JP2007168640A - 車両用ステアリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック装置を有するステアリングシステムの実用性を向上させる。
【解決手段】ステアリング操作部材に加えられた操舵力を転舵装置に伝達する操舵力伝達装置の構成要素である軸体44とその軸体44の回転の抵抗となる摩擦力を発生させる摩擦部材126との接触状態を、アクチュエータ124によって摩擦力が大きくなる大摩擦状態に変更することで軸体44の回転を禁止可能な軸体回転禁止装置120を備えさせる。具体的には、摩擦部材126を軸体44に巻いた帯状の部材とし、アクチュエータ124によって摩擦部材126の一端部144を変位させ、軸体44を締め付けて大摩擦状態とすることで、軸体44の回転を禁止する。ロック装置をこのような構成とすることにより、いわゆるストッパ機構を有するロック装置の場合に生じることのあったロック装置を構成する部材の破損防止や衝撃音の低減が可能となる。
【選択図】図3

Description

本発明は、運転者のステアリング操作が入力されるとともにその入力に応じた操舵出力を転舵装置に出力する車両用ステアリングシステムに関し、詳しくは、そのステアリングシステムに設けられるロック装置に関する。
現状の車両用ステアリングシステムには、下記特許文献1に記載されているような、車両の盗難を防止する等の目的で、操舵操作を禁止するためのステアリングロック装置が設けられることが一般的なこととなっている。また、近年では、ステアリング操作部材(以下、単に「操作部材」と略する場合がある)の操作量に対する車輪の転舵量の比を変更可能とするための可変伝達機能を有するシステム、いわゆる操舵転舵比可変システム(VGRS(Variable Gear Ratio System))と呼ばれるステアリングシステムが存在する。このVGRS機能を有するシステムは、一般に、差動機構と駆動源とを有しており、その駆動源等が失陥した場合に、操作部材の操作が転舵装置に伝達されない状態となり得ることを考慮して、操作部材の操作の転舵装置への伝達を担保すべく、特許文献2に記載されているようなロック装置、つまり、駆動源によって駆動される差動機構の一要素の動作を禁止するための装置が設けられる。
特開平7−291095号公報 特開平11−34894号公報
上記特許文献に記載されているようなロック装置は、いずれも、回転する部材に凹部を設け、その凹部に係合部材を係合させることで回転する部材の回転を禁止する構造、いわゆるストッパ機構を有するものとされている。このような構造の場合、係合部材が凹部に係合する際に、回転する部材と係合部材とが衝突することになる。それらの衝突の衝撃が大きな場合には、それらの部材に破損が生じる場合がある。また、それらの衝突によって、衝撃音が発生する可能性が高い。これらの問題は、ロック装置を有するステアリングシステムが抱える1つの問題であるが、このようなロック装置を有するシステムは、そのような問題への対処を始めとして、実用性を向上させる余地が残されたものとなっている。本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いステアリングシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両用ステアリングシステムは、ステアリング操作部材に加えられた操舵力を転舵装置に伝達する操舵力伝達装置の構成要素である軸体とその軸体の回転の抵抗となる摩擦力を発生させる摩擦部材との接触状態を、アクチュエータによって摩擦力が大きくなる大摩擦状態に変更することで前記軸体の回転を禁止可能な軸体回転禁止装置を備えたことを特徴とする。
本発明のステアリングシステムによれば、接触部材と軸体との接触状態を変更してそれらの間に大きな摩擦力が発生する状態とし、その大きな摩擦力によって軸体の回転を禁止するため、軸体回転禁止装置の作動時に、それらの部材の破損防止や衝撃音の低減が可能となる。したがって、本発明のステアリングシステムによれば、実用性の高いステアリングシステムが実現する。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項ないし(3)項の各々が請求項1ないし請求項3の各々に相当し、(5)項ないし(7)項の各々が請求項4ないし請求項6の各々に相当する。
(1)運転者によって操作されるステアリング操作部材と、
車輪を転舵させる転舵装置と、
前記ステアリング操作部材に加えられた操作力を操舵力として前記転舵装置に伝達する操舵力伝達装置と、
前記操舵力伝達装置の構成要素である軸体と接触する状態においてその軸体の回転の抵抗となる摩擦力を発生させる摩擦部材と、その摩擦部材と前記軸体との接触状態を変更するアクチュエータとを有し、そのアクチュエータによって前記摩擦部材と前記軸体との接触状態を摩擦力が大きな大摩擦状態に変更することで、前記軸体の回転を禁止可能な軸体回転禁止装置と
