WO2006126454A1 - ポリベンゾオキサゾール系基板材料およびそのフィルム - Google Patents
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- the alicyclic dicarboxylic acid as the dicarboxylic acid component as the second raw material is not particularly limited, but 1, 2 cyclohexane dicarboxylic acid, 1, 3 cyclohexane dicarboxylic acid, 1, 4-cyclohexane dicarboxylic acid 1, 1-cyclopropanedicarboxylic acid, 1,1 cyclobutanedicarboxylic acid, 1,3 cyclopentanedicarboxylic acid, etc.
- a polybenzoxazole film was prepared in the same manner as in Example 1, and physical properties were evaluated. Table 1 shows the physical properties. Like the polybenzoxazole described in Example 1, it was soluble in various organic solvents. In addition, as in Example 1, all required characteristics were satisfied.
- a polybenzoxazole precursor was synthesized in the same manner as described in Comparative Example 3, except that 1,3-cyclohexanedicarboxylic acid was used as the dicarboxylic acid.
- this polybenzoxazole precursor solution was cast on a glass substrate and dried at 60-: LOO ° C for 2 hours, it showed no film-forming properties. This is because the molecular weight of this polybenzoxazole precursor is too low. Because we were unable to produce a polybenzoxazole film, we conducted a physical property evaluation. The inherent viscosity of the polybenzoxazole precursor is 0.140dLZg.
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Abstract
【課題】高ガラス転移温度、高透明性、低複屈折、低吸水率、かつ十分な靭性を併せ持つポリベンゾオキサゾール系基板材料およびそのフィルムを提供すること。 【解決手段】式(1) (式中、Rは2価の脂環族基である)で表されるモノマー単位を反復単位の主成分とし、線熱膨張係数(荷重0.5g/膜厚1μm、昇温速度5°C/分)が80ppm/K以下であり、固有粘度が0.4dL/g以上であるポリベンゾオキサゾールからなる基板材料。
Description
明 細 書
ポリべンゾォキサゾール系基板材料およびそのフィルム
技術分野
[0001] 本発明は高いガラス転移温度、高い透明性、低い複屈折、低い吸水率、及び十分 な靭性を併せ持つ、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜および液晶ディスプレー 用基板、有機エレクト口ルミネッセンス (EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基 板、太陽電池用基板、特にフレキシブルフィルム液晶ディスプレー用プラスチック基 板の材料として有用なポリべンゾォキサゾール系基板材料およびそのフィルムに関 する。
背景技術
[0002] 現在、液晶ディスプレー用基板にはガラス基板が用いられて ヽるが、近年のデイス プレーの大画面化の動向に伴 、、軽量ィ匕および生産性向上の問題が顕在化して ヽ る。また携帯電話、電子手帳、携帯用パーソナルコンピュータ等のモパイル用情報' 通信機器では液晶ディスプレー中のガラス基板が小さな衝撃でも破損しやす 、と ヽ つた問題が指摘されている。最近、重くて割れやすいガラス基板の代替材料として、 より軽量で成型加工性が高ぐ割れにくいプラスチック基板が注目されている。
[0003] し力しプラスチック基板はガラス基板に比べて耐熱性に劣ると!、う欠点を持つ。特に TFT型液晶パネルでは製造工程上、 190°Cの高温に複数回曝されるため、プラスチ ック基板のガラス転移温度は少なくとも 190°Cより高いことが要求される。しかしながら 現存する代表的な透明榭脂であるポリメタクリル酸メチルやポリカーボネートではガラ ス転移温度がそれぞれ 100°Cおよび 150°Cであり、耐熱性の点で全く不十分である
[0004] ガラス転移温度が高 、高分子材料として、ポリイミド、ポリべンゾォキサゾール、ポリ ベンズイミダゾールが挙げられる。中でもポリイミドは、その製造のための重合反応お よび膜の製造方法が比較的簡便であること、入手可能なモノマーが多ぐ物性改良 に有利であることから、開発検討の対象となり、高ガラス転移温度、高透明性及び高 靭性を同時に有するポリイミドが検討されている (非特許文献 1)。
