JP2002336679A - 液体吐出装置及び分注装置ならびに検体洗浄装置 - Google Patents

液体吐出装置及び分注装置ならびに検体洗浄装置

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JP2002336679A
JP2002336679A JP2001146228A JP2001146228A JP2002336679A JP 2002336679 A JP2002336679 A JP 2002336679A JP 2001146228 A JP2001146228 A JP 2001146228A JP 2001146228 A JP2001146228 A JP 2001146228A JP 2002336679 A JP2002336679 A JP 2002336679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業環境維持・環境汚染防止のための管理が
容易に行える液体吐出装置及び分注装置ならびに検体洗
浄装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 分注装置に装備されプレートに収容され
た検体を洗浄液103により洗浄する検体洗浄装置にお
いて、洗浄液103を供給する液体タンク112及び洗
浄後の洗浄排液103’を回収する排液回収タンク11
0を排気チューブ111,113によって装置前面に外
部から視認可能かつ外部より人手が届く範囲に配置され
た集中配管パネル8の接続ポート119,120に接続
する。接続ポート119,120を機外の排ガス回収回
路99に接続することにより、洗浄液103から発生す
る有害ガスを確実に回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、創薬スクリーニン
グ分野、バイオテクノロジー、医学分野等で液体の分注
に用いられる液体吐出装置及び分注装置ならびに検体洗
浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質の生化学的反応などの試験を系統的
に行う際に用いられる装置として、分注装置が知られて
いる。この分注装置は、試料収容用のマイクロタイター
プレートに液体(薬液や試薬、検体等の試料を含んだ液
体)を注入する分注操作を行うものである。マイクロタ
イタープレートには液体を収容するウェルが多数設けら
れており、このウェル内に分注ヘッドによって液体を吐
出する分注操作を行うようになっている。
【0003】上記試験においては多種類の液体が用いら
れるため、分注装置にはこれらの多種類の液体をリザー
バに対して供給し、また使用後の液体を排液として回収
するための設備が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各種試験に
用いられる液体の中には、揮発性の有機溶剤を含んだ液
体などそれ自体が環境に対して有害であるとともに、有
害ガスを発生させるものが含まれる。このため分注装置
には、このような有害物質を含む液体の使用に際して、
使用後の排液の回収や貯溜時・分注操作時に発生する有
害ガスの回収など、作業環境維持・環境汚染防止のため
の必要な管理が容易に行えるよう、十分な配慮が望まれ
る。
【0005】しかしながら従来の分注装置では、液体の
貯溜部や分注部における配管系統は、上記管理を良好に
行えるような構成とはなっていなかった。すなわち、液
体、圧縮空気、真空排気などの系統が各ユニット部に個
別に接続されるような形態となっていたため、有害ガス
が装置内にそのまま排気される場合があり、また作業性
が悪く接続時の誤配管を誘発しやすいものであった。
【0006】そこで本発明は、作業環境維持・環境汚染
防止のための管理が容易に行える液体吐出装置及び分注
装置ならびに検体洗浄装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液体吐出
装置は、液体を収容し密閉されたタンクと、このタンク
内に圧縮気体を導入する圧縮気体導入部と、この圧縮気
体の圧力によって加圧された前記液体を吐出ノズルに導
く吐出用管路と、前記タンク内に残留する気体を外部に
排出する排気用管路と、この排気用管路を外部接続口に
連通させる外部接続手段とを備えた。
【0008】請求項2記載の液体吐出装置は、請求項1
記載の液体吐出装置であって、前記液体吐出装置は、検
体洗浄装置の洗浄液吐出用の液体吐出機構である。
【0009】請求項3記載の液体吐出装置は、請求項1
記載の液体吐出装置であって、前記外部接続手段は、装
置外部から視認可能かつ外部より人手が届く範囲に配置
されている。
【0010】請求項4記載の分注装置は、試験用の容器
に分注された液体を排液として排出する液体排出機構を
備えた分注装置であって、前記液体排出機構は、前記排
液を回収するタンクと、分注装置の分注部において前記
液体を回収する液体回収部から回収された排液をタンク
内に導入する排液用管路と、前記タンク内の気体を排気
する排気用ポンプと、排気用ポンプの排気口に接続され
た排気用管路と、この排気用管路を外部接続口に連通さ
せる外部接続手段とを備えた。
【0011】請求項5記載の分注装置は、請求項4記載
の分注装置であって、前記外部接続手段は、装置外部か
ら視認可能かつ外部より人手が届く範囲に配置されてい
る。
【0012】請求項6記載の検体洗浄装置は、検体を収
容した容器への洗浄液の供給とこの容器からの洗浄液の
排出とを繰り返すことにより容器内の検体を洗浄する検
体洗浄装置であって、洗浄液を収容し密閉された第1の
タンクと、この第1のタンク内に圧縮気体を導入する圧
縮気体導入部と、この圧縮気体の圧力によって加圧され
た前記洗浄液を吐出ノズルに導く吐出用管路と、前記第
1のタンク内に残留する気体を外部に排出する第1の排
気用管路と、この第1の排気用管路を外部接続口に連通
させる第1の外部接続手段と、洗浄液の排液を回収する
第2のタンクと、前記洗浄液を回収する液体回収部から
回収された排液を第2のタンク内に導入する排液用管路
