WO2007097267A1 - 液体移送装置 - Google Patents

Abstract

　テーブル上に載置可能なマイクロプレート数を超えた量のマイクロプレートを対象として分注・分配等の液体移送を可能とする液体移送装置の提供。 　貯留部材および排出部材を上面に着脱可能であるテーブルと、吸排出手段と、吸排出手段とテーブルとを相対移動させながら、予め組み込まれたプログラムに基づい液体移送を行う制御部と、入力手段と、警告信号通知手段とを具備する液体移送装置であって、前記制御部は、前記プログラムの作業対象となる貯留部材および／または排出部材の識別情報と、テーブル上に装着された貯留部材および／または排出部材との識別情報が同一であるかを判定する機能を有し、両者が同位置である場合には移送作業を継続し、両者が異なる場合にはエラー信号を発すると共に前記警告信号通知手段により前記プログラムの作業対象となる貯留部材および／または排出部材の識別情報を通知することを特徴とする液体移送装置。

Description

明 細 書

液体移送装置

技術分野

[0001] 本発明は、水、アルコール、試薬、タンパク質、生体試料といった流動体を含む液 体を、定められた貯留箇所へ分注または板状ワーク表面に塗布する装置に関し、より 具体的には、テーブル上に載置可能なマイクロプレート数を超えた量のマイクロプレ ートを対象として分注'分配等の液体移送を可能とする液体移送装置に関する。 背景技術

[0002] 製薬'バイオ分野では、生化学物質を含む液体試料力も種々の情報を得る目的で 、液体試料に施した種々の処理を系統的に評価することが一般的に行われる。

前記評価には、生体試料、溶媒、試薬等の液状物から、必要とする数種類を所望 の割合で配合された液状配合物が複数種用いられる。

液状配合体は、種々の液状物が貯留されるマザ一プレートと呼ばれるマイクロプレ ートの各ゥエルから、必要な液状物を選択的に必要量取り出し、これをドータープレ ートと呼ばれるマイクロプレートのゥエルに分注する作業を繰り返すことによって配合 される。

ドータープレートの一のゥエルには、マザ一プレートから種々の液状物が注入され、 ドータープレートの各ゥエルには、それぞれ種類の異なる液状配合体が作られる。 ところで、マザ一プレートは、複数の試験管で代用されることも一般的である。

[0003] この様な分注操作を行う装置としては、例えば、出願人の開発した特許文献 1に開 示される装置がある。

特許文献 1の装置は、ピペット先端に装着されたピペットチップ内に試験管内から 液状内容物を吸引し、マイクロプレート上の所望の穴に前記液状内容物を排出する 液状内容物分注装置において、ピペットを有するヘッド部と、ピペットの先端に装着 するピペットチップを保持するチップケース、液状内容物又は液状内容物を含んだ 液体物を貯留する試験管を保持する試験管ラック、およびマイクロプレートを上面に 配置するテーブル部と、を備え、前記ヘッド部と前記テーブル部とが相対的に移動し て分注作業を行う装置である。その基本的な動作は、前記特許文献 1の実施例によ ると次の通りである。

(1)チップケースに収められたピペットチップの上方力 ピペットを下降させることによ り、ピペットの先端にピペットチップを装着する。

(2)ピペットを試料が貯留される試験管に移動させてピペットチップ内に前記試料を 所望量吸引する。

(3)ピペットをマイクロプレートの所望する孔に移動させ、ピペットチップ内の試料を 前記孔に排出する。

(4)ピペットをチップ廃棄箱のチップ脱離板に移動させ、ピペットチップをピペットから 脱離させ、ピペットチップ廃棄箱に落下廃棄させる。

上記（1)から (4)の工程は、マイクロプレートの各ゥエルに必要量が注入されるまで 繰り返される。

特許文献 1 :特開 2005— 061957号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 上記のとおり、特許文献 1に記載の装置では、テーブル上に配置されたマイクロプ レート単位で分注作業が行われる。

