次に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
以下の各実施形態の説明では、通信システムとしてマルチキャリア通信システムであるOFDMシステムを想定し、チャネルは少なくとも1つのサブキャリアからなるサブキャリアブロック、あるいはさらにそれらを一定時間長で分割したものを意味するものとするが、これに限定されるものではない。例えば、拡散技術を用いたMC−CDMA(Multi Carrier−Code Division Multiple Access)システムにおいても、本発明を適用することができる。また、複数の周波数チャネルにおける変調パラメータ情報に関して説明するが、本発明が適用できるチャネルは周波数チャネルに限らず、例えばSDMA(Space Division Multiple Access)において固有モードが示す複数のチャネル、あるいはこれらの組み合わせとしてのチャネルなど、フレーム内の複数のチャネルを用いて通信を行なうシステムであって、チャネル毎に受信品質が異なる可能性があるシステムにおいて、本発明の適用が可能である。本明細書では、フレームは、一定の時間長で定められる一つ以上の時間チャネルと、一定の周波数帯域で定められる一つ以上の周波数チャネルとによって特定される複数のスロットから構成される通信単位とする。
また、以下の各実施形態では、基地局装置と端末装置とから構成されるFDDを採用する通信システムであり、下りリンクの通信においてOFDMの適応変調システムを想定し、上りリンクの通信ではOFDMと適応変調は行なわないシステムを想定しているが、これに限定されるものではない。基地局装置および端末装置は、それぞれOFDMシステムにおける基地局および移動局であっても良い。また、二つの通信装置間で、フィードバック情報を通知する側を端末装置、通知されたフィードバック情報に基づいて送信データを適応変調・符号化あるいはスケジューリングして送信する側を基地局装置とする。あるいは、送信データを適応変調・符号化あるいはスケジューリングし、送信データに関する制御情報を送信データとともに送信する側を基地局装置、受信する側を端末装置とする。一つの通信装置が両方の機能を有する場合もあり得る。
チャネル品質情報は、各チャネルの受信の状態から得られる情報であり、伝搬路状態を示す情報、受信品質を示す情報を含む。また、伝搬路状態に基づいて生成した情報を含んでも良い。チャネル品質情報には、信号を受信した通信装置で測定した伝搬路状態を示す情報、あるいは、測定した伝搬路状態を示す情報に基づいて選択された適応変調のパラメータが含まれる。伝搬路状態を示す情報は、信号を受信した通信装置で測定される。具体的には、適応変調における変調パラメータ決定の基準となる情報であり、CNR、CINRなどが含まれる。変調パラメータ(MCS:Modulation and Coding Scheme)は、変調方式、チャネル符号化率、変調方式とチャネル符号化率の組み合わせなどが含まれる。変調パラメータは、信号を受信した通信装置が測定した伝搬路状態を示す情報に基づいて選択する場合、信号を送信した通信装置が信号を受信した通信装置から通知された伝搬路状態を示す情報に基づいて選択する場合、とがある。
以下の各実施形態では、変調パラメータ(変調パラメータに関する情報)または伝搬路状態推定結果をチャネル品質情報の一例として用いて説明するが、これらに限られるわけではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、チャネル品質情報として変調パラメータ情報を用いる場合を一例として説明する。
図1は、本発明に係る第1の実施形態における基地局装置100の一構成例を示す機能ブロック図である。また図2は、本発明に係る第1の実施形態における端末装置200の一構成例を示す機能ブロック図である。第1の実施形態は、基地局装置100が、下りリンクの通知情報として下りリンクの送信データの適応変調に用いられた変調パラメータに関する情報を通知し、端末装置200が、上りリンクの通知情報として次の下りリンクの送信データのための変調パラメータに関する情報を通知する場合の例を示している。
基地局装置100は、誤り訂正符号化部101、変調部102、マルチプレクス部103、逆フーリエ変換部104、無線送信部(送信部)105、アンテナ部106、107、無線受信部(受信部)108、デマルチプレクス部109、復調部110、誤り訂正復号化部111、通知情報復元部300、通知情報生成装置400、並びに、適応変調制御部112を備える。
端末装置200は、アンテナ部201、214、無線受信部(受信部)202、フーリエ変換部203、デマルチプレクス部204、伝搬路推定部205、変調パラメータ選択部206、通知情報生成装置400、通知情報復元部300、適応復調制御部207、復調部208、誤り訂正復号化部209、誤り訂正符号化部210、変調部211、マルチプレクス部212、並びに、無線送信部(送信部)213を備える。
まず、図1の基地局装置における下りリンク送信手順について説明する。誤り訂正符号化部101は、下りリンク送信データと、適応変調制御部112から出力された適応変調制御情報を入力し、入力した適応変調制御情報に基づいて下りリンク送信データを誤り訂正符号化し、符号化データ系列を出力する。
変調部102は、誤り訂正符号化部101から出力された符号化データ系列と、適応変調制御部112から出力された適応変調制御情報を入力し、入力した適応変調制御情報に基づいて符号化データ系列を変調し、変調シンボル系列を出力する。
マルチプレクス部103は、変調部102から出力された変調シンボル系列、通知情報生成装置400で生成された下りリンク通知情報およびパイロット信号を入力し、これらを多重してOFDM周波数信号を出力する。なおここでパイロット信号は、端末装置200において伝搬路状態を推定するための既知信号である。基地局装置100は、予め生成したパイロット信号をメモリに蓄積しておき、メモリに蓄積したパイロット信号をマルチプレクス部103に入力することが好ましい。しかしながら、基地局装置100は、パイロット信号をメモリに蓄積せずに必要時に都度生成する、などの構成としてもよい。
逆フーリエ変換部104は、マルチプレクス部103から出力されたOFDM周波数信号を入力し、これを周波数・時間変換(逆フーリエ変換)してOFDM時間信号を出力する。
無線送信部105は、逆フーリエ変換部104から出力されたOFDM時間信号を入力し、これにガード期間を付加し、ディジタル・アナログ変換および無線周波数へアップコンバートして無線信号へ変換し、アンテナ部106を介して送信する。
次に、図2の端末装置200における下りリンク受信手順について説明する。無線受信部202は、アンテナ部201を介して下りリンクの無線信号を受信し、無線周波数からダウンコンバートおよびアナログ・ディジタル変換し、さらにガード期間を除去してOFDM時間信号を出力する。
フーリエ変換部203は、無線受信部202から出力されたOFDM時間信号を入力し、これを時間・周波数変換(フーリエ変換)してOFDM周波数信号を出力する。
デマルチプレクス部204は、フーリエ変換部203から出力されたOFDM周波数信号を入力し、入力したOFDM周波数信号を下りリンク受信データ信号、下りリンク通知情報およびパイロット信号に分離し、それぞれ出力する。
伝搬路推定部205は、デマルチプレクス部204から出力されたパイロット信号を入力し、入力したパイロット信号から伝搬路状態の推定を行ない、伝搬路状態推定結果を出力する。
なお、下りリンク受信データ信号を用いて伝搬路推定を行なう場合は、パイロット信号の代わりに下り受信データ信号、下り受信データ信号の復調結果または同誤り訂正復号結果が伝搬路推定部に入力される。この場合、基地局装置100内のマルチプレクス部103におけるパイロット信号多重処理と端末装置200内のデマルチプレクス部204におけるパイロット信号の分離処理は必要ない。また、パイロット信号と下りリンク受信データ信号の両方を用いて伝搬路推定を行なう場合は、パイロット信号に加え、下り受信データ信号、下り受信データ信号の復調結果または同誤り訂正復号結果も伝搬路推定部に入力される。本発明は、これらの構成にも適用することができる。
変調パラメータ選択部206は、伝搬路推定部205から出力された伝搬路状態推定結果を入力し、入力した伝搬路状態推定結果に基づいてサブキャリアブロック毎の次の下りリンクの変調パラメータを選択し、選択した変調パラメータに関する情報(変調パラメータ情報)を出力する。変調パラメータ選択部206は、予め定めた変調パラメータと伝搬路状態との対応関係に、伝搬路状態推定結果を当てはめることによって変調パラメータを選択する。例えば、変調パラメータとそれに対応する伝搬路状態の範囲をテーブルとして保持し、そのテーブルと伝搬路状態推定結果を比較することで選択する変調パラメータを決定できる。
通知情報生成装置400は、変調パラメータ選択部206から出力された変調パラメータを入力し、入力した変調パラメータに基づいて上りリンク通知情報を生成し出力する。通知情報生成装置400における処理に関しては図3、図4を用いて後述する。
通知情報復元部300は、デマルチプレクス部204から出力された下りリンク通知情報を入力し、入力した下りリンク通知情報から変調パラメータに関する情報を復元し出力する。なお、通知情報復元部300における処理に関しては図5、図6を用いて後述する。
適応復調制御部207は、通知情報復元部300から出力された復元された変調パラメータに関する情報(変調パラメータ情報)を入力し、入力した変調パラメータに関する情報に基づいて復調処理および誤り訂正復号化処理を制御する適応復調制御情報を生成し出力する。
復調部208は、デマルチプレクス部204から出力された下りリンク受信データ信号と、適応復調制御部207から出力された適応復調制御情報を入力し、入力した適応復調制御情報に基づいて下りリンク受信データ信号を復調し、復調データ系列を出力する。
誤り訂正復号化部209は、復調部208から出力された復調データ系列と、適応復調制御部207から出力された適応復調制御情報を入力し、入力した適応復調制御情報に基づいて復調データ系列を誤り訂正復号化し、下りリンク受信データを出力する。なお、復調の前処理として、伝搬路推定部205で推定された伝搬路状態推定結果を用いて伝搬路補償処理を行なう構成や、誤り訂正復号化時に伝搬路状態推定結果を参照する構成にしてもよい。
次に、図2の端末装置200における上りリンク送信手順について説明する。誤り訂正符号化部210は、上りリンク送信データを入力し、これを既定のチャネル符号化率によって誤り訂正符号化し、符号化データ系列を出力する。
変調部211は、誤り訂正符号化部210から出力された符号化データ系列を入力し、入力した符号化データ系列を既定の変調方式によって変調し、変調シンボル系列を出力する。
マルチプレクス部212は、変調部211から出力された変調シンボル系列と通知情報生成装置400から出力された上りリンク通知情報を入力し、入力した変調シンボル系列と上りリンク通知情報とを多重して送信信号を出力する。
無線送信部213は、マルチプレクス部212から出力された送信信号を入力し、入力した送信信号をディジタル・アナログ変換および無線周波数へアップコンバートして無線信号へ変換し、アンテナ部214を介して送信する。
次に、図1の基地局装置100における上りリンク受信手順について説明する。無線受信部108は、アンテナ部107を介して上りリンクの無線信号を受信し、無線周波数からダウンコンバートおよびアナログ・ディジタル変換し、受信信号を出力する。
デマルチプレクス部109は、無線受信部108から出力された受信信号を入力し、入力した受信信号を上りリンク受信データ信号と上りリンク通知情報に分離し、それぞれ出力する。なお、予め端末装置200内のマルチプレクス部212でパイロット信号を多重しておき、基地局装置100内のデマルチプレクス部109でパイロット信号を分離し、分離したパイロット信号を用いて、上りリンク受信データ信号および上りリンク通知情報に対して伝搬路補償をする構成としてもよい。
復調部110は、デマルチプレクス部109から出力された上りリンク受信データ信号を入力し、入力した上りリンク受信データ信号を既定の変調方式によって復調し、復調データ系列を出力する。
誤り訂正復号化部111は、復調部110から出力された復調データ系列を入力し、入力した復調データ系列を既定のチャネル符号化率によって誤り訂正復号化し、上りリンク受信データを出力する。
通知情報復元部300は、デマルチプレクス部109から出力された上りリンク通知情報を入力し、入力した上りリンク通知情報から変調パラメータに関する情報を復元し出力する。なお、通知情報復元部300における処理に関しては図5を用いて後述する。
通知情報生成装置400は、通知情報復元部300から出力された変調パラメータに関する情報を入力し、入力した変調パラメータに関する情報に基づいて下りリンク通知情報を生成し出力するとともに、生成した下りリンク通知情報に基づいて変調パラメータに関する情報を復元し出力する。
なお、上りリンク通知情報および基地局装置100の通知情報復元部300から出力される変調パラメータに関する情報と、基地局装置100の通知情報生成装置400から出力される下りリンク通知情報および変調パラメータに関する情報とは、必ずしも一致している必要はない。基地局装置100において、変調パラメータを変更することもあり得る。図1には示していないが、通知情報復元部300と通知情報生成装置400との間に変調パラメータを選択(変更)する構成要素を備えていてもよい。また、基地局装置100の通知情報生成装置400は、図2の端末装置200内の通知情報生成装置400と同様の機能ブロック構成で実現することができる。通知情報生成装置400における処理に関しては図3を用いて後述する。
適応変調制御部112は、通知情報生成装置400から出力された変調パラメータに関する情報を入力し、変調処理および誤り訂正符号化処理を制御するための適応変調制御信号を生成し出力する。
なお、上記説明では、基地局装置100も通知情報生成装置400を具備する構成について説明したが、基地局装置100が通知情報復元部300によって復元された変調パラメータをそのまま用いて下りリンク送信データの変調および誤り訂正符号化を行なう場合には、基地局装置100は必ずしも通知情報生成装置400を有する必要は無い。この場合、デマルチプレクス部109から出力された上りリンク通知情報を通知情報復元部300に入力するだけでなく、そのまま下りリンク通知情報としてマルチプレクス部103に入力する。また、適応変調制御部112には、通知情報生成装置400から出力していた変調パラメータに関する情報に代わって、通知情報復元部300から出力された変調パラメータに関する情報を入力する。
図3に、図2の端末装置200における通知情報生成装置400の機能ブロック図の一例を示す。通知情報生成装置400は、通知情報テーブル401、選択部(通知情報選択部)402、並びに、復元部(通知情報復元部)403を備える。
通知情報テーブル401は、通知情報として選択可能な候補値を記憶する記憶領域であり、候補値には、二つのチャネル品質情報の差を示す差分値候補値と、チャネル品質情報を示す非差分値候補値とを含む。通知情報テーブル401は、通知情報として選択可能な、変調パラメータの差分を表す複数の値(差分値候補値)Xk(k=1〜M、Mは自然数)、および差分ではない特定の変調パラメータを表す値(非差分値候補値)Yj(j=1〜N、Nは自然数)(以下、XkとYjを合わせて通知情報候補値と記す)からなるテーブルを保持し、これらの通知情報候補値を出力する。非差分値候補値は、チャネル品質情報を用いてもよいし、伝搬路状態を示す受信品質情報を用いてもかまわない。また、所定の伝搬路状態を示す値を用いることもできる。
選択部402は、図2における変調パラメータ選択部206において選択されたサブキャリアブロック毎の変調パラメータ(チャネル品質情報の一例)、通知情報テーブルから出力された通知情報候補値および復元部403から出力された累積値(復元値)を入力し、通知情報を生成する。選択部402は、予め、通知情報を生成する際に起点とするサブキャリアブロック番号を含む、通知情報生成の処理単位に関する情報を保持し、処理を開始するサブキャリアブロックを起点として通知情報を生成する。選択部402は、サブキャリアブロックが起点であるかを判断し、後述する図4に示す手順により順番に通知情報を生成し、生成した通知情報を出力する。また、生成された通知情報は復元部403へ出力される。
復元部403は、選択部402が出力する通知情報を入力し、入力した通知情報(前回通知情報)に基づいて、変調パラメータを復元し、復元した変調パラメータを出力する。例えば、保持する通知情報の累積値を算出して、復元された変調パラメータを復元する、あるいは、非差分値候補値をそのまま復元された変調パラメータとして復元する。また、復元部403は、保持する通知情報に基づいて、累積値(復元値)を生成し、生成した累積値を選択部402へ出力する。累積値(復元値)は、復元部403が入力する通知情報(前回通知情報)に基づいて生成する値であり、入力する複数の通知情報を累積した累積値である場合に加え、保持する通知情報の値、あるいは、所定の値である場合を含むため、復元値ということもある。本実施形態では、復元部403は、累積値(復元値)を記憶する場合を説明するが、前回通知情報そのものを記憶する場合であってもよい。復元部403の詳細については、図5、図6を用いて後述する。
また、通知情報生成装置400は、通知情報テーブル401が記憶する二つのチャネル品質情報の差を示す少なくとも一つの差分値候補値と、チャネル品質情報を示す少なくとも一つの非差分値候補値を含む通知情報の候補値から、選択部402が一つの候補値を選択し、選択した候補値に基づいて通知情報を生成する、ということもできる。
次いで、通知情報を生成する動作について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態において通知情報を生成する動作の一例を示すフローチャートである。
選択部402は、変調パラメータ、通知情報候補値を入力する(S11)。図4では、通信単位に含まれる複数のサブキャリアブロックそれぞれに対応する複数の変調パラメータを入力し、順番に各サブキャリアブロックについて処理する例を示している。選択部402は、まず、サブキャリアブロックが起点であるかを判断し(S12)、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては(S12でYes)、当該サブキャリアブロックに関する変調パラメータをそのまま通知情報として出力する(S13)。起点としないサブキャリアブロックについては(S12でNo)、選択部402は、当該サブキャリアブロックに関する変調パラメータと復元部403から入力する累積値との差分値を計算し(S14)、変調パラメータ情報と計算した差分値とに基づいて通知情報候補値から1つを選択し通知情報として出力する(S15)。
具体的には、選択部402は、起点としない各サブキャリアブロックについて、差分値候補値Xkのうち計算した差分値に最も近い差分値候補値を選択し、選択した差分値候補値と累積値とを加算した加算結果を算出し、算出した加算結果あるいは非差分値候補値Yjから入力された当該サブキャリアブロックの変調パラメータに最も近くなる値を選択し、選択した値に使用した通知情報候補値(XkまたはYj)を通知情報として選択する。選択部402は、算出した差分値が所定の範囲を超える場合、あるいは、チャネル品質情報が所定の範囲を超える場合に、非差分値候補値Yjを選択する。
選択部402は、最後のサブキャリアブロックを検出するまでステップS12以降の処理を繰り返す(S16)。
なお、通知情報生成装置400における復元部403は、図1の基地局装置100における上りリンク通知情報に対する通知情報復元部300、図2の端末装置における下りリンク通知情報に対する通知情報復元部300と同様の機能ブロック構成となる。本明細書では、説明を容易にするため、通知情報復元部300と復元部403との異なる符号および名称を用いて説明する。
図5は、本実施形態の通知情報復元部300の機能ブロック図の一例を示す。通知情報復元部300は、復元演算部301と記憶部302とを備える。図3の復元部403も通知情報復元部300と同じ構成であるので、復元部403も、復元演算部301と記憶部302とを備える。
復元演算部301は、通知情報と、記憶部302から出力された累積値を入力し、通知情報と累積値とに基づいて変調パラメータ(チャネル品質情報の一例)を復元し、復元された変調パラメータを出力する。また、復元演算部301は、記憶部302へ保持させる情報を記憶情報として出力する。また、復元演算部301は、予め、通知情報を生成する際に起点とするサブキャリアブロック番号を含む、通知情報生成の処理単位に関する情報を保持する。記憶部302は、復元演算部301が出力する記憶情報を記憶し、記憶した記憶情報に基づいて累積値を出力する。
次いで、通知情報復元部300が通知情報を復元する動作の詳細を図6を用いて説明する。図6は、本実施形態において通知情報を復元する動作の一例を示すフローチャートである。
復元演算部301は、通知情報を入力し(S21)、起点とするサブキャリアブロックであるかを判断する(S22)。復元演算部301は、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては(S22でYes)、当該サブキャリアブロックに関する通知情報をそのまま復元された変調パラメータとして出力するとともに、記憶部302に対しても前記通知情報を記憶情報として出力する(S23)。復元演算部301は、起点としないサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する通知情報が差分値候補値Xk場合(S24でYes)、入力した通知情報と記億部302から入力した累積値とを加算し、加算結果を復元された変調パラメータとして出力するとともに、記憶部302に対しても加算結果を記憶情報として出力し(S25)、通知情報が差分値候補値Xkでない場合、すなわち、通知情報が非差分値候補値Yjの場合(S24でNo)、通知情報をそのまま復元された変調パラメータとして出力するとともに、記憶部302に対しても通知情報を記憶情報として出力する(S26)。以下、この構成の復元演算部301を、「第1の構成の復元演算部」と記す。
あるいは別の構成として、通知情報が前記非差分値候補値Yjの場合(S24でNo)、復元演算部301は、通知情報をそのまま復元された変調パラメータとして出力するとともに、記憶部302に対しては記憶部302から入力した累積値をそのまま記憶情報として出力する、という構成も可能である。以下、この構成の復元演算部301を、「第2の構成の復元演算部」と記す。第2の構成の復元演算部を用いる場合、復元部403は、復元された変調パラメータ(復元されたチャネル品質情報)と異なる値の累積値(復元値)を出力することになる。
図7に、本実施形態における通知情報生成装置400の入力情報である選択された変調パラメータと、通知情報生成装置400による通知情報の生成結果および復元された変調パラメータの一例を示す。選択された変調パラメータは、変調パラメータ選択部206が選択し、通知情報生成装置400へ出力したものである。