と、前記第2のタンク内の気体を排気する排気用ポンプ
と、排気用ポンプの排気口に接続された第2の排気用管
路と、この第2の排気用管路を外部接続口に連通させる
第2の外部接続手段と、前記第1の外部接続手段及び第
2の外部接続手段が取り付けられたパネルとを備えた。
【0013】請求項7記載の検体洗浄装置は、請求項6
記載の検体洗浄装置であって、前記パネルは、装置外部
から視認可能かつ外部より人手が届く範囲に配置されて
いる。
【0014】本発明によれば、液体を貯溜するタンク内
の気体を排気する排気用ポンプと、排気用ポンプの排気
口に接続された排気用管路と、この排気用管路を外部接
続口に連通させる外部接続手段とを備えることにより、
またタンク内に残留する気体を外部に排出する排気用管
路と、この排気用管路を外部接続口に連通させる外部接
続手段とを備えることにより、液体から発生するガスを
確実に回収することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の創薬
スクリーニング装置の斜視図、図2、図3は本発明の一
実施の形態の分注装置の斜視図、図4は本発明の一実施
の形態の分注装置の第1のテーブルの平面図、図5は本
発明の一実施の形態の分注装置の部分斜視図、図6、図
7、図8は本発明の一実施の形態の分注装置のラックス
トック部の断面図、図9は本発明の一実施の形態の分注
装置の蓋着脱部及びプレートシェイキング部の斜視図、
図10は本発明の一実施の形態の分注装置の蓋着脱部の
構成を示すブロック図、図11は本発明の一実施の形態
の分注装置のプレートシェイキング部の構造図、図12
は本発明の一実施の形態の分注装置のプレートシェイキ
ング部の構成を示すブロック図、図13は本発明の一実
施の形態の分注装置の液体供給部の正面図、図14は本
発明の一実施の形態の分注装置の液体供給部の構成を示
すブロック図、図15(a)は本発明の一実施の形態の
検体洗浄装置の部分断面図、図15(b)は本発明の一
実施の形態の検体洗浄装置の動作説明図、図16は本発
明の一実施の形態の検体洗浄装置の構成を示すブロック
図、図17は本発明の一実施の形態の創薬スクリーニン
グにおける分注操作の説明図である。
【0016】まず図1を参照して創薬スクリーニング装
置の構成を説明する。図1において、創薬スクリーニン
グ装置1は、創作スクリーニング作業を自動的に行うも
のであり、分注装置2及びインキュベータ3を組み合わ
せた構成となっている。分注装置2は、検体や試薬、薬
剤などの液体を試験用の容器であるマイクロタイタ−プ
レート11(以下、単に「プレート11」と略称す
る。)に分注する。分注後のプレート11は、インキュ
ベータ3に送られ、所定の培養過程を経て再び分注装置
2に戻され、ここで分注装置2の付随設備によって検体
洗浄や計測などの処理が行われる。
【0017】創作スクリーニングにおいては、検体や薬
液などの液体を収容したプレート11はプレートストッ
ク部10にストックされており、これらのプレート11
は基台4の上部に設けられた第1のテーブル部6に移送
され、ここで第1のテーブル部6に配置された各部にお
いて各種の分注操作が行われる。そしてインキュベータ
3から戻されたプレート11を対象として行われる検体
洗浄や計測などの処理は、基台4の上部に配設された第
2のテーブル部7において行われる。
【0018】基台4の内部には、分注操作において使用
される未使用の分注ティップが多数保持されたラックを
ストックし、第1のテーブル部6に対して供給するティ
ップ供給部9(ティップ供給手段)が配設されている。
ティップ供給部9は基台4の前面に開口しており(図2
参照)、後述するようにこの開口から未使用の新たな分
注ティップが投入できるようになっている。
【0019】また基台4の前面には、分注装置2に用い
られる試薬や洗浄液などの液体の排液や、これらの液体
から発生する有害ガスを回収するための各種の配管を集
中的に導いた集中配管パネル8が配設されている。集中
配管パネル8は、分注装置の各部から排出される排液や
排ガスを排液回収回路や排ガス回収回路などの外部接続
口に接続するために設けられており、装置外部から視認
可能かつ外部より人手が届く範囲に配置されている。集
中配管パネル8は前面に透明なカバー扉を備えており、
カバー扉を開くことにより、容易に人手による作業が行
えるようになっている。また分注装置2全体は、カバー
ケース5によって覆われ、有害ガスなどの外部排出を防
止するようになっている。
【0020】次に図2、図3、図4を参照して、分注装
置2の各部の配置について説明する。図2に示すよう
に、分注装置2は、第1のテーブル部6の一方の側方に
プレート11をストックするプレートストック部10
を、また他方の側方に第2のテーブル部7を配置した構
成となっている。第2のテーブル部7は、図3に示すよ
うに分注装置2の外部に引き出し自在に配設され、試験
目的に応じて計測装置25や検体洗浄装置26などの各
種付帯設備を選択的に配置することが可能な予備テーブ
ルとして用いられる。
【0021】プレートストック部10について説明す
る。図2に示すようにプレートストック部10には、Z
軸テーブル21によって昇降可能なストック棚22が配
設されており、ストック棚22には複数のプレートマガ
ジン23が装着されている。プレートマガジン23は多
数のプレート11を収納し、Z軸テーブル21を駆動す
ることによりプレートマガジン23内のプレート11を
後述するロボットハンド37による把持高さに位置させ
る。
【0022】図3に示すように、第1のテーブル部6の
上方には、分注操作に使用される2種類の分注ヘッド3
2,34や、プレート11や薬液などの液体を収容する
リザーバ12を移送する移載手段としてのロボットハン
ド37が配設されている。分注ヘッド32,34は、X
軸テーブル30によってX方向に移動し、Y軸テーブル
31,33によってそれぞれY方向に移動する。
【0023】ロボットハンド37は、X軸テーブル3
5、Y軸テーブル36、昇降回転ユニット38および移
載ヘッド39より成る。Y軸テーブル36はX軸テーブ
