JP5702133B2 - 通信装置および通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置および通信方法に関する。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)、XGP(eXtended Global Platform)などの周波数利用効率の向上を目指したシステムでは、状況に応じて最適な変調方式を使用する適応変調切替制御が使われている。
適応変調切替制御では、一般的に、エラー率を用いて変調方式の切り替えを判断する。具体的には、現在使用している変調方式でエラーが発生しなくなれば一段上の変調方式へ切替える(たとえば、特許文献1(特開2010−219949号公報)を参照)。
特開2010−219949号公報
しかしながら、適応変調に使われるMCS(Modulation and Coding Scheme:変調方式および符号化率)は、システムに応じて様々である。
あるシステムでは、ある変調方式Aでは、エラー率が0%を維持することができる受信状況であっても、一段上の変調方式Bでは、エラー率が100%となる場合がある。したがって、変調方式Aにおいて、エラー率(0%)に基づいて変調方式Bに切替えた場合に、スループットが低下することになる。
それゆえに、本発明の目的は、スループットを低下させることなく、変調方式を切替えることのできる通信装置および通信方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の通信装置は、少なくとも変調方式および符号化レートで定められる通信レベルと、通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲との対応を定めた情報を記憶する記憶部と、通信相手の他の通信装置での受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比を取得する通信品質管理部と、前記記憶部内の対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が閾値以上の場合に、取得した受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比が所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲に含まれるような通信レベルを設定する設定部と、設定された通信レベルに応じた信号を送信する送信部とを備える。
本発明によれば、スループットを低下させることなく、変調方式を切替えることができる。
本発明の第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。 通信レベルテーブルの例を表わす図である。 通信レベルごとのCINRとスループットの関係を表わす図である。 第1の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。 通信レベルごとのCINRとスループットの関係を表わす図である。 第2の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。 第3の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。 第4の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。 第4の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。 第5の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。 別の通信システムにおける通信レベルテーブルの例を表わす図である。 別の通信システムにおける通信レベルごとのCINRとスループットの関係を表わす図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(無線基地局の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
図1を参照して、この無線基地局は、WiMAXの通信方式で動作する基地局であって、第1のアンテナ10と、第2のアンテナ11と、送信部13と、受信部12と、MAC(Media Access Control)層処理部14とを備える。
送信部13は、マルチアンテナ送信信号処理部24と、サブキャリア配置部23と、IFFT部(Inverse First Fourier Transform)22と、CP(Cyclic Prefix)付加部21と、RF(Radio Frequency)部20とを備える。
サブキャリア配置部23は、たとえばPUSC(Partial Usage of Subchannels)に基づいて、サブキャリアを配置する。
マルチアンテナ送信信号処理部24は、複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線通信方式であるMIMO通信方式で、信号を送信する。マルチアンテナ送信信号処理部24は、ダウンリンク信号に設定されたMIMO(Multiple Input Multiple Output)通信方式(以下では、DL−MIMO(DownLink-MIMO)通信方式と呼ぶ)が、WiMAXフォーラムで規定されるMATRIX−Aの場合に、1つのデータストリームを時空間符号化(たとえばアラムーチ符号化)し、DL−MIMO通信方式がWiMAXフォーラムで規定されるMATRIX−Bの場合に、複数のデータストリームを空間多重化する。
IFFT部22は、マルチアンテナ送信信号処理部24から出力される複数のサブキャリア信号(周波数領域の信号)をIFFTによって、時間領域の信号(OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)シンボル)に変換する。
CP付加部1は、OFDMAシンボルの後尾部分と同じ信号をCPとしてOFDMAシンボルの先頭に付加する。
RF部20は、無線周波数帯にアップコンバートするアップコンバータ、アップコンバートされた信号を増幅する電力増幅回路、増幅された信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させて第1のアンテナ10および第2のアンテナ11へ出力するバンドパスフィルタなどを含む。
