WO2007086350A1 - 光走査装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

Abstract

　光走査装置において、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色に対応する４つの光ビームのうち、最も明度が低く視認性の高いブラックの画像に対応する光ビームの光路に配置される最終折り返しミラーの反射面の角度が最も垂直に近くなるように構成され、更に、最も明度が高く視認性の低いイエローの画像に対応する光ビームの光路に配置される最終折り返しミラーの反射面の角度が最も水平に近くなるように構成され、補正レンズ通過後の光ビームを最終折り返しミラーによって反射することによって生じるカラー画像の色ズレを低減する。

Description

明 細 書

光走査装置及びそれを備えた画像形成装置

技術分野

[0001] 本発明は、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等の画像形成装置に用いられる光ビー ムを走査して画像を書き込み形成する光走査装置に関するものであり、特にカラーレ 一ザプリンタ及びデジタルカラー複写機等のカラー画像形成装置に好適に用いられ る光走査装置、及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。

背景技術

[0002] 従来、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いる画像形成装置では、帯電装置 によって均一に帯電された感光体ドラムの表面に、入力された画像データに基づい て変調した光ビームを走査させる光走査装置が備えられており、この光走査装置によ つて形成された静電潜像が、現像装置によってトナー像に現像され、そして、このトナ 一像を記録用紙等に転写することによって画像形成が行われている。

[0003] ところで、カラー画像形成装置の高速化に伴 、、例えば、 4つの感光体ドラムを記 録紙の搬送方向に配列し、これらの感光体ドラムに対応した複数の光走査装置で同 時に露光して静電潜像をつくり、これらの静電潜像をブラック、マゼンタ、シアン、イエ ロー等の各々異なる色の現像剤を使用する現像手段で現像した後、これらのトナー 像を同一の記録用紙に順次重ね合わせて転写し、カラー画像を得る方式 (所謂、 4ド ラムタンデム方式)のデジタル複写機やレーザープリンタが実用化されて 、る。

[0004] このような 4ドラムタンデム方式では、カラー印刷もモノクロ印刷も同じ速度で出力で きるため、高速プリントに有利である力 その反面、 4つの感光体ドラムに対応して 4 つの光走査装置を有し、これらの装置を用いて露光を行うため、装置が大型化する 傾向があった。しかし、近年、画像形成装置の小型化の要請により、色ごとに設けら れた光源力 射出された複数の光ビームを、 1つの偏向器で偏向させ、それぞれを 異なる感光体に導いて露光走査することにより、小型化を図った光走査装置が提案 されている（例えば、特許文献 1参照)。

[0005] しかし、特許文献 1に提案されているような光走査装置では、偏向された複数の光 ビームの光路分離を容易にするために、光ビームが偏向器に対して副走査方向にそ れぞれ異なる角度で入射するように構成されている。そのため、偏向器により偏向さ れた光ビームには、それぞれ異なる量のボウ (偏向器により偏向された光ビームの走 查線が湾曲する現象）が発生してしまい、ボウの量が各光ビームで異なるため、カラ 一画像に色ズレが発生してしまう。

[0006] そこで、特許文献 2には、異なる色の現像剤に対応した複数の光ビームのうち、視 認性の高いすなわち明度の低い現像剤に対応した光ビームの偏向器への入射角を 小さく設定し、視認性の低いすなわち明度の高い現像剤に対応した光ビームの偏向 器への入射角を大きく設定することにより、光ビームに発生したボウに起因する、カラ 一画像における色ずれや像湾曲が認識され難くした光走査装置が提案されている。

[0007] し力しながら、特許文献 2に提案されているような光走査装置では、それぞれの感 光体に光ビームを導くために光走査装置内に反射部材として複数の折り返しミラーを 配置する必要がある。この折り返しミラーは、光ビームの光路を妨げることがないよう に、その両端部を保持されて光走査装置内に配置されているが、両端部のみで保持 されているため、折り返しミラーには自重による橈みが生じ、反射面が湾曲してしまう ため、橈みが生じた折り返しミラーによって反射された光ビームの走査線は、湾曲す ることとなる。

[0008] また、光走査装置内に設置される複数の折り返しミラーは、光ビームの光路設定の 都合上、各々異なる角度をとるように設置される力 この設置される角度によって折り 返しミラーに生じる橈みの大きさが異なり、反射面の設置角度が水平に近いものほど 大きぐ垂直に近いものほど小さくなる。よって、異なる角度で設置された折り返しミラ 一によつて反射される光ビームの走査線には、それぞれ異なる大きさの湾曲が生じる こととなる。

