WO2005099791A1

WO2005099791A1 - 接続具付きシリンジ、およびシリンジに用いる接続具、並びにシリンジ

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Publication number: WO2005099791A1
Application number: PCT/JP2005/001778
Authority: WO
Inventors: Raita Uematsu; Takehiko Yuki; Naotsugu Ito; Ryoji Fujii; Tadashi Okiyama
Original assignee: Jms Co., Ltd.
Priority date: 2004-04-07
Filing date: 2005-02-07
Publication date: 2005-10-27
Also published as: US20070265577A1; EP1733749A4; US8105312B2; CN101711903A; EP1733749A1; US20090198192A1

Abstract

　本発明は、ポートに対して固定接続することが可能であるとともに、接続具を使用しない直接接続などの場合でも高い操作性を発揮できるシリンジと、このシリンジに用いられる接続具、および当該接続具を装着可能なシリンジを提供することを目的とする。　このため本発明の医療用シリンジは、ポートへの接続に際して、当該ポートに挿入されるルアー部の保持力を高める筒状の接続補助部材を備えた医療用シリンジであって、前記接続補助部材が、ルアー部先端近傍の第１位置と前記ルアー部先端から遠い第２位置との間を移動可能な状態で前記ルアー部または本体部に摺設されてなり、前記接続補助部材が前記第２位置に移動したとき、ルアー部先端が露出することを特徴とする。

Description

明細書

接続具付きシリンジ、およびシリンジに用いる接続具、並びにシリンジ技術分野

[0001] 本発明は、接続具付きシリンジ、およびシリンジに用いる接続具、並びにシリンジに関する。

技術背景

[0002] 医療現場において、いわゆる注射筒であるシリンジは、多様な使用方法により用いられている。

例えば、一般的にはシリンジ先端のルアー部に針管を備える針基等のメステーパ一型コネクタを装着し、患者力採血したり、シリンジ内に貯留された薬剤を患者へ投与するのに用いられる。

[0003] また、輸液ラインシステム、採血ラインシステム等のパイプラインシステムと称されるシステムにおいても、シリンジが用いられることがある。このシステムでは、シリンジをラインシステムの外部ポートに接続し、そこ力もシリンジ中の薬剤を投与したり、逆にライン中から採取を行ったりする。このようなシリンジとラインシステムの接続方法として、ラインシステムの前記ポートに直接ルアー部を挿入する直接接続方法 (ルアースリップ方法とも称される）と、図 41 (a)一 (c)に示すように、接続具 (ロックナット） 1130Lを用 Vヽてシリンジ 1000Lのルアー部 1141Lと前記ポート 1200Lとを螺合して接続する固定接続方法が使用される。

[0004] 医療現場におけるシリンジには、プレフィルドシリンジが用いられることもある。このプレフィルドシリンジは、シリンジ本体内に予め薬剤が注入されたものである。この場合、シリンジ本体のノズル先端は例えば榭脂で封口されているが、使用時にはこの部分を開口し、プランジャを押し込んで薬剤を吐出させるようになつている。このようなプレフィルドシリンジによれば、患者への薬剤投与や薬剤混合に掛カる手間や時間を低減して速やかな処理を促すことができる。

[0005] ところで、上記ラインシステムのポートへ固定接続できるシリンジ (ルアーロックタイプと称される）には、最初からルアー部にロックナットがセットとなって装着されていることが多い。これはシリンジと上記ラインシステムとを確実に接続するために、ルアー部に径の異なる段差部を設け、ルアー部にロックナットを予め挿通してこの段差部で保持させておくことで、迅速な接続操作を行えるようにしたものである。

[0006] し力しながら、このような接続具付きシリンジは、図 42に示すように、上記直接接続型のポートに対してはロックナットが邪魔になり、ルアー部を前記ポートに接続できないという問題がある。

また別の問題として、図 43に示すように、上記接続具付きシリンジに対して、ルアー部に針基を装着しょうとしたとき、ロックナットが邪魔をしてユーザがルアー部と針基との正しい位置関係を把握できず、ルアー部と針基とをうまく接続できない。また、ルァ一部にロックナットがセットされていることから、その分外部に露出しているルアー部の長さが不足してしま、、針基がルアー部に十分ホールドさせることができなヽと、う問題がある。

[0007] このように、ロックナット付きシリンジの汎用性における課題は、迅速で正確な対応を求められる医療現場の要求力早急に改善が望まれている。

特許文献 1：特開平 7-148271号公報

発明の開示

[0008] 本発明は以上の課題に鑑みて為されたものであって、その目的は、ポートに対して固定接続することが可能であるとともに、接続具を使用しない直接接続などの場合でも高い操作性を発揮できるシリンジと、このシリンジに用いられる接続具、および当該接続具を装着可能なシリンジを提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明は、ポートにシリンジを接続するための接続具力シリンジ本体のルアー部に配されてなる接続具付きシリンジであって、ルアー部には、接続具と係合するための係合部が形成され、接続具には、シリンジ軸方向に沿って前記ルアー部の係合部と係合する第一孔と、前記第一孔より大きぐシリンジ軸方向に沿って前記ルアー部が挿抜自在な第二孔とが、互いに連通する状態で形成されている構成とした。

[0009] また本発明は、具体的には、前記第一孔と前記第二孔は、通路を介して互いに連通している構成としてもよい。さらに本発明は、前記係合部は、ルアー部の先端と根元の間に存在する段差部の構成〖こすることちでさる。

このような本発明の構成では、具体的には第一に、ルアー部を接続具の第二孔 (遊揷孔）に挿入し、その後ルアー部を第一孔 (係合孔)ヘスライドさせることで、ルアー部の係合部より根元側が接続部の係合孔へはまりこんだ状態にすることができ、これによってシリンジに接続具を係合して装着することができる。ユーザはこのように接続具をシリンジ側へ装着し、接続具を利用してシリンジを輸液ラインシステム等の固定接続型ポートに接続することができる。

[0010] そして第二に、本発明では接続具の係合孔で係合されたルアー部を遊揷孔側へ相対的に移動させることによって、ルアー部から容易に接続具を外し取ることができる。

このように接続具をルアー部力も取り外せば、ルアー部を直接接続型ポートに接続する際に接続具が邪魔になることがないので、ルアー部を、接続具を用いない輸液ラインシステム等の直接接続型ポートにも確実に接続することができ、高い汎用性を発揮することが可能である。

[0011] また、従来構成のプレフィルドシリンジでは、接続具が邪魔してユーザがルアー部と針基の位置を確認するのが困難であり、また接続具があるために針基をルアー部の奥までしつ力り装着しにくいという操作性上の問題があつたが、本発明では上記のように簡単に接続具をシリンジと分離できるので、このような従来の問題を根本的に解決することができる。

[0012] また本発明は、前記第一孔と前記第二孔は、通路を介して互いに連通するように前記通路を設けることによって、使用時にはルアー部が当該通路の間を無理ばめ状態で押し切りながら、係合孔に移動して確実に嵌着されるようにすることができる。

また上記課題を解決するために、本発明は、ポートにシリンジを接続するための接続具が、シリンジ本体のルアー部に配されてなる接続具付きシリンジであって、シリンジ本体外周面には、シリンジ本体の接続具側と係合する第一の係合部が形成され、接続具には、前記第一の係合部と係合する第二の係合部が形成され、接続具またはシリンジ本体に対して、所定の操作によりシリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加えることによって、前記第一の係合部および前記第二の係合部の係合が解除される構成とした。

[0013] ここで、第一の係合部はシリンジ本体外周面において、ルアー部の設けられた先端側の方が広がった部分（凸部および凹部を併設してなる段差領域)とすることができる。

具体的には、接続具本体は筒体であり、前記第二の係合部は、前記接続具本体より延長して配された延長部上に形成されており、接続具本体がシリンジのルアー部に挿入されるとともに、前記延長部がシリンジ本体外周面と弾性接触することで前記第一の係合部および第二の係合部が互いに係合し、接続具またはシリンジ本体に対して前記所定の操作を行うことにより、前記延長部の第二の係合部がシリンジ外周面から離間され、前記係合が解除される構成とすることができる。

[0014] このような本発明の構成では、第一に、接続具をルアー部に挿通し、接続具の第二の係合部をシリンジ本体の第一の係合部と係合させることで、シリンジに接続具を係合して装着することができる。ユーザはこのように接続具をシリンジ側へ係合し、接続具を利用してシリンジを輸液ラインシステム等の固定接続型ポートに接続することができる。

そして第二に、本発明では所定の操作により、シリンジ軸方向と異なる方向に外力（例えばシリンジ径方向への外力）を接続具に加え、例えば延長部に設けられた接続具の第二の係合部をシリンジ側の第一の係合部より離間させれば、接続具の第一および第二の係合部の係合が解かれるので、ルアー部から容易に接続具を外し取ることがでさる。

[0015] このように接続具を!ヽつたんルアー部カゝら取り外せば、ルアー部を直接接続型ポートに接続する際に接続具が邪魔になることがないので、ルアー部を、接続具を用いな V、輸液ラインシステム等の直接接続型ポートにも確実に接続することができ、高！ヽ汎用性を発揮することが可能である。

また、従来構成のプレフィルドシリンジでは、接続具が邪魔してユーザがルアー部と針基の位置を確認するのが困難であり、また接続具があるために針基をルアー部の奥までしつ力り装着しにくいという操作性上の問題があつたが、本発明では上記のように簡単に接続具をシリンジと分離できるので、このような従来の問題を根本的に解決することができる。

[0016] また上記課題を解決するために、本発明は、ポートにシリンジを拘止するための接続具が、シリンジ本体カゝら突設されたルアー部に取り付けられてなる接続具付シリンジであって、ルアー部には、接続具と係合するための係合部が形成され、接続具は、有底筒状の本体部と、本体部の外周に環装され本体部の軸方向への移動により本体部の底部に対して拘束作用を及ぼす拘束部とからなり、本体部の底部が、開き勝手な複数の花弁状部材力なり、底部が拘束部力拘束作用を受けて花弁状部材が閉じた第 1の状態にあるとき、ルアー部における係合部を花弁状部材が軸方向に係合し、底部が拘束部力拘束作用を受けず花弁状部材が開いた第 2の状態にあるとき、花弁状部材の開放によって底部の略中央部に生じる透孔を通じてルアー部を軸方向に挿抜自在とするものとした。

[0017] あるいは本発明は、上記接続具付シリンジにおいて、接続具の拘束部は、内周面にネジが設けられてなるナットであり、本体部は、略円筒形状を有し、筒部の外周面における拘束部の移動領域に上記ナットに対応するネジが設けられており、第 1の状態のときに筒部のネジが設けられてなる領域が円筒状に閉じた状態であり、第 2の状態のときに筒部のネジが設けられてなる領域が軸方向の底部に向けてハの字状に開 V、た状態であることを特徴とする。

[0018] ここで接続具付シリンジにお!ヽて、ルアー部は、その根元側に縮径された部分を有し、係合部は縮径によって生じる段差とすることもできる。

さらに本発明は、シリンジ本体力突設されたルアー部に取り付けられ、ポートにシリンジを拘止するための接続具であって、有底筒状の本体部と、前記本体部の外周に環装され本体部の軸方向への移動により本体部の底部に対して拘束作用を及ぼす拘束部とを有し、本体部の底部が、開き勝手な複数の花弁状部材力なり、底部が拘束部力拘束作用を受けて花弁状部材が閉じた第 1の状態にあるとき、花弁状部材で前記シリンジの軸方向にルアー部を係合し、底部が拘束部から拘束作用を受けず花弁状部材が開いた第 2の状態にあるとき、花弁状部材の開放によって底部の略中央に生じる透孔を通じて前記ルアー部を挿抜自在とするものとした。 [0019] ここで前記接続具において、拘束部は、内周面にネジが設けられてなるナットであり、本体部は、略円筒形状を有し、筒部の外周面における拘束部の移動領域にナットに対応するネジが設けられており、第 1の状態のときに筒部のネジが設けられてなる領域が円筒状に閉じた状態であり、第 2の状態のときに筒部のネジが設けられてなる領域が軸方向の底部に向けてハの字状に開いた状態であるとすることもできる。

[0020] また本発明は、治療および診断に係る処置方法にお!ヽて、上記の接続具付シリンジを用いることを特徴とする。

本発明に係る接続具付シリンジでは、接続具を第 1の状態と第 2の状態との間で容易に状態変化を実施できる。よって、この接続具付シリンジは、シリンジのルアー部を底部における花弁状部材と係合状態とすることも、底部の透孔を通じて挿抜自在な状態とすることもできる。即ち、この接続具付シリンジでは、拘止しようとするポートの接続形態に応じて、ルアーロックタイプおよびルアースリップタイプの両接続タイプを選択して用いることが可能である。

[0021] 従って、本発明に係る接続具付シリンジは、拘止対象であるポートの接続タイプに応じて接続具を着脱することが自在であり、取り外した接続具を別のシリンジに転用することもできることから、コスト面におけるユーザの負担を軽減し、且つ、シリンジ使用時における作業性の低下を招くことがないとともに、ルアースリップタイプおよびルアーロックタイプの両接続タイプでポートに対し接続可能であって、ポートへの接続時に高い汎用性を有する。

[0022] また、本発明に係る接続具は、上記接続具付シリンジにおけるルアー部に取り付けられた接続具と同一の構成を有することを特徴とするので、上記同様の優位性を有する。

従って、本発明に係る接続具を用いれば、ポートに対して拘止する際のシリンジの汎用性を高めるのに有効である。

さらに本発明は、ポートにシリンジを拘止するための接続具力シリンジ本体力突設されたルアー部に取り付けられてなる接続具付シリンジであって、ルアー部には、接続具と係合するための係合部が形成され、接続具は、複数の構成部材からなり、且つ、その各々に設けられた連結機構の相互の連結作用により全体として有底筒状体に組み付け可能となっており、有底筒状体に組み付けられた状態で、ルアー部における係合部と係合し、複数の構成部材間の連結を解除した状態で、ルアー部から挿抜自在となることを特徴とする。

[0023] また、本発明は、上記接続具付シリンジにおいて、複数の構成部材は、相互に対称構造をしており、且つ、相互に突き合わされる各端部に切り欠き部を有し、切り欠き部どうしが突き合うことによって係合孔が形成され、接続具は、この係合孔によりルァ一部の係合部と係合することを特徴とする。

また本発明は、上記接続具付シリンジの接続具において、複数の構成部材が連結される箇所の内、少なくとも 1箇所では、係止爪と被係止爪との嚙み合わせをもって連結がなされることを特徴とする。

[0024] また、本発明は、上記の何れかの接続具付シリンジにおいて、ルアー部は、その根元側に縮径された部分を有し、係合部は、当該縮径により生じる段差であることを特徴とする。

さらに本発明は、シリンジ本体力突設されたルアー部に取り付けられ、ポートにシリンジを拘止するための接続具であって、複数の構成部材カもなり、且つ、その各々に設けられた連結機構の相互の連結作用により全体として有底筒状体に組み付け可能となっており、有底筒状体に組み付けられた状態で、ルアー部と係合し、複数の構成部材間の連結を解除した状態で、ルアー部から挿抜自在となることを特徴とする

[0025] また本発明は、上記の接続具において、複数の構成部材は、相互に対称構造をしており、且つ、相互に突き合わされる各端部に切り欠き部を有し、切り欠き部どうしが突きあうことによって係合孔が形成され、この係合孔によりルアー部の係合部と係合することを特徴とする。

