JP2015020776A - 断熱容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器本体の胴部や底部を厚くすることなく容器本体の断熱性能や強度の低下を抑制することができる断熱容器を提供する。【解決手段】プラスチックを素材としたカップ状の容器本体11と、容器本体11の胴部12外周面を覆う紙製のスリーブ20とを備えた断熱容器10において、容器本体11の底部15にはプラスチックの底部材30が取り付けられており、スリーブ20の底部22はその内側面において底部材30の外周部に固定されていてスリーブ20と容器本体胴部12との間に断熱空間Sが形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチックを素材としたカップ状の容器本体と、前記容器本体の胴部外周面を覆う紙製のスリーブとを備えた断熱容器に関する。
例えば、ラーメン、うどん、コーヒー、味噌汁等の即席食品等が収容される容器では、プラスチック(熱可塑性樹脂)を素材とする容器本体を真空成形や圧空成形等によりカップ状等の所定形状に成形し、容器本体の外周面に紙を主体とするスリーブを巻装したものが知られている(例えば特許文献1参照。)。
容器本体外周面を被覆するスリーブは、内容物の種類や調理法、商品名等の様々な文字情報の表示や、パッケージデザイン等の美粧性を向上させる等を目的として、前記文字情報や図柄等が印刷される他、飲食に際して容器本体内に熱湯が注がれた際に、利用者が熱せられた容器本体に直に触れないようにしてやけどを防止する断熱材としても作用する。
ところで、容器本体は、真空成形や圧空成形等により樹脂材料を所定形状に成形するものであることから、成形時に樹脂材料が押し延ばされる等により容器本体の開口部(フランジ部)に比べて胴部や底部が肉薄になり、容器本体の断熱性能や強度が低下することがあった。そこで、断熱性能や強度の低下に対処する手法として、容器本体の胴部や底部の厚みを十分に確保することが考えられるが、そのためには樹脂材料が通常よりも多く必要となり、製造コストや容器重量が増大してしまう問題があった。
特開2009−220862号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであって、容器本体の胴部や底部を厚くすることなく容器本体の断熱性能や強度の低下を抑制することができる断熱容器を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、プラスチックを素材としたカップ状の容器本体と、前記容器本体の胴部外周面を覆う紙製のスリーブとを備えた断熱容器において、前記容器本体の底部にはプラスチックの底部材が取り付けられており、前記スリーブの底部はその内側面において前記底部材の外周部に固定されていて前記スリーブと前記容器本体胴部との間に断熱空間が形成されていることを特徴とする断熱容器に係る。
請求項2の発明は、前記容器本体の胴部はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって開口部よりも薄肉に成形されている請求項1に記載の断熱容器に係る。
請求項3の発明は、前記底部材はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって形成されている請求項1又は2に記載の断熱容器に係る。
請求項4の発明は、前記底部材の外周部が凹凸形状に形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の断熱容器に係る。
請求項5の発明は、前記底部材の底面の内周部が上げ底状に形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の断熱容器に係る。
請求項6の発明は、前記容器本体の底部と前記底部材の底面の内周部との間に断熱空間が形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の断熱容器に係る。
請求項7の発明は、前記容器本体がポリプロピレン樹脂からなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の断熱容器に係る。
請求項8の発明は、使用される紙材料の重量が容器全体の重量の50%を超えるものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の断熱容器に係る。
請求項1の発明に係る断熱容器は、プラスチックを素材としたカップ状の容器本体と、前記容器本体の胴部外周面を覆う紙製のスリーブとを備えた断熱容器において、前記容器本体の底部にはプラスチックの底部材が取り付けられており、前記スリーブの底部はその内側面において前記底部材の外周部に固定されていて前記スリーブと前記容器本体胴部との間に断熱空間が形成されているため、容器本体の胴部や底部を厚くすることなく十分な断熱性能を容易に確保することができるとともに、容器本体の強度を向上させることができる。
