明 細 書
基地局装置及びリソース割り当て方法
技術分野
[0001] 本発明は、無線通信システムに使用される基地局装置及びリソース割り当て方法に 関する。
背景技術
[0002] 3GPPにおいて標準化された HSDPA (High Speed Downlink Packet Access)では 、スケジューリング技術、適応変調技術を適用することにより高スループットを実現し ている。スケジューリング技術とは、基地局装置が、各通信端末装置が測定した回線 品質 (例えば SINR (希望波対干渉波比))等に基づ 、てユーザ回線を割り当てる技 術であり、適応変調技術とは、基地局装置が、各通信端末装置が測定した受信品質 等に基づいて通信端末装置毎に送信データの変調方式及び誤り訂正符号ィ匕率の 組み合わせ (以下、「MCSレベル」と 、う)を決定する技術である。
[0003] スケジューリングを実施する基地局装置は、各通信端末装置が測定した回線品質 を比較し、例えば回線品質が最も高い通信端末装置にユーザ回線を割り当て、当該 回線品質に対応する MCSレベルで送信データを変調して送信する。
非特許文献 1 : 3GPP TR25.858 V5.0.0(2002- 03)
非特許文献 2 : 3GPP TS25.214 V5.8.0(2004- 03)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0004] し力しながら、上記従来の方法では、 SINRの測定精度等の仕様が通信端末装置 毎に異なることを考慮して ヽな 、ので、通信端末装置にお 、て最適な MCSレベルを 選択することができな 、恐れがある。
[0005] 例えば、図 1において、本来の SINR (回線品質の真値)がポイント 11であるにもか かわらず、 SINR測定誤差のために SINR測定結果がポイント 12となってしまった場 合、基地局装置は、従来の方法によると、 MCSレベル 2を選択すべきであるにもかか わらず、 MCSレベル 3を選択してしまうため、通信端末装置において受信信号を正
しく復調できなくなってしまう。
[0006] 一方、図 2において、本来の SINR (回線品質の真値)がポイント 21であるにも力か わらず、 SINR測定誤差のために SINR測定結果がポイント 22となってしまった場合 、基地局装置は、従来の方法によると、 MCSレベル 3を選択すべきであるにもかかわ らず、 MCSレベル 2を選択してしまうため、通信端末装置に対して過剰な余裕を持ち つつ信号を送信してしま 、、スループットが低下してしまう。
[0007] 本発明の目的は、最適な MCSレベルを選択し、システムスループットの向上を図る ことができる基地局装置及びリソース割り当て方法を提供することである。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明の基地局装置は、通信端末装置のランクに基づいてスケジューリングに使 用する MCSテーブルを選択する MCSテーブル選択手段と、前記 MCSテーブル選 択手段が選択した MCSテーブルと前記通信端末装置が測定した回線品質とに基づ V、て MCSレベルを決定するスケジューリング手段と、を具備する構成を採る。
[0009] 本発明のリソース割り当て方法は、通信端末装置のランクに基づいてスケジユーリ ングに使用する MCSテーブルを選択する工程と、前記ランクを更新し、前記選択し た MCSテーブルを再選択する工程と、前記選択した MCSテーブルと前記通信端末 装置が測定した回線品質とに基づいて MCSレベルを決定する工程と、を具備する 方法を採る。
発明の効果
[0010] 本発明によれば、通信端末装置のランク等を考慮して MCSテーブルを選択し、選 択した MCSテーブルを使って回線品質に基づいて MCSレベルを決定することによ り、最適な MCSレベルを決定することができ、システムスループットの向上を図ること ができる。
図面の簡単な説明
[0011] [図 1]従来の MCSレベルの選択方法の一例を説明するための図
[図 2]従来の MCSレベルの選択方法の一例を説明するための図
[図 3]本発明の実施の形態 1に係る基地局装置の構成を示すブロック図
[図 4]上記実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