また本発明は、上記接続具において、複数の構成部材が連結される箇所の内、少なくとも 1箇所では、係止爪と被係止爪との嚙み合わせをもって連結がなされることを特徴とする。

[0026] さらに本発明は、治療および診断に係る処置方法において、上記接続具付シリンジを用いることを特徴とする。本発明に係る接続具付シリンジでは、複数の構成部材が有底筒状体に組み付けられた状態と、連結が解除された状態との間で接続具の状態を変形させるだけで、シリンジのルアー部に対して接続具が着脱自在である構成を有している。よって、この接続具付シリンジでは、拘止しようとするポートの接続形態に応じて、ルアーロックタイプおよびルアースリップタイプの両接続タイプを選択して用いることが可能である。

[0027] また、この接続具付シリンジでは、使用後あるいは接続具を使用しないような場合に、接続具をシリンジから取り外して他のシリンジなどに転用することも可能である。従って、本発明に係る接続具付シリンジは、コスト面におけるユーザの負担を軽減し、且つ、シリンジ使用時における作業性の低下を招くことがないとともに、ルアースリップタイプおよびルアーロックタイプの両接続タイプでポートに対して接続可能であつて、ポートへの接続時に高い汎用性を有する。

[0028] また、本発明に係る接続具では、上記接続具付シリンジに付帯された接続具と同様に、複数の構成部材が有底筒状体に組み付けられた状態と、連結が解除された状態との間で接続具の状態を変形させるだけで、シリンジのルアー部に対して容易に取り付け、取り外しが可能である。よって、シリンジとポートとの接続タイプがルアー口ックタイプのときには、シリンジのルアー部に対して接続具を係合させ、接続タイプがルアースリップタイプのときには、脱離させるというように、必要に応じて着脱が可能である。

[0029] 従って、本発明に係る接続具を用いれば、ポートに対して接続する際のシリンジの汎用性を高めるのに有効である。

また、上記課題を解決するために、本発明に係るシリンジは、ポートへの接続に際して、当該ポートに挿入されるルアー部の保持力を高める筒状の接続補助部材を備えた医療用シリンジであって、前記接続補助部材は、外側周面にピンを挿通する第 1 揷通孔が穿設され、端部に第 2揷通孔が穿設されており、前記ピンは、ルアー部と嵌合する嵌合部を有しており、前記第 2揷通孔に前記ルアー部を挿入した状態で、前記ピンを前記嵌合が実施される位置まで第 1挿通孔に揷通する接続補助部材保持姿勢と、前記ピンを第 1揷通孔力抜き出して前記嵌合を解除する接続補助部材開放姿勢とに姿勢変更自在な構成を備えることを特徴とする。 [0030] 本発明に係るシリンジは、ポートへの接続に際して、当該ポートに挿入されるルアー部の保持力を高める筒状の接続補助部材を備えた医療用シリンジであって、前記接続補助部材は、外側周面にピンを挿通する第 1揷通孔が穿設され、端部に第 2挿通孔が穿設されており、前記ピンは、ルアー部と嵌合する嵌合部を有しており、前記第 2揷通孔に前記ルアー部を挿入した状態で、前記ピンを前記嵌合が実施される位置まで第 1挿通孔に揷通する接続補助部材保持姿勢と、前記ピンを第 1揷通孔から抜き出して前記嵌合を解除する接続補助部材開放姿勢とに姿勢変更自在な構成を備える。

[0031] これにより、前記ピンを抜き出して、前記シリンジから前記接続補助部材を取り外すことにより、前記シリンジをいわゆるルアースリップタイプのシリンジとして使用することができ、さらに、前記ピンを前記接続補助部材に揷通して前記ルアー部と前記接続補助部材とを係合することにより、前記シリンジをいわゆるルアーロックタイプのシリンジとして使用することができる。

[0032] つまり、前記シリンジは、これら両タイプのいずれとしても機能するため汎用性が高まる。

また、前記ルアー部は、中央部近傍又は根元部近傍の径が局部的に細くなつている径小部を有する略円筒形状であって、前記ピンの挿通路は、前記接続補助部材の中心軸近傍を通って対向する前記外側周面同士を結ぶ線上にあり、前記嵌合は、前記接続補助部材の中心軸近傍にお!、て、前記ピンの嵌合部が前記ルアー部の径小部に嵌り込むことによりなされるとしてもよい。

[0033] この構成により、ルアー部の中心軸と接続補助部材の中心軸とがー致もしくは近接すること〖こなる。

通常、ルアーロックタイプの接続相手器具は、前記ルアー部の挿入箇所が係合を行うネジ部又は溝部などの係合構造物の中心に位置しているため、前記ルアー部の中心軸と前記接続補助部材の中心軸とが略一致していることにより、嵌合させつつ前記挿入を行うことができる。

[0034] また、前記嵌合は、小径部の中心軸を回転軸として、前記ピンが回転自在となるようになされるとしてもよい。これにより、前記シリンジ自体を回転させずとも、前記接続補助部材のみを回転させることにより、前記シリンジとルアーロックタイプの接続相手器具とを接続及び固定することができる。

[0035] また、前記ピンは、当該ピンを挿抜する際に摘む取っ手部が設けられているとしてもよい。

これにより、前記ピンの挿抜が容易となる。

発明を実施するための最良の形態

[0036] 以下では、本発明に係る医療用シリンジの第 1から第 19の各実施の形態について、順次図面を参照しながら説明する。

1.実施の形態 1

1-1.プレフィルドシリンジの全体構成

図 1は、実施の形態 1におけるプレフィルドシリンジと接続具 (ロックナット）の構成を示す断面図である。なお、ここではプレフィルドシリンジとロックナットを組み合わせる構成とした力本発明はプレフィルドシリンジ以外のシリンジに適用してもよい。ここでは説明上、プランジャ 40は断面形状ではなぐ通常の側面構成を示している。

[0037] 当図に示されるプレフィルドシリンジ 1の構成は、大きく分けてシリンジ本体 10、針基 20、プランジャ（押し子またはピストンとも称する) 40等力もなる。

シリンジ本体 10はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビュル等の耐薬性に優れる材料を射出成形してなる筒状体である。その先端側は天面部 110 で封口されており、当該天面部 110の中央部にルアー部 120が突設されている。

[0038] 一方、シリンジ本体 10の後端側には開口部 12が形成されている。ルアー部 120は基本的に先細りのテーパー状に絞り加工されている力当該テーパー形状の途中で段差部 123が設けられており、これによつて径の細いルアー根元部 121と、ルアー部 120 先端側に位置する径の太、ルアー先端部 122が形成されて、る。

段差部 123には後述のロックナット 30が嵌着される。また、ルアー先端部 122は ISO6/100に準じたテーパーが形成されており、一般的な針基 20が容易に装着される。図 1中、ルアー部 120先端にはキャップ 20が装着されている。

[0039] 以下、シリンジ本体 10の長手方向に沿った方向を「軸方向」、当該軸方向に対して垂直な方向を「径方向」という。

プランジャ 40は、シリンジ本体 10と同様に耐薬性に優れる榭脂材料カゝらなり、補強目的に十字断面形状を持つプランジャ本体 42の両端に、径方向に主面を有する円盤状の端部が形成された構造を持つ。前記端部の一方はユーザが指で押圧するための押圧端部 41であって、他方の端部はシリンジ本体 10内部に軸方向に挿入されるヘッド部 43である。

[0040] ヘッド部 43の先端にはパッキン 44が配設されており、このパッキン 44がシリンジ本体 10の内壁と密に接触するようになっている。ここで、ノッキン 44および前記キャップ 20 によって内部封止されたシリンジ本体 10内部には、薬剤 100が貯留されている。このような構成のプレフィルドシリンジでは、使用時にユーザは前記キャップ 20をはずし、薬剤 100を吐出できる状態にする。そしてユーザがプランジャ 40の押圧端部を指でシリンジ側へ押し込むことによって、その押し込み量に応じてルアー部 120先端力も薬剤 100が吐出される。

[0041] 1-2.ロックナットの構成について

本実施の形態 1のプレフィルドシリンジ 1には、その特徴としてルアー部 120に容易に脱着可能な接続具であるロックナット 30が、軸方向に沿って、ルアー部 120の段差部 123と係合するように装着されている。当該ロックナット 30は、医療現場において、プレフィルドシリンジ 10を輸液ラインシステムまたは採血ラインシステム中の固定接続型ポートに接続するため等の接続具として用いられるものである。

[0042] ロックナット 30は、機械的強度に優れる榭脂材料を射出成形してなる有底筒体であつて、筒部に相当する側面部 301の内面には、例えば IS0594-2に準じた規格の雌ネジ 3010が螺刻されて!、る。この雌ネジ 3010は後述する雄ネジ 5010と螺合するようになつている。

ロックナット 30の底に当たる主面部 302には、 2つの孔が互いに連通するように穿孔されてなるダルマ孔 3020が形成されている（詳しくは図 2を参照）。当該 2つの孔のうち、一方の孔は遊揷孔 3021であり、主面部 302の中央力ずれた位置に穿孔されている。 2つの孔のうち他方は係合孔 3022であり、主面部 302の中央の位置に穿孔されている。遊揷孔 3021は、プレフィルドシリンジ 1のルアー部 120全体が遊揷できるように、少なくともルアー先端部 122より大きヽ径に設定されて、るが、係合孔 2022はルアー部 120の段差部 123に係合可能で、且つロックナット 30がルアー部 120に対して回転できるように、ルアー先端部 122の径よりやや小さく形成されている。遊揷孔 3021および係合孔 3022の間には通路 303が形成され、係合孔 3022の直径よりさらに小さい径の部分を形成している。通路 303の幅は、ルアー根元部 121に対して一定以上の力が加わったときだけ、ルアー部 120が通路 303側へ移動できるように、ルアー根元部 121の径よりもさらに若干小さく設定されている。

[0043] 1-3.シリンジとロックナットの係合につ!、て

図 2は、ロックナットの装着方法および装着後の様子を示す図である。このうち図 2 (a )は装着方法、図 2 (b)は装着後の様子をそれぞれ示す図である。

上記構成を有するロックナット 30によれば、使用時には図 2 (a)に示すように、第一ステツプとして、ユーザがまずプレフィルドシリンジ 1のルアー部 120を軸方向に沿って、遊揷孔 3021に挿通させる（図 2 (a)では A方向に (軸方向）に沿って挿通させる様子を示している）。このとき、当該遊揷孔 3021はルアー部 120のルアー先端部 122に対して十分大き、径を有して、るので、ロックナット 30に対してスムーズにルアー部 120を揷通させることが可會である。

[0044] そして第二ステップとして、ユーザは遊揷孔 3021に対してルアー部 120をルアー根元部 121までしつかりと挿通させた後、ルアー根元部 121側面を通路 303を介して遊挿孔 3021の壁面に接触させ、ルアー部 120を係合孔 3022へ移動させる（図 2 (a)では B 方向に向力つて移動させる様子を示している)。このとき、ルアー根元部 121は通路 303の間隙を無理ばめ状態で押し切りながら移動し、段差部 123が径の小さい係合孔 3022に移動して嵌着し、係合される。係合孔 3022の直径は段差部 123の径に合わせられており、当該係合孔 3022と遊揷孔 3021との間には通路 303が存在するので、図 2 (b)に示すように、ルアー部 120の段差部 123は係合孔 3022の周囲と当接し、軸方向に確実に係合されることとなる。

[0045] 一方、上記ダルマ孔 3020を備えるロックナット 30では、いったんシリンジ本体 10と係合したのちも、次のように両者を脱離させることができる。すなわち、ユーザがルアー部 120に多少の力をカ卩えながら、当該ルアー部 120を係合孔 3021から遊揷孔 3022側へ移動させれば、容易にプレフィルドシリンジ 1とロックナット 30とを分離することが可能である。この操作は可逆的に簡単に (例えば片手でも）行えるので、これによつて容易に、ロックナット 30必要時のみにプレフィルドシリンジ 1に装着し、不必要なときにはロックナット 30を取り外してプレフィルドシリンジ 1を使用することができる。

[0046] ここで図 3は、ロックナット 30を使用して、プレフィルドシリンジ 1を輸液ラインシステムの固定接続型ポート 50側と接続した状態を表す断面図である。ロックナット 30の雌ネジ 3010は、ポート 50側の雄ネジ 5010と螺合し、これによつてプレフィルドシリンジ 1のルァ一部 120のルアー先端部 122は、ポート 50内部に設けられたパッキン 52を密に接触し、これを押圧しながら輸液ライン中に挿入される。このとき、ロックナット 30では、係合孔 3022周辺部分がルアー部 120の段差部 123を押圧した状態でしつ力りと係合されており、例え若干の引っ張り力がプレフィルドシリンジ 1に及んでも、当該プレフィルドシリンジ 1が軸方向に沿ってポート 50から外れることはない。したがって、ユーザは安心してプランジャ 40をシリンジ本体 10内部に適宜押し込み、必要量の薬剤 100をポート 50内部に投与することができる。

[0047] 一方図 4は、プレフィルドシリンジ 1からロックナット 30を外して、プレフィルドシリンジ 1 を輸液ラインシステムの直接接続型ポート 500側と接続した状態を表す断面図である。このように本実施の形態 1では、ロックナット 30が外されていることから、プレフィルドシリンジ 1のルアー先端部 122がロックナット 30に邪魔されることなぐポート 500内部のパッキン 52に正しく且つ密にホールドされ、良好なプレフィルドシリンジ 1とポート 500 の接続が実現されている。

[0048] また図 5は、プレフィルドシリンジ 1からロックナット 30を外し、ルアー先端部 122に針基 60を装着した状態を示す断面図である。針基 60はルアー先端部 122の形状に合わせて形成された榭脂部材カゝらなるソケット部 61が、いわゆる注射針として針管 62を保持した構成を有するものである。図 43に示すように、ロックナットがセットされたまま外すことのできな、従来構成のプレフィルドシリンジでは、ロックナットが邪魔してユーザがルアー部と針基の位置を確認するのが困難であり、誤穿刺によりユーザが感染菌に触れる危険性があった。またロックナットがあるために針基をルアー部の奥までしつ力り装着しにくいという問題があった力本実施の形態 1では、前記ダルマ孔 3020によって容易にロックナット 30をプレフィルドシリンジ 1から外せるので、このような従来の問題を根本的に解決することができる。

[0049] <その他の実施の形態について >

実施の形態 1のダルマ孔は、円形の遊揷孔および係合孔が、通路を介して互いに連通するパターン形状としたが、本発明は他にも以下に示す実施の形態とすることができる。

2.実施の形態 2

図 6に示す実施の形態 2のロックナット 30Aにおけるダルマ孔 3020aでは、遊揷孔 3021aと係合孔 3022aが互いに重なっており、この各孔の周縁の重なり部分が通路 323aを形成している。

[0050] 本発明ではこのようなパターン形状を有するダルマ孔 3020aであっても、実施の形態 1と同等の効果が奏される。これに加えて、実施の形態 2の通路 303aは遊揷孔 3021aと係合孔 3022aの重なる部分であるため、実施の形態 1に比べてやや鋭利であり、この形状によって確実にルアー部 120を係合孔 3022aで係合することができる。

