WO2006075560A1 - 有機elパネル - Google Patents

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Akira Hirasawa
Ayako Yoshida
Satoshi Miyaguchi
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Abstract

 有機ELパネルを製造する際に生じる固体層へのダメージの低減と、逆バイアス方向の整流特性の向上という、一見すると相反する要求を満たすことができる有機ELパネルを提供することにある。  本発明は、基板、陽極、少なくとも有機発光層を含む固体層、陰極、上部膜をこの順で積層してなる有機ELパネルであって、前記陰極は、その上部膜との界面領域がマグネシウムの原子比率50パーセント未満のマグネシウム含有合金で形成されており、当該上部膜との界面領域から固体層との界面領域へ向かうにつれて、仕事関数が減少するように形成することを特徴とするものである。

Description

有機 ELパネル
技術分野
[0001] 本願は、有機 EL (Electroluminescence)パネルに関する。
背景技術
[0002] 有機 EL素子は、自己発光性であるために視認性が高ぐまた完全固体素子である ために耐衝撃性に優れるとともに取扱いが容易である。このため、グラフィックデイス プレイの画素やテレビ画像表示装置の画素、あるいは面光源等としての研究開発お よび実用化が進められている。この有機 EL素子は、基板上に陽極、有機固体層、陰 極を積層することにより形成される。
[0003] そして、有機 EL素子を形成する有機固体層は水分や酸素に弱いため、陰極の上 部には外部からの水分や酸素を遮断する機能をもった保護膜が形成されることがあ る。また一方で、当該陰極の上部には、陰極の電気伝導性を補助する機能をもった 補助電極が形成されることもある。以下、陰極の上部に形成される保護膜や補助電 極を総称して上部膜と呼ぶ。
[0004] 有機 EL素子を形成する陰極としては、従来、マグネシウム合金 (例えばマグネシゥ ムー銀合金)が使用されており、合金中に存在する全金属原子を基として、 50パー セント以上のマグネシウムを含む合金が使用されて ヽる(特許文献 1)。
[0005] し力しながら、このようなマグネシウムを 50パーセント以上含む陰極を用いると、陰 極上に前述したような上部膜をスパッタリング法等によって積層した場合に、陰極の 下方に位置する有機固体層に大きなダメージを与えてしまうことがあり、問題となって いた。
[0006] このような問題に鑑み、現在では、マグネシウムの原子比率が少ないマグネシウム 含有合金陰極を用いた有機 ELパネルが開発されて 、る。
特許文献 1 :特開平 2— 15595号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題 [0007] 確かに、マグネシウムの原子比率が少ない合金により形成された陰極を用いた場 合、当該陰極上に上部膜を形成する際に生じる有機固体層へのダメージを低減する ことは可能である。
[0008] しかしながら、有機固体層へのダメージの低減のみを考慮し、マグネシウムの原子 比率が極端に少な 、合金 (極端に言えばマグネシウムを含有しな 、金属または合金 )を陰極として用いた場合には、有機 ELパネルの逆ノィァス方向の整流特性が悪ィ匕 するという新たな問題が生じ得る。有機 ELパネルを駆動する場合、通常印加される べき電圧と逆の電圧が当該有機 ELパネルに印可される場合がある(つまり、陰極と 陽極とが逆転してしまう場合がある。これを一般的に「逆ノ ィァス」と呼ぶ。)力 当該 逆バイアスが印加された場合にあっては、できるだけ有機 ELパネル内に電流が流れ な!、ことが好ま 、 (逆バイアス方向の電流を制御できる特性を「逆バイアス方向の整 流特性」と呼ぶ。;)。なぜなら、逆バイアスが力かった時に多量の電流が流れると余計 な消費電力が力かってしまう場合があるからである。