請求項2の発明は、請求項1において、前記容器本体の胴部はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって開口部よりも薄肉に成形されているため、簡易に成形可能であるとともに、軽量化を図ることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記底部材はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって形成されているため、所望する形状に簡易に成形することができる。
請求項4の発明は、請求項1ないし3において、前記底部材の外周部が凹凸形状に形成されているため、より効果的に容器本体の底部の補強が可能となるとともに、容器本体底部周辺の断熱効果を向上させることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし4において、前記底部材の底面の内周部が上げ底状に形成されているため、容器本体の底部の裏側の断熱効果を向上させることが可能となるとともに、当該断熱容器がシュリンクフィルム等の包装体により包装された場合に、利用者が包装体を破りやすくなり、使用性が向上する。
請求項6の発明は、請求項1ないし5において、前記容器本体の底部と前記底部材の底面の内周部との間に断熱空間が形成されているため、容器本体の底部の裏側(下側)の断熱効果をより向上させることができて、利用者の容器底側への接触時の影響を効果的に抑制することができる。
請求項7の発明は、請求項1ないし6において、前記容器本体がポリプロピレン樹脂からなるため、容器としての保存性に優れ、消費期限上有利となる。
請求項8の発明は、請求項1ないし7において、使用される紙材料の重量が容器全体の重量の50%を超えるものであるため、軽量化や製造コストの低減を図ることが可能となる。
本発明の一実施例に係る断熱容器の分解斜視図である。 図1の断熱容器の断面図である。 容器本体の下側からの斜視図である。 底部材の斜視図である。 底部材の上面図である。 断熱容器の製造工程を表す概略図である。
図1,2に示す本発明の一実施例に係る断熱容器10は、熱湯を注ぐことによって飲食が可能となるラーメン、うどん、コーヒー、味噌汁等の即席食品や、清涼飲料水、アイスクリーム、果物等の低温食品等の内容物を収容するものであって、容器本体11と、スリーブ20とを備え、容器本体11の底部15に底部材30が取り付けられていることを特徴とする。
容器本体11は、プラスチック(熱可塑性樹脂)を素材とし、図1〜図3に示すように、開口部13から底部15へ外径が縮小する略逆円錐台形状の胴部12を有するカップ状からなる。実施例の容器本体11は、開口部13近傍の胴部12に拡径された段差部12aが形成されているとともに、開口部13の縁部にフランジ部14が形成されている。また、底部15には、底面部16の略中央部分を容器本体11の内部側へ凹ませた底凹部17が形成されている。なお、図中の符号18は底部15の外周壁部である。
このカップ状の容器本体11は、プラスチックシート(熱可塑性樹脂シート)を用いて真空成形や圧空成形等の公知の成形方法により成形され、特に、胴部12が開口部13(フランジ部14)よりも薄肉に成形される。また、底部15も同様に開口部13よりも薄肉に成形される。開口部13の厚みとしては0.4〜1.5mm、胴部12及び底部15の厚みとしては0.1〜0.6mmである。開口部13の厚みが0.4mm未満または胴部12及び底部15の厚みが0.1mm未満の場合、容器本体11の強度が不十分となる。一方、開口部13の厚みが1.5mmより大きいまたは胴部12及び底部15の厚みが0.6mmより大きい場合、プラスチック(樹脂材料)の使用量が増えて容器重量や製造コストの面で不利となる。実施例では、厚さ1.3〜1.5mmのプラスチックシートを用い、開口部13が厚さ0.9〜1.0mm、胴部12及び底部15がそれぞれ厚さ0.2〜0.3mmとされる。このように、容器本体11は、プラスチックシートの真空成形や圧空成形等により簡易に成形可能であるとともに、胴部12や底部15を厚く成形しないため軽量化を図ることができる。
容器本体11を構成する材料としては、熱湯が注がれても変形しない耐熱性に優れたポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等のプラスチック(熱可塑性樹脂)が好適に使用される。特に、ポリプロピレン樹脂は耐熱性に加え、水蒸気バリア性を備えることから、容器としての保存性に優れ、消費期限上有利となる。また、低温食品等の高温にならない内容物を収容する場合、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレン等を用いてもよい。