ル35に一端を結合され、X軸テーブル35を駆動する
とY軸テーブル36はX方向へ移動する。昇降回転ユニ
ット38はY軸テーブル36に結合され、Y軸テーブル
36によってY方向へ移動する。昇降回転ユニット38
のアーム38aを上下に昇降させ、また水平回転させる
ことによりアーム38aの下端部に装着された移載ヘッ
ド39の高さ、向きを変更する。
【0024】移載ヘッド39は、2つのチャックハンド
39aによって、プレート11やリザーバ12を把持す
る。ロボットハンド37は、移載ヘッド39によってプ
レートストック部10からプレート11を取り出し、第
1のテーブル部6に移送するとともに、第1のテーブル
部6内でのプレート11やリザーバ12のハンドリング
を行う。
【0025】次に第1のテーブル部6における各部の配
置について説明する。図2,図4に示すように、基台4
の上面には、試験用の液体を収容する容器であるプレー
ト11を複数載置するプレートステージ14(載置
部)、分注ヘッド32,34に分注ティップを装着する
ティップ装着ステージ16、分注ヘッド32,34から
分注ティップを取り外すティップ取り外しステージ15
及び液体を収容した中間容器であるリザーバ12を複数
載置するリザーバステージ17(中間容器載置部)が配
置されている。
【0026】プレートステージ14、ティップ装着ステ
ージ16、ティップ取り外しステージ15、リザーバス
テージ17は、分注ヘッド32,34の移動範囲内に配
置されており、分注ヘッド32,34は前述の各ステー
ジ間を移動することにより、分注操作や分注ティップ着
脱などの各種の動作を行う。分注操作においては、プレ
ートステージ14に載置されたプレート11から分注ヘ
ッド32,34によって液体を吸引し他のプレート11
に吐出するほか、リザーバステージ17に載置されたリ
ザーバ12から分注ヘッド32,34によって液体を吸
引し、プレートステージ14のプレート11に吐出す
る。
【0027】リザーバステージ17から手前側に離れた
位置には、液体供給部18が配置されており、液体供給
部18は、後述する液体タンクに貯溜された各種の液体
をリザーバ12内に吐出する。またプレートステージ1
4の手前側には、プレート位置決めステージ20、プレ
ートシェイキング部19が配置されている。プレート位
置決めステージ20は、蓋着脱時のプレート11の位置
を矯正する。プレートシェイキング部19は、プレート
11を保持して水平面内で揺動させることにより、プレ
ート11に分注された複数種類の液体を均一に混合す
る。
【0028】プレートシェイキング部19及びプレート
位置決めステージ20の上方には、プレート11からの
蓋11aの取り外し及び再装着を行う蓋着脱部24が配
設されている。液体供給部18へのリザーバ12の移
送、プレートシェイキング部19,プレート位置決めス
テージ20へのプレート11の移送や、蓋着脱時のプレ
ート11のハンドリングは、ロボットハンド37によっ
て行われる。
【0029】図3に示すように、第2のテーブル部7は
分注装置2の外部へ引き出し自在となっており、ベース
部7aは引き出しレール7bに沿って手前側にスライド
する。これにより、ベース部7a上に設置された計測装
置25、検体洗浄装置26の操作・保守点検や、他種設
備との交換などの作業を作業性よく行えるようになって
いる。
【0030】以下、上記各部の構成・機能について各図
を参照して説明する。まず図5〜図8を参照して、ティ
ップ装着ステージ16及びティップ取り外しステージ1
5について説明する。図5に示すように、分注ヘッド3
2は格子状に配列された多数のノズル32aを備えてお
り、ノズル32aの下端部に分注ティップ13aが装着
される。なお分注ヘッド34には同様の分注ティップ1
3aが列状に装着されるようになっており、これらの2
種類の分注ヘッド32,34を用途に応じて選択するこ
とにより、多様な分注操作を効率よく行えるようになっ
ている。以下の説明では分注ヘッド32を用いる例につ
いてのみ説明しているが、分注ヘッド34を用いる場合
も同様である。
【0031】分注ティップ13aはラック13に分注ヘ
ッド32におけるノズル32aの配列と等しい配列で保
持されており、ラック13は第1のテーブル部6上のテ
ィップ装着ステージ16において、ベースプレート6a
に形成された開口部16bを介して下方から供給され
る。開口部16bは通常時にはカバー16aによって閉
鎖されており、必要に応じて開放される。ティップ装着
時には、開口部16bに位置決めされたラック13に分
注ヘッド32を位置合わせして下降させる。これにより
ノズル32aの下端部が分注ティップ13a内に挿入さ
れ、各ノズル32aに分注ティップ13aが装着され
る。
【0032】ティップ装着ステージ16に隣接して、テ
ィップ取り外しステージ15が配設されている。ティッ
プ取り外しステージ15は、使用後の分注ティップ13
aを分注ヘッド32から取り外すためのステージであ
り、この取り外し操作を自動的に行う取り外し治具15
bを備えている。取り外し治具15bの上面には取り外
し孔15cが設けられており、分注ティップ13aを取
り外し孔15c内に挿入して係止させた状態で分注ヘッ
ド32を上昇させることにより、分注ティップ13aは
分注ヘッド32から取り外される。そして取り外された
分注ティップ13aは、ベースプレート6aの下方に配
置された回収箱15d(図2参照)内に落下し回収され
る。
【0033】次に図6を参照して、ティップ供給部9の
構造について説明する。図6は基台4の部分断面を示し
ており、第1のテーブル部6のベースプレート6aの下
方には、ティップ供給部9が配設されている。ティップ
供給部9は搬送コンベア40及び昇降機構43を備えて
いる。搬送コンベア40上には、基台4の前面に開口し
た投入口9b(図2も参照)を介して投入される段積み
状態のラック13が載置される。
【0034】搬送コンベア40はモータ41によってベ
ルト42を介して駆動され、これにより図7(a)に示
すように段積み状態のラック13は矢印方向へ移送され
