種培養液450mlを接種し、毎分15リットルの空気を通気し、溶存酸素量5.0ppmを保持させるように回転数を100から280rpmの範囲内で調整しながら28℃で、24時間通気攪拌培養したものを前培養液とした。次に、培地組成−2で示される培地300リットルを600リットル容タンクに入れ、121から127℃で35分間加熱滅菌した。これを26℃に冷却した後、前培養液9リットルを接種し、毎分300リットルの空気を通気し、溶存酸素量5.0ppmを保持させるように回転数を83から110rpmの範囲内で調整しながら、26℃で、168時間攪拌培養した。
[培地組成−1]
グルコース        3.0%
生イースト        1.0%
大豆粉          3.0%
炭酸カルシウム      0.4%
硫酸マグネシウム7水和物 0.2%
消泡剤CB−442    0.01%
滅菌前pH7.2
[培地組成−2]
シュークロース      5.0%
生イースト        1.0%
大豆粉          3.0%
炭酸カルシウム      0.4%
硫酸マグネシウム7水和物 0.2%
消泡剤CB−442    0.01%
滅菌前pH7.2
(B)単離
得られた培養液310リットルを塩酸でpH5.0に調整した後、アセトンを310リットル加えて抽出した。これにろ過助剤としてセライト545(ジョンズ マンビル プロダクト コーポレーション製)10kgを加えてろ過し、アセトン抽出液570リットルを得た。そして塩酸でpHを2.9に調整して300リットルの酢酸エチルで抽出し、抽出液を430リットル得た。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してA物質、B物質、C物質およびD物質を含む抽出物282.4gを得た。
【0132】
次いでこの抽出物をコスモシルカラム(Cosmosil 140C18−OPN 14リットル)を用いて精製した。あらかじめコスモシルカラムをアセトニトリル:水=3:7で平衡化し、抽出物282.4gを500mlメタノールに溶解した試料溶液を全量吸着後、アセトニトリル:水=2:3、アセトニトリル:水=1:1、アセトニトリル:水=3:2各40リットルで段階溶出し、10リットルずつ12分画した。
【0133】
A物質およびC物質を含むフラクションNo.9からNo.11を集め、活性画分30リットルを得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、塩酸でpH3.0に調整して酢酸エチルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してA物質およびC物質を含む粗精製物16.8gを得た。この粗精製物をHPLCカラム(YMCPack R−3105−20AM φ100×500mm)で分離した。あらかじめアセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物16.8gを100mlメタノールに溶解した試料溶液50mlを注入後、アセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2を溶媒として流速250ml/分で溶出した。検出波長300nmで溶出液をモニタ−し、保持時間62.4から66.6分までを分取した。残りの試料溶液50mlについても同様の操作を行い、活性画分2リットルを得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、リン酸でpH3.0に調整して酢酸エチル1.0リットルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してA物質の無色粉末960mgを得た。
【0134】
この無色粉末の一部を採取し高速液体クロマトグラフィ−で分析したところ、下記の結果を得た。:
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 9.9分
(実施例2) B物質の製造
実施例1に記載のA物質、B物質、C物質およびD物質を含む抽出物282.4gをコスモシルカラム(Cosmosil 140C18−OPN 14リットル)にかけた溶出液より、B物質およびD物質を含むフラクションNo.5および6を集め減圧下濃縮し、アセトニトリルを留去後、塩酸でpH3.0に調整して酢酸エチル抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してB物質およびD物質を含む粗精製物20.1gを得た。この粗精製物をHPLCカラム(YMC Pack R−3105−20AM φ100×500mm)で分離した。あらかじめアセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=9:11で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物20.1gを100mlメタノールに溶解した試料溶液50mlを注入後、アセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=9:11を溶媒として流速240ml/分で溶出した。検出波長300nmで溶出液をモニタ−し、保持時間66.8から74.8分までを分取した。残りの試料溶液50mlについても同様の操作をして活性画分、4リットルを得た。それを減圧下濃縮し、アセトニトリルを留去後、リン酸でpH3.0に調整して酢酸エチル抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してB物質を含む粗精製物1.55gを得た。
【0135】
次いでこの粗精製物をコスモシルカラム(Cosmosil 140C18−OPN 100ml)を用いて精製した。あらかじめコスモシルカラムをアセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=2:3で平衡化し、粗精製物1.55gをメタノール:5mM NH4OAc(pH4.5)=3:7 20mlに溶解して全量を吸着してアセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=1:1で溶出し、18mlずつ分画した。B物質を含むフラクションNo.8からNo.13までを集め120ml得た.減圧下濃縮し、アセトニトリルを留去後、酢酸エチルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してB物質を含む粗精製物73.0mgを得た。さらにHPLCカラム(Waters SYMMETRY C18 φ19×100mm)で精製した。あらかじめアセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=1:1で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物をメタノール1.8mlに溶解した試料溶液150μlを注入後、アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=1:1を溶媒として流速6ml/分で溶出した。検出波長210nmで溶出液をモニタ−し、保持時間12.0から13.8分までを分取した。残りの試料溶液についても同様に分取し、130mlの分取液を得た。減圧下濃縮し、アセトニトリルを留去後、酢酸エチルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、濃縮乾固してB物質の粗精製物35.7mgを得た。
