明 細 書
画像解析によって欠陥検査を行う欠陥検査装置
技術分野
[0001] 本発明は、画像解析によって欠陥検査を行う欠陥検査装置に関する。
背景技術
[0002] 従来、半導体ウェハや液晶基板の顕微鏡検査などにお!ヽて、検査対象の画像信 号をデータ解析することで、欠陥検出を行う装置が知られている (特許文献 1参照)。 特許文献 1:特開 2003 - 302354号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] ところで、検査対象によっては、複数の欠陥が同一領域に重複して生じる場合があ る。上述した従来技術では、欠陥箇所を検出することができても、複数の欠陥が同一 領域に重複して 、るの力否かを判断することが難し 、。
また、検査対象によっては、欠陥が色の僅かな変化となって現れる場合がある。上 述した従来技術では、この種の色の僅かな変化を感度良く検出することが難しぐ欠 陥検出できな!/、と 、う点で改善の余地があった。
[0004] 本発明の目的は、検査対象の欠陥箇所に、複数の欠陥が生じている力否かを判定 することである。
また、本発明の別の目的は、色の僅かな変化となって現れる欠陥を検出する技術 を提供することである。
課題を解決するための手段
[0005] 《1》 本発明の第 1の欠陥検査装置は、照明部、画像取得部、および欠陥検出部を 備える。
照明部は、検査対象を照明する。
画像取得部は、検査対象のカラー画像信号を取得する。
欠陥検出部は、画像取得部が取得したカラー画像信号に基づいて、検査対象の 欠陥を検出する。
[0006] なお、この欠陥検出部は、成分抽出部、検出部、および判定部を備える。
成分抽出部は、カラー画像信号を構成する複数の信号成分に基づいて、複数の分 析画像を得る。
検出部は、複数の分析画像ごとに検査対象の欠陥検出を行い、分析画像ごとに欠 陥候補を検出する。
[0007] 判定部は、複数の分析画像の間で欠陥候補の同一性を判定することにより、検査 対象の欠陥箇所に複数の欠陥がある力否かを判定する。
《2》 なお好ましくは、成分抽出部は、下記 6種類の信号成分力もなるグループから 選択される少なくとも 2つの信号成分を画素値として、少なくとも 2つの分析画像を得 る。
(1)カラー画像信号を構成する 3つの信号成分
(2)該信号成分力 得られる色相 Z彩度 Z明度の 3つの信号成分
《3》 また好ましくは、検出部は、分析画像ごとに、欠陥候補の重心位置と縦方向の 長さと横方向の長さを求める。
[0008] 判定部では、分析画像ごとの欠陥候補にっ 、て、重心位置,縦方向の長さ、およ び横方向の長さが全て等しいと評価される場合、検査対象の欠陥箇所に一つの欠 陥が存在すると判定する。一方、重心位置,縦方向の長さ、および横方向の長さの いずれかが異なると評価された場合、検査対象の欠陥箇所に複数の欠陥が存在す ると判定する。
《4》 なお好ましくは、検出部は、予め定められるリファレンス画像の分析画像と、検 查対象の分析画像との差異に基づいて、欠陥候補を検出する。
《5》 また好ましくは、検出部は、リファレンス画像の分析画像と、検査対象の分析画 像との画像全体の差異が小さくなるように、検査対象の分析画像を全体的にレベル 補正する。
《6》 なお好ましくは、検出部は、複数の分析画像ごとに予め設定された閾値を有す る。検出部は、リファレンス画像の分析画像と、検査対象の分析画像との差異を、この 閾値で判定することによって、欠陥候補を検出する。
《7》 本発明の第 2の欠陥検査装置は、照明部、画像取得部、および欠陥検出部を
備える。
[0009] 照明部は、検査対象を照明する。
画像取得部は、検査対象のカラー画像信号を取得する。
欠陥検出部は、画像取得部が取得したカラー画像信号に基づいて、検査対象の 欠陥を検出する。
なお、この欠陥検出部は、成分抽出部、および検出部を備える。
[0010] 成分抽出部は、カラー画像信号の彩度に基づいて、彩度に対応する画素値を有す る彩度画像を得る。
検出部は、彩度画像に基づいて検査対象の欠陥検出を行い、欠陥候補を検出す る。《8》 なお好ましくは、上記《1》〜《7》のいずれか 1項に記載の欠陥検査装置に おいて、顕微鏡光学系、および撮像部を備える。