を備えた車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、簡単に言えば、当該ステアリングシステムがロック装置を備えるものとされ、そのロック装置がいわゆる摩擦ブレーキ機構を有するように構成された態様である。先にも述べたように、ロック装置が凹部に係合部材を係合させるストッパ機構を有するように構成された従来のステアリングシステムでは、それらの衝突の衝撃が大きいと、ロック装置を構成する部材に破損が生じたり、衝突時に衝撃音が発生する場合があるが、本項の態様によれば、摩擦力によって軸体の回転を禁止するため、ロック装置の作動時に、その装置を構成する部材の破損を防止するとともに、衝撃音の発生を低減することが可能となる。また、摩擦力のみで軸体の回転を禁止する態様であれば、軸体に過大な回転力が加わった場合に、摩擦部材に対する軸体の回転を許容することができるため、トレランスリング等の特別な許容機構が不要となりコストの低減を図ることが可能である。さらに、ロック装置が前記ストッパ機構を有するものである場合、軸体に加わった過大な回転力による部材の破損も考えられたが、本項の態様によれば、軸体の回転を許容することで、そのような破損を防止することも可能となる。
本項に記載の「操舵力伝達装置」は、具体的な構成が特に限定されるものではない。例えば、ステアリング操作部材を回転可能に保持するステアリングコラムを有するもの、ステアリング操作部材の操作を転舵装置へ操作部材の操作量に対する車輪の転舵量の比を変更可能に伝達するVGRSアクチュエータを有するもの、あるいはそれら両者を有するもの等を採用することが可能である。
また、本項に記載の「軸体回転禁止装置」も、具体的な構成が特に限定されるものではなく、摩擦部材と軸体との接触状態の変更によって、摩擦部材と軸体との間で発生する摩擦力が小さな状態から、それが大きな状態である大摩擦状態に変更するものであればよい。なお、本項の態様には、摩擦力が0である状態から大摩擦状態に変更する構成のものも含まれる。つまり、本項にいう「接触状態の変更」には、例えば、摩擦部材を軸体に接触させる力が小さな状態から大きな状態に変更すること、接触させる面積が小さな状態から大きな状態に変更すること、接触しない状態から接触する状態に変更すること等を採用可能である。
(2)前記操舵力伝達装置が、前記ステアリング操作部材の操作に応じて回転して前記操舵力を転舵装置に伝達する操舵力伝達シャフトを有し、
前記軸体回転禁止装置が、前記軸体としての前記操舵力伝達シャフトの回転を禁止するものとされた(1)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、軸体回転禁止装置が、いわゆるステアリングロック装置とされた態様である。本項の態様によれば、ステアリング操作部材の操作が困難な状態とできるため、車両の盗難防止に利用することが可能となる。なお、本項に記載の「操舵力伝達シャフト」は、例えば、操作部材を保持するステアリングシャフトや、そのステアリングシャフトと転舵装置とを連結するインタミディエイトシャフトとすることが可能である。また、操舵力伝達装置が後に説明する可変動作伝達装置を備える場合には、その可変動作伝達装置が有する操作部材の操作に応じて回転可能に設けられた要素や、転舵装置に回転を出力する要素も、操舵力伝達シャフトの一態様と考えることができる。
(3)前記操舵力伝達装置が、(a)前記ステアリング操作部材の操作に応じて回転可能に設けられた第1要素と、その第1要素と相対回転可能に設けられて前記転舵装置に回転を出力する第2要素と、それら第1要素と第2要素と係合して回転する第3要素とを含んで構成される差動機構と、(b)前記第3要素を回転駆動する駆動源とを有し、前記第1要素から前記第2要素へ回転を伝達するとともに前記第1要素と前記第2要素との相対回転量を前記第3要素の回転駆動量に応じて変更可能とされた可変動作伝達装置を備え、
前記軸体回転禁止装置が、前記軸体としての前記第3要素の回転を禁止するものとされた(1)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、操舵力伝達装置がいわゆるVGRSアクチュエータを備えるものとされ、軸体回転禁止装置が、そのVGRSアクチュエータの第3要素の回転を禁止するロック装置(以下、「VGRSロック装置」と呼ぶ場合がある)とされた態様である。第3要素の回転を禁止することで、第1要素から第2要素へ固定的な相対回転量に従って回転が伝達される。つまり、本項の態様によれば、例えば、駆動源の失陥等により第3要素の概して自由な動作が許容される場合であっても、操作部材の操作を転舵装置に伝達することが可能となる。
