JP5471931B2 - プリント配線板、金属張積層板、樹脂シート及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板、金属張積層板、樹脂シート及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板、金属張積層板、樹脂シート及びプリント配線板の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化等が進んでおり、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型薄型化、高密度化、及び多層化が進んでいる。従って、薄膜化に対応し、且つ、高密度で微細な回路を形成できるプリント配線板が求められている。
従来は、微細回路形成を達成する技術として、例えばMSAP(モディファイドセミアディティブプロセス)法によって微細回路形成が行われていた。MSAP法とは、絶縁層上に低粗度金属箔又はプライマー付き無粗化金属箔を積層し、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の金属箔をフラッシュエッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法である。例えば、前記プライマー付き無粗化金属箔として、エポキシ樹脂を主成分とし、化学粗化可能な高分子成分等を含有した接着補助剤を、無粗化金属箔に積層して得た接着補助剤付き金属箔を用いた方法がある(特許文献1)。
しかし、MSAP法では微細配線に限界があり、さらなる微細化のためにSAP(セミアディティブプロセス)法が行われ始めている。SAP法は、絶縁層表面に粗化処理を施し、前記絶縁層表面上に下地になる無電解めっき層を形成した後、MSAP法と同様、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより回路形成部の銅厚付けを行った後、レジストを除去し、前記回路形成部以外の無電解めっき層をフラッシュエッチングで除去することにより、絶縁層上に回路を形成する方法である。SAP法は、MSAP法に比べて絶縁層上に積層する金属層を薄膜化できるので、より微細な回路配線が可能となる。
しかし従来の絶縁層では、無電解めっき付き性が悪く、SAP法を行うことができないという問題点があった。そこで、絶縁層上にプライマー付き無粗化金属箔を積層した金属張積層板を作製し、前記無粗化金属箔を除去して得られるプライマー層表面に、粗化処理を行わずにSAP法による回路形成をすることで、回路形成の際の絶縁層表面に対する無電解めっき付き性を改善していた。例えば、特許文献2及び特許文献3には、金属箔と絶縁層との間に特定のポリイミド樹脂層を接着層として配置された金属張積層板が開示されている。
しかし、上述の金属張積層板を用いる方法では、無電解めっき層上に厚付けした回路のピール強度が低く、細線加工ができないという他の問題点がある。
特開2006−159900号公報 特開2006−196863号公報 特開2007−326962号公報
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、薄膜化に対応し、且つ、無電解めっき付き性及びピール強度に優れ、微細回路形成が可能であるプリント配線板を提供し、さらに前記プリント配線板を構成する金属張積層板及び樹脂シート、及び前記プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は、下記発明(1)〜(20)により達成される。
(1)コア基材上に回路層を1層のみ又は層間絶縁層を介して2層以上積層したプリント配線板であって、コア基材及び層間絶縁層の表面のうち少なくとも一つの絶縁性表面に、プライマー樹脂層を介して回路層が設けられており、前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなり、回路層が形成された面が粗化されていることを特徴とする、プリント配線板。
(2)前記層間絶縁層はプリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物で形成されている、上記(1)に記載のプリント配線板。
(3)前記プライマー樹脂層の粗化された表面の平均表面粗さRaが、0.05〜2.0である、上記(1)又は(2)に記載のプリント配線板。
(4)前記プライマー樹脂層の厚みが0.5〜10μmである、上記(1)乃至(3)のいずれか1に記載のプリント配線板。
(5)前記回路層の回路寸法(ラインアンドスペース(L/S))が、25μm/25μm以下である、上記(1)乃至(4)のいずれか1に記載のプリント配線板。
(6)コア基材の上下両面又は片面に、プライマー樹脂層を介して表面が粗化された金属箔を有し、前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなることを特徴とする、金属張積層板。
(7)前記プライマー樹脂層の粗化された表面の平均表面粗さRaが、0.05〜2.0である、上記(6)に記載の金属張積層板。
(8)前記プライマー樹脂層の厚みが0.5〜10μmである、上記(6)又は(7)に記載の金属張積層板。
(9)絶縁層の片面にプライマー樹脂層を介して表面が粗化された金属箔を有し、他面側に剥離シート又は無粗化銅箔を有し、前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなることを特徴とする、樹脂シート。
(10)前記絶縁層はプリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物で形成されている、上記(9)に記載の樹脂シート。
(11)前記プライマー樹脂層の粗化された表面の平均表面粗さRaが、0.05〜2.0である、上記(9)又は(10)に記載の樹脂シート。
(12)前記プライマー樹脂層の厚みが0.5〜10μmである、上記(9)乃至(11)のいずれか1に記載の樹脂シート。
(13)セミアディティブプロセスによって回路形成するプリント配線板の製造方法において、コア基材及び層間絶縁層の表面のうち少なくとも一つの絶縁性表面に、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなり、回路層を形成すべき面が粗化されたプライマー樹脂層を形成し、前記プライマー樹脂層上に、セミアディティブプロセスによって回路形成することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
(14)前記プライマー樹脂層上に、表面が粗化された金属箔の粗化面を向き合わせて積層した後、当該金属箔を除去することによってプライマー樹脂層の表面を粗化する、上記(13)に記載のプリント配線板の製造方法。
(15)前記プライマー樹脂層の表面に、プラズマ処理、デスミア処理又はそれら両方の表面処理を行う、上記(13)に記載のプリント配線板の製造方法。
(16)前記プライマー樹脂層上に、表面が粗化された金属箔の粗化面を向き合わせて積層し、当該金属箔を除去した後、プライマー樹脂層の表面に、プラズマ処理、デスミア処理又はそれら両方の表面処理を行う、上記(13)に記載のプリント配線板の製造方法。
(17)前記層間絶縁層は、プリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物を用いて形成される、上記(13)乃至(16)のいずれか1に記載のプリント配線板の製造方法。