【0136】
次にこの粗精製物をHPLCカラム(Waters SYMMETRY C18 φ19×100mm)でさらに精製した。あらかじめアセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH7.0=1:1で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物35.7mgをアセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH7.0=1:1 1mlに溶解した試料溶液130μlを注入後、アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH7.0=1:1を溶媒として流速6ml/分で溶出した。検出波長210nmで溶出液をモニタ−し、保持時間3.0から4.8分までを分取した。残りの試料溶液についても同様に分取して87mlを得た。それを減圧下濃縮し、アセトニトリルを留去後、塩酸でpHを3.0に調整して酢酸エチルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、濃縮乾固してB物質の無色粉末26.0mgを得た。
この無色粉末の一部を採取し高速液体クロマトグラフィ−で分析したところ、下記の結果を得た。:
分離カラム: Waters SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)
移動相: アセトニトリル:5mM NH4OAc水(pH4.5)=6:4
流速: 1.0ml/分
検出波長: 210nm
保持時間: 4.2分
(実施例3) ビラントマイシン(C物質)の製造
実施例1に記載のA物質およびC物質を含む粗精製物16.8gをHPLCカラム(YMC Pack R−3105−20AM φ100×500mm)で分離した。あらかじめアセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物16.8gを100mlメタノールに溶解した試料溶液50mlを注入後、アセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2を溶媒として流速250ml/分で溶出した。検出波長300nmで溶出液をモニタ−し、保持時間52.8から60.8分までを分取した。残りの試料溶液50mlについても同様の操作を行い、活性画分4リットルを得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、リン酸でpH3.0に調整して酢酸エチル2.0リットルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してC物質を含む粗精製物5.34gを得た。この粗精製物をHPLCカラム(YMC Pack R−3105−20AM φ100×500mm)でさらに精製した。あらかじめアセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物5.34gを60mlメタノールに溶解した試料溶液30mlを注入後、アセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2を溶媒として流速250ml/分で溶出した。検出波長210nmで溶出液をモニタ−し、保持時間53.2から61.6分までを分取した。残りの試料溶液30mlについても同様の操作を行い、活性画分4.2リットルを得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、リン酸でpH3.0に調整して酢酸エチル2.0リットルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してC物質の無色粉末4.88gを得た。
本化合物は下記の物理化学的性状を有していた:
1)性質:無色粉末;
2)[α]25 D =−13.5°(c 0.51 CHCl);
3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
4)分子式:C1926ClNO(ESI−TOFMSスペクトルにより測定);
5)分子量: 351.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(35730)、227(11230)、307(27480)nmに吸収極大を示す;
7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3411、2983、2924、1673、1609、1517、1289、1254、1131、1110、774;
8) 1H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
1.61 (3H, s), 1.61 (3H, s), 1.63 (3H, s), 1.61 (1H, m), 1.81 (1H, m), 2.01 (1H, m), 2.09 (1H, m), 3.11 (1H, dd, 17.0 Hz, 6.0 Hz), 3.37 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.55 (1H, d, 9.0 Hz), 3.58 (1H, d, 9.0 Hz), 4.36 (1H, m), 4.64 (1H, br, s), 6.53 (1H, d, 8.5 Hz), 7.76 (1H, s), 7.75 (1H, d, 1.5 Hz)
9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
18.5, 19.9, 20.6, 27.8, 33.5, 33.6, 56.2, 58.1, 59.4, 74.0, 113.6, 116.1, 117.5, 124.8, 126.5, 130.4, 132.5, 147.2, 171.1
10)高速液体クロマトグラフィー
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: 60%アセトニトリル−トリエチルアミンリン酸バッファー(0.3%、pH5)
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 8.9分。
(実施例4) D物質の製造法
