明 細 書 車両用ステアリングシステム 技術分野
【0001】
本発明は、'車両に配備されるステアリングシステムに関し、 詳しくは、 ステア .リング操作部材の操作量に対する転舵装置の転舵量の比を変更可能な機能を有す 'るステアリングシステムに関する。 背景技術
【0002】
■今日では、:車両が備えるステアリングシスデムとして、 下記特許文献に記載さ れているような、 いわゆる VGR S (Variable Gear Ratio Steering) 機能を有する 装置、 すなわち、 ステアリングホイール等のステアリング操作部材 (以下、 単に '「操作部材 J' と略す場合がある) の操作量に対する転!^装置の転舵量の比が変更 可能な可変伝達装置を備えるステアリングシステムが検討されている。 特許文献: i fc記載されたシスデムは、 可変伝達装置の ウジングがステアリングシャフ .ト
' の回転に伴って回転するような構造のもので、あり、 駆動源へのケーブルの処理に 工夫を凝らす必要があつた。 そこで、 特許文献 2 , 3に記載されたシステムは、 ハウ.ジングを転舵装置に固定レて回転させない構造とすることで、 給電ケーブル の処理に 別な配慮をする必要がなぐ、 単純な構造のシステムを実現している。
特許文献 1 :特開平 10— 287250号公報
特許文献 2 :特開 2003— 406349号公報
特許文献 3 :特開 2005— 162124号公報 発明の開示
【0003】
(A) 発明の概要
上記特許文献に'記載されているよ,うな V G R S機能を有する可変伝達装置は、 —般に、 差動機構と駆動源とを有しており、 その駆動源等が失陥した場合に、 操 作部材の操作が転舵装置に伝達されない状態と.なり得ることを考慮して、 駆動源 によつて駆動される差動機構の一要素の動作をロック機構によつて禁止すること で、 伝達比が固定的な値とされた状態で操作部材の操作が転舵装置に伝達される ような構造とされている。 ところが、 特許文献 2 , 3に記載のシステムでは、 異 物の嚙み込み等によって差動機構が備える要素同士が固着したような場合にロッ .ク機構を作!)させると、.いわゆるデッドロックを起::し、 操舵が難しくな.るとい 'う問題を抱えている。 この問題は、 可変伝達装置を有するシステム、 詳しくは、 八ウジングが車体に対して固定的された可変伝達装置を有するシステムが抱える 1つの問題であるが、 .このような装置を有するシステムは、 そのような問題への 対処を始めとして、実用性を向上させる余地が十分に残されたものとなっている。 本発明は、 かかる実情に鑑みてなされたものであり、 実用性の高いステアリング システムを提供することを課題とする。'
[ 0 0 .0 4】
.上記課題を解決するため、 本発明の車両用ステアリングシステムは、 ハウジ グが車体に対して固定的に設けられる可変'伝達装置を有するステ Tリングシ テ ムであって、 その可変伝達装置が、 ステアリ グ操作部材と連結された第 1要素 と転舵装置に連結された第 2要素との相対動作量をそれらに係合する第 3要素の 駆動量に応じて変更可能とされるとともに、 その第 3要素の動作を禁止可能な第' 3要.素動作禁止装置を備え、 さらに、 その第 3要素動作禁止装置による第 3要素 の動作の禁止を無効化する第 3要素動作禁止無効化装置を備えることを特徴とす る。 . '
【0 0 0 5】
本発明の車両用ステアリングシステムによれば、 例えば、 差動機構が固着した ような場合であっても、 第 3要素動作禁止無効化装置によって第 3要素の動作の 禁止を無効化することで、 第 3要素の動作を許容することが可能となるため、 運 転者による適切なステアリング操作が可能となる。
【0 0 0 6】
(B) 請求可能発明の態様 ''
• 以下に、 本願において特許請求が可能と認識されている発明 (以下、 「請求可 • 能発明」 という場合がある)の態様をいくつ;^例示し、それらについて説明する。
各態様は請求項と同様に、 項に区分し、 各項に番号を付し、 必要に応じて他の項 の番号を引用する形式で記載する。 これは、 あくまでも請求可能発明の理解を容 易にするためであり、 請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、'以下の 各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。 つまり、 請求可能発明は、.各項 - に付随する記載, 実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、 その解釈に '従う限りにおいて、 各 の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、 また、 各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、 請求可能発明の一態様とな り得'るのである.。 なお、 (1) 項は、 請求可能発明である車両用ステアリングシ ステムの前提となる態様を示した項であり、 その項に、 他の項のうちから適当に 選択された 1以上.の項に記載された技術的特徴を付加したものが請求可能発明と なり得る。 ノ
【0007]
ちなみに、 以下の各項と請求項との関係を示せば、 (1.) 項を引用する (41) 項が請求項 1に相当し、 請求項 1に (42) 項の技術的特徴を付加したものが請 項 2に、 請求項 2に (5). 項の技術的特徴 '付加したものが請求項 3に、 請求 項 3に (6) 項の技術的特徴を付カ卩し ものが請求項 4に、 請求項 2ないし請求 項 4のいずれかに (7') 項, (9) 項, (10) 項および (1 1).項の技術的特徴 を付加したものが請求項 5に、 請求項 5に (12) 項の技術的特徴を付力 Pしたも のが請求項 6に、 請求項 5または請求項 6に (13) 項の技術的特徴を付加し ものが請求項 7に、 請求項 1に (43) 項の技術的特@ [を付加したものが請求項 8に、 請求項 8に (20) 項の技術的特徴を付加したものが請求項 9に、 請求項5 8または請求項 9に (23) 項の技術的特徴を付カ卩したものが請求項 10に、 請 求項 8ないし請求項 10のいずれかに (24) 項の技術的特徴を付カ卩したものが 請求項 1 1に、 請求項 1 1に (25) 項の技術的特徴を付カ卩したものが請求項 1 2に、 請求項 1 1または請求項 12に (26) 項の技術的特徴を付加したものが 請求項 13に、 請求項 11ないし請求項 13のいずれかに (27) 項の技術的特
徴を付加したものが請求項 1 4に、請求項 1 1ないし請求項 1 4のいずれかに ( 3 1 ) 項および (3 2 ) 項の技術的特徴を付加したものが請求項 1 5に、 請求項 1 ないし請求項 1 5のいずれかに (2 ) 項の技術的特徴も付加したものが請求項 1 6に、 ぞれぞれ相当する。
【 0 0 0 8】
( 1 ) 運転者によ'つて操作されるステアリング操作部材と、 : . 車体に対して固定的に設けられたハウジングと、 (a)前記ステアリング操作部 材と連結されて自身の動作量がそのステアリング操 部材の操作量に応じ'た動作 ―量となるように前記ハウジングに動作可能に設けられた第 1要素と、 (b)前記第 1荽素と相対動作^ T能に前記ハゥジングに設けちれた第 2要素と、 (c)前記第 1 要素およぴ前記第 2要素と係合する第 3要素とを含んで構成される差動機構と、 前記ハウ.ジングに固定的に設けられて前記第 3要素を駆動する駆動源とを有し、 前記第 1要素と第 2要素との相対動作量を前記第 3要素の駆動量に応じて変更可 能とされた可変動作伝達装置と、 .
前記第 2要素と違結され、. その第 2要素の動作量に応じた転舵量となる車輪の 転舵を.実現する転舵装置とを備えた車両用ステアリングシステムであって、 .
+前記可変動作伝達装置が、 .前記第 3要素の動作を禁止可能な第 3要素動作禁止 装置を有する車両用 テア,リングシステム。. , . ' .
【0 0 0 9】
本項に記載の態様は、 先に説明したように、 種々の請求可能発明に共通の構成' 要素を列挙した態様であり、 本項は、 請求可能発明の前提項としての意義を有す る。 本項の態様のステアリングシステムは、 平たく言えば、 車体に対して固定的. に設けられたいわゆる V G R Sァクチユエータを有するステアリングシステムで あって、 その V G R Sァクチユエータが、 先に述べたロック機構を備えたステア リングシステムである。
【0 0 1 0】
本項における 「転舵装置」 は、 その構成が特に限定されるものではなく、 例え ば、 車輪を繋ぐ転舵ロッドと、 その転舵ロッドを軸線方向に移動させる機構とを 含むような構成のもの等、 既に公知の種々の構成のものを採用することが可能で
ある。 そのような転舵口ッドを移動させる機構としては、 例えば、 ラックビニォ ン機構, ボ^"ルねじ機構等を採用することが可能である。
【0 0 1 1】
本項に記載の 「可変動作伝達装,置」 は、 第 1要素と第 2要素との相対動作量、 つまり、 伝達比が車両の走行速度等の何らかのパラメータに依拠して変更可能と された、.いわゆる V G R Sァクチユエータである。 可変動作伝達装置を構成する 「ハウジング」 は、 車体に対して固定的に設けられるものであればよく、 ど に 固定される^ Nま特に限定されない。 例えば、 車体の一部に固定されるもの、 当該 'システムが上記の転舵口ッドを軸線方向に移動させる構造の転舵装置を備える場 合においてその転舵装置のハウジングに固定されるもの、 あるいは、 当該システ ムがシャフトとそれを.回転可能に保持するチュ プとを含んで捧成されるステア リングコラムを備える場合においてそのステア.リングコラムに固定されるもの等 を採用することが可能である。その可変動作伝達装置を構成する「差飾機構」は、 そめ構成が特に限定されるものではなく、 例えば、 第' 1要素, '第2.要素が相対回 転するも とされ、 第 3要素がそれらと係合して回転動作する機構とすることが : 可能である。 具体的には、 傘状歯車が嚙合してなる機構 プラネタリギヤ機構,. ハーモニックギヤ機構 (2リ グギヤ型であってもよく, カップ型であってもよ い), サイクロィド減速機構といった種々のものを採用することが可能である。 また、 「駆動源」 は、 ハウジングに固定的に設けられるものであればよく、 例え ば、 ステータがハウジングに固定されているような電動モータを採用することが 可能.である。
【0 0 1 2】
上記可変動作伝達装置は、 第 3要素の動作を禁止可能な 「第 3要素動作禁止装 置」 (例えば、 ロック機構) を備えるものとされている。 本項の態様において、 第 3要素動作禁止装置は、 例えば、 駆動源自体に失陥のある場合, 駆動源に加わ る負荷が過負荷となって保護回路が作動するような場合等、 可変動作伝達装置の 失陥時に、 第 3要素の,作を禁止するように構成することができる。 第 3要素の 概して自由な動作が許容される失陥である場合には、 操作部材の操作が転舵装置 に伝達されない状態となる。 このような失陥の場合に、 第 3要素 ¾作禁止装置に
よって第 3要素の動作を禁止すれば、 ある一定の伝達比での、 つまり、 第 1要素 と第 2要素とが所定の相対動作 ίとなるような状態での、 第 3要素を介した第 1 要素から第 2要素への動作伝達が可能となり、 そめこどによって、 操作部材の操 作を転舵装置に伝達することが可能となる。 つまり、 本項に記載の態様は、 何ら
5 かの原因で第 3要素の概して自由な動作が許容されるシステムにおいて、 効果的 な態様なのである。 なお、 第 3要素動作禁止装置は、 その具体的な構造が特に限 定されるものではなく、 その装置 fcは、 実質的に第 3,要素の動作を制限できる種
- 々の構造を.择用することが可能である。
【0 0 1 3】
10 ま.た、 例えば、 第 3要素に駆動力を与えても第 3要素を駆動できないような失 陥が発生する場合もあ.る。 具体的には、 例えば、 ..第 1要素若し.くは第 2要素と、 第 3要素との間での異物の嚙み込みを原因とする場合、 差動機構が、 固着や略固 着に近い状態、 言い換えれば、 第 1要素と第 2要素とがあたかも固定されたよう になってそれらが相対動作できない状態 '(以下、 「相対動作不能状態」 という場
15. 合がある). に陥っている。 このような場合において、 第 1要素および第 2要素と 係合す?)第 3要素の動作を禁止すると、いわゆるデッドロックを起こしてしまい.、 操舵が難しくなる。 ちなみに、. ハウジングが車体に固定されていない可変動作伝' 達装置では、 差動機構がデ、 ドロックを起こしても、.操作部材による車輸の転舵 は可能であり、 このデッドロックは、 ハウジングが車体に対して固定されている
20 可変動作伝達装置を備えたステアリングシステムにおいて、 特に、 問題となる。 ' 【0 0 1 4】
• 後に示すいくつかの項の態様は、 その相対動作不能状態に対処することを 1つ の目的として、.第 3要素動作禁止装置による第 3要素の動作の禁止を無効化する ような構成となっている。その構成は、特に限定されるものではないが、例えば、
25 (A)第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作が禁止された状態のままで第 3要素の動作を許容するような構成、 (B)第 3要素動作禁止装置を制御すること で、 第 3動作禁止装置による第 3要素の動作の禁止が行われないようにする若し くは禁止を解除する構成等、 種々の構成とすることが可能である。 このような構 成とすることで、 上記の相対動作不能状態に陥った場合であっても、 第 3要素の
動作を許容するこ'とで、 第 1要素と第 2要素との相対動作がなされない状態のま までの第 1要素から第 2要素への動作伝達が可能となる。 言い換えれば、 第 1要 素から第 2要寒へ > 常時、 略動作比 1 : 1で動作が伝達される状態、 -つまり、 伝 達比 1 : 1の状態での、 操作部材による車輪の転舵が可能となる。
【0 0 1 5】
( 2 ) 前記第 1要素および前記第 2要素が、 それぞれ、 互いに齒数の異なるサ ーキユラスプラインを含んで構成されて回転動作するものとされ、 前記第 3要素 力 それらサーキュ'ラスプラインの両者に嚙合するラレタスプラインとそ フレ
'クスプラインが外嵌されたウェーブジェネレータを含んで構成され、 かつ、 前記 駆動源がそのウェーブジェネレータを回転させるモータとされたことで、 前記可 変動作伝達装置が、 ハーモニックギヤ機構を含んで構成された(1)項に記載の車 両用ステアリングシステム
. 【0 0 1 6】
本項に f己載の態様は、 可変動作伝達装置の差動機構を、 ハーモニックギヤ機構 (ハーモニヅク ドライプ機構 (登録商標), ストレイン .ウエーブ.ギヤリング 機構と呼ばれることもある。),に限定した態様であり、 詳しく言えば、 2つのリ: シグギヤを有するハーモニ?クギヤ機構に限定した態様である。 このハーモニッ クギヤ機構は、 大きな減速比が得られる変速機構であることから、 本項に記載の 態様によれば、 駆動源の小型化等により、 コンパクトなステアリングシステムが 実現する。
【0 0 1 7】
( 3 ) 前記第 3要素動作禁止装置が、 前記第 3要素に設けられた被係止部と、 前記ハウジングに設けられてその被係止部を係止可能な係止部とを有し、 その係 止部によつて前記被係止部が係止された係止状態において前記第 3要素の動作を 禁止する構造とされた(1)項または (2)項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 1 8】
本項の態様は、 第 3要素動作禁止装置の構造に限定を加えた態様である。 本項 における第 3要素動作禁止装置は、 上記係止部と被係止部との相互作用によって
第 3要素の動作を禁止させる構造を^■するものとされており、 いわゆるストツバ 機構を含んで構成されるもめとなっている。 '
【0 0 1 9】
( 4 ) 前記可変動作伝達装置が、 前記第 3要素動作禁止装置によって前記第 3 要素の動作が禁止された状態においてその第 3要素に設定された大きさを超える 動作力が作用した場合に、 その第 3要素の動作を許容する第 3要素動作許容機構 を有する(1).項ないし(3)項のいずれかに記 の車両用ステアリングシステム。
【0 0 2. 0】
• " 前述の相对動作不能状態、 つまり、 第 1要素と第 2要素と相対動作できない状 態において、 第 3要素の動作が禁止されれば、 第 1要素あるいは第' 2要素から第 '3要素を動作させようとする力として、 大きな力が第 3要素に作用する場合があ る。 つまり、 本項にいう 「第 3要素の動作が禁止された状態においてその第 3要 素に設定された大きさを超える tt作力が作用する場合」 とは、 例えば、 相対動作 不能状態に陥っている際に生じ得る 1つの現象が現れた場合である。.このことか ら、 本項に記載の態様は、:相対動作不能状態に対処するための一態様であるとい • える。 また、 本項の態様は、 第 3要素動作禁止装置が第.3要素の動作を,禁止する ように作動した状態のままで、 第 3要素の動作を許容する態様であり、 本項 0態 : #によれば、 ·相対動#不能状態に陥った場合で'.あっても、 第 3要素の動作を許容 'することで、 第 1要素と第 2要素と力 S相対動作しない状態での動作伝達が可能と なる。 その結果、 運転者による適切なステアリング操作が可能 なる。
【0 0 2 1】 .
