明 細 書
繊維一樹脂複合体、積層体、およびプリント配線板、並びにプリント配線 板の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、銅張積層板およびそれを用いてなるプリント配線板に関するものであり
、特に、平滑な表面に強固にめっき銅を形成する技術を用いた銅張積層板およびそ れを用 V、てなるプリント配線板に関するものである。
[0002] また本発明は、微細配線形成性に優れた積層体およびプリント配線板に関するも のである。
[0003] また本発明は、無電解めつきを施す際に好適に使用することができる無電解めつき 用材料であり、特にはプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる無電解 めっき用材料及び該無電解めつき用材料を用いてなるプリント配線板に関するもの である。
[0004] また本発明は、無電解めつきを施す際に好適に使用することができる繊維一榭脂 複合体であり、特にはプリント配線板用の製造等に好適に用いることができる繊維— 榭脂複合体とその製造方法、及び該繊維ー榭脂複合体を用いてなるプリント配線板 に関するものである。
[0005] また本発明は、微細配線形成性に優れた多層プリント配線板の製造方法、および 当該製造方法によって製造された多層プリント配線板に関するものである。
背景技術
[0006] 従来、プリント配線板用材料として銅張積層板が用いられて ヽる。この銅張積層板 として、例えば、ガラスクロスにエポキシ榭脂を含浸させたいわゆるガラスエポキシ基 板や、ガラスクロスにビスマレイミド Zトリアジン榭脂を含浸させた 、わゆる BT基板等 の繊維と榭脂との複合体の層と銅箔とを熱圧着したものが知られている。
[0007] この種の銅張積層板において、絶縁体表面に形成する銅被覆層として用いられる 銅箔はいわゆる電解銅箔であり、一般にその厚みは 35 μ mまたは 18 μ mのものが 主流となっていた。しかし、近年、電子機器の発達にともなうプリント配線板の微細配
線ィ匕により、例えば、 9 m厚箔のようなきわめて薄い電解銅箔を用いた銅張積層板 が使用されるようになってきて 、る。
[0008] ところで、上述のような銅張積層板を用いて配線形成する場合、配線部以外の銅箔 をエッチング処理により溶解除去することによって配線を形成する、いわゆるサブトラ クティブ法を用いることが一般的である。しかし、一般的な銅張積層板では、電解銅 箔と基板との密着性を高めるために、銅箔を形成するための基板の表面粗度を大き くしている。このため、基板の凹凸部分に銅が食い込んでいる構成となる。それゆえ、 上記サブトラクティブ法を用いる場合、十分にエッチングを行わな 、と基板の凹部に 存在する銅を除去しきれず、不具合を生じる。逆に、過剰にエッチングを行うと、設計 よりも配線が細く形成されてしまい、配線不良を生じる。このように、従来の銅張積層 板においては、電解銅箔を形成するための基板表面の表面粗度が大きいため、銅 張積層板を用いて配線形成する場合、回路形状や回路幅、回路厚みなどを設計通 りに良好に形成することが困難であった。
[0009] 上記の問題を解決するためには、銅張積層板において、銅箔を形成するための表 面の凹凸を極力小さくすることが重要となる。このように、平滑な表面上に銅層を形成 する方法としては、銅箔を熱圧着するのではなぐスパッタゃ無電解めつきなどにより めっき銅を形成する方法が挙げられる。
[0010] 上述の無電解銅めつきにより銅張積層板に対して薄いめっき銅を形成する技術とし て、例えば、特許文献 1に開示の技術が知られている。この技術は、微細な回路を精 度よく形成するために必要な、極めて薄い銅被覆層を無電解銅めつきによりガラスェ ポキシ榭脂繊維と榭脂との複合体層表面 (基材プリプレダ表面)に形成した銅被覆ガ ラスエポキシ基板を製造する方法である。具体的には、基材繊維と榭脂との複合体 層表面 (基材プリプレダ表面)に、有機溶媒によるエッチング処理を施した後に無電 解めつきにより銅被膜層を形成し、必要に応じてこれにさらに電気めつきを施した後、 基板に加熱加圧処理を施すことによって絶縁体を硬化させることにより、極めて薄い 銅被膜を有する銅張積層板を製造する技術である。
[0011] また、銅張積層板に関するその他の一般的な技術として、例えば、基板である銅張 積層板の耐熱性、耐湿性はこれまで以上に優れたものを提供することを目的として、
銅張積層板の積層材として、付加硬化型のポリイミド榭脂が利用されるようになってき ている(例えば、特許文献 2参照)。
[0012] ところで、近年、電子機器の小型化、軽量ィ匕に伴い、多層プリント配線板の薄型化 が要望されて 、る。この要望を満たすものとしてビルドアップ型の多層プリント配線板 が注目されている。カゝかるビルドアップ型の多層プリント配線板の製造方法としては 下記の工程を順次行う方法が知られて ヽる。
(1)配線形成済みのコア配線基板 (多層化基板を含む)表面に第 1絶縁榭脂層を形 成する。
(2)この第 1絶縁榭脂層にビアホールを形成する。
(3)銅めつき等の方法で第 1絶縁榭脂層上に回路パターンを形成する。この際ビアホ ール表面にも導体を付与し、この導体によりコア回路基板の回路と第 1絶縁榭脂層 上の回路を電気的に接続する。
(4)さら〖こ、上記で得られた基板の表面に第 2絶縁榭脂層を形成する。
以下、(2)〜 (4)の工程を繰り返す。
[0013] 以上のようにして、ビアホールにより各回路層が接続されているビルドアップ型の多 層プリント配線板が製造される。
[0014] このビルドアップ型の多層プリント配線板ではスルーホールに配線が邪魔されな!ヽ ため、スルーホールにより各層の導体回路が接続される従来の多層プリント配線板に 比べ、配線ピッチが同じでも配線密度が向上し、かつ、絶縁榭脂層を薄く形成できる 。よって、ビルドアップ型の多層プリント配線板によれば、多層プリント配線板の高密 度化、薄型化が可能になる。
[0015] 上記のビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法に関して、絶縁榭脂層の形成 を感光性榭脂を用いて行 、、ビアホールの形成をフォト'リソグラフィ一法により行う方 法や、絶縁榭脂層の形成を熱硬化性榭脂を用いて行い、ビアホールの形成をレー ザ加工により行う方法が提案されている。しかし、これらの方法では、絶縁榭脂層の 形成を、感光性榭脂ゃ熱硬化性榭脂を用いて行うため、絶縁榭脂層の膜厚が不均 一になると!、う問題や、絶縁榭脂層の平坦性が確保できな 、と 、う問題があった。
[0016] 上記問題を解決するために、ビルドアップ型多層プリント配線板の製造方法におい
て、絶縁榭脂層としてガラスクロス基材のプリプレダを用いる方法が開示されている( 例えば、特許文献 3参照)。一般的には、コア配線基板 Zプリプレダ Z銅箔を積層一 体化し、接続用パッド上の銅箔をエッチングにより除去した後、炭酸ガスレーザーに よりビアホールを形成し、ビアホールに導体を形成すると 、う方法が採られる。
[0017] 一方、銅箔とともに積層一体ィ匕することによってビルドアップ型多層プリント配線板 を作製する方法、例えば厚みが 18 mや 35 μ mの電解銅箔を用いる方法では、ビ ァホール形成のために銅をエッチングすることにより薄くする、または除去する工程が 必要となるために、製造コストが高くなるという問題点がある。また、プリプレダと銅とは 銅の凹凸に起因するアンカー効果で接着性を発現しているが、この凹凸の内部にま で銅が入りこんで 、るため、十分にエッチングを行わな 、と絶縁性を確保できな!/、。 そのため、上記方法は配線間 Z配線幅が設計どおり形成できないという問題を有し ていた。
[0018] そこで微細配線形成に対応するため、最近では例えば数 μ m厚箔のような極めて 薄い銅箔(「極薄銅箔」と呼ぶ)を用いる場合もある。しかし、極薄銅箔はコストアップ につながるという問題、および極薄銅箔表面の凹凸の問題に加え、極薄銅箔に存在 するピンホールにより信頼性が低下すると 、う問題を含んで ヽた。
[0019] これらの状況を鑑みると、硬化させたプリプレダの平滑表面にビアホール形成した 後、無電解めつき等の方法により導体層を形成し、配線を形成する方法が、微細配 線形成に好ましいといえる。しかし、上記方法においても、無電解めつきと硬化させた プリプレダの平滑表面との接着性は低いという問題点がある。よって、ビルドアップ型 多層プリント配線板を作製する際に、このような方法を用いることができな力つた。 特許文献 1:特開平 6— 177534号公報 (公開日:平成 6 (1994)年 6月 24日) 特許文献 2:特開平 6 - 145348号公報 (公開日:平成 6 (1994)年 5月 24日) 特許文献 3:特開平 8 - 279678号公報 (公開日:平成 8 (1996)年 10月 22日) 発明の開示
[0020] し力しながら、上述の特許文献 1に開示の技術では、薄い銅箔を形成することは可 能である力 エッチング処理により表面を粗ィ匕することによって銅箔と繊維と榭脂との 複合体との密着を得ている。このため、銅箔の直下の繊維と榭脂との複合体の表面
凹凸はかなり大き!/、ものであり、信頼性の高!、微細配線形成を行うと!、う点では未だ 十分とはいえない。さらに、エッチングによりガラス基材がむき出しになる箇所が生じ るなどの問題点もある。
[0021] また、特許文献 2に開示の技術は、基板である銅張積層板の耐熱性、耐湿性を向 上させるための技術であり、微細配線を精度よく形成できる銅張積層板に関する技 術ではない。
[0022] さらに、プリプレダは通常、榭脂溶液を基材に含浸、乾燥させる方法により得られる 力 この場合、プリプレダの厚みを均一にコントロールすることが難しかった。特に、薄 いプリプレダの厚みを精度よく製造することが困難であった。
[0023] このように、銅張積層板を用いて信頼性の高 ヽ配線を形成するためには、平滑な 基板上に強固に銅箔を形成することが強く求められているが、このような技術は確立 されていない。また、薄いプリプレダであるにもかかわらず均一な厚みを有するプリプ レグを製造する技術は確立されていない。つまり、微細配線を精度よく形成できる材 料 (基材プリプレダ)、銅張積層板、多層プリント配線板、並びにこれらの製造方法等 の開発には未だ至って!/、な 、。
[0024] 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、信頼性の高い 微細配線形成に資する積層体、平滑な表面に強固に銅箔を形成した銅張積層板、 積層体、無電解めつき用材料、およびそれを用いてなるプリント配線板を提供するこ とにある。
[0025] また本発明の目的は、微細配線を精度よく形成でき、且つ厚み精度の良い繊維 榭脂複合体、当該繊維ー榭脂複合体の表面に無電解めつきが施された積層体、当 該繊維ー榭脂複合体の製造方法、および当該繊維ー榭脂複合体を用いてなるプリ ント配線板を提供することにある。
[0026] さらに本発明の目的は、微細配線を精度よく形成できる多層プリント配線板の製造 方法、および当該製造方法によって得られる多層プリント配線板を提供することにあ る。
[0027] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、例えば、ポリイミド 榭脂等を含む榭脂層を繊維と榭脂との複合体上に平滑に形成し、この平滑な榭脂
層上に銅箔を形成して得られた銅張積層板 (積層体)は、凹凸の小さい平滑な榭脂 層表面に銅層が強固に接着しており、それゆえ、微細配線を精度よく形成できること を見出し、本願発明を完成させるに至った。本発明は、力かる新規知見に基づいて 完成されたものであり、以下の発明を包含する。
[0028] (1)繊維と榭脂との複合体 (a)の少なくとも片面に、金属めつき層が形成されるため の榭脂層 (b)を有することを特徴とする積層体。
[0029] (2)上記繊維と榭脂との複合体 (a)と、金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b
)との間に、榭脂層 (c)を有することを特徴とする(1)に記載の積層体。
[0030] (3)上記繊維と榭脂との複合体 (a)が、 Bステージであることを特徴とする(1)〜(2) の!、ずれかに記載の積層体。
[0031] (4)上記繊維と榭脂との複合体 (a)が、 Cステージであることを特徴とする(1)〜(2) の!、ずれかに記載の積層体。
[0032] (5)上記金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)が一般式(1)〜(6)の 、ずれ かで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド榭脂を含むことを特徴と する(1)〜 (4)のいずれか一項に記載の積層体。
[0033] [化 1]
( 1 )
- R2- R3-
( 4 )
R1 +0— R2 H— 0—— R3
R' C00- R2-—0C0— R3 ( 5 )
[0034] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: LOOであり、 mは 1以上の整数である。 )
(6)上記金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)がシロキサン構造を有するポ リイミド榭脂を含むことを特徴とする(1)〜 (4)の 、ずれかに記載の積層体。
[0035] (7)上記金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)は、酸二無水物成分と、下記 一般式(7)で表されるジァミンを含むジァミン成分と、を反応させて得られるポリイミド 榭脂を含むものである(1)〜 (4)のいずれか〖こ記載の積層体。
[0037] (ただし、式中、 gは 1以上の整数を表す。また、 R11および は、それぞれ同一、ま たは異なっていてもよぐアルキレン基またはフエ-レン基を表す。 R33〜R66は、それ ぞれ同一、または異なっていてよぐアルキル基、またはフエニル基、あるいはフエノ キシ基を表す。 )
(8)上記榭脂層(b)上に金属めつき層が形成されてなる(1)〜(7)のいずれかに記 載の積層体。
[0038] (9)上記金属めつき層がめっき銅層である、 (8)に記載の積層体。
[0039] (10)上記めつき銅層は、無電解めつき銅層を含むものである(9)に記載の積層体
[0040] (11)上記金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)の表面粗さは、カットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Raで、 0. 5 m未満である(1)〜(10)の!、ず れかに記載の積層体。
[0041] (12)上記繊維と榭脂との複合体 (a)に用いられる榭脂は、エポキシ榭脂、熱硬化 型ポリイミド榭脂、シアナートエステル榭脂、ヒドロシリル硬化榭脂、ビスマレイミド榭脂 、ビスァリルナジイミド榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、ァリル榭脂、不飽和ポリエ ステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン榭脂、熱可塑性ポリイミド榭脂、 ポリフエ二レンエーテル榭脂、ポリオレフイン榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリエステ ル榭脂、力も選ばれる少なくとも一種の榭脂である(1)〜(11)のいずれかに記載の
[0042] (13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の積層体を用いてなるプリント配線板。
[0043] 上記本発明の積層体は、平滑な表面に銅層を強固に形成することが可能となるた め、微細配線形成性に優れるという利点を有する。よって、該積層体を用いた各種プ リント配線板の製造に好適に用いることができ、特に微細配線形成が要求されるプリ
ント配線板に好適に用いることができる。
[0044] また本発明は、以下の発明をも包含する。
[0045] (14)めっき銅層と、榭脂層と、繊維と榭脂との複合体と、を備え、少なくとも、上記 めっき銅層と榭脂層とは接して積層されている銅張積層板。
[0046] (15)上記めつき銅層は、無電解めつき銅層を含むものである(14)に記載の銅張 責眉板。
[0047] (16)上記榭脂層は、めっき銅層と良好に接着する性質を有するものである(14)ま たは(15)に記載の銅張積層板。
[0048] (17)上記榭脂層は、ポリイミド榭脂を含むものである(14)〜(16)のいずれかに記 載の銅張積層板。
[0049] (18)上記榭脂層は、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上 の構造を有するポリイミド榭脂を含むことを特徴とする(14)〜(17)の 、ずれかに記 載の銅張積層板。
[0050] [化 3]
( 1 )
- R2- R3-
( 4 )
R1 +0— R2 H— 0—— R3
R' C00- R2-—0C0— R3 ( 5 )
[0051] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: LOOであり、 mは 1以上の整数である。 )
(19)上記榭脂層は、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含むものである(14)
〜(17)のいずれか〖こ記載の銅張積層板。
[0052] (20)上記榭脂層は、酸二無水物成分と、下記一般式(7)で表されるジァミンを含 むジァミン成分と、を反応させて得られるポリイミド榭脂を含むものである(14)〜(19
)の 、ずれかに記載の銅張積層板。
[0054] (ただし、式中、 gは 1以上の整数を表す。また、 R11および ま、それぞれ同一、ま たは異なっていてもよぐアルキレン基またはフエ-レン基を表す。 R33〜R66は、それ ぞれ同一、または異なっていてよぐアルキル基、またはフエニル基、あるいはフエノ キシ基を表す。 )
(21)上記榭脂層の表面粗さは、カットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Raで、 0. 5 m未満である(14)〜(20)のいずれかに記載の銅張積層板。
[0055] (22)上記繊維と榭脂との複合体に用いられる榭脂は、エポキシ榭脂、熱硬化型ポ リイミド榭脂、シアナートエステル榭脂、ヒドロシリル硬化榭脂、ビスマレイミド榭脂、ビ スァリルナジイミド榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、ァリル榭脂、不飽和ポリエステ ル榭脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン榭脂、熱可塑性ポリイミド榭脂、ポリ フエ二レンエーテル榭脂、ポリオレフイン榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリエステル榭 脂、力 選ばれる少なくとも一種の榭脂である(14)〜(21)のいずれかに記載の銅張
[0056] (23)上記(14)〜(22)のいずれかに記載の銅張積層板を用いてなるプリント配線 板。
[0057] 上記本発明に係る銅張積層板は、銅箔と良好な接着性を有する榭脂層上にめっき 銅層が形成された構成であるため、平滑な表面であっても樹脂層と銅箔とを強固〖こ 密着させることができる。それゆえ、従来の銅張積層板と比べて、信頼性の高い微細 配線形成を行うことができると ヽぅ効果を奏する。
[0058] また、本発明に係る銅張積層板は、上述の特有の効果を奏するゆえに、該銅張積 層板を用いて、例えば、微細配線形成が要求されるプリント配線板等に好適に用い ることがでさる。
[0059] また本発明は、上記課題を解決すベぐ以下の構成であってもよい。
[0060] (24)表面に無電解めつきが施される無電解めつき用材料であって、該無電解めつ き用材料は、繊維と、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上 の構造を有するポリイミド榭脂との複合体を含む榭脂組成物力 なることを特徴とする 無電解めつき用材料。
( 4 )
[0062] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: L00であり、 mは 1以上の整数である。 )
(25)表面に無電解めつきが施される無電解めつき用材料であって、該無電解めつ き用材料は、繊維と、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂との複合体を含む榭脂組
成物からなることを特徴とする無電解めつき用材料。
[0063] (26)上記シロキサン構造を有するポリイミド榭脂が、酸二無水物成分と、下記一般 式(7)で表されるジァミンを含むジァミン成分を原料とするポリイミド榭脂であることを 特徴とする(25)に記載の無電解めつき用材料。
[0064] [化 6]
[0065] (式中、 gは 1以上の整数を表す。また、 R11及び は、それぞれ同一、または異なつ ていてよぐアルキレン基またはフエ-レン基を表す。 R33は、それぞれ同一、または 異なっていてよぐアルキル基、またはフエ-ル基、またはフエノキシ基を表す。 )
(27)上記繊維が、紙、ガラス、ポリイミド、ァラミド、ポリアリレート及びテトラフルォロ エチレン力 なる群力 選択される 1種以上を原料とする繊維であることを特徴とする (24)〜(26)の 、ずれかに記載の無電解めつき用材料。
[0066] (28)上記無電解めつきが、無電解銅めつきであることを特徴とする(24)〜(27)の いずれか〖こ記載の無電解めつき用材料。
[0067] (29)上記複合体が、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂および溶媒を含む榭脂 組成物溶液を、繊維に含浸することにより得られることを特徴とする(24)〜(28)のい ずれかに記載の無電解めつき用材料。
[0068] (30)上記複合体が、シロキサン構造を有するポリアミド酸および溶媒を含む榭脂組 成物溶液を、繊維に含浸することにより得られることを特徴とする(24)〜(28)のいず れかに記載の無電解めつき用材料。
[0069] (31)上記(24)〜(30)の 、ずれかの無電解めつき用材料の表面に、直接無電解 めっきが施されてなる積層体。
[0070] (32)上記(24)〜(30)の 、ずれかの無電解めつき用材料を用いてなるプリント配 板。
[0071] (33)—般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有する ポリイミド榭脂および溶媒を含む榭脂組成物溶液を、繊維に含浸することによって、 表面に無電解めつきが施されるための層を形成することを特徴とする無電解めつき用 材料の製造方法。
( 4 )
[0073] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: L00であり、 mは 1以上の整数である。 )
上記本発明の無電解めつき用材料は、繊維と特定の榭脂の複合体を用いており、 平滑な表面に銅層を強固に形成することが可能となるため、微細配線形成性に優れ
るという利点を有する。よって、該無電解めつき用材料を用いた各種プリント配線板の 製造に好適に用いることができ、特に微細配線形成が要求されるプリント配線板に好 適に用いることができる。
[0074] 本発明は、上記課題を解決すベぐ以下の構成であってもよい。
[0075] (34)繊維に、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を有するシートを熱圧着 することにより一体化された繊維 榭脂複合体。
[0076] (35)上記熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物力もなるシートが、一般式(1)〜(6)の いずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド榭脂を含む単層 シートであることを特徴とする(34)に記載の繊維ー榭脂複合体。
R1— o - R2 -0一 R3- (2)
R1— coo - R2-o n ~ co一 Ra (3)
:4)
-0-R2 0― R3.