[図 5]上記実施の形態に係る基地局装置及び通信端末装置との間の通信順序を示 すシーケンス図
[図 6]上記実施の形態に係る基地局装置に記憶される MCSテーブルを示す図
[図 7]本発明の実施の形態 2に係る基地局装置の構成を示すブロック図
[図 8]上記実施の形態に係る基地局装置に記憶されるランクと回線品質の平均化区 間長との関係を示すテーブルを示す図
[図 9]本発明の実施の形態 3に係る基地局装置の構成を示すブロック図
[図 10]上記実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
[図 11]本発明の実施の形態 4に係る基地局装置の構成を示すブロック図
[図 12]上記実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
[図 13]本発明の実施の形態 5に係る基地局装置に記憶される MCSテーブルを示す 図
[図 14]上記実施の形態に係る基地局装置に記憶される MCSテーブルを示す図 発明を実施するための最良の形態
[0012] 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[0013] (実施の形態 1)
まず、本発明の実施の形態 1に係る基地局装置の構成について図 3のブロック図を 用いて説明する。図 3の基地局装置 100は、複数の通信端末装置と同時に無線通 信を行う。各通信端末装置から基地局装置 100に送信される信号には、測定した回 線品質を示す回線品質情報、誤り検出処理結果を示す ACKZNACK情報、及び、 通信端末装置の仕様をランクによって示す端末ランク情報が含まれる。なお、 ACK 情報は誤りが検出されな力つたことを示す情報であり、 NACK情報は誤りが検出され たことを示す情報である。また、以下の説明では、通信端末装置の仕様を、良い順に A、 B、 Cの 3つのランクで示す。通信端末装置の仕様として、回線品質の測定精度、 繰り返し復号回数、周波数引き込み精度等が挙げられる。
[0014] 共用器 102は、アンテナ 101に受信された信号を受信無線部 103に出力する。ま た、共用器 102は、送信無線部 158から出力された信号をアンテナ 101から無線送 信する。
[0015] 受信無線部 103は、共用器 102から出力された無線周波数の受信信号をベース バンド信号に変換して復調部 104に出力する。復調部 104は、無線通信を行う通信 端末装置の数だけ用意され、受信ベースバンド信号に対して逆拡散、 RAKE合成等 の復調処理を行い、復調後の信号を誤り訂正復号部 105に出力する。
[0016] 誤り訂正復号部 105は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調後 の信号に対して誤り訂正復号処理を行い、復号結果である受信データを得る。そし て、誤り訂正復号部 105は、 ACKZNACK情報検出部 106、回線品質情報検出部 107、端末ランク検出部 108及び図示しない後工程に受信データを出力する。
[0017] ACKZNACK情報検出部 106は、受信データに含まれる ACK情報あるいは NA CK情報を検出し、検出結果をデータ再送制御部 152に出力する。回線品質情報検 出部 107は、受信データに含まれる回線品質情報を検出し、検出結果をスケジユー リング部 151に出力する。端末ランク検出部 108は、受信データに含まれる端末ラン ク情報を検出し、検出結果を MCSテーブル選択部 109に出力する。
[0018] MCSテーブル選択部 109は、通信端末装置のランクに基づいてスケジューリング に使用する MCSテーブルを選択し、選択した MCSテーブルの番号を示す情報をス ケジユーリング部 151に出力する。
[0019] スケジューリング部 151は、各 MCSレベルが割り当てられる SINRの範囲を示す M CSテーブルを複数記憶し、 MCSテーブル選択部 109が選択した MCSテーブルと 回線品質情報に基づ 、て各通信端末装置の MCSレベルを決定し、各通信端末装 置の MCSレベルを比較してデータ送信先となる通信端末装置を割り当て、割り当て た通信端末装置に送信する送信データの変調方式、符号化率及び使用する物理リ ソースを決定する(リソース割り当て)。なお、本実施の形態に係る MCSテーブルの 選択方法の詳細については後述する。