本項に記載の「可変動作伝達装置」は、具体的な構成が特に限定されるものではなく、例えば、車体に対して固定的に設けられるものであってもよく、車体に対して回転可能に設けられるものであってもよい。具体的には、前者は、可変動作伝達装置のハウジングが転舵装置のハウジングに固定されるもの、あるいは、システムがシャフトとそれを回転可能に保持するチューブとを含んで構成されるステアリングコラムを備える場合にはそのステアリングコラムに固定されるもの等を採用することが可能である。また、後者は、ハウジングが、ステアリングシャフトや転舵装置の入力軸に固定され、そのステアリングシャフトや転舵装置の入力軸の回転に伴って回転するような構造のものを採用することが可能である。なお、その可変動作伝達装置を構成する「差動機構」は、例えば、傘状歯車が噛合してなる機構,プラネタリギヤ機構,ハーモニックギヤ機構(ハーモニックドライブ機構(登録商標)、ストレインウェーブギヤリング機構と呼ばれることもある,2リングギヤ型であってもよく、カップ型であってもよい),サイクロイド減速機構といった種々のものを採用することが可能である。また、「駆動源」は、種々のものを採用することが可能であり、例えば、電動モータを採用することが可能である。
(4)前記可変動作伝達装置が、前記駆動源として電動モータを有し、その電動モータのモータ軸が前記差動機構の前記第3要素と相対回転不能とされてその第3要素の一部として機能するように構成され、
前記軸体回転禁止装置が、前記モータ軸の回転を禁止するものとされた(3)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、上記VGRSロック装置を備える態様において、その構成を限定した態様である。本項の態様によれば、電動モータによって第3要素を直接回転させるような構造とできるため、比較的コンパクトな可変動作伝達装置とすることができ、コンパクトなステアリングシステムを構築することが可能となる。
(5)前記摩擦部材が、前記軸体に巻かれた帯状の部材とされ、前記軸体回転禁止装置が、前記アクチュエータによって前記摩擦部材の少なくとも一方の端部を変位させることにより、その摩擦部材が前記軸体を締め付けて前記大摩擦状態とすることで前記軸体の回転を禁止するように構成された(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、軸体回転禁止装置の構成を具体的なものに限定した態様であり、本項の態様によれば、摩擦部材を軸体の全周にわたって接触させることができるため、軸体の回転を禁止する力を容易に強くすることが可能となる。なお、摩擦部材と軸体との接触状態が大摩擦状態でないときには、それら摩擦部材と軸体とが、接触する状態であってもよく、接触しない状態であってもよい。
(6)前記摩擦部材が、凸部と凹部との一方を有し、前記軸体が、凸部と凹部との他方を有し、それら凸部と凹部との一方と凸部と凹部との他方とが嵌合可能な構造とされ、
前記軸体回転禁止装置が、前記大摩擦状態において設定以上の回転力が加わった場合に前記摩擦部材に対する前記軸体の回転を許容し、かつ、前記凸部と凹部との一方と前記凸部と凹部との他方とが嵌合することで前記摩擦部材が前記軸体を係止してその軸体の回転を禁止するように構成された(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、簡単に言えば、ロック装置が、摩擦ブレーキ機構に加えて、ストッパ機構をも備えた態様であり、摩擦ブレーキ機構のみの場合に比較して、軸体の回転を禁止する力を大きくすることが可能である。その意味において、本項の態様によれば、信頼性の高いロック装置が実現することとなる。なお、本項の態様においては、一旦、ブレーキ機構のみによって軸体の回転を禁止した後、過大な回転力が加わった場合に許容される摩擦部材に対する軸体の回転によって凸部と凹部とが嵌合することで、摩擦部材による軸体の係止によって、再度、軸体の回転を禁止することが可能であり、また、ブレーキ機構の作動途中に、凸部と凹部とが嵌合することで、摩擦部材による軸体の係止によって軸体の回転を禁止することも可能である。ちなみに、本項にいう「凸部」,「凹部」は、いずれが複数設けられてもよく、両者が複数設けられてもよい。ただし、摩擦部材と軸体との間で大きな摩擦力を得ること、凹部が設けられたものに凸部が衝突する際の衝撃音を低減することを考慮すれば、それら凸部,凹部の数は少ない方が望ましい。
(7)前記軸体回転禁止装置が、前記アクチュエータが前記摩擦部材と前記軸体との接触状態を大摩擦状態に変更するように動作した後に、そのアクチュエータの動作前の状態への復帰動作を禁止するアクチュエータ復帰動作禁止装置を備えた(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様によれば、アクチュエータの復帰動作を禁止することで、軸体回転禁止装置が大摩擦状態を効果的に維持でき、軸体の回転を禁止する力を担保することが可能である。その意味において、本項の態様によれば、信頼性の高い軸体回転禁止装置が実現することとなる。本項に記載の「アクチュエータ復帰動作禁止装置」は、具体的な構造が特に限定されるものではなく、アクチュエータの種類や、軸体回転禁止装置の構造に適した種々のものを採用可能である。なお、アクチュエータ復帰動作禁止装置を、アクチュエータに内蔵すれば、コンパクトな軸体回転禁止装置を構築することができる。
(8)前記アクチュエータが、前記摩擦部材に連結される連結部を有し、前記軸体回転禁止装置が、前記アクチュエータによってその連結部を一方向に動作させることで、前記摩擦部材と前記軸体との接触状態を大摩擦状態に変更する構造とされ、