受信部12は、RF部15と、CP除去部16と、FFT部17と、サブキャリア配置部18とを備える。
RF部15は、第1のアンテナ10および第2のアンテナ11から出力される信号のうち所望帯域の信号成分のみを通過させるバンドパスフィルタ、RF信号を増幅する低雑音増幅回路、RF信号をダウンコンバートするダウンコータなどを含む。
CP除去部16は、RF部15から出力される信号からCPを除去する。
FFT部17は、CP除去部16から出力される時間領域の信号をFFTによって、周波数領域の信号に変換して、複数のサブキャリアに復調する。
サブキャリア配置部18は、たとえばPUSCに基づいて、FFT部17から出力される各サブキャリアを抽出する。
MAC層処理部14は、ユーザデータ送信管理部34と、符号化部33と、変調部32と、復調部25と、復号部26と、ユーザデータ受信管理部27と、制御部41とを含む。
ユーザデータ送信管理部34は、無線端末へ送信するユーザデータを管理する。
符号化部33は、設定部46から指示されるMCS(Modulation and Code Scheme)の符号化レートに従って、符号化されたダウンリンク信号を符号化する。MCSは、変調方式(QPSK、16QAM、64AQAMなど)と符号化率(1/2、2/3、3/4)を規定する。
変調部32は、設定部46から指示されるMCSの変調方式に従って、無線端末へのダウンリンク信号を変調する。
復調部25は、無線端末からのアップリンク信号を復調する。
復号部26は、復調されたアップリンク信号を復号する。
ユーザデータ受信管理部27は、無線端末から受信したユーザデータを管理する。
制御部41は、通信レベルテーブル記憶部42と、通信品質管理部44と、設定部46と、切替通知部45とを含む。
通信品質管理部44は、定期的に通信相手の無線端末から、その無線端末での受信信号(つまりダウンリンク信号)のPER(Packet Error Rate:パケットエラーレート)と、ダウリンク信号のCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio:搬送波レベル対干渉・雑音比)、あるいはこれらを代替できる情報の通知受ける。PERは、受信したパケットのうち、エラーのあるパケットのある割合を表わす。CINRは、搬送波電力を干渉信号電力と雑音電力の和で除算した値で表わされる。
通信レベルテーブル記憶部42は、通信レベルと、通信レベルでの所要CINRの範囲との対応を定めた通信レベルテーブルを記憶する。本明細書では、通信レベルは、MIMO通信方式とMCSによって定まる値とする。同一のPERでは、通信レベルが高いほど、スループットが高くなる。所要CINRの範囲は、理論値、シミュレーション、または実測結果などから算出したものが用いられる。
図2は、通信レベルテーブルの例を表わす図である。
図2を参照して、通信レベルは、DL−MIMO通信方式およびMCSによって定まる。
たとえば、通信レベルが「1」は、DL−MIMO通信方式が「MATRIX−A」であり、MCSが「QPSK 1/2」であり、所要CINRの範囲はx1[dB]以下である。
通信レベルが「9」は、DL−MIMO通信方式が「MATRIX−B」であり、MCSが「64QAM 2/3」であり、所要CINRの範囲はx8[dB]を越え、かつx9[dB]以下の範囲である。
通信レベルの値を増加する場合に、本明細書では、「通信レベルを上げる(増加させる)」と記載し、通信レベルの値を減少する場合に、本明細書では、「通信レベルを下げる(減少させる)」と記載する。
(スループット特性)
図3は、通信レベルごとのダウンリンク信号のCINRとダウンリンク信号のスループットの関係の実験結果を表わす図である。スループットは、理論上実現可能な単位時間あたりのデータ転送量(理論スループット)から、エラー訂正による損失、およびプロトコルのオーバーヘッドなどを差し引いた値を表わす。
図2の通信レベルテーブルに従って、CINRの値に応じて、通信レベルが切替えられる。
通信レベルn(n=1〜7)の曲線は、通信レベルnのDL−MIMO通信方式およびMCSを用いたときの、ダウンリンク信号のCINRとダウンリンク信号のスループットとの関係を表わす。
たとえば、現在の通信レベルが「2」の場合、すなわちDL−MIMO通信方式がMATRIX−Aで、MCSがQPSK 3/4で通信が行なわれている場合、図3に示すように、実験によれば、CINRがS1[dB]付近で最大スループットが得られエラーフリー状態となる。エラーフリー状態は、エラーがほぼ0%の状態である。この状態で、通信レベルを1段階上げた場合、すなわちDL−MIMO通信方式がMATRIX−Aで、MCSが16QAM 1/2に切替えた場合、図3に示すようにスループットが増加している。
図3に示すように、現在の通信レベルが「1」、「3」、「5」〜「6]の場合も、現在の通信レベルが「2」の場合と同様に、エラーフリー状態となったときに、通信レベルを増加させると、スループットが増加する。
一方、現在の通信レベルが「4」の場合、すなわちDL−MIMO通信方式がMATRIX−Aで、MCSが16QAM3/4で通信が行なわれている場合、CINRがS2[dB]付近で最大スループットが得られエラーフリー状態となる。この状態で、通信レベルを1段階上げた場合、すなわちDL−MIMO通信方式がMATRIX−Aで、MCSが64QAM 2/3に切替えた場合、図3に示すようにスループットが減少する。本実施の形態では、このようなスループットが減少する問題を解消する。本実施の形態では、現在の通信レベルの所要CINRの代表値(下限値、中央値または上限値)と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値(下限値、中央値または上限値)との差dMに着目する。すなわち、この差dMが小さいときには、図3のS1に示すように、通信レベルを増加してもスループットが低下することがない。一方、この差dMが大きいときには、図3のS2に示すように、通信レベルを増加するとスループットが低下する問題が発生する。
設定部46は、上記のような通信レベルが「4」の場合などで生じるスループットの低下を防止した通信レベルの切り替えを行なう。
すなわち、設定部46は、取得したPERがX%以上である場合には、通信レベルを1段階下げる。