3.実施の形態 3

図 7に示す実施の形態 3のロックナット 30Bにおけるダルマ孔 3020bは、 2つの遊揷孔 3021bA、 3021bBの間に、係合孔 3022bが形成されたものである。遊揷孔 3021bA、 3021bB、係合孔 3022bは、互いの孔の円が重なった形状としている力互いの孔の間は通路で連通するようにしてもよい。また遊揷孔 3021bA、 3021bBの大きさや形状は、互いに同様にする必要はないが、少なくともルアー部 120の段差部 123が遊挿できるサイズにする必要がある。

[0051] このような構成を有するダルマ孔 3020bによれば、使用時にはルアー部 120を係合孔 3022bから 2つの遊揷孔 3021bA、 3021bBのどちらへも移動させることができるので、簡単にロックナット 30の脱着が行え、ユーザの操作上の負担を軽減することができる。特に、ユーザがプレフィルドシリンジ 1を用いた治療方法に基づき、プレフィルドシリンジ 1とロックナット 30とを片手で操作することが要求されるような医療現場において、本実施の形態 3は非常に高い利便性を発揮できるといった効果が望める。

4.実施の形態 4 図 8に示す実施の形態 4のロックナット 30Cにおけるダルマ孔 3020cでは、円形の係合孔 3022cが、通路 3023cを介して、矩形状の遊揷孔 3021cと連通したパターン形状となっている。

[0052] このような構成によっても、実施の形態 1のロックナット 30と同様の効果が奏される。

また、遊揷孔 3021cと係合孔 3022cの形状が明らかに違うので、ユーザはこれらの孔を間違えることなく容易に認識 ·区別し、正しくロックナット 30cを使用できるといったメリツ卜ちある。

5.実施の形態 5

図 9に示す実施の形態 5のロックナット 30Dにおけるダルマ孔 3020dでは、円形の係合孔 3022cが、通路 3023cを介して、六角形 (ハ-カム形状）の遊揷孔 3021dと連通したパターン形状となって、る。

[0053] このような構成によっても、実施の形態 1のロックナット 30と同様の効果が奏される。

また実施の形態 4と同様に、遊揷孔 3021dと係合孔 3022dの形状が明らかに違うので、ユーザはこれらの孔を間違えることなく容易に認識 ·区別し、正しくロックナット 30dを使用できるといった効果も奏される。

く実施の形態 1から 5に関するその他の事項について >

本発明のプレフィルドシリンジ 1は、ロックナット 30を外したのち針基 60を装着する例について説明したが、発明はこれに限定せず、針基の他にパイプ状のルアーゃチューブなどを用いてもょ、。針基を装着したプレフィルドシリンジ 1では誤穿刺防止のため、針基および針管の上力これらを覆い保護するように、キャップ等を取り付けると効果的である。このキャップは、バイアル瓶に用いられるキャップと同様のものを用いることがでさる。

[0054] 上記各実施の形態では、雌ネジが螺刻された接続具 (ロックナット）の構成例を開示したが、本発明はこの構成に限定するものではなぐ断続的なネジ切り構造、カツプジョイント構造等、その他の構造で適宜ラインシステムのポート側と接続するようにしてちよい。

また、本発明で用いるシリンジのルアー部は、円形断面形状のものに限らず、例えばルアー先端部およびルアー根元部の一方あるいはその両方が、矩形断面形状、楕円断面形状、三角断面形状のものであってもよい。ただし、ロックナットの係合孔でルアー部を確実に係合できるように、ルアー部の段差部における断面形状に合わせて、係合孔の形状を適宜設定するのが望ましい。

6.実施の形態 6

6- 1.プレフィルドシリンジの全体構成

図 10は、実施の形態 1におけるプレフィルドシリンジと接続具 (ロックナット）の構成を示す断面図である。なお、ここではプレフィルドシリンジとロックナットを組み合わせる構成とした力本発明はプレフィルドシリンジ以外のシリンジに適用してもよい。ここでは説明上、プランジャ 40は断面形状ではなぐ通常の側面構成を示している。

[0055] 当図に示されるプレフィルドシリンジ 1の構成は、大きく分けてシリンジ本体 10、針基 20、プランジャ（押し子またはピストンとも称する) 40等力もなる。

シリンジ本体 10はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビュル等の耐薬性に優れる材料を射出成形してなる筒状体である。その先端側は天面部 110 で封口されており、当該天面部 110の中央部に、先細りのテーパー状に絞り加工されてなるルアー部 120が突設されている。ルアー部 120は ISO6/100に準じたテーパーが形成されており、一般的な針基 20が容易に装着される。図 10中、ルアー部 120先端にはキャップ 20が装着されている。ここで、本発明のプレフィルドシリンジ 1の特徴として、ルアー部 120寄りのシリンジ本体 10外周面を取り囲むように、凸部 101、 102および凹部 103が併設されている。これは後述のロックナット 30と係合するためのものである

[0056] 一方、シリンジ本体 10の後端側には開口部 12が形成されている。

以下、シリンジ本体 10の長手方向に沿った方向を「軸方向」、当該軸方向に対して垂直な方向を「径方向」という。

プランジャ 40は、シリンジ本体 10と同様に耐薬性に優れる榭脂材料カゝらなり、補強目的に十字断面形状を持つプランジャ本体 42の両端に、径方向に主面を有する円盤状の端部が形成された構造を持つ。前記端部の一方はユーザが指で押圧するための押圧端部 41であって、他方の端部はシリンジ本体 10内部に軸方向に挿入されるヘッド部 43である。 [0057] ヘッド部 43の先端にはパッキン 44が配設されており、このパッキン 44がシリンジ本体 10の内壁と密に接触するようになっている。ここで、ノッキン 44および前記キャップ 20 によって内部封止されたシリンジ本体 10内部には、薬剤 100が貯留されている。このような構成のプレフィルドシリンジでは、使用時にユーザは前記キャップ 20をはずし、薬剤 100を吐出できる状態にする。そしてユーザがプランジャ 40の押圧端部を指でシリンジ側へ押し込むことによって、その押し込み量に応じてルアー部 120先端力も薬剤 100が吐出される。

[0058] 6- 2.ロックナットの構成について

本実施の形態 6のプレフィルドシリンジ 1には、図 10に示すように、その特徴としてルァ一部 120に容易に脱着可能な接続具であるロックナット 30が装着されている。当該ロックナット 30は、医療現場において、プレフィルドシリンジ 10を輸液ラインシステムまたは採血ラインシステム中の固定接続型ポートに接続するため等の接続具として用いられるちのである。

[0059] ロックナット 30は、機械的強度に優れる榭脂材料を射出成形してなる有底筒体であつて、筒部に相当する側面部 301の内面には、 IS0594-2に準じた規格の雌ネジ 3010 が螺刻されて、る。この雌ネジ 3010は後述する雄ネジ 5010と螺合するようになって!/ヽる。

ロックナット 30の内部には、ルアー部 120がほとんど隙間なく挿通できる程度の大きさの穿孔部を中心に有するリブ 3020が形成され、ロックナット内部の空間をシリンジ側と区画する隔壁構造をなしている。一方、ロックナット 30の外側では、シリンジ本体 10 に向力つて軸方向に平行に 2本の板状アーム 31、 32が T字状の支点より延長して形成されている。このアーム 31、 32の先端の内側は三角断面形状を有する爪形の突起 310、 320が形成されている。当該突起 310、 320の形状は、前記シリンジ本体 10の凹部 103と相補的な形状に設定されたものである。

[0060] 6- 3.シリンジとロックナットの脱着について

図 11は、ロックナットの係合方法および係合後の様子を示す図である。上記構成を有するロックナット 30によれば、使用時には図 11に示すように、第一ステツプとして、ユーザがまずルアー部 120にロックナット 30を揷通させる（このときロックナット内部でリブ 3020中央にルアー部 120を揷通させる）。このときユーザはリブ 3020 がルアー部 120の根元までしつ力り揷通させるように確認する。

[0061] そして第二ステップとして、ユーザはロックナット 30から延長されたアーム 31、 32を用い、アーム 31、 32の内側に配された突起 310、 320をシリンジ本体 10の凹部 103に弾性接触させて相補的に嵌合させ、係合させる。突起 310、 320の形状は凸部 101、 102および凹部 103に合わせて形成されているので、上記係合によりロックナット 30はシリンジ本体 10側に確実に保持される。

[0062] ここで図 12は、ロックナット 30を使用して、プレフィルドシリンジ 1を輸液ラインシステムの固定接続型ポート 50側と接続した状態を表す断面図である。ロックナット 30の雌ネジ 3010は、ポート 50側の雄ネジ 5010と螺合し、これによつてプレフィルドシリンジ 1のルアー部 120先端は、ポート 50内部に設けられたパッキン 52を密に押圧しながら輸液ライン中に挿入される。このとき、シリンジ本体 10は凸部 101、 102、凹部 103および突起 310、 320によりロックナット 30としつ力り固定されており、ルアー部 120はロックナット内部のリブ 3020により姿勢を支持されているので、使用中にプレフィルドシリンジ 1が外れることはない。したがって、ユーザは安心してプランジャ 40を適宜押し込み、必要量の薬剤 100を投与することができる。

[0063] 一方、本実施の形態 6のロックナット 30は、一度シリンジ本体 10と係合させた後も、次のように所定の操作を行うことで容易にシリンジ側力も外すことが可能である。この操作は可逆的に簡単に（例えば片手でも）行えるので、これによつて、ロックナット 30 必要時のみに、これをプレフィルドシリンジ 1に係合し、不必要なときにはロックナット

30を取り外してプレフィルドシリンジ 1を使用することができる。

[0064] ロックナット 30を外す具体的な方法 (上記所定の操作）としては、図 13のシリンジおよびロックナット断面図に示すように、ユーザがアーム ₃₁、 32のシリンジ先端側を押圧して、当該アーム 31、 32の中央を力点とし突起 310、 320と凸部 101の当接部分を支点として「てこの原理」で相互作用させ、突起 310、 320が配設されたアーム 31、 32先端をシリンジ本体 10側より反らせるように操作する（つまりロックナット 30に対して、シリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加える）。こうすれば、突起 310、 320が少なくとも凸部 102、凹部 103に対して離間し、フリー状態となるので、この状態で軽い力によりロックナット 30をシリンジ側から引き抜くことができる。なお、前記アーム 31、 32の中央を押圧しなくても、突起 310、 320が配設されたアーム 31、 32先端を外側へ指等で広げる操作を行うことによつても、ロックナット 30をシリンジ本体 10側から容易に脱離させることができる。

[0065] なお、ロックナット 30に対して、 T字状の支点を設けながらアーム 31、 32を配設すれば、アーム 31、 32後端を押圧してアーム 31、 32先端を広げることができ、簡単にロックナット 30をシリンジ本体 10力も脱離できるので望ましい。

ここで図 14は、上記の方法でプレフィルドシリンジ 1からロックナット 30を外して、プレフィルドシリンジ 1を輸液ラインシステムの直接接続型ポート 500側と接続した状態を表す断面図である。このように本実施の形態 6では、ロックナット 30が外されていることから、プレフィルドシリンジ 1のルアー部 120がロックナット 30に邪魔されることなぐポート 500内部のパッキン 52に正しく且つ密にホールドされ、良好なプレフィルドシリンジ 1とポート 500の接続が実現されて!、る。

[0066] また図 15は、プレフィルドシリンジ 1からロックナット 30を外し、ルアー部 120に針基 70 を装着した状態を示す断面図である。針基 70はルアー部 120の形状に合わせて形成された榭脂部材カもなるソケット部 71が、いわゆる注射針として針管 72を保持した構成を有するものである。図 43に示すように、ロックナットがセットされたまま外すことのできな、従来構成のプレフィルドシリンジでは、ロックナットが邪魔してユーザがルァ一部と針基の位置を確認するのが困難であり、誤穿刺によりユーザが感染菌に触れる危険性があった。またロックナットがあるために針基をルアー部の奥までしつ力り装着しにくいという問題があった力本実施の形態 6では、ユーザが軽く前記アーム 31、 32を操作することによって、容易にロックナット 30をプレフィルドシリンジ 1から外せるので、このような従来の問題を根本的に解決することができる。

[0067] <その他の実施の形態について >

実施の形態 6のロックナット 30のアーム 31、 32は、その先端にそれぞれ三角断面形状を持つ突起 310、 320を 1つずつ形成し、これに対してシリンジ本体 10の凸部 101、 102、凹部 103が嵌合する構成としたが、本発明は他にも以下に示す実施の形態とすることがでさる。 7.実施の形態 7

図 16に示す実施の形態 7では、ロックナット 30の構成は実施の形態 1とほぼ同様であるが、シリンジ本体 10の構成が若干異なる。本実施の形態 2では、シリンジ本体 10 の外周面に沿って、スパイラルな凸部力なる雄ネジ部 104が形成されている点に特徴を有している。

[0068] 本発明ではこのような雄ネジ部 104を有するシリンジ本体 10を使用しても、実施の形態 6と同等の効果が奏される。これに加えて、ロックナット 30の雄ネジ部 104への螺合程度 (締め込み具合)を調節することで、シリンジ本体 10とロックナット 30の位置関係を若干調節することが可能であり、例えば通常より長さが短いルアー部 120に対応する固定接続型ポートに対しても良好に接続を行うことができる。

8.実施の形態 8

図 17に示す実施の形態 8では、ロックナット 30の構成は実施の形態 6とほぼ同様であるが、シリンジ本体 10の構成が若干異なる。本実施の形態 8では、シリンジ本体 10 の外周面より陥没させてなる凹部 105が形成されている点に特徴を有している。

[0069] 本実施の形態 8では、このような雄ネジ部 104を有するシリンジ本体 10を使用しても、実施の形態 6と同等の効果が奏される。また、本実施の形態 8では、シリンジ本体 10 が凸部 101、 102がないスムーズな表面に形成されているため、例えばユーザ操作時にシリンジ本体 10の凸部 101、 102が衣服に引っ掛かるといった問題の発生を回避することが可能である。なお、本実施の形態 8では、当然ながら凹部 105を形成できるだけのシリンジ本体 10の材料厚みを考慮する必要がある。

9.実施の形態 9

図 18に示す実施の形態 9では、シリンジ本体 10の構成は実施の形態 6とほぼ同様であるが、ロックナット 35の構成が若干異なる。本実施の形態 9では、ロックナット 35のアーム 36、 37の先端内側に、複数の突起 351、 352を一定間隔ごとに形成している点に特徴を有している。

[0070] 本実施の形態 9では、このような雄ネジ部 104を有するシリンジ本体 10を使用しても、実施の形態 6と同等の効果が奏される。特に本実施の形態 9では、複数の突起 351 、 352がシリンジ本体 10側と嵌合するので、より確実に両者の固定を行うことが可能である。

く実施の形態 6から 9に関するその他の事項について〉

[0071] 上記各実施の形態では、雌ネジが螺刻されたロックナットの構成例を開示したが、本発明はこの構成に限定するものではなぐ断続的なネジ切り構造、カップジョイント構造等、その他の構造でラインシステムのポート側と接続するようにしてもよい。また、上記各実施の形態では、ロックナットのアームを 2本設ける構成例を示したが、本発明のアームの本数はこれ以外であってもよい。また、前記アームを設ける代わりに、ロックナットの円周側面を軸方向に延長させて筒状の延長部を形成し、この延長部の内部に突起を設けるようにしてもよい。この場合、ロックナット側の弾性変形を考慮すると、ロックナットとシリンジとは嵌合よりも螺合により係合する構造とするのが望ましい。

