WO2006104050A1

WO2006104050A1 - 燃料供給タンク及び燃料供給システム並びに同システムに使用する燃料噴射装置

Info

Publication number: WO2006104050A1
Application number: PCT/JP2006/305998
Authority: WO
Inventors: Toshio Karasawa; Shogo Hashimoto
Original assignee: Mikuni Corp.
Priority date: 2005-03-25
Filing date: 2006-03-24
Publication date: 2006-10-05
Also published as: JPWO2006104050A1; US20090020104A1; EP1870593A1; TW200636156A

Description

明細書

燃料供給タンク及び燃料供給システム並びに同システムに使用する燃料噴射装置

技術分野

[0001] 本発明は、例えば二輪車等に適用される小型の内燃機関 (エンジン）に対して燃料の供給を行うための燃料供給タンク及び燃料供給システム並びにこの燃料供給システムに使用する燃料噴射装置に係り、さらに詳細には、燃料内のベーパを確実に分離することができると共に全体的構成の簡素化を図り、また燃料供給タンクに戻される余剰燃料によってタンク内の燃料が加温されることを抑制することができる燃料供給タンク及び燃料供給システム並びに燃料噴射装置に関する。

背景技術

[0002] 近年、例えば二輪車等に適用される小型のエンジンに対しても、電子制御燃料噴射装置が提案されている。例えば、当該装置は、日本国の特開 2003— 129912号公報 (特許文献 1)に開示されている。

[0003] 前記特許文献 1には、燃料ポンプと噴射ノズルとを一体ィ匕したポンプ'インジェクタが提案されており、このポンプ'インジェクタに対する燃料の供給は、燃料タンクに接続した補助ポンプによって行われて、る。この補助ポンプとポンプ'インジェクタとを接続した配管の途中にフィルタが配置されている。そして、前記ポンプ'インジェクタに供給された余剰の燃料は戻り配管によって燃料タンクへ戻されている。

[0004] 前記構成においては、補助ポンプ，フィルタ及びポンプ'インジェクタがそれぞれ個別に設けてあり、全体的構成の簡素化を図る上においてさらなる改善が求められるものであり、また戻り配管力も戻された燃料によってタンク内の燃料が加温されるという問題がある。

[0005] この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、全体的構成の簡素化を図ることができると共に、戻った燃料がタンク内全体に拡がるようなことがなぐ戻った燃料によってタンク内の燃料が加温されることを抑制することができる、燃料供給タンク及び燃料供給システム並びに同システムに使用する燃料噴射装置を提供することにある。

[0006] 更に、この発明の目的は、燃料と共に戻されたベーパの分離を容易に行い得る燃料供給タンク及び燃料供給システム並びに同システムに使用する燃料噴射装置を提供することにある。

発明の開示

[0007] 上記目的を達成するために、本発明の第 1アスペクトに基く燃料供給タンクは、以下を備えてヽる：燃料を貯留するタンク本体；前記タンク本体内に設けられた燃料フィルタ；前記タンク本体内の燃料を燃料噴射装置へ供給するための燃料供給通路；前記燃料噴射装置からの余剰燃料及びべーパを前記タンク本体内に戻すための燃料戻し通路;及び前記燃料フィルタによって区画されたクリーン燃料室であって、前記燃料供給通路及び燃料戻し通路が前記クリーン燃料室内に連通されていて、上記構成において、前記クリーン燃料室内においてべーパと燃料との分離が行われる。

[0008] 前記第 1アスペクトから従属する本発明の第 2アスペクトに基く燃料供給タンクは、前記構成において、前記燃料フィルタはほぼ円筒形状に構成してあり、その内径は 1 Omm以上である。

[0009] 前記第 1アスペクト又は前記第 2アスペクトから従属する本発明の第 3アスペクト〖こ基く燃料供給タンクは、更に以下を備えている:メインタンクからの燃料を流入させる流入路であって、前記タンク本体に設けられている；及び前記タンク本体においてォ一バーフローする燃料を前記メインタンクへ戻すための流出路であって、前記タンク本体に設けられている。

[0010] 前記第 1アスペクト乃至前記第 3アスペクトの内のいずれ力 1つのアスペクトから従属する本発明の第 4アスペクトに基く燃料供給タンクは、前記構成において、前記燃料供給通路の流入口と前記燃料戻し通路の流出口とは、相互に近接した位置に存在していて、且つ、相互に対向した状態である。

[0011] 前記第 1アスペクト乃至前記第 4アスペクトの内のいずれ力 1つのアスペクトから従属する本発明の第 5アスペクトに基く燃料供給タンクは、更に以下を備えている：前記クリーン燃料室の上部に設けられる脱気ポート。