前記アクチュエータ復帰動作禁止装置が、前記連結部の一部を係止してその連結部が反対方向に動作することを禁止する構造とされた(7)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、上記アクチュエータ復帰動作禁止装置の構成を限定した態様であり、本項の態様によれば、比較的簡便な構造のアクチュエータ復帰動作禁止装置とすることが可能である。
以下、本発明の実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
図1に、本実施例のステアリングシステムの全体構成を模式的に示す。当該ステアリングシステムは、大きくは、ステアリング操作部材としてのステアリングホイール10と、転舵装置12と、操舵力伝達装置14とに区分することができ、それらを構成要素として含んで構成されている。
転舵装置12は、車体(詳しくは、シャーシ)に固定されたハウジング20と、ハウジング20に軸方向(車両の左右方向)に移動可能に設けられた転舵ロッド22と、その転舵ロッド22を軸線方向に移動させるラックアンドピニオン機構24(図2参照)とを含んで構成されている。転舵ロッド22の両端部の各々は、ボールジョイント26を介して左右のタイロッド28の各々の一端部に連結され、タイロッド28の各々の他端部は、ボールジョイント30を介して、左右の転舵車輪32の各々を保持するステアリングナックル34の各々が有するナックルアーム部36に連結されている。また、転舵装置12は、車輪32の転舵に要する転舵力を助勢する助勢機構38を備えており、転舵ロッド32の軸方向の移動が助勢される構造とされている。
操舵力伝達装置14は、ステアリングホイール10に加えられた操作力を操舵力として転舵装置12に伝達するものであり、ステアリングホイール10を回転可能に保持するステアリングコラム40(以下、単に「コラム40」と略する場合がある)と、可変動作伝達装置として機能するVGRSアクチュエータ42とを含んで構成されている。ステアリングコラム40は、ステアリングホイール10を車両後方側の端部において保持するステアリングシャフト44と、そのステアリングシャフト44を挿通させた状態で回転可能に保持するステアリングチューブ46とを含んで構成されている。ステアリングチューブ46がインストゥルメンツパネルのリインフォースメントに固定されることで、コラム40が車体に固定して設けられている。
VGRSアクチュエータ42は、コラム40のステアリングシャフト44の回転を、転舵装置12に伝達する機能を果たす装置である。図1に示すように、VGRSアクチュエータ42は、自身のハウジング50が、転舵装置12のハウジング20に締結されることで、転舵装置12に固定して設けられる。VGRSアクチュエータ42は入力軸52を備えており、入力軸52のハウジング50から延び出す一端部が、ユニバーサルジョイント54を介してインタミディエイトシャフト56の一端部に連結される。インタミディエイトシャフト56の他端部は、ユニバーサルジョイント58を介して、ステアリングシャフト40のステアリングホイール10とは反対側の端部に連結されている。
図2に、VGRSアクチュエータ42の断面図を示す。VGRSアクチュエータ42は、ハウジング50と、ハウジング50に対して回転可能に設けられた入力軸52と、ハウジング50に対して回転可能に設けられた出力軸60と、入力軸52の回転を回転比が変更可能な状態で出力軸60に伝達するハーモニックギヤ機構62と、そのハーモニックギヤ機構62の駆動源としてのVGRSモータ64(以下、単に「モータ64」と略する場合がある)とを含んで構成されている。
入力軸52は、トーションバー70を有するものとされ、そのトーションバー70と、上部軸72,下部軸74との3つが一体化されたものとして構成されており、トーションバー70の捻りを許容して、その分だけ自身も捻られるものとされている。なお、VGRSアクチュエータ42は、上部軸72,下部軸74の回転角度を検出するためのレゾルバ76,78を備えており、それらの検出信号からトーションバー70の捻り量を検出することでステアリングホイール10の操作力(詳しくは操作トルク)が推定可能とされている。また、出力軸60は、転舵装置12のラックアンドピニオン機構24を構成するピニオン軸80に連結されており、出力軸60の回転がピニオン軸80に伝達される。
VGRSモータ64は、中空とされたモータ軸90を有しており、入力軸52を自身に挿通させた状態で配設され、入力軸52に相対回転可能に保持されている。モータ64は、いわゆるDCブラシレスモータであり、モータ軸90の外周部に固定されたロータを構成する永久磁石92と、その永久磁石92に対向するようにハウジング50の内面に固定されたステータを構成する複数の極体94(コアにコイルが巻回されたもの)とを含んで構成されるものである。なお、モータ軸90の回転位置(回転角度,回転位相と呼ぶこともできる)、つまり、ロータの回転角度位置は、モータ軸90の上端部とハウジング50の内面との間に設けられたレゾルバ96によって検出されるようになっており、図示を省略するモータ制御回路によって、ロータの回転角度位置に応じて極体94への通電を切替えるように制御される。また、モータ64の回転速度の制御等も、このレゾルバ96の検出信号を利用して行われる。