設定部46は、取得したPERがY%以下である場合において、現在の通信レベルの所要CINRの代表値(下限値、中央値または上限値)と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値(下限値、中央値または上限値)との差dMがα[dB]未満であるときには、通信レベルを1段階上げる。
ただし、Y<Xである。XとYとを異なる値としたのは、通信レベルが、維持される状態を作り出すためである。XとYが同一の場合には、通信レベルの増加または減少を頻繁に繰返されることになり、送信側および受信側において、処理負担が多くなるからである。
設定部46は、取得したPERがY%以下である場合において、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]以上であるときには、取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRに属する場合には現在の通信レベルを維持する。
設定部46は、取得したPERがY%以下である場合において、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]以上であるときには、取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRの範囲に属さない場合には、取得したCINRが所要CINRの範囲に含まれる通信レベルを選択し、選択した通信レベルへ変更する。
設定部46は、取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には、現在の通信レベルを維持する。
切替通知部45は、設定部46で通信レベルが切替えられた無線端末に対して、ダウンリンク信号のMIMO通信方式とMCSとを通知する信号を出力する。
(無線基地局の動作)
図4は、第1の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
図4を参照して、まず、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS101)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS102でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS103)。
取得したPERがY%以下である場合において(ステップS102でNO、ステップS104でYES)、通信レベルテーブルを参照して、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]未満であるときには(ステップS106でNO)、設定部46は、通信レベルを1段階上げる。たとえば、図3に示すように現在の通信レベルが「2」の場合、現在の通信レベルの所要CINRの代表値M3と、1段階上の通信レベル「3」の所要CINRの代表値M4との差であるdM1がα[dB]未満であるので、設定部46は、通信レベルを1段階上げる(ステップS108)。
取得したPERがY%以下である場合において(ステップS102でNO、ステップS104でYES)、通信レベルテーブルを参照して、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]以上であるときには(ステップS106でYES)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得する。たとえば、図3に示すように現在の通信レベルが「4」の場合、現在の通信レベルの所要CINRの代表値M1と、1段階上の通信レベル「5」の所要CINRの代表値M2との差であるdM2がα[dB]以上であるので、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得する(ステップS107)。
取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRに属する場合には(ステップS109でYES)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS105)。
取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRの範囲に属さない場合には(ステップS109でNO)、設定部46は、通信レベルテーブルを参照して、取得したCINRが所要CINRの範囲に含まれる通信レベルを選択し、選択した通信レベルへ変更する。たとえば、図3に示すように、現在の通信レベルが「4」であり、取得したCINRがS3[dB」の場合には、取得したCINRは、通信レベル「5」のCINR範囲に含まれる場合に、通信レベルを「5」に変更する(ステップS110)。
取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には(ステップS102でNO、ステップS104でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS105)。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、設定部46は、第1の実施形態と別の方式で、スループットの低下を防止して、スループットの切り替えを行なう。
すなわち、設定部46は、取得したPERがX%以上である場合には、通信レベルを1段階下げる。
設定部46は、取得したPERがY%以下である場合において、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]未満であるときには、第1の実施形態で説明したように、通信レベルを上げてもスループットが低下する問題が起こりにくいので、通信レベルを1段階上げる。
設定部46は、取得したPERがY%以下である場合において、その時点で取得したCINRをCINR0として記憶する。たとえば、図5に示すように、T1の時点でCINR0が記憶されたとする。
設定部46は、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]以上であるときには、一定時間ごとにCINRを取得し、これをCINR1とする。たとえば、図5に示すように現在の通信レベルが「4」の場合、現在の通信レベルの所要CINRの代表値M1と、1段階上の通信レベル「5」の所要CINRの代表値M2との差であるdMがα[dB]以上であるので、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを所定の期間定期的に取得して、取得したCINRをCINR1とする。