[0072] また、本発明で用いるシリンジのルアー部は、円形断面形状を持つものに限らず、例えば矩形断面形状、楕円断面形状、三角断面形状のものであってもよい。ただしその場合、ルアー部の形状に合うポートおよび針基を選ぶ必要がある。

また、本発明では、ルアー部根元の天面部外周から複数のアームを延長して設け、当該アームとロックナット外周に設けた凸部とを係合させる構成としてもよい。この場合、シリンジ本体に軸方向とは異なる外力をカ卩えることにより、各アームをロックナット力ら離間させるよう〖こする。

10.実施の形態 10

10- 1.プレフィルドシリンジの全体構成

図 19は、実施の形態 10におけるプレフィルドシリンジと接続具 (ロックナット）の構成を示す断面図である。ここでは説明上、プランジャ 40は断面形状ではなぐ通常の側面構成を示している。

[0073] 図 19に示されるプレフィルドシリンジ 1の構成は、大きく分けてシリンジ本体 10、針基 20、プランジャ（押し子またはピストンとも称する) 40等力もなる。

[0074] 一方、シリンジ本体 10の後端側には開口部 12が形成されている。ルアー部 120は基本的に先細りのテーパー状に絞り加工されている力当該テーパー形状の途中で段差部 123が設けられており、これによつて径の細いルアー根元部 121と、ルアー部 120 先端側に位置する径の太、ルアー先端部 122が形成されて、る。

段差部 123には後述の固定具 20が嵌着される。また、ルアー先端部 122は ISO6/100に準じたテーパーが形成されており、一般的な針基 20が容易に装着される。図 19中、ルアー部 120先端にはキャップ 15が装着されている。

[0075] 以下、シリンジ本体 10の長手方向に沿った方向を「軸方向」、当該軸方向に対して垂直な方向を「径方向」という。

[0076] ヘッド部 43の先端にはパッキン 44が配設されており、このパッキン 44がシリンジ本体 10の内壁と密に接触するようになっている。ここで、ノッキン 44および前記キャップ 20 によって内部封止されたシリンジ本体 10内部には、薬剤 100が貯留されている。このような構成のプレフィルドシリンジでは、使用時にユーザは前記キャップ 20をはずし、薬剤 100を吐出できる状態にする。そしてユーザがプランジャ 40の押圧端部を指でシリンジ側へ押し込むことによって、その押し込み量に応じてルアー部 120先端力も薬剤 100が吐出される。

[0077] 10-2.固定具およびロックナットの構成本実施の形態 10のプレフィルドシリンジ 1では、その特徴として、シリンジ本体 10側に対して容易に脱着可能な接続具であるロックナット 30が、ルアー部 120の軸方向に沿って挿通され、段差部 123に配された固定具 20と係合するように装着されている。当該ロックナット 30は、医療現場において、プレフィルドシリンジ 10を輸液ラインシステムまたは採血ラインシステム中の固定接続型ポートに接続するため等の接続具として用いられるものである。なお、ここではプレフィルドシリンジ 1とロックナット 30を組み合わせる構成を示している力本発明はプレフィルドシリンジ以外のシリンジに適用してちょい。

[0078] 固定具 20は、機械的強度および適度な弾性力を持つ榭脂材料を射出成形してなるものであって、図 20の組図に示すように、揷通孔 202を有する板状の固定具本体 201と、固定具本体 201の周面より一方向に延長された 2本の板状アーム 205、 206と、同じく固定具本体 201の周面より、前記一方向とは逆方向に延長された 2本の板状のレバー 203、 204を有する。

固定具本体 201の揷通孔 202は、ルアー部 120のルアー先端部 122より若干小さぐルアー根元部 12はり大きい径を有している。そして、この揷通孔 202を利用して固定具 20をルアー部 120に対してルアー根元部 121の位置まで無理ばめすることにより、段差部 123と前記揷通孔 202周辺が当接し、固定具 20がルアー部 120から簡単に外れないように保持される。この段差部 123での「無理ばめ」による固定具本体 201の保持を良好にするために、揷通孔 202はルアー根元部 121が最低限通る径で、出来るだけ小さいサイズが望ましい。また、固定具本体 201の材質による弾力性によっても前記「無理ばめ」が可能なサイズが変化するので、揷通孔設計時はルアー根元部 121のサイズと固定具 20の材質特性を考慮に入れることが望まし、。

[0079] 前記 2本のアーム 205、 206は、シリンジ軸方向に沿って延長されており、各アーム 205、 206の先端内側には、三角断面形状を持つ突起 2050、 2060が形成されている。なお当該突起 2050、 2060の断面形状は例えば矩形状、半円状等、他の形状であつてもよい。

一方、前記 2本のレバー 203、 204とアーム 205、 206とは、固定具本体 201周辺部分を起点として、シリンジ軸方向から互いにハの字型に反れるように揺動可能に形成されている。図 20に示すようにレバー 203、 204は、固定具 201における起点で前記 2本のアーム 205、 206と対称的に形成されており、これによつてレバー 203、 204を押圧すると、アーム 205、 206が軸方向から開くようになつている。この機構は、以下のロックナット 30を脱着するためのものである。なお、前記揷通孔 202の設計および前記揺動を良好に行うために、固定具 20には適度な弾力性を有する部材 (ポリプロピレン等）を使用することが望ましい。

[0080] ロックナット 30は、機械的強度に優れる榭脂材料を射出成形してなる有底筒体であつて、筒部に相当する側面部（外周面) 301の内面には、例えば IS0594-2に準じた規格の雌ネジ 3010が螺刻されて!、る。この雌ネジ 3010は後述する雄ネジと螺合するようになっている。

ロックナット 30の底に当たる主面部 302には、揷通孔 305が設けられている。揷通孔 305は、プレフィルドシリンジ 1のルアー部 120全体が遊揷できるように、少なくともルァ一先端部 122より大きい径に設定されている。ロックナットの側面部 301には、凹部 303 、 304が形成されている。この凹部 303、 304は、一例として矩形状の断面形状を有しており、前記固定具 20のアーム 205、 206に設けられた突起 2050、 2060と係合できる位置およびサイズで設定されて、る。

[0081] 10- 3.シリンジとロックナットの係合について

ここでは本実施の形態 10の特徴として、固定具 20を介したシリンジ本体 10とロックナット 30との係合について、図 20の組図を用いて説明する。なお、図 20中では固定具 20をルアー部 120に装着する動作を表している力これはシリンジ本体 10に初めて固定具 20を装着するときの様子を示すものであって、本発明では一度ルアー部 120と固定具 20を装着すれば、以後これを再び外す必要はな!/、。

[0082] 以上の構成を有するロックナット 30と、ルアー部 120のルアー根元部 121と嵌合し段差部 123において保持された固定具 20によれば、図 22に示すように、第一ステップとして、ユーザがまず固定具 20のレバー 203、 204を指で挟むようにして押圧し、アーム 205、 206先端を軸方向から開けさせる。この状態で、プレフィルドシリンジ 1の固定具 20が装着されたルアー部 120のルアー先端部 122を軸方向に沿って、揷通孔 305に挿通させる。このとき、当該揷通孔 305はルアー部 120のルアー先端部 122に対して十分大き、径を有して、るので、ロックナット 30に対してスムーズにルアー部 120を揷通させることが可能である。なお、揷通孔 305は多少ルアー先端部 122と摺動するサイズに設定しておき、簡単にルアー先端部 122より脱離しないような工夫を施してもよい。

[0083] その後第二ステップとして、ユーザはロックナット 30を十分ルアー部 120側に揷通させたのち、ロックナット側面部 301に設けられた凹部 303、 304と固定具 20の突起 2050 、 2060との相互位置を確認してレバー 203、 204の押圧を解放する。これによりアーム 205、 206の突起 2050、 2060がロックナット 30側の凹部 303、 304と係合するので、当該ロックナット 30が固定具 20を介してシリンジ本体 10側に良好に保持されることとなる。

[0084] 一方、固定具 20とロックナット 30は、、つたん互いに係合のちも両者を次の所定の操作 (固定具 20に対して、シリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加える）を行うことで、再び脱離させることができる。すなわち、ユーザが固定具 20をホールドしながら、レバー 203、 204を押圧すれば、いわゆる「てこの原理」によってアーム 205、 206の突起 2050、 2060がロックナット 30側の凹部 303、 304に対して解放状態となるので、この状態でロックナット 30を軸方向に沿って引き抜くことができる。この操作は可逆的に簡単に（例えば片手でも）行えるので、これによつて容易に、ロックナット 30必要時のみに、これをプレフィルドシリンジ 1に装着し、不必要なときにはロックナット 30を取り外してプレフィルドシリンジ 1を使用することができる。

[0085] ここで図 21は、ロックナット 30を使用して、プレフィルドシリンジ 1を輸液ラインシステムの固定接続型ポート 50側と接続した状態を表す断面図である。当図 21に示すロックナット 30の雌ネジ 3010は、ポート 50側の雄ネジと螺合状態にあり、これによつてプレフィルドシリンジ 1のルアー部 120のルアー先端部 122は、ポート 50内部に設けられたノッキン 52と密に接触しており、輸液ライン中に挿入されている。ロックナット 30は、ァーム 205、 206の突起 2050、 2060およびロックナット 30側の凹部 303、 304においてしつ力りとシリンジ側と係合されており、例え若干の弓 Iつ張り力がプレフィルドシリンジ 1に及んでも、当該プレフィルドシリンジ 1が軸方向に沿ってポート 50から外れることはない。したがって、ユーザは長期にわたってプレフィルドシリンジ 1をポート 50に接続させておき、安心してプランジャ 40をシリンジ本体 10内部に適宜押し込み、必要量の薬剤 100をポート 50内部に投与することができる。 [0086] 一方図 23は、プレフィルドシリンジ 1からロックナット 30を外して、プレフィルドシリンジ 1を輸液ラインシステムの直接接続型ポート 500側と接続した状態を表す断面図である。このようにロックナット 30が外された状態では、ルアー先端部 122の周囲は解放されるので、当該ルアー先端部 122がロックナット 30に邪魔されることなくポート 500内部のパッキン 52に正しく且つ密にホールドされ、良好なプレフィルドシリンジ 1とポート 500の接続を実現することができる。したがって、このような直接接続型ポート 500においても、ユーザは長期にわたつてプレフィルドシリンジ 1をポート 500に接続させておき、安心してプランジャ 40をシリンジ本体 10内部に適宜押し込み、必要量の薬剤 100をポート 500内部に投与することができる。

[0087] また図 24は、プレフィルドシリンジ 1からロックナット 30を外し、ルアー先端部 122に針基 60を装着した状態を示す断面図である。針基 60はルアー先端部 122の形状に合わせて形成された榭脂部材カゝらなるソケット部 61が、いわゆる注射針として針管 62を保持した構成を有するものである。図 43に示すように、ロックナットがセットされたまま外すことのできな、従来構成のプレフィルドシリンジでは、ロックナットが邪魔してユーザがルアー部と針基の位置を目視確認するのが困難であり、誤穿刺によりユーザが感染菌に触れる危険性があつたが、本実施の形態 1では、固定具 20からハの字形に延長されたレバー 205、 206の間力容易にルアー部周辺の位置関係を目視確認できるので、このような従来の問題を根本的に解決することができる。

[0088] <その他の実施の形態について >

実施の形態 10では、アーム 205、 206と凹部 303、 304によって、ロックナット 30をシリンジ側に装着する構成例を示したが、本発明は他にも以下に示す実施の形態で実施することができる。

11.実施の形態 11

図 25に示す実施の形態 11の構成例では、まずロックナット 30Aの側面部 301Aに、その周面に沿って、スリット状の凹部 303A、 304Bが形成されている。これに対して固定具 20Aには、実施の形態 10のレバー 203、 204と同様のレバー 203A、 204Aが設けられているとともに、半円弧断面形状を持つアーム 205A、 206Aが配設されている。当該アーム 205A、 206Aは、固定具本体 201A力も延長して設けられており、その起点付近にスリット 207が入れられている。このスリット 207によって、ユーザがレバー 203A、 204Aを押圧すれば、アーム 205A、 206Aが互いにハの字に開くようになつている。ァーム 205A、 206Aの先端内側には、スリット状の凹部 303A、 304Bの形状に合わせて突起 2050A、 2060Aが形成されている。

[0089] 本実施の形態 11ではこのような構成を有する固定具 20およびロックナット 30であつても、実施の形態 10と同等の効果が奏される。これにカ卩えて実施の形態 11では、ァーム 205A、 206Aがロックナット 30Aを包み込むようにホールドする構成であるため、がたつきを抑制してより確実にロックナット 30Aを装着することができる。さらに本実施の形態 11では、使用中においてロックナット 30Aに径方向に回転力が及んだとしても、スリット状の凹部 303A、 304Bおよび突起 2050A、 2060Aの係合によりロックナット 30Aの回転が良好に防止され、安定した係合を維持することが可能である。

12.実施の形態 12

図 26に示す実施の形態 12の構成例では、ロックナット 30Bの側面部 301Bに、その周面に沿って、螺旋状に雌ネジ部 303Bが形成されている。これに対して固定具 20B には、実施の形態 1のレバー 203、 204と同様のレバー 203B、 204Bが設けられているとともに、複数の突起からなる雄ネジ部 2050B、 2060Bを持つアーム 205B、 206Bが形成されている。前記雌ネジ部 303Bと雄ネジ部 2050B、 2060Bとは互いに螺合可能なサイズに形成されたものである。アーム 205A、 206Aは、固定具本体 201Bから延長して設けられており、ユーザがレバー 203B、 204Bを押圧すれば、アーム 205B、 206Bが互いにハの字に開くようになつている。操作時には、ユーザがレバー _203B、 204Bを押圧し

、雄ネジ部 2050B、 2060Bを開いてロックナット 30Bの外周面に設けられた雌ネジ部 303Bに接触させる。その後、固定具 20Bまたはロックナット 30Bを相対的に回転させること〖こより、前記雄ネジ部 2050B、 2060Bおよび雌ネジ部 303Bを互いに螺合させる。

[0090] 本実施の形態 12ではこのような構成を有する固定具 20およびロックナット 30Bであつても、実施の形態 10と同等の効果が奏される。これにカ卩えて実施の形態 12では、雄ネジ部 2050B、 2060Bと雌ネジ部 303Bの螺合の締め付け具合（ロック強度）を調節することで、ガタツキや不要な固定具 20またはロックナット 30Bの回転を抑制して確実にロックナット 30Bを装着することができる。これによつて実施の形態 11とほぼ同様に、使用中においてロックナット 30Bに径方向に不要な回転力が及んだとしても、前記螺合によりロックナット 30Bの回転が良好に防止され、安定した係合を維持できるといつた効果が奏される。

[0091] く実施の形態 10から 12に関するその他の事項について〉

前述のプレフィルドシリンジ 1は、ロックナット 30を外したのち針基 60を装着する例について説明したが、発明はこれに限定せず、針基の他にパイプ状のルアーやチューブなどを用いてもょ、。針基を装着したプレフィルドシリンジ 1では誤穿刺防止のため、針基および針管の上力これらを覆い保護するように、キャップ等を取り付けると効果的である。このキャップは、バイアル瓶に用いられるキャップと同様のものを用いることができる。