図7では、基地局装置100と端末装置200は、サブキャリアブロック数を16個、変調パラメータとして変調方式とチャネル符号化率の組み合わせからなるMCS(Modulation and channel Coding Scheme)を使用する例を示している。MCSは0から15までの16種類(4ビットの情報)が定義されている。通知情報テーブル401は、差分値候補値として、X1=−2、X2=0、X3=+2、非差分値候補値として、Y1=0の合計4種類(2ビットの情報)の通知情報候補値を保持している場合の例を示している。ここでは、Y1は、送信を行なわないキャリアホールを示している。Xkは、X1=−2、X2=0、X3=+2(kは、1〜3)のいずれかを示す。また、復元演算部301は第2の構成の復元演算部を用いた場合の例である。さらに、サブキャリアブロック番号1のサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点とした場合の例である。
図7の例では、通知情報生成装置400の選択部402は、サブキャリアブロック番号1のサブキャリアブロックに関する通知情報として、選択された変調パラメータ「11」をそのまま出力する。2番目以降のサブキャリアブロックに関する通知情報では、選択部402は、直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求め、例えばその差分値に最も近いXkを通知情報として選択した場合に復元される変調パラメータの値と、Y1を通知情報として選択した場合に復元される変調パラメータの値とのうち、元の選択された変調パラメータの値により近い方を選択する。
例えば、サブキャリアブロック番号5のサブキャリアブロックにおける通知情報の生成では、選択部402は、4番目のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値「9」(11+0+0−2)と、5番目のサブキャリアブロックでの選択された変調パラメータ「6」との差分値「−3」を求め、この差分値と最も近い差分値候補値XkであるX1=−2を通知情報として選択した場合に復元される変調パラメータ「7」と、Y1を通知情報として選択した場合に復元される変調パラメータ「0」とのうち、元の選択された変調パラメータ「6」により近いX1を通知情報として選択する。
なお、選択部402が通知情報を選択する際に、復元される変調パラメータが元の選択された変調パラメータを超えないように制約しても良い。また、サブキャリアブロック番号6のサブキャリアブロックのように通知情報としてY1が選択された場合、第2の構成の復元演算部を用いるこの例では、復元演算部301は、当該サブキャリアブロックの通知情報を、以降のサブキャリアブロックにおける通知情報決定の際の直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値の計算から除外する。例えば、図7における7番目のサブキャリアブロックの通知情報決定を例に採ると、復元演算部301は、直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値として、6番目のサブキャリアブロックにおける通知情報を除外した、1番目から5番目のサブキャリアブロックの通知情報の総和を用いる。
図8は、図7の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。
図9に、本実施形態における通知情報生成装置400の入力情報である選択された変調パラメータと、通知情報生成装置400による、通知情報の生成結果および復元された変調パラメータの別の一例を示す。
図9では、サブキャリアブロック数が16個、MCSとして16種類(4ビットの情報)が定義されており、通知情報テーブル401は、差分値候補値として、X1=−2、X2=0、X3=+2、非差分値候補値として、Y1=4の合計4種類(2ビットの情報)の通知情報候補値が定義されている場合の例を示している。ここでは、Y1は、16個のサブキャリアブロックの選択された変調パラメータのうちで、最も低い変調パラメータである「4」を選択した例である。Xkは、X1=−2、X2=0、X3=+2(kは、1〜3)のいずれかを示す。また、復元計算部301は第1の構成の復元演算部を用いた場合の例である。さらに、サブキャリアブロック番号1のサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点とした場合の例である。
図9における通知情報生成の手順の詳細は図7の例と基本的に同じである。異なる部分は、第1の構成の復元演算部による動作であり、通知情報としてY1が選択された場合でも、復元演算部301は、当該サブキャリアブロックの通知情報を、以降のサブキャリアブロックにおける通知情報決定の際の直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値の計算において考慮し、当該サブキャリアブロックにおいて前記累積値の計算結果をY1に置き換える。例えば図9における7番目のサブキャリアブロックの通知情報の決定を例に採ると、直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値の計算において、5番目のサブキャリアブロックにおいてY1が選択されているため、累積値はこのサブキャリアブロックでY1=4に置き換えられ、最終的な累積値はこれに6番目のサブキャリアブロックの通知情報が加算されて「6」(4+2)となる。
また、図10は、図9の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。
なお、上記の2つの復元演算部301の処理方法の選択や、通知情報候補値、差分値候補値Xk(k=1〜M、Mは自然数)および非差分値候補値Yj(j=1〜N、Nは自然数)、としてどのような値を用いるかを決定する方法としては以下のような方法がある。なおこれらの方法に限定されるものではない。
(1)各サブキャリアブロックにおける選択された変調パラメータに対して、復元演算部301の処理方法および通知情報候補値の幾つかの組み合わせで通知情報の生成を試行し、それらの結果の中から、復元された変調パラメータが選択された変調パラメータに最も近いものを選択し、使用した復元演算部301の処理方法および通知情報候補値を生成した通知情報とともに通知する。使用した復元演算部301の処理方法および通知情報候補値は、通知情報候補値に関する情報として、通知情報候補値を変更するタイミングで通信先へ通知すれば十分である。
(2)選択された変調パラメータのサブキャリアブロック間の変動幅、変動速度(周波数方向の変動ピッチ)、および選択された変調パラメータの極小値前後における変化量などから復元演算部301の処理方法および通知情報候補値の組み合わせを選択し、使用した復元演算部301の処理方法および通知情報候補値を生成した通知情報とともに通知する。例えば、選択された変調パラメータのサブキャリアブロック間の変動幅および変動速度に比例してXkの最大値を大きくするとともに各Xkの間隔も大きくし、選択された変調パラメータの極小値前後における変化量に閾値を設定して閾値より小さい場合に復元演算部の処理方法として第1の構成を選択し、閾値以上の場合に第2の構成を選択する、などの方法がある。
また、図7、図9に示した例では、差分ではない特定の変調パラメータを表す値である非差分値候補値Yjが1つだけ用いられる場合について説明しているが、複数用意しても良い。例えば変調パラメータの最低値(キャリアホール)と中央値の2つをY1、Y2の通知情報候補値とする、などの方法がある。
このように、本実施形態によれば、チャネル品質情報として変調パラメータの差分を通信先へ通知する場合に、変調パラメータの差分を示す差分値候補値と、非差分値候補値とのいずれかを選択した通知情報を通知することにより、復元されるチャネル品質情報の精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、チャネル品質情報として伝搬路状態推定結果を用いる場合を一例として説明する。
図11は、本発明に係る第2の実施形態における基地局装置190の一構成例を示す機能ブロック図である。また図12は、本発明に係る第2の実施形態における端末装置290の一構成例を示す機能ブロック図である。第2の実施形態では、下りリンクの通知情報として下りリンクの送信データの適応変調に用いられた変調パラメータに関する情報を通知し、上りリンクの通知情報として下りリンクの受信信号より推定した伝搬路状態を通知する場合の例を示している。
図11に示す基地局装置190は、図1に示す基地局装置100とほぼ同様の構成要素を備えるが、基地局装置190は、通知情報復元部390と通知情報生成装置400の間に変調パラメータ選択部191を有する点と、通知情報復元部390が、上りリンク通知情報として伝搬路状態推定結果を復元する点が異なる。変調パラメータ選択部191は、図2に示す端末装置200内の変調パラメータ選択部206と同じ回路構成で実現することができる。通知情報復元部390は、図1に示す通知情報復元部300と入出力の情報量は異なるものの、同様の処理を行なう回路で実現可能である。
図12に示す端末装置290は、図2に示す端末装置200とほぼ同様の構成を備えるが、端末装置290が、伝搬路推定部205と通知情報生成部490の間に変調パラメータ選択部を必要としない点と、通知情報生成装置490が、伝搬路推定部205から出力される伝搬路状態推定結果を入力信号とし、上りリンク通知情報として伝搬路状態推定結果に関連する通知情報を生成する点が異なる。
図11の基地局装置190における下りリンク送信手順は、図1の基地局装置100における下りリンク送信手順と同様であるため、説明を省略する。
次に、図12の端末装置190における下りリンク受信手順について説明する。無線受信部202、フーリエ変換部203、デマルチプレクス部204、伝搬路推定部205、適応復調制御部207、復調部208、誤り訂正復号化部209、並びに、通知情報復元部300の動作は図2の端末装置200における下りリンク受信手順と同様である。
通知情報生成装置490は、伝搬路推定部205から出力された伝搬路状態推定結果を入力し、入力した伝搬路状態推定結果に基づいて上りリンク通知情報を生成し出力する。通知情報生成装置490における処理に関しては図13を用いて後述する。
また、図12の端末装置290における上りリンク送信手順は、図2の端末装置200における上りリンク送信手順と同様のため、説明を省略する。
次に、図11の基地局装置190における上りリンク受信手順について説明する。無線受信部108、デマルチプレクス部109、復調部110、誤り訂正復号化部111、適応変調制御部112の動作は、図1の基地局装置100における上りリンク受信手順と同様である。
通知情報復元部390は、デマルチプレクス部204から出力された上りリンク通知情報を入力し、入力した上りリンク通知情報から下りリンクの伝搬路状態推定結果に関する情報を復元し出力する。なお、通知情報復元部390における処理に関しては図14を用いて後述する。
変調パラメータ選択部191は、通知情報復元部390から出力された下りリンクの伝搬路状態推定結果を入力し、入力した伝搬路状態推定結果に基づいてサブキャリアブロック毎の次の下りリンクの変調パラメータを選択し、選択した変調パラメータを出力する。なお、前記変調パラメータの選択は、予め定めた変調パラメータと伝搬路状態との対応関係に、伝搬路状態推定結果を当てはめることで行なう。例えば、変調パラメータとそれに対応する伝搬路状態の範囲をテーブルとして保持し、そのテーブルと伝搬路状態推定結果を比較することで選択する変調パラメータを決定できる。
通知情報生成装置400は、変調パラメータ選択部191から出力された変調パラメータに関する情報を入力し、入力した変調パラメータに関する情報に基づいて下りリンク通知情報を生成し出力するとともに、下りリンク通知情報に基づいて変調パラメータに関する情報を復元し出力する。また、通知情報生成装置400は、図3に示した通知情報生成装置400と同様の機能ブロック構成で実現することができる。
図13に、図12の端末装置290における通知情報生成装置490の機能ブロック図を示す。通知情報テーブル491は、通知情報として選択可能な候補値を記憶する記憶領域であり、候補値には、二つのチャネル品質情報の差を示す差分値候補値と、チャネルの伝搬路状態を示す非差分値候補値とを含む。通知情報テーブル491は、通知情報として選択可能な、伝搬路状態推定結果の差分を表す複数の値(差分値候補値)X’k(k=1〜M、Mは自然数)、および差分ではない特定の伝搬路状態推定結果を表す値(非差分値候補値)Y’j(j=1〜N、Nは自然数)(以下、X’kとY’jを合わせて通知情報候補値と記す)からなるテーブルを保持し、これらの通知情報候補値を出力する。
選択部492は、図12における伝搬路推定部205において推定されたサブキャリアブロック毎の伝搬路状態推定結果、通知情報テーブル491から出力された通知情報候補値および復元部493から出力された累積値を入力し、通知情報を生成する。選択部492が通知情報を生成する手順は、チャネル品質情報として、変調パラメータの替わりに伝搬路状態推定結果を用いる点を除いて、図3並びに図4に示した通知情報生成装置400と同様である。具体的には、選択部492は、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する伝搬路状態推定結果をそのまま通知情報として出力する。選択部492は、起点としないサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する伝搬路状態推定結果と復元部493から入力する累積値との差分値を計算し、伝搬路状態推定結果と計算した差分値とに基づいて通知情報候補値から1つを選択し通知情報として出力する。
具体的には、選択部492は、起点としない各サブキャリアブロックについて、差分値候補値X’kのうち計算した差分値に最も近い差分値候補値を選択し、選択した差分値候補値と累積値とを加算して加算結果を算出し、算出した加算結果あるいは非差分値候補値Y’jから入力された当該サブキャリアブロックの伝搬路状態推定結果に最も近くなる値を選択し、選択した値に使用した通知情報候補値(X’kまたはY’j)を通知情報として選択する。生成された通知情報は復元部493へ出力される。
復元部493は、選択部492が出力する通知情報を保持し、保持する通知情報に基づいて伝搬路情報推定結果を復元し、復元した伝搬路情報推定結果を出力する。復元部403の詳細については、図14を用いて後述する。
なお、通知情報生成装置490における復元部493は、図11の基地局装置190における上りリンク通知情報に対する通知情報復元部390と、同様の機能ブロック構成となる。
図14は、本実施形態の通知情報復元部390の機能ブロック図の一例を示す。通知情報復元部390は、復元演算部391と記億部392とを備える。復元部493も同様の構成を備える。復元演算部391は、図5に示した復元演算部301が復元された変調パラメータを出力することに替えて復元された伝搬路状態推定結果を出力する点が異なる。また、記憶部392は、通知情報として伝搬路状態推定結果に基づいて選択された通知情報候補値を記憶情報として入力する点、並びに、累積値として、復元された伝搬路状態推定結果を出力する点が異なる。その他の部分は、図5並びに図6と同様である。
具体的には、復元演算部391は、通知情報と、記憶部392から出力された累積値を入力し、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する通知情報をそのまま復元された伝搬路状態推定結果として出力するとともに、記憶部392に対しても通知情報を記憶情報として出力する。復元演算部391は、起点としないサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する通知情報が通知情報候補値X’k場合、通知情報と累積値とを加算し復元された伝搬路状態推定結果として出力するとともに、記憶部392に対しても加算結果を記憶情報として出力し、通知情報が前記通知情報候補値Y’jの場合、通知情報をそのまま復元された伝搬路状態推定結果として出力するとともに、記憶部392に対しても通知情報を記憶情報として出力する。あるいは別の構成として、通知情報が前記通知情報候補値Y’jの場合、通知情報をそのまま復元された伝搬路状態推定結果として出力するとともに、記憶部392に対しては前記累積値をそのまま記憶情報として出力する。
第2の実施形態において、図7から図10に示した通知情報とその復元の具体例は、下りリンクの通知情報については、第1の実施形態と同様である。また、上りリンクの通知情報については、「変調パラメータ」が「伝搬路状態推定結果」に替わり、取り得る値の範囲(ビット数など)が変わるものの、手順は同様となる。
このように、本実施形態によれば、チャネル品質情報として伝搬路状態推定結果の差分を通信先へ通知する場合に、伝搬路状態推定結果の差分を示す差分値候補値と、非差分値候補値とのいずれかを選択した通知情報を通知することにより、復元されるチャネル品質情報の精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、差分値を算出する具体例を用いた通知情報生成装置を説明する。以下の説明では、図3に示した通知情報生成装置400を用いて、チャネル品質情報の一例として変調パラメータを入力する場合を説明するが、図13に示す通知情報生成装置490に適用することも可能である。
サブキャリアブロック(チャネル)の番号を変数iで示し、i番目のサブキャリアブロックの変調パラメータをQ(i)、i番目のサブキャリアブロックの変調パラメータと比較する累積値(復元値)をS(i)、差分値をD(i)とする。i0は、起点とするサブキャリアブロック番号を示す。R(i)は、i番目のサブキャリアブロックの通知情報を示す。
起点とするサブキャリアブロックでは、選択部402は、R(i)=Q(i)として通知情報を生成する。
起点とするサブキャリアブロック以外では、まず、復元部403は、起点とするサブキャリアブロックを除いて、数式(1)を用いて累積値S(i)を算出する。累積値を算出する場合に、起点とするサブキャリアブロック番号i0とiとの関係によって異なる数式を用いて累積値S(i)を算出する。
次に、選択部402は、復元部403が算出した累積値S(i)を用いて、差分値D(i)をD(i)=Q(i)−S(i)の式で算出する。算出した差分値D(i)と、入力した変調パラメータ(チャネル品質情報の一例)に基づいて、通知情報候補値を選択し、選択した通知情報候補値に基づいて通知情報を生成して出力する。
このように、通知情報生成装置400は、まず、起点とするチャネルの通知情報を生成し、順次起点としないチャネルの通知情報を生成する。通知情報生成装置400は、起点とするチャネルのチャネル品質情報を通知情報として生成する。ここで、異なる二つのチャネル(サブキャリアブロック)、第一のチャネルと第二のチャネルに注目し、第一のチャネルの通知情報は既に生成され、第二のチャネルの通知情報を生成する場合の動作について説明する。復元部403は、第一のチャネルのチャネル品質情報に基づいて生成された通知情報を前回通知情報として保持(記憶)し、さらに、既に通知情報を生成した起点となるチャネル(起点チャネル)の通知情報も保持している状態である。復元部403は、保持した前回通知情報に基づいて、累積値(復元値)を生成し、生成した累積値を第一のチャネルの復元値として選択部402へ出力する。なお、第一のチャネルは、起点とするチャネルであっても、起点としないチャネルであっても同様の動作となる。
選択部402は、第二のチャネルのチャネル品質情報を入力し、入力した第二のチャネルのチャネル品質情報と復元部403が復元した第一のチャネルの復元値との差分値を算出し、復元部403が生成した累積値と差分値候補値とを加算した値(差分値候補値が複数の場合は、複数の加算した値)、非差分値候補値、および、第二のチャネルのチャネル品質情報とに基づいて、通知情報テーブル401から一つの通知情報候補値を選択して通知情報を生成する。復元部403は、生成した第二のチャネルの通知情報を入力し、前回通知情報として記憶する。
通知情報生成装置400は、更に、第二のチャネルと第三のチャネルというように、二つのチャネルの差分値に基づいて通知情報を生成する動作を繰り返して、複数のチャネル全部の通知情報を生成する。
また、上記各実施形態の通知情報生成装置は、回路等のハードウェア、あるいは、ソフトウェアによって実現することができる。ソフトウェアで実現する場合、コンピュータの動作に関するプログラム(通知情報生成プログラム)によって実現することができる。通知情報生成プログラムは、計算機内(通信装置内)のメモリにロードされ中央処理演算装置(CPU)の制御のもとで実行される。通知情報生成プログラムは、少なくとも次の手順を計算機に実行させる機能を備える。
二つのチャネル品質情報の差を示す少なくとも一つの差分値候補値と、チャネル品質情報を示す少なくとも一つの非差分値候補値を含む通知情報の候補値から、一つの候補値を選択し、選択した候補値に基づいて通知情報を生成する手順、を備える。より具体的には、(1)通知情報の候補値として、前記差分値候補値と、前記非差分値候補値とを通知情報テーブルへ複数記憶する手順、(2)第一のチャネルのチャネル品質情報に基づいて生成された通知情報を用いて復元値を生成する手順、(3)前記第一のチャネルとは異なる第二のチャネルのチャネル品質情報を入力し、前記第二のチャネルのチャネル品質情報と前記復元値とに基づいて、前記通知情報の候補値から一つの候補値を選択し、選択した候補値に基づいて通知情報を生成する手順、を実行させる機能を備える。
さらに、(5)起点とするチャネルについては、入力されたチャネル品質情報を通知情報として出力する手順を備えていてもよい。また、(6)候補値を選択する場合は、算出した差分値に加え、第二のチャネルのチャネル品質情報にも基づいて候補値を選択する手順を備えていてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、通知情報候補値を特定する候補値番号を用いて通知情報を生成する通知情報生成装置を説明する。第1の実施形態から第3の実施形態では、通知情報は、通知情報候補値そのものである場合を想定して説明したが、本実施形態では、通知情報は、通知情報候補値のどの値かを示す候補値番号を用いて生成される場合を説明する。
以下の説明では、図3に示した通知情報生成装置400を用いて説明するが、本実施形態は図13に示す通知情報生成装置490に適用することも可能である。通知情報生成装置400は、nビットの通知情報を生成する場合を一例として説明する。しかしながら、復元部は、累積値を算出する場合に、通知情報テーブルを参照する、あるいは、選択部から通知情報候補値と候補値番号との対応を通知されることなどにより、候補値番号と通知情報候補値とを対応づける情報の入手が必要である。
通知情報テーブル401は、通知情報候補値そのものの値を記憶するとともに、通知情報候補値を特定する候補値番号と対応づけて記憶する。通知情報テーブル401は、通知情報の候補値を特定する候補値番号を2n個記憶するnビットと、2n個の候補値番号それぞれと対応する通知情報の候補値を記憶する記憶領域を備える。なお、起点とする通知情報については、チャネル品質情報を近似する非差分値候補値を選択すること、起点とする通知情報がnビットで通知できる値であること、あるいは、起点とする通知情報(例えば、チャネル品質情報そのもの)は別途通知することなどの方法により通知することが可能である。例えば、差分値候補値Xk(k=1〜M、Mは自然数)および非差分値候補値Yj(j=1〜N、Nは自然数)を通知情報候補値とする場合、MとNとは、M=2n−Nの関係になる。