し力しながら、この種の装置は、テーブル上にマイクロプレートを配置する構成であ るため、テーブルの広さによってテーブル上に配置できるマイクロプレートの数が制 限される。従って、テーブル面積を広く確保できる大サイズの装置であれば、マザ一 プレートおよびドータープレートをそれぞれ複数配置することができる力 装置サイズ の小型化に適さない。すなわち、装置サイズを縮小するほど、これに応じてテーブル 面積も狭くせざるを得ず、最も小型の装置では、一のマザ一プレートおよび一のドー タープレートしか配置することができな 、。

[0005] このように、装置サイズはテーブルサイズに規定され、テーブルサイズはテーブル に搭載すべきマイクロプレートの数に規定される力 ドータープレートの各ゥエルに作 られる液状配合体の基となる液状物の種類が多 、場合には、テーブル上に複数の マザ一プレートを搭載せざるを得ず、装置サイズの小型化の障害となって 、る。 [0006] 本発明は上記事情を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、テー ブル上に載置可能なマイクロプレート数を超えた量のマイクロプレートを対象として分 注'分配等の液体移送を可能とする液体移送装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007] 上記課題を解決するために、本発明の液体移送装置は次のように構成されて 、る すなわち、第 1の発明は、液体を貯留する複数の貯留穴を有する貯留部材および液 体が排出される複数の貯留穴を有する排出部材を上面に着脱可能であるテーブル と、液体を吸入し所望量排出する吸排出手段と、吸排出手段とテーブルとを相対移 動させながら、予め組み込まれたプログラムに基づ 、て貯留部材力 排出部材への 液体移送を行う制御部と、制御部への指令を入力する入力手段と、警告信号通知手 段と、を具備する液体移送装置であって、前記制御部は、前記プログラムの作業対 象となる貯留部材および Zまたは排出部材の識別情報と、テーブル上に装着された 貯留部材および Zまたは排出部材との識別情報が同一であるかを判定する機能を 有し、両者が同位置である場合には移送作業を継続し、両者が異なる場合にはエラ 一信号を発すると共に前記警告信号通知手段により前記プログラムの作業対象とな る貯留部材および Zまたは排出部材の識別情報を通知することを特徴とする液体移 送装置である。

第 2の発明は、第 1の発明において、前記警告通知手段は、前記プログラムの作業 対象となる貯留部材および Zまたは排出部材の識別情報を表示するモニター、およ び Zまたは、前記プログラムの作業対象となる貯留部材および Zまたは排出部材の 識別情報を発声するスピーカであることを特徴とする。

第 3の発明は、第 1または 2の発明において、前記制御部は、エラー信号が発され た場合には、前記吸排出手段とテーブルとの相対移動を停止することを特徴とする。 第 4の発明は、第 3の発明において、前記制御部は、エラー信号が発された場合に ぉ 、て、前記プログラムの作業対象となる貯留部材および Zまたは排出部材の識別 情報が更新された場合には、移送作業を再開することを特徴とする。

第 5の発明は、第 1ないし 4のいずれかの発明において、前記貯留部材および Zま たは排出部材は、識別情報を保持するバーコード部を有し、前記テーブルは装着さ れた貯留部材および Zまたは排出部材のバーコード部の保持する識別情報を読み 取り、制御部へ送信する受信装置を有することを特徴とする。

第 6の発明は、第 1ないし 4のいずれかの発明において、前記貯留部材および Zま たは排出部材は、識別情報を電磁的に保持する送信回路を有し、前記テーブルは 装着された貯留部材および Zまたは排出部材の送信回路の保持する識別情報を読 み取り、制御部へ送信する受信装置を有することを特徴とする。

