WO2006095730A1

WO2006095730A1 - 断熱容器

Info

Publication number: WO2006095730A1
Application number: PCT/JP2006/304362
Authority: WO
Inventors: Kaoru Takeo; Ryusuke Sakai; Keiko Tanaka; Hiroki Kanemitsu
Original assignee: Fuji Seal International, Inc.
Priority date: 2005-03-08
Filing date: 2006-03-07
Publication date: 2006-09-14
Also published as: JP2006248539A

Abstract

　優れた断熱性を備えると共に、円滑な飲食を行うことができる内周形状を担保した上で、外周面を起伏した形状にすることができ、しかも、該外周面に適正な印刷が施されて装飾性に富んだ断熱容器を提供する。食品Ｆを収容する有底筒状の容器本体１を備えた断熱容器であって、前記容器本体１の周壁１１を覆う筒状の胴部２０を有する外装体２を備えると共に、該外装体２の胴部２０と周壁１１との間に断熱用の空間が形成され、前記外装体２は、予め印刷を施した熱収縮性を有する樹脂シートＳを熱収縮させることで、胴部２０の外周の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び、横断面形状が非円環状をなす領域の少なくとも何れか一方を有して成形されていることを特徴とする。

Description

明細書

断熱容器

技術分野

[0001] 本発明は、食品を収容する断熱容器に関する。

背景技術

[0002] 従来から、熱湯を注ぐことで飲食することができる即席麵ゃスープ、みそ汁、コーヒ一等の食品が収容され、それらを飲食する際に器として使用される容器として、有底筒状をなすものが知られている。

[0003] 力かる容器には、紙コップのようなものが採用される場合もある力上述の如ぐ熱湯を注ぐに際し、熱湯の熱が周壁に直接伝わるとして、図 15に示す如ぐ断熱効果に優れた発泡榭脂を有底筒状に成型した断熱容器 V'が採用されるのが一般的である。

[0004] カゝかる断熱容器 V'は、上述の如ぐ食品を飲食する際の器としても使用されるもので、例えば、食品を食する際に箸やフォークが引っ掛力つたり、食品に具が入っている場合に該具が引っ掛力つて残ったりすることがないように、周壁 Wの内周面を均一な面 (起伏のない面）にしている。即ち、該断熱容器 V'は、周壁 Wが円筒状であるかテーパー筒状であるかに拘わらず、周壁 Wの何れの場所であっても縦断面形状が略直線状で、横断面形状が略真円環状となるように形成されている。

[0005] ところで、商品を流通するに当たって、消費者に如何なる商品であるかを認識させる必要があり、各商品 (容器）には、文字や図形等力なる商品表示が印刷されるのが通常である。そのため、前記断熱容器 V'にも商品表示等の印刷が施されている。該断熱容器 V'は、発泡榭脂を成形したものであるので、成形後に周壁 Wの外周面に対して印刷 Pが直接施されている。この印刷 Pは、周壁 Wの外周面に印刷用の版 Hを密接させることで行われる。即ち、該断熱容器 V'は、周壁 Wの何れの場所であつても縦断面形状が略直線状で、横断面形状が略真円環状となるように形成されているので、内周面に対応して周壁 Wの外周面が起伏のない面となっており、断熱容器 V'に対する印刷は、印刷用の版 Hを周壁 Wの外周面に沿わせることで適正に行われる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] ところで、顧客の購買意欲 (顧客吸引力）の変動は、商品 (食品や飲料)の内容が大きく影響することは勿論であるが、この商品を包装する容器の形状や、該容器に対する印刷のデザイン等も大きく影響する。

[0007] そのため、断熱容器 V'についても、形状の変更が要求される場合がある。即ち、従来の断熱容器 V'は、周壁 Wが単調な筒状をなしているため、顧客の注目を引くべく

、外周面を起伏させた形状のものが要求される場合がある。

[0008] し力しながら、榭脂成形によって得られる断熱容器 Vは、周壁 Wが略一定の厚みとなるように成形されるのが一般的であるため、周壁 wの外周面を起伏した形状にすると、これに対応して内周面も起伏した形状となり、食品を食する際に箸やフォークが引っ掛力つたり、食品に具が入っている場合に該具が引っ掛力つて残ったりして円滑な飲食ができなくなるといった問題がある。

[0009] また、上述の如ぐ周壁 Wの外周面を起伏した形状にすると、前記版 Hを起伏した領域に沿わせて配置することができず、商品表示等の印刷を行うことができな、とヽつた問題がある。即ち、印刷は、印刷用の版 Hを被印刷面に対して平行に配置することで適正に行うことができる力上述の如ぐ被印刷面としての周壁 Wの外周面が起伏していると、印刷用の版 Hが周壁 Wの隆起した部分のみに接近した状態となつてしまう。そのため、版 Hが密接しない部分ができて適正な印刷ができないといった問題がある。

[0010] そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、優れた断熱性を備えると共に、円滑に飲食を行うことができる内周形状を担保した上で、外周面を起伏した形状にすることができ、しかも、該外周面に適正な印刷が施されて装飾性に富んだ断熱容器を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明に係る断熱容器は、食品を収容する有底筒状の容器本体を備えた断熱容器であって、前記容器本体の周壁を覆う筒状の胴部を有する外装体を備えると共に、該外装体の胴部と周壁との間に断熱用の空間が形成され、前記外装体は、予め印刷を施した熱収縮性を有する榭脂シートを熱収縮させることで、胴部の外周の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び、横断面形状が非円環状をなす領域の少なくとも何れか一方を有して成形されていることを特徴とする。

[0012] なお、ここで「食品」とは、即席麵ゃみそ汁、スープ等のような具を含んだものは勿論のこと、コーヒーや紅茶等の飲料を含む概念である。また、「非直線状をなす形状」とは、真っ直ぐではない形状を意味し、例えば、外側に凸又は内側に凹をなす湾曲した形状や、凹凸が連続する形状、段差が形成された形状、部分的に凸部又は凹部が形成された形状等を含むものである。また、「非円環状をなす形状」とは、胴部の軸線力も外周までの距離が胴部の全周に亘つて一定でない形状を意味し、例えば、多角筒状をなす形状や、周方向に凹凸が連続する形状、部分的に凸部又は凹部が形成された形状等を含むものである。