[0009] ここで、一般的に光ビームの各光路途中には面倒れ補正機能等を有する補正レン ズが配設されており、この補正レンズを通過することによって、上記したような光ビー ムの走査線の湾曲も補正される。し力しながら、補正レンズ通過後に上述のような折り 返しミラーの設置角度の違いによって、各光ビームの走査線にそれぞれ異なる大きさ の湾曲が生じた場合には、この湾曲は補正されずに感光体ドラムを走査するため、 形成されるカラー画像には走査線のズレに起因する色ズレが生じるという問題があつ た。

特許文献 1 :特開 2000— 180750号公報

特許文献 2：特開 2005 - 288825号公報

発明の開示

[0010] 本発明の目的は、補正部材を通過した後の光ビームを反射することによって生じる カラー画像の色ズレを低減できる光走査装置、及びそれを備えた画像形成装置を提 供することを目的とする。

[0011] 本発明の一局面に従う光走査装置は、異なる明度の現像剤の画像に対応した光ビ ームを射出する複数の光源と、前記複数の光源力 射出される複数の光ビームが副 走査方向に異なる入射角で同一の反射面に入射されることにより、前記複数の光ビ ームを偏向する偏向器と、前記偏向器により偏向された複数の光ビームを補正する 複数の補正部材と、前記複数の補正部材によって補正された光ビームを反射して各 々異なる感光体の表面へ配光する複数の最終反射部材とを備え、前記複数の最終 反射部材のうち、最も明度の低い現像剤の画像に対応した光ビームの光路に設置さ れる最終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が最も垂直に近くな るように設置される。

[0012] この光走査装置においては、最も明度が低い現像剤の画像は、最も視認性が高く 、画像のズレが目立つこととなるが、この現像剤の画像に対応した光ビームの光路に 設置される最終反射部材の反射面の角度を、最も垂直に近くなるように構成すること により、反射面の湾曲が最も小さくなり、走査線の湾曲も小さくすることができるため、 形成される画像のズレが小さくなつてカラー画像における色ズレが認識され難くなり、 補正部材を通過した後の光ビームを最終反射部材が反射することによって生じるカラ 一画像の色ズレを低減できる。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]本発明の一実施の形態による光走査装置を備えた画像形成装置の概略構成 図である。

[図 2]図 1に示す光走査装置の構成を示す概略構成図である。 発明を実施するための最良の形態

[0014] 以下、図面を参照して本発明の一実施形態による光走査装置を備えた画像形成 装置について説明する。図 1は、本発明の一実施形態による光走査装置を備えた画 像形成装置の概略構成図であり、ここでは 4ドラムタンデム方式のカラー画像形成装 置について示している。

[0015] カラー画像形成装置 1の下部には、積載された用紙束を収容する給紙カセット等の 給紙部 2が設けられている。給紙部 2の一端部には、積載された用紙 Pを最上位紙か ら 1枚ずつ給紙するための分離給送部材 3が設けられている。そして分離給送部材 3 の上部には、上方へ延びて本体上面に形成された排出トレィ 4に至る用紙搬送路 5 が形成されている。この用紙搬送路 5に沿って、用紙搬送方向上流から順に、分離 給送部材 3、搬送ローラ対 6、レジストローラ対 7、転写ローラ 8、定着ローラ対 9及び 排紙ローラ対 10が配置されて 、る。

[0016] 転写ローラ 8の右側には、中間転写ベルト 11が回転自在に配設されている。中間 転写ベルト 11は、駆動ローラ 12と従動ローラ 13とに掛け渡されており、駆動ローラ 1 2が回転駆動することにより、時計回りに回転されるようになっている。また、駆動ロー ラ 12は、中間転写ベルト 11を介して上記転写ローラ 8と当接している。なお、中間転 写ベルト 11には誘電体榭脂製のシートが用いられ、その両端部を互いに重ね合わ せて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しな 、（シームレス）ベルトが 好適に用いられる。

