WO2006027895A1

WO2006027895A1 - アンテナ給電構造

Info

Publication number: WO2006027895A1
Application number: PCT/JP2005/012944
Authority: WO
Inventors: Kiyoshi Kanagawa; Masanobu Okada
Original assignee: Murata Manufacturing Co., Ltd.
Priority date: 2004-09-10
Filing date: 2005-07-13
Publication date: 2006-03-16
Also published as: JP4007411B2; US7385559B2; DE602005020647D1; ATE464671T1; CN1965441A; EP1788659B1; JPWO2006027895A1; CN1965441B; US20070241974A1; EP1788659A4; EP1788659A1

Abstract

　回動自在なアンテナを給電用金具を利用して回路基板の回路に電気的に接続させるためのアンテナ給電構造において、アンテナの片端側に突出形成された導体から成るアンテナ回転軸１０の先端は球面形状と成している。給電用金具２は、回路基板６への取り付け部３と、アンテナ回転軸１０の先端部に接触接続するアンテナ接触接続部５と、アンテナ接触接続部５を取り付け部３に支持すると共にアンテナ接触接続部５からアンテナ回転軸１０に向かう方向の付勢力を発生させる弾性支持部４とを有している。アンテナ接触接続部５は、アンテナ回転軸１０の先端部の球面形状に応じた球面状の凹面を有し、アンテナ回転軸１０の球面形状の先端部は、アンテナ接触接続部５の球面状の凹面に押圧接触する。

Description

明細書

アンテナ給電構造

技術分野

[0001] 本発明は、回動自在なアンテナを給電用金具を利用して回路基板の回路に電気的に接続させるためのアンテナ給電構造に関するものである。

背景技術

[0002] 図 9にはカード装置の一外観例が簡略ィ匕した模式図により示されている。このカード装置 41は、カードケース 42と、このカードケース 42内に収容配置されている回路基板 43と、カードケース 42の外側に回動自在に配設され回路基板 43に形成されている回路（図示せず）に電気的に接続するアンテナ 44とを有して構成されて、る。

[0003] アンテナ 44の片端側には導体力も成るアンテナ回転軸 45が突出形成され、カードケース 42の側壁には、そのアンテナ回転軸 45をカードケース 42の外側から内側に挿入させるための貫通孔が設けられている。アンテナ回転軸 45は、そのアンテナ回転軸揷通用の貫通孔を通してカードケース 42の内部に挿入されて、回路基板 43に設けられている回路に電気的に接続されている。これにより、アンテナ 44はアンテナ回転軸 45を介して回路基板 43の回路に電気的に接続される。

[0004] 特許文献 1：特開 2001— 339211号公報

特許文献 2：特表平 11― 504771号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] ところで、アンテナ回転軸 45は回動することから、このアンテナ回転軸 45の回動に起因した様々な理由によって、アンテナ回転軸 45を直接的に回路基板 43に接続することは好ましくない。このことから、例えば、図 10のモデル図に示されるような給電用金具 46が提案されている。この給電用金具 46は、アンテナ回転軸 45を回路基板 43に直接的に接続させることなぐアンテナ回転軸 45を回路基板 43の回路に電気的に接続させるためのものである。

[0006] 給電用金具 46は全体が導体により構成されている。当該給電用金具 46は、回路基板 43への取り付け部 47と、アンテナ回転軸 45に接触接続するアンテナ接触接続部 48と、アンテナ接触接続部 48を取り付け部 47に弾性支持する弾性支持部 49とを有して構成されている。弾性支持部 49は、アンテナ接触接続部 48からアンテナ回転軸 45に向力う方向の付勢力を発生させることができる弾性（ばね性)を有するものである。

[0007] 給電用金具 46の取り付け部 47は回路基板 43の回路に電気的に接続されている。

アンテナ回転軸 45が給電用金具 46のアンテナ接触接続部 48に押圧接触して電気的に接続することにより、アンテナ 44は、アンテナ回転軸 45と給電用金具 46を介して回路基板 43の回路に電気的に接続される。