[0013] 上記構成の断熱容器によれば、容器本体の周壁を覆う筒状の胴部を有する外装体を備えているので、断熱容器の外周、即ち、外装体の胴部の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び、横断面形状が非円環状をなす領域の少なくとも何れか一方が形成された形状 (胴部 (断熱容器)の外周面が起伏した形状)に成形されても、容器本体の周壁は、外装体 (胴部)の形状に影響を受けることがなぐ内周面を箸やフォークが引っ掛かったり、具が残ったりすることがな、均一な面（内周形状)とすることができ、円滑な飲食を行うことができる。

[0014] また、外装体の胴部と容器本体の周壁との間に断熱用の空間が形成されているので、容器本体に熱湯を注いでも外装体に熱が伝わりにくぐ当該断熱容器は断熱性に優れたものとなる。即ち、胴部と周壁との間に空間を形成すれば、該空間には熱伝導率の低い空気が存在することになり、容器本体の周壁に熱湯の熱が作用しても、該熱の全てが外装体に伝わることがなぐ外装体を把持しても火傷を負う等をいつた事態になるのを防止することができる。

[0015] さらに、外装体は、熱収縮性を有する榭脂シートを熱収縮させて成形されるので、胴部の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び、横断面形状が非円環状をなす領域の少なくとも何れか一方を含んだ形状に成形することができる。その上、外装体を成形するための榭脂シートは予め印刷が施されているので、外装体の胴部の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び、横断面形状が非円環状をなす領域の少なくとも何れか一方を有する形状に成形されても、当該外周面に対して直接印刷するような問題が発生せず、胴部の外周面に適正な印刷を施した装飾性に富む断熱容器を提供することができる。

[0016] 本発明の一態様として、前記榭脂シートは、発泡榭脂シートと非発泡榭脂シートとの積層体であり、前記印刷が非発泡榭脂シートに施されていることが好ましい。このようにすれば、発泡榭脂シートによってさらに断熱効果を高めることができる。その上、非発泡榭脂シートに印刷を施しているので、該印刷を見栄えのよいものにすることができる。即ち、発泡榭脂 (シート）の表面は、発泡による気泡によって微小な凹凸面となっているため、該表面に印刷を施しても見栄えのよい印刷にすることが困難である力非発泡榭脂シート上に印刷を施せば、均一な面 (滑らかな面）に対する印刷となるため、見栄えの良い印刷にすることができる。

発明の効果

[0017] 以上のように、本発明の断熱容器によれば、優れた断熱性を備えると共に、円滑に飲食を行うことができる内周形状を担保した上で、外周面を起伏した形状にすることができ、し力も、該外周面に適正な印刷が施されて装飾性に富むといった優れた効果を奏し得る。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]本発明の第一実施形態に係る断熱容器の一部縦断面を含んだ正面図を示す

[図 2]第一実施形態に係る断熱容器を斜視図であって、斜め下方カゝら見た状態を示す。

[図 3]第一実施形態に係る断熱容器の外装体を成形するための榭脂シートの部分拡大断面図を示す。

[図 4]第一実施形態に係る断熱容器を成形するための型 (第一金型及び第二金型）の概略斜視図を示す。

[図 5]第一実施形態に係る断熱容器を成形するための第一金型の概略斜視図であつて、各分割型を分解した状態を示す。

[図 6]第一実施形態に係る外装体の製造工程を説明するための図であって、 (a)は、型に筒状にした榭脂シートを外挿する状態を示し、（b)は、当接部で位置決めされた榭脂シートを加熱する状態を示し、（c)は、加熱によって榭脂シートが熱収縮する成形途中の状態を示し、（d)は、第一金型と第二金型とを嵌め合わせる状態を示す。

[図 7]第一実施形態に係る外装体の製造工程を説明するための図であって、 (a)は、第一金型の凹部と第二金型の凸部とが嵌合し、環状支持部が形成される状態を示し、（b)は、第二金型を成型品たる外装体から分離する状態を示し、（c)は、第一分割型を成型品たる外装体から分離する状態を示し、（d)は、第二分割型を成型品たる外装体から分離する状態を示す。

[図 8]本発明の第二実施形態に係る断熱容器の一部縦断面を含んだ正面図を示す [図 9]本発明の第三実施形態に係る断熱容器の一部縦断面を含んだ正面図を示す [図 10]第三実施形態に係る断熱容器の底面図を示す。

[図 11]本発明の他実施形態に係る断熱容器の一部縦断面を含んだ正面図を示す。

[図 12]本発明の別の実施形態に係る断熱容器の一部縦断面を含んだ正面図を示す

[図 13]本発明の更に別の実施形態に係る断熱容器の容器本体の一部縦断面を含んだ正面図を示す。

[図 14]本発明の更に別の実施形態に係る断熱容器の容器本体の一部縦断面を含んだ正面図を示す。

[図 15]従来の断熱容器の一部縦断面を含んだ正面図を示す。

符号の説明

1···容器本体、 2···外装体、 4···型、 5···第一金型、 5a…基体、 5b…第一分割型、 5c…第二分割型、 5d…円柱体、 6…第二金型、 10…大径部、 11···周壁部 (周壁)、 11a…上壁部、 lib…下壁部、 11c…水平環状部、 12…開口、 13···フランジ部、 14 …折返部、 15···底板部、 16···水平環状部、 17···段差部、 18···縦リブ、 20···胴部、 21 · ··底部、 50…第一成型部、 51· ··第二成型部、 51a…テーパー部、 51b…凸条、 52· ··当接部、 53…凹部、 60…第二金型本体、 61…凸部、 110…凹条、 111…凸条、 115· ··絞り部、 116· ··テーノ一部、 200· ··外嵌部、 201· ··被覆部、 201a…螺旋凸条部（凸条）、 201b…螺旋状凹条部（凹条）、 205· ··外装絞り部、 206· ··外装テーノー § 、 210· ··環状支持 § 、 220a, 220b, 220c, 220d, 220e, 220f, 220g, 22 Oh…端縁、 225a, 225b…輪郭線、 250…平面領域、 V…断熱容器、 L…入り目線、 A…熱風、 F…インスタント食品 (食品）、 S…榭脂シート、 Fs…発泡層 (発泡榭脂シ一ト）、 R…ラミネート層（ラミネートフィルム）、 P…印刷、 VL…仮想線

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。

[0021] まず、本発明の第一実施形態に係る断熱容器について説明する。本実施形態に係る断熱容器は、図 1及び図 2に示す如ぐ熱湯を注ぐことで飲食することができる食品（例えば、即席麵ゃ、スープ、みそ汁、コーヒー等のインスタント食品） Fが収容される有底筒状の容器本体 1と、該容器本体 1の外周を覆う外装体 2とで構成されている