(18)前記プライマー樹脂層の表面を粗化して平均表面粗さRaを0.05〜2.0とする、上記(13)乃至(17)のいずれか1に記載のプリント配線板の製造方法。
(19)前記プライマー樹脂層の厚みを0.5〜10μmとする、上記(13)乃至(18)のいずれか1に記載のプリント配線板の製造方法。
(20)前記回路層の回路寸法(ラインアンドスペース(L/S))を、25μm/25μm以下とする、上記(13)乃至(19)のいずれか1に記載のプリント配線板の製造方法。
プリント配線板の作製の際、SAP法によって回路形成をするためには、無電解めっき付き性及びピール強度の両方に優れる必要がある。従来は、絶縁層上にプライマー付き無粗化銅箔を形成し、前記無粗化金属箔を除去して得られるプライマー層表面に、粗化処理を行わずに回路形成をすることで、無電解めっき付き性を改善していたが、この方法では、無電解めっき層上に厚付けした回路のピール強度が低く、細線加工ができないという問題点があった。
一方、本発明のプリント配線板は、絶縁層の表面に、回路層が形成される面が粗化されたプライマー樹脂層を有しており、当該プライマー樹脂層は無電解めっき付き性及びピール強度に優れる。従って、薄膜化に対応し、且つ、無電解めっき付き性及びピール強度に優れ、微細回路形成が可能なプリント配線板を得ることができる。
また、本発明によれば、前記プリント配線板を構成する金属張積層板及び樹脂シートを得ることができる。
本発明のプリント配線板の一例である片面プリント配線板を示す概略断面図である。 本発明のプリント配線板が有するプライマー樹脂層を粗化する方法を説明する概念図である。 本発明のプリント配線板の回路形成方法を示す工程図である。 本発明のプリント配線板の他の一例である両面プリント配線板を示す概略断面図である。 本発明のプリプレグの製造に用いられる含浸塗布設備の一例を示す概略図である。 本発明のプリント配線板の他の一例である多層プリント配線板を示す概略断面図である。 本発明の金属張積層板の製造方法の工程の一例を示す概略図である。 本発明の金属張積層板の製造方法の工程の他の一例を示す概略図である。 本発明の金属張積層板の製造方法の工程の他の一例を示す概略図である。 本発明の金属張積層板の製造方法の工程の他の一例を示す概略図である。 本発明の樹脂シートの一例を示す概略断面図である。
(プリント配線板)
本発明のプリント配線板は、コア基材上に回路層を1層のみ又は層間絶縁層を介して2層以上積層したプリント配線板であって、コア基材及び層間絶縁層の表面のうち少なくとも一つの絶縁性表面に、プライマー樹脂層を介して回路層が設けられており、前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなり、回路層が形成された面が粗化されていることを特徴とする。
以下、本発明のプリント配線板の一例である片面プリント配線板を図面に基づいて説明する。図1は本発明の片面プリント配線板10を示す概略断面図であり、コア基材1、プライマー樹脂層2、及び回路層3を有する。
前記コア基材1としては、例えばガラス布基材エポキシ樹脂銅張積層板等の公知のコア基板、及び公知のプリプレグ等を用いることができる。
前記プライマー樹脂層2は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂に加え、さらに熱硬化性樹脂、硬化剤、充填材等を含むプライマー樹脂からなる。前記プライマー樹脂は、パラジウム触媒の付着性および無電解メッキ付き性に優れるため、前記プライマー樹脂層2と回路層3との密着性を向上させる。プライマー樹脂層2と回路層3との密着性が優れることにより、回路の微細配線加工が可能となる。また、前記プライマー樹脂を用いることにより、コア基材1及びプライマー樹脂層2からなる絶縁層全体としての熱膨張係数を小さくすることができる。
前記ポリアミド樹脂としては、特に限定されず、例えば、酸とアミンの重縮合により得られるものを用いることができる。中でも、耐熱性が向上する点から、芳香族環を有するポリアミド樹脂(芳香族ポリアミド樹脂)が好ましく、下記式(1)で表されるものがより好ましい。
Figure 0005471931
(式中、mは繰り返し単位数を表し、50〜5,000の整数である。Ar、Arは2価の芳香族基を示し、同じでも異なっていてもよい。Xは、ゴム成分のセグメントを有する基を示す。)
式(1)で表わされる芳香族ポリアミド樹脂と反応させるゴム成分としては、天然ゴム及び合成ゴムのいずれであってもよく、変性ゴムであっても未変性ゴムであってもよい。合成ゴムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、NBR(ニトリルゴム)、アクリルゴム、ポリブタジエン、イソプレン、カルボン酸変性NBR、水素転化型ポリブタジエン、エポキシ変性ポリブタジエンなどが挙げられる。ポリアミドイミドとの相溶性を上げる為にカルボン酸変性、水酸基変性やエポキシ変性したものや熱劣化を防止するために水素転化型の合成ゴムなどを用いてもよいが、NBRおよびポリブタジエンを用いることがより好ましい。
更に好ましい芳香族ポリアミド樹脂としては、フェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂がある。フェノール性水酸基を有することで、フェノール性柔軟性に加え、熱硬化性樹脂との相溶性に優れる。フェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂としては、例えば、下記式(2)で表されるものが挙げられる。
Figure 0005471931
(式中、m、nは繰り返し単位数を表し、50〜5,000の整数である。Ar、Arは2価の芳香族基を示し、同じでも異なっていてもよい。Xは、ゴム成分のセグメントを有する基を示す。)
また、芳香族ポリアミド樹脂とゴム成分とは、芳香族ポリアミド樹脂が30重量%〜85重量%、残部ゴム成分という配合で用いることが好ましい。
前記ポリイミド樹脂としては、特に限定されず、例えば、ジアミン成分と酸二無水物成分を反応させて得られるものを用いることができる。中でも、高温で加工ができ、プリント配線板の絶縁層に用いた場合に導体回路との密着性が高くなる点から、非熱可塑性ポリイミド樹脂が好ましい。
前記非熱可塑性ポリイミド樹脂は、以下のポリアミック酸を縮合させることにより得られる。
前記ポリアミック酸は、
(A)3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類のビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、
(B)ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、及び1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の直鎖状酸二無水物と、
(C)2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル及び/又はp−フェニレンジアミンと、
(D)1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、及びα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1種類のジアミン成分と、を重合させることにより得られる。
