WO2007102357A1 - 電源パックの搭載構造 - Google Patents

Abstract

この電源パック（１００）は、フロア（２００）上において車両のリア側よりも車両のフロント側の方が高くなるように配置されている。具体的には、フロア（２００）上において車両を横断するように固定された構造部材であるクロスメンバ（２１０）の上に、電源パック（１００）のフロント側が載置されている。この構成により、電源パックをフロア上に配置した場合であっても、フロア下面から室内側に侵入する熱に対して影響を受け難い構造を備える、電源パックの搭載構造を提供することが可能になる。

Description

細書. . 電源パックの搭載構造 技術分野

この発明は、 電源パックの搭載構造に関し、 より特定的には、 電気自動車など の電動機を駆動源として用いる自動車に搭載され電気を供給するため電源パック の搭載構造に関するものである。 背景技術

近年、 電動機を駆動源とした電気自動車や、 電動機とガソリンエンジンなど複 数種類の駆動源を有する、 いわゆるハイプリッドカーが実用化されてきている。 このような電気自動車などには、 電動機などにエネルギーである電気を供給する ための電源として、 電池やキャパシタ等の蓄電装置が搭載されている。 たとえば、 電池としては、 繰返し充放電が可能な二ッ力ド電池 （N i— C d電池） や二ッケ. ルー水素電池、 リチウムイオン電池などの二次電池が用いられる。

ここで、 電源として二次電池を用いた場合には、 電池セ/レを積層した電池モジ ユールにより構成されており、 この電池モジュールが電源ケースの内部に収容さ れた状態で自動車に搭載される。 この電源ケースと、 電源ケースの内部に収容さ れた電池モジュールおよびその他の内部構成部品とを含めたものを電源パックと 称する。

従来、 電池パックは、 ラゲージスペース （トランク） 内に搭載されていた。 し かし、 車種によっては、 ラゲージスペースの容積を十分に確保したいとの要請か ら、 電池パックを室内に配置する構成が採用される場合がある。 ここで、 電源パ ックをフロアパネル上に配置した場合には、 フロアパネル下面からの熱により電 源パックの温度が上昇し、 電源パックの性能に悪影響を与えることが懸念される。 夏場においては、 道路からの照り返しによる輻射熱がフ口ァパネルを介して電源 パックに伝わることが考えられる。 また、 エンジン搭載車においては、 フロアパ ネル下面を通過する排気経路が高温になることから、 この 気経路からの熱がフ ロアパネルを介して電源パックに伝わることが考えられる。

また、 搭乗者が、 水分をフロアパネル面にこぼした場合、 電源パックの配置位 置によっては、 水分が電源パック内に侵入し電源パック内に水分が留まつてしま うおそれがある。

一.'特'開 2 0 0 4— 2 3 7 7 9 0号 報の記載される図 2を参照した場合、 助手席 の下方に電源パックが搭載されている。 し力 し、 この搭載構造においては、 道路 からの照り返しによる輻射熱がフ口ァパネルを介して電源パックに伝わるおそれ がある。 また、 水分をフロアパネル面にこぼした場合、 水分が電源パック内に侵 入し水分が留まるおそれもある。 · 発明の開示

この発明が解決しょうとする課題は、 電源パックをフロアパネル上に配置した 場合に、 フ口ァパネル下面から室内側に母入する熱の影響により、 電源、.パックの 性能に悪影響を与えることにある。 したがって、 この発明は、 電源パックをフロ ァパネル上に配置した場合であっても、 フロアパネル下面から室内側に侵入する 熱に対して影響を受け難い構造を備える、 電源パックの搭載構造を提供すること を目的とする。

本発明に基づいた電源パックの搭載構造においては、 電源を収容する電源パッ クの搭載構造であって、 上記電源ハ。ックは、 上記車両のフ口ァパネル上に設けら れ、 上記電源パックの上記車両のリァ側よりも上記車両のフロント側の方が高く なるように配置される。 なお、'本発明における電源とは、 電動機などにエネルギ 一である電気を供給するための源として用いられるものを意味する。 たとえば、 電源には、 それ自体が化学変化等により電気を創り出す電池や、 外部からの供給 により電池を蓄えるキャパシタ等の蓄電装置を含む。