[0012] 本発明の第 6アスペクトに基く燃料供給システムは、以下を備えている:燃料を貯留するためのタンク本体；前記タンク本体内に設けられた燃料フィルタ；前記タンク本体内の燃料を燃料噴射装置へ供給するための燃料供給通路；前記燃料噴射装置からの余剰燃料及びべーパを前記タンク本体内に戻すための燃料戻し通路；前記燃料フィルタによって区画されたクリーン燃料室であって、前記燃料供給通路及び燃料戻し通路が前記クリーン燃料室内に連通されていて、上記構成において、前記クリーン燃料室内においてべーパと燃料との分離が行われる;及び内燃機関に対して燃料を噴射するための前記燃料噴射装置。

[0013] 前記第 6アスペクトから従属する本発明の第 7アスペクトに基く燃料供給システムは、前記構成において、前記燃料噴射装置は、流入口から加圧室内に流入した燃料を加圧する往復動自在なプランジャを有し、自己加圧式の燃料噴射装置である;及び前記プランジャは、その先端部に形成された逃げ部であって、前記加圧室に連通したべーパ排出孔を回避する逃げ部を有する。

[0014] 本発明の第 8アスペクトに基く燃料噴射装置は、以下を備えている：流入口からカロ圧室内に流入した燃料を内燃機関へ噴射するために当該燃料を加圧する往復動自在なプランジャ;及び前記プランジャの先端部に形成された逃げ部であって、前記カロ圧室に連通したベーパ排出孔を回避する逃げ部。

[0015] 上述本発明の第 1アスペクト乃至第 8アスペクトによれば、タンク本体内に燃料フィルタを備えており、この燃料フィルタによって区画されたクリーン燃料室内に、燃料噴射装置へ燃料を供給するための燃料供給路及び上記燃料噴射装置力ゝらの燃料戻し通路が連通してあるので、全体的構成の簡素化を図ることができる。

[0016] また、戻った燃料がタンク内全体に拡がるようなことがなぐ戻った燃料によってタンク内の燃料が加温されることを抑制することができる。

[0017] 更に、燃料と共に戻されたベーパの分離をも容易に行い得る。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]図 1は、本発明の実施形態に係る燃料供給システムを概念的，概略的に示した説明図である。

[図 2]図 2は、図 1に示した燃料噴射装置の断面を概念的，概略的に示した詳細説明図である。発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。

[0020] 図 1に概念的，概略的に示すように、本発明の実施形態に係る燃料供給システムは、燃料供給タンク 1と、例えば二輪車や船外機などのごとき小型の内燃機関（図示省略)に対して燃料の噴射を行う燃料噴射装置 (インジェクタ) 3 (詳細な構成は後述する）とを備えてなるものである。なお、前記燃料供給タンク 1の容量によっては、多量の燃料を貯留することのできるメインタンク 5を備えることが望ましい。

[0021] 前記燃料供給タンク 1は、図 1に示すように、ガソリン等のごとき液体燃料を貯留するためのタンク本体 7を備えている。このタンク本体 7における上部は蓋部材 9によつて閉じられており、この蓋部材 9の中央部に備えた筒状の嵌合部 11には、ほぼ円筒形状の燃料フィルタ 13の上部を支持したフィルタホルダ 15が嵌合してある。

[0022] そして、前記フィルタホルダ 15の上部には気体の流出を行うための脱気ポートが設けてある。すなわち、前記フィルタホルダ 15と前記嵌合部 11の奥の部分との間には、フィルタホルダ 15と嵌合部 11との間の間隙力タンク本体 7内への気体の流出は許容する力前記フィルタホルダ 15の内側への液体燃料の流入を阻止する気液分離手段 17が設けられている。この気液分離手段 17としては、適宜のフィルタや、気体の透過を許容するが液体の透過を阻止する適宜の気液分離膜等を採用することができる。

[0023] 前記燃料フィルタ 13の下端部を嵌合支持した嵌合支持部 19に対応して、前記タンク本体 7における底部の下面には下方向へ突出した下方突出部 21が形成してあり、この下方突出部 21の中央部には、前記燃料フィルタ 13の内部空間 23に連通した連通穴 25が形成してある。そして、上記連通穴 25には、前記インジヱクタ (燃料噴射装置） 3へ燃料を供給するための燃料供給通路 27と前記インジヱクタ 3からの余剰燃料及び燃料内に発生したベーパを戻すための燃料戻し通路 29とが接続してある。