[0020] スケジューリング部 151は、リソース割り当てを行った後、データ送信先として割り当 てた通信端末装置を示す情報をデータ再送制御部 152に出力し、リソース割り当て 結果を示すリソース割り当て情報を誤り訂正符号ィ匕部 156に出力する。また、スケジ ユーリング部 151は、誤り訂正符号化部 154に対して符号化率を指示し、変調部 155 に対して変調方式を指示する。
[0021] データ再送制御部 152は、 ACKZNACK情報検出部 106から出力された ACK ZNACK情報の中から、データ送信先として割り当てられた通信端末装置力 送信 されたものを選択する。そして、データ再送制御部 152は、選択した情報が ACK情 報であれば送信データバッファ部 153に対してデータ送信先として割り当てられた通 信端末装置に新規データを送信することを指示する。一方、データ再送制御部 152 は、選択した情報が NACK情報であれば送信データバッファ部 153に対してデータ 送信先して割り当てられた通信端末装置に再送用データを送信することを指示する
[0022] 送信データバッファ部 153は、各通信端末装置に送信する送信データを一時的に 記憶し、データ再送制御部 152から指示された送信データを誤り訂正符号ィ匕部 154 に出力する。
[0023] 誤り訂正符号ィ匕部 154は、送信データバッファ部 153の出力データに対してスケジ ユーリング部 151から指示された符号ィ匕率の誤り訂正符号ィ匕を行い、誤り訂正符号 化後のデータを変調部 155に出力する。
[0024] 変調部 155は、誤り訂正符号ィ匕部 154の出力データに対してスケジューリング部 1
51から指示された変調方式により変調及び拡散を行い、変調後の信号を送信無線 部 158に出力する。
[0025] 誤り訂正符号ィ匕部 156は、リソース割り当て情報に対して誤り訂正符号ィ匕を行い、 誤り訂正符号ィ匕後のデータを変調部 157に出力する。変調部 157は、誤り訂正符号 化部 156の出力データに対して変調及び拡散を行い、変調後の信号を送信無線部 158に出力する。
[0026] 送信無線部 158は、変調部 155の出力信号及び変調部 157の出力信号を無線周 波数の信号に変換して共用器 102に出力する。
[0027] 次に、本実施の形態に係る通信端末装置の構成について図 4のブロック図を用い て説明する。図 4の通信端末装置 200は、図 3に示した基地局装置 100と無線通信 を行う。
[0028] 共用器 202は、アンテナ 201に受信された信号を受信無線部 203に出力する。ま た、共用器 202は、送信無線部 253から出力された信号をアンテナ 201から無線送
信する。
[0029] 受信無線部 203は、共用器 202から出力された無線周波数の受信信号をベース バンド信号に変換して復調部 204に出力する。復調部 204は、受信ベースバンド信 号に対して逆拡散、 RAKE合成等の復調処理を行い、復調後の信号を誤り訂正復 号部 205に出力する。また、復調部 204は、復調処理の過程で得られる希望波電力 、干渉波電力等の回線品質測定に必要な情報を回線品質測定部 208に出力する。
[0030] 誤り訂正復号部 205は、復調後の信号に対して誤り訂正復号処理及び誤り検出処 理を行い、誤りが検出されな力つた場合には復号結果である受信データを図示しな い後工程に出力する。また、誤り訂正復号部 205は、誤り検出結果を示す情報を AC KZNACK信号生成部 206に出力する。
[0031] ACKZNACK信号生成部 206は、復号後の信号に誤りが検出されな力つた場合 には ACK情報を生成し、復号後の信号に誤りが残存する場合には NACK情報を生 成し、 ACK情報あるいは NACK情報を誤り訂正符号ィ匕部 251に出力する。
[0032] 回線品質測定部 208は、復調部 204から出力された情報に基づいて SINR (回線 品質)を測定し、測定した SINRを示す回線品質情報を誤り訂正符号ィ匕部 251に出 力する。
[0033] 誤り訂正符号ィ匕部 251は、送信データに、回線品質情報、 ACKZNACK情報及 び端末ランク情報を多重し、多重後の信号に対して誤り訂正符号ィ匕を行い、変調部 252に出力する。なお、これらの情報には各々個別の誤り訂正符号ィ匕を行ってもよい
