明 細 書
ICカード及び ICカードの製造方法
技術分野
[0001] この発明は、偽造、変造防止等の安全性 (セキュリティ)が要求される個人情報等を 記憶する非接触式の電子カード等に適用して好適な ICカード及び ICカードの製造 方法に関するものである。
背景技術
[0002] 身分証明書カード (IDカード)やクレジットカードなどには、従来磁気記録方式によ りデータを記録する磁気カードが広く利用されてきた。し力しながら、磁気カードはデ ータの書き換えが比較的容易にできるため、データの改ざん防止が十分でないこと、 磁気のため外的な影響を受けやすぐデータの保護が十分でないこと、さらに記録で きる容量が少ないなどの問題点があった。そこで、近年 ICチップを内蔵した ICカード が普及し始めている。
[0003] ICカードは、表面に設けられた電気接点やカード内部のループアンテナを介して 外部の機器とデータの読み書きをする。 ICカードは磁気カードに比べて記憶容量が 大きぐセキュリティ性も大きく向上している。特に、カード内部に ICチップと外部との 情報のやりとりをするためのアンテナを内蔵し、カード外部に電気接点を持たない非 接触式 ICカードは、電気接点をカード表面にもつ接触式 ICカードに比べてセキユリ ティ性が優れ、 IDカードのようにデータの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途 に使用されつつある。
[0004] このような ICカードとして、例えば第 1のシート材と第 2のシート材が接着剤を介して 貼り合わされ、その接着剤層中に ICチップおよびアンテナを有する ICモジュールを 封入するものがある。
[0005] ICカードはセキュリティ性が高 、ために耐久性が偽造変造の観点からも重要になつ ている。特に、カード内部に ICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナ などの電気部品が内蔵されているため、その耐久性を確保するためさまざまな試み が行われている。しかしながら、さまざまな用途に使用され普及しつつある中、さらに
高い耐久性が必要とされてきた。カードという特性上、常に携帯しズボンのポケット等 での繰返し曲げ、落下、コイン等の圧力に対して強い耐久性が要求される。例えば、 圧力、曲げ等による ICチップの破壊やアンテナの断線による耐久性に関し、特開平 6—199083号公報、特開平 8— 324166号公報に開示されている。
[0006] こうした問題を解決する技術としては、従来、半導体チップに対して、金属或 、は榭 脂からなる補強板を積層することが知られている(例えば、特開平 9— 156265号公報 、特開平 9 263082号公報等参照)。このように、 ICチップに強固な補強構造物を 設ける等の改良が提案されて 、る。
特許文献 1 :特開平 6—199083号公報 (第 1頁一第 8頁、図 1一図 14)
特許文献 2 :特開平 8—324166号公報 (第 1頁一第 8頁、図 1一図 11)
特許文献 3 :特開平 9-156265号公報 (第 1頁一第 4頁、図 1一図 5)
特許文献 4:特開平 9-263082号公報 (第 1頁一第 7頁、図 1一図 12)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] し力しながら、一定の耐久性の向上は見られる力 さまざまな状況に対して十分な 耐久性が得られてなぐ例えば急激な応力が力かる衝撃への耐久性、繰返しに応力 力 Sかかる繰返し曲げ耐久性、繰返し局所荷重等に対して、 ICチップが割れたり、カー ドが破損し引いては電気動作が不可能になるなどの問題が発生していた。また、これ らの耐久性を改善するだけでなぐ個人情報等を記載するためには、昇華印画、溶 融印字等で濃度変動がなくカスレのないようにするよう平滑なカード表面性が必要に なる。
[0008] この発明では、このような耐久性を改善し、なお且つ表面性を高い次元で改善する ことが可能な ICカード及び ICカードの製造方法を提供することを目的としている。 課題を解決するための手段
[0009] 前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成し た。
[0010] (1)上記目的を達成するため、本発明の一実施例は、アンテナ、 ICチップを有する ICモジュールがモジュール支持体上に支持されてなり、前記 ICモジュールを第 1の
シート材と第 2のシート材の間に挟み込み接着剤により一体ィ匕した ICカードであり、 前記 ICチップの回路面と反対側に、密着剤を介して補強板を具備し、
前記 ICチップの回路面側と、前記モジュール支持体上に形成された前記アンテナ 力 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2力もなる榭脂成分を含む榭脂接合剤を介して 電気的に接続していることを特徴とする ICカードである。
(2)また、本発明において、前記榭脂接合剤は、非導電性榭脂組成物であることを 特徴とする前記(1)記載の IDカードである。
(3)また、本発明において、前記榭脂接合剤は、異方性導電性榭脂組成物であるこ とを特徴とする前記(1)記載の IDカードである。
(4)また、本発明において、前記補強板は、少なくとも第 1の補強板、第 2の補強板か ら構成され、前記 ICチップの回路面と反対側に前記密着剤を介して前記第 1の補強 板、さらに前記密着剤を介して前記第 2の補強板が隣接してこの順に具備されている ことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の IDカードである。
(5)また、本発明において、前記第 1の補強板が、前記 ICチップの面積及び外周より 大きぐ前記第 2の補強板が、前記第 1の補強板の面積及び外周より大きいことを特 徴とする前記 (4)記載の IDカードである。
(6)また、本発明において、前記第 2の補強板より前記密着剤の面積及び外周が大 きぐ前記 ICチップが前記密着剤で封止されていることを特徴とする前記 (4)に記載 の ICカードである。
(7)また、本発明において、前記密着剤の 2%弾性率が 0. 1以上 55kgZmm2以下 であることを特徴とする前記(1)な 、し (6)の 、ずれかに記載の ICカードである。
(8)また、本発明において、前記第 1のシート材において前記第 2のシート材と対向し て 、な 、面に受像層、前記第 2のシート材にお 、て前記第 1のシート材と対向して!/ヽ な 、面に筆記層を有し、前記 ICモジュール支持体における前記 ICモジュールが載 置された面が、前記第 1のシート材に対向し、前記 ICモジュール支持体における前 記 ICモジュールが載置されていない面力 前記第 2のシート材に対向することを特徴 とする前記(1)な 、し (7)の 、ずれかに記載の ICカードである。
(9)また、本発明において、前記受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が溶
融熱転写、または昇華熱転写で設けられることを特徴とする前記 (8)に記載の IC力 ードである。
(10)また、本発明において前記 ICチップの厚みが 30 m以上 190 m以下、前記 密着剤の厚みが 1 μ m以上 50 μ m以下とされて 、ることを特徴とする前記(1)な!ヽし (9)の!、ずれかに記載の ICカードである。
(11)また、本発明において、前記モジュール支持体が 10 m以上 50 m以下で前 記 ICモジュールの ICチップ部の最大厚みが 350 μ m以下であることを特徴とする前 記(1)ないし(10)に記載の ICカードである。
(12)また、本発明において、前記第 1の補強板および第 2補強板の重心位置、およ び前記 ICチップの重心位置が略同一で、前記第 1の補強板が金属よりなり円形また は正方形、第 2の補強板が金属よりなり正方形であることを特徴とする前記 (4)な 、し (11)に記載の ICカードである。
(13)また、本発明において、前記 ICチップは、少なくともシリコン基板、半導体層、 回路形成層、および保護層が順次積層されてなることを特徴する前記( 1 )ないし( 13 )に記載の ICカードである。
(14)本発明の一実施例は、モジュール支持体上に設けたアンテナに ICチップの回 路面側と、前記モジュール支持体上に形成された前記アンテナとを、 2%弾性率が 0 . 1一 SOkgfZmm2力もなる榭脂成分を含む榭脂接合剤を介して電気的に接続し、 前記 ICチップの回路面と反対側に密着剤をポッティングで設けて補強板を加圧加熱 密着させて ICモジュールを作成し、対向する第 1のシート材と第 2のシート材間の所 定の位置に前記作成した ICモジュールを載置し、接着剤を充填し加圧密着すること を特徴とする ICカードの製造方法である。
(15)また、本発明において、前記榭脂接合剤は、非導電性榭脂組成物であることを 特徴とする前記(14)に記載の ICカードの製造方法である。
(16)また、本発明において、前記榭脂接合剤は、異方性導電性榭脂組成物である ことを特徴とする前記(14)に記載の ICカードの製造方法である。
(17)また、本発明において、前記接着剤の 2%弾性率が 1一 90kg/mm2であること を特徴とする前記(14)な 、し(16)の 、ずれかに記載の ICカードの製造方法である
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]図 1は本発明の一実施例に係る ICカードの層構成を示す図である。
[図 2]図 2は ICモジュールの側面図である。
[図 3]図 3は ICチップ部の平面図である。
[図 4]図 4は ICモジュールの側面図である。
[図 5]図 5は本発明の一実施例に係る ICカードの層構成を示す図である。
[図 6]図 6は ICモジュールの側面図である。
[図 7]図 7は ICチップ部の平面図である。
[図 8]図 8は ICモジュールの側面図である。
[図 9]図 9は ICモジュールの側面図である。
[図 10]図 10は ICチップ部の平面図である。
[図 11]図 11は ICモジュールの側面図である。
[図 12]図 12は ICチップ部の平面図である。
[図 13]図 13は ICモジュールの側面図である。
[図 14]図 14は ICチップ部の平面図である。
[図 15]図 15は比較例の ICモジュールの側面図である。
[図 16]図 16は比較例の ICモジュールの側面図である。
[図 17]図 17は ICモジュールの保護説明する図である。
[図 18]図 18は ICモジュールの保護説明する図である。
[図 19]図 19は ICカード製造装置の概略構成図である。
[図 20]図 20は打抜金型装置の全体概略斜視図である。
[図 21]図 21は打抜金型装置の主要部の正面端面図である。
符号の説明
[0013] 1 裏カード支持体
2 表カード支持体
3 ICモジユーノレ
3al アンテナ
3a2 ICチップ
3b 補強板
3bl 第 1の補強板
3b2 第 2の補強板
3d モジュール支持体
3k バンプ
6 裏接着剤
7 表接着剤
8a 受像層
8c 保護層
9a 筆記層
90 樹脂接合剤
91 密着剤
発明を実施するための最良の形態
[0014] 以下、この発明の ICカード及び ICカード製造方法の実施の形態を図面に基づいて 詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の 実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに 限定されない。
[0015] まず、この発明の ICカードを、図 1乃至図 3に基づいて説明する。図 1は ICカードの 層構成を示す図、図 2は ICモジュールの側面図、図 3は ICチップ部の平面図である 。この実施の形態の ICカードは、身分証明書カードやクレジットカードなどに広く適用 することができ、対向する 2つの裏カード支持体 1 (以下、第 1のシート材と呼ぶときも ある)と表カード支持体 2 (以下、第 2のシート材と呼ぶときもある)との間に、裏接着剤 6と表接着剤 7 (裏接着剤 6と表接着剤 7は、単に接着剤と呼ぶときもある。)を介在し てアンテナ 3al、ICチップ 3a2を有する ICモジュール 3を含む部品が配置されてなる