実施例2に記載のB物質およびD物質を含む粗精製物20.1gをHPLCカラム(YMC Pack R−3105−20AM φ100×500mm)で分離した。あらかじめアセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=9:11で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物20.1gを100mlメタノールに溶解した試料溶液50mlを注入後、アセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=9:11を溶媒として流速240ml/分で溶出した。検出波長300nmで溶出液をモニタ−し、保持時間49.6から62.8分までを分取した。残りの試料溶液50mlについても同様の操作をして活性画分、6リットルを得た。それを減圧下濃縮し、アセトニトリルを留去後、リン酸でpH3.0に調整して酢酸エチル3.0リットルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してD物質を含む粗精製物7.73gを得た。この粗精製物をHPLCカラム(YMC Pack R−3105−20AM φ100×500mm)でさらに精製した。あらかじめアセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=9:11で平衡化したHPLCカラムに、粗精製物7.73gを60mlメタノールに溶解した試料溶液30mlを注入後、アセトニトリル:0.5%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=9:11を溶媒として流速240ml/分で溶出した。検出波長210nmで溶出液をモニタ−し、保持時間52.6から64.4分までを分取した。残りの試料溶液30mlについても同様の操作を行い、活性画分5.5リットルを得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、リン酸でpH3.0に調整して酢酸エチル2.0リットルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してD物質の無色粉末4.86gを得た。
【0137】
この無色粉末の一部を採取し高速液体クロマトグラフィ−で分析したところ、下記の結果を得た。:
分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2
流速: 1.5ml/分
検出波長: 210、300nm
保持時間: 3.75分。
(実施例5) E物質の製造法
D物質の粉末50mgを4mlのクロロホルムに溶解し、そこに560μlのトリエチルアミンと60μlのメタンスルホニルクロライドを加え、室温で2時間攪拌した。この反応溶液に水を加え、pH4.5で酢酸エチル抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固した。この抽出物をHPLCカラム(Waters SYMMETRY C18 φ19×100mm)で精製した。あらかじめアセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:1で平衡化したHPLCカラムに、抽出物を1.2mlのアセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:1に溶解した試料溶液300μlを注入後、アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:1を溶媒として流速6ml/分で溶出した。検出波長210nmで溶出液をモニタ−し、保持時間3.6から4.5分までを分取した。残りの試料溶液900μlについても同様の操作を行い、活性画分22mlを得た。減圧下濃縮してアセトニトリルを留去後、酢酸エチルで抽出した。その抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ紙でろ過後、減圧下濃縮乾固してE物質の無色粉末8.2mgを得た。
この無色粉末の一部を採取し高速液体クロマトグラフィ−で分析したところ、下記の結果を得た。:
分離カラム:Waters SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)
移動相: アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:2
流速: 1.0ml/分
検出波長: 210nm
保持時間: 4.40分
(実施例6) A物質およびC物質の製造方法
(6−1)(1R,9aS)−1−(3,4−ジメチルペンタ−3−エンイル)−1−(メトキシメチル)−3,3−ジメチル−9,9a−ジヒドロ−1H−[1,3]オキサゾロ [3,4−a]インドール−7−カルボン酸(化合物2)
【0138】
【化36】
Figure 2004083570
【0139】
実施例2で得られたB物質(化合物1)(5mg; 0.015mmol)をジクロロメタン0.5mlに溶かし、室温にて攪拌した。これに2,2−ジメトキシプロパン(0.02ml;0.15mmol)とピリジニウムp−トルエンスルホン酸塩(0.4mg; 0.0015mmol)を加えた。室温にて攪拌し、薄層クロマトグラフィーにて化合物1の消失を確認後、溶媒を減圧留去した。残渣を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、無色固体として表題の化合物2を得た(5mg;収率89%)。
mp: 155−157℃
H−NMR (500MHz, CDCl) δ ppm: 1.09 (1H, td, J= 12.7, 3.9), 1.49−1.69 (13H, m), 1.73 (3H, s), 1.96 (1H, td, J= 12.7, 4.9), 2.07 (1H, td, J= 12.7, 3.9), 3.09 (2H, m), 3.32 (1H, d, J=8.8), 3.40 (3H, s), 3.54 (1H, d, J=9.8), 4.45 (1H, dd, J=9.8, 5.9), 6.60 (1H, d, J=8.8), 7.74 (1H, s), 7.82(1H, d, J=8.8)
13C−NMR (125MHz, CDCl) δ ppm: 18.3, 19.9, 20.5, 27.9, 28.5, 30.7, 59.6, 70.2, 76.0, 82.1, 94.0, 109.4, 118.9, 124.1, 126.7, 127.2, 131.0, 132.1, 153.2, 172.3
IR (KBr) cm−1: 3342, 2984, 2924, 2861, 1675, 1607, 1450, 1371, 1268, 1121, 106
ms (FAB) m/z: 374 ((M+H)) HRMS calcd. for C2231NO ((M+H)): 374.2331,found: 374.2327
[α] 25 : +196.9°(c 0.59 CHCl
(6−2)(1R,9aS)−1−(3,4−ジメチルペンタ−3−エンイル)−1−(メトキシメチル)−3,3−ジメチル−9,9a−ジヒドロ−1H−[1,3]オキサゾロ[3,4−a]インドール−7−カルボン酸 メチルエステル(化合物3)
【0140】
【化37】
Figure 2004083570
【0141】