設定部46は、CINR1とCINR0との差がβ[dB]以上となった時点で、通信レベルを1段階上げる。たとえば、図5に示すように、T2の時点では、CINR1とCINR0の差dCがβ[dB]以上であるので、設定部46は、通信レベルを1段階上げる。
このように、本実施の形態では、従来のように、取得したPERがY%以下となって時点T1で、通信レベルを上げた場合に、図5に示すようにスループットが低下してしまうことを回避するため、CINR1とCINR0との差がβ以上となって時点T2ではじめて、通信レベルを上げることによって、図5に示すようにスループットを増加させることができる。
設定部46は、CINR0との差がβ[dB]未満の時点では、現在の通信レベルを維持する。
設定部46は、取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には、現在の通信レベルを維持する。
(無線基地局の動作)
図6は、第2の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
図6を参照して、まず、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS201)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS202でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS203)。
取得したPERがY%以下である場合において(ステップS202でNO、ステップS204でYES)、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得し、その時点での取得したCINRをCINR0として記憶し、かつCINR0の値を上書き禁止に設定する(ステップS206)。さらに、通信レベルテーブルを参照して、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]未満であるときには(ステップS207でNO)、設定部46は、通信レベルを1段階上げ、さらにCINR0の値を「0」にリセットする(ステップS208)。
通信レベルテーブルを参照して、現在の通信レベルの所要CINRの代表値と1段階上の通信レベルの所要CINRの代表値との差がα[dB]以上であるときには(ステップS207でYES)、通信品質管理部44は、一定時間ごとに、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得し、これをCINR1とする。たとえば、図5に示すように現在の通信レベルが「4」の場合、現在の通信レベルの所要CINRの代表値M1と、1段階上の通信レベル「5」の所要CINRの代表値M2との差であるdMがα[dB]以上であるので、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得して、これをCINR1とする(ステップS209)。
CINR1とCINR0との差がβ[dB]以上の場合には(ステップS210でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階上げ、さらにCINR0の値を「0」にリセットする。たとえば、図5に示すように、CINR1とCINR0との差dCがβ[dB]以上の場合に、設定部46は、通信レベルを1段階上げる(ステップS208)。
CINR1とCINR0との差がβ[dB]未満の場合において(ステップS210でNO)、ステップS206の処理から所定時間が経過した場合には(ステップS211でYES)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS211)。CINR1とCINR0との差がβ[dB]未満の場合において(ステップS210でNO)、ステップS206の処理から所定時間が経過していない場合には(ステップS211でNO)、設定部46は、ステップS209に戻る。
取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には(ステップS202でNO、ステップS204でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS205)。
[第3の実施形態]
図3で説明したように、WiMAX方式では、MCSが16QAM 3/4の場合に、最大スループットが得られエラーフリー状態となった時点で、通信レベルを1段階上げた場合、スループットが減少する。第3の実施形態では、第1の実施形態で説明した切替え方式をMCSが16QAM 3/4の場合に特化して用いる。
すなわち、第3の実施形態では、設定部46は、現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4の場合には、第1の実施形態と同様の基準に従って、通信レベルを切替える。設定部46は、現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4でない場合には、PERに基づいて、通信レベルを切替える。
(無線基地局の動作)
図7は、第3の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4のときには(ステップS300でYES)、ステップS301〜S308の処理が行なわれる。
まず、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS301)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS302でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS303)。
取得したPERがX%未満で、かつY%を越える場合には(ステップS302でNO、ステップS304でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS305)。
取得したPERがX%未満で、かつY%以下の場合には(ステップS302でNO、ステップS304でYES)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得する(ステップS306)。