[0005] 一方、液晶ディスプレーに使用される基板は吸水率ができるだけ低いことが望まし Vヽ。これは吸着水が基板上に形成された ITO電極に対して剥離の促進等の悪影響 を及ぼす恐れがあるためである。
[0006] ポリイミドは分子内に分極率の高いイミド基を有するため、一般に吸水率が高ぐ上 記観点からは一般に不利である。
[0007] ポリイミドフィルムは一般にテトラカルボン酸二無水物とジァミンとをジメチルァセトァ ミド等の非プロトン性極性溶媒中で等モル反応させてポリイミド前駆体とし (前駆体重 合)、その後、この溶液を基板上に流延して乾燥させ、 300°C以上の高温で加熱硬 化する 2段階法で製造される。これは最終生成物であるポリイミドが溶媒に不溶で、 熱可塑性も殆どな ヽ場合が多ぐポリイミド自体を成型加工することが困難なためで ある。
[0008] また、フレキシブルフィルム液晶ディスプレー用プラスチック基板として、しばしば膜 厚 100〜200 μ mと!、つた厚!、フィルムが要求される力 そのように厚 、ポリイミドフィ ルムを 2段階法で作製することは容易ではな 、。
[0009] 更に深刻な問題はポリイミドフィルムの着色である。これはポリイミド鎖における芳香 族基を通じた分子内共役および、分子内 ·分子間電荷移動相互作用によるものであ る(非特許文献 2)。この点は、ポリイミド前駆体重合の際に用いるテトラカルボン酸二 無水物とジァミンのどちらか一方あるいは両方に脂肪族モノマーを使用することによ つて、電荷移動相互作用を妨害し、ポリイミド膜の透明性の問題を克服することが可 能である。
[0010] し力しながら、脂肪族ジァミンとテトラカルボン酸二無水物からポリイミド前駆体重合 を行なう際、重合反応初期に塩形成が起こり、重合終了まで長期間を要するか、場 合によっては重合反応が全く進行しな 、と 、う重大な問題が生じる (非特許文献 3)。
[0011] 一方、ポリべンゾォキサゾールはイミド基のような高分極性の構造単位を分子内に 含んでおらず、低吸水性が期待される。更に分子内に脂環族構造を導入することで 、膜の透明性が改善されると同時に、分子間相互作用が低下して最終生成物である ポリべンゾォキサゾールの有機溶媒に対する溶解性が高くなることが期待される。し かしながら、フレキシブルフィルム液晶ディスプレー用プラスチック基板に適した上記
膜特性および加工性を全て満足するポリべンゾォキサゾールを製造する技術は知ら れて 、な 、のが現状である。
[0012] 骨格中への脂環族構造の導入は透明化と同時に低誘電率化にも有利であることは 、ポリイミド系ではよく知られている(非特許文献 4)力 ポリべンゾォキサゾール系に おいても脂環族構造の導入により膜の透明性と同時に低誘電率の発現が期待され る。
[0013] 電気絶縁膜の低誘電率化はマイクロプロセッサーの演算速度の高速化やクロック 信号の立ち上がり時間の短縮化を可能にするため、情報処理 ·通信分野で極めて重 要な課題になってきて ヽる。
[0014] また上記の可溶性ポリべンゾォキサゾールを多層基板等における電気絶縁膜とし て利用する場合には、金属基板上に絶縁膜を形成するためにポリベンゾォキサゾー ル自体の有機溶媒溶液を塗布後、比較的低温で溶媒を蒸発、乾燥させるだけでよく
、金属基板 Z絶縁膜積層体における熱応力低減に有利である。
[0015] 一般に、ポリイミドゃポリべンゾォキサゾール等の絶縁材料が有機溶媒に不溶な場 合、それらの前駆体の有機溶媒溶液を基板上に塗布し乾燥させた後、 300〜400°C の高温で脱水環化反応させることで、最終的に基板上に耐熱性絶縁膜を形成する 方法がとられるが、この際、絶縁膜の線熱膨張係数が十分に低くないと (金属基板の それに近くないと)、熱環化反応後の室温に戻す冷却過程で大きな熱応力が発生し 、基板からの絶縁膜の剥れ、割れ、積層体の反り等が発生し、デバイスの信頼性の 低下を招くことになる。
[0016] ポリマー主鎖中にエーテル結合を有するポリべンゾォキサゾールも知られて 、る ( 特許文献 1及び 2)。しかし、上記のような要求特性を全て満たすポリべンゾォキサゾ ールは知られていない。
特許文献 1 :特開 2003— 185857号
特許文献 2 :特開 2004— 18594号
非特許文献 1 :「高分子討論会予稿集」, 53卷, 2004年, p. 3985〜3986。
非特許文献 2 :「プログレス'イン'ポリマーサイエンス(Progress in Polymer Science) J
, 26卷, 2001年, p. 259〜335。
非特許文献 3:「ハイパフォーマンス 'ポリマー(High Performance Polymers)」, 15卷, 2003年, p. 47〜64。
非特許文献 4 :「マクロモレキュール(Macromolecules)」, 32卷, 1999年, p. 4933〜 4939。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0017] 本発明の課題は、高ガラス転移温度、高透明性、低複屈折、低吸水率、かつ十分 な靭性を併せ持つ、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜および液晶ディスプレー 用基板、有機 ELディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板、特 にフレキシブルフィルム液晶ディスプレー用プラスチック基板として有用なポリべンゾ ォキサゾール系基板材料およびそのフィルムを提供することである。
課題を解決するための手段