[0011] 顕微鏡光学系は、検査対象の拡大像を形成する。
撮像部は、拡大像を撮像してカラー画像信号を生成する。
上記の画像取得部は、撮像部で生成されるカラー画像信号を取得する。 発明の効果
[0012] 本発明の第 1の欠陥検査装置は、分析画像ごとに欠陥候補を検出する。これら複 数の分析画像の間で欠陥候補を比較することで、検査対象の欠陥箇所に複数の欠 陥が生じた力否かを判定する。
また、本発明の第 2の欠陥検査装置では、彩度画像から欠陥候補を検出する。した がって、色の僅かな変化となって現れる欠陥を、彩度変化として検出することが可能 になる。
図面の簡単な説明
[0013] [図 1]本発明の実施形態を示す説明図である。
[図 2]実施形態の動作を説明する流れ図である。
[図 3]検査条件ファイル 16に格納されている欠陥別色空間選択指針の一例を示す図 である。
[図 4]撮像画像の比較を示す図である。
[図 5]RGB画像の比較を示す図である。
[図 6]RGB画像の信号波形を示す図である。
[図 7]HSI (色相 '彩度'明度)画像の比較を示す図である。
[図 8]HSI (色相 '彩度'明度)画像の信号波形を示す図である。
[図 9]撮像画像の比較を示す図である。
[図 10]RGB画像の比較を示す図である。
[図 11]RGB画像の信号波形を示す図である。
[図 12]HSI (色相 '彩度'明度)画像の比較を示す図である。
[図 13]HSI (色相 '彩度'明度)画像の信号波形を示す図である。
[図 14]顕微鏡 100の外観図
[図 15]パターンの線幅と、彩度変化との関係を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0014] 図 1は、本発明の一実施形態を示す説明図である。
カラーカメラ 1は、顕微鏡 100にアダプター接続される。この顕微鏡 100の光源 Lは 、ダイクロイツクミラー Mと対物レンズ (顕微鏡光学系) Hを介して、検査対象 Tを照明 する。検査対象 Tの反射光は、対物レンズ Hとダイクロイツクミラー Mを介して、検査 対象 Tの拡大像を形成する。
[0015] 制御部 17は、データベース処理部 15から、検査条件ファイル 16を取得する。この 検査条件ファイル 16内のプログラムに基づいて、制御部 17は、検査対象 Tの搬送制 御や、検査対象 Tの撮像箇所の位置制御などを実施する。
カラーカメラ 1は、制御部 17からの指示に応じて、検査対象 Tの拡大像を撮像して、 検査画像 3aを生成する。
[0016] 図 14は、この顕微鏡 100の外観を示す図である。顕微鏡 100の筐体 101には、モ ータで位置制御されるステージ部 102が設けられる。このステージ部 102の上には、 検査試料 Tを設置するホルダー部 103が設けられる。検査試料 Tの上方には、回転 駆動されるレボルバー部 104に装着された対物レンズ Hが設けられる。光源 Lの照明 光は、対物レンズ Hを通って、検査試料 Tに照射される。検査試料 Tから戻る光は、 対物レンズ Hに入射した後、接眼部 105およびカラーカメラ 1へ導かれる。この光路 上には、焦点制御部 106が設けられる。この焦点制御部 106は、光学系(または検査
対象 T)を光軸方向に位置制御することにより、焦点制御を実施する。なお、顕微鏡 システムとしては、この顕微鏡 100の他に、検査試料 Τの搬送装置や、制御用および 画像処理用のコンピュータなどが設けられる。
[0017] 図 2は、この検査画像 3aの信号処理の手順を示す図である。
以下、図 1および図 2を参照しながら、信号処理の全体的な流れについて説明する ステップ S1: カラーカメラ 1は、 RGBカゝらなるカラー画像信号を出力する。画像メモリ 2aは、カラーカメラ 1から出力される検査画像 3a ( (例えば、検査対象であるシリコンゥ ェハのカラー画像信号)を記憶する。
ステップ S2 : 画像メモリ 2bには、基準となるリファレンス画像 3bが入力される。