[0024] 前記燃料供給通路 27の流入口 31と前記燃料戻し通路 29の流出口 33は前記連通穴 25の対称位置に設けてあって互いに対向してある。すなわち、前記燃料供給通路 27、流入口 31と燃料戻し通路 29、流出口 33は対称形に構成してあり、かつ互いに近接して設けてある。したがって、燃料供給通路 27と燃料戻し通路 29は予め定めてあるものではなぐ前記インジェクタ 3においての燃料流入側に接続された方が燃料供給通路 27となり、前記インジェクタ 3におヽての燃料戻し側に接続された方が燃料戻し通路 29となるものである。よって、前記インジェクタ 3との接続が容易に行われ得るものである。

[0025] ところで、前記燃料フィルタ 13によって囲繞された前記内部空間 23は、燃料フィルタ 13によって濾過されたクリーンな燃料を貯留するクリーン燃料室を構成するものである。すなわち前記クリーン燃料室 23は燃料フィルタ 13によって区画してあり、前記インジェクタ 3から燃料戻し通路 29を経て戻された余剰燃料がタンク本体 7内に広がらないよう構成してある。そして、前記インジェクタ 3から余剰燃料と共に戻されたベーパを円滑に分離するように、内径は約 10mm以上に構成してある。

[0026] すなわち、燃料フィルタ 13の内径が約 10mm以下になると、燃料内に発生したベーパが上昇して分離されるとき、燃料フィルタ 13内の燃料が上記べーパと共に上昇される傾向にある。したがって、燃料フィルタ 13の内径は約 10mm以上とすることが望ましいものである。そして、燃料フィルタ 13の内径は、燃料フィルタ 13の厚さやタンク本体 7の大きさにもよるが、必要以上に大きいと全体的構成が大型化するので、約 30mm以下であることが望まし、。

[0027] 以上のごとき構成において、インジェクタ 3を作動してエンジンに対する燃料噴射を行うと、燃料フィルタ 13によって区画されたクリーン燃料室（内部空間） 23の燃料が燃料供給通路 27を経てインジェクタ 3へ供給される。そして、余剰燃料及びエンジンによって加熱された状態にあるインジェクタ 3において燃料が加熱されて生じたベーパは燃料戻し通路 29を経て連通穴 25,クリーン燃料室 23内に戻される。

[0028] 前記べーパは、連通穴 25,クリーン燃料室 23内を上昇することにより燃料と分離される。この際、ベーパの上昇時に、連通穴 25,クリーン燃料室 23内の燃料も上昇される傾向にあるが、クリーン燃料室 23内の内径が約 10mm以上と大きいので、燃料がべーパと一体的に上昇するようなことがなぐ円滑な分離が行われるものである。すなわちベーバロック的現象を生じるようなことがないものである。さらに、前記燃料戻し通路 29から戻った温かい燃料は、流出口 33と流入口 31とが近接して対向してあることにより、ベーパが浮上した後に流入口 31から吸引される傾向にあり、またクリーン燃料室 23が燃料フィルタ 13によって区画してあることにより、タンク本体 7内に広がるようなことがなぐタンク本体 7内の燃料を加温するようなことがないものである。

[0029] ところで、前記燃料供給タンク 1の容量が少ない場合には、多量の燃料を貯留することのできる前記メインタンク 5を設けることが望ましい。そして、当該メインタンク 5から前記タンク本体 7内へ燃料を供給するための燃料ポンプ 35をメインタンク 5の内部又は外部に設け、この燃料ポンプ 35と前記タンク本体 7に備えた流入路 37とを流入通路 (流入管） 39を介して接続する。また、前記流入路 37より上側においてタンク本体 7に備えたオーバーフロー用の流出路 41と前記メインタンク 5とを流出通路 43を介して接続する。

[0030] 前記説明より理解されるように、燃料供給タンク 1におけるタンク本体 7内に燃料フィルタ 13によって区画されたクリーン燃料室 23を備え、このクリーン燃料室 23に、インジェクタ 3に対して燃料を供給する燃料供給通路 27及び前記インジェクタ 3からの余剰燃料の戻し通路 29を連通してあるので、全体的構成の簡素化を図ることができると共に、戻った燃料がタンク本体 7内に広がることを防止して、タンク本体 7内の燃料が加温されることを防止することができる。また、前記構成によれば、前記流入口 31,流出口 33が近接してあって対称形に構成してあるので、タンク本体 7を榭脂によって射出成形する場合の金型の構成の簡素化を図ることができるものである。