る。搬送コンベア40の先端部にはセンサ45が配設さ
れており、搬送コンベア40上を移送されたラック13
はセンサ45によって検出される。センサ45による検
出信号は制御部46に送られ、制御部46がこの検出信
号に基づいてモータ41の駆動を制御することにより、
ラック13が搬送コンベア40上の所定位置に到達した
タイミングにおいて搬送コンベア40が停止する。
【0035】搬送コンベア40上には複数列の段積み状
態のラック13が載置可能となっており、搬送コンベア
40は投入口9bより段積み状態で供給されたラック1
3を以下に説明する昇降機構43へ移送するラック搬送
手段であるとともに、投入口9bから昇降機構43まで
の区間においてラック13をストックするラックストッ
ク部を兼ねるものとなっている。
【0036】搬送コンベア40の搬送端部には、リフタ
44を備えた昇降機構43が配置されている。リフタ4
4は昇降機構43によってティップ装着ステージ16の
下方で昇降し、搬送コンベア40によって所定位置まで
移送されたラック13は、ティップ装着ステージ16の
下方においてリフタ44によって下方から支持され、テ
ィップ装着ステージ16に向かって上昇する。
【0037】そしてこの上昇動作により最上段のラック
13は第1のテーブル部6に設けられた開口部16bを
介して、ティップ装着ステージ16に位置する。開口部
16bの下方には、シリンダ47によって駆動されるク
ランプ部材48が配置されており、シリンダ47を駆動
してクランプ部材48を開閉することにより、最上段の
ラック13を位置決め・保持する。シリンダ47及びク
ランプ部材48は、最上段のラック13をクランプする
クランプ手段となっている。
【0038】図7(a)に示すようにクランプ部材48
の下方には、ラック検出用の透過式の光学センサ49
a,49bが配設されている。光学センサ49a,49
bの検出線Lは、ベースプレート6aの下面から所定高
さHだけ下方に位置しており、図7(b)に示すように
リフタ44によって押し上げられて上昇するラック13
のうちの最上段のラック13の上端部が検出線Lに到達
したときに光学センサ49a,49bはラック13を検
出する。したがって光学センサ49a,49bはティッ
プ装着ステージ16から所定高さだけ隔てた位置におい
て昇降機構43によって上昇する最上段のラック13を
検出するラック高さ検出手段となっている。
【0039】光学センサ49a,49bはこの検出信号
を制御部46に発信し、制御部46がこの検出信号に基
づいて昇降機構43を制御することにより、図8に示す
ようにリフタ44によって上昇する最上段のラック13
は、ティップ装着ステージ16において所定の高さ位置
で位置決めされる。そしてシリンダ47の動作を制御部
46によって制御することにより、図6に示すようにテ
ィップ装着ステージ16の開口部16b内に位置決めさ
れた最上段のラック13は、クランプ部材48によって
クランプされる。
【0040】この状態で分注ヘッド32をラック13に
対して下降させることにより(図5参照)、分注ノズル
32aに分注ティップ13aが装着される。そして分注
ティップ13aが取り出された後の空ラック13はロボ
ットハンド37によって移送され、回収箱54(図3)
内に投棄される。
【0041】このように本実施の形態においては、未使
用の分注ティップ13aを供給するティップ供給部9を
分注操作が行われる第1のテーブル部6の下方に配置し
ている。これにより、ベースプレート6aの分注ヘッド
32,34のアクセスが容易な位置に開口部16bを設
け、この開口部16bを介して分注ティップ13aを供
給することが可能となっており、分注ティップ13aの
交換作業の効率化が実現される。
【0042】また新たなラック13を基台4の前面に設
けられた投入口9bを介して供給することができるた
め、ラック13の補給を作業性よく行うことができると
ともに、投入口9bから昇降機構43までの区間をラッ
クストック部として活用することにより、十分なストッ
ク量が確保できるようになっている。
【0043】次に図9、図10を参照して、蓋着脱部2
4について説明する。ベースプレート6a上のプレート
シェイキング部19及びプレート位置決めステージ20
の上方には、門型のフレーム24aが立設されており、
フレーム24aの下面には複数の蓋吸着部50が設けら
れている。図10に示すように、蓋吸着部50はプレー
ト11の蓋11aを真空吸着して保持する吸着パッド5
0aを備えており、蓋吸着部50は吸引管51によっ
て、バルブ53、フィルタ52を介して真空ポンプ57
と接続されている。真空ポンプ57を駆動して蓋吸着部
50を真空吸引することにより、吸着パッド50aの下
面に蓋11aを保持することができる。
【0044】各蓋吸着部50の吸引管51はバルブ55
を介して圧空源58に接続されており、制御部46によ
ってバルブ53を閉じバルブ55を開にした状態で、圧
空源58から蓋吸着部50内に圧空を供給することによ
り、蓋吸着部50内の真空が破壊され、吸着パッド50
aに保持された蓋11aは吸着パッド50aから離脱す
る。
【0045】プレート11からの蓋11aの取り外し・
再装着は、ロボットハンド37によってプレート11を
ハンドリングすることによって行われる。すなわち蓋1
1aを取り外す際には、図9においてロボットハンド3
7に保持されたプレート11をプレート位置決めステー
ジ20上に載置し、位置決めピン20aによってプレー
ト11の位置合わせを行う。これにより、プレート11
の蓋吸着部50に対する相対位置が正しく位置合わせさ
れる。次いで位置合わせされた状態のプレート11をロ
ボットハンド37によってハンドリングし、蓋11aを
蓋吸着部50に対して接近させる。そしてこの状態で真
空ポンプ57を駆動することにより、蓋11aは吸着パ
ッド50aの下面に真空吸引される。
【0046】また蓋11aの再装着に際しては、蓋11
aが取り外された状態のプレート11を同様にロボット
ハンド37によってハンドリングして、蓋11aを保持
した状態の蓋吸着部50に対して下方から接近させる。
そしてプレート11が蓋11aの直下に位置したなら