[0017] 中間転写ベルト 11の下方には、回転方向に沿って、図 1においては右側力 順に 、すなわち、中間転写ベルト 11の移動方向（副走査方向）に沿って順に、 4つの画像 形成部 14K, 14C, 14M及び 14Yが配設されている。これらの画像形成部 14K〜1 4Υは、異なる 4色（ブラック、シアン、マゼンタ及びイェロー）の画像に対応して設けら れており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりブラック、シアン、マゼ ンタ及びイェローの画像を順次形成する。

[0018] 各画像形成部 14Κ〜14Υには、各色の可視像（トナー像)を担持する感光体ドラム 15K, 15C, 15M及び 15Yが配設されており、回転自在に配設された各感光体ドラ ム 15Κ〜15Υの周囲には、感光体ドラム 15Κ〜15Υを帯電させる帯電器 16と、感光 体ドラム 15K〜 15 Υ上にトナー像を形成する現像ュ-ット 17と、感光体ドラム 15Κ〜 15Y上に残留した現像剤を除去するクリーニング部 18と、中間転写ベルト 11を介し て感光体ドラム 15Κ〜 15Υと当接する中間転写ローラ 19とがそれぞれ配置されてお り、更に感光体ドラム 15Κ〜15Υの下方には、各感光体ドラム 15Κ〜15Υに画像情 報を露光する光走査装置 20が配置されて 、る。

[0019] 次に、上記のように構成されたカラー画像形成装置 1による画像形成動作について 説明する。ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、各感光体ドラム 15Κ〜 15 Υが回転駆動されることにより、各帯電器 16によって各感光体ドラム 15Κ〜 15Υ の表面が一様に帯電される。次 ヽで入力された画像信号に基づ ヽて光走査装置 20 によって光ビームが主走査方向（図 1の紙面に直交する方向）に走査されながら照射 され、各感光体ドラム 15Κ〜 15Υ上に画像信号に応じた静電潜像が形成される。

[0020] そして、各現像ユニット 17に図示しない補給装置力も充填されたブラック、シアン、 マゼンタ及びイェローの各色の現像剤力 各感光体ドラム 15Κ〜 15Υに供給され、 静電潜像に応じたトナー像が形成される。中間転写ベルト 11に所定の転写電圧で 電界が付与された後、各中間転写ローラ 19によって、感光体ドラム 15Κ〜15Υ上の ブラック、シアン、マゼンタ及びイェローのトナー像が中間転写ベルト 11上に転写さ れる。

[0021] これらの 4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定 の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成 に備え、感光体ドラム 15Κ〜15Υの表面に残留した現像剤は、各クリーニング部 18 により除去される。

[0022] また、駆動モータ（図示せず）による駆動ローラ 12の回転に伴い中間転写ベルト 11 が時計回りに回転を開始すると、用紙 Ρがレジストローラ対 7から所定のタイミングで 中間転写ベルト 11に隣接して設けられた転写ローラ 8へ搬送され、フルカラー画像 が用紙 Ρへ転写される。そして、トナー像が転写された用紙 Ρは、定着ローラ対 9へと 搬送され、定着ローラ対 9により加熱及び加圧されてトナー像が用紙 Ρの表面に定着 され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙 Ρは、 排出ローラ対 10によって排出トレィ 4に排出される。 [0023] 図 2を参照して、光走査装置 20についてさらに説明する。図 2は、図 1に示す光走 查装置 20の構成を示す概略構成図であり、説明の便宜上、各画像形成部 14K〜1 4Υに配設された感光体ドラム 15Κ〜 15Υのみを図示して 、る。光走査装置 20は、 画像信号に基づいて変調した光ビーム 21を射出する 4つの光源 29Κ〜29Υ、ポリゴ ンミラー 22、 f Θレンズ 23、補正レンズ 24K〜24Y及び各光路に設置された折り返し ミラー 25a, 25b, 26a, 26b, 27a〜27c, 28a, 28bを備えて!/、る。なお、図 2【こお!ヽ て、 4つの光源 29K〜29Yの配置は、図示を容易にするために模式的に示したもの であり、必要に応じて水平方向に適宜分散して配置してもよい。また、 4つの光源 29 Κ〜29Υの配置は、上記の例に特に限定されず、折り返しミラー及びポリゴンミラー の配置に応じて適宜決定される。