R1 -C00- 2- -0C0— R3 (5)
[0078] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: L00であり、 mは 1以上の整数である。 )
(36)上記熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなるシートが、シロキサン構造を有 するポリイミド榭脂を含む単層シートであることを特徴とする(34)に記載の繊維ー榭 脂複合体。
[0079] (37)上記熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物力もなるシートが、 2層以上の異なる榭 脂層を有する複層シートとなっており、かつ、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を 含む層を含むことを特徴とする(34)に記載の繊維ー榭脂複合体。
[0080] (38)上記熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物力もなるシートが、シロキサン構造を有 するポリイミド榭脂を含む層と、熱硬化性成分を含む榭脂層を有することを特徴とする
(37)に記載の繊維ー榭脂複合体。
[0081] (39)熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなる層を有するシートで繊維を挟み込 み、熱圧着することにより一体化された繊維ー榭脂複合体。
[0082] (40)表面に金属めつき層が形成されるための榭脂シートで繊維を挟みこみ、熱圧 着することにより一体化された繊維 榭脂複合体。
[0083] (41)表面に金属めつき層が形成されるための榭脂シートと、回路を埋め込むため の榭脂シートで繊維を挟みこみ、熱圧着することにより一体化された繊維ー榭脂複合 体。
[0084] (42)シロキサン構造を有するポリイミド榭脂が最表面に存在して 、ることを特徴とす る(34)〜 (41)の 、ずれかに記載の繊維ー榭脂複合体。
[0085] (43)熱圧着を、熱プレス、真空プレス、ラミネート、真空ラミネート、熱ロールラミネ ート、真空熱ロールラミネート、の中力 選ばれた 1種以上の装置により、温度 70〜3 00°C、圧力 0. 1〜: LOMPa、時間 1秒〜 3時間の条件で行うことを特徴とする(34)〜
(42)のいずれかに記載の繊維ー榭脂複合体。
[0086] (44)最表面に、無電解めつきが施されるために用いられることを特徴とする(34)〜
(43)のいずれかに記載の繊維ー榭脂複合体。
[0087] (45)上記(34)〜 (44)の 、ずれかの繊維ー榭脂複合体の最表面に無電解めつき
が施された積層体。
[0088] (46)上記(34)〜 (44)の 、ずれかの繊維ー榭脂複合体を用いてなるプリント配線 板。
[0089] (47)繊維に、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を有するシートを熱圧着 することにより一体化することを特徴とする繊維ー榭脂複合体の製造方法。
[0090] 上記本発明の繊維ー榭脂複合体は熱圧着により一体化されてなるものであるため 、榭脂組成物の流れ性をコントロールすることで、厚み精度の良い繊維—榭脂複合 体を得ることができる。さらに上記本発明の繊維ー榭脂複合体は、平滑な表面に銅 層を強固に形成することが可能となるため、微細配線形成性に優れるという利点を有 する。また、本発明の繊維ー榭脂複合体は、繊維に、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成 物からなるシートを熱圧着により一体化されている。よって、繊維と榭脂組成物とが十 分に密着するため、本発明の繊維ー榭脂複合体は優れた信頼性を有する。よって、 該繊維—榭脂複合体は、各種プリント配線板の製造に好適に用いられ得る。該繊維 ー榭脂複合体は、特に微細配線形成が要求されるプリント配線板に好適に用いられ 得る。
[0091] 本発明は、上記課題を解決すベぐ以下の構成であってもよい。
[0092] (48)繊維と榭脂との複合体 (a)を用いた多層プリント配線板の製造方法であって、 且つ以下の (A)〜(C)の工程を有していることを特徴とする多層プリント配線板の製 造方法:
(A)接続用パッドを含む配線を表面に有して 、るコア配線基板に、繊維と榭脂との 複合体 (a)の少なくとも片面に金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を有した積 層体を、加熱加圧により積層一体化する工程;
(B)繊維と榭脂との複合体 (a)および金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)の 前記接続用パッドに相当する位置に、ビアホールをあけ、前記接続用パッドを露出さ せる工程;並びに
(C)金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面、およびビアホールに金属め つきを形成し、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面と前記接続用パッド とを導通する工程。
[0093] (49)繊維と榭脂との複合体 (a)を用いた多層プリント配線板の製造方法であって、 且つ以下の (A)〜(C)の工程を有していることを特徴とする多層プリント配線板の製 造方法:
(A)接続用パッドを含む配線を表面に有して 、るコア配線基板に、繊維と榭脂との 複合体 (a)と金属めつきが形成されるための榭脂層(b)とを、金属めつきが形成され るための榭脂層(b)が最外層となるように配置して、加熱加圧することにより積層一体 化する工程;
(B)繊維と榭脂との複合体 (a)および金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)の 前記接続用パッドに相当する位置に、ビアホールをあけ、前記接続用パッドを露出さ せる工程;並びに
(C)金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面、およびビアホールに金属め つきを形成し、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面と前記接続用パッド とを導通する工程。
[0094] (50)上記榭脂層(b)が下記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1 つ以上の構造を有するポリイミド榭脂を含有することを特徴とする (48)または (49)に 記載の多層プリント配線板の製造方法:
[0095] [化 9]
- R2- R3- ( 1 )
( 4 )
R1 +0— R2 H— 0—— R3
R' C00- R
2-—0C0— R
3 ( 5 )
[0096] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: LOOであり、 mは 1以上の整数である。 )。
[0097] (51)上記 (A)〜(C)の工程を経た後、サブトラクティブ法により配線形成することを 特徴とする (48)〜(50)のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
[0098] (52)上記 (A)〜(C)の工程を経た後、アディティブ法により配線形成することを特 徴とする (48)〜(50)のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
[0099] (53)上記 (48)〜(52)の 、ずれかに記載の製造方法により製造された多層プリン ト配線板で、配線形成した後に露出した榭脂層の表面粗度力 カットオフ値 0. 002 mmで測定した算術平均粗さ Raで 0. 5 m未満であることを特徴とする多層プリント
酉己線板。
[0100] 上記本発明の多層プリント配線板の製造方法は、微細配線形成性に優れた多層 プリント配線板を得ることができるという利点を有する。よって、微細配線形成が要求 される多層プリント配線板の製造に好適に用いることができる。
図面の簡単な説明
[0101] [図 1(a)]本発明の実施形態に係る銅張積層板の一例の断面を模式的に示す図であ る。
[図 1(b)]本発明の実施形態に係る銅張積層板の他の一例の断面を模式的に示す図 である。
符号の説明
[0102] 1 めっき銅層
2 榭脂層
3 繊維と榭脂との複合体層
10 銅張積層板
10' 銅張積層板
発明を実施するための最良の形態
[0103] 本発明の一実施形態について説明すると以下の通りである。なお、本発明は以下 の説明に限定されるものではな 、ことを念のため付言しておく。
[0104] 〔実施形態 1〕
< 1 - 1.銅張積層板 >
本発明に係る銅張積層板は、めっき銅層と、榭脂層と、繊維と榭脂との複合体と、を 備え、少なくとも、上記めつき銅層と榭脂層とは接して積層されているものであればよ ぐその他の具体的な構成は特に限定されるものではない。
[0105] 図 1 (a) (b)に本実施の形態に係る銅張積層板の断面図を模式的に示す。図 1 (a) に示すように、銅張積層板 10には、めっき銅層 1、榭脂層 2、繊維と榭脂との複合体 3 が備えられている。めっき銅層 1は、榭脂層 2と接して積層されている。榭脂層 2は、 繊維と榭脂との複合体 3上に形成されている。なお、上記銅張積層板は、めっき銅層 1と榭脂層 2とが接して積層されているものであればよぐ例えば、めっき銅層 1と榭脂
層 2とが繊維と榭脂との複合体 3の両面に形成されていてもよい。つまり、図 1 (b)に 示す銅張積層板 10 'のように、めっき銅層 1、榭脂層 2、繊維と榭脂との複合体 3、そ してさら〖こ、めっき銅層 1、榭脂層 2が備えられていてもよい。なお、この場合もめつき 銅層 1と榭脂層 2とは接して積層されて 、る。
[0106] 換言すれば、上記銅張積層板は、めっき銅層 1、めっき銅層が形成されるための榭 脂層 2、 1枚以上の繊維と榭脂との複合体 3からなり、かつ、少なくともめっき銅層 1Z 榭脂層 2Z繊維と榭脂との複合体 3と順に積層されてなる構成を含んでいればよいと いえる。つまり、具体的な構造としては、例えば、図 1 (a)に示すように、めっき銅層 1 Z榭脂層 2Z繊維と榭脂との複合体 3の順で積層されてなる構造でもよいし、また図 1 (b)に示すように、めっき銅層 1Z榭脂層 2Z繊維と榭脂との複合体 3Z榭脂層 2Z めっき銅層 1の順で積層されてなる構造であってもよ 、。
[0107] すなわち、本発明の特徴的な構成は、表面凹凸が小さい平滑な場合でも銅箔との 接着性が良好な榭脂層上にめつき銅層を形成することにあると 、える。めっき銅層を 強固に接着せしめるために、めっき銅層の直下には榭脂層がくることが非常に好まし い。
[0108] 上述したように、本発明に係る銅張積層板では、平滑な榭脂層上に、めっき銅層が 形成されており、これら 2層が強固に接着していることを特徴としている。これは、本発 明に係る銅張積層板に用いられる榭脂層は、平滑な表面であっても銅箔と強固に接 着する性質を有するものだ力 である。それゆえ、例えば、サブトラクティブ法を行う 場合でも、銅箔の直下の榭脂表面が平滑であり、その凹凸が小さいため、精度の高 いエッチングを行うことが可能である。このため、従来の銅張積層板に比べて、設計 どおりに、精度よく微細配線を形成することが可能となる。
[0109] つまり、上記榭脂層は、めっき銅層と良好に接着する性質を有するものであることが 好ましい。この榭脂層とめっき銅層との接着性は、「常態接着強度」と「PCT後接着強 度」とで表現できる。具体的には、上記榭脂層の性質は、めっき銅層の接着性に関し て「常態接着強度」が 5NZcm以上の範囲であることが好ま 、。および Zまたは、 上記榭脂層の性質は、めっき銅層の接着性に関して「PCT後接着強度」が 3NZcm 以上の範囲であることが好ましい。なお、「常態接着強度」と「PCT後接着強度」の評
価方法に関しては、後述する実施例に示す方法で行うことができる。
[0110] また、良好な微細配線形成を達成するために、上記榭脂層の表面粗さは、カットォ フ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Raで、 0. 5 m未満であることが好ましい 。さらには、算術平均粗さ Raは、 0. 1 m未満であることがより好ましぐ 0. 05 μ m未 満であることがさらに好ましい。これは、榭脂層の表面粗さが小さいほど、良好な微細 配線を形成することができるためである。ここで、「算術平均粗さ Ra」とは、 JIS B 06 01 (平成 6年 2月 1日改正版)に定義されている。特に本明細書でいう「算術平均粗さ Rajの数値は、光干渉式の表面構造解析装置で表面を観察により求められた数値を 示す。測定方法等の詳細については、後述する実施例に示す。また本発明における
「カットオフ値」は、上言 6JIS B 0601に記載されているが、断面曲線 (実測データ) から粗さ曲線を得る際に設定する波長を示す。すなわち、「カットオフ値が 0. 002m mで測定した算術平均粗さの値 Ra」とは、実測データから 0. 002mmよりも長い波長 を有する凹凸を除去した粗さ曲線力 算出された算術平均粗さである。なお、図 l (a ) (b)を用いて説明すると、上記「榭脂層の表面粗さ」を測定するための榭脂層の表 面とは、榭脂層 2において、めっき銅層 1と接する側の表面のことをいう。
[0111] なお、本実施形態における上記榭脂層は、上記"接着性"と上記"表面粗ざ'とを同 時に満たすものであることが好ま 、。 2つの性質を同時に満たす榭脂層を有する銅 張積層板は、非常に良好な微細配線を形成することができるためである。
[0112] 本発明に係る銅張積層板の厚みは、特に限定されるものではないが、高密度プリ ント配線板への適用を考慮した場合には薄いほうが好ましい。具体的には 2mm以下 であることが好ましぐ 1mm以下であることがより好ましい。以下、上記銅張積層板に 用いられる各構成および銅張積層板の製造方法について詳細に説明する。
[0113] (1 - 1 - 1.めっき銅層)
本実施形態における上記めつき銅層は、従来公知の銅張積層板に用いられる、公 知のめっき銅層であればよぐその具体的な構成については特に限定されるもので はない。例えば、上記めつき銅層としては、蒸着、スパッタ、 CVD等の各種乾式めつ き銅、無電解めつき銅等の湿式めつき銅等のいずれも適用可能であるが、特に、榭 脂層との接着性や製造コスト等を考慮すると、無電解めつき銅力 なる層であることが
好ましい。
[0114] また、上記めつき銅層は、無電解めつき銅のみ力もなる層であってもよいが、無電解 めっき銅を形成した後に電解銅めつき層を形成することにより、所望の厚みに銅を形 成しためっき銅層であってもよい。なお、めっき銅層の厚みとしては、従来公知の銅 張積層板と同様に形成することができ、特に限定されるものではないが、微細配線形 成等を考慮すると、 25 μ m以下であることが好ましぐ特に 20 μ m以下であることがよ り好ましい。
[0115] (1 - 1 - 2.榭脂層)
本実施形態における上記榭脂層は、めっき銅層と良好に接着する性質を有するも のであればよい。より詳細には、表面凹凸が少なく平滑な表面であっても、上記めつ き銅層を強固に接着させることが可能な榭脂材料力 形成されているものであればよ ぐその具体的な構成については特に限定されるものではない。具体的には、めっき 銅層と強固に接着せしめるために、上記榭脂層はポリイミド榭脂を含むことが好まし い。特に一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有す るポリイミド榭脂を含むことが好まし 、。
[0116] [化 10]
- R2- R3- ( 1 )
( 4 )
R1 +0— R2 H— 0—— R3
R' C00- R
2-—0C0— R
3 ( 5 )
(式中、 R
1および R
3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: LOOであり、 mは 1以上の整数である。 )
常態での接着強度、 PCT処理前後の接着強度がさらに優れるという点から、シロキ サン構造を有するポリイミド榭脂を含むことがさらに好ましい。一般式(1)〜(6)のい ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有していれば、いかなるポリイミド榭 脂を用いても良い。例えば、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち 、 1つ以上の構造を有する酸二無水物成分、あるいは上記一般式(1)〜(6)のいず れかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジァミン成分を用いて、ポリイミ ド榭脂の前駆体であるポリアミド酸を製造し、これをイミドィ匕してポリイミド榭脂を製造
する方法、官能基を有する酸二無水物成分ある!ヽは官能基を有するジァミン成分を 用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、この官能基と反応しうる官能基、及び上 記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有する化合 物を反応させて、上記一般式( 1)〜(6)の 、ずれかで表される構造が導入されたポリ アミド酸を製造し、これをイミドィ匕してポリイミド榭脂を製造する方法、官能基を有する 酸二無水物成分あるいは官能基を有するジァミン成分を用いて官能基を有するポリ アミド酸を製造し、これをイミドィ匕して官能基を有するポリイミドを製造し、この官能基と 反応しうる官能基、及び上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1 つ以上の構造を有する化合物を反応させて、上記一般式( 1)〜(6)の 、ずれかで表 される構造が導入されたポリイミド榭脂を製造する方法、などが挙げられる。ここで、 上記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジ アミンは比較的容易に入手することが可能であるため、上記の中でも、酸二無水物成 分と、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有 するジァミン成分とを反応させて目的とするポリイミド榭脂を製造することが好ましい。 無電解めつきは各種絶縁材料表面との接着性が低い場合が多い。従って、絶縁材 料に直接金属層を形成する方法として、無電解めつきを形成する方法を用いた場合 、表面粗度が小さい平滑な表面を有する絶縁材料に対して、無電解めつきを強固に 接着するのは非常に困難であった。これは、無電解めつきが、主にパラジウム等の触 媒を介して堆積するように形成されるためであると考えられるからである。しかし、一 般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド 榭脂を用いることによって、従来、接着性が悪いと考えられていた無電解めつきが非 常に良好に接着する。
上記シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を得る製造方法としては、例えば、(1) シロキサン構造を有する酸二無水物成分、あるいはシロキサン構造を有するジァミン 成分を用いて、ポリイミド榭脂の前駆体であるポリアミド酸を製造し、これをイミドィ匕して ポリイミド榭脂を製造する方法、(2)官能基を有する酸二無水物成分、あるいは官能 基を有するジァミン成分を用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、この官能基と 反応しうる官能基、およびシロキサン構造を有する化合物を反応させて、シロキサン
構造が導入されたポリアミド酸を製造し、これをイミドィ匕してポリイミド榭脂を製造する 方法、(3)官能基を有する酸二無水物成分、あるいは官能基を有するジァミン成分を 用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、これをイミド化して官能基を有するポリイ ミドを製造し、この官能基と反応しうる官能基、およびシロキサン構造を有する化合物 を反応させて、シロキサン構造が導入されたポリイミド榭脂を製造する方法、などが挙 げられる。なお、シロキサン構造を有するジァミンは比較的容易に入手することが可 能であるため、上記の中でも、酸二無水物成分と、シロキサン構造を有するジァミン を反応させて目的とするポリイミド榭脂を製造することが好ましい。
[0119] ポリイミド榭脂は、一般的に酸二無水物成分とジァミン成分とを反応させて得られる ものである。より具体的には、ポリイミド榭脂は、対応する前駆体のポリアミド酸を脱水 閉環して得られる。ポリアミド酸は、酸二無水物成分とジァミン成分とを実質的に等モ ル反応させて得られ、例えば以下のような方法で得ることができる。
(1)ジァミン成分を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの酸二無水物 成分を反応させて重合する方法。
(2)酸二無水物成分とこれに対し過小モル量のジァミン成分とを有機極性溶媒中で 反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレボリマーを得る。続いて、全工程にお Vヽて用いる酸二無水物とジァミン成分が実質的に等モルとなるようにジァミン成分を 用いて一段あるいは多段階に重合する方法。
(3)酸二無水物成分とこれに対し過剰モル量のジァミン成分とを有機極性溶媒中で 反応させ、両末端にアミノ基を有するプレボリマーを得る。続いて、ここのジァミン成 分を追加添加後、全工程において用いる酸二無水物とジァミン成分が実質的に等モ ルとなるように酸二無水物成分を用いて一段あるいは多段階に重合する方法。
(4)酸二無水物成分を有機極性溶媒中に溶解及び Zまたは分散させた後、実質的 に等モルとなるようにジァミン成分を用いて重合させる方法。
(5)実質的に等モルの酸二無水物成分とジァミン成分の混合物を有機極性溶媒中 で反応させて重合する方法。
[0120] なお上記方法にお!、て、反応時間、反応温度は、特に限定されな!、。上記「実質 的に等モル」とは、特に限定されるものではないが、例えば酸二無水物成分とジアミ
ン成分とのモル比が 100: 99〜: L00: 102であることを意味する。
[0121] また本明細書でいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶 質が溶媒中に均一に分散または分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態 になる場合を含む。なお、ポリアミド酸重合体を調製する際の反応時間、反応温度に っ 、ても常法に従 、適宜行うことができ、特に限定されるものではな 、。
[0122] ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒も、従来公知のポリアミド酸の調 製に使用される溶媒から、上述のジァミン成分と酸二無水物成分とに応じて、好適な 有機極性溶媒を使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、ジメチ ルスルホキシド、ジェチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、 N, N ジメチル ホルムアミド、 N, N ジェチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、 N, N ジメチ ルァセトアミド、 N, N ジェチルァセトアミドなどのァセトアミド系溶媒、 N—メチル— 2—ピロリドン、 N ビュル一 2—ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フエノール、 o—、 m—または p クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フエノール、カテコールなどのフ ェノール系溶媒、あるいはへキサメチルホスホルアミド、 y ブチロラタトン等を挙げる ことができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエン などの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
[0123] 以下、本実施形態における上記榭脂層に使用可能な酸二無水物成分について説 明する。酸二無水物成分は、従来公知のポリイミド榭脂を製造する際に使用される各 種酸二無水物成分を好適に使用することができ、その具体的な構成については特に 限定されるものではない。例えば、ピロメリット酸二無水物、 3, 3' , 4, 4' 一べンゾフ エノンテトラカルボン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4'ージフエ-ルスルホンテトラカルボン 酸二無水物、 1, 4, 5, 8 ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、 2, 3, 6, 7 ナフ タレンテトラカルボン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4'ージメチルジフエ-ルシランテトラ力 ルボン酸二無水物、 1, 2, 3, 4 フランテトラカルボン酸二無水物、 4, 4' ビス(3, 4ージカルボキシフエノキシ)ジフエ-ルプロパン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4,ービフエ -ルテトラカルボン酸二無水物、 2, 3, 3' , 4'ービフエ-ルテトラカルボン酸二無水 物、 p フヱ-レンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、 4, 4, 一へキサフルォロイソプロピリデンジフタル酸無水物、 4, 4'ーォキシジフタル酸無水
物、 3, 4'—ォキシジフタル酸無水物、 3, 3,ーォキシジフタル酸無水物、 4, 4'一(4 , 4,一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸)(4, 4,一 (4, 4,一イソプロ ピリデンジフエノキシ)ビスフタル酸無水物とも称する)、 4, 4,一ハイドロキノンビス(無 水フタル酸)、 2, 2—ビス(4ーヒドロキシフエ-ル)プロパンジベンゾエートー 3, 3' , 4 , 4,ーテトラカルボン酸二無水物、 1, 2—エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無 水物)、 p—フエ-レンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等を挙げることができる 。もちろん、これらは 1種のみで用いてもよいが、 2種以上を適宜組み合わせて用いる ことも可能である。その際の混合割合等の諸条件については、当業者であれば適宜 設定可能である。
[0124] 続いて、ジァミン成分について説明する。上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表さ れる構造のうち、 1つ以上の構造を有するジァミン成分を例示する。
上記一般式(1)で表される構造を有するジァミンとしては、へキサメチレンジァミンや 、オタタメチレンジァミンなどを例示することができる。上記一般式 (2)で表される構造 を有するジァミンとしては、 1, 3—ビス(4—アミノフエノキシ)プロパン、 1, 4—ビス(4 —アミノフエノキシ)ブタン、 1, 5—ビス(4—アミノフエノキシ)ペンタン等を挙げること ができる。上記一般式(3)で表される構造を有するジァミンとしては、エラスマー 100 0P、エラスマー 650P、エラスマー 250P (ィハラケミカル工業 (株)製)が挙げられる。 また、上記一般式 (4)で表される構造を有するジァミンとしては、ポリエーテルポリアミ ン類、ポリオキシアルキレンポリアミン類を挙げる事ができ、ジェファーミン D— 2000、 ジェファーミン D— 4000 (ハンツマン 'コーポレーション社製)等を例示することができ る。本発明においては、ジァミン成分として、シロキサン構造を有するジァミン成分で あることが好ましい。シロキサン構造を有するジァミン成分を用いて得られる、シロキ サン構造を有するポリイミド榭脂は、表面凹凸が小さく平滑な表面であっても、無電 解めつき銅層と強固に接着するという特徴を有する。
[0125] 上記シロキサン構造を有するジァミン成分として、特に、下記一般式(7)で表される ジァミン成分を含むことが好ま 、。
[0127] (ただし、式中、 gは 1以上の整数を表す。また、 R11および は、それぞれ同一、ま たは異なっていてよぐアルキレン基またはフエ-レン基を表す。 R33〜R66は、それぞ れ同一、または異なっていてよぐアルキル基、またはフエニル基、あるいはフエノキ シ基を表す。 )
上記一般式(7)で表されるジァミン成分を用いることにより、得られるポリイミド榭脂 によれば、より効果的に無電解めつき銅層と強固に接着させることができる。
[0128] 上記一般式(7)で表されるジァミンとしては、具体的には、例えば、 1,1, 3, 3,ーテ トラメチル 1, 3 ビス(4 ァミノフエ-ル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, —テトラフエノ キシ 1, 3 ビス(4 アミノエチル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, 5, 5 へキサメチル —1, 5 ビス(4 ァミノフエ-ル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, —テトラフエ-ル一 1, 3 —ビス(2 ァミノフエ-ル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, —テトラフエ-ルー 1, 3 ビス( 3 ァミノプロピル)ジシロキサン、 1,1, 5, 5, —テトラフエ二ルー 3, 3 ジメチルー 1 , 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、 1,1, 5, 5, —テトラフエ-ル一 3, 3 ジ メトキシ一 1, 5 ビス(3 アミノブチル)トリシロキサン、 1, 1, 5, 5, —テトラフエ-ル —3, 3 ジメトキシ— 1, 5 ビス(3 ァミノペンチル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, - テトラメチルー 1, 3 ビス(2 アミノエチル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, ーテトラメチル - 1, 3 ビス(3 ァミノプロピル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, ーテトラメチルー 1, 3— ビス(4 アミノブチル)ジシロキサン、 1, 3 ジメチルー 1, 3 ジメトキシ— 1, 3 ビ ス(4 アミノブチル)ジシロキサン、 1,1, 5, 5, ーテトラメチルー 3, 3 ジメトキシー1 , 5 ビス(2 アミノエチル)トリシロキサン、 1, 1, 5, 5, —テトラメチル一 3, 3 ジメト キシ一 1, 5 ビス(4 アミノブチル)トリシロキサン、 1,1, 5, 5, —テトラメチル一 3, 3 —ジメトキシ一 1, 5 ビス(5 ァミノペンチル)トリシロキサン、 1, 1, 3, 3, 5, 5 へ キサメチル一 1, 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, 5, 5 へキ
サェチルー 1, 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, 5, 5 へキサ プロピル— 1, 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、等が挙げられる。なお、上 記一般式(7)で表されるジァミン成分のうち、比較的入手しやすいジァミンとして、信 越化学工業株式会社製の KF— 8010、 X— 22— 161A、 X— 22— 161B、 X— 22 — 1660B— 3、 KF— 8008、 KF— 8012、 X— 22— 9362等を挙げ、ること力 Sできる。 もちろん、上記ジァミン成分は単独で用いてもよいが、 2種以上を適宜混合してもよい 。その際の混合割合等の諸条件については、当業者であれば適宜設定可能である。
[0129] 上記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造を有するジァミンは単独で用いて もよぐ 2種以上を混合してもよい。
[0130] また、耐熱性、耐湿性を向上させる目的で、上述のジァミン成分と他のジァミン成分 とを組み合わせて使用することも可能である。他のジァミン成分としては、あらゆるジ アミンを使用することが可能である力 例えば、ポリイミド榭脂の製造に用いられる従 来公知のジァミンを用いることができる。具体的には、例えば、 m—フエ-レンジァミン 、 o フエ二レンジァミン、 p—フエ二レンジァミン、 m—ァミノベンジルァミン、 p ァミノ ベンジルァミン、ビス(3—ァミノフエ-ル)スルフイド、 (3—ァミノフエ-ル)(4—ァミノ フエ-ル)スルフイド、ビス(4 アミノフヱ-ル)スルフイド、ビス(3—アミノフヱ-ル)ス ルホキシド、 (3—ァミノフエ-ル)(4—ァミノフエ-ル)スルホキシド、ビス(3—アミノフ ェ -ル)スルホン、 (3—ァミノフエ-ル)(4—ァミノフエ-ル)スルホン、ビス(4—ァミノ フエ-ル)スルホン、 3, 4'ージァミノべンゾフエノン、 4, 4'ージァミノべンゾフエノン、 3, 3'ージアミノジフエ二ノレメタン、 3, 4'ージアミノジフエ二ノレメタン、 4, 4'ージァミノ ジフエニルメタン、 4, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 3, 3'ージアミノジフエニルェ 一テル、 3, 4'—ジアミノジフエ-ルエーテル、ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ- ル]スルホキシド、ビス [4 (アミノフエノキシ)フエ-ル]スルホキシド、 4, 4,ージァミノ ジフエニルエーテル、 3, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 3, 3'ージアミノジフエ二 ルエーテル、 4, 4'ージァミノジフヱ二ルチオエーテル、 3, 4'ージァミノジフヱニルチ ォエーテル、 3, 3'—ジアミノジフエ二ルチオエーテル、 3, 3'—ジアミノジフエニルメ タン、 3, 4'ージアミノジフエニルメタン、 4, 4'ージアミノジフエニルメタン、 4, 4'ージ アミノジフエ-ルスルフォン、 3, 4'—ジアミノジフエ-ルスルフォン、 3, 3'—ジアミノジ