(6−1)で得られた化合物2(148mg; 0.396mmol)をメタノール3mlとジクロロメタン0.1mlの混合溶媒に溶かし、水浴中にて攪拌した。これにトリメチルシリルジアゾメタンの2Mヘキサン溶液(1.6ml; 3.168mmol)を徐々に加えた。室温にて攪拌し、薄層クロマトグラフィーにて化合物2の消失を確認後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色固体として表題の化合物3を得た(126mg; 収率 82%)。
mp: 114−115℃
H−NMR (500MHz, CDCl) δ ppm: 1.08 (1H, td, J= 12.7, 4.9), 1.48 (3H, s), 1.54−1.62 (m, 10H), 1.73 (3H, s), 1.96 (1H, td, J=12.7, 4.9), 2.07 (1H, td, J= 12.7, 4.9), 3.08 (2H,  m), 3.32 (1H, d, J=8.8), 3.40 (3H, s), 3.54 (1H, d, J=8.8), 3.86 (3H, s), 4.44 (1H, dd, J=9.8, 4.9), 6.60 (1H, d, J=8.8), 7.69 (1H, s), 7.76(1H, d, J=8.8)13C−NMR (125MHz, CDCl) δ ppm: 18.2, 19.8, 20.5, 25.9, 27.9, 28.6, 28.8, 30.8, 51.6, 70.2, 76.0, 82.1, 94.1, 109.6, 120.0, 124.1, 126.1, 127.2,130.0, 132.0, 152.6, 167.4
IR (KBr) cm−1: 2989, 2928, 2905, 2860, 1698, 1606, 1493, 1449, 1382, 1367, 1296, 1272, 842, 770
ms (FAB) m/z: 388 ((M+H)) HRMS calcd. for C2333NO ((M+H)): 388.2488,found: 388.2488
[α] 25 : +187.6°(c 0.40 CHCl
Anal. Calcd. for C2333NO−0.5HO: C, 69.67; H, 8.64; N, 3.53. Found: C,69.62; H, 8.94; N, 3.53
(6−3)(2S)−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−1−(メトキシメチル)−4,5−ジメチルヘキサ−4−エンイル]インドリン−5−カルボン酸 メチルエステル(化合物4)
【0142】
【化38】
Figure 2004083570
【0143】
上記(6−2)で得られた化合物3(126mg; 0.325mmol)をメタノール1mlとジクロロメタン5mlの混合溶媒に溶かし、室温にて攪拌した。これにPPTS(48mg;0.191mmol)を加えた。室温にて攪拌し、薄層クロマトグラフィーにて化合物3の消失を確認後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、無色固体として表題の化合物4を得た(95mg; 収率 84%)。
mp: 161−162℃
H−NMR (500MHz, CDCl) δ ppm: 1.48 (1H, td, J=12.7, 4.9), 1.57 (1H, td,J=12.7. 4.9), 1.64 (6H, s), 1.65 (3H, s), 2.01 (1H, td, J=12.7, 4.9), 2.15 (1H, td, J=12.7, 3.9), 2.73 (2, 1H), 2.96 (1H, dd, J=15.6, 8.8), 3.06 (1H, dd, J=15.6, 10.7), 3.42 (4H, m), 3.52 (1H, d, J=9.8), 3.84 (s, 3H), 4.14 (1H, t, J=9.8), 4.73 (1H, br s), 6.55 (1H, d, J=8.8), 7.72 (1H, s), 7.75 (1H, d, J=8.8)
13C−NMR (125MHz, CDCl) δ ppm: 18.3, 19.9, 20.5, 28.1, 29.9, 32.6, 51.5, 59.5, 66.1, 73.0, 78.3, 107.5, 119.8, 124.4, 126.0, 127.1, 128.1, 130.6,, 155.2, 167.3
IR (CHCl) cm−1: 3690, 3418, 2952, 2925, 2862, 1704, 1614, 1450, 1436, 1282, 1113
ms (FAB) m/z: 348 ((M+H)) HRMS calcd. for C2029NO ((M+H)): 348.2175,found: 348.2159
[α] 25 : +0.6°(c 0.99 CHCl
Anal. Calcd. for C2029NO−0.25HO: C, 68.25; H, 8.45; N, 3.98. Found: C, 68.41; H, 8.40; N, 4.01
(6−4)(2R,3R)−3−クロロ−2−(3,4−ジメチルペンタ−3−エンイル)−2−(メトキシメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−6−カルボン酸 メチルエステル(化合物5)
【0144】
【化39】
Figure 2004083570
【0145】
上記(6−3)で得られた化合物4(10mg; 00288mmol)をジクロロメタン1mlに溶かし、室温にて攪拌した。これに四塩化炭素(0.084ml; 0.864mmol)とトリフェニルホスフィン(46mg; 0.173mmol)を加えた。40℃にて攪拌し、薄層クロマトグラフィーにて化合物4の消失を確認後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、無色固体として表題の化合物5を得た(2.8mg; 収率 27%)。
mp: 120−121℃
H−NMR (500MHz, CDCl) δ ppm: 1.62−1.63 (10H, m), 1.81 (1H, td, J=13.2,4.9), 2.02 (1H, td, J=12.2, 4.9), 2.10 (1H, td, J=12.7, 4.9), 3.11 (1H,dd, J=16.6, 5.9), 3.34−3.40 (4H, m), 3.55 (1H, d, J=8.8), 3.58 (1H, d, J=8.8), 3.85 (3H, s), 4.36 (1H, t, J=4.9), 4.54 (1H, br s), 6.53 (1H, d,J=8.8), 7.71−7.73 (2H, m)
13C−NMR (125MHz, CDCl) δ ppm: 18.4, 19.9, 20.6, 27.8, 33.4, 33.7, 51.5, 56.3, 74.0, 113.6, 116.0, 118.8, 124.8, 126.6, 129.6, 131.7, 146.4, 167.2
IR (film) cm−1: 3356, 2923, 1695, 1611, 1515, 1436, 1330, 1288, 1252, 1194, 1128, 1105, 770