この発明に基づいた電源パックの搭載構造によれば、 電源パックの車両のリア 側よりも車両のフロント側の方が高くなるように配置されることにより、 電源パ ックとフロアパネル上との間に空間を形成することが可能となる。 その結果、 フ ロアパネル下面から室内側に侵入する熱の影響が緩和され、 電源パックの性能に 悪影響を与えることがない。 図面の簡単な説明

図 1は、 本宪明に基づいた実施の形態における電源パックを搭載した自動車の 形態を示す断面模式図である。

図 2は、 本発明に基づいた実施の形態における電源パックを搭載した自動車の 平面透視模式図である。

図 3は、 本宪明に基づいた実施の形態における自動車の電源パックに関連する 制御を説明するためのプロック図である。

図 4は、 本発明に基づいた実施の形態における電源パックの車両への搭載構造 を示す全体斜視図である。

図 5は、 図 4中の V— V線矢視断面模式図である。

図 6'は、 本発明に基づいた他の実施の形態における電源パックの車両への搭載 構造を示す全体斜視図である。

図 7は、 図 6中の I I V— I I V線矢視断面模式図である。 発明を実施するための最良の形態

以下、 この発明に基づいた実施の形態における電源パックの搭載構造について、 図 1から図 5を参照しながら説明する。

図 1および図 2に示すように、 自動車 1はその搭乗空間 5 0内において、 フロ ントシート 2 a、 2 b (図 2参照） とリアシート 6とが配置されている。 搭乗空 間 5 0内において、 フロントシート 2 a、 2 bの下方であってフロントシート 2 a、 2 bに挟まれる搭乗空間 5 0のフロァパネル 2 0 0上に電源パック 1 0 0が 搭載されている。 本実施の形態においては、 運転席 2 bと助手席 2 aとの間に電 源パック 1 0 0が配置されている。 なお、 フロアパネル 2 0 0上には、 通常室内 装飾品としてカーぺット等が施設されるが、 本実施の形態における説明において は、 カーペット等の図示は省略する。 また、 明細書中におけるフロアパネルは、 自動車 1の搭乗空間 5 0内において、 キャビン （客室） を画成するパネルのうち、 底面に位置するパネルのことを意味する。

図 3に示すように、 電源パック 1 0 0は、 複数の電池セノレ 1 2 0 a (図 5参 照） が含まれる電池部 9は、 自動車 1のエンジン （図示せず） などに設置された 発電機を含むエネルギー発生部 8と接続されている。 自動車 1では、 このエネル ギー発生部 8において発生したエネルギーである電気を電源パック 1 0 0に充電 することができる。 すなわち、 電池部 9を構成する電源パック 1 0 0には、 充放 電が可能な二次電池が配置されている。

電池部 9は、 自動車 1に搭載されたエアコンなどの自動車に搭載された機器で ある動作機器 1 0を駆動するエネルギー源として用いられる。 ここで、 動作機器 1 0としては、 上述のようにエアコンや、 車両に搭載されたカーナビゲーション システム、 あるいはコンピュータシステムなど、 自動車を走行させる動力源とな る電動機などの駆動装置以外の機器を含む。 なお、 動作機器 1 0は、 自動車 1を 走行させる動力源となる電動機などの駆動装置であってもよレ、。 つまり、 電池部 9は上記駆動装置のためのエネルギーを供給するものであってもよい。 エネルギ 一発生部 8、 電池部 9およぴ動作機器 1 0は制御部 7と接続されている。 この制 御部 7により、 電池部 9の充放電やエネルギー発生部 8の動作、 あるいは動作機 器 1 0に対するエネルギーの供給状態などが制御される。.

次に、 図 4および図 5を参照して、 電源パック 1 0 0の搭載構造について具体 的に説明する。 本実施の形態における電池パック 1 0 0は、 図 5の断面図に示す ように、 複数の電池セル 1 2 0 aが集合された電池モジュール 1 2 0と、 機器部 1 1 0とが電池ケース 1 0 1内に収容されている。 電池セル 1 2 0 aには、 操返 し充放電が可能なニツカド電池 （N i— C d電池） やニッケル一水素電池、 リチ ゥムイオン電池などの二次電池が用いられる。 機器部 1 1 0は、 電源パック 1 0 0のフロント側に配置されている。 '