[0018] 本発明者等は上記の課題を解決するべぐ鋭意検討を重ねた結果、ビス (o—ァミノ フエノール)エーテル成分としての 3, 3,ージアミノー 4, 4,ージヒドロキシジフエ-ル エーテルと、ジカルボン酸成分としての脂環式ジカルボン酸とを、縮合剤の存在下に 重縮合反応させて得られ、上記要求特性を全て満たすポリベンゾォキサゾールを見 出し、力かる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
[0019] 即ち本発明の要旨は、
(1)式(1)で表されるモノマー単位を反復単位の主成分とし、線熱膨張係数 (荷重 0 . 5gZ膜厚 1 m、昇温速度 5°CZ分)が 80ppmZK以下であり、固有粘度が 0. 4d LZg以上であるポリベンゾォキサゾールカもなる基板材料、
(式(1)中、 Rは 2価の脂環族基である)
(2) Rが炭素数 3〜8のシクロアルキル残基である、前項(1)に記載の基板材料、
(3)ポリべンゾォキサゾールが、ビス(o—ァミノフエノール)エーテルとジカルボン酸誘
導体を縮合剤の存在下、重縮合反応させて得られたものである、前項(1)または(2) に記載の基板材料、
(4)有機溶媒を含有する、前項(1)〜(3)の ヽずれか 1項に記載の基板材料、
(5)前項(1)〜(3)の 、ずれか 1項に記載の基板材料力もなるポリベンゾォキサゾー ノレフイノレム、
(6)ガラス転移温度が 190°C以上、吸水率が 1. 0%以下、破断伸びが 30%以上で ある、前項(5)に記載のポリべンゾォキサゾールフィルム、
に存する。
発明の効果
[0021] 本発明に係るポリべンゾォキサゾール系基板材料は上記要求特性を全て満足して V、るため、上記のような各種用途に好適な材料である。
発明を実施するための最良の形態
[0022] 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリべンゾォキサゾール系基板材料は、上記式(1)で表されるモノマー単 位を反復単位の主成分とするポリべンゾォキサゾールであり、ビス(o ァミノフエノー ル)エーテル成分としての 3, 3,ージアミノー 4, 4,ージヒドロキシジフエ-ルエーテル と、ジカルボン酸成分としての脂環式ジカルボン酸とを、縮合剤の存在下に重縮合反 応させること〖こよって製造される。
[0023] 第 1の原料である上記ビス(o ァミノフエノール)エーテル成分としての 3, 3,ージ アミノー 4, 4,—ジヒドロキシジフエ-ルエーテルは、式(2)で表される。
[0024] [化 2]
第 2の原料である上記ジカルボン酸成分としての脂環式ジカルボン酸は、特に限定 されないが、 1, 2 シクロへキサンジカルボン酸、 1, 3 シクロへキサンジカルボン 酸、 1, 4ーシクロへキサンジカルボン酸、 1, 1ーシクロプロパンジカルボン酸、 1, 1 シクロブタンジカルボン酸、 1, 3 シクロペンタンジカルボン酸等の炭素数 3〜8のシ
クロアルキルジカルボン酸、 2, 5—ノルボルナンジカルボン酸、 1, 3—ァダマンタン ジカルボン酸等が挙げられ、好ましくは炭素数 3〜8のシクロアルキルジカルボン酸、 特に好ましくは 1, 3—シクロへキサンジカルボン酸(式(3) )および 1, 4ーシクロへキ サンジカルボン酸 (式 (4) )が用いられる。これらを単独であるいは 2種類以上組み合 わせて使用することができる。ポリべンゾォキサゾールの重合反応性および有機溶媒 に対する溶解性の観点から 1, 3—シクロへキサンジカルボン酸を含有することが好ま しい。
[0026] [化 3]
[0027] [化 4]
上記 1, 3—シクロへキサンジカルボン酸には、式(5)に示すようにトランス体とシス 体が存在するが、本発明に係るポリべンゾォキサゾールを製造する場合、特に立体 構造上の制約はなぐトランス体、シス体どちらも使用可能であり、これらの混合物で あっても差し支えない。
トランス体 シス体 上記式(4)の 1, 4ーシクロへキサンジカルボン酸には式(6)に示すようにトランス体 とシス体が存在する力 本発明に係るポリべンゾォキサゾールを重合する場合、特に 立体構造上の制約はなぐトランス体、シス体どちらも使用可能であり、これらの混合 物であっても差し支えな!/、。
トランス体 シス体
[0030] 本発明のポリべンゾォキサゾール系基板材料の具体的な製造方法にっ 、て詳細 に説明する。
[0031] 脂環式ジカルボン酸成分総量と等モル量の 3, 3'ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシ ジフエ-ルエーテルを反応容器中に入れ、重合溶媒を加える。撹拌機で撹拌しなが ら窒素雰囲気中、 100°Cから 10°Cずつ最終温度まで段階的に昇温 (各温度で 10分 間保持)し、最後に 200〜230°Cで 10分〜 2時間保持する。室温まで冷却後、水中 に沈殿させ、洗浄水が中性になるまで大量の水で洗浄後、更にメタノールで洗浄し、 最後に 100°Cで真空乾燥して、ポリべンゾォキサゾールの白色沈殿を得る。
[0032] 重合時のモノマー濃度は通常 5〜30重量%、好ましくは 7〜20重量%である。モノ マー濃度が 5重量%未満であると、ポリべンゾォキサゾールの重合度が十分高くなら ない場合があり、 30重量%を越えると、モノマーが十分に溶解せず、均一な溶液が 得られない恐れがある。
[0033] 重合溶媒及び縮合剤に特に制限はない。縮合剤兼重合溶媒としてポリ燐酸あるい は五酸ィ匕燐一メタンスルホン酸混合物が用いられることが好まし 、。
[0034] 脂環式ジカルボン酸を使用する上記重合反応は、少なくとも 200°Cまで昇温するこ とが好ましい。 200°C以下で重合反応を行うと、重合度が十分高くならない恐れがあ る。他方で、重合温度は上記のように徐々に昇温して行うことが好ましぐ急激に例え ば 200°Cにまで昇温するべきではない。さもないと、脂環族構造が一部分解し、最終 的に得られるポリべンゾォキサゾールが著しく着色し、更に重合度が十分高くならな い恐れがある。