[0022] 前記容器本体 1は、合成樹脂を射出成形やブロー成形等の成形方法により成型、或いは合成樹脂からなるシートを真空成形、或いは圧空成形等の成形方法により成型した榭脂成型品である。該合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート（ PET)等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、或いはこれらを発泡させた発泡榭脂等を採用することができる。また、シートとしては、前記合成樹脂の単層シート或いはガスノリア性を有する榭脂等との積層シート等を採用することができる。

[0023] 該容器本体 1は、略真円筒状の大径部 10と、該大径部 10の下端部に接続された筒状の周壁部 (周壁） 11とで構成されている。

[0024] 前記大径部 10は、別途用意された蓋（図示しない。 )によって閉塞される開口 12を画定している。本実施形態に係る大径部 10の上端部には、径方向外方に向けて延出した鍔状のフランジ部 13が接続され、該フランジ部 13の外周端縁には、大径部 1 0と対向する折返部 14が接続されている。これにより、大径部 10、フランジ部 13、及び折返部 14は、断面コの字状を呈している。

[0025] 前記周壁部 11は、前記大径部 10の下端部に接続され、本実施形態においては、下方側ほど小径になるようにテーパー筒状に形成されている。本実施形態に係る周壁部 11は、縦断面形状が略直線をなすように形成され、下端部が円板状の底板部 1 5によって閉塞されている。これにより、容器本体 1は外観がカップ状をなすように形成されている。

[0026] 本実施形態において、前記周壁部 11は、大径部 10に接続される上端部の外径が該大径部 10よりも小径に設定されており、大径部 10の下端部力も内側に延出した水平環状部 16の開口縁部に該上端部が接続されている。即ち、本実施形態に係る周壁部 11は、段差部 17を介して大径部 10の下端 (下端部）に接続されている。なお、本実施形態に力かる断熱容器 Vは、上述の如ぐ熱湯を注ぐことで食することのできる即席麵ゃスープ、みそ汁、コーヒー等のインスタント食品 Fを収容するものであり、前記水平環状部 16の上面 (周壁部 11が接続された角部）は、熱湯を注ぐ際の目安となる入り目線 Lとして機能させるようにもなつている。

[0027] 前記外装体 2は、熱収縮性を有する榭脂シートを熱収縮させて成形したもので、前記大径部 10及び周壁部 11の外周を覆う筒状の胴部 20と、該胴部 20の下端部に接続された円環状の底部 21とを備えている。なお、該外装体 2の製造方法については、後述することとする。

[0028] 前記胴部 20は、大径部 10に外嵌可能に形成された外嵌部 200と、該外嵌部 200 と底部 21とを接続して周壁部 11を覆う被覆部 201とで構成されてヽる。本実施形態において、外嵌部 200及び被覆部 201は連続的な外周面を形成しており、該外周面には文字や図柄等力なる商品表示が印刷されている。

[0029] 前記外嵌部 200は、大径部 10に外嵌した状態で一端 (上端）開口縁部が容器本体 1のフランジ部 13の裏面に当接させることで位置決めされるようになっている。本実施形態において、該外嵌部 200は、内径が前記大径部 10の外径に対してやや小さめに形成されており、大径部 10に外嵌したときに、外嵌部 200の伸縮力によって大径部 10に締め付け力を作用させるようにしている。該外嵌部 200の軸線方向の長さは、大径部 10の軸線方向の長さよりもやや長く設定されている。これにより、大径部 10 に外嵌した状態 (フランジ部 13に当接させて位置決めした状態)で、外嵌部 200の下端が大径部 10の下端よりも下方に位置するようになっている。

[0030] 前記被覆部 201 (周壁）は、縦断面形状が非直線状をなすように形成されて!ヽる。

具体的には、本実施形態に係る外装体 2は、被覆部 201 (胴部 20)の外周面に、周方向に延びる螺旋状の凸条 (以下、螺旋凸条部という。） 201aが所定ピッチを有して形成されている。即ち、該被覆部 201は、螺旋凸条部 201aと螺旋状の凹条 (螺旋状凹条部） 20 lbとが軸線方向において交互に形成されている。そのため、外装体 2の胴部 20の縦断面形状は、波形を呈しており非直線状になっている。即ち、該外装体 2は、榭脂シートから成形したものであるので、胴部 20の厚みは榭脂シートの厚みに対応しており、内周形状が外周形状に対応した形状となって被覆部 201の縦断面形状が波線状を呈している。

[0031] 前記底部 21は、該被覆部 201の下端部から内方に向けて延出して円環状 (ドーナッ板状）に形成されている。本実施形態に係る外装体 2は、底部 21の内周端縁に被覆部 201の内側に向けて延出した環状支持部 210が接続されており、該環状支持部 210で容器本体 1の底板部 15を支持できるようになつている。

[0032] これにより、外装体 2が外嵌された容器本体 1内に食品 Fを食すべく熱湯が注がれた際に、軟ィ匕して底板部 15が垂れ下がるような傾向になっても、容器本体 1 (底板部 15)が環状支持部 210に支持され、外装体 2の底部 21と容器本体 1の底板部 15との間での断熱用の空間の形成の維持を図りつつ、容器本体 1の底板部 15が底部 21の開口を介して外側に突出するのを防止できるようになつている。これにより、熱湯を注いで食品 Fを食する消費者が被覆部 201及び底部 21を把持しても容器本体 1の底板部 15等に直接触れることがなぐ消費者が火傷を負うといった事態になるのを防止できるようになつている。

[0033] また、本実施形態に係る断熱容器 Vは、容器本体 1の大径部 10と周壁部 11とが段差部 17を介して接続されてヽるため、周壁部 11と被覆部 201との間にも断熱用の空間が形成されている。これにより、容器本体 1に熱湯を注いでも、熱伝導率の低い空気の存在により、熱湯の熱の全てが外装体 2 (被覆部 201)には伝わらず、食品 Fを飲食する消費者が火傷を負う等をいつた事態になるのを防止している。また、上述の如ぐ外装体 2は、後述する発泡層を備えた榭脂シートから成形しているので、外装体 2自体にも断熱性が付与され、断熱容器 Vは断熱効果が非常に優れたものとなつている。