[0016] 裏接着剤 6と表接着剤 7は、同じ組成であり、この接着剤の 2%弾性率が、 1以上 90 kgmm2以下である。 2%弾性率が 90kgZmm2以上になると応力を吸収できず、 IC
モジュール 3を破損し、 lkgZmm2以下になると、自己支持性が低下し、カードへの 衝撃や曲げなどの外部応力により、層間でズリが生じやすくなり、 ICモジュール 3を破 損する力 規定の 2%弾性率の接着剤を介して固定することで ICモジュール 3の破損 を防止することができる。
[0017] 一方の裏カード支持体 1には筆記可能な筆記層 9aが設けられている。他方の表力 ード支持体 2には、受像層 8aが設けられ、この受像層 8aに氏名、顔画像を含む個人 識別情報である認証画像、属性情報 8bが記録される。受像層 8aには、個人識別情 報である認証画像、属性情報 8bを保護する保護層 8cが設けられ、この保護層 8cを 設けることで、摩耗や薬品など、また、落下、コイン等の圧力に対して耐久性が向上 する。この受像層 8aに氏名、顔画像力もなる個人識別情報が溶融熱転写、または昇 華熱転写で設けられ、濃度変動がなくカスレのな 、情報記録ができる。
[0018] このアンテナ 3al、 ICチップ 3a2はモジュール支持体 3d上に設けられ、モジュール 支持体 3dは、例えばフィルムで構成される。モジュール支持体 3dには、 ICチップ 3a 2の回路面 3a21とアンテナ 3a 1とが異方性導電性接合剤 90を介して電気的に接続 され、また非導電性接合剤 95を介して接続される。
異方性導電性接合剤 90および非導電性接合剤 95は、ともに 2%弾性率が 0. 1— 8 OkgfZmm2力 なる榭脂成分を含む榭脂接合剤である。
本発明においては、前記榭脂接合剤のうち、異方性導電性榭脂組成物からなるもの を異方性導電性接合剤 (単に導電性接合剤と呼ぶときもある)と称し、また非導電性 榭脂組成物 (単に非導電性接合剤と呼ぶときもある)カゝらなるものを非導電性接合剤 と称している。
[0019] この ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22には、密着剤 91を介して補強板 3b が接続されている。このように、 ICカードは、 ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a 22に、密着剤 91を介して補強板 3bを隣接してこの順に具備している。
[0020] この密着剤 91は ICチップ 3a2を囲むようにモジュール支持体 3d上に設けられ、 IC チップ 3a2に密着剤 91を介して補強板 3bが接続される。このように、 ICチップ 3a2の 回路面 3a21側がモジュール支持体 3d上に形成されたバンプ 3k (ここでバンプ 3kは モジュール支持体 3d上に形成されて!、るが、必要に応じて ICチップ 3a2の回路面 3
a21側に設けられていてもよい)と導電性接合剤 90または非導電性接合剤 95を介し て密着接続し、 ICチップ 3a2の回路面 3a21側は、モジュール支持体 3dで ICチップ 3a2を保護している。 ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22は、密着剤 91を介 して補強板 3bを具備し、 1枚の補強板で強固に ICチップ 3a2を保護し、かつ、応力を 分散させ、これにより ICチップ 3a2を破壊より守ることができる。
[0021] また、この ICモジュール 3は、補強板 3b力 Cチップ 3a2の ICチップの ICカード平面 に垂直方向の投影面積及び外周より大きくなつている。このように、補強板 3bが ICチ ップ 3a2の面積及び外周より大きいことで、補強板 3bにより ICチップ 3a2が保護され ており、 ICチップ 3a2の耐久性向上を得られる。
[0022] この ICチップ 3a2と、補強板 3bは、 2%弾性率が 0. 1以上 55. OkgZmm2以下の 密着剤 91を介して固定されている。 2%弾性率が 55. OkgZmm2以上になると応力 を吸収できず、 ICチップ 3a2を破損し、 0. lkgZmm2以下になると、自己支持性が 低下し、 ICチップ 3a2を破損する力 0. 1以上 55. OkgZmm2以下の密着剤 91を介 して固定することで ICチップ 3a2の破損を防止することができる。
[0023] また、表裏の少なくとも片側に受像層 8aを有し、他方に筆記層 9aを有し、受像層 8a 側にモジュール支持体 3dの ICチップ 3a2が実装されていない支持体面 3dlを、筆 記層 9a側に補強板 3bが実装されている支持体面 3d2となるように、 ICモジュール 3 を設けている。モジュール支持体 3dと補強板 3bとの間に ICチップ 3a2が設けられ、こ のモジュール支持体 3dと補強板 3bとによって ICチップ 3a2を破壊より守ることができ る。
[0024] ICチップ 3a2の厚み D1が 30 μ m以上 190 μ m以下、密着剤 91の厚みが 1 μ m以 上 50 μ m以下である。 ICチップ 3a2が厚いと曲げの応力に対してチップの回路が破 壊されやすぐ薄すぎると、局部応力により割れやすい。また、密着剤が厚すぎると高 強度な補強板が隣接していても補強効果が低下し強度が落ち、逆に薄すぎると応力 緩和機能を併せ持つ密着剤の効果が少なくなり曲げ等の応力に弱くなると!、つたこと を、 ICチップ 3a2の厚みと、密着剤 91の厚みを規定することで、耐久性を改善するこ とがでさる。
[0025] なお、本発明にお 、て ICチップの厚みとは、回路面側もしくは回路面の反対面側
の曲率半径に沿った直線によって (湾曲して!/、な 、場合は回路面もしくは回路面の 反対面の法線に沿った直線によって) ICチップを貫 、たと想定した場合の厚みであ る。
[0026] またここで密着剤の厚みとは、 ICチップと第 1の補強板とを密着剤によって隔てて いる間隔、または第 1の補強板と第 2の補強板とを密着剤によって隔てている間隔で ある。
例えば図 2において、密着剤 91の厚みとは D2で示される。また例えば図 6において 、密着剤 91の厚みは D2aで示され、密着剤 92の厚みは D2bで示される。
[0027] 密着剤の厚みが、 ICチップと第 1の補強板、または第 1の補強板と第 2の補強板と の相互位置関係により均一でない場合には、複数箇所の厚みの平均とする。
一般に ICチップは、シリコン基板としてシリコン単結晶を円盤状にスライスしたものを 用いる。各種半導体層を形成、拡散した後、回路コンタクトホールを通してアルミの薄 膜で配線行う。全面にアルミ膜をつけた後、部分的にエッチングをして配線部分(回 路形成層)を残す方式が一般に知られている。本発明において回路面とは、アルミの 薄膜等によって配線を施した面をいう。
[0028] 更に、このようにして形成された電気回路を外部からの汚染、機械的強度、不正ァ クセスカゝら保護するために一般に数; z m程度の榭脂による保護層を設けることもある
[0029] 必要に応じて、所望の厚みにシリコン基盤における回路面と反対面を薄膜ィ匕処理 し、最後にチップ形状に切断し ICチップとする。
[0030] このように本発明における ICチップとは、最も厚いシリコン基板上の片面に、半導体 層、回路形成層、および保護層を有する構成を含む。
[0031] また、アンテナ 3alが形成されるモジュール支持体 3dの厚み D3が 10 μ m以上 50 μ m以下、 ICモジュール 3の ICチップ部の最大厚み D4が 350 μ m以下である。 IC モジュール 3の ICチップ部の最大厚み D4とは、回路面 3a21側とは逆のモジュール 支持体面から ICチップの補強板側の上面を言う。モジュール支持体 3dが薄すぎると アンテナ 3alが破壊されやすぐ厚すぎると ICカードが厚くなり、 ICモジュール 3の IC チップ部が厚すぎると局部応力により割れやす!/、と 、つたことを、アンテナ 3alが形
成されるモジュール支持体 3dの厚み D3と、 ICモジュール 3の ICチップ部の最大厚 み D4を規定することで、耐久性を改善することができる。
[0032] この ICカードの製造は、図 1乃至図 3に示すように、モジュール支持体 3d上に設け たアンテナ 3alに、 ICチップ回路面 3a21に設けた接続用バンプ 3kを、導電性接合 剤 90である異方導電性接合剤を介して電気接続した後に (または、非導電性接合剤 95を介して電気接続した後に)、密着剤 91をポッティングで設けて補強板 3bを加圧 加熱密着させ ICモジュール 3を作成する。
[0033] そして、対向する 2つのカード支持体である裏カード支持体 1と表カード支持体 2間 の所定の位置に作成した ICモジュール 3を載置し、接着剤である裏接着剤 6と表接 着剤 7を充填し加圧密着して、外力を応力分散させ、 ICチップ 3a2を破壊より保護す ることが可能な ICカードを製造することができる。
[0034] 次に、図 1に示す ICカードに用いる ICモジュール 3の他の実施の形態を、図 4に示 す。図 4に示す ICモジュールの形態は、図 1乃至図 3に示す ICモジュール 3と同様に 構成されるが、 ICチップ 3a2と補強板 3bとの間にのみ密着剤 91を設けている。
このような形態でも、 ICチップ 3a2の回路面 3a21側とバンプ 3kと力 2%弾性率が 0 . 1一 SOkgfZmm2カゝらなる榭脂成分カゝらなる榭脂接合剤 (異方性導電性接合剤ま たは非導電性接合剤)で接合されることにより、外部からの応力に対して内部で応力 を分散させ、接合部に負荷をかけずに断線などによる通信不良を低減することができ る。
[0035] 次に、 ICカードの他の実施形態を、図 5乃至図 7に示す。図 5は ICカードの層構成 を示す図、図 6は ICモジュールの側面図、図 7は ICモジュールの平面図である。
[0036] この実施の形態の ICカードは、図 1乃至図 3の実施の形態の ICカードと同様に構 成されるが、 ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22には、密着剤 91を介して第 1の補強板 3blが接続され、この第 1の補強板 3blには、密着剤 92を介して第 2の補 強板 3b2が接続されている。このように、 ICカードは、 ICチップ 3a2の回路面 3a21と 反対側 3a22に、密着剤 91, 92を介して第 1の補強板 3bl、第 2の補強板 3b2を隣 接してこの順に具備して 、る。
[0037] この密着剤 91と密着剤 92は、同じ組成でも、異なった組成でもよい。密着剤 91は I
Cチップ 3a2を囲むようにモジュール支持体 3d上に設けられ、 ICチップ 3a2に密着剤 91を介して第 1の補強板 3b 1が接続される。密着剤 92は ICチップ 3a2及び第 1の補 強板 3b 1を囲むようにモジュール支持体 3d上に設けられ、第 1の補強板 3b 1に密着 剤 92を介して第 2の補強板 3b2が接続されて 、る。
[0038] このように、 ICチップ 3a2の回路面 3a21側がモジュール支持体 3d上に形成された アンテナ 3alと導電性接合剤 90を介して密着し電気的に接続し、また非導電性接合 剤 95を介して接続される。 ICチップ 3a2の回路面 3a21側は、モジュール支持体 3d で ICチップ 3a2を保護している。 ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22は、密 着剤 91, 92を介して第 1の補強板 3bl、第 2の補強板 3b2を具備し、 2枚の補強板で 強固に ICチップ 3a2を保護し、かつ、応力を分散させ、これにより ICチップ 3a2を破 壊より守ることができる。