[0008] このように、図 10に示される給電用金具 46を利用することで、アンテナ回転軸 45を直接的に回路基板 43に接続させることなぐアンテナ 44を回路基板 43の回路に電気的に接続させることができる。し力しながら、図 10に示されるような給電用金具 46 を利用することにより、次に示すような問題が発生する。

[0009] すなわち、アンテナ回転軸 45の先端面は球面状であるのに対して、給電用金具 4 6のアンテナ接触接続部 48におけるアンテナ回転軸接触部分は平面状である。このため、アンテナ回転軸 45と、給電用金具 46のアンテナ接触接続部 48とは点接触の状態であり、接触面積は非常に狭い。また、アンテナ 44の回動によってアンテナ回転軸 45はぶれやすいことから、アンテナ 44が回動すると、給電用金具 46のアンテナ接触接続部 48におけるアンテナ回転軸 45の接触位置が変動し易い。このように、ァンテナ回転軸 45とアンテナ接触接続部 48との接触面積が狭ヽことと、アンテナ接触接続部 48におけるアンテナ回転軸 45の接触位置が変動し易いこととによって、アンテナ回転軸 45をアンテナ接触接続部 48に安定的に接触接続させること (換言すれば、アンテナ 44と回路基板 43の回路との電気的接続の安定性を得ること）が難しいという問題がある。

[0010] また、回路基板 43とアンテナ回転軸 45との間の間隔は、様々な要因によって定まるものであり、その回路基板 43とアンテナ回転軸 45間の間隔の設計の自由度は低い。このため、アンテナ回転軸 45と、給電用金具 46のアンテナ接触接続部 48との接触圧を可変しょうとする場合には、例えば、回路基板 43に対する給電用金具 46の取り付け位置を可変したり、給電用金具 46の弾性支持部 49の弾性力を可変すべく給電用金具 46の設計変更を行うこととなる。しかしながら、回路基板 43とアンテナ回転軸 45間の間隔は狭いために、給電用金具 46の取り付け位置の移動可能な範囲は狭い。このため、給電用金具 46の取り付け位置の調整によって、アンテナ回転軸 45 とアンテナ接触接続部 48の接触圧を調整することは殆どできない。また、給電用金具 46の設計は、材料コストや製造工程等の様々な点を考慮して行われることから、給電用金具 46の設計には制約が多い。このため、弾性支持部 49の弾性力を可変するための設計変更は難しい。したがって、図 10に示される給電用金具 46の構成では、アンテナ回転軸 45と、給電用金具 46のアンテナ接触接続部 48との接触圧の調整が難しいという問題がある。

課題を解決するための手段

[0011] この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明は、

回動自在なアンテナを給電用金具を利用して回路基板の回路に電気的に接続させるためのアンテナ給電構造において、

アンテナの片端側には導体力成るアンテナ回転軸が突出形成され、このアンテナ回転軸の先端は球面形状と成しており、

給電用金具は、回路基板への取り付け部と、アンテナ回転軸の先端部に接触接続するアンテナ接触接続部と、アンテナ接触接続部を取り付け部に支持すると共にァンテナ接触接続部からアンテナ回転軸に向力う方向の付勢力を発生させる弾性支持部とを有して構成されており、

給電用金具のアンテナ接触接続部は、アンテナ回転軸の先端部の球面形状に応じた球面状の凹面を有し、

アンテナ回転軸の球面形状の先端部は、アンテナ接触接続部の球面状の凹面に押圧接触してアンテナ接触接続部に接続されていることを特徴としている。

発明の効果

[0012] この発明によれば、アンテナの片端側に突出形成されているアンテナ回転軸の先端は球面状と成している。このアンテナ回転軸の先端部が接触接続する給電用金具のアンテナ接触接続部は、アンテナ回転軸の先端部の球面形状に応じた球面状の凹面を有している。アンテナ接触接続部の球面形状の先端部は、アンテナ接触接続部の球面状の凹面に押圧接触する構成とした。この構成により、アンテナ回転軸の先端部と、アンテナ接触接続部との接触は曲面同士の接触となり、平面と曲面の点接触状態よりも接触面積を増加させることができる。