[0034] 次に、外装体 2の製造方法について説明するが、具体的な説明に先立ち、外装体 2の製造に用いられる榭脂シート及び型について概略説明する。

[0035] 前記榭脂シートは、図 3に示す如ぐ熱収縮性を有する発泡ポリスチレン製のシート

(以下、発泡層という。）Fsと、非発泡榭脂シートとしての PS (ポリスチレン)フィルム（以下、ラミネート層という。）Rとの積層体である。該榭脂シート Sは、発泡層 Fsの厚さ力 0. 05mm〜l. Omm、好ましくは、 0. 2mm〜0. 5mmに設定され、ラミネート層 Rの厚さ力 0. 01mm〜0. lmm、好ましくは、 0. 02mm〜0. 05mmに設定されている。本実施形態に係る発泡層 Fs (発泡榭脂シート）は、発泡倍率が 2〜10倍 (好ましくは 2. 5倍から 7倍)のものが採用され、筒状にした際に周方向となる一方向に熱収縮性を有している。即ち、榭脂シート Sは、略同一の熱収縮性を有する発泡層 Fs 及びラミネート層 Rが熱収縮方向を一致させて積層されることで構成されて、る。榭脂シートの熱収縮率は、 120°Cで 30%以上が好ましい。なお、本実施形態に係る榭脂シート Sは、長方形状に形成されており、外装体 2を成形するに際して長手方向の両端部同士を接着することで筒状にされるため、熱収縮性は筒状にした際に周方向となる長手方向に設定されて、る。

[0036] 本実施形態においては、完成品としての断熱容器 Vの装飾性を高めるベぐ外装体 2 (胴部 20)の外周面 (表面)となる榭脂シート Sのラミネート層 R上に文字、図柄等力もなる商品表示や商品情報等の印刷 Pが施されている。即ち、成型品たる外装体 2 は、軸線から外周面までの距離が、軸線方向の各位置で異なるため、外装体 2に対して直接印刷すると印刷用の版が外周面の密接できない部分ができて適正な印刷ができないとして、外装体 2に成型する前の榭脂シート Sに印刷 Pを行っている。なお、ラミネート層 Rに対する印刷 Pは表刷り又は裏刷りの何れであってもよいが、裏刷りを行う場合には、単層状態にあるラミネート層 Rに印刷を施した後、印刷面と発泡層 F sとが対向するように発泡層 Fsとラミネート層 Rとを積層して榭脂シート Sを構成すればよい。また、表刷りをする場合であっても、単層状態にあるラミネート層 Rに印刷を施した後、発泡層 Fsとラミネート層 Rとを積層して榭脂シート Sを構成しても勿論よい。

[0037] 該発泡層 Fsを構成する発泡ポリスチレンとしては、汎用ポリスチレンを各種発泡剤によって発泡させたものや、ポリスチレンにブタジエン、アクリロニトリル、メタクリル酸、アクリル酸、アクリル酸エステル類等を共重合させたコポリマを主成分とし、且つそのスチレン成分を 50重量％以上 (好ましくは 70%以上)含有したものを各種発泡剤によって発泡したもの等を採用することができる。発泡層は、前記発泡ポリスチレン製が比較的剛性を有するため好ましいが、ポリプロピレン系榭脂等でもよい。また、ラミネート層は、延伸ポリスチレン (OPS)や、ポリエステル系榭脂、ポリプロピレン系榭脂等の各種熱収縮性フィルムであってもよ、。

[0038] 次に、型について概略説明すると、図 4に示す如ぐ本実施形態に係る型 4は、胴部 20 (外嵌部 200及び被覆部 201)及び底部 21を成形するための第一金型 5と、該第一金型 5と協働して環状支持部 210を成形するための第二金型 6とで構成されている。

[0039] 前記第一金型 5は、外嵌部 200を成形するための第一成型部 50と、該第一成型部 50に連設され、前記被覆部 201を成形するための第二成型部 51とを備え、筒状にした榭脂シート Sを第一成型部 50及び第二成型部 51に外挿し、該榭脂シート Sを周方向に熱収縮させることで、該榭脂シート Sを第一成型部 50及び第二成型部 51の形状に即した形状することができるようになつている。更に、第一金型 5は、第一成型部 50及び第二成型部 51に対して榭脂シート Sを適正な位置で位置決めすベぐ外挿した榭脂シート Sの一端を当接させる当接部 52を更に備えている。

[0040] 前記第一成型部 50は、外径が容器本体 1の大径部 10の外径と略同一或いはやや小径の円柱状に形成されており、軸線方向の長さが大径部 10の軸線方向の長さよりも長く設定されている。一方、前記第二成型部 51は、前記第一成型部 50の一端面に同心で連設された円錐台状をなすテーパー部 51aと、該テーパー部 51aの軸心方向において所定ピッチ (完成品たる外装体 2の螺旋凸条部 201aのピッチと同一のピツチ）となるように、該テーパー部 51aの外周面上に螺旋状に凸設された凸条 51bとで構成されている。さらに、該第二成型部 51の先端面 (後述する基体 5aの一端 (先端)面）には、第二金型 6を嵌め合わせる円錐台状の凹部 53が第一成型部 50 (基体 5a)と同心になるように凹設されている。なお、凹部 53は、内部側ほど先細りするようにテーパー状に形成されて、る。

[0041] 上記構成の第一金型 5は、前記第一成型部 50に外方に向けて突出した凸条 51b が形成されているため、外装体 2を成形するに当たり、筒状の榭脂シート Sが熱収縮して第一成型部 50及び第二成型部 51に即した形状になった状態で外装体 2 (榭脂シート S)の内周面 (螺旋凸条部 201aの裏面）と第一金型 5の凸条 51bとが嵌合状態となってしま!/、、成形後の外装体 2から第一金型 5を直接抜き取ることができな、として、本実施形態に係る第一金型 5は分割可能に構成されている。

[0042] 該第一金型 5について具体的に説明すると、該第一金型 5は、図 4及び図 5に示す如ぐ柱状の基体 5aと、該基体 5aの外周回りに配設される複数の分割型 5b, 5cとを備えている。本実施形態に係る基体 5aは、角柱状に形成されている。前記複数の分割型 5b, 5cは、基体 5aの外周回りで組み合わせた状態で、該基体 5aとの間に隙間を形成する内径の筒状をなすようになっており、本実施形態においては、基体 5aの対向する二面に沿って四分割された態様をなしている。即ち、四つの分割型 5b、 5c は、基体 5aの外周を構成する長方形状の平面の幅以下（図においては、基体 5aの軸線と直交する方向における基体 5aの幅と同等）の幅に設定されると共に、高さが基体 5aの高さ (軸心方向の長さ）と略同一に設定された一対の第一分割型 5bと、該第一分割型 5bの側端面 (分割面）に当接状態で配置される一対の第二分割型 5cとで構成されている。これにより、該第一金型 5は、第一分割型 5b, 5b…及び第二分割型 5c, 5c…を基体 5aの周囲に配置することで、第一分割型 5b, 5b…及び第二分割型 5c、 5c…の連続した外面によって、前記第一成型部 50及び第二成型部 51が形成されるようになつている。また、第一分割型 5b、 5b及び第二分割型 5c, 5cの何れも、基体 5a側にスライド可能に構成されており、各第一分割型 5b, 5b…を中心側 (基体 5a側）に移動させて第二分割型 5c, 5c…の移動を許容するようにし、基体 5a、第一分割型 5b, 5b及び第二分割型 5c, 5c (第一金型 5)を成形後の外装体 2から分離できるようになつている。本実施形態においては、第一金型 5に外挿した筒状の榭脂シート Sが熱収縮しても、外部から第一分割型 5b, 5b及び第二分割型 5c, 5cを基体 5aに向けてスライドさせることができるように、第一分割型 5b, 5bの下端、及び第二分割型 5c, 5cの下端にブロック状の操作部 Gl, G2が連設されている。