[0092] また、本発明で用いるシリンジのルアー部は、円形断面形状のものに限らず、例えばルアー先端部およびルアー根元部の一方あるいはその両方が、矩形断面形状、楕円断面形状、三角断面形状のものであってもよい。要するに、ルアー先端部側の径がルアー根元部側の径より広がっている構成とする必要がある。

13.実施の形態 13

13- 1.コネクタ 1の構成

以下、実施の形態 13に係る接続具であるコネクタ 1Jの構成について、図 27を用いて説明する。

[0093] コネクタ 1Jは、後述のシリンジ 5Jをポート 61Jに対し拘止するものであり（図 29参照。

)、図 27 (a)に示すように、本体部としてのコネクタ本体 10Jと、コネクタ本体 10Jの形状を拘束する拘束部としてのロックナット 20Jとから構成されている。図 27 (a)におけるコネクタ 1Jでは、コネクタ本体 10Jがロックナット 20Jからの拘束作用を受けていない状態を示している。

[0094] コネクタ 1Jを構成する要素の内、コネクタ本体 10Jは、略有底円筒形状を有し、ポート接続部 11Jとシリンジ接続部 12Jとが一体形成され構成されている。ポート接続部 11Jは、略有底円筒状をしたコネクタ本体 10Jの開口側の部分にあり、筒内壁には、器具との接続のための雄ネジ 11aが形成されている。また、筒外壁には、ストレート目のローレット加工が施されており、器具へのコネクタ 1Jの接続操作時に滑り難くなつている。

[0095] コネクタ本体 10Jにおけるシリンジ接続部 12Jは、筒の底面およびその近傍の側壁部分に設けられており、スリット 13Jによって筒底が上底部材 121Jと下底部材 122Jというように、図中の y方向の上下に二分されている。二分された底部材 121J、 122Jは、ロックナット 20J力コネクタ本体部 10Jへの拘束力に応じてその間のスリット 13Jが開閉されるように構成されている。シリンジ接続部 12Jにおける筒外壁には、スリット 1 3Jを跨、で一続きとなる雌ネジ 12aが形成されて、る。

[0096] 図 27 (b)に示すように、スリット 13Jによって y方向の上下に二分された上下底部材 121J、 122Jは、各々が花弁状の形状を有する部材であり、ロックナット 20J力もの拘束作用を受けて、な、ときには図の y方向に開き勝手となって!、る。そして各々の底部材 121J、 122Jには、半円状の切り欠き 121h、 122hが形成されている。切り欠き 1 21h、 122hにおける弦に当たる部分は、スリット 13Jを臨む縁辺の延長線にあたる。図 27 (b)の状態では、切り欠き 121hと切り欠き 122hとは、間に間隙を挟んで対向しており、長円を形成している。ここで、切り欠き 121hの縁辺と切り欠き 122hの縁辺との内接円 12hを仮定するとき、この内接円 12hの直径は、 φ DOである。

[0097] 図 27 (a)に戻って、ロックナット 20Jは、コネクタ本体 10Jにおけるシリンジ接続部 12 Jの外周に環装されており、図の拡大部分に示すように、内周壁に雄ネジ 21Jが形成されている。この雄ネジ 21Jは、コネクタ本体 10Jにおけるシリンジ接続部 12Jの筒外壁に形成された雌ネジ 12aと螺合するようになつている。また、ロックナット 20Jの外周壁には、上記ポート接続部 11の筒外壁と同様の滑り止めのローレット加工が施されている。当図 27のようにロックナット 20Jがシリンジ接続部 12Jの X方向右側に位置するときには、シリンジ接続部 12Jは、底壁の側に向けてハの字状に開いた状態となつている。これによつて、切り欠き 121hと切り欠き 122hとは、上述のように、長円を形成すること〖こなる。

[0098] 13- 2.コネクタ 1における状態可変機構

次に、上記構成を有するコネクタ 1における状態可変機構について、説明する。図 27 (a)においては、ロックナット 20Jがコネクタ本体 10Jのシリンジ接続部 12Jにおける X方向の最も右側に配されている。このとき、ロックナット 20Jからは、シリンジ接続部 12Jに対しての拘束力は作用してヽな、。

[0099] 図 27 (a)の状態から、ロックナット 20Jを螺合させながらシリンジ接続部 12Jにおける X方向の左側へと移動させるとき、シリンジ接続部 12Jは、スリット 13Jが狭まる方向、即ち花弁状部材である底部材 121Jと底部材 122Jとの間の間隙が狭まる方向にロックナット 20J力もの拘束力を受け、ロックナット 20Jが略底壁近傍にまで移動したとき、ハの字状に開いていたシリンジ接続部 12Jは、略筒状まで変形作用を受けることになる。これに伴い、切り欠き 121hと切り欠き 122hとの間隔が狭まり、内接円 12hの径もこれに伴い上記径 φ DOよりも小さくなる。

[0100] なお、着脱を繰り返すことを考慮するとき、コネクタ本体 10Jは、弾性特性を有する材料 (例えば、榭脂材料。）からなることが望ましい。よって、シリンジ接続部 12Jは、口ックナット 20Jからの拘束力を受けて変形するが、その変形は、コネクタ本体 10Jを構成する材料が有する弾性域内でのものであり、ロックナット 20Jの拘束力から開放された際には、図 27 (a)、（b)の状態へと回復し、変形が残ることはない。

[0101] このように、コネクタ 1Jは、ロックナット 20Jの締め付け、開放するという操作だけで、その底部材 121J、 122Jに設けられた切り欠き 121h、 122hの間隔が広がったり、狭まったりするという機構を備えている。この機構は、可逆的なものであって、繰り返しの操作が可能である。

(シリンジ 5の構成）

シリンジ 5の概略構成について、図 28を用いて説明する。

[0102] 図 28 (a)にその一部分を示すシリンジ 5Jは、プレフィルドタイプのシリンジであって、シリンジ本体 52Jの右側端部にルアー部 51Jが突設されている。ルアー部 51Jの根元側には、縮径された首部 53Jが形成されている。また、図示はしていないが、シリンジ 5Jには、プランジャおよびパッキンなどを備え、シリンジ本体 52Jの筒内方に薬液が充填されている。

[0103] シリンジ 5Jを構成する部分の内、ルアー部 51Jは、先細りのテーパー状をしており、その最大外径が φ D1である。この外径 φ D1は、上記図 27の開放状態のコネクタ 1J における内接円 12hの径 DOよりも小さい関係を有している（φ ϋ1 < φ DO)。そして、上述のように、このルアー部 51Jの根元側における首部 53Jは、上記径 φ ϋはりも縮径された円筒形をしている。

[0104] ルアー部 51Jにおける首部 53Jの先端よりの部分には、段差がついた状態となっており、係合部としての係り部 5 laが形成された状態となっている。

(シリンジ 5Jとコネクタ 1Jとの接続）

上記シリンジ 5Jとコネクタ 1Jとの接続について、引き続き図 28を用いて説明する。

[0105] 図 28 (a)に示すように、コネクタ 1Jにおけるロックナット 20Jをシリンジ接続部 12Jにおける最もポート接続部 11Jに近い側まで後退させておき、上記図 27と同様に、コネクタ本体 10Jがロックナット 20Jカも径方向に拘束力を受けていない状態としておく。そして、この状態のコネクタ 1Jの切り欠き 121hの縁辺と切り欠き 122hの縁辺とで形成される内接円 12h (図 28では、不図示。）に対して、シリンジ 5Jのルアー部 51Jを浸入させてゆく（矢印 B)。このとき、上述のように、ルアー部 51Jの最大外形 φ ϋΐと内接円 12hの径 φ ϋθは、 φ Όίく φ DO関係を有しているので、ルアー部 51Jをスムースに侵人させることができる。

[0106] コネクタ 1へのルアー部 51Jの侵入操作については、コネクタ 1Jにおける内底面 12 3Jが首部 53Jの部分に達する状態で終える。そして、シリンジ 5Jとコネクタ 1Jとの径方向中心を略同一に維持しておき、コネクタ 1Jのロックナット 20Jを雌ネジ 12aに沿って回転させながら、図の左側に向って移動させて行く。ロックナット 20Jがコネクタ本体 1 OJの略左端部分にまで達したところで移動操作を終了する。

[0107] なお、シリンジ接続部 12Jの筒外壁における雌ネジ 12aの形成は、底壁 121J、 122 J (図 1参照。）で止められており、ロックナット 20Jがその部分で止まるようになつている図 28 (b)に示すように、ロックナット 20Jをシリンジ接続部 12Jの最も左端まで移動された状態では、上記図 28 (a)のようにハの字状に開いていたシリンジ接続部 12Jは口ックナット 20Jからの拘束力を受けて閉じ、略円筒状となる。これに伴って、孔 121hと孔 122hとの間隔は狭まり、内接円 12hの径は、小さくなる。そして、図 28 (b)の状態では、切り欠き 121h、 122hをもって形成される略円形となる。そして、このときのコネクタ 1における切り欠き 121h、 122hで形成される内接円の直径は、 φ ϋ2となる。直径 φ D1と直径 φ D2との関係は、 φ Ό2ぐ φ D1である。即ち、図 28 (b )の状態では、コネクタ 1Jの内底面 123Jとシリンジ 5の係り部 51aとが係合しており、コネクタ 1に対してシリンジ 5が拘止されて!/、る。

[0108] なお、図 28 (b)では、コネクタ 1Jにおける切り欠き 121h、 122hとで形成される透孔の直径 φ D2がシリンジ 5Jの首部 53Jの外径よりも若干大きぐその間に隙間を有するように設定して、るが、この隙間はなくても構わな、。

以上のように、コネクタ 1Jは、ロックナット 20Jの操作だけで、シリンジ 5Jに対して着脱自在の構成を有している。ここで、コネクタ 1Jについては、シリンジ 5Jの付帯部品としてユーザに供するものであってもよ、し、それ単独でユーザに供するものであってもよい。

[0109] なお、図 28 (b)のコネクタ 1Jが取り付けられた状態から、図 28 (a)のコネクタ 1が脱離された状態へとする場合には、上述のコネクタ 1Jを接続する場合と逆の手順で操作すればよい。

(ルアーロックタイプでのポートとの接続）

コネクタ 1Jを接続した状態のシリンジ 5Jを用い、シリンジ 5Jを医療器具におけるポートに対してルアーロックタイプで接続するための方法について、図 29を用いて説明する。図 29では、シリンジ 5Jをルアーロックタイプで接続する対象として、ポート付きの延長チューブ 6Jを一例として用いて、る。

[0110] 図 29に示すように、接続対象である延長チューブ 6Jは、ポート 61Jがチューブ 62J の一端側に設けられた構成を有している。ポート 61Jは、その筒外壁に雌ネジ 61aが設けられている。この雌ネジ 61aは、コネクタ 1における雄ネジ 11a (図 29では、不図示。図 27及び図 28を参照。）に対応 (螺合)するものである。

また、ポート 61Jの端面には、その中央部に孔 63Jが設けられている。この孔 63Jは、チューブ 62Jの内管に繋がっている。そして、孔 63Jの内径は、シリンジ 5Jのルアー部 51Jの最大外径 φ Dはりは若干小さく設定されており、接続時に孔 63Jを挿通してシリンジ 5Jのルアー部 51Jの一部が侵入可能となっている。

[0111] 上記シリンジ 5Jと延長チューブ 6Jとを接続する場合には、シリンジ 5Jのルアー部 51J

(図 28を参照。）の近傍に取り付けられたコネクタ 1Jを延長チューブ 6Jに向けて前進させ (矢印 E)、コネクタ 1Jと延長チューブ 6Jのポート 61Jとが接触した時点力もコネクタ 1Jを矢印 cの方に回転させる。これにより、コネクタ本体 10Jに設けられた雄ネジ 11 a (図 27、 28を参照。）と延長チューブ 6Jのポート 61Jにおける雌ネジ 61aとが螺合してゆく。このとき、シリンジ 5Jのルアー部 51Jは、延長チューブ 6Jにおける孔 63Jに揷入されて行く。ルアー部 51Jの外周面と孔 63Jの縁との隙間がなくなるまで、螺合させてゆく。

[0112] 以上のようにして、ルアーロックタイプでのシリンジ 5Jと延長チューブ 6Jとの接続が完了する。このようにルアーロックタイプで接続されたシリンジ 5Jと延長チューブとは、確実に接続がなされているため、長期にわたっても外れたり、緩んだりするということが起こり難い。

(ルアースリップタイプでのポートとの接続）

シリンジ 5Jを医療器具におけるポートに対してルアースリップタイプで接続する場合について、図 30を用いて説明する。図 30では、シリンジ 5Jとの接続対象として、混注ポート 7Jおよび注射針 8Jを一例として、る。

[0113] 図 30に示すように、ルアースリップタイプでの接続においては、コネクタ 1Jを接続しない状態のシリンジ 5Jを用いる。これについては、最初力もコネクタ 1Jが接続されていない状態のものを使用してもよいし、コネクタ 1Jが取り付けられた状態でユーザが入手したものからコネクタ 1Jを取り外したものを使用してもよい。コネクタ 1Jの取り外しについては、上述のように、上記図 28で示した手順の逆の操作を行えば、容易に実施できる。

[0114] ルアースリップタイプでの接続は、シリンジ 5Jのルアー部 51Jを相手方の医療器具における受け部分に挿入するだけである。例えば、混注ポート 7Jに対してシリンジ 5J を接続する場合にあっては、シリンジ 5Jのルアー部 51Jをカバー体 71Jにも受けられた弁体 (不図示）に挿入してゆくだけで完了する。これにより、シリンジ 5Jの筒内部と混注ポート 7の管 72J、 73Jの管内部とが連通することになる。

[0115] なお、混注ポート 7Jにおける弁体は、弾性を有する薄膜状をしており、その一部にルアー部 51Jを受け入れるためのスリットなどが設けられている。これらについての事項は、すでに公知であるので、ここでの説明を省略する。

次に、シリンジ 5Jに注射針 8Jを接続する場合には、シリンジ 5Jのルアー部 51Jに対して注射針 8の針基 82Jを挿入して行く。シリンジ 5Jと注射針 8Jとは、ルアー部 51Jの外周面 51fに針基 82Jの内周面 82fが密着した時点で接続される。そして、図示を省略しているが、針管 81Jは、針基 82Jの内方にも突設された状態にあるが、上記接続によりその部分がルアー部 51Jの内孔に揷入される。針基 81Jとルアー部 51Jの内孔とは、シリンジ 5Jに注射針 8Jを接続した状態で密に嵌合されている。即ち、シリンジ 5J を使用する際に、これらの間から薬液が漏れ出したり、あるいは最近などが侵入しないようになっている。

[0116] 以上、 2つの例を示して、ルアースリップタイプでのシリンジ 5Jと他の医療器具との接続について説明した力図 30のシリンジ 5Jはコネクタ 1Jが接続されていないので、迅速にルアースリップタイプでの接続が実施できる。

なお、上記 2つの例以外にも、ルアースリップタイプによりシリンジ 5Jとの接続を行う医療器具は種々あるが、その操作などについては上記同様である。

(コネクタ 1およびコネクタ 1が付帯されたシリンジ 5の優位性）

上述のように、実施の形態 13に係るコネクタ 1Jは、上記図 28にも示すように、ロックナット 20Jの螺合操作だけでシリンジ 5Jに対して着脱が自在となっている。これより、医療の現場において、ユーザは、必要に応じてシリンジ 5Jに対して容易にコネクタ 1J の着脱を行うことができる。