[0024] 光走査装置 20には、 4つの光源 29Κ〜29Υが備えられており、それぞれブラック、 シアン、マゼンタ及びイェローの画像信号に基づいて変調した光ビーム 21K, 21C, 21M及び 21Yを射出するものである。ポリゴンミラー 22は、光ビームの偏向器であつ て、光走査装置 20内に回転自在に配設されており、回転軸 22aを中心に回転するこ とによって、反射面に入射された光ビーム 21K〜21Yを等角速度偏向させることが できる。

[0025] f Θレンズ 23は、各感光体ドラム 15K〜15Yの表面を走査する光ビーム 21K〜21 Υが、主走査方向に等速度で走査するように、ポリゴンミラー 22によって等角速度偏 向された光ビーム 21を等速度偏向させるものである。

[0026] 補正レンズ 24Κ〜24Υは、光ビーム 21Κ〜21Υの補正部材であり、ポリゴンミラー 22の反射面が回転軸 22aに対して倒れる面倒れによって、ポリゴンミラー 22によって 偏向される光ビーム 21K〜21Yに生じる誤差を補正する面倒れ補正機能を備えて いる。

[0027] 折り返しミラー 25a, 25b, 26a, 26b, 27a〜27c, 28a, 28bは、各光ビーム 21K 〜21Yの光路に設置される反射部材であって、薄板状のミラーから構成され、その 両端部 (例えば、水平方向の両端部）を保持されて光走査装置 20内に配置されてい る。なお、各光路に配置される折り返しミラー 25a, 25b, 26a, 26b, 27a〜27c, 28 a, 28bの枚数及び反射面の設置角度は適宜変更される。 [0028] ここで、光走査装置 20内に配置されている折り返しミラー 25a, 25b, 26a, 26b, 2 7a〜27c, 28a, 28bは、両端部のみで保持されているため、自重による撓みが生じ て反射面が湾曲しており、反射された光ビーム 21の走査線が湾曲することとなる。そ のため、補正レンズ 24K〜24Yは、補正後の光ビーム 21Κ〜21Υが折り返しミラー を介さずに感光体ドラム 15Κ〜15Υに入射されるように配設されることが好ましいが、 レイアウトの都合上、図 2に示すように、全ての光路において、補正レンズ 24Κ〜24 Υの通過後に最終反射部材である最終折り返しミラー 25a, 26a, 27a, 28aが 1枚配 置されている。

[0029] 上記のように構成された光走査装置 20による光ビーム走査動作について説明する 。まず、 4つの光源 29K〜29Yから光ビーム 21K〜21Y力 ポリゴンミラー 22の反射 面へと入射される。この時、ポリゴンミラー 22によって偏向された 4つの光ビーム 21K 〜21Υの光路分離を容易にするために、これらの光ビーム 21Κ〜21Υは、ポリゴンミ ラー 22の同一の反射面に対して副走査方向 SSにそれぞれ異なる角度で入射するよ うに構成されている。

[0030] ポリゴンミラー 22に入射された光ビーム 21Κ〜21Υは、ポリゴンミラー 22によって等 角速度偏向された後、 f 0レンズ 23によって等速度偏向される。そして、等速度偏向 された光ビーム 21K〜21Yは、それぞれの光路に配置された反射部材である折り返 しミラー 25b, 26b, 27b, 27c, 28bによって所定回数折り返され、補正レンズ 24K 〜24Yを通過することよって面倒れ補正がされた後、光路の最後に設けられた最終 折り返しミラー 25a〜28aによって折り返され、各感光体ドラム 15K〜15Yの表面へと 酉己光されることとなる。

[0031] ここで、図 2に示すように、ブラック、シアン、マゼンタ及びイェローの各色に対応す る 4つの光ビーム 21Κ〜21Υのうち、最も明度が低く視認性の高いブラックの画像に 対応する光ビーム 21Kの光路に設置される最終折り返しミラー 25aの反射面の角度 力 他の光路に設置される最終折り返しミラー 26a, 27a及び 28aよりも垂直 (本実施 の形態では、副走査方向 SSと直交する方向すなわち重力方向）に近くなるように構 成されている。

[0032] これにより、補正レンズ 24K〜24Yの通過後に設置されている最終折り返しミラー 2 5a〜28aによって生じた走査線の湾曲は補正されないため、そのまま形成されるカラ 一画像に反映されることとなる力 視認性の高 、ブラックの画像に対応した光ビーム 2 1Kの光路に設置される最終折り返しミラー 28aの反射面の湾曲が最も小さくなるた め、走査線の湾曲をも小さくすることができ、形成されるブラックの画像のズレが小さく なり、カラー画像における色ズレが認識され難くなる。