[0031] ところで、前記説明においては、燃料フィルタ 13を円筒形状に構成した場合について説明したが、前記構成に限ることなぐ例えばタンク本体 7内を、燃料フィルタ 13によって燃料室とクリーン燃料室 23とに単に区画する構成とすることも可能である。また、場合によっては、燃料フィルタ 13をドーム形状とすることも可能である。すなわち、タンク本体 7内に、燃料フィルタ 13によってクリーン燃料室 23を区画する構成としては種々の構成を採用可能なものである。

[0032] 図 2に、概念的，概略的に示すように、前記インジヱクタ 3は、前記燃料供給タンク 1 における燃料供給通路 27と配管を介して接続する流入口 45を備えたハウジング 47 を備えており、このハウジング 47の上部には、前記燃料供給タンク 1における前記燃料戻し通路 29と配管を介して接続する流出口 49が備えられている。そして、前記ハウジング 47内には前記流入口 45と流出口 49とを連通した連通内孔 51が形成してある。

[0033] 前記連通内孔 51内には、プランジャ 53を往復動自在に備えたユニットハウジング 5 5が嵌合配置してある。このユニットハウジング 55に形成したプランジャ収容部 57内に往復動自在に備えた前記プランジャ 53とプランジャ収容部 57の底部との間にはリターンスプリングのごとき弾性部材 59が弹装してあって、プランジャ 53は、図 2において常に上方向に付勢されている。さらに、前記弾性部材 59の付勢力に抗して前記プランジャ 53を、図 2において下方向へ急激に動作移動するために、前記ハウジング 4 7には作動コイル 61が備えられて、る。

[0034] 前記プランジャ 53の先端部に対応して、前記ユニットハウジング 55には加圧室 63 が形成してあり、この加圧室 63には、前記ハウジング 47の流入口 45,連通内孔 51 に連通した流入口 65が形成してあり、この流入口 65には、燃料の加圧室 63側への流入は許容するが流出を阻止する構成の逆流防止弁 67が設けてある。さらに、前記加圧室 63には、前記弾性部材 59の作用によって上昇された状態にある前記プランジャ 53の先端面（下端面） 53Fとほぼ同一高さ位置において横方向に設けた小径のベーパ排出孔 69が設けてある。

[0035] 上記べーパ排出孔 69は、前記加圧室 63内における燃料が加温されて発生したベーパを排出するもので、前記連通内孔 51に連通してある。そして、前記べーパ排出孔 69には、前記加圧室 63内から連通内孔 51側への燃料，ベーパの流出は許容するが流入を防止するための逆流防止弁 71が設けてある。

[0036] そして、前記プランジャ 53における先端部には、前記べーパ排出孔 69のエッジ部分とプランジャ 53の先端エッジ部との接触を回避するための逃げ部 73の一例としてテーパ部が形成してある。なお、上記逃げ部 73としてはテーパ部に限ることなぐ先端外周面を微少量研削して先端部付近に微細な段差部を形成した構成とすることも可能である。

[0037] 上記逃げ部 73の逃げ量としては、 3 π！〜 10 m程度の範囲が望ましい。すなわち、逃げ量が少ない場合には、前述の回避が充分でなぐまた逃げ量が大きすぎると、燃料噴射の噴射量に影響することとなり、望ましいものでない。

[0038] 前記ユニットハウジング 55の下端部側には、ポペット弁 75を上下動自在に内装したノズルユニット 77がー体的に設けてある。より詳細には、前記ノズルユニット 77に形成した内孔 77H内には、ノズルユニット 77に備えたノズル孔 79を開閉自在な前記ポペット弁 75が上下動自在に内装してあり、このポペット弁 75は、ノズルユニット 77内に内装した復帰スプリングのごとき弾性部材 81の付勢力によって常に上方向へ付勢されている。そして、前記内孔 77Hと前記加圧室 63は、オリフィス 83及びチェック弁 85を介して連通してある。

[0039] 上記構成により、インジェクタ 3においては、作動コイル 61を励磁してプランジャ 53 を弾性部材 59の付勢力に抗して下方向へ急激に移動すると、加圧室 63内の燃料はプランジャ 63によって加圧され、ノズルユニット 77の内孔 77H内へ流入する。内孔 7 7H内においてポペット弁 75の上端面に作用する圧力によって上記ポペット弁 75が弾性部材 81の付勢力に抗して下降されると、ノズル孔 79が開かれて、エンジン内への燃料の噴射が行われる。