第 7の発明は、第 1ないし 6のいずれかの発明において、前記排出部材は、マイクロ プレートであることを特徴とする。

第 8の発明は、第 1ないし 7のいずれかの発明において、前記貯留部材は、マイクロ プレートであることを特徴とする。

第 9の発明は、第 1ないし 7のいずれかの発明において、前記貯留部材は、ホルダ 一に支持される複数の試験管であることを特徴とする。

第 10の発明は、第 1ないし 9のいずれかの発明において、前記吸排出手段は、ピ ペットであることを特徴とする。

第 11の発明は、第 1ないし 10のいずれかの発明において、前記吸排出手段は、毛 細管現象により液剤を吸引する管またはスリット部を先端に有するピンであることを特 徴とする。

発明の効果

[0008] 本発明によれば、テーブル上に載置可能なマイクロプレート、試験管等の貯留容器 数を超えた数量の貯留容器に対する指示を行うことができるため、ステージを小型に することができ、ひ 、ては装置全体を小型化することが可能である。

[0009] また、ステージ上に配置されない貯留容器に対する指示が出された場合には、装 置が停止するとともに交換を促す信号を発するため、作業の安全性が確保される。

[0010] また、ステージに配置される液体の供給元である貯留容器、および供給先である貯 留容器の配置数を意識することなぐ液体移送作業をプログラムすることが可能となる 図面の簡単な説明

O

011] [図 1]本発明の第 1実施の形態に係る液体移送装置の全体構成図である。

[図 〇 2]図 1に示す装置本体の拡大正面図である。

[図 3]ピペットおよびピペットチップ装着状態を表す拡大正面図である。

[図 4]図 1に示す装置のテーブル図を拡大した拡大上面図である。

[図 5]本発明の第 2実施の形態に係る液体移送装置の正面図である。

[図 6]図 5に示す装置テーブル部の拡大正面図である。

[図 7]本発明の第 3実施の形態に係る液体移送装置の正面図である。

[図 8]図 7に示す装置テーブル部の拡大正面図である。

[図 9]ガラス板状に移送された液状物のマトリクス形状を表す概略図である。

[図 10]スリットを有するピンの概略正面図である。

符号の説明

本体

11 基台

12 支柱

13 X軸移動手段

14 Y軸移動手段

15 z軸移動手段

16 板

20 ピペット

21 ピペットチップ

22 ピペットチップ装着部

23 溝

24 超音波測長器

25 ピン

26 スリット

30 ステージ

31 チップケース

32 マイクロプレート A 33 マイクロプレート B

34 マイクロプレート c

35 試験管ラック A

36 試験管ラック B

37 試験管

38 チップ廃棄箱

39 チップ脱離板

40 制御部

41 コンピュータ本体

42 モニタ

50 穴

60 洗浄装置

61 揷入口

70 マイクロプレート D

71 マイクロプレート E

72 マイクロプレート F

80 ノルツ卜 A

81 ノ《レット B

82 ノ《レット C

83 ガラス板

90 塗布点

発明を実施するための最良の形態

[0013] 以下では、本発明の実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこ れらの実施例によって何ら限定されるものではない。

実施例 1

[0014] マザ一プレートに貯留された複数の液状物を基に、ドータブレートに液状配合物を 各種つくる場合を例に説明する。

図 1は本発明の実施の形態に係る液体移送装置の全体構成図、図 2は図 1に示す 装置本体の拡大正面図、図 3はピペットおよびピペットチップ装着状態を表す拡大正 面図、図 4は図 1に示す装置のテーブル図を拡大した拡大上面図である。

[0015] 《構成》

本装置は、本体 10と制御部 40とで構成される。

本体 10は、基体 11と、基体 11から上方に延出する二の支柱 12と、二の支柱 12に 支持された X軸移動手段 13と、 X軸移動手段 13が備える Z軸移動手段 15と、基体 1 1上面に配設された Y軸移動手段 14を有し、 Z軸移動手段 15には、先端にピペット チップ装着部 22を有するピペット 20が配設される。

[0016] Y軸移動手段 14の上部にはステージ 30が配設され、ステージ 30は、上面に、マイ クロプレート A32と、マイクロプレート B33と、チップケース 31と、チップ廃棄箱 38を、 それぞれ着脱可能に備える。