[0043] 更に、該第一金型 5は、第一成型部 50よりも大径に設定された円柱体 5dが基体 5a の他端に連結され、該円柱体 5dの端面で前記当接部 52が構成されている。これにより、筒状にした榭脂シート Sを第一成型部 50及び第二成型部 51に外挿したときに、該榭脂シート Sの一端開口縁部が円柱体 5dの端面（当接部 52)に当接して該榭脂シート Sを位置決めできるようになつている。また、該円柱体 5dの上面には、前記操作部 Gl, G2がスライド可能に嵌入されるガイド溝 Dl, D2が、平面視略十字状をなすように外周から基体 5aに向けて形成されており、嵌入された操作部 Gl, G2を外部から操作できると共に、前記第一分割型 5b、 5b及び第二分割型 5c、 5c (操作部 Gl , G2)を互いに直交方向に案内できるように構成されて、る。

[0044] 第二金型 6は、前記第二成型部 51の先端面よりも小径な円柱体からなる第二金型本体 60と、該第二金型本体 60の一端 (下端)面に略同心となるように凸設され、前記環状支持部 210を形成するための凸部 61とを備えている。該凸部 61は、第一金型 5 の凹部 53に対応して円錐台状に形成されており、大径側の端面が第二金型本体 60 の下端面に接続されて！、る。

[0045] 次に、上記構成の榭脂シート S及び型 4を用いて外装体 2を製造する工程について説明すると、図 6 (a)に示す如ぐ筒状にした榭脂シート Sを第一金型 5の第一成型部 50及び第二成型部 51に外揷 (外嵌)し、該榭脂シート Sの一端開口縁部を当接部 5 2に当接させて位置決めを行う。

[0046] そして、図 6 (b)に示す如ぐ榭脂シート Sに熱風 Aを吹き付けて加熱を行う。そうすると、図 6 (c)に示す如ぐ榭脂シート Sは、周方向に熱収縮し、第一成型部 50及び第二成型部 51の外形に即した形状となり、外嵌部 200及び被覆部 201が形成され、第二成型部 51の先端面よりも上方に突出した部分については、周方向の収縮力の作用によって内側に倒れ込むことになる。

[0047] そして、図 6 (d)に示す如ぐ榭脂シート Sにおける第二成型部 51の先端面よりも上方に突出していた部分が第二成型部 51の先端面に沿った態様、即ち、底部 21が形成されると、図 7 (a)に示す如ぐ第二金型 6の凸部 61を第一金型 5の凹部 53に嵌め合わせる。そうすると、第二成型部 51の先端面に沿った榭脂シート Sの先端部が凹部 53内に押し込まれ、凹部 53の内周面及び凸部 61の外周面（テーパー面）に沿つた形状となり、環状支持部 210が形成されることになる。なお、環状支持部 210を形成するに際し、熱風 Aの吹き付け (加熱）は停止されるが、外嵌部 200及び被覆部 20 1の形成に伴う余熱によって榭脂シート Sが軟ィ匕状態にあるので、該榭脂シート Sに対して加熱を行わなくても凹部 53及び凸部 61の形状に即して変形する。

[0048] そして、図 7 (b)に示す如ぐ第二金型 6の凸部 61を凹部 53から外した後、成形後の榭脂シート S、即ち外装体 2を第一金型 5から抜き取る。この際、図 7 (c)に示す如く、操作部 G1を介して第一分割型 5bを基体 5a側にスライドさせ、第一分割型 5bの凸条 51bと榭脂シート S (外装体 2)との凹部との係合を解除すると共に、第二分割型 5c の移動を許容できる状態にする。その後、図 7 (d)に示す如ぐ操作部 G2を介して第二分割型 5cを基体 5a側にスライドさせると、榭脂シート S (外装体 2)と第一金型 5との係合が完全に解除されることになり、当該第一金型 5と外装体 2とを完全に分離することで外装体 2が完成する。

[0049] 以上のように、本実施形態に係る断熱容器 Vは、熱収縮性を有する榭脂シート Sから外装体 2を成形するようにしたので、胴部 20の外周面が起伏した形状であっても成形することができる。即ち、熱収縮性を有する榭脂シート Sを第一金型 5に嵌め込んで熱収縮させれば、該榭脂シート Sを第一金型 5の第一成型部 50及び第二成型部 5 1の形状に即した形状に成形することができるので、本実施形態の螺旋凸条部 201a の如く外周面が複雑に隆起した形状 (縦断面形状が非直線状 (波線状)をなす形状) の外装体 2を成形することができ、興趣に富む断熱容器 Vを提供することができる。その上、前記榭脂シート Sに対して予め印刷を施し、該印刷済みの榭脂シート Sで外装体 2を成形するようにしたので、胴部 20の縦断面形状が非直線状となるように外装体 2を成形しても、該胴部 20の外周面に適正な印刷を施したものにすることができる。従って、外装体 2の胴部 20の形状及び印刷によって、消費者の購買意欲を高めることができる興趣に富んだ断熱容器 Vを提供することができる。

[0050] また、容器本体 1と外装体 2 (胴部 20)との間に断熱用の空間が形成されているので、容器本体 1に熱湯を注いでも、その熱は空間（熱伝導率の低い空気）の存在によつて外装体 2にまで完全に至らず、優れた断熱効果を得ることができる。これにより、消費者が誤って火傷を負う等といった事態になるのを防止することができる。