[0009] 従って、有機 ELパネル、特にその電極を設計する際には、このような逆ノ ィァス方 向の整流特性が良好となるように設計する必要があるところ、有機固体層へのダメー ジの低減のみを考慮したマグネシウムの原子比率が少ない合金により形成された陰 極では、当該逆バイアス方向の整流特性が悪化してしまうのである。
[0010] 本願はこの様な事情の下でなされたものであり、有機 ELパネルを製造する際に生 じる有機固体層へのダメージの低減と、逆ノィァス方向の整流特性の向上という、一 見すると相反する要求を満たすことができる有機 ELパネルを提供することを主たる課 題とする。
課題を解決するための手段
[0011] 上記課題を解決するための本発明の有機 ELパネルは、基板、陽極、少なくとも有 機発光層を含む固体層、陰極、上部膜をこの順で積層してなる有機 ELパネルであ つて、前記陰極は、その上部膜との界面領域がマグネシウムの原子比率 50パーセン ト未満のマグネシウム含有合金で形成されており、当該上部膜との界面領域力 前 記固体層との界面領域へ向かうにつれて、仕事関数が減少するように形成されてい ることを特徴とする。 図面の簡単な説明
[0012] [図 1]本願の有機 ELパネルの実施形態の一例を示す概略断面図である。
[図 2]本願の有機 ELパネルの陰極の拡大図、およびマグネシウムの原子比率と仕事 関数との関係を示したグラフである。
[図 3]本願の有機 ELパネルの別の陰極の拡大図、およびマグネシウムの原子比率と 仕事関数との関係を示したグラフである。
[図 4]本願の有機 ELパネルの別の陰極の拡大図である。
[図 5]本願の有機 ELパネルの実施形態の他の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
[0013] 1、 21、 31、 41、 51…陰極
2、 52···固体層
3、 53…陽極
4、 54· "基板
55···電子注入層
56···有機発光層
57···正孔輸送層
58···正孔注入層
Α、 50Α···上部膜
Β、 50Β···有機 EL素子
X· · ·陰極の上部膜との界面領域
Υ· ··陰極の固体層との界面領域
Ρゝ 50Ρ…有機 ELパネル
発明を実施するための最良の形態
[0014] 以下に、本願の有機 ELパネルについて図面を用いて詳細に説明する。
[0015] 図 1は、本願の有機 ELパネルの実施形態の一例を示す概略断面図である。
[0016] 本願の有機 ELパネル Ρは、図 1に示すように、基板 4、陽極 3、固体層 2、陰極 1をこ の順で積層することにより構成された有機 EL素子 Βと、当該有機 EL素子を構成する 陰極 1の上部に形成された上部膜 Αにより構成されている。 [0017] そして、このような本願の有機 ELパネル Pにおける陰極 1は、その上部膜 Aとの界 面領域(図中の符号 Xの部分参照)がマグネシウムの原子比率 50パーセント未満の マグネシウム含有合金で形成されており当該上部膜との界面領域 Xから当該陰極 1 の下方に位置する固体層 2との界面領域(図中の符号 Yの部分参照)へ向かうにつ れて、仕事関数が少なくなるように形成されて 、る。
[0018] このような陰極 1を用いることにより、陰極 1における上部膜 Aとの界面領域 Xにおい ては、マグネシウムの原子比率が 50パーセント未満の合金で形成されているので、 上部膜 Aをスパッタリング法や CVD法などで製造した場合であつても、当該製造時 の衝撃が陰極 1の下方に位置する固体層 2へ伝わってしまうことを防止する、つまり 上部膜 Aを製造する際に生じる固体層 2へのダメージを低減することができ、その一 方で、当該陰極 1は、その下方に位置する固体層 2との界面領域 Yへ向力うにつれて 、仕事関数が少なくなるように形成されているので、単純にマグネシウムの原子比率 を少なくした陰極とは異なり、いわゆる「逆バイアス方向の整流特性」が悪ィ匕すること がな 、(この点につ 、ての詳細は後述する。 )。