スリーブ20は、図1,2に示すように、容器本体11の胴部12外周面を覆う紙製の加飾用の被覆シートである。このスリーブ20では、表面に内容物の種類や調理法、商品名等の文字情報や、ブランドに係る適宜のパッケージデザインのための図柄等が印刷されることにより、当該断熱容器10の美粧性を容易に向上させて商品価値を向上させることができる。また、スリーブ20は、容器本体11の胴部12外周面を被覆することで、利用者が容器本体11の胴部12に直に触れることを回避する断熱材として作用する。そのため、容器本体11に熱湯等が注がれて熱せられた場合にやけどしにくくしたり、容器本体11に低温食品等の冷たい内容物が収容された場合に利用者の体温が内容物に伝わることを抑制したりすることができる。
実施例のスリーブ20は、略扇形状の紙製シート(図示せず)の両側辺部を貼着して、上部21が容器本体11の胴部12の段差部12aの外径と同径またはわずかに小径となる略逆円錐台形状の筒体に形成され、段差部12aに上部21近傍の内側面が貼着されて固定されている。スリーブ20の厚みとしては、強度や断熱性能等の観点から容器本体11の胴部12の厚みより厚く構成され、例えば0.2〜0.7mmである。スリーブ20の厚みが0.2mm未満の場合、十分な強度や断熱性能を得ることが困難となる。一方、厚みが0.7mmより大きい場合、容器重量や製造コストの面で不利となる。実施例のスリーブ20の厚みは約0.5mmである。なお、図中の符号22は上部21より小径となるスリーブ20の底部である。
底部材30は、容器本体11の底部15を支持して補強するとともに、当該容器10の断熱性能を十分に確保するためのものであって、プラスチック(熱可塑性樹脂)を素材とし、図1,2,4,5に示すように、容器本体11の底部15に取り付けられ、容器本体11の底部15より大径となる外周部32にスリーブ20の底部22が固定されて、容器本体11の胴部12とスリーブ20との間に断熱空間Sを形成する。この底部材30は、プラスチックシート(熱可塑性樹脂シート)を用いて真空成形や圧空成形等の公知の成形方法により平面視略円形の台座形状に成形される。そのため、所望する形状に簡易に成形することができる。底部材30の厚みは、強度や重量等の観点から、例えば0.1〜0.5mmである。底部材30の厚みが0.1mm未満の場合、十分な強度を確保することが困難となる。一方、厚みが0.5mmより大きい場合、プラスチック(樹脂材料)の使用量が増えて容器重量や製造コストの面で不利となる。実施例の底部材30の厚みは約0.3mmである。
実施例の底部材30は、スリーブ20の底部22の内径と同径またはわずかに大径となる略円形状の底面31と、底面31の外周縁部に立設された外周部32と、底面31の内周部に形成され容器本体11の底部15が載置される載置部33と、載置部33に上側へ突出して設けられて容器本体11の底部15に形成された底凹部17と嵌合可能な嵌合突部34とを有する。この底部材30は、容器本体11の底凹部17に嵌合突部34が嵌合することによって容器本体11の底部15に固定される。また、底面31の外周縁部に立設された外周部32は、スリーブ20の底部22の内径と同径またはわずかに大径に形成されるため、底部材30がスリーブ20の底部22内側面に嵌合して固定される。なお、必要に応じて、スリーブ20の底部22と底部材30とを接着剤等により固着してもよい。
さらに、底部材30では、外周部32が、その壁面を内周側へ突出させた複数の外周突部32aを全周に亘って等間隔で設けた凹凸形状に形成されている。凹凸形状の外周部32では、複数の外周突部32aが容器本体11の底部15の外周壁部18に近接または当接することにより、容器本体11の底部15(外周壁部18)と底部材30の外周部32との間に断熱空間S1が形成されるとともに、スリーブ20の底部22と底部材30の外周部32(外周突部32a)との間に断熱空間S2が形成されて、容器本体11の底部15周辺の断熱効果を向上させることができる。また、外周部32が凹凸形状であることにより、底部材30の上下方向の強度が向上する。
加えて、底部材30では、底面31内周部の載置部33が上げ底状に形成されている。そのため、容器本体11の底部15の底面部16と底部材30の底面31との間に断熱空間S3を形成することができるとともに、底部材30の載置部33の裏側(下側)に広範囲に亘って断熱空間S4を形成することができる。特に、載置部33裏側の断熱空間S4は、容器本体11単体では底部15の裏側の空間を十分に確保することが困難であったが、上げ底状の載置部33をより高くすることで底部15の裏側(下側)に広い空間層を極めて容易に確保することが可能となる。また、この断熱空間S4は、十分な高さが確保されることで、当該断熱容器10がシュリンクフィルム等の包装体により包装された場合に、利用者が包装体を破りやすくなり、使用性が向上する。