[0035] 本発明に係るポリベンゾォキザゾールの要求特性および重合反応性を著しく損な わな 、範囲で式(2)の化合物以外の他の o—ァミノフ ノールイ匕合物を部分的に使 用することができる。このような o—ァミノフエノールイ匕合物としては、例えば 2, 2—ビ ス(3—アミノー 4—ヒドロキシフエ-ル)へキサフルォロプロパン、 4, 6—ジアミノレゾ ルシノール、 2, 5—ジァミノハイドロキノン、 3, 3'—ジヒドロキシベンジジン、 3, 3, 一
ジァミノー 4, 4'ージヒドロキシビフエニル、 4, 4'ージアミノー 3, 3,ージヒドロキシビフ ェニルエーテル、 3, 3,ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシビフエニルスルホン、 4, 4' ジァミノー 3, 3,ージヒドロキシビフエニルスルホン、 3, 3,ージアミノー 4, 4,ージヒドロ キシビフエ二ノレメタン、 4, 4'ージアミノー 3, 3,ージヒドロキシビフエ二ノレメタン、 2, 2 -ビス(3 ァミノ 4 ヒドロキシフエ-ル)プロパン等があげられる。またこれらを 2種 類以上併用することもできる。これら他の o アミノフエノールイ匕合物は、全 o ァミノ フエノールイ匕合物中で 40モル%以下の割合で使用することができる。
[0036] また、本発明に係るポリベンゾォキザゾールの要求特性および重合反応性を著しく 損なわな 、範囲で部分的に他のジカルボン酸を使用することができる。使用可能な ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、 2, 5 ジメチ ルテレフタル酸、 2, 3 ピリジンジカルボン酸、 2, 4 ピリジンジカルボン酸、 2, 6— ピリジンジカルボン酸、 3, 4—ピリジンジカルボン酸、 3, 5—ピリジンジカルボン酸、 4 , 4,ービフエニノレジ力ノレボン酸、 2, 2,ービフエニノレジ力ノレボン酸、 4, 4,ージフエ二 ルエーテルジカルボン酸、 4, 4'ージフエ-ルメタンジカルボン酸、 4, 4'ージフエ- ルスルホンジカルボン酸、 1, 2 ナフタレンジカルボン酸、 1, 4 ナフタレンジカル ボン酸、 1, 5 ナフタレンジカルボン酸、 2, 3 ナフタレンジカルボン酸、 2, 6 ナ フタレンジカルボン酸、 2, 7 ナフタレンジカルボン酸、 1, 3 ァダマンタンジカルボ ン酸、 1, 8 アントラセンジカルボン酸、シユウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、 アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、ァゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸 等があげられる。またこれらを 2種類以上併用することもできる。
[0037] 上記 3, 3,ージアミノー 4, 4,ージヒドロキシジフエ-ルエーテル(以後、 ADPEと略 称する)は、本来は、白色結晶であるが、合成中、あるいは、保存中に、着色不純物 で汚染されやすい。本発明においては、その目的力もして着色不純物で汚染されて V、な ヽ ADPEを使用することが好まし!/、。
[0038] このような着色の少ない ADPEは、例えば 4, 4,ージヒドロキシジフエ-ルエーテル を-トロ化して得られる 3, 3,ージ-トロー 4, 4,ージヒドロキシジフエ-ルエーテルを 、アルコール性有機溶剤中、触媒存在下、水素またはヒドラジン水和物で還元するこ とによって、得ることができる。
[0039] 上記触媒としては、通常、ラネーニッケル、活性炭に担持したパラジウム、活性炭に 担持した白金が用いられる。
[0040] ADPEを、窒素気流下、ヒドラジン水和物を添加したアルコール性有機溶剤に加熱 溶解し、活性炭を加え、熱時攪拌後、熱ろ過し、得られた濾液を、冷却、水を添加し て、結晶を析出させる。ろ過して、得られたろ過ケーキを水洗、乾燥して、白色結晶 A
DPEを得る。
[0041] ヒドラジン水和物は、通常、 60%ヒドラジン 1水和物が用いられる力 特に限定され ない。使用される 60%ヒドラジン 1水和物は、 ADPEに対し、通常、 0. l〜100wt% 、好ましくは、 l〜50wt%、更に、好ましくは、 5〜40%、特に好ましくは、 10〜30% である。 60%ヒドラジン 1水和物力 0. 1%未満の場合、処理中、着色物の生成が活 発になり、活性炭で、脱色できなくなる。 100wt%を超えると、経済的でない。
[0042] アルコール性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、 2—メト キシエタノール等が挙げられる力 メタノールが好ましい。アルコール性有機溶剤の 使用量は、溶剤の種類によって異なる力 ADPEに対し、通常、 3〜30倍 (vZw)、 好ましくは、 5〜20倍 (vZw)、特に好ましくは、 10〜15倍 7 )でぁる。
[0043] 活性炭としては、通常の脱色用の活性炭が選択できるが、二村化学工業製の「太 閤活性炭 SA」が好ましい。使用量は、 ADPEに対し、通常、 l〜30wt%、好ましくは 、 2〜20wt%、特に、好ましくは、 5〜: LOwt%である。
[0044] 活性炭で処理する温度は、通常、 20°Cからアルコール性有機溶剤の沸点、好まし くは、 30〜70。C、好ましくは、 40〜60。C、特に好ましくは、 50〜60。Cである。活性 炭で処理する時間は、特に限定されないが、通常、 30分から 3時間、好ましくは、 1時 間から 2時間である。