[0039] この実施の形態の ICモジュール 3は、第 1の補強板 3blが ICチップ 3a2の ICチップ の ICカード平面に垂直方向の投影面積及び外周より大きぐ第 2の補強板 3b2が第 1の補強板 3blの面積及び外周より大きくなつている。このように、第 1の補強板 3bl が ICチップ 3a2の面積及び外周より大きぐ第 2の補強板 3b2が第 1の補強板 3blの 面積及び外周より大きいことで、一番大きい第 2補強板 3b2に曲げたり、押したりした ときの荷重が力かりやすぐさらに第 1の補強板 3blにより ICチップ 3a2が保護されて おり、 ICチップ 3a2の耐久性が向上する。
[0040] また、第 2の補強板 3b2より密着剤 92の面積及び外周が大きぐ ICチップ 3a2が密 着剤 92で封止され、モジュール支持体 3d上になだらかに ICチップ部分が形成され ることになり、平滑なカード表面を得ることができる。
[0041] この実施の形態の ICチップ 3a2と、第 1の補強板 3bl、および、第 1の補強板 3blと 、第 2の補強板 3b2は、 2%弾性率が 0. 1以上 55. OkgZmm2以下の密着剤 91, 92 を介して固定されている。 2%弾性率が 55. OkgZmm2以上になると応力を吸収でき ず、 ICチップ 3a2を破損し、 0. lkgZmm2以下になると、自己支持性が低下し、第 1 の補強板 3b 1と、第 2の補強板 3b2の補強板との一体ィ匕が低下し、 ICチップ 3a2を破 損するが、 0. 1以上 55. OkgZmm2以下の密着剤 91, 92を介して固定することで IC チップ 3a2の破損を防止することができる。
[0042] また、この実施の形態では、表裏の少なくとも片側に受像層 8aを有し、他方に筆記 層 9aを有し、受像層 8a側にモジュール支持体 3dの ICチップ 3a2が実装されていな い支持体面 3dlを、筆記層 9a側に第 1の補強板 3bl、第 2の補強板 3b2が実装され ている支持体面 3d2となるように、 ICモジュール 3を設けている。モジュール支持体 3 dと第 1の補強板 3bl、第 2の補強板 3b2との間に ICチップ 3a2が設けられ、このモジ ユール支持体 3dと補強板とによって ICチップ 3a2を破壊より守ることができる。
[0043] この実施の形態では、 ICチップ 3a2の厚み D1が 30 μ m以上 190 μ m以下、密着 剤 91, 92の厚みが 1 m以上 50 m以下である。 ICチップ 3a2が厚いと曲げ応力 に対してチップの回路が破壊しやすぐ薄すぎると、局部応力により割れやすい。ま た、密着剤が厚すぎると高強度な補強板が隣接していても補強効果が低下し強度が 落ち、逆に薄すぎると応力緩和機能を併せ持つ密着剤の効果が少なくなり曲げ等の 応力に弱くなるといったことを、 ICチップ 3a2の厚みと、密着剤 91, 92の厚みを規定 することで、耐久性を改善することができる。
[0044] また、アンテナ 3alが形成されるモジュール支持体 3dの厚み D3が 10 μ m以上 50 μ m以下、 ICモジュール 3の ICチップ部の最大厚み D4が 350 μ m以下である。 IC モジュール 3の ICチップ部の最大厚み D4とは、回路面 3a21側とは逆のモジュール 支持体面から ICチップの補強板側の上面を言う。モジュール支持体 3dが薄すぎると アンテナ 3alが破壊しやすぐ厚すぎると ICカードが厚くなり、 ICモジュール 3の ICチ ップ部が厚すぎると局部応力により割れやす ヽと 、つたことを、アンテナ 3alが形成さ れるモジュール支持体 3dの厚み D3と、 ICモジュール 3の ICチップ部の最大厚み D4 を規定することで、耐久性を改善することができる。
[0045] この実施の形態では、第 1の補強板 3blと第 2の補強板 3b2の重心位置と、 ICチッ プ 3a2の重心位置が略同一であり、補強板形状は、第 1の補強板 3blが金属よりなる 正方形であり、第 2の補強板 3b2が金属よりなる正方形である。この第 1の補強板 3bl が円形でもよい。補強板形状が、第 1の補強板 3blが円形または正方形で、第 2の補 強板 3b2が正方形であることで、最外層の補強板が重心力もより離れたところにある ほど、曲げ変形等の外部応力が加わったとき最外層が破壊しやすくなるため、その 結果 ICチップ 3a2を保護できる。
[0046] この ICカードの製造は、図 5乃至図 7に示すように、モジュール支持体 3d上に設け たアンテナ 3alに ICチップ回路面 3a21に設けた接続用バンプ 3kを、導電性接合剤 90である異方導電性接合剤を介して電気接続した後に (または、非導電性接合剤9 5を介して電気接続した後に)、密着剤 91をポッティングで設けて第 1の補強板 3bl を加圧加熱密着し、さらに密着剤 92をポッティングで設けて第 2の補強板 3b2を加圧 加熱密着させ ICモジュール 3を作成する。
[0047] 対向する 2つのカード支持体である裏カード支持体 1と表カード支持体 2間の所定 の位置に作成した ICモジュール 3を載置し、接着剤である裏接着剤 6と表接着剤 7を 充填し加圧密着して、外力を応力分散させ、 ICチップ 3a2を破壊より保護することが 可能な ICカードを製造することができる。
[0048] 次に、図 5に示す ICカードに用いる ICモジュール 3の他の実施形態を、図 8乃至図 14に示す。
[0049] 図 8に示す他の実施形態の ICモジュール 3は、図 5乃至図 7の ICモジュール 3と同 様に構成されるが、密着剤 91は、第 1の補強板 3blと ICチップ 3a2との間に設けられ 、また密着剤 92も第 1の補強板 3blと第 2の補強板 3b2との間に設けられている。
[0050] 図 9に示す他の実施形態の ICモジュール 3は、密着剤 91も図 5乃至図 7の ICモジ ユール 3と同様に構成されるが、密着剤 92は、図 8の実施の形態と同様に、第 1の補 強板 3blと第 2の補強板 3b2との間に設けられている。
[0051] また、図 8及び図 9の実施形態では、図 5乃至図 7の実施形態と同様に、第 1の補強 板 3blより第 2の補強板 3b2を平面形状の大きく形成しており、この実施形態の場合 、図 5乃至図 7の実施の形態と同様に第 1の補強板 3blと第 2の補強板 3b2とを同じ 正方形の相似形に形成してもよいが、図 12に示すように、第 1の補強板 3blが円形 で、第 2の補強板 3b2が正方形に形成してもよ 、。
[0052] さらに、 ICモジュール 3の他の実施形態を、図 13及び図 14に示す。図 13は ICモジ ユールの側面図、図 14は ICモジュールの ICチップ部の平面図である。この実施の形 態は、図 8の ICモジュール 3と同様に構成されるが、第 1の補強板 3blより第 2の補強 板 3b2が小さく形成されている。この実施の形態では、第 1の補強板 3blと第 2の補 強板 3b2は、図 14に示すように、同じ正方形であるが、円形でもよぐ正方形と円形
でもよい。
図 5乃至図 14に示すように、 ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22に、密着剤 91, 92を介し第 1の補強板 3bl、第 2の補強板 3b2を隣接してこの順に具備し、 ICチ ップ 3a2の回路面 3a21側と、モジュール支持体 3d上に形成されたアンテナ 3alとを 電気的に接続するバンプ 3kと力 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2力もなる榭脂成 分力ゝらなる樹脂接合剤 (異方性導電性接合剤 90または非導電性接合剤 95)で接合 されている。
[0053] この ICカードの製造は、モジュール支持体 3d上に設けたアンテナ 3alに ICチップ 3a2の回路面 3a21側と、モジュール支持体 3d上に形成されたアンテナ 3a 1とを電気 的に接続するバンプ 3kとを、 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2力もなる榭脂成分を 含む樹脂接合剤 (異方性導電性接合剤 90または非導電性接合剤 95)で接合し、 IC チップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22に密着剤 91をポッティングで設けて第 1の 補強板 3blを加圧加熱密着し、さらに密着剤 92をポッティングで設けて第 2の補強 板 3b2を加圧加熱密着させ ICモジュール 3を作成し、対向する 2つのカード支持体 1 , 2間の所定の位置に前記作成した ICモジュール 3を載置し、接着剤 6, 7を充填し 加圧密着する。
[0054] このように、 ICチップ 3a2の回路面 3a21側とバンプ 3kと力 2%弾性率が 0. 1— 8 OkgfZmm2カゝらなる榭脂成分を含む榭脂接合剤 (異方性導電性接合剤 90または非 導電性接合剤 95)で接合されることにより、外部からの応力に対して内部で応力を分 散させ、接合部に負荷をかけずに断線などによる通信不良を低減することができる。 さらに補強板を 1枚設けたものに比べ 2枚にすることで極めて高いレベルで応力を分 散させ ICチップを破壊より守る効果を得ることができる。
[0055] 上記の効果を図 17及び第 18図によって説明する。図 17に示すように、 ICカードに 応力が力かったときに、第 1の補強板 3blが ICチップ 3a2の面積及び外周より大きく 、第 2の補強板 3b2が第 1の補強板 3blの面積及び外周より大きいことで、一番大き い第 2の補強板 3b2に曲げたり、押したりしたときの荷重が力かりやすぐ第 2の補強 板 3b2から破壊が進行することで、 ICチップ 3a2が保護されて ICチップ 3a2の耐久性 が向上する。
[0056] また、第 18図に示すように、 ICチップ 3a2が密着剤 92で封止されていないで、密 着剤 92の面積が小さいと空隙 3fができやすぐ耐久性、凹凸性が低下しやすいが、 第 2の補強板 3b2より密着剤 92の面積及び外周が大きぐ ICチップ 3a2が密着剤 92 で封止されていると、空隙 3fがなくなり耐久性が向上し、凹凸性が低下してモジユー ル支持体 3d上になだらかに ICチップ部分が形成されることになり、平滑なカード表 面を得ることができる。
[0057] 次に、比較例の ICモジュールの形態を、図 15乃至図 16に示す。
[0058] 図 15に示す比較例の ICモジュールの形態は、モジュール支持体 3dが榭脂シート であり、例えば PET-Gシートを用いている。この榭脂シートにアンテナ 3alが形成さ れる。 ICチップ 3a2は、リードフレーム 3eに導電性接合剤 90とワイヤーボンディング により固定され、このリードフレーム 3eが密着剤 94によってモジュール支持体 3dに固 定されている。
[0059] 図 16に示す比較例の ICモジュールの形態は、モジュール支持体 3dが不織布であ る。また、 ICモジュール 3は、 ICチップ 3a2の回路面 3a21と反対側 3a22に、密着剤 91, 92を介して第 1の補強板 3bl、第 2の補強板 3b2を隣接してこの順に具備される 力 ICチップ 3a2の回路面 3a21の反対側 3a22がモジュール支持体 3dに設けられ ている。
[0060] 以下、この発明の ICカード及び ICカードの製造方法について詳細に説明する。
<破断伸度、 2%弾性率の測定方法 >
接着剤を、厚さ 500 mの硬化後の接着剤シートを作成し、この接着剤シートを株 式会社オリエンテックテンシロン万能試験機 RTA— 100を用い ASTM D638に準じ て、引張弾性率、引張破断点伸度、を測定した。
[カード支持体]
裏表のカード支持体 (第 1のシート材および第 2のシート材)としては、例えば、ポリ エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート Zィ ソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチ ルペンテン等のポリオレフイン榭脂、ポリフッ化ビュル、ポリフッ化ビ-リデン、ポリ 4フ ッ化エチレン、エチレン 4フッ化工チレン共重合体、等のポリフッ化工チレン系榭脂