ハーモニックギヤ機構62は、第1リングギヤとしてのステータギヤ100と、第2リングギヤとしてのドリブンギヤ102と、それらに噛合するフレキシブルギヤ104と、フレキシブルギヤ104を周回可能に支持するウェーブジェネレータ106とを含んで構成されている。ステータギヤ100は、内歯が形成されたリングギヤであり、入力軸52の下方部に相対回転不能に設けられている。ドリブンギヤ102は、内歯(ステータギヤの歯数よりやや少ない歯数、例えば2つ少ない歯数)が形成されたリングギヤであり、出力軸60の上方端部に相対回転不能に設けられている。フレキシブルギヤ104は、外歯(ドリブンギヤ102と同じ歯数)が形成されたリングギヤであり、比較的薄いものとされることで、可撓性を有するものとされている。ウェーブジェネレータ106は、楕円状のカム板108と、そのカム板108の外周に嵌められたベアリング110とを含んで構成されるものである。カム板108は、自身の中心に軸穴が設けられており、その軸穴にモータ軸90の下方を嵌入させた状態で、モータ軸90に相対回転不能に接続されている。ベアリング110の外周には、フレキシブルギヤ104が装着されている。そのフレキシブルギヤ104は、ウェーブジェネレータ106によって楕円状に変形させられており、楕円の長軸部分における2箇所で、ステータギヤ100,ドリブンギヤ102と噛合し、短軸部分においてはそれらとは噛合しない状態とされている。ウェーブジェネレータ106が1回転(360度)すると、つまり、VGRSモータ64のモータ軸90が1回転すると、ステータギヤ100とドリブンギヤ102とが、それらの歯数の差分だけ相対回転させられる。
以上のような構造から、VGRSアクチュエータ42は、VGRSモータ64の回転方向および回転速度を変更することによって、ウェーブジェネレータ106の回転方向および回転速度を変更し、ステータギヤ100に対するドリブンギヤ102の回転比を任意に変更することが可能とされている。また、入力軸52とその入力軸52に連結されたステータギヤ100とが第1要素として機能し、出力軸60とその出力軸60に連結されたドリブンギヤ102が第2要素として機能し、また、ステータギヤ100およびドリブンギヤ102と噛合するフレキシブルギヤ104,そのフレキシブルギヤ104に装着されたウェーブジェネレータ106,そのウェーブジェネレータ106が接続されたモータ軸90等が第3要素として機能するのであり、それら3つの要素を含んで差動機構が構成されている。つまり、VGRSアクチュエータ42は、第1要素と第2要素との相対回転量を第3要素の回転駆動量に応じて変更可能なものとされている。
本ステアリングシステムは、軸体回転禁止装置としての2つのロック装置を備えている。そのうちの1つは、ステアリングコラム40の内部に設けられる。一般的に、車両のイグニッションスイッチがOFF状態にある場合には、車両の盗難を防止する等の目的で、操舵操作を禁止することが望まれる。このことに考慮し、ステアリングコラム40には、ステアリングシャフト44の回転を禁止するステアリングロック装置120が設けられている。そのステアリングロック装置120を、図3のステアリングコラム40の断面図をも参照しつつ説明する。ステアリングロック装置120は、電磁式ソレノイド122を主体とするアクチュエータ124と、ステアリングシャフト44に巻かれるように配設されたロックプレート126とを含んで構成されている。
図4に、アクチュエータ124の断面図(図3におけるB−B断面)を示す。アクチュエータ124は、ハウジング130を有し、そのハウジング130内にソレノイド122が固定されている。ソレノイド122は、ケース132と、そのケース132の内部に固定されたコイル134と、それらケース132とコイル134とを貫通して配設されたロッド136とを含んで構成されている。ソレノイド122は、コイル134が励磁された状態において、ロッド136が、アクチュエータ124のハウジング130の内部に延び出した状態(図における右方に位置させられた状態)となっている(図4(a)参照)。
ロックプレート126は、帯状の金属材料からなり、概ね円形状に曲げられて形成されており、その円形状に形成された円形部140の内径が、ステアリングシャフト44の外径より小さく形成されている。ロックプレート126は、円形部140の径を拡げるように弾性変形させた状態において、ステアリングシャフト44を挿通させて配設される。また、ロックプレート122は、その両端部が、互いに交差させられて円形部140の径方向外向きに延び出すように形成されている。詳しく説明すれば、ロックプレート126の一端部142が、二股に分けられた形状とされ、ロックプレート126の他端部144が、一端部142側の二股に分かれた部分の間の幅より小さい幅とされてその間を通されることで、ロックプレート126の両端部が、互いに交差させられている。