[0013] また、アンテナ接触接続部は弾性支持部に支持されているので、弾性支持部の弾性変形によって、アンテナ接触接続部の配置位置を変位させることができる。このことと、アンテナ回転軸とアンテナ接触接続部とが曲面同士の押圧接触であることとによつて、次に示すような効果を得ることができる。つまり、アンテナ回転軸と、アンテナ接触接続部とは、アンテナ回転軸の先端部がアンテナ接触接続部の球面状の凹面の最深部位に押圧接触している状態が最も安定している状態である。しかし、アンテナの回動によってアンテナ回転軸がぶれたり、組み立て工程でアンテナ回転軸の位置ずれが生じて、アンテナ回転軸とアンテナ接触接続部との接触接続状態が不安定になることがある。このような場合に、この発明では、アンテナ回転軸の先端部が自ずからアンテナ接触接続部の凹面の球面上を滑るように凹面の最深部位に向力つて相対的に移動して、アンテナ回転軸と、アンテナ接触接続部とを最も安定した接触接続状態に自己位置修正することができる。換言すれば、この発明において特徴的な構成を備えることによって、アンテナ回転軸と、アンテナ接触接続部とは、セルファライメントの動作を行うことができる。

[0014] 上記のように、この発明の構成を備えることによって、アンテナ回転軸とアンテナ接触接続部との接触面積を増加でき、また、アンテナ回転軸およびアンテナ接触接続部にセルファライメントの動作を行わせることができる。このことから、アンテナ回転軸と給電用金具 (アンテナ接触接続部）の接触接続の安定性を高めることができる。つまり、アンテナと、回路基板の回路との電気的な接続の信頼性を向上させることができる。

[0015] また、アンテナ回転軸の先端部の配置位置が同じであるならば、給電用金具のアンテナ接触接続部の凹面の深さが変わると、弾性支持部の弾性変形量が変化して、ァンテナ接触接続部からアンテナ回転軸への付勢力（アンテナ接触接続部とアンテナ回転軸との接触圧）が変化する。このように、この発明の構成では、アンテナ接触接続部の凹面の深さを調整するだけで、アンテナ接触接続部とアンテナ回転軸との接触圧を可変調整することができる。アンテナ接触接続部の凹面の深さを可変 (設計変更)することは簡単であることから、アンテナ接触接続部とアンテナ回転軸との接触圧を要求にあった接触圧に調整することが容易となる。また、例えば、アンテナ回転軸の先端と、回路基板との間の間隔が変更になるという設計変更が行われて、給電用金具が設計変更前のままではアンテナ回転軸とアンテナ接触接続部との接触圧が変化してしまう場合に、アンテナ接触接続部の凹面の深さを可変調整するだけで、設計変更前の接触圧と同じ接触圧でもってアンテナ回転軸とアンテナ接触接続部を接触接続させることが容易にできることとなる。すなわち、この発明において特徴的な構成を備えることによって、設計変更に迅速に対応することが可能となる。