電池ケース 1 0 1は、 電池モジユーノレ 1 2 0および機器部 1 1 0を下面側から 支持するロアケース 1 0 2と、 機器部 1 1 0および電池モジュール 1 2 0を覆う 電池モジュールカバー 1 0 3とを有している。 また、 ロアケース 1 0 2のリア側 の下端部には、 電源パック 1 0 0内に排出した水分を外部に排出するための液体 排出部としての排水口 1 3 0が設けられている。

機器部 1 1 0としては、 ジャンクションボックス、 電池モジュール 1 2 0から 延設される高圧ケーブルが接続されるメインシステムリレー、 および、 電子機器 部品 A C 1 0 0 Vインバータ、 電子回路基板、 メインライン用ヒューズ等が挙げ られる。

上記構成からなる電源パック 1 0 0において、 図 4および図 5に示すように、 この電源パック 1 0 0は、 フロァパネノレ 2 0 0上において、 フ口ァパネノレ 2 0 0 の表面を基準として見た場合に、 車両のリァ側よりも車両のフロント側の方が高 くなるように配置されている。 具体的には、 フロアパネル 2 0 0上において車両 を横断するように固定された構造部材であるクロスメンバ 2 1 0の上に、 電源パ ック 1 0 0のフロント側が載置されている。 電源パック 1 0 0のリア側の後端部 は、 リア側に配置されたクロスメンバ 2 1 1のフランジ部上に载置され、 略フロ ァパネノレ 2 0 0と略同一面に位置している。 電源パック 1 0 0のフロアパネル 2 0 0上への配置は、 車両に載置されることを考慮して、 移動しないように固定さ れることが好ましい。

このように、 電源パック 1 0 0の車両のリァ側よりも車両のフロント側の方が 高くなるように配置することで、 電源パック 1 0 0とフロアパネル 2 0 .0上との 間に空間を形成することが可能となる。 その結果、 フロアパネル 2 0 0の下面か ら室内側に侵入する熱の影響が緩和され、 電源パック 1 0 0の性能に悪影響を与 えることがない。

また、 本実施の形態においては、 フロアパネル 2 0 0の下面には、 エンジンか らの排気経路としてのェギゾーストパイプ 3 0 0が位置し、 このェギゾーストパ ィプ 3 0 0の途中領域には触媒装置 3 0 O Aが設けられている。 このェギゾース トパイプ 3 0 0および触媒装置 3 0 0 Aはそれぞれ高温の熱源 （約 2 5 0度以 上） となる。 これらの装置の上方位置、 具体的には、 排気ガスがェギゾーストパ イブ 3 0 0中を流通している時に、 電源パック 1 0 0に対して熱伝達する位置に 電源パック 1 0 0を配置した場合においても、 これらの装置からの熱は、 フロア パネル 2 0 0を介して搭乗空間 5 0内に伝わることとなる。 しかし、 電¾1パック 1 0 0とフロアパネル 2 0 0上との間に空間を形成していることから、 電源パッ ク 1 0 0の直接的な温度上昇を抑制することができる。

また、 電源パック 1 0 0は、 車両フロント側が高くなつていることから、 フロ ァパネゾレ 2 0 0から侵入する熱は、 電源パック 1 0 0の底面を伝わって車両フロ ント側に逃げることとなり、 電源パック 1 0 0の底面において熱がよどむことが ない。 また、 搭乗空間 5 0内 （特にリア側空間内） への直接的な放熱を抑制する ことができる。

また、 電源パック 1 0 0において、 機器部 1 1 0を電源パック 1 0 0のフロン ト側に配置することで、 熱の影響に弱い機器部 1 1 0を熱源から最も離すことが できる。 また、 外部から水分が侵入した場合でも、 機器部 1 1 0は上流側に位置 するため、 浸水等により機器部 1 1 0の破損を防ぐことが可能となる。 さらに、 電源パック 1 0 0内に侵入した水分は、 排水口 1 3 0から外部に排出させること が可能である。

また、 構造部材であるクロスメンバ 2 1 0を用いることにより、 電源パック 1 0 0を傾斜させるために新たな部材を別途設ける必要がなく、 車両重量の増加、 製造コストの上昇を招くこともない。

また、 上記実施の形態においては、 電源パック 1 0 0の長手方向が、 車両の前 後方向に沿うように、 運転席 2 bと助手席 2 aとの間に電源パック 1 0 0を配置 した場合について説明しているが、 図 6および図 7に示すように、 電源パック 1