一端部142は、アクチュエータ124のハウジング130に固定され、他端部144は、ロッド136の先端部に固定されて移動させられる。このような構造により、ロックプレート126は、それの弾性力によって、ロッド136をハウジング130から引き出す方向(図における左方向)に付勢している。なお、以後の説明において、一端部142を「固定端部142」と、他端部144を「移動端部144」と呼ぶ場合がある。ちなみに、ロックプレート126は、円形部140の内周面の摩擦係数が高くされており、ステアリングシャフト44に接触する状態において、ステアリングシャフト44の回転に対する抵抗となる摩擦力を発生させる。つまり、ロックプレート126は、摩擦部材として機能するものとなっている。
ソレノイド122が励磁されている状態が、図3(a)に示す状態である。その状態においては、先に述べたように、ロッド136が、アクチュエータ124のハウジング130の内部(図における右方)に延び出した状態となっている。その状態において、ロックプレート126は、移動端部144が固定端部142側に移動させられて、円形部140の径が拡げられている。つまり、ロックプレート126は、円形部140の内周面がステアリングシャフト44の外周に接触しない状態とされており、ステアリングシャフト44の回転が許容される。そして、ソレノイド122が消磁された場合には、図3(b)に示すように、ロッド136が、ロックプレート126の弾性力によって、アクチュエータ124のハウジング130から引き出され、それとともに、ロックプレート126は、円形部140の径が縮められて、ステアリングシャフト44を締め付けることになる。つまり、ロックプレート126とステアリングシャフト44との接触状態が、それらの間で大きな摩擦力が発生する大摩擦状態とされており、ステアリングシャフト44の回転が禁止されることになるのである。
以上のような構造から、軸体回転禁止装置としてのステアリングロック装置120は、摩擦力のみによって、操舵力伝達シャフト(軸体)としてのステアリングシャフト44の回転を禁止するものとされているため、従来のストッパ機構を有するロック装置の場合に生じる場合があったロックプレート126とステアリングシャフト44との破損を防止することが可能であるとともに、それらの接触時の衝撃音の発生を防止することも可能である。
また、ソレノイド122には、ケース132の下面に、ロッド136が延びる方向と平行にガイドレール150が固定されており、そのガイドレール150に沿って摺動可能な摺動部材152が配設されている。その摺動部材152は、立設部154を有しており、その立設部154が、ロッド136の端部とアクチュエータ124のハウジング130の内面(図における右側面)との間に位置させられている。また、摺動部材152の下面には、ラック156が固定して設けられている。一方、ハウジング130の内部には、電動モータ158が固定して設けられている。そのモータ158のモータ軸には、ウォーム160が連結され、上記ラック156に噛合させられている。そのような構造により、モータ156の回転によって、ウォーム160が回転させられ、摺動部材152が、ガイドレール150に沿って移動させられるようになっている。
ソレノイド122が励磁されている状態においては、図4(a)に示すように、ロッド136を図における右方に位置させるため、摺動部材152は図における右方に位置させられている。そして、ソレノイド122が消磁されて、ロッド136が図における左方へ移動させられた場合、つまり、大摩擦状態とされた場合において、図4(b)に示すように、摺動部材152をモータ156によって左方へ移動させれば、摺動部材152の立設部154が、ロッド136の端部を係止して、ロッド136の右方への移動が禁止されるのである。このような構造から、ステアリングロック装置120は、アクチュエータ124が、ロッド136を一方向に動作させることで、ロックプレート126とステアリングシャフト44との接触状態を大摩擦状態に変更する構造とされ、そのロッド136を係止してロッド136が反対方向に動作することを禁止することで、アクチュエータの動作前の状態への復帰動作を禁止するアクチュエータ復帰動作禁止装置を備えるものとされている。なお、ロッド136が、摩擦部材としてのロックプレート126に連結される連結部として機能するものとなっている。つまり、ステアリングロック装置120は、このアクチュエータ復帰動作禁止装置を備えるものとされているため、ステアリングシャフト44のロックがより信頼性の高いものとなっている。
ちなみに、本ステアリングシステムでは、イグニッションスイッチがOFF状態である場合に、図4(b)に示すステアリングをロックした状態にあり、イグニッションスイッチがON状態とされた場合、モータ158を回転させて摺動部材152を図における右方に移動させ、次いで、ソレノイド122を励磁してロックプレート126がステアリングシャフト44に接触しない状態とすることで、ステアリングロックを解除する。また、イグニッションスイッチがOFFとされれば、ソレノイド122を消磁してロックプレート126とステアリングシャフト44との接触状態を大摩擦状態とし、次いで、モータ158を回転させて摺動部材152を図における左方に移動させてアクチュエータの動作前の状態への復帰動作を禁止して、ステアリングをロックするようにされている。