[0051] また、前記外装体 2を成形するための榭脂シート Sを発泡層 Fsとラミネート層尺との積層体で構成し、該ラミネート層 R上に印刷を施すようにしているので、高品質な印刷 Pで仕上げることができる。即ち、発泡層 Fsは、外表面に発泡による凹凸が形成されているため、印刷を行っても光沢等を得ることができにくいが、ラミネート層 Rは表面が均一（滑面)であるため、印刷面に光沢等を付与することができる。さらに、榭脂シート Sが発泡層 Fsを備えているので、前記断熱用の空間に加えて更なる断熱効果を得ることができる。

[0052] また、上述の如ぐ外装体 2の胴部 20に螺旋凸条部 201aを凸設するようにしたので、消費者が該断熱容器 Vを把持するに際し、指が螺旋状凹条部 201bに嵌り込んでフィットした状態となり、誤って断熱容器 Vを滑り落とす等といった事態になるのを防止することができる。

[0053] さらに、外装体 2の底部 21に内周端縁に環状支持部 210を延設するようにしたので、内嵌された容器本体 1の底板部 15と外装体 2の底部 21との間に断熱用の空間を形成しつつ容器本体 1を支持することができ、断熱効果を担保した上で、消費者が底部 21の開口を介して容器本体 1の底板部 15に誤つて触れてしまうのを防止することができる。

[0054] 前記胴部 20が、大径部 10に密接状態で外嵌可能に形成された略真円筒状の外嵌部 200と、該外嵌部 200と底部 21とを接続して容器本体 1の周壁部 11を覆う被覆部 201とで構成されているので、大径部 10に外嵌部 200を外嵌した状態で面接触状態となり、外装体 2を確実に容器本体 1に外嵌することができる。その上、外嵌部 2 00を大径部 10よりもやや小さめに成形したので、大径部 10に外嵌部 200を外嵌したときに該外嵌部 200の伸縮性によって固着状態となり、接着剤に頼らなくても外装体 2を容器本体 1に確実な固定することができ、安全性が重要となる食品 Fを収容する容器として最適である。

[0055] 次に、本発明の第二実施形態に係る断熱容器について説明する。なお、以下の説明において、第一実施形態の構成と同一又はそれに相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。 [0056] 本実施形態に係る断熱容器は、図 8に示す如ぐ縦方向（軸線方向）の長さが横方向の長さ（外径)よりも長くなるように縦長に形成された、いわゆるスリムカップであり、第一実施形態と同様に、食品 Fが収容される有底筒状の容器本体 1と、該容器本体 1の外周を覆う外装体 2とで構成されている。

[0057] 本実施形態に係る容器本体 1は、第一実施形態と同様の成形方法により成型した榭脂成型品で、略真円筒状の大径部 10と、該大径部 10の下端部に接続された筒状の周壁部 11と、周壁部 11の下端を閉塞する底板部 15とで構成されて、る。

[0058] 前記大径部 10は、別途用意された蓋（図示しない。 )によって閉塞される開口 12を画定している。本実施形態に係る大径部 10の上端部には、第一実施形態と同様、外周に折返部 14の接続されたフランジ部 13が接続されて、る。

[0059] 本実施形態に係る周壁部 11は、前記大径部 10に接続された筒状の絞り部 115と、該絞り部 115に接続された筒状のテーパー部 116とで構成されて、る。

[0060] 前記絞り部 115は、下端に向けて縮径したラッパ形状に形成されている。即ち、絞り部 115は、下方側ほど絞られるように、内周面及び外周面が一葉の双曲面 (双曲回転面)状に形成されており、大径側の上端が前記大径部 10の下端に接続されている

[0061] 前記テーパー部 116は、絞り部 115とは異なり、下端に向けて比例的に小径となるように形成されており、大径側の上端部が絞り部 115の下端 (小径側の端部）に接続されている。本実施形態において、テーパー部 116は、薄肉の周壁の外周に複数の縦リブ (採番しない）が周方向に間隔をおいて凸設されて形成されており、外周（縦リブの先端）が絞り部 115の外周面に対して段差なく連続するように形成されて!、る。そして、前記底板部 15は、テーパー部 116の下端に接続され、該テーパー部 116 ( 周壁部 11)の下端開口を閉塞している。これにより、容器本体 1は外観がカップ状を呈している。

[0062] 前記外装体 2についても、第一実施形態と同様に、熱収縮性を有する榭脂シート S を熱収縮させて成形したもので、前記大径部 10及び周壁部 11の外周を覆う筒状の胴部 20と、該胴部 20の下端部に接続された円環状の底部 21とを備えている。なお、該外装体 2についても、第一実施形態と同様、該外装体 2の形状に即した金型を用、て製造されるため、製造方法の説明につ、ては割愛することとする。

[0063] 前記胴部 20は、大径部 10に外嵌可能に形成された筒状の外嵌部 200と、周壁部 11を覆う被覆部 201とで構成されている。本実施形態においても、外嵌部 200及び被覆部 201は連続的な外周面を形成しており、該外周面には文字や図柄等からなる商品表示が印刷されている。

[0064] 前記外嵌部 200は、第一実施形態と同様、大径部 10に外嵌した状態で一端 (上端 )開口縁部が容器本体 1のフランジ部 13の裏面に当接させることで位置決めされ、該外嵌部 200の伸縮力によって大径部 10に締め付け力を作用させるようになって、る。そして、本実施形態に係る外嵌部 200は、軸線方向の長さが大径部 10の軸線方向の長さと略同等の長さに設定されており、大径部 10に外嵌した状態 (フランジ部 1 3に当接させて位置決めした状態)で、下端が大径部 10の下端と略対向した位置になるように形成されている。

[0065] 本実施形態に係る被覆部 201は、前記外嵌部 200に接続された外装絞り部 205と、該外装絞り部 205に接続された外装テーパー部 206とで構成されている。

[0066] 前記外装絞り部 205は、前記絞り部 115と略相似しており、下端に向けて縮径したラッパ形状に形成されている。即ち、外装絞り部 205は、下方側ほど外径が絞られるように、内周面及び外周面が一葉の双曲面 (双曲回転面)状を呈している。そして、該外装絞り部 205は、大径側の上端が前記外嵌部 200の下端に接続されている。これにより、本実施形態に係る胴部 20 (被覆部 201)は、該外装絞り部 205で縦方向に湾曲した態様となり、縦断面形状が非直線状をなすように構成されている。

[0067] 前記外装テーパー部 206は、大径側の上端部が外装絞り部 205の下端 (小径側の端部）に接続されており、容器本体のテーパー部 116と略相似した態様で形成されている。即ち、該外装テーパー部 206は、下端に向けて比例的に小径となるように形成されており、容器本体 1のテーパー部 116を覆った状態で、該テーパー部 116との間に隙間（断熱用の空間）ができるように形成されている。