図面の簡単な説明

[図 1]第 1実施例のアンテナ給電構造を説明するための模式的な平面図である。

[図 2a]第 1実施例のアンテナ給電構造を構成する給電用金具を説明するための平面図である。

[図 2b]第 1実施例のアンテナ給電構造を構成する給電用金具を説明するための側面図である。

[図 2c]第 1実施例のアンテナ給電構造を構成する給電用金具のアンテナ接触接続部の拡大平面図である。

[図 2d]図 2cの b— b部分の模式的な断面図である。

[図 3a]図 3bと共に、第 1実施例のアンテナ給電構造におけるアンテナ回転軸とアンテナ接触接続部の接触圧の調整例を説明するための図である。

[図 3b]図 3aと共に、第 1実施例のアンテナ給電構造におけるアンテナ回転軸とアンテナ接触接続部の接触圧の調整例を説明するための図である。

[図 4a]図 4bと共に、第 1実施例のアンテナ給電構造におけるアンテナ回転軸とアンテナ接触接続部の接触圧の別の調整例を説明するための図である。

[図 4b]図 4aと共に、第 1実施例のアンテナ給電構造におけるアンテナ回転軸とアンテナ接触接続部の接触圧の別の調整例を説明するための図である。 [図 5a]図 5bと共に、第 1実施例のアンテナ給電構造力も得られる効果の一つを説明するための図である。

[図 5b]図 5aと共に、第 1実施例のアンテナ給電構造力も得られる効果の一つを説明するための図である。

[図 6a]第 2実施例のアンテナ給電構造における給電用金具の弾性支持部の形態例を模式的に表した図である。

[図 6b]第 2実施例のアンテナ給電構造における給電用金具の弾性支持部の別の形態例を模式的に表した図である。

[図 7a]第 3実施例のアンテナ給電構造における弾性支持部とアンテナ接触接続部との連接部分を説明するための側面図である。

[図 7b]図 7aの上方側力弾性支持部とアンテナ接触接続部との連接部分を見た場合の模式的な平面図である。

[図 7c]図 7bにおける C— C部分の模式的な断面図である。

[図 8]第 4実施例のアンテナ給電構造を説明するためのモデル図である。

[図 9]アンテナ給電構造を備えたカード型装置の一形態例を模式的に示したモデル図である。

[図 10]給電用金具の一従来例を示したモデル図である。

符号の説明

1 アンテナ給電構造

2 給電用金具

3 取り付け部

4 弾性支持部

5 アンテナ接触接続部

6 回路基板

8 凹面

10 アンテナ回転軸

12 湾曲変形可能部

13 リブ 15 アンテナ受け板部

16 弾性付与部

発明を実施するための最良の形態

[0018] 以下に、この発明に係る実施例を図面に基づいて説明する。

[0019] 図 1には第 1実施例のアンテナ給電構造が模式的な平面図により示されている。第 1実施例のアンテナ給電構造 1は、例えば図 9に示されるような無線通信機能を備えたカード装置 (例えば PCカード)等の装置に設けられるものである。当該アンテナ給電構造 1は、回動自在なアンテナを回路基板の回路に電気的に接続させるための給電用金具 2を有して構成されている。図 2aには、その給電用金具 2が抜き出されて模式的な平面図により表されている。また、図 2bには、図 2aの右側から給電用金具 2を見た場合の模式的な側面図が表されている。

[0020] 給電用金具 2は全体が導体板により構成され、回路基板への取り付け部 3と、この取り付け部 3から伸長形成されて、る弾性支持部 4と、この弾性支持部 4の伸長先端部に設けられて、るアンテナ接触接続部 5とを有して構成されて、る。

[0021] すなわち、取り付け部 3は、給電用金具 2を回路基板に取り付けるための構成部である。この取り付け部 3は、給電用金具 2を回路基板に取り付けることができる構成であれば、その構成は特に限定されるものではないが、図 1や図 2aや図 2bに示される例では、取り付け部 3は、四角形状の平板部 3aと、この平板部 3aの一辺側を平板部 3aにほぼ直交する方向に折り曲げて成る位置決め板部 3bと、平板部 3aの他の辺から位置決め板部 3bの突き出し方向と同様な方向に伸長形成されている脚部 3cとを有して構成されている。