[0034] 変調部 252は、誤り訂正符号ィ匕部 251の出力信号に対して変調及び拡散を行い、 送信無線部 253に出力する。送信無線部 253は、変調部 252の出力信号を無線周 波数の信号に変換して共用器 202に出力する。
[0035] 次に、本実施の形態に係る基地局装置と通信端末装置との間の通信順序につい て図 5のシーケンス図を用いて説明する。
[0036] まず、通信端末装置は、基地局装置に対して通信開始要求を行うとともに (S301) 、端末ランク情報を送信する(S302、 S303)。次に、基地局装置は、通信開始要求 があった通信端末装置に対して下りデータを送信する(S304、 S305)。
[0037] 通信端末装置は、回線品質を測定し (S306)、回線品質情報を含む制御情報を基 地局装置に送信する(S307、 S308、 S309)。
[0038] 基地局装置は、端末ランク情報に基づいて MCSテーブルを選択し、回線品質情 報に基づ 、て MCSを決定し、 MCSを比較してデータ送信先となる通信端末装置を 割り当て、割り当てた通信端末装置に送信する送信データの変調方式及び符号ィ匕 率を決定するリソース割り当てを行う(S310)。そして、基地局装置は、決定した変調 方式及び符号ィ匕率の下りデータを通信端末装置に送信する(S311、S312)。
[0039] 次に、本実施の形態に係る基地局装置 100の MCSテーブルの選択方法について 詳細に説明する。
[0040] スケジューリング部 151は、図 6に示すように複数の MCSテーブルを記憶する。各 MCSテーブルは、各 MCSレベルが割り当てられる SINRの範囲を示し、互いにその 範囲が異なる。例えば、 MCSテーブル 1において MCS2が割り当てられる SINRの 範囲は TH11以上で TH12よりも小さい範囲であり、 MCSテーブル 2において MCS 2が割り当てられる SINRの範囲は TH21以上で TH22よりも小さい範囲であり、 TH 21は TH11よりも Δ dB小さく、 TH22は TH12よりも Δ dB小さい。
11 12
[0041] MCSテーブル選択部 109は、端末ランク情報に基づいて MCSテーブルを選択す る。例えば、ランクが高い通信端末装置程、閾値が低い MCSテーブルを選択する方 法 (ランク A、 B、 Cの順に、 MCSテーブル 3、 2、 1を割り当てる方法)が考えられる。 この選択方法を用いる場合には、ランクが低 、通信端末装置に伝送レートが低 ヽ M CSレベルが割り当てられるので誤り率を下げることができる。逆に、ランクが低い通信 端末装置程、閾値が低い MCSテーブルを選択する方法 (ランク A、 B、 Cの順に、 M CSテーブル 1、 2、 3を割り当てる方法)も考えられる。この選択方法を用いる場合に は、ランクが低ぐ雑音や干渉電力を真の値より大きく測定しまう通信端末装置に対し て適切な MCSレベルを割り当てることができる。
[0042] スケジューリング部 151は、 MCSテーブル選択部 109が選択した MCSテーブルに より、回線品質情報に示される SINRの値に対応する MCSレベルを決定し、決定し た MCSレベルを比較してデータ送信先となる通信端末装置を割り当てる。
[0043] このように、本実施の形態によれば、通信端末装置のランクに基づ 、て MCSレべ
ルを決定するためのテーブルを選択することにより、最適な MCSレベルを決定する ことができ、システムスループットの向上を図ることができる。
[0044] (実施の形態 2)
実施の形態 2では、回線品質の分散に基づいてランクを更新し、 MCSテーブルを 再選択する場合について説明する。本実施の形態の通信端末装置の構成は、上記 実施の形態 1で示した図 4の通信端末装置 200と同一になる。
[0045] 図 7は、本実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図 7の基地局装置 500において、図 3に示した基地局装置 100と共通する構成には、 図 3と同一の符号を付し、説明を省略する。図 7の基地局装置 500は、図 3に示した 基地局装置 100と比較して、平均化区間長決定部 501、平均化部 502及び分散測 定部 503を追加した構成を採る。