[0068] 前記底部 21は、該被覆部 201の下端部から内側に向けて湾曲するように形成されており、環状の設置面を形成している。そして、該底部 21の内周端縁に被覆部 201 の内側に向けて延出した環状支持部 210が接続され、該環状支持部 210で容器本体 1の底板部 15を支持できるようになつている。

[0069] 以上のように、本実施形態に係る断熱容器 Vは、製造方法や基本的な構成が第一実施形態の断熱容器 Vと共通し、胴部 20の形態 (縦横の断面形状)が異なるだけであるため、第一実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。

[0070] 次に、本発明の第三実施形態に係る断熱容器について説明する。なお、以下の説明において、第一 (第二)実施形態の構成と同一又はそれに相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととする。

[0071] 本実施形態に係る断熱容器は、図 9及び図 10に示す如ぐ縦方向（軸線方向）の長さが横方向の長さ（外径)よりも短くなるように形成された浅底のカップであり、第一実施形態と同様に、食品 Fが収容される有底筒状の容器本体 1と、該容器本体 1の外周を覆う外装体 2とで構成されている。

[0072] 本実施形態に係る容器本体 1は、第一及び第二実施形態と同様の成形方法により成型した榭脂成型品で、略真円筒状の大径部 10と、該大径部 10の下端部に接続された筒状の周壁部 11と、周壁部 11の下端を閉塞する底板部 15とで構成されている

[0073] 前記大径部 10は、別途用意された蓋（図示しない。 )によって閉塞される開口 12を画定している。該大径部 10の外周面には、周方向に間隔をおいて複数の凹部が形成されており、上端部には、第一及び第二実施形態と同様、外周に折返部 14の接続されたフランジ部 13が接続されている。なお、本実施形態においては、フランジ部 13と折返部 14との接続部位に丸みを持たせている。

[0074] 本実施形態に係る周壁部 11は、下方側ほど小径になるようにテーパー筒状をなし、縦断面形状が略直線をなすように形成されている。

[0075] そして、該周壁部 11は、大径部 10に接続される上端部の外径が該大径部 10よりも小径に設定されており、大径部 10の下端部から内側に延出した水平環状部 16の開口縁部に該上端部が接続され、下端部が円板状の底板部 15によって閉塞されている。これにより、容器本体 1は外観が浅底のカップ状に形成されている。なお、本実施形態において、周壁部 11の下端の外径は、外装体 2の下端部に内接するように設定されている。 [0076] 前記外装体 2は、第一及び第二実施形態と同様に、熱収縮性を有する榭脂シートを熱収縮させて成形したもので、前記大径部 10及び周壁部 11の外周を覆う筒状の胴部 20と、該胴部 20の下端部に接続された環状の底部 21とを備えている。なお、該外装体 2は、第一及び第二実施形態と同様、該外装体 2の形状に即した金型を用いて製造されるため、製造方法の説明につ、ては割愛することとする。

[0077] 前記胴部 20は、大径部 10に外嵌可能に形成された円筒状の外嵌部 200と、周壁部 11を覆う被覆部 201とで構成されている。本実施形態においても、胴部 20の外周面には文字や図柄等力なる商品表示が印刷されている。

[0078] 前記外嵌部 200は、第一実施形態と同様、大径部 10に外嵌した状態で一端 (上端 )開口縁部が容器本体 1のフランジ部 13の裏面に当接させることで位置決めされ、該外嵌部 200の伸縮力によって大径部 10に締め付け力を作用させるようになって、る。そして、本実施形態に係る外嵌部 200は、軸線方向の長さが大径部 10の軸線方向の長さよりやや長めに設定されており、大径部 10に外嵌した状態 (フランジ部 13に当接させて位置決めした状態)で、下端が大径部 10の下端よりもやや下方に位置するように形成されている。

[0079] 本実施形態に係る被覆部 201は、下端側に向けて小径になっており、上端が外嵌部 200に対応して円形状を呈する一方で、底部 21の外周の接続される下端力上端側よりも小さな略正八角形状を呈するように形成されている。即ち、本実施形態に係る被覆部 201は、上端側力も下端側に向けて開口形状を変化させつつ、下端に向けて先細りに形成されて!、る。

[0080] 具体的に説明すると、該被覆部 201は、下端側ほど先細りしたテーパー筒状に形成されており、下端を八角形状に構成する八つの辺（直線状の端縁) 220a〜220h のうち、一つおさの端縁（四つの端縁） 220a, 220c, 220e, 220g力ら上端に向力つて所定形状の平面領域 250が外周に形成されている。本実施形態に係る平面領域 250は、前記端縁 220a, 220c, 220e, 220gと、該端縁 220a, 220c, 220e, 220 gの両端から上端に向けて延び、且つ該記端縁 220a, 220c, 220e, 220gの中央力該端縁 220a, 220c, 220e, 220gと直交する方向に延びる仮想線 VL上で交わる一対の輪郭線 225a, 225bとで画定されている。本実施形態に係る一対の輪郭線 225a, 225bのそれぞれは、放物線の如く設定されており、前記仮想線 VLを基準に対称な関係で、被覆部 201の上端に至るまでに交わるように設定されている。

[0081] これにより、本実施形態に係る外装体 2 (被覆部 201)は、下端から上端に向けて断面開口形状 (横断面形状)が正八角形状から円形状に変化した態様に形成されている。従って、本実施形態に係る外装体 2は、被覆部 201の軸線方向において、平面領域 250の形成されている範囲で横断面が非円環状を呈し、周方向において、平面領域 250の形成されている範囲で縦断面が非直線状を呈している。そして、該被覆部 201においても、容器本体 1を覆った状態で、容器本体 1との間に隙間ができるようになつている。すなわち、上述の如ぐ容器本体 1に大径部 10が形成され、その大径部 10と周壁部 11との接続部分に段差 17ができるため、外嵌部 200を大径部 10に外嵌すると、該外嵌部 200に連続して形成された被覆部 201と容器本体 1 (周壁部 1 1)との間に隙間（断熱用の空間）が形成されるようになっている。

[0082] 前記底部 21は、被覆部 201の下端部から内方に向けて延出するように形成されている。すなわち、底部 21は、外周の輪郭が被覆部 201の下端の形状に対応して略正八角形状を呈し、略中央部が円形に開口して環状に形成されている。そして、該底部 21の内周端縁に被覆部 201の内側に向けて延出した環状支持部 210が接続され、該環状支持部 210で容器本体 1の底板部 15を支持できるようになつている。