通信レベルテーブルを参照して、取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRの範囲に属さない場合には(ステップS307でNO)、設定部46は、通信レベルテーブルを参照して、取得したCINRが所要CINRの範囲に含まれる通信レベルを選択し、選択した通信レベルへ変更する(ステップS308)。
取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRの範囲に属する場合には(ステップS307でYES)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS305)。
現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4でないときには(ステップS300でNO)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS311)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS312でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS313)。
取得したPERがY%以下である場合において(ステップS312でNO、ステップS314でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階上げる(ステップS315)。
取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には(ステップS312でNO、ステップS314でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS316)。
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第1の実施形態の無線基地局の構成を表わす図である。
図8の無線基地局は、図1の無線基地局に含まれる通信レベルテーブル記憶部の代りに、16QAM3/4用所要CINR記憶部142を備える。
16QAM3/4用所要CINR記憶部142は、通信レベルが16QAM 3/4の場合の所要CINRの範囲を表わす情報を記憶する。
(無線基地局の動作)
図9は、第4の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4のときには(ステップS500でYES)、ステップS501〜S508の処理が行なわれる。
まず、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS501)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS502でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS503)。
取得したPERがX%未満で、かつY%を越える場合には(ステップS502でNO、ステップS504でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS505)。
取得したPERがX%未満で、かつY%以下の場合には(ステップS502でNO、ステップS504でYES)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得する(ステップS506)。
16QAM3/4用所要CINR記憶部内の情報を参照して、取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRの範囲を超えた場合には(ステップS507でYES)、設定部46は、MCSレベルを64QAM 2/3に変更し、かつDL−MIMO通信方式を維持する(ステップS508)。
16QAM3/4用所要CINR記憶部内の情報を参照して、取得したCINRが現在の通信レベルの所要CINRの範囲を超えていない場合には(ステップS507でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS505)。
現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4でないときには(ステップS500でNO)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS511)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS512でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS513)。
取得したPERがY%以下である場合において(ステップS512でNO、ステップS514でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階上げる(ステップS515)。
取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には(ステップS512でNO、ステップS514でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS516)。
[第5の実施形態]
図3で説明したように、WiMAX方式では、MCSが16QAM 3/4の場合に、最大スループットが得られエラーフリー状態となった時点で、通信レベルを1段階上げた場合、スループットが減少する。第5の実施形態では、第2の実施形態で説明した切替え方式をMCSが16QAM 3/4の場合に特化して用いる。
すなわち、第5の実施形態では、設定部46は、現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4の場合には、第2の実施形態と同様の基準に従って、通信レベルを切替える。設定部46は、現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4でない場合には、PERに基づいて、通信レベルを切替える。
(無線基地局の動作)
図10は、第5の実施形態の無線基地局の動作手順を表わすフローチャートである。