[0046] 回線品質情報検出部 107は、受信データに含まれる回線品質情報を検出し、検出 結果を平均化部 502及び分散測定部 503に出力する。端末ランク検出部 108は、受 信データに含まれる端末ランク情報を検出し、検出結果を MCSテーブル選択部 10 9及び平均化区間長決定部 501に出力する。
[0047] 平均化区間長決定部 501は、図 8に示すように、通信端末装置のランクと回線品質 の平均化区間長との関係を示すテーブルを記憶し、ランクが低い程、平均化区間長 が長くなるように、ランクに基づいて平均化区間長を設定する。例えば、図 8の場合、 平均化区間長決定部 501は、ランク A、 B、 Cの順に平均化区間長 T、 Τ、 Τ (Τ <
A B C A
T <Τ )を設定する。そして、平均化区間長決定部 501は、設定した平均化区間長
B C
を示す情報を平均化部 502に出力する。
[0048] 平均化部 502は、平均化区間長決定部 501が設定した平均化区間長で回線品質 を平均化し、回線品質の平均値をスケジューリング部 151に出力する。
[0049] 分散測定部 503は、所定計測区間における回線品質の分散を計算し、計算結果を
MCSテーブル選択部 109に出力する。なお、回線品質の平均化区間長と分散の計 測を行う区間長は同一でなくても良 ヽ。
[0050] MCSテーブル選択部 109は、通信端末装置のランクに基づいてスケジューリング に使用する MCSテーブルを選択し、選択した MCSテーブルの番号を示す情報をス
ケジユーリング部 151に出力する。また、 MCSテーブル選択部 109は、回線品質の 分散に基づ 、てランクを更新し、 MCSテーブルを再選択する。
[0051] 例えば、分散が閾値 1より大きい場合、回線品質の分布が正規分布に近いと判断 でき、平均化結果の信頼性が高いため、ランクを上げて MCSテーブルを再選択する 。逆に、分散が閾値 2以下である場合、回線品質の分布が偏っていると判断でき、平 均化結果の信頼性が低いため、ランクを下げて MCSテーブルを再選択する。なお、 閾値 1と閾値 2は同一の値であっても良い。
[0052] スケジューリング部 151は、 MCSテーブル選択部 109が選択した MCSテーブルと 平均化された受信品質情報に応じて MCSレベルを決定する。
[0053] このように、本実施の形態によれば、平均化によって受信品質情報のばらつきを低 減することができ、さらに回線品質の分散に基づいて回線品質の信頼性を考慮して ランクを更新し、 MCSテーブルを再選択することができるので、最適な MCSレベル を決定することができ、システムスループットの向上を図ることができる。
[0054] (実施の形態 3)
実施の形態 3では、受信データ量とターボ復号処理容量の関係に基づいて MCS テーブルを再選択する場合につ ヽて説明する。
[0055] 基地局装置がデータ送信先の通信端末装置に高い MCSレベルを割り当てた場合 には、送信データ量が大きくなり、ターボ符号ィ匕ブロック (パケット)数が多くなる。その 通信端末装置の処理能力が低い場合、単位時間あたりのターボ符号ィ匕ブロック数が 所定量よりも多くなると、ターボ復号の繰り返し復号回数をこなせなくなる可能性があ る。また、単位時間あたりの最大受信データ量 (ターボ符号ィ匕ブロック数)に対して最 大繰り返し復号を行うことができるように設計すると、回路規模が冗長になる。
[0056] そこで、本実施の形態では、通信端末装置が、受信データ量が自局のターボ復号 処理容量の所定の割合 (例えば、 8割)を上回った場合にアラーム情報を基地局装 置に報告し、基地局装置が、アラーム情報を受けた場合に閾値が高い MCSテープ ルを選択することにより MCSレベルを下げる。
[0057] 図 9は、本実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、図 9の基地局装置 700において、図 3に示した基地局装置 100と共通する構成には、
図 3と同一の符号を付し、説明を省略する。図 9の基地局装置 700は、図 3に示した 基地局装置 100と比較して、アラーム情報検出部 701を追加した構成を採る。
[0058] 誤り訂正復号部 105は、 ACKZNACK情報検出部 106、回線品質情報検出部 1 07、端末ランク検出部 108、アラーム情報検出部 701及び図示しない後工程に受信 データを出力する。