本項にいう 「動作力 j は、 第 3要素を動作させる力を意味し、 例えば、 操作部 材に加えられた操作力に依拠して第 1要素を介して第 3要素に作用する力や、 転 舵装置からの逆入力に依拠して第 2要素を介して第 3要素に作用する力等が該当 する。 本項における 「第 3要素動作許容機構」 は、 例えば、 (A)第 3要素の動作 を禁止するために第 3要素動作禁止装置が発生させている力が上記動作力に負け ることで、 第 3要素の動作を許容するような機構であってもよく、 また、 (B)電 磁式クラツチ等の装置を主体として構成され、 その装置が制御されることにより 第 3要素の動作を許容するような機構であってもよい。 なお、 第 3要素動作許容
構構を、 制御によって作動させられる機構とすれば、 制御装置, 駆動回路等が必 要となる。 したがって、 簡便な可変動作伝達装置の実現という観点からすれば、 第.3要素動作許容機構は、 動作力の作用によって'第 3荽素の動作を許容する構造 のものの方が望ましい。
【0 0 2 2】
( 5 ) 前記第 3要素動作禁止装置が、 前記第 3要素に設けられた被係止部と、' 前記ハウジングに設けられてその被係止部を係止可能な係止部とを有し、 その係 止部によつ,て前記被係止部が係止された係止状態において前記第 3要素の動作を '禁止する構造とされるとともに、 ' ■
前記第 3要素と前記被係止部とが摩 合させられると 'ともに、 それら第 3要 素と被係止部との間に生じる摩擦力に打ち勝つ動作力が前記第 3要素に作用した 場合にその第 3要素の動作を許容する構造によって、 前記第 3要素動作許容機構 が構成された(4)項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 2 3】
本項に記載の態様は、 第 3要素動作禁止装置を、 特定のストッパ機構を有する ものに限定するとともに、 第 3要素動作許容機構を、 上記動作力の作用によって 第 3要素の動作を許容する構造のものに限定した態様である。 詳しく言えば、 第 '3要素と被係止部との間に生じる摩擦力が所定の大きさに設定されており、 そ.の 設定された摩擦力より大きな動作力が作用した場合に、 被係止部が係止部によつ て係止された状態のままで、 その係止された.被係止部に対する第 3要素の動作を 許容する構造である。 つまり.、 第 3要素動作許容機構は、 何らかの装置の制御を 伴うような機構とされておらず、 本項の態様では、 上述したように、 比較的簡便 な構造の可変動作伝達装置が実現することになる.。 '
【0 0 2 4】
( 6 ) 前記第 3要素が、 回転動作するものとされ、 前記ネ皮係止部が、 前記第 3 要素と相対回転動作可能とされた回転部材に設けられており、 前記第 3要素動作 許容機構が、 その回転部材と前記第 3要素と間に介装されたトレランスリングを 含んで構成された (5)項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 2 5】
: .本項に記載の態様は、 第 3要素動作許容機構の構造をさらに具体的に限 した 態様である。 本項の態様では、 前述した可変動作伝達装置、 つまり、 ストッパ機 構を有する第 3要素動作禁止装置を備えた可変動'作伝達装置に、 単にトレランス リングを ii¾することによって、 第 3要素動作許容機構が構成されているため、 本項の態様によれば、 .コンパクト、 かつ、 簡便な構造の,可変動作伝達装置が実現 する。 ' ' - -
【0 0 2 6】
( 7 ) 当.該車両用ステアリングシステムが、 車輪の転舵のための転舵力.を自身 'が発生させる助勢力によって助勢する助勢機構を備えた(1)項ないし (6)項のいず れかに記載の車両用ステアリングシステム。 ■
【0 0 2 7】 、
( 8 ) 前記助勢機構が、 前記転舵装置に設けられた (7)項に記載の車両用ステ ァリングシステム
【0 0 2 8】 .
( 9 ) .当該車両用ステアリングシステムが、 自身を制 ¾1するための制御装置を 備え、 その制御装置が、 前記ステアリング操作部材の操舵力に基づいて、 前記助 勢機構による助勢力を制御す,る助勢制御を実行するものとされた (7)項またほ ( ¾に記載の車両用スチアリングシステム。 . : ' - .
【0 0 2 9】
.上記: 3つの項に記載の態様は、 車輪の転舵力を、 操作部材に加えられる操作力' に加えて他の駆動頫のカによ.つてアシストする機能を有するシステムに関する態 様であり、いわゆるパヮ一ステアリングシステムに関する態様である。 なお、 「制 御装置」 には、.例えば、 コンピュータを主体とし、 必要に応じて駆動源等につい ての駆動回路等を含んで構成される電子制御ュニットを採用することが可能であ る。
【0 0 3 0】
( 1 0 ) 前記制御装眞が、 前記第 3要素動作禁止装置によって前記第 3要素の 動作が禁止された状態において前記助勢機構による助勢力を増加させる助勢力増 加制御を実行するものとされた(9)項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 3 1】
第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作が禁止されている場合、 可変動 作伝達装置の伝達比は固定され、 操作部材の操作'は一定の伝達比で転舵装置に伝 ■ 達される。 そのため、 操作部材の操作量が大きくせざるを得ない状況も発生し、 そのような状況において、 操作の負担が大きくなる可能性がある。 本項の態様に よれば、第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作が禁止されている場合に、 転舵力がより大きくアシストされるため、 運転者の操舵操作に対する負担が軽減 . されること,になる。' '
【0 0 3 2】
( 1 1 ) 前記可変動作伝達装置が、 前記第 3要素動作禁止装置によって前記第
3要素の動作が禁止された状態においてその第 3要素に設定された大きさを超え る動作力が作用した場合に、 .その第 3要素の動作を許容する第 3要素動作許容機 構を有し、 ·
前記制御装置が、 前記第 1要素と前記第 2要素とが相対動作し得ない相対動作 不能状態において、 前記助勢力増加制御を実行するものとされた(10)項に記載の • 享両用ステアリングシステム。 ' ·
【0 0 3 3】 ,
前述したように、 相対動作不能状態で第 3要素の動作が禁止されれば、 可変勲 作伝達装置の差動機構は、いわゆるデツドロックを生じ、操舵操作が難しくなる。' 第 3要素動作許容機構は、そのことに鑑みて設けられており、その機構によって、 ' その.第 1要素と第 2要素とが固定された状態での動作伝達が可能とされ、 操作部 材による車輪の転舵が可能とされる。. .しかし、 第 3要素動作許容機構は、 設定さ れた大きさを超える動作力が第 3要素に作用した場合に機能すること力、ら、 相対 動作不能状態において、 車輪を転舵させようとすれば、 操作部材の操作力をある 程度大きくせざるを得ない。 このことは、 運転者に、 操舵操作に対する負担を強 いることになる。 本項の態様によれば、 相対動作不能状態において第 3要素動作 許容機構を利用して車輪の転舵を行う場合に、 転舵力が効果的にアシストされ、 運転者の負担が効果的に軽減されることになる。
【0 0 3 4】
. ( 1 2 ) 当該車両用ステアリングシステムが、 前記第 1要素と前記第 2要素と の相対動作量を検出する相対動作量検出器を備え、
前記制御装置が、 その相対動作量検出器によって検出された相対動作量に基づ いて、 前記助勢力増加制御を Hfiするものとされた(11)項に記載の車両用ステア
5 リングシステム。
【0 0 3 5】
'例えば、第 1要素と第 2要素との相対動作量が略 0である場合、言い換えれば、 - 第 1栗素の 作量ど第 2要素の動作量とが略等しい場合には、 第 1要素と第 2要 '素と'が実質的に相対動作し得ない場合であると考えることが可能である。 本項の0 態様によれば、 第 1要素と第 2要素との相対動作量を検出することで、 相対動作 ' 不能状態を容易に検知することが可能である。 そして、 本項の態様によれば、 そ の検知に基づいて、 助勢機構による助勢力を増加させることが可能となる。 上記 相対動作量検出器によれば、 確実に相対動作不能状態が検知でき、 本項の態様に よれば、 より効果的な転舵力のアシストが可能となる。
5. 【0 0 3 6】
なお、 第 1要素と第 2要素との相対動作量は、 先に述べたように、 車両の走行 速度のようなパラメータに依 »して変更するように制御可能とされている。 その: め、 そのような制御が行われている場合、 あ.る時点においては、 可変動作伝達 装置の制御によって第 1要素と第 2 ^素との相対動作量が略 0である状態が実現0 されることがある。 しかし、 相対状態不能状態では、 上記パラメータの値の如何 に拘.わらず、 第 1要素と第 2要素との相対動作量が略 0となるため、. そのことを もってして、'相対不能状態であると認定することが可能である。 具体的には、 例 えば、 車両走行速度に応じて、 可変動作伝達装置の伝達比が変更されるような制 御である場合には、 車両走行速度が変化していることを前提として、 第 1要素と5 第 2要素との相対動作量が略 0であるが維持されているときに、 相対動作不能状 態であると認定することが可能である。
【0 0 3 7】
本項における 「相対動作量検出器」 は、 例えば、 第 1要素の動作量と第 2要素 の動作量とに基づいて相対動作量を検出するものを採用することが可能である。
なお、 それら第 1'要素の動作量おょぴ第 2要素の動作量を、 直接的に検出するよ うに構成されてもよく、 また、 間接的に検出するように構成されてもよい。 例え ば、 第 1要素の動作量を、 ステアリングホイールの回転角等の操作部材の操作量 力 ら検出する、ような構成とされてもよく、 また、 第 2要素の動作量を、 転舵ロッ ドの変位量等の転舵量から検出するような構成とされてもよいのである。'
【0 0 3 8】
( 1 3 )前記第 3要素動作禁止装置が、前記第 3要素に設けられた被係止部と、 前記ハウジ,ングに設けられてその被係止部を係止可 な係止部とを有し、 その係
'止部によ όて前記被係止部が係止された係止状態において前記第 3要素の動作を 禁止する構造とされるとともに、 '
' 前記第 3要素/と前記被係止部とが摩 合させられるととも.に、 それら第 3要 . 素と被係止部との間に生じる摩擦力に打ち勝つ動作力が前記第 3要素に作用した .場合にその第 3要素の動作を許容する構造によ'つて、 前記第 3要素動作許容機構 が構成され、 . ' ノ .
前記助勢力増加制御が、 前 f己摩擦力に応じて、 前記助勢制御における助勢力を ■ 増加させる制御である(11)項または(12)項のいずれかに記載の車両用ステアリン グシステム。 ,
【0 0 3 9】
本項の態様は、 第 3要素動作許容機構に、 前述の摩擦力の作用を利用した構造 を有するものを採用した場合の態様である。 本項に記載の第 3要素動作許容機構 を摔用する場合、 相対動作不能状態において車輪の転舵を可能とするには、 上記 摩擦力に相当する分、 操作力を増大させなければならない。 本項の態様は、 その ことに考慮し、 転舵力を助勢する力を、 上記摩擦力に基づいて定めており、 本項 の態様によれば、 適切な転舵力の助勢が可能となる。 なお、 本項の態様において は、 助勢力は、 摩擦力に相当する分だけ大きく、 つまり、 摩擦力を丁度打ち消す 分だけ大きくされてもよく、 また、 その摩擦力の一部に相当する分だけ大きく、 つまり、 摩擦力の何パーセントかを打ち消す分だけ大きくされてもよい。
【0 0 4 0】
( 1 4 ) 前記制御装置が、 前記可変動作伝達装置の前記駆動源の作動をも制御
するものとされ、 '前記助勢力増加制御が実行される場合に、 その駆動源が前記第
3要素の動作に対して抵抗とならない状態を実現するものとされた(11)項ないし (13)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシ _ステム。
【0 0 4 1】
例えば、 相対動作不能状態において前述の第 3要素動作許容機構を利用して車 輪の転舵を行う場合、 第 3要素に連結される駆動源も転舵に対する抵抗となり得 る。 具体的に言えば、 駆動源が電動モータである場合、 そのモータの通電端子の .間が短絡き,せられだ状態されれば、 そのモータは、 起電力に依拠する比較的大き 'な制動力を発生させる。 それに対して、 通電端子 相互にオープンな状態とされ れば、 起電力に依拠する制動力は発生させられず、 そのモータは、 殆ど、 転 |&に 対する抵抗とはならないのである。 本項の態様は、 駆動源が転舵に対する抵抗と ならないようにする態様であり、 '本項の態様によれば、 可及的に、 操舵操作の負 担を軽減させることが可能となる。
【0 0 4 2】
( 1 5 ) 当該車両用ステアリングシステムが、 ' 前記ステアリング操作部材の操作力に応じて弾性的に変形する変形部材と、 そ の変形部材の変形量を検出す ための変形量センサとを有して、 その変形量 i ン. ザによって検出され fこ変形量に基づいて前記ステアリ グ操作部材の操作カを椟 • 出する操作力検出器を備え、
前記制御装置力 その操作力検出器によって検出された前記ステアリング操作' 部材.の操作力に基づいて前記助勢制御を実行するものとされた (9)項ないし(14) 項のいずれかに記載の車両用ステアリ.ングシステム。 ·
【0 0 4 3】
本項の態様によれば、 操作部材の操作力が適切に検出できるため、 効果的な転 舵力のアシストが可能となる。 本項の態様では、 「変形部材」 として、 具体的に は、 トーシヨンパーを採用することが可能であり、 「変形量センサ」 として、 そ のトーシヨンバーの両端部の相対変位量 (相対回転量) を検出する相対回転量セ ンサを採用することが可能である。 そして、 変形量センサによって取得されたト ーションパーの捻り量に基づいて、 操作部材の操作力を検出するように構成する
ことが可能である。
【0 0 4 4】
( 1 6 ) 前記操作力検出器が、 前記可変動作伝達装置に設けられた(15)項に記 載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 4 5】
' 本項の態様のように、 操作力検出器を、 上記可変動作伝達装置に内蔵すれば、' コンパクトなステアリングシステムを構築することができる ' .
【0 0 4 6】
" ( 1, 7 ) '前記変形部材が、'一端部が前記ステア ング操作部材と連結されると とも.に他端部が前記第 1要素と連結され、 前記変形量センサが、 前記変形部材の 一端部と他端部との相対変位量を検出するものである(15)項ま.たは(16)項に記載 の車両用ステ リングシステム。
【0 0 4 7】
( 1 8 ) 前記変形部材が、 一端部が前記転舵装置 連結されるとともに他端部 が前記第 2要素と連結ざれ、.前記変形量センサが、 前記変形部材の一端部と他端 - と.の相対変位量を検出するものである(15)項または(16)項に記載の車両用ステ ァリングシステム。 ·' ' 【0 0 4 8】
上記 2つの態様は、 操作力検出器を構成する変形部材.の配設箇所に関する限定 を加えた態様である.。 ,特に、'後者の態様は、 上記相対動作不能状態において第 3 要素動作許容機構を利用した転舵を行う場合に、効果的である。上述したように、 第 3要素動作許容機構は、 第 3要 *に所定の動作力が作用した場合に機能するも のであることから、 変形部材が第 2要素と転 16装置との間に配設されている場合 には、 その変形部材によっては、 その所定の動作力に起因して必要となる操作力 の増加分を、 効果的に検出することができない。 詳しく言えば、 操舵の抵抗とな る箇所の下流側では、 操作力の増加分に応じた変形部材の変形量の増加は期待で きないのである。 したがって、 上記 2つの態様のうちの後者は、 操作力の増加が 操作力検出器によって適切に検出されなくても、 助勢力増加制御によって、 転舵 力を適切にアシストさせることができるため、 助勢力増加制御を実行するメリッ
トが大きい。
【0 0 4 9】
それに対し、 上.記 2つの態様のうちの前者は、 上記相対動作不能状態において 第 3要素動作許容機構を利用した転舵を行う場合に、 上述した操作力の増加分が 操作力検出器によって検出可能であるため、 助勢力増加制御による上記メリツト は、何某かは得られるものの、後者程には充分に得られないことになる。 し力 し、 そのことを猜極的に捉えれば、 前者の態様の場合、 敢えて助勢力増加制御を実行 せずして ¾、 転舵力の比較的良好なアシストが行われることになるため、 前者の
"態様は、 助勢制御を簡便化するとうい観点において、 有利な態様となる。'
【 0 0 5 0】
( 1 9 ) 当該車両用ステアリングシステムが、、自身を制御するための制御装 tt を備え、 その制御装置が、 前記第 3要素動作禁止装置の作動を制御して前記第 3 要素の動作を禁北する第 3要素動作禁止制御を実行するものとされた(1〉項ない し(18)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。' ' .
【0 0 .5 1】
. 本項の態様のように、 第 3要素動作禁止装置を制御装置によつて制御されるも のとすれば、 第 3要素の動作.の禁止を適切に行うことができ、 また、 後に説明す δ 'ように、 その禁止も解除することを、 容易に行うことができる。
【0 0 5 2】
. ( 2 0 ) 前記制御装置が、 前記可変動作伝達装置において前記駆動源が第 3要 素を,駆動できない失陥が発生.した場合に、 前記第 3要素動作禁止制御を実行する ものとされた(19)項に'記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 5 3】
本項にいう 「駆動源が第 3要素を駆動できない失陥」 とは、 例えば、 駆動源自 体に失陥のある場合, 駆動源が電動のものであって電源からの電源線が断線した 場合, 駆動源に加わる負荷が過負荷となって保護回路が作動した場合等を、 広く 意味する。 先に説明したように、 第 3要素の概して自由な動作が許容される失陥 である場合には、 操作部材の操作が転舵装置に伝達されない状態となるため、 第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作を禁止することで、 所定の伝達比の
卞,、 車輪の転舵が可能となる。 なお、 上記失陥には、 前述の相対動作不能状態、 つまり、 差動機構の固着等によって第 1要素と第 2要素とが相対動作し得ない状 態も含まれる。 ' . — ' · .