、ナイロン 6、ナイロン 6. 6等のポリアミド、ポリ塩化ビュル、塩化ビュル Z酢酸ビュル 共重合体、エチレン Z酢酸ビニル共重合体、エチレン Zビニルアルコール共重合体 、ポリビュルアルコール、ビニロン等のビュル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、 生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生 分解性セルロースアセテート、生分解性ポリ力プロラタトン等の生分解性榭脂、三酢 酸セルロース、セロファン等のセルロース系榭脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタァ クリル酸ェチル、ポリアクリル酸ェチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系榭脂、 ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアタリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は 上質紙、薄葉紙、ダラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら 2層 以上の積層体が挙げられる。この発明の基材の厚みは 30— 300 μ m望ましくは 50 一 200 μ mである。 50 μ m以下であると裏表の基材の貼り合わせ時に熱収縮等を起 こし問題である。
[0061] この発明においては隠蔽性を向上させるために白色の顔料を混入させたり、熱収 縮率を低減させるためにァニール処理を行ったりして得られた 150°CZ30minにお ける熱収縮率が縦 (MD)で 1. 2%以下、横 (TD)で 0. 5%以下の支持体を用いるこ とが好ましい。縦 (MD)で 1. 2%以上、横 (TD)で 0. 5%以上であると基材の収縮に より上記した後加工が困難になることが確認された。又上記基材上に後加工上密着 性向上のため易接処理を行っていても良ぐチップ保護のために帯電防止処理を行 つても良い。
[0062] 具体的には、帝人デュポンフィルム株式会社製の U2シリーズ、 U4シリーズ、 ULシ リーズ、東洋紡績株式会社製クリスパー Gシリーズ、東レ株式会社製の E00シリーズ 、 E20シリーズ、 E22シリーズ、 X20シリーズ、 E40シリーズ、 E60シリーズ QEシリー ズを好適に用いることができる。
[0063] 第 2のカード支持体 (第 2のシート材)は場合により、当該カード利用者の顔画像を 形成するため受像層、クッション層を設けてもよい。個人認証カード基体表面には画 像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷か ら選ばれる少なくとも一つが設けられたものが好ましい。
[0064] 受像層用としては公知の榭脂を用いることができ、例えばポリ塩ィ匕ビュル榭脂、塩
化ビュルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビュル等)との共 重合体榭脂、ポリエステル榭脂、ポリ (メタ)アクリル酸エステル、ポリビュルピロリドン、 ポリビニルァセタール系榭脂、ポリビニルブチラール系榭脂、ポリビニルアルコール、 ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えば アクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビュルトルエン アタリレート榭脂、ポリウレタン榭脂、ポリアミド榭脂、尿素樹脂、エポキシ榭脂、フエノ キシ榭脂、ポリ力プロラタトン榭脂、ポリアクリロニトリル榭脂、およびそれらの変性物な どを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル榭脂、塩ィ匕ビニルと他のモ ノマーとの共重合体、ポリエステル榭脂、ポリビュルァセタール系榭脂、ポリビュルブ チラール系榭脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ榭脂である。
[0065] クッション層を形成する材料としては、特開 2001— 1693記載の光硬化型榭脂、ポリ ォレフィンが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン 酢酸ビュル共 重合体、エチレン アクリル酸ェチル共重合体、スチレン ブタジエン スチレンブロッ ク共重合体、スチレン イソプレン スチレンブロック共重合体、スチレン エチレン ブタジエン スチレンブロック共重合体、スチレン一水素添加イソプレン スチレンブロ ック共重合体、ポリブタジエンの様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。
[0066] クッション層とは、カード支持体と画像を受容する受像層の間に位置し、 ICモジユー ル等の電子部品による凹凸影響を緩和する役割をはたす軟質の榭脂層を意味する
[0067] また、クッション層は、受像層と電子部品の間にクッション層を有する形態であれば 特に制限はないが、カード支持体の片面もしくは両面上に塗設あるいは貼合されて、 形成されることが特に好まし 、。
<筆記層>
第 1のカード支持体 (第 1のシート材)は場合により、筆記層を設けることができる。 筆記層は、 IDカードの裏面に筆記をすることができるようにした層である。このような 筆記層としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソゥ土、酸化チタン、硫酸バリゥ ム等の無機微細粉末を熱可塑性榭脂 (ポリエチレン等のポリオレフイン類や、各種共 重合体等)のフィルムに含有せしめて形成することができる。特開平 1—205155号公
報に記載の「書き込み層」をもって形成することができる。前記筆記層は基材におけ る、複数の層が積層されていない方の面に形成される
[ICモジュール]
ICモジュールの電子部品とは、情報記録部材のことを示し、例えば電子カードの利 用者の情報を電気的に記憶する ICチップ及び ICチップに接続されたコイル状のアン テナ体である。 ICチップはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピューターなどであ る。場合により電子部品にコンデンサーを含んでいてもよい。 ICチップは、一般の IC
(集積回路)の形態を具備している。すなわち、シリコンウェハー上に半導体を必要な 形状にリソグラフィーゃドーピングなどの手法で形成し、電子回路を形成する。このあ と、必要な厚みに研摩し、ダイシング工程を経て ICチップ形状にする。 ICチップの厚 さは 30 m— 190 mであることが好ましい。 190 m以上であると曲げの応力に対 してチップの回路が破壊しやすぐ 30 m以下であると局部応力により割れやすくな る。 ICカードとして使用される ICチップは、接続端子を有している力 これは、 ICチッ プ上の接続部分にバンプと称される接続端子をメツキなどの方法により設けることが できる。この発明はこれに限定されず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に 限定はない。
[0068] 通常、アンテナは、 PETやポリイミドなどの厚み 10 μ m— 800 μ mの熱可塑性基材 に銅材ゃアルミニウム材などを所定のパターンにエッチングしたもの、 50 m φ— 30 0 m φの径を有する銅線材などを所定の形状にカード支持体に配置する卷線形式 により形成したもの、銀粒子を固形分にして 50重量%—90重量%含有した導電性 ペーストインキをカード支持体上にスクリーン印刷などの方式で所定形状配置したも の、などが使用される。
[0069] アンテナの形状は、ループアンテナ形状が多ぐそのターン数は、 1一数 10ターン であり用途により適宜選択する。非接触 ICカードでは、その通信距離に応じて、密着 型 (カードとリーダーライターを密着して通信する。)、近接型 (通信距離は、一般に、 数 cm—数 10cm)、近傍型 (通信距離:数 10cm—数 m)、マイクロ波型 (通信距離: 1 m—数 m)として分類されている。通信を行う電磁波の搬送波の周波数も限定されて おり、たとえば、近接型では、 13. 56MHzとすることが多い。アンテナの特性は、こ
の電磁周波数に共振するようにターン数や線幅などが設計される。このような少なくと も ICチップとアンテナを配した基材を ICモジュールと称している。
[0070] ICチップをアンテナ端子に接続する方法としては、たとえば、ワイヤーボンディング 法、フリップチップボンディング法 (FCB法)などが常用されている。 ICチップの端子( バンプ)とアンテナ端子を金、 Ni等で接続する方法が知られている。
本発明においては、上記接続部に ACF (異方性導電性フィルム)、 ACP (異方性導 電性接合剤に相当する)、 NCF (非導電性樹脂フィルム)、 NCP (非導電性接合剤に 相当する)などの榭脂接合剤を接続させ、その上に ICチップを配置し、 ICチップの端 子とアンテナ端子を加熱加圧することにより接続固定する。また発明では生産性から ACP、 NCPを用い接合することが好ましい。
[0071] また榭脂接合剤の粘度は特に限定されな 、が、流動性があり適用性、塗布性、印 刷性が良好であれば特に限定されるものではなヽ。榭脂接合剤をポッティングで設 ける場合、ポッティングノズル数を多くすることが好ましい。榭脂接合剤を塗布で設け る場合、平滑に設けることが好ましい。塗布後の厚みを適当なものとするためには 23 °Cにおける粘度力 OOO— 80000cpsであること力 S好ましく、更に好ましくは 3000— 70000である。粘度が lOOOcps以下であると ICチップと補強構造物(例えば補強板 )密着時に粘度が低すぎるため設けた液が流れてしまい膜厚制御、膜厚ムラができ てしまい問題となる。また、粘度が 80000以上であると製造時に塗工スジ、気泡が発 生してしまい密着性が劣化してしまう。仕上がり膜厚は、 1一 80 /ζ πι、より好ましくは 5 一 80 μ m、更に好ましくは 5— 70 μ mである。
尚、榭脂接合剤の弾性率測定方法は (2%弾性率測定方法)は以下の通りである。
< 2%弾性率測定方法 >
各々の榭脂接合剤を厚さ 500 μ mのシートを作成ダンベル状 3号型になるよう成型 し、このシートを株式会社ォリンテックテンシロン万能試験機 RTA— 100を用い測定 した。測定環境温度は、 23°C、 50%RH環境下。引っ張り速度は 10mmZmin、標 線間距離 20mmの時の 2%値を、この発明の 2%弾性率と算出した。
[0072] 以下に、上記の榭脂接合剤における ACPおよび NCPについての説明をする。
< ACP (Anisotropic Conductive Paste:異方性導電性ペースト) >
異方性導電ペーストに使用される榭脂は、弾性率が 500 mの厚さで榭脂物性が 2%弾性率 (kgfZmm2)で 0. 1— 80kgであることが好ましぐ 0. lkgfZmm2以下又 は 80kgf Zmm2以上であるとチップとアンテナ接続部への応力が集中し接合部に負 荷を掛け、断線などによる通信不良が発生し、問題となってしまう。
[0073] この発明には 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2力もなる榭脂成分を含む異方性導 電性榭脂組成物を用いることができる。好ましくは 0. 2— 80kgfZmm2、より好ましく は 0. 5— 70kgfZmm2である。 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2力もなる榭脂成分 は、この発明の趣旨より反しない限り、制限なく用いることができる。