[0022] 図 1に示されるように、取り付け部 3の平板部 3aが回路基板 6の基板面に対向配置し、位置決め板部 3bの板面が回路基板 6の端面に当接し、さらに、脚部 3cが回路基板 6に形成されている給電用金具取り付け用の穴部 7に挿入した状態で、取り付け部 3が回路基板 6に配設される。このように取り付け部 3が配置される回路基板 6の基板面部分には、回路基板 6に形成されている回路のアンテナ接続部として機能する電極パッド（図示せず）が形成されている。この電極パッドと、取り付け部 3とが例えばはんだ等の導電性の接合材料によって接合されることにより、給電用金具 2は回路基板 6に固定されると共に、回路基板 6の回路に電気的に接続される。

[0023] 給電用金具 2の弾性支持部 4は、この第 1実施例では、取り付け部 3の位置決め板部 3bの側端縁から伸長形成された板部材により構成されている。その板部材は、位置決め板部 3bの側端縁から伸長先端側に向力う途中の位置で折り返す方向に折り曲げられた形状と成している。この板部材力成る弾性支持部材 4は、板部材の板面が回路基板 6の端面に沿うような姿勢でもって配置されている。この弾性支持部材 4 は、折り曲げ部分の弾性変形によって折り曲げ部分よりも先端側の部位が図 2aに示す A方向に弾性変位可能となって、る。

[0024] この第 1実施例では、アンテナの片端側にはアンテナ回転軸 10が突出形成されており、そのアンテナ回転軸 10の先端は球面形状となっている（図 1参照)。弾性支持部 4の伸長先端側にはアンテナ接触接続部 5が設けられており、このアンテナ接触接続部 5は、そのようなアンテナ回転軸 10の先端部が接触接続する部位である。図 2c には、図 2aに示す S方向から見たアンテナ接触接続部 5が模式的に表され、図 2dには図 2cに示す b— b部分の断面図が模式的に表されている。

[0025] アンテナ接触接続部 5は、アンテナ回転軸 10の先端の球面形状に応じた球面状の凹面 8を有しており、その凹面 8にアンテナ回転軸 10の先端部が押圧接触する。この第 1実施例では、凹面 8は押し出し加工により形成されており、当該凹面 8の球面状の曲率半径 Rは、アンテナ回転軸 10の先端部の球面形状の曲率半径 rよりも大きくなつている（R>r)。

[0026] この第 1実施例では、アンテナ回転軸 10の先端部と、アンテナ接触接続部 5の凹面 8との接触接続状態を安定的に維持することができるように、弾性支持部 4の折り曲げ部分の弾性力に基づいてアンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10の先端部に付勢力が加えられる構成と成している。その付勢力の大きさは、弾性支持部 4の剛性等によって調整することができるのはもちろんのこと、凹面 8の深さによっても調整することができる。それというのは、凹面 8の深さは、弾性支持部 4の折り曲げ部分の弾性変形量に関与するものであるからである。

[0027] 例えば、図 3aに示される例では、アンテナ回転軸 10の先端部と、回路基板 6の端面位置との間の間隔が Daであり、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の深さが Haである。この状態でのアンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10への付勢力の大きさ（接触圧）が Fであったとする。これに対して、図 3bに示される例では、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の深さ Hbが図 3aに示した凹面 8の深さ Haよりも浅くなつている。それ以外は図 3aの例と同じ条件である。この図 3bの場合には、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の深さが浅くなつている分、図 3aの例に比べて、弾性支持部 4の弾性変形量が大きくなつている。このために、アンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10にカロえられる付勢力の大きさ F'は、図 3aの例の付勢力の大きさ Fよりも大きくなる（F' >F)