本実施例では、マイクロプレート A32およびマイクロプレート C34をマザ一プレート として、マイクロプレート B33をドータープレートとして用いている。図 4では、符号 32 が作業対象となるマザ一プレートであり、符号 34が次の作業の対象となるマザープレ ートである。

各マイクロプレートには、板状のプレートに穴が格子状に複数設けられており、前記 穴はウエノレとも呼ばれる。

[0017] チップケース 31は、内部に空間を有する箱体であって、上面を形成する板状体に 格子状に複数の孔を有し、当該孔にはピペットチップ 21が緩挿される。上面は、ピぺ ットチップ 21の先端がチップケースの下面に接触しな 、位置にあり、上面に形成され た孔がピペットチップ 21の周面を支持して!/、る。

チップ廃棄箱 38は、側面力も演出するチップ脱離板 39を有する箱体であって、使 用済みのピペットチップが投入される。

[0018] 制御部 40は、コンピュータ本体 42と、モニタ 41で構成されている。制御部 40には、 予め、移送作業手順がプログラムされており、本装置はこのプログラムに基づいて動 作する。また、上記の移送作業手順には、移送する液状物が貯留されるマザープレ ート番号、マイクロプレートに貯留される液状物のゥエル位置、分注量、ドータープレ ートのマイクロプレート番号、およびドータプレートの液状物を分注するゥヱル位置、 に関する情報を含む。

[0019] なお、マザ一プレートおよび Zまたはドータープレートに、識別情報を保持する識 別機構 (バーコード、 ICタグ等の送信回路)を設け、ステージ 30に装着されたマザ一 プレートおよび/またはドータープレートの識別機構の保持する識別情報を読み取り 、制御部 40へ送信する受信装置を設けてもよい。

力かる構成によれば、ユーザーが、図示しない入力手段から、ステージ 30に装着し たマザ一プレートおよび Zまたはドータープレートの識別情報を入力する手間を省く ことができる。

[0020] 《動作》

上記構成の液体分注装置は、必要とする液状物が貯留されるマイクロプレート A32 およびマイクロプレート C34の各ゥエルから、マイクロプレート B33の所望するゥエル に液状物を分注する作業を繰り返すものである。マイクロプレート B33の一のゥエル には、マイクロプレート A32および/またはマイクロプレート C34から複数の液状物が 分注'混合され、ゥエル内で液状配合物を得ることができる。

[0021] 分注作業開始前に、ユーザーが図示しない入力手段により、予め準備された複数 の分注プログラムの中から、一のプログラムを選択し、また、ステージ 30上に最初に 載置されるマザ一プレートおよびドータープレートに該当するマイクロプレート番号を 入力する。

分注プログラムには、テーブル上に載置されるマイクロプレートの順序、分注作業の 手順が規定されている。分注作業の手順としては、（1)ドータープレートであるマイク 口プレート B33の一のゥエルについての作業を完結した後に、ドータープレートの次 のゥエルにっ 、ての作業を行う場合の他、（2)マザ一プレートであるマイクロプレート A32の一のゥエル内の液状物の分注作業を完結した後に、マザ一プレートの次のゥ エルについての分注作業を行う場合が例示されるが、分注作業の手順はこれらに限 定されない。

[0022] 分注作業の始めに、制御部 40のプログラムは、分注作業の対象となるマザープレ ート番号、マイクロプレートに貯留される液状物のゥエル位置、分注量、およびドータ プレートの液状物を分注するゥエル位置に関する情報を取得し、このうち、分注作業 の対象となるマザ一プレート番号と、ステージ上に載置されるマザ一プレート番号と のマッチングを行う。