前記ポリアミドイミド樹脂としては、主鎖中にアミド基とイミド基を有する重合体であれば特に限定されず、例えば、ジカルボン酸誘導体とジイソシアネートから合成することができる。中でも、耐熱性及び低弾性率の両方が優れる点から、シロキサン変性ジアミンを含んで合成されるシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂がより好ましい。
前記プライマー樹脂は、前記ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を少なくとも1種類含んでいれば良く、2種類以上含んでいても良い。
前記ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記プライマー樹脂全体の固形分基準で10〜70重量%が好ましく、特に20〜50重量%が好ましい。含有量が前記範囲内であると、特にプライマー樹脂層のパラジウム触媒の付着性および無電解めっき付き性に優れ、且つ低熱膨張性にも優れる。
前記熱硬化性樹脂としては、公知のものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。これらは1種類単独で用いても良く、2種類以上の混合物を用いても良い。これらの中でも、導体回路との密着性の観点からエポキシ樹脂が好ましく、低熱膨張の観点からシアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂が好ましい。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、1,1,2,2−(テトラフェノール)エタンのグリシジルエーテル類、3官能、又は4官能のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用することもでき、1種類又は2種類以上と、それらのプレポリマーを併用することもできる。
これらのエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、耐熱性及び難燃性を向上させる。
前記シアネート樹脂は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
前記シアネート樹脂の種類としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、及びナフトールアラルキル型シアネート樹脂等を挙げることができる。
前記シアネート樹脂は、分子内に2個以上のシアネート基(−O−CN)を有することが好ましい。例えば、2,2’−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、1,1’−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル−1−(1−メチルエチリデン))ベンゼン、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル、フェノールノボラック型シアネートエステル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、及びフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型の多価フェノール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂等が挙げられる。これらの中で、フェノールノボラック型シアネート樹脂が難燃性、及び低熱膨張性に優れ、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、及びジシクロペンタジエン型シアネートエステルが架橋密度の制御、及び耐湿信頼性に優れている。特に、フェノールノボラック型シアネート樹脂が低熱膨張性の点から好ましい。また、更に他のシアネート樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。
前記シアネート樹脂は、単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用したり、前記シアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
前記プレポリマーは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応等により、例えば3量化することで得られるものであり、エポキシ樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば、3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
前記ビスマレイミド樹脂としては、特に限定されないが、例えば、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、p−フェニレンビスマレイミド、2,2'−[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、N,N'−エチレンジマレイミド、N,N'−ヘキサメチレンジマレイミド等が挙げられ、ポリマレイミドとしては、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用することもできる。これらのビスマレイミド樹脂の中でも、低吸水率である点などから、2,2'−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタンが好ましい。
前記熱硬化性樹脂の含有量は、特に限定されないが、前記プライマー樹脂全体の固形分基準で5〜70重量%が好ましく、特に15〜60重量%が好ましい。
前記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する場合、当該含有量は、前記プライマー樹脂全体の固形分基準で5〜60重量%が好ましく、特に15〜50重量%が好ましい。エポキシ樹脂の含有量が前記範囲内であると、特に導体回路との密着性に優れる。
また、前記熱硬化性樹脂としてシアネート樹脂を含有する場合、当該含有量は、前記プライマー樹脂全体の固形分基準で5〜50重量%が好ましく、特に5〜40重量%が好ましい。シアネート樹脂の含有量が前記範囲内であると、特に低熱膨張性に優れる。
前記硬化剤は、用いる硬化性樹脂の種類によって適宜選択することができる。例えば、エポキシ樹脂に用いる硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば特に限定することなく用いることができるが、多官能フェノール類、多官能アルコール類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いても2種類以上を併用しても良い。
これらの中でも、導体回路との密着性、及び電気的信頼性の観点から多官能フェノール類が好ましい。
前記プライマー樹脂は無機充填材を含むことが好ましい。これにより、プライマー樹脂層を薄膜化しても、優れた強度を付与することができる。さらに、プリプレグの低熱膨張化を向上することもできる。
前記無機充填材としては、例えばタルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができる。これらの中でもシリカが好ましく、特に溶融シリカ(特に球状溶融シリカ)が低熱膨張性に優れる点で好ましい。前記シリカの形状は破砕状、球状があるが、基材への含浸性を確保するために樹脂組成物の溶融粘度を下げるには球状シリカを使う等、その目的に合わせた使用方法が採用される。