[0019] このような陰極 1についてさらに具体的に説明する。
[0020] 前述したように、陰極 1の上部膜 Aとの界面領域 Xは、マグネシウムの原子比率が 5 0パーセント未満のマグネシウム含有合金で形成されて 、ることに特徴を有して!/、る 力 本願でいうところの「陰極 1の上部膜 Aとの界面領域 X」とは、陰極 1における上部 膜 Aに接している面の近傍のことである。当該界面領域 Xを正確に定義することは困 難であるが、当該界面領域 Xがその作用効果 (つまり、上部膜 Aの製造時に生じる固 体層 2へのダメージの低減)を奏する程度の領域が必要である。例えば、当該界面領 域 Xをその厚さで定義する場合には、陰極 1全体の厚さに対して、上部膜 Aとの界面 力ら 1〜99. 8パーセント程度の領域、好ましくは 50〜99パーセントの領域を本願の 界面領域 Xとすればよい。
[0021] また、当該領域 Xを構成するマグネシウム含有合金について、「マグネシウムの原子 比率」とは、当該領域 X内に存在する「全金属原子の数」に対する当該領域 X内に存 在する「マグネシウム原子の数」の比率のことである。本願においては、当該マグネシ ゥムの原子比率が 50パーセント未満であることが必要であり、 1. 45〜40パーセント が好ましぐ 1. 45〜20パーセントが特に好ましい。
[0022] また、当該陰極 1を構成するマグネシウム含有合金を構成しているマグネシウム以 外の金属については、特に限定されることはなぐ従来から陰極として用いられている 金属等力も適宜選択して用いればよい。具体的には、例えば、銀 (Ag)のような単体 であってもよぐさらには ITO (Indium Tin Oxide)のような合金であってもよい。また、 合金を形成するためのマグネシウム以外の金属は、一種類である必要はなぐ例え ば、前記 Agと ITOの双方を用いてもよい(つまり、 Ag、 ITOおよび Mgからなる合金を 用いてもよい。 ) o
[0023] ここでさらに、このような構成を有する本願の有機 ELパネルの陰極 1は、前記界面 領域 Xから当該陰極 1の下方に位置する固体層 2との界面領域 Yへ向かうにつれて、 仕事関数が減少するように成されて 、ることに特徴を有して 、るが、ここで 、うところ の「陰極 1の固体層 2との界面領域 Y」とは、陰極 1における固体層 2に接している面 の近傍のことである。当該界面領域 Υについても、前述した「上部膜 Αとの界面領域 X」の場合と同様、正確に定義することは困難であるが、当該界面領域 Yがその作用 効果 (つまり、陰極 1中のマグネシウム含有量が低下することにより生じうる逆ノィァス 方向の整流特性が悪ィヒを抑制することができる効果)を奏する程度の領域が必要で ある。例えば、当該界面領域 Yをその厚さで定義する場合には、陰極 1全体の厚さに 対して、固体層 2との界面から 0. 2〜99パーセント程度の領域、好ましくは 1〜50パ 一セントの領域を本願の界面領域 Yとすればよ 、。
[0024] 有機 ELパネル 1を構成する陰極 1は、前述した上部膜 Aとの界面領域 Xから固体 層 2との界面領域 Yへ向力つて、仕事関数が減少するように構成されていればよぐ その具体的な構成(どのようにして仕事関数を減少するように構成する力)につ 、て は、特に限定することはなぐ陰極 1全体の構成等を考慮して任意に選択可能である 。以下に幾つかの具体例を挙げて説明する。
[0025] I.陰極をマグネシウム含有合金のみにより形成する場合