【0 0 5 4.】
( 2 1 ) 前記制御装置が、 前記第 1要素と前記第 2要素とが相対動作し得ない 相対動作不能状態において、 前記第 3要素動作禁止装置の作動を制御して前記第 3要素の動作が禁止されない状態を実現させる第 3要素動作非禁止状態実 ξ¾制御 を実行する,ものとされた(19)項または (20)項に記載の車両用ステアリングシステ
' 。 ' ' ' .
【0 0 5 5】 .
本項の態様によれば、 上記相対動作不能状態に陥った場合でも、 第 3要素動作 禁止装置によっては第 3要素の動作が禁止されない。 そのため、 第 1要素と第 2 要素とが相対動作しない状態での動作伝達が可能とされ、 操作部材の操作によ 車輪の転舵が確保される。 つまり、 本項の態様によれば、 相対動作不能状態に陥 つた場合であっても、運転者による適切なステアリング操作が可能と.なる。なお、 本項にいう 「第 3要奉動作非禁止状態実現制御」 は、 後に説明するように、 第 3 要素動作禁止装置によって第, 3要素の動作が禁止されている状態を解除するよう. な制御であってもよく、 また、 第 3要素の動作が禁止されることを、 未然に防止 するような制御であってもよい。 後者の制御、 つまり、 .第 3要素動作禁止装置に よる第 3要素の動作の禁止が実行されない制御である場合には、 相対動作不能状 態に.起因する失陥が生じた際に、 一時的にでもデッ,ドロックを生じさせることが ないため、 運転者へのステアリング操作にお、ける操作違和感を低減させることが 可能である。 . '
【0 0 5 6】
( 2 2 ) 前記制御装置が、 前記可変動作伝達装置の前記駆動源の作動をも制御
'するものとされ、前記第 3要素動作非禁止状態実現制御を実行する場合において、 前記駆動源が前記第 3要素の動作に対して抵抗をとならない状態を実現するもの とされた (21)項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 5 7】
先に説明したように、 相対動作不能状態において前述の第 3要素動作許容機構 を利用して車輪の転舵を行う場合、,第 3要素に連結される駆動源も転舵に対する 抵抗となり得る。 本項に記載の態様は、 そのことに考 ΐίしたも であり、 本項の 態様によれば、 相対動作不能状態において、 可及的に、 操舵操作の負担を軽減さ せることが可能となる。 本項に関する説明は、 先の態様 説明と重複するため、 ここでは省略する。 '
【0 0 5 8】
( 2 3 ) .,当該車両用ステアリングシステムが、 前記第 1要素と前記第 2要素と 'の相対動作量を検出する相対動作量検出器を備え、
前記制御装置が、 その相対動作量検出器によつて検出された相対動作量に基づ いて、.前記第 3要素動作非禁止状態実現制御を実行するものと.された (21)項また は (22)項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 5 9】
本項の態様は、 例えば、 第 1要素と第 2要素との相対動作量に基づいて、 上記 相対動作不能状態を検知し、.その検知結果に基づいて、 第 3要素動作非禁止状態 実現制御を寒行するような態様とすることができる。 したが'つて、 相対状態不能 状態において、 確実に、 第 3要素の動作が禁止されない状態を実現することが可 : 麁となる。 なお、 本項の説明は、 先に掲げた相对動作量検出器に関する項の説明 と重複するため、 ここでは、 省略する。,
【0 0 6 0】 '
(.2 4 ) 前記制御装置が、 前記第 1要素と前記第 2要素とが相対動作し得ない 相対動作不能状態において、 前記第 3.要素動作禁止装置によって第 3要素の動作 が禁止されている場合に、 その第 3要素動作禁止装置の作動を制御して前記第 3 要素の動作の禁止を解除する第 3要素動作禁止解除制御を実行することで、 前記 第 3要素動作非禁止状態実現制御を実行するものとされた (21)項ないし (23)項の いずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 6 1】
本項の態様は、 簡単に言えば、 例えば、 第 3要素動作禁止制御の実行中に、 相 対動作不能状態に依拠して、 第 3動作の禁止を解除する態様である。 言い換えれ
ば、 可変動作伝達装置の失陥時において、 第 3要素の動作を禁止する状態と、 第 3.要素の動作を許容する状態とを、 選択的に実現可能な態様であり、 例えば、 失 陥の内容に応じて > それら 2つの状態を選択的に実現可能な態様とすることもで きる。 '
【 0 0 6 2】
: ( 2 5 ) 前記制御装置が、 前記第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作 が禁止されている場合において前記第 3要素に設定された大きさを超える動作力 が作用した.ときに、 ' 記第 3要素動作禁止解除制御 実行するものとされた (24) '項に記載の車両用ステアリングシステム。 = '
【 0 0 6 3】
:本項に記載の態様は、 第 3要素動作禁止解除制御を実行する.際の相対動作不能 状態の認定に関する限定を加えだ態様である。 前述したように、 相対動作不能状 態に陥っている状態で、'第.3要素の動作が禁止されれば、 差動機構にデ ドロッ クが生じる。 そして、 その状態において、 例えば操作部材を操作すれば、 第 3要 素に設定された大きさを超える動作力が作用するという現象が発生し得る。'本項 の態様は、 その現象 現れた場合に、 制御装置によって、 第 3要素動作禁止装置 による第 3要素の動作の禁止^解除し、 第 3要素の動作を許容する態様である。 本項の態様によれば、 '可変動作伝達装置が第 3要素動作許容機構を有す δ前述の 態様と同様に、 第 3要素に設定された'大きさを超える動作力が作用した場合に、 第.3要素を動作させることができる。 - 【.0 0 6 4】
( 2 6 )前記第 3要素動作禁止装置が、前記第 3要素に設けられたネ皮係止部と、 前記ハウジングに設けられてその被係止部を係止可能な係止部とを有し、 その係 止部によつて前記被係止部が係止された係止状態において前記第 3要素の動作を 禁止する構造とされるとともに、 前記可変動作伝達装置が、 前記係止状態におい て前記係止部と前記被係止部との間に作用する作用力を検出する作用力検出器を 有し、
前記制御装置が、 その作用力検出器によって検出された作用力が設定された大 きさを超える場合に、 前記第 3要素動作禁止解除制御を実行するものとされた
(24)項または (25)·項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 6 5】
本項に記載の態様は、 第 3要素動作禁止装置を特定めストッパ機構を有するも のに限定するとともに、 .その機構が有する係止部と被係止部との間の作用力に基 づいて、 第 3要素動作禁止解除制御を実行する態様である。 差動機構にデッド口 ックが生じている場合に、 例えば操作部材を操作すれば、 ストッノ機構は比較的 大きな作用力を受けることが予想される。 本項の態様は、 この作用力に基づき相 対動作不能,状態を検知し、 その検知結果に基づいて、 第 3要素動作禁止解除制御 を実行する態様である。 .. '
【0 0 6 6】
. 本項にいう 「作用力」 は、 前述の動作力の一種と考えること,ができ、 例えば、 係止状態における係止部とネ皮係止部との間の作用 '反作用力等が該当する。 した がって、 本項の態様は、 前述の態様、 つまり、 第 3要素に設定された大きさを超 える動作力が作用したときに第 3要素動作禁止解除制御を実行する態様の一態様 と考える.ことができる。 なお、 本項における 「作用力検出器」 は、 その具体的な 構造が特に限定され δものではなく、 例えば、 係止部とネ皮係止部との間、 あるい は、 それらのいずれかに設け,られて、 それら係止部と被係止部との間に作用する 作用力を検出する荷重センサのようなものであってもよい。具体的には、^止部, 被係止部のいずれかに設けられてそのいず かの歪み量を取得する歪みゲージを 有して、 その歪みゲ ジによって取得された歪み量に基づいて上記作用力を検出 する.ように構成することが可能である。
【0 0 6 7】
( 2 7 ) 前記制御装置が、'前記ステアリング操作部材の操作力が設定された大 きさを超えた場合に、 前記第 3要素動作禁止解除制御を実行するものと 'された (24)項ないし (26)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 6 8】
差動機構にデッドロックが生じている状態において操作部材を操作しようとす れば、 操作部材に加えられる操作力は大きなものとなる可能性が高い。 つまり、 本項に記載の態様は、 操作部材の操作力が設定された大きさを超える場合に、 相
' 対動作不能状態に陥ったとみなして第 3要素の動作の禁止を解除し、 第 1要素か' ら第 2要素への動作の伝達を可能する態様である。 なお、 ステアリング操作部材 は第 1要素に連精されており、 操作部材の操作力は、 第 1要素を介して第 3要素 に作用する動作力に関係するものとなる。 したがって、 操作部材の操作力は、 前 述の動作力の一種であると考えることができ、 本項の態様は、 前述の態様、 つま り、第 3要素に設定された大きさを超える動作力が作用したときに第 3要素動作 禁止解除制御を実行する態様の一態様と考えることができる。 '
【0 0 6 9】 '
' . ( 2 8 ) 当該車両用ステアリングシステムが、 '
前記ステアリング操作部材の操作力に応じて弾性的に変形する変形部材と、 そ の'変形部材の変形量を検出するための変形量センサとを有し T、 その変形量セン サによつ.て検出された変形量に基づいて前記ステアリング操作部材の操作カを検 出する操作力検出器を備え、 '
前記制御装置が、 その操作力検出器によって検出された前記ステアリング操作 部材の操作力に基づいて、 記第 3要素動作禁止解除制御を実行するものとされ • た(27).項に記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 7 0】
' ( 2 9 ) 前記操作力検出器が: 前記可変動作伝達装置に設けられた. (28)項に記 . 載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 7 1】
( 3 0 ) 前記変形部材が、 一端部が前記ステアリング操作部材と連結されると ともに他端部が前記第 1要素と連結され、 前記変形量センサが、 前記変形部材の. 一端部と他端部との相対変位量を検出するものである(28)項または (29)項に記載 の車両用ステアリングシステム。
【0 0 7 2】
上記 3つの態様は、 操作部材の操作力を検出するための操作力検出器に関する 態様である。 その操作力検出器は、 助勢制御に関する態様において説明した操作 力検出器と同様のものとすることができる。 したがって、 上記 3つの態様に関す る説明は、 先の説明と重複するため、 ここでは省略する。
【0 0 7 3】
( 3 1 ) 当該車両用ステアリングシステム'が、 前記第 1要素'と前記第 2要素と の相対動作量を検出する相対動作量検出器を備え'、 '
前記制御装置が、 その相対動作量検出器によつて検出された相対動作量に基づ いて、 前記第 3要素動作禁止解除制御を実行するも.のとされた (24)項ないし (30) 項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 7 4】
. 本項に f己載の態様は、 第 3動作禁止解除制御を実行する際に、 前述の相対動作 '量検出器による検出結果を利用する態様である。'ネ目対動作量検出器に関する先の 態様の説明と重複するため、 本項の説明は省略する。 ·
【0 0 7 5】 、 . -
( 3 2 ) 前記第 3要素動作禁止装置が、 '設定範囲内の前記第 3要素の動作を許 容しつつその設定範囲を超える前記第 3要素の動作を禁止するものであり、 その制御装置が、 前記設定範囲内の前記第 3要素の動作が許容された状態にお いて前記第 1要素と前記第 2要素とが相対動作し得ない場合に、 前記第 3要素動 作禁止解除制御を実行するものどされた(31)項に記載の車両用ステアリングシス テム。 . □ ·
【0 0 7 6】
本項に記載の態様は、 第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作が禁止さ れている場合において、 上記相対動作量の検出を可能とす?) めの態様である。 ' 本項の態様では、 第 3要素動作禁止装置は、 第 3要素の動作を完全に禁止するの ではなく、 ある範囲内.の動作が許容される状態で第 3要素の動作を禁止する構造 とされている。 なお、 本項にいう 「設定範囲内」 .は、 例えば、 ガタゃ遊びのよう な小さな範囲とすることが可能である。 本項の態様によれば、 第 3要素動作禁止 装置が機能している状態においても、 上記相対動作量に基づいて相対動作不能状 態である力否かを判定することが可能である。
【0 0 7 7】
( 3 3 )前記第 3要素動作禁止装置が、前記第 3要素に設けられたネ皮係止部と、 前記ハウジングに設けられてそのネ皮係止部を係止する係 t部とを有し、 その係止
部,によって前記被係止部が係止された係止状態において前記第 3要素の動作を禁 止する構造とされるとともに、 前記係止部と前記被係止部との間に遊間が設けら れることによってその遊間に相当する分の前記第 3要素の動作が前記設定範囲内 の動作として許容される構造とされた(32)項に記載の車両用ステアリングシステ ム。
【0 0 7 8】
本項に記載の態様は、 第 3要素動作禁止装置を、 特定のストツバ機構を有する ものに限定.するとと'もに、 上述の設定範囲を、 係止部と被係止部とを係合させた '状態におけるガタゃ遊びに限定した態様である。 本項の態様によれば、 .第 3要素 の比較的微小な動作から、 第 1要素と第 2要素とが相対動作しているか否かを判 定することが可能である。 ' - 【0 0 7 9】
( 4 1 ) 当該車两用ス アリングシステムが、 さらに、 前記第 3要素動作禁止 装置による前記第 3要素の動作の禁止を無効化する第 3要素動作禁止無効化装置 を備えた(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
【0 0 8 0】
本項に記載の態様は、 ここまでに掲げた態様のうちのいくつかを総括する倉、様 ある。 本項にいう '「第 3要素動作禁止無効化 眞」 は、 相対動作不能状態に対 処する手段の総称と考えることもでき、 本項の態様は、 相対動作不能状態に対処 目的とする前述の各態様の上位概念的な態様と考えることができる。 つまり、 第 3要素動作禁止舞効化装置は、 先に述べたように、 第 3要素の動作を許容する 機構を主体として構成され、 第 3要素動作禁止装置によって動作が禁止されたま まの状態において第 3要素の動作を許容するものであってもよく、 また、 第 3要 素動作禁止装置による第 3要素の動作の禁止が実現されないように、 その第 3要 素動作禁止装置を制御するような構成とされてもよい。
【0 0 8 1】
( 4 2 ) 前記可変動作伝達装置が、 前記第 3要素動作禁止装置によって前記第 3要素の動作が禁止された状態においてその第 3要素に設定された大きさを超え る動作力が作用した場合に、 その第 3要素の動作を許容する第 3要素動作許容機
«を有するものとされ、
その第 3要素動作許容機構によつて前記第 3要素動作禁止無効化装置が構成さ ' れた (41)項に記載の車両用ステアリングシステム。 '
【0 0 8 2】
本項に記載の態様は、 前述の第 3要素動作許容機構を有するものであるため、 本態様によれば、 その機構を有する態様に関して説明し 効果と同様の効果が得 られる。 また、 その態様に関連する各々の態様が有する技術的特徴を、 本項の態 様に対し 採用することも可能である。 '
【0 0 8 3】
( 4 3 ) 当該車両用ステアリングシステムが、 自身を制御するた.めの制御装置 を備え、 その制御装置が、 前記第 3要素動作禁止装置の作動を制御して前記第 3 要素の動作を禁止する第 3要素動作禁止制御を実行するものとされており、 前記制御装置が、 前記第 1要素と前記第 2要素とが相対動作し得ない相対動作 不錐状 において、 前記第 3'要素動作禁止装置の作動を制御して前記第 3要素の 動作が禁止されない状態を実現させる第 3要素動作非禁止状態実現制御を実行す. るものとされたことによって、 前記第 3要素動作禁止無効化装置が構成ざれた (41)項または. (42)項に記載の率両用ステアリングシステム。
【0 0 8 4】
本項に記載の態様は、 第 3要素動作禁止装置の制御により、 相対動作不能状態 において、 第 3要素の,動作が禁止されない状態を実現する態様であり、 本態様に よれば、 第 3要素動作非禁止状態実現制御に関して説明した先の各項における効 果と同様の効果が得られる。 また。 その態様に関連する各々の態様が有する技術. 的特徴を、 本項の態様に対して採用するとこも可能である。 図面の簡単な説明
【0 0 8 5】
図 1は、 第 1実施例の車両用ステアリングシステムの全体構成を示す模式図で ある。
図 2は、 図 1に示す可変動作伝達装置である V G R Sァクチユエータを示す断
面図である.。
図 3は、 図 2の V G R Sァクチユエ一タが備える可変動作伝達機構であるハー モ;ックギヤ機構を軸方向の視点において示した模式図である。 . 図 4は、 図 ·2の V G R Sァクチユエータが備える第 3要素動作禁止装置である ロック機構を示す断面図 (図 2における Α— Α断面) である。
. 図 5は、 伝達比制御において、 車両走行速度と可変動作伝達装置に設定されて いる伝達比 の関係を示すグラフである。 - 図 6は、 . 舵カを助勢する助勢制御において設定されている操作トルクと助勢 力との関係を示すグラフである。 · . ·
®7は、 第 1実施例の車両用ステアリングシステムにおいて実行きれる助勢制 御プログラムのフロー.チャートである。 , .