前記シリカは、平均粒子径1〜100nmのシリカナノ粒子であることがより好ましい。更に、特に限定されないが、平均粒子径0.1〜0.5μmのシリカ粒子との組み合わせても良い。これにより、シリカを前記プライマー樹脂に高濃度で均一に含有させることができるからである。
尚、前記シリカの平均粒子径は、例えば、動的光散乱法により測定することができる。粒子を水中で超音波により分散させ動的光散乱法式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とする。
前記シリカの製造方法は、特に限定されないが、例えば、VMC(Vaporized Metal Combustion)法、PVS(Physical Vapor Synthesis)法等の燃焼法、破砕シリカを火炎溶融する溶融法、沈降法、ゲル法等が挙げられ、これらの中でもVMC法が特に好ましい。
前記VMC法とは、酸素含有ガス中で形成させた化学炎中にシリコン粉末を投入し、燃焼させた後、冷却することで、シリカ粒子を形成させる方法である。前記VMC法では、投入するシリコン粉末の粒子径、投入量、火炎温度等を調整することにより、得られるシリカ微粒子の粒子径を調整できるため、粒子径の異なるシリカ微粒子を製造することができる。
前記シリカナノ粒子としては、NSS−5N(トクヤマ(株)製)、Sicastar43−00−501(Micromod社製)等の市販品を用いることもできる。
前記プライマー樹脂は、特に限定されないが、カップリング剤を用いることが好ましい。前記カップリング剤は、コア基材に対してプライマー樹脂を均一に定着させ、耐熱性、特に吸湿後の半田耐熱性を改良することができる。
前記カップリング剤としては、特に限定されず、公知のものが使用できるが、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤の中から選ばれる1種以上のカップリング剤を使用することが好ましい。
前記プライマー樹脂は、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、顔料、染料、UV吸収剤、酸化防止剤、難燃剤等の上記成分以外の添加剤を添加してもよい。
前記プライマー樹脂層2の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、前記プライマー樹脂を溶剤に溶解させて樹脂ワニスとし、当該樹脂ワニスを粗度付き金属箔の粗化面上に塗布し、乾燥させ、半硬化状態のプライマー樹脂層2をコア基材1にプレス積層し、前記粗度付き金属箔をエッチング等により除去する方法が挙げられる。
前記溶媒は、前記プライマー樹脂に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
前記プライマー樹脂層2は、回路層3が形成される面が粗化されていることが好ましい。プライマー樹脂層とめっき金属との密着性は、粗化処理により形成されるプライマー樹脂層表面の凹凸の形成が大きな要因であり、加工性、信頼性の観点からプライマー樹脂層の表面は均一で緻密な凹凸状であることが望まれる。
前記プライマー樹脂層2を粗化する方法としては、例えば図2(a)〜(c)に示す以下(a)〜(c)の方法が挙げられる。つまり、(a)プライマー樹脂層2上に、粗度付き金属箔4の粗化面を向き合わせて積層し、当該金属箔4をエッチングにより除去することによってプライマー樹脂層2の表面を粗化する方法(図2(a))、(b)プライマー樹脂層2上に、粗度付き金属箔4の粗化面を向き合わせて積層し、当該金属箔4をエッチングにより除去した後、プライマー樹脂層2の表面に、プラズマ処理、デスミア処理又はそれら両方の表面処理を行う方法(図2(b))、及び(c)プライマー樹脂層2の表面に、無粗化金属箔4’を積層し、当該金属箔4’をエッチングにより除去した後、プライマー樹脂層2の表面に、プラズマ処理、デスミア処理又はそれら両方の表面処理を行う方法(図2(c))である。尚、プラズマ処理及びデスミア処理は、プライマー樹脂層2の表面を粗化するために行われる。
前記粗度付き金属箔4は、表面が粗化された金属箔であり、例えば、銅箔、アルミ箔等の金属箔、フィルム上に銅めっき処理を行って形成した銅薄膜等の表面が粗化されたものを用いることができる。
前記無粗化金属箔4’としては、前記粗度付き金属箔と同様の材質で、無粗化のものを用いることができる。
前記プライマー樹脂層2の粗化された表面の平均表面粗さRaは0.05〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.0であり、さらに好ましくは0.3〜0.8である。平均表面粗さRaが前記範囲内であることにより、プライマー樹脂層表面は均一で緻密な凹凸状となり、無電解めっき付き性及びピール強度、微細配線加工性に優れる。尚、前記平均表面粗さRaは、例えばJIS B 0601−2001に準じて測定することができる。
前記プライマー樹脂層2の厚みは、0.5〜10μmであることが好ましく、特に1〜8μmであることが好ましい。厚みが前記範囲内であることにより、前記コア基材1の特性を失うことなく薄膜化に対応したプリント配線板を得ることができる。
前記回路層3は、前記プライマー樹脂層2の粗化されている面上に、SAP法により形成される。図3に示すように、プライマー樹脂層2の粗化されている面上に無電解めっき処理を施した後(図3(a))、めっきレジスト6により非回路形成部を保護し、電気めっきにより回路形成部の銅厚付けを行い(図3(b))、めっきレジスト6の除去とフラッシュエッチングによる無電解めっき層5の除去により、プライマー樹脂層2上に回路層3を形成する(図3(c))。本発明のプリント配線板は、コア基材1上に積層されているプライマー樹脂層2の表面が粗化されており、強いめっき密着性及びピール強度を有するため、好適にSAP法による回路形成を行うことができる。
前記回路層3の回路寸法は、ラインアンドスペース(L/S)で表わすとき、25μm/25μm以下とすることができ、特に15μm/15μm以下とすることができる。回路寸法を小さくし、微細配線にすると、密着性の低下、電気的信頼性の低下が考えられるが、本発明では、プライマー層を用いることにより、ラインアンドスペース(L/S)15μm/15μm以下の微細配線が可能であり、本発明は、控え目に見積もってもラインアンドスペース(L/S)10μm/10μm程度までの微細化を達成できる。
また、本発明のプリント配線板は、図1に示すような片面プリント配線板10(一層板)でもよいし、図4に示すような両面プリント配線板100(二層板)、又は図6に示すような多層プリント配線板110(多層板)であってもよい。多層プリント配線板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により、コア基材上に層間絶縁層を介して回路層を3層以上積層したプリント配線板である。
前記層間絶縁層は、プリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物で形成されていることが好ましい。前記プリプレグ又は前記基材を含まない樹脂組成物を構成する樹脂組成物は、例えば、硬化性樹脂、硬化剤、充填材等を含有する。