[0018] 例えば、このリファレンス画像 3bとしては、検査対象と同種類の対象物(良品が好ま しい)を予め撮影して生成すればよい。また例えば、検査対象がシリコンウェハのよう に周期性パターンを有する場合には、検査画像 3aの隣接パターンを撮影して、リファ レンス画像 3bとしてもよい。このようなリファレンス画像の取得手順については、検査 条件ファイル 16の中にプログラムしておけばよ!/、。
ステップ S3 : 色補正処理部 5は、検査画像 3aとリファレンス画像 3bとについて、画 像全体の差 (色座標差、明度差)を検出する。色補正処理部 5は、この色座標差およ び明度差の両方が許容範囲内の場合、色補正処理部 5はステップ S5に動作を移行 する。一方、色座標差および明度差のいずれかが許容範囲力もはみ出す場合、ステ ップ S4に動作を移行する。
ステップ S4 : 明度差が許容範囲からはみ出した場合、色補正処理部 5は、光源 の 明るさを補正して再度検査対象 Tの撮像を行う。
[0019] また、色座標差が許容範囲からはみ出した場合、色補正処理部 5は、色座標差を 打ち消すように、検査画像 3aに色補正 (色座標変換など)を施す。
ステップ S5: フィルタリング処理部 4は、検査画像 3aの信号成分 (RGBなど)を処理 して、少なくとも 2種類の分析画像 6aを生成する。
ステップ S6 : フィルタリング処理部 4は、リファレンス画像 3bの信号成分 (RGBなど) をステップ S5と同様に処理して、分析画像 6aに対応する少なくとも 2種類の分析画
像 6bを生成する。
ステップ S7 : 欠陥検出処理部 7は、分析画像 6a, 6bの局所的な差異を、欠陥判別 条件ファイル 8に設定される閾値条件で判定して、欠陥候補を選別する。欠陥候補 画像 6cは、選別された欠陥候補の画像である。
ステップ S8 : 欠陥選別処理部 9は、これら複数の欠陥候補画像 6cの欠陥候補につ いて形状パターンと重心位置を検出する。検出された欠陥候補画像 6c同士の形状 ノターンと重心位置を比較し、総てが等しい場合は同一欠陥と判別し、いずれかが 異なる場合は別欠陥と判別する。また、欠陥選別処理部 9は、判別結果に基づいて 欠陥検出画像 12aを生成する。
ステップ S9 : 欠陥分類処理部 11は、欠陥検出画像 12aの種類を分類条件ファイル 10に照会することにより欠陥検出画像 12aに写っている欠陥の欠陥要因を決定し、 欠陥分類結果情報 12bとして出力する。また、欠陥分類部 11は欠陥検出画像 12aを 欠陥変換処理部 13へ送る。
ステップ S10 : 欠陥変換処理部 13は、分析画像の種類ごとに生成される欠陥検出 画像 12aを画像合成して、 1枚の画像上に複数種類の欠陥を示す欠陥検出画像 12 cを生成する。また、欠陥変換処理部 13は、欠陥の形状パターンに従って、欠陥検 出画像 12aに欠陥の輪郭情報を示すラインパターンを付加する。さらに、欠陥変換 処理部 13は、各欠陥の位置に、欠陥要因を示す色、印、またはリンク情報などのマ 一キングを施してもよい。
ステップ S11: さらに、欠陥変換処理部 13は、分析画像の種類ごとに生成される欠 陥分類結果情報 12bをデータ統合することにより、検査結果情報 14を生成する。こ の検査結果情報 14には、例えば、欠陥位置 (例えば、検査対象 Tの座標又はダイ座 標による位置)、欠陥の大きさ(X-Y-Diameter)、検出した色成分、欠陥要因などのデ 一タリストが格納される。
ステップ S12 : 制御部 17は、欠陥検出画像 12cを外部のモニタ画面に表示する。モ ユタ画面上には、上述したマーキングを施した欠陥画像が表示される。
以下、本実施形態の特徴的な各部動作にっ 、て説明する。
[分析画像の生成について]
次に、上述した分析画像の生成動作について説明する。
フィルタリング処理部 4は、検査画像 3aの信号成分に基づいて、下記 3種類の分析 画像をまず生成する。
(1) R画像 · · '検査画像 3aの R (赤)の信号成分を画素値とする分析画像
(2) G画像 · · '検査画像 3aの G (緑)の信号成分を画素値とする分析画像