[0045] 熱ろ過して得られるろ液に加える水の量は、 ADPEに対し、通常、 5〜30倍 (w/w )、好ましくは、 10〜20倍 (wZw)である。 5倍未満の場合、収率が低くなり、 30倍を 超えると、生産性が低下し、経済的でない。
[0046] 本発明に係るポリべンゾォキサゾールは、その前駆体、即ちポリヒドロキシアミドある いはポリシリル化ヒドロキシアミドを経由して合成することも原理的には可能である。ポ リヒドロキシアミドはビス(o—ァミノフエノール)エーテルとジカルボン酸ジクロリドから
重縮合反応により得られるが、酸クロリド基がアミノ基のみならずヒドロキシ基とも反応 するため、官能基のモルバランスがくずれ、高重合体を得ることは困難である。
[0047] ポリシリル化ヒドロキシアミドは、まずビス(o—ァミノフエノール)エーテルを N—メチ ル— 2—ピロリドン等の非プロトン性有機溶媒中、シリルイ匕試薬を用いてテトラシリル 化体とした後、これとジカルボン酸ジクロリドを等モル重縮合反応せしめて、高重合体 を得ることが可能である。し力しながらポリシリルィ匕ヒドロキシアミドキャスト膜の熱環化 反応には通常 300°C以上の高温を必要とするため、脂環構造部位が部分的に熱分 解してポリべンゾォキサゾール膜が著しく着色する恐れがある。
[0048] 本発明に係るポリべンゾォキサゾールでは、前駆体を経由しな 、ため上記のような 高温脱水環化反応工程を必要としな 、ため、得られるポリべンゾォキサゾール膜が 着色する心配がない。また、前駆体重合に必要なジカルボン酸の塩素化やビス (o— アミノフェノール)エーテルのシリルイ匕のような煩雑な工程を一切含まず、前駆体重合 の際に用いる高価なシリルイ匕試薬や、痕跡量でも残留すると電子デバイスに好ましく な 、塩素成分を含む酸クロリドィ匕合物を一切使用する必要がな 、。
[0049] ポリべンゾォキサゾール前駆体重合の際にしばしば添加される高分子溶解促進剤 、即ちリチウムブロマイドやリチウムクロライドの如き金属塩類は、本発明におけるポリ ベンゾォキサゾールー段階重合反応には一切使用する必要がない。これらの金属 塩類はポリベンゾォキサゾール膜中に金属イオンが痕跡量でも残留すると、電子デ バイスとしての信頼性を著しく低下させるため用いられるべきではない。
[0050] 本発明に係るポリべンゾォキサゾールを有機溶媒に溶解させ、均一'透明で貯蔵安 定性の高い溶液を得ることができる。この溶液をシリコン、銅、ガラス等の基板上に流 延し、温風乾燥器中、 50〜150°Cの温度範囲で 10分〜数時間乾燥される。この膜 を更に 100〜300°C、好ましくは 150°C〜250°Cで熱処理することにより、透明で強 靭なポリべンゾォキサゾールフィルムが得られる。 300°C以上での熱処理ではポリべ ンゾォキサゾールフィルムが著しく着色する恐れがある。またポリべンゾォキサゾール フィルムの着色を抑制するために、熱処理は真空中または窒素等の不活性ガス雰囲 気中で行うことが望ましいが、あまり高温にしないかぎり空気中で行っても重大な問題 は生じない。
[0051] ポリべンゾォキサゾール溶液を得る際に用いる有機溶媒としては特に限定されな!ヽ 力 N—メチル—2—ピロリドン、 N, N—ジメチルァセトアミド、 N, N—ジェチルァセト アミド、 N, N—ジメチルホルムアミド、へキサメチルホスホルアミド、ジメチルスルホキシ ド、 γ -ブチロラタトン、 1, 3—ジメチルー 2—イミダゾリジノン、 1, 2—ジメトキシェタン 、ビス(2—メトキシェチル)エーテル、テトラヒドロフラン、 1, 4—ジォキサン、ピコリン、 ピリジン、アセトン、クロロホノレム、トノレェン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホノレム、 1, 2—ジクロロェタン等の非プロトン性溶媒および、フエノール、 ο—クレゾール、 m—ク レゾーノレ、 p—クレゾ一ノレ、 o—クロ口フエノーノレ、 m—クロ口フエノーノレ、 p—クロ口フエ ノール等のプロトン性溶媒が使用可能である。またこれらの溶媒は単独でも、 2種類 以上混合して用いてもよい。
[0052] 本発明に係るポリベンゾォキサゾールは脂環族構造を有するため、これを含まな!/ヽ 全芳香族ポリべンゾォキサゾールに比べると長期熱安定性に若干劣る力 フレキシ ブル液晶ディスプレーや多層基板等の作製時に要求される短期耐熱性は充分高ぐ 上記産業分野への応用には全く問題がな!、。
[0053] 本発明の基板材料は、本発明で要求される特性を損なわない範囲で、式(1)で表 されるモノマー単位を反復単位とするポリべンゾォキサゾール以外のものを含んでい ても差し支えないが、式(1)のモノマー単位を反復単位の 60mol%以上含有するこ とが好ましい。
[0054] 本発明に係るポリベンゾォキサゾールの線熱膨張係数 (荷重 0. 5g/膜厚 1 μ m、 昇温速度 5°CZ分)は 80ppmZK以下である必要があり、好ましくは 70ppmZK以 下である。
[0055] 本発明に係るポリべンゾォキサゾールの固有粘度はできるだけ高!、方が膜靭性が 増加する傾向があるため望ましぐ 0. 4dLZg以上、好ましくは 0. 4〜5. OdL/g, 特に好ましくは 0. 5〜2. OdLZgであることが好ましい。固有粘度が 0. 4dLZgを下 回るとポリべンゾォキサゾールフィルムの靭性が急激に低下して、フレキシブル液晶 ディスプレー用基板への適用が困難になる恐れがある。
[0056] 本発明に係るポリべンゾォキサゾールのガラス転移温度はできるだけ高 、方が望ま しいが、 TFT型フレキシブル液晶ディスプレー製造工程上の制約から、 190°C以上
であることが好ましぐ 200°C以上であることがさらに好ましい。