前記硬化性樹脂としては、熱流動性、且つ常温固形の樹脂組成物であり、熱硬化性樹脂及び/又は高分子を主成分としてなり、加熱により軟化し、且つフィルム形成能力のある樹脂組成物であって、さらに熱硬化により耐熱性、電気特性等、層間絶縁材に要求される特性を満足するものであれば特に限定されるものではない。前記硬化性樹脂としては、絶縁材料として用いられる公知の硬化性樹脂を用いることができ、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、イソシアネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、ビニル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの硬化性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の混合物を用いてもよい。
これらの中でも、導体回路との密着性の観点からエポキシ樹脂が好ましく、低線膨張の観点からシアネート樹脂が好ましい。
前記硬化性樹脂は、誘電特性や加工性等を考慮して、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等の熱可塑性樹脂を併用しても良い。熱可塑性樹脂としては、特にこれらに限定されるものではなく、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記樹脂組成物は、さらに硬化剤、無機充填材、及びカップリング剤を含有していることが好ましいが、これらは前記プライマー樹脂に用いられるものと同様のものを用いることができる。
また、前記樹脂組成物は、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、顔料、酸化防止剤、難燃剤等の上記成分以外の添加剤を添加してもよい。
前記プリプレグは、特に限定されないが、例えば、前記樹脂組成物を溶媒に溶解させて樹脂ワニスとし、当該樹脂ワニスを基材に含浸させ、加熱乾燥して得ることができる。
前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不織布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
前記樹脂組成物を溶解させる溶媒としては、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すものが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、前記プライマー樹脂に良好な溶解性を示す溶媒と同様のものを挙げるができる。
前記プリプレグを作製する際に、前記樹脂組成物の樹脂ワニスを前記基材に含浸させる方法は、例えば基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターで樹脂ワニスを塗布する方法、スプレーで樹脂ワニスを吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対するエポキシ樹脂組成物の含浸性を向上することができる。尚、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。前記プリプレグは、前記基材に前記樹脂ワニスを含浸させ、所定温度、例えば90〜180℃で乾燥させることにより得ることができる。
前記含浸塗布設備としては、例えば、図5に示すような通常の含浸塗布設備を使用することができる。具体的には、基材11を、含浸槽12の前記樹脂ワニス13中に浸漬して、基材11に樹脂ワニス13を含浸する。その際、含浸槽12が備えるディップロール14(図5では3本)によって基材11は樹脂ワニス13中に浸漬される。次いで、樹脂ワニス13を含浸した基材11を、垂直方向に引き上げて、水平方向に並設され、対向している1対のスクイズロール又はコンマロール(図5の15はスクイズロール)の間を通して、基材11への樹脂ワニス13の塗布量を調整する。その後、樹脂ワニス13が塗布された基材11を、乾燥機16で所定の温度で加熱して、塗布されたワニス中の溶剤を揮発させると共にエポキシ樹脂組成物を半硬化させてプリプレグ17を製造する。尚、図5中の上部ロール18はプリプレグ17を進行方向に移動させるために、プリプレグ17の進行方向と同方向に回転している。また、前記樹脂ワニスの溶剤を乾燥させる条件は、温度90〜180℃、時間1〜10分で乾燥させることにより半硬化のプリプレグ17を得ることができる。
図6に本発明のプリント配線板の一例である多層プリント配線板110を示す。多層プリント配線板は、コア基板111の上側(図6中の上側)に設けられた3層のビルドアップ複合層(第1、第2及び第3のビルドアップ複合層114a〜114c)と、コア基板111の下側(図6中の下側)に設けられた3層のビルドアップ複合層(第4、第5及び第6のビルドアップ複合層114d〜114f)とで構成されている。コア基板111はスルーホール112を有した多層材料であり、上下両面にプライマー樹脂層113を有する。また、ビルドアップ複合層114a〜114fは、それぞれ層間絶縁層115、プライマー樹脂層116、及び当該プライマー樹脂層116上に回路層117を有する。各回路層117は、各ビルドアップ複合層114a〜114fを貫通して設けられたフィルドビア部118を介して電気的に接続されている。
ビルドアップ複合層(114a〜114f)が有する層間絶縁層115は、前記プリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物で形成されていることが好ましい。層間絶縁層115がプリプレグで形成される場合のビルドアップ複合層は、例えば以下の方法で形成することができる。コア基板111又は回路層117上にプリプレグを配し、当該プリプレグ上に、粗度付き金属箔上に均一なプライマー樹脂層を塗布したプライマー樹脂層付き金属箔を、プライマー樹脂層が内側になるように配し、前記プリプレグ及び前記プライマー樹脂層付き金属箔を、プレス積層により同時積層する。次いで、前記金属箔をエッチング等の方法で除去し、表面が粗化されたプライマー樹脂層116を得た後、当該プライマー樹脂層116上に、SAP法により回路層117を形成する。
層間絶縁層115がプリプレグで形成される場合のビルドアップ複合層の形成方法としては、他にも、後述のプリプレグを絶縁層とした樹脂シートを用いる方法が挙げられる。
層間絶縁層115が基材を含まない樹脂組成物で形成される場合のビルドアップ複合層は、例えば、後述の基材を含まない樹脂組成物を絶縁層とした樹脂シートを用いて形成することができる。
また、ビルドアップ複合層114a〜114fの少なくとも1枚(好ましくは全部)は厚さ100μm以下であることが好ましい。これにより、ハンドリング性に優れ、十分な強度を有する多層プリント配線板110の厚さを薄くすることができる。
尚、図6では、6層の配線板について説明したが、本発明の配線板はこれに限定されず、3層、4層、5層等、または7層、8層等の多層プリント配線板にも好適に用いることができる。
(金属張積層板)
本発明のプリント配線板は、本発明の金属張積層板を用いて製造することができる。
本発明の金属張積層板は、コア基材の上下両面又は片面に、プライマー樹脂層を介して粗度付き金属箔を有し、前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなることを特徴とする。
前記コア基材、前記粗度付き金属箔及び前記プライマー樹脂は前述のプリント配線板に用いるものと同様のものを用いることができる。
本発明の金属張積層板は、例えば図7に示すように、プライマー樹脂層付き金属箔を用いて製造することができる。まず、粗度付き銅箔4の粗化面上にプライマー樹脂のワニスを塗布し、前記ワニス中の溶剤を乾燥させて除去することにより、半硬化状態のプライマー樹脂層2が形成されたプライマー樹脂層付き金属箔20を得る。次いで、得られたプライマー樹脂層付き金属箔20を、プライマー樹脂層2を内側にして配し、コア基材1にプレス積層することによって(図7(a))、金属張積層板21を得ることができる(図7(b))。