ば、蓋吸着部50から蓋11aを離脱させ、プレート1
1上に落下移動させる。
【0047】蓋11aを真空吸着する際には、蓋11a
の上面に付着した液滴を吸着パッド50aによって吸引
する場合が発生するが、上記蓋吸着部50においては、
吸引管51として内部の視認が可能な透明チューブを用
いて吸引状態が観察できるようにしているほか、吸引管
51にフィルタ52を設けて液滴吸引による真空吸引系
のトラブル発生を防止するようにしている。
【0048】次に図11、図12を参照して、プレート
シェイキング部19について説明する。図11におい
て、第1のテーブル部6のベースプレート6a上に配設
されたプレートシェイキング部19は移動テーブル60
を備えており、移動テーブル60上には格子状に設けら
れたウェル11b内に複数種類の液体が分注された状態
のプレート11が載置される。プレート11の移動テー
ブル60への移送は、ロボットハンド37によって行わ
れる。
【0049】移動テーブル60の下面にはシリンダー6
3が固定されており、シリンダー63のロッド63aに
はクランプ部材62が結合されている。プレート11が
移動テーブル60上に載置された状態でシリンダー63
を駆動することにより、プレート11はクランプ部材6
2によって移動テーブル60の一方側に設けられた固定
ストッパ61に押しつけられる。これによりプレート1
1は、移動テーブル60上で保持される。
【0050】移動テーブル60の下面にはX方向(図1
1(b)において紙面垂直方向)のガイドレール64が
固定されており、ガイドレール64はスライダ65に対
してX方向にスライド自在となっている。またスライダ
65はベースプレート6aにY方向に固定されたガイド
レール66に対してY方向にスライド自在となってい
る。したがって、移動テーブル60はベースプレート6
aに対して水平面内でX方向、Y方向に移動自在となっ
ている。
【0051】移動テーブル60の駆動手段について説明
する。ベースプレート6aの下面には、シェイク用モー
ター72及び軸受けブロック70が固定されており、軸
受けブロック70には回転軸71が垂直姿勢で軸支され
ている。回転軸71はベルト73を介してシェイク用モ
ーター72によって回転駆動される。回転軸71の上端
部には回転板69が結合されており、回転板69の上面
に中心から偏心した位置に立設された偏心軸67は、移
動テーブル60の下面に固定された軸受け部68に嵌合
している。
【0052】したがってシェイク用モーター72を駆動
して回転軸71を回転させることにより、移動テーブル
60には偏心軸67を介して偏心回転運動が伝達され
る。これにより、プレート11にはウェル11b内の液
体をシェイキングするシェイク動作が伝達される。すな
わち、シェイク用モーター72、ベルト73、回転軸7
1、回転板69及び偏心軸67は、移動テーブル60を
駆動してプレート11にシェイク動作を行わせる駆動手
段となっている。
【0053】この駆動手段において、シェイク用モータ
ー72の回転軸72aには、図11(c)に示すように
スリット74aが設けられた回転ドグ74が結合されて
おり、回転ドグ74の円周を検出位置として原点検出セ
ンサー75が配設されている。図12に示すように、原
点検出センサー75は制御部46に接続されており、シ
ェイク用モーター72、クランプ用のシリンダー63及
びロボットハンド37は制御部46によって制御され
る。
【0054】シェイク用モーター72を駆動してシェイ
ク動作を行っているときには回転軸72aの回転によっ
てスリット74aの位置は回転周方向に移動する。この
ときのスリット74aの位置を原点検出センサー75に
よって検出することにより、移動テーブル60の回転軸
71による偏心回転運動の位相を検出することができ
る。そして原点検出センサー75の検出信号に基づいて
シェイク用モーター72を制御部46によって制御する
ことにより、移動テーブル60のシェイク動作停止時の
位置を常にロボットハンド37のチャックハンド39a
による保持位置に位置決めすることができる。これによ
り、プレート11の移送をロボットハンド37によって
自動化する際に、プレート11の位置再現性が確保され
ることから、チャック時の位置ずれに起因する搬送ミス
を防止することが可能となっている。
【0055】上記構成において、シェイク用モーター7
2、ガイドレール64、スライダ65、ガイドレール6
6は、ロボットハンド37の保持位置にプレート11が
位置するように移動テーブル60を位置決めするテーブ
ルアライメント機構となっている。そして制御部46及
び原点検出センサー75は、シェイク用モーター72を
制御して移動テーブル60を所定の位置に位置決めする
位置決め制御手段となっている。
【0056】次に図13、図14を参照して、液体供給
部18について説明する。図13において、ベースプレ
ート6a上には門型のフレーム18aが立設されてお
り、フレーム18aに固定された垂直の保持プレート8
0には、液体供給ユニット81が配設されている。液体
供給ユニット81の下方のベースプレート6aは、1つ
のリザーバ12を載置してこのリザーバ12に液体を供
給する液体供給ステージとなっている。
【0057】液体供給ユニット81について説明する。
保持プレート80にはノズルブロック81aが上下にス
ライド自在に保持されており、ノズルブロック81aは
シリンダ82のロッド82aに結合されている。ノズル
ブロック81aは下方に突出した複数の吐出ノズル83
を備えており、シリンダ82のロッド82aを突没させ
ることにより、吐出ノズル83はベースプレート6a上
に載置されたリザーバ12に対して昇降する。各吐出ノ
ズル83はピンチバルブ85を備えたチューブ84に接
続されており、チューブ84を介して後述する液体貯溜
部から各種の液体が各吐出ノズル83に送給される。
【0058】またリザーバ12の上方には、液面検出セ
ンサ86が昇降部87に保持されて配設されており、昇
降部87に結合されたナット88aには送りねじ88b
が螺合している。送りねじ88bをモータ89によって