[0074] UV硬化型、ホットメルト、嫌気性、湿気硬化型榭脂、熱硬化性榭脂などの榭脂、例 えばエポキシ系、ウレタン系、シリコン系、ポリエステル系、シァノアクリレート系、二トリ ルゴム、熱可塑性エラストマ一等の合成ゴム系、セルロース系密着剤、酢酸ビニール 系密着剤等の密着剤を用いることができる。これらは単独、または、複数用いることが できる。好ましくは、 UV硬化型榭脂、湿気硬化型榭脂、光硬化型榭脂、熱硬化型榭 脂のような硬化性榭脂が好ましぐ例えばアクリル榭脂、エポキシ榭脂、ウレタン榭脂 が用いられる。
[0075] エポキシ榭脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭 63— 63716に 開示されるような、エポキシ榭脂とメルカブタン系硬化剤との組み合わせ力もなるェポ キシ榭脂組成物や、複素環状ジァミン硬化剤との組み合わせカゝらなるエポキシ榭脂 組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤との 組み合わせ力もなるエポキシ榭脂が用いられてきた。作業環境特性、支持体との接 着性、接着安定性を得るために特開平 10— 120764に開示されているような、ビスフ ェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤としてポリアミドアミン、芳香族変性ァミン、 及び脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ榭脂組成物が用いられて いる。また、特開 2000-229927には、エポキシ榭脂とアミンイミドィ匕合物系硬化剤と の組み合わせ力 なる硬化速度が早 、エポキシ榭脂が得られて 、る。特開平 6— 87 190、特開平 5— 295272には特殊変性シリコーンプレボリマーを硬ィ匕剤として用いた 榭脂の柔軟性を改良した材料が開示されて 、る。
[0076] この発明で用いることができるエポキシとは、一般的に弾性エポキシ榭脂といわれる
もの例えば、セメダイン株式会社製、セメダイン EP— 001、株式会社スリーボンド社製 、 3950シリーズ、 3950, 3951, 3952、コ-シ株式会社製ボンド MOSシリーズ、 M OS07、 MOS10、東邦ィ匕成工業株式会社ウルタイ卜 1500シリーズ、ウルタイ卜 1540 、 3325X等を用いることが好ましい。
[0077] 湿気硬化型としてはウレタン榭脂が一般的で、公知の材料で本発明の 2%弾性率 であれ ί 特【こ ff¾限 ίまな ヽ。 f列え ί 特開 2000— 036026、特開 2000— 219855、特 開 2000-211278、特開 2002— 175510で開示されている。湿気硬化接着剤の 1 例として、分子末端にイソシァネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシ ァネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型接着剤とし ては、例えば住友スリーェム社製 ΤΕ030、 ΤΕ100、 日立化成ポリマー社製ハイボン 4820、カネボウェヌエスシ一社製ボンドマスター 170シリーズ、 Henkel社製 Macro plast QR 3460等があげられる。また、湿気硬化型接着剤は素材の安全性から遊 離 MDI量が 1. 0%以下の物を使用することが好まし 、。
[0078] 光硬化型榭脂としてはアクリル榭脂、エポキシ榭脂が一般的で、公知の材料で本 発明の 2%弾性率であれば特に制限はない。光硬化型榭脂層は、付加重合性又は 開環重合性を有する素材力 なるものであり、付加重合成化合物とは、ラジカル重合 性化合物、例えば特開平 10-316959、特開平 11— 5964、特開平 7—159983号、 特公平 7-31399号等の各号公報に記載されている光重合成 (熱重合性も含む)組 成物を用いた光硬化型材料であってもよい。付加重合成化合物とは、カチオン重合 系の光硬化型材料が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された 光力チオン重合系の光硬化材料も例えば、特開平 6— 43633号公報等に公開されて V、る。ハイブリッド型重合系の光硬化材料としては特開平 4— 181944号等で組成物 が開示されている。具体的には、上記カチオン系開始剤、カチオン重合性化合物、 ラジカル系開始剤、ラジカル重合性ィヒ合物のいずれかを含む光硬化層であり、この 発明の目的においてはいずれの光硬化榭脂剤量を用いても構わない。
[0079] この発明の異方性導電性接合剤には前記記載の 2%弾性率が 0. l-80kgf/m m2力もなる榭脂成分の他に導電性フィラー、溶剤、 WAX,熱可塑性榭脂、無機微粒 子、レべリング剤、ゴム弾性粒子、熱可塑性エラストマ一、染料、顔料、熱可塑性榭脂
、粘着剤、硬化剤、硬化触媒、平板上粒子、針状粒子、重合禁止剤、増粘剤、チキソ トロピー剤、沈殿防止剤、酸化防止剤、分散剤その他添加剤等を配合することも可能 である。
[0080] 導電粒子としては、電気的に良好な導体である限り種々のものを使用することがで きる。例えば、銅、銀、金、ニッケル、等の金属粉体、このような金属で被覆された榭 脂あるいは粉体等を使用することができる。また、その形状についても特に制限はな ぐりん片状、樹枝状、粒状、ペレット状等の任意の形状をとることができる。
[0081] また、この発明の異方性導電性接合剤には、溶剤及び硬化促進剤等の各種添カロ 剤を必要に応じて添加することができる。この発明の 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZm m2力もなる榭脂成分は ACP全体の 35質量%以下が好ましい。
[0082] この発明の異方性導電性接合剤は常法により製造できる。例えば、 2%弾性率が 0 . 1一 80kgfZmm2カゝらなる榭脂成分、各種添加剤を混合し、さらに導電粒子を混合 することにより製造できる。また、その使用方法も例えば常法にしたがって接続すべき 端子間に適用し、作成すればよい。この発明の ACPは、例えば上記の成分をホモジ ナイザーなどの攪拌機で均一に混合した後、 3本ロールあるいは-一ダーなどの混 練機でさらに均一に分散することにより製造されるが、製法はこの方法に限定される ものではない。
[0083] また異方性導電性接合剤には、必要に応じてさらに公知の溶剤を添加できる。溶 剤としては、硬化反応後に系内への残存を避けるため沸点は約 250°C以下のものが 好ましい。具体的には、例えば、トルエン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、 n— へキサン、ペンタンなどの炭化水素溶剤、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー ルなどのアルコール類、シクロへキサノン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケト ン、ジェチルケトン、イソホロンなどのケトン類、酢酸ェチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ ルなどのエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール モノェチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、 3—メトキシー 3—メチ ルブチルアセテートなどのグリコールモノエーテル類およびそれらのアセテート化合 物、あるいはこれらの 1種ないし 2種以上の混合物などを挙げることができる。
<NCP (Non Conductive Paste :非導電性ペースト) >
この発明の非導電性ペーストに用いられる榭脂は 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZm m2力もなる榭脂成分を含む非導電性榭脂組成物を用いることができる。好ましくは 0 . 2— 80kgf/mm2、より好ましくは 0. 5— 70kgf/mm2である。 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2力もなる榭脂成分は、この発明の趣旨より反しない限り、制限なく用い ることができる。前述の ACPに用いられる榭脂と同様の榭脂を用いることができる。
[0084] この発明の非導電性榭脂ペーストには、前記記載の 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZ mm2カゝらなる榭脂成分の他に溶剤、 WAX,熱可塑性榭脂、無機微粒子、レべリング 剤、ゴム弾性粒子、熱可塑性エラストマ一、染料、顔料、熱可塑性榭脂、粘着剤、硬 ィ匕剤、硬化触媒、平板上粒子、針状粒子、重合禁止剤、増粘剤、チキソトロピー剤、 沈殿防止剤、酸化防止剤、分散剤その他添加剤等を配合することも可能である。
[0085] また、この発明の非導電性接合剤には、必要に応じて、前述の溶剤及び硬化促進 剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。この発明の 2%弾性率が 0 . 1一 80kgfZmm2力もなる榭脂成分は NCP全体の 40質量%以下が好まし 、。
[0086] この発明の非導電性接合剤は常法により製造できる。例えば、 2%弾性率が 0. 1— 80kgfZmm2カゝらなる榭脂成分、各種添加剤を混合し、製造できる。また、その使用 方法も例えば常法にしたがって接続すべき端子間に適用し、作成すればよい。この 発明の NCPは、例えば上記の成分をホモジナイザーなどの攪拌機で均一に混合し た後、 3本ロールあるいは-一ダーなどの混練機でさらに均一に分散することにより 製造されるが、製法はこの方法に限定されるものではない。
[0087] 予め ICチップを含む部品を所定の位置に載置して力も榭脂を充填するために、榭 脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、榭脂の流動や冷却に起因して表面の 平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに榭脂層 を形成してお!、て該榭脂層内に部品を封入するために該電子部品を多孔質の榭脂 フィルム、多孔質の発泡性榭脂フィルム、可撓性の榭脂シート、多孔性の榭脂シート 又は不織布シート状にし使用できる。
[0088] 例えば、アンテナフィルム支持体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン テレフタレート、ポリイミド、 PET— G (イーストマンケミカル社)、ポリエチレンテレフタレ ート Zイソフタレート共重合体等のポリエステル榭脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリメチルペンテン等のポリオレフイン榭脂、ポリフッ化ビュル、ポリフッ化ビ-リデン、 ポリ 4フッ化工チレン、エチレン 4フッ化工チレン共重合体、等のポリフッ化工チレン 系榭脂、ナイロン 6、ナイロン 6. 6等のポリアミド、ポリ塩化ビュル、塩化ビュル Z酢酸 ビュル共重合体、エチレン Z酢酸ビュル共重合体、エチレン Zビュルアルコール共 重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエ ステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコ ール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリ力プロラタトン等の生分解性榭 脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系榭脂、ポリメタアクリル酸メチル、 ポリメタアクリル酸ェチル、ポリアクリル酸ェチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル 系榭脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シー ト、又は上質紙、薄葉紙、ダラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれ ら 2層以上の積層体が挙げられる。この発明のモジュール支持体の厚みは 10— 50 μ mが好ま 、。 10 μ m以下であると裏表の基材の貼り合わせ時に熱収縮等を起こ し問題である。 50 m以上では、クッション効果が低下し、 ICチップが破損しやすく なる。