[0057] 本発明に係るポリベンゾォキサゾールの破断伸びは 30%以上であることが好まし い。
[0058] 本発明のポリべンゾォキサゾール系基板材料をフレキシブル液晶ディスプレー用 基板に適用する場合、ポリべンゾォキサゾールフィルムが透明'無着色である必要が ある。指標としてカットオフ波長が 330nmより短波長であることが好ましぐ更に 400η mでの透過率力 0%以上であることが好ましい。また、複屈折はできるだけ低い方が 好ましいが、 0. 01以下であれば液晶ディスプレー用基板として大きな支障はない。
[0059] 吸水率はできるだけ低い方が好ましいが、 1. 0%以下であれば液晶ディスプレー 用基板として大きな支障はない。
[0060] 本発明に係るポリべンゾォキサゾールは上記要求特性を全て満足しているため、上 記用途に最適な材料である。
[0061] 得られたポリべンゾォキサゾール中には必要に応じて酸ィ匕安定剤、末端封止剤、フ イラ一、シランカップリング剤、感光剤、光重合開始剤および増感剤等の添加物が混 合されて!/、ても差し支えな!/、。
実施例
[0062] 以下に本発明の具体的態様を実施例によりさらに詳細に説明するが、これは例示 のためであり、本発明の範囲はこれによって限定されるものではない。なお、各例に おける分析値は以下の方法により求めた。
[0063] <固有粘度 >
0. 5重量%のポリべンゾォキサゾール溶液について、ォストワルド粘度計を用いて 30°Cで測定した。
[0064] <ガラス転移温度: Tg>
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置 (TMA4000)を用いて、動的粘弾性測 定により、周波数 0. 1Ηζ、昇温速度 5°CZ分における損失ピークから求めた。
[0065] <線熱膨張係数: CTE >
ブルカーエイエックス社製熱機械分析装置 (TMA4000)を用いて、熱機械分析に より、荷重 0. 5gZ膜厚 l w m、昇温速度 5°CZ分における試験片の伸びより、 100〜
200°Cの範囲での平均値として線熱膨張係数を求めた。
[0066] < 5%重量減少速度: Td5 >
ブルカーエイエックス社製熱重量分析装置 (TG— DTA2000)を用いて、窒素中ま たは空気中、昇温速度 10°CZ分での昇温過程において、サンプルの初期重量が 5 %減少した時の温度を測定した。これらの値が高いほど、熱安定性が高いことを表す
[0067] <カットオフ波長(透明性) >
日本分光社製分光光度計 (V— 520)により 200nmから 900nmの可視 ·紫外線透 過率を測定した。透過率が 0. 5%以下となる波長 (カットオフ波長)を透明性の指標と した。カットオフ波長が短い程、透明性が良好であることを意味する。
[0068] <光透過率 (透明性) >
日本分光社製分光光度計 (V— 520)により 400nmにおける光透過率を測定した。 透過率が高い程、透明性が良好であることを意味する。
[0069] <複屈折 >
ポリべンゾォキサゾール膜に平行な方向(n )と垂直な方向(n )の屈折率をァタ
m out
ゴ社製アッベ屈折計 (4T)けトリウムランプ使用、波長 589nm)で測定し、これらの 屈折率の差カも複屈折(Δ η=η -η )を求めた。
in out
[0070] <誘電率 >
ポリべンゾォキサゾール膜の平均屈折率〔n = (2n +n ) Z3〕に基づいて、次
av in out
式により 1MHzにおける誘電率( ε )を算出した。 ε = 1. Ι Χ η 2
av
<弾性率、破断伸び >
東洋ボールドウィン社製引張試験機 (UTM- 2)を用いて、ポリベンゾォキサゾー ル膜の試験片(3mm X 30mm)につ ヽて引張り試験 (延伸速度: 8mmZ分)を実施 し、応力一歪曲線の初期の勾配から弾性率を、膜が破断した時の伸び率力 破断伸 び (%)を求めた。破断伸びが高 、ほど膜の靭性が高 、ことを意味する。
[0071] <吸水率>
50°Cで 24時間真空乾燥したポリべンゾォキサゾール膜 (膜厚 20〜30 μ m)を 25 °Cの水に 24時間浸漬した後、余分の水分を拭き取り、重量増加分から吸水率 (%)を
求めた。
[0072] (合成例 1)
攪拌機、還流器を備えた 500cc容量の 4口フラスコに、窒素気流下、メタノール 30 Occ、 60%ヒドラジン 1水和物 6gを加え、次に、巿販品の 3, 3,ージアミノー 4, 4, 一 ジヒドロキシジフエ-ルエーテル (ADPE) 20g、「太閤活性炭 SA」4gをカ卩えて加熱し た。 60〜65°Cで 1時間保持した後、冷却した。 45°Cで熱ろ過した。熱メタノール 20c cで、活性炭を洗浄した。ろ液を、 lOOOccフラスコに加え、窒素気流下、冷却した。 内容液温度が 5°Cのとき、イオン交換水 300ccを 30分かけて、滴下した。 2〜3°Cで 3 0分保持した後、ろ過した。ろ過ケーキを、 200ccのイオン交換水で洗浄した。湿ケー キを、 50〜60°C、減圧下で、乾燥し、 19gの白色乾燥 ADPEを得た。 HPLCで精製 して純度 99. 9%の ADPEを得た。 ADPEO. 02gを、メタノール lg及びァセトニトリ ル 4gの混合溶液に溶解した溶液の液色は、無色であった。
[0073] (実施例 1)