0 0の長手方向が車両を横断するように配置することも可能である。 なお、 図 6 は、 電源パックの車両への搭載構造を示す全体斜視図であり、 図 7は、 図 6中の

1 I V- I I V線矢視断面模式図である。

また、 車両を車両進行方向に対して直交する方向に横断するように電源パック

1 0 0を配置した場合には、 運転席の下方から助手席の下方にわたって電源パッ ク 1 0 0が位置することになる。 この場合には、 クロスメンバ 2 1 0の上に、 電 源パック 1 0 0のフロント側が载置され、 電源パック 1 0 0のリァ側の後端部は、 フロアパネル 2 0 0上に直接載置される。 また、 ロアケース 1 0 2のリア側の下 端部には、 電源パック 1 0 0内に排出した水分を外部に排出するための液体排出 部としての排水口 1 3 0が設けられている。

このように、 車両を横断するように電源パック 1 0 0を搭載した場合であって も、 図 1から図 5に示す電源パック 1 0 0と同様の作用効果を得ることができる。 なお、 上記実施の形態においては、 電源パック 1 0 0を傾斜させるためにクロ スメンバを用いた場合について説明したが、 他の構成部材を別途用いて電源パッ ク 1 0 0を傾斜させる構成の採用も可能である。 また、 上記実施の形態において は、 本発明を、 エンジンおよび/または電動機の動力を駆動軸に出力可能なハイ ブリツド車両に適用した場合を一例として挙げたが、 エンジンのみ、 または、 電 動機のみ搭載する車両に対しても適用することは可能である。 また、 実施の形態 における電源パックにおいては、 電源に、 電池セルを積層配置した電池モジユー ルを採用した場合について説明したが、 キャパシタ等からなる蓄電セルを積層配 置した蓄電モジュールを採用することも可能である。 蓄電セルおょぴ蓄電モジュ ールの外径形状は、 電池セルおよび電池モジュールと略同じであり、 上記実施の 形態における構成を採用することが可能である。

以上、 今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、 限定的な解 釈の根拠となるものではない。 したがって、 本発明の技術的範囲は、 上記した実 施の形態のみによって解釈されるのではなく、 請求の範囲の記載に基づいて画定 される。 また、 請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれ る。

Claims

請求の範囲

1. 電源を収容する電源パック （100) の搭載構造であって、

前記電源パック （100) は、 車両 （1) のフロアパネル （200) 上に設け られ、

前記電源パック （1 00) の前記車両 （ 1 ) のリア側よりも前記車両 （ 10 0) のフロント側の方が高くなるように傾斜して配置される、 電源パックの搭載 構造。

2. 前記車両 （1) は駆動源としてエンジンを含み、

前記フロアパネノレ (200) の下方には、 排気通路 （300) が配置され、 前 記電源パック （100) は、 前記 気通路 （300) の上方に配置される、 請求 の範囲第 1項に記載の電源パックの搭載構造。

3. 前記排気通路 （300) は触媒装置 （30 OA) を含み、 前記電源パック (100) は、 前記触媒装置 （30 OA) の上方に配置される、 請求の範囲第 2 項に記載の電源パックの搭載構造。

4. 前記電源パック （100) の前記車両 (1) のリア側よりも前記車両 （1) のフロント側の方が高くなるよう、 前記電源パック （100) の前記フロント側 は、 前記車両 （1) の前記フロアパネル （200) 上に固定されたクロスメンバ

(210) の上に載置される、 請求の範囲第 1項に記載の電源パックの搭載構造。 5. 前記電源パック （100) は、 電源モジュール （120) と機器部 （1 1 0) とが収容され、

前記機器部 （1 10) は、 前記電源パック （100) 内の前記車両 （1) のフ 口ント側に配置される、 請求の範囲第 1項に記載の電源パックの搭載構造。

6. 前記電源パック （100) の前記車両 （1) のリア側には、 液体排出部 （1 30) が設けられる、 請求の範囲第 1項に記載の電源パックの搭載構造。

7. 前記電源パック （100) は、 前記車両 （1) の運転席 （2 b) と助手席 (2 a) との間に配置される、 請求の範囲第 1項に記載の電源パックの搭載構造。

8. 前記車両 （1) は、 エンジンおよび/または電動機の動力を駆動軸に出力可 能なハイブリッド車両である、 請求の範囲第 1項に記載の電源パックの搭載構造。