(3) B画像 · · '検査画像 3aの B (青)の信号成分を画素値とする分析画像
次に、フィルタリング処理部 4は、 RGBの信号成分に基づいて、例えば下式の計算 を実施し、 H (色相)、 S (彩度) , I (明度)の信号成分を抽出する。
[数 1]
3
S = l - [mm(R, G, B)]… [2]
R + G + B
これらの信号成分に基づ ヽて、下記 3種類の分析画像を更に生成する。
(4) Η画像 · · '検査画像 3aの Η (色相)の信号成分を画素値とする分析画像
図 3は、欠陥要因別に、どの分析画像を選択すべきかを示す図である。
(5) S画像 · · '検査画像 3aの S (彩度)の信号成分を画素値とする分析画像
(6) 1画像' · '検査画像 3aの I (明度)の信号成分を画素値とする分析画像
フィルタリング処理部 4は、リファレンス画像 13bの信号成分についても、上述した 6 種類の分析画像を生成する。
[欠陥要因と分析画像との関係について]
図 3は、欠陥要因別に、どの分析画像を選択すべきかを示す図である。この図 3中 の〇印は、選択すべき分析画像を示す。図 3中の 印は、選択の必要が特にない分 析画像を示す。
[0022] 例えば、検査対象に付着するゴミは、検査画像 3aに局所的な明暗変化を生じさせ る。そのため、 R画像、 G画像、 B画像、および I画像に生じる局所的な差異を判定す ることで、ゴミの欠陥を検出することができる。
また例えば、検査対象の表面に付いた傷も、検査画像 3aに局所的な明暗変化を 生じさせる。そのため、 R画像、 G画像、 B画像、および I画像に生じる局所的な差異 を判定することで、傷の欠陥を検出することができる。
[0023] なお、ゴミと傷については、局所的に生じる明暗変化の値と、その箇所の輪郭形状 が異なる。そこで、局所的な明暗変化の値や、その明暗変化の箇所の輪郭形状に基 づいて、ゴミと傷を判別することができる。
また例えば、検査対象の表面の膜厚ムラは、反射光の干渉状態を変化させるため に波長変化を生じさせる。そのため、検査画像 3aの H画像 (色相)と S画像 (彩度)に 顕著な変化が生じやすい。また、反射光の波長変化の影響は、 R画像 (長波長域)に 顕著に生じやすい。そのため、 R画像、 H画像、および S画像に生じる局所的な差異 を判定することで、膜厚ムラの欠陥を判別することができる。
[0024] また例えば、検査対象の異物 (表面の材質変化など)は、反射光の分光特性に変 化を生じさせる。この分光特性の変化は、検査画像 3aの H画像 (色相)と S画像 (彩 度)に顕著に生じる。また、この分光特性の変化は、 G画像(中間波長域)にも顕著に 生じやすい。そのため、 G画像、 H画像、および S画像に生じる局所的な差異を判定 することで、この材質変化による欠陥を判別することができる。
[0025] また例えば、検査対象のパターン崩れは、反射光の拡散特性に乱れを生じさせる。
この拡散特性の乱れは、検査画像 3aの H画像 (色相)と S画像 (彩度)に顕著に生じ る。また、この拡散特性の乱れは、 G画像(中間波長域)と B画像 (短波長域)にも生じ る。そのため、 H画像、 S画像、 G画像、および B画像に生じる局所的な差異を判定 することで、このパターン崩れの欠陥を判別することができる。
[0026] また例えば、検査対象のァライメントズレは、反射光の彩度変化と明度変化となって 現れる。そのため、 S画像、および I画像に生じる局所的な差異を判定することで、こ のァライメントズレの欠陥を判別することができる。
以上のように、図 3に示す選択指針に従うことによって、フィルタリング処理部 4は、
検出すべき欠陥要因に応じた適切な分析画像を生成することが可能になる。
[色補正処理部 5の動作の特徴]
検査画像 3aとリファレンス画像 3bには、カラーカメラ 1の撮影条件や照明条件など の違いによっても、差異が生じる。そのため、この種の差異を、欠陥要因による差異と を区別して、欠陥候補を決定しなければならない。