ms (FAB) m/z: 366 ((M+H)) HRMS calcd. for C2028ClNO ((M+H)): 388.1656, found: 388.1659
[α] 25 : −19.5°(c 0.36 CHCl
Anal. Calcd. for C2029ClNO: C,65.65; H,7.71; N,3.83; Cl, 9.69. Found: C,65.52; H,7.71; N,3.87; Cl,9.60
(6−5)A物質およびC物質(Virantmycin)
【0146】
【化40】
Figure 2004083570
【0147】
上記(6−4)で得られた化合物5(4.8mg; 00131mmol)をt−ブチルアルコールに溶かし、室温にて攪拌した。これにカリウムt−ブトキシドの1Mt−ブチルアルコール溶液(0.03ml; 0.029mmol)を徐々に加えた。80℃にて攪拌し、薄層クロマトグラフィーにて化合物5の消失を確認後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をメタノール(1ml)に溶かし、氷浴中にて攪拌した。そこに塩化ピリジニウム(23mg; 0.197mmol)を加えた。薄層クロマトグラフィーにて原料の消失を確認後、反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え室温にした。酢酸エチルにて抽出、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧溜去した。残渣を分取HPLC(展開溶媒;60%MeCN−5mM NHOAc (pH 4))にて精製し、淡黄色油状物質としてA物質(0.4mg; 収率 9%)およびC物質(2.7mg; 収率 59%)を得た。
〈A物質〉
H−NMR (500MHz, CDOD) δ ppm: 1.64 (6H, m), 1.66 (3H, s), 1.75 (1H, td,J=13.2, 4.9), 1.86 (1H, td, J=13.2, 4.9), 2.16 (1H, td, J=12.7, 4.9), 2.27 (1H, td, J=12.2, 4.9), 3.12 (2H, m), 3.39 (3H, s), 3.62 (1H, d, J=9.8), 3.66 (1H, d, J=10.7), 4.33 (1H, t, J=8.8), 6.51 (1H, d, J=7.8), 7.63(1H, s), 7.68 (1H, d, J=7.8)
13C−NMR (125MHz, CDOD) δ ppm: 18.6, 20.1, 20.6, 29.9, 32.0, 34.8, 59.4, 66.0, 76.2, 78.5, 107.6, 119.7, 125.6, 126.9, 128.0, 129.0, 132.2, 157.5, 170.8
IR (CHCl) cm−1: 2926, 1674, 1611, 1455, 1424, 1270, 1122
ms (FAB) m/z: 352((M+H)) HRMS calcd. for C1926ClNO ((M+H)): 352.1679, found: 352.1694
[α] 25 : +60.8°(c 1.09 CHOH)
〈C物質(Virantmycin)〉
H−NMR (500MHz, CDOD) δ ppm: 1.54−1.67 (11H, m), 2.06 (1H, td, J=12.7,4.9), 2.17 (1H, td, J=12.7. 4.9), 3.06 (1H, dd, J=17.6, 4.9), 3.33−3.38(4H, m), 3.50 (1H, d, J=9.8), 3.59 (1H, d, J=8.8), 4.43 (1H, t, J=4.9),6.61 (1H, d, J=8.8), 7.63 (2H, m)
13C−NMR (125MHz, CDOD) δ ppm: 18.6, 20.1, 20.6, 28.9, 34.6, 58.4, 58.9, 59.6, 74.8, 114.2, 116.9, 118.7, 125.2, 128.2, 130.7, 133.0, 148.9, 170.7
IR (CHCl) cm−1: 2428, 2926, 1675, 1609, 1429, 1330, 1290, 1254, 1132, 1111
ms (FAB) m/z: 352((M+H)) HRMS calcd. for C1926ClNO ((M+H)): 352.1679, found: 352.1693
[α] 25 : +18.1°(c 1.09 CHOH)
(実施例7) A物質の製造方法
【0148】
【化41】
Figure 2004083570
【0149】
実施例3または実施例6で得られたC物質(50mg; 00131mmol)をt−ブチルアルコール(0.5ml)に溶かし、室温にて攪拌した。これにカリウムt−ブトキシドの1Mt−ブチルアルコール溶液(0.3ml; 0.31mmol)を徐々に加えた。80℃にて攪拌し、溶媒を減圧留去した。
【0150】
得られた残渣をメタノール(3ml)に溶かし、氷浴中にて攪拌した。そこに塩化ピリジニウム(246mg; 2.13mmol)を加えた。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え室温にした。酢酸エチルにて抽出、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧溜去した。残渣を分取HPLC(展開溶媒;60%MeCN−5mM NHOAc (pH 4))にて精製し、淡黄色油状物質として化合物A(5mg; 収率 9%)および化合物C(25mg; 収率 50%)を得た。
(試験例1) HIF−1安定化試験
HREに結合して生物活性をしめすHIF−1のαサブユニット(HIF−1α)の蛋白質量増加を測定することで低酸素応答の誘導を確認した。
【0151】
ヒト肝癌由来HepG2細胞8×10個を、10%牛胎児血清(FBS)を含有したダルベッコ改変ミニマムエッセンシャル培地(DMEM)4mlに懸濁し、培養用60mmディッシュに接種して、37度、二酸化炭素濃度5%、湿度100%の炭酸ガスインキュベーター中で培養した。培養18時間後に、培養培地4mlに対して被検試料のジメチルスルフォキシド(DMSO)溶液またはDMSOのみをDMSOの終濃度が0.5%となるように添加し、さらに6時間、炭酸ガスインキュベーター中で培養した。また、対照低酸素処理試料として、DMSOのみを加えた細胞を6時間、酸素濃度0.8%に維持した37度、二酸化炭素濃度5%、湿度100%の低酸素炭酸ガスインキュベーターで培養した。
【0152】