現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4のときには(ステップS400でYES)、ステップS401〜S410の処理が行なわれる。
まず、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS401)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS402でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS403)。
取得したPERがX%未満で、かつY%を越える場合には(ステップS402でNO、ステップS404でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS405)。
取得したPERがX%未満で、かつY%以下の場合には(ステップS302でNO、ステップS404でYES)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得し、その時点の取得したCINRをCINR0として記憶し、かつCINR0の値を上書き禁止に設定する(ステップS406)。
通信品質管理部44は、一定時間ごとに、無線端末から無線端末で受信した信号のCINRを取得し、これをCINR1とする(ステップS407)。
CINR1とCINR0との差がβ[dB]以上の場合には(ステップS408でYES)、設定部46は、MCSレベルを64QAM 2/3に変更し、かつDL−MIMO通信方式を維持し、さらにCINR0の値を「0」にリセットする(ステップS409)。
CINR1とCINR0との差がβ[dB]未満の場合において(ステップS408でNO)、ステップS406の処理から所定時間が経過した場合には(ステップS410でYES)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS405)。
CINR1とCINR0との差がβ[dB]未満の場合において(ステップS408でNO)、ステップS406の処理から所定時間が経過していない場合には(ステップS410でNO)、設定部46は、ステップS407に戻る。
現在の通信レベルで規定されるMCSが16QAM 3/4でないときには(ステップS400でNO)、通信品質管理部44は、無線端末から無線端末で受信した信号のPERを取得する(ステップS411)。
取得したPERがX%以上である場合には(ステップS412でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階下げる(ステップS413)。
取得したPERがY%以下である場合において(ステップS412でNO、ステップS414でYES)、設定部46は、通信レベルを1段階上げる(ステップS415)。
取得したPERがY%を越え、かつX%未満である場合には(ステップS412でNO、ステップS414でNO)、設定部46は、現在の通信レベルを維持する(ステップS416)。
(変形例)
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような変形例っも含む。
(1) その他の通信システムへの適用
本発明の実施形態で説明した通信レベルの切替え方式は、LTEやXGPなどのWiMAX以外の別の通信システムに適用することが可能である。
図11は、別の通信システムにおける通信レベルテーブルの例を表わす図である。
図11を参照して、通信レベルは、MCSによって定まる。
たとえば、通信レベルが「1」は、MCSが「QPSK 1/2」であり、所要CINRの範囲はy1[dB]以下である。
通信レベルが「4」は、MCSが「64QAM 2/3」であり、所要CINRの範囲はy3[dB]を越え、かつy4[dB]以下の範囲である。
図12は、別の通信システムにおける通信レベルごとのCINRとスループットの関係を表わす図である。
図11の通信レベルテーブルに従って、CINRの値に応じて、通信レベルが切替えられる。
通信レベルn(n=1〜5)の曲線は、通信レベルnのMCSを用いたときの、CINRとスループットとの関係を表わす。
たとえば、現在の通信レベルが「1」および「4」の場合、最大スループットが得られエラーフリー状態となった時点で、通信レベルを1段階上げた場合、スループットが増加している。
現在の通信レベルが「2」および「3」の場合、最大スループットが得られエラーフリー状態となった時点で、通信レベルを1段階上げた場合、スループットが減少する。
設定部は、上記のような通信レベルが「2」および「3」の場合などで生じるスループットの低下を防止した通信レベルの切り替えを行なう。すなわち、設定部は、通信レベルが「2」および「3」の場合には、図7のステップS301〜S311の処理、または図8のステップS401〜S410の処理を行なう。
(2) アップリンク信号の通信レベルの切り替え
本発明の実施形態では、無線基地局からのダウンリンク信号の通信レベルの切り替えを例にして説明したが、これに限定するものではなく、無線端末からのアップリンク信号の通信レベルの切り替えにも適用することができる。また、アップリンク信号の通信レベルの切り替えおよびダウンリンク信号の通信レベルの切り替えのいずれにおいても、切替えの判断は、無線端末および無線基地局のどちらでも行なうことができる。
(3) 第2の実施形態の所定値β
本発明の実施の形態で説明した所定値βは、エラーフリーとなる時点でのCINRの値であるCINR0を実験によって求めることによって算出してもよい。たとえば、CINR0と、現在の通信レベルの一段上の通信レベルの所要CINRの範囲の下限との差以上の値としてβを定めることができる。このβの値は、通信レベルごとに異なる値に設定することもできるし、すべての通信レベルで同一の値に設定することもできる。また、βは、実験によらずに、単なる所定の値であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 無線基地局、10,11 アンテナ、12 送信部、13 受信部、14 MAC層処理部、15,20 RF部、16 CP除去部、17 FFT部、18,23 サブキャリア配置部、21 CP付加部、22 IFFT部、24 マルチアンテナ送信信号処理部、25 復調部、26 復号部、27 ユーザデータ受信管理部、32 変調部、33 符号化部、34 ユーザデータ送信管理部、41 制御部、44 通信品質管理部、45 切替通知部、46 設定部、142 16QAM3/4用所要CINR記憶部。