陰極 1をマグネシウム含有合金のみにより形成しようと考えた場合、陰極 1に含有さ れるマグネシウムの原子比率を変化させることにより仕事関数をコントロールすること ができる。具体的には、陰極 1を構成する合金中のマグネシウムの原子比率を高くす ることにより仕事関数を減少することができるので、上部膜 Aとの界面領域 Xを形成す る合金については、マグネシウムの原子比率を 50パーセント未満とし、当該上部膜 A との界面領域 Xから固体層 2との界面領域 Yへ向カゝうにつれてマグネシウムの原子比 率を高くするようにすればよい。ここで、実際に本願の有機 ELパネルにおける陰極 1 を形成する場合には、固体層 2側から上部膜 Aに向カゝぅ順で形成されるため、固体層 2との界面領域 Yから上部膜 Aとの界面領域 Xに向力うにつれてマグネシウムの原子 比率を低くするように設計すればょ ヽ。
[0026] 図 2は、本願の有機 ELパネルの陰極の拡大図、およびマグネシウムの原子比率と 仕事関数との関係を示したグラフである。
[0027] 図 2に示すように、マグネシウム含有合金力もなる陰極 21につ 、て、上部膜との界 面領域 Xから固体層との界面領域 Yへ向力 につれてマグネシウムの原子比率を高 くなるようにすればよい。具体的には、陰極 21全体を複数のマグネシウム含有合金 層を積層することにより構成し、かつ、固体層 2との界面領域 Yから上部膜 Aとの界面 領域 Xに向かうにつれて、前記積層構造の各層に含まれるマグネシウムの原子比率 を各層ごとに(つまり、段階的に)減少させてもよい。例えば、マグネシウムの原子比 率が 80パーセントの層 21d、マグネシウムの原子比率力 ½0パーセントの層 21c、マ グネシゥムの原子比率力 S40パーセントの層 2 lb、マグネシウムの原子比率が 20パー セントの層 21 aの 4つの層をこの順で積層することにより陰極 21を形成し、マグネシゥ ムの原子比率が 20パーセントの層 21aが存在する側(図 2の上側)を上部膜と接する 側とし、マグネシウムの原子比率が 80パーセントの層 21dが存在する側(図 2の下側 )を固体層 2と接する側とすることにより、本願の有機 ELパネルにおける陰極とするこ とがでさる。
[0028] 図 2に示す陰極 21においては、マグネシウムの原子比率が 20パーセントの層 21a とマグネシウムの原子比率が 40パーセントの層 21bの二層が上部膜との界面領域 X となり、当該領域から固体層との界面領域 Yへ向力うにつれてマグネシウムの原子比 率が段階的に増カロしているので、これに比例して仕事関数は段階的に減少すること となる(図 2に示すグラフ参照)。
[0029] 図 3は、本願の有機 ELパネルの別の陰極の拡大図、およびマグネシウムの原子比 率と仕事関数との関係を示したグラフである。
[0030] 前記図 2に示した陰極 21にあっては、上部膜との界面領域 Xを形成する合金のマ グネシゥムの原子比率を 50パーセント未満とし、当該上部膜との界面領域 Xから固 体層 2との界面領域 Yへ向力うにつれてマグネシウムの原子比率を高くする方法とし て、マグネシウムの原子比率が異なる複数の層を積層する方法を採用している力 こ れ〖こ限定されることはなく、陰極を単一層によって形成することもできる。
[0031] つまり、図 3に示すように、陰極 31を構成するマグネシウム含有合金を、当該合金 中のマグネシウムの原子比率が上部膜との界面領域 Xから固体層との界面領域 Yへ 向かうにつれて連続的に高くなるようにすればよい。ここで、実際に本願の有機 ELパ ネルにおける陰極 1を形成する場合には、固体層 2側から上部膜 Aに向力う順で形 成されるため、固体層 2との界面領域 Yにおけるマグネシウムの原子比率を 80%とし 、上部膜 Aとの界面領域 Xに向力うにつれてマグネシウムの原子比率を連続的に低く なるようにして、最終的には界面領域 Xにおけるマグネシウムの原子比率を 20%とす るように設計すればよい。
[0032] 図 3に示す陰極 31においては、上部膜との界面領域 Xから固体層との界面領域 Y へ向力うにつれてマグネシウムの原子比率が連続的に(徐々に)増加しているので、 これに比例して仕事関数は連続的に (徐々に)減少することとなる(図 3に示すグラフ 参照)。
[0033] II.陰極をマグネシウム含有合金力もなる層とアルミニウム力もなる層により形成する
¾口