[0027] ここでは、撮影条件や照明条件の違いは検査画像 3aの全体的な差異となって現 れる。一方、欠陥候補は、検査画像 3aの部分的な差異となって現れる。この点に注 目して、色補正処理部 5は、検査画像 3aとリファレンス画像 3bとの信号成分の差の絶 対値を求め、この絶対値を画像の全体にわたって加算する。
色補正処理部 5は、この加算値が示す色座標差が最小となるように、検査画像 3a に色補正を施す。
[0028] また、色補正処理部 5は、この加算値が示す明度差が最小となるように、検査画像 3 aにレベル補正(階調補正)を施す。
なお、加算値が示す明度差が、欠陥判別条件ファイル 8に設定される閾値より大き い場合、撮影条件や照明条件を変更する必要があると判断できる。この場合、色補 正処理部 5は、検査画像 3aとリファレンス画像 3bとの間で明度差を求める。色補正処 理部 5は、この明度差を打ち消すように、光源 Lの明るさ、またはカラーカメラ 1の露光 時間を調整する。この状態で、カラーカメラ 1は検査対象 Tを撮影し直し、新たな検査 画像 3aを生成する。なお、光源 Lの明るさ調整を行う場合は、 H成分と S成分につい ては加算値の閾値判定力も外すことが好ましい。
[0029] また、撮影を所定回数繰り返しても、加算値が欠陥判別条件ファイル 8の閾値より大 きい場合、その検査対象 Tについては検査対象から除外することが好ましい。なお、 除外した検査対象 Tについては、検査結果情報 14に除外記録として保存される。
[欠陥検出処理部 7の動作の特徴]
欠陥判別条件ファイル 8には、フィルタリング処理部 4が生成した分析画像 6a, 6b の種類ごとに、その分析画像 6a, 6bの差異を欠陥判別するための閾値が格納される 。この欠陥判別条件ファイル 8は、検査対象ごとに実験的に決定することが好ましい。
[0030] 欠陥検出処理部 7は、分析画像 6a, 6bを画素単位に比較して、局所的な差異を検
出する。欠陥選別処理部 9は、この局所的な差異を、欠陥判別条件ファイル 8の閾値 に基づいて判定し、欠陥候補を選別する。
[欠陥選別処理部 9の動作の特徴]
欠陥選別処理部 9は、欠陥候補画像 6cごとに画像解析を行い、欠陥候補のパター ン形状および重心位置を求める。例えば、欠陥選別処理部 9は、信号成分 R, G, B, H, S, Iの欠陥候補画像 6cごとに、欠陥候補を示す画素値(二値画像ならば例えば 1)が連続する画素領域について、縦方向の長さ、横方向の長さ、および重心位置を 求める。
[0031] また、欠陥選別処理部 9は、この欠陥候補のパターン形状および重心位置を、異な る分析画像 (R, G, B, H, S, Iなど)の間で比較する。このとき、異なる分析画像の間 でパターン形状および重心位置が全て一致した場合、欠陥選別処理部 9は、検査対 象の欠陥箇所に一つの欠陥要因が存在すると判定する。一方、異なる分析画像の 間でパターン形状および重心位置の ヽずれかが異なると評価された場合、欠陥選別 処理部 9は、検査対象の欠陥箇所に複数の欠陥要因が存在すると判定する。
[0032] このような処理により、欠陥選別処理部 9は、単一の欠陥候補が存在している箇所 と、複数の欠陥候補が重複して存在している箇所とを識別することが可能になる。 なお、パターン形状の差や重心位置の差をどこまで一致している見なすかについ ては、欠陥判別条件ファイル 8に予め設定されている誤差許容値によって決定するこ とが好ましい。
実施例 1
[0033] 本実施形態の実施例 1につ!/、て図 4〜図 13を用いて説明する。
実施例 1は、検査対象 Tがシリコンウェハ上にレジスト膜を設けた場合における膜厚 不良、膜厚ムラの領域を欠陥画素として検出する例を示すものである。膜厚不良は、 膜厚が厚すぎたり、薄すぎたりすることを意味する。膜厚ムラは、膜厚が均一ではなく 、ムラがあることを意味する。
[0034] 図 4には、カラーカメラ 1で撮像された検査画像(3a)と、リファレンス画像(3b)とをそ のまま比較した結果を示す。図 4から明力なように、比較結果 (欠陥候補画像)には欠 陥は発見されない。このケースでは、検査画像の欠陥部分に、差異が生じな力つた
ためである。