前記プライマー樹脂層付き金属箔は、前記コア基材の片面のみに積層しても良いし、両面に積層しても良い。
本発明の金属張積層板の製造方法は、図7に示す方法に限定されず、他にも、コア基材の表面にプライマー樹脂層を積層し、当該プライマー樹脂層の表面に金属箔を積層する方法等が挙げられる。
前記プライマー樹脂層付き金属箔20は、例えば、粗度付き金属箔4の粗化面にプライマー樹脂を塗布、乾燥させることにより得られる。前記加熱の際の温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。また、必要に応じて高温槽等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
前記プライマー樹脂層付き金属箔20を得る方法は、上記塗布、乾燥による方法に限定されず、他にもプライマー樹脂シートに粗度付き金属箔をプレス積層する方法等によっても得ることができる。
また、本発明の金属張積層板を製造する別の方法として、図8に示す絶縁樹脂層付き金属箔を用いた金属張積層板の製造方法が挙げられる。まず、粗度付き金属箔31に、均一なプライマー樹脂層32をコーターで塗工し、その上に均一な絶縁樹脂層33をコーターで塗工した、絶縁樹脂層付き金属箔30を準備し、基材34の両側に、絶縁樹脂層付き金属箔30、30を、絶縁樹脂層33を内側にして配し(図8(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、金属箔付きプリプレグ41を得る(図8(b))。次いで、金属箔付きプリプレグ41を直接加熱加圧成形することで、金属張積層板50を得ることができる(図8(c))。
さらに、本発明の金属張積層板を製造する別の方法として、図9に示す絶縁樹脂層付き高分子フィルムシートを用いた金属張積層板の製造方法も挙げられる。まず、高分子フィルムシート36に、均一なプライマー樹脂層32をコーターで塗工し、その上に均一な絶縁樹脂層33をコーターで塗工した、プライマー樹脂層を有する絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート35を準備し、基材34の両側に絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート35、35を絶縁樹脂層33を内側にして配し(図9(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、両面にプライマー樹脂層を有する高分子フィルムシート付きプリプレグ42を得ることができる(図9(b))。次いで、得られた高分子フィルムシート付きプリプレグ42の高分子フィルムシート36、36を剥離し、両面にプライマー樹脂層を有するプリプレグ40を得た後(図9(c))、プリプレグ40のプライマー樹脂層32、32に粗度付き金属箔31、31を配し(図9(d))、加熱加圧成形することで金属張積層板51を得ることができる(図9(e))。
さらに、プリプレグを2枚以上積層した金属張積層板を製造することもできる。例えば図10に示すように、図9と同様の方法により得たプライマー樹脂層を有する高分子フィルムシート35と、プライマー樹脂層を有さない高分子フィルムシート35’とを、絶縁樹脂層33を内側にして配し(図10(a))、基材34にラミネート含浸させる方法により、片面のみにプライマー樹脂層を有した高分子フィルムシート付きプリプレグ42’を得ることができる(図10(b))。次いで、得られた高分子フィルムシート付きプリプレグ42’の高分子フィルムシート36、36を剥離し、片面のみにプライマー樹脂層を有するプリプレグ40’を得る(図10(c))。プライマー樹脂層32が外側となるように2枚のプリプレグ40’、40’を配し、さらに当該プライマー樹脂層32、32上に粗度付き金属箔31、31を配し(図10(d))、加熱加圧成形することで金属張積層板52を得ることができる(図10(e))。前記加熱加圧成形する条件としては、温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、0.1〜5MPaが好ましく、特に0.5〜3MPaが好ましい。本発明では、基材付きでプリプレグを作製するため、プリプレグの表面平滑性が高く低圧成形が可能となる。また、必要に応じて高温槽等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
尚、図8〜10では両面金属張積層板の製造方法を示したが、金属箔付きプリプレグ又は高分子フィルムシート付きプリプレグの、片面のみの金属箔又は高分子フィルムシートを剥離し、当該剥離した面のプライマー樹脂層に粗度付き金属箔を積層することで、片面金属張積層板を得ることもできる。
本発明のプリント配線板は、本発明の金属張積層板を用いて製造することができる。例えば、段落0039に記載の(a)〜(c)と同様の方法で前記金属張積層板が有する金属箔を除去し、表面が粗化されたプライマー樹脂層を露出させた後、当該プライマー樹脂層の表面上にSAP法により導体回路を形成することにより、本発明のプリント配線板を製造することができる。
(樹脂シート)
本発明のプリント配線板は、特に多層プリント配線板とするときに、本発明の樹脂シートを用いて製造することができる。
本発明の樹脂シートは、絶縁層の片面にプライマー樹脂層を介して表面が粗化された金属箔を有し、他面側に剥離シート又は無粗化銅箔を有し、前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなることを特徴とする。
図11に、本発明の樹脂シートの一例として、粗度付き金属箔61、プライマー樹脂層62、絶縁層63、及び剥離シート64を有する樹脂シート60の概略断面図を示す。
前記絶縁層63としては、本発明のプリント配線板が有する前記層間絶縁層と同様のプリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物を用いることができる。前記粗度付き金属箔61及び前記プライマー樹脂層62は、前述のプリント配線板および金属張積層板に用いるものと同様のものを用いることができる。
前記剥離シート64としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンで構成されるシートが最も好ましい。これにより、絶縁層から適度な強度で剥離することが容易となる。
樹脂シート60の製造方法としては、特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。基材を含まない樹脂組成物を絶縁層63とする場合は、まず、粗度付き銅箔61の粗化面上に、均一なプライマー樹脂層62をコーターで塗工したプライマー樹脂層付き金属箔を準備する。次いで、得られたプライマー樹脂層付き金属箔のプライマー樹脂層62上に、樹脂組成物のワニスを塗布、乾燥することにより絶縁層63を積層し、当該絶縁層63上に剥離シート64を積層する。
プリプレグを前記絶縁層63とする場合は、前記プライマー樹脂層付き金属箔のプライマー樹脂層62上にプリプレグを加熱加圧により積層し、当該絶縁層63上に剥離シート64を積層する。