[0117] 従って、接続具としてのコネクタ 1Jを付帯したシリンジ 5Jを用いることにより、ユーザは、必要に応じてコネクタ 1Jをシリンジ 5Jに着脱することができることから、脱離したコネクタ 1Jを他のシリンジに転用することもできるので、コスト面でのユーザの負担が軽減され、且つ、優れた作業性をもってシリンジ 5Jを使用することができるとともに、ルァ一スリップタイプおよびルアーロックタイプの両タイプの接続形態をもってシリンジ 5Jと他の医療器具におけるポートに対して接続することができる。

[0118] また、上記図 30に示すように、シリンジ 5Jに対して注射針 8Jを接続する場合には、コネクタ 1Jを取り外した状態で作業を行うので、誤穿刺の危険を回避するのにも有効である。

なお、接続具であるコネクタ 1Jは、シリンジ 5Jに対して一対一の関係をもってユーザに供される必要は必ずしもなぐそれ単独でユーザに供されてもよい。この場合には、ユーザが必要に応じてシリンジ 5Jに対しコネクタ 1Jの着脱を実施すればよい。よつて、医療現場において、治療および診断における処置の段階で、ポートとの接続タイプに応じてコネクタ 1Jを取り付けたり、取り外したりすることができるので、作業の効率化を図ることができ、また、予め用意しておかなければならないシリンジの種類を低減することちでさる。

[0119] <実施の形態 13に関するその他の事項について >

上記発明の実施の形態 13では、ロックナット 20Jをコネクタ本体 10Jに対して螺合' 移動させることで、はめ込む方式を一例に説明をしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ロックナット 20Jの代わりに内周面にネジ構造を有しないリング体を備え、このリング体をコネクタ本体 10Jに対してスライドさせることではめ込むようなコネクタでも上記と同様の作用効果を得ることができる。

[0120] なお、このようなスライド方式を採用する場合には、はめ込んだ状態でのリング体の戻り防止策を講じておく必要がある。例えば、ピンでリング体を止めるというような方法が必要となる。

また、上記発明の実施の形態では、予め中に薬液が充填された (プレフィルド)シリンジ 5Jを接続対象とした力シリンジは、プレフィルドタイプ以外のものであっても、上記作用に変わりはない。

14.実施の形態 14

(コネクタ 1の構成）

実施の形態 14に係る接続具であるコネクタ 1Kの構成について、図 31を用いて説明する。

[0121] 図 31 (a)に示すように、コネクタ 1Kは、概略、構成部材としての分割型 11Kと分割型 12K、およびそれらの側壁どうしを連結して、る連結部 13Κの 3つの要素から構成されている。これら 3つの部分は、一体に形成されている。この内、分割型 11K、 12K は、ともに有底円筒状体を軸方向に沿って二分割した形状を有している。そして、図 31 (a) , (b)では、分割型 11Kと分割型 12Kとが開いた状態 (以下、「開状態」という。）にある。

[0122] 分割型 11K、 12Kは、各々有底円筒状体を二分割された形状で、半円筒部分 11 2K、 122Kと半円状の底面部分 111K、 121Kを有し、その内の半円筒部分 112Κ、 122Kに互いに嚙み合う爪 l lm、 12mが形成されている。即ち、爪 l lm、 12mは、分割型 11K、 12Kにおける連結機構として機能するものであって、分割型 11Κ、 12 Κを連結するときに互いに嚙み合い、一度嚙み合うと、爪 12mを外側に変形させる操作をしない限り連結が解除されないようになっている。また、各分割型 11K、 12Kを上記爪 l lm、 12mを用いて組み付けた状態（以下、「閉状態」という。）で、突き合うことになる部分である底面部分 111K、 112Kには、各々切り欠き l lh、 12hが形成されている。切り欠き l lh、 12hは、ともに分割線を弦とする半円形をしている。

[0123] さらに、分割型 11K、 12Kにおける半円筒部分 112K、 122Kの内壁面には、雄ネジ 11η、 12ηが設けられている。これらの雄ネジ 11η、 12ηは、分割型 11Kと分割型 1 2Κとが閉状態にあるとき、連続した雄ネジを形成する。

連結部 13Kは、分割型 11K、 12Kよりも薄い肉厚を有しており、繰り返し開閉操作を行っても切断等されてしまうことがな、。

(コネクタ 1における開閉機構）

上記構成を有するコネクタ 1の開閉機構について、コネクタ 1Kを図 31 (a)の矢印 A の側から観た図である図 31 (b)を用いて説明する。

[0124] 図 31 (b)に示すように、正面力も見た分割型 11K、 12Kは、それぞれ半円形をしている。これら分割型 11K、 12Kを、連結部 13を支点としてそれぞれを折り返した場合には、それぞれが向かい合い、爪 l lm、 12mが嚙み合うことになる。このように爪 11 m、 12mどうしが嚙み合った状態においては、コネクタ 1は、略有底円筒形状となる（閉状態)。

[0125] このように分割型 11K、 12Kが接合状態となったときには、それぞれに設けられた切り欠き l lh、 12hも向かい合うことになり、直径 φ ϋΐを有する一つの円形の孔となる。

なお、分割型 11K、 12Kおよび連結部 13Kは、一体に形成されたものであるが、上記のような機能を果すために、例えば、榭脂材料を用いて構成されていることが望ましい。

(シリンジ 5Κの構成）シリンジ 5Kの概略構成について、図 32を用いて説明する。

[0126] 図 32にその一部を示すシリンジ 5Κは、プレフィルドタイプのシリンジであって、シリンジ本体 52Κの右側端部にルアー部 51Kが突設されている。ルアー部 51Kの根元側には、縮径された首部 53Κが形成されている。また、図示はしていないが、シリンジ 5Κには、プランジャおよびパッキンなどを備え、シリンジ本体 52Κの筒内方に薬液が充填されている。

[0127] シリンジ 5Κを構成する部分の内、ルアー部 51Kは、先細りのテーパー状をしており、その最大外径が φ D3である。この外径 φ ϋ3については、上記図 31における切り欠き l lh、 1211の直径() 01ょりも大きく設定されてぃる（() 03〉( ) 01)。そして、ルァ一部 51Kの根元側における首部 53Kは、外径 φ D2を有する円筒形状を有しているルアー部 51Kにおける首部 53Kの先端よりの部分には、段差がついた状態となつており、係合部としての係り部 5 Inが形成された状態となっている。

(シリンジ 5Kとコネクタ 1Kとの接続）

上記シリンジ 5Kとコネクタ 1Kとの接続について、図 31および図 32を用いて説明する。

[0128] 図 31 (a)に示すような開状態にあるコネクタ 1Kに対して、シリンジ 5Kのルアー部 5 1Kを挿入させて行き、その首部 53Kが切り欠き l lh、 12hのいずれかの縁に沿うように配置する。このとき、シリンジ 5Kの軸とコネクタ 1Kの軸とが略一致するように維持しておく。

次に、コネクタ 1Kに対してシリンジ 5Kが動かないように保持しておき、連結部 13K を支点として分割型 11K、 12Kを開口部どうしが向かい合わせとなるように折り返してゆく。分割型 11K、 12Kにおける各爪 l lm、 12mが嚙み合った時点で、コネクタ 1K は、有底円筒状となる。このとき、図 32に示すように、切り欠き l lhと切り欠き 12hとは、一つの円形の孔を形成することになり、また、その内径が φ D1である。

[0129] このように閉状態となったコネクタ 1Kに対して、シリンジ 5Kは、その首部 53Kで係合された状態となる。つまり、ルアー部 51Kの最大外径 φ ϋ3は切り欠き l lh、 12hにより形成される孔の内径 φ D1よりも大きぐルアー部 51Kの係り部 51ηがコネクタ 1K の内底面 l l ln、 121ηにより拘束される。このようにしてシリンジ 5Κとコネクタ 1Kとは、接続される。分割型 11K、 12Kは、各 2箇所に設けられた爪 l lm、 12mが嚙み合つた状態になると、別途取り外しの操作 (爪 11mと爪 12mとの連結解除)を実施しない限り開状態に戻ることはな、。

[0130] なお、コネクタ 1Kにおける各分割型 11K、 12Kに形成されている雄ネジ 11η、 12η は、型どうしの接合線 1KLを跨ヽでー続きになるように形成されて!、る。

(ルアーロックタイプでのポートとの接続）

コネクタ 1Kを接続した状態のシリンジ 5Κを用い、ルアーロックタイプで他の医療器具のポートに接続するための方法について、図 32を用いて説明する。図 32では、接続対象として、ポート付きの延長チューブ 6Κを一例として用いて、る。

[0131] 図 32に示すように、接続対象である延長チューブ 6Κは、ポート 61Kがチューブ 62 Κの一端側に設けられた構成を有している。ポート 61Kは、その筒外壁に雌ネジ 61η が設けられている。この雌ネジ 61ηは、コネクタ 1Kにおける雄ネジ 11η、 12ηに対応するものである。また、図示はしていないが、ポート 61Kの端面には、その中央部に孔が形成されており、チューブ 62Κの内管の開口部となっている。

[0132] なお、ポート 61Kの中央部に設けられた孔は、シリンジ 5Κにおけるルアー部 51K の最大外径 0 D3よりも若干小さい内径を有する。そして、ポート 61Kの孔には、シリンジ 5の Κ/レアー部 51が侵入可能となっている。

上記シリンダ 5Κと延長チューブ 6Κとを接続する場合には、シリンジ 5Κに取り付けられたコネクタ 1Kを延長チューブ 6Κにおけるポート 61Kの側に向けて前進させる（矢印 Β)。コネクタ 1Kと延長チューブ 6Κのポート 61Kとが接触した時点で、コネクタ 1 Κを矢印 Cの方に向けて回転させ始め、なおも前進を続ける。これにより、分割型 11 K、 12Kにも受けられた雄ネジ 11η、 12ηと、延長チューブ 6Κのポート 61Kに設けられた雌ネジ 6 Inとが螺合して行く。この螺合に並行して、シリンジ 5Kにおけるルアー部 51Kは、延長チューブ 6Kのポート 61Kの端面に設けられた孔に侵入して行く。そして、コネクタ 1Kの雄ネジ 11η、 12ηとポート 61Kの雌ネジ 61ηとが螺合しきつたところで、シリンジ 5Κと延長チューブ 6Κとが接続される。

[0133] 以上のように、間にコネクタ 1Kを介して接続 (ルアーロックタイプでの接続）されたシリンジ 5Kと延長チューブ 6Kとは、確実な接続がなされ、長期にわたっても外れたり、緩んだりすると!/、うことが生じ難!、。

(ルアースリップタイプでのポートとの接続）

ルアースリップタイプでのシリンジ 5Κと他の医療器具との接続について、図 33を用いて説明する。図 33では、シリンジ 5Κとの接続対象として、混注ポート 7Κおよび注射針 8Κを一例としている。

[0134] 図 33に示すように、ルアースリップタイプでの接続においては、コネクタ 1Kを接続しない状態のシリンジ 5Κを用いる。これについては、最初力もコネクタ 1Kが接続されていない状態のものを使用してもよいし、コネクタ 1Kが取り付けられた状態でユーザが入手したものからコネクタ 1Kを取り外したものを使用してもよい。コネクタ 1Kの取り外しにっ、ては、嚙み合って、る爪 1 lmと爪 12mとの連結解除の操作を行うことで、容易に実施できる。

[0135] ルアースリップタイプでの接続は、シリンジ 5Kのルアー部 51Kを相手方の医療器具におけるポートに挿入するだけである。例えば、混注ポート 7Kに対してシリンジ 5K を接続する場合にあっては、シリンジ 5Kのルアー部 51Kをカバー体 71Kにも受けられた弁体 (不図示）に挿入してゆくだけで完了する。これにより、シリンジ 5Kの筒内部と混注ポート 7Kの管 72K、 73Κの管内部とが連通することになる。

[0136] なお、混注ポート 7Κにおける弁体は、弾性を有する薄膜状をしており、その一部にルアー部 51Kを受け入れるためのスリットなどが設けられている。これらについての事項は、すでに公知であるので、ここでの説明を省略する。

次に、シリンジ 5Κに注射針 8Κを接続する場合には、シリンジ 5Κのルアー部 51K に対して注射針 8Κの針基 82Κを挿入して行く。シリンジ 5Κと注射針 8Κとは、ルアー部 51Kの外周面 51fに針基 82Κの内周面 82fが密着した時点で接続される。そして、図示を省略しているが、針管 81Kは、針基 82Kの内方にも突設された状態にある力上記接続によりその部分がルアー部 51Kの内孔に挿入される。針基 81Kとルァ一部 51Kの内孔とは、シリンジ 5Kに注射針 8Kを接続した状態で密に嵌合されている。即ち、シリンジ 5Kを使用する際に、これらの間から薬液が漏れ出したり、あるいは細菌などが侵入しな、ようになって!/、る。 [0137] 以上、 2つの例を示して、ルアースリップタイプでのシリンジ 5Kと他の医療器具との接続について説明した力図 33のシリンジ 5Kはコネクタ 1Kが接続されていないので、迅速にルアースリップタイプでの接続が実施できる。

なお、上記 2つの例以外にも、ルアースリップタイプによりシリンジ 5Kとの接続を行う医療器具は種々あるが、その操作などについては上記同様である。

(コネクタ 1Kおよびコネクタ 1Kが付帯されたシリンジ 5Kの優位性）

上述のように、実施の形態 14に係るコネクタ 1Kは、上記図 31に示すように、分割型 11K、 12Kと連結部 13Kと力も構成されており、 2つの分割型 11K、 12Kの連結操作をもって、容易にシリンジ 5Κへの装着が可能であり、且つ、爪 l lm、 12mの嚙み合わせの解除と分離型 11K、 12Kの開操作をもって、容易に脱離も可能である。一方、爪 l lm、 12mの嚙み合わせの解除操作を実施しない限り、分離型 11K、 12K がシリンジ 5Κの操作中などに開いてしまうようなこともない。

[0138] 従って、ユーザは、必要に応じてコネクタ 1Kをシリンジ 5Κに着脱することができること力、コネクタ 1Kは、コスト面におけるユーザの負担を軽減し、且つ、シリンジ 5Κの使用時における作業性の低下を招くことがないとともに、ルアースリップタイプおよびルアーロックタイプの両接続タイプの接続形態をもってシリンジ 5Κを他の器具のポートに対して接続することができる、という優位性を有する。このような優位性については、コネクタ 1Kが付帯されたシリンジ 5Κについても同様に有する。

[0139] また、上記図 33に示すように、シリンジ 5Κに対して注射針 8Κを接続する場合には、コネクタ 1Kを取り外した状態で作業を行うので、誤穿刺の危険を回避するのにも有効である。

なお、コネクタ 1Kは、シリンジ 5Κに対して一対一の関係をもってユーザに供される必要は必ずしもなぐそれ単独でユーザに供されてもよい。この場合には、ユーザが必要に応じてシリンジ 5Κに対してコネクタ 1Kの着脱を実施すればよい。