入力されたマザ一プレート番号と、ステージ上に載置されるマザ一プレート番号との マッチングの結果、両番号が等 、場合は分注作業を開始する。

マッチングの結果、両番号が異なる場合、すなわち、ステージ上に、適切なマザ一 プレートが搭載されて ヽな 、場合、モニタ 41にマイクロプレートの交換を促す警告メ ッセージを表示し (音声警告や表示灯などで代用してもよい)、分注作業を開始しな い。この場合、ユーザーが適切なマザ一プレートをテーブル上に載置し、図示しない 入力手段により、適切なマザ一プレートを載置したことを知らせる指令 (リカバリ指令） を入力することで、分注作業を開始することができる。なお、上述の識別機構を備え る場合には、適切なマザ一プレートを載置するだけで、自動的にリカバリ指令を発す るよう構成することが可會である。

[0023] 制御部 40は、 X軸移動手段 13および Y軸移動手段 14を動作させ、チップケース 3 1に収められたピペットチップ 21上にピペット 20を移動させた後に、 Z軸移動手段 15 によりピペット 20を下降させ、ピペット 20の先端にピペットチップ 21を装着する。その 後、 Z軸移動手段 15によりピペット 20を上昇させ、 X軸移動手段 13および Y軸移動 手段 14によりマイクロプレート A32の所望するゥエル上にピペットチップ 21を移動さ せる。そして、 Z軸移動手段 15によりピペット 20を下降させ、ピペットチップ 21の先端 を前記ゥエル内に貯留される液状物に浸水させ、ピペット 20を作動させて所望量の 液状物をピペットチップ 21内に吸入させる。

[0024] 次に、 Z軸移動手段 15によりピペット 20を上昇させ、 X軸移動手段 13および Y軸移 動手段 14によりマイクロプレート B33の所望するゥエル上にピペット 20を移動させる。 そして、 Z軸移動手段 15によりピペット 21を下降させてピペットチップ 21の先端をゥェ ル内に進入させ、ピペット 20を動作させて前記ピペットチップ 21に吸入した液状物を ゥ ル内に排出する。

[0025] 続いて、 Z軸移動手段 15によりピペット 20を上昇させ、 X軸移動手段 13および Y軸 移動手段 14を動作させてチップ廃棄箱 38のチップ脱離板 39にピペット 20を移動す る。 図 3に示すように、ピペット 20は、先端にピペット 20の本体よりも小径のピペットチッ プ装着部 22が形成されている。ピペットチップ装着部 22の長さは、ピペットチップ 21 を装着した際に、ピペットチップ装着部 22の上端部と、ピペットチップ 21の上面縁部 力 溝 23を構成する長さとなっている。

[0026] Z軸移動手段 15を動作させて、ピペット脱離板 39のピペット案内溝と溝 23との高さ を合わせた後に、 X軸移動手段 13、 Y軸移動手段 14動作させて溝 23にピペット脱 離板 39のピペットの案内溝が位置するようピペット 20を水平移動する。

その後に、 Z軸移動手段 15を動作させてピペット 20を上昇させると、ピペットチップ 21の上面縁部がピペット脱離板 39の下面と当接し、ピペット 20がさらに上昇すること でピペットチップ 21がピペット 20から完全に脱離し、チップ廃棄箱 38に落下する。

[0027] これら一連の動作により、マイクロプレート A32のゥ ル内に貯留される液状物のう ち一の液状物力 マイクロプレート B33に移送され、分注作業の 1ステップ分が完了 する。

分注作業の 1ステップが完了した後は、次なる液状物をマザ一プレートからドーター プレートへ分注する、第 2ステップへ進む。

[0028] 第 2ステップ以降は、第 1ステップと同様の作業が繰り返される。

すなわち、第 1ステップと同様に、制御部 40のプログラムは、分注作業の対象となる マザ一プレート番号、マイクロプレートに貯留される液状物のゥヱル位置、分注量、お よびドータプレートの液状物を分注するゥエル位置に関する情報を取得し、このうち、 分注作業の対象となるマザ一プレート番号と、ステージ上に載置されるマザ一プレー ト番号とのマッチングを行う。マッチングの結果、必要に応じてリカバリが行われる点も 第 1ステップと同様である。