前記の具体例(図 2、 3)は、陰極をマグネシウム含有合金のみにより形成する場合 の具体例であつたが、本願はこれに限定されることはなぐマグネシウム合金力 なる 層とアルミニウム力 なる層とを積層することにより、陰極を上部膜との界面領域 Xから 固体層との界面領域 Yへ向力つて仕事関数が減少するように構成することができる。 これは、マグネシウム含有合金の仕事関数よりもアルミニウム単体の仕事関数の方が 小さ 、と 、う性質を利用したものである。
[0034] 図 4は、本願の有機 ELパネルの別の陰極の拡大図である。
[0035] 図 4に示すように、陰極 41を、マグネシウムの原子比率を 50パーセント未満のマグ ネシゥム合金 41aと、アルミニウム 41bとを積層することにより構成し、マグネシウム含 有合金 41aを上部膜と接する側とし、アルミニウム 41bを固体層と接する側とすること により、陰極を上部膜との界面領域 Xから固体層との界面領域 Yへ向かって仕事関 数が減少するように構成することができる(つまり、アルミニウム 41bの部分が界面領 域 Yとなる)。この場合のマグネシウム含有合金にあっては、マグネシウム含有率を一 定としてもよく、図 2や 3に示すように含有率を変化してもよ!/、。
[0036] 上記具体例(図 2〜4)に示す陰極を用いることにより、当該陰極上に上部膜を形成 する際に生じうる固体層へのダメージを低減することができるとともに、逆バイアス方 向の整流特性の悪ィ匕を抑制することができる。
[0037] 次に、本願の有機 ELパネル全体の構成について説明する。
[0038] 図 5は、本願の有機 ELパネルの実施形態の他の一例を示す概略断面図である。
[0039] 図 5に示すように、本願の有機 ELパネル 50Pは、基板 54上に陽極 53、固体層 52 ( 正孔注入層 58、正孔輸送層 57、有機発光層 56、電子注入層 55)、陰極 51、および 上部膜 50Aをこの順で積層することにより形成されている。なお、有機 ELパネルに は、光を基板側力も取り出すタイプ (ボトムェミッションタイプ)と、光を基板と逆側から 取り出すタイプ (トップェミッションタイプ)と、光を基板側、基板と逆側の両面から取り 出すタイプ (透明タイプ)とがあるが、本願の有機 ELパネルは、どのタイプにも応用可 能である。
[0040] 本願の有機 ELパネル 50Pにおける基板 54については、特に限定されることはなく 、従来公知の材料 (プラスチック基板やガラス基板)を任意に選択して用いることがで きる。有機 ELパネル 50Pがボトムェミッションタイプの場合には、当該基板 54として は透明性を有する材料を選択すればょ ヽ。
[0041] 本願の有機 ELパネル 50Pにおける陽極 53は、正孔を固体層内に注入する役割を もっている。したがって、正孔を注入しやすいエネルギーレベルを持つ材料を用いれ ばよぐ従来力も用いられているものであれば特に限定されることはない。具体的に は、 ITOなどを好適に用いることができる。
[0042] 本願の有機 ELパネル 50Pにおける固体層 52についても特に限定することはなぐ 有機発光層 56のみ力もなる単層構造のものでもよぐ図 5に示すように、正孔注入層 58、正孔輸送層 57、有機発光層 56、電子注入層 55を積層してなる複数層構造で 構成されていてもよい。
[0043] 固体層 2を構成する正孔注入層 58とは、陽極 53と有機発光層 56との間に設けられ 、陽極 53からの正孔の注入を促進させるための層であり、(1)有機 EL素子 50Bの駆 動電圧を低電化する、(2)正孔注入を安定化し素子を長寿命化する、(3)陽極 53の 突起などを被覆し素子欠陥を減少させる、などの効果を発揮する層である。当該正 孔注入層 58の材質については、その HOMO準位が、陽極のフェルミ準位と有機発 光層の HOMO準位の間になるように適宜選択すればよ!、。