選択部402は、図4に示す手順に従って、通知情報候補値を選択し、選択した通知情報候補値を特定する候補値番号を用いて通知情報を生成する。
復元部403は、通知情報として候補値番号を入力し、通知情報テーブル401を参照して復元されたチャネル品質情報を生成する。
このように、本実施形態によれば、候補値番号を用いて通知情報をnビットで生成することにより、通知情報の情報量を抑制することができる。これにより、通信装置間で送受信する制御情報量を抑制することができる。また、復元するチャネル品質情報の精度を保ちながら、通知情報量を一定とした通知情報を生成することが可能となり、通信装置間で送受信する制御情報通知手順の複雑化と非効率化を抑制することができる。
(第5の実施形態)
上記各実施形態で説明した通知情報生成装置は、次のような構成をとることも可能である。上記各実施形態では、選択部と復元部とから構成されるループを帰還する場合について説明した。上記各実施形態の選択部の内部では、各候補値に対して、復元部の内部の処理である復元処理と同様の処理を試行し、試行結果に基づいて一つの候補値を選択する。すなわち、選択部は、復元の機能と、復元結果を比較する機能を有している。そこで、選択部の内部の復元の機能を司る回路と復元部内の復元の機能を司る回路とを共通の回路で行なうこともできる。また、回路等のハードウェアに限らず、ソフトウェアで実現する場合も同様に共通化して実現することができる。
図15は、選択部に復元部を取り込んだ通知情報生成装置480の構成の一例を示すブロック図である。通知情報生成装置480は、通知情報テーブル481、選択部482、復元部483、並びに比較部484を備える。通知情報テーブル481は、図3の通知情報テーブル401と同様である。図15のブロック構成では、選択部482の内部に復元部483が含まれる構成を取っている。選択されたチャネル品質情報は、選択部482の内部の比較部484に入力される。復元部483は記憶機能を有し、前回復元された復元値(累積値、一つ前のチャネルの処理において復元されたチャネル品質情報)が記憶される。
次いで、本実施形態の通知情報生成装置480の動作を説明する。図16は、本実施形態の通知情報生成装置480の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、通知情報生成装置480において、比較部484は、選択されたチャネル品質情報を入力する(S31)。比較部484は、入力した選択されたチャネル品質情報が起点とするチャネルであるか否かを判断し(S32)、起点とするチャネルの場合(S32でYes)、選択されたチャネル品質情報を通知情報、復元されたチャネル品質情報として出力し(S33)、起点とするチャネルのチャネル品質情報を復元部483へ通知する(S34)。復元部484は、通知されたチャネル品質情報を前回の復元値として記憶する(S35)。
起点とするチャネル以外の場合(S32でNo)、比較部484は、復元部483へ復元値の出力を指示し、復元部483は、差分値候補値と前回の復元値とを加算した値と、非差分値候補値とを含む暫定的な複数の復元値(暫定的に復元されたチャネル品質情報)を生成する(S36)。生成した暫定的な複数の復元値と通知情報候補値とを、比較部484へ出力する(S37)。
具体的には、復元部483は、前回復元された復元値が記憶されており、通知情報テーブル481から通知情報候補値が順次入力される。復元部483は、処理中のチャネル(サブキャリアブロック)に関して、前回の復元値に差分値候補値それぞれを加算した値と、非差分値候補値とを含む暫定的に復元されたチャネル品質情報(暫定的な復元値)を算出する。次いで、復元部483は、暫定的に復元されたチャネル品質情報を通知情報候補値と関連付けて一時記憶するとともに、通知情報候補値と暫定的に復元されたチャネル品質情報とを比較部484に順次出力する。
比較部484は、復元部483から順次入力される暫定的に復元されたチャネル品質情報と、前記選択されたチャネル品質情報とを比較し、比較した結果、選択されたチャネル品質情報に最も近くなる暫定的に復元されたチャネル品質情報を選択し(S38)、選択した暫定的に復元されたチャネル品質情報の算出に使用された通知情報候補値を通知情報として生成する(S39)。
比較部484が行なう比較に関しては、計算手順の表現方法が異なるが、前述の構成における選択部が行なう比較と同様の評価である。比較部484は、生成した通知情報とその通知情報に対応する復元後のチャネル品質情報(複数の暫定的に復元されたチャネル品質情報のうち、選択した値)を出力するとともに、選択した通知情報を示す信号(通知情報候補値を特定する信号)を復元部483に送る(S41)。
復元部483は、比較部484から送られた信号が示す通知情報候補値に対応する暫定的に復元されたチャネル品質情報を記憶し(S42)、次の処理の際に前回復元された復元値(前回の復元値)として用いる。なお、復元部483は、第1の実施形態で説明した、第1の構成の復元演算部と、第2の構成の復元演算部と同様に、非差分値候補値が通知情報として選択された場合、復元値を非差分値候補値と置き換える場合、復元値算出に非差分値候補値を考慮せずに前回の復元値をそのまま用いる場合、のいずれであってもよい。従って、復元部483から出力される復元値は、復元されたチャネル品質情報と異なる場合もあり得る。
比較部484は、最後のチャネル(サブキャリアブロック)であるかを判断し(S43)、最後のチャネルではない間は(S43でNo)、ステップS32からの処理を繰り返し、最後のチャネルになったときに(S43でYes)処理を終了する。このように、復元処理の機能を共通化して、演算量を削減することができる。
なお、図16では、比較部484と復元部483の動作は順次実施されるように示しているが、処理によっては比較部484と復元部483とは並行して処理を実施することができる。また、図15において、通知情報テーブル481は、専用の記憶領域を備える場合でもよいが、一時的に確保される記憶領域(キャッシュ)であってもよい。また、通知情報テーブル481は、選択部482(あるいは、復元部483、比較部484)内に一時的に確保される記憶領域であってもかまわない。
さらに、本実施形態の通知情報生成装置480は、図16に示した動作に限られることはない。例えば、暫定的な復元値の算出(図16のステップS37)については、比較部484で実施する構成とすることもできる。例えば、復元部483は、一つ前に処理したチャネルの復元値(前回の復元値)を記憶する構成とする。復元部483は、複数の通知情報候補値と前回の復元値とを比較部484へ出力する。比較部484は、入力した複数の通知情報候補値と前回の復元値とを用いて暫定的に復元されたチャネル品質情報(暫定的な複数の復元値)を算出し、算出した暫定的な複数の復元値と選択されたチャネル品質情報とを比較し、選択されたチャネル品質情報に最も近い暫定的な復元値を選択する。比較部484は、選択した暫定的な復元値を復元されたチャネル品質情報として出力するとともに、選択した暫定的な復元値の算出に使用した通知情報候補値に基づいて、通知情報を生成し、出力する。
また、比較部484は、選択した暫定的な復元値の算出に使用した通知情報候補値を特定する信号を復元部483へ出力する。復元部483は、比較部484から通知された信号に基づいて、選択された通知情報候補値を取得し、選択された通知情報候補値が差分値候補値の場合は、記憶領域に記憶している前回の復元値へ取得した通知情報候補値を加算した値を前回の復元値として記憶し、選択された通知情報候補値が非差分値候補値の場合は、第1の実施形態で説明した第1の構成の復元演算部と、第2の構成の復元演算部と同様に、選択された非差分値候補値、あるいは記憶領域に記憶している前回の復元値を、前回の復元値として記憶する。
なお、上記各実施形態で説明した非差分値候補値は、チャネル品質情報が取りうる値(情報)の一つであってもよく、また、チャネル品質情報に基づいて選択される値であってもよい。チャネル品質情報が取りうる値としては、チャネル品質情報が示す状態として最も劣悪な状態を示す値、チャネル品質情報が示す状態として中間を示す値などがある。また、チャネル品質情報に基づいて選択される値としては、信号を受信した通信装置から通知されたチャネル品質情報について統計を行なって(例えば、要約統計処理)算出した値(例えば、平均値、分散値、平均値から分散値を差し引いた値)、チャネルの周波数間隔、チャネル品質情報から得られる伝搬路の遅延分散値、およびドップラー周波数に基づいて決定した値などがある。
また、非差分値候補値に限らず、差分値候補値についても、チャネル品質情報に基づいて、変更することも可能である。通知情報候補値の変更は、一例として、通知情報生成装置の選択部において実施することができる。選択部は、複数のチャネルのチャネル品質情報を入力し、入力した複数のチャネル品質情報に基づいて、通知情報候補値を変更するか否かを判断し、判断結果に基づいて、通知情報候補値(差分値候補値、非差分値候補値のいずれか一方、あるいは両方)を変更することができる。
選択部は、入力したチャネル品質情報や伝搬路の遅延分散値に基づいて、差分値候補値、非差分値候補値を変更し、通知情報テーブルを更新するとともに、基地局装置は、端末装置(通信先の通信装置)へ更新した通知情報候補値(候補値)に関する情報を通知する。通知する通知情報候補値に関する情報は、通知情報候補値そのものの値である場合もあるし、通知情報候補値を候補値番号で対応付けている場合は、候補値番号と、候補値番号に対応づけられる通知情報候補値に関する情報を通知することになる。端末装置は、受信した通知情報候補値に関する情報を通知情報生成装置の通知情報テーブルに格納する。これにより、伝搬路状態に応じて適切な通知情報候補値を決定することができるとともに、通信中の変動に柔軟に対応することが可能となる。
(第6の実施形態)
図7から図10では、通知情報生成装置400における通知情報の生成の例として、通知情報を生成する際の起点とするサブキャリアブロックが1つだけ存在する場合の例を示したが、起点とするサブキャリアブロックが複数存在する構成を取ることもできる。本実施形態では、チャネル品質情報の一例として変調パラメータを用いて説明する。
図17に、サブキャリアブロック番号1、6、11および16の4つのサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点した場合の、通知情報生成装置400(もしくは通知情報生成装置480)における通知情報の生成結果および復元された変調パラメータの一例を示す。なお、サブキャリアブロック数、変調パラメータとして用いるMCS、および通知情報候補値(Xk、Y1)は図7と同じである。
図17の例では、起点とするサブキャリアブロックである、1番目、6番目、11番目、および16番目のサブキャリアブロックに関する通知情報として、それぞれのサブキャリアブロックで選択された変調パラメータをそのまま出力する。その他のサブキャリアブロックに関する通知情報では、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値(復元値)と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求め、例えばその差分値に最も近いXkを通知情報として選択した場合に復元される変調パラメータの値と、Y1を通知情報として選択した場合に復元される変調パラメータの値とのうち、元の選択された変調パラメータの値により近い方を選択する。
図18は、図17の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。なお矢印は、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求める際の、処理の方向を示している。
図19に、サブキャリアブロック番号1、6、11および16の4つのサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点した場合の、通知情報生成装置400(もしくは通知情報生成装置480)における通知情報の生成結果および復元された変調パラメータの別の一例を示す。
また、図20は、図19の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。なお矢印は、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値(復元値)と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求める際の処理の方向を示している。
起点とするサブキャリアブロックが複数存在する場合、起点とするサブキャリアブロック以外のサブキャリアブロックに関する通知情報では、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求める際に、起点とするサブキャリアブロックおよび処理の方向は任意に選択が可能である。例えば、図20では、最も近くの起点とするサブキャリアブロックを、起点とするサブキャリアブロック以外の各サブキャリアブロックに関する通知情報生成における累積値計算の起点とし、図中の矢印の方向に処理を行なう場合の例を示している。
図21は、起点とするサブキャリアブロック(起点チャネル)が複数配置される場合の通知情報生成装置の動作の一例を示すフローチャートであり、図22は、図21における通知情報生成処理の動作の一例、図23は、図22における候補値選択処理の動作の一例を示すフローチャートである。図21から図23では、複数の起点とするサブキャリアブロックは等間隔に配置されていることを前提とし、復元値を生成する対象チャネルに近い(対象とするサブキャリアブロックと起点とするサブキャリアブロックとの距離が短い)起点チャネルから前記対象チャネルまでの各チャネルの通知情報を順次加算した累積値を算出して、通知情報並びに復元値を生成する動作の一例を示している。以下に、図3に示した通知情報生成装置400の動作を一例として説明するが、図15に示す通知情報生成装置480で実現することも可能である。なお、図21から図23に示す動作は、図19、図20に一例と示した通知情報を生成する動作の一例を示すものであり、図21から図23以外の動作によっても実現可能なことは言うまでもない。
選択部402は、各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを入力し(S60)、各サブキャリアブロックについて、ステップS61からステップS65で示すループ1の処理を繰り返す(S61)。sは、処理対象のサブキャリアブロックの番号を示す。選択部402は、サブキャリアブロックsが起点となるサブキャリアブロック(起点チャネル)を検出する(S62でYes)。サブキャリアブロックsが起点となるサブキャリアブロックで無い場合(S62でNo)、ループ1を終了して次のサブキャリアブロックの処理に移行する(S65)。選択部402は、サブキャリアブロックsの変調パラメータをサブキャリアブロックsの通知情報として出力する(S63)。次に、サブキャリアブロックsを起点とする他のサブキャリアブロックの通知情報並びに復元値を生成する処理を行なう(S64)。
次に、通知情報生成処理について説明する。通知情報生成処理では、累積値Aと累積値Bとを、起点となるサブキャリアブロックの両側の累積値を算出する変数として用い、累積値バッファを一時的な計算用の変数として用いる。まず、復元部403は、選択部402から起点となるサブキャリアブロックの変調パラメータ(通知情報)を入力し、累積値Aと累積値Bに代入する(S66)。次いで、復元部403は、2つの起点とするサブキャリアブロックから起点とするサブキャリアブロックの間隔の半分について、ステップS67からステップS74で示すループ2の処理を繰り返す(S67)。通知情報並びに復元値を生成する対象となるサブキャリアブロック(対象チャネル)u、累積値バッファを設定し(S68)、候補値選択処理(S69)を行なって、累積値Aを取得する(S70)。ステップS68からステップS70は、起点となるサブキャリアブロックからプラスの方向の番号順に対象となるサブキャリアブロックを移行する処理である。ステップS71からステップS73は、起点となるサブキャリアブロックからマイナスの方向の順番に対象となるサブキャリアブロックを移行する処理であり、ステップS68からステップS70と同様の処理を実施する。
候補値選択処理(S69、S72)では、選択部402は、復元部403からサブキャリアブロックuと累積値バッファとを入力し、サブキャリアブロックuが存在する場合に(S75でYes)、差分値を計算し(S76)、差分値に基づいて、通知情報の候補値から一つを選択して通知情報を復元部403並びに外部へ出力する(S77)。次に復元部403は、選択部402から通知された通知情報(候補値)を加算あるいは代入する。加算、代入のいずれかは、図6のステップS24からステップS26と同様の処理で行なう。ここで算出したい累積値バッファは、復元値となる。
なお、図17、図18に示す通知情報並びに復元された変調パラメータは、図4並びに図6に一例として示す動作によって説明することができるため、説明を省略する。
次に、2つの起点とするサブキャリアブロック間に存在するサブキャリアブロックの通知情報のいずれかが非差分値候補値である場合、非差分値候補値を用いて、起点とならないサブキャリアブロックそれぞれについて起点とするサブキャリアブロックを選択する例を説明する。図24に、サブキャリアブロック番号1、6、11および16の4つのサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点した場合の、通知情報生成装置400(もしくは通知情報生成装置480)における通知情報の生成結果および復元された変調パラメータのさらに別の一例を示す。
また、図25は、図24の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。なお矢印は、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値(復元値)と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求める際の処理の方向を示している。
起点とするサブキャリアブロック(起点チャネル)が複数存在する場合、起点とするサブキャリアブロック以外のサブキャリアブロックに関する通知情報では、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求める際に、起点とするサブキャリアブロックおよび処理の方向は任意に選択が可能である。ここで、間に起点とするサブキャリアブロックが存在しない2つの起点とするサブキャリアブロックの間に存在する1つ以上のサブキャリアブロックを、「起点間サブキャリアブロック」とする。図25では、起点間サブキャリアブロックにおいて、非差分値候補値が選択されるサブキャリアブロックがある場合、そのサブキャリアブロックを、起点間サブキャリアブロックそれぞれにおいて、前記累積値および前記差分値を求める際に選択する起点とするサブキャリアブロックおよび処理の方向の境界とし、図中の矢印の方向に処理を行なう場合の例を示している。
図25の例では、サブキャリアブロック番号4および15が非差分値候補値の選択される状態であるため、起点となるサブキャリアブロック1番と6番の間の起点間サブキャリアブロックにおいては4番のサブキャリアブロックを前記境界として累積値および差分値の計算処理を行ない、起点となるサブキャリアブロック11番と16番の間の起点間サブキャリアブロックにおいては15番のサブキャリアブロックを前記境界として累積値および差分値の計算処理を行なう。
なお、起点となるサブキャリアブロック6番と11番の間には非差分値候補値が選択されたサブキャリアブロックが存在しないため、このような場合は例えば図のように中央を境界とする。
また、もし2つの起点となるサブキャリアブロック間に非差分値候補値が選択されるサブキャリアブロックが複数存在する場合は、例えば、最も中央に近いサブキャリアブロックを境界とする、非差分値候補値が複数ある場合はその中で最も劣悪な(小さな)値が選択されるサブキャリアブロックを境界とする、などの方法がある。復元部は、複数の起点となるサブキャリアブロックの位置および非差分値候補値が通知情報として選択されたチャネルの位置に基づいて、各チャネルの復元値に生成において、前記累積値に通知情報を加算するチャネルを決定する。また、このとき復元部は、累積値に通知情報を加算する処理方向(加算順序)も決定することになる。
図24、図25に示す通知情報生成装置の動作は、例えば、図21から図23に示す動作を応用して実現することができる。図22では、起点間サブキャリアブロックの中央を境界として処理しているが、ステップS68からステップS70の処理と、ステップS71からステップS73までの処理を繰り返すループを別々して繰り返しの数をそれぞれ設定することにより実現することが可能である。また、具体的な動作は、これ以外の動作であってもかまわない。
次に、起点チャネル(起点となるサブキャリアブロック)の設定方法について説明する。また、図18、図20、図25に示す例では、起点チャネルは予め設定してあることを前提として説明したが、起点チャネルの数、並びに、起点チャネルを配置する配置間隔は可変とすることもできる。
起点チャネルの数並びに配置間隔は、チャネル(全てのチャネル)間隔、受信状態から得られる伝搬路の遅延分散値、ドップラー周波数または各チャネル間のチャネル品質情報の変動幅のいずれか一つまたは複数によって決定することができる。例えばOFDMにおいては、チャネルの間隔が広い場合または遅延分散値が大きい場合、周波数方向の変動(チャネル間のばらつき)が大きくなる。このため、周波数方向の変動に応じて(完全なチャネル品質情報を通知する)起点となるチャネルの数および間隔を適切に制御することで、精度が高く効率の良い通知情報を生成することが可能になる。
また、通知情報テーブルは、起点チャネルの数、起点チャネルの配置間隔に応じて決定した通知情報の候補値を記憶することができる。従って、通知情報生成装置は、起点チャネルの数並びに配置間隔の変更に応じて、通知情報の候補値を変更して通知情報テーブルに記憶することにより、より精度の高い通知情報並びに復元値の生成ができる。
さらに、通知情報テーブルは、複数の起点チャネルの数に反比例する関係または複数の起点チャネルの配置間隔に比例する関係のいずれかに基づいて、記憶する通知情報の候補値の数を多くすることができる。具体的には、通知情報テーブルは、起点チャネルの数が少ないほど、また、起点チャネルの配置間隔が大きくなるほど、通知情報の候補値の数(通知情報に使用するビット数)を増やすことになる。このように、起点チャネルの数が少ないほど、または、起点チャネルの配置間隔が広いほど、候補値のビット数を増やし、逆に数が多いほど、または、起点チャネルの配置間隔が狭いほど、候補値のビット数を減らすことによって、通知情報を伝送するために必要な総ビット数を(ほぼ)一定に保つように制御することができる。また、起点チャネルの配置間隔が広いほど、起点間チャネルにおける変動幅(チャネル品質情報のばらつき)が大きくなる可能性が高いため、より多くのビット数を使用して候補値の数を増やすことで、精度を保つことも可能になる。