フエ-ルスルフォン、 4, 4,一ジァミノべンズァユリド、 3, 4,一ジァミノべンズァユリド、 3, 3 'ージァミノベンズァニリド、 4, 4,ージァミノべンゾフエノン、 3, 4,ージァミノベン ゾフエノン、 3, 3,一ジァミノべンゾフエノン、ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル] メタン、ビス [4— (4 ァミノフエ-キシ)フエ-ル]メタン、 1, 1—ビス [4— (3 アミノフ エノキシ)フエ-ル]ェタン、 1, 1—ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]ェタン、 1 , 2 ビス [4— (3 アミノフエノキシ)フエ-ル]ェタン、 1, 2 ビス [4— (4 アミノフ エノキシ)フエ-ル]ェタン、 2, 2 ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]プロパン 、 2, 2 ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]プロパン、 2, 2 ビス [4— (3 アミ ノフエノキシ)フエ-ル]ブタン、 2, 2 ビス [3— (3 アミノフエノキシ)フエ-ル]— 1, 1, 1, 3, 3, 3 へキサフルォロプロパン、 2, 2 ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ 二ノレ]— 1, 1, 1 , 3, 3, 3 へキサフノレ才ロプロノ ン、 1, 3 ヒ、、ス(3 ァミノフエノキ シ)ベンゼン、 1, 4 ビス(3 アミノフエノキシ)ベンゼン、 1, 4,一ビス(4 ァミノフエ ノキシ)ベンゼン、 4, 4,一ビス(4—アミノフエノキシ)ビフエ-ル、ビス [4— (3—ァミノ フエノキシ)フエ-ル]ケトン、ビス [4— (4—アミノフエノキシ)フエ-ル]ケトン、ビス [4 - (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]スルフイド、ビス [4— (4—アミノフエノキシ)フエ-ル ]スルフイド、ビス [4一(3—アミノフエノキシ)フエ-ル]スルホン、ビス [4一(4ーァミノ フエノキシ)フエ-ル]スルホン、ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]エーテル、 ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]エーテル、 1, 4 ビス [4— (3 アミノフエノ キシ)ベンゾィル]ベンゼン、 1, 3 ビス [4一(3 アミノフエノキシ)ベンゾィル]ベン ゼン、 4, 4'—ビス [3— (4—アミノフエノキシ)ベンゾィル]ジフエ-ルエーテル、 4, 4' —ビス [3— (3—アミノフエノキシ)ベンゾィル]ジフエ-ルエーテル、 4, 4,一ビス [4— (4—ァミノ一 a , a—ジメチルベンジル)フエノキシ]ベンゾフエノン、 4, 4,一ビス [4 — (4—ァミノ α , α ジメチルベンジル)フエノキシ]ジフエ-ルスルホン、ビス [4 - {4— (4 アミノフエノキシ)フエノキシ }フエ-ル]スルホン、 1, 4 ビス [4— (4 アミ ノフエノキシ) α , α—ジメチルベンジル]ベンゼン、 1, 3 ビス [4— (4 ァミノフエ ノキシ) α , α—ジメチルベンジル]ベンゼン、 3, 3 'ージヒドロキシ—4, 4'ージアミ ノビフエ-ル等を挙げることができる。
ここで、上記一般式(7)で表されるジァミンは、全ジァミン成分に対して 2〜: L00モ
ル%の比率で含まれることが好ましぐ 5〜: LOOモル%の比率で含まれることが好まし くがより好ましい。また上記一般式(7)で表されるジァミンは、全ジァミン成分に対して 5〜98モル%の比率で含まれることがさらに好ましぐ 8〜95モル%の比率で含まれ ることが最も好ましい。一般式(7)で表されるジァミン力 全ジァミン成分に対して 2モ ル% (場合によっては 5モル%)より少ない場合、榭脂層と無電解めつき皮膜との接着 強度が低くなる場合がある。また、一般式(7)で表されるジァミン力 全ジァミン成分 に対して 98モル%より高 、割合で含まれる場合、得られるポリイミド榭脂の粘着性が 高くなりすぎ、操作性を損なう可能性を有する場合がある。このように、ポリイミド榭脂 が粘着性を有する場合、埃等の異物が付着し、めっき銅形成時に異物によるめつき 不良が生じる場合がある。上記の理由から、上記一般式(7)で表されるジァミンが、 全ジァミン成分に対して 5〜98モル%の比率で含まれることがより好ましいが、全ジァ ミン成分に対して 8〜95モル%の比率で含まれる場合、得られるポリイミド榭脂の状 態がさらに好ましくなる。
[0132] 上記方法により得られたポリアミド酸重合体の溶液を、熱的または化学的方法によ り脱水閉環し、ポリイミド榭脂を得る。ポリアミド酸重合体の溶液の脱水閉環させる際 には、これも常法に従って適宜行うことができ、具体的な方法については特に限定さ れるものではない。例えば、ポリアミド酸溶液を熱処理して脱水する熱的方法、脱水 剤を用いて脱水する化学的方法のいずれも用いることができる。また、減圧下で加熱 してイミドィ匕する方法も用いることができる。以下に各方法について説明する。
[0133] 熱的に脱水閉環する方法として、上記ポリアミド酸溶液を加熱処理によりイミドィ匕反 応を進行させると同時に、溶媒を蒸発させる方法を例示することができる。この方法 により、固形のポリイミド榭脂を得ることができる。加熱の条件は特に限定されないが、 200°C以下の温度で 1秒〜 200分の時間の範囲で行うことが好ましい。
[0134] また、化学的に脱水閉環する方法として、上記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の 脱水剤および触媒を加えることにより、脱水反応を起こし、有機溶媒を蒸発させる方 法を例示することができる。これにより、固形のポリイミド榭脂を得ることができる。脱水 剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無水安息香酸等の芳香族酸 無水物などが挙げられる。また、触媒としては、例えば、トリェチルァミン等の脂肪族
第 3級ァミン類、ジメチルァ-リン等の芳香族第 3級ァミン類、ピリジン、 oc—ピコリン、 β ピコリン、 γ ピコリン、イソキノリン等の複素環式第 3級ァミン類などが挙げられ る。化学的に脱水閉環する際の条件は、 100°C以下の温度が好ましぐ有機溶媒の 蒸発は、 200°C以下の温度で約 5分〜 120分の時間の範囲で行なうことが好ましい。
[0135] また、ポリイミド榭脂を得るための別の方法として、上述の熱的または化学的に脱水 閉環する方法において溶媒の蒸発を行わない方法もある。具体的には、まず、熱的 イミドィ匕処理または脱水剤による化学的イミドィ匕処理を行って得られるポリイミド溶液 を貧溶媒中に投入して、ポリイミド榭脂を析出させる。その後、未反応モノマーを取り 除いて精製、乾燥させ、固形のポリイミド榭脂を得る方法である。貧溶媒としては、溶 媒とは良好に混合するが、ポリイミド榭脂は溶解しにくい性質のものを選択することが 好ましい。例示すると、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン 、メチルセ口ソルブ、メチルェチルケトンなどが挙げられる力 これらに限定されず、上 記の性質を有する従来公知の様々な溶媒を用いることができる。
[0136] 次に、ポリアミド酸重合体溶液を減圧下で加熱してイミド化する方法について説明 する。このイミドィ匕の方法によれば、イミドィ匕によって生成する水を積極的に系外に除 去できるので、ポリアミド酸の加水分解を抑えることが可能であり、高分子量のポリイミ ドを取得できる。また、この方法によれば、原料の酸二無水物中に不純物として存在 する片側または両側開環物が再閉環するので、より一層の分子量の向上効果が期 待できる。
[0137] 減圧下で加熱イミド化する方法の加熱条件は、 80〜400°Cが好ま 、が、イミドィ匕 が効率よく行なわれ、しかも水が効率よく除かれる 100°C以上がより好ましぐさらに 好ましくは 120°C以上である。最高温度は目的とするポリイミド榭脂の熱分解温度以 下が好ましぐ通常のイミド化の完結温度、すなわち 250〜350°C程度が通常適用さ れる。
[0138] 減圧する圧力の条件は、小さいほうが好ましいが、具体的には、 9 X 104〜1 X 102 Pa、好ましくは 8 X 104〜1 X 102Pa、より好ましくは 7 X 104〜1 X 102Paである。これ は、減圧する圧力が小さい場合、イミドィ匕によって生成する水の除去効率が低下し、 イミドィ匕が充分に進行しな 、場合や、得られるポリイミドの分子量が低下したりする場
合がある力 である。
[0139] 以上、ポリイミド榭脂について説明したが、本実施の形態における榭脂層に用いる ことができるもののうち、比較的入手しやすいシロキサン構造を含むポリイミド榭脂の 例として、例えば、信越ィ匕学工業株式会社製の X— 22— 8917、 X— 22— 8904、 X — 22— 8951、 X— 22— 8956、 X— 22— 8984、 X— 22— 8985、等を挙げ、ること力 S できる。なお、これらはポリイミド溶液の形態で市販されている。
[0140] こうして得られたシロキサン構造を有するポリイミド榭脂は、溶媒に溶解して、ポリイミ ド榭脂を含む溶液として本実施の形態における榭脂層を形成することができる。溶媒 としては、榭脂成分を溶解するいかなる溶媒をも使用することができるが、乾燥時の 発泡を抑えるという観点や、残溶媒を低減するという観点から、沸点が 230°C以下で あることが好ましい。その例としては、テトラヒドロフラン (以下、 THFと略す。沸点 66 °C)、 1, 4 ジォキサン (以下、ジォキサンと略す。沸点 103°C)、モノグライム (沸点 8 4°C)、ジォキソラン (沸点 76°C)、トルエン (沸点 110°C)、テトラヒドロピラン (沸点 88 °C)、ジメトキシェタン(沸点 85°C)、 N, N ジメチルホルムアミド(沸点 153°C)、 N— メチル—2 ピロリドン (沸点 205°C)等を挙げることができる。以上例示した以外にも 沸点が 230°C以下である溶媒であれば、好ましく用いることが可能である。これらは、 1種で使用しても良いし、 2種以上組み合わせて用いることもできる。ここで溶解すると は、溶媒に対して榭脂成分が 1重量%以上溶解することをいう。
[0141] また、例えば、ポリアミド酸溶液を熱的若しくは化学的にイミドィ匕し、その溶液を用い て本実施の形態における榭脂層を形成することも可能である。
[0142] さら〖こは、ポリアミド酸溶液を用いて本実施の形態における榭脂層を形成することも できる。ただしこの場合、熱的、若しくは化学的方法でイミド化処理を行う工程が必要 である。
[0143] また、本実施形態における上記榭脂層には、耐熱性、耐湿性等の各種特性を改善 する目的で、上述のポリイミド榭脂の他に、他の成分を含有させることも可能である。 他の成分としては、上記目的を達する範囲で様々な成分を添加することができ、特に 限定されないが、例えば、熱可塑性榭脂、熱硬化性榭脂などの榭脂を適宜使用する ことができる。
[0144] 上記熱可塑性榭脂としては、従来公知の熱可塑性榭脂を好適に使用でき、特に限 定されない。例えば、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン榭脂、ポリフエ二レンェ 一テル榭脂、フエノキシ榭脂、また、酸二無水物成分と、熱可塑性ポリイミド榭脂等を 挙げることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。
[0145] また、上記熱硬化性榭脂も、従来公知の熱硬化性榭脂を好適に使用でき、特に限 定されない。例えば、ビスマレイミド榭脂、ビスァリルナジイミド榭脂、フエノール榭脂、 シアナート榭脂、エポキシ榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、トリアジン榭脂、ヒドロ シリル硬化榭脂、ァリル硬化榭脂、不飽和ポリエステル榭脂等を挙げることができ、こ れらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、上述の熱硬化性榭脂 以外に、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、ァリル基、ビニル基、アルコキ シシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分 子を使用することも可能である。
[0146] さらに、上記めつき銅層との接着性をより向上させる目的で、榭脂層に各種添加剤 を添加、もしくは榭脂層表面に塗布等の方法で存在させることも可能である。この各 種添加剤についても、上記の目的を達する範囲で従来公知の成分を好適に利用で き、特に限定されるものではない。具体的には有機チオールィ匕合物などを挙げること ができる。
[0147] 上述した成分以外にも、榭脂層には、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、 酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、導電性 充填剤 (各種有機フィラー、無機フィラー)、無機のフイラ一類、または各種の強化剤 等を添加することもできる。これら添加剤は、ポリイミド榭脂の種類に応じて適宜選択 することが可能であり、その種類は特に限定されるものではない。また、これら添加剤 は、単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。なお、導電性充 填剤は、一般に、種々の基材物質を、カーボン、グラフアイト、金属粒子、酸化インジ ゥム錫等の導電性物質で被覆することにより導電性を付与したものを指す。
[0148] ただし、上述した榭脂層にカ卩える種々の他の成分は、本発明の目的に反しな!/ヽ範 囲で行うことが好ましい。つまり、榭脂層に加える種々の他の成分は、微細配線形成 に悪影響を及ぼす程度に榭脂層の表面粗度を大きくしない限度で添加することが好
ましい。また、榭脂層に加える種々の他の成分は、榭脂層とめっき銅層との接着性を 低下させな 、範囲で組み合わせることが好まし!/、。
[0149] なお耐熱性や接着性等のバランスのとれた特性を有する榭脂層を得るためには、 榭脂層に含まれる、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂は全榭脂中 10〜: LOO重量 %の範囲にあることが好ましい。
[0150] また、本発明の榭脂層の好ましい形態は、溶液、若しくはフィルムである。上記の形 態であれば、後述する繊維と榭脂との複合体に上述のポリイミド榭脂を含む溶液を塗 布'乾燥させ、若しくはフィルムを重ねて積層一体ィ匕することにより、繊維と榭脂との 複合体に榭脂層を簡便かつ正確に形成することができるためである。なお、榭脂層 の厚みには、特に制限はないが、高密度プリント配線板への適用を考えると薄いほう がよい。具体的には 50 m以下であることが好ましぐ 30 m以下であることがより好 ましい。
[0151] (1 - 1 - 3.繊維と榭脂との複合体)
本実施形態における上記繊維と榭脂との複合体について説明する。該複合体に用 いられる繊維としては特に限定されないが、紙、ガラス織布、ガラス不織布、ァラミド 織布、ァラミド不織布、ポリテトラフロロエチレン、カゝら選ばれる少なくとも一種の繊維 であることが好ましい。紙としては、木材、榭皮、綿、麻、合成樹脂等の素原料より調 製された製紙用パルプ、溶解用パルプ、合成パルプ等のパルプを原料とする紙を用 いることができる。ガラス織布、ガラス不織布としては、 Eガラスまたは Dガラスおよび 他のガラスカゝらなるガラス織布、ガラス不織布を使用できる。ァラミド織布、ァラミド不 織布はとしては、芳香族ポリアミド、若しくは芳香族ポリアミドイミドからなるァラミド織 布、ァラミド不織布を使用できる。ここで芳香族ポリアミドとは、従来公知のメタ型芳香 族ポリアミドまたはパラ型芳香族ポリアミドあるいはそれらの共重合芳香族ポリアミド等 である。ポリテトラフロロエチレンとしては、延伸加工して微細な連続多孔質構造もつ たポリテトラフロロエチレンを好ましく使用することができる。
[0152] 上記複合体に使用できる榭脂としては特に制限はないが、耐熱性等の観点から、 エポキシ榭脂、熱硬化型ポリイミド榭脂、シアナートエステル榭脂、ヒドロシリル硬化榭 脂、ビスマレイミド榭脂、ビスァリルナジイミド榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、ァリ
ル榭脂、不飽和ポリエステル榭脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン榭脂、熱 可塑性ポリイミド榭脂、ポリフエ二レンエーテル榭脂、ポリオレフイン榭脂、ポリカーボ ネート榭脂、ポリエステル榭脂、カゝら選ばれる少なくとも一種の榭脂であることが好ま しい。
[0153] 本発明の繊維と榭脂との複合体の厚みは特に制限はないが、本発明の銅張積層 板を高密度プリント配線板に適用する場合は、薄い方が好ましぐ具体的には 2mm 以下であることが好ましぐ 1mm以下であることがさらに好ましい。
[0154] 上記繊維と榭脂との複合体としては、例えば、プリプレダ層を例示することができる
[0155] (1 - 1 -4.銅張積層板の製造方法)
本発明に係る銅張積層板を製造する方法としては、上述の各材料を用いて、常法 に従い行うことができ、当業者の考え得るいかなる方法を用いても構わない。例えば 、上記榭脂層と繊維と榭脂との複合体からなる層とを一体化して積層体を得た後に、 または該積層体を重ね合わせた積層体を得た後に、該積層体に無電解めつきを施 すことにより、本発明の銅張積層板を得ることができる。以下、この方法について具体 的に説明する。
[0156] まず、上述したように、上記榭脂層の好ま 、形態は、溶液、またはフィルムである 。溶液の場合は、例えば、上記榭脂層の成分を適当な溶媒に溶解させて榭脂層の 溶液を調製した後に、繊維と榭脂との複合体層に該溶液を塗布 '乾燥させる。これに より榭脂層と繊維と榭脂との複合体層とがそれぞれ 1層ずつの積層体が得られる。そ の後、他の繊維と榭脂との複合体層や上記積層体と重ね合わせて積層一体化する ことにより、積層体を得ることができる。これらの積層体に無電解めつきを施すことによ り、本発明に係る銅張積層板を取得できる。なお、積層体の場合は、最外層の繊維と 榭脂との複合体層に形成された榭脂層上に無電解めつきを施すことが好ましい。
[0157] このとき、榭脂層としてポリイミド榭脂を含む榭脂層を用いる場合、榭脂層の溶液中 には、イミドィ匕したポリイミド榭脂のみ含まれていてもよいが、さらにポリイミド榭脂の前 駆体であるポリアミド酸が含まれて 、てもよ 、。繊維と榭脂との複合体層上に榭脂層 を形成する方法としては、浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート、カーテン
コート、バーコート等の公知の方法により形成することができる。これは溶液を用いた 場合の一例であり、出願当時の技術常識に従い、当業者の考え得る他の方法により 製造することも可能である。
[0158] 一方、榭脂層がフィルムの場合は、例えば、 1枚以上の繊維と榭脂との複合体層を 積層一体化した際に、最外層となる繊維と榭脂との複合体層に該フィルムを重ねて 積層一体化することにより、積層体を得ることができる。なお、積層の際、フィルム上 には何らかの合紙を設けることが好ましい。このような合紙としては、例えば、上記榭 脂フィルムが支持体上に榭脂溶液を流延塗布 '乾燥して作製されたフィルムである場 合、この支持体を合紙として利用することができる。つまり、上記榭脂フィルムを支持 体ごと積層一体化し、その後支持体を剥離することで、支持体を合紙として使用する ことができる。上記支持体としては、 PETなどの各種榭脂フィルムや、アルミ箔、銅箔 等の金属箔を好適に用いることができる。
[0159] また、別の方法として、支持体力 フィルムを引き剥がし、該フィルムのみを最外層 となる繊維と榭脂との複合体層に重ねあわせ、テフロン (登録商標)等の榭脂シートを 新たな合紙として用い、積層一体ィ匕することも可能である。なお、いずれの場合も、 合紙は榭脂層から引き剥がせること、また、微細配線形成を損なうような凹凸ゃキズ を、榭脂層表面につけないために十分に平滑であることが好ましい。
[0160] 上述した以外にも、繊維と榭脂との複合体層 (繊維と榭脂との複合体層を複数積層 した場合はその最外層の繊維と榭脂との複合体層)上に榭脂層を形成する方法とし て様々な方法をとることができる。榭脂層を形成するタイミングとしては特に制限はな ぐ繊維と榭脂との複合体層 (繊維と榭脂との複合体層を複数積層した場合はその最 外層の繊維と榭脂との複合体層)にあらかじめ榭脂層を形成してもよいし、積層一体 化する際に繊維と榭脂との複合体層 (繊維と榭脂との複合体層を複数積層した場合 はその最外層の繊維と榭脂との複合体層)に榭脂層を形成してもよい。
[0161] 積層一体化する方法は、常法に従い、公知の方法を利用することができる。具体的 には、例えば、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱ラミネート)、真空ラミネート、熱口 ールラミネート、真空熱ロールラミネート等の熱圧着等を挙げることができる。また、得 られる銅張積層板の特性を十分発揮させるために、用いる繊維と榭脂との複合体層
が十分硬化する温度、時間で積層一体ィ匕することが好ましい。また、上記方法で熱 圧着により積層一体化した後、完全に硬化させ、榭脂層と繊維と榭脂との複合体層と の接着力を向上させることを目的として、熱風オーブンなどを用いてアフターキュアを 行っても構わない。
[0162] また、上述の方法以外の方法として、まず榭脂層上に無電解めつきを施した積層体 を得た後に、該積層体と繊維と榭脂との複合体層とを積層一体化することにより、本 発明に係る銅張積層板を得ることもできる。この場合も、常法に従い、当業者であれ ば適宜実施可能である。
[0163] このようにして得られた榭脂層と繊維と榭脂との複合体層との積層体に、無電解銅 めっきを施すことにより銅張積層板を得ることができる。なお、銅箔の厚みを調整する ために、無電解銅めつきを施した後、さらに電解銅めつきを施してもよい。また、無電 解銅めつきを施す前に、デスミア処理などのアルカリ水溶液による処理を施すことは、 榭脂層表面を活性ィ匕し、めっき銅層と榭脂層との接着力向上につながるため、非常 に好ましい。
[0164] く 1 2.プリント配線板 >
本発明に係る銅張積層板は、上述のように、平滑な榭脂層上に強固に接着した銅 層を有している。このため、本発明の銅張積層板は微細配線形成性に優れており、 例えば、プリント配線板として利用可能である。上記銅張積層板を用いたプリント配線 板としては、例えば、上記銅張積層板に配線形成を施した片面若しくは両面プリント 配線板や、上記銅張積層板をコア基板としたビルドアップ配線板等の各種高密度プ リント配線板を挙げることができる。
[0165] 以下に、本発明の銅張積層板を用いた片面若しくは両面プリント配線板の製造例 を示す。
[0166] (1)めっきレジストを形成する
まず、上記銅張積層板に対して、めっきレジストを形成する。上記めつきレジストとし ては、例えば、感光性めつきレジストを用いることができる。この感光性めつきレジスト としては、広く市販されている公知の材料を用いることができる。なお、本発明のプリ ント配線板の製造方法では、微細配線ィ匕に対応するために 50 mピッチ以下の解
像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無論、本発明のプリント 配線板の配線ピッチに、 50 m以下のピッチを有する回路とそれ以上のピッチを有 する回路が混在してもよい。
[0167] (2)電解銅めつきによるパターンめっきを行う
次に、常法に従い、レジストの形成されていない部分に電解銅パターンめっきを施 す。この場合、当業者であれば、公知の多くの方法を適用することにより、実施可能 である。
[0168] (3)レジスト剥離を行う
続いて、レジスト剥離を行う。レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適 した材料を常法に従い好適に使用することができ、特に限定されるものではない。例 えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸ィ匕カリウム水溶液等を用いることができる。
[0169] (4)無電解めつき層をクイックエッチングすることにより配線を形成する
そして、無電解めつき層をクイックエッチングすることにより配線を形成する。このクイ ックエッチングには、公知のクイックエツチャントを用いることができる。例えば、硫酸' 過酸ィ匕水素系エツチャント、過硫酸アンモニゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム系 エツチャントや希釈した塩ィ匕第二鉄系エツチャント、希釈した塩ィ匕第二銅系エツチヤ ント等を好ましく用いることができる。
[0170] 上記の方法は、微細配線形成に適用される、いわゆるセミアディティブ工法である 力 本発明の銅張積層板は該工法を好ましく適用できる。一方で、本発明の銅張積 層板は平滑表面に強固にめっき銅を形成することが可能であるため、榭脂の凹凸部 にエッチング後の銅残りが発生するようなことがない。このため、レジストを形成したの ち、不要な銅をエッチング除去して配線形成を行う、サブトラクティブ工法も適用する ことが可能である。ただし、サブトラクティブ工法は工程が少ないというメリットがある一 方で、サイドエッチングによる配線形状不良等の問題を含んでいる。それゆえ、形成 する配線ピッチ、生産性、コスト等を考慮してサブトラクティブ工法、またはセミアディ ティブ工法、あるいは他の常法を適宜選択すればょ ヽ。
[0171] さら〖こ、上述のようにして作製したプリント配線板をコア基板とし、ビルドアップ配線 板を作製することも可能である。この場合、コア基板自体に微細配線形成が可能であ
るため、より高密度なビルドアップ配線板を作製することが可能となる。
[0172] 〔実施例〕
本実施形態の発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明 はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなぐ種々 の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、実施例および比較例の銅張積 層板の特性として、無電解めつき銅との接着性、表面粗さ Ra、配線形成性は以下の ように評価または算出した。
[0173] 〔接着性評価〕
得られたサンプル (銅張積層板)に、めっき銅層の厚みが 18 mとなるように電解 銅めつきを施した。その後、 180°C、 30分の乾燥処理を行った後、 JPCA— BU01— 1998 (社団法人日本プリント回路工業会発行)に従い、常態、およびプレッシャーク ッカー試験 (PCT)後の接着強度を測定した。
[0174] なお「常態接着強度」とは、 25°C、湿度 50%の雰囲気下、 24時間放置した後に測 定した接着強度を示す。また「PCT後接着強度」は 121°C、 100%の雰囲気下、 96 時間放置した後に測定した接着強度を示す。
[0175] 〔表面粗度 Ra測定〕
銅張積層板のめっき銅層をエッチング除去し、露出した表面の表面粗度 Raの測定 を行った。測定は、光波干渉式表面粗さ計 (ZYGO社製 NewView5030システム) を用いて下記の条件で表面 Aの算術平均粗さを測定した。
(測定条件);
対物レンズ: 50倍ミラウ イメージズーム: 2
FDA Res: Normal
解析条件:
Remove: Cylinder
Filter: Hign Pass
Filter Low Waven: 0. 002mm
ほ己線形成性〕
銅張積層板のめっき銅層上にレジストパターンを形成し、パターン銅の厚みが 10
mとなるように電解銅パターンめっきを行った後、レジストパターンを剥離し、さらに 露出しためっき銅を塩酸 Z塩ィ匕第二鉄系エツチャントで除去して、ライン アンド ス ペース (LZS) = 10 m/ΙΟ μ mの配線を有する両面プリント配線板を作製した。 該プリント配線板の配線が、断線や形状不良なく良好に作製できている場合を「〇」 、断線や形状不良を生じて ヽる場合を「 X Jとして配線形成性を評価した。
[0176] 〔ポリイミド榭脂の合成例 1〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF8010を 62g (0 . 075mol)と、 4, 4, ジアミノジフエ-ルエーテル 15g (0. 075mol)と、 N, N ジメ チルホルムアミド(以下、 DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4 '— (4 , 4 '—イソプロピリデンジフエノキシ)ビスフタル酸無水物 78g (0. 15mol)を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶 液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 120分、 6 65Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 1を得た。
[0177] 〔ポリイミド榭脂の合成例 2〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF8010を 86g (0 . lOmol)と、 4, 4,—ジァミノジフエ-ルエーテル 9g (0. 05mol)と、 DMFを投入し、 撹拌しながら溶解させ、 4, 4' (4, 4' イソプロピリデンジフエノキシ)ビスフタル酸 無水物 78g (0. 15mol)を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の D MF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、 真空オーブンで、 200°C、 120分、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 2を得た。
[0178] 〔榭脂層を形成する溶液の調合例 1〕
上記ポリイミド榭脂 1をジォキソランに溶解させ、榭脂層を形成する溶液 (A)を得た 。固形分濃度は 5重量%となるようにした。
[0179] 〔榭脂層を形成する溶液の調合例 2〕
ポリイミド榭脂 2をジォキソランに溶解させ、榭脂層を形成する溶液 (B)を得た。固 形分濃度は 5重量%となるようにした。
[0180] 〔榭脂層を形成する溶液の調合例 3〕
ジャパンエポキシレジン (株)社製ビフエ-ル型エポキシ榭脂の YX4000Hを 32. 1
g、和歌山精ィ匕工業 (株)社製ジァミンのビス [4一(3—アミノフエノキシ)フエ-ル]ス ルホン 17. 9g、四国化成工業 (株)社製のエポキシ硬化剤、 2,4—ジアミノー 6— [2, ーゥンデシルイミダゾリルー(1,)]ーェチルー s—トリァジン 0. 2gをジォキソランに溶 解させたエポキシ榭脂組成物溶液 (C)を得た。固形分濃度は 5重量%になるようにし た。溶液 (B) 90gと溶液 (C) lOgとを混合して、榭脂層を形成する溶液 (D)を得た。
[0181] 〔繊維と榭脂との複合体層を形成する溶液の調合例 1〕
ビスフエノール A型エポキシ榭脂(エポキシ当量 480) 100gに、ジシアンジアミド 3g 、 2—ェチル—4—メチルイミダゾール 0. lgおよびアセトン 60gをカ卩えて攪拌溶解し、 繊維と榭脂との複合体を形成する溶液 (E)を得た。
[0182] 〔繊維と榭脂との複合体層を形成する溶液の調合例 2〕
2、 2—ビス(4 -シアナトフエ-ル)プロパン 90gとビス(4 -マレイミドフエニル)メタン 10gとを 150°Cで 100分間予備反応させ、これをメチルェチルケトンと DMFとの混合 溶媒に溶解させ、さらにォクチル酸亜鉛 1. 8部を加えて均一に混合して、繊維と榭 脂との複合体を形成する溶液 (F)を得た。
[0183] 〔実施例 1〕
榭脂層を形成する上記溶液 (A)を、支持体フィルム (商品名セラピール HP、東洋メ タライジング社製)の表面上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて 60°Cの温 度で加熱乾燥させ、厚み 10 μ mの榭脂層フィルム(G)を得た。
[0184] 一方、繊維と榭脂との複合体を形成する溶液 (E)を厚さ 100 μ mのガラス織布に塗 布'含浸し、 160°Cの温度で乾燥して榭脂分 45重量%の繊維と榭脂との複合体を得 た。上記繊維と榭脂との複合体を 4枚重ね合わせ、その上下面に上記フィルム (G)を 支持体フィルムから剥離して重ね合わせて、 170°C、 3MPa、 90分の条件で真空プ レス積層した。このとき、合紙として榭脂フィルム(商品名ァフレックス、旭硝子製)を 用いた。このようにして得た積層体に、下記表 1の条件でデスミア処理を行った後、下 記表 2の条件で無電解めつきを行い、銅張積層板を得た。
[0185] [表 1]
〔〕^0186
[0187] 得られた銅張積層板を用いて、各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結 果を表 3に示す。なお、配線形成性は、レジスト形成後、エッチングを行うことによるサ ブトラタティブ法にて配線形成して評価を行った。
[0188] 〔実施例 2〕