[0083] 以上のように、本実施形態に係る断熱容器 Vにおいても、製造方法や基本的な構成が第一及び第二実施形態の断熱容器 Vと共通し、胴部 20の形態 (縦横の断面形状)が異なるだけであるため、第一実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。

[0084] 尚、本発明の断熱容器は、上記実施形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱しな、範囲内にお!、て種々変更をカ卩ぇ得ることは勿論である。

[0085] すなわち、外装体 2の胴部 20の形態は上記実施形態に限定されるものではなぐ例えば、図 11に示す如ぐ胴部 20 (胴部 20の周壁）の縦断面形状が、下方側ほど小径となるように外方に向けて突出する複数の湾曲線（図 11においては三本の湾曲線 )が連続した形状 (立体形状において鏡餅状をなす形状)や、図 12に示す如ぐ外装体 2の底部 21を略矩形状に形成し、胴部 20の周壁のうち、底部 21の各端縁に接続された一部の領域（図 12においては略半楕円状の領域)を平面にした形状、胴部 20 の横断面形状が多角形をなす形状等であってもよい。つまり、外装体 2は、印刷用のヘッド又は版を沿わせることができない形状の胴部 20、即ち、被印刷領域となる胴部 20の一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、或いは、横断面形状が非円環状をなす領域が形成されたものであればよい。以上の何れの形態であっても、胴部 20 の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び横断面形状が非円形状をなす領域の少なくとも何れか一方が形成されるため、胴部 20の全周に亘つて直接印刷ができないが、上記実施形態と同様に予め印刷 Pを施した榭脂シート Sから外装体 2を成形すれば、外装体 2を好適な印刷を施したものにすることができる。

[0086] 上記実施形態において、外装体 2を成形するための榭脂シート Sに発泡層 Fsとラミネート層 Rとの積層シート (積層体)を採用したが、これに限定されるものではなぐ榭脂シート Sは、例えば、熱収縮性を有する発泡層 Fs (発泡榭脂シート）単層であってちょい。

[0087] 上記実施形態において、周壁部 11がテーパー筒状をなす容器本体 1 (第二実施形態においては周壁部 11のテーパー部 116がテーパー筒状をなす容器本体 1)を採用したが、外装体 2によって周壁部 11が覆われる容器本体 1はこれに限定されるものではなぐ例えば、図 13に示す如ぐ周壁部 11が、上端部が大径部 10に接続された筒状の上壁部 11aと、該上壁部 11aよりも小径に設定された筒状の下壁部 l ibと、前記上壁部 11aと下壁部 l ibとを接続する水平環状部 11cとで構成され、複数の縦リブ 18, 18· · ·が前記上壁部 11aと下壁部 l ibとに跨って周方向に間隔を有して凸設されたものであってもよ、。

[0088] また、図 14に示す如ぐ周壁部 11が、上端部が大径部 10に接続された筒状の上壁部 11aと、該上壁部 11aよりも小径に設定された筒状の下壁部 l ibと、前記上壁部 1 laと下壁部 1 lbとを接続する水平環状部 1 lcとで構成され、上壁部 1 laの外周面に軸線方向に延びる凹条 110· · ·及び凸条 111 · ··が周方向に交互に形成されると共に、複数の縦リブ 18…が下壁部 l ibの外周面に周方向に間隔を有して凸設されたものであってもよい。このように、周壁部 11の外周面に複数の縦リブ 18…を設けることで、万一、外装体 2が変形しても該外装体 2 (胴部 20)が縦リブ 18· · ·に接触することになるので、外装体 2 (胴部 20)が周壁部 11に触れることがなぐ当該断熱容器 Vの断熱効果を確実に維持することができる。

[0089] 上記実施形態において、底部 21の開口縁部に環状支持部 210を延設した力これに限定されるものではなぐ環状支持部 210は必要に応じて設けるようにすればよい。但し、外装体 2の底部 21と容器本体 1の底板部 15との間で断熱用の空間を形成することや、断熱容器 Vの全体的な強度等を鑑みれば、上記実施形態と同様に環状支持部 210を設けることが好ましい。

[0090] 上記実施形態において、外装体 2の底部 21を円形状（円環状）に形成したり、底部 21の輪郭を正八角形状にして環状に形成したりした力これに限定されるものではなぐ胴部 20の下端部に接続される底部 21の外周縁が、楕円形状をなす形状や、外周縁 (輪郭)が三角形、四角形、五角形等の多角形をなす形状、外周縁が凹凸状に形成された形状、円形の外周縁部の一部が切り欠かれた形状等のような非円形状を呈するように底部 21を形成するようにしてもよい。このようにしても、胴部 20の下端開口は底部 21の外周縁部に接続されるので、該胴部 20の外周に、縦断面形状が非直線状をなす領域、又は横断面形状が非円環状をなす領域が形成されることになる。従って、予め印刷 Pを施した榭脂シート Sから外装体 2を成形すれば、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。

[0091] 上記実施形態において、外装体 2の底部 21の内周端縁に環状支持部 210を延設して中央部分を開口したままの状態にしたが、例えば、環状支持部 210を設けることなぐ榭脂シートで開口を塞ぐようにしてもよい。この場合、外装体 2を構成する榭脂シート Sと同材質の榭脂シート Sを用いることが好ましい。

[0092] 上記実施形態において、容器本体 1に対する外装体 2の固定を大径部 10と外嵌部 200との嵌合により行うようにした力これに限定されるものではなぐ例えば、大径部 10と外嵌部 200とを接着剤で接着するようにしてもよい。このようにすれば、大径部 1 0と外嵌部 200との嵌合に加えて、接着剤の接着力が作用するので、容器本体 1〖こ対して外装体 2を強固に固定することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 食品を収容する有底筒状の容器本体を備えた断熱容器であって、前記容器本体の周壁を覆う筒状の胴部を有する外装体を備えると共に、該外装体の胴部と周壁との間に断熱用の空間が形成され、前記外装体は、予め印刷を施した熱収縮性を有する榭脂シートを熱収縮させることで、胴部の外周の少なくとも一部に、縦断面形状が非直線状をなす領域、及び、横断面形状が非円環状をなす領域の少なくとも何れか一方を有して成形されて!ゝることを特徴とする断熱容器。

[2] 前記榭脂シートは、発泡榭脂シートと非発泡榭脂シートとの積層体であり、前記印刷が非発泡榭脂シートに施されている請求項 1記載の断熱容器。