[0059] アラーム情報検出部 701は、受信データに含まれるアラーム情報を検出し、検出結 果を MCSテーブル選択部 109に出力する。
[0060] MCSテーブル選択部 109は、通信端末装置のランクに基づいてスケジューリング に使用する MCSテーブルを選択し、選択した MCSテーブルの番号を示す情報をス ケジユーリング部 151に出力する。また、 MCSテーブル選択部 109は、アラーム情報 検出部 701がアラーム情報を検出した場合、閾値が高い MCSテーブルを再選択す る。
[0061] 図 10は、本実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。なお 、図 10の通信端末装置 800において、図 4に示した通信端末装置 200と共通する構 成には、図 4と同一の符号を付し、説明を省略する。図 10の通信端末装置 800は、 図 4に示した通信端末装置 200と比較して、アラーム情報生成部 801を追加した構 成を採る。
[0062] 誤り訂正復号部 205は、誤り検出結果を示す情報を ACKZNACK信号生成部 2 06に出力し、受信データ量及びターボ復号処理容量を示す情報をアラーム情報生 成部 801に出力する。
[0063] アラーム情報生成部 801は、受信データ量が自局のターボ復号処理容量の所定 の割合を上回った場合にアラーム情報を生成し、誤り訂正符号ィ匕部 251に出力する
[0064] 誤り訂正符号ィ匕部 251は、送信データに、回線品質情報、 ACKZNACK情報、 アラーム情報及び端末ランク情報を多重し、多重後の信号に対して誤り訂正符号ィ匕 を行い、変調部 252に出力する。
[0065] このように、本実施の形態によれば、受信データ量が自局のターボ復号処理容量 の所定の割合を上回った場合に閾値が高い MCSテーブルを選択して MCSレベル
を下げることができるので、最適な MCSレベルを決定することができ、システムスル 一プットの向上を図ることができる。また、必ずしも最大受信パケット量に対して最大 繰り返し数をこなせるような処理能力を想定しなくてもよくなり、通信端末装置の設計 の自由度が増す。
[0066] なお、本実施の形態では、アラーム情報を検出した場合に閾値が高い MCSテープ ルを再選択する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、アラーム情報 を検出した場合に直接 MCSレベルを下げても良い。
[0067] また、処理容量アラーム情報は、 (1)処理容量を越えたときのみ送信される、 (2)常 に送信されその内容がアラームあり Zなしを示す、の 、ずれでもよ 、。
[0068] (実施の形態 4)
実施の形態 4では、通信端末装置の周波数安定度に基づ!/、て MCSテーブルを再 選択する場合について説明する。
[0069] 通信中に AFC (Auto Frequency Control)を行う場合に、水晶発振器が持つ温度 特性などの影響によって周波数がずれてしまうことがある。その場合、再び AFCが周 波数オフセットを補正して周波数が安定するまでにはある程度の時間がかかる。すな わち、周波数が安定するまでの間は、その通信端末装置では受信したパスの位置を 正しく検出することができず、結果として回線品質測定精度も劣化する。
[0070] そこで、本実施の形態では、通信端末装置が周波数安定度を随時計測し、計測結 果を示す周波数安定度情報を基地局装置に報告し、基地局装置が、通信端末装置 の周波数安定度に応じて適応的に MCSテーブルを再選択する。
[0071] 図 11は、本実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。なお、 図 11の基地局装置 900において、図 3に示した基地局装置 100と共通する構成に は、図 3と同一の符号を付し、説明を省略する。図 11の基地局装置 900は、図 3に示 した基地局装置 100と比較して、周波数安定度情報検出部 901を追加した構成を採 る。
[0072] 誤り訂正復号部 105は、 ACKZNACK情報検出部 106、回線品質情報検出部 1 07、端末ランク検出部 108、周波数安定度情報検出部 901及び図示しない後工程 に受信データを出力する。
[0073] 周波数安定度情報検出部 901は、受信データに含まれる周波数安定度情報を検 出し、検出結果を MCSテーブル選択部 109に出力する。