図 5[a]〜[c]は、この検査画像(3a)の信号成分 RGBを分離抽出して、 R画像 ZG 画像 ZB画像を生成したものである。図 5 [a]〜 [c]に示す欠陥候補画像にお!ヽて、 灰色〜白色の領域は、差異を生じた領域 (欠陥候補の範囲)である。一方、欠陥候 補画像の黒い領域は、差異を生じなかった領域を示す。図 6[a]〜[c]には、これら R 画像 ZG画像 ZB画像の信号波形を示す。
[0035] 図 7[a]〜[c]は、検査画像の信号成分 RGBを、上述した式 [1]〜[3]に代入して、 H画像 ZI画像 ZS画像を生成したものである。図 7 [a]〜 [c]に示す欠陥候補画像 において、灰色〜白色の領域は、差異を生じた領域 (欠陥候補の範囲)である。一方 、欠陥候補画像の黒い領域は、差異を生じなかった領域を示す。図 8 [a]〜[c]には 、これら S画像 ZI画像 ZH画像の信号波形を示す。
[0036] 検査対象 Tの膜厚の変化は、反射光に干渉状態の変化を生じさせ、検査画像に色 相 (H)と彩度 (S)の変化を生じさせる。また、長波長域の反射特性も変化するため、 検査画像に赤色 (R)の変化が生じる。そのため、図 5〜図 8に示すように、膜厚の欠 陥は、 H画像 ZS画像 ZR画像にぉ ヽて検出可能となる。
特に重要な点は、図 8[c]に示すように、検査画像の H画像に、配線パターン (検査 画像の縦ライン)の近傍に生じる局所的な膜厚ムラが、顕著に現れる点である。厳密 には、検査画像の S画像についても、図 8[a]に示すように、配線パターンの近傍の 局所的な膜厚ムラは現れる。しかしながら、 S画像については、広域に生じる膜厚ム ラの彩度変化に隠されるため、この局所的な膜厚ムラを単純に区別できない。
[0037] 本実施例では、 R画像 ZS画像 ZH画像の欠陥候補画像にぉ 、て、欠陥候補の重 心位置と縦方向の長さと横方向の長さを求める。これら欠陥候補の特徴を、 R画像 Z S画像 ZH画像の間で比較する。
その結果、 R画像と S画像においては、欠陥候補の特徴が全て一致する。この場合 、共通する広域の欠陥候補 (膜厚ムラ)については、一つの欠陥であると判定できる。
[0038] 一方、 H画像については、 R画像および S画像と比較して、欠陥候補の特徴が 1つ 以上異なる。したがって、 H画像に局所的に生じた欠陥候補 (膜厚ムラ)については、 広域の膜厚ムラとは別欠陥であると判定できる。
実施例 2
[0039] 本実施形態の実施例 2について図 9〜図 13を用いて説明する。
実施例 2は、検査対象 Tがシリコンウェハであって、シリコンウェハ上に配線パターン と配線パターン間に酸ィ匕膜を設けた場合を例にしている。ここでは、配線パターンの 傷、および膜厚の不良を、欠陥検出するものである。
図 9には、カラーカメラ 1で撮像された検査画像(3a)と、リファレンス画像(3b)とをそ のまま比較した結果を示す。図 9から明力なように、比較結果 (欠陥候補画像)には欠 陥候補が検出される。し力しながら、このケースでは、パターンの傷と、膜厚不良とを 区別することができない。
[0040] 図 10[a]〜[c]は、この検査画像(3a)の信号成分 RGBを分離抽出して、 R画像 Z G画像 ZB画像を生成したものである。図 10 [a]〜 [c]に示す欠陥候補画像にぉ ヽ て、灰色〜白色の領域は、差異を生じた領域 (欠陥候補の範囲)である。一方、欠陥 候補画像の黒い領域は、差異を生じなかった領域を示す。図 ll [a]〜[c]には、これ ら R画像 ZG画像 ZB画像の信号波形を示す。
[0041] 図 12[a]〜[c]は、検査画像の信号成分 RGBを、上述した式 [1]〜[3]に代入して 、 H画像 ZI画像 ZS画像を生成したものである。図 12 [a]〜[c]に示す欠陥候補画 像において、灰色〜白色の領域は、差異を生じた領域 (欠陥候補の範囲)である。一 方、欠陥候補画像の黒い領域は、差異を生じなかった領域を示す。図 13[a]〜[c] には、これら H画像 ZS画像 ZI画像の信号波形を示す。