[0140] また、医療現場における治療や検査などにおいて、上記コネクタ 1Kが取り付けられたシリンジ 5Κを用いれば、ポートに対するシリンジの接続タイプに応じてコネクタ 1K の取り付け、取り外しを選択的に実施できる。よって、上記コネクタ 1K付のシリンジ 5 Κを用いれば、医療現場における効率を高!、ものとすることができる。 15.実施の形態 15

次に実施の形態 15に係るコネクタ 2について、図 34を用いて説明する。

[0141] 図 34に示すように、コネクタ 2Kは、分割型 21K、 22Κを構成要素として有しており、これらが別部材として分離状態にある点が上記コネクタ 1Kと異なる。即ち、上記実施の形態 14におけるコネクタ 1Kの構成力も連結部 13Kを取り去つたもの力本変形例に係るコネクタ 2Κであるといえる。ただし、コネクタ 2には、分割型 21Κ、 22Κにおいて、上記連結部 13Kが接続されていた箇所に相当する部分にも各々爪 l lm、 12 mが形成されている。

[0142] コネクタ 2Kにおける他の構成については、上記コネクタ 1Kと同様であるので、説明を省略する。

シリンジ 5Kへのコネクタ 2Kの取り付けは、分割型 21K、 22Κが分離した状態で、各々の切り欠き 21h、 22hをシリンジ 5における首部 53Kに沿わせ、分割型 21Kの爪 11mと分割型 22の爪 12mとを嚙み合わせることで実現される。このとき、切り欠き 21 h、 22hの内径と、シリンジ 5Kにおけるルアー部 51Kの最大外径および首部 53Kの外径との関係については、上記実施の形態 14に係るコネクタ 1Kと同一である。

[0143] シリンジ 5Kからのコネクタ 2Kの取り外しは、上述の操作と逆に、爪 l lm、 12mの嚙み合わせを解除することで容易に実施できる。よって、本変形例に係るコネクタ 2Kを用いる場合にも、ユーザは必要に応じてコネクタ 2Kをシリンジ 5Kに対して容易に着脱をすることができる。

従って、本実施の形態 15のコネクタ 2Kも、コスト面におけるユーザの負担を軽減し、且つ、シリンジ 5Kの使用時における作業性の低下を招くことがないとともに、ルァ一スリップタイプおよびルアーロックタイプの両接続タイプの接続をもってシリンジ 5K と他の医療器具のポートとを接続することができる、という優位性を有する。

16.実施の形態 16

次に、実施の形態 16に係るコネクタ 3Kについて、図 35を用いて説明する。

[0144] 図 35に示すように、コネクタ 3Kは、分割型 31K、 32Κの分割バランスが上記コネクタ 1Kとは異なっている点に特徴を有する。即ち、上記コネクタ 1Kでは、有底円筒体を軸対象に二分して分割型 11K、 12Kを構成していたのに対して、本変形例に係るコネクタ 3Kは、分割型 32Κが有底円筒体の底面およびその近傍部分だけを分割した形状を有している。

[0145] コネクタ 3Κにおける開閉動作については、上記図 31で示したコネクタ 1Kの場合と基本的に同一である。

このコネクタ 3Κでは、上記コネクタ 1Kが有していた優位性に加えて、コネクタ 3Κを他の医療器具 (例えば、図 32における延長チューブ 6Κ。）に螺合させて行く際のコネクタ 3Κの円筒部の剛性が上記コネクタ 1Kなどより高ヽと、う優位性を有して、る。つまり、コネクタ 3Κの雄ネジ 3 Inと他の医療器具の雌ネジとを螺合させ、コネクタ 3K を他の医療器具に接合する際には、コネクタ 3Kの円筒部には径方向外向きにも力を受けることになる。このとき、円筒部で分割されていないコネクタ 3Kは、円筒部で分割されて、る上記コネクタ 1Kよりも径方向に高、剛性が得られると!、う点から優位である。

[0146] このことは、コネクタ 3Kを用いることにより、より強固にシリンジと他の医療器具のポートとを拘止できると、うことを意味する。

く実施の形態 14から 16に関するその他の事項について〉

上記発明の実施の形態 14一 16では、 3種類のコネクタ 1K、 2Κ、 3Κを例に本発明の特徴及び作用 ·効果を説明したが、本発明は、これに限定を受けるものではない。また、上記実施の形態 14では、シリンジとして予め中に薬液が充填されたプレフィルドシリンジを一例として用いたが、これ以外のシリンジの場合にも、上述の作用'効果に変わりはない。

さらに、上記実施の形態 14一 16では、コネクタ 1Κ、 2Κ、 3Κとシリンジ 5Κとの接続を、シリンジ 5Κにおけるルアー部 51Kの根元側に形成された首部 53Κをもって実施するものとした力必ずしも首部 53Κをルアー部 51Kの根元側に形成する必要はない。例えば、シリンジ本体 52Κの外周面に一部くびれた部分 (この部分が首部に相当すること〖こなる。）を設けておき、コネクタをこれに対応した構成としておけば、上記と同様の作用 ·効果を得ることができる。

17.実施の形態 17 図 36 (a)、（b)、（c)及び (d)は、本実施の形態 17におけるシリンジの構成を説明する図である。

[0148] シリンジ 100Lは、ルアーロックタイプの混注ポート及びルアースリップタイプの混注ポートの、ずれにも迅速な挿抜が可能であって、薬液 110Lが予め封入されたプレフィルドシリンジである。

このシリンジ 100は、図 36 (a)に示すように、薬液 110Lが円筒状のシリンジ部 120

Lに充填された後、プランジャ部 150Lにより封止され、シリンジ部 120Lの一端に (接続補助部材の一例としての）ロック部 130Lが（ピンの一例としての）連結ピン 160Lを介して回転自在に連結されてなる。

[0149] シリンジ部 120Lは、筒状のシリンジ本体部 121Lの一端 (以下、「第 1端」という。 ) 力も筒状のルアー部 140Lが延出され、第 1端と相反する側の端 (以下、「第 2端」という。）にフランジ部 121aが配されてなる。

ルアー部 140Lは、円筒状であってその根元側に位置する径が dlの第 1ルアー部

144Lと、先端側に位置し、先端部径 d2及び後端部径 d3を有するテーパ状の第 2ルァー咅 141L力らなり、 d3 >d2、及び、 d3 >dlの関係にある。

[0150] ロック部 130Lは、シリンジの接続相手器具と係合するための榭脂材料力もなる有底円筒状のナットであって、この底面には、径が d4の貫通孔 134Lが設けられており

、また、上記円筒側面には、開口部形状が矩形の貫通孔 132a及び 132bが設けられている。

なお、第 2ルアー部 141Lが貫通孔 134Lを通過できるように、 d4の値は、 d3の値よりも大きくなつている。

[0151] 連結ピン 160Lは、ロック部 130Lとルアー部 140Lとを係合する略コの字状のピンであり、ロック部 130Lの外郭を貫通する状態でロック部 130Lに嵌合すると共に、第 1 ルアー部 144Lと係合する機能を有する。

より具体的には、嵌合状態において連結ピン 160Lをその主面と平行にスライスした図 36 (d)に示すように、連結ピン 160Lは、略コの字状のピンであり、矩形の根元部 1 61Lから互いに対称形状となっている 2つの延出部 163Lが延出され、これら延出部 163Lの根元には、挿入時においてロック部 130Lに当接する段差部 162Lが設けられており、さらに、これら延出部 163Lの先端部近傍の外側には、それぞれ突起部 16 3aが設けられている。

[0152] また、これら 2つの延出部 163Lの間に形成される溝 164Lの中央には、第 1ルアー部 144Lと嵌合する凹部 165Lが設けられている。

シリンジ 100Lは、納入状態においてロック部 130L及び連結ピン 160Lが取り外されている状態であっても、取り付けられている状態であっても構わないが、ここでは、便宜上、納入状態においてロック部 130L及び連結ピン 160Lが取り外されている状態となつて!/、るものとして説明する。

(シリンジの使用方法）

以下、シリンジ 100Lの使用方法について説明する。

(ルアーロックタイプの混注ポートへの接続）

混注ポートにシリンジ 100Lを接続しょうとする者 (以下、「操作者」という。）は、この混注ポートがルアーロックタイプである場合、図 36 (a)に示すように、ロック部 130Lの貫通孔 134Lにルアー部 140Lを挿入した後、図 36 (b)に示すように、連結ピン 160 Lをロック部 130Lの貫通孔 132a及び 132bに挿入し、図 37 (a)—（f)に示すように、この貫通孔 132aの両側の端面 162aにロック部 130Lの段差部 162Lの端面が接触するまで押し込む。

[0153] このとき、連結ピン 160Lの突起部 163aが、貫通孔 132bの両端にある接触部 162 bを乗り越えて挿入方向と相反する方向への移動を抑止すると共に、凹部 165Lに第 1ルアー部 144Lが嵌り込む。

このとき、第 1ルアー部 144Lとロック部 130Lが同心円上に位置するように係合される。

[0154] また、第 1ルアー部 144Lと連結ピン 160Lの凹部 165Lとの接触面同士が円周方向にスリップするため、第 1ルアー部 144Lの中心軸を回転軸として、第 1ルアー部 1 44Lとロック部 130Lとが相対的に回転する。

上述の混注ポート 200Lは、ルアーロックタイプの混注ポートであって、輸液ラインなどの流路となるポート本体部 201Lの側面に設けられた分岐路上おいて、スリット 204 aが設けられたゴム製の弁体 204Lが円筒状のカバー本体部 202Lに覆われて挟持され、カバー本体部 202Lの外周にネジ溝部 203Lが刻設されてなる。

[0155] 混注ポート 200Lにシリンジ 100Lを接続する場合、操作者は、図 36 (c)に示すよう【こ、シリンジ 100 の第 2ノレー咅 141 を混注ポー卜 200 のスリット 204a【こ挿人しつつ、ロック部 130Lを回転させてネジ溝部 203Lと羅合させることにより、シリンジ 10 OLと混注ポート 200Lとを強固に接続することができる。

(ルアースリップタイプの混注ポートへの接続）

ルアースリップタイプの混注ポート 210Lに、シリンジ 100Lを接続する場合、操作者は、図 38に示すように、シリンジ 100Lにロック部 130Lが取り付けられていない状態で、第 2ノレアー咅 141Lを混注ポート 200Lのスリット 204aに挿人することにより、シリンジ 100Lと混注ポート 200Lとを迅速に接続することができる。

[0156] 以上のように、本実施の形態のシリンジ 100Lは、連結ピン 160Lを挿抜することによりロック部 130Lを簡単に着脱することができるため、ルアースリップタイプの接続相手器具と接続を行う場合には、ロック部 130Lをシリンジ 100Lから取り外すことにより、従来のルアースリップタイプのシリンジと同様にスムーズな接続が実施できる。

[0157] また、ルアーロックタイプの接続相手器具と接続を行う場合には、ロック部 130Lをシリンジ 100Lに装着することにより、従来のルアーロックタイプのシリンジと同様に強固な接続が実施できる。

なお、本実施の形態 17では、第 1ルアー部 144Lとロック部 130Lとを相対的に回転させることができるとしたが、これに限らず、例えば、シリンジ 100Lの第 1ルアー部 144Lの外表面に管軸方向と平行なスプライン (以下、「第 1スプライン」という。）を設け、さらに、連結ピン 160Lの凹部 165Lに第 1スプラインに対応するスプライン（以下、「第 2スプライン」という。）を設けることにより、第 1ルアー部 144Lに凹部 165Lが嵌り込んだ際、第 1及び第 2スプラインが交互に嵌合して第 1ルアー部 144Lと凹部 165 Lとを位置的に固定する構造としてもよ!、。

[0158] その場合、シリンジ 100Lとロック部 130Lとが相対的に回転不可能な状態となるが、ロック部 130Lと第 1ルアー部 144Lとが同心円上にあるため、第 2ルアー部 141Lを目的の箇所に挿入しつつ、シリンジ 100L全体を回転させることにより、上記ナットを羅合させることができる。また、本実施の形態 17において、シリンジ 100Lにおけるロック部 130Lは、混注ポートなどの器具と係合するためのナットであるとした力これはあくまでも一例であって、必ずしもナットである必要はない。

[0159] 例えば、図 39に示す実施の形態 18のように、ネジを有するロック部 130Lに代えて、爪部 133a及び 133bを有するロック部 132Lを用いてもよい。

その場合、シリンジ側のロック機構の変更に伴って、例えば、ルアーロックタイプの混注ポートにおける係合部の構造を、 L字の溝 231aを 2箇所に有する混注ポート 22 OLのようにする必要がある。

[0160] また、連結ピン 160Lの形状は、略コの字状とした力これはあくまでも例示であって、同様機能、即ち、ロック部 130Lとルアー部 140Lとを決められた位置に固定する役割を果たすピンであればどのような形状であってもよい。

このような一例として、図 40 (図 36 (d)に相当）に示す実施の形態 19のように、連結ピン 160Lにおいて、 2つある延出部 163Lのうち一方の役割を、ロック部側で果たさせるように、断面形状を一部見直したロック部 170Lと、 2つある延出部 163Lの一方を省略した連結ピン 180Lを用いてもよい。

産業上の利用可能性

[0161] 本発明の接続具付きシリンジ、およびシリンジに用いる接続具、並びにシリンジは、医療現場において患者に薬液を投与したり、血液を採取する目的で利用することができる。

本発明に係る接続具付シリンジおよび接続具は、ルアースリップタイプおよびルァ一ロックタイプの両接続タイプのポートに対応可能であり、コスト面におけるユーザの負担軽減に効果を奏する。

[0162] 本願発明は、多様なタイプの接続ポートが使用される医療現場において用いられる医療用シリンジの製造に適用が可能である。

図面の簡単な説明

[0163] [図 1]実施の形態 1に係るプレフィルドシリンジの構成を示す断面図である。

[図 2]実施の形態 1に係るロックナットの装着方法を示す図である。

[図 3]実施の形態 1に係るプレフィルドシリンジの固定接続型ポートへの接続状態を示す図である。

[図 4]実施の形態 1に係るプレフィルドシリンジの直接接続型ポートへの接続状態を示す図である。

圆 5]実施の形態 1に係るプレフィルドシリンジに従来の針基を装着した構成を示す図である。

[図 6]実施の形態 2に係るロックナットの構成を示す図である。

[図 7]実施の形態 3に係るロックナットの構成を示す図である。

[図 8]実施の形態 4に係るロックナットの構成を示す図である。

[図 9]実施の形態 5に係るロックナットの構成を示す図である。

[図 10]実施の形態 6に係るプレフィルドシリンジの構成を示す断面図である。

[図 11]実施の形態 6に係るロックナットの装着方法を示す図である。

[図 12]実施の形態 6に係るロックナットの嵌着状態を示す図である。

[図 13]実施の形態 6に係るプレフィルドシリンジおよびロックナットの断面図である。

[図 14]実施の形態 6に係るプレフィルドシリンジを輸液ラインシステムの直接接続型ポート側と接続した状態を表す断面図である。

圆 15]実施の形態 6に係るプレフィルドシリンジのルアー部に針基を装着した状態を示す断面図である。

圆 16]実施の形態 7に係るロックナットとプレフィルドシリンジの構成を示す図である。圆 17]実施の形態 8に係るロックナットとプレフィルドシリンジの構成を示す図である。圆 18]実施の形態 9に係るロックナットとプレフィルドシリンジの構成を示す図である。圆 19]実施の形態 10に係るプレフィルドシリンジとロックナットの構成を示す断面図である。