[0029] 最終ステップまで終了すると、マイクロプレート B33のゥエルのうち、液状混合物を 作成するために使用するすべてのゥエルに対し、上記の動作を繰り返すことにより、 マイクロプレート Bには、所望する各種の液状混合物が貯留される。

[0030] なお、制御部 40により、マッチングは、作業対象となるマザ一プレートと実際にテー ブルに搭載されているマザ一プレートに限定されず、作業対象となるドータープレー トと実際にテーブルに搭載されているドータープレートのマッチングを行うこともできる 。どのマッチングを行うかは、実施するプログラムの種別により最適な選択を行うこと ができ、

、ずれか片方のマッチングを行ってもよ いし、両方のマッチングを行ってもよい。

実施例 2

[0031] 本実施例は、実施例 1でマザ一プレートとしたマイクロプレートを、複数の試験管を 格子状に配列して保持する試験管ラックに試験管を配して構成した例である。実施 例 1のマイクロプレート A32が試験管を有する試験管ラック A35に置き換わり、マイク 口プレート C34が同じく試験管を有する試験管ラック 36に置き換わっている。

図 5は本発明の第 2実施の形態に係る液体移送装置の正面図、図 6は図 5に示す 装置テーブル部の拡大正面図である。

[0032] 図 5および図 6では、実施例 1のマイクロプレート C34と同様に、試験管ラック B36が ステージ 30上に配置されていないが、装置が必要に応じて警告メッセージを発する ことにより、ステージ 30に搭載されない液状物をドータープレートであるマイクロプレ ート B33に分注することができることは、実施例 1と同様である。

[0033] 本実施例の移送作業にお!、ては、移送する液状物が貯留される試験管番号、試 験管が属するラック番号、液状物移送量、ドータープレートであるマイクロプレート番 号、マイクロプレートに排出するゥエル位置に関する情報が制御部 40のプログラムに 取得される。

[0034] また、本実施例の装置は、 Z軸移動手段 15に板 16が配設され、当該板 16にはピ ペット 20とともに超音波測長器 24が配設される。

試験管は、ピペットチップ 21の全長を超える高さに液状物を貯留することが可能で あり、試験管 37に貯留する液状物をピペットが吸引するに先だって、超音波測長器 2 4にて、試験管 37の液面位置を検知および液面位置までの距離を測長することが、 ピペット 20先端のピペットチップ 21を前記試験管 37に適切量浸入させる Z軸移動手 段 15の移動量を得ることができ好ましい。

実施例 3

[0035] 本実施例は、マザ一プレートに貯留される液状物を、平板状のガラス板上に格子状 に点形状に配する移送作業であり、本実施例は例えばバイオチップ製造に応用でき る。

図 7は本発明の第 3実施の形態に係る液体移送装置の正面図、図 8は図 7に示す 装置テーブル部を拡大した拡大正面図、図 9はガラス板状に移送された液状物のマ トリタス形状を表す概略図、図 10はスリットを有するピンの概略正面図である。

[0036] 本実施例は、実施例 1および実施例 2で作られた液状混合物を貯留するドーター プレートの一利用形態であり、本実施例のマザ一プレートを、実施例 1および実施例 2で作られた液状混合物を貯留するドータープレートとすることができる。

平板状のガラス板 83が、公知のパレット 80〜82に並列に複数配置される。

[0037] 実施例 1および実施例 2のピペットに代わり、本実施例では、毛細管現象により液状 物を吸引するスリット 26を先端に有するピン 25を有している。ピン 25をガラス板 83上 に当接させることにより、液状物をガラス板上に移送する。

[0038] ステージ 30は、ピン 25を洗浄する洗浄装置 60を備える。洗浄装置 60の内部には 洗浄液が充填されており、超音波振動子が配されている。洗浄液は、図示しない洗 浄液供給管から洗浄装置 60に供給され、図示しない洗浄液送出管より排出される。 ピン 25の洗浄は、挿入口 61よりピン 25を挿入して先端の接液部を洗浄液に浸した 状態で、超音波振動を印加して洗浄液供給管から洗浄液送出管に洗浄液を送流す ること〖こよって洗净する。