図 8は、 第 1実施例の車両用ステアリングシステムにおいて実行されるァクチ ユエータ制御プログラムのフローチャートであ'る。
図 9は、 第 1実施例の車両用ステアリングシステムが備える制御装置の機能プ ロック囪である。 .
図 1 Qは、.第 2実施例の車両用ステアリングシステムが備える可変動作伝達装 置である V G R Sァクチ エータを示す断面図である。 - ' 図 1 1は、 第 2実施例の車両用ステアリングシステ Λにおいて実行される助勢 力増加制御の概念を示すグラフである。
図 1 2は、 第 2実施例の車両用ステアリングシステムにおいて実行されるァク チュ^ータ制御プログラムのフローチヤ一トである。
図 1 3は、'第 2実施例の車両用ステアリングシステムにおいて実行される助勢 制御プログラムのフローチャートである。
図 1 4は、 第 2実施例の車両用ステアリングシステムが備える制御装置の機能 プロック図である。 発明を実施するための最良の形態
【0 0 8 6】
以下、 請求可能発明のいくつかの実施例おょぴ変形例を、 図を参照しつつ詳し
く説明する。 なお、 請求可能発明は、 下記実施例の他、 前記 〔発明の態様-〕 の項 に記載された態様を始めとして、 当業者の知識に基づいて種々の変更を施した種 々の態様で実施することができる。 ノ
【0 0 8 7】
<第 1実施例〉 .
(A) ステアリングシステムの構成
' 図 1に、 本発明の第 1実施例であるステアリングシステムの全体構成を模式的 に示す。 当該ステアリングシステムは、 いわゆる電動パワーステアリングシステ
' -ムであり; 大きくは、 操作装置 1 0と、 転舵装 ¾ 1 2と、 可変動作伝達装置とし ての V G R Sァクチユエ'ータ 1 4と、制御装置としての電子制御ュニット 1 6 (以 下、 「E C U 1 6」 略す場合がある) とに区分することができ、 それらを構成要 素として含んで構成されている。.'
【0 0 8 8】
操作装置 1 0は、ステアリング操作部材としてのステアリングホイール 2 0と、 ステアリングコラム 2 2 (以下、 単に.「コラム」 2 2と略する場合がある)' .とを 含んで構成されている。 コラム 2 2は、 一端部にステアリングホイ ル 2 0が取 り付けられたステアリングシャフト 2 4 、 ステアリングシャフト 2 4を回転可 能に保持するシャフトハウジングとしてのステアリングチューブ 2 6 (以下、 単 • に 「チューブ 2 6」 と略す場合がある) とを含んで構成されている。 チューブ 2 6がィンストウルメンッパネルのリィンフォースメントに固定されることで、 コ ラム 2 2が車体に固定して設.けられている。 また、 コラム 2 2には、 シャフト 2 4のステア'リングホイール 2 0が放付けられた箇所に、 ステアリングホイール 2 0の操作角を操作部材の操作量として検出する操作角センサ 2 8が設けられてい る。
【0 0 8 9】
転舵装置 1 2は、車体(詳しくは、シャーシ)に固定されたハウジング 3 0と、 ハウジング 3 0に軸方向 (車両の左右方向) に移動可能に設けられた転舵ロッド 3 2とを主体として構成されている。 転舵装置 1 2は、 操作装置 1 0からの操舵 力が入力される入力軸としてのピニオン軸 3 4を有している。 転舵ロッド 3 2に
は、ピニオン軸 3 4に形成されたピニオン 3 6と嚙合するラック 3 8が形成され、 ピニオン軸 '3 4と転舵ロッド 3 2とは、 ラックアンドピニオン機構によつて連結 されている (図 2参照)。 そのような構造によ.り、 転舵装置 1 2は、 ピニオン軸 3 4の回転によって転舵ロッド 3 2が軸方向に移動するようにされている。また、 転舵口ッド 3 2の両端都の各々は、 ポールジョイント 4 0を介して左右のタイ口 ッド 4 2の各々の一端部に連結され、 タイロッド 4 2の各々の他端部は、:ポール ジョイント 4 4を介して、 左右の転舵車輪 4. 6の各々を保持するステアリングナ ックル 4 8の各々が有するナックルアーム部 5 0に違結されている。 さらに、 転 - ¾装置 1 2は、 車輪 4 6の転能に要する転舵力.を ¾勢する助勢機構 5 2_を備えて おり.、 転舵ロッド 3 .2の軸方向の移動が助勢される構造とされている。 図示は省 略するが、 転舵口ッド 3 2にはねじ溝 (雄ねじ)、が形成されており、 また、 転舵 装置 1 2には、 ハウジング 3 0内に、 ベアリングポールを有して転舵口ッド 3 2 のねじ溝に螺合するナットと、 そのナツトを回転させる'電動モータとが けられ ている。 つまり、 助勢機構 5 2は、 それらねじ溝とナットとによって構成される ポールね.じ機構を備え、 電動モータの駆動力'によって、 転舵口ッド 3 2の移動が ■ 助勢される構造とされているのである。 なお、 転舵装置.1 2'には、 転舵ロッド 3 2の移動量を検出する転舵量センサ 5 4力 S設けられている。
【0 0 9 0】
V G R Sァクチユエータ 1 4は、 ステアリングホイール 2 0の回転に応じて回 転するステアリングシャフト 2 4め回転を、 転舵装置 1 2に伝達する機能を有す る装.置である。 図 1に示すように、 V G R Sァクチユエ一タ 1 4は、 自身のハウ ジング 8 0が、 転舵装置 1 2のハウジング 3 0に締結されることで、 転舵装置 1 2に固定して設けられる。 V G R Sァクチユエータ 1 4は入力軸 8 2を備えてお り、 入力軸 8 2のハウジング 8 0から延び出す一端部が、 ユニバーサルジョイン ト 8 4を介してインタミディエイトシャフト 8 6の一端部に連結される。 インタ ミディエイトシャフト 8 6の他端部は、 ユニバーサルジョイント 8 8を介して、 ステアリングシャフト 2 4のステアリングホイール 2 0が取り付けられて.いる端 部とは反対側の端部に連結されている。
【0 0 9 1】
図 2に、 V G R Sァクチユエータ 1 4の断面図を示す。 V G R Sァクチユエ一 タ 1 4は、 ノヽウジング 8 0と、 ハウジング 8 '0に対して回転可能に設けられた入 力軸 8 2と、 ハウジング 8 0に対して回転可能に設けられた出力軸 9 0と、 入力 軸 8 2の回 feを出力軸 9 0に伝達するとともに入力軸 8 2の回転と出力軸 9 0の 回転との比である回転比を変更可能な可変伝達機構 9 2 ,とを含んで構成されてい る。 ハウジング 8 0は、 3つのサブハウジング (上部ハウジング 9 4, 下部ハウ ジング 9 6 , ロック機構部ハウジング 9 8 ) 'が組立てられて構成されている。 下 - 部ハウジン,グ 9 6にはフランジ部 1 0 0が設けられ、 フランジ部 1 0 0には、一 円周上の 4等配の位置に締結穴 1 0 2が穿設されている。 フランジ部 1 0 0は、 そのフランジ面が転舵装置 1 2のハウジング 3 0に設けちれた台座部 1 0 4の台 ' 座面に接する状態で、 台座部 1 0 4に取付られている。 台座部 1 0 4には、 締結 穴 1 0 2に相応する位置に 4つの雌ねじ穴 1 0. 6が設けられており、 締結穴 1 0 2と雌ねじ穴 1 0 6との位置を合わせた状態で、 締結材としてのポルト 1 0 8に より、 フランジ部 1 0 0と台座部 1 0 4とが締結されている。 このようにして V G R Sァクチユエータ 1 4のハウジング 8 0が転舵装置 1 2のハウジング 3 0に • 固定されたことで、 V G R Sァクチユエータ Γ 4は、 転舵装置 1 2に固定され、. ハウジング 8 .0は、 車体に対レて相対回転不能に設けられた状態とされているの である。 ' : · · . ,
【0 0 9 2】
入力軸 8 2は、 上部軸 1 1 0, 下部軸 1 1 2 , トーシヨンパー 1 1 4の 3つが 一体化されたものとして構成されている。 上部軸 1 1 0は、 ハウジング 8 0の上 部から延び出ており、 その延出する部分の外周にはセレーシヨンが形成されてい る。 このセレーシヨンが形成された部分において、 ユニバーサルジョイント 8 4. が接続されており、 操作装置 1 0からの回転が上部軸 1 1 0に入力される。 上部5 軸 1 1 0は、 段付の中空とされており、 大径部とされた下部に下部軸 1 1 2を揷 通させている。 上部軸 1 1 0の大径部の内周面と下部軸 1 1 2の外周面との間に は、 軸受 1 1 6力 S介在させられており、 上部軸 1 1 0と下部軸 1 1 2とは相対回 転可能とされている。 下部軸 1 1 2は、 下部がフランジ部 1 1 8とされ、 また、 上端部に開口して軸方向に延びる有底穴が形成されている。 トーシヨンパー 1 1
4 ,は、 一端部において、 下部軸 1 1 2に設けられた有底穴の底部にセレーシヨン 嵌合され、 また、 他端部において、,上部軸 1 0の上端部にセレーシヨン嵌合さ れている。 このような構成により、 入力軸 8 2.は、 トーシヨンパー 1 1 4の捻り を許容し、 ぞの分だけ自身も捻られるものとされているのである。
5 【 0 0 9 3】
出力軸 9 0は、 それの下部が軸部 1 2 0とされ、 それの上部に、 軸部 1 2 0と 一体的に形成されて軸部 1 2 0より大きな径を有する円環部 1 2 2が設けられて - いる。 入力,軸8 2を構成する下部軸 1 1 2のフランジ部 1 1 8は、 出力軸 9 0の '円環部 1 2 2と軸部 1 2 0とを繋ぐ鰐部に沿って位置しており、 そのフランジ部0 1 1. 8が円環部 1 2 .2に内包される状態とされている。 軸部 1 2 0は、 中空とさ れており、 上部に、 入力軸 8 2を構成する下部軸 1 1 2の下端部を嵌入させてい る。 下部軸 1 1 2の下端部の外周面と軸部 1 2. 0の中空穴の内周面との間には、 ブシュ 1 2 4が介在させられており、 下部軸 1 1 2と軸部 1 2 0とが相対回転可 能とされている。 入力軸 8 2を構成する上部軸 1 1 0は、 その外周において軸受5 1 2 6を介レて上部ハウジング 9 4に回転可能に保持され、 また、 出力軸 9 0の 軸部 1 .2 0が、 その外周において軸受 1 2 8を介して下部ハウジング 9 6に回転 可能に保持されている。 上述のような構造とされていることで、 入力軸 8 2およ. 出力軸 9 0は、 互いに同軸的に配置されると.ともに相対回転可能とされ、 両者 がそれぞれ、 ハウジング 8 0に対して回転可能とされているのである。
0 【0 0 9 4】 '
W 1 2の入力軸であるピニオン軸 3 4は、 ピニオン 3 6より下の部分に おいてプシ 1 3 0を:^してハウジング 3 0に保持され、 また、 ピニオン 3 6よ り上の部分において軸受 1 3 2を介してハウジング 3 0に保持されることで、 ハ ウジング 3 0に対して回転可能に設けられている。ピニオン軸 3 4の上端 には、 5 セレーション外歯 1 3 4が形成され、 一方、 上記出力軸 9 0の軸部 1 2 0の下端 部には、 セ'レーシヨン内歯 1 3 6が形成されており、 V G R Sァクチユエータ 1
- 4が転舵装置 1 2に取付られた状態においては、 出力軸 9 0とピニオン軸 3 4と はセレーシヨン嵌合するようにされている。 このような構造とされることで、 出 力軸 9 0の回転がピ-オン軸 3 4に伝達されるのである。
【0 0 9 5】
•先に説明したように、 転舵口ッド 3 2は、 ハウジング 3 0に軸方向に移動可能 に保持され、 転舵口ッド 3 2に形成されたラック—3 8力 ピニオン軸 3 4のピニ オン 3 6 'と するように配置されている。 この転蛇口ッド 3 2のラック 3 8が 形成された部位の背中側の部分には、 転舵口ッド 3 2をパックァップするための 機構が設けられている。 詳しく言えば、 ハウジング 3 0に設けられた穴には、 転 舵ロッド 3.2をそれの背後から支持する支持部材 1 4 0が配設されており、 .その 穴の端部に..キヤップ 1 4 2が螺合されるとともに、 支持部材 1 4 0とキャップ 1 4 2の間には圧縮コイルスプリング 1 4 4が設けられている。 このような機構に よって、 転舵ロッド 3 2がパックアップされ、 ラック 3 8とピニオン 3 6との適 切な嚙合が担保されている。 、
【0 0 9 6】
'可変伝達機構 9 2は、 ハーモニックギヤ機構を採用する。 このハーモニック.ギ ャ機構の.動力源として、 V G R Sァクチユエータ 1 4には、 モータ 1 5 0 (電動 モータである) が設けられている。 モ タ 1 5 0の出力軸であるモータ軸 1 5 2 は、 .中空とされており.、 入力軸 8 2、 詳しくは下部軸 1 1 2·を自身に揷通させた 状態で配設されている。 モータ軸 1 5 2の内周面と下部軸 1 1 2の外周面との間. ヒは、 軸受 1 5 4, 1 5 6が介在させられており、 モータ軸 1 5 2は、 卞部軸 1 • 1 2に相対回転可能に保持されることで、 ハウジング 8.0に対して回転可能とさ れている。 モータ軸 1, 5 2の外周部には、 周方向に複数の永久磁石 1 5 8が固定' 的に配設されており、それらは、モータ 1 5 0のロータを構成している。一方で、 永久磁石 1 5 8に対向するように、 複数の極体 1 6 0 (コアにコイルが卷回され たもの) 力 ハウジング 8 0の内面に固定的に配設され、 それらの極体 1 6 0の 各々がステータ極とされることで、 それら複数の極体 1 6 0は、 ステータを構成 している。 このような構造とされることで、 モータ 1 5 0は、 いわゆるブラシレ スモータとされているのである。 なお、 モータ軸 1 5 2の回転位置 (回転角度, 回転位相と呼ぶこともできる)、 つまり、 ロータの回転角度位置は、 モータ軸 1 5 2の上端部に付設された付設リング 1 6 2とハウジング 8 0の内面との間に設 けられたレゾルバ 1 6 4によって検出されるようになっており、 モータ 5 0は、
'図示を省略する駆動回路によって、 ロータの回転角度位置に応じて極体 1 6 0へ の通電を切替えるようにして制御駆動される。 また、 モータ 1 5 0の回転速度、 厳密に言えば、,モータ軸 1 5 2の回転速度の制御等も、'このレゾルパ 1 6 4の検 出信号を利用して行われる。
【0 0 9 7】
■ 可変伝達機構 9 2は、 第 1サーキユラスプライン (第 1リングギヤ) としての ステー^ギヤ 1 8 0と、 第 2サーキユラスプライン (第 2リングギヤ) としての ドリプンギャ 1 8 2と、 それらに嚙合するフレタスプラインとしてのフレキシプ ルギヤ 1 8 4と、 フレキシブルギヤ 1 8 4を支持して波動を発生させるウエーブ ジェネレータとしての波動発生器 1 8 6とを含んで構成されている。 図 3に、 軸 方向からみた可変伝達機構 9 2の模式図を示し この図をも参照しつつ、 可変伝 達機構 9 .2の構成および機能を説明すれば、 以下のようである。
【0 0 9 8】
ステ タギヤ 1 8 0は、 内歯が形成されたリングギヤであり、 入力軸 8 2に、 詳しくは、 下部軸 1 1 のフランジ部.1 1 8の外周部に固定されて設けられ、 入 力軸 8 2と相対回転不能とされている。 ドリブンギヤ 1 8 ' 2は、 内歯が形成され たリングギヤであり、 出力軸, 9 0の円環部 1 '2 2の内周部の上方端部に固定され T設けられ、 出力軸 9 0と相対回転不能とされている。. さらに言えば、 ステータ ギヤ 1 8 0とドリプンギャ 1 8 2とば、 同軸的に設けられており、 入力側のギヤ であるステータギヤ: L 8 0が、 ァクチユエータ 1 4における出力側であ る下方に位置し、 出力側のギヤであるドリブンギヤ 1 & 2.が、 V G R Sァクチュ エータ 1 4における入力側である上方に位置することで、 それらは、 あたかも互 いの位置を入れ替えるようにして軸方向に並んで配置されている。 ステータギヤ 1 8 0の歯数とドリブンギヤ 1 8 2の歯数とは、 互いに異なり、 ステータギヤ 1 8 0が 1 0 2歯とされているのに対し、 ドリブンギヤ 1 8 2が 1 0 0歯とされて いる。 フレキシプノレギヤ 1 8 4は、 外歯が形成されたリングギヤであり、 比較的 薄いものとされることで、 可撓生を有している。 フレキシブルギヤ 1 8 4の歯数 は、 ドリブンギヤと同じ 1 0 0歯とされている。 なお、 ステータギヤ 1 8 0を 1 0 0歯とし、 ドリブンギヤ 1 8 2を 1 0 2歯とするようにギヤの歯数を入れ換え
Tもよい。
【0 0 9 9】
波動発生器 1 8 6は、 概して楕円状のカムとして機能するものであり、 概して 楕円板状をなす支持板 1 8 8と、 支持板 1 8 8の外周端に嵌められたベアリング 1 9 0とを含んで構成,されている。 支持板 1 8 8には、 · ,それの中心に軸穴が設け +られており、 その軸穴にモータ軸 1 5 2を嵌入させた状態で、 モータ軸 1 5 2に 相対回転不能に接続されている。 ベアリング 1 9 0は、 自身のインナレー 1 9 2に支持板 1 8 8め外周を嵌入させた状態で、 支持板 1 8 8に装着.されて.いる。
'ベアリング 1 9 0のァウタレース 1 9 .4も、 比較的薄いものとされており、 可撓 性を有している。 フレキシブルギヤ 1 8 4は、 ベアリング 1 9 0の外周に、 ベア リング 1 9 0のァウタ'レース 1 9 4と相対回転不能な状態で装着されている。 フ レキシブルギ 1 8 4は、 波動堯生器 1 8 6によって楕円状に変形させられてお り、 楕円の長軸上おょぴその近傍に位置する 2箇所の部分で、 ステータギヤ 1 8 0 , ドリブンギヤ 1 8 2と嚙合し、 楕円の短軸上およびその周辺に位置する部分 においてはそれらと完全に離れた状態とされている。
. 【0.1 0 0】
モータ軸 1 5 2の回転を禁 itした状態で、 ステ タギヤ 1 8 0を回転させナこ場 合、フレキシブルギ 1 8 4は、ベアリング 1 : 9 0のァ.ウタレース 1 9 4と共に、 ■ 弾性変形を伴って嚙合位置を移動させつつ楕円に沿って周回する。 それにより、 フレキシブルギヤ 1 8 4と嚙合する.ドリブンギヤ 1 8 2も、 ステータギヤ 1 8 Ό と.同方向に回転する。 詳しく言えば、 この場合、 ドリブンギヤ 1 8 2は、 ステー タギヤ 1 8 0に対しで、 それらのギヤ比に応じた回転比 ( 1 0 2 / 1 0 0 ) で回 転する (以下、 この回転比を 「基準回転比」 という場合がある)。
【0 1 0 1】
ここでモータ軸 1 5 2を回転させて波動発生器 1 8 6を回転させる場合を考え る。まず、説明を単純ィ匕するために、ステータギヤ 1 8 0を固定させて考えれば、 波動発生器 1 8 6を回転させた場合、 フレキシブルギヤ 1 8 4は弾性変形し、 嚙 合位置を移動させつつ回転する。 ステータギヤ 1 8 0とドリブンギヤ 1 8 2との 歯数が異なるため、 ステータギヤ 1 8 0とドリブンギヤ 1 8 2との間には、 その