[0040] 前述のごとくプランジャ 53が下降する際、加圧室 63内において燃料に生じたベーパは加圧室 63の上部におけるベーパ排出孔 69部分に集合しており、プランジャ 53 が下降するときにべーパ排出孔 69から連通内孔 51側へ排出（流出）される。そして、連通内孔 51内へ排出されたべーパは、前記流入口 45から流入した余剰燃料と共に前記流出口 49から前記燃料供給タンク 1における燃料戻し通路 29を経て前記タリーン燃料室 23内へ戻され、前述したように、燃料とベーパとの分離が行われる。

[0041] 前述のごとくプランジャ 53を下降するとき、プランジャ 53の先端部にテーパ部等の逃げ部 73が形成してあることにより、前記べーパ排出孔 69のエッジ部とプランジャ 5 3の先端部のエッジ部が接触するようなことがなぐ上記接触に起因するような摺動抵抗の僅かな変化をも生じるようなことがなぐプランジャ 53の安定した摺動が行われる。したがって、プランジャ 53の摺動抵抗の変化による燃料の僅かな噴射流量変化が生じることなぐ噴射流量の精度向上を図ることができるものである。

[0042] 前記作動コイル 61が消磁され、弾性部材 59の作用によって前記プランジャ 53が上昇復帰されるときには、前記加圧室 63内が負圧になるので、流入口 65から新たに燃料の吸弓 I流入が行われて初期状態に復帰するものである。

[0043] すなわち上記構成のインジェクタ 3によれば、燃料に生じたベーパの排出を容易に行うことができると共に全体的構成の簡素化を図ることができ、また燃料の噴射量の精度向上を図ることができるものである。

[0044] なお、日本国特許出願第 2005— 089504号（2005年 3月 25日出願）の全内容が

、参照により、本願明細書に組み込まれている。

[0045] 本発明は、前述の発明の実施の形態の説明に限るものではなぐ適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 燃料供給タンクであって、以下を含む：

燃料を貯留するタンク本体；

前記タンク本体内に設けられた燃料フィルタ；

前記タンク本体内の燃料を燃料噴射装置へ供給するための燃料供給通路；前記燃料噴射装置からの余剰燃料及びべーパを前記タンク本体内に戻すための燃料戻し通路;及び

前記燃料フィルタによって区画されたクリーン燃料室であって、前記燃料供給通路及び燃料戻し通路が前記クリーン燃料室内に連通されていて、上記構成において、前記クリーン燃料室内においてべーパと燃料との分離が行われる。

[2] 請求項 1記載の燃料供給タンクにおいて、

前記燃料フィルタはほぼ円筒形状に構成してあり、その内径は 10mm以上である。

[3] 請求項 1又は 2に記載の燃料供給タンクが、更に以下を含む：

メインタンクからの燃料を流入させる流入路であって、前記タンク本体に設けられている；及び

前記タンク本体においてオーバーフローする燃料を前記メインタンクへ戻すための流出路であって、前記タンク本体に設けられている。

[4] 請求項 1, 2又は 3に記載の燃料供給タンクにおいて、

前記燃料供給通路の流入口と前記燃料戻し通路の流出口とは、相互に近接した位置に存在していて、且つ、相互に対向した状態である。

[5] 請求項 1〜4のいずれかに記載の燃料供給タンクが、更に以下を含む：

前記クリーン燃料室の上部に設けられる脱気ポート。

[6] 燃料供給システムであって、以下を含む：

燃料を貯留するためのタンク本体；

前記タンク本体内に設けられた燃料フィルタ；

前記タンク本体内の燃料を燃料噴射装置へ供給するための燃料供給通路；前記燃料噴射装置からの余剰燃料及びべーパを前記タンク本体内に戻すための燃料戻し通路；前記燃料フィルタによって区画されたクリーン燃料室であって、前記燃料供給通路及び燃料戻し通路が前記クリーン燃料室内に連通されていて、上記構成において、前記クリーン燃料室内においてべーパと燃料との分離が行われる;及び

内燃機関に対して燃料を噴射するための前記燃料噴射装置。

[7] 請求項 6に記載の燃料供給システムにお、て、

前記燃料噴射装置は、流入口から加圧室内に流入した燃料を加圧する往復動自在なプランジャを有し、自己加圧式の燃料噴射装置である；及び

前記プランジャは、その先端部に形成された逃げ部であって、前記加圧室に連通したべーパ排出孔を回避する逃げ部を有する。

[8] 燃料噴射装置が、以下を含む：

流入口から加圧室内に流入した燃料を内燃機関へ噴射するために当該燃料を加圧する往復動自在なプランジャ；及び

前記プランジャの先端部に形成された逃げ部であって、前記加圧室に連通したベーパ排出孔を回避する逃げ部。