攪拌機付密閉反応容器中に 1, 3—シクロへキサンジカルボン酸 (シス、トランス混 合物) lOmmolおよび合成例 1で製造された 3, 3,ージアミノー 4, 4,ージヒドロキシ ジフエ-ルエーテル lOmmolを入れ、モノマー濃度が 10重量%になるようにポリ燐酸 を加えた。撹拌機で撹拌しながら窒素気流中、オイルバスにて 100°Cから 10°Cずつ 段階的に昇温 (各温度で 10分間保持)し、最後に 200°Cで 10分時間保持した。反応 終了後、室温まで冷却し、水中に沈殿させ、洗浄水が中性になるまで大量の水で洗 浄した。更にメタノールで洗浄し、最後に 100°Cで真空乾燥して、ポリべンゾォキサゾ ールの白色沈殿を得た。へキサメチルホスホルアミド中、 30°Cで測定した、ポリベン ゾォキサゾールの固有粘度は 1. 30dLZgであり、高重合体であった。また様々な溶 媒(N—メチルー 2—ピロリドン、へキサメチルホスホルアミド、 m—タレゾール等)に溶 解性を示した。次にこのポリべンゾォキサゾールをへキサメチルホスホルアミドに 7重 量%〖こなるように溶解させ均一かつ透明な溶液を得た。この溶液をガラス基板上に 流延し、 120°Cで 2時間乾燥後、メタノールに浸漬後、更に真空中 200°Cで 1時間熱 処理し、透明で可撓性のポリべンゾォキサゾールフィルムを得た。膜物性はガラス転 移温度 195°C、カットオフ波長 311nm、破断伸び 84%、複屈折 Δ η=0. 004、線熱
膨張係数 55. 3ppmZK、 5%重量減少温度 (昇温速度 10°CZmin)は窒素中で 47 0°C、空気中で 443°C、誘電率は 2. 90、吸水率 0. 64%であり、要求特性を全て満 足するポリべンゾォキサゾールが得られた(表 1)。このポリべンゾォキサゾール薄膜 の赤外線吸収スペクトルを図 1に示す。
[0074] (実施例 2)
ジカルボン酸として 1, 4ーシクロへキサンジカルボン酸(シス、トランス混合物)を用 V、た以外は、実施例 1に記載の方法と同様にしてポリべンゾォキサゾールを合成し、 フィルムを作製して物性評価を行った。表 1に物性値を示す。 1, 3 シクロへキサン ジカルボン酸を用いた場合と比較して、限られた溶媒 (m—タレゾール等)にしか溶解 性を示さな力 た力 実施例 1と同様に要求特性をほぼ満足するポリべンゾォキサゾ ールが得られた。
[0075] (実施例 3)
実施例 1の方法に準じて、 1, 3 シクロへキサンジカルボン酸 (シス、トランス混合 物) 10mmol、合成例 1で製造された 3, 3'ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシジフエ- ルエーテル 9mmolおよび 2, 2 ビス(3 ァミノ 4 ヒドロキシフエ-ル)へキサフ ルォロプロパン ImmoU:り、ポリべンゾォキサゾール共重合体を合成した。また実施 例 1と同様にポリべンゾォキサゾールフィルムを作製して、物性評価を行った。表 1に 物性値を示す。実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾールと同様に様々な有機溶媒 に可溶であった。また実施例 1と同様に要求特性を全て満足した。
[0076] (実施例 4)
実施例 1の方法に準じて、 1, 3 シクロへキサンジカルボン酸 (シス、トランス混合 物) 10mmol、合成例 1で製造された 3, 3'ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシジフエ- ルエーテル 8mmolおよび 2, 2 ビス(3 ァミノ 4 ヒドロキシフエ-ル)へキサフ ルォロプロパン 2mmoUりポリべンゾォキサゾール共重合体を合成した。また実施例 1と同様にポリべンゾォキサゾールフィルムを作製して、物性評価を行った。表 1に物 性値を示す。実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾールと同様に様々な有機溶媒に 可溶であった。また実施例 1と同様に要求特性を全て満足した。
[0077] (実施例 5)
実施例 1の方法に準じて、 1, 3 シクロへキサンジカルボン酸 (シス、トランス混合 物) 10mmol、合成例 1で製造された 3, 3'ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシジフエ- ルエーテル 7mmolおよび 2, 2 ビス(3 ァミノ 4 ヒドロキシフエ-ル)へキサフ ルォロプロパン 3mmoUりポリべンゾォキサゾール共重合体を合成した。また実施例 1と同様にポリべンゾォキサゾールフィルムを作製して、物性評価を行った。表 1に物 性値を示す。実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾールと同様に様々な有機溶媒に 可溶であった。また実施例 1と同様に要求特性を全て満足した。
[0078] (実施例 6)
実施例 1の方法に準じて、 1, 3 シクロへキサンジカルボン酸 (シス、トランス混合 物) 10mmol、合成例 1で製造された 3, 3'ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシジフエ- ルエーテル 6mmolおよび 2, 2 ビス(3 ァミノ 4 ヒドロキシフエ-ル)へキサフ ルォロプロパン 4mmoUりポリべンゾォキサゾール共重合体を合成した。また実施例 1と同様にポリべンゾォキサゾールフィルムを作製して、物性評価を行った。表 1に物 性値を示す。実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾールと同様に様々な有機溶媒に 可溶であった。また実施例 1と同様に要求特性を全て満足した。
[0079] (実施例 7)
実施例 1の方法に準じて、 1, 3 シクロへキサンジカルボン酸 (シス、トランス混合 物) 10mmol、合成例 1で製造された 3, 3'ージアミノー 4, 4'ージヒドロキシジフエ- ルエーテル 5mmolおよび 2, 2 ビス(3 ァミノ 4 ヒドロキシフエ-ル)へキサフ ルォロプロパン 5mmoUりポリべンゾォキサゾール共重合体を合成した。また実施例 1と同様にポリべンゾォキサゾールフィルムを作製して、物性評価を行った。表 1に物 性値を示す。実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾールと同様に様々な有機溶媒に 可溶であった。また実施例 1と同様に要求特性を全て満足した。