[0033] 更に、図 2に示すように、ブラック、シアン、マゼンタ及びイェローの各色に対応する 4つの光ビーム 21K〜21Yのうち、最も明度が高く視認性の低いイェローの画像に 対応する光ビーム 21Yの光路に設置される最終折り返しミラー 28aの反射面の角度 力 他の光路に設置される最終折り返しミラー 25a, 26a及び 27aよりも水平 (本実施 の形態では、副走査方向 SSすなわち重力方向と直交する方向）に近くなるように構 成されている。

[0034] これにより、反射面が最も水平に近く設置され、最も反射面の湾曲が大きな光路で は、光ビームの走査線の湾曲も最も大きくなり、形成される画像に生じるズレも最も大 きなものとなる力 これを視認性の低いイェローの画像に対応する光ビーム 21Yとす ることにより、カラー画像における色ズレが認識され難くなる。

[0035] なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなぐ本発明の趣旨を逸脱し ない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、中間転写ベルト を用いた画像形成装置を用いて説明しているが、転写ベルトに用紙を担持させて複 数の感光体ドラムに形成された画像を直接用紙に重ねて転写することによりカラー画 像形成を行う画像形成装置にも利用することができ、また、フルカラー画像を得るた めにイェロー、マゼンタ、シアン及びブラックの 4色の現像剤を用いた画像形成装置 について説明を行ったが、別の色相の色材を備えた画像形成装置や、色数が異なる 画像形成装置にも利用することができる。

[0036] また、ここでは 1つのポリゴンミラー 22を備えた光走査装置 20についてのみ説明し た力 例えば装置内に 2つのポリゴンミラーを備え、一方のポリゴンミラーでブラック及 びシアンの光ビーム 21K、 21Cを偏向し、他方のポリゴンミラーでマゼンタ及びイエロ 一の光ビーム 21M、 21Yを偏向する構成の光走査装置についても全く同様に適用 できる。 [0037] 上記したように、本発明の一態様に係る光走査装置は、異なる明度の現像剤の画 像に対応した光ビームを射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出される複 数の光ビームが副走査方向に異なる入射角で同一の反射面に入射されることにより 、前記複数の光ビームを偏向する偏向器と、前記偏向器により偏向された複数の光 ビームを補正する複数の補正部材と、前記複数の補正部材によって補正された光ビ ームを反射して各々異なる感光体の表面へ配光する複数の最終反射部材とを備え、 前記複数の最終反射部材のうち、最も明度の低い現像剤の画像に対応した光ビー ムの光路に設置される最終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が 最も垂直に近くなるように設置される。

[0038] 上記の構成によれば、最も明度が低！、現像剤の画像は、最も視認性が高ぐ画像 のズレが目立つこととなるが、この現像剤の画像に対応した光ビームの光路に設置さ れる最終反射部材の反射面の角度を、最も垂直に近くなるように構成することで、反 射面の湾曲が最も小さくなり、走査線の湾曲も小さくすることができるため、形成され る画像のズレが小さくなつてカラー画像における色ズレが認識され難くなり、補正部 材を通過した後の光ビームを最終反射部材が反射することによって生じるカラー画像 の色ズレを低減できる。

[0039] 前記複数の最終反射部材のうち、最も明度の高い現像剤の画像に対応した光ビー ムの光路に設置される最終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が 最も水平に近くなるように設置されることが好ま 、。

[0040] この場合、最も明度の高い現像剤の画像に対応した光ビームの光路に設置される 最終反射部材の反射面が最も水平に近く設置され、最も反射面の湾曲が大きくなる 光路では、光ビームの走査線の湾曲も最も大きくなり、形成される画像に生じるズレも 最も大きなものとなる力 これを最も視認性の低 、現像剤の画像に対応する光ビーム とすること〖こより、カラー画像における色ズレが認識され難くなり、補正部材を通過し た後の光ビームを最終反射部材が反射することによって生じるカラー画像の色ズレを より低減することができる。

[0041] 前記複数の補正部材の各々は、前記偏向器の反射面が前記偏向器の回転軸に 対して倒れる面倒れによって各光ビームに生じる誤差を補正し、前記複数の最終反 射部材は、各光ビームに対応して設けられた補正部材と感光体との間に 1枚ずつ配 置されることが好ましい。