歯数の差分に応じた量の回転角度差 (回転位相差) が生じることになる。 具体的' には、 波動発生器 1 8 6の 1回転あたり 2歯分の回転角度差が生じる。 より詳し く言えば、 図.3において、 波動発生器 1 8 6を時計回りに 1回転させれば、 ドリ プンギャ 1 8 2ば、 ステータギヤ 1 8 0に対して、 2歯分反時計回りに回転する ことになる。 '■
【0 1 0 2】
実際は、ステータギヤ 1 8 0は、 入力軸 έ 2の回転に伴って回転するため、 ス テータギヤ 1 8 0 'と波動発生器 1 8 6との相対回転量により、 ステータギヤ 1 8 ' 0に对するドリブンギヤ 8 2の回転比、 つまり、 可変伝達機構 9 2の伝達比が 決まる。 具 的に言えば、 ステータギヤ 1 8 0の回転方^と波動発生器 1 8 6と .の回転方向が同じであれば、 ドリブンギヤ 1 8 2は、 上記基準回転比に応じた回 転 度以下に減速され、 逆に、 ステータギヤ 1 8 0の回転方向と波動発生器 1 8 . 6との回転方向が反対であれば、 ドリブンギヤ 1 8 2は、 上記基準回転比に応じ た回転速度以上の回転速度に增速される。 この増速, 減速の程度は、 ステータギ ャ 1 8ひの回転速度と、 波動発生器 Γ8 6の回転速度との両者に依存するため、 ■ ステータギヤ 1 8 0の回転速度に関連してモータ 1 5ひの回転速度を変更する'こ とによって、 .伝達比を任意に変更することが可能である。 このようにして、 可変 te達機構 9 2は、 入力軸 8 2の回転を出力軸 9. 0.に伝達するとともに、 入力軸 8 2の回転量に対する出力軸 9 0の回転量の比、 言い換えれば、 入力軸 8 2の回転 速度に対する/ ±}力軸 9 0の回転速度の比である伝達比を変更可能とされているの である。
【0 1 0 3】
以上のような構造から、 可変伝達機構 9 2において、 ハウジング 8 0に回転可 能に設けられた入力軸 8 2の下部軸 1 1 2とその下部軸 8 2に連結されたステー タギヤ 1 8 0とが第 1要素として機能し、 ハウジング 8 0に回転可能に設けられ た出力軸 9 0とその出力軸 9 0に連結されたドリブンギヤ 1 8 2が第 2要素とし て機能する。 また、 ステータギヤ 1 8 0およびドリブンギヤ 1 8 2と嚙合するフ レキシプ/レギヤ 1 8 4 , そのフレキシブルギヤ 1 8 4が装着された波動発生 1 8 6, その波動発生器 1 8 6が接続されたモータ軸 1 5 2等が第 3要素として機
能するのであり、それら 3つの要素を含んで差動機構が構成されているのである。 なお、 先に説明したように、'モータ軸 1 5 2め回転を禁止した状態でのステータ ギヤ 1 8 0とドリブンギヤ 1 8. 2との回転比は.、 上記 ¾準回転比となっており、 その状態、 づまり、'第 3要素の動作が禁止された状態における第 1要素と第 2要 素との相対動作量は、 第 1要素の動作量に拘わらず、 その回転比に対応するもの となる。 ' '
【0 1 0 4】
また、 可変動作伝達装置としての V G R Sァクチユエータ 1 4は、 第 3要素を '構成するモータ軸 1 5 2の回転を禁止可能な第.3要素動作禁止装置としてのモー タ軸回転ロック機構 2 0 0 (以下、単に「ロック機構 2 0 0」 と略す場合がある) を備えている。 そのロック機構 2 0 0について それの断面図 (図 2における A —A断面) である図 4 (ハウジング 9 8内^に収容されている構成要素のみを描 いてある) をも参照しつつ、 説明する。 ロック機構 2 0 0は、 電磁式ソレノイド .2 Q 2を駆動源とするものであり、 そのソレノイド 2 0 2と、 ロック機構部ハウ ジング 9 8の内面に固定して設けられた固定ピン 2 0 4の周りに回動可能なロッ クレバー 2 0 6と、 ータ軸 1 5 2の外周にドレランスリング 2 0 7を介して嵌 められた回転部材としてのロックホルダ 2 0 8とを含んで構成されている。 その レランスリング 2 0 7について詳しく説明すれば、トレランスリング 2 0 7は、 パネとして機能する波形形状をした部分を有する環状の部材を含んで構成されて おり、 モータ軸 1 5 2.に嵌められている。 そして、 トレランスリング 2 0 7は、 その波形形状をした部分の弾性力によって、 トレランスリング 2 0 7の外周に嵌 められた瑋状のロックホルダ 2 0 8を支持している。 また、 トレランスリング 2 0 7は、 通常、 その弾性力によって生じる摩擦力によって、 モータ軸 1 5 2に対 するロックホルダ 2 0 8の回転を禁止している。
【0 1 0 5】
ロックレパー 2 0 6は、 自身の一端部である先端部 2 1 0がロックホルダ 2 0 8に向かう向きに回動するように、 固定ピン 2 0 4を揷通させた状態で配設され たスプリング 2 1 2によって付勢されており、 また、 ロックレパー 2 0 6の他端 部は、 ソレノイド 2 0 2に接続されている。 ソレノイド 2 0 2は、 励磁されるこ
とによって、 ロックレバー 2 0 6を、 それの先端部 2 1 0がロックホルダ 2 0 8 から引き離される向きに回動させる構造とされている。 ロックレバー 2 0 6の先 端部 2 1 0は、.係.止部として機能し、 口ックホ.ルタ 2 0 8の外 に形成された凹 部 2 1 4は、 '被係止部として機能し、 先端部 2 1 0は凹部 2 1 4に係合可能とさ れている。
【0 1 0 6】
ソレノイド 2 0 2が励磁された場合には、 ロックレパー 2 0 6がスプリ グ 2 1 2の付勢力に抗じて回動させられ、 ロックレパー 2 0 6の先端部 2 1 0とロッ 'クホルダ 2 0 8の凹部 2 1 4との係合が解除されて、 モータ軸 1 5 2の回転は許 容される (図 4 (a)参照)。 また、 ソレノイド 2 0 2が消磁された^ こは、 ロッ クレバー 2 0 6がスプリング 2 1 2の付勢力によって、 先端部 2 1 0が凹部 2 1 4と係合することで、 モータ軸 1 5 2の回転が禁止される (図 4 (b)参照)。 モー タ軸 1 5 2の回転が禁止された場合には、 先に説明した基準回転比に応じた回転 伝達が行われる。 · .
【 0 1. 0 7】
上記口ック機構 2 0 0によってモータ軸 1 5 2の回転が禁止されだ状態におい て、モータ軸 1 5 2にそれを回転させようとする動作力が作用する場合を考える。. そのモータ軸 1 5 2 回転させようとする動作力が、 先に述べたトレランスリン グ 2 0 7とロックホルダ 2 0 8との間に生じる摩擦力より大きい場合には、 ロッ ク機構 2 0 0がモータ軸 1 5 2の回転を禁止するように作動している状態であつ' ても.、 モータ軸 1 '5 2の回転は許容されることになる。 このような構造から、 V G R Sァクチユエータ -1 4は、 第 3要素動作禁止装置によって第 3要素の動作が 禁止された状態において、 第 3要素に設定された大きさを超える動作力が作用し た場合に、 その動作力の作用によって第 3要素の動作を許容する第 3要素動作許 容機構を有するものとされているのである。 つまり、 本 V G R Sァクチユエータ 1 4では、 トレランスリング 2 0 7を含んで第 3要素動作許容機構が構成されて いるのである。 また、 本ステアリングシステムは、 V G R Sァクチユエータ 1 4 がその第 3要素動作許容機構を有することで、 第 3要素動作禁止装置による第 3 要素の動作の禁止を無効化する第 3要素動作禁止無効化装置を含むものとされて
いるのである。
【0108】
ちなみに、 口ックレバー 2, 06の先端部 21.0 'には、 '歪みゲージ 216が設け られており、 その歪みゲージ 216は、 ロックレバー 206とロックホルダ 20 8との相互作用によって生じるロックレバー 206の変 量を検出可能とされて レヽる。 そして、 本ステアリングシステムでは、 そのロックレバー 206の変形量 基づき、 ロックレパー 206とロックホルダ 208とが係合状態にある場合に おけるそれらの間に作用する作用力が推定されるのである。 このように、 , VGR ' Sァクチ エータ 14は、 上記モータ軸 1 52を回転させようとする動作力に応 じたロックレパー 2.06'とロックホルダ 208との間に作用する作用力を検出す る作用力検出器を有するものとされているのである。 .
【0109】
さらに、 VGRSァグチユエータ 14は、 先に説明したレゾノレパ 164とは別 に、 2つのレゾルパ 220, 222.を備えている。 ゾルパ 220は、 トーショ ンパー i .14の上端部が嵌合する上部軸 1 10と、 ハウジング 80の内面との間 に設け.られており、 上部軸 110'の回転角度位置を検出する検出器として機能す る。 また、 レゾノレパ 222は > トーションパー 1 14の下端部が 合する下部軸 Ί 12の外周部に固定して設けられた付設リング 224と、 ハウジング 80の内 面との間に設けられており、 下部軸 1 12の回転角度位置を検出するための検出 器として機能する。 2つのレゾルバ.220, 222の検出信号から、 上部軸 11 0と.下部軸 1 12との相対回転変位量を、 上端部と下端部との相対変位量として 検出することが可能であり、本ステア.! ングシステムでは、その相対回転変位量、 つまり、 トーシヨンパー 1 14の捻り変形量に基づいてステアリングホイール 2 0の操作力 (詳しくは操作トルク) が推定される。 このように、 本ステアリング システムは、 上記相対変位量を基準としたステアリングホイール 20の操作力を 検出する操作力検出器を備えるものとされ、 その操作力検出器は、 変形部材とし てのトーションバー 114と、 一端部変位量センサ, 他端部変位量センサとして のレゾルパ 220, 222によつて構成される相対変位量センサとを含んで構成 されている。 言い換えれば、 ステアリングホイール 20と第 1要素を構成するス
テータギヤ 180·との間に配設された変形部材であるトーシヨンパー 114と、' それの捻り変形量を検出する変形量センサと 'を含んで構成され、 VGRSァクチ ユエータ 14內に設けられている。 なお、 ステアリングホイール 20の操作方向 ' も、これらレゾルパ 220, 222の検出信号により推定することが可能である。
【0110】
• 上記レゾルパ 222は、 検出した下部軸 112の回転角度位置に基づいて、 そ の下部軸 112に連結されたステータギヤ 1' 80の回転角.度を検出可能である。 .また、 転 Ιξ,装置 12に設けられた転舵量センサ 54〖ま、 検出された転舵口ッド 3 ' 2の移動量に基づいて、 ピニオン軸 34の回転角度、 つまり、 ドリブンギヤ 1.8 2の回転角度を検出可能である。 したがって、 レゾルパ 2 ·22と転舵釐センサ 5 4との検出信号から、 .ステータギヤ 180とドリ、プンギャ 182との相対回転角 度を、 第 1要素と第 2要素との相対動作量として検出することが可能である。 こ のように、 本ステアリングシステムは、 第 1要素と第 2要素との相対動作量を検 出する相対動作量検出器を備えるものとされているのである。
【01ュ 1】
(Β) ステアリングシステムの制御
以上のような構造とされた本ステアリングシステムは、 ECU 16によつ T制 御される。 ECU16は、 コンピュータを主体とするものであり、'先に逑ベた捧 作角せンサ 28、 転舵量センサ 54、 'レゾ /レバ 164, 220, 222、 歪みゲ ージ 216、 および、 各車輪に設けちれた車輪速センサ 230 (図' 1では、 一方 の車.輪 46に対して設けられたもののみが示されている) 等の各種センサが接続 されている。'また、 E CU16は、 転舵装置 12の助勢機構 52のモータ, VG RSァクチユエータ 14のモータ 150, 口ック機構 200のソレノイド 202 のぞれぞれに対する駆動回路 (ドライバ) を有しており、 ECU16は、 コンビ ユータが、 それらの駆動回路を介して、 助勢機構 52のモータ, モータ 150, ソレノイド 202の作動を制御するように構成されている。
【0112】
i) 基本となる制御 ■ ECU16は、 基本となる制御として、 2つの制御を実行する。 その 1つの制
御は、 前述した V G R Sァクチユエータ 1 4が有する可変伝達機構 9 2に関する 制御 (以下、 「伝達比制御」 という場合があ'る) である。 先に述べたように、 V G R Sァクチユエータ 1 4は、 ステア 'リングシャフト 2 4の回転に对する転舵装 置 1 2のピ^オン軸 3 4の回転量の比、 つまり、 伝達比 γを変更する可変伝達機 構 9 2を有しており、その伝達比 7の制御である伝達比制御を実行する。:具体的 に言えば、 各車輪に設けられた車輸速センサ 2 3 0によって検出された車輪速に 基づいて車両の走行速度 Vを推定し、 その推定された速度 Vに応'じた伝達比 yと なるように、 可変 ^達機構 9 2 (詳しくは、-モータ 1 5 0の回転方向および回転 ' ,速度) を制御するのである。'、
【0 1 1 3】
. より詳しく言えぱ、'伝達比 γは、 図 5に示すように、 車両の走行速度 Vが制御 最ィ氐速度 V M I Nと制御最高速度 V MAXとの間の範囲にある場合において、 走行速度 .が高い程小さくなるように、 言い換えれば、 走行速度 Vが低い程大き'くなるよう に設定されている。また、 fe達比 に対応するモータ軸 1 5 2の回転速度 d φは、. ステータギヤ 1 8 0の回転速度に応じて定まるものであることから、 本伝達比制 ' 御 は、 目標となるモータ軸 1 5 2.の回転速度 d φは、 操作角センサ 2' 8の検出 値 基づいて推定されたステアリングホイール 2 0の回転速度 d δを利用して、 その回転速度 d δを基に、 演算によって決定きれる。 そして、 決定された回転速 度 d φについての指令が駆動回路に発せられる。 駆動回路は、 レゾルパ 1 6 4に よって検出さ たモータ軸 1 5 2の回転角度位置を基に、 モータ軸' 1 5 2が指令 さ.れた回転速度 d φで回転するように、 モータ 1 5 0を制御する。 このような制 御により、.車両走行速度 Vに応じた伝達比 γが実現されるのである。 なお、 本伝 達比制御によれば、 車両が速く走行している場^ iこおいて、 ステアリングホイ一 ル 2 0の操作角 (操作量) に対する転舵,車輪 4 6の転舵角 (転舵量) が小さくさ れることで、 車両の走行安定 1·生が向上させられ、 逆に、 車両が遅く走行している 場合において、 テアリングホイール 2 0の操作角に対する転舵車輪 4 6の転舵角 が大きくされることで、 ステアリング操作の容易性が向上させられる。
【0 1 1 4】
E C U 1 6が実行するもう 1つの基本となる制御は、 前述した転舵装置 1 2の
助勢機構 5 2に関する制御 (以下、 「助勢制御」 と言う場合がある) である。 E C U 1 6は、 レゾルパ 2 2 0, 2 2 2によって検出されるトーシヨンバー 1 1 4 の上端部と下端部との相対回転変位量 Δ て(トーションパー 1 1 4の捻り変形量) に基づいて、 ステアリングホイール 2 0に加えられた操作力としての操作トルク Tを推定し、その推定した操作トルク Tに応じた助勢力 F Aを発生させるように、 助勢機構 5 2を、 詳しくは、 それが有する電動モータに供給される電力 Wを制御 するのである。 操作トルク T若しく相対回転量 Δ τに対する供給電力 W若しくは 助勢力 F Aは、 図 示すように設定されており、 時点での上記回転変位量 Δ '、に応じた供給電力量 Wが決定され、 その供給電; 量 Wについての指令が、 電動 モ タを駆動する駆動回路に発せられ、 駆動回路は、 電動モータに対してその供 給電力量 Wを供給するように作動する。 このような制御によつ,て、 操作トルク Τ に応じた転舵の助勢が行われることになる。 具体的に言えば、 トーシヨンパー 1 . 1 4の捻れが大きくなって上記相対回転変位量 Δ てが大きくなる場合は、 操作ト ルク Τが大きいと推定され、,電動モ タに比較的大ぎな電力 Wが供給されて、 助 勢機構 5 .2による助勢力 F Aが大きくされる。 逆に、 トーシヨンパー 1 1 4の捻 • れが小さく上記相対回転変位量 Δ τが小さ 、場合は、 操作トルク Τが小さいと推 定され、 電動モータに比較的小さな電力 Wが供給されて、 助勢機構 5 2による助 勢力 F Aが小さくされ'る。 ノ ■ . '
【0 1 1 5】
ii) 第 1失陥時制御. '
モ.ータ 1 5 0が第 3要素を構成するモータ軸 1 5 2を回転させることができな い失陥が生じた場合に 、 E C U 1 6によって、 上述の伝達比制御に代えて、 第 1失陥時制御が実行される。 この第 1失陥時制御は、 前記第 3要素動作禁止装置 であるロック機構 2 0 0を作動させ、 詳しくは、 ソレノイド 2 0 2を消磁し、 モ ータ軸 1 5 2をロックすることで第 3要素の回転を禁止する制御、 つまり、 第 3 要素動作禁止制御である。 モータ 1 5 0がモータ軸 1 5 2を回転させることがで きない失陥が生じた場合とは、 具体的には、 例えば、 断線等が原因でモータ軸 1 5 2に駆動力を与えることができない場合や、 モータ 1 5 0が過負荷となり、 保 護回路が作動してモータ 1 5 0が駆動力を発生し得ない状態とされた場合等であ
る。それらの場合、モータ軸 1 5 2の比較的自由な回転が許容さ†Lることになり、 可変伝達機構 9 2においては、 波動発生器 Γ8 6の自由な回転が許容される。 そ のため、 それらの場合には、 ステータギヤ 1 8, 0とドリブンギヤ 1 8 2.との間の 適切な回転伝達が行われなくなる。 本ステアリングシステムでは、 そのような事 態に対処すべく、 第 1失陥時制御が実行される。
【0 1 1 6】 '
具体的に言えば、 E C U 1 6は、 モータ 1 5 0を駆動する駆動回路において、 モータ 1 5., 0への電力供給状態をモニタしており、 そのモニタ結果から、 モータ ' 1 5 0の断,線, モータ 1 5 0の過負荷を判断する。 そして、 断線若しぐは過負荷 と判断した場合に、 ソレノイド 2 0 2への電力供給を停止するのである。 それに より、 モータ軸 1 5 '2の.回転が禁止されることになる。 このような第 1失陥時制 御が実行されることで、 先に述ぺたように、 ドリブンギヤ 1 8 2のステータギヤ 1 8 0に対する回転比が上記基準回転比に固定され、 その回転比に じた固定的 な伝達比 γの下での車輪の転舵が実現される。 .