[0080] (比較例 1)
ジカルボン酸として 2, 2 ビス(4 カルボキシフエ-ル)へキサフルォロプロパンを 用いた以外は、実施例 1に記載の方法と同様にポリべンゾォキサゾールを合成し、フ イルムを作製して物性評価を行った。表 1に物性値を示す。 N—メチル—2—ピロリド ン等の溶媒に可溶であつたが、膜の着色を反映して、カットオフ波長は 372nm、 400
nmでの透過率は 13%と透明性の点で不十分であった。
[0081] (比較例 2)
ジカルボン酸としてイソフタル酸を用いた以外は、実施例 1に記載の方法と同様に ポリべンゾォキサゾールを合成した。しかし得られたポリべンゾォキサゾール有機溶 媒に殆ど溶解性を示さなカゝつた。溶液キャスト製膜をすることができなカゝつたため、物 性評価は実施しなカゝつた。
[0082] (比較例 3)
攪拌機付密閉反応容器中に合成例 1で製造された 3, 3'—ジアミノー 4, 4'ージヒ ドロキシジフエ-ルエーテル 5mmolを入れ、セプタムキャップで密閉した。シリンジに て N—メチル 2 ピロリドン 22mLを加えてモノマーを溶解し、更にピリジン 3mLを カロえた。この溶液にトリメチルシリルクロリド 3. 2mL (25mmol)をシリンジでゆっくりと 滴下し、滴下終了後室温で 1時間攪拌してシリルイ匕反応を行った。この溶液にトラン スー 1, 4ーシクロへキサンジカルボン酸 5mmolをゆっくり加え、室温で 24時間重合 反応を行なわせて透明で粘稠なポリべンゾォキサゾール前駆体溶液を得た。これを ガラス基板に流延し、 60°C、 2時間で乾燥後、減圧下 200°Cで 1時間、 270°Cで 1時 間、段階的に熱処理を行い熱脱水閉環反応を完結させ、膜厚約 の強靱なポ リベンゾォキサゾ一ル膜を得た。閉環反応の完結は薄膜の赤外線吸収スペクトルか ら確認した。物性値を表 1に示す。得られたポリベンゾォキサゾール膜は実施例 2に 記載のポリべンゾォキサゾール膜と同等の物性を示したが、著 、着色が見られた。 これは 270°Cでの熱脱水閉環反応の際に脂環族構造単位がわずかに熱分解したた めであると推定される。
[0083] (比較例 4)
ジカルボン酸として 1, 3 シクロへキサンジカルボン酸を用いた以外は、比較例 3 に記載の方法と同様にしてポリべンゾォキサゾール前駆体を合成した。このポリベン ゾォキサゾール前駆体溶液をガラス基板に流延し、 60〜: LOO°Cで 2時間乾燥したと ころ、全く製膜性を示さな力つた。これはこのポリべンゾォキサゾール前駆体の分子 量が低すぎるためである。ポリベンゾォキサゾール膜を作製することができな力つたた め、物性評価を実施しな力つた。なお、ポリべンゾォキサゾール前駆体の固有粘度は
、 0. 140dLZgであった。
[0084] (比較例 5)
実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾールに対応するポリイミドを合成し、膜物性を 比較した。反応容器中にトランス— 1, 4—シクロへキサンジァミン lOmmolを入れ、 N , N—ジメチルァセトアミに溶解した。この溶液に 3, 3' , 4, 4,ービフエ-ルエーテル テトラカルボン酸二無水物粉末 lOmmolを徐々に加え、 48時間撹拌し、透明で粘稠 なポリイミド前駆体溶液を得た。これをガラス基板上に流延し、 60°Cで 2時間乾燥後、 300°Cで 1時間、熱イミド化反応を行い、可撓性のポリイミド膜が得られた。膜の透明 性は高かったが、有機溶媒に殆ど溶解性を示さなかった。また、実施例 1に記載のポ リベンゾォキサゾール膜に比べ、高い吸水率を示した。これは分子内に高分極性の イミド基を含んで 、るためであると推定される。
[0085] [表 1]
表 1
産業上の利用可能性
本発明のポリべンゾォキサゾール系基板材料は、高ガラス転移温度、高透明性、低 複屈折、低吸水率、かつ十分な靭性を併せ持っており、各種電子デバイスにおける 電気絶縁膜および液晶ディスプレー用基板、有機 ELディスプレー用基板、電子べ 一パー用基板、太陽電池用基板、特にフレキシブルフィルム液晶ディスプレー用プ ラスチック基板として有用である。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、実施例 1に記載のポリべンゾォキサゾール薄膜の赤外線吸収スペクトル を示す。
Claims
請求の範囲
[1] 式(1)で表されるモノマー単位を反復単位の主成分とし、線熱膨張係数 (荷重 0. 5 gZ膜厚 l / m、昇温速度 5°CZ分)が 80ppmZK以下であり、固有粘度が 0. 4dL Zg以上であるポリベンゾォキサゾールカもなる基板材料。
(式(1)中、 Rは 2価の脂環族基である)
[2] Rが炭素数 3〜8のシクロアルキル残基である、請求項 1に記載の基板材料。
[3] ポリべンゾォキサゾールが、ビス(o—ァミノフエノール)エーテルとジカルボン酸誘 導体を縮合剤の存在下、重縮合反応させて得られたものである、請求項 1または 2〖こ 記載の基板材料。
[4] 有機溶媒を含有する、請求項 1〜3の!ヽずれか 1項に記載の基板材料。
[5] 請求項 1〜3の 、ずれか 1項に記載の基板材料力 なるポリベンゾォキサゾールフィ ノレム。
[6] ガラス転移温度が 190°C以上、吸水率が 1. 0%以下、破断伸びが 30%以上であ る、請求項 5に記載のポリべンゾォキサゾールフィルム。
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