このように、本実施形態によれば、チャネル品質情報として変調パラメータの差分を通信先へ通知する場合に、差分値計算の起点となるサブキャリアブロックを複数設けることにより、起点となるサブキャリアブロックが1つの場合に比べ、復元されるチャネル品質情報の精度を向上させることができる。
また、起点となるサブキャリアブロックを複数設けることにより、通知情報の受信の際にその一部に誤りが発生した場合でも、その誤った通知情報に基づいて誤った復元値が生成されるサブキャリアブロックの範囲を縮小することができる。
さらに、本実施形態において、送信側と受信側の通信装置は、予め、起点とするサブキャリアブロックの情報を共有し、起点間サブキャリアブロックの処理方法を取り決めておくことにより、送信側と受信側の通信装置間で復元値を生成する処理の方向に関する情報を通知する必要がなくなる。例えば、起点間サブキャリアブロックに関する通知情報生成において、起点としたサブキャリアブロックから直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求める際に、図18に示すように起点とするサブキャリアブロックおよび処理の方向として、予め定めた一方向に順次処理を行なう場合、図20に示すように各サブキャリアブロックにおいて最も近くの起点とするサブキャリアブロックを選択する場合、または図25に示すように非差分値候補値が選択されるサブキャリアブロックを基準とする場合などでは、処理方法は一意に決定できるため、各サブキャリアブロックにおいて起点とするサブキャリアブロックおよび処理の方向に関する情報を通知することなく、通知情報を受信した側での復元が可能である。
なお、上記各実施形態では、通知情報テーブルは、差分値情報と非差分値情報とを含む場合を説明したが、差分値情報のみを含む場合であっても、本発明を適用することは可能である。この場合、上記各実施形態において、非差分値情報を選択するなどの動作を実施しないことになる。
以上のように、本発明に係る好適な実施形態によれば、差分を用いてチャネル品質情報を通知する場合に、差分値と、所定のチャネル品質を示す値(非差分値候補値)とを選択して通知することにより、差分に基づいて復元するチャネル品質情報の精度を向上させることができる。また、差分(差分値情報と非差分値情報との少なくとも一方)を用いて通知情報を生成することにより、通知する情報量を抑制することができる。通知する情報量を抑制することにより、システムのスループットを向上させ、消費電力を削減することが可能になる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態では、チャネル品質情報として変調パラメータ情報を用いる場合を一例として説明する。
図1は、本発明に係る第7の実施形態における基地局装置100の一構成例を示す機能ブロック図である。また図2は、本発明に係る第7の実施形態における端末装置200の一構成例を示す機能ブロック図である。第7の実施形態は、基地局装置100が、下りリンクの通知情報として下りリンクの送信データの適応変調に用いられた変調パラメータに関する情報を通知し、端末装置200が、上りリンクの通知情報として次の下りリンクの送信データのための変調パラメータに関する情報を通知する場合の例を示している。
基地局装置100は、誤り訂正符号化部101、変調部102、マルチプレクス部103、逆フーリエ変換部104、無線送信部105、アンテナ部106、107、無線受信部108、デマルチプレクス部109、復調部110、誤り訂正復号化部111、通知情報復元部300、通知情報生成装置400、並びに、適応変調制御部112を備える。
端末装置200は、アンテナ部201、214、無線受信部202、フーリエ変換部203、デマルチプレクス部204、伝搬路推定部205、変調パラメータ選択部206、通知情報生成装置400、通知情報復元部300、適応復調制御部207、復調部208、誤り訂正復号化部209、誤り訂正符号化部210、変調部211、マルチプレクス部212、並びに、無線送信部213を備える。
まず図1の基地局装置における下りリンク送信手順について説明する。誤り訂正符号化部101は、下りリンク送信データと、適応変調制御部112から出力された適応変調制御情報を入力し、入力した適応変調制御情報に基づいて下りリンク送信データを誤り訂正符号化し、符号化データ系列を出力する。
変調部102は、誤り訂正符号化部101から出力された符号化データ系列と、適応変調制御部112から出力された適応変調制御情報を入力し、入力した適応変調制御情報に基づいて符号化データ系列を変調し、変調シンボル系列を出力する。
マルチプレクス部103は、変調部102から出力された変調シンボル系列、通知情報生成装置400で生成された下りリンク通知情報およびパイロット信号を入力し、これらを多重してOFDM周波数信号を出力する。なおここでパイロット信号は、端末装置200において伝搬路状態を推定するための既知信号である。基地局装置100は、予め生成したパイロット信号をメモリに蓄積しておき、メモリに蓄積したパイロット信号をマルチプレクス部103に入力することが好ましい。しかしながら、基地局装置100は、パイロット信号をメモリに蓄積せずに必要時に都度生成する、などの構成としてもよい。
逆フーリエ変換部104は、マルチプレクス部103から出力されたOFDM周波数信号を入力し、これを周波数・時間変換(逆フーリエ変換)してOFDM時間信号を出力する。
無線送信部105は、逆フーリエ変換部104から出力されたOFDM時間信号を入力し、これにガード期間を付加し、ディジタル・アナログ変換および無線周波数へアップコンバートして無線信号へ変換し、アンテナ部106を介して送信する。
次に、図2の端末装置200における下りリンク受信手順について説明する。無線受信部202は、アンテナ部201を介して下りリンクの無線信号を受信し、無線周波数からダウンコンバートおよびアナログ・ディジタル変換し、さらにガード期間を除去してOFDM時間信号を出力する。
フーリエ変換部203は、無線受信部202から出力されたOFDM時間信号を入力し、これを時間・周波数変換(フーリエ変換)してOFDM周波数信号を出力する。デマルチプレクス部204は、フーリエ変換部203から出力されたOFDM周波数信号を入力し、入力したOFDM周波数信号を下りリンク受信データ信号、下りリンク通知情報およびパイロット信号に分離し、それぞれ出力する。
伝搬路推定部205は、デマルチプレクス部204から出力されたパイロット信号を入力し、入力したパイロット信号から伝搬路状態の推定を行ない、伝搬路状態推定結果を出力する。
なお、下りリンク受信データ信号を用いて伝搬路推定を行なう場合は、パイロット信号の代わりに下り受信データ信号、下り受信データ信号の復調結果または同誤り訂正復号結果が伝搬路推定部に入力される。この場合、基地局装置100内のマルチプレクス部103におけるパイロット信号多重処理と端末装置200内のデマルチプレクス部204におけるパイロット信号の分離処理は必要ない。また、パイロット信号と下りリンク受信データ信号の両方を用いて伝搬路推定を行なう場合は、パイロット信号に加え、下り受信データ信号、下り受信データ信号の復調結果または同誤り訂正復号結果も伝搬路推定部に入力される。本発明は、これらの構成にも適用することができる。
変調パラメータ選択部206は、伝搬路推定部205から出力された伝搬路状態推定結果を入力し、入力した伝搬路状態推定結果に基づいてサブキャリアブロック毎の次の下りリンクの変調パラメータを選択し、選択した変調パラメータに関する情報(変調パラメータ情報)を出力する。変調パラメータ選択部206は、予め定めた変調パラメータと伝搬路状態との対応関係に、伝搬路状態推定結果を当てはめることによって変調パラメータを選択する。例えば、変調パラメータとそれに対応する伝搬路状態の範囲をテーブルとして保持し、そのテーブルと伝搬路状態推定結果を比較することで選択する変調パラメータを決定できる。
通知情報生成装置400は、変調パラメータ選択部206から出力された変調パラメータを入力し、入力した変調パラメータに基づいて上りリンク通知情報を生成し出力する。通知情報生成装置400における処理に関しては図3、図28を用いて後述する。
通知情報復元部300は、デマルチプレクス部204から出力された下りリンク通知情報を入力し、入力した下りリンク通知情報から変調パラメータに関する情報を復元し出力する。なお、通知情報復元部300における処理に関しては図5、図29を用いて後述する。
適応復調制御部207は、通知情報復元部300から出力された復元された変調パラメータに関する情報(変調パラメータ情報)を入力し、入力した変調パラメータに関する情報に基づいて復調処理および誤り訂正復号化処理を制御する適応復調制御情報を生成し出力する。
復調部208は、デマルチプレクス部204から出力された下りリンク受信データ信号と、適応復調制御部207から出力された適応復調制御情報を入力し、入力した適応復調制御情報に基づいて下りリンク受信データ信号を復調し、復調データ系列を出力する。
誤り訂正復号化部209は、復調部208から出力された復調データ系列と、適応復調制御部207から出力された適応復調制御情報を入力し、入力した適応復調制御情報に基づいて復調データ系列を誤り訂正復号化し、下りリンク受信データを出力する。なお、復調の前処理として、伝搬路推定部205で推定された伝搬路状態推定結果を用いて伝搬路補償処理を行なう構成や、誤り訂正復号化時に伝搬路状態推定結果を参照する構成にしてもよい。
次に、図2の端末装置200における上りリンク送信手順について説明する。誤り訂正符号化部210は、上りリンク送信データを入力し、これを既定のチャネル符号化率によって誤り訂正符号化し、符号化データ系列を出力する。
変調部211は、誤り訂正符号化部210から出力された符号化データ系列を入力し、入力した符号化データ系列を既定の変調方式によって変調し、変調シンボル系列を出力する。
マルチプレクス部212は、変調部211から出力された変調シンボル系列と通知情報生成装置400から出力された上りリンク通知情報を入力し、入力した変調シンボル系列と上りリンク通知情報とを多重して送信信号を出力する。
無線送信部213は、マルチプレクス部212から出力された送信信号を入力し、入力した送信信号をディジタル・アナログ変換および無線周波数へアップコンバートして無線信号へ変換し、アンテナ部214を介して送信する。
次に、図1の基地局装置100における上りリンク受信手順について説明する。無線受信部108は、アンテナ部107を介して上りリンクの無線信号を受信し、無線周波数からダウンコンバートおよびアナログ・ディジタル変換し、受信信号を出力する。
デマルチプレクス部109は、無線受信部108から出力された受信信号を入力し、入力した受信信号を上りリンク受信データ信号と上りリンク通知情報に分離し、それぞれ出力する。なお、予め端末装置200内のマルチプレクス部212でパイロット信号を多重しておき、基地局装置100内のデマルチプレクス部109でパイロット信号を分離し、分離したパイロット信号を用いて、上りリンク受信データ信号および上りリンク通知情報に対して伝搬路補償をする構成としてもよい。
復調部110は、デマルチプレクス部109から出力された上りリンク受信データ信号を入力し、入力した上りリンク受信データ信号を既定の変調方式によって復調し、復調データ系列を出力する。
誤り訂正復号化部111は、復調部110から出力された復調データ系列を入力し、入力した復調データ系列を既定のチャネル符号化率によって誤り訂正復号化し、上りリンク受信データを出力する。
通知情報復元部300は、デマルチプレクス部109から出力された上りリンク通知情報を入力し、入力した上りリンク通知情報から変調パラメータに関する情報を復元し出力する。なお、通知情報復元部300における処理に関しては図5を用いて後述する。
通知情報生成装置400は、通知情報復元部300から出力された変調パラメータに関する情報を入力し、入力した変調パラメータに関する情報に基づいて下りリンク通知情報を生成し出力すると共に、生成した下りリンク通知情報に基づいて変調パラメータに関する情報を復元し出力する。
なお、上りリンク通知情報および基地局装置100の通知情報復元部300から出力される変調パラメータに関する情報と、基地局装置100の通知情報生成装置400から出力される下りリンク通知情報および変調パラメータに関する情報とは、必ずしも一致している必要はない。基地局装置100において、変調パラメータを変更することもあり得る。図1には示していないが、通知情報復元部300と通知情報生成装置400との間に変調パラメータを選択(変更)する構成要素を備えていてもよい。また、基地局装置100の通知情報生成装置400は、図2の端末装置200内の通知情報生成装置400と同様の機能ブロック構成で実現することができる。通知情報生成装置400における処理に関しては図3を用いて後述する。
適応変調制御部112は、通知情報生成装置400から出力された変調パラメータに関する情報を入力し、変調処理および誤り訂正符号化処理を制御するための適応変調制御信号を生成し出力する。
なお、上記説明では、基地局装置100も通知情報生成装置400を具備する構成について説明したが、基地局装置100が通知情報復元部300によって復元された変調パラメータをそのまま用いて下りリンク送信データの変調および誤り訂正符号化を行なう場合には、基地局装置100は必ずしも通知情報生成装置400を有する必要は無い。この場合、デマルチプレクス部109から出力された上りリンク通知情報を通知情報復元部300に入力するだけでなく、そのまま下りリンク通知情報としてマルチプレクス部103に入力する。また、適応変調制御部112には、通知情報生成装置400から出力していた変調パラメータに関する情報に代わって、通知情報復元部300から出力された変調パラメータに関する情報を入力する。
図3に、図2の端末装置200における通知情報生成装置400の機能ブロック図の一例を示す。通知情報生成装置400は、通知情報テーブル401、選択部(通知情報選択部)402、並びに、復元部(通知情報復元部)403を備える。
通知情報テーブル401は、通知情報として選択可能な候補値を記憶する記憶領域であり、候補値には、二つのチャネル品質情報の差を符号を伴って示す差分値候補値と、二つのチャネル品質情報の差の絶対値を示す絶対値候補値とを含む。通知情報テーブル401は、通知情報として選択可能な、変調パラメータの差分を表す複数の値(差分値候補値)Xk(k=1〜M、Mは自然数)、および差分ではない特定の変調パラメータを表す値(絶対値候補値)Yj(j=1〜N、Nは自然数)(以下、XkとYjを合わせて通知情報候補値と記す)からなるテーブルを保持し、これらの通知情報候補値を出力する。差分値候補値の絶対値より大きい値である場合であってもよい。
選択部402は、図2における変調パラメータ選択部206において選択されたサブキャリアブロック毎の変調パラメータ(チャネル品質情報の一例)、通知情報テーブルから出力された通知情報候補値および復元部403から出力された累積値(復元値)を入力し、通知情報を生成する。選択部402は、予め、通知情報を生成する際に起点とするサブキャリアブロック番号を含む、通知情報生成の処理単位に関する情報を保持し、処理を開始するサブキャリアブロックを起点として通知情報を生成する。選択部402は、サブキャリアブロックが起点であるかを判断し、後述する図28に示す手順により順番に通知情報を生成し、生成した通知情報を出力する。また、生成された通知情報は復元部403へ出力される。
復元部403は、選択部402が出力する通知情報を入力し、入力した通知情報(前回通知情報)に基づいて、変調パラメータを復元し、復元した変調パラメータを出力する。復元部403は、前回通知情報に基づいて、累積値(復元値)を生成し、生成した累積値を選択部402へ出力する。累積値(復元値)は、復元部403が入力した通知情報(前回通知情報)に基づいて生成する値であり、入力した複数の通知情報を累積した累積値である場合に加え、入力した通知情報の値、あるいは、所定の値である場合を含むため、復元値ということもある。本明細書において、復元値は、通知情報を用いて、チャネル品質情報を復元した値として説明する。復元部403は、入力した複数の前回通知情報それぞれをそのまま記憶(保持)していてもよいが、累積値として記憶することにより、メモリ容量を抑制できる。復元部403の詳細については、図5、図29を用いて後述する。
また、復元部403は、前回通知情報が絶対値候補値である場合、まず、絶対値候補値の符号を決定し、決定した符号に基づいて累積値を算出する。符号の決定方法としては、(1)直前の差分値の符号を用いる方法(「第1の符号決定方法」とする)、(2)算出している累積値(算出中の累積値)に基づいて決定する方法(「第2の符号決定方法」)などがある。図26、図27は、絶対値候補値の符号を決定する方法の一例を示す図である。図26、図27は、サブキャリアブロック番号kの通知情報の符号を決定する第1の符号決定方法の二つの例を示し、差分値候補値X1=−1、差分値候補値X2=0、差分値候補値X3=−1、絶対値候補値Y1=3の場合を一例として説明する。図26では、絶対値候補値Y1の直前の通知情報は、差分値候補値X1が「−1」であるため、絶対値候補値Y1は、差分値候補値X1と同じ符号を用いて、「−3」という差分値とする。また、図27では、絶対値候補値Y1の直前の通知情報は、差分値候補値X3が「+1」であるため、絶対値候補値Y1は、差分値候補値X3と同じ符号を用いて、「+3」という差分値とする。
また、累積値の値に基づいて符号を決定する第2の符号決定方法として、例えば、累積値が所定の値未満場合は正の符号とし、累積値が所定の値以上の場合は一つ前の前回通知情報(前回通知情報に用いた符号)と同じ符号にする、などの方法がある。どの符号決定方法を用いるかは、予めきめられているものとし、通信先へも通知していることを前提とする。また、復元部403で用いる方法と、図28を用いて後述する選択部402で用いる方法とは一致させていることを前提とする。
次いで、通知情報を生成する動作について、図28を用いて説明する。図28は、本実施形態において通知情報を生成する動作の一例を示すフローチャートである。
選択部402は、変調パラメータ、通知情報候補値を入力する(S11−2)。図28では、通信単位に含まれる複数のサブキャリアブロックそれぞれに対応する複数の変調パラメータを入力し、順番に各サブキャリアブロックについて処理する例を示している。選択部402は、まず、サブキャリアブロックが起点であるかを判断し(S12−2)、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては(S12−2でYes)、当該サブキャリアブロックに関する変調パラメータをそのまま通知情報として出力する(S13−2)。起点としないサブキャリアブロックについては(S12−2でNo)、選択部402は、当該サブキャリアブロックに関する変調パラメータと復元部403から入力する累積値(復元値)との差分値を計算し(S14−2)、絶対値候補値の符号を決定し、絶対値候補値が示す値を決める(S15−2)。計算した差分値に基づいて、差分候補値と符号を決定した絶対値候補値とを含む通知情報候補値から1つを選択し通知情報として出力する(S16−2)。
例えば具体的には、選択部402は、起点としない各サブキャリアブロックについて、まず、絶対値候補値の符号を決定する。符号の決定は、復号部403において説明した二つの方法、第1の符号決定方法と第2の符号決定方法とのいずれかの方法を用いて符号を決定する。選択部402は、差分値候補値と符号を決定した絶対値候補値の値とから、算出した差分値と一番近い通知情報候補値を選択する。または、選択部402は、復元部403が一つ前のチャネルの復元した復元値に各通知情報候補値を加算した暫定的な復元された変調パラメータ(復元されたチャネル品質情報)を算出し、暫定的な復元された変調パラメータのうち、選択された変調パラメータに最も近い値に加算した通知情報候補値を、通知情報の候補値として選択してもよい。
選択部402は、最後のサブキャリアブロックを検出するまでステップS12−2以降の処理を繰り返す(S17−2)。
なお、通知情報生成装置400における復元部403は、図1の基地局装置100における上りリンク通知情報に対する通知情報復元部300、図2の端末装置における下りリンク通知情報に対する通知情報復元部300と同様の機能ブロック構成となる。本明細書では、説明を容易にするため、通知情報復元部300と復元部403との異なる符号および名称を用いて説明する。
図5は、本実施形態の通知情報復元部300の機能ブロック図の一例を示す。通知情報復元部300は、復元演算部301と記憶部302とを備える。図3の復元部403も通知情報復元部300と同じ構成であるので、復元部403も、復元演算部301と記憶部302とを備える。
復元演算部301は、通知情報と、記憶部302から出力された累積値を入力し、通知情報と累積値とに基づいて変調パラメータ(チャネル品質情報の一例)を復元し、復元された変調パラメータを出力する。また、復元演算部301は、記憶部302へ保持させる情報を記憶情報として出力する。また、復元演算部301は、予め、通知情報を生成する際に起点とするサブキャリアブロック番号を含む、通知情報生成の処理単位に関する情報を保持する。記憶部302は、復元演算部301が出力する記憶情報を記憶し、記憶した記憶情報に基づいて累積値を出力する。
次いで、通知情報復元部300が通知情報を復元する動作の詳細を図29を用いて説明する。図29は、本実施形態において通知情報を復元する動作の一例を示すフローチャートである。
復元演算部301は、通知情報を入力し(S21−2)、起点とするサブキャリアブロックであるかを判断する(S22−2)。復元演算部301は、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては(S22−2でYes)、当該サブキャリアブロックに関する通知情報をそのまま復元された変調パラメータとして出力すると共に、記憶部302に対しても前記通知情報を記憶情報として出力する(S23−2)。復元演算部301は、起点としないサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する通知情報が差分値候補値Xkである場合(S24−2でYes)、入力した通知情報(差分値候補値Xk)と記億部302から入力した累積値とを加算し、加算結果を復元された変調パラメータとして出力すると共に、記憶部302に対しても加算結果を記憶情報として出力する(S25−2)。
ステップS24−2において、通知情報が差分値候補値Xkでない場合、すなわち、通知情報が絶対値候補値Yjの場合(S24−2でNo)、復元演算部301は、絶対値候補値Yjの符号を前回通知情報と同じ符号に決定し(S26−2)、決定した符号を用いて、入力した通知情報(絶対値候補値Yj)と記億部302から入力した累積値とを加算し、加算結果を復元された変調パラメータとして出力すると共に、記憶部302に対しても加算結果を記憶情報として出力する(S27−2)。以下、第1の符号決定方法を用いる構成の復元演算部301を、「第1の構成の復元演算部」と記す。