回転駆動することにより、液面検出センサ86はリザー
バ12に対して昇降する。そして液面検出センサ86が
下降した状態において、リザーバ12内の液面の高さを
検出する。液面検出結果は制御部46に伝達される。
【0059】液体貯溜部について説明する。基台4の内
部には図14に示す液体貯溜部90が配設されており、
液体貯溜部90内には複数の液体タンク92が収容され
ている。液体貯溜部90は温度調節手段90aを備えて
おり、液体タンク92内に貯溜された各種の種類の異な
る液体93a,93b,93c,93dを所定温度に保
持した状態で保管できるようになっている。
【0060】図14に示すように、吐出ノズル83に接
続されたチューブ84の他端は、密閉された液体タンク
92の底面まで挿入されている。チューブ84の中間に
設けられたピンチバルブ85は制御部46によって開閉
する。液体タンク92には液面より上方の内部空間に一
端が開口したチューブ91が挿入されており、チューブ
91は3方弁94に接続され、3方弁94はさらに開閉
弁96を介して圧空源95に接続されている。
【0061】3方弁94、開閉弁96は制御部46によ
って制御され、3方弁94、開閉弁96を開放した状態
で圧空源95から空気を供給することにより、液体タン
ク92内は加圧される。そしてこの状態でピンチバルブ
85を開放することにより、それぞれの液体タンク92
内に貯溜された液体93a,93b,93c,93d
が、吐出ノズル83からリザーバ12内に吐出される。
圧空源95、チューブ91、3方弁94は、液体タンク
92内に圧縮気体を導入する圧縮気体導入部となってい
る。
【0062】このとき、ピンチバルブ85を制御するこ
とにより、複数の吐出ノズル83のうちいずれか1つの
みから液体を吐出させることができることから、同一の
液体供給ステージで複数種類の液体を供給することが可
能となっている。すなわち第1のテーブル6上に配設さ
れる液体供給部18の液体供給ステージは、1つのリザ
ーバ12分のスペースを備えるだけでよく、多種類の液
体を供給する必要がある場合にあっても、液体供給ステ
ージのスペースを最小限に抑えて、コンパクトな配置が
実現できる。
【0063】またこの吐出時に、液面検出センサ86に
よってリザーバ12内の液面を検出し、この検出信号に
したがって制御部46がピンチバルブ85を制御するこ
とにより、リザーバ12内に吐出される液体の液位を任
意に調節することができるようになっている。
【0064】また3方弁94は集中配管パネル8(図1
参照)に設けられた接続ポート98にフィルタ97を介
して接続されており、制御部46によって3方弁94を
切り換えることにより、液体タンク92内の空間は接続
ポート98(外部接続手段)と連通する。これにより、
液体タンク92内の気体を、接続ポート98を介して外
部へ排出することが可能となる。このとき接続ポート9
8を機外に設けられた排ガス回収回路99(外部接続
口)に接続することにより、液体タンク92内の気体は
作業環境を汚染することなく排ガス回収回路99に回収
される。
【0065】次に図15、図16を参照して、検体洗浄
装置26について説明する。図15(a)に示すよう
に、検体洗浄装置26のベース部100上には洗浄チャ
ンバ100aが配設されており、ベース部100上には
プレートホルダ101が水平方向に移動自在に配設され
ている。プレートホルダ101には、ウェル11b内に
洗浄対象となる検体が収容されたプレート11が保持さ
れる。
【0066】洗浄チャンバ100a内には、2つの洗浄
ヘッド102A,102Bが昇降自在に配設されてい
る。洗浄ヘッド102A,102Bはそれぞれ下面に洗
浄液吐出用の吐出ノズル102a、洗浄液吸引用の吸引
ノズル102bを備えている。検体洗浄作業は、プレー
ト11を保持したプレートホルダ101を洗浄ヘッド1
02A,102Bの下方に順次位置させた状態で、洗浄
ヘッド102A,102Bをそれぞれプレート11に対
して下降させることにより行われる。
【0067】すなわち図15(b)に示すように先ず吐
出ノズル102aをウェル11b内に挿入して洗浄液1
03を吐出し、次いでプレート11を移動させて吸引ノ
ズル102bによってウェル11b内の洗浄液103を
吸引する。これによりウェル11b内に収容された検体
が洗浄される。洗浄チャンバ100aの下方には、排液
パン104が配設されており、洗浄操作によってプレー
ト11から溢出した洗浄液103は排液パン104によ
って受けられ、排液チューブ105(排液用管路)を介
して回収される。
【0068】次に図16を参照して配管系について説明
する。先ず洗浄液吐出用の液体吐出機構の配管系につい
て説明する。洗浄ヘッド102Aには吐出チューブ10
7(吐出用管路)が接続されており、吐出チューブ10
7の他端部は洗浄液103を貯留し密閉された液体タン
ク112(第1のタンク)の底面まで挿入されている。
液体タンク112には液面よりも上方の内部空間に一端
が開口した排気チューブ113(第1の排気用管路)が
挿入されており、排気チューブ113は3方弁115に
接続されている。3方弁115はさらに開閉弁116を
介して圧空源117に接続されている。
【0069】3方弁115、開閉弁116は制御部46
によって制御され、3方弁115、開閉弁116を開放
した状態で圧空源117から空気を供給することによ
り、液体タンク112内は加圧される。これにより、液
体タンク112内の洗浄液103は洗浄ヘッド102A
の吐出ノズル102aから吐出される。圧空源117、
排気チューブ113、3方弁115は、液体タンク11
2に圧縮気体を導入する圧縮気体導入部となっている。
【0070】また3方弁115はフィルタ114を介し
て集中配管パネル8(図1参照)に設けられた接続ポー
ト120(第1の外部接続手段)に接続されており、制
御部46によって3方弁115を切り換えることによ
り、液体タンク112内の空間は接続ポート120と連
通する。これにより、液体タンク112内の残留気体
は、同様に接続ポート120を介して外部へ排出するこ
とが可能となる。接続ポート120を機外の排ガス回収
