JP5509465B2 - ガラスびん検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスびん口部天面の検査技術に係り、特に、ガラスびん口部天面の波状の凹み(天波)の検査を高速に行うための技術に関する。
一般に、ガラスびんの製造工程においては、製びん機で製造されたガラスびんがガラスびん検査装置に導かれ、当該ガラスびん検査装置にて欠陥の有無が検査され、所定の欠陥を有するガラスびんが不良品として排除される。この種のガラスびん検査装置としては、びん口部天面の傾斜(以下、「天傾斜」と言う)を検査する検査装置が知られており、ガラスびん検査装置にて天傾斜が大きいガラスびんを排除することで、内容物の液漏れやキャッピング時のトラブルが未然に防止される。
天傾斜の検査装置は、例えば、下記特許文献1,2に開示されている。これらの検査装置は、撮影手段で回転するびん口部の画像(静止画像)を連続して撮影し、その各撮影画像からびん口部天面上の2点を検出して当該2点間の垂直方向の差を算出し、その差を天傾斜とみなすものである。
特開2007−240468 特開2007−240469
天傾斜は、びん口部天面のほぼ全面が傾斜している欠点で、前記特許文献に開示された技術で検出することが可能である。しかし、内容物の液漏れやキャッピング時のトラブルが生じるびん口部天面の欠点には、びん口部の側面形状において、天面の一部が波状に窪む、いわゆる天波といわれるものがある。前記特許文献1,2に開示される検査装置では、天波の欠点を見逃すことが多いという問題があった。
本発明は、前記特許文献1,2に開示される検査装置を利用して、天波の欠点を高精度で検出できるようにすることを課題とするものである。
本発明は、ガラスびんをびん軸を中心に回転させる回転手段と、
ガラスびんのびん口部に光を照射する光照射手段と、
前記光照射手段により光が照射されているびん口部を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段で撮影した口部画像から天波を検出する画像処理手段を有し、
前記撮影手段の光軸は水平よりも上方に傾けられており、
前記画像処理手段は、前記撮影手段で撮影した口部画像からびん口部天面上の2点A,Bを検出し、ABを両端とする線分cを求め、線分cの任意の中間点Cを通る垂直線dと口部天面との交点Dを求め、前記交点Dと中間点Cの差Tを算出し、Tの値に基づいてガラスびんの良否判定を行うことを特徴とするガラスびん検査装置である。
図2,3に示すように、びん口部天面に天波7があると、線分cの中間点Cと、Cを通る垂直線dとびん口部天面の交点Dの差が大きくなるから、CD間の差Tを算出して、Tが所定の範囲内であれば良品、そうでなければ天波の欠点がある不良品と判定することができる。
線分cの中間点Cは、線分cの中点にとることが望ましい。その場合、前記点Aの座標を(Ax,Ay)、前記点Bの座標を(Bx,By)、前記D点のY座標をDyとすると、
T=Dy−(Ay+By)/2
又は、
T=(Ay+By)/2−Dy
の式でTを求めることができる。
Cは線分cの中点であるので、CのY座標は(Ay+By)/2となり、点DのY座標はDyであるから、CD間の垂直方向の差は、
Dy−(Ay+By)/2
又は、
T=(Ay+By)/2−Dy
となる。
本発明のガラスびん検査装置は、従来の天傾斜を測定する装置を用いて、その画像処理手段に天波を検出するアルゴリズムを加えるだけで、天傾斜の欠点を高精度で検出できるようになる。
本発明ガラスびん検査装置の概略説明図である。 口部画像処理の説明図である。 口部画像処理の説明図である。 天波の検出方法の説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るガラスびん検査装置1の概略構成を示す図である。この図において、ガラスびん6は図示しない案内手段によって、検査台5の上に案内され、図示しない回転手段によって検査台5の上でびん軸を回転軸として回転される。
ガラスびん6の口部61を挟んで撮影手段2と光照射手段3が対向配置されている。
撮影手段2は、例えば、像倍率が変化しないテレセントリックレンズが装着された高速エリアセンサカメラとすることができる。光照射手段3は、例えば、青色光を照射する青色LEDがマトリクス状に配列されて構成された拡散面光源とすることができる。
撮影手段2の光軸は水平よりも角度αだけ上方に傾けられており、びん口部61をやや下側から撮影するようになっている。これにより、撮影手段からみて奥側のびん口部の縁が撮影されてしまうのを防止する。αは1°〜3°程度が適当である。
この検査装置1の機器(ハードウェア)構成は、前記特許文献1,2に記載されている検査装置と同じでよい。
撮影手段2で撮影された画像(静止画像)は、画像処理手段4に送られ、天波の検出及びガラスびんの良否判定が行われる。画像処理手段4は、モニターが附属したパーソナルコンピュータとすることができる。モニターには、撮影手段2で撮影された画像、検出した天波(Tの値)など、必要な情報を表示できる。
撮影は、例えば、ガラスびんが1回転する間に24回(15°間隔で)行い、24コマの各画像について天波の検出が行われるようにする。
画像処理手段は、撮影手段2撮影された口部画像を取り込む毎に次のような画像処理を実行する。