また、プリプレグを前記絶縁層63とする場合の樹脂シート60の他の製造方法として、以下の方法も挙げられる。まず、前記プライマー樹脂層付き金属箔の上にさらに樹脂組成物のワニスを塗布、乾燥した絶縁樹脂層付き金属箔と、剥離シート64上に樹脂組成物のワニスを塗布、乾燥した絶縁樹脂層付き剥離シートを準備する。次いで、絶縁層が基材に接するように、基材の一方の面に前記絶縁樹脂層付き金属箔を配し、基材のもう一方の面には絶縁樹脂層付き剥離シートを配して、真空中で加熱加圧してラミネート含浸させる。
本発明のプリント配線板は、特に多層プリント配線板とするときに、本発明の樹脂シートを用いて製造することができる。例えば、樹脂シート60が有する剥離シート64を剥離し、露出された絶縁層63の表面がコア基板に接するように配して前記樹脂シート60をプレス積層する。次いで、粗度付き金属箔61を除去し、露出されたプライマー樹脂層62の粗化表面上に、SAP法により回路層を形成する。同様にして、前記回路層上に樹脂シート60を積層し、さらに回路層を形成することを繰り返すことにより、本発明の多層プリント配線板を製造することができる。尚、樹脂シート60が有する絶縁層63が多層プリント配線板の層間絶縁層となり、前記絶縁層63としては、プリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物を用いることができる。
以下において、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。尚、以下に示す平均表面粗さRaは、JIS B 0601−2001に準じて測定した値である。
(実施例1)
(1)プライマー用樹脂ワニス(I)の調製
エポキシ樹脂としてメトキシナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP−5000)30重量部(以下、部と略す)、シアネート樹脂としてフェノールノボラック型シアネート樹脂(LONZA社製、Primaset PT−30)10部、ポリアミド樹脂として水酸基含有ポリアミド樹脂(日本化薬社製、KAYAFLEX BPAM155)20部、硬化剤としてイミダゾール(四国化成社製、キュアゾール1B2PZ)0.3部をジメチルアセトアミドとメチルエチルケトンの混合溶媒で30分攪拌し、溶解させた。さらに、カップリング剤としてエポキシシランカップリング剤(日本ユニカー社製、A187)0.2部と無機充填材としてシリカナノ粒子(トクヤマ社製、NSS−5N、平均粒子径70nm)40部を添加して、高速攪拌装置を用いて10分攪拌し、固形分30%の樹脂ワニス(I)を調製した。
(2)プライマー樹脂層付き粗度付き銅箔の作製
前記で得られた樹脂ワニス(I)を、銅箔(MT18SD−H、厚さ3μm、平均表面粗さRa0.6、18μmキャリア付き、三井金属鉱業株式会社製)の片面に、コンマコーター装置を用いて乾燥後のプライマー樹脂層の厚さが5μmとなるように塗工し、これを160℃の乾燥装置で10分間乾燥して、プライマー樹脂層付き粗度付き銅箔を作製した。尚、前記銅箔の表面粗さRaは、当該銅箔を除去した際に露出する樹脂層表面の表面粗さとなる。
(3)樹脂ワニス(II)の作製
ノボラック型シアネート樹脂(ロンザジャパン社製、プリマセット PT−60、重量平均分子量約2,600)15重量部(以下、部と略す)と、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000P、エポキシ当量275)8部と、ビフェニルジメチレン型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−S、水酸基当量203)7部と、エポキシシラン型カップリング剤(日本ユニカー社製、A−187)を後述する無機充填材100部に対して0.3部と、をメチルエチルケトンに常温で溶解し、無機充填材として球状溶融シリカSFP−10X(電気化学工業社製、平均粒径0.3μm)20部および球状溶融シリカSO−32R(アドマテックス社製、平均粒径1.5μm)50部を添加し、高速攪拌機を用いて10分攪拌して樹脂ワニスを調製した。
(4)金属張積層板の作製
次に、上述の樹脂ワニス(II)をガラス織布(Eガラスで構成されている平織りの基材、厚さ100μm、縦糸の織密度60本/インチ、横糸の織密度58本/インチ、日東紡績社製、WEA−116E、室温から250℃での熱膨張係数6ppm/℃)に含浸し、120℃の加熱炉で2分間乾燥してワニス固形分(プリプレグ中に樹脂とシリカの占める割合)が約50%のプリプレグを得た。
得られたプリプレグの両面に前記プライマー樹脂層付き粗度付き銅箔を重ねて、圧力3MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形することによって0.1mmの金属張積層板(熱膨張係数11ppm)を得た。
(比較例1)
プライマー樹脂層付き粗度付き銅箔に替えて、粗度付き銅箔(MT18SD−H、厚さ3μm、平均表面粗さRa0.6、18μmキャリア付き、三井金属鉱業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に金属張積層板を製造した。
(比較例2)
プライマー樹脂層付き粗度付き銅箔に替えて、プライマー樹脂層付き無粗化銅箔(MT18DMT、厚さ3μm、平均表面粗さRa0.03、18μmキャリア付き、三井金属鉱業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様に金属張積層板を製造した。
(評価)
各実施例及び比較例で得られた金属張積層板を用いて、以下の評価を行った。評価項目を内容と共に示し、得られた結果を表1に示す。
1.無電解めっき付き性
各実施例及び比較例で得られた金属張積層板を塩化第二鉄溶液で両面の銅箔を全面エッチングした後、アルカリクリーナー(スルカップ ACL−009、上村工業(株)製)に5分間浸漬し、さらにパラジウム触媒化処理液(ALCUP Activator、上村工業(株)製)に5分間浸漬してパラジウム触媒を吸着させた。続いて、パラジウム触媒還元処理液(ALCUP Reducer MAB、上村工業製)に3分間浸漬してパラジウム触媒の還元処理を行った。その後、無電解銅めっき液(Thru−cup PEA、上村工業(株)製)に15分間浸漬して無電解銅めっき層を形成した。
樹脂層表面に無電解めっきが形成されているかどうかを評価した。
○:無電解銅めっきが全面に析出
×:無電解銅めっきが未析出又は一部析出
2.微細配線加工性
前記1.無電解めっき付き性の評価で得られた無電解めっきされたプリプレグに、めっき用レジスト層を形成し、所望も回路パターンについて、20μm厚の電解めっきを行い、めっきレジストを剥離した。その後、全面をフラッシュエッチングして、L/S=15μm/15μmのパターン形成を試みた。
○:配線飛び(剥離)がなく、微細配線加工可能
×:配線飛び(剥離)があり、微細配線加工不可能
3.ピール強度測定
前記1.無電解めっき付き性の評価で得られた無電解めっきされたプリプレグに電解めっきを行い、25μm厚の電解めっき層を形成した後、23℃における幅10mmのピール強度を測定した。尚、ピール強度測定は、JIS C 6481に準拠して行った。
Figure 0005471931
実施例1の金属張積層板は、プライマー樹脂層付き粗度付き銅箔を有するため、前記銅箔を除去して露出するプライマー樹脂層表面が粗化されており、無電解めっきが全面に析出し、ピール強度が強く、配線飛び(剥離)がなく、微細配線加工性に優れていた。一方、プライマー樹脂層を有さない粗度付き銅箔を有する比較例1の金属張積層板は、前記銅箔を除去して露出する樹脂層表面が粗化されているものの、無電解めっきが付かないため、配線加工ができず、ピール強度測定もできなかった。プライマー樹脂層付き無粗化銅箔を有する比較例2の金属張積層板は、前記銅箔を除去して露出するプライマー樹脂層表面が低粗度であり、無電解めっきが全面に析出するものの、ピール強度が弱く、配線飛び(剥離)があり、微細配線加工は不可能であった。