[0028] また、例えば、設計変更により、アンテナ回転軸 10の先端部と、回路基板 6の端面位置との間の間隔が、図 4aに示されるような間隔 Daである状態から、図 4bに示されるような間隔 Dbの状態へと狭くなつた場合に、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の深さが設計変更前と同じ Heのままであると、弾性支持部 4の折り曲げ部分の弾性変形量が大きくなる。このために、アンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10に加えられる付勢力の大きさが大きくなつて、アンテナ回転軸 10の先端部とアンテナ接触接続部 5の凹面 8との接触圧は大きくなる。これに対して、例えば、図 4bに示されるように、弾性支持部 4の折り曲げ部分の弾性変形量が図 4aの状態と同様になるように、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の深さ Hdを設計変更前の Heよりも深くする。これにより、アンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10に加えられる付勢力の大きさ (換言すれば、アンテナ回転軸 10の先端部とアンテナ接触接続部 5の凹面 8との接触圧の大きさ）が設計変更後も設計変更前も同様となる。

[0029] このように、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の深さを調整することにより、アンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10にカ卩えられる付勢力の大きさ、つまり、アンテナ回転軸 10の先端部とアンテナ接触接続部 5の凹面 8との接触圧を調整することができる

[0030] この第 1実施例では、アンテナ接触接続部 5の凹面 8と、アンテナ回転軸 10の先端部とは曲面同士の押圧接触であり、また、アンテナ接触接続部 5は弾性変位可能な弾性支持部 4によって支持されて!ヽる。この構成により次に示すような効果を得ることができる。つまり、例えば、図 5bの断面図に示されるようにアンテナ回転軸 10の回転中心軸 Loがアンテナ接触接続部 5の凹面 8の最深部位 Oの位置に一致してアンテナ回転軸 10がアンテナ接触接続部 5に接触接続されている状態が、アンテナ接触接続部 5とアンテナ回転軸 10との最も安定した配置状態である。これに対して、例えば、アンテナ給電構造 1を組み立てたときに、図 5aの断面図に示されるように、アンテナ回転軸 10の回転中心軸 Loと、アンテナ接触接続部 5の凹面 8の最深部位 Oとの位置がずれてアンテナ回転軸 10とアンテナ接触接続部 5の接触接続状態が不安定な状態になることがある。このような場合に、この第 1実施例の構成では、アンテナ回転軸 10の先端部がアンテナ接触接続部 5の凹面 8の球面に沿うようにアンテナ回転軸 10とアンテナ接触接続部 5が安定状態となる方向に相対的に変位できる。換言すれば、アンテナ回転軸 10とアンテナ接触接続部 5は、セルファライメントの動作を行うことがでさる。

[0031] また、アンテナの回動によってアンテナ回転軸 10がぶれて、図 5aに示されるように、アンテナ回転軸 10の回転中心軸 Loがアンテナ接触接続部 5の凹面 8の最深部位 Oカゝらずれたときにも、アンテナ回転軸 10とアンテナ接触接続部 5は、上記同様のセルファライメントの動作をして、最も安定的な状態に変位できる。

[0032] 以下に、この第 2実施例を説明する。なお、この第 2実施例の説明において、第 1実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。

[0033] この第 2実施例では、図 6aに示されるように、弾性支持部 4の折り曲げ部分 12は弹性支持部 4の他の部位よりも細く形成されている。このため、アンテナ接触接続部 5が弾性支持部 4を介して取り付け部 3に支持されている状態でアンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10に加えられる付勢力の向きを Z方向としたときに、アンテナ接触接続部 5は、互いに直交する X方向と Y方向と Z方向の三方向に変位させることが可能となっている。つまり、弾性支持部 4の細く形成された折り曲げ部分 12は湾曲変形可能部となっている。

[0034] このように、弾性支持部 4に湾曲変形可能部 12を設けることによって、アンテナ回転軸 10と、アンテナ接触接続部 5とのセルファライメントの動作がより一層スムーズとなる。これにより、より一層のアンテナ回転軸 10とアンテナ接触接続部 5との接触接続の安定性を得ることが容易となる。この第 2実施例では、湾曲変形可能部 12に関わる構成以外の構成は第 1実施例と同様である。