処理した培養細胞から、定法に従い、抽出用緩衝液(10mMトリス塩酸pH7.4、1mM エチレンジアミンテトラアセテート、150mM 塩化ナトリウム、1%トリトンX−100、0.1%デオキシコール酸、1mMオルソバナジン酸、コンプリートプロテアーゼインヒビター(ロシュ社製))を用いて100μlの細胞抽出液を作製した。この試料を以下に示す操作でウエスタンブロット解析によるHIF−1α蛋白質の量評価に供した。細胞抽出液20μgを4〜12%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen社)、MOPSバッファーの系でゲルの操作法に従ってSDS−PAGE電気泳動を行い、蛋白質を分離した。蛋白質をPVDFメンブレン(Immobilon−P、ミリポア社製)に転写し、メンブレンの操作法に従い、ブロッキング溶液(5%スキムミルク、0.1%Tween−20含有トリス緩衝食塩水)にてブロック、ブロッキング溶液に250倍希釈した抗HIF−1α抗体(Transduction Laboratory社製)との反応、ブロッキング溶液に5,000倍希釈したHRP標識抗マウス抗体(Cell Signaling TECHNOLOGY社)との反応をおこなった。これをECLウエスタンブロッティング検出試薬(アマシャムバイオサイエンス社製)およびX線フィルム(コダック社製)を用い、操作法に従いフィルムを感光させたのち、現像した。
【0153】
この方法においてA物質およびC物質は図1に示したように、E物質は図2に示したように、20および200ng/mlにてHIF−1α量を無処理の場合と比較して顕著に増加させた。
(試験例2)VEGF誘導試験
VEGFの、培養上清中の量をELISA測定することで低酸素応答誘導の程度を求めた。
【0154】
ヒト肝癌由来HepG2細胞2×10個を10%FBS含有DMEM100μlに懸濁し、96穴培養プレートに接種して、37度、二酸化炭素濃度5%、湿度100%の炭酸ガスインキュベーター中で培養した。培養培地100μlに対してDMSOに溶解した被検試料溶液0.5μlを加えて24時間炭酸ガスインキュベーター中で培養後、培養上清80μlを回収し測定試料液とした。また、対照低酸素処理試料として、DMSOのみを加えた細胞を24時間、酸素濃度0.8%に維持した炭酸ガスインキュベーター中で培養した上清を用いた。
【0155】
ELISAはHuman VEGF測定キット(Genzyme TECHNE製)の添付プロトコールに従って行った。試料液はキット添付のStandard Buffer GT5Kで5倍に希釈してアッセイに使用し、添付標準試料との比較によりVEGF濃度を算出した。
【0156】
この方法においてA物質および天然および合成C物質は表4に示したように、E物質は表5に示したように、12.5または25および50ng/mlにてVEGF量を無処理の場合と比較して顕著に増加させた。
【0157】
【表4】
Figure 2004083570
【0158】
【表5】
Figure 2004083570
【0159】
【発明の効果】
以上のように本発明のA物質、C物質およびE物質は、低酸素応答を誘導する顕著な活性を有するので、血管新生誘導剤、嫌気的糖代謝活性化剤、エネルギー代謝改善・賦活剤、虚血性心疾患治療薬、潰瘍、火傷、創傷治癒薬、糖尿病性神経障害治療薬、赤血球生産増強薬・貧血治療薬、抗肥満薬・脂肪組織形成抑制剤、抗糖尿病剤、抗脳虚血薬、抗腫瘍薬・抗転移薬、悪液質治療薬、遺伝子治療制御剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】A物質およびC物質のHIF−1α安定化活性
検体で処理したHepG2細胞の抽出液を試料として、抗HIF−1α抗体を用いてウェスタンブロッティングをおこなった。1と4.対照(DMSO)、2と3.低酸素処理、5.A物質(2ng/ml)、6.A物質(20ng/ml)、7.A物質(200ng/ml)、8.実施例3のC物質(2ng/ml)、9.実施例3のC物質(20ng/ml)、10.実施例3のC物質(200ng/ml)。
【図2】C物質およびE物質のHIF−1α安定化活性
検体で処理したHepG2細胞の抽出液を試料として、抗HIF−1α抗体を用いてウェスタンブロッティングをおこなった。1.低酸素処理、2.対照(DMSO)、3.実施例6のC物質(2ng/ml)、4.実施例6のC物質(20ng/ml)、5.実施例6のC物質(200ng/ml)、6.E物質(2ng/ml)、7.E物質(20ng/ml)、8.E物質(200ng/ml)。

Claims (24)

  1. 下記一般式(I)又は下記一般式(II)
    Figure 2004083570
    [式中、Rは、塩素原子又は水酸基を示し、Rは、水酸基又はメタンスルホニルオキシ基を示す。]
    で表される化合物又はその塩。
  2. 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩。
    1)性質:無色粉末;
    2)[α]25 D =+70.6°(c 0.5,MeOH);
    3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
    4)分子式:C1926ClNO(ESI−TOFMSスペクトルにより測定);
    5)分子量: 351.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
    6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
    メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(32850)、227(11950)、308(24070)nmに吸収極大を示す;
    7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
    KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:
    3402、2983、2924、1672、1610、1503、1455、1431、1271、1120、774;
    8) H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
    1.60 (3H, s), 1.61 (3H, s), 1.62 (3H, s) 1.69 (1H, m), 1.79 (1H, m), 2.12, (2H, m), 3.01 (1H, dd, 16.5Hz, 8.0 Hz) 3.11 (1H, dd, 16.5 Hz, 10.5 Hz), 3.34 (3H, s), 3.58 (1H, d, 10.0 Hz), 3.62 (1H, d, 10.0 Hz), 4.28 (1H,m), 6.46 (1H, d, 8.0 Hz), 6.73 (1H, d, 2.0 Hz), 7.51 (1H, s), 7.56 (1H,dd, 8.5 Hz, 1.5 Hz), 11.95 (1H, br, s)
    9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
    18.2, 19.6, 20.3, 28.4, 30.4, 33.3, 58.6, 63.4, 73.9, 78.5, 106.0, 118.1, 124.0, 125.2, 126.5, 127.2, 130.3, 155.6, 167.4