【0 1 .1 7】
. iii) 第' 2失陥時制御 '
モータ 1 5 0が過負荷となる一因として、 可変伝達機構 9 2の構成要素である: テータギヤ 1 8 0,' ドリブンギヤ 1 8 2,.それらと係合するフレキシブルギヤ 1 8 4および波動発生器 1 8 6があ かも互いに固着されたような状態、 言い換 えれば、 ステータギヤ 1 8 0とドリブンギヤ 1 8 2とが相対回転できない相対回 転.不能状態 (「相対動作不能状態」 の一種である) が考えられる。 例えば、 可変 伝達機構 9 2への異物の嚙み込み等により、 相対回転不能状態を伴う失陥が発生 し得る。 この相対回転不能状態では、 伝達比に応じた回転速度でモータ軸 1 5 2 を回転させようとしても、モータ軸 1 5 2がその回転速度になり得ないことから、 その状態が続けば、 モータ 1 5 0が過負荷となってしまうのである。
【0 1 1 8】
相対回転不能状態を伴う失陥が発生した場合において上記第 1失陥時制御が実 行され、 モータ軸 1 5 2の回転が禁止されれば、 可変伝達機構 9 2がいわゆるデ ッドロックを起こし、 操舵に支障をきたすこととなる。 それに対処するため、 E
C U 1 6は、 第 2失陥時制御を実行する。 この第 2失陥時制翻は、 ロック機構 2 •0 CHこよるモータ軸 1 5 2め回転の禁止を解除する制御、 つまり、 第 3要素動作 禁 :解除制御が実行され、 また、 モータ 1 5 0がモータ軸 1 5 2の回転に対する 抵抗とならないようにする制御が実行される。 具体的に言えば、. ソレノイド 2 0 2に電力が供給される.とともに、 駆動回路によって、 モータ 1 5 0がフ ーな状 態 (以下、 「モータフリー状態」 という場合がある)、 つまり、 モータ 1 5 0が有 する各通電端子と電源との導通が遮断され、 かつ、 备通電端子がオープンな状態 とされる。' これによつて、 モータ 1 5 0には電力が供給されず、 .また、 モータ 1 5 0は、'起電力による力を発生し得ない状態とされる。'
【0 1 1 9】
• E C U 1 6は.、 以下に示す 3つの条件のいずれかを充足する場合に、 第 2失陥 時制御を実行する。 まず 1つめめ条件 (以下、.「第 1条 ί牛」 という場合がある) は、 第 3要素に設定された大きざを超える動作力が作用することである。 具体的 に言えば、 ロック 'レパー 2 0 6が口ックホルダ 2 0 8を係止する状態においてぞ れらの作用 ·反作用によづてそれらの間に生じる力である作用力 A Fが、.設定闘 力 A F .。より大きいことである。 先に述べたように、'本ステアリングシステムで は V G R Sァクチユエータ 1 4が、 作用力検出器としての歪みゲージ 2 1 6を · 有するものとされているた 、 その歪みゲージ.2 1 6の検出信号に基づいて作用 力 A Fが検出される。 その検出された'作用'力 A Fに基づいて、 この第 1条件を充 足する力否かを判定し、 充足した場合に、 以後、 第 1失陥時制辦に代えて、 第 2 ' 失陥.時制御が実行される。 ..
【0 1 2 0】
2つめの条件 (以下、 「第 2条件」 という場合がある) は、 ステアリング操作. 部材の操作力が設定された大きさを超えることである。 可変伝達機構 9 2がデッ ドロックを起こしている場合、 運転者がステアリングホイール 2 0を回転させよ うとした場合には、 ステアリングホイール 2 0に加えられる操作力は、 相当に大 きくなる可能性が高い。 本ステアリングシステムは、 先に述べたように、 ステア リングホイール 2 0とステータギヤ 1 8 0との間に、 2つのレゾルバ 2 2 0, 2 2 2を含んで構成される前述の操作力検出器、 つまり、 トーションパー 1 1 4の
相対回転変位量 Δ'てに基づぐ操作力検出器を備えており、 その検出器の検 m結果 に基づいて、 上記第 2条件の充足が判定される。 具体的言えば、 検出された操作 力である操作トルク τが設定された閾トルク τ。を超えた場合に、 デッ.ドロ ク を起こしてい'る状態であると認定し、 その認定に基づいて、 こ 第 2条件を充足 している力否が判定される。 第 2条件が充足されたと判 された場合に, '第 2失 .陥時制御力 S実行される。 一
【0 1 2 1】 , ' . . 3つめの,条件 (以下、 「第 3条件」 という場合が る) は、 第 1要素と第 2要 "素とが実質的に相対動作し得ないことである。,具体的には、 第 1要素を構成する スデータ.ギヤ 1 8 0の回転量 Δ 0 s (短 、一定時間内における回転糞であり、 回 転速度と考えることも.できる) と、 第 2要素を構成するドリブンギヤ 1 8 2の回 転 * Δ 0。とが、 殆ど一致しているという条件である„ 例えば、 V G R Sァクチ ユエ一タ 1 4に、 単にモータ 1 5 0の断線等に起因する場合には、.ステータギヤ 1 8 0と.ドリプンギャ 1 8 2との回転比は、 基準回転比に応じたものとなるが、 · ' 相対回転不能状態である場合には、 その.回転比は、 常時、.略 1ノ 1となる。'第 3 • 条件は、 そのことを考慮レだ条件である。 なお、 本ステアリ :ングシステムのロッ ク機構 2 0 0は、 ロックレパ一 2 0 6とロックホルダ 2 0 8との間、 詳しくは、 . άックレバー 2 0 6め先端部 2 1 0とロックホルダ 2 0 8の凹部 2' 1 4 の間に • 遊間 2 4 0が設けられており、 その遊'間 2 4 .0に相当する設定範囲内の第 3要素 の回転を許容しつつ第 3要素の回転を禁止するものとされている。 このような構 造か.ら、 本 V G R Sァクチユ^ータ 1.4では、 相対回転不能状態であっても、 遊 間 2 4 0に相当する分の回転から、. ステータギヤ 1 8ひとドリブンギヤ 1 8 2と の回転比が検出可能となっている。
【0 1 2 2】
具体的は、 まず、 ステータギヤ 1 8 0の回転角度を検出可能なレゾノレパ 2 2 2 の検出値に基づいて、 ステータギヤ 1 8 0の回転量 Δ 6 sが認定され、 ドリブン ギヤ 1 8 2の回転角度を検出可能な転舵量センサ 5 4の検出値に基づいて、 ドリ プンギャ 1 8 .2の回転量 Δ 0。が認定される。 そして、 ステータギヤ 1 8 0の回 転量 Δ Θ sが 0でないことを前提として、 ステータギヤ 1 8 0の回転量厶 0 Sとド
'リブンギヤ 1 8 2の回転量 Δ Θ。との差が、 設定閾値 Δ Θ 0 (極めて 0に近い値に 設定されている) より小さいか否がが判断きれる。 回転量の差が設定閾.値 Δ Θ。 よ.り小さレ、場合に、 上記第 3.条件が充足したと判断されて、 第 2失陥時制御が実 行される。 '、 ノ .
【0 1 2 3】 - ;
以上のように、 E C U 1 6は、 筹 1失陥時制御が実行された場合に、 (A)ロッ ク機構の係 部と被係止部との間の作用力がに設定された大きさを超えたか、 (B)ステア.,リング操作部材の操作力が設定された大 ^さを超えたか、 (C)第 1要 • '素と第 2要素とが実質的に相対動作し得ないかを判定することで、 その失陥が相 対回転不能状態に寧因するものか否かを判定するもめとされているのである。 つ まり、 上述した.3つめ条件のうち少なくとも 1つでも該当する場合には、 相対回 転不能状態に っていると判定し、 E C U 1 6.は、 第 2失陥時制御を実行するの である。 なお、 上記第 1条件, 第 2条件による判定は、 いずれも、,第 3要素に作 用する動作力が設定された大きさを超えたかについての判定とみなすことができ' る。 : '■
【 0ュ 2 4】
- 上述したような第 2失陥時制御により、 V G R Sァクチユエータ 1 4において · ほ、 入力軸 8 2と出力軸 9 0とがあたかも一体'.となった状態でのそ.れらの回転が ノ 許容され、 適切な操舵が可能となる。 また、 その状態に.おいて、:モータ 1 5 0に 過負荷が加わることをも回避可能である。 また、 第 2失陥時制得では、 第 3要素 動作禁止装置を制御することで、 その装置による第 3要素の動作の禁止が解除ざ れる。 したがって、 制御.装置である E C U 1 6が、 この第 2失陥時制御、 詳しく は、第 3要素動作禁止解除制御を実行するように構成とされていることによって、. 本ステアリングシステムは、 第 3要素動作禁止無効化装置を有するものとされて いるのである。 なお、 第 2失陥時制御の開始の条件が、 上述のように 3つ存在す ることから、 本ステアリングシステムは、 3種の第 3要素動作禁止無効化装置を 備えていると考えることができる。 また、 第 3要素動作禁止解除制御は、 第 3要 素の動作が禁止されない状態を実現する制御であり、 その意味において、 第 3要 素動作非禁止状態実現制御の一種となっている。
【0 1 2 5】
iv) 第 2失陥時制御に関ずる変形例
なお、 上述した第 2失陥時制御は、 一旦、 第 3 ¾素»作禁止装置によって第 3 要素の動作が禁止された後にその禁止を解除することで、 第 3要素動作禁止装置 による第 3要素の動作を禁止しない状態とする制御であ 。 そのような態様の制 御に代えて、相対回転不能状態において、 直接的に、 第 2失陥時制御が実行され るような態舉の制御とすることも可能である。 例えば、 先に述べた第 3条件に関 する判定は つまり'、 第 1要素と第 2要素とが実質 に相対動作し得るか否かの 判定は、 ロック機構 2 .0 0を作動させる前であっても行い得る。 先に説明したよ うに.、,相対回転不能状態である,場合には、 ステータギヤ 1 '8 0とドリブンギヤ 1 8 2との回転比は、 常時、 略 l Z lとなるからである。 そこで、 通常状態におい て、 '常に、 上記第 3条件に関する'判定を行い、'第 3条件を充足した場合に、 第 2 失陥時制御を実行するような制御態様を採用す'ることも可能である。'つまり、 こ , のような制御態様によっても、 第.3'要素動作非禁止状態実現制御を実行すること ができるのである。 . — . '
.【0ュ 2 6】
なお、 通常状態からの第 2失陥時制御の開始にあたっては、 上述した伝達比制 御の実行を禁止じ、 ΐータ 1 5 0を前述のブリー^態として、 第 3要素のモータ '軸 1 5 2め駆動を禁止すればよい。 しかし、 モータ軸 1 5 2の回転は禁止されて い.ないため、 口ック锋構 2 0 0の作動に関する制御を実行する必要はなレ、。 ちな み 、 通常状態においては、 伝達比制御が実行されており、 ある車両走行速度 V において、 その制御によってステータギヤ 1 8 0とドリブンギヤ 1 8 2との回転 比が 1 Z 1とされる場合がある。 そこで、 相対回転不能状態の認定の確実ィヒに鑑. みれば、 車両走行速度 Vが変化していることを前提として, 上記第 3条件に関す る判定を行うことが望ましい。
【0 1 2 7】
V) 第 3要素動作許容機構と第 2失陥時制御との関係
本ステアリングシステムは、 V G R Sァクチユエータ 1 4が、 先に説明した第 3要素動作許容機構を有することで、 第 2欠陥時制御による第 3要素動作禁止無
¾|化装置とは別の'第 3要素動作禁止無効化装置を有するものとされている。 その 第 3要素動作許容機構は、 先に説明したょゔに、 モータ軸 1 5 2に作用する動作' 力がトレランスリング 2 0 7による摩擦力より,大きい 合に、 モータ軸 1 5 2の 口ックホルダ 2 0 8に対する回転を許容する機能を有している。.その動作力は、 - ステアリングホイール, 2 0に加えられた操作力や、 転舵 置 1 2力らの逆入力に 起因し、 ステータギヤ 1 8 0, ドリブンギヤ 1 8 2等を介してモータ軸 1 5 2に .作用する力である。 第 3要素動作許容機構は、 ロック機構 2 0 0によってモータ 軸 1 5 2の,回転が禁止されている場合であっても、 そのような勲作力の作用によ 'つてモータ軸 1 5 2の回転を許容するものとされているのである。
【0 1 2 8】 .