あるいは別の構成として、通知情報が前記絶対値候補値Yjの場合(S24−2でNo)、復元演算部301は、絶対値候補値Yjの符号を累積値(ひとつ前のチャネルの復元された変調パラメータ)に基づいて決定し、決定した符号を用いて、入力した通知情報(絶対値候補値Yj)と記億部302から入力した累積値とを加算し、加算結果を復元された変調パラメータとして出力すると共に、記憶部302に対しても加算結果を記憶情報として出力する、という構成も可能である。具体的には、ステップS26−2において、復元演算部301は、累積値が所定の値未満の場合は、正の符号を用い、累積値が所定の値以上の場合は、前回通知情報の符号、すなわち、前回通知情報が差分値候補値の場合は、差分値候補値の符号を用い、前回通知情報が絶対値候補値の場合は、前回用いた符号を用いることを決定する。以下、第2の符号決定方法を用いる構成の復元演算部301を、「第2の構成の復元演算部」と記す。
図30に、本実施形態における通知情報生成装置400の入力情報である選択された変調パラメータと、通知情報生成装置400による通知情報の生成結果および復元された変調パラメータの一例を示す。選択された変調パラメータは、変調パラメータ選択部206が選択し、通知情報生成装置400へ出力したものである。
図30では、基地局装置100と端末装置200は、サブキャリアブロック数を16個、変調パラメータとして変調方式とチャネル符号化率の組み合わせからなるMCS(Modulation and channel Coding Scheme)を使用する例を示している。MCSは0から15までの16種類(4ビットの情報)が定義されている。通知情報テーブル401は、差分値候補値として、X1=−1、X2=0、X3=+1、絶対値候補値として、Y1=3の合計4種類(2ビットの情報)の通知情報候補値を保持している場合の例を示している。ここでは、Y1は、差分値の大きさ(絶対値)が3であることを示している。Xkは、X1=−1、X2=0、X3=+1(kは、1〜3)のいずれかを示す。また、図30では、復元演算部301に第1の構成の復元演算部を用いた場合の例を示し、サブキャリアブロック番号1のサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点としている。
図30の例では、通知情報生成装置400の選択部402は、サブキャリアブロック番号1のサブキャリアブロックに関する通知情報として、選択された変調パラメータ「11」をそのまま出力する。2番目以降のサブキャリアブロックに関する通知情報では、選択部402は、直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値と、当該サブキャリアブロックでの選択された変調パラメータとの差分値を求め、通知情報の候補値のうち、求めた差分値により近い値を選択する。
また、求めた差分値と絶対候補値とを比較する場合は、選択部402は、絶対値候補値の符号を、前回通知情報と同じ符号で示す値として比較する。従って、前回通知情報の符号が正の場合は、絶対値候補値Y1は、「+3」であり、前回通知情報の符号が負の場合は、絶対値候補値Y1は、「−3」であるものとして、求めた差分値と比較する。さらに、累積値を算出するとき、通知情報が絶対値差分値の場合、復元演算部301は、通知情報の符号を決定した後、決定した符号を用いて通知情報と累積値とを加算し、加算結果を次の累積値とする。
例えば、サブキャリアブロック番号4のサブキャリアブロックにおける通知情報の生成について説明する。サブキャリアブロック番号3のサブキャリアブロックにおける通知情報はX1=−1であり、その符号は負であるため、サブキャリアブロック番号4のサブキャリアブロックにおけるY1=3は「−3」を表す。選択部402は、3番目のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値「11」(11+1−1)と、4番目のサブキャリアブロックでの選択された変調パラメータ「9」との差分値「−2」を求め、通知情報候補値のうち、差分値「−2」により近いY1を通知情報として選択する。
なお、選択部402が通知情報を選択する際に、復元される変調パラメータが元の選択された変調パラメータを超えないように制約しても良い。
次に、サブキャリアブロック番号5のサブキャリアブロックにおけるY1について説明する。サブキャリアブロック番号4のサブキャリアブロックにおける通知情報は差分値「−3」を表すY1=3であり、その符号は負であるため、サブキャリアブロック番号5のサブキャリアブロックにおけるY1=3も「−3」を表す。
図31は、図30の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。
図32に、本実施形態における通知情報生成装置400の入力情報である選択された変調パラメータと、通知情報生成装置400による、通知情報の生成結果および復元された変調パラメータの別の一例を示す。
図32では、サブキャリアブロック数が16個、MCSとして16種類(4ビットの情報)が定義されており、通知情報テーブル401は、差分値候補値として、X1=−1、X2=0、X3=+1、絶対値候補値として、Y1=3の合計4種類(2ビットの情報)の通知情報候補値が定義されている場合の例を示している。Xkは、X1=−1、X2=0、X3=+1(kは、1〜3)のいずれかを示す。また、図32では、復元計算部301に第2の構成の復元演算部を用いた場合の例を示し、サブキャリアブロック番号1のサブキャリアブロックを、通知情報を生成する際の起点としている。
図32における通知情報生成の手順の詳細は図30の例と基本的に同じである。異なる部分は、図32では、復元演算部301は第2の構成の復元演算部による動作であり、通知情報としてY1が選択された場合、累積値と直前の通知情報の符号とを考慮して(第2の符号決定方法を用いて)絶対値候補値の符号を決定して絶対値候補値(通知情報)を累積値へ加算し、加算結果を次の累積値とする。Yjの符号は、累積値が所定値以上の場合、図30の例と同様に直前の通知情報(前回通知情報)の符号とし、累積値が所定値未満の場合、正とする。なお、この例で所定値は「3」とする。
例えば、図32における7番目のサブキャリアブロックの通知情報の決定を例に採ると、直前のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値の計算において、6番目のサブキャリアブロックの通知情報の累積値は「2」(11+1−1−3−3−3)であり、「3」より小さいため、サブキャリアブロック番号5のサブキャリアブロックにおけるY1=3は「+3」を表す。6番目のサブキャリアブロックまでの通知情報の累積値「2」と、7番目のサブキャリアブロックでの選択された変調パラメータ「7」との差分値「+5」を求め、差分値の候補のうち、差分値「+5」により近いY1を通知情報として選択する。
また、図33は、図32の例に示した、選択された変調パラメータ、通知情報および復元された変調パラメータをグラフに示したものである。横軸はサブキャリアブロック番号、縦軸は変調パラメータである。黒い丸印は通知情報生成装置に入力された各サブキャリアブロックの選択された変調パラメータを示し、白抜きの三角印は復元された変調パラメータを示している。
なお、上記第1の符号決定方法では、絶対値候補値の符号を前回通知情報の符号に一致させる場合について説明したが、第1の符号決定方法はこれに限るものではなく、少なくとも前回通知情報に基づいて符号を決定する方法である。例えば、複数の前回通知情報の平均値を算出し、絶対値候補値の符号を前記平均値の符号に一致させるなどの方法が含まれる。上記第2の符号決定方法において、累積値が所定値以上の場合も同様である。
また、上記の2つの復元演算部301の処理方法の選択や、通知情報候補値、差分値候補値Xk(k=1〜M、Mは自然数)および絶対値候補値Yj(j=1〜N、Nは自然数)、としてどのような値を用いるかを決定する方法としては以下のような方法がある。なおこれらの方法に限定されるものではない。
(1)各サブキャリアブロックにおける選択された変調パラメータに対して、復元演算部301の処理方法および通知情報候補値の幾つかの組み合わせで通知情報の生成を試行し、それらの結果の中から、復元された変調パラメータが選択された変調パラメータに最も近いものを選択し、使用した復元演算部301の処理方法および通知情報候補値を生成した通知情報と共に通知する。使用した復元演算部301の処理方法および通知情報候補値は、通知情報候補値に関する情報として、通知情報候補値を変更するタイミングで通信先へ通知すれば十分である。
(2)選択された変調パラメータのサブキャリアブロック間の変動幅、変動速度(周波数方向の変動ピッチ)、および選択された変調パラメータの極小値前後における変化量などから復元演算部301の処理方法および通知情報候補値の組み合わせを選択し、使用した復元演算部301の処理方法および通知情報候補値を生成した通知情報と共に通知する。例えば、選択された変調パラメータのサブキャリアブロック間の変動幅および変動速度に比例してXkあるいはYjの最大値を大きくすると共に各Xkの間隔も大きくし、選択された変調パラメータの極小値前後における変化量に閾値を設定して閾値より小さい場合に復元演算部の処理方法として第1の構成を選択し、閾値以上の場合に第2の構成を選択する、などの方法がある。
また、図30、図32に示した例では、差分値の絶対値を表す絶対値候補値Yjが1つだけ用いられる場合について説明しているが、複数用意しても良い。
このように、本実施形態によれば、チャネル品質情報として変調パラメータの差分を通信先へ通知する場合に、変調パラメータの差分を示す差分値候補値と、絶対値候補値とのいずれかを選択した通知情報を通知することにより、復元されるチャネル品質情報の精度を向上させることができる。
(第8の実施形態)
第8の実施形態では、チャネル品質情報として伝搬路状態推定結果を用いる場合を一例として説明する。
図11は、本発明に係る第8の実施形態における基地局装置190の一構成例を示す機能ブロック図である。また図12は、本発明に係る第8の実施形態における端末装置290の一構成例を示す機能ブロック図である。第8の実施形態では、下りリンクの通知情報として下りリンクの送信データの適応変調に用いられた変調パラメータに関する情報を通知し、上りリンクの通知情報として下りリンクの受信信号より推定した伝搬路状態を通知する場合の例を示している。
図11に示す基地局装置190は、図1に示す基地局装置100とほぼ同様の構成要素を備えるが、基地局装置190は、通知情報復元部390と通知情報生成装置400の間に変調パラメータ選択部191を有する点と、通知情報復元部390が、上りリンク通知情報として伝搬路状態推定結果を復元する点が異なる。変調パラメータ選択部191は、図2に示す端末装置200内の変調パラメータ選択部206と同じ回路構成で実現することができる。通知情報復元部390は、図1に示す通知情報復元部300と入出力の情報量は異なるものの、同様の処理を行なう回路で実現可能である。
図12に示す端末装置290は、図2に示す端末装置200とほぼ同様の構成を備えるが、端末装置290が、伝搬路推定部205と通知情報生成部490の間に変調パラメータ選択部を必要としない点と、通知情報生成装置490が、伝搬路推定部205から出力される伝搬路状態推定結果を入力信号とし、上りリンク通知情報として伝搬路状態推定結果に関連する通知情報を生成する点が異なる。
図11の基地局装置190における下りリンク送信手順は、図1の基地局装置100における下りリンク送信手順と同様であるため、説明を省略する。
次に、図12の端末装置190における下りリンク受信手順について説明する。無線受信部202、フーリエ変換部203、デマルチプレクス部204、伝搬路推定部205、適応復調制御部207、復調部208、誤り訂正復号化部209、並びに、通知情報復元部300の動作は図2の端末装置200における下りリンク受信手順と同様である。
通知情報生成装置490は、伝搬路推定部205から出力された伝搬路状態推定結果を入力し、入力した伝搬路状態推定結果に基づいて上りリンク通知情報を生成し出力する。通知情報生成装置490における処理に関しては図13を用いて後述する。
また、図12の端末装置290における上りリンク送信手順は、図2の端末装置200における上りリンク送信手順と同様のため、説明を省略する。
次に、図11の基地局装置190における上りリンク受信手順について説明する。無線受信部108、デマルチプレクス部109、復調部110、誤り訂正復号化部111、適応変調制御部112の動作は、図1の基地局装置100における上りリンク受信手順と同様である。
通知情報復元部390は、デマルチプレクス部204から出力された上りリンク通知情報を入力し、入力した上りリンク通知情報から下りリンクの伝搬路状態推定結果に関する情報を復元し出力する。なお、通知情報復元部390における処理に関しては図14を用いて後述する。
変調パラメータ選択部191は、通知情報復元部390から出力された下りリンクの伝搬路状態推定結果を入力し、入力した伝搬路状態推定結果に基づいてサブキャリアブロック毎の次の下りリンクの変調パラメータを選択し、選択した変調パラメータを出力する。なお、前記変調パラメータの選択は、予め定めた変調パラメータと伝搬路状態との対応関係に、伝搬路状態推定結果を当てはめることで行なう。例えば、変調パラメータとそれに対応する伝搬路状態の範囲をテーブルとして保持し、そのテーブルと伝搬路状態推定結果を比較することで選択する変調パラメータを決定できる。
通知情報生成装置400は、変調パラメータ選択部191から出力された変調パラメータに関する情報を入力し、入力した変調パラメータに関する情報に基づいて下りリンク通知情報を生成し出力すると共に、下りリンク通知情報に基づいて変調パラメータに関する情報を復元し出力する。また、通知情報生成装置400は、図3に示した通知情報生成装置400と同様の機能ブロック構成で実現することができる。
図13に、図12の端末装置290における通知情報生成装置490の機能ブロック図を示す。通知情報テーブル491は、通知情報として選択可能な候補値を記憶する記憶領域であり、候補値には、二つのチャネル品質情報の差を符号を伴って示す差分値候補値と、二つのチャネル品質情報の差の絶対値を示す絶対値候補値とを含む。通知情報テーブル491は、通知情報として選択可能な、伝搬路状態推定結果の差分を表す複数の値(差分値候補値)X’k(k=1〜M、Mは自然数)、および伝搬路状態推定結果の差分の絶対値を表す絶対値候補値Y’j(j=1〜N、Nは自然数)(以下、X’kとY’jを合わせて通知情報候補値と記す)からなるテーブルを保持し、これらの通知情報候補値を出力する。
選択部492は、図12における伝搬路推定部205において推定されたサブキャリアブロック毎の伝搬路状態推定結果、通知情報テーブル491から出力された通知情報候補値および復元部493から出力された累積値を入力し、通知情報を生成する。選択部492が通知情報を生成する手順は、チャネル品質情報として、変調パラメータの替わりに伝搬路状態推定結果を用いる点を除いて、図3並びに図28に示した通知情報生成装置400と同様である。具体的には、選択部492は、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する伝搬路状態推定結果をそのまま通知情報として出力する。選択部492は、起点としないサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する伝搬路状態推定結果と復元部493から入力する累積値との差分値を計算し、伝搬路状態推定結果と計算した差分値とに基づいて通知情報候補値から1つを選択し通知情報として出力する。
例えば具体的には、選択部492は、起点としない各サブキャリアブロックについて、まず、絶対値候補値の符号を決定する。符号の決定は、第1の符号決定方法、第2の符号決定方法のいずれかの方法を用いて符号を決定する。選択部402は、差分値候補値と符号を決定した絶対値候補値の値とから、算出した差分値と一番近い通知情報候補値(X’kまたはY’j)を通知情報として選択する。生成された通知情報は復元部493へ出力される。
復元部493は、選択部492が出力する通知情報を保持し、保持する通知情報に基づいて伝搬路情報推定結果を復元し、復元した伝搬路情報推定結果を出力する。復元部403の詳細については、図14を用いて後述する。
なお、通知情報生成装置490における復元部493は、図11の基地局装置190における上りリンク通知情報に対する通知情報復元部390と、同様の機能ブロック構成となる。
図14は、本実施形態の通知情報復元部390の機能ブロック図の一例を示す。通知情報復元部390は、復元演算部391と記億部392とを備える。復元部493も同様の構成を備える。復元演算部391は、図5に示した復元演算部301が復元された変調パラメータを出力することに替えて復元された伝搬路状態推定結果を出力する点が異なる。また、記憶部392は、通知情報として伝搬路状態推定結果に基づいて選択された通知情報候補値を記憶情報として入力する点、並びに、累積値として、復元された伝搬路状態推定結果を出力する点が異なる。その他の部分は、図5並びに図29と同様である。
具体的には、復元演算部391は、通知情報と、記憶部392から出力された累積値を入力し、通知情報生成の起点とするサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する通知情報をそのまま復元された伝搬路状態推定結果として出力すると共に、記憶部392に対しても通知情報を記憶情報として出力する。復元演算部391は、起点としないサブキャリアブロックについては、当該サブキャリアブロックに関する通知情報が差分値候補値X’k場合、通知情報(差分値候補値X’k)と累積値とを加算し復元された伝搬路状態推定結果として出力すると共に、記憶部392に対しても加算結果を記憶情報として出力し、通知情報が前記通知情報候補値Y’jの場合、絶対値候補値Yjの符号を決定し、決定した符号を用いて、入力した通知情報(絶対値候補値Y’j)と記億部302から入力した累積値とを加算し、加算結果を復元された変調パラメータとして出力すると共に、記憶部302に対しても加算結果を記憶情報として出力する。
第8の実施形態において、図30から図33に示した通知情報とその復元の具体例は、下りリンクの通知情報については、第7の実施形態と同様である。また、上りリンクの通知情報については、「変調パラメータ」が「伝搬路状態推定結果」に替わり、取り得る値の範囲(ビット数など)が変わるものの、手順は同様となる。
このように、本実施形態によれば、チャネル品質情報として伝搬路状態推定結果の差分を通信先へ通知する場合に、伝搬路状態推定結果の差分を示す差分値候補値と、絶対値候補値とのいずれかを選択した通知情報を通知することにより、復元されるチャネル品質情報の精度を向上させることができる。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、差分値を算出する具体例を用いた通知情報生成装置を説明する。以下の説明では、図3に示した通知情報生成装置400を用いて、チャネル品質情報の一例として変調パラメータを入力する場合を説明するが、図13に示す通知情報生成装置490に適用することも可能である。
サブキャリアブロック(チャネル)の番号を変数iで示し、i番目のサブキャリアブロックの変調パラメータをQ(i)、i番目のサブキャリアブロックの変調パラメータと比較する累積値(復元値)をS(i)、差分値をD(i)とする。i0は、起点とするサブキャリアブロック番号を示す。R(i)は、i番目のサブキャリアブロックの通知情報を示す。
起点とするサブキャリアブロックでは、選択部402は、R(i)=Q(i)として通知情報を生成する。
起点とするサブキャリアブロック以外では、まず、復元部403は、起点とするサブキャリアブロックを除いて、数式(1)を用いて累積値S(i)を算出する。累積値を算出する場合に、起点とするサブキャリアブロック番号i0とiとの関係によって異なる数式を用いて累積値S(i)を算出する。
次に、選択部402は、復元部403が算出した累積値S(i)を用いて、差分値D(i)をD(i)=Q(i)−S(i)の式で算出する。算出した差分値D(i)と、入力した変調パラメータ(チャネル品質情報の一例)に基づいて、通知情報候補値を選択し、選択した通知情報候補値に基づいて通知情報を生成して出力する。
このように、通知情報生成装置400は、まず、起点とするチャネルの通知情報を生成し、順次起点としないチャネルの通知情報を生成する。通知情報生成装置400は、起点とするチャネルのチャネル品質情報を通知情報として生成する。ここで、異なる二つのチャネル(サブキャリアブロック)、第一のチャネルと第二のチャネルに注目し、第一のチャネルの通知情報は既に生成され、第二のチャネルの通知情報を生成する場合の動作について説明する。復元部403は、第一のチャネルのチャネル品質情報に基づいて生成された通知情報を前回通知情報として保持(記憶)し、さらに、既に通知情報を生成した起点となるチャネルの通知情報も保持している状態である。復元部403は、保持した前回通知情報に基づいて、累積値(復元値)を生成し、生成した累積値を第一のチャネルの復元値として選択部402へ出力する。なお、第一のチャネルは、起点とするチャネルであっても、起点としないチャネルであっても同様の動作となる。
選択部402は、第二のチャネルのチャネル品質情報を入力し、入力した第二のチャネルのチャネル品質情報と復元部403が復元した第一のチャネルの復元値との差分値を算出し、算出した差分値に近い通知情報候補値を通知情報テーブル401(差分値候補値と絶対値候補値とを保持している)から選択して通知情報を生成する。復元部403は、生成した第二のチャネルの通知情報を入力し、前回通知情報として記憶する。
通知情報生成装置400は、更に、第二のチャネルと第三のチャネルというように、二つのチャネルの差分値に基づいて通知情報を生成する動作を繰り返して、複数のチャネル全部の通知情報を生成する。
また、上記各実施形態の通知情報生成装置は、回路等のハードウェア、あるいは、ソフトウェアによって実現することができる。ソフトウェアで実現する場合、コンピュータの動作に関するプログラム(通知情報生成プログラム)によって実現することができる。通知情報生成プログラムは、計算機内(通信装置内)のメモリにロードされ中央処理演算装置(CPU)の制御のもとで実行される。通知情報生成プログラムは、少なくとも次の手順を計算機に実行させる機能を備える。
二つのチャネル品質情報の差を符号を伴って示す少なくとも一つの差分値候補値と、二つのチャネル品質情報の差の絶対値を示す少なくとも一つの絶対値候補値とを含む通知情報の候補値から、一つの候補値を選択し、選択した候補値に基づいて通知情報を生成する手順、を備える。より具体的には、(1)通知情報の候補値として、前記差分値候補値と、前記絶対値候補値とを通知情報テーブルへ複数記憶する手順、(2)第一のチャネルのチャネル品質情報に基づいて生成された通知情報を用いて復元値を生成する手順、(3)前記第一のチャネルとは異なる第二のチャネルのチャネル品質情報を入力し、前記第二のチャネルのチャネル品質情報と前記復元値とに基づいて、前記通知情報の候補値から一つの候補値を選択し、選択した候補値に基づいて通知情報を生成する手順、を実行させる機能を備える。
さらに、(4)起点とするチャネルについては、入力されたチャネル品質情報を通知情報として出力する手順を備えていてもよい。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、通知情報候補値を特定する候補値番号を用いて通知情報を生成する通知情報生成装置を説明する。第7の実施形態から第9の実施形態では、通知情報は、通知情報候補値そのものである場合を想定して説明したが、本実施形態では、通知情報は、通知情報候補値のどの値かを示す候補値番号を用いて生成される場合を説明する。