[0044] また、正孔輸送層 57とは、前記正孔注入層 58と有機発光層 56の間に設けられ、 正孔の輸送を促進させるための層であり、正孔を有機発光層 56まで輸送する働きを 持つ。正孔輸送層 57の材質については、その HOMO準位が正孔注入層 58と有機 発光層 56の間になるように適宜選択すればよ!、。
[0045] また、有機発光層 56とは、電子や正孔を輸送し、更に電子と正孔の再結合する場 を与える層のことである。有機発光層 56はその機能上、電子も正孔も注入されるので 同時注入に対する耐性が素子の長寿命化のために要求される。よって、有機発光層 56の材質については、当該要求を満たす材質を適宜選択すればよい。
[0046] さらに、電子注入層 55とは、陰極 51と有機発光層 56との間に設けられ、陰極 51か らの電子の注入を促進する機能を有し、 (1)有機 EL素子 5Bの駆動電圧を低電圧化 する、(2)電子注入を安定ィ匕し素子を長寿命化する、(3)陰極 51の密着を強化し発 光面の均一性を向上させ素子欠陥を減少させるなどの効果を発揮する層である。ま た、電子注入層 55は、有機物によって作製されることに限定されず、無機物によって 作製されていてもよい。
[0047] また、本願の有機 ELパネル 50Pを構成する上部膜 50Aとは、陰極 51の上部に設 けられる薄膜の総称であり、本願はその種類を特に限定することない。具体的には、 例えば、有機 EL素子を外気 (酸素や水蒸気)から保護するための保護膜や、陰極 5 1の機能を補助するための補助電極などを挙げることができる。上部膜 5Aの形成方 法にっ 、ても特に限定することはな 、が、スパッタリング法や CVD法などで形成され る薄膜の場合に本願は特に効果を発揮する。 [0048] このような有機 ELパネルにおいては、陽極 53から正孔が正孔注入層 58に注入さ れ、一方陰極 51から電子が電子注入層 55に注入される。注入された正孔と電子は、 各々反対荷電電極に向かって移動する。この結果、両電極間に電圧を印加すること により、陽極 3から注入される正孔と陰極カゝら注入される電子が有機発光層中で再結 合することにより発光が起こる。
[0049] 本願の有機 ELパネルは、上記実施の形態に限定されるものではない。特許請求 の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を 奏するものは、 V、かなるものであっても本願の有機 ELパネルの技術的範囲に包含さ れる。例えば、図 5に示す電子注入層などは、必ずしも必要な層ではなく適宜除いて ちょい。

Claims

請求の範囲
[1] 基板、陽極、少なくとも有機発光層を含む固体層、陰極、上部膜をこの順で積層し てなる有機 ELパネルであって、
前記陰極は、その上部膜との界面領域がマグネシウムの原子比率 50パーセント未 満のマグネシウム含有合金で形成されており、当該上部膜との界面領域力 前記固 体層との界面領域へ向かうにつれて、仕事関数が減少するように形成されていること を特徴とする有機 ELパネル。
[2] 前記陰極は、複数のマグネシウム含有合金層を積層することにより構成されており その上部膜との界面領域力 前記固体層との界面領域へ向力うにつれて、前記陰 極を構成する積層構造の各層に含まれるマグネシウムの原子比率が増加して 、くこ とを特徴とする請求項 1に記載の有機 ELパネル。
[3] 前記陰極は、単一のマグネシウム合金層で構成されており、
その上部膜との界面領域力 前記固体層との界面領域へ向かうにつれて、マグネ シゥムの原子比率が連続的に増カロしていくことを特徴とする請求項 1に記載の有機 E Lパネル。
[4] 前記陰極における前記固体層との界面領域には、アルミニウム力もなる層が設けら れていることを特徴とする請求項 2又は請求項 3に記載の有機 ELパネル。
[5] 前記マグネシウム含有合金が、マグネシウムと銀カゝらなる合金であることを特徴とす る請求項 1乃至請求項 4に記載の有機 ELパネル。
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