    10)高速液体クロマトグラフィー
    分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)(ワイエムシィ社製)
    移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=6:4
    流速: 1.5ml/分
    検出波長: 210、300nm
    保持時間: 9.9分
  3. 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩。
    1)性質:無色粉末;
    2)[α]25 D =+30.2°(c0.5,MeOH);
    3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
    4)分子式:C1927NO(ESI−TOFMSスペクトルにより測定);
    5)分子量: 333.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
    6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
    メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、204(30340)、226(11460)、307(19180)nmに吸収極大を示す;
    7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
    KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3411、3353、2983、2924、1671、1610、1503、1455、1433、1270、1113、774;
    8) H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
    1.37 (2H, m), 1.57 (3H, s), 1.57 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.97 (1H, m), 2.06 (1H, m), 2.89 (1H, dd, 16.5 Hz, 10.0 Hz), 2.97 (1H, dd, 16.5 Hz, 9.0 Hz), 3.29 (3H, s), 3.30 (2H, m), 3.97 (1H, m), 4.26 (1H, s), 6.34 (1H, s), 6.43 (1H, d, 8.0 Hz), 7.48 (1H, s), 7.53 (1H, dd, 8.0 Hz, 1.0 Hz), 11.87 (1H, br, s)
    9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重ジメチルスルホキシド溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
    18.2, 19.6, 20.3, 27.6, 28.8, 31.8, 58.6, 64.2, 73.2, 75.0, 105.9, 117.5, 122.8, 125.2, 127.7, 128.0, 130.2, 156.3, 167.5
    10)高速液体クロマトグラフィー
    分離カラム:SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)(ウォーターズ社製)
    移動相: アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:2
    流速: 1.0ml/分
    検出波長: 210nm
    保持時間: 4.2分
  4. 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩。
    1)性質:白色粉末;
    2)[α]25 D =−13.9°(c 0.51、MeOH);
    3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
    4)分子式:C1927NO(TOF−MSスペクトルにより測定);
    5)分子量: 333.2(ESI−MSスペクトルにより測定);
    6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
    メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(31300)、229(10360)、309(24310)nmに吸収極大を示す;
    7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
    KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3404、2981、2926、1672、1607、1517、1288、1254、1108、774

    8) 1H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
    1.53 (1H, m), 1.61 (3H, s), 1.61 (3H, s), 1.63 (3H, s), 1.82 (1H, m), 2.07 (2H, m), 2.86 (1H, dd, 16.5 Hz, 6.0 Hz), 3.11 (1H, dd, 17.0 Hz, 4.0 Hz), 3.40 (3H, s), 3.49 (1H, d, 9.5 Hz), 3.67 (1H, d, 9.0 Hz), 3.99 (1H, m), 4.50 (1H, br, s), 6.50 (1H, d, 8.5 Hz), 7.75 (1H, dd, 8.0 Hz, 2.0 Hz), 7.78 (1H, d, 1.5 Hz)
    9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
    18.4, 20.0, 20.6, 27.7, 32.7, 33.3, 57.6, 59.5, 67.4, 75.0, 113.4, 117.0, 117.8, 124.6, 126.8, 130.2, 133.2, 147.4, 171.7
    10)高速液体クロマトグラフィー
    分離カラム:YMC AM−312−3(φ6×150mm)
    移動相: アセトニトリル:0.3%トリエチルアミンリン酸バッファーpH5.0=3:2
    流速: 1.5ml/分
    検出波長: 210、300nm
    保持時間: 3.75分。
  5. 下記の物理化学的性状を有する化合物またはその塩。
    1)性質:白色粉末;
    2)[α]25 D =+10.0°(c 0.28、MeOH);
    3)溶解性:ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、アセトン、酢酸エチルに可溶。水に不溶;
    4)分子式:C2029NOS;