<密着剤>
この発明の密着剤には、この発明の趣旨より反しない限り、一般に使用されている 榭脂材を制限なく用いることができる。エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、シァノアク リレート系、二トリルゴム等の合成ゴム系、 UV硬化型、ホットメルト、嫌気性、セルロー ス系密着剤、酢酸ビニール系密着剤等の密着剤を用いることができる。これらの密着 剤単独、または、複数用いることができる。好ましくは、弾性エポキシ密着剤が用いら れる。
弾性エポキシ榭脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭 63— 6371 6に開示されるような、エポキシ榭脂とメルカブタン系硬化剤との組み合わせ力もなる エポキシ榭脂組成物や、複素環状ジァミン硬化剤との組み合わせ力もなるエポキシ 榭脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤 との組み合わせカゝらなるエポキシ榭脂が用いられてきた。作業環境特性、基材との接 着性、接着安定性を得るために特開平 10— 120764に開示されているような、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤としてポリアミドアミン、芳香族変性ァミン、 及び脂肪族変性ポリアミン等を用い、このエポキシ榭脂との組み合わせによりェポキ シ榭脂組成物が用いられている。また、特開 2000-229927には、エポキシ榭脂とァ ミンイミド化合物系硬化剤との組み合わせ力もなる硬化速度が早いエポキシ榭脂が 挙げられている。特開平 6— 87190、特開平 5— 295272には特殊変性シリコーンプ レポリマーを硬化剤と用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示 されている。
弾性エポキシ密着剤とは、例えば、セメダイン株式会社製、セメダイン EP— 001、株 式会社スリーボンド社製、 3950シリーズ、 3950, 3951, 3952、コ-シ株式会社製 ボンド MOSシリーズ、 MOS07、 MOS10、東邦化成工業株式会社ウルタイト 1500 シリーズ、ウルタイト 1540灯を用いることが好まし!/、。
[0090] 密着剤の膜厚は、電子部品と含めた場合、厚さで 100— 800 mが好ましぐより 好ましく ίま 200— 800 μ m、更に好ましく ίま 200 μ一 700 μ mである。
[0091] この発明における密着剤(以下、密着剤榭脂とも呼ぶ)とは、 23°Cにおける粘度が 1 000— 35000cpsであること力 S好ましく、更に好ましくは 3000— 35000である。粘度 力 SlOOOcps以下であると ICチップと補強構造物密着時に粘度が低すぎるため設け た液が流れてしまい膜厚制御、膜厚ムラができてしまい問題となる。また、粘度が 35 000以上であると製造時に塗工スジ、気泡が発生してしま 、密着性が劣化してしまう
[0092] この発明に使用する密着剤 500 μ m硬化後の榭脂物性が 2%弾性率 (kgfZmm2) においても硬化後の物性が 0. 1— 55 (kgfZmm2)で有ることが好ましぐ 0. 1 (kgf /mm2)以下、 55 (kgf/mm2)以上であると ICチップまたは補強構造物への応力、 変形が ICチップに集中的にかかり、耐久性が低下し、問題となってしまう。
[0093] また、この発明の密着剤は、ポッティング、塗布、噴射、印刷等、特に制限なく補強 構造物上、 ICチップ上に設けることができる。ポッティングで設ける場合、ポッティング ノズル数を多くすることが好ましい。塗布で設ける場合、平滑に設けることが好ましい 。いずれも、 ICチップに補強構造物を固定する時、均一に密着剤を設けることが好ま しぐこの発明においては、密着剤面積が ICチップ面積を上回っていることが好まし
v、。チップ Z補強構造物間に密着剤が満たされな 、と耐久性が低下する。
[0094] この発明では、この発明の趣旨より反しない限り、添加剤を加えることができる。特 に密着剤に弾性粒子を含有するのが好まし ヽ。密着剤に添加可能な素材としては、 WAX,熱可塑性榭脂、無機微粒子、レべリング剤、ゴム弾性粒子、熱可塑性エラスト マー、熱可塑性榭脂、粘着剤、硬化剤、硬化触媒、流展剤、平板上粒子、針状粒子 、その他添加剤等を配合することも可能である。
[0095] 弾性粒子を添加することで、補強構造物を固定する製造工程で、 ICチップにかか る応力を緩和し、歪みが残留せず、耐久性を向上する事ができ特に好ましい。カード 化された後においても、 ICチップに力かる応力を緩和し、耐久性を向上することがで きる。
[0096] 平板上粒子としては、例えばマイ力、タルク、層状珪酸塩、ハロゲンィ匕銀等の平板 状物質が使用できる。
[0097] 平板状物質である平板状シリカ系化合物は、アルカリ、アルカリ土類金属、アルミ- ゥムなどを含有する層状ケィ酸塩、即ち、平板状ケィ酸塩を指し、これらとしては、力 ォリン鉱物、雲母粘土鉱物、スメクタイトなどが挙げられる。カオリン鉱物としては、力 オリナイト、デイツカイト、ナクライト、ハロイサイト、蛇文石などが挙げられる。雲母粘土 鉱物としては、ノイロフィライト、タルク、白雲母、膨潤性合成フッ素雲母、セリサイト、 緑泥石などが挙げられる。スメクタイトとしては、スメクタイト、バーミキユライト、膨潤性 合成フッ素パーミキユライトなどが挙げられる。スメクタイトには、天然物と合成物の 2 種類があるが、天然物の例としては、モンモリロナイトとパイデライトなどがあり、ベント ナイト、酸性白土などと呼ばれる粘土として得られる。合成スメクタイトの例としては、 例えば、コープケミカル (株)製のルーセンタイト SWN (以下、 STT— 1という。)、ルー センタイト SWF (フッ素を 2— 5重量0 /0含む)(以下、 STT— 2という。)などを挙げること ができる。
[0098] この発明に用いられる平板状粒子の好ましい使用量は、添加すべき層のバインダ 一に対して乾燥重量比で 0. 10-0. 90で、特に好ましくは 0. 2-0. 8である。
[0099] 針状粒子としては、ノリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の六方晶系フェラ イトを挙げることができる。また、ァラミド繊維などの高弾性率の繊維片であってもよい
[0100] また、必要に応じて、さらに他の微粒子を併用しても良い。他の微粒子としては、各 種無機酸化物、炭化物、窒化物、硼化物が好適に用いられる。例えば、シリカ、アル ミナ、チタ二了、ジルコ -ァ、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸スト口 ンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化 セリウム、酸化アンチモン、酸ィ匕タグステン、酸化錫、酸化テルル、酸ィ匕マンガン、酸 化硼素、炭化珪素、炭化硼素、炭化チタン、窒化珪素、窒化チタン、窒化硼素等が 挙げられる。
[0101] 粘着性ポリマーとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジフエ-ルシロキサンなどの シリコーンゴムと、トリメチルシリル基もしくはトリフ ニルシリル基を有するポリシロキサ ンなどのシリコーンレジンとの混合物のようなシリコーン類;ポリエステル類;ポリウレタ ン類;ポリエーテル類;ポリカーボネート類 .ポリビュルエーテル類;ポリ塩化ビュル類; ポリ酢酸ビニル類;ポリイソブチレン類などのアクリル系以外のポリマーや、アクリルゴ ム、アクリロニトリル Zブタジエンゴム(NBR)、ランダム型スチレン Zブタジエンゴム、 ブチルゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン Zプロピレンゴム( EPM)、エチレン/プロピレン/ジェンゴム(EPDM)、ウレタンゴム、スチレン/イソ プレン Zスチレンブロックゴム(SIS)、スチレン Zエチレン Zブタジエン Zスチレンブ ロックゴム(SEBS)、スチレン Zブタジエンブロックゴムなどの合成ゴム系ポリマーを 用いてもよい。熱軟化点の低い榭脂、例えば、ガラス転移点が低いアルキルアタリレ ートを主成分とするアクリル系ポリマー力 該ポリマー単体で適度な感圧接着性を発 揮し得るため好適に用いられる。
<補強構造物 (補強板)〉
この発明では、 ICチップの耐久性向上のために ICチップ上に補強板を固定する。 更に耐久性を向上させるためには、第 1の補強板、第 2の補強板の補強構造物を固 定する方法なども採ることができる。
[0102] この発明の補強構造物は、機械的強度に優れることが好ましい。強度確保のため 補強構造物を厚くするとカード厚みが厚くなり、表面印画性などが低下するため補強 構造物は高強度の素材が好ましい。金属、セラミック、カーボンファイバー、ガラス繊
維、ァラミド繊維、高弾性榭脂などが上げられる。これらより選択される。 1種または複 数からなる複合材料でもよい。特にヤング率 lOOGPa以上の素材が主構造に使用さ れているの力 子ましい。厚みとしては、 10— 300 m、好ましくは、 20— 200 m、さ らに好ましくは、 30— 150 /z mがよい。補強板の大きさは ICチップの面積に対して同 等若しくはそれより大き!/、ことが好ま 、。生産時の位置精度力も ICチップの面積に 対して 1. 02倍以上の大きさで有ることが本発明ではより好ましい。更に好ましくは IC チップの面積に対して 1. 1倍以上であることが好ましい。補強構造上の形状としては 、この発明の要旨に反しない限り、適宜用いることができる。この発明では、補強構造 物形状は、複数の部材が好ましぐ特に第 1の補強板、第 2の補強板の構造により形 成される。
く第 1のシート材と第 2のシート材との間に所定の厚みの ICモジュールとを備える方 法 >
この発明の第 1のシート材と第 2のシート材との間に所定の厚みの ICモジュールとを 備えるための製造方式としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られ ているが、いずれの方法で貼り合わせしてもよい。又、第 1のシート材と第 2のシート 材は貼り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよぐ オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、ィ ンクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式に よって形成することができる。
[0103] この発明の ICカードの製造方法は、少なくとも、常温状態では固形物又は粘調体 であり、加熱状態では軟化する接着部材をカード用の支持体に設ける工程と、 ICモ ジュールの電子部品を、このモジュール支持体上に配置する工程と、このモジュール 支持体上の電子部品を覆うように接着部材を設けた表面用の基材を配置する工程と 、所定の加圧加温条件の下で支持体、電子部品及び表面用の基材とを貼り合わせ る工程とを有し貼り合わせることが好ま 、。
[0104] 固形物又は粘調体の加熱状態で軟化する接着部材とは、接着剤自身をシート状に 形成し具備する方法と接着剤自身を加熱又は常温で溶融し射出成型によって貼り合 わせることが好ましい。
[0105] 第 1のシート材と第 2のシート材との間に所定の電子部品の接着可能な温度は、 80 °C以下であることが好ましぐより好ましくは 0— 80°C、更に好ましくは 20°C— 70°Cで ある。貼り合わせ後に基材のそり等を低減させるために冷却工程を設けることが好ま しい。冷却温度は 70°C以下であることが好ましぐより好ましくは 10— 70°C、更に好 ましくは 10— 60°Cである。