[0042] この場合、偏向器の反射面がその回転軸に対して倒れる面倒れによって各光ビー ムに生じる誤差が補正された後、各光ビームが一枚の最終反射部材によってのみ反 射されて各感光体へ導かれるため、各最終反射部材の湾曲による各光ビームの湾 曲を必要最小限に抑えることができ、補正部材を通過した後の光ビームを最終反射 部材が反射することによって生じるカラー画像の色ズレをさらに低減することができる

[0043] 前記複数の光源は、ブラックの現像剤の画像に対応した第 1の光ビームを射出する 第 1の光源と、シアンの現像剤の画像に対応した第 2の光ビームを射出する第 2の光 源と、マゼンタの現像剤の画像に対応した第 3の光ビームを射出する第 3の光源と、 イェローの現像剤の画像に対応した第 4の光ビームを射出する第 4の光源とを備え、 前記複数の最終反射部材は、前記第 1の光ビームを反射する第 1の最終反射部材と 、前記第 2の光ビームを反射する第 2の最終反射部材と、前記第 3の光ビームを反射 する第 3の最終反射部材と、前記第 4の光ビームを反射する第 4の最終反射部材とを 備え、前記第 1の最終反射部材の反射面の設置角度は、前記第 2乃至第 4の最終反 射部材の反射面の設置角度より垂直に近 、ことが好ま 、。

[0044] この場合、最も明度が低いブラックの現像剤の画像は、最も視認性が高ぐ画像の ズレが目立つこととなる力 この現像剤の画像に対応した光ビームの光路に設置され る最終反射部材の反射面の角度を、最も垂直に近くなるように構成することで、反射 面の湾曲が最も小さくなり、ブラックの走査線の湾曲も小さくすることができるため、形 成される画像のズレが小さくなつてカラー画像における色ズレが認識され難くなる。

[0045] 前記第 4の最終反射部材の反射面の設置角度は、前記第 1乃至第 3の最終反射部 材の反射面の設置角度より水平に近 、ことが好ま 、。

[0046] この場合、最も明度の高いイェローの画像に対応した光ビームの光路に設置される 最終反射部材の反射面が最も水平に近く設置され、最も反射面の湾曲が大きくなる 光路では、光ビームの走査線の湾曲も最も大きくなり、形成される画像に生じるズレも 最も大きなものとなる力 これを最も視認性の低 、イェローの画像に対応する光ビー ムとすることにより、カラー画像における色ズレが認識され難くなり、補正部材を通過 した後の光ビームを最終反射部材が反射することによって生じるカラー画像の色ズレ をより低減することができる。

[0047] 前記第 1乃至第 4の最終反射部材は、副走査方向に沿って順に配置されることが 好ましい。

[0048] この場合、反射面の設置角度が最も垂直に近いブラック用の第 1の最終反射部材 を偏向器に最も近接して配置し、反射面の設置角度が最も水平に近いイェロー用の 第 4の最終反射部材を偏向器力 最も離間して配置することができるので、各光路の 設定及び各部材の配置が容易となり、光走査装置を小型化及び薄型化することがで きる。

[0049] 本発明の他の態様に係る光走査装置は、異なる明度の現像剤の画像に対応した 光ビームを射出する複数の光源と、前記複数の光源から射出される複数の光ビーム が副走査方向に異なる入射角で同一の反射面に入射され、前記複数の光ビームを 偏向する偏向器と、前記偏向器により偏向された複数の光ビームを補正する複数の 補正部材と、前記複数の補正部材によって補正された光ビームを反射して各々異な る感光体の表面へ配光する複数の最終反射部材とを備え、前記複数の最終反射部 材のうち、最も明度の高い現像剤の画像に対応した光ビームの光路に設置される最 終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が最も水平に近くなるように 設置される。

[0050] 上記の構成によれば、最も明度の高い現像剤の画像に対応した光ビームの光路に 設置される最終反射部材の反射面が最も水平に近く設置され、最も反射面の湾曲が 大きくなる光路では、光ビームの走査線の湾曲も最も大きくなり、形成される画像に生 じるズレも最も大きなものとなる力 これを最も視認性の低 、現像剤の画像に対応す る光ビームとすることにより、カラー画像における色ズレが認識され難くなり、補正部 材を通過した後の光ビームを最終反射部材が反射することによって生じるカラー画像 の色ズレを低減することができる。