[0074] MCSテーブル選択部 109は、通信端末装置のランクに基づいてスケジューリング に使用する MCSテーブルを選択し、選択した MCSテーブルの番号を示す情報をス ケジユーリング部 151に出力する。また、 MCSテーブル選択部 109は、通信端末装 置の周波数安定度に応じて MCSテーブルを再選択する。
[0075] 例えば、周波数安定度が閾値 1より高い場合、 AFC制御が正常に機能していると 判断でき、ランクを上げて MCSテーブルを再選択する。逆に、周波数安定度が閾値 2以下である場合、 AFC制御が正常に機能していないと判断でき、ランクを下げて M CSテーブルを再選択する。なお、閾値 1と閾値 2は同一の値であっても良い。
[0076] 図 12は、本実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。なお 、図 12の通信端末装置 1000において、図 4に示した通信端末装置 200と共通する 構成には、図 4と同一の符号を付し、説明を省略する。図 12の通信端末装置 1000 は、図 4に示した通信端末装置 200と比較して、周波数安定度情報生成部 1001を 追加した構成を採る。
[0077] 受信無線部 203は、無線周波数の受信信号をベースバンド信号に変換する際に A FC制御を行い、周波数のずれを測定し、測定結果を示す情報を周波数安定度情報 生成部 1001に出力する。
[0078] 周波数安定度情報生成部 1001は、周波数のずれから周波数安定度を計測し、計 測結果を示す周波数安定度情報を生成し、誤り訂正符号化部 251に出力する。
[0079] 誤り訂正符号ィ匕部 251は、送信データに、回線品質情報、 ACKZNACK情報、 周波数安定度情報及び端末ランク情報を多重し、多重後の信号に対して誤り訂正符 号化を行い、変調部 252に出力する。
[0080] このように、本実施の形態によれば、周波数安定度を考慮して MCSテーブルを再 選択することができるので、周波数が安定するまでに時間を要する通信端末装置に 対して閾値が高い MCSテーブルを選択して MCSレベルを下げることができるので、 最適な MCSレベルを決定することができ、システムスループットの向上を図ることが できる。
[0081] (実施の形態 5)
実施の形態 5では、通信端末装置のランクとしてターボ符号の最大繰り返し回数を 用いる場合に、変調多値数と符号ィ匕率の組み合わせが互いに異なる MCSテーブル を用いる場合について説明する。本実施の形態において、基地局装置の構成は図 3 と同一であり、通信端末装置の構成は図 4と同一である。通信端末装置は、端末ラン クとして、ターボ符号の最大繰り返し回数を示す情報を基地局装置に送信する。
[0082] 本実施の形態に係る基地局装置は、図 13に示す MCSテーブルを記憶する。図 1 3の MCSテーブル 1と MCSテーブル 2は、互いに変調多値数と符号化率の組み合 わせが異なり、それぞれの MCSレベルの伝送レートは同一である。
[0083] 基地局装置は、ターボ繰り返し復号回数に基づく性能ランクが高!、通信端末装置( 例えば、ランク A)に対して低符号化率、高多値変調の MCSテーブル 1を用い、性能 ランクが低い通信端末装置 (例えば、ランク B、 C)に対して MCSテーブル 2を用いる
[0084] このように、最大繰り返し回数が多 、通信端末装置には、符号化率が低 、MCSテ 一ブルを用いて符号ィ匕による冗長度を上げることにより、性能を向上させることができ る。その際、変調多値数を上げることにより伝送レートを落とさないようにする。
[0085] なお、図 14に示すように、変調多値数と符号ィ匕率の組み合わせが互いに異なる M CSテーブルを用いる場合に、 MCSレベル間の閾値にオフセットをもたせてもよい。
[0086] また、上記各実施の形態では、下り回線のリソース割り当てについて説明したが、 本発明はこれに限られず、上り回線のリソース割り当てにも適用することができる。
[0087] 本明糸田書 ίま、 2005年 2月 2日出願の特願 2005— 026738に基づく。この内容【ま 全てここに含めておく。
産業上の利用可能性
[0088] 本発明は、スケジューリングを行う基地局装置に用いるに好適である。