榭脂層を形成する溶液 (B)を用 、た点を除 、て、実施例 1と同様の手順で銅張積 層板を得た。得られた銅張積層板を用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価 した。評価結果を表 3に示す。
[0189] 〔実施例 3〕
榭脂層を形成する溶液 (D)を用いた点を除いて、実施例 1と同様の手順で銅張積
層板を得た。得られた銅張積層板を用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価 した。評価結果を表 3に示す。
[0190] 〔実施例 4〕
繊維と榭脂との複合体を形成する溶液 (F)を厚さ 100 mのガラス織布に塗布'含 浸し、 160°Cの温度で乾燥して榭脂分 45重量%の繊維と榭脂との複合体を得た。こ の繊維と榭脂との複合体を 4枚重ね合わせ、その上下面に上記実施例 2のようにして 得たフィルム(G)を支持体フィルムから剥離して重ね合わせて、 200°C、 2MPa、 12 0分の条件で真空プレス積層した以外は実施例 1と同様にして、銅張積層板を得た。 得られた銅張積層板を用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結 果を表 3に示す。
[0191] 〔実施例 5〕
実施例 1で得た繊維と榭脂との複合体 4枚のうちの 2枚に、榭脂層を形成する溶液( B)をスピンコート法にて塗布、熱風オーブンで 60°Cの温度で加熱し、厚み 2 μ mの 榭脂層を有する繊維と榭脂との複合体を作製した。この繊維と榭脂との複合体 2枚で 何も処理を施して!/、な!、繊維と榭脂との複合体 2枚を挟むように、榭脂層が外側とな るように重ね合わせた以外は実施例 1と同様にして、銅張積層板を得た。得られた銅 張積層板を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 3に示 す。
[0192] 〔実施例 6〕
実施例 1で得た繊維と榭脂との複合体 4枚のうちの 2枚に、実施例 2のようにして得 たフィルム(G)を支持体フィルム毎重ね合わせ、 150°C、 lMPa、 6分の条件で真空 プレス積層し、支持体フィルムを剥離することで、厚み 10 mの榭脂層を有する繊維 と榭脂との複合体を作製した。この繊維と榭脂との複合体 2枚で何も処理を施して ヽ ない繊維と榭脂との複合体 2枚を挟むように重ね合わせた以外は実施例 1と同様にし て、銅張積層板を得た。得られた銅張積層板を用いて、各種評価項目の評価手順に 従い評価した。評価結果を表 3に示す。
[0193] 〔比較例 1〕
実施例 1で得た繊維と榭脂との複合体 4枚を 18 μ m厚みの電解銅箔 2枚で挟むよ
うに積層した以外は実施例 1と同様にして銅張積層板を得た。得られた銅張積層板 を用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表 4に示す。なお 、配線形成性は、レジスト形成後、エッチングを行うことによるサブトラクティブ法にて 配線形成して評価を行った。
[0194] 〔比較例 2〕
実施例 4で用いた繊維と榭脂との複合体 4枚を 18 μ m厚みの電解銅箔 2枚で挟む ように積層した以外は実施例 1と同様にして銅張積層板を得た。得られた銅張積層 板を用いて、各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表 4に示す。な お、配線形成性は、レジスト形成後、エッチングを行うことによるサブトラクティブ法に て配線形成して評価を行った。
[0195] [表 3]
ε a
υ
(M \
oc X
CM
較例較例比比 a
U u
J) \ \
00 X
成溶榭脂層形す液をる
o
常態接着強度
/接着強度後 9 NT PC mc
粗度表面 R a
細線成微形性配
〔実施形態 2〕
< 2— 1.本実施形態の積層体の構成 >
本実施形態の積層体は、繊維と榭脂との複合体 (a)の少なくとも片面に、金属めつ き層が形成されるための榭脂層(b)を有することを特徴とする。その構成は、繊維と 榭脂との複合体 (a) Z金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b)の順で積層され てなるものでも良いし、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)Z繊維と榭脂と の複合体 (a) Z金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)の順で積層されてなるも のでもでも良いし、繊維と榭脂との複合体 (a) Z榭脂層 (c)Z金属めつき層が形成さ れるための榭脂層 (b)の順で積層されてなるものでもでも良ぐまた、繊維と榭脂との 複合体 (a) Z榭脂層 (c) Z高分子フィルム Z金属めつき層が形成されるための榭脂 層 (b)の順で積層されてなるものでもでも良ぐ繊維と榭脂との複合体 (a)と金属めつ
き層が形成されるための榭脂層(b)を含みさえすればどのような構成でも良い。
[0198] 本発明の積層体に配線形成を施すことで、片面若しくは両面プリント配線板を得る ことができる。また、上記片面若しくは両面プリント配線板をコア基板として、ビルドア ップ配線板を得ることもできる。さらに、本発明の積層体をビルドアップ材として用いる ことで、ビルドアップ配線板を得ることも可能である。本発明の積層体は微細配線形 成性に優れるため、その他の各種高密度プリント配線板にも好ましく適用可能である
[0199] 本発明の積層体の構成物の 1つである繊維と榭脂との複合体(「繊維ー榭脂複合 体」ともいう) (a)は、 Bステージであっても良ぐまた Cステージであっても良い。
[0200] 本実施形態において、上記積層体の構成物である、金属めつき層が形成されるた めの榭脂層(b)は、金属めつき層との接着性の観点から、シロキサン構造を有するポ リイミド榭脂を含むことが好ま 、。
[0201] 本実施形態に係る上記の積層体は、いずれの構成であっても、榭脂層(b)上に金 属めっき層が形成されることが好ましい。
[0202] (2- 1 - 1.繊維と榭脂との複合体 (a) )
本実施形態における、繊維と榭脂との複合体 (a)は、あらゆる繊維、榭脂の組み合 わせが可能であり、例えば、上記榭脂は、熱可塑性榭脂のみカゝらなる榭脂であっても 良いし、熱硬化性成分のみ力もなる榭脂であっても良いし、また、熱可塑性榭脂及び 熱硬化性成分力もなる榭脂であっても良い。この中でも、 Bステージ、若しくは Cステ ージの繊維と榭脂との複合体 (a)を得るためには、本発明の複合体 (a)に用いられる 榭脂は熱硬化性成分を含むことが好まし ヽ。
[0203] ここで、 「Bステージ」とは、半硬化状態とも!、われ、繊維と榭脂との複合体 (a)に用 いられる熱硬化性成分の反応の中間的な段階であって、繊維と榭脂との複合体 (a) は加熱により軟ィ匕する力 ある種の液体に接触しても完全には溶融や溶解をしない 段階である。よって、繊維と榭脂との複合体 (a)が Bステージである場合、本発明の積 層体は加熱加工により軟化し、内層回路を埋め込むことが可能となるため、ビルドア ップ材として好ましく使用することができる。
[0204] また、「Cステージ」とは、繊維と榭脂との複合体 (a)に用いられる熱硬化性成分が
実質的に硬化し、不溶不融の状態にある段階である。よって、繊維と榭脂との複合体 (a)が Cステージである場合、そのまま金属層を形成し、パターユングすることでプリ ント配線板を得ることができることになる。
[0205] 繊維としては特に限定はないが、プリント配線板用途という点を考慮すると、紙、ガ ラス織布、ガラス不織布、ァラミド織布、ァラミド不織布、ポリテトラフロロエチレン、力も 選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
[0206] 紙としては、木材、榭皮、綿、麻、合成樹脂等の素原料より調製された製紙用パル プ、溶解用パルプ、合成パルプ等のパルプを原料とする紙を用いることができる。ガ ラス織布、ガラス不織布としては、 Eガラスまたは Dガラスおよび他のガラスからなるガ ラス織布またはガラス不織布を使用することができる。ァラミド織布、ァラミド不織布と しては、芳香族ポリアミド、若しくは芳香族ポリアミドイミドからなる不織布を使用できる 。ここで芳香族ポリアミドとは従来公知のメタ型芳香族ポリアミド又はパラ型芳香族ポリ アミド或 、はそれらの共重合芳香族ポリアミド等である。ポリテトラフロロエチレンとして は、延伸加工して微細な連続多孔質構造をもったポリテトラフロロエチレンを好ましく 使用することができる。
[0207] 次に本実施形態における、繊維と榭脂との複合体 (a)の榭脂について説明する。
榭脂としては特に制限はなぐ熱可塑性榭脂のみ力もなる榭脂であっても良いし、熱 硬化性成分のみカゝらなる榭脂であっても良いし、また、熱可塑性榭脂及び熱硬化性 成分力もなる榭脂であっても良い。熱可塑性榭脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエ 一テルスルホン榭脂、熱可塑性ポリイミド榭脂、ポリフエ-レンエーテル榭脂、ポリオレ フィン榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリエステル榭脂、などを挙げることができる。ま た、熱硬化性成分としては、エポキシ榭脂、熱硬化型ポリイミド榭脂、シアナートエス テル榭脂、ヒドロシリル硬化榭脂、ビスマレイミド榭脂、ビスァリルナジイミド榭脂、ァク リル榭脂、メタタリル榭脂、ァリル榭脂、不飽和ポリエステル榭脂、などを挙げることが できる。また、上記の熱可塑性榭脂と熱硬化成分とを併用しても良い。
[0208] 繊維と榭脂との複合体 (a)と、榭脂層 (b)や榭脂層 (c)との接着性を向上させる目 的で、繊維と榭脂との複合体 (a)の作製時に、シランカップリング剤等の各種カツプリ ング剤を併用しても良い。
[0209] 本実施形態における、繊維と榭脂との複合体 (a)は、繊維が備えられて!/ヽるために 低熱膨張性が得られると ヽぅ利点を有して ヽるが、さらなる低熱膨張性を得る観点か ら、各種有機フィラーまたは無機フィラーを榭脂に添加しても良い。
[0210] 本実施形態における、繊維と榭脂との複合体 (a)は、上述の榭脂を適当な溶媒に 溶解して榭脂溶液とし、上述の繊維に当該榭脂溶液を含浸させ、さらに榭脂溶液を 含浸させた繊維を加熱乾燥することにより得られる。ここで、上記加熱乾燥は Bステー ジで止めても良いし、さらに加熱乾燥を進めて、 Cステージまで行っても良い。
[0211] 本実施形態における、繊維と榭脂との複合体 (a)の厚みは特に制限はないが、本 発明の積層体を高密度プリント配線板に適用する場合は薄いほうが好ましぐ具体的 には 2mm以下であることが好ましぐ 1mm以下であることがさらに好ましい。また、本 発明に係る積層体をビルドアップ材として使用する場合は、得られるビルドアップ配 線板の薄型化の観点から、繊維と榭脂との複合体 (a)はできるだけ薄いことが好まし ぐ且つ内層回路を充分に埋め込むだけの榭脂分を有することが好ましい。現状、最 も薄いガラス織布は 40 mと言われており、このようなガラス繊維を用いることにより、 本発明に係る積層体における、繊維と榭脂との複合体 (a)を薄くすることができる。ま た、技術の進歩により、さらに薄いガラス織布等の繊維が得られれば、このような繊維 を用いることで、本発明に係る積層体における、繊維と榭脂との複合体 (a)のさらなる 薄型化が可能となる。
[0212] (2- 1 - 2.金属めつき層を形成するための榭脂層(b) )
本実施形態における「金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)」とは、その平 滑表面に強固に金属めつき層を形成することができ、且つ、繊維と榭脂との複合体( a)とも強固に接着することが可能な榭脂層をいう。すなわち、「金属めつき層が形成さ れるための榭脂層 (b)」とは、繊維と榭脂との複合体 (a)と、金属めつき層との間に形 成された接着剤の働きを有する榭脂層ということができる。
[0213] 金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)としては、上記条件を満たせば、いか なる榭脂を用いても良いが、金属めつき層との接着性という観点からは、ポリイミド榭 脂を含むことが好ましぐ一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1っ以 上の構造を有するポリイミド榭脂を含むことがさらに好ましぐ特に、シロキサン構造を
有するポリイミド榭脂を含むことがさらに好ましい。なお本実施形態における、「金属 めっき層が形成されるための榭脂層(b)」に関する説明は、実施形態 1における(1 1 - 2.榭脂層)の説明を適宜援用することができる。
[0214] (2- 1 - 3.榭脂層 (c) )
本実施形態に係る積層体において、繊維と榭脂との複合体 (a)と金属めつき層が 形成されるための榭脂層 (b)との接着性を向上させる等の目的で、榭脂層 (c)を設け ることができる。繊維と榭脂との複合体 (a)と、金属めつき層が形成されるための榭脂 層(b)とのそれぞれに対して良好な接着性を発現させるために、榭脂層(c)には熱硬 化性成分を含むことが好ましい。ここで、榭脂層(c)に好ましく用いられる熱硬化性成 分としては、ビスマレイミド榭脂、ビスァリルナジイミド榭脂、フエノール榭脂、シアナ一 ト榭脂、エポキシ榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、トリアジン榭脂、ヒドロシリル硬 化榭脂、ァリル硬化榭脂、不飽和ポリエステル榭脂などをあげることができ、これらを 単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、前記熱硬化性成分以外に も、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、ァリル基、ビュル基、アルコキシシリ ル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子等を 挙げることができる。また、繊維と榭脂との複合体 (a)と、金属めつき層が形成される ための榭脂層(b)とのそれぞれに対して良好な接着性を発現させるために、熱可塑 性榭脂を含有することも好ましい。熱可塑性榭脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエ 一テルスルホン榭脂、ポリフエ-レンエーテル榭脂、フエノキシ榭脂、熱可塑性ポリイ ミド榭脂等を挙げることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることがで きる。
[0215] 榭脂層 (c)を設ける方法としては、繊維と榭脂との複合体 (a)上に、榭脂層 (c)を形 成する榭脂を適当な溶媒に溶解した榭脂溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、 スピンコート、カーテンコート、バーコート等の公知の方法により塗布、さらに乾燥して 設ける方法を挙げることができる。
[0216] また、榭脂層(c)を設ける別の方法としては、フィルム状に成形した榭脂層(c)と、 繊維と榭脂との複合体 (a)とを熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱ラミネート)、真空 ラミネート、熱ロールラミネート、真空熱ロールラミネート等の熱圧着等により積層一体
化して設ける方法を挙げることができる。
[0217] また、フィルム状に成形した金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)上に、榭 脂層(c)を形成する榭脂を適当な溶媒に溶解した榭脂溶液を浸漬、スプレーによる コーティング、スピンコート、カーテンコート、バーコート等の公知の方法により塗布、 さらに乾燥することで、榭脂層(c)を設ける方法も可能であり、当業者の考え得るあら ゆる方法で榭脂層(c)を形成することができる。
[0218] 積層体の剛性を向上させるなどの目的で、金属めつき層が形成されるための榭脂 層(b)と榭脂層(c)との間に高分子フィルムを設けても良い。ここで、高分子フィルム としては、耐熱性、剛性などの観点力も非熱可塑性ポリイミドフィルムが好ましい。
[0219] 榭脂層(c)の厚みには特に制限はないが、高密度プリント配線板への適用を考える と薄いほうがよい。具体的には 50 μ m以下であることが好ましぐ 30 μ m以下である ことがより好ましい。
[0220] また、高分子フィルムの厚みにも特に制限はないが、高密度プリント配線板への適 用を考えると薄いほうがよい。具体的には 50 m以下であることが好ましぐ 30 /z m 以下であることがより好まし 、。
[0221] (2— 1 4.金属めつき層)
金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)に形成される金属めつき層としては、 蒸着、スパッタ、 CVD等の各種乾式めつき、無電解めつき等の湿式めつき、いずれも 適用可能であるが、本実施の形態における積層体の特徴である、平滑な表面にも無 電解めつきが良好に接着するという利点を生かし、無電解めつき力もなる層であること が好ましい。無電解めつきの種類としては、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、 無電解金めつき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げることができ、上記い ずれのめっきをも本発明に使用可能である力 工業的観点、耐マイグレーション性等 の電気特性の観点より、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっきが好ましぐ無電解 銅めつきが特に好ましい。また、金属めつき層は、無電解めつきのみ力もなる層であ つても良ぐ無電解めつきの層が形成された後に電解めつきにより、所望の厚みに形 成された層であっても良い。
[0222] 金属めつき層の厚みとしては特に制限はないが、微細配線形成性を考慮すると、 2
5 μ m以下であることが好ましぐ 20 μ m以下であることがより好ましい。
[0223] (2- 1 - 5.積層体)
本実施形態に係る積層体は、繊維と榭脂との複合体 (a)の少なくとも片面に、金属 めっき層が形成されるための榭脂層(b)を有することを特徴とする。その構成は、繊 維と榭脂との複合体 (a) / (b)の順で積層されてなるものでも良 、し、金属めつき層 が形成されるための榭脂層 (b) Z繊維と榭脂との複合体 (a) Z金属めつき層が形成 されるための榭脂層(b)の順で積層されてなるものでもでも良いし、繊維と榭脂との 複合体 (a) Z榭脂層 (c) Z金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b)の順で積層 されてなるものでもでも良ぐまた、繊維と榭脂との複合体 (a) Z榭脂層 (c) Z高分子 フィルム Z金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)の順で積層されてなるもので もでも良ぐ繊維と榭脂との複合体 (a)と金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b) を含みさえすればどのような構成でも良い。
[0224] 本実施形態に係る積層体を用いたプリント配線板としては、例えば、本発明の積層 体に配線形成を施すことで、片面若しくは両面プリント配線板を得ることができる。ま た、上記片面若しくは両面プリント配線板をコア基板として、ビルドアップ配線板を得 ることもできる。さらに、本発明の積層体をビルドアップ材として用いることで、ビルドア ップ配線板を得ることも可能である。本発明の積層体は微細配線形成性に優れるた め、その他の各種高密度プリント配線板にも好ましく適用可能である。
[0225] 上記の積層体は、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)上に金属めつき層 が形成されている状態であっても良い。すなわち本実施の形態に係る積層体は、平 滑な金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)上に、強固に金属めつき層が形成 されることが可能である。よって、設計どおりに微細配線形成を行うことが可能となる。 ここで、良好な微細配線形成性を有するために、金属めつき層が形成されるための 榭脂層(b)の表面粗さは、カットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Raで 0. 5 m未満であることが好ましい。「カットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Rajについては、実施の形態 1で説示したとおりである。
[0226] 金属めつき層が形成された本実施形態に係る積層体の厚みに特に制限はないが、 高密度プリント配線板への適用を考慮した場合には薄いほうが好ましい。具体的に
は 2mm以下であることが好ましぐ 1mm以下であることがより好ましい。
[0227] < 2— 2.積層体の製造方法 >
本実施形態に係る積層体の製造方法としては、当業者の考え得るいかなる方法を 用いても構わない。ここで、本発明の積層体の構成物の 1つである繊維と榭脂との複 合体 (a)が Bステージである場合にっ 、てその製造方法を例示する。
[0228] 繊維と榭脂との複合体 (a)を形成する榭脂を適当な溶媒に溶解した榭脂溶液を、 繊維に含浸、さらに加熱乾燥することにより得た Bステージの繊維と榭脂との複合体( a)上に、金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b)を形成する榭脂を適当な溶媒 に溶解した榭脂溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート、カーテンコ ート、バーコート等の公知の方法により塗布、さらに乾燥して得ることができる。このと き、乾燥は Bステージを保つような条件で実施することが必須である。
[0229] また、フィルム状に成形した金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) ZBステー ジの繊維と榭脂との複合体 (a)とを重ねあわせ、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱 ラミネート)、真空ラミネート、熱ロールラミネート、真空熱ロールラミネート等の熱圧着 等により積層一体ィ匕して得ることができる。この場合も積層一体ィ匕は Bステージを保 つような条件で実施することが必須である。
[0230] 次に、本発明の積層体の構成物の 1つである繊維と榭脂との複合体 (a)が Cステー ジである場合にっ 、てその製造方法を例示する。
繊維と榭脂との複合体 (a)を形成する榭脂を適当な溶媒に溶解した榭脂溶液を、繊 維に含浸、さらに加熱乾燥することにより得た Bステージの繊維と榭脂との複合体 (a) 上に、金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b)を形成する榭脂を適当な溶媒に 溶解した榭脂溶液を浸漬、スプレーによるコーティング、スピンコート、カーテンコート 、バーコート等の公知の方法により塗布、さらに乾燥して得ることができる。このとき、 乾燥は Cステージまで硬化が進むような条件で実施することが必須である。上記で、 予め Cステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を用いることもできる。
[0231] また、フィルム状に成形した金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) ZBステー ジの繊維と榭脂との複合体 (a)とを重ねあわせ、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱 ラミネート)、真空ラミネート、熱ロールラミネート、真空熱ロールラミネート等の熱圧着
等により積層一体ィ匕して得ることができる。この場合も積層一体化は Cステージまで 硬化が進むような条件で実施することが必須である。上記で、予め Cステージの繊維 と榭脂との複合体 (a)を用いることもできる。
[0232] なお、 Bステージ状態を保つような積層一一体化条件、 Cステージ状態まで硬化が 進むような積層一一体化条件は、用いる榭脂によって異なるので一概には 、えな ヽ 力 Bステージ状態、あるいは Cステージ状態となるような条件を選定して、積層一一 体ィ匕を行えばよい。この際、 Bステージ状態あるいは Cステージ状態を判定する方法 としては、硬化度を指標とすればよぐ硬化度は、 DSC (Differential Scanning Calorimetry)を用いた硬化発熱量と残存硬化発熱量測定による方法や、赤外吸収 スペクトルによる官能基の吸収ピーク力 決定する方法、ガラス転移温度の値を使用 した手法 (例えば、 DiBenedettoの方法)等を用いることができる。その他にも、巿販 されている銅張積層板の両面の銅箔をエッチング等の方法により除去し、その上に 金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成することで、金属めつき層が形成 されるための榭脂層 (b) ZBステージの繊維と榭脂との複合体 (a)なる積層体を得る ことも可能である。
[0233] 積層一体ィ匕に関して説明する。積層一体化の際、フィルム状の金属めつき層が形 成されるための榭脂層(b)には何らかの合紙が必要となる力 例えば該フィルムが支 持体上に榭脂溶液を流延塗布および乾燥して作製されたフィルムであるならば、支 持体ごと積層一体化し、その後支持体を剥離することで、支持体を合紙として使用す ることができる。支持体は、 PETなどの各種榭脂フィルムや、アルミ箔、銅箔等の金属 箔を用いることができる。別の方法として、支持体力 フィルムを引き剥がし、繊維と 榭脂との複合体 (a)上に、フッ素榭脂フィルムなどの合紙を重ね合わせて積層一体 化することも可能である。いずれの場合も、合紙は金属めつき層が形成されるための 榭脂層(b)から引き剥がせること、また、微細配線形成を損なうような凹凸をつけない ために十分に平滑であることが重要である。上記方法で熱圧着により積層一体化し た後、金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b) Z繊維と榭脂との複合体 (a)との 界面の接着力を向上させることを目的として、熱風オーブンなどを用いて熱処理を行 つても構わない。
[0234] 上記のいずれの方法においても、繊維と榭脂との複合体 (a)と金属めつき層が形成 されるための榭脂層(b)との接着性を向上させる等の目的で、金属めつき層が形成さ れるための榭脂層 (b)上に溶液を塗布、乾燥することにより榭脂層(c)を形成する方 法、若しくはフィルム状に成形された榭脂層 (c)を繊維と榭脂との複合体 (a)と金属め つき層が形成されるための榭脂層 (b)の間に挿入する方法等により榭脂層(c)を設け てもよい。
[0235] このようにして得られた積層体に、無電解めつき等により金属めつき層を形成するこ とで、金属めつき層 Z金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b)Z繊維と榭脂との 複合体 (a)なる構成を含む積層体を得ることができる。金属めつき層の厚みを調整す るために、無電解めつきを施した後、さらに電解めつきを施しても良い。また、無電解 めっきを施す前に、デスミア処理などのアルカリ水溶液による処理を施すことは、金属 めっき層が形成されるための榭脂層(b)表面を活性ィ匕し、金属めつき層と金属めつき 層が形成されるための榭脂層(b)との接着力向上につながるため、好ましい実施態 様である。
[0236] < 2— 3.プリント配線板 >
本実施形態に係る積層体を用いたプリント配線板としては、例えば、本実施形態に 係る積層体に配線形成を施すことで、片面若しくは両面プリント配線板を得ることが できる。また、該プリント配線板をコア基板として、ビルドアップ配線板を得ることもでき る。また、本実施形態に係る積層体をビルドアップ材として、ビルドアップ配線板を得 ることも可能である。本実施形態に係る積層体は微細配線形成性に優れるため、そ の他の各種高密度プリント配線板にも好ましく適用可能である。
[0237] 本発明の、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)ZCステージの繊維と榭脂 との複合体 (a)力 なる積層体を用いた片面若しくは両面プリント配線板の製造例を 以下に示す。
[0238] (1)必要に応じて、上記積層体にビアホールを形成する。
ビアホールを形成する際には、公知のドリルマシン、ドライプラズマ装置、炭酸ガスレ 一ザ一、 UVレーザー、エキシマレーザー等を用いることができる。 UV— YAGレー ザ一、エキシマレーザーは、小径(特に 50 μ m以下、好ましくは 30 μ m以下)のビア
ホールを形成する際に好適である。また UV— YAGレーザー、エキシマレーザーは 、良好な形状のビアホールを形成することができるために好ましい。ドリルマシンによ る貫通スルーホールを形成した後、無電解めつきによるパネルめつきを行っても良い ことは、言うまでも無い。また、穴あけ力卩ェの後、過マンガン酸塩を用いるウエットプロ セスや、プラズマ等のドライデスミアなどの公知の技術で、上記積層体にデスミア処 理を施すことも可能である。
[0239] (2)上記積層体に無電解めつきを行う。
無電解めつきの種類としては、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金め つき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事ができる。ただし工業的観点、 耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅めつき、無電解ニッケルめ つきが好ましぐ無電解銅めつきが特に好ましい。
[0240] (3)めっきレジストを形成する。
感光性めつきレジストとしては、広く市販されている公知の材料を用いることができる。 本実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、微細配線化に対応するために 5 0 mピッチ以下の解像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無 論、本発明のプリント配線板の配線ピッチに、 50 /z m以下のピッチを有する回路とそ れ以上のピッチを有する回路とが混在しても良!、。
[0241] (4)電解銅めつきによるパターンめっきを行う。
公知の多くの方法を適用することにより、レジストの形成されていない部分に電解銅 ノ ターンめつきを施す。具体的には電解銅めつき、電解はんだめつき、電解錫めつき 、電解ニッケルめっき、電解金めつき等を挙げる事ができる。ただし、工業的観点、耐 マイグレーション性等の電気特性の観点より、電解銅めつき、電解ニッケルめっきが 好ましぐ電解銅めつきが特に好ましい。
[0242] (5)レジスト剥離を行う。
レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適した材料を適宜使用することが でき、特に制限はない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を 用!/、ることができる。
[0243] (6)無電解めつき層をクイックエッチングすることにより配線を形成する。
クイックエッチングには、公知のクイックエツチャントを用いることができる。例えば、硫 酸'過酸化水素系エツチャント、過硫酸アンモニゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム 系エツチャントや希釈した塩ィ匕第二鉄系エツチャント、希釈した塩ィ匕第二銅系エッチ ヤント等を好ましく用いることができる。
[0244] 上記の方法は、微細配線形成に適用される、 V、わゆるセミアディティブ工法である 力 本実施形態の積層体は該工法を好ましく適用できる。一方で、本実施形態の積 層体は平滑表面に強固にめっき銅を形成することが可能であるため、榭脂の凹凸部 にエッチング後の銅残りが発生するようなことがない。従って、レジストを形成したのち
、不要な銅をエッチング除去して配線形成を行う、サブトラクティブ工法も本実施形態 の積層体に適用することが可能である。サブトラクティブ工法は工程が少ないというメ リットがある一方で、サイドエッチングによる配線形状不良等の問題を含んでいる。よ つて、形成する配線ピッチ、生産性、コスト等を考慮してサブトラクティブ工法、セミア ディティブ工法を適宜選択すればよ!ヽ。
[0245] 上述のようにして作製したプリント配線板をコア基板とし、ビルドアップ配線板を作 製することも可能である。この場合、コア基板自体に微細配線形成が可能であるため 、より高密度なビルドアップ配線板を作製することが可能となる。
[0246] 次に、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) ZBステージの繊維と榭脂との 複合体 (a)力 なる積層体をビルドアップ材として用いたビルドアップ配線板の製造 例を示す。
[0247] (A)積層体とコア基板とを積層する。
順に、合紙、積層体、配線形成されたコア基板を、繊維と榭脂との複合体 (a)とコア 基板とを対向させ互いに積層する。この工程では、コア基板に形成されている配線パ ターン間を十分に埋め込むことが重要であり、本実施形態の積層体に用いられる、 繊維と榭脂との複合体 (a)の熱硬化性成分は Bステージであることが必須である。積 層方法としては、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱ラミネート)、真空ラミネート、熱 ロールラミネート、真空熱ロールラミネート等の各種熱圧着方法を行うことができる。 上記方法の中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート処理、 真空熱ロールラミネート処理がより良好に回路間をボイド無く埋め込むことが可能で