' 上述のことに.鑑みれば、 第 3要素動作許容機構と、.第 2失陥時制御とは、 モー タ軸 1 5 .2の til転め許容という機能において共通しており、 本ステアリングシス テムでは、第 3要素動作禁止無効化装置が、冗長的に設けられていることになる。 'ちなみに、 'トレランスリング 2 0 7による摩擦力に打ち勝つ動作力.は、 先に述べ' た第 1条件の判定における設定作用力, .第 2条件の判定における設定操作力に対. 応する動作力より大きくされており、'概ね、 第 3要素動作許容機構によるモータ 軸 1 5 2の回転の許容に先立 て、 第 2失陥時制御が開始されるようになってい 。 したがって、本ス^アリングシステムにおいては、第 3要素 ¾作許容機構は、 + フェールセーフ等の観点に基づいて設'けられたパックアップ的な第 3要素動作禁 止無効化装置とされているのである。 なお、 逆に、 第 3要素動作許容機構による' モータ軸 1 '5 2の HI転の許容に先立って第 2失陥時制御力 S実行されるようにして もよく、 それらが、 略同時に行われるようにしてもよい。 また、 本ステアリング システムは、 第 3要素動作許容機構を設けないように変更することもでき、 筹 2, 失陥時制御が実行されないように変更することも可能である。
【0 1 2 9】
vi) 制御のフロー - 本ステアリングシステムにおいて E C U 1 6によって実行される助勢制御プロ グラムのフローチャートを、 図 7に、 ァクチエータ制御プログラムのフローチヤ ートを、 図 8に、 それぞれ示す。 それらのプログラムは、 極短い時間間隔 (例え
ば、 数 m sec〜数十 m sec) をおいて繰り返し実行される。 以下、 それらのフロ 一チャートに沿って、 先に説明した助勢制御のフローと、 伝達比制御, 第 1失陥 時制御,'第 2失陥時制御を含んだァクチユエ一ダ制御のフローを説明する。 . 【0 1 3 0】
図 7に示すように、 転舵装置 1 2の助勢機構 5 2によ,る助勢力を制御する助勢 制御では、 ステップ · 1 (以下 「 S 1」. と略す場合がある。 他のステツプも同様で ある) において、 レゾルパ 2 2 0 , 2 2 2によって検出されるト一シヨンバー 1 . 1 .4の上竭部と下端部との相対回転変位量 Δ τが取 され、 続く S 2におレ、て、 'その相対回転変位量 Δてに基づいて、 助勢機構 5 2が有する電動モータへの供給 電力量 Wが決定され. 。 次いで、 S 3において、 その供給電力量 W についての 指令が駆動回路に発せられる。 このような制御によって、 本ステアリングシステ ムでは、 常時、 ステアリングホイール 2 0に加えられた操作力に応じた車輪転舵 についての助勢が行われる。
. · 【0 1 3 1 ]
図 8に示すように、 ァクチユエータの制御では、 朱陥フラグ Fが用いられる。 • 失陥フラグ Fは、 初期値が 0に設定されており'、 モータ 1 5' 0が断線あるいは過 負荷に陥った場合に、 その値 1とされ、 先に説明した相対回転不能状態となつ た場合に、 その値が 2とされるフラグである。.
【0 1 3 2】
S 1 3および S 1 4で、 モータ 1 5 0の断線, 過負荷が判断きれ、 断線, 過負 荷の.いずれでもない場合は、 S 1 5〜S 1 9の伝達比制御が実行される。つまり、 _ 車両走行琿度 Vが推定され、.その車両走行速度 Vを基に、 図 5に示すマップを参. • 照して伝達比 γが特定される。 次いで、 ステアリングホイールの回転速度 d δが 推定され、 その回転速度 d δと特定された伝達比 γとに基づき、 モータ軸 1 5 2 の回転させるべき速度 Δ φが決定され、 その決定された回転速度 Δ φについての 指令が、 モータ 1 5 0の駆動回路に発令される。
【0 1 3 3】 '
モータ 1 5 0が断線、 あるいは、 過負荷に陥っている場合には、 S 2 0におい て、 ロック機構 2 0 0が作動させられて、 モータ軸 1 5 2がロックされる。 つま
' り、 第 1失陥時制御の実行力 S開始され、 モータ軸 152の回転が禁止される。 第 1失陥時制御の開始に伴って、 S 21において、 失陥時フラグが 1とされる。
.【0134】 .
失陥時フラグが 1とされた後、 S 22〜 S 25の判定が実行される。 S.22の 判定は、 先に説明した.第 1条件についての判定であり、 ロックレバー 206とロ ックホルダ 208との間に生じる力である作用力 A Fが、 設定閾カ A F。より大 きいか否かが判断される。 S 23の判定は、 第 2条件についての判定であり、 操 作トルク Tが設定された閾トルク T。を超えている力否かが判断される„ S.24, :· S 25は、 第 3条件についての判定であり、 ステ'ータギヤ 180が回転 Lている ことを前提として、ステータギヤ 180の回転量 Δ Θ sとドリプン.ギヤ 182の 回転量 。との差が、 設定閾値 Δ 0。より小さいか否がが判断される。 それら第 1条件ないし第 3条件のいずれかが充足された場合に、 S 26において、 ロック 機構 200が作動させられてモータ軸 152のロックが解除されるとと.もに、 駆 動回路によって、 先に説明したモータフリー状態が実現される。 つまり、 第 2失 陥時制御の実行が開始される。 第 2失陥時制御の開始にともなつて、 S 27にお いて、 陥時フラグが 2とされる。 '
【0135】
' ー且、 第 1失陥時制御が開始された場合には、 S 12の判定によって、 モータ . 軸 152のロックが維持された状態において、 上述の第 1条件ないし第 3条件の 判定が繰.り返され、 また、 一旦、 第.2失陥時制御が開始された場合には、 S 11' の判.定によって、 モータ軸 1..52のロックが解除された状態おょぴモータフリー 状態が維持される。 .
【0136】
vii) 制御装置の機能構成
ECU16は、 上記助勢制御プログラムおよびァクチユエータ制御プログラム に従う処理を実行すること力 ら、 図 9に示すような機能構成を有していると考え ることができる。 詳しく言えば、 ECU16は、 上記助勢制御プログラムに従う 処理を実行する助勢制御部 B 1と、 上記ァクチユエータ制御プログラムに従う処 理を実行する可変動作伝達装置制御部としてのァクチユエータ制御部 B 2とを有
'している。
【0 1 3 7】
ァクチユエータ制御部 B 2.は、 詳しく言えば、 ァクチゴエータ制御プログラム の S 1 5〜 1' 9に従う処理を^^する機能部として、 伝達比制御部 B 2 1を、 S 1 3または S 1 4の判定に応じて S 2 0に従う処理を実行する機能部とレて、 第 1失陥時制御部 B 2 '2を、 S 2 2ないし S 2 5いずれかの判定に応じて S 2 6に 従う処理を率行する機能部として、 第 2失陥時制御部 B 2 3を有している。.第 1 .失陥時制御,部 B 2 2'は、 特定の状況下で、 第 3要素としてのモータ軸 1 5 .2の回 転もロッタ機構 2 0 0によって禁止させる機能部であり、 第 3要素動作禁止制御 部と考えることができ、 また、 第 2失陥時制 部 B 2 3は、 モータ軸 1 5 2の回 転が禁止されて.いる状態において、 口ック機構 2 0 0の作動を制御してその回転 の禁止を解除きせることにより、 モータ軸 1 5. 2の回転を許容する制御を実行す る機能部であり、 第 3要素動作禁止解除制御部と考えることができ、 また、 第 3 , +要素の動作が禁止されない状態を実現する機能部である第 3要素'動作非禁止状態' ノ 実現制御部の一種と考えることができる。
【 0 .1 3 8】 . さらに詳しく言えば、 第 2失陥時制御部 B 2 3は、 3つの機能部を含んで構成 きれているといえる。'その 1つは、 S 2 2の判定に基づくモータ軸 1 5 2の回転 禁止の解除、 つまり、 ロック機構 2 0 0における作用力が設定された大きさを超 える場合にモータ軸 1. 5 2の回転禁止を解除する制御を実行する作用力依拠解除 制御部 B 2 3 1であり、 別の 1つは、 S 2 3の判定 基づく解除、 つまり.、 ステ ァリングホイール 2 0に加わる操作力が設定された大ぎさを超えた場合にモータ. 軸 1 5 2の回転禁止を解除する制御を実行する操作力依拠解除制御部 B 2 3 2で. ある。 そして、 さらに別の 1つは、 S 2 5の判定に基づく解除、 つまり、 第 1要 素であるステータギヤ 1 8 0と第 2要素であるドリブンギヤ 1 8 2が実質的に相 対動作不能となった場合にモータ軸 1 5 2の回転禁止を解除する制御を実行する 相対動作依拠解除制御部 B 2 3 3である。
[ 0 1 3 9】
<第 2実施例〉
' , (A) ステアリングシステムの構成
図 10に第 2実施例のステアリングシステムが備える可変動作伝達装置として の VGR Sァクチユエータの断面図を示す。 その VGRSァクチユエータ 250 は、 第 1'実施例のシステムが備える VGRSァクチユエータ 14と同様、 転舵装 . 置 12に固定されて設けられる。 本ステアリングシステムの全体構成は、 図 1に : すものと同様であ'るため、 それについての説明は省略する。 また、 · VGRSァ クチユエー 250は、 先の VGRSァクチユエ一タ 14と.同様; あるいは類似 …の構成要 を含んで構成されているため、 それらについては、 同じ符号を用いる ' 'ものとし、' それらについての説明は、 簡略に行う。 . ■
ί 0140】
: V.GRSァクチユエータ 250は、 第 1実施例における VGR Sァクチユエ一 タ: 14と同様に、 ウジング 252と、 入力軸 254と、 出力軸 256と、 可変 伝達機構 92とを含んで構成されている。 ハウジング 252は、 3つのサブハウ ジング (上部ハゥ'ジング 260 , 下部ハウジング 262 , 口ック機構部ハゥジン グ 264) を含んで構成されている。 上部ハウジング 2.60と下部ハウジング 2 . ■ 62とは、 蒒結材とレてのポルト 266によづて締結されており、 それらは容易 に分離可能ときれている。 下部ハウジング 262は、 転舵装置 12のハウジング - 30と、 容易には分籬できない程度に一体ィ匕されている。 見方を変えれば、 下部 . ハウジング 262は、 転舵装置 12のハウジング 30の一部.と考えることもでき る。 つまり、 VGRSァクチユエ一タ 250は、 ハウジング 252.が、 転舵装置 12.のハウジンダ 30と一体化された態様のものであるといえる。 上記樗造によ り、 · VGRSァクチユエータ 250は転舵装置 12に固定され、 ハウジング 25 2は、 車体に対して相対回転不能に設けられた状態とされるのである。
【0141】
入力軸 254は、 下端部から軸方向における上方に延びる有底穴 270が形成 された段付の軸部 272と、 軸部 272と一体的に軸部 272の下端部に形成さ れたフランジ部 274とを有する形状とされている。 入力軸 254は、 ハウジン グ 252の上部から延出しており、 その延出する部分の外周にはセレーシヨンが 形成されている。 このセレーシヨンが形成された部分において、 ユニバーサルジ
ョイント 8 4が接続され、 入力軸 2 5 4には、 操作装置 1 0力 らの回転が入力さ れる。
【0 1 4 2】
出力軸 2 5 6は、'上方に位置する主体的な軸としての主軸 2 8. 0と、 下方に位 置する転舵装置 1 2の入力軸を兼ねるピニオン軸 2 8 2 ,と、 主軸 2 8 0とピニォ ン軸 2 8 2とを繋ぐ 'トーションパー 2 8 4とが一体化されたものとして構成され " いる。 主 ¾ 2 8 0は、 中空とされており、 '軸方向の中間部には、'軸直方向に拡 .がる鍔部 2 ,8 6と、鍔 2 8 6の外周において軸方向に延びる円環部 2 8 8と力 一体的に形成されている。 ピニオン軸 2 8 2は、 その上部に、 上端部から軸方向 に延びる有底穴が形成され、 軸方向における中間部に、 ピ オン 3 6が形成され ものとなっている。 .主軸 2 8 0の下端部は、 ピニオン軸 2 8 , 2の有底穴にプシ ュ 2 9 0を介して揷入されており'、 主軸 2 8 0.とピニオン軸 2 8 2とは相対回転 可能とさ.れている。 主軸 2 8 0の内部に、 トーションパー 2 8 4が酉己置されてい る。. トーシヨンパ" 2 8 4は、 その上端部が、 主軸 2 8 0の上端部.にピン 2 9 2 によって固定されており、 トーシヨンパー 2 8 4と主軸 2 .8 0とは相対回転不能 とされている。 また、.トーシヨンパー 2 8 4は、 ピニオ 軸 2 8 2の有底穴の底 部にセレーシヨン嵌合されており、 トーシヨンパニ 2 8 4とピニオン軸 2 8 '2と 相対回転不能とされている。 このような構造により、 出力軸 2 5 6は、. トーシ + ヨンパー 2 8 4の捻りを許容し、 その 自身も捻られるようにされているのであ る。 ' ' ' ' ■ '
【.0 1 4 3】
入力軸 2 5 4の有底穴 2 7 0には、 出力軸 2 5 6を構成する主軸 2 8 0の上部 が揷通させられ、 有底穴 2 7 0の内周面と主軸 2 8 0の上部の外周面との間には. 軸受 3 0 0が介在させられていることで、 入力軸 2 5 4と主軸 2 8 0とは相対回 転可能とされている。 入力軸 2 5 4は、 上部ハウジング 2 6 0の内面に、 軸受 3 0 2を介して回転可能に保持されている。 また、 出力軸 2 5 6を構成するピニォ ン軸 2 8 2は、 中間部が下部ハウジング 2 6 2と転舵装置のハウジング 3 0との 両者に軸受 3 0 4を介して保持されるとともに、 下端部がブシュ 3 0 6を介して ハウジング 3 0に保持されることで、 下部ハウジング 2 6 2およびハウジング 3
.0に回転可能に保持されている。'上述のような構造とされてい ことで、 入力軸 2 ' 5' 4と出力軸 2 5 6は、 同軸的に配置されるどともに互いに相対回転可能とさ れ、両者がそれぞれ、ハウジング 2 5 2に対して回転可能とされているのである。 ピニオン軸 2' 8 2を含む転舵装置 1 2の構成については、 第 1卖施例のものと同 様であるため、 説明を省略する。 ' , '
: 【0 1 4 4】 '
' 可変伝達 構 9 2は、 第 1実施例のものと同様に ーモニ.ックギヤ機構を揉用 し、 V G R Sァクヂユエータ 2 5 0には、ハーモニッ ギヤ機構の動力源として、 'モータ 1 5 0が設けられている。モータ 1 5 0の出力軸であるモータ軸 1 5 2は、 中空とざれており、 入力軸 2 5 4および出力軸 2 5 6を自身に揷通,させた状態で 配設されている。 詳しく言えば、 モータ軸 1 5 2は、 軸受 3 2, 0およぴプシュ 3 2 2を介.して、 入力軸 2 5 4に回転可能に保持されでいることで、 ハウジング 2 5 2に対して回転可能とされている。 第 1実施例のものと同様に、. モータ軸 1 5 2の外周部にはロータを構成する永久磁石 1 5 8が、'ハウジング 2 5 2の内面に · はステータを構成する極体 1 6 0が、 それぞれ配設,され、 モータ 1 5 0は、'いわ るプ.ラシレスモータとされている。 また、 第 1実施例のものと同様、 モータ軸 1· 5 2の回転位置は、 レゾルパ 1 6 4によって検出され、 極体 1 6 0への通電の 切替制御、 モータ 1 S 0の回転速度の制御等に利用される。 '
【0 1 4 5】
:可変伝達機構 9 2は、 第 1実施例のものと同様、 ステ タギヤ 1 '8 0と、 ドリ' ブン.ギヤ 1 8 2と、 フレキシブルギヤ 1 8 4と、 波動発生器 1 8 とを含んで構 成されている。 ちなみに、 ステー ギヤ 1 8 0は、 入力軸 2 5 4のフランジ部 2 7 4の外周部に固定され、 ドリブンギヤ 1 8 2は、 出力軸 2 5 6を構成する主 # 2 8 0の円環部 2 8 8に固定されている。 このような構造から、 本可変伝達機構 9 2においては、 ハウジング 2 5 2に回転可能に設けられた入力軸 2 5 4とその 入力軸 2 5 4に連結されたステータギヤ 1 8 0とが第 1要素として機能し、 ハウ ジング 2 5 2に回転可能に設けられた出力軸 2 5 6の主軸 2 8 0とその主軸 2 8 0に連結されたドリブンギヤ 1 8 2とが第 2要素として機能する。 可変伝達機構 9 2の他の部分の構成, 動作, 機能等は、 第 1実施例のものと同様であるため、
ここでの説明は省略する。 また、— V G R Sァクチユエータ 2 5 0も、 第 3要素動 作禁止装置としてのモータ軸回転ロック機構 2 0 0を備えるとともに、 トレラン スリング 2 0 7をiえている.。 つまり、 口ック.機構 2 0 0によってモータ軸 1. 5 2の回転が禁止されてる場合であってもその回転を許容する第 3.要素動作許容機 構を備え、 その第 3動作許容機構を含んで構成される第, 3要素動作禁止無効ィ匕装 '.置を備えるもの なっている。 それらロック機構 2 0 0および.トレランスリング 2 0 7の 造も、 第 1実施例のものと同様であるため、 説明を省略する。
【0 1 4 6】 '
. VG R Sァクチユエータ 2 5 0は、 先に説明したレゾルパ 1 6 4とは別に、 3 つのレゾルパ 3 3 0 , 3 3 2 , 3 3 4を備えている。 レゾルバ 3 3 .0は、 入力軸 2 5 4とハウジング 2. 5 2の内面との間に設けられおり、 入力軸 2 5 4の回転角 度位置を検出可能とざれている。 'また、 'レゾルバ 3 3 2は、 出力軸 2 5 6を構成 する主軸 2 8: 0の下部とハウジング 2 5 2の內面との間に、 レゾルバ · 3 3 4は、 出力軸 2 5 6を構成する t二オン軸 2 8 2とハウジング 2 5 2の内面との間に設 '· けられ、.それぞれ、 主軸 2 8 0、 ピニオン軸 2 8 2の回転角度位置を検出可能と • されている。 レゾルバ 3 3 2とレゾルバ 3 3 4·の検出信号から、 主軸 2 8 0とピ 二オン軸 2 8 2との相対回転 位量を検出することが可能であり、 その相対回転 •変位量に基づいてステアリングホイール 2 0の操作力を検出する操作カ換出器と . して機能するものとなっている。つまり、本 V G R Sァクチユエータ 2 5 0では、 自身の内部に操作力検出器を備え、 その検出器は、 転舵装置 1 2と第 2要素を構 成するドリブンギヤ 1 8 2と CO間に酉己設された変形部材であるトーションパー 2 8 4と、 それの捻り'変形量を検出する変形量センサとを含んで構成されているの である。 ' - 【0 1 4 7】
また、 レゾルバ 3 3 0とレゾルバ 3 3 2の検出信号、 あるいは、 レゾルバ 3 3 0とレゾルパ 3 3 4の検出信号から、 入力軸 2 5 4の回転角度とピニオン軸 2 8 2の回転角度との差分,比を検出することができる。それらによる検出の結果は、 第 1実施例の場合と同様、 助勢力, 波動発生器 1 8 6の回転方向の決定に利用さ れるとともに、 入力軸 2 5 4と出力軸 2 5 6の回転比の制御に利用される。 さら
' 、 レゾルバ 3 3 0の検出信号とレゾルパ 3 3 2の検出信号とから、 ステータギ ャ 1 8 0とドリブンギヤ Γδ 2との相対回転角度を、 第 1要素と第 2要素との相 対動作量として検出することが可能であり、 本ステアリングシ テムは、.第 1要 ■ 素と第 2要素との相対動作量を検出する相対動作量検出器を備えるものとされて · いるのである。 ' · ', '
【0 1 4 8】 '
(Β ) ステアリングシステムの制御 . : ' 本実施^のステナリングシステムの制御は、 通常状態, 失陥時の.いずれの制御 " も、'上記第 1実施例のものと、 概ね同様とされているため、 異なる部分について のみ説明する。 . · ·
: 【0 1 4 9】 、
■ 第 1実施例'における V G R S Tクチユエータ 1 4では、 トー、ンヨン'パー 1 1 4 は、 入力軸 8 2に設けられている。 それに対して、.本実施例における V G R Sァ. クチユエ"タ 2 5 0では、. トー ョンパー 2 8 4は、 '出力軸 2 5 6に設けられて いる。 つまり、.操作力検出器が、 出力軸 2 5 6に対応して設けられているのであ, . る。.し.たがって、 '相対回転不能状態であって、 かつ、 口,ック機構 2 0 0によって モータ軸 1 5 2の回転が禁止,ざれた状態、 つまり、:' 可変伝達機構 9 2にデッド口 ックが生じている状愈において、 ステアリングホイール 2 0に大きな操作力が加 ' ■ わつ としても、 トーシヨンパー 1 1 4が捻られない。 そのため、 上述の操作力 ' 検出器では、 その操作力を検出できない。 このことに鑑み、 本実施例のステアリ' ング.システムの制御では、 前述した第 2条件についての判定 (図 8のフローチヤ ートの S 2 3 ) は行われず、 また、 その判定に基づく第 2失陥時制御の実行はネ f . われないようにされている。 そのことから、 先の実施例のシステムにおいて E C U 1 6が有していた機能部である操作力依拠解除制御部 B 2 3 2 (図 9参照)は、 本実施例のステアリングシステムにおいては、 存在していない。
【0 1 5 0】
また、 本実施例のステアリングシステムの制御において前述の第 3条件につい ての判定を行う際には、 レゾルバ 3 3 0の検出値に基づいてステータギヤ 1 8 0 の回転量 Δ Θ sの認定が行われ、 レゾルバ 3 3 2の検出値に基づいて、 ドリプン
キ:ャ 1 8 2の回転量 Δ Θ Dの認定が行われる。
. 【0 1 5 1】
く第 3実施例〉.