なお、上記ステアリングロック装置120に代えて、図5に示すステアリングロック装置180を採用することも可能である。図5に示すステアリングロック装置180は、
ロックプレート126に、詳しくは、それの円形部140の内周面に、凸部182が設けられ、ステアリングシャフト44に、周方向に4等配した位置に凹部としての貫通穴184が設けられている。例えば、ステアリングシャフト44が図5に示す回転位置にある場合に、アクチュエータ124を作動させると、凸部182は、貫通穴184には嵌合せず、ステアリングシャフト44は、ロックプレート126の締め付けによる摩擦力によって回転が禁止される。しかし、その状態において、ステアリングシャフト44に設定以上の回転力が加わった場合には、ロックプレート126に対してステアリングシャフト44の回転が許容されるようになっており、回転したステアリングシャフト44は、貫通穴184が、凸部182と嵌合することになる。つまり、ステアリングシャフト44は、ロックプレート126に係止されて、回転が禁止されるのである。ちなみに、アクチュエータ124の作動時に、凸部182が貫通穴184に嵌合することも起こり得るが、この嵌合は、ロックプレート126による締め付けとともに行われるため、嵌合時の衝撃音は小さなものとなる。つまり、ステアリングロック装置180は、ステアリングシャフト44のロックがさらに信頼性の高いものとなっているのである。
また、本ステアリングシステムが備えるもう1つのロック装置は、VGRSアクチュエータ42の内部に設けられる。VGRSアクチュエータ42において、断線等が原因でVGRSモータ64の機能が失陥した場合は、モータ軸90の比較的自由な回転が許容されることになる。つまり、ステータギヤ100とドリブンギヤ102との間の適切な回転伝達が行われなくなる。このことに考慮し、VGRSアクチュエータ42には、VGRSモータ64のモータ軸90の回転を禁止可能なVGRSロック装置200が設けられている。そのVGRSロック装置200について、それの断面図(図2におけるA−A断面)である図6をも参照しつつ説明する。
VGRSロック装置200は、アクチュエータとしての電磁式ソレノイド202と、ハウジング50の内面に固定して設けられた固定ピン204周りに回動可能なレバー206と、モータ軸90の外周に巻かれるとともに両端部の各々がレバー206に固定されたベルト208と、そのベルト208のモータ軸90側の面に設けられた摩擦係数が比較的高い値に設定された摩擦材210とを含んで構成されている。摩擦材210は、モータ軸90に接触させられた状態において、モータ軸90の回転に対する抵抗となる摩擦力を発生させるものである。つまり、ベルト208と摩擦材210とを含んで、摩擦部材が構成されている。
レバー206は、自身の一端部側の先端部212が、モータ軸90から引き離される向き(図において反時計回り)に回動するように、固定ピン204の周りに設けられたスプリング214によって付勢されている。また、レバー206は、他端部がソレノイド202に接続されており、ソレノイド202は、励磁されることによって、レバー206を、それの先端部212がモータ軸90に向かう向き(図における時計回り)に回動させる構造とされている。
ソレノイド202が消磁されている場合には、レバー206が、スプリング214によって、図における反時計回りに付勢されている。ベルト208は、両端部の各々がレバー206の先端部212とレバー206の回動軸との各々に固定されているため、レバー206の反時計回りの回動によって、レバー206の先端部212に固定されたベルト208の端部が引っ張られ、モータ軸90を締め付けることになる。そのことにより、モータ軸90は、摩擦材210との間の大きな摩擦力によって回転が禁止されることになるのである。モータ軸90の回転が禁止された場合には、ステータギヤ100とドリブンギヤ102との間のギヤ比(100/102)に応じた回転伝達が行われるようになるのであり、ステアリングホイール10の操作角に対する転舵装置12のピニオン軸80の回転角の比が、そのギヤ比に応じた固定的な値となる。また、ソレノイド202が励磁された場合には、レバー206がスプリング214の付勢力に抗して図における時計回りに回動させられる。そして、モータ軸90に対してベルト208が緩められ、摩擦材210がモータ軸90に接触しない状態、あるいは、接触している状態であっても僅かな摩擦力しか発生しない状態とされて、モータ軸90の回転は許容される。