あり、好ましく実施可能である。積層した後に、繊維と榭脂との複合体 (a)の熱硬化性 成分を Cステージまで硬化を進める目的から、熱風オーブン等を用いて加熱乾燥を 行うことも可能である。
[0248] なお、 Cステージィ匕は、ビルドアップ配線板を製造する工程中のどの段階で行って ちょい。
[0249] (B)上記積層体にビアホールを形成する。
[0250] 公知のドリルマシン、ドライプラズマ装置、炭酸ガスレーザー、 UVレーザー、エキシ マレーザー等を用いることができる。 uv— レーザー、エキシマレーザーは、小 径 (特に 50 m以下、好ましくは 30 m以下)のビアホールを形成する際に好適で ある。また UV— YAGレーザー、エキシマレーザーは、良好な形状のビアホールを形 成することができるために好ましい。また UV—YAGレーザー、エキシマレーザーは 、良好な形状のビアホールを形成することができるために好ましい。ドリルマシンによ る貫通スルーホールを形成した後、無電解めつきによるパネルめつきを行っても良い ことは、言うまでも無い。また、穴あけ力卩ェの後、過マンガン酸塩を用いるウエットプロ セスや、プラズマ等のドライデスミアなどの公知の技術で、上記積層体にデスミア処 理を施すことも可能である。
[0251] (C)上記積層体に無電解めつきを行う。
無電解めつきの種類としては、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金め つき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事ができる。ただし工業的観点、 耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅めつき、無電解ニッケルめ つきが好ましぐ無電解銅めつきが特に好ましい。
[0252] (D)めっきレジストを形成する。
感光性めつきレジストとしては広く市販されている公知の材料を用いることができる。 本発明のプリント配線板の製造方法では、微細配線ィ匕に対応するために 50 mピッ チ以下の解像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無論、本発 明のプリント配線板の配線ピッチに、 50 m以下のピッチを有する回路とそれ以上の ピッチを有する回路とが混在しても良い。
[0253] (E)電解めつきによるパターンめっきを行う。
公知の多くの方法を適用することにより、レジストの形成されていない部分に電解銅 ノターンめつきを施す。具体的には電解銅めつき、電解はんだめつき、電解錫めつき 、電解ニッケルめっき、電解金めつき等を挙げる事ができる。ただし、工業的観点、耐 マイグレーション性等の電気特性の観点より、電解銅めつき、電解ニッケルめっきが 好ましぐ電解銅めつきが特に好ましい。
[0254] (F)レジスト剥離を行う。
[0255] レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適した材料を適宜使用すること ができ、特に制限はない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液 等を用いることができる。
[0256] (G)無電解めつき層をクイックエッチングすることにより配線を形成する。
クイックエッチングには、公知のクイックエツチャントを用いることができる。例えば、硫 酸'過酸化水素系エツチャント、過硫酸アンモニゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム 系エツチャントや希釈した塩ィ匕第二鉄系エツチャント、希釈した塩ィ匕第二銅系エッチ ヤント等を好ましく用いることができる。
[0257] この後、得られたビルドアップ配線板の最外層にさらに本実施形態の積層体を積 層一体化し、上述の (B)〜 (G)の工程により配線形成することで所望の層数を有す るビルドアップ配線板を得ることができる。
[0258] また、順に、合紙、フィルム状の金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)、 Bス テージの繊維と榭脂との複合体 (a)、配線形成されたコア基板を、積層一体化するこ とで、金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b) Z繊維と榭脂との複合体 (a)から なる積層体を得るのと同時に、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) Z繊維と 榭脂との複合体 (a) /配線形成されたコア基板力もなる、配線形成前のビルドアップ 配線板を得る t ヽぅ工法も好ましく適用可能である。
[0259] 〔実施例〕
本実施形態の発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明 はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなぐ種々 の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、実施例および比較例に係る積 層体の特性として、無電解めつき銅との接着性、表面粗度 Ra、配線形成性は以下の
ように評価または算出した。
[0260] 〔接着性評価〕
得られた積層体の金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)上に、前出の表 1、 2に示す条件にて、デスミア、及び無電解銅めつき処理を施した。さら〖こ、トータルの 銅厚みが 18 mになるように電解銅めつきを行った。
[0261] 上記のようにして得られたサンプルについて、「実施形態 1の実施例」において記載 した方法にしたがって、接着強度を測定した。
[0262] 〔表面粗度 Ra測定〕
上記の接着性評価と同様のサンプルの無電解めつき銅層をエッチング除去し、露 出した表面の表面粗度 Raの測定を行った。測定は、「実施形態 1の実施例」におい て記載した方法にしたがって行われた。
[0263] ほ S線形成性〕
サンプルとして、上記の接着性評価と同様のサンプルを用いた。評価は、「実施形 態 1の実施例」にお 、て記載した方法にしたがって行われた。
[0264] 〔ポリイミド榭脂の合成例 3〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF— 8010を 37g ( 0. 045mol)と、 4, 4, 一ジアミノジフエ-ルエーテル 21g (0. 105mol)と、 N, N—ジ メチルホルムアミド(以下、 DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— ( 4, 4, 一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸) 78g (0. 15mol)を添加、 約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸 溶液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 120分 、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 3を得た。
[0265] 〔金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液の調合例 1〕
ポリイミド榭脂 3をジォキソランに溶解させ、金属めつき層が形成されるための榭脂 層(b)を形成する溶液 (A2)を得た。固形分濃度は 5重量%となるようにした。
[0266] 〔金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液の調合例 2〕
ポリイミド榭脂 3をジォキソランに溶解させ、金属めつき層が形成されるための榭脂 層(b)を形成する溶液 (B2)を得た。固形分濃度は 20重量%となるようにした。
[0267] 〔金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液の調合例 3〕 ジャパンエポキシレジン (株)社製ビフエ-ル型エポキシ榭脂の YX4000Hを 32. 1 g、和歌山精ィ匕工業 (株)社製ジァミンのビス [4一(3—アミノフエノキシ)フエ-ル]ス ルホン 17. 9g、四国化成工業 (株)社製のエポキシ硬化剤、 2,4 ジァミノ 6— [2 ' —ゥンデシルイミダゾリル一(1' ;) ]一ェチル s トリァジン 0. 2gをジォキソラン に溶解させたエポキシ榭脂組成物溶液 (C2)を得た。固形分濃度は 5重量%になる ようにした。溶液 (A2) 90gと溶液 (C2) lOgとを混合して、金属めつき層が形成される ための榭脂層(b)を形成する溶液 (D2)を得た。
[0268] 〔繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液の調合例 1〕
2、 2 ビス(4 -シアナトフエ-ル)プロパン 90gとビス(4 -マレイミドフエニル)メタン 10gとを 150°Cで 100分間予備反応させ、これをメチルェチルケトンと DMFとの混合 溶媒に溶解させ、さらにォクチル酸亜鉛 1. 8部を加えて均一に混合して、繊維と榭 脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を得た。
[0269] 〔榭脂層(c)に用いる榭脂溶液の調合例〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、 1, 3 ビス(3 アミノフエノキシ)ベンゼン 41g (0. 143mol)と、 3, 3,一ジヒドロキシ一 4, 4,一ジアミノビフエ二ノレ 1. 6g (0. 007mo 1)と、 DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— (4, 4' イソプロピリデンジフ エノキシ)ビス (無水フタル酸) 78g (0. 15mol)を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン (登録商標)コ ートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 180分、 665Paで減圧カロ熱し、ポリイ ミド榭脂 4を得た。ポリイミド榭脂 4をジォキソランに溶解させ、固形分濃度 20重量% のポリイミド榭脂溶液 (F2)を得た。一方、ジャパンエポキシレジン (株)社製ビフエ- ル型エポキシ榭脂の YX4000Hを 32. lg、和歌山精ィ匕工業 (株)社製ジァミンのビス [4一(3 ァミノフヱノキシ)フ ニル]スルホン 17. 9g、四国化成工業 (株)社製のェ ポキシ硬化剤、 2,4 ジアミノー 6— [2' —ゥンデシルイミダゾリルー(1' ) ]ーェチ ル s トリァジン 0. 2gをジォキソランに溶解させたエポキシ榭脂組成物溶液 (G2) を得た。固形分濃度は 50重量%になるようにした。溶液 (F2) 20gと溶液 (G2) 8gとを 混合して、榭脂層 (c)に用いる榭脂溶液 (H2)を得た。
[0270] 〔実施例 7〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を厚さ 100 μ mのガラス織布に 塗布および含浸し、 160°Cの温度で乾燥し、さらに 170°Cで 90分乾燥して榭脂分 45 重量%の、 Cステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を得た。この複合体 (a)の片面に 金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (A2)をスピンコート法 にて塗布、さらに 60°C、 150°Cで乾燥して、厚み 5 mの金属めつき層が形成される ための榭脂層(b) ZCステージの(a)カゝらなる積層体を得た。この積層体を用いて各 種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表 5に示す。
[0271] 〔実施例 8〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を厚さ 100 μ mのガラス織布に 塗布'含浸し、 160°Cの温度で乾燥して Bステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を得 た。
[0272] 一方、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (A2)を、支持 体フィルム(商品名セラピール HP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延塗布し た。その後、熱風オーブンにて 60°Cの温度で加熱乾燥させ、支持体付きの厚み 2 mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)フィルムを得た。上記繊維と榭脂と の複合体 (a)の両面に上記支持体付きフィルムを支持体付きのまま重ね合わせて、 1 70°C、 lMPa、 6分の条件で真空プレス積層した。尚、金属めつき層が形成されるた めの榭脂層 (b)と (a)とが接するように積層した。その後、支持体を引き剥がし、 170 °C、 90分乾燥して、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) ZCステージの(a) Z金属めつき層が形成されるための榭脂層 (b)からなる積層体を得た。この積層体を 用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 5に示す。
〔実施例 9〕
金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (B2)を用いて得た、 支持体付きの厚み 25 μ mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)フィルムを 用いた以外は実施例 8と同様にして、積層体を得た。この積層体を用いて各種評価 項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表 5に示す。
〔実施例 10〕
金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (D2)を用いた以外は 実施例 8と同様にして、積層体を得た。この積層体を用いて各種評価項目の評価手 順に従い評価した。評価結果を表 5に示す。
〔実施例 11〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を、厚さ 100 μ mのガラス織布 に塗布および含浸し、 160°Cの温度で乾燥し、さらに 170°Cで 90分乾燥して榭脂分 45重量%の、 Cステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を得た。
[0273] 一方、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (A2)を、支持 体フィルム(商品名セラピール HP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延塗布し た。その後、熱風オーブンにて 60°Cの温度で加熱乾燥させ、支持体付きの厚み 2 mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)フィルムを得た。この金属めつき層 が形成されるための榭脂層 (b)上にさらに榭脂層(c)に用いる榭脂溶液 (H2)を流延 塗布、熱風オーブンにて 60。C、 80。C、 100。C、 120。C、 140。C、 150。Cの温度で乾 燥して支持体 Z厚み 2 μ mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) Z厚み 40 μ mの榭脂層(c)力もなるフィルムを得た。
[0274] 上記繊維と榭脂との複合体 (a)の片面に上記フィルムを支持体付きのまま重ね合 わせて、 170°C、 lMPa、 6分の条件で真空プレス積層した。尚、榭脂層(c)と (a)と が接するように積層した。その後、支持体を引き剥がし、さらに 170°Cで 60分乾燥し て、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) Z榭脂層(c) ZCステージの (a)か らなる積層体を得た。この積層体を用いて各種評価項目の評価手順に従 ヽ評価した 。評価結果を表 5に示す。
[0275] 〔実施例 12〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を厚さ 100 μ mのガラス織布に 塗布および含浸し、 160°Cの温度で乾燥し、さらに 170°Cで 90分乾燥して榭脂分 45 重量%の、 Cステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を得た。
[0276] 一方、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (A2)を、厚み 25 μ mの非熱可塑性ポリイミドフィルム(商品名アビカル NPI、 (株)カネ力製)の表面 上に流延塗布した。その後、熱風オーブンにて 60°Cの温度で加熱乾燥させ、厚み 2
μ mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)Z非熱可塑性ポリイミドからなる フィルムを得た。このフィルムの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)と反対の 面のポリイミドフィルム上にさらに榭脂層(c)に用いる榭脂溶液 (H2)を流延塗布、熱 風オーブンにて 60。C、 80。C、 100。C、 120。C、 140。C、 150。Cの温度で乾燥して支 持体 Z厚み 2 μ mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) Z非熱可塑性ポリ イミド Z厚み 40 μ mの榭脂層(c)力もなるフィルムを得た。上記繊維と榭脂との複合 体(a)の片面に上記フィルムを支持体付きのまま重ね合わせて、 170°C、 lMPa、 6 分の条件で真空プレス積層した。尚、榭脂層 (c)と (a)とが接するように積層した。そ の後、支持体を引き剥がし、さらに 170°Cで 60分乾燥して、金属めつき層が形成され るための榭脂層(b) Z非熱可塑性ポリイミド Z榭脂層(c) ZCステージの(a)からなる 積層体を得た。この積層体を用いて各種評価項目の評価手順に従い評価した。評 価結果を表 5に示す。
[0277] 〔実施例 13〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を厚さ 50 μ mのガラス織布に塗 布および含浸し、 160°Cの温度で乾燥して榭脂分 45重量%の、 Bステージの繊維と 榭脂との複合体 (a)を得た。この繊維と榭脂との複合体 (a)の片面に金属めつき層が 形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (A2)をスピンコート法にて塗布、さらに 60°C、 150°Cで乾燥して、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b) ZBステージ の(a)力もなる積層体を得た。
[0278] 銅張積層板 (CCL— HL950K TypeSK、三菱ガス化学社製)をカ卩ェし、高さが 1 8 m、ライン アンド スペース(LZS) = 50 m/50 μ mに形成された配線を有 する配線板の配線形成面とを対向させ、温度 170°C、圧力 lMPa、真空下の条件で 6分の加熱加圧を行った後、熱風オーブンにて 170°Cで 90分乾燥させて、金属めつ き層が形成されるための榭脂層 (b) Z繊維と榭脂との複合体 (a) Z配線板からなる積 層体を得た。尚、加熱加圧時には、合紙としてフッ素系榭脂フィルム (ァフレックス、 旭硝子社製)を用いた。
[0279] この積層体を用いて各種評価項目の評価手順に従 、評価した。評価結果を表 5に 示す。
[0280] 〔実施例 14〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を厚さ 50 μ mのガラス織布に塗 布および含浸し、 160°Cの温度で乾燥して榭脂分 45重量%の、 Bステージ状態の繊 維と樹脂との複合体 (a)を得た。
[0281] 一方、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)を形成する溶液 (A2)を、支持 体フィルム(商品名セラピール HP、東洋メタライジング社製)の表面上に流延塗布し た。その後、熱風オーブンにて 60°Cの温度で加熱乾燥させ、支持体付きの厚み 2 mの金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)フィルムを得た。上記支持体付きフ イルム、上記繊維と榭脂との複合体 (a)、および銅張積層板 (CCL— HL950K Typ eSK、三菱ガス化学社製)を加工し、高さが 18 /z m、ライン アンド スペース (LZS) = 50 πιΖ50 /ζ πιに形成された配線を有する配線板とを重ね合わせて、 170°C、 1 MPa、 6分の条件で真空プレス積層した。支持体を引き剥がした後、熱風オーブン にて 170°Cで 90分乾燥させて、金属めつき層が形成されるための榭脂層(b)Z繊維 と榭脂との複合体 (a) Z配線板力もなる積層体を得た。
[0282] この積層体を用いて各種評価項目の評価手順に従 、評価した。評価結果を表 5に 示す。
[0283] 〔比較例 3〕
繊維と榭脂との複合体 (a)に用いる榭脂溶液 (E2)を厚さ 50 μ mのガラス織布に塗 布'含浸し、 160°Cの温度で乾燥して榭脂分 45重量%の、 Bステージの繊維と榭脂と の複合体 (a)を得た。上記 Bステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を、 18 m厚みの 電解銅箔 2枚で挟むように積層した以外は実施例 8と同様にして積層体を得た。得ら れた積層体を用いて、下記のように評価した。接着強度は、電解銅箔と繊維と榭脂と の複合体 (a)との接着強度を、常態、及び PCT後について測定した。表面粗度 Raは 、電解銅箔をエッチング除去し、剥き出しになった繊維と榭脂との複合体 (a)表面に ついて測定した。また配線形成は、電解銅箔上にレジスト形成後、エッチングを行うこ とによるサブトラクティブ法にて配線形成して評価を行った。評価結果を表 6に示す。 表 6から分力ゝるように、電解銅箔を積層することにより形成した銅層では、電解銅箔と 繊維と榭脂との複合体 (a)との接着性は良好であるが、繊維と榭脂との複合体 (a)表
面に電解銅箔の大きな凹凸が形成されるため、サブトラクティブ法にて配線形成した 場合、配線の傾きや配線倒れが生じて良好に微細配線形成することができなカゝつた [表 5]
[0285] [表 6]
[0286] 〔実施形態 3〕
< 3— 1.本実施形態の無電解めつき用材料の構成 >
本実施形態の無電解めつき用材料は、表面に無電解めつきが施されるための無電 解めつき用材料であって、該無電解めつき材料は、繊維と、シロキサン構造を有する ポリイミド榭脂との複合体を含むことを特徴としている。従来力も用いられている、ガラ スなどの繊維と、エポキシ榭脂などの樹脂とを複合した材料を利用したこの種のプリ ント配線板用基板は、無電解めつきを施すに先立って基板表面に対して何らかの処 理を行い、表面に凹凸を形成して無電解めつきを施すのが常識であった。すなわち 、従来知られている繊維と榭脂とを複合体を利用した基板は、そのまま平滑表面に無 電解めつきしても、無電解めつきが強固に形成されないのである。本発明者らは、こ のような繊維と榭脂とを複合体を利用した基板において、複合させる榭脂を選択する ことによって、表面平滑であっても無電解めつきが強固に接着しうることを見出した。 繊維にシロキサン構造を有するポリイミド榭脂を複合させることによって、得られる複 合体を用いた材料の表面が平滑であるにもかかわらず強固に無電解めつきが形成さ れるという知見は、本発明者らによって初めて見出されたものである。
[0287] 本実施形態の無電解めつき用材料は、繊維と、シロキサン構造を有するポリイミド榭 脂との複合体 (本実施形態にお!、て適宜「繊維と榭脂との複合体」 、う)を含みさえ すれば、いかなる構成でも構わない。例えば、本実施形態の無電解めつき用材料は 、繊維とポリイミド榭脂との複合体の他に、必要に応じて熱硬化性成分を含有してい ても良い。熱硬化性成分を含有する場合は、無電解めつき用材料中に熱硬化性成 分と繊維との複合体も存在させることができるので、熱膨張係数を低減させることが可 能である。熱硬化性成分を含有する場合、本実施形態の無電解めつき用材料は、 B ステージであっても Cステージであっても良ぐ用途に応じて適切な状態を選択するこ とが可能である。また、フィラーなどの各種添加剤を含んだ材料であっても良ぐ必要 な特性を発揮させるために、当業者が考え得るあらゆる構成をとることができる。さら に、繊維と、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂との複合体を含む榭脂組成物から なる無電解めつき用材料に、他の榭脂層が形成された材料であっても良 、。
[0288] 本実施形態の無電解めつき用材料は、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂およ び溶媒を含む榭脂組成物溶液を、繊維に含浸することにより得られた材料、または、 シロキサン構造を有するポリアミド酸および溶媒を含む榭脂組成物溶液を、繊維に含 浸することにより得られた材料であることが好ましい。上記製造方法は、榭脂組成物 を表面平滑に形成でき、また気泡の発生を抑えて良好な複合体を形成できると!ヽぅ 利点を有する。含浸させる榭脂組成物溶液は、シロキサン構造を有するポリイミド榭 脂を含むか、または、該ポリイミド榭脂の前駆体であるポリアミド酸を含むことが必須で ある。この含浸させる榭脂組成物溶液に、熱硬化性成分ゃフイラ一などの添加剤を 混合しておいてもよい。また、ポリアミド酸を含んでいる場合は、加熱イミド化ゃ化学 的イミドィ匕により、最終的にはポリイミド榭脂に変換されることが、耐熱性や無電解め つき皮膜との接着性の観点等力も好まし 、。
[0289] (3- 1 - 1.本実施形態の無電解めつき用材料に用いられる繊維)
本実施形態の無電解めつき用材料に用いられる繊維としては特に限定はなぐ各 種無機繊維、及び有機繊維を用いることができる力 プリント配線板用途においては 、紙、ガラス、ポリイミド、ァラミド、ポリアリレート及びテトラフルォロエチレン力 選ば れた少なくとも 1種以上カゝらなる繊維であることが熱膨張係数を低減させる観点から、
好ましい。これらの繊維は、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サ 一フエシングマット等用途に応じて種々の形態で使用することが可能である。
[0290] (3- 1 - 2.本実施形態の無電解めつき用材料に用いられるシロキサン構造を有す るポリイミド榭脂)
本実施形態の無電解めつき用材料に用いられるシロキサン構造を有するポリイミド 榭脂は、無電解めつき皮膜との接着性や原料の入手の容易さ等の観点から、酸二無 水物成分と、下記一般式(7)で表されるジァミンを含むジァミン成分を原料とするポリ イミド榭脂であることが好ま U、。
[0291] [化 12]
[0292] (式中、 gは 1以上の整数を表す。また、 R"及び ま、それぞれ同一、または異なつ ていてよぐアルキレン基またはフエ-レン基を表す。 R33〜R66は、それぞれ同一、ま たは異なっていてよぐアルキル基、またはフエ-ル基、またはフエノキシ基を表す。 ) 本発明にお 、ては、前記シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含有するために、 表面が平滑にも力かわらず無電解めつき皮膜との接着性が良ぐ微細配線形成性に 優れる。なお本実施形態における、「シロキサン構造を有するポリイミド榭脂」に関す る説明は、実施形態 1における(1— 1— 2.榭脂層)の説明を適宜援用することがで きる。
[0293] (3- 1 - 3.本実施形態の無電解めつき用材料の製造例)
本実施形態の無電解めつき用材料に用いられるシロキサン構造を有するポリイミド 榭脂は、溶媒に溶解して、ポリイミド榭脂を含む榭脂組成物溶液として使用すること が好ましい。溶媒としては、榭脂組成物を溶解するいかなる溶媒をも使用することが できるが、乾燥時の発泡を抑えるという観点や、残溶媒を低減するという観点から、沸 点が 230°C以下であることが好ましい。その例としては、テトラヒドロフラン(以下、 TH
Fと略す。沸点 66°C)、 1, 4 ジォキサン(以下、ジォキサンと略す。沸点 103°C)、モ ノグライム (沸点 84°C)、ジォキソラン (沸点 76°C)、トルエン (沸点 110°C)、テトラヒド 口ピラン(沸点 88°C)、ジメトキシェタン(沸点 85°C)、 N, N ジメチルホルムアミド(沸 点 153°C)、 N—メチル 2 ピロリドン (沸点 205°C)等を挙げることができる。以上 例示した以外にも沸点が 230°C以下である溶媒であれば、好ましく用いることが可能 である。これらは、 1種で使用しても良いし、 2種以上組み合わせて用いることもできる 。ここで溶解するとは、溶媒に対して榭脂成分が 1重量%以上溶解することをいう。
[0294] また、例えば、ポリアミド酸溶液を熱的若しくは化学的にイミドィ匕し、その溶液を用い ても良い。さら〖こは、ポリアミド酸溶液を用いて繊維と榭脂との複合体を得ることもでき る。ただしこの場合、熱的、若しくは化学的方法でイミド化処理を行い、実質的に完 全にイミド化することが好まし 、。
[0295] ポリイミド榭脂を含む榭脂組成物溶液、若しくはポリアミド酸を含む榭脂組成物溶液 は、前述のようにポリイミド榭脂、若しくはポリアミド酸を含む榭脂組成物を適当な溶媒 に溶解することによって得られる。この溶液を繊維に含浸、必要に応じて適切な乾燥 処理を施すことにより、繊維と榭脂との複合体を得ることができる。乾燥条件は特に制 限はないが、ポリアミド溶液を用いる場合は、乾燥と同時に熱的にイミド化することが 好ましい。この場合、イミドィ匕を実質的に完全に行うためには、最終乾燥温度を 100 °C〜400°Cで、時間 10秒〜 10時間の範囲で行うことが好ましぐ最終乾燥温度を 15 0°C〜350°Cで、時間 10秒〜 3時間の範囲で行うことがより好ましい。
[0296] 榭脂組成物が、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂のみ力もなる場合は、残溶媒 を調整する目的で、短い時間、低温で乾燥しても良いし、長い時間、高温で乾燥して も良い。
[0297] また、榭脂組成物中に熱硬化性成分を含む場合は、 Bステージに保つような条件 で乾燥することもできるし、 Cステージまで乾燥することも可能である。乾燥は、熱風ォ ーブン等のオーブンを用いて加熱乾燥することが可能であるし、また、真空プレス等 の装置を用いて加圧しつつ加熱乾燥することも可能である。ただし、真空プレス等の 装置を用いて加圧しつつ加熱乾燥する場合は、複合体が十分に平滑な表面を得る ために、十分に平滑な表面を有する榭脂フィルム等を合紙として用いる必要がある。
[0298] シロキサン構造を有するポリイミド榭脂および溶媒を含む榭脂組成物溶液を、繊維 に含浸することにより得られた材料、あるいは、シロキサン構造を有するポリアミド酸お よび溶媒を含む榭脂組成物溶液を、繊維に含浸することにより得られた材料は、得ら れる繊維と榭脂との複合体の表面を平滑に形成でき、また気泡の発生を抑えて良好 な繊維と榭脂との複合体を形成できる。
[0299] 本実施形態の無電解めつき用材料の表面粗度は、カットオフ値 0. 002mmで測定 した算術平均粗さ Raで 0. 5 /z m未満であることが好ましい。特に無電解めつき用材 料が、この条件を満たす場合、当該無電解めつき用材料はプリント配線板用途で使 用される際に、良好な微細配線形成性を有する。
[0300] 耐熱性や接着性等のバランスのとれた特性を有する無電解めつき用材料を得るた めには、榭脂組成物中に含まれる、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂は、全榭 脂中 10〜: LOO重量%の範囲にあることが好ましい。
[0301] また、熱硬化性成分を、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂に配合する場合には
、該熱硬化性成分の配合量は、全榭脂中 5〜90重量%であることが、低熱膨張性や
、榭脂流れ性の観点から好ましい。
[0302] 本実施形態の無電解めつき用材料の厚みには特に制限はないが、高密度プリント 配線板への適用を考えると薄いほうがよい。具体的には lmm以下であることが好ま しい。
[0303] 本発明の無電解めつき用材料は、前述のとおり Bステージであっても Cステージで あっても良く、用途に応じて適切な状態を選択することが可能である。また、無電解め つき用材料に、他の別の榭脂層が形成された材料であっても良い。すなわち、上記 のようにして得た繊維と榭脂との複合体を含む榭脂層に、さらに繊維と榭脂との複合 体との接着性が良ぐ無電解めつきとも接着性の良い榭脂層、例えばシート状に成形 した榭脂層を真空プレス積層することにより、他の榭脂層 Z繊維と榭脂との複合体を 含む榭脂層/他の榭脂層からなる無電解めつき用材料を得ることもできる。
[0304] < 3 - 2.無電解めつき用材料に無電解めつきが施されてなる積層体 >
本実施形態に係る無電解めつき用材料に無電解めつきを施して積層体を構成する ことができる。本実施形態に係る無電解めつき用材料に施され得る無電解めつきとし
ては、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金めつき、無電解銀めつき、 無電解錫めつき、等を挙げる事ができる。工業的観点、耐マイグレーション性等の電 気特性の観点より、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっきが好ましぐ特に好ましく は無電解銅めつきである。本発明の無電解めつき用材料に無電解めつきをする場合 、デスミア処理などの各種表面処理を施してもよい。無電解めつき皮膜の厚みは特に 制限はないが、生産性等を考慮すると、 Inn!〜 50 /z mの範囲にあることが好ましい。