以下の説明では、図3に示した通知情報生成装置400を用いて説明するが、本実施形態は図13に示す通知情報生成装置490に適用することも可能である。通知情報生成装置400は、nビットの通知情報を生成する場合を一例として説明する。しかしながら、復元部は、累積値を算出する場合に、通知情報テーブルを参照する、あるいは、選択部から通知情報候補値と候補値番号との対応を通知されることなどにより、候補値番号と通知情報候補値とを対応づける情報の入手が必要である。
通知情報テーブル401は、通知情報候補値そのものの値を記憶すると共に、通知情報候補値を特定する候補値番号と対応づけて記憶する。通知情報テーブル401は、通知情報の候補値を特定する候補値番号を2n個記憶するnビットと、2n個の候補値番号それぞれと対応する通知情報の候補値を記憶する記憶領域を備える。なお、起点とする通知情報については、起点とする通知情報がnビットで通知できる値であること、あるいは、起点とする通知情報(例えば、チャネル品質情報そのもの)は別途通知することなどの方法により通知することが可能である。例えば、差分値候補値Xk(k=1〜M、Mは自然数)および絶対値候補値Yj(j=1〜N、Nは自然数)を通知情報候補値とする場合、MとNとは、M=2n−Nの関係になる。
選択部402は、図28に示す手順に従って、通知情報候補値を選択し、選択した通知情報候補値を特定する候補値番号を用いて通知情報を生成する。
復元部403は、通知情報として候補値番号を入力し、通知情報テーブル401を参照して復元されたチャネル品質情報を生成する。
このように、本実施形態によれば、候補値番号を用いて通知情報をnビットで生成することにより、通知情報の情報量を抑制することができる。これにより、通信装置間で送受信する制御情報量を抑制することができる。また、復元するチャネル品質情報の精度を保ちながら、通知情報量を一定とした通知情報を生成することが可能となり、通信装置間で送受信する制御情報通知手順の複雑化と非効率化を抑制することができる。
(第11の実施形態)
上記各実施形態で説明した通知情報生成装置は、次のような構成をとることも可能である。上記各実施形態では、選択部と復元部とから構成されるループを帰還する場合について説明した。上記各実施形態の選択部の内部では、各候補値に対して、復元部の内部の処理である復元処理と同様の処理を試行し、試行結果に基づいて一つの候補値を選択する。すなわち、選択部は、復元の機能と、復元結果を比較する機能を有している。そこで、選択部の内部の復元の機能を司る回路と復元部内の復元の機能を司る回路とを共通の回路で行なうこともできる。また、回路等のハードウェアに限らず、ソフトウェアで実現する場合も同様に共通化して実現することができる。
図15は、選択部に復元部を取り込んだ通知情報生成装置480の構成の一例を示すブロック図である。通知情報生成装置480は、通知情報テーブル481、選択部482、復元部483、並びに比較部484を備える。通知情報テーブル481は、図3の通知情報テーブル401と同様である。図15のブロック構成では、選択部482の内部に復元部483が含まれる構成を取っている。選択されたチャネル品質情報は、選択部482の内部の比較部484に入力される。復元部483は記憶機能を有し、前回復元された復元値(累積値、一つ前のチャネルの処理において復元されたチャネル品質情報)が記憶される。復元部483は、一例として図5または図14と同様の構成によって実現できる。
次いで、本実施形態の通知情報生成装置480の動作を説明する。図34は、本実施形態の通知情報生成装置480の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、通知情報生成装置480において、比較部484は、選択されたチャネル品質情報を入力する(S31−2)。比較部484は、入力した選択されたチャネル品質情報が起点とするチャネルであるか否かを判断し(S32−2)、起点とするチャネルの場合(S32−2でYes)、選択されたチャネル品質情報を通知情報、チャネル品質情報として出力し(S33−2)、起点とするチャネルのチャネル品質情報を復元部483へ通知する(S34−2)。復元部484は、通知されたチャネル品質情報を前回の復元値として記憶する(S35−2)。
起点とするチャネル以外の場合(S32−2でNo)、比較部484は、復元部483へ復元値の出力を指示し、復元部483は、絶対値候補値の符号を決定し(S36−2)、決定した符号の絶対値候補値の値を含む通知情報候補値と、記憶した前回の復元値を用いて、暫定的な複数の復元値(暫定的に復元されたチャネル品質情報)を生成し、比較部484へ出力する(S37−2)。
具体的には、復元部483は、前回復元された復元値が記憶されており、通知情報テーブル481から通知情報候補値が順次入力される。復元部483は、前回の通知情報の符号に基づいて、第一の符号決定方法あるいは第2の符号決定方法のいずれかに基づいて、絶対値候補値の符号を決定し、決定した符号に基づいて絶対値候補値の値を特定し、通知情報候補値を特定する。なお、前回の通知情報の符号は、復元値と共に記憶されているものとする。復元部483は、前回の復元値と通知情報候補値とから(前回の復元値に通知情報候補値それぞれを加算して)、処理中のチャネル(サブキャリアブロック)に関して、暫定的に復元されたチャネル品質情報(暫定的な復元値)を算出する。次いで、復元部483は、暫定的に復元されたチャネル品質情報を通知情報候補値と関連付けて一時記憶すると共に、通知情報候補値と暫定的に復元されたチャネル品質情報とを比較部484に順次出力する。
比較部484は、復元部483から順次入力される暫定的に復元されたチャネル品質情報と、前記選択されたチャネル品質情報とを比較し、比較した結果、選択されたチャネル品質情報に最も近くなる暫定的に復元されたチャネル品質情報を選択し(S38−2)、選択した暫定的に復元されたチャネル品質情報に加算された通知情報候補値を通知情報として生成する(S39−2)。
比較部484が行なう比較に関しては、計算手順の表現方法が異なるが、前述の構成における選択部が行なう比較と同様の評価である。比較部484は、生成した通知情報とその通知情報に対応する復元後のチャネル品質情報(複数の暫定的に復元されたチャネル品質情報のうち、選択した値)を出力すると共に(S40−2)、選択した通知情報を示す信号(通知情報候補値を特定する信号)を復元部483に送る(S41−2)。
復元部483は、比較部484から送られた信号が示す通知情報候補値に対応する暫定的に復元されたチャネル品質情報を記憶し(S42−2)、次の処理の際に前回復元された復元値(前回の復元値)として用いる。比較部484は、最後のチャネル(サブキャリアブロック)であるかを判断し(S43−2)、最後のチャネルではない間は(S43−2でNo)、ステップS32−2からの処理を繰り返し、最後のチャネルになったときに(S43−2でYes)処理を終了する。このように、復元処理の機能を共通化して、演算量を削減することができる。
なお、図34では、比較部484と復元部483の動作は順次実施されるように示しているが、処理によっては比較部484と復元部483とは並行して処理を実施することができる。また、図15において、通知情報テーブル481は、専用の記憶領域を備える場合でもよいが、一時的に確保される記憶領域(キャッシュ)であってもよい。また、通知情報テーブル481は、選択部482(あるいは、復元部483、比較部484)内に一時的に確保される記憶領域であってもかまわない。
さらに、本実施形態の通知情報生成装置480は、図34に示した動作に限られることはない。例えば、暫定的な復元値の算出(図34のステップS37−2)については、比較部484で実施する構成とすることもできる。例えば、復元部483は、一つ前に処理したチャネルの復元値(前回の復元値)を記憶する構成とする。復元部483は、絶対値候補値の符号を決定し、絶対値候補値の値を決定する。次に、復元部483は、複数の通知情報候補値と前回の復元値を比較部484へ出力する。比較部484は、入力した複数の通知情報候補値と前回の復元値とを用いて暫定的に復元されたチャネル品質情報(暫定的な複数の復元値)を算出し、算出した暫定的な複数の復元値と選択されたチャネル品質情報とを比較し、選択されたチャネル品質情報に最も近い暫定的な復元値を選択する。
比較部484は、選択した暫定的な復元値を復元されたチャネル品質情報として出力すると共に、選択した暫定的な復元値へ加算した通知情報候補値に基づいて、通知情報を生成し、出力する。また、比較部484は、選択した暫定的な復元値へ加算した通知情報候補値を特定する信号を復元部483へ出力する。復元部483は、比較部484から通知された信号に基づいて、選択された通知情報候補値を取得し、記憶領域に記憶している前回の復元値へ取得した通知情報候補値を加算した値を、前回の復元値として記憶する。
このように、比較部484が暫定的な復元値を算出する方法では、図34の手順に比べて演算量が増えることになるが、符号決定処理は、復元部483が一度決定すればよいことになり、第7の実施形態に比べ処理量を抑制することができる。
なお、上記各実施形態で説明した絶対値候補値は、差分値候補値の絶対値より大きい値、あるいは、チャネル品質情報に基づいて選択される値、などを用いてもよい。また、チャネル品質情報に基づいて選択される値としては、信号を受信した通信装置から通知されたチャネル品質情報について統計を行なって(例えば、要約統計処理)算出した値(例えば、平均値、分散値、平均値から分散値を差し引いた値)、チャネルの周波数間隔、チャネル品質情報から得られる伝搬路の遅延分散値、およびドップラー周波数に基づいて決定した値などがある。絶対値候補値、差分値候補値は、整数とは限らず、小数などであってもよい。
また、絶対値候補値に限らず、差分値候補値についても、チャネル品質情報に基づいて、変更することも可能である。通知情報候補値の変更は、一例として、通知情報生成装置の選択部において実施することができる。選択部は、複数のチャネルのチャネル品質情報を入力し、入力した複数のチャネル品質情報に基づいて、通知情報候補値を変更するか否かを判断し、判断結果に基づいて、通知情報候補値(差分値候補値、絶対値候補値のいずれか一方、あるいは両方)を変更することができる。
選択部は、入力したチャネル品質情報や伝搬路の遅延分散値に基づいて、差分値候補値、絶対値候補値を変更し、通知情報テーブルを更新すると共に、基地局装置は、端末装置(通信先の通信装置)へ更新した通知情報候補値(候補値)に関する情報を通知する。通知する通知情報候補値に関する情報は、通知情報候補値そのものの値である場合もあるし、通知情報候補値を候補値番号で対応付けている場合は、候補値番号と、候補値番号に対応づけられる通知情報候補値に関する情報を通知することになる。端末装置は、受信した通知情報候補値に関する情報を通知情報生成装置の通知情報テーブルに格納する。これにより、伝搬路状態に応じて適切な通知情報候補値を決定することができると共に、通信中の変動に柔軟に対応することが可能となる。
以上のように、本発明に係る好適な実施形態によれば、差分を用いてチャネル品質情報を通知する場合に、二つのチャネル品質情報の差を符号を伴って示す差分値候補値と、二つのチャネル品質情報の差の絶対値を示す絶対値候補値とを選択して通知することにより、差分に基づいて復元するチャネル品質情報の精度を向上させることができる。また、差分を用いて通知情報を生成することにより、通知する情報量を抑制することができる。通知する情報量を抑制することにより、システムのスループットを向上させ、消費電力を削減することが可能になる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、差分情報としてチャネル間の伝搬路情報の差分を二乗した値を用いる。
図35は、本発明に係る第12の実施形態の基地局装置100の構成例を示すブロック図である。基地局装置100は、誤り訂正符号化部101、変調部102、マルチプレクス部103、逆フーリエ変換部104、無線送信部105、アンテナ部106,107、無線受信部108、デマルチプレクス部109、復調部110、誤り訂正復号化部111、通知情報復元部300、通知情報生成装置400−3、並びに、適応変調制御部112を備える。
図36は、本発明に係る第12の実施形態の端末装置200の構成例を示すブロック図である。端末装置200は、アンテナ部201、214無線受信部202、フーリエ変換部203、デマルチプレクス部204、伝搬路推定部205、変調パラメータ選択部206、通知情報生成装置400−3、通知情報復元部300、適応復調制御部207、復調部208、誤り訂正復号化部209、誤り訂正符号化部210、変調部211、マルチプレクス部212、並びに、無線送信部213を備える。
まず、図35の基地局装置100における下りリンク送信手順について説明する。誤り訂正符号化部101は、適応変調制御部112から通知される適応変調制御情報に基づいて、下りリンク送信データを誤り訂正符号化し、符号化されたデータ列を出力する。
変調部102は、適応変調制御部112から通知される適応変調制御情報に基づいて、誤り訂正符号化部から出力された下りリンク送信データを変調し、変調されたシンボル列を出力する。
マルチプレクス部103は、変調部102から出力されたシンボル列に、通知情報生成装置400−3で生成された通知情報とパイロット信号を多重する。逆フーリエ変換部104は、マルチプレクス部103から出力された信号を逆フーリエ変換して出力する。逆フーリエ変換部104で変換された信号は、無線送信部105からアンテナ部106を介して送信される。
次に、図36の端末装置における下りリンク受信手順について説明する。アンテナ部201を介して無線受信部202で受信された信号は、フーリエ変換部203に送られ、フーリエ変換部203でフーリエ変換処理が行なわれる。フーリエ変換部203から出力された信号は、デマルチプレクス部204で、下りリンク受信データ信号と、下りリンク通知情報と、パイロット信号に分割される。デマルチプレクス部204から出力されたパイロット信号は、伝搬路推定部205に送られ、伝搬路推定処理に用いられる。
伝搬路推定部205は、パイロット信号から伝搬路推定を行ない、伝搬路推定結果を出力する。なお、パイロット信号の代わりに下りリンク受信データ信号を用いて伝搬路推定を行なう場合は、伝搬路推定部205への入力信号はパイロット信号ではなく、下り受信データ信号あるいは下り受信データ信号の復調結果や復号結果となる構成となる。この場合、基地局装置100内のマルチプレクス部103におけるパイロット信号多重処理と端末装置200内のデマルチプレクス部204におけるパイロット信号の分離処理は必要ない。
また、パイロット信号と下りリンク受信データ信号の両方を用いて伝搬路推定を行なう場合は、伝搬路推定部205へはパイロット信号だけではなく、下り受信データ信号あるいは下り受信データ信号の復調結果や復号結果も入力される構成となる。本発明は、これらの構成にも適用することができる。変調パラメータ選択部206は、伝搬路推定部205から出力された伝搬路推定結果に基づいて、下りリンクの変調パラメータを選択し、変調パラメータに関する情報(変調パラメータ情報)を通知情報生成装置400−3に通知する。
通知情報生成装置400−3は、変調パラメータ選択部206で選択された変調パラメータに関する情報に基づいて、上りリンク通知情報を生成する。通知情報生成装置400−3における処理に関しては、図37を用いて後述する。
デマルチプレクス部204から出力された下りリンク通知情報は、通知情報復元部300に送られ、下りリンクの変調パラメータに関する情報が復元され、出力される。適応復調制御部207は、通知情報復元部300で復元された変調パラメータに関する情報に基づいて、復調および誤り訂正復号処理を制御する信号を出力する。
デマルチプレクス部204から出力された下りリンク受信データ信号は、復調部208に入力される。復調部208および誤り訂正復号部209では、適応復調制御部207からの適応復調制御信号に基づいて、それぞれ下りリンク受信データ信号の復調処理および誤り訂正復号化処理が行なわれ、下りリンク受信データが取り出される。なお、復調の前処理として、伝搬路推定部205で推定された伝搬路推定結果を用いて伝搬路補償処理を行なう構成や、誤り訂正復号化時に、伝搬路推定結果を参照する構成にしてもよいことは勿論であるが、本明細書の図面では省略している。
次に、図36の端末装置200における上りリンク送信手順について説明する。誤り訂正符号化部210は、上りリンク送信データを誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化したデータ列を出力する。変調部211は、誤り訂正符号化されたデータ列を変調し、変調シンボル列を出力する。マルチプレクス部212は、変調部211から出力された変調シンボル列に、通知情報生成装置400−3から出力された上りリンク通知情報を多重する。マルチプレクス部212から出力された信号は、無線送信部213からアンテナ部214を介して送信される。
次に、図35の基地局装置100における上りリンク受信手順について説明する。アンテナ部107を介して無線受信部108で受信した信号は、デマルチプレクス部109へ送られる。デマルチプレクス部109は、入力された信号から上りリンク受信データ信号と上りリンク通知情報を分離してそれぞれ出力する。なお、予め端末装置200内のマルチプレクス部212でパイロット信号を多重しておき、基地局装置100内のデマルチプレクス部109でパイロット信号を分離し、分離したパイロット信号を用いて、上りリンク受信データ信号および上りリンク通知情報に対して伝搬路補償をする構成としてもよいことは勿論であるが、本明細書では伝搬路補償に関する説明を省略している。
デマルチプレクス部109から出力された上りリンク受信データ信号は、復調部110および誤り訂正復号化部111において、それぞれ復調処理および誤り訂正復号化処理が行なわれ、上りリンク受信データが取り出される。
デマルチプレクス部109から出力された上りリンク通知情報は、通知情報復元部300に送られ、変調パラメータに関する情報が復元される。復元された変調パラメータに関する情報は通知情報生成装置400−3に送られる。
通知情報生成装置400−3は、通知情報復元部300から通知された変調パラメータに関する情報に基づいて、下りリンク通知情報を生成すると共に、変調パラメータに関する情報を適応変調制御部112へ出力する。通知情報生成装置400−3から出力された下りリンク通知情報はマルチプレクス部103に送られる。なお、この通知情報生成装置400−3は、端末装置200内の通知情報制御装置400−3と同様のブロック構成で実現することができる。
適応変調制御部112は、通知情報生成装置400−3から通知された変調パラメータに関する情報に基づいて、変調処理および誤り訂正符号化処理を制御するための適応変調制御信号を生成し、変調部102と誤り訂正符号化部101へ出力する。
なお、上記の説明では、基地局装置100も通知情報生成装置400−3を具備する構成について説明したが、基地局装置100は必ずしも通知情報生成装置400−3を有する必要は無い。通知情報生成装置400−3を備えていない場合、デマルチプレクス部109から出力された通知情報を通知情報復元部300に入力するだけでなく、下りリンク通知情報としてマルチプレクス部103に入力する。また、通知情報復元部300から出力された変調パラメータに関する情報を適応変調制御部112に入力する。
図37は、本実施形態の通知情報生成装置400−3の構成の一例を示すブロック図である。通知情報生成装置400−3は、差分情報テーブル401−3、演算部402−3、並びに、復元部403−3を備える。以下では、通知情報生成装置400−3の処理に関して説明する。
差分情報テーブル401−3は、演算部402−3が算出する差分値の候補値(差分レベル、通知情報として通信先へ通知する値)となる差分情報を記憶する記憶領域である。候補値(差分値の候補値)は、所定の複数の数値であり、本実施形態では、{+1、±0、−1、−2}の4つの値を差分情報として保持する場合を一例として説明するが、数値の値並びに数値の数は任意である。また、必ずしも差分情報として保持されるのは、差分値のみである必要はない。差分情報となる複数の候補値は、差分値と非差分値との組み合わせであってもよい。例えば、{+1、±0、−1、Y}という3つの差分値と1つの非差分値(Y)とを差分情報として保持するような場合でも、本発明を適用することができる。Yは、伝搬路状態を示す値であってもよい。例えば、Yはある絶対的なレベル(例えばキャリアホール)であることを示す非差分値であってもよい。また、差分値、非差分値それぞれの個数も任意の数でかまわない。
演算部402−3は、変調パラメータ情報(チャネル品質情報の一例)と差分情報テーブル401−3および復元部403−3から出力される復元された変調パラメータ情報(復元されたチャネル品質情報の一例)に基づいて、それぞれの差分情報の候補に対する二乗誤差(指標値の一例)を演算し、差分情報の候補の中から二乗誤差が最小となる候補値を選択し、通知情報として出力する。指標値は、差分値と候補値との誤差を示す値であり、差分値と候補値との差分を二乗した値(二乗誤差)、あるいは、差分値と候補値との差分の絶対値などの値が用いられる。本実施形態では、演算部402−3が二乗誤差を指標値として算出する場合を説明する。
なお、二乗誤差の演算処理に関する説明は図38を用いて後述する。演算部402−3は、二乗誤差の最小値を計算することより、最小二乗誤差演算部あるいは二乗誤差演算部ともいう。演算部402−3から出力された通知情報は、通知情報生成装置400−3の出力となると共に、復元部403−3に送られる。演算部402−3は、予め通知情報を生成する処理単位を保持し、処理を開始するキャリアを起点とし、順番に各キャリアに対応する通知情報を生成する。
復元部403−3は、通知情報から復元された変調パラメータ情報を生成し、復元された変調パラメータ情報を演算部402−3に帰還させる。また、復元部403−3は、演算部402−3より通知された通知情報を前回通知情報としてチャネル毎に順番に保持し、複数の前回通知情報を加算する機能を有する。加算された値は、前回通知情報に基づいて復元された変調パラメータ情報となる。
ここで、二つの異なる周波数チャネルを第一のチャネル、第二のチャネルとすると、演算部402−3は、復元部403−3から入力される復元された変調パラメータ情報(第一のチャネルの復元チャネル品質情報)と、変調パラメータ情報(第二のチャネルのチャネル品質情報)とを入力し、復元された変調パラメータ情報と変調パラメータ情報との差分値を算出し、算出した差分値を通知情報として出力するという機能を有する。具体的には、指標値を算出して候補値を選択しているので、演算部402−3は、次の動作を行なう。