Claims (9)

  1. 少なくとも変調方式および符号化レートで定められる通信レベルと、前記通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲との対応を定めた情報を記憶する記憶部と、
    通信相手の他の通信装置での受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比を取得する通信品質管理部と、
    前記記憶部内の前記対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が閾値以上の場合に、前記取得した受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比が所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲に含まれるような通信レベルを設定する設定部と、
    前記設定された通信レベルに応じた信号を送信する送信部とを備えた、通信装置。
  2. 前記通信品質管理部は、さらに前記受信信号のエラーレートを取得し、
    前記設定部は、前記取得したエラーレートが所定のエラーレート以下の場合に、前記記憶部内の前記対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が前記閾値以上のときに、前記取得した受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比が所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲に含まれるような通信レベルを設定する、請求項1記載の通信装置。
  3. 前記設定部は、前記取得したエラーレートが所定のエラーレート以下の場合に、前記記憶部内の前記対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が前記閾値未満のときには、1段階増加した通信レベルに設定する、請求項2記載の通信装置。
  4. 少なくとも変調方式および符号化レートで定められる通信レベルと、前記通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲との対応を定めた情報を記憶する記憶部と、
    通信相手の他の通信装置での受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比およびエラーレートを取得する通信品質管理部と、
    前記取得したエラーレートが所定のエラーレート以下かどうかを判定し前記取得したエラーレートが前記所定のエラーレート以下と判定された場合には、前記記憶部内の前記対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が閾値以上のときには、前記エラーレートが前記所定のエラーレート以下と判定された時点での受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比に対して、受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比の値が所定値以上増加した時点で、1段階増加した通信レベルに設定する設定部と、
    前記設定された通信レベルに応じた信号を送信する送信部とを備えた、通信装置。
  5. 前記設定部は、前記取得したエラーレートが所定のエラーレート以下と判定された場合に、前記記憶部内の前記対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が前記閾値未満のときには、1段階増加した通信レベルに設定する、請求項4記載の通信装置。
  6. 前記通信レベルは、変調方式および符号化レートによって定められ、
    前記設定部は、変調方式および符号化レートを設定し、
    前記送信部は、設定された変調方式および符号化レートに従って、信号を変調および符
    号化して送信する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 前記通信装置は、さらに、
    複数のアンテナを備え、
    前記送信部は、複数のアンテナを通じて信号を送信する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信装置。
  8. 前記通信レベルは、変調方式および符号化レートとMIMO方式によって定められ、
    前記設定部は、変調方式および符号化レートとMIMO方式を設定し、
    前記送信部は、データストリームを変調および符号化するとともに、前記設定されたMIMO方式が前記時空間符号化方式の場合に、前記変調および符号化された1つのデータストリームを時空間符号化して前記複数のアンテナへ出力し、前記設定されたMIMO方式が前記空間多重方式の場合に、前記変調および符号化された複数のデータストリームを空間多重化して前記複数のアンテナへ出力する、請求項7記載の通信装置。
  9. 少なくとも変調方式および符号化レートで定められる通信レベルと、前記通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲との対応を定めた情報を記憶する記憶部を備えた通信装置における通信方法であって、
    通信相手の他の通信装置での受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比を取得するステップと、
    前記記憶部内の前記対応を定めた情報を参照して、現在の通信レベルでの所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値と一段上の通信レベルの搬送波レベル対干渉・雑音比の所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲の代表値との差が閾値以上の場合に、前記取得した受信信号の搬送波レベル対干渉・雑音比が所要搬送波レベル対干渉・雑音比の範囲に含まれるような通信レベルを設定するステップと、
    前記設定された通信レベルに応じた信号を送信するステップとを備えた、通信方法。
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