[0042] 通常、傷の欠陥は、反射光の拡散具合を変化させ、検査画像に明暗変化を生じさ せる。なお、検査対象 Tの正規のパターンも、検査画像に明暗変化を生じさせるが、 リファレンス画像との比較により、傷を選別することができる。したがって、傷の欠陥は 、図 9〜図 13に示すように、 R画像 ZG画像 ZB画像 ZI画像力 検出可能となる。た だし、 R画像については、膜厚の欠陥が重複するために、傷の欠陥を検出することが できない。また、 I画像についても、 R画像の変化が反映されるために、膜厚の欠陥が 、傷の欠陥と一部重複している。したがって、膜厚不良と重複する傷の欠陥について は、 G画像および B画像力も検出できる。
[0043] 本実施例では、欠陥候補が検出された分析画像 (R画像 ZG画像 ZB画像 ZH画
像 Zs画像 Zi画像)において、欠陥候補の重心位置と縦方向の長さと横方向の長さ を求める。これら欠陥候補の特徴を、分析画像の間で比較する。
その結果、 G画像と B画像においては、欠陥候補の特徴が全て一致する。この場合 、共通する欠陥候補については、傷による欠陥であると判定できる。
[0044] また、 R画像と H画像と S画像にっ ヽては、欠陥候補の特徴が全て一致する。この 場合、共通する欠陥候補については、膜厚による欠陥であると判定できる。
図 15は、パターン線幅の変化と、分析画像 (R画像 ZG画像 ZB画像 ZS画像)の コントラスト変化との関係を示した図である。検査試料 Tの露光量を 0. 5miずつ変化 させることで、検査試料 Tのパターン線幅を徐々に変化させる。これら検査試料丁の 内、図 15の横軸中央に示す No. 11が最適な露光量で形成されたものである。この 図 15に示されるように、露光量 (パターン線幅)が変化すると、上述した分析画像の 中で、 S画像のコントラストが最も敏感に変化する。したがって、 S画像の変化を検出 することで、露光量の欠陥や、パターン線幅の欠陥を高感度に検出することが可能 になる。また、コントラストの許容範囲 (上限閾値,下限閾値など)を予め定めておけ ば、露光量やパターン線幅の良否判別が可能になる。
[0045] 上述の説明から明らかなように、色空間情報に分解して相違を求めれば、僅かな色 の違いによる差が画像によって明確に示されることになる。このことは、 HSIの色空間 に限定されるものではない。 HSVや HLS、 CMYの色空間情報に分解した場合につ いても同様である。また、色空間情報ごとに検出された欠陥候補については、連続す る各欠陥候補画素の画素群の縦方向の画素数と、横方向の画素数と、この領域の 重心位置を求め、論理積をとれば同一箇所に重なる欠陥も分割あるいは統合するこ とが可能である。
(付記事項)
以上のサイクルを各検査点ごとに繰返すことで検査対象 T (例えば、ウェハ表面)に 重複する複数の欠陥を確実に検出できる。すなわち、一つのカラー画像から得られ る複数の色空間情報を検査情報として用いることができ、人間の目には見えている欠 陥を検査装置で検出することができるようになるほか、人間の目では見分けにくい欠 陥検出も、色空間情報の差を検査情報として使用することにより検出することができる
[0046] 以上の例においては、色空間情報として RGB, HSIの色空間に分解した例を示し たが、前記したように他の色空間変換を用いたり、二種類以上の色成分を画素値単 位に演算して、より強調するフィルタ処理を用いてもょ 、。
なお、本発明は、その精神または主要な特徴力 逸脱することなぐ他のいろいろ な形で実施することができる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に 過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって 示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲 の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
産業上の利用可能性
[0047] 以上説明したように、本発明は、欠陥検査装置などに利用可能な技術である。