[0035] なお、弾性支持部 4の湾曲変形可能部 12の形態は、図 6aの例に限定されるものではなぐアンテナ接触接続部 5を互ヽに直交する X方向と Y方向と Z方向の三方向に変位させることができる形態であれば何れの形態であってもよい。例えば、図 6bに示されるように、弾性支持部 4の湾曲変形可能部 12は折り曲げ部分であって、当該折り曲げ部分は弾性支持部 4の他の部分よりも細ぐかつ、捻れている形態と成していてもよい。湾曲変形可能部 12を図 6bに示されるような形態とすることにより、湾曲変形可能部 12は、図 6aの例よりも、 X—Y面内におけるアンテナ接触接続部 5の変位をよりスムーズに行わせることができて、アンテナ接触接続部 5はセルファライメントし易くなると、う効果を得ることができる。

[0036] 以下に、第 3実施例を説明する。なお、この第 3実施例の説明において、第 1と第 2 の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。

[0037] 図 7aには、第 3実施例において特徴的な弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5との連接部分が抜き出され模式的に示され、図 7bには、図 7aに示される上側力弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5との連接部分を見たときの模式的な平面図が示され、図 7cには図 7bの C— C部分の模式的な断面図が示されている。この第 3実施例では、弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5との連接部分には、強度強化用のリブ 13が押し出しカ卩ェにより設けられて、る。

[0038] アンテナ接触接続部 5にはアンテナ回転軸 10から押圧力が加えられるために、弹性支持部 4とアンテナ接触接続部 5との連接部分には、その押圧力に起因した力が加わる。その力によって弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5との連接部分が曲がり変形してしまい、これにより、アンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10への付勢力が設定値よりも弱くなることがある。このような場合には、アンテナ回転軸 10の先端部と、アンテナ接触接続部 5の凹面 8との接触圧が低下する。この接触圧低下によつてアンテナ回転軸 10はアンテナ接触接続部 5に良好に接触接続できなくなって、ァンテナと回路基板の回路との接続状態が悪ィ匕するという接続不良の問題発生が懸念されることがある。このような場合に、この第 3実施例の如ぐ弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5の連接部分に強度強化用のリブ 13を設ける。これにより、弾性支持部 4 とアンテナ接触接続部 5の連接部分の強度が強化されてアンテナ回転軸 10からの押圧力に起因した弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5の連接部分の曲がり変形を回避することができる。このため、アンテナ回転軸 10とアンテナ接触接続部 5とを設計通りの接触圧でもって接触接続させることを維持させることが容易にできることとなり、アンテナ給電構造 1を介したアンテナと回路基板の回路との電気的な接続の信頼性を高めることができる。

[0039] この第 3実施例では、強度強化用のリブ 13に関わる構成以外の構成は第 1又は第 2の実施例と同様である。

[0040] 以下に、第 4実施例を説明する。なお、この第 4実施例の説明において、第 1〜第 3 の各実施例と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。

[0041] この第 4実施例では、弾性支持部 4は、図 8に示されるように、回路基板 6の端面と間隔を介し当該回路基板 6の端面に沿って伸設するアンテナ受け板部 15と、このァンテナ受け板部 15の両端側を折り返し方向に曲げて成る弾性付与部 16 (16a, 16b )とを有して構成されている。

[0042] アンテナ受け板部 15の一部の板面には球面状の凹面 8が形成されてアンテナ接触接続部 5が形成されている。弾性付与部 16aの先端側は取り付け部 3に連接され、また、弾性付与部 16bの先端側は、回路基板 6の端面に当接されている。これにより、アンテナ接触接続部 5は、両持ち状の態様でもって弾性支持部 4により支持されている態様となっている。なお、弾性付与部 16bの先端側は、回路基板 6の端面に当接するのではなぐ取り付け部 3に連結されている構成としてもよい。

[0043] この第 4実施例では、アンテナ回転軸 10の先端部がアンテナ接触接続部 5の凹面 8に押圧接触したときに、弾性付与部 16a, 16bによる弾性力に基づいた付勢力がァンテナ接触接続部 5からアンテナ回転軸 10の先端部に加えられることとなる。