以上のような構造から、このVGRSロック装置200は、先に述べたステアリングロック装置120と同様に、摩擦力のみによって軸体としてのモータ軸90の回転を禁止するものとされているため、摩擦部材とモータ軸90との破損を防止することが可能であるとともに、摩擦部材とモータ軸90との接触時の衝撃音の発生を防止することも可能である。なお、このVGRSロック装置200は、先に述べたアクチュエータ復帰動作禁止装置を備えるものとすることや、図5に示したような軸体を係止可能な構成とすることも可能である。また、逆に、ステアリングロック装置120の構成を、上記VGRSロック装置200のような構成とすることも可能である。
実施例の車両用ステアリングシステムの全体構成を示す模式図である。 図1に示すVGRSアクチュエータの断面図である。 図1のステアリングロック装置を示すステアリングコラムの断面図である。 図3のアクチュエータの内部を示す断面図(図3におけるB−B断面)である。 図3のステアリングロック装置において採用可能な別の構造を示す断面図である。 図2におけるVGRSロック装置を示すVGRSアクチュエータの断面図(図2におけるA−A断面)である。
符号の説明
10:ステアリングホイール(ステアリング操作部材) 12:転舵装置 14:操舵力伝達装置 40:ステアリングコラム 42:VGRSアクチュエータ(可変動作伝達装置) 44:ステアリングシャフト(軸体) 46:ステアリングチューブ 52:入力軸 60:出力軸 62:ハーモニックギヤ機構(差動機構) 64:VGRSモータ(駆動源) 90:モータ軸(軸体) 100:ステータギヤ 102:ドリブンギヤ 104:フレキシブルギヤ 106:ウェーブジェネレータ 120:ステアリングロック装置(軸体回転禁止装置) 122:電磁式ソレノイド 124:アクチュエータ 126:ロックプレート 136:ロッド(連結部) 152:摺動部材 158:モータ 180:ステアリングロック装置 182:凸部 184:貫通穴(凹部) 200:VGRSロック装置(軸体回転禁止装置) 202:電磁式ソレノイド(アクチュエータ) 208:ベルト 210:摩擦材

Claims (6)

  1. 運転者によって操作されるステアリング操作部材と、
    車輪を転舵させる転舵装置と、
    前記ステアリング操作部材に加えられた操作力を操舵力として前記転舵装置に伝達する操舵力伝達装置と、
    前記操舵力伝達装置の構成要素である軸体と接触する状態においてその軸体の回転の抵抗となる摩擦力を発生させる摩擦部材と、その摩擦部材と前記軸体との接触状態を変更するアクチュエータとを有し、そのアクチュエータによって前記摩擦部材と前記軸体との接触状態を摩擦力が大きな大摩擦状態に変更することで、前記軸体の回転を禁止可能な軸体回転禁止装置と
    を備えた車両用ステアリングシステム。
  2. 前記操舵力伝達装置が、前記ステアリング操作部材の操作に応じて回転して前記操舵力を転舵装置に伝達する操舵力伝達シャフトを有し、
    前記軸体回転禁止装置が、前記軸体としての前記操舵力伝達シャフトの回転を禁止するものとされた請求項1に記載の車両用ステアリングシステム。
  3. 前記操舵力伝達装置が、(a)前記ステアリング操作部材の操作に応じて回転可能に設けられた第1要素と、その第1要素と相対回転可能に設けられて前記転舵装置に回転を出力する第2要素と、それら第1要素と第2要素と係合して回転する第3要素とを含んで構成される差動機構と、(b)前記第3要素を回転駆動する駆動源とを有し、前記第1要素から前記第2要素へ回転を伝達するとともに前記第1要素と前記第2要素との相対回転量を前記第3要素の回転駆動量に応じて変更可能とされた可変動作伝達装置を備え、
    前記軸体回転禁止装置が、前記軸体としての前記第3要素の回転を禁止するものとされた請求項1に記載の車両用ステアリングシステム。
  4. 前記摩擦部材が、前記軸体に巻かれた帯状の部材とされ、前記軸体回転禁止装置が、前記アクチュエータによって前記摩擦部材の少なくとも一方の端部を変位させることにより、その摩擦部材が前記軸体を締め付けて前記大摩擦状態とすることで前記軸体の回転を禁止するように構成された請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  5. 前記摩擦部材が、凸部と凹部との一方を有し、前記軸体が、凸部と凹部との他方を有し、それら凸部と凹部との一方と凸部と凹部との他方とが嵌合可能な構造とされ、
    前記軸体回転禁止装置が、前記大摩擦状態において設定以上の回転力が加わった場合に前記摩擦部材に対する前記軸体の回転を許容し、かつ、前記凸部と凹部との一方と前記凸部と凹部との他方とが嵌合することで前記摩擦部材が前記軸体を係止してその軸体の回転を禁止するように構成された請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  6. 前記軸体回転禁止装置が、前記アクチュエータが前記摩擦部材と前記軸体との接触状態を大摩擦状態に変更するように動作した後に、そのアクチュエータの動作前の状態への復帰動作を禁止するアクチュエータ復帰動作禁止装置を備えた請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
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