回路99(外部接続口)に接続することにより、洗浄液
103から発生する有害ガスは漏出することなく排ガス
回収回路99へ排出される。
【0071】次に液体排出機構の配管系について説明す
る。この液体排出機構は、分注装置においてプレート1
1に分注された液体を排液として排出する機構であり、
ここでは分注装置に備えられた検体洗浄装置の液体排出
機構を例にとって説明する。洗浄ヘッド102Bには吸
引用のチューブ106、また排液パン104には排液チ
ューブ105が接続されており、チューブ105,10
6は回収部108に接続されている。
【0072】回収部108に接続されたチューブ109
の下端部は密閉された排液回収タンク110(第2のタ
ンク)に挿入されている。制御部46によって回収部1
08を制御することにより、排液回収タンク110には
洗浄ヘッド102Bによって吸引された洗浄液や、排液
パン104から回収された洗浄液などの使用後の洗浄液
103’が収容される。
【0073】排液回収タンク110には液面よりも上方
の内部空間に一端が開口した排気チューブ111(第2
の排気用管路)が挿入されており、排気チューブ111
の他端は集中配管パネル8に設けられた液体トラップ1
18の下側ポート118aに接続されている。液体トラ
ップ118の上側ポート118bは排気用ポンプ121
の吸気ポートに接続され、排気用ポンプ121の排気ポ
ートは集中配管パネル8の接続ポート119(第2の外
部接続手段)に接続されている。
【0074】排液回収タンク110内に使用後の洗浄液
103’が回収された状態で、排気用ポンプ121を駆
動することにより、排液回収タンク110内に残留した
気体は排気チューブ111によって液体トラップ118
を介して接続ポート119から、同様に排ガス回収回路
99(外部接続口)に排出される。
【0075】この創薬スクリーニング装置は上記のよう
に構成され、以下創薬スクリーニングにおいて行われる
分注操作の1例について、図17を参照して説明する。
まずプレートストック部10からロボットハンド37に
よってプレート11A,11Bを取り出し、プレートス
テージ14に載置する。ここでプレート11Aには、図
17(a)に示すようにウェル11b内に予め抗体13
0が培養されており、プレート11Bには抗原131を
含んだ液体が収容されている。
【0076】この後、分注ヘッド32によってプレート
11Aを対象として第1の分注操作を行う。すなわち図
17(b)に示すように、プレート11Bから抗原13
1を含んだ液体を吸引し、プレート11Aのウェル11
bに吐出する。この分注操作後のプレート11Aはロボ
ットハンド37によって把持され、プレートシェイキン
グ部19(図11)の移動テーブル60上に載置され、
ここでシェイキングが行われる。これによりウェル11
b内の液体は均一に混合する。
【0077】この後プレート11Aは再びロボットハン
ド37によって把持され、インキュベータ3に移送され
てここで所定時間の培養が行われる。培養後のプレート
11Aは検体洗浄装置26(図15)に送られ、検体洗
浄が行われる。すなわち培養によって抗体抗原反応が進
行した後のウェル11b内に洗浄液を注入し、その後洗
浄液を排出することにより浮遊状態の抗原が除去され
る。
【0078】次に第2の分注操作が行われる。すなわち
図17(c)に示すように、液体供給部18において新
たな抗体130を含む液体132がリザーバ12Aに供
給され、その後リザーバステージ17に載置されたリザ
ーバ12Aから分注ヘッド32によって液体132を吸
引し、載置部14に載置されたプレート11Aに吐出す
ることにより行われる。この後、前述と同様に分注操作
後のプレート11Aに対してシェイキングが行われ、更
にインキュベータにて培養が行われる。
【0079】この後、プレート11Aは再び検体洗浄装
置26に送られて検体洗浄処理が行われる。次いで、検
体洗浄後のプレート11Aには図17(d)に示すよう
にリザーバ12Bから発色要素を含んだ液体133が分
注され、検体の可視化処理が行われる。そして抗原抗体
反応後の抗原131や抗体130が可視化された後のプ
レート11Aは計測装置25に送られ、ここで可視化さ
れた検体を対象とした計測が行われる。計測が完了した
後のプレート11Aは、再びロボットハンド37によっ
てプレートストック部10に戻される。これにより、創
薬スクリーニングの一連の処理が完了する。
【0080】上記説明したように、本実施の形態の創薬
スクリーニング装置1においては、分注装置2とインキ
ュベータ3とをコンパクトに結合し、同一のロボットハ
ンド37によってプレート11の移送を行うようにして
いるため、効率のよいスクリーニング作業が可能となっ
ている。さらに分注装置2に分注操作やティップ着脱動
作を行う第1のテーブル部6と、検体洗浄や計測処理な
どの付帯設備用の予備テーブルとして利用可能でかつ外
部に引き出し可能な第2のテーブル部7を備えているこ
とにより、コンパクトでメンテナンス性に優れ、試験内
容に応じたフレキシブルな使用が可能な分注装置が実現
される。
【0081】また本実施の形態に示す分注装置において
は、組み込まれた検体洗浄装置26において使用される
洗浄液を含めて、分注に使用される各種液体を収容する
液体タンク内に残留する気体を外部に排出する排気用管
路を備え、この排気用管路を排ガス回収回路などの外部
接続口に連通させる集中配管パネル8に接続した構成と
なっている。これにより、有害ガスを発生する種類の液
体を使用する場合においても、有害ガスを分注装置内や
装置周辺に漏出させることなく所定の排ガス回収回路に
回収することができ、作業環境を良好に保全することが
できる。
【0082】本発明の分注装置の実施の形態の一つとし
て、創薬スクリーニングを目的とした場合を例に説明し
たが、本発明は創薬スクリーニング以外の目的で使用さ
れる分注装置にも適用できる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、液体を貯溜するタンク
内の気体を排気する排気用ポンプと、排気用ポンプの排