[0305] く 3— 3.プリント配線板 >
本実施の形態の無電解めつき用材料を用いたプリント配線板としては、例えば、本 実施の形態の無電解めつき用材料に配線形成を施すことで、片面若しくは両面プリ ント配線板を得ることができる。例えば、本実施の形態の無電解めつき用材料に無電 解めつきした後、セミアディティブ工法、サブトラクティブ工法により配線形成を施すこ とで、片面若しくは両面プリント配線板を得ることができる。また、該プリント配線板を コア基板として、ビルドアップ配線板を得ることもできる。また、本実施の形態の無電 解めつき用材料をビルドアップ材として、ビルドアップ配線板を得ることも可能である。 本実施の形態の無電解めつき用材料は微細配線形成性に優れるため、その他の各 種高密度プリント配線板にも好ましく適用可能である。
[0306] 本発明の、繊維と、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂との複合体を含む榭脂組 成物からなる無電解めつき用材料を用いた片面若しくは両面プリント配線板の製造 例を以下に示す。
[0307] (1)必要に応じて、本実施の形態の無電解めつき用材料にビアホールを形成する。
ビアホールを形成する際には、公知のドリルマシン、ドライプラズマ装置、炭酸ガスレ 一ザ一、 UVレーザー、エキシマレーザー等を用いることができる。 UV— YAGレー ザ一、エキシマレーザーは、小径(特に 50 μ m以下、好ましくは 30 μ m以下)のビア ホールを形成する際に好適である。また UV— YAGレーザー、エキシマレーザーは 、良好な形状のビアホールを形成することができるために好ましい。ドリルマシンによ る貫通スルーホールを形成した後、無電解めつきによるパネルめつきを行っても良い ことは、言うまでも無い。また、穴あけ力卩ェの後、過マンガン酸塩を用いるウエットプロ セスや、プラズマ等のドライデスミアなどの公知の技術で、無電解めつき用材料にデ
スミア処理を施すことも可能である。
[0308] (2)上記無電解めつき用材料に無電解めつきを行う。
無電解めつきの種類としては、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金め つき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事ができる。ただし工業的観点、 耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅めつき、無電解ニッケルめ つきが好ましぐ無電解銅めつきが特に好ましい。
[0309] (3)めっきレジストを形成する。
感光性めつきレジストとしては、広く市販されている公知の材料を用いることができる。 本実施形態に係るプリント配線板の製造方法では、微細配線化に対応するために 5 0 mピッチ以下の解像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無 論、本発明のプリント配線板の配線ピッチに、 50 /z m以下のピッチを有する回路とそ れ以上のピッチを有する回路とが混在しても良!、。
[0310] (4)電解銅めつきによるパターンめっきを行う。
公知の多くの方法を適用することにより、レジストの形成されていない部分に電解銅 ノターンめつきを施す。具体的には電解銅めつき、電解はんだめつき、電解錫めつき 、電解ニッケルめっき、電解金めつき等を挙げる事ができる。ただし、工業的観点、耐 マイグレーション性等の電気特性の観点より、電解銅めつき、電解ニッケルめっきが 好ましぐ電解銅めつきが特に好ましい。
[0311] (5)レジスト剥離を行う。
レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適した材料を適宜使用することが でき、特に制限はない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を 用!/、ることができる。
[0312] (6)無電解めつき層をクイックエッチングすることにより配線を形成する。
クイックエッチングには、公知のクイックエツチャントを用いることができる。例えば、硫 酸'過酸化水素系エツチャント、過硫酸アンモニゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム 系エツチャントや希釈した塩ィ匕第二鉄系エツチャント、希釈した塩ィ匕第二銅系エッチ ヤント等を好ましく用いることができる。
[0313] 上記の方法は、微細配線形成に適用される、いわゆるセミアディティブ工法である
力 本実施形態の無電解めつき用材料は該工法を好ましく適用できる。一方で、本 実施形態の無電解めつき用材料は平滑表面に強固にめっき銅を形成することが可 能であるため、榭脂の凹凸部にエッチング後の銅残りが発生するようなことがないた め、レジストを形成したのち、不要な銅をエッチング除去して配線形成を行う、サブト ラタティブ工法も本実施形態の無電解めつき用材料に適用することが可能である。サ ブトラタティブ工法は工程が少な 、と 、うメリットがある一方で、サイドエッチングによる 配線形状不良等の問題を含んでいる。よって、形成する配線ピッチ、生産性、コスト 等を考慮してサブトラクティブ工法、セミアディティブ工法を適宜選択すればょ ヽ。
[0314] 上述のようにして作製したプリント配線板をコア基板とし、ビルドアップ配線板を作 製することも可能である。この場合、コア基板自体に微細配線形成が可能であるため 、より高密度なビルドアップ配線板を作製することが可能となる。
[0315] 次に、繊維と榭脂との複合体力もなる無電解めつき用材料をビルドアップ材として 用 ヽたビルドアップ配線板の製造例を示す。
[0316] (A)無電解めつき用材料とコア基板とを積層する。
順に、合紙、 Bステージの無電解めつき用材料、配線形成されたコア基板を対向させ て積層する。この工程では、コア基板に形成されている配線パターン間を十分に埋 め込むことが重要であり、本実施形態の無電解めつき用材料に用いられる繊維と榭 脂との複合体は、熱硬化性成分を含み、 Bステージであることが好ましい。積層方法 としては、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱ラミネート)、真空ラミネート、熱ロール ラミネート、真空熱ロールラミネート等の各種熱圧着方法を行うことができる。上記方 法の中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート処理、真空熱 ロールラミネート処理がより良好に回路間をボイド無く埋め込むことが可能であり、好 ましく実施可能である。積層した後に、繊維と榭脂との複合体の熱硬化性成分を Cス テージまで硬化を進める目的から、熱風オーブン等を用いて加熱乾燥を行うことも可 能である。
[0317] (B)上記積層体にビアホールを形成する。
[0318] 公知のドリルマシン、ドライプラズマ装置、炭酸ガスレーザー、 UVレーザー、エキシ マレーザー等を用いることができる。 uv— レーザー、エキシマレーザーは、小
径 (特に m以下、好ましくは 30 m以下)のビアホールを形成する際に好適で ある。また UV— YAGレーザー、エキシマレーザーは、良好な形状のビアホールを形 成することができるために好ましい。また UV—YAGレーザー、エキシマレーザーは 、良好な形状のビアホールを形成することができるために好ましい。ドリルマシンによ る貫通スルーホールを形成した後、無電解めつきによるパネルめつきを行っても良い ことは、言うまでも無い。また、穴あけ力卩ェの後、過マンガン酸塩を用いるウエットプロ セスや、プラズマ等のドライデスミアなどの公知の技術で、上記積層体にデスミア処 理を施すことも可能である。
[0319] (C)上記積層体に無電解めつきを行う。
無電解めつきの種類としては、無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金め つき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事ができる。ただし工業的観点、 耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅めつき、無電解ニッケルめ つきが好ましぐ無電解銅めつきが特に好ましい。
[0320] (D)めっきレジストを形成する。
感光性めつきレジストとしては広く市販されている公知の材料を用いることができる。 本発明のプリント配線板の製造方法では、微細配線ィ匕に対応するために 50 mピッ チ以下の解像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無論、本発 明のプリント配線板の配線ピッチに、 50 m以下のピッチを有する回路とそれ以上の ピッチを有する回路とが混在しても良い。
[0321] (E)電解めつきによるパターンめっきを行う。
公知の多くの方法を適用することにより、レジストの形成されていない部分に電解銅 ノ ターンめつきを施す。具体的には電解銅めつき、電解はんだめつき、電解錫めつき 、電解ニッケルめっき、電解金めつき等を挙げる事ができる。ただし、工業的観点、耐 マイグレーション性等の電気特性の観点より、電解銅めつき、電解ニッケルめっきが 好ましぐ電解銅めつきが特に好ましい。
[0322] (F)レジスト剥離を行う。
[0323] レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適した材料を適宜使用すること ができ、特に制限はない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液
等を用いることができる。
[0324] (G)無電解めつき層をクイックエッチングすることにより配線を形成する。
クイックエッチングには、公知のクイックエツチャントを用いることができる。例えば、硫 酸'過酸化水素系エツチャント、過硫酸アンモニゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム 系エツチャントや希釈した塩ィ匕第二鉄系エツチャント、希釈した塩ィ匕第二銅系エッチ ヤント等を好ましく用いることができる。
[0325] この後、得られたビルドアップ配線板の最外層に、さらに Bステージの無電解めつき 用材料を積層一体化し、上述の(B)〜 (G)の工程により配線形成することで所望の 層数を有するビルドアップ配線板を得ることができる。
[0326] 本実施形態の無電解めつき用材料をビルドアップ層に適用すると、優れた加工性と 微細配線形成性とが両立される。また、繊維を含んでいるため、熱膨張係数も小さく なるという利点も有する。
[0327] 〔実施例〕
本実施形態の発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明 はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなぐ種々 の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、実施例および比較例に係る積 層体の特性として、無電解めつき銅との接着性、表面粗度 Ra、配線形成性は以下の ように評価または算出した。
[0328] 〔接着性評価〕
得られた無電解めつき用材料表面に、前出の表 1、 2に示す条件にて、デスミア、及 び無電解銅めつき処理を施した。さらに、トータルの銅厚みが 18 mになるように電 解銅めつきを行った。
[0329] 上記のようにして得られたサンプルにつ 、て、「実施形態 1の実施例」にお 、て記載 した方法にしたがって、接着強度を測定した。
[0330] 〔表面粗度 Ra測定〕
上記の接着性評価と同様のサンプルの無電解めつき銅層をエッチング除去し、露 出した表面の表面粗度 Raの測定を行った。測定は、「実施形態 1の実施例」におい て記載した方法にしたがって行われた。
[0331] ほ己線形成性〕
サンプルとして、上記の接着性評価と同様のサンプルを用いた。評価は、「実施形 態 1の実施例」にお 、て記載した方法にしたがって行われた。
[0332] 〔ポリイミド榭脂の合成例 4〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF— 8010を 37g ( 0. 045mol)と、 4, 4,一ジアミノジフエ-ルエーテル 21g (0. 105mol)と、 N, N—ジ メチルホルムアミド(以下、 DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— ( 4, 4,一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸) 78g (0. 15mol)を添加、 約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液 1を得た。上記ポリアミド 酸溶液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 120 分、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 5を得た。
[0333] 〔ポリイミド榭脂の合成例 5〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF8010を 62g (0 . 075mol)と、 4, 4,—ジアミノジフエ-ルエーテル 15g (0. 075mol)と、 DMFを投 入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4' - (4, 4'—イソプロピリデンジフエノキシ)ビスフ タル酸無水物 78g (0. 15mol)を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド 酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン (登録商標)コートしたバット にとり、真空オーブンで、 200°C、 120分、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 6を得 た。
[0334] 〔榭脂組成物溶液の調合例 1〕
固形分濃度が 25%になるように、ポリアミド酸の DMF溶液 1を DMFで希釈し、榭 脂組成物溶液 (a)を得た。
[0335] 〔榭脂組成物溶液の調合例 2〕
ポリイミド榭脂 5をジォキソランに溶解させ、榭脂組成物溶液 (b)を得た。固形分濃 度は 25重量%となるようにした。
[0336] 〔榭脂組成物溶液の調合例 3〕
ポリイミド榭脂 6をジォキソランに溶解させ、榭脂組成物溶液 (c)を得た。固形分濃 度は 25重量%となるようにした。
[0337] 〔榭脂組成物溶液の調合例 4〕
ジャパンエポキシレジン(株)社製ビフエ-ル型エポキシ榭脂の YX4000Hを 32. lg 、和歌山精ィ匕工業 (株)社製ジァミンのビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]スル ホン 17. 9g、四国化成工業 (株)社製のエポキシ硬化剤、 2,4—ジアミノー 6— [2' —ゥンデシルイミダゾリル一(1' ;) ]—ェチル一 s—トリァジン 0. 2gをジォキソランに 溶解させたエポキシ榭脂組成物溶液 (d)を得た。固形分濃度は 50重量%〖こなるよう にした。溶液 (b) 140gと溶液 (d) 30gとを混合して、榭脂組成物溶液 (e)を得た。
[0338] 〔実施例 15〕
榭脂組成物溶液 (a)を厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 100°Cで 10分、 180°C で 60分、 250°Cで 10分の条件で乾燥及びイミドィ匕を行い、無電解めつき用材料を得 た。この無電解めつき用材料を用いて各種評価項目の評価手順に従い評価した。評 価結果を表 7に示す。
[0339] 〔実施例 16〕
榭脂組成物溶液 (b)を厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 100°Cで 10分、 180°C で 60分の条件で乾燥し、無電解めつき用材料を得た。この無電解めつき用材料を用 Vヽて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 7に示す。
[0340] 〔実施例 17〕
榭脂組成物溶液 (e)を厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 100°Cで 10分、 180°C で 60分の条件で乾燥し、 Cステージの無電解めつき用材料を得た。この無電解めつ き用材料を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 7に示 す。
[0341] 〔実施例 18〕
榭脂組成物溶液 (c)を厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 100°Cで 10分、 180°C で 60分の条件で乾燥し、無電解めつき用材料を得た。この無電解めつき用材料を用 Vヽて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 7に示す。
[0342] 〔実施例 19〕
厚さ 40 μ mのガラス織布のかわりに、厚さ 50 μ mのァラミド不織布を用いた以外は 実施例 15と同様にして、無電解めつき用材料を得た。この無電解めつき用材料を用
ヽて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 7に示す。
[0343] 〔実施例 20〕
榭脂組成物溶液 (e)を厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 60°Cで 5分、 100°Cで 5 分、 150°Cで 5分乾燥して、 Bステージの無電解めつき用材料を得た。一方、実施例 1の配線形成性評価時に得たプリント配線板の両面に、上記無電解めつき用材料を 真空プレスにて、 180°C、 3MPa、 60分の条件で積層した。尚、積層の際の合紙とし て、榭脂フィルム(ァフレックス、旭硝子社製)を用いた。このようにして、無電解めつき 用材料 Z両面配線板 Z無電解めつき用材料力もなる積層体を得た。その後、実施 例 1と同様にして各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 3に示す 。尚、両面配線板と無電解めつき用材料とは強固に接着しており、また、両面配線板 のライン アンド スぺース(し 3) = 10 111710 111の配線部も良好に埋め込まれ ていた。
[0344] 〔比較例 4〕
複合体として、 50 m厚みのプリプレダ (ES— 3306S、利昌工業株式会社製)と 9 IX m厚みの電解銅箔の積層された銅張り積層板を用いて、銅箔と複合体の接着強 度を測定した。また、銅箔をエッチアウトした後の榭脂表面の表面性も評価した。その 後、レジストを形成して、エッチングを行うことによるサブトラクティブ法にてライン ァ ンド スペース (LZS) = 10 m/10 μ mの配線形成性の評価を行った。結果を表 8に示す。
[0345] 〔比較例 5〕
2、 2—ビス(4 -シアナトフエ-ル)プロパン 90gとビス(4 -マレイミドフエニル)メタン 10gとを 150°Cで 100分間予備反応させ、これをメチルェチルケトンと DMFとの混合 溶媒に溶解させ、さらにォクチル酸亜鉛 1. 8部を加えて均一に混合して、榭脂溶液 を得た。該榭脂溶液を、厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 160°Cで 10分、 170°C で 90分の条件で乾燥し、無電解めつき用材料を得た。この無電解めつき用材料を用 Vヽて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 8に示す。
[0346] [表 7]
[0347] [表 8]
[0348] 〔実施形態 4〕
< 4 1.本実施形態の繊維 榭脂複合体の構成 >
本実施形態の複合体は、繊維に、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を 有するシートを、熱圧着することにより一体化された繊維と榭脂との複合体 (本実施形 態にお 、ては「繊維—榭脂複合体」 、う)である。
[0349] 従来、プリント配線板用基板などに用いられて ヽる、ガラスなどの繊維とエポキシな どの樹脂との複合体は、繊維に、榭脂組成物の溶液を含浸させて製造されてきた。 本実施形態では、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなるシートを繊維に熱圧着 することによって、繊維一榭脂複合体の厚みを均一にすることが可能となる。また、熱 可塑性榭脂シートに用いられる榭脂を選択すれば、平滑な表面にも良好に金属めつ
き層が形成される。
[0350] 従って、この繊維ー榭脂複合体の表面に回路を形成した場合、凹凸の影響を受け な!ヽので、当該繊維 -榭脂複合体は微細な配線を形成するための基板として好適 に用いられ得る。
[0351] 一方、繊維一榭脂複合体はビルドアップ配線板用材料としても用いることが可能で あるが、屈曲性などの諸特性を向上させるためには、基板をできるだけ薄くすることが 好ましい。この場合、繊維—榭脂複合体の厚みムラの影響を受けやすくなる。例えば 、内層配線を良好に埋め込んで 、る箇所と埋め込めて!/、な 、箇所などの問題が生じ たり、得られるビルドアップ配線板が反るなどの問題が生じる。本発明の繊維—榭脂 複合体は、従来の方法で得られる繊維ー榭脂複合体に比べて厚みムラの小さいもの となって!/ヽるので、基板の厚みを薄くした!/、場合に好適に用いることができる。
[0352] さらに、本発明の繊維ー榭脂複合体を製造する際に、前記熱可塑性榭脂を含む榭 脂組成物からなるシートとして、一般式(1)〜(6)の ヽずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド榭脂を用いることによって、強固に接着することが 可能となる。この中でも、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を用いることが好まし く、一般式(1)で表される構造を有するポリイミド榭脂を用いることがさらに好まし 、。 得られる繊維ー榭脂複合体として、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂が最表面 に存在して 、ることが特に好まし 、。
[0353] 繊維に熱圧着する、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を有するシートとし ては、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含む単層シート、あるいは、シロキサン 構造を有するポリイミド榭脂を含む層を含む複層シートなどが挙げられる。
[0354] 以下、繊維、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなる層を有するシート、繊維 榭脂複合体の製造、無電解めつき層、繊維ー榭脂複合体を用いた積層体およびプリ ント配線板の順で説明する。
[0355] (4- 1 - 1.本実施形態の繊維ー榭脂複合体に用いられる繊維)
本実施形態に用いられる繊維としては特に限定はなぐ各種無機繊維、および有 機繊維を用いることができる力 プリント配線板用途においては、紙、ガラス、ポリイミ ド、ァラミド、ポリアリレートおよびテトラフルォロエチレン力も選ばれた少なくとも 1種以
上力 なる繊維であることが熱膨張係数を低減させる観点から、好ましい。これらの繊 維は、織布、不織布、ロービング、チョップドストランドマット、サーフエシングマット等 用途に応じて種々の形態で使用することが可能である。
[0356] (4- 1 - 2.熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物力 なる層を有するシート)
熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を有するシートは、単層シートであって もよぐ 2層以上の異なる榭脂層を含む複層シートとなっていてもよい。また、本実施 形態に用いられるシートは、熱可塑性榭脂を含むことを必須とするが、複層シートの 場合は、少なくとも 1層に熱可塑性榭脂を含んでいれば良い。例えば、 2層シートの 場合、熱可塑性榭脂からなる層 Z熱硬化性成分からなる層で構成されていても良い 。本実施形態に用いられるシートは、熱可塑性榭脂を含むことにより自己支持性を有 し、且つ流れ性の制御が可能となるため、厚み精度の良好な繊維ー榭脂複合体が 得られる。
[0357] 本実施の形態の繊維ー榭脂複合体は、該繊維ー榭脂複合体の表面が平滑であつ ても、無電解めつき皮膜と良好に接着するという利点を有するため、最表面に無電解 めっきを施すために好ましく用いられる。無電解めつき皮膜と良好に接着せしめるた め、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含むことが好ましい。よって、熱可塑性榭 脂を含む榭脂組成物カゝらなるシートが単層シートの場合は、シロキサン構造を有する ポリイミド榭脂を含むことが好ましい。また、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなる シートが複層シートの場合は、無電解めつきと直接接する最表面の榭脂層は、シロキ サン構造を有するポリイミド榭脂を含むことが好ましい。一方、熱可塑性榭脂を含む 榭脂組成物からなるシートが、熱圧着により十分に繊維間に流れ込み、一体化される ように、該シートは適切な流れ性を有することが好ましい。よって、単層シートの場合 は、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂と熱硬化性成分とを含むことが好ましぐ複 層シートの場合は、繊維と直接接する側の榭脂層は、熱可塑性榭脂と熱硬化性成分 を含むことが好ましい。以下に、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を有す るシートについて、例を挙げて説明する。
[0358] (A)熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物力もなる単層シート
本実施形態に用いられるシートは、シートに自己支持性を発現せしめるため、およ
び、流れ性を制御可能にせしめるために、熱可塑性榭脂を含むことが必須である。
[0359] 前記熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる単層シートとしては、熱可塑性榭脂 を含んでいればよぐ熱可塑性榭脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホ ン榭脂、ポリフエ-レンエーテル榭脂、フエノキシ榭脂、シロキサン構造を有するポリイ ミド榭脂等の熱可塑性ポリイミド榭脂、等を挙げることができ、これらを単独または適 宜組み合わせて用いることができる。この中でも、熱可塑性榭脂として、シロキサン構 造を有するポリイミド榭脂を含む単層シートであることが、無電解めつきを表面に強固 に接着できる点から好まし 、。シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を用いることで、 無電解めつき皮膜と良好に接着し、且つ熱圧着加工にも優れた単層シートが得られ る。なお本実施形態における、「シロキサン構造を有するポリイミド榭脂」に関する説 明は、実施形態 1における(1— 1— 2.榭脂層)の説明を適宜援用することができる。
[0360] また、得られるシートの榭脂流れ性を向上させる等の目的で熱硬化性成分を含むこ ともできる。熱硬化性成分としては、ビスマレイミド榭脂、ビスァリルナジイミド榭脂、フ エノール榭脂、シアナート榭脂、エポキシ榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、トリアジ ン榭脂、ヒドロシリル硬化榭脂、ァリル硬化榭脂、不飽和ポリエステル榭脂などをあげ ることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、前記 熱硬化性榭脂以外に、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、ァリル基、ビ- ル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型 熱硬化性高分子を使用することも可能である。本実施形態においては、熱圧着によ つてシートと繊維とが良好に一体ィ匕せしめることが重要であり、シートを構成する榭脂 は適度な榭脂流れ性を有することが好ましい。よって、シートは、他の成分として熱硬 化性成分を含むことが好ましい。シートの榭脂流れ性が向上し、また耐熱性等のバラ ンスのとれた繊維ー榭脂複合体が得られる等の理由から、熱硬化性成分の中でも、 エポキシ榭脂を含むことが好ましい。エポキシ榭脂としては、任意のエポキシ榭脂が 本実施形態において使用可能である。例えば、ビスフエノール系エポキシ榭脂、ハロ ゲン化ビスフエノール系エポキシ榭脂、フエノールノボラック系エポキシ榭脂、ハロゲ ン化フエノールノボラック系エポキシ榭脂、アルキルフエノールノボラック系エポキシ榭 脂、ポリフエノール系エポキシ榭脂、ポリグリコール系エポキシ榭脂、環状脂肪族ェポ
キシ榭脂、クレゾ一ノレノボラック系エポキシ榭脂、グリシジノレアミン系エポキシ榭脂、ゥ レタン変性エポキシ榭脂、ゴム変性エポキシ榭脂、エポキシ変性ポリシロキサン等を 用!/、ることができる。
[0361] 耐熱性や接着性等のバランスのとれた特性を有する単層シートを得るためには、榭 脂組成物中に含まれる、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂は、全榭脂中 10〜1 00重量%の範囲にあることが好ましい。
[0362] また熱硬化性成分には必要に応じて硬化剤や硬化触媒を併用することができる。
[0363] 上述にように、このような単層シートにおいては、該単層シートの最表面で無電解め つき皮膜と直接接することになるため、該単層シートはシロキサン構造を有するポリイ ミド榭脂が存在することが、より強固に無電解めつき皮膜を接着しうる点力も好ましい
[0364] 次に本実施形態に用いられる、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる単層シー トの製造方法の一例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない 。先ず、使用する榭脂を適当な溶媒に添加し撹拌し、均一に溶解および分散化した 榭脂組成物溶液を得る。続いて支持体上に上記榭脂組成物溶液を流延塗布し、こ れを乾燥させることにより単層シートを得る。上記で用いる支持体としては、特に限定 されるものではなぐポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、フッ素榭脂等力 な る公知の榭脂フィルム、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔等の金属箔を用いることができる 。また、剥離性を高める目的で、各種剥離処理を施した榭脂フィルムを、上記支持体 として用いることも可能である。ここで、上記シートが熱硬化性成分を含む場合、熱圧 着時に、繊維間に榭脂組成物が適度に流れ込み、良好に一体ィ匕せしめるために、 上記シートは半硬化状態 (Bステージ)であることが好ましい。なお、 Bステージである シートを得るためには、乾燥温度および時間を適切に制御することが重要である。な お、上記単層シートの製造方法は一例であり、当業者の考え得るいかなる方法によ つても製造することができる。
[0365] (B)熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなる層を含む複層シート
本実施形態に用いられる、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなるシートが複層 の場合は、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなる層を少なくとも一層含んでいれ
ばよ ヽ。上記熱可塑性榭脂としては「 (A)熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物カゝらなる 単層シート」の項で述べた榭脂を用いることができるが、熱可塑性榭脂を含む榭脂組 成物からなる層として、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含むことが好ましい。 またシートは、シロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含む層 Z熱硬化性成分を含 む榭脂層を有する層からなるシートであることが好ましぐシロキサン構造を有するポ リイミド榭脂を含む層 Z熱可塑性榭脂と熱硬化性成分を含む層からなるシートである ことがより好ましぐシロキサン構造を有するポリイミド榭脂を含む層 Z熱可塑性ポリイ ミド榭脂とエポキシ榭脂を含む層からなるシートであることがさらに好ましい。上記熱 可塑性榭脂と熱硬化性成分を含む層は、耐熱性等の観点から、熱硬化性成分が全 榭脂組成物中 10〜: LOO重量%の範囲にあることが好ましい。上記のように、複層シ ートの場合は、無電解めつき皮膜と良好に接着する層と、熱圧着加工に優れた層と に機能を分けることができる。ただし、複層シートの場合、無電解めつき皮膜との接着 性を考慮すると、繊維ー榭脂複合体の最表面に露出する層は、シロキサン構造を有 するポリイミド榭脂を含む層であることが好ましい。
[0366] また、無電解めつき皮膜との接着性をより向上させる目的で、各種添加剤を繊維 榭脂複合体に添加、もしくは繊維ー榭脂複合体表面に塗布等の方法で存在させるこ とも可能である。具体的には有機チオールィ匕合物などを挙げることができる力 これ に限定されない。また、各種有機フィラー、無機フィラーを添加することもできる。