さらに、底部材30では、容器本体11に取り付けた際に、底面31内周部の載置部33に形成された嵌合突部34と容器本体11の底部15に形成された底凹部17との間に断熱空間S5が形成されている。この断熱空間S5により、容器本体11の底部15の裏側(下側)の断熱効果を向上させることができる。特に、利用者が当該容器10を持つ際等に底側(この例では嵌合突部34の裏側)に触れたとしても、容器本体底部15の底凹部17との間に断熱空間S5が介在されていることで、容器本体11の内容物が熱くてもやけどしにくくなり、内容物が冷たくても体温が伝わりにくくなる。
底部材30を構成する材料としては、容器本体11と同様に、熱湯が注がれても変形しない耐熱性に優れたポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等のプラスチック(熱可塑性樹脂)が好適に使用される。また、低温食品等の高温にならない内容物を収容する場合、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレン等を用いてもよい。
当該断熱容器10では、使用される紙材料の重量、すなわち、紙製のスリーブ20の重量が、容器全体の重量の50%を超えるものとされる。その結果、容器本体11、底部材30、接着剤、包装フィルム等のプラスチックを素材とする部位におけるプラスチックの使用量が減少するため、容器10の軽量化や製造コストの低減を図ることが可能となる。
次に、本発明の断熱容器10の製造工程を説明する。まず、公知の真空成形または圧空成形により、容器本体11と底部材30とがそれぞれ所定形状に成形される。次に、図6(a)に示すように、容器本体11に底部材30が取り付けられる。容器本体11への底部材30の取り付けは、図2に示すように、容器本体11の底部15の底面部16に設けられた底凹部17に、底部材30の内周部の載置部33に設けられた嵌合突部34が嵌合されることによって行われる。底部材30の取り付けに際しては、あらかじめ容器本体11の底面部16や底部材30の載置部33に接着剤等を塗布して固着してもよい。
続いて、図6(b)に示すように、略逆円錐台形状の筒体に形成されたスリーブ20を用意し、底部材30が取り付けられた容器本体11を、スリーブ20内へその上部21側から挿入させる。ここで、底部材30(外周部32)の外径がスリーブ20の上部21より小径であり、かつ、スリーブ20の底部22と同径またはわずかに大径であるため、容器本体11とともにスリーブ20内へ挿入された底部材30は、図2に示すように、スリーブ20の底部22の内側面において固定される。その際、スリーブ20の上部21が容器本体11の胴部12の段差部12aに固定される。なお、スリーブ20の上部21の内側面または容器本体11の段差部12aに、あらかじめ接着剤等が塗布しておくことで、容器本体11にスリーブ20を貼着させることができ、スリーブ20の不用意な脱落を防止することができる。また、必要に応じて、スリーブ20の底部22の内側面または底部材30の外周部32にあらかじめ接着剤等を塗布して、スリーブ20と底部材30とを固着させてもよい。
図6(c)に示すように、容器本体11、スリーブ20、底部材30がそれぞれ固定されて断熱容器10が完成する。その後、適宜の内容物が容器本体11内に収容されて、図示しない蓋体により容器本体11の開口部13が封止され、シュリンクフィルム等の包装体により包装されて、製品として出荷される。
以上図示し説明したように、本発明の断熱容器10は、プラスチックを素材としたカップ状の容器本体11と、容器本体11の胴部12外周面を覆う紙製のスリーブ20とを備え、容器本体11の底部15にはプラスチックの底部材30が取り付けられており、スリーブ20の底部22はその内側面において底部材30の外周部32に固定されていてスリーブ20と容器本体胴部12との間に断熱空間Sが形成されている。そのため、断熱空間Sにより、容器本体11の胴部12や底部15を厚くすることなく十分な断熱性能を容易に確保することができるとともに、スリーブ20及び断熱空間Sにより容器本体11の胴部12を補強し、かつ、底部材30により容器本体11の底部15を支持して補強し、容器本体11の強度を向上させることができる。
また、容器本体11の胴部12はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって開口部13よりも薄肉に成形されているため、簡易に成形可能であるとともに、容器本体11の軽量化を図ることができる。特に、容器本体11をポリプロピレン樹脂によって構成すれば、優れた耐熱性及び水蒸気バリア性を得ることが可能となって、容器としての保存性に優れ、消費期限上有利となる。