演算部402−3は、第一のチャネルの復元チャネル品質情報へ複数の候補値それぞれを加算して第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報を複数生成し、入力した第二のチャネルのチャネル品質情報と生成した第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報それぞれとの差分に基づいて第二指標値を算出する。次いで、演算部402−3は、算出した第二指標値が小さい第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報を選択し、選択した第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報で用いた候補値を選択して通知情報を生成する。なお、計算手順の表現方法が異なるが、第二指標値は、第二のチャネルのチャネル品質情報と第一のチャネルの復元チャネル品質情報との差分値と、候補値との差分に基づいて算出する指標値と同じである。
次に、通知情報生成装置内400−3の帰還処理について説明する。演算部402−3は、変調パラメータ情報を入力し、入力した変調パラメータのうち、起点とする周波数チャネル(サブチャネル)の変調パラメータを判断する。ここでは、演算部402−3へ入力される最初の周波数チャネル(通信単位の中で最初の周波数チャネル)の変調パラメータを起点とする場合を一例として説明する。なお、起点とするチャネルは、処理するチャネルのうちの最初のチャネル(最初の番号のチャネル)でなくともよく、例えば、中間のチャネルや最後のチャネルであってもよい。
演算部402−3は、起点とする周波数チャネルの変調パラメータ情報を、そのまま通知情報として出力する。起点とする周波数チャネルの変調パラメータ情報が復元部403−3に入力されたときは、復元部403−3は、通知された変調パラメータ情報をそのまま出力する。次に、2番目以降の周波数チャネルの変調パラメータ情報が演算部402−3に入力された場合、演算部402−3は、復元部403−3から送られた一つ前の周波数チャネルの復元された変調パラメータ情報が示すレベル(変調パラメータを特定する値)と、差分情報テーブル内に予め差分情報として保持している候補値との和を計算し、さらに入力された変調パラメータ情報が示すレベルとの二乗誤差(指標値)を演算する。複数の候補値の中で、二乗誤差が最小となる候補値を選択し、選択した候補値を通知情報として出力する。
復元部403−3は、演算部402−3から出力された通知情報と、一つ前の周波数チャネルの復元された変調パラメータ情報が示すレベルを加算することにより、変調パラメータレベルを復元し、復元した変調パラメータレベルを示す変調パラメータ情報を演算部402−3に出力する。復元部403−3は、演算部402−3から出力された通知情報を保持し、保持した通知情報と、新たに通知された通知情報とに基づいて、現在処理している周波数チャネルの変調パラメータ情報を復元することになる。復元部403−3は、起点とする周波数チャネルについては、変調パラメータ情報(変調パラメータレベル)そのものを、その他の周波数チャネルについては、差分情報として保持している候補値を通知情報として取得するため、起点とする変調パラメータ情報へ、候補値を加算することにより、各周波数チャネルに対応する変調パラメータを復元することになる。復元部403−3は、通知情報を保持する際に、周波数チャネル毎に通知情報を保持していてもよいし、通知情報に基づいて復元した変調パラメータ情報を保持していてもよい。
なお、通知情報生成装置400−3における復元部403−3は、図38の基地局装置100における上りリンク通知情報に対する通知情報復元部300、図43の端末装置における下りリンク通知情報に対する通知情報復元部300と同様の機能ブロック構成となる。本明細書では、説明を容易にするため、通知情報復元部300と復元部403−3との異なる符号および名称を用いて説明する。
通知情報生成装置400−3は、複数の周波数チャネルに関して処理を繰り返すことにより、起点とする周波数チャネルの変調パラメータレベルを示す変調パラメータ情報と、2番目以降の周波数チャネルの差分値(差分レベル)を示す通知情報を出力する。
図38は、本実施形態の通知情報生成装置400−3の動作の一例を表すフローチャートである。図38中、kは、周波数チャネル番号を示す変数であり、1から処理する周波数チャネルの数kmaxの値をとる。Qkは、通知情報生成部400−3へ入力される変調パラメータ情報を設定する領域であり、変調パラメータレベル(変調パラメータを特定する値)が設定される。Qd kは、復元された変調パラメータ情報を設定する領域である。 ΔQd kは、通知情報であり、差分値(起点とする周波数チャネルの場合は変調パラメータレベル)を設定する領域である。通知情報生成部400−3は、k個の周波数チャネルに関する変調パラメータ情報Qkを入力し、差分値を算出して通知情報ΔQd kを生成する。以下、図38に沿って通知情報生成装置400−3の帰還処理過程を詳細に説明する。
演算部402−3は、周波数チャネル番号を示す変数であるkを初期化し(S101)、起点とする最初の周波数チャネルの通知情報ΔQd 1に、最初の周波数チャネルの変調パラメータレベルQ1をセットする(S102、起点チャネル品質情報生成処理)。演算部402−3は、kに1をインクリメントし(S103)、次の周波数チャネルに移る(処理チャネルのカウント)。kは、演算の対象となる周波数チャネル番号を示すことになる。演算部402−3は、差分情報テーブル401−3に保持する候補値を特定する差分情報番号i(iは変数)と、暫定の最小二乗誤差を示す変数eminを初期化する(S104、変数の初期化処理)。
演算部402−3は、復元部403−3によって復元された変調パラメータレベルを入力し、k−1番目の復元されたパラメータレベルQd k−1へ設定する。演算部402−3は、差分情報からdiで特定される候補値(複数の候補値のうち、i番目の候補値を意味する)を選択し、k番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルQkと、復元された変調パラメータレベルQd k−1+候補値diとの二乗誤差eを計算する(S105、二乗誤差算出処理)。
演算部402−3は、計算した二乗誤差eと暫定の最小二乗誤差eminを比較し(S106、二乗誤差判定処理)、eがeminよりも小さい場合(S106でYes)、演算部402−3は、暫定の最小二乗誤差eminをeに更新し、暫定の差分値(差分情報の候補値)dminをdiに更新する(S107、差分値更新処理)。eがemin以上である場合(S106でNo)並びにステップS107の処理後、演算部402−3は、iに1をインクリメントし(S108)、次の候補となる差分情報が示す候補値に移る。演算部402−3は、差分情報番号iと差分情報の候補数imaxを比較し(S109)、差分情報番号iが候補数imaxを超えた場合(S109でYes)、ステップS110に移り、超えない場合(S109でNo)、ステップS105に戻り、差分情報番号iが候補数imaxを超えるまで、ステップS105からステップS109の処理を繰り返す。
演算部402−3は、k番目の周波数チャネルにおける差分情報から選択した候補値を差分値として決定する(S110)。すなわち、演算部402−3は、差分値を設定する通知情報 ΔQd kの領域へdminをセットし、通知情報 ΔQd kを復元部403−3へ出力する。復元部403−3は、k番目の周波数チャネルの通知情報 ΔQd kを演算部402−3より受け取り、前回復元したk−1番目の周波数チャネルの復元された変調パラメータ情報 Qd k−1と通知情報 ΔQd kとを用いて、k番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルを復元し、復元された変調パラメータ情報Qd kへ設定する。
演算部402−3は、周波数チャネル番号を示す変数kと最大周波数チャネル数kmaxを比較し、一致する場合(S111でYes)は処理を終了し、一致しない場合(S111でNo)はステップS103からの処理を繰り返す。演算部402−3は、このようにして算出した通知情報[ΔQd 1、ΔQd 2、ΔQd 3、・・・・・、ΔQd kmax]を、通知情報生成装置400−3から出力する。
なお、図37では、通知情報生成部400−3は、処理する周波数チャネル数分の変調パラメータ情報を入力し、周波数チャネル数分の通知情報をまとめて外部(図36のマルチプレクス部212あるいは、図35の適応変調制御部112)へ出力する場合を説明したが、これに限られるわけではない。演算部402−3は、周波数チャネル毎に通知情報ΔQd kを外部へ出力してもよい。
このようにして求めた通知情報の一例として、差分情報の候補値が{+1、±0、−1、−2}の場合の例を図39、図40に示す。図39は、通知情報生成部400−3が通知情報を生成する場合の計算値の一例を示す図である。また、図40は、入力された変調パラメータ情報と通知情報に基づいて復元された変調パラメータ情報とを示す図である。図40の横軸は周波数チャネル番号(SCn、nは正の整数)を示し、縦軸は変調パラメータ(MCS)レベルを示している。なお、この例では、起点とする周波数チャネルはSC1である。グラフ中の黒い丸印は通知情報生成装置400−3に入力される変調パラメータ情報が示す変調パラメータレベル(MCSレベル)Qkを示し、白抜きの三角印は復元部403−3で復元されたMCS情報が示す変調パラメータレベルQd kを示している。また、白抜きの三角印の左肩に記載している数値は通知情報ΔQd kとして選択された差分情報が示す候補値を示している。
図39、図40の具体例を用いて、通知情報生成装置400−3内の処理を、図38のフローチャートにおける変数と関連付けて説明する。最初の周波数チャネルであるSC1に関しては、MCSレベルである5を示すMCS情報を通知情報として出力する。一方、SC2以降の周波数チャネルに関しては、二乗誤差が最小になるように選択した差分レベルを示す差分情報を通知情報として出力する。
まず、周波数チャネルSC1における通知情報ΔQd 1を生成するとき、すなわち、図39、図40においてk=1であるとき、通知情報生成装置400−3への入力である変調パラメータ情報は、変調パラメータレベルQ1=「5」を示す。SC1は、起点とするチャネルであるので、演算部402−3は、変調パラメータレベルQ1を示す入力情報をそのまま出力情報として、通知情報ΔQd 1を出力する。
次に、周波数チャネルSC2における通知情報ΔQd 2を生成するとき、すなわち、図39、図40においてk=2であるとき、通知情報生成装置400−3への入力である変調パラメータ情報は、変調パラメータレベルQ2=「3」を示す。図41は、図38の変数k=2の場合の通知情報生成装置400−3の処理の一例を示す図である。復元部403−3は、SC1の変調パラメータレベルQ1=「5」を示す通知情報を、そのままSC1の復元された変調パラメータ情報Qd 1として出力する。SC2は、起点とするチャネルではないので、演算部402−3は、SC1の復元された変調パラメータレベルQ1=「5」と、差分情報テーブル401−3に設定されている差分情報の候補値{+1、±0、−1、−2}(図38におけるd1からdimax)のそれぞれとの和{6、5、4、3}と、通知情報生成装置400−3への入力である変調パラメータ情報Q2=「3」との二乗誤差e{9、4、1、0}をそれぞれ計算し(図38のS105)、最小となる二乗誤差emin(3−3)2(図38のS107)のときの候補値di=「−2」(図38におけるdmin)を通知情報ΔQd 2を出力情報として出力する。
次に、周波数チャネルSC3における通知情報ΔQd 3を生成するとき、すなわち、図39、図40においてk=3であるとき、通知情報生成装置400−3への入力である変調パラメータ情報は、変調パラメータレベルQ3=「0」を示す。図42は、図38の変数k=3の場合の通知情報生成装置400−3の処理の一例を示す図である。復元部403−3は、SC2の通知情報が示す通知情報ΔQd 2=「−2」とSC1の復元された変調パラメータレベルQ1=「5」を加算することにより、SC2の復元された変調パラメータ情報として変調パラメータレベルQd 2=「3」を出力する。SC3は、起点とするチャネルではないので、演算部402−3は、SC2の復元された変調パラメータレベルQd 2=「3」と、差分情報テーブルに設定されている差分情報の候補値{+1、±0、−1、−2}(図38におけるd1からdimax)のそれぞれとの和{4、3、2、1}と、通知情報生成装置400−3への入力である変調パラメータ情報Q3=「0」との二乗誤差e{16、9、4、1}をそれぞれ計算し(図38のS105)、最小となる二乗誤差emin(0−1)2(図38のS107)のときの候補値di=「−2」(図38におけるdmin)を通知情報ΔQd 3を出力情報として出力する。
以降、同様の処理を行なうことにより、図39、図40に示すような[ΔQd 1、ΔQd 2、ΔQd 3、・・・・・、ΔQd kmax]が通知情報として得られる。
なお、図37では、起点とする周波数チャネルは、最初の周波数チャネル1つである場合を示したが、複数であってもよく、最初の周波数チャネル以外の周波数チャネルを起点としてもよい。演算部402−3は、起点とする周波数チャネル番号を予め保持する。例えば、数本おきの周波数チャネルを起点とし、変調パラメータ情報をそのまま通知情報として出力し、起点以外の周波数チャネルに関して差分情報を通知情報として出力してもよい。このような場合、通知情報に要する情報量は増加するが、通知情報生成装置400−3の入力となる変調パラメータが示す変調パラメータレベル(最適な変調パラメータレベル)に、より近い復元が可能となる。
このように、最適な変調パラメータレベルと復元後の変調パラメータレベルの二乗誤差が最小となるように順次差分値を通知情報として選択することにより、復元後の変調パラメータレベルが最適な変調パラメータレベルに近くなるため、差分値を通知情報として用いることにより、最適な変調パラメータレベルを復元できないことに起因する特性劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、通知情報生成装置400−3は、周波数軸方向に複数存在するチャネルについて、差分値を算出して通知情報を生成している。複数のチャネルにおいて通知情報を生成する順序(どのチャネルを起点とするかも含めて)を決定しておくことにより、どのフレームも同様の復元方法で復元することができる。また、通知情報に要する情報量を、どのフレーム(初回送信フレームも)でも同一にすることができる。
(第13の実施形態)
第12の実施形態では、複数の候補値から差分値を通知情報として選択する際、一つの周波数チャネルの二乗誤差が最小になるように順次差分情報を選択する場合について説明した。第13の実施形態では、n個の周波数チャネルの二乗誤差の総計が最小となるように差分情報の候補値を選択する場合について説明する。すなわち、二つの周波数チャネル間の変調パラメータ情報の差分値を算出するのではなく、複数の周波数チャネル間の差分値を用いて通知情報を生成する。
本実施形態に係る基地局装置100および端末装置200のブロック構成は、図35および図36に示すブロック構成と同様の構成であるが、図37に示す通知情報生成装置400−3内の処理が第12の実施形態と異なる。具体的には、演算部402−3は、復元部403−3から送られる変調パラメータ情報とn個の差分情報とから、暫定的に変調パラメータを復元する機能を有する。例えば、異なる三つのチャネル、第一、第二、第三について、暫定的に変調パラメータを復元して、あるチャネルの差分値を決定する動作について、一例として、第一のチャネルを起点とし、第二のチャネルの差分値を決定する場合を説明する。演算部402−3は、第一、第二および第三のチャネルのチャネル品質情報を入力する。演算部402−3は、第一のチャネルの変調パラメータ(チャネル品質情報)をそのまま通知情報として復元部403−3へ出力する。復元部403−3は、第一のチャネルの通知情報に基づいて、第一のチャネルの復元された変調パラメータ(復元チャネル品質情報)を生成し、演算部402−3へ出力する。
演算部402−3は、復元部403−3から入力した第一のチャネルの復元された変調パラメータへ複数の候補値それぞれを加算して第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報を複数生成し、入力した第二のチャネルのチャネル品質情報と生成した第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報それぞれとの差分に基づいて第二指標値を算出する。さらに、演算部402−3は、第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報それぞれへ複数の候補値それぞれを加算して第三の暫定的なチャネル品質情報を複数生成し、入力した第三のチャネルのチャネル品質情報と生成した第三の暫定的なチャネル品質情報それぞれとの差分に基づいて第三指標値を算出する。演算部402−3は、算出した第二指標値と第三指標値との和が小さい第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報に用いた候補値を選択し、選択した候補値を用いて第二のチャネルに関する通知情報を生成する。なお、第二指標値と第三指標値とは、計算手順の表現方法が異なるが指標値と同じ値となる。
上記では、第一のチャネルを起点として三つのチャネルの場合を説明したが、第一のチャネルが起点で無い場合においても、復元部403−3における復調された変調パラメータの処理が異なるものの、演算部402−3の動作は同様である。上記では、演算部402−3へ、第一のチャネルの復元されたチャネル品質情報と、第二および第三のチャネルのチャネル品質情報が入力された場合を説明したが、入力されるチャネル品質情報のチャネル数が三つ以上である場合にも、演算部402−3は、三つ以上のチャネルそれぞれについて、候補値を加算して、暫定的な変調パラメータを復元して、入力された変調パラメータとの差分値を算出することにより、処理が可能である。演算部402−3は、所定の数(例えば、第二のチャネルから第xのチャネルまでのx−1個とする)のチャネルのチャネル品質情報を入力し、所定の数のチャネルそれぞれについて暫定的なチャネル品質情報を生成することを繰り返して、複数の指標値(第二指標値、第三指標値、・・・・・第x指標値)を算出し、算出した複数の指標値(x−1個の指標値)の和が小さい組み合わせとなる第二のチャネルの暫定的なチャネル品質情報に用いた候補値を選択する。以下に具体的な通知情報生成装置400−3の処理について説明する。
図43は、第13の実施形態の通知情報生成装置の動作の一例を表すフローチャートである。図43において、図38と同じ変数は同様の値が設定される。変数nは、周波数チャネル数を示す。以下、図43に沿って通知情報生成装置400−3の帰還処理過程を詳細に説明する。図43では、n個の周波数チャネルの差分値の和を用いて、通知情報を生成する例を示している。従って、nは、差分値を算出する周波数チャネルからn個分周波数方向に隔てられた周波数チャネルを想定することになる。
演算部402−3は、周波数チャネル番号を示す変数であるkを初期化し(S201)、起点とする最初の周波数チャネルの通知情報ΔQd kに、最初の周波数チャネルの変調パラメータレベルQ1をセットする(S202、起点チャネル品質情報生成処理)。演算部402−3は、kに1をインクリメントし(S203)、次の周波数チャネルに移る(処理チャネルのカウント)。演算部402−3は、暫定の最小二乗誤差を示す変数eminを初期化する(S204、変数eminの初期化処理)。また、演算部402−3は、k番目の周波数チャネルにおける差分情報番号を示す変数ik(k=1〜n)を初期化する(S205a〜S205n、変数ikの初期化処理)。具体的には、1番目の周波数チャネルにおける差分情報番号を示す変数i1を初期化し(S205a)、同様に、それぞれk+1番目、…、k−1+n番目の差分情報番号を示す変数i2、…、inを初期化する(S205b〜S205n)。
演算部402−3は、復元部403−3によって復元された変調パラメータレベルを入力し、k−1番目の復元されたパラメータレベルQd k−1へ設定する。演算部402−3は、k番目、…、k−1+n番目の周波数チャネルの変調パラメータ情報が示す変調パラメータレベルQk、…、Qk−1+nと差分レベルとしてdi1、…、dinを示す差分情報を選択した場合の復元後の変調パラメータレベルQd k−1+di1…+dinの二乗誤差の総計enを計算する(S206、二乗誤差算出処理)。
具体的には、演算部402−3は、差分情報からdinで特定される候補値(複数の候補値のうち、i番目の候補値を意味する)を選択し、k番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルQkと、復元された変調パラメータレベルQd k−1+候補値diとの二乗誤差e1=[Qk−(Qd k−1+di1)]2と、k+1番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルQk+1と、次に復元されることを想定した変調パラメータレベルQd k−1+候補値di1+候補値di2との二乗誤差e2=「[Qk+1−(Qd k−1+di1+di2)]2、・・・・・、en=「[Qk−(Qd k−1+di1+di2・・・・・+din)]2のようにして、k番目の周波数チャネルからk−1+n番目の周波数チャネルまでの二乗誤差を算出し、それらの和、(e1+e1+・・・・・en)を計算して本実施形態の二乗誤差の総計eを計算する。e1は、k番目の周波数チャネルの二乗誤差であり、e2は、Qd k−1と二つの候補値とに基づいてk+1番目の周波数チャネルを復元した変調パラメータレベルと、入力した変調パラメータレベルQkとの二乗誤差であり、enは、Qd k−1とn個の候補値とに基づいて、k−1+n番目の周波数チャネルを復元した変調パラメータレベルと、入力した変調パラメータレベルQkとの二乗誤差である。
なお、図43にはk−1+nがkmaxを超える場合については特に記載していないが、その場合はk番目、…、kmax番目の周波数チャネルにおける二乗誤差の合計を二乗誤差の総計eとすればよい。演算部402−3は、二乗誤差の総計eと暫定の最小二乗誤差の総計eminを比較し(S207、二乗誤差判定処理)、二乗誤差の総計eがeminよりも小さい場合(S207でYes)暫定の最小二乗誤差eminを算出した二乗誤差の総計eに更新し、暫定の差分値(差分情報が示す候補値)dminをdi1に更新する(S208、差分値更新処理)。eがemin以上である場合(S207でNo)並びにステップS208の処理後、演算部402−3は、inに1をインクリメントし(S209)、次の候補となる差分情報が示す候補値移る。演算部402−3は、差分情報番号inと差分情報の候補数imaxを比較し(S210n)、iがimaxを超えた場合(S210nでYes)、ステップS209n−1に移り、超えない場合(S210nでNo)、ステップS206からステップS209nの処理を繰り返す。同様にして、ステップS209a、…、S205nでは、i1、・・・、inに1をインクリメントし、ステップS210a、…、S210nでは、差分情報番号i1、・・・、inと差分情報の候補数imaxを比較する。
演算部402−3は、k番目の周波数チャネルにおける差分情報から選択した候補値を差分値として決定する(S211)。すなわち、演算部402−3は、差分値を設定する通知情報ΔQd kの領域へdminをセットし、ΔQd kを復元部403−3へ出力する。復元部403−3は、k番目の周波数チャネルの通知情報 ΔQd kを演算部402−3より受け取り、前回復元したk−1番目の周波数チャネルの復元された変調パラメータ情報 Qd k−1と通知情報 ΔQd kとを用いて、k番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルを復元し、復元された変調パラメータ情報Qd kへ設定する。