[0044] この第 4実施例では、弾性支持部 4が両持ち状にアンテナ接触接続部 5を支持する構成以外の構成は、第 1〜第 3の各実施例と同様である。つまり、例えば、第 2実施例のように弾性付与部 16が弾性支持部 4の湾曲変形可能部 12として機能する構成を備えていてもよいし、また、例えば、第 3実施例のように弾性支持部 4とアンテナ接触接続部 5の連接部分には強度強化用のリブ 13が設けられている構成を備えていてもよい。

[0045] この第 4実施例では、アンテナ接触接続部 5は両持ち状の態様でもって弾性支持される構成であるので、アンテナ接触接続部 5の配置の安定性を高めることができる。また、片持ち状の態様でもってアンテナ接触接続部 5を支持する場合に比べて、アンテナ接触接続部 5に付与する付勢力を大きくすることができる。

[0046] なお、この発明は第 1〜第 4の各実施例の形態に限定されるものではなぐ様々な実施の形態を採り得る。例えば、第 1〜第 4の各実施例では、アンテナ給電構造 1は、カード型装置に設けられる例を示した力この発明のアンテナ給電構造は、無線通信機能を備えた装置であれば、カード型装置に限定されず、他の無線通信装置にも装備することが可能である。

産業上の利用可能性

[0047] 本発明は、回動自在なアンテナが設けられている無線通信装置のアンテナ給電構造に適用することができるものである。本発明の構成を備えることによって、アンテナと回路基板の回路との電気的な接続の信頼性を高めることができるし、アンテナ回転軸と給電用金具との接続作業を簡単かつ確実に行うことができることから、本発明は、小型な無線通信装置のアンテナ給電構造に適用するのに特に有効である。

Claims

請求の範囲

[1] 回動自在なアンテナを給電用金具を利用して回路基板の回路に電気的に接続させるためのアンテナ給電構造において、

アンテナ回転軸の球面形状の先端部は、アンテナ接触接続部の球面状の凹面に押圧接触してアンテナ接触接続部に接続されていることを特徴とするアンテナ給電構造。

[2] 給電用金具の弾性支持部は、回路基板の端面と間隔を介し当該回路基板の端面に沿って伸設するアンテナ受け板部と、このアンテナ受け板部の両端部を折り返し方向に曲げ当該曲げの先端側を回路基板の端面に当接するか又は給電用金具の取り付け部に連接して成る弾性付与部とを有して構成され、

アンテナ受け板部の一部の板面に球面状の凹面が形成されてアンテナ接触接続部が設けられており、

アンテナ受け板部の両端側の弾性付与部のうちの少なくとも一方側が取り付け部に導通接続されていることを特徴とする請求項 1記載のアンテナ給電構造。

[3] 弾性支持部とアンテナ接触接続部との連接部分には強度強化用のリブが設けられていることを特徴とする請求項 1記載のアンテナ給電構造。

[4] 弾性支持部とアンテナ接触接続部との連接部分には強度強化用のリブが設けられていることを特徴とする請求項 2記載のアンテナ給電構造。

[5] アンテナ接触接続部が取り付け部に支持されている状態で、アンテナ接触接続部力アンテナ回転軸に加えられる付勢力の向きに沿う方向を Z方向としたときに、互 V、に直交する X方向と Y方向と Z方向の三方向にアンテナ接触接続部を変位させ得る湾曲変形可能部が弾性支持部に設けられていることを特徴とする請求項 1記載のアンテナ給電構造。

アンテナ接触接続部が取り付け部に支持されている状態で、アンテナ接触接続部からアンテナ回転軸に加えられる付勢力の向きに沿う方向を Z方向としたときに、互

V、に直交する X方向と Y方向と Z方向の三方向にアンテナ接触接続部を変位させ得る湾曲変形可能部が弾性支持部に設けられていることを特徴とする請求項 2記載のアンテナ給電構造。