さらに、底部材30は、プラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって形成されているため、所望する形状に簡易に成形することができる。
また、底部材30では、外周部32が凹凸形状に形成することで、上下方向の強度が向上してより効果的に容器本体11の底部15の補強が可能となるとともに、容器本体11の底部15の周囲に断熱空間S1,S2が形成されて、底部15周辺の断熱効果を向上させることができる。
さらに、底部材30では、底面31の内周部を上げ底状に形成することで、容器本体11の底部15の裏側(下側)に広範囲に亘って断熱空間S3,S4が形成されて、底部15の裏側の断熱効果を向上させることが可能となるとともに、当該断熱容器10がシュリンクフィルム等の包装体により包装された場合に、利用者が包装体を破りやすくなり、使用性が向上する。
加えて、容器本体11の底部15(底凹部17)と底部材30の底面31の内周部(嵌合突部34)との間に断熱空間S5を形成することで、容器本体11の底部15の裏側(下側)の断熱効果をより向上させることができ、特に、利用者が当該容器10を持つ際等に底側(この例では嵌合突部34の裏側)に触れたとしても、容器本体11の内容物が熱くてもやけどしにくくなり、内容物が冷たくても体温が伝わりにくくなる等、利用者の容器底側への接触時の影響を効果的に抑制することができる。
また、当該断熱容器10において、使用される紙材料の重量が容器全体の重量の50%を超えるものとすれば、容器本体11や底部材30等のプラスチックを素材とする部位におけるプラスチックの使用量が減少するため、容器10の軽量化や製造コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本発明の断熱容器は、実施例のみに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成の一部を適宜に変更して実施することができる。例えば、廃棄時の分別を容易にするために、紙製のスリーブに鉤状の切込みやミシン目等の破断部を設けて、容器本体からスリーブを分離しやすくしてもよい。
また、実施例では、容器底側の断熱効果を向上させるために、容器本体底部と底部材底面の内周部との間に断熱空間を形成したが、底部材内周部の嵌合突部を容器本体底部の底凹部に当接させてより強固に嵌合させて、底部材の脱落を抑制するようにしてもよい。その際、必要に応じて、容器本体の底凹部や底部材の嵌合突部に公知の接着剤等を塗布して固着してもよい。
10 断熱容器
11 容器本体
12 胴部
13 開口部
15 底部
20 スリーブ
21 スリーブの上部
22 スリーブの底部
30 底部材
31 底部材の底面
32 底部材の外周部
S 断熱空間

Claims (8)

  1. プラスチックを素材としたカップ状の容器本体と、前記容器本体の胴部外周面を覆う紙製のスリーブとを備えた断熱容器において、
    前記容器本体の底部にはプラスチックの底部材が取り付けられており、
    前記スリーブの底部はその内側面において前記底部材の外周部に固定されていて前記スリーブと前記容器本体胴部との間に断熱空間が形成されている
    ことを特徴とする断熱容器。
  2. 前記容器本体の胴部はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって開口部よりも薄肉に成形されている請求項1に記載の断熱容器。
  3. 前記底部材はプラスチックシートの真空成形又は圧空成形によって形成されている請求項1又は2に記載の断熱容器。
  4. 前記底部材の外周部が凹凸形状に形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の断熱容器。
  5. 前記底部材の底面の内周部が上げ底状に形成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の断熱容器。
  6. 前記容器本体の底部と前記底部材の底面の内周部との間に断熱空間が形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の断熱容器。
  7. 前記容器本体がポリプロピレン樹脂からなる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の断熱容器。
  8. 使用される紙材料の重量が容器全体の重量の50%を超えるものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の断熱容器。
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