演算部402−3は、周波数チャネル番号を示す変数kと最大周波数チャネル数kmaxを比較し、一致する場合(S212でYes)は処理を終了し、一致しない場合(S212でNo)はステップS203からの処理を繰り返す。演算部402−3は、このようにして算出した通知情報[ΔQd 1、ΔQd 2、ΔQd 3、・・・・・、ΔQd kmax]を、通知情報生成装置400−3から出力する。
このように、複数の周波数チャネルの二乗誤差の総計が最小となるような差分情報を通知情報として選択することにより、復元後の変調パラメータ情報が示す変調パラメータレベルが最適な変調パラメータレベルに近くなるため、差分情報を用いることにより、最適な変調パラメータレベルを示す変調パラメータ情報復元できないことに起因する特性劣化を抑制することができる。
(第14の実施形態)
第12の実施形態では、起点とする最初の周波数チャネルに関しては、変調パラメータ選択部206で選択した変調パラメータ情報をそのまま通知情報とする場合について説明した。第14の実施形態では、二乗誤差が最小になるように起点とする周波数チャネルの通知情報が示す変調パラメータレベルを選択する場合について説明する。
本実施形態に係る基地局装置100および端末装置200のブロック構成は図35および図36に示すブロック構成と同様の構成である。図37に示す通知情報生成装置400−3内の処理が第12の実施形態と異なる。演算部402−3は、起点とするチャネルの通知情報とする所定の品質情報を複数保持している。演算部402−3は、起点とするチャネルを含む複数のチャネルのチャネル品質情報を入力し、起点とするチャネルの通知情報へ保持している所定の品質情報それぞれを設定した場合毎に、入力した複数のチャネルそれぞれについて、指標値(差分値と選択した候補値との差)を算出する。演算部402−3は、起点とするチャネルの通知情報へ設定する所定の品質情報毎に、算出した複数のチャネルそれぞれの指標値を加算し、加算結果が小さくなる所定の品質情報を選択して、起点とするチャネルへ設定する所定の品質情報として決定する。以下に、通知情報生成装置400−3の動作について説明する。
図44は、第14の実施形態の通知情報生成装置の動作の一例を表すフローチャートである。図44において、図38と同じ変数は同様の値が設定される。以下、図44に沿って通知情報生成装置の帰還処理過程を詳細に説明する。図44では、起点とする周波数チャネルの変調パラメータの候補値は、所定の数が予め用意され、起点とする周波数チャネルの変調パラメータの複数の候補値は変調パラメータ情報番号として変数lを用いて特定し、起点とする周波数チャネルの変調パラメータの候補値は、Mlで示す。qd kは、暫定的な復元された変調パラメータ情報を設定する領域であり、Qd kとは異なり、暫定的な復元された変調パラメータレベルが設定される。 Δqd kは、暫定的な通知情報を設定する領域であり、ΔQd kとは異なり、暫定的な差分値が設定される。
演算部402−3は、起点とする周波数チャネルの候補となる変調パラメータ情報番号を示す変数lと暫定の最小二乗誤差の総計の最小値を示す変数eall minを初期化し(S301)、周波数チャネル番号を示す変数であるkを初期化する(S302)(初期化処理)。演算部402−3は、起点とする周波数チャネルの通知情報が示す変調パラメータレベルqd 1に、変調パラメータレベルMlをセットし、暫定の最小二乗誤差の総計eallを初期化する(S303)。演算部402−3は、kに1をインクリメントし(S304)、次の周波数チャネルに移る。
演算部402−3は、復元部403−3によって復元された変調パラメータレベルを入力し、k−1番目の復元されたパラメータレベルqd k−1へ設定する。演算部402−3は、差分情報からdiで特定される候補値(複数の候補値のうち、i番目の候補値を意味する)を選択し、k番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルqkと、復元された変調パラメータレベルqd k−1+候補値diとの二乗誤差eを計算する(S306、二乗誤差算出処理)。
演算部402−3は、二乗誤差eと暫定の最小二乗誤差eminを比較し(S307)、eがeminよりも小さい場合(S307でYes)、暫定の最小二乗誤差eminをeに更新し、暫定の差分値(差分情報が示す候補値)dminをdiに更新する(S308、差分値更新処理)。eがemin以上である場合(S307でNo)並びにS308の処理後、演算部は、iに1をインクリメントし(S308)、次の候補となる差分情報に移る。演算部402−3は、差分情報番号iと差分情報の候補数imaxを比較し(S310)、iがimaxを超えた場合(S310でYes)、ステップS311に移り、超えない場合(S310でNo)、ステップS306に戻り、差分情報番号iが候補数imaxを超えるまで、ステップS306からステップS310の処理を繰り返す。
演算部402−3は、k番目の周波数チャネルにおける差分情報から選択した候補値を暫定的に差分値として決定する(S311)。すなわち、演算部402−3は、差分値を通知する通知情報 Δqd kの領域へ暫定的な差分値dminをセットし、暫定的な通知情報 Δqd kを復元部403−3へ出力する。復元部403−3は、k番目の周波数チャネルの暫定的な通知情報 Δqd kを演算部402−3より受け取り、前回復元したk−1番目の周波数チャネルの復元された変調パラメータ情報 qd k−1と通知情報 Δqd kとを用いて、k番目の周波数チャネルの変調パラメータレベルを(qd k−1+Δqd k)を算出して復元し、復元された変調パラメータ情報qd kへ設定する。また、演算部402−3は、eallにeminを加算する。
演算部402−3は、周波数チャネル番号kと周波数チャネル数kmaxを比較し(S312)、一致する場合(S312でYes)、S313に移り、一致しない場合(S312でNo)、ステップS304からS312の処理を繰り返す。演算部402−3は、最小二乗誤差の総計eallと暫定の最小二乗誤差の総計の最小値を示す変数eall minを比較し(S313)、eallがeall minより小さい場合(S313でYes)、eall minをeallに更新し、[ΔQd 1、ΔQd 2、ΔQd 3、・・・・・、ΔQd kmax]のそれぞれの領域へ[Δqd 1、Δqd 2、Δqd 3・・・・・、Δqd kmax]をセットする(S314)。
演算部402−3は、lに1をインクリメントし(S315)、最初の周波数チャネルに対する候補である変調パラメータ情報番号を示す変数lと起点とする周波数チャネルに対する候補である変調パラメータ情報数lmaxを比較し(S316)、lがlmaxを超えた場合(S316でYes)、処理を終了し、超えない場合(S316でNo)、ステップS302からS316の処理を繰り返す。演算部402−3は、このようにして算出した通知情報[ΔQd 1、ΔQd 2、ΔQd 3、・・・・・、ΔQd kmax]を、通知情報生成装置400−3から出力する。
このように、最初の周波数チャネルの変調パラメータを変化させて二乗誤差の総計が最小となるように差分情報を選択することにより、復元後の変調パラメータレベルが最適な変調パラメータレベルに近くなるため、差分情報を用いることにより最適な変調パラメータレベルを復元できないことに起因する特性劣化を抑制することができる。
なお、本実施形態では、それぞれ周波数チャネルの暫定的な差分情報を選択する際、一つの周波数チャネルの二乗誤差を最小にするように差分情報を選択したが、第13の実施形態で説明したように複数の周波数チャネルにおける二乗誤差の総計を最小にするように差分情報を選択してもよい。
(第15の実施形態)
第15の実施形態では、通知された情報によって復元される信号の品質を考慮して差分値を算出して通知情報を生成する。本実施形態に係る基地局装置100および端末装置200のブロック構成は図35および図36に示すブロック構成と同様の構成である。
図45は、本実施形態の概念の一例を示す図である。通信端末200は、変調パラメータ1の情報量を周波数領域における差分を用いて削減した通知情報を通知し、基地局装置100は、通知情報から変調パラメータ2を用いて変調・符号化する。このとき、端末装置200が、情報量を削減しているため、変調パラメータ1と変調パラメータ2は異なる可能性がある。そこで、本実施形態では、変調パラメータ1を適用して変調・符号化した信号1と変調パラメータ2を適用して変調・符号化した信号2の受信時の品質を近似するように情報量を削減する必要がある。
ここで、音声信号における時間領域の差分を用いたデータ圧縮方式であるADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)の例と比較する。図46は、ADPCMの概念図である。音声信号を量子化したPCM(Pulse Code Modulation)データを時間領域の差分を用いたADPCMデータに変換することにより情報量を削減する。ADPCMデータはPCMデータに復元され、音声信号に変換される。このとき、音声データを量子化したデータであるPCMデータ1とPCMデータ2を近似するようにADPCMデータが作成される。ADPCMデータは、時系列の差分に基づくデータである。ADPCMでは、PCMデータ1とPCMデータ2とが近似するように情報量が削減され、ADPCMデータが生成される。すなわち、音声信号2から音声信号1は完全な形で再現できない、いわゆる非可逆な関係であるが、音声信号2を音声信号1に近づけるように情報量が削減される。
なお、ADPCMについては、非特許文献、ITU−T、Recommendation G.726、“403−32、24、16kbit/s Adaptive Differential Pulse Code Modulation(ADPCM)”、1990年12月に開示されている。
一方、変調パラメータは、制御情報であり音声信号などの送信データそのものとは性格が異なる。すなわち、変調パラメータに関する情報量を差分により削減するためには、変調パラメータを用いて信号を変調および符号化する際の符号間距離を考慮することが望ましい。このとき、信号1と信号2は完全に同じデータである。変調パラメータ1と変調パラメータ2とが異なっても、符号間距離を考慮した結果、信号1の品質と信号2の品質とが同一となればよい。符号間距離は、誤り率特性、スループット特性(伝送レート)等に影響を与えるため、通知情報生成部400−3は、これらの符号間距離を考慮して情報量削減をした通知情報を生成することが必要である。
上記各実施形態では、差の指標として「二乗誤差」を用いて差分値(差分情報)を決定したが、差の指標として二乗誤差以外の指標を用いることもできる。例えば、「二乗誤差に任意の重み付けをした値」や「差分の絶対値」や「差分の絶対値に任意の重み付けをした値」など、最適な変調パラメータレベルと復元後の変調パラメータレベルの差に関する指標を用いれば、効果が得られる。
あるいは、変調パラメータレベルの代わりに各変調パラメータレベルに対応する任意の値をテーブルとして準備しておき、これらの値の二乗誤差に基づいて差分情報を決定しても良い。この値として、例えば各変調パラメータが所要通信品質を満たすために必要な所要受信品質(例えば所要CNR)などの値を用いることができる。
一例として、各変調パラメータ(MCS)において所望品質を満たすCNR値の差を重みとする場合について説明する。
例えば、通知情報生成部400−3の演算部402−3は、変調パラメータ情報として通知される変調パラメータレベルへ重み付けを行なうことができる。図47は、変調パラメータレベルに対応する重み付け値を示すテーブルの一例を示す図である。演算部402−3は、図47に示すような各MCSに対応するCNR値が予め設定されており、変調パラメータ設定部206から送られた最適なMCSレベル(変調パラメータレベル)がMCS3、復元部403−3が出力する復元された変調パラメータ情報のMCSレベルがMCS4であった場合、演算部402−3は、二乗誤差としてCNR値の差分の二乗誤差(2.5−0.5)2=4を算出する。上記各実施形態では、変調パラメータレベルの差分の二乗誤差を用いていたが、本実施形態では、変調パラメータレベルに対応するCNR値レベルの差分の二乗誤差を用いることになる。このようにして、演算部402−3は、差分情報テーブル401−3に保持する各差分情報の候補値において算出した二乗誤差を比較し、二乗誤差が最小となる差分値を通知情報として出力する。
これにより、各変調パラメータレベル間での誤り率特性の変動が一様でない場合においても、より所要品質に近い変調パラメータを復元することができる。
また、他の一例として、図48に示すように、差分情報の候補値の符号に対応する重みを設定しておき、変調パラメータ設定部206から送られた最適な変調パラメータレベルと復元部403−3から出力された復元された変調パラメータ情報の変調パラメータレベルとに基づいて得られた変調パラメータレベルの差の符号により、図48に基づいて重みを変更する。
例えば、変調パラメータ設定部206から送られた最適な変調パラメータレベルがMCS3、復元部403−3から出力された復元された変調パラメータ情報の変調パラメータレベルがMCS5であった場合、(5−3)は、正であるので、二乗誤差として(5−3)2×1=4を算出する。逆に、変調パラメータ設定部から送られた最適なMCSがMCS5、復元部403−3から送られた変調パラメータと差分情報に基づいて得られたMCSがMCS3であった場合、(3−5)は、負であるので、二乗誤差として(3−5)2×2=8を算出する。このようにして、演算部402−3は、差分情報テーブル401−3に保持する各差分情報の候補値において算出した二乗誤差を比較し、二乗誤差が最小となる差分値を通知情報として出力する。
これにより、複数の差分情報候補の中から、より誤り率が小さい変調パラメータを復元できるような差分情報を選択することができる。
(第16の実施形態)
上記各実施形態では、端末装置200が上りリンク通知情報として変調パラメータに関連する通知情報を送信する場合について説明したが、量子化したCNR値などの伝搬路推定結果に関する情報に基づいて通知情報を生成し、生成した通知情報を報告する際にも同様に適用することができる。なお、伝搬路推定結果としてCNR(搬送波対雑音電力比)を用いた場合について説明するが、伝搬路推定結果としてはこの他ものを適用することも当然可能である。例えば、RSSI(Receive Signal Strength Indication)、SNR(信号対雑音電力比)、SIR(信号対干渉電力比)、SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio:信号対干渉および雑音電力比)、CINR(搬送波対干渉波および雑音電力比)、CIR(搬送波対干渉波電力比)など受信信号電力や搬送波電力に関連した指標を用いることができる。
以下では、伝搬路推定結果として量子化したCNRを用い、量子化したCNRに関する情報に基づいて通知情報を生成する場合について、第12の実施形態における過程との差異を中心に説明する。
図49は、第16の実施形態の基地局装置291の構成例を示すブロック図である。図49に示す基地局装置291は、図35に示す基地局装置100とほぼ同様の構成要素を備えるが、基地局装置291は、通知情報復元部390と通知情報生成装置400−3の間に変調パラメータ選択部191を有する点と、通知情報復元部390が、上りリンク通知情報として伝搬路推定結果(量子化CNR)に関連する通知情報を復元する点が異なる。変調パラメータ選択部191は、図36に示す端末装置200内の変調パラメータ選択部206と同じ回路構成で実現することができる。通知情報復元部390は、図35に示す通知情報復元部300と入出力の情報量は異なるものの、同様の処理を行なう回路で実現可能である。通知情報生成装置400−3は、図37に示した構成と同様である。
図50は、第16の実施形態の端末装置292の構成例を示すブロック図である。図50に示す端末装置292は、図36に示す端末装置200とほぼ同様の構成を備えるが、端末装置292が、伝搬路推定部205と通知情報生成部490−3の間に変調パラメータ選択部を必要としない点と、通知情報生成装置490−3が、伝搬路推定部205と通知情報生成部490−3の間に変調パラメータ選択部を必要としない点と、通知情報生成装置490−3は、伝搬路推定部205から出力される量子化CNRを入力信号とし、上りリンク通知情報として量子化CNRに関連する通知情報を生成する点が異なる。
図51は、本実施形態の通知情報生成装置490−3の構成例を示すブロック図である。通知情報生成装置490−3は、差分情報テーブル491−3、演算部492−3、並びに、復元部493−3を備える。
差分情報テーブル491−3は、演算部492−3が算出する差分値の候補値(差分レベル)となる差分情報を記憶する記憶領域である。本実施形態の候補値は、量子化CNRのオーダの候補値である。
演算部492−3は、チャネル品質情報として、伝搬路推定結果情報(量子化したCNR情報)を入力し、差分情報テーブル491−3および復元部493−3から出力される復元された変調パラメータ情報(復元されたチャネル品質情報の一例)に基づいて、それぞれの差分情報の候補に対する二乗誤差(差分値の一例)を演算し、差分情報の候補の中から二乗誤差が最小となる候補値を選択し、通知情報として出力する。具体的な動作は図38と同様である。
復元部493−3は、演算部492−3から出力(通知)される通知情報を保持し、保持している前回通知された通知情報(前回通知情報)と、演算部402−3から新たに出力された差分値(通知情報)と、一つ前の周波数チャネルの復元された伝搬路推定結果情報が示すレベルを加算することにより、伝搬路推定結果情報を復元し、復元した伝搬路推定結果情報を演算部402−3に出力する。
本実施形態の通知情報生成装置490−3は、伝搬路推定結果情報の一例として量子化CNR情報を通知情報生成装置490−3に入力するため、各ブロックの回路規模は図37に示す通知情報生成装置400−3と異なるが、同様の処理を行なう回路で実現できる。
このように、本実施形態によれば、最適な伝搬路推定結果情報(量子化CNR情報)と復元後の伝搬路推定結果情報の二乗誤差が最小となるように順次差分値を通知情報として選択することにより、復元後の伝搬路推定結果情報が最適な伝搬路推定結果情報に近くなるため、差分値を通知情報として用いることにより、最適な伝搬路推定結果情報を復元できないことに起因する特性劣化を抑制することができる。
なお、上記各実施形態の通信情報生成装置は、周波数領域(周波数軸方向)または時間領域(時間軸方向)の少なくとも一方において隣接する関係にあるチャネルのチャネル品質情報を順番に処理することにより、通知情報から復元されるチャネル品質情報の精度を向上させることができる。また、上記各実施形態の通信情報生成装置は、マルチキャリア通信システムを構成する通信装置に適用することも可能である。
さらに、上記各実施形態の通知情報生成装置は、回路等のハードウェア、あるいは、ソフトウェアによって実現することができる。ソフトウェアで実現する場合、コンピュータの動作に関するプログラム(通知情報生成プログラム)によって実現することができる。通知情報生成プログラムは、計算機内(通信装置内)のメモリにロードされ中央処理演算装置(CPU)の制御のもとで実行される。通知情報生成プログラムは、少なくとも次の手順を計算機に実行させる機能を備える。
(1)第一のチャネルのチャネル品質情報に基づいて生成された通知情報を前回通知情報として保持し、保持した前回通知情報に基づいてチャネル品質情報を復元し、復元したチャネル品質情報を前記第一のチャネルの復元チャネル品質情報として出力する手順、(2)前記第一のチャネルとは異なる第二のチャネルのチャネル品質情報を入力し、入力した第二のチャネルのチャネル品質情報と前記第一のチャネルの復元チャネル品質情報との差分値を算出し、算出した差分値に基づいて通知情報を生成する手順、(3)生成した通知情報を入力し、前回通知情報として記憶する手順。
また、(4)差分値の候補となる複数の候補値を差分情報として差分情報テーブル記憶する手順、(5)起点とするチャネルについては、入力されたチャネル品質情報を通知情報として出力する手順を備えていてもよい。また、(6)差分値と候補値との差分に基づいて指標値を算出し、算出した指標値が小さくなるように差分情報から一つの候補値を選択して通知情報を生成する手順を備えていてもよい。
さらに、上記各実施形態で説明した通知情報生成装置は、次のような構成をとることも可能である。上記各実施形態では、演算部と復元部とから構成されるループを帰還する場合について説明した。上記各実施形態の演算部の内部では、各候補値に対して、復元部の内部の処理である復元処理と同様の処理を試行し、試行結果に基づいて一つの候補値を選択する。すなわち、演算部は、復元の機能と、復元結果を比較する機能を有している。そこで、演算部の内部の復元の機能を司る回路と復元部内の復元の機能を司る回路とを共通の回路で行なうこともできる。
図52は、演算部に復元部を取り込んだ通知情報生成装置の構成の一例を示すブロック図である。通知情報生成装置480−3は、差分情報テーブル481−3、演算部482−3、復元部483−3、並びに比較部484−3を備える。差分情報テーブル481−3は、図37の差分情報テーブル401−3と同様である。図52のブロック構成では、演算部482−3の内部に復元部483−3が含まれる構成を取っている。選択されたチャネル品質情報は、演算部482−3の内部の比較部484−3に入力される。
差分情報テーブル481−3から通知情報候補値が順次復元部483−3に入力される。さらに、復元部483−3は記憶機能を有し、前回復元された復元値(一つ前のチャネルの処理において復元されたチャネル品質情報)が記憶されている。復元部483−3は、前回復元された復元値と通知情報候補値とから、処理中のチャネル(サブキャリアブロック)に関して、暫定的に復元されたチャネル品質情報を算出し、暫定的に復元されたチャネル品質情報を通知情報候補値と関連付けて一時記憶すると共に、通知情報候補値と暫定的に復元されたチャネル品質情報とを比較部484−3に順次出力する。
比較部484−3は、復元部483−3から順次入力される暫定的に復元されたチャネル品質情報と、前記選択されたチャネル品質情報との差分に基づいた指標値をそれぞれ算出し、それぞれの指標値を比較し、比較した結果、選択されたチャネル品質情報に最も近くなる暫定的に復元されたチャネル品質情報を選択し、選択した暫定的に復元されたチャネル品質情報に加算された通知情報候補値を通知情報として生成する。
比較部484−3が行なう指標値演算と比較に関しては、前述の構成における演算部の処理と同様である。比較部484−3は、生成した通知情報とその通知情報に対応する復元後のチャネル品質情報(複数の暫定的に復元されたチャネル品質情報のうち、選択した値)を出力すると共に、選択した通知情報を示す信号を復元部483−3に送る。
復元部483−3は、比較部484−3から送られた信号が示す通知情報候補値に対応する暫定的に復元されたチャネル品質情報を記憶し、次の処理の際に前回復元された復元値として用いる。