〔口部画像処理〕
図2,3は、撮影手段2によりガラスびんの口部61を撮影した口部画像を模式的に示す図である。図2は天波7が口部画像のほぼ正面にある場合、図3は天波7が口部画像の右端にある場合を例示している。
ガラスびんの口部は暗く、背景は明るく写し出されるので、画像を2値化することで以下の画像処理を容易に行うことができる。
画像処理手段4は1枚の口部画像を取り込むと、びん口部61の左右端部のやや内側のX座標位置に設定した垂直線a,bとびん口部61天面の交点A,Bを検出する。垂直線a,bのX座標位置は、口部天面の面取り部6aよりもやや内側の任意の位置であればよい。
次いで、交点A,Bを通る線分cを求める。
次いで、線分cの中点Cを求め、中点Cを通る垂直線dを設定し、垂直線dと口部61天面の交点Dを求める。
〔天波の検出〕
図4は天波の検出方法の説明図である。
点Aの座標を(Ax,Ay)、前記点Bの座標を(Bx,By)とすると、点A、Bを結ぶ線分cの中点Cの座標は、((Ax+Bx)/2,(Ay+By)/2)である。
また、垂直線dと口部天面の交点DのY座標をDyとし、C,Dの差Tを(DのY座標−CのY座標)とすると、
T=(Ay+By)/2−Dy
となる。
ここで、Tの単位は画素である。
〔良否判定〕
画像処理手段4は、算出したTに基づいてガラスびんの良否判定を行う。
良否判定には種々の方法があるが、例えば、次のように行うことができる。
先ず、良品のTの範囲(上限しきい値、下限しきい値)を定めておく。例えば上限しきい値は6画素、下限しきい値は−8画素のごとくである。
1つのガラスびんが1回転する間に24回(15°間隔で)口部を撮影した場合、24回Tが算出される。これら算出された24のTの最大値と最小値を求め、最大値が6画素以下、かつ最小値が−8画素以上の場合は良品、その他の場合は不良品と判定することができる。
すわなち、算出された24のTの全てが次式を満足していれば良品、1つでも次式を満足しないものがあれば不良品と判定することができる。
−8画素(下限しきい値)≦T≦6画素(上限しきい値)
また、例えば算出された24のTの絶対値の総和を求め、その総和Σ|T|が所定のしきい値より大きい場合そのびんは不良、そうでない場合そのびんは良品と判定することもできる。
1 ガラスびん検査装置
2 撮影手段
3 光照射手段
4 画像処理手段
5 検査台
6 ガラスびん
61 口部
7 天波

Claims (2)

  1. ガラスびんをびん軸を中心に回転させる回転手段と、
    前記ガラスびんのびん口部に光を照射する光照射手段と、
    前記光照射手段により光が照射されている前記びん口部を撮影する撮影手段と、
    前記撮影手段で撮影した口部画像から天波を検出する画像処理手段を有し、
    前記撮影手段の光軸は水平よりも上方に傾けられており、
    前記画像処理手段は、前記撮影手段で撮影した前記口部画像から、前記びん口部の左右端部の内側に設定した垂直線a,bと前記びん口部天面の交点(Ax,Ay),B(Bx,By)を検出し、ABを両端とする線分cを求め、前記線分cの中点((Ax+Bx)/2,(Ay+By)/2)を通る垂直線dを設定し、前記口部画像において設定した前記垂直線d前記びん口部天面との交点Dを求め、前記交点Dと前記中点Cの差Tを算出し、Tの値に基づいてガラスびんの良否判定を行うことを特徴とするガラスびん検査装置。
  2. 交点DのY座標をDyとすると、
    T=Dy−(Ay+By)/2
    又は
    T=(Ay+By)/2−Dy
    の式でTを求める請求項1に記載のガラスびん検査装置。
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