[0039] 制御部 40は、コンピュータ本体 42と、モニタ 41で構成されている。制御部 40には、 予め移送作業手順がプログラムされており、本装置はこのプログラムに基づいて動作 する。また、本実施例の移送作業においては、移送する液状物が貯留されるマザ一 プレートであるマイクロプレート番号、マイクロプレートに貯留される液状物のゥエル位 置、ガラス板番号、ガラス板が属するパレット番号、およびガラス板上の移送位置、に 関する情報が制御部 40のプログラムに取得される。

[0040] 分注作業は、実施例 1および実施例 2と同様であって、制御部 40のプログラムは、 作業対象となるマザ一プレート番号およびパレット番号と、ステージ上に載置される マザ一プレート番号および Zまたはパレット番号とのマッチングを行う。

マザ一プレート番号および Zまたはパレット番号と、ステージ上に載置されるマザ一 プレート番号および Zまたはパレット番号とのマッチングの結果、両番号が等し ヽ場 は分注作業を開始する。

両番号が異なる場合、すなわち、ステージ上に作業対象となるマザ一プレートおよ びパレットの 、ずれか一つでも載置されて 、な 、場合、モニタ 41に警告メッセージを 表示し、分注作業を開始しない。より詳細には、モニタ 41にステージ 30に搭載されて いるマザ一プレート番号および Zまたはパレット番号と、ステージ 30に搭載すべきマ ザ一プレート番号および Zまたはパレット番号とともに、ステージ上のマザ一プレート および/またはパレットの交換を促すメッセージを表示する。

[0041] マザ一プレートおよび Zまたはパレットの交換が必要な場合は、ユーザーは、適切 なマザ一プレートおよび Zまたはパレットを搭載し、図示しない入力手段により、適切 なマザプレートおよび Zまたはパレットが、テーブル上に載置された旨を知らせる指 令 (リカバリ指令)を入力する。

[0042] 本実施例では、ステージ 30上にマイクロプレート A32、マイクロプレート B33、マイ クロプレート C34、およびマイクロプレート D70と、パレット A80およびパレット B81が 配置されている。

[0043] X軸移動手段 13および Y軸移動手段 14を動作させ、マイクロプレート A32、マイク 口プレート B33、マイクロプレート C34、またはマイクロプレート D70のうちから、指示 されたマイクロプレートのゥエル上にピン 25を移動させた後に下降させ、ピン 25の先 端をゥエル内に貯留される液状物に浸水させてピン 25が有するスリット 26に液状物 を吸入させ、し力る後にピン 25を上昇させる。

[0044] 次に、 X軸移動手段 13および Y軸移動手段 14を動作させ、パレット A80またはパ レット B81に配置されるガラス板のうち、プログラムが指示するガラス板の移送位置上 にピン 25を位置させた後に、 Z軸移動手段 15によりピン 25をガラス板に当接させた 後に、再び Z軸移動手段 15によりピン 25を上昇させる。

[0045] さらに、 X軸移動手段 13、 Y軸移動手段 14および Z軸移動手段 15を動作させ、ピ ン 25を洗浄装置 60の揷入口 61に挿入し、洗浄装置 60を動作させて、ピン 25を洗 浄する。洗浄後、ピン 25を挿入口 61から離脱させる。

[0046] これら一連の動作により、マザ一プレートに貯留される液体物がガラス板上に移送 され、移送作業の 1ステップ分が完了する。 [0047] 移送作業の 1ステップが完了した後は、次なる液状物をマザ一プレートから板状体 の所望位置に移送する第 2ステップへ進むことは、第 1の実施例および第 2の実施例 と同様である。

[0048] 最終ステップまで終了すると、パレット A80、パレット B81、およびパレット C82が保 持するガラス板上には、打点移送された液状物のマトリクスが形成される。このマトリク ス状に形成された打点は、各々異なる液状物とすることが可能である。