[0367] 上述の添加剤等の他の成分は、微細配線形成に悪影響を及ぼす程に繊維ー榭脂 複合体の表面粗度を大きくしない範囲、かつ、繊維ー榭脂複合体と無電解めつき皮 膜との接着性を低下させない範囲で組み合わされることが重要であり、この点には注 意を要する。
[0368] 複層シートの場合は、上記と同様にして単層シートを得た後、続いて、 2層目の榭 脂組成物溶液を前記単層シート上に流延塗布し、これを乾燥させること〖こより、支持 体上に形成された複層シートを得ることができる。 3層からなるシート、 4層からなるシ 一ト等も上記と同様にして得ることができる。
[0369] ここで、上記シートが熱硬化性成分を含む場合、熱圧着時に、繊維間に榭脂組成 物が適度に流れ込み、良好に一体ィ匕せしめるために、当該シートは半硬化状態 (B
ステージ)であることが好ましい。なお、 Bステージであるシートを得るためには、乾燥 温度および時間を適切に制御することが重要である。
[0370] 上記で用いる支持体としては、特に限定されるものではなぐポリエチレンテレフタ レート、ポリプロピレン、フッ素榭脂等力もなる公知の榭脂フィルム、銅箔、アルミ箔、 ニッケル箔等の金属箔を用いることができる。また、剥離性を高める目的で、各種剥 離処理を施した榭脂フィルムを、上記支持体として用いることも可能である。
[0371] (4- 1 - 3.本実施形態の繊維ー榭脂複合体の製造方法)
本実施形態の繊維ー榭脂複合体は、繊維に、熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物か らなるシートを熱圧着することにより一体ィ匕されたものである点に特徴がある。「一体 ィ匕」とは、繊維間が隙間なく榭脂で埋め込まれ、且つ繊維上も榭脂で覆われた状態 を意味する。熱可塑性榭脂を含む榭脂組成物からなるシートを熱圧着することによつ て、表面が平滑であり、かつ厚みムラの少ない繊維ー榭脂複合体が得られるのであ る。また、本実施形態の繊維—榭脂複合体は、表面に無電解めつきを施した際に、 無電解めつき層が強固に接着されるという効果を発現する。
[0372] 熱圧着は、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱ラミネート)、真空ラミネート、熱ロー ルラミネート、真空熱ロールラミネート等の各種熱圧着方法により行うことができる。上 記方法の中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート処理、真 空熱ロールラミネート処理は、気泡無く良好に一体ィヒすることが可能であり、好ましく 実施可能である。一体ィ匕した後に、硬化を進める目的から、熱風オーブン等を用い て加熱乾燥を行うことも可能である。
[0373] 一体ィ匕の方法としては、シート Z繊維なる構成で一体化してもよ ヽし、シートで繊維 を挟みこみ、シート Z繊維 Zシートなる構成で一体ィ匕してもよい。この場合、表面に 金属めつき層が形成されるための榭脂シートで繊維を挟みこみ、一体ィ匕してもよいし 、表面に金属めつき層が形成されるための榭脂シートと、回路を埋め込むための榭 脂シートで繊維を挟みこみ、一体ィ匕してもよい。表面に金属めつき層が形成されるた めの榭脂シートとしては、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1っ以 上の構造を有するポリイミド榭脂を含むことが好ましい。また、回路を埋め込むための 榭脂シートとしては、エポキシ榭脂を含むことが好ましぐエポキシ榭脂と熱可塑性ポ
リイミド榭脂を含むことも好ましい。回路を埋め込むための榭脂シートに用いられる熱 可塑性ポリイミド榭脂には、一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造が含まれて いなくてもよい。シート Z繊維の場合は、両面に無電解めつき皮膜を強固に形成せし めるために、シートはシロキサン構造含むポリイミド榭脂を含んだ単層シートであるこ とが好ましい。シート Z繊維 Zシートの場合は、単層シート、複層シートいずれであつ てもよい。厚み精度良ぐ良好に一体ィ匕するためには、熱可塑性榭脂を含む榭脂組 成物からなるシートの榭脂流れ性を制御することが重要である。熱可塑性榭脂の分 子量や配合量の他、シートの残揮発分、また熱圧着条件等によって、榭脂流れ性を 制御することが可能である。榭脂流れ性は、積層温度での溶融粘度 5 X 104Pa' s以 下であることが好ましぐ 3 X 104Pa' s以下であることがより好ましぐ l X 104Pa' s以 下であることが特に好ましい。積層温度は、後述のように 100〜250°Cであることが好 ましい。
[0374] 熱圧着の条件は、シートを構成する榭脂組成物が十分に繊維間に充填され、且つ 繊維上も覆ってしまう条件、すなわち本実施形態で言う「一体化」できる条件であれ ば特に制限はないが、繊維ー榭脂複合体を厚み精度良く製造するには、好ましくは 温度 70〜300°C、圧力 0. 1〜: LOMPa、時間 1秒〜 3時間の条件で熱圧着を行うこと が良ぐより好ましくは温度 100°C〜250°C、圧力 0. 5〜5MPa、時間 10秒〜 2時間 の条件で熱圧着を行うことが良い。
[0375] また、本実施形態の繊維—榭脂複合体をビルドアップ材として用いる場合は、内層 配線を良好に埋め込むために繊維ー榭脂複合体を Bステージに保つ必要があるた め、繊維と榭脂組成物とを一体化する際の熱圧着条件は繊維ー榭脂複合体を Bステ ージで保つ条件で行われなければならない。
[0376] シートは支持体上に形成されている場合があるが、支持体付きのまま繊維に熱圧 着しても良いし、支持体を剥離し、別の榭脂フィルム等を合紙として繊維に熱圧着し ても良い。ただし、支持体付きのままシートを繊維に熱圧着する場合、支持体側が最 表面となり、無電解めつき皮膜が形成される層となるので、該層はシロキサン構造を 有するポリイミド榭脂を含む層であることが好ましい。
[0377] このようにして得られた本実施形態の繊維ー榭脂複合体は、該繊維ー榭脂複合体
の表面の平滑表面粗度が小さい場合であっても、無電解めつき皮膜と良好に接着す るという利点を有するため、最表面に無電解めつきが施されるために好ましく用いら れる。また、得られる繊維ー榭脂複合体は、厚み精度が良いという利点も有する。
[0378] 本実施形態の繊維-樹脂複合体の表面粗度は、カットオフ値 0. 002mmで測定し た算術平均粗さ Raで 0. 5 m未満であることが好ましい。特に繊維—榭脂複合体が 、この条件を満たす場合、繊維ー榭脂複合体はプリント配線板用途で使用される際 に、良好な微細配線形成性を有する。
[0379] なお本実施形態の繊維ー榭脂複合体は、 Bステージであっても、 Cステージであつ てもかまわない。
[0380] また本実施形態の繊維ー榭脂複合体の厚みには特に制限はないが、高密度プリ ント配線板への適用を考えると薄いほうがよい。具体的には lmm以下であることが好 ましぐ 0. 5mm以下であることがより好ましい。繊維—榭脂複合体はビルドアップ配 線板用材料としても用いることが可能であるが、この場合、繊維—榭脂複合体の厚み ムラの影響を受けやすくなる。例えば、内層配線を良好に埋め込んでいる箇所と埋め 込めて 、な 、箇所などの問題が生じたり、得られるビルドアップ配線板が反るなどの 問題が生じたりする。
[0381] 厚みムラによる基板の反りや、本実施形態の繊維ー榭脂複合体は、従来の方法で 得られる繊維—榭脂複合体に比べて、厚みムラの小さいものとなっているので、基板 の厚みを薄くしたい場合に好適に用いることができる。
[0382] 本実施形態の繊維ー榭脂複合体の厚みムラは、例えば、得られた繊維 榭脂複 合体を 10cm角に切断し、ランダムに抽出した 5箇所の厚みを測定し、この 5箇所の 厚みのうち、最も厚 、箇所の厚みと最も薄 、箇所の厚みとの厚み差を算出することで 調べることができる。反り等の点を考慮すると、上記厚みムラは、好ましくは 6 m以下 であり、より好ましくは 4 μ m以下である。
[0383] <4 2.繊維ー榭脂複合体を用いた積層体 >
本実施形態の繊維ー榭脂複合体は、平滑な表面であるにもかかわらず、表面に強 固に無電解めつき層を接着させることが可能であり、本実施形態の繊維ー榭脂複合 体は、表面に無電解めつき層を形成した積層体して用いることができる。本実施形態
の繊維一榭脂複合体に施され得る無電解めつきとしては、無電解銅めつき、無電解 ニッケルめっき、無電解金めつき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事 力 Sできる。工業的観点、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解銅め つき、無電解ニッケルめっきが好ましぐ特に好ましくは無電解銅めつきである。本実 施形態の繊維ー榭脂複合体に無電解めつきをする場合、該繊維ー榭脂複合体にデ スミア処理などの各種表面処理を施してもょ 、。
[0384] < 4 3.プリント配線板 >
本実施形態の繊維ー榭脂複合体を用いたプリント配線板としては、例えば、当該繊 維ー榭脂複合体に無電解めつきを施した後、セミアディティブ工法、若しくはサブトラ クティブ工法により配線形成を施こされることによって得られた、片面若しくは両面プ リント配線板を挙げることができる。また、上記プリント配線板をコア基板として、ビルド アップ配線板を得ることもできる。また、本実施形態の繊維—榭脂複合体をビルドア ップ材として用いることで、ビルドアップ配線板を得ることも可能である。本実施形態 の繊維ー榭脂複合体は微細配線形成性に優れるため、その他の各種高密度プリン ト配線板にも好ましく適用可能である。
[0385] 本実施形態の、繊維ー榭脂複合体を用いた片面若しくは両面プリント配線板の製 造方法は、 < 3— 3.プリント配線板 >の項において説示した方法が挙げられる。な お、本実施形態においては、く 3— 3.プリント配線板 >の項の「無電解めつき用材 料」を「繊維ー榭脂複合体」と読み替えればよい。
[0386] 〔実施例〕
本実施形態の発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明 はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなぐ種々 の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、実施例および比較例に係る積 層体の特性として、無電解めつき銅との接着性、表面粗度 Ra、配線形成性は以下の ように評価または算出した。
[0387] 〔接着性評価〕
得られた繊維ー榭脂複合体表面に、前出の表 1、 2に示す条件にて、デスミア、及 び無電解銅めつき処理を施した。さらに、トータルの銅厚みが 18 mになるように電
解銅めつきを行った。
[0388] 上記のようにして得られたサンプルにつ 、て、「実施形態 1の実施例」にお 、て記載 した方法にしたがって、接着強度を測定した。
[0389] 〔表面粗度 Ra測定〕
上記の接着性評価と同様のサンプルの無電解めつき銅層をエッチング除去し、露 出した表面の表面粗度 Raの測定を行った。測定は、「実施形態 1の実施例」におい て記載した方法にしたがって行われた。
[0390] 〔厚みムラ〕
得られた繊維ー榭脂複合体を 10cm角に切断し、ランダムに抽出した 5箇所の厚み を測定した。この 5箇所の厚みのうち、最も厚い箇所の厚みと最も薄い箇所の厚みの 厚み差を算出し、厚みムラとした。
[0391] ほ己線形成性〕
サンプルとして、上記の接着性評価と同様のサンプルを用いた。評価は、「実施形 態 1の実施例」にお 、て記載した方法にしたがって行われた。
[0392] 〔ポリイミド榭脂の合成例 6〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF— 8010を 37g ( 0. 045mol)と、 4, 4,一ジアミノジフエ-ルエーテル 21g (0. 105mol)と、 N, N ジ メチルホルムアミド(以下、 DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— ( 4, 4,一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸) 78g (0. 15mol)を添加、 約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸 溶液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 120分 、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 7を得た。
[0393] 〔ポリイミド榭脂の合成例 7〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF8010を 62g (0 . 075mol)と、 4, 4, ジアミノジフエ-ルエーテル 15g (0. 075mol)と、 DMFを投 入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— (4, 4' イソプロピリデンジフエノキシ)ビスフ タル酸無水物 78g (0. 15mol)を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド 酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン (登録商標)コートしたバット
にとり、真空オーブンで、 200°C、 120分、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 8を得 た。
[0394] 〔ポリイミド榭脂の合成例 8〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、 1, 3 ビス(3 アミノフエノキシ)ベンゼン 41g (0. 143mol)と、 3, 3,一ジヒドロキシ一 4, 4,一ジアミノビフエ二ノレ 1. 6g (0. 007mo 1)と、 DMFを投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— (4, 4' イソプロピリデンジフ エノキシ)ビスフタル酸無水物 78g (0. 15mol)を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸溶液をテフロン (登録商標)コ ートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 180分、 665Paで減圧カロ熱し、ポリイ ド榭脂 9を得た。
[0395] 〔ポリイミド榭脂溶液の調合例 1〕
ポリイミド榭脂 7をジォキソランに溶解させ、ポリイミド榭脂溶液 (a4)を得た。固形分 濃度は 25重量%となるようにした。
[0396] 〔ポリイミド榭脂溶液の調合例 2〕
ポリイミド榭脂 8をジォキソランに溶解させ、ポリイミド榭脂溶液 (b4)を得た。固形分 濃度は 25重量%となるようにした。
[0397] 〔ポリイミド榭脂溶液の調合例 3〕
ポリイミド榭脂 9をジォキソランに溶解させ、ポリイミド榭脂溶液 (c4)を得た。固形分 濃度は 25重量%となるようにした。
[0398] 〔熱硬化性成分溶液の調合例 1〕
ジャパンエポキシレジン (株)社製ビフエ-ル型エポキシ榭脂の YX4000Hを 32. 1 g、和歌山精ィ匕工業 (株)社製ジァミンのビス [4一(3—アミノフエノキシ)フエ-ル]ス ルホン 17. 9g、四国化成工業 (株)社製のエポキシ硬化剤、 2,4 ジァミノ 6— [2 ' —ゥンデシルイミダゾリル一(1' ;) ]一ェチル s トリァジン 0. 2gをジォキソラン に溶解させた熱硬化性成分溶液 (d4)を得た。固形分濃度は 50重量%〖こなるように した。
[0399] 〔榭脂組成物溶液の調合例 1〕
溶液 (a4) 60gと溶液 (d4) 9gを混合して、榭脂組成物溶液 (e4)を得た。
[0400] 〔榭脂組成物溶液の調合例 2〕
溶液 (b4) 60gと溶液 (d4) 9gを混合して、榭脂組成物溶液 (f4)を得た。
[0401] 〔榭脂組成物溶液の調合例 3〕
溶液 (c4) 60gと溶液 (d4) 30gを混合して、榭脂組成物溶液 (g4)を得た。
[0402] 〔実施例 21〕
榭脂組成物溶液 (e4)を支持体となるフィルム (商品名セラピール HP、東洋メタライ ジング社製)上に流延塗布、 60°C、 80°C、 100°C、 120°C、 140°C、 150°Cで各 1分 乾燥して、厚み 70 mの Bステージの支持体付き榭脂組成物シートを得た。該シート の支持体を引き剥がして、シート Zガラス織布のように厚さ 40 mのガラス織布と重 ね合わせて、真空プレスにて、 180°C、 3MPa、 60分の条件で熱圧着して、厚さ 70 mの繊維ー榭脂複合体を得た。厚みムラは 2. であった。尚、積層の際の合 紙として、榭脂フィルム(商品名ァフレックス、旭硝子社製)を用いた。得られた繊維 ー榭脂複合体を用いて各種評価を行った。評価結果を表 9に示す。
[0403] 〔実施例 22〕
榭脂組成物溶液 (e4)を支持体となるフィルム (商品名セラピール HP、東洋メタライ ジング社製)上に流延塗布、 60°C、 80°C、 100°C、 120°C、 140°C、 150°Cで各 1分 乾燥して、厚み 30 mの Bステージの支持体付き榭脂組成物シートを得た。該シート の支持体を引き剥がして、シート Zガラス織布 Zシートのように厚さ 40 mのガラス 織布と重ね合わせて、真空プレスにて、 180°C、 3MPa、 60分の条件で熱圧着して、 厚さ 60 mの繊維一榭脂複合体を得た。厚みムラは 2 mであった。尚、積層の際 の合紙として、榭脂フィルム(商品名ァフレックス、旭硝子社製)を用いた。得られた繊 維ー榭脂複合体を用いて各種評価を行った。評価結果を表 9に示す。
[0404] 〔実施例 23〕
榭脂組成物溶液 (a4)を支持体となるフィルム (商品名セラピール HP、東洋メタライ ジング社製)上に流延塗布、 60°Cで 1分乾燥し、厚み 2 μ mの榭脂層(a)を形成した 。さらに、榭脂組成物溶液 (g4)を形成した榭脂層(a)上に流延塗布、 60°C、 80°C、 100°C、 120°C、 140°C、 150°Cで各 1分乾燥して、の Bステージの支持体付き榭脂 組成物シート(2層シート;トータル厚み 30 μ m)を得た。該シートの支持体を引き剥
がして、シート Zガラス織布 Zシートのように厚さ 40 mのガラス織布と重ね合わせ て、真空プレスにて、 180°C、 3MPa、 60分の条件で熱圧着して、厚さ 60 mの繊 維—榭脂複合体を得た。厚みムラは 2 μ mであった。尚、ガラス織布と榭脂層(a)とが 対向するように重ねあわせた。また、積層の際の合紙として、榭脂フィルム(商品名ァ フレックス、旭硝子社製)を用いた。得られた繊維ー榭脂複合体を用いて各種評価を 行った。評価結果を表 9に示す。
[0405] 〔実施例 24〕
榭脂組成物溶液 (e4)の代わりに榭脂組成物溶液 (f4)を用いた以外は実施例 22と 同様にして厚さ 60 μ mの繊維—榭脂複合体を得た。厚みムラは 1. 5 μ mであった。 得られた繊維ー榭脂複合体を用いて各種評価を行った。評価結果を表 9に示す。
[0406] 〔実施例 25〕
厚さ 40 μ mのガラス織布のかわりに、厚さ 50 μ mのァラミド不織布を用いた以外は 実施例 22と同様にして、厚さ 60 mの繊維一榭脂複合体を得た。厚みムラは 2 m であった。この繊維ー榭脂複合体を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価し た。評価結果を表 9に示す。
[0407] 〔実施例 26〕
榭脂組成物溶液 (a4)を支持体となるフィルム (商品名セラピール HP、東洋メタライ ジング社製)上に流延塗布、 60°Cで 1分乾燥し、厚み 2 μ mの榭脂層(a)を形成した 。さらに、榭脂組成物溶液 (g4)を、形成した榭脂層(a)上に流延塗布、 60°C、 80°C 、 100°C、 120°C、 140°C、 150°Cで各 1分乾燥して、 Bステージの支持体付き榭脂 組成物シート(2層シート;トータル厚み 30 μ m)を得た。該シートを支持体付きのまま 、シート Zガラス織布 Zシートのように厚さ 40 mのガラス織布と重ね合わせて、真 空プレスにて、 130°C、 2MPa、 5分の条件で熱圧着し、厚さ 60 mの繊維 榭脂複 合体を得た。厚みムラは 2 mであった。尚、支持体が外側になるように重ねあわせ、 支持体を合紙として活用した。
[0408] 次に、実施例 21の配線形成性評価で得た両面配線板に、上記で得た Bステージ の繊維ー榭脂複合体を両面に配して真空プレスにて、 180°C、 3MPa、 60分の条件 で積層した。尚、積層前に支持体は引き剥がし、積層の際の合紙として、榭脂フィル
ム (商品名ァフレックス、旭硝子社製)を用いた。このようにして、繊維ー榭脂複合体
Z両面配線板 Z繊維ー榭脂複合体からなる積層体を得た。その後、実施例 21と同 様にして各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表 9に示す。尚、両 面配線板と繊維ー榭脂複合体とは強固に接着しており、また、両面配線板のライン アンド スペース(LZS) = 10 mZ 10 mの配線部も良好に埋め込まれていた。
[0409] 〔比較例 6〕
複合体として、 50 m厚みのプリプレダ (ES— 3306S、利昌工業株式会社製)と 9 IX m厚みの電解銅箔の積層された銅張積層板を用いて、銅箔と複合体の接着強度 、銅箔をエッチアウトした後の榭脂表面の表面性、及びレジスト形成後、エッチングを 行うことによるサブトラクティブ法にて微細配線形成性の評価を行った。結果を表 10 に示す。尚、該銅張積層板の厚みムラは 12 mであった。
[0410] 〔比較例 7〕
2、 2—ビス(4 -シアナトフエ-ル)プロパン 90gとビス(4 -マレイミドフエニル)メタン 10gとを 150°Cで 100分間予備反応させ、これをメチルェチルケトンと DMFとの混合 溶媒に溶解させ、さらにォクチル酸亜鉛 1. 8部を加えて均一に混合して、榭脂溶液 を得た。該榭脂溶液を、厚さ 40 mのガラス織布に含浸し、 160°Cで 10分、 170°C で 90分の条件で乾燥し、繊維ー榭脂複合体を得た。この繊維ー榭脂複合体を用い て各種評価項目の評価手順に従い評価した。評価結果を表 10に示す。尚、該銅張 積層板の厚みムラは 8 μ mであった。
[0411] 表 10から分力るように、通常の銅張積層板では、銅箔と複合体との接着性は良好 であるが、複合体表面に銅箔の大きな凹凸が形成されるため、サブトラクティブ法に て配線形成した場合、配線の傾きや配線倒れが生じて良好に微細配線形成すること ができな力つた。また、通常のプリプレダを硬化させたものの平滑表面に無電解めつ きを形成しても、めっき銅との接着性が低ぐ配線形成ができなカゝつた。さら〖こ、比較 例では厚みムラが大き力つた。
[0412] [表 9]
[0413] [表 10]
[0414] 〔実施形態 5〕
< 5- 1.本実施形態の多層プリント配線板の製造方法 >
本実施形態の多層プリント配線板の製造方法 (以下「本実施形態の製造方法」 、 う)は、繊維と榭脂との複合体 (a)を用いた多層プリント配線板の製造方法であって、 繊維と榭脂との複合体 (a)が、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を有し、且 つ以下の (A)〜(C)の工程を有して 、ることを特徴とする。
(A)接続用パッドを含む配線を表面に有して 、るコア配線基板に、繊維と榭脂との複 合体 (a)の少なくとも片面に金属めつきが形成されるための榭脂層(b)を有した積層 体を、加熱加圧により積層一体化する工程。
(B)繊維と榭脂との複合体 (a)および金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)の前 記接続用パッドに相当する位置に、ビアホールをあけ、前記接続用パッドを露出させ る工程。
(C)金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面、およびビアホールに金属め つきを形成し、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面と前記接続用パッド とを導通する工程。
[0415] (5 - 1 - 1.繊維と榭脂との複合体 (a) )
本実施形態の製造方法に用いられる繊維と榭脂との複合体 (a)につ 、て説明する 。上記繊維と榭脂との複合体 (a)は、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を有 する。ここで上記繊維と榭脂との複合体 (a)は、例えば、繊維と、金属めつきが形成さ れるための榭脂層(b)が形成される榭脂組成物との複合体を用いてもよい。また、上 記繊維と榭脂との複合体 (a)は、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)フィルム 、繊維と榭脂との複合体、およびコア配線基板を積層一体ィ匕することによって得られ 、表層に金属めつきが形成されるための榭脂層(b)を有する構成であってもよい。
[0416] 本実施形態の製造方法に用いられる繊維と榭脂との複合体 (a)は、コア配線基板 の配線を良好に埋め込み、強固に接着せしめる機能を担う。よって、該繊維と榭脂と の複合体 (a)に用いられる榭脂は、榭脂流れ性に優れた熱可塑性榭脂か、若しくは 熱硬化成分を含む榭脂組成物が好ましい。熱硬化成分を含む場合は、 Bステージで あることが必須である。
[0417] 上記繊維と榭脂との複合体 (a)に用いられる繊維としては特に限定はないが、プリ ント配線板用途という点を考慮すると、紙、ガラス織布、ガラス不織布、ァラミド織布、 ァラミド不織布、ポリテトラフロロエチレン、力も選ばれた少なくとも一種であることが好 ましい。
[0418] 上記紙としては、木材、榭皮、綿、麻、合成樹脂等の素原料より調製された製紙用 パルプ、溶解用パルプ、合成パルプ等のノ ルプを原料とする紙を用いることができる 。ガラス織布、ガラス不織布としては、 Eガラスまたは Dガラスおよび他のガラス力ゝらな るガラス織布またはガラス不織布を使用することができる。ァラミド織布、ァラミド不織 布としては、芳香族ポリアミド、若しくは芳香族ポリアミドイミドからなる不織布を使用で
きる。ここで芳香族ポリアミドとは従来公知のメタ型芳香族ポリアミド又はパラ型芳香族 ポリアミド或いはそれらの共重合芳香族ポリアミド等である。ポリテトラフロロエチレンと しては、延伸加工して微細な連続多孔質構造をもったポリテトラフロロエチレンを好ま しく使用することができる。
[0419] 次に本実施形態に用いられる繊維と榭脂との複合体 (a)の榭脂について説明する 。榭脂としては特に制限はなぐ熱可塑性榭脂のみ力もなる榭脂であっても良いし、 熱硬化性成分のみカゝらなる榭脂であっても良いし、また、熱可塑性榭脂及び熱硬化 性成分カゝらなる榭脂であっても良いが、コア配線基板の配線間を十分に埋め込むこ とができるだけの榭脂流れ性を有して 、ることが必須である。熱可塑性榭脂としては、 ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン榭脂、熱可塑性ポリイミド榭脂、ポリフエ-レ ンエーテル榭脂、ポリオレフイン榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリエステル榭脂、など を挙げることができる。また、熱硬化性成分としては、エポキシ榭脂、熱硬化型ポリイミ ド榭脂、シアナートエステル榭脂、ヒドロシリル硬化榭脂、ビスマレイミド榭脂、ビスァリ ルナジイミド榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、ァリル榭脂、不飽和ポリエステル榭 脂、などを挙げることができる。また、上記の熱可塑性榭脂と熱硬化成分とを併用して も良い。さらに、以下に記載する金属めつきが形成されるための榭脂層(b)を形成す る榭脂組成物であっても構わな 、。
[0420] 本実施形態に用いられる繊維と榭脂との複合体 (a)は、繊維があるために低熱膨 張性が得られるという利点を有しているが、さらなる低熱膨張性を得る観点から、各種 有機、無機フィラーを添加されていても良い。
[0421] (5 - 1 - 2.金属めつきが形成されるための榭脂層(b) )
本実施形態に用いられる繊維と榭脂との複合体 (a)は、金属めつきが形成されるた めの榭脂層(b)を有する。金属めつきが形成されるための榭脂層(b)は、その平滑表 面に強固に金属めつきが形成されることが必須であるため、下記一般式(1)〜(6)の いずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド榭脂を含有するこ とが好ましい。
[0422] [化 13]
( 1 )
- R2- R3-
( 4 )
R1 +0— R2 H— 0—— R3
R' C00- R
2-—0C0— R
3 ( 5 )
(式中、 R
1および R
3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
X 2X
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: LOOであり、 mは 1以上の整数である。 )
上記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有する ポリイミド榭脂は、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上 の構造を有していれば、いかなるポリイミド榭脂を用いても良い。上記ポリイミド榭脂の 製造方法としては、例えば、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち 、 1つ以上の構造を有する酸二無水物成分、あるいは上記一般式(1)〜(6)のいず れかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジァミン成分を用いて、ポリイミ ド榭脂の前駆体であるポリアミド酸を製造し、これをイミドィ匕してポリイミド榭脂を製造
する方法;官能基を有する酸二無水物成分ある!ヽは官能基を有するジァミン成分を 用いて官能基を有するポリアミド酸を製造し、この官能基と反応しうる官能基、及び上 記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有する化合 物を反応させて、上記一般式( 1)〜(6)の 、ずれかで表される構造が導入されたポリ アミド酸を製造し、これをイミドィ匕してポリイミド榭脂を製造する方法;官能基を有する 酸二無水物成分あるいは官能基を有するジァミン成分を用いて官能基を有するポリ アミド酸を製造し、これをイミドィ匕して官能基を有するポリイミドを製造し、この官能基と 反応しうる官能基、及び上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1 つ以上の構造を有する化合物を反応させて、上記一般式( 1)〜(6)の 、ずれかで表 される構造が導入されたポリイミド榭脂を製造する方法、などが挙げられる。
[0424] ここで、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を 有するジァミンは比較的容易に入手することが可能であるため、上記の中でも、酸二 無水物成分と、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の 構造を有するジァミン成分とを反応させて目的とするポリイミド榭脂を製造することが 好ましい。
[0425] 次に、本実施形態に用いられるポリイミド榭脂として、酸二無水物成分と、上記一般 式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジァミン成 分とを用いた場合の製造例について説明する。
[0426] 酸二無水物成分としては特に限定はなぐピロメリット酸二無水物、 3, 3' , 4, 4'— ベンゾフエノンテトラカルボン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4, 一ジフエ-ルスルホンテトラ カルボン酸二無水物、 1, 4, 5, 8 ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、 2, 3, 6, 7—ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4'ージメチルジフエ-ルシラン テトラカルボン酸二無水物、 1, 2, 3, 4 フランテトラカルボン酸二無水物、 4, 4' ビス(3, 4—ジカルボキシフエノキシ)ジフエ-ルプロパン酸二無水物、 3, 3' , 4, 4, ービフエ-ルテトラカルボン酸二無水物、 2, 3, 3' , 4,ービフエ-ルテトラカルボン酸 二無水物、 ρ フエ二レンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物 、 4, 4' 一へキサフルォロイソプロピリデンジフタル酸無水物、 4, 4'ーォキシジフタル 酸無水物、 3, 4'ーォキシジフタル酸無水物、 3, 3'ーォキシジフタル酸無水物、 4,
4,一(4, 4,一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸)、 4, 4,一ハイドロキ ノンビス(無水フタル酸)、 2, 2—ビス(4ーヒドロキシフエ-ル)プロパンジベンゾエート -3, 3', 4, 4,ーテトラカルボン酸二無水物、 1, 2—エチレンビス(トリメリット酸モノ エステル無水物)、 p—フエ-レンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等を挙げるこ とができる。これらは 1種のみで用いてもよぐ 2種以上を組み合わせて用いることも可 能である。
[0427] 続いて、ジァミン成分について説明する。本実施形態におけるジァミン成分として、 下記一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジ ァミン成分を含むことが好まし 、。
R1— o - R2 -0一 R3- (2)
R1— coo - R2-o n ~ co一 Ra (3)
:4)
-0-R2 0― R3.