[0051] 本発明のさらに他の態様に係る画像形成装置は、上記の光走査装置と、異なる明 度の現像剤の画像に対応した複数の感光体とを備える。 [0052] 上記の構成によれば、上記の光走査装置をカラー画像形成装置に用いることによ り、補正部材を通過した後の光ビームを最終反射部材が反射することによって生じる カラー画像の色ズレが認識され難くなる。

産業上の利用可能性

[0053] 本発明は、プリンタ、ファクシミリ及び複写機等の画像形成装置に備えられる光ビー ムを走査して画像を書き込み形成する光走査装置に利用することができ、特にカラ 一レーザプリンタ及びデジタルカラー複写機等のカラー画像形成装置に備えられる 光走査装置に好適に利用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 異なる明度の現像剤の画像に対応した光ビームを射出する複数の光源と、

前記複数の光源から射出される複数の光ビームが副走査方向に異なる入射角で 同一の反射面に入射されることにより、前記複数の光ビームを偏向する偏向器と、 前記偏向器により偏向された複数の光ビームを補正する複数の補正部材と、 前記複数の補正部材によって補正された光ビームを反射して各々異なる感光体の 表面へ配光する複数の最終反射部材とを備え、

前記複数の最終反射部材のうち、最も明度の低い現像剤の画像に対応した光ビー ムの光路に設置される最終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が 最も垂直に近くなるように設置されることを特徴とする光走査装置。

[2] 前記複数の最終反射部材のうち、最も明度の高い現像剤の画像に対応した光ビー ムの光路に設置される最終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が 最も水平に近くなるように設置されることを特徴とする請求項 1に記載の光走査装置。

[3] 前記複数の補正部材の各々は、前記偏向器の反射面が前記偏向器の回転軸に 対して倒れる面倒れによって各光ビームに生じる誤差を補正し、

前記複数の最終反射部材は、各光ビームに対応して設けられた補正部材と感光体 との間に 1枚ずつ配置されることを特徴とする請求項 2に記載の光走査装置。

[4] 前記複数の光源は、

ブラックの現像剤の画像に対応した第 1の光ビームを射出する第 1の光源と、 シアンの現像剤の画像に対応した第 2の光ビームを射出する第 2の光源と、 マゼンタの現像剤の画像に対応した第 3の光ビームを射出する第 3の光源と、 イェローの現像剤の画像に対応した第 4の光ビームを射出する第 4の光源とを備え 前記複数の最終反射部材は、

前記第 1の光ビームを反射する第 1の最終反射部材と、

前記第 2の光ビームを反射する第 2の最終反射部材と、

前記第 3の光ビームを反射する第 3の最終反射部材と、

前記第 4の光ビームを反射する第 4の最終反射部材とを備え、 前記第 1の最終反射部材の反射面の設置角度は、前記第 2乃至第 4の最終反射部 材の反射面の設置角度より垂直に近いことを特徴とする請求項 1に記載の光走査装 置。

[5] 前記第 4の最終反射部材の反射面の設置角度は、前記第 1乃至第 3の最終反射部 材の反射面の設置角度より水平に近いことを特徴とする請求項 4に記載の光走査装 置。

[6] 前記第 1乃至第 4の最終反射部材は、副走査方向に沿って順に配置されることを 特徴とする請求項 5に記載の光走査装置。

[7] 異なる明度の現像剤の画像に対応した光ビームを射出する複数の光源と、

前記複数の光源から射出される複数の光ビームが副走査方向に異なる入射角で 同一の反射面に入射されることにより、前記複数の光ビームを偏向する偏向器と、 前記偏向器により偏向された複数の光ビームを補正する複数の補正部材と、 前記複数の補正部材によって補正された光ビームを反射して各々異なる感光体の 表面へ配光する複数の最終反射部材とを備え、

前記複数の最終反射部材のうち、最も明度の高い現像剤の画像に対応した光ビー ムの光路に設置される最終反射部材は、当該最終反射部材の反射面の設置角度が 最も水平に近くなるように設置されることを特徴とする光走査装置。

[8] 請求項 1又は 7に記載の光走査装置と、

異なる明度の現像剤の画像に対応した複数の感光体とを備えることを特徴とする画 像形成装置。