第 3実施例のステアリングシステムは、 第 2実施例のステアリングシステムと 同じ構成のシステムとされている。 それに対して、制御,に関して言えば、 V G R Sァクチユエータ 2' 5 0に関する制御と、 転舵装置 1 2の助勢機構 5 2に関する , 制御との両者において異なる。 '
【0 1 5 2】 : .
" , V G R Sァクチユエータ 2 5 0に関する制御について言えば、 前述した第 1失 陥時制御、 つまり モータ 1 5 0の断線, 過負荷に対処するための.制御は、 第 2 実施例,第 1実施例の場令と同様に実行されるものの、第 2失陥時制御、つまり、 固着等によってステータギヤ 1 8 0どドリブンギヤ 1 8 2とが相対回転不能状態 に陥った場合の制御が異なる。 本実施例では、 '第 1失陥時制御を経て、 第 2失陥 時制御が実行されるだけでなく、 目対回転不能状態であると認定された場合には、 第 1失陥時制御を経ずして、.第 2失陥時制御が実行されるようにもなつている。
【0 .1 5 3】 . ·
第 2失陥時制御の内容を詳,しく説明すれば、 第 1失陥時制御が実行された後に 2失陥時制御が実行される場合には、 第 1失陥時制御において行われたモータ 軸 1 5 2のロックは解除されず、 単に、 モ タ 1 5 0が前 ¾βのモータフリー状態 'と.される。 また、 '第 1.失陥時制御が実行されずに、 第 2失陥時制御が実行される 場合には、 モータフリー状態,とするとともに、 モータ 1 5 0の過負荷を禾然に防 止する等の目的から、 ロック機構 2 0 0によって、 モータ軸 1 5 2がロックされ. る。 ' '
【0 1 5 4】
上述のような第 2失陥時制御が実行されるため、 その制御が実行される間は、 ロック機構 2 0 0によってモータ軸 1 5 2の回転は禁止される。 ところが、 前途 のトレランスリング 2 0 7が設けられていることから、 トレランスリング 2 0 7 の摩擦力を超える大きさの動作力がをモータ軸 1 5 2に作用した場合には、 モー タ軸 1 5 2の回転は許容されることになる。このトレランスリング 2 0 7の機能、
つまり、第 3要素動作許容機構の機能により、相対回転不能状態であって、かつ、 ロック機構 2 0 0によってモータ軸 1 5 .2がロックされている場合であっても、 可変動作伝達機構 9 2がデッドロックを起こさず、 ステータギヤ 1 8 0とドリ.プ ンギヤ 1' 8 2とが一体的になった^^態での車輪の転舵、 つまり、 伝達比が 1 : 1 となる状態での車輪の転舵が可能とされるのである。 ·,
【0 1 5 5】
しかし、 |§対回転不能状態における操舵操作は、 トレランスリング 2 0 7が発 . 生させる寧擦力に打ち勝つ動作力がモータ軸 1 5 2に作用するこどが前提である ' ことから;その摩擦力に打ち勝つ分だけ大きな操作力を必要とする。したがって、 運核者は、 その分の負担を強いられることになる。 本実施例では、そのことに鑑 み、第 2失陥時制御が実行されている場合には、、助勢機構 5 2による助勢力を増 加させる制御である助勢力増加制御が実行される。 .
【0 1 5 6】 -
. '通常時には、 助勢機構 5 2が図 1 1 ( a ) に示すような助勢力 F. A.を発生させ るように.されているのに対レ、 助勢力増加制御では、 図 1 1 ( t に示すような • 助勢力 Δ FAが追加さ.れる。'つまり、 上述した'トレランスリング 2 0 7が発生さ せる摩擦力'を丁度打ち消す動作力がモータ軸 1 5 '2.に作用するように、 その摩擦 力に応じた助勢力 Δ F Aが追加されるのである 9 したがって、 図 1 1 ( c ) に示 ' すように、 助勢機構 5 2が発生させる助勢力 F Aは、 通常時に比較'.して増加させ られる.ことになる。 追カ卩された助勢力 Δ FAは、 出力軸 2 5 6,. ドリブンギヤ 1 ' 8 2.を介して、 モータ軸 1 5..2に伝達され、 その伝達された力は、 トレランスリ ング 2 0 7の摩擦力に対抗する力となる。 その結果、 理論上、 通常状態におけレ、. てステアリングホイール 2 0に加える操作力と同じ大きさの操作力によって、 車 輪を転舵させることが可能となる。 このように、 本実施例では、 助勢機構 5 2に よる助勢力を増加させることで、 相対動作不能状態に陥った場合における運転車 の負担を軽減しているのである。 ちなみに、 先に説明したように、 助勢力 F Aの 制御は、 助勢機構 5 2の電動モータへ供給する供給電力量 Wを制御することによ つて行われ、 実際の制御においては、 追加する助勢力 Δ F Aに見合う分の電力量 だけ、 供給電力量 Wが増カ卩される。
【0 1 5 7】 '
■ .本実施树のステアリングシステムでは、 図 1 2に示すァクチユエータ制御プロ グラムが実行される。 このプログラムに従う処瑝では、 先の実施例における制御 と同様、 S 3 3および S 3 4で、 モータの断線, 過負荷が判断される。 そして、 . いずれかの現象が生じた場合には、 S 4 4 , S 4 5に: ίβいて、 第 l失陥時制御が 開始され、'モータ軸 1 5 2がロック機構 2 0 0によづてロックされ、 .失陥時フラ グ. Fが.1とされる。 モータの断線, 過負荷のいずれの現象も.発生'していない場合 には、 S 3 ·5〜 S 3 7の判定が行われる。 この判定 、先の実施例における第 3 条件についての判定と同様であり、 ステータギヤ 1 8 0が回転している きにお いて、 ステータギヤ.1 8 0の回転量 Δ 0 sとドリ,プンギャ 1 8 2の回転量 Δ 0。と の差が、 設定閾値 Δ Θ.。より小さい力否か、 つまり、.相対回転不能状態であるか 否かが判断される。 ただし、 Sさ 5において、.車両走行速度 Vが変化しているか 否かが判断され、 変ィ匕していることを前提条件として、 S 3 6, S 3 7の相対回 転不能状態についての判断がなされる。 第 1失陥時制御が実行されていない場合 には S 3 9〜S 4 3の伝達比制御が実行されているため、 先に 1¾明したように、 相対回.転不能状態の鞸定の確実ィ匕を帰すために、上記前提条件が設定されている。
【0 1 5 8】
' 相対回転不能状態となって.いる場合には、 S 4 6〜S 4 .8において、 第 2失陥 時制御が開始され、 ータ軸 1 5 2がロッグ機構 2.0 0によってロックされると ともに、 モータ 1 5 0が、 前述のモータフリー状態とされ、 失陥時フラグ Fが ·2 ' とさ.れる。 相対回転不能状態となっていない場合には、■ S' 3 9〜 S 4 3の処理、 つまり、 伝達比制御に関する処理が実行される。 それらの処理は、 先の実施例の, 場合と同様の処理である。 . 【0 1 5 9】
ー且、第 1失陥時制御が開始された場合には、 S 3 2の判定によって、 S 3 6 , S 3 7の判定処理、つまり、相対回転不能状態についての判定処理が実行される。 この判定処理は、 モータ軸 1 5 2のロックが維持された状態において行われるた め、 先に説明したように、 ロックレパー 2 0 6の先端部 2 1 0とロックホルダ 2 0 8の凹部 2 1 4との間の遊間 2 4 0を利用して行われる。 相対回転不能状態で
' ' る場合には、 S 4 6以降の処理によって、 第 2失陥時制御が開始される。 相対 '同転不能状態ではない場合には、 第 1失陥時制御の実行が継続される。 また、 一 且、 第 2失陥時制御が開始さ; flた場合には、 S 3' 1の判定によ て、' その制御が 継続され'る。、 ·'
【0 1 6 0】
. また、 本実施例のステアリングシステムでは、 図 1 3に示す助勢制御プログラ ムが実行さ る。 このプログラムでは、 S 5· 3において、 先に説明した失陥時フ ラグ Fを利用した判定、 つまり、 上述の相対回転不能状態である力 かの判定が "行われる。 相対回転不能状態でない場合には、.第 1実施例, 第 2実施例の場合と 同様に、転舵力のアシストが行われる。相対回転不能状態に陥っている場合には、 S 5.5において、 操舵操作が行われている力否が判断され、 操舵操作が行われて • いる場合に限'り、 S 5' 6において、 先に説明したように、'助勢機構 5 2の電動モ ' ータへの供給電力量 Wが増加させられ、 助勢力が増加させられるこどになる。■な 'お、 操舵操作が行われているかか否かの判断は、 操作角センサ 2 8によって検出' されたステアリングホイール 2 0の回転角度の微妙な変化に基 いて行われ、 操 舵操作が行われていると認定された場合には、 'その変化に基づいて、' 舵操作の 方向も特定される。 . .' ·
' 【0 1 6 1】 '.
上記ァクチユエータ制御プログラムおょぴ助勢制御プログラムに従う処理を実 行する E C U 1 6は、'図 1 4に示すような機能構成を有し Tい^)と考えることが でき.る。 詳しく言えば、 E C U 1 6は、 上記助勢制御プログラムに従う処理を実 . 行する助勢制御部 C 1を有している。 そして、 その助勢制御部 C 1は、 S 5 3の . 判定に基づき S 5 5, S 5 6の処理を実行する機能部、'つまり、 相対回転不锥状 態において助勢機構 5 2による助勢力を増加させる助勢力増加部 C 1 1を有して いる。
【0 1 6 2】
また、 E C U 1 6は、 上記ァクチユエータ制御プログラムに従う処理を実行す る可変動作伝達装置制御部として、 ァクチユエータ制御部 C 2を有しており、 そ のァクチユエータ制御部 C 2は、 先の実施例のシステムと同様に、 伝達比制御部
C 2 第 3要素動作 止制御部としての第 1失陥時制御部 C 22とを有してい る。 'そしてァクチユエータ制御部 C 2は、 きらに、 相対回転不能状態の検知に基 づいて S 4.6〜& 48の処理を実行する機能部として、 第 2失陥時制御部 C 23 を有している。 : '
【0 ,1 6 3】
■ 本実施例のステア'リングシステムは、 上述した態様のシステムであるが、 以下 , のように変形して実施することが可能である。 例えば、 上記態様めシステムは、 第 2実施例と同様め VGRSァクチユエータ 250を採用するが、 第 1実施例と "同様 ©VGRSァクチユエ タ 14を採用することも可能である。 V.GRSァク チユエータ 14では、 ドーシヨンパー 1 14がステータギヤ 1 80.とステアリン グホイール 20.との間に配設されている。 普通に考えれば、 第 2失陥時制御が実 行されている ¾合において、 · トレランスリング 20 7の摩擦力によって操作力の 大きぐせざるを得ないと考えられるが、 VGRSァクチユエータ 14'を採用する 場合には、 トーシヨンパー 114の配設齒所の関係で、 操作力の増加に応じてト' ーシヨンバー 1 14の捻り変形量が多くなる。 その結果として、 VGRSァクチ ユエータ 1 '4を採用する場合には、 助勢力増加制御に拠らずとも、 ある程度の助 勢力の増加が見込めることになるのである。 したがって、 助勢力増加制御を採用 るメリヅトは、 第 2実施例と同様の VGRSァクチユエータ 250を採用する 場合に比較して小さいものとなる。 '
[ 0 1 64】 ' 、
.ま.た、 上記態様のシステムでは、 助勢力増加制御において、 .トレランスリング 20 7が 生ざせる摩擦力を丁度打ち消す動作力がモータ軸 1 5 2に作用するよ うに、 助勢力 Δ FAが追加されている。 このような大ぎさの助勢力 Δ FAを追加す るのではなく、 例えば、 摩擦力に応じて、 その摩擦力の何パーセントかが打ち消 されるような動作力が作用するように、 付勢力 Δ FAを追カ卩してもよい。
【0 1 6 5】
上記態様のシステムにおいては、 第 1失陥時制御の実行中において第 2失陥時 制御の実行を開始するための判定として、 先の実施例における第 3条件について の判定と同様の判定のみを、 つまり、 ステータギヤ 1 8 0の回転量 Δ 0 sとドリ
プンギャ 1 8 2の回転 *Δ 0。との差に基づく判定のみを行っている。 その判定 にカロえあるいはその判定に代えて、 先の実施例における第 1条件のについての判 ' 定、 つまり、 ロック機構 2 0'に作用する作用力に'基づく判定を行い、 その判定の 結果に従つで第 2失陥時制御が開始されるようにすることも可能である。