R1 -C00- 2-!— 0C0— R3 (5)
[0429] (式中、 R1および R3は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価の芳香族
基を表す。また、 R4は、アルキル基、フエニル基、アルコキシ基、またはフエノキシ基 を表し、 R2は、 C H で表される 2価のアルキレン基、または 2価のフエ-レン基を表
X 2X
す。さらに、 n= 3〜: L00であり、 mは 1以上の整数である。 )
一般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジアミ ン成分を用いることにより、得られるポリイミド榭脂は、金属めつき層と強固に接着する t ヽぅ特徴を有するようになる。
上記一般式(2)で表される構造を有するジァミンとしては、へキサメチレンジァミンや 、オタタメチレンジァミンなどを例示することができる。上記一般式 (3)で表される構造 を有するジァミンとしては、 1, 3 ビス(4 アミノフエノキシ)プロパン、 1, 4 ビス(4 —アミノフエノキシ)ブタン、 1, 5 ビス(4 アミノフエノキシ)ペンタン等を挙げること ができる。上記一般式 (4)で表される構造を有するジァミンとしては、エラスマー 100 0P、エラスマー 650P、エラスマー 250P (ィハラケミカル工業 (株)製)が挙げられる。 また、上記一般式(5)で表される構造を有するジァミンとしては、ポリエーテルポリアミ ン類、ポリオキシアルキレンポリアミン類を挙げる事ができ、ジェファーミン D— 2000、 ジェファーミン D— 4000 (ハンツマン 'コーポレーション社製)等を例示することができ る。さらに、上記一般式(1)で表される構造を有するジァミンとしては、 1,1, 3, 3, テトラメチル一 1, 3 ビス(4 ァミノフエニル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, —テトラフエ ノキシ 1, 3 ビス(4 アミノエチル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, 5, 5 へキサメチル — 1, 5 ビス(4 ァミノフエ-ル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, —テトラフエ-ル一 1, 3 —ビス(2 ァミノフエ-ル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, —テトラフエ-ルー 1, 3 ビス( 3 ァミノプロピル)ジシロキサン、 1,1, 5, 5, —テトラフエ二ルー 3, 3 ジメチルー 1 , 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、 1,1, 5, 5, —テトラフエ-ル一 3, 3 ジ メトキシ一 1, 5 ビス(3 アミノブチル)トリシロキサン、 1, 1, 5, 5, —テトラフエ-ル —3, 3 ジメトキシ— 1, 5 ビス(3 ァミノペンチル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, - テトラメチルー 1, 3 ビス(2 アミノエチル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, ーテトラメチル - 1, 3 ビス(3 ァミノプロピル)ジシロキサン、 1,1, 3, 3, ーテトラメチルー 1, 3— ビス(4 アミノブチル)ジシロキサン、 1, 3 ジメチルー 1, 3 ジメトキシ— 1, 3 ビ ス(4 アミノブチル)ジシロキサン、 1,1, 5, 5, ーテトラメチルー 3, 3 ジメトキシー1
, 5 ビス(2 アミノエチル)トリシロキサン、 1, 1, 5, 5, —テトラメチル一 3, 3 ジメト キシ一 1, 5 ビス(4 アミノブチル)トリシロキサン、 1,1, 5, 5, —テトラメチル一 3, 3 —ジメトキシ一 1, 5 ビス(5 ァミノペンチル)トリシロキサン、 1, 1, 3, 3, 5, 5 へ キサメチル一 1, 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, 5, 5 へキ サェチルー 1, 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、 1,1, 3, 3, 5, 5 へキサ プロピル— 1, 5 ビス(3 ァミノプロピル)トリシロキサン、等が挙げられる。また、一 般式(1)で表される構造を有する、比較的入手しやすいジァミンとして、信越化学ェ 業株式会社製の KF— 8010、 X— 22— 161Α、 X— 22— 161Β、 X— 22— 1660B —3、 KF— 8008、 KF— 8012、 X— 22— 9362、等を挙げ、ること力できる。上記一般 式(1)〜(6)で表される構造を有するジァミンはそれぞれ単独で用いられてもよく、ま た 2種以上のジァミンを混合してもよ 、。
金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の耐熱性向上等を目的として、上記一 般式(1)〜(6)の 、ずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するジァミンと 、他のジァミンとを組み合わせて使用することも好ましい。上記他のジァミン成分とし ては、あらゆるジァミンを使用することが可能であり、 m フエ-レンジァミン、 o フエ 二レンジァミン、 p—フエ-レンジァミン、 m—ァミノベンジルァミン、 p ァミノべンジノレ ァミン、ビス(3—ァミノフエ-ル)スルフイド、 (3—ァミノフエ-ル)(4—ァミノフエ-ル) スルフイド、ビス(4 アミノフヱ-ル)スルフイド、ビス(3—アミノフヱ-ル)スルホキシド 、(3—ァミノフエ-ル)(4—ァミノフエ-ル)スルホキシド、ビス(3—ァミノフエ-ル)ス ルホン、 (3—ァミノフエ-ル)(4—ァミノフエ-ル)スルホン、ビス(4—ァミノフエ-ル) スノレホン、 3, 4'ージァミノベンゾフヱノン、 4, 4'ージァミノベンゾフヱノン、 3, 3'—ジ アミノジフエ二ノレメタン、 3, 4'ージアミノジフエ二ノレメタン、 4, 4'ージアミノジフエ二ノレ メタン、 4, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 3, 3'ージアミノジフエニルエーテル、 3 , 4'—ジアミノジフエ-ルエーテル、ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]スルホ キシド、ビス [4— (アミノフエノキシ)フエ-ル]スルホキシド、 4, 4,一ジアミノジフエ- ルエーテル、 3, 4'ージアミノジフエニルエーテル、 3, 3,ージアミノジフエニルエーテ ル、 4, 4'ージアミノジフエ二ルチオエーテル、 3, 4'ージアミノジフエ二ルチオエーテ ル、 3, 3,ージアミノジフエ二ルチオエーテル、 3, 3,ージアミノジフエニルメタン、 3, 4
'ージアミノジフエ二ノレメタン、 4, 4 'ージアミノジフエ二ノレメタン、 4, 4 'ージアミノジフ ェニルスルフォン、 3, 4 '—ジアミノジフエニルスルフォン、 3, 3 '—ジアミノジフエニル スルフォン、 4, 4,一ジァミノベンズァ-リド、 3, 4,一ジァミノベンズァ-リド、 3, 3, - ジァミノベンズァニリド、 4, 4 '—ジァミノべンゾフエノン、 3, 4 '—ジァミノべンゾフエノ ン、 3, 3,一ジァミノべンゾフエノン、ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]メタン、 ビス [4— (4 ァミノフエ-キシ)フエ-ル]メタン、 1 , 1—ビス [4— (3 ァミノフエノキ シ)フエ-ル]ェタン、 1 , 1—ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]ェタン、 1 , 2— ビス [4— (3 アミノフエノキシ)フエ-ル]ェタン、 1 , 2 ビス [4— (4 ァミノフエノキ シ)フエ-ル]ェタン、 2, 2 ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]プロパン、 2, 2 —ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]プロパン、 2, 2 ビス [4— (3 ァミノフエ ノキシ)フエ-ル]ブタン、 2, 2 ビス [3— (3 アミノフエノキシ)フエ-ル]— 1 , 1 , 1 , 3, 3, 3 へキサフルォロプロパン、 2, 2 ビス [4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル] — 1 , 1 , 1 , 3, 3, 3 へキサフルォロプロパン、 1 , 3 ビス(3 アミノフエノキシ)ベ ンゼン、 1 , 4 ビス(3 アミノフエノキシ)ベンゼン、 1 , 4,一ビス(4 ァミノフエノキシ )ベンゼン、 4, 4,一ビス(4—アミノフエノキシ)ビフエ-ル、ビス [4— (3—アミノフエノ キシ)フエ-ル]ケトン、ビス [4— (4—アミノフエノキシ)フエ-ル]ケトン、ビス [4— (3 —アミノフエノキシ)フエ-ル]スルフイド、ビス [4— (4—アミノフエノキシ)フエ-ル]ス ルフイド、ビス [4— (3—アミノフエノキシ)フエ-ル]スルホン、ビス [4— (4—ァミノフエ ノキシ)フエ-ル]スルホン、ビス [4一(3—アミノフエノキシ)フエ-ル]エーテル、ビス [ 4— (4 アミノフエノキシ)フエ-ル]エーテル、 1 , 4 ビス [4— (3 アミノフエノキシ) ベンゾィル]ベンゼン、 1 , 3 ビス [4— (3 アミノフエノキシ)ベンゾィル]ベンゼン、 4 , 4 '—ビス [3— (4—アミノフエノキシ)ベンゾィル]ジフエ-ルエーテル、 4, 4 '—ビス [3—(3—アミノフエノキシ)ベンゾィル]ジフエ-ルエーテル、 4, 4,一ビス [4一(4 アミノー at , a—ジメチルベンジル)フエノキシ]ベンゾフエノン、 4, 4,一ビス [4— (4 -ァミノ— a , a—ジメチルベンジル)フエノキシ]ジフエ-ルスルホン、ビス [4— {4— (4 アミノフエノキシ)フエノキシ }フエ-ル]スルホン、 1 , 4 ビス [4— (4 ァミノフエ ノキシ) α , α—ジメチルベンジル]ベンゼン、 1 , 3 ビス [4— (4 ァミノフエノキシ ) - a , a—ジメチルベンジル]ベンゼン、 3, 3,一ジヒドロキシ一 4, 4 '—ジアミノビフ
ェニルなどを挙げることができる。
[0431] 上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有する ジァミンは、全ジァミン成分に対して 2〜: L00モル%が好ましぐより好ましくは 5〜10 0モル%である。上記ジァミンが、全ジァミン成分に対して 2モル%より少ない場合、 金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)と金属めつき層との接着強度が低くなる場 合がある。
[0432] 上記ポリイミドの製造方法については、 (1 - 1 - 2.榭脂層)の項の記載を適宜援用 することができる。
[0433] 金属めつきが形成されるための榭脂層(b)を構成する上記一般式(1)〜(6)の 、ず れかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド榭脂は、金属めつき層 との接着性に優れるという点から、熱可塑性ポリイミドが好ましい。ここで、本実施形態 における熱可塑性ポリイミドとは、圧縮モード (プローブ径 3mm φ、荷重 5g)の熱機 械分析測定 (TMA)にお!/、て、 10〜400°C (昇温速度: 10°CZmin)の温度範囲で 永久圧縮変形を起こすものを!、う。
[0434] 金属めつきが形成されるための榭脂層(b)には、榭脂流れ性の向上や、耐熱性の 向上等を目的として他の成分を配合することも可能である。他の成分としては、熱可 塑性榭脂、熱硬化性榭脂などの榭脂を適宜使用することができる。熱硬化性榭脂は 、上記一般式(1)〜(6)のいずれかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有する ポリイミド榭脂 100重量部に対して、 3〜: LOO重量部含むこと力 耐熱性や接着性の バランスの取れた特性が得られること力 好ましい。
[0435] 熱可塑性榭脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン榭脂、ポリフエ-レ ンエーテル榭脂、フヱノキシ榭脂、および、酸二無水物成分と一般式 (2)で表される 構造を有するジァミンを含むジァミン成分とからなる熱可塑性ポリイミド榭脂とは構造 の異なる熱可塑性ポリイミド榭脂等を挙げることができ、これらを単独または適宜組み 合わせて用いることができる。
[0436] また、熱硬化性榭脂としては、ビスマレイミド榭脂、ビスァリルナジイミド榭脂、フエノ ール榭脂、シアナート榭脂、エポキシ榭脂、アクリル榭脂、メタタリル榭脂、トリアジン 榭脂、ヒドロシリル硬化榭脂、ァリル硬化榭脂、不飽和ポリエステル榭脂などを挙げる
ことができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、前記熱 硬化性榭脂以外に、高分子鎖の側鎖または末端に、エポキシ基、ァリル基、ビニル 基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基などの反応性基を有する側鎖反応性基型熱 硬化性高分子を使用することも可能である。
[0437] また、金属めつきとの接着性を向上させる目的で、各種添加剤を金属めつきが形成 されるための榭脂層(b)に添加、または金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の 表面に塗布等の方法で存在させることも可能である。上記添加剤として、具体的には 有機チオールィ匕合物などを挙げることができるが、これに限定されない。また、各種 有機フィラー、無機フィラーを添加することもできる。
[0438] 上記添加剤等の他の成分は、微細配線形成に悪影響を及ぼす程に金属めつきが 形成されるための榭脂層(b)の表面粗度を大きくしない範囲で組み合わされることが 重要であり、この点には注意を要する。
[0439] 金属めつきが形成されるための榭脂層(b)に含まれる上記一般式(1)〜(6)のいず れかで表される構造のうち、 1つ以上の構造を有するポリイミド榭脂の割合は、 30重 量%〜100重量%であることが、表面粗度と金属めつき層との接着性とのバランスが 優れると!、う点力 好まし!/、。
[0440] なお、本実施形態において金属めつきが形成されるための榭脂層(b)とは、厚さが 10 A以上を有する層のことを 、う。
[0441] 本実施形態において金属めつきが形成されるための榭脂層(b)は、表面粗度が小 さい場合でも金属めつき層との接着強度が高いという利点を有する。ここで、本発明 でいう表面粗度は、カットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Raで表すこと ができる。金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面粗度は、カットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ Raで 0. 5 m未満であることが好ましい。従って、 本実施形態における金属めつきが形成されるための榭脂層(b)は、微少な範囲の表 面の粗さを観察した場合、非常に平滑な表面を有しているといえる。よって、例えばラ イン アンド スペースが 10 μ m/10 μ m以下であるような微細配線を形成する場合 でも、悪影響を及ぼすことはない。
[0442] 金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)が、上記条件を満たす場合、良好な微
細配線形成性を有する。このような表面を有する榭脂層(b)を形成するには、例えば
(1)表面処理を行わない。
(2)支持体、あるいは合紙などの材料の、金属めつきが形成されるための榭脂層(b) と接する面の表面粗度を適切に選択する。
(3)金属めつきが形成されるための榭脂層(b)に含まれるポリイミド榭脂の組成や、金 属めっきが形成されるための榭脂層(b)を形成する際の乾燥条件を適切に選択する などの方法を、適宜組み合わせればよい。
[0443] 以上、本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)が有する金属めつきが形成されるた めの榭脂層 (b)について説明したが、コア配線基板と積層一体化した後に導体層を 形成する面に金属めつきが形成されるための榭脂層(b)が露出する構成であればど のような構成、形態であってもかまわない。
[0444] 本発明において、本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)が、金属めつきが形成さ れるための榭脂層 (b) Z繊維と榭脂との複合体力ゝらなる構成の場合、繊維と榭脂との 複合体と、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)との接着性を向上させる等の目 的で、別の榭脂層を設けることができる。繊維と榭脂との複合体と榭脂層 (b)とのそれ ぞれに対して良好な接着性を発現させるために、別の榭脂層には熱硬化性成分を 含まれることが好ましい。
[0445] 本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)の厚みは特に制限はないが、得られる多 層プリント配線板の薄型化の観点から、できるだけ薄いことが好ましぐ且つ内層回路 を充分に埋め込むだけの榭脂分を有することが好ましい。現状、最も薄いガラス織布 は 40 /z mと言われており、このようなガラス繊維を用いることにより、本実施形態の繊 維と樹脂との複合体 (a)を薄くすることができる。また、技術の進歩により、さらに薄い ガラス織布等の繊維が得られれば、このような繊維を用いることで、本実施形態の繊 維と榭脂との複合体 (a)の更なる薄型化が可能となる。
[0446] (5 - 1 - 3.繊維と榭脂との複合体 (a)の製造方法)
次に本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)の製造方法について説明する。
[0447] 本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)の榭脂が、上述の金属めつきが形成され るための榭脂層 (b)が形成される榭脂組成物からなる場合、当該榭脂組成物を適当 な溶媒に溶解して、榭脂組成物溶液とし、上述の繊維に当該榭脂組成物溶液を含 浸させ、さらにこれを加熱乾燥することにより、繊維と榭脂との複合体 (a)は得られる。 ここで、熱硬化成分を含む場合は、加熱乾燥は Bステージで止めることが必須である
[0448] また別の方法として、フィルム状に成形加工された金属めつきが形成されるための 榭脂層(b)、繊維、およびコア配線基板の順に重ねて用いる方法もとることができるし 、フィルム状に成形加工された金属めつきが形成されるための榭脂層(b)、繊維、フィ ルム状に成形加工された金属めつきが形成されるための榭脂層(b)、およびコア配 線基板の順に重ねて用いる方法もとることができる。この場合、積層一体化の際に、 金属めつきが形成されるための榭脂層(b)が繊維を覆うように流れ込むとともにコア 配線基板の配線間も埋め込むために、結果として表層に金属めつきが形成されるた めの榭脂層 (b)を有する繊維と榭脂との複合体 (a)力 S得られることとなる。
[0449] また、本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)が、金属めつきが形成されるための 榭脂層 (b)、および繊維と榭脂との複合体力もなる構成の場合について説明する。こ の場合、繊維と榭脂との複合体として、市販のプリプレダ (Bステージの繊維と榭脂と の複合体)を使用することができ、市販のプリプレダに榭脂層 (b)を形成する榭脂組 成物溶液を該繊維と榭脂との複合体に塗布し、これを加熱乾燥することにより、上記 繊維と榭脂との複合体 (a)を得ることができる。この場合の加熱乾燥は、プリプレダが Bステージを保つ条件で実施される必要がある。また、フィルム状に成形加工された 榭脂層(b)をプリプレダに貼り合わせることによって、上記繊維と榭脂との複合体 (a) を得ることもできる。さら〖こは、多層プリント配線板の製造における積層工程において 、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィルム、市販のプリプレダ、コア配線基 板の順に重ねる方法によっても上記繊維と榭脂との複合体 (a)を製造することができ る。この場合も結果として、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)Z繊維と榭脂と の複合体力もなる構成が得られるために、上記繊維と榭脂との複合体 (a)の製造方 法として好ましく適用され得る。
[0450] (5— 1 4.金属めつき層)
金属めつき層としては、蒸着、スパッタ、 CVD等の各種乾式めつき、無電解めつき 等の湿式めつき、いずれも適用可能であるが、生産性や金属めつきが形成されるた めの榭脂層(b)との接着性を考慮すると、無電解めつき力もなる層であることが好まし い。無電解めつきの種類としては無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金 めっき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事ができる。ただし、工業的観 点、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、上記無電解めつきとしては無電 解銅めつき、無電解ニッケルめっきが好ましぐ無電解銅めつきが特に好ましい。金属 めっき層の厚みとしては特に制限はないが、微細配線形成性を考慮すると、 以 下であることが好ましぐ 3 μ m以下であることがより好ましい。
[0451] (5- 1 - 5.多層プリント配線板の製造方法)
本実施形態の多層プリント配線板の製造方法は、以下の (A)〜 (C)の工程を有し ていることを特徴とする。
(A)接続用パッドを含む配線を表面に有して 、るコア配線基板に、繊維と榭脂との複 合体 (a)の少なくとも片面に金属めつきが形成されるための榭脂層(b)を有した積層 体を、加熱加圧により積層一体化する工程。
(B)繊維と榭脂との複合体 (a)および金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)の前 記接続用パッドに相当する位置に、ビアホールをあけ、前記接続用パッドを露出させ る工程。
(C)金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面、およびビアホールに金属め つきを形成し、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面と前記接続用パッド とを導通する工程。
[0452] 本発明の多層プリント配線板の製造方法は、金属めつきとの接着性に優れた金属 めっきが形成されるための榭脂層(b)を有するため、微細配線形成が可能な多層プ リント配線板を提供することができる。
[0453] 以下に、各工程について具体的に説明する。
[0454] (工程 (A) )
接続用パッドを含む配線を表面に有して ヽるコア配線基板としては、特に制限はな
ぐ市販のガラスエポキシ榭脂系の配線基板やビスマレイミド Zトリアジン榭脂系の配 線基板等、あらゆる配線基板を用いることができる。また、コア配線基板にも微細配 線形成性を求める場合は、本実施形態の繊維と榭脂との複合体 (a)を用いて作製し た配線基板を好ましく適用できる。
[0455] 上述のコア配線基板に、 Bステージの繊維と榭脂との複合体 (a)を加熱加圧により 積層一体化する。繊維と榭脂との複合体 (a)は、積層一体化させた時点で繊維と榭 脂との複合体 (a)を形成すればよぐ以下に示すように様々な方法で積層一体化す ることがでさる。
[0456] 一つは、繊維と金属めつきが形成されるための榭脂層(b)を形成する榭脂組成物と の複合体 (a)、コア配線板の順に重ねて積層一体化する方法である。
[0457] また、一つは、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィルム Z繊維 Zコア配 線基板の順に重ねて積層一体化する方法である。同様に、金属めつきが形成される ための榭脂層(b)フィルム Z繊維 Z金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィル ム Zコア配線基板の順に重ねて積層一体ィ匕することも可能である。
[0458] また、一つは、 Bステージの金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィルム Z繊 維と樹脂との複合体 Zコア配線基板の順に重ねて積層一体化する方法である。金属 めっきが形成されるための榭脂層 (b)と、繊維と榭脂との複合体との接着性を向上さ せるため、両者の間に別の榭脂層を設けても構わない。
[0459] 繊維と榭脂との複合体を構成する榭脂が熱硬化成分を含む場合は、榭脂流れ性を 確保するため Bステージであることが必須である。
[0460] 金属めつきが形成されるための榭脂層(b)の表面粗度を、カットオフ値 0. 002mm で測定した算術平均粗さ Raで 0. 5 m未満を保っために、金属めつきが形成される ための榭脂層(b)と接する合紙もカットオフ値 0. 002mmで測定した算術平均粗さ R aで 0. 5 m未満であることが好ましい。このような合紙の例としては、エンボス加工 等の処理を行って 、な 、榭脂フィルムを挙げることができる。
[0461] 積層方法としては、熱プレス、真空プレス、ラミネート (熱ラミネート)、真空ラミネート 、熱ロールラミネート、真空熱ロールラミネート等の各種熱圧着方法を挙げることがで きる。上記方法の中でも真空下での処理、すなわち真空プレス処理、真空ラミネート
処理、真空熱ロールラミネート処理がより良好に回路間をボイド無く埋め込むことが可 能であり、好ましく実施可能である。積層した後に、金属めつきが形成されるための榭 脂層(b)を Cステージまで硬化を進める目的から、熱風オーブン等を用いて加熱乾 燥を行うことも可能である。
[0462] 積層条件は、用いられる金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)や、繊維と榭脂 との複合体によって適切な条件が異なるため、適宜条件の適性ィヒを行うことが好まし い。
[0463] (工程 (B) )
ビアホールを形成するには、公知のドリルマシン、ドライプラズマ装置、炭酸ガスレ 一ザ一、 UVレーザー、エキシマレーザー等を用いることができる。また、ビアホール 形成後に発生するスミアを除去する目的で、過マンガン酸塩を用いるウエットプロセス やプラズマ等のドライデスミアなどの公知の技術でデスミア処理をすることが好ましい
[0464] (工程 (C) )
金属めつき層としては、蒸着、スパッタ、 CVD等の各種乾式めつき、無電解めつき 等の湿式めつき、いずれも適用可能であるが、生産性や金属めつきが形成されるた めの榭脂層(b)との接着性を考慮すると、無電解めつき力もなる層であることが好まし い。無電解めつきの種類としては無電解銅めつき、無電解ニッケルめっき、無電解金 めっき、無電解銀めつき、無電解錫めつき、等を挙げる事ができ本発明に使用可能 である。ただし工業的観点、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、無電解 銅めつき、無電解ニッケルめっきが好ましぐ無電解銅めつきが特に好ましい。金属め つき層の厚みとしては特に制限はないが、微細配線形成性を考慮すると、 以下 であることが好ましぐ 3 μ m以下であることがより好ましい。
[0465] 以上、工程 (A)〜(C)について説明した力 この後の工程について説明する。
[0466] (D)電解めつきを行う。
電解めつきにより、金属めつき層を所望の厚みまで形成する。電解めつきは公知の多 くの方法を適用することができる。具体的には電解銅めつき、電解はんだめつき、電 解錫めつき、電解ニッケルめっき、電解金めつき等を挙げることができる。工業的観点
、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、電解銅めつき、電解ニッケルめっき が好ましぐ電解銅めつきが特に好ましい。
[0467] (E)めっきレジストを形成する。
感光性めつきレジストとしては広く市販されている公知の材料を用いることができる。 本実施形態の多層プリント配線板の製造方法では、微細配線化に対応するために 5 0 mピッチ以下の解像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無 論、本実施形態のプリント配線板の配線ピッチに、 50 m以下のピッチを有する回 路とそれ以上のピッチを有する回路が混在しても良い。
[0468] (F)エッチングすることにより配線を形成する。
エッチングには、公知のエツチャントを用いることができる。例えば、塩化第二鉄系ェ ッチャント、塩ィ匕第二銅系エツチャント、硫酸 ·過酸ィ匕水素系エツチャント、過硫酸アン モ-ゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム系エツチャント等を好ましく用いることができ る。
[0469] (G)レジスト剥離を行う。
レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適した材料を使用することができ 、特に制限はない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を用 いることがでさる。
[0470] このように、いわゆるサブトラクティブ工法により配線形成を行った後、さらに繊維と 榭脂との複合体 (a)を積層一体化し、 (B)〜 (G)の工程を繰り返し行うことで多層プリ ント配線板を得ることができる。また、いずれの工程においても、十分な硬化を行う、 めっき銅との接着性を向上する等の目的力 加熱工程を取り入れることができる。
[0471] 一方、工程 (A)〜(C)を実施した後、より微細配線形成に有利であるセミアディティ ブ工法による配線形成を好ましく適用することができる。以下に説明する。
[0472] (D,)めっきレジストを形成する。
感光性めつきレジストとしては広く市販されている公知の材料を用いることができる。 本実施形態の多層プリント配線板の製造方法では、微細配線化に対応するために 5 0 mピッチ以下の解像度を有する感光性めつきレジストを用いることが好ましい。無 論、本実施形態発明のプリント配線板の配線ピッチに、 50 m以下のピッチを有す
る回路とそれ以上のピッチを有する回路が混在しても良い。
[0473] (Ε' )電解パターンめっきを行う。
電解めつきにより、金属めつき層を所望の厚みまで形成する。電解めつきは公知の多 くの方法を適用することができる。具体的には電解銅めつき、電解はんだめつき、電 解錫めつき、電解ニッケルめっき、電解金めつき等を挙げる事ができる。工業的観点 、耐マイグレーション性等の電気特性の観点より、電解銅めつき、電解ニッケルめっき が好ましぐ電解銅めつきが特に好ましい。
[0474] (F,)レジスト剥離を行う。
レジスト剥離には、使用しためっきレジストの剥離に適した材料を使用することができ 、特に制限はない。例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を用 いることがでさる。
[0475] (C )クイックエッチングすることにより配線を形成する。
エッチングには、公知のエツチャントを用いることができる。例えば、希釈した塩化第 二鉄系エツチャント、希釈した塩ィ匕第二銅系エツチャント、硫酸'過酸化水素系エッチ ヤント、過硫酸アンモ-ゥム系エツチャント、過硫酸ナトリウム系エツチャント等を好まし く用いることができる。
[0476] このように、いわゆるセミアディティブ工法により配線形成を行った後、さらに繊維と 榭脂との複合体 (a)を積層一体化し、 (B)〜 (G' )の工程を繰り返し行うことで多層プ リント配線板を得ることができる。また、いずれの工程においても、十分な硬化を行う、 めっき銅との接着性を向上する等の目的力 加熱工程を取り入れることができる。
[0477] 〔実施例〕
本実施形態の発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明 はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなぐ種々 の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、実施例および比較例に係る積 層体の特性として、無電解めつき銅との接着性、表面粗度 Ra、配線形成性は以下の ように評価または算出した。
[0478] 〔表面粗度 Ra測定〕
得られた多層プリント配線板の露出した榭脂表面の表面粗度 Raの測定を行った。
測定は、「実施形態 1の実施例」において記載した方法にしたがって行われた。
[0479] ほ S線形成性〕
得られた多層プリント配線板の配線形成性を評価した。評価は、「実施形態 1の実 施例」にお 、て記載した方法にしたがって行われた。
[0480] 〔ポリイミド榭脂の合成例 9〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、信越ィ匕学工業株式会社製 KF— 8010を 37g ( 0. 045mol)と、 4, 4,一ジアミノジフエ-ルエーテル 21g (0. 105mol)と、 N, N ジ メチルホルムアミド(以下、 DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4'— ( 4, 4,一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸) 78g (0. 15mol)を添加、 約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポリアミド酸 溶液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C、 120分 、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 10を得た。
[0481] 〔ポリイミド榭脂の合成例 10〕
容量 2000mlのガラス製フラスコに、エラスマー 1000P (ィハラケミカル工業 (株)製 )を 92g (0. 075mol)と、 4, 4,一ジアミノジフエニノレエーテノレ 15g (0. 075mol)と、 N, N ジメチルホルムアミド(以下、 DMFと呼ぶ)を投入し、撹拌しながら溶解させ、 4, 4,一(4, 4,一イソプロピリデンジフエノキシ)ビス(無水フタル酸) 78g (0. 15mol) を添加、約 1時間撹拌し、固形分濃度 30%ポリアミド酸の DMF溶液を得た。上記ポ リアミド酸溶液をテフロン (登録商標)コートしたバットにとり、真空オーブンで、 200°C 、 120分、 665Paで減圧加熱し、ポリイミド榭脂 11を得た。
[0482] 〔実施例 27〕
ポリイミド榭脂 10をジォキソランに溶解させ、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を形成する溶液 (A5)を得た。固形分濃度は 5重量%となるようにした。榭脂溶液 (A5)を榭脂フィルム (T 1 (s); 38 μ m厚み、パナック株式会社製)上に流延塗布、 60°Cで乾燥し、榭脂フィルム付きの厚み 2 mの金属めつきが形成されるための榭 脂層(b)フィルムを得た。
[0483] 榭脂フィルム付きの金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィルム、 50 μ m みのプリプレダ (ES— 3306S、利昌工業株式会社製)、配線加工を施したコア基板(
商品番号: MCL— E— 67、 日立化成工業 (株)社製;銅箔の厚さ 18 /ζ πι)、 50 /z m 厚みのプリプレダ、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィルムの順に重ねて 、 170°CZ4MPaZ2時間の条件で積層一体化した。尚、プリプレダと金属めつきが 形成されるための榭脂層(b)とが接するように重ね合わせた。
[0484] その後、金属めつきが形成されるための榭脂層(b)に付 、て 、た榭脂フィルムを剥 がし、コア基板の接続用パッドに相当する位置に炭酸ガスレーザーにてビアホール を形成した。
[0485] さらに、前出の表 1、表 2に示す条件にてデスミア、及び無電解銅めつきを施した。
[0486] 無電解めつき銅層上にレジストパターンを形成し、パターン銅の厚みが 8 μ mとなる ように電解銅パターンめっきを行った後、レジストパターンを剥離し、さらに露出した 無電解めつき銅を硫酸 Z過酸ィ匕水素系エツチャントで除去して、ライン アンド スぺ ース (LZS) = 10 m/ΙΟ mの配線を有する多層プリント配線板を作製した。
[0487] この配線板を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 11 に示す。
[0488] 〔実施例 28〕
ポリイミド榭脂 10をジォキソランに溶解させ、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を形成する溶液 (B5)を得た。固形分濃度は 30重量%となるようにした。榭脂溶 液 (B5)を榭脂フィルム (T一 1 (s); 38 μ m厚み、パナック株式会社製)上に流延塗 布、 60°Cで乾燥し、榭脂フィルム付きの厚み 35 /z mの金属めつきが形成されるため の榭脂層(b)フイノレムを得た。
[0489] 榭脂フィルム付きの金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フィルム、 40 μ m みのガラス不織布、榭脂フィルム付きの金属めつきが形成されるための榭脂層(b)フ イルム、配線加工を施したコア基板 (商品番号: MCL—E— 67、 日立化成工業 (株) 社製;銅箔の厚さ 18 μ m)、榭脂フィルム付きの金属めつきが形成されるための榭脂 層(b)フィルム、 40 m厚みのガラス不織布、榭脂フィルム付きの金属めつきが形成 されるための榭脂層(b)フィルムの順に重ねて、 170°CZ4MPaZ2時間の条件で積 層一体ィ匕した後は実施例 27と同様にして多層プリント配線板を作製した。
この配線板を用いて各種評価項目の評価手順に従 ヽ評価した。評価結果を表 3〖こ
示す。
[0490] 〔実施例 29〕
ポリイミド榭脂 10をジォキソランに溶解させ、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を形成する溶液 (B5)を得た。固形分濃度は 30重量%となるようにした。 40 m 厚みのガラス不織布に溶液 (B5)を含浸した後、 100°Cで乾燥して繊維と榭脂との複 合体を得た。
[0491] 榭脂フィルム (T一 1 (s); 38 μ m厚み、パナック株式会社製)、繊維と榭脂との複合 体、配線加工を施したコア基板 (商品番号: MCL— E— 67、 日立化成工業 (株)社製 ;銅箔の厚さ 18 m)、繊維と榭脂との複合体、榭脂フィルム (T一 l (s) ; 38 ;ζ ΐη厚み 、パナック株式会社製)の順に重ねて、 180°CZ4MPaZl時間の条件で積層一体 化した後は実施例 27と同様にして多層プリント配線板を作製した。
[0492] この配線板を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 11 に示す。
[0493] 〔実施例 30〕
ポリイミド榭脂 11をジォキソランに溶解させ、金属めつきが形成されるための榭脂層 (b)を形成する溶液 (C5)を得た。固形分濃度は 5重量%となるようにした。この溶液( C5)を用いた以外は実施例 27と同様にして多層プリント配線板を作製した。
[0494] この配線板を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 11 に示す。
[0495] 〔比較例 8〕
18 μ m厚みの電解銅箔、 50 μ m厚みのプリプレダ(ES— 3306S、利昌工業株式 会社製)、配線加工を施したコア基板 (商品番号: MCL— E— 67、 日立化成工業 (株 )社製;銅箔の厚さ 18 /ζ πι)、 50 m厚みのプリプレダ、 18 m厚みの電解銅箔の順 に重ねて、 170°CZ4MPaZ2時間の条件で積層一体ィ匕した。
[0496] その後、エッチングにより銅の厚みを 2 μ mにした後、コア基板の接続用パッドに相 当する位置に炭酸ガスレーザーにてビアホールを形成した。
[0497] さら〖こ、実施例 27と同様の条件にてデスミア、及び無電解銅めつきを施した。
[0498] 無電解めつき銅層上にレジストパターンを形成し、パターン銅の厚みが 10 μ mとな
るように電解銅パターンめっきを行った後、レジストパターンを剥離し、さらに露出した めっき銅を塩ィ匕第二鉄系エツチャントで除去して、ライン アンド スペース (LZS) =
10 μ m/10 μ mの配線を有する多層プリント配線板を作製した。
[0499] この配線板を用いて各種評価項目の評価手順に従!ヽ評価した。評価結果を表 4〖こ 示す。表 12から分力るように、電解銅箔を積層することにより形成した銅層では榭脂 層表面に大きな凹凸が形成されるため、十分なエッチングを行わねばならず、配線 が細くなつたり、配線が倒れたりし、良好に微細配線形成することができなカゝつた。
[0500] [表 11]
[0501] [表 12]
[0502] なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなぐ特許請求の範囲 に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や実施例にそれぞれ開 示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技 術的範囲に含まれる。
産業上の利用の可能性
[0503] 本発明に係る銅張積層板は、銅箔と良好な接着性を有する榭脂層とめっき銅層と
が接して積層されているため、平滑表面にもかかわらず無電解めつき銅が強固に形 成されている。このため、特に微細な配線形成が要求されるプリント配線板等に用い ることがでさる。
[0504] また本発明に係る積層体は、平滑表面にもかかわらず無電解めつき銅が強固に形 成されているために、特に微細配線形成が要求されるプリント配線板に用いることが できる。
[0505] また本発明に係る無電解めつき用材料は、平滑表面にもかかわらず無電解めつき 銅が強固に形成されているために、特に微細配線形成が要求されるプリント配線板 に用いることができる。
[0506] また本発明に係る繊維—榭脂複合体は、平滑表面にも力かわらず無電解めつき銅 が強固に形成され、また、厚み精度が良好な繊維—榭脂複合体を得ることができる ため、特に微細配線形成が要求されるプリント配線板に用いることができる。
[0507] また本発明に係る多層プリント配線板の製造方法は、銅箔をエッチングする工程が 不要で、且つ良好な微細配線形成可能な多層プリント配線板の製造であり、特に微 細配線形成性が要求される多層プリント配線板の製造に好ましく用いることができる
[0508] それゆえ、本発明は、各種電子部品の産業分野に好適に用いることができる。