    5)分子量:411 (APCI−MSスペクトルにより測定);
    6)紫外線吸収スペクトル:λmax nm(ε)
    メタノール溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、205(25910)、225(sh)、297(13840)nmに吸収極大を示す;
    7)赤外線吸収スペクトル(KBr):νmax cm−1
    KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは、次の通りである:3391、2925、1673、1609、1518、1333、1174、1111916、900;
    8) 1H−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(500MHz)は、次の通りである。
    1.56 (1H, m), 1.58 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.60 (3H, s), 1.71 (1H, m), 2.04 (2H, m), 3.01 (3H, s), 3.15 (1H, dd, 17.5 Hz, 3.0 Hz), 3.22 (1H, dd, 17.5 Hz, 3.0 Hz), 3.43 (3H, s), 3.46 (1H, d, 9.0 Hz), 3.59 (1H, d, 9.0 Hz), 4.66 (1H, br, s), 5.07 (1H, t, 3.5 Hz), 6.52 (1H, d, 9.0 Hz), 7.77 (1H, d, 9.0 Hz), 7.78 (1H, s)
    9)13C−核磁気共鳴スペクトル; δ (ppm)
    重クロロホルム溶液中(TMS内部基準 )で測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、次の通りである。
    18.4, 19.9, 20.6, 27.7, 30.0, 33.3, 39.1, 57.2, 59.3, 72.7, 74.5, 113.5,114.7, 117.7, 125.0, 126.2, 130.5, 132.6, 146.8, 171.3
    10)高速液体クロマトグラフィー
    分離カラム:Waters SYMMETRY C18(φ4.6×150mm)
    移動相: アセトニトリル:5mM NHOAc水(pH4.5)=3:2
    流速: 1.0ml/分
    検出波長: 210nm
    保持時間: 4.40分
  6. ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物の生産菌を培養し、その培養物より請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物を回収することを特徴とする、請求項1から4に記載の化合物の製造方法。(ただし、式(II)で表される化合物において、Rがメタンスルホニルオキシ基である化合物を製造する場合を除く。)
  7. ストレプトマイセス(Streptomyces)属に属する請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物の生産菌がストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101(FERM BP−8016)株であることを特徴とする、請求項6に記載の製造法。
  8. ストレプトマイセス エスピー(Streptomyces sp.)SANK 60101(FERM BP−8016)。
  9. 下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物または請求項2若しくは請求項5に記載の化合物あるいはその塩を有効成分として含有する医薬。
  10. 下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物または請求項2若しくは請求項5に記載の化合物あるいはその塩を有効成分として含有する血管新生誘導剤。
  11. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する嫌気的糖代謝活性化剤またはエネルギー代謝改善・賦活剤。
  12. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する虚血性心疾患の予防薬または治療薬。
  13. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する潰瘍、火傷または創傷治癒剤。
  14. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する糖尿病性神経障害の予防薬または治療薬。
  15. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する赤血球生産増強剤または貧血の予防薬若しくは治療薬。
  16. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する抗肥満薬または脂肪組織形成抑制剤。
  17. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する糖尿病の予防薬または治療薬。
  18. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する抗脳虚血剤。
  19. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する腫瘍の治療薬若しくは予防薬または抗転移薬。
  20. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する悪液質の予防薬または治療薬。
  21. 請求項10に記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する遺伝子治療制御剤。
  22. 下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物に塩素化剤を反応させることを特徴とする、下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物の製造方法。
  23. 下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物にメタンスルホン化剤を反応させることを特徴とする、下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物の製造方法。
  24. 下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物を塩基で処理した後、塩素イオンを反応させることを特徴とする、下記式
    Figure 2004083570
    で表される化合物の製造方法。
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