気口に接続された排気用管路と、この排気用管路を外部
接続口に連通させる外部接続手段とを備えることによ
り、またタンク内に残留する気体を外部に排出する排気
用管路と、この排気用管路を外部接続口に連通させる外
部接続手段とを備えたので、液体から発生するガスを確
実に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の創薬スクリーニング装
置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の分注装置の斜視図
【図3】本発明の一実施の形態の分注装置の斜視図
【図4】本発明の一実施の形態の分注装置の第1のテー
ブルの平面図
【図5】本発明の一実施の形態の分注装置の部分斜視図
【図6】本発明の一実施の形態の分注装置のラックスト
ック部の断面図
【図7】本発明の一実施の形態の分注装置のラックスト
ック部の断面図
【図8】本発明の一実施の形態の分注装置のラックスト
ック部の断面図
【図9】本発明の一実施の形態の分注装置の蓋着脱部及
びプレートシェイキング部の斜視図
【図10】本発明の一実施の形態の分注装置の蓋着脱部
の構成を示すブロック図
【図11】本発明の一実施の形態の分注装置のプレート
シェイキング部の構造図
【図12】本発明の一実施の形態の分注装置のプレート
シェイキング部の構成を示すブロック図
【図13】本発明の一実施の形態の分注装置の液体供給
部の正面図
【図14】本発明の一実施の形態の分注装置の液体供給
部の構成を示すブロック図
【図15】(a)本発明の一実施の形態の検体洗浄装置
の部分断面図 (b)本発明の一実施の形態の検体洗浄装置の動作説明
【図16】本発明の一実施の形態の検体洗浄装置の構成
を示すブロック図
【図17】本発明の一実施の形態の創薬スクリーニング
における分注操作の説明図
【符号の説明】
2 分注装置 4 基台 6 第1のテーブル部 7 第2のテーブル部 8 集中配管パネル 9 ティップ供給部 10 プレートストック部 11 プレート 12 リザーバ 13 ラック 13a 分注ティップ 14 プレートステージ 15 ティップ取り外しステージ 16 ティップ装着ステージ 17 リザーバステージ 18 液体供給部 19 プレートシェイキング部 25 計測装置 26 検体洗浄装置 32,34 分注ヘッド 37 ロボットハンド 40 搬送コンベア 43 昇降機構 46 制御部 60 移動テーブル 81 液体供給ユニット 90 液体貯溜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA28 AB16 AD26 CA03 CA11 FC06 FC16 HA08 HC02 HC35 JA08 4G068 AA02 AA04 AA06 AA07 AB11 AD16 AD40 AD48 AE02 AF01 AF02 AF31 AF36

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体を収容し密閉されたタンクと、このタ
    ンク内に圧縮気体を導入する圧縮気体導入部と、この圧
    縮気体の圧力によって加圧された前記液体を吐出ノズル
    に導く吐出用管路と、前記タンク内に残留する気体を外
    部に排出する排気用管路と、この排気用管路を外部接続
    口に連通させる外部接続手段とを備えたことを特徴とす
    る液体吐出装置。
  2. 【請求項2】前記液体吐出装置は、検体洗浄装置の洗浄
    液吐出用の液体吐出機構であることを特徴とする請求項
    1記載の液体吐出装置。
  3. 【請求項3】前記外部接続手段は、装置外部から視認可
    能かつ外部より人手が届く範囲に配置されていることを
    特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  4. 【請求項4】試験用の容器に分注された液体を排液とし
    て排出する液体排出機構を備えた分注装置であって、前
    記液体排出機構は、前記排液を回収するタンクと、分注
    装置の分注部において前記液体を回収する液体回収部か
    ら回収された排液をタンク内に導入する排液用管路と、
    前記タンク内の気体を排気する排気用ポンプと、排気用
    ポンプの排気口に接続された排気用管路と、この排気用
    管路を外部接続口に連通させる外部接続手段とを備えた
    ことを特徴とする分注装置。
  5. 【請求項5】前記外部接続手段は、装置外部から視認可
    能かつ外部より人手が届く範囲に配置されていることを
    特徴とする請求項4記載の分注装置。
  6. 【請求項6】検体を収容した容器への洗浄液の供給とこ
    の容器からの洗浄液の排出とを繰り返すことにより容器
    内の検体を洗浄する検体洗浄装置であって、洗浄液を収
    容し密閉された第1のタンクと、この第1のタンク内に
    圧縮気体を導入する圧縮気体導入部と、この圧縮気体の
    圧力によって加圧された前記洗浄液を吐出ノズルに導く
    吐出用管路と、前記第1のタンク内に残留する気体を外
    部に排出する第1の排気用管路と、この第1の排気用管
    路を外部接続口に連通させる第1の外部接続手段と、洗
    浄液の排液を回収する第2のタンクと、前記洗浄液を回
    収する液体回収部から回収された排液を第2のタンク内
    に導入する排液用管路と、前記第2のタンク内の気体を
    排気する排気用ポンプと、排気用ポンプの排気口に接続
    された第2の排気用管路と、この第2の排気用管路を外
    部接続口に連通させる第2の外部接続手段と、前記第1
    の外部接続手段及び第2の外部接続手段が取り付けられ
    たパネルとを備えたことを特徴とする検体洗浄装置。
  7. 【請求項7】前記パネルは、装置外部から視認可能かつ
    外部より人手が届く範囲に配置されていることを特徴と
    する請求項6記載の検体洗浄装置。
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