従って、絶縁層の表面に、表面が粗化されたプライマー樹脂層を有し、当該プライマー樹脂層の粗化された表面上に回路層を有する本発明のプリント配線板は、無電解めっき付き性及びピール強度に優れ、微細回路形成が可能であることがわかる。
1 コア基材
2 プライマー樹脂層
3 回路層
4 粗度付き金属箔
4’ 無粗化金属箔
5 無電解めっき層
6 めっきレジスト層
7 電解めっき層
11 基材
12 含浸槽
13 樹脂ワニス
14 ディップロール
15 スクイズロール
16 乾燥機
17 プリプレグ
18 上部ロール
20 プライマー樹脂層付き金属箔
21 金属張積層板
30 絶縁樹脂層付き金属箔
31 粗度付き金属箔
32 プライマー樹脂層
33 絶縁樹脂層
34 基材
35 プライマー樹脂層を有する絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート
35’ プライマー樹脂層を有さない絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート
36 高分子フィルムシート
40 両面にプライマー樹脂層を有するプリプレグ
40’ 片面のみにプライマー樹脂層を有するプリプレグ
41 金属箔付きプリプレグ
42 両面にプライマー樹脂層を有する高分子フィルムシート付きプリプレグ
42’ 片面のみにプライマー樹脂層を有する高分子フィルムシート付きプリプレグ
50 金属張積層板
51 金属張積層板
52 金属張積層板
60 樹脂シート
61 粗度付き金属箔
62 プライマー樹脂層
63 絶縁層
64 剥離シート
100 両面プリント配線板
110 多層プリント配線板
111 コア基板
112 スルーホール
113 プライマー樹脂層
114a〜114f ビルドアップ複合層
115 層間絶縁層
116 プライマー樹脂層
117 回路層
118 フィルドビア部

Claims (20)

  1. コア基材上に回路層を1層のみ又は層間絶縁層を介して2層以上積層したプリント配線板であって、コア基材及び層間絶縁層の表面のうち少なくとも一つの絶縁性表面に、プライマー樹脂層を介して回路層が設けられており、
    前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなり、回路層が形成された面が粗化されていることを特徴とする、プリント配線板。
  2. 前記層間絶縁層はプリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物で形成されている、請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 前記プライマー樹脂層の粗化された表面の平均表面粗さRaが、0.05〜2.0である、請求項1又は2に記載のプリント配線板。
  4. 前記プライマー樹脂層の厚みが0.5〜10μmである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  5. 前記回路層の回路寸法(ラインアンドスペース(L/S))が、25μm/25μm以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  6. コア基材の上下両面又は片面に、プライマー樹脂層を介して表面が粗化された金属箔を有し、
    前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなることを特徴とする、金属張積層板。
  7. 前記プライマー樹脂層の粗化された表面の平均表面粗さRaが、0.05〜2.0である、請求項6に記載の金属張積層板。
  8. 前記プライマー樹脂層の厚みが0.5〜10μmである、請求項6又は7に記載の金属張積層板。
  9. 絶縁層の片面にプライマー樹脂層を介して表面が粗化された金属箔を有し、他面側に剥離シート又は無粗化銅箔を有し、
    前記プライマー樹脂層は、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなることを特徴とする、樹脂シート。
  10. 前記絶縁層はプリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物で形成されている、請求項9に記載の樹脂シート。
  11. 前記プライマー樹脂層の粗化された表面の平均表面粗さRaが、0.05〜2.0である、請求項9又は10に記載の樹脂シート。
  12. 前記プライマー樹脂層の厚みが0.5〜10μmである、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の樹脂シート。
  13. セミアディティブプロセスによって回路形成するプリント配線板の製造方法において、コア基材及び層間絶縁層の表面のうち少なくとも一つの絶縁性表面に、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂よりなる群から選ばれる樹脂を含むプライマー樹脂からなり、回路層を形成すべき面が粗化されたプライマー樹脂層を形成し、
    前記プライマー樹脂層上に、セミアディティブプロセスによって回路形成することを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
  14. 前記プライマー樹脂層上に、表面が粗化された金属箔の粗化面を向き合わせて積層した後、当該金属箔を除去することによってプライマー樹脂層の表面を粗化する、請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。
  15. 前記プライマー樹脂層の表面に、プラズマ処理、デスミア処理又はそれら両方の表面処理を行う、請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。
  16. 前記プライマー樹脂層上に、表面が粗化された金属箔の粗化面を向き合わせて積層し、当該金属箔を除去した後、プライマー樹脂層の表面に、プラズマ処理、デスミア処理又はそれら両方の表面処理を行う、請求項13に記載のプリント配線板の製造方法。
  17. 前記層間絶縁層は、プリプレグ又は基材を含まない樹脂組成物を用いて形成される、請求項13乃至16のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  18. 前記プライマー樹脂層の表面を粗化して平均表面粗さRaを0.05〜2.0とする、請求項13乃至17のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  19. 前記プライマー樹脂層の厚みを0.5〜10μmとする、請求項13乃至18のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
  20. 前記回路層の回路寸法(ラインアンドスペース(L/S))を、25μm/25μm以下とする、請求項13乃至19のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
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