[0106] 貼り合わせる時には、カード支持体の表面平滑性、第 1のシート材と第 2のシート材 との間に所定の電子部品の密着性をあげるために加熱及び加圧を行うことが好ましく 、上下プレス方式、ラミネート方式等で製造することが好ましい、更には IC部品の割 れを考慮して、線接触に近ぐ僅かなズレでも無理な曲げ力が加わるローラを避けて 平面プレス型とするのが好ましい。加熱は、 10— 120°Cが好ましぐより好ましくは 30 一 100である。カロ圧は、 0. 1— 300kgf/cm2が好ましぐより好ましくは 0. 1— 100k gfZcm2である。これより圧が高いと ICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ま しく ίま、 0. 1— 180secより好ましく ίま 0. 1— 120secである。
[0107] 前記接着剤貼合法ゃ榭脂射出法で連続シートとして形成された貼り合わせた枚葉 シート又は連続塗工ラミロールは、接着剤の所定硬化時間に合わせた時間内放置 後、認証識別画像や書誌事項を記録をしても良ぐその後所定のカードサイズに成 形しても良い。所定のカードサイズに形成する方法としては打ち抜く方法、断裁する 方法等が主に選択される。 <画像記録体の画像形成方法 >
この発明の ICカードである画像記録体には画像要素が設けられ、顔画像等の認証 識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられ た基体上の該画像又は印刷面側に形成したものである。
[0108] 顔画像は通常の場合、階調を有するフルカラー画像で、例えば昇華型感熱転写記 録方式、ハロゲン化銀カラー写真方式等により作製される。又、文字情報画像は二 値画像よりなり、例えば溶融型感熱転写記録方式、昇華型感熱転写記録方式、ハロ ゲンィ匕銀カラー写真方式、電子写真方式、インクジェット方式等により作製されている 。この発明においては、昇華型感熱転写記録方式により顔画像等の認証識別画像、 属性情報画像を記録することが好まし 、。
[0109] 属性情報は氏名、住所、生年月日、資格等であり、属性情報は通常文字情報とし
て記録され溶融型感熱転写記録方法が一般的である。フォーマット印刷又は、情報 記録を行ってもよぐオフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹 版印刷、凸版印刷、インクジ ット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式 等の 、ずれの方式によって形成することができる。
[0110] さらに、偽変造防止の目的では透力し印刷、ホログラム、細紋等が採用されてもよ い。偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地 紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収 材、蛍光増白材、金属蒸着層、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パール インキ層、隣片顔料層など力 なる。
[昇華画像形成方法]
昇華型感熱転写記録用インクシートは、基材とその上に形成された昇華性色素含 有インク層とで構成することができる。
—基材—
基材としては、寸法安定性がよぐ感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐えうる限り特に 制限がなぐ従来力 公知のものを使用することができる。
-昇華性色素含有インク層 - 上記昇華性色素含有インク層は、基本的に昇華性色素とバインダーとを含有する。
[0111] 前記昇華性色素としてはシアン色素、マゼンタ色素およびイェロー色素を挙げるこ とがでさる。
[0112] 前記シアン色素としては、特開昭 59— 78896号公報、同 59— 227948号公報、同 6
0— 24966号公報、同 60— 53563号公報、同 60— 130735号公報、同 60— 131292 号公報、同 60— 239289号公報、同 61— 19396号公報、同 61— 22993号公報、同 6
1— 31292号公報、同 61— 31467号公報、同 61— 35994号公報、同 61— 49893号 公報、同 61— 148269号公報、同 62— 191191号公報、同 63— 91288号公報、同 6 3— 91287号公報、同 63— 290793号公報などに記載されているナフトキノン系色素 、アントラキノン系色素、ァゾメチン系色素等が挙げられる。
[0113] 前記マゼンタ色素としては、特開昭 59— 78896号公報、同 60— 30392号公報、同 60— 30394号公報、同 60— 253595号公報、同 61— 262190号公報、同 63— 5992
号公報、同 63— 205288号公報、同 64— 159号、同 64— 63194号公報等の各公報 に記載されているアントラキノン系色素、ァゾ色素、ァゾメチン系色素等が挙げられる
[0114] イェロー色素としては、特開昭 59— 78896号公報、同 60— 27594号公報、同 60— 31560号公報、同 60— 53565号公報、同 61— 12394号公報、同 63— 122594号公 報等の各公報に記載されているメチン系色素、ァゾ系色素、キノフタロン系色素およ びアントライソチアゾール系色素が挙げられる。
[0115] また、昇華性色素として特に好ましいのは、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基 を有する化合物を P—フ 二レンジァミン誘導体の酸化体または P—アミノフヱノール誘 導体の酸ィ匕体とのカップリング反応により得られるァゾメチン色素およびフエノールま たはナフトール誘導体または p—フエ-レンジァミン誘導体の酸ィ匕体または p—アミノフ ェノール誘導体の酸化体のとのカツプリング反応により得られるインドア-リン色素で ある。
[0116] また、受像層中に金属イオン含有ィ匕合物が配合されているときには、この金属ィォ ン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素を、昇華性色素含有インク 層中に含めておくのが良い。このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例 えば特開昭 59— 78893号、同 59— 109349号、同特開平 4— 94974号、 ^14-9789 4号、同 4-89292号に記載されている、少なくとも 2座のキレートを形成することがで きるシアン色素、マゼンタ色素およびイェロー色素を挙げることができる。
[0117] キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式で表わすことができる。
[0118] XI— N=N— X2— G
ただし、式中 XIは、少なくとも一つの環が 5— 7個の原子力も構成される芳香族の 炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、ァゾ結合に結 合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレートイ匕基で置換 された炭素原子である。 X2は、少なくとも一つの環が 5— 7個の原子力 構成される 芳香族複素環または、芳香族炭素環を表わす。 Gはキレート化基を表わす。
[0119] いずれの昇華性色素に関しても前記昇華性色素含有インク層に含有される昇華性 色素は、形成しょうとする画像が単色であるならば、イェロー色素、マゼンタ色素、お
よびシアン色素の何れであっても良ぐ形成しょうとする画像の色調によっては、前記 三種の色素の 、ずれ力ゝ二種以上もしくは他の昇華性色素を含んで!/、ても良!、。前記 昇華性色素の使用量は、通常、基材 lm2当たり 0. 1— 20g、好ましくは 0. 2— 5gで ある。
[0120] インク層のバインダーとしては特に制限がなく従来力も公知のものを使用することが できる。さらに前記インク層には、従来から公知の各種添加剤を適宜に添加すること ができる。
[0121] 昇華型感熱転写記録用インクシートは、インク層を形成する前記各種の成分を溶 媒に分散な ヽし溶解してなるインク層形成用塗工液を調製し、これを基材の表面に 塗工し、乾燥することにより製造することができる。力べして形成されたインク層の膜厚 ίま、通常、 0. 2— 10 μ mであり、好ましく ίま、 0. 3-3 μ mである。
<接着剤 >
この発明の ICカードに用いられる接着剤は、一般に使用されている榭脂を制限なく 用いることができる。好ましくは、ホットメルト接着剤を用いることがよぐホットメルト接 着剤の主成分としては、例えばエチレン '酢酸ビュル共重合体 (EVA)系、ポリエステ ル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマ一系、ポリオレフイン系などが挙げられる。伹 しカード基体がそりやすいとか、カード表面に感熱転写による画像形成のための受像 層など高温力卩ェに弱い層が設けられている場合に層がダメージを受け、或いは高温 で貼り合わせるために基材が熱収縮等を起こし寸法及び貼り合わせ時の位置精度が 劣化する等の問題点力も接着剤を介して貼り合わせる場合には、 80°C以下で貼り合 わせることが好ましくさらには 10— 80°C、さらに好ましくは 20— 80であることが好まし い。
[0122] 低温接着剤の中でも具体的には反応型ホットメルト接着剤が好ましい。反応型ホッ トメルト接着剤 (以下、反応型接着剤)は、榭脂を溶融させて接着した後、湿気を吸収 して樹脂が硬化するタイプの接着剤である。その特徴として、通常のホットメルトと比 較して硬化反応を有する上、それに要するだけ接着可能時間が長ぐかつ接着後に 軟ィ匕温度が高くなるため耐久性に富み、低温での加工に適して 、ることが挙げられる 。反応型接着剤の 1例として、分子末端にイソシァネート基含有ウレタンポリマーを主
成分とし、このイソシァネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。こ の発明に使用できる反応型接着剤としては住友スリーェム社製 TE030、 TE100、 日 立化成ポリマー社製ハイボン 4820、カネボウェヌエスシ一社製ボンドマスター 170シ リーズ、 Henkel社製 Macroplast QR 3460等が挙げられる。
[0123] 反応型ホットメルト接着剤として湿気硬化型の材料で特開 2000— 036026、特開 2 000—219855、特開 2000— 211278、特開 2002— 175510で開示されている。光 硬化型接着剤として特開平 10— 316959、特開平 11— 5964等が開示されている。
[0124] これら接着剤のいずれも使用してもよぐこの発明には制限はない材料を好ましく用 いることがでさる。
[0125] 接着剤の膜厚は、この発明の範囲であれば電子部品と含めた厚さで 10— 600 μ m 力 S好ましく、より好ましく ίま 200— 500 μ m、更に好ましく ίま 250 μ一 500 μ mである。
[0126] 2%弾性率が 1一 90kgZmm2の ICカード接着剤を、この発明で使用することがで きる。好ましくは 5— 80kgZmm2、より好ましくは 10— 60kgZmm2である。 2%弾性 率が lOkgfZmm2以下であると自己支持性が低下し、応力がチップに集中し、 ICチ ップを破損する。またカード状にしたときに柔軟すぎてしまうため断裁性の劣化、又は カード取り扱い性が悪くなる。 90kgZmm2以上であると硬すぎて応力を吸収できず、 ICチップを破損すると共に、仕上がりカード曲げ時接着剤の内部応力が耐えきれず にカードが破損してしま 、問題となる。