[0049] ここで、上記の移送作業は、一のガラス板上に形成されるマトリクスを完全に形成さ せた後に、次のガラス板状にマトリクスを形成させるようにステップを進めても、マザ一 プレートであるマイクロプレート A32の一のゥエルに貯留される液状物を、移送すべき 各ガラス板上に移送した後に、次のゥエルに貯留される液状物を同様に移送すべき ガラス板上に移送するようステップを進めてもよい。もちろん、移送手順はこれら手順 に限定されるものではない。

[0050] 本実施例では、液状体の移送先であるガラス板 83がステージ 30上に載置されない 場合、すなわち、ステージ 30上に載置されないパレットを有する場合についても、マ ザ一プレート同様に扱うことを例示した力 実施例 1および実施例 2のドータープレー トについても、本実施例と同様に作業中の交換を可能とすることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 液体を貯留する複数の貯留穴を有する貯留部材および液体が排出される複数の 貯留穴を有する排出部材を上面に着脱可能であるテーブルと、液体を吸入し所望量 排出する吸排出手段と、吸排出手段とテーブルとを相対移動させながら、予め組み 込まれたプログラムに基づいて貯留部材力 排出部材への液体移送を行う制御部と 、制御部への指令を入力する入力手段と、警告信号通知手段と、を具備する液体移 送装置であって、

前記制御部は、前記プログラムの作業対象となる貯留部材および Zまたは排出部 材の識別情報と、テーブル上に装着された貯留部材および Zまたは排出部材との識 別情報が同一であるかを判定する機能を有し、

両者が同位置である場合には移送作業を継続し、両者が異なる場合にはエラー信 号を発すると共に前記警告信号通知手段により前記プログラムの作業対象となる貯 留部材および Zまたは排出部材の識別情報を通知することを特徴とする液体移送装 置。

[2] 前記警告通知手段は、前記プログラムの作業対象となる貯留部材および Zまたは 排出部材の識別情報を表示するモニター、および zまたは、前記プログラムの作業 対象となる貯留部材および Zまたは排出部材の識別情報を発声するスピーカである ことを特徴とする請求項 1の液体移送装置。

[3] 前記制御部は、エラー信号が発された場合には、前記吸排出手段とテーブルとの 相対移動を停止することを特徴とする請求項 1または 2の液体移送装置。

[4] 前記制御部は、エラー信号が発された場合にぉ 、て、前記プログラムの作業対象と なる貯留部材および Zまたは排出部材の識別情報が更新された場合には、移送作 業を再開することを特徴とする請求項 3の液体移送装置。

[5] 前記貯留部材および Zまたは排出部材は、識別情報を保持するバーコード部を有 し、

前記テーブルは装着された貯留部材および Zまたは排出部材のバーコード部の保 持する識別情報を読み取り、制御部へ送信する受信装置を有することを特徴とする 請求項 1な!、し 4の 、ずれかの液体移送装置。

[6] 前記貯留部材および Zまたは排出部材は、識別情報を電磁的に保持する送信回 路を有し、

前記テーブルは装着された貯留部材および Zまたは排出部材の送信回路の保持 する識別情報を読み取り、制御部へ送信する受信装置を有することを特徴とする請 求項 1な!ヽし 4の!ヽずれかの液体移送装置。

[7] 前記排出部材は、マイクロプレートであることを特徴とする請求項 1な 、し 6の ヽず れかの液体移送装置。

[8] 前記貯留部材は、マイクロプレートであることを特徴とする請求項 1な 、し 7の 、ず れかの液体移送装置。

[9] 前記貯留部材は、ホルダーに支持される複数の試験管であることを特徴とする請求 項 1な!、し 7の!、ずれかの液体移送装置。

[10] 前記吸排出手段は、ピペットであることを特徴とする請求項 1な 、し 9の 、ずれかの 液体移送装置。

[11] 前記吸排出手段は、毛細管現象により液剤を吸引する管またはスリット部を先端に

ヽし 10の ヽずれかの液体移送装置。