[図 20]実施の形態 10に係るプレフィルドシリンジ、固定具、およびロックナットの組図である。

[図 21]実施の形態 10に係るプレフィルドシリンジの固定接続型ポートへの接続状態を示す図である。

[図 22]実施の形態 10に係る固定具からロックナットを外すときの状態を示す図である [図 23]実施の形態 10に係るプレフィルドシリンジの直接接続型ポートへの接続状態を示す図である。

圆 24]実施の形態 10に係るプレフィルドシリンジの従来の針基を装着した構成を示す図である。

[図 25]実施の形態 11に係るロックナットの構成を示す図である。

[図 26]実施の形態 12に係るロックナットの構成を示す図である。

[図 27] (a)は、実施の形態 13に係るコネクタ 1の側面図（一部断面図）であり、（b)は、コネクタ 1の正面図である。

[図 28] (a)は、実施の形態 13に係るシリンジ 5との接続前におけるコネクタ 1を示す側面図（一部断面図）であり、（b)は、接続後におけるシリンジ 5とコネクタ 1とを示す側面図（一部断面図）である。

[図 29]実施の形態 13において、接続時におけるコネクタ 1と延長チューブ 6との関係を示す斜視図である。

[図 30]実施の形態 13において、コネクタ 1を取り付けず、混注ポート 7あるいは注射針 8をルアースリップタイプで接続する際の側面図である。

[図 31] (a)は、実施の形態 14に係るコネクタ 1の斜視図であり、（b)は、コネクタ 1の正面図である。

[図 32]実施の形態 14において、接続時におけるコネクタ 1と延長チューブ 6との関係を示す斜視図である。

[図 33]実施の形態 14において、コネクタ 1を取り付けず、ルアースリップタイプの接続形態をもって混注ポート 7あるいは注射針 8を接続する際の側面図である。

[図 34]実施の形態 15に係るコネクタ 2とシリンジ 5との関係を示す斜視図である。

[図 35]実施の形態 16に係るコネクタ 3の形状を示す斜視図である。

[図 36]実施の形態 17に係るシリンジの使用状況を説明する図である。

[図 37]実施の形態 17において、連結ピンのロック部への挿入状況を示す図である。

[図 38]実施の形態 17に係るシリンジのルアースリップタイプの混注ポートへの挿入状況を示す図である。

[図 39]実施の形態 18に係るシリンジのロック機構をナット以外のもので実現するものの一例を示す図である。

[図 40]実施の形態 19において、連結ピン形状以外の形状の連結ピンを用いて、ロック部とシリンジとを係合する場合の一例を示す図である。

[図 41]従来のルアーロックタイプシリンジの使用状況を説明する図である。

圆 42]従来のロックナットとプレフィルドシリンジの構成を示す図である。

圆 43]従来のロックナットとプレフィルドシリンジの構成を示す図である。

Claims

請求の範囲

[1] ポートにシリンジを接続するための接続具力シリンジ本体のルアー部に配されてなる接続具付きシリンジであって、

ルアー部には、接続具と係合するための係合部が形成され、

接続具には、シリンジ軸方向に沿って前記ルアー部の係合部と係合する第一孔と、前記第一孔より大きぐシリンジ軸方向に沿って前記ルアー部が挿抜自在な第二孔とが、互いに連通する状態で形成されていることを特徴とする接続具付きシリンジ。

[2] 前記第一孔と前記第二孔は、通路を介して互いに連通していることを特徴とする請求項 1に記載の接続具付きシリンジ。

[3] 前記係合部は、ルアー部の先端と根元の間に存在する段差部であることを特徴とする請求項 1に記載の接続具付きシリンジ。

[4] シリンジ本体のルアー部に装着され、ポートに対してシリンジを接続するための接続具であって、

シリンジ軸方向に沿ってルアー部と係合する第一孔と、

前記第一孔より大きぐシリンジ軸方向に沿って前記ルアー部が挿抜自在な第二孔とが、互いに連通する状態で形成されてヽることを特徴とする接続具。

[5] 前記第一孔と前記第二孔は、通路を介して互いに連通していることを特徴とする請求項 4に記載の接続具。

[6] シリンジ本体のルアー部において、当該ルアー部の先端と根元の間に形成された段差部からなる係合部を備え、

当該係合部が請求項 4に記載の接続具の第一孔と係合することで、当該接続具がルアー部に係合されるとともに、当該接続具の第二孔へルアー部を移動させることで、接続具側からルアー部が脱離される構成であることを特徴とするシリンジ。

[7] 請求項 1に記載の接続具付きシリンジを用いて患者に薬剤を投与することを特徴とする治療方法。

[8] ポートにシリンジを接続するための接続具力シリンジ本体のルアー部に配されてなる接続具付きシリンジであって、

シリンジ本体外周面には、シリンジ本体の接続具側と係合する第一の係合部が形成され、

接続具には、前記第一の係合部と係合する第二の係合部が形成され、接続具またはシリンジ本体に対して、所定の操作によりシリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加えることによって、前記第一の係合部および前記第二の係合部の係合が解除される構成であることを特徴とする接続具付きシリンジ。

[9] 接続具本体は筒体であり、

前記第二の係合部は、前記接続具本体より延長して配された延長部上に形成されており、

接続具本体がシリンジのルアー部に挿入されるとともに、前記延長部がシリンジ本体外周面と弾性接触することで前記第一の係合部および第二の係合部が互いに係合し、接続具またはシリンジ本体に対して前記操作を行うことにより、前記延長部の第二の係合部がシリンジ外周面力離間され、前記係合が解除される構成であることを特徴とする請求項 8に記載の接続具付きシリンジ。

[10] シリンジ本体外周面に第一の係合部が配されたシリンジのルアー部に外挿され、ポートにシリンジを接続する接続具であって、

前記第一の係合部と係合する第二の係合部が配され、

接続具またはシリンジ本体に対して、所定の操作によりシリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加えることによって、前記第一の係合部および前記第二の係合部の係合が解除される構成であることを特徴とする接続具。

[11] 接続具本体は筒体であり、

接続具本体がシリンジのルアー部に挿入されるとともに、前記延長部がシリンジ本体外周面と弾性接触することで前記第一の係合部および第二の係合部が互いに係合し、前記延長部の第二の係合部をシリンジ外周面力離間することで前記係合が解除される構成であることを特徴とする請求項 10に記載の接続具。

[12] シリンジ本体外周面に第一の係合部が配されたシリンジであって、

前記第一の係合部に対して請求項 10に記載の接続具における第二の係合部が係合し、接続具またはシリンジ本体に対して、所定の操作によりシリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加えることによって、前記第一の係合部および前記第二の係合部の係合が解除される構成であることを特徴とするシリンジ。

[13] 請求項 8に記載の接続具付きシリンジを用いて患者に薬剤を投与することを特徴とする治療方法。

[14] ポートにシリンジを接続するための接続具が備えられた接続具付きシリンジであってルアー部には固定具が装着されており、

当該固定具は接続具の外周面と係合し、

少なくとも固定具に対して所定の操作によりシリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加えることによって、前記係合が解除される構成であることを特徴とする接続具付きシリンジ。

[15] 固定具は、ルアー部に挿通および保持されるための孔を有する本体とともに、当該本体より延長して配された延長部上に第一の係合部を備え、

前記接続具の本体は筒体であって、当該接続具の本体の外周面に第二の係合部を有し、

接続具の本体がシリンジのルアー部に挿通され、且つ、前記固定具の延長部が接続具外周面と弾性接触することで、前記第一の係合部および第二の係合部が互!、に係合し、

前記所定の操作により延長部の第二の係合部を接続具外周面力離間させることで、前記係合が解除される構成であることを特徴とする請求項 14に記載の接続具付きシリンジ。

[16] シリンジ本体のルアー部に装着された第一の係合部を持つ固定具に保持されつつ、ポートにシリンジを接続するための接続具であって、

当該接続具の外周面には、固定具の第一の係合部と係合するための第二の係合部が形成されており、

少なくとも固定具に対して所定の操作によりシリンジ軸方向とは異なる方向に外力を加えることによって、前記係合が解除される構成であることを特徴とする接続具。

[17] 前記接続具の本体は筒体であって、当該接続具の本体の外周面に前記第二の係合部を持ち、

接続具の本体がシリンジのルアー部に挿通されるとともに、前記固定具の第一の係合部が接続具の第二の係合部と弾性接触することで、接続具と固定具が互いに係合し、

前記所定の操作により第二の係合部を接続具外周面力も離間させることで、前記係合が解除される構成であることを特徴とする請求項 16に記載の接続具。

[18] シリンジ本体のルアー部に配された固定具に、シリンジをポートと接続するための接続具を装着可能なシリンジであって、

前記固定具には、請求項 16に記載の接続具における第二の係合部と係合可能な第一の係合部が形成されていることを特徴とするシリンジ。

[19] ポートにシリンジを拘止するための接続具力シリンジ本体から突設されたルアー部に取り付けられてなる接続具付シリンジであって、

前記ルアー部には、前記接続具と係合するための係合部が形成され、前記接続具は、有底筒状の本体部と、前記本体部の外周に環装され前記本体部の軸方向への移動により前記本体部の底部に対して拘束作用を及ぼす拘束部とからなり、

前記本体部の底部が、開き勝手な複数の花弁状部材力なり、

前記底部が拘束部から拘束作用を受けて前記花弁状部材が閉じた第 1の状態にあるとき、前記ルアー部における係合部を前記花弁状部材で軸方向に係合し、前記底部が拘束部力拘束作用を受けず前記花弁状部材が開いた第 2の状態にあるとき、前記花弁状部材の開放によって前記底部の略中央部に生じる透孔を通じて軸方向に前記ルアー部を挿抜自在とする

ことを特徴とする接続具付シリンジ。

[20] 前記接続具において、

前記拘束部は、内周面にネジが設けられてなるナットであり、

前記本体部は、略円筒形状を有し、筒部の外周面における前記拘束部の移動領域に前記ナットに対応するネジが設けられており、前記第 1の状態のときに前記筒部のネジが設けられてなる領域が円筒状に閉じた状態であり、前記第 2の状態のときに前記筒部のネジが設けられてなる領域が軸方向の前記底部に向けてハの字状に開いた状態である

ことを特徴とする請求項 19に記載の接続具付シリンジ。

[21] 前記ルアー部は、その根元側に縮径された部分を有し、前記係合部は、当該縮径により生じる段差である

ことを特徴とする請求項 20に記載の接続具付シリンジ。

[22] シリンジ本体力突設されたルアー部に取り付けられ、ポートにシリンジを拘止するための接続具であって、

有底筒状の本体部と、前記本体部の外周に環装され前記本体部の軸方向への移動により前記本体部の底部に対して拘束作用を及ぼす拘束部とを有し、

前記底部が拘束部から拘束作用を受けて前記花弁状部材が閉じた第 1の状態にあるとき、前記花弁状部材で前記シリンジの軸方向に前記ルアー部を係合し、前記底部が拘束部力拘束作用を受けず前記花弁状部材が開いた第 2の状態にあるとき、前記花弁状部材の開放によって前記底部の略中央に生じる透孔を通じて前記ルアー部を挿抜自在とする

ことを特徴とする接続具。

[23] 前記拘束部は、内周面にネジが設けられてなるナットであり、

ことを特徴とする請求項 22に記載の接続具。

[24] 請求項 19に記載の接続具付シリンジを用いることを特徴とする治療および診断に係る処置方法。

[25] ポートにシリンジを拘止するための接続具力シリンジ本体から突設されたルアー部に取り付けられてなる接続具付シリンジであって、

前記ルアー部には、前記接続具と係合するための係合部が形成され、前記接続具は、複数の構成部材力なり、且つ、その各々に設けられた連結機構の相互の連結作用により全体として有底筒状体に組み付け可能であり、

前記有底筒状体に組み付けられた状態で、前記ルアー部における係合部と係合し前記複数の構成部材間の連結を解除した状態で、前記ルアー部から挿抜自在となる

ことを特徴とする接続具付シリンジ。

[26] 前記複数の構成部材は、相互に対称構造をしており、相互に突き合わされる各端部に切り欠き部を有し、

前記切り欠き部が突き合うことによって係合孔が形成され、当該係合孔により前記ルアー部の係合部と係合する

ことを特徴とする請求項 25に記載の接続具付シリンジ。

[27] 前記接続具において、前記複数の構成部材が連結される箇所の内、少なくとも 1箇所では、係止爪と被係止爪との嚙み合わせをもって連結がなされる

ことを特徴とする請求項 25に記載の接続具付シリンジ。

[28] 前記ルアー部は、その根元側に縮径された部分を有し、前記係合部は、当該縮径により生じる段差である

ことを特徴とする請求項 25に記載の接続具付シリンジ。

[29] シリンジ本体力突設されたルアー部に取り付けられ、ポートにシリンジを拘止するための接続具であって、

複数の構成部材力なり、且つ、その各々に設けられた連結機構の相互の連結作用により全体として有底筒状体に組み付け可能であり、

前記有底筒状体に組み付けられた状態で、前記ルアー部と係合し、

前記複数の構成部材間の連結を解除した状態で、前記ルアー部から挿抜自在となる

ことを特徴とする接続具。

[30] 前記複数の構成部材は、相互に対称構造をしており、相互に突き合わされる各端部に切り欠き部を有し、

ことを特徴とする請求項 29に記載の接続具。

[31] 前記複数の構成部材が連結される箇所の内、少なくとも 1箇所では、係止爪と被係止爪との嚙み合わせをもって連結がなされる

ことを特徴とする請求項 29に記載の接続具。

[32] 請求項 25に記載の接続具付シリンジを用いることを特徴とする治療および診断に係る処置方法。

[33] ポートへの接続に際して、当該ポートに挿入されるルアー部の保持力を高める筒状の接続補助部材を備えた医療用シリンジであって、

前記接続補助部材は、外側周面にピンを挿通する第 1揷通孔が穿設され、端部に第 2揷通孔が穿設されており、

前記ピンは、ルアー部と嵌合する嵌合部を有しており、

前記第 2揷通孔に前記ルアー部を挿入した状態で、前記ピンを前記嵌合が実施される位置まで第 1挿通孔に揷通する接続補助部材保持姿勢と、

前記ピンを第 1揷通孔力抜き出して前記嵌合を解除する接続補助部材開放姿勢とに姿勢変更自在な構成を備えることを特徴とする医療用シリンジ。

[34] 前記ルアー部は、中央部近傍又は根元部近傍の径が局部的に細くなつている径小部を有する略円筒形状であって、

前記ピンの挿通路は、前記接続補助部材の中心軸近傍を通って対向する前記外側周面同士を結ぶ線上にあり、

前記嵌合は、前記接続補助部材の中心軸近傍において、前記ピンの嵌合部が前記ルアー部の径小部に嵌り込むことによりなされることを特徴とする請求項 33に記載の医療用シリンジ。

[35] 前記嵌合は、小径部の中心軸を回転軸として、前記ピンが回転自在となるようになされることを特徴とする請求項 34に記載の医療用シリンジ。前記ピンは、当該ピンを挿抜する際に摘む取っ手部が設けられていることを特徴とする請求項 33に記載の医療用シリンジ。