[0127] 接着剤は、ホットメルト接着剤や反応型ホットメルト接着剤、光硬化型接着剤若しく は湿気硬化型接着剤、弾性エポキシ接着剤等を用いることができる。ホットメルト接着 剤の主成分としては、例えばエチレン '酢酸ビュル共重合体 (EVA)系、ポリエステル 系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマ一系、ポリオレフイン系などが挙げられる。ポリア ミド系ホットメルト接着剤としては Henkel社製のマクロメルトシリーズ等がある。この発 明においては、熱可塑性エラストマ一系ホットメルト接着剤が好ましぐ例えば、シェ ル化学社製カリフレックス TR及びクレイトンシリーズ、旭化成社製タフプレン、 Firest one Synthetic Rubber and Latex社製タフアン、 Phillips Petroleum社製 ソルプレン 400シリーズなどがある。
[0128] ポリオレフイン系ホットメルト接着剤としては住友ィ匕学社製スミチック、チッソ石油化
学製ビスタック、三菱油化製ユカタック、 Henkel社製マクロメルトシリーズ、三井石油 化学社製タフマー、宇部レキセン社製 APAO、イーストマンケミカル社製イーストボン ド、ハーキュレス社製 A— FAX等がある。この発明では、好ましくは反応型ホットメルト 接着剤として、 a)湿気硬化型ホットメルト接着剤、 b)弾性エポキシ接着剤、 c)光硬化 型接着剤を用いることが好まし 、。
[0129] 湿気硬ィ匕型の材料は特開 2000— 036026、特開 2000— 219855、特開 2000— 2 11278、特開 2002-175510で開示されている。光硬化型接着剤として特開平 10- 316959、特開平 11 5964等力開示されて!ヽる。
[0130] a)湿気硬化型ホットメルト接着剤の 1例として、分子末端にイソシァネート基含有ゥ レタンポリマーを主成分とし、このイソシァネート基が水分と反応して架橋構造を形成 するものがある。湿気硬化型接着剤としては、例えば住友スリーェム社製 TE030、 T E100、 日立化成ポリマー社製ハイボン 4820、カネボウェヌエスシ一社製ボンドマス ター 170シリーズ、 Henkel社製 Macroplast QR 3460等があげられる。また、湿 気硬化型接着剤は素材の安全性から遊離 MDI量が 1. 0%以下の物を使用すること が好ましい。
[0131] b)弾性エポキシ接着剤として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭 63— 6 3716に開示されるような、エポキシ榭脂とメルカブタン系硬化剤との組み合わせから なるエポキシ榭脂組成物や、複素環状ジァミン硬化剤との組み合わせ力もなるェポ キシ榭脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬 ィ匕剤との組み合わせ力もなるエポキシ榭脂が用いられてきた。作業環境特性、支持 体との接着性、接着安定性を得るために特開平 10— 120764に開示されているよう な、ビスフエノール型エポキシ榭脂とアミン系硬化剤としてポリアミドアミン、芳香族変 性ァミン、及び脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ榭脂組成物が用 いられている。また、特開 2000-229927には、エポキシ榭脂とアミンイミド化合物系 硬化剤との組み合わせからなる硬化速度が早 、エポキシ榭脂が挙げられて 、る。特 開平 6— 87190、特開平 5— 295272には特殊変性シリコーンプレポリマーを硬化剤と 用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示されている。
[0132] この発明で用いることができる弾性エポキシ接着剤とは、例えば、セメダイン株式会
社製、セメダイン EP— 001、株式会社スリーボンド社製、 3950シリーズ、 3950, 395 1, 3952、コ-シ株式会社製ボンド MOSシリーズ、 MOS07、 MOS10、東邦化成 工業株式会社ウルタイト 1500シリーズ、ウルタイト 1540等を用いることが好ましい。
[0133] c)光硬化型接着剤としては、光硬化型の公知の接着剤であれば特に制限はな 、 が好ましくは、 1)エポキシ基を 1分子内に 2個以上含んだ化合物、 2) 10—150での 温度でカチオンを発生する化合物を少なくとも含む接着剤を用いることが好ましい。 カチオン重合により高分子化の起こるタイプ (主にエポキシタイプ)のエポキシタイプ の紫外線硬化性プレボリマー、モノマーは、 1分子内にエポキシ基を 2個以上含有す るプレボリマーを挙げることができる。このようなプレボリマーとしては、例えば、脂環 式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグ リシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、 芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルェ 一テル類の水素添加ィ匕合物類、ウレタンポリエポキシィ匕合物類及びエポキシィ匕ポリ ブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレボリマーは、その一種を単独で使 用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。エポキシ 基を 1分子内に 2個以上有するプレボリマーの含有量は 70重量%以上であるのが好 ましい。
[0134] カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性ィ匕合物としては、他に例え ば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類 及び (4) N—ビ-ルイ匕合物類を挙げることができる。(1)スチレン誘導体は、例えばス チレン、 p—メチルスチレン、 ρ—メトキシスチレン、 β—メチルスチレン、 ρ—メチノレー j8— メチルスチレン、 α—メチルスチレン、 ρ—メトキシー j8—メチルスチレン等、(2)ビ-ルナ フタレン誘導体は、例えば 1 ビュルナフタレン、 α—メチルー 1 ビュルナフタレン、 β ーメチルー 1—ビニルナフタレン、 4ーメチルー 1ービニルナフタレン、 4ーメトキシ— 1ービニ ルナフタレン等、(3)ビュルエーテル類は、例えばイソブチルビ-ルエーテル、ェチ ルビニルエーテル、フエ二ルビニルエーテル、 ρ メチルフエ二ルビニルエーテル、 ρ— メトキシフエ-ルビ-ルエーテル、 ひ メチルフエ-ルビ-ルエーテル、 13—メチルイソ ブチルビ-ルエーテル、 —クロロイソブチルビ-ルエーテル等、(4) N—ビュル化合
物類は、例えば N—ビュルカルバゾール、 N—ビュルピロリドン、 N—ビュルインドール 、 N—ビニルピロール、 N—ビニルフエノチアジン、 N—ビニルァセトァニリド、 N—ビニノレ ェチルァセトアミド、 N—ビュルスクシンイミド、 N—ビュルフタルイミド、 N—ビ-ルカプロ ラタタム、 N—ビュルイミダゾール等。
[0135] 上記カチオン重合性ィ匕合物のカチオン重合性組成物中の含有量は 1一 97重量% が好ましくは、より好ましくは 30— 95重量%である。活性光線を用いる場合、水銀灯 、 UVランプ、キセノン等の光源により、 lOOmj— 500mjの露光で硬化し用いることが できる。開始剤としてはカチオン系重合開始剤が好ましぐ特に 10— 150°Cの温度 でカチオンを発生する化合物が好ましい。具体的には芳香族ォ-ゥム塩を挙げること ができる。この芳香族ォ -ゥム塩として、周期表第 Va族元素の塩たとえばホスホ-ゥ ム塩(たとえばへキサフルォロリン酸トリフエユルフェナシルホスホ-ゥムなど)、第 Via 族元素の塩たとえばスルホ -ゥム塩(たとえばテトラフルォロホウ酸トリフエ-ルスルホ 二ゥム、へキサフルォロリン酸トリフエ-ルスルホ-ゥム、へキサフルォロリン酸トリス(4 —チオメトキシフエ-ル)、スルホ -ゥムおよびへキシサフルォロアンチモン酸トリフエ- ルスルホ -ゥムなど)、及び第 Vila族元素の塩たとえばョードニゥム塩 (たとえば塩ィ匕 ジフエ-ルョードニゥムなど)を挙げることができる。
[0136] このような芳香族ォ-ゥム塩をエポキシィ匕合物の重合におけるカチオン重合開始剤 として使用することは、米国特許第 4, 058, 401号、同第 4, 069, 055号、同第 4, 1 01, 513号および同第 4, 161, 478号公報に詳述されている。又特開 2000—1027 1、機能材料(1995年 5月号 Vol. 13, No. 5 P. 5— 11)記載等の熱酸発生剤を 用いることちでさる。
[0137] 具体的には、三新ィ匕学工業株式会社製サンエイド SIシリーズのサンエイド SI— 60L
(熱カチオン発生温度 90°C)、 SI— 80L (熱カチオン発生温度 110°C)、 SI— 100L ( 熱カチオン発生温度 120°C)、みどり化学株式会社製、 NDI105 (熱カチオン発生温 度 100°C)、 NB-101 (熱カチオン発生温度 110°C)等を使用でき、接着剤の固形分 中に 0. 1— 30重量%添加することが好ましぐより好ましくは 0. 5— 20重量%である 実施例
以下、実施例を挙げて、この発明を詳細に説明するが、この発明の態様はこれに限 定されない。尚、以下において「部」は「重量部」を示す。
(ICカード用接着剤 1一接着剤 4の作成)
<接着剤 1 >
Henkel社製 Macroplast QR3460 (湿気硬化型ホットメルト接着剤(2%弾性率 1
湿気硬化型接着剤))を使用した。
<接着剤 2>
積水化学工業社製エスダイン 2013MK (湿気硬化型ホットメルト接着剤(2%弾性 率 53kgZmm2、湿気硬化型接着剤) )を使用した。
<接着剤 3 >
2液硬化型弾性エポキシ接着剤:東邦化成工業株式会社製ウルタイト 1540セット( 硬化後、 2%弾性率 0. 4%、)を用いた主剤と硬化剤を使用した。
<接着剤 4>
信越ィ匕学社製セミコート 220H (2%弾性率 300kgZmm2)を使用した。
[ICモジュールの作製]
(密着剤 1一 4の作成)
<密着剤 1 >
2液硬化型弾性エポキシ接着剤:東邦化成工業株式会社製
ウルタイト 1540セット (硬化後、 2%弾性率 0. 4%、)を用いた主剤と硬化剤を使用 した。
く密着剤 2>
スリーボンド本剤 2002HZ硬化剤 2105F (硬化後 2%弾性率 0. 05%)を用いた主 剤と硬化剤を使用した。
く密着剤 3 >
ァロンアルファ GEL-10 (2%弾性率 60kgZmm2、東亜合成株式会社製)を使用 した。
く密着剤 4 >
セミコート 220H (2%弾性率 300kgZmm2、信越化学社製)を使用した。
[モジュール構造体の作成]
表 1に記載の組成でアンテナと回路基板の榭脂接合剤 (ACP, NCP)を作成し、そ の材料を用い下記の方法で各構造体を有する ICモジュールを作成した。
[表 1]
(§))〕^0140^/12».〜 樹脂接合剤
樹脂接合剤 弾性樹脂 2%弾性率 導電性フィラー
添加量 添加量
No. 名称 kg/ mm2 名称
ACPI 東邦化成工業株式会社製 ウルタイト 1540セット 30 0.4 5 μ πιニッケル粒子 70
ACP2 東亜合成㈱社製 ァロンアルファ GEL - 10 30 60 積水化学工業社製 3 μ mミクロンハ°—ル AU-205 70
ACP3 スリーポンド株式会社製 本剤 2002HZ硬化剤 2105F 30 0.05 5 μ πιニッケル粒子 70
ACP4 コニシ株式会社 ボンド Eセット R 30 108 5 i mニッケル粒子 70
NCP1 東邦化成工業株式会社製 ウルタイト 1540セット 100 0.4
NCP2 東亜合成㈱社製 ァロンアルファ GEL - 10 100 60
NCP3 スリーポンド株式会社製 本剤 2002HZ硬化剤 2105F 100 0.05
NCP4 コニシ株式会社 ボンドクイックセット 30 100 108
(ICモジュール支持体)に、表 2記載の厚み及び形状の ICチップを表 2記載の ACP ( 導電性接合剤ペースト)及び NCP (非導電性ペースト)の!ヽずれかを 20 μ厚みで接 合し、表 2記載の厚み及び形状の補強板 (SUS301からなる)を回路面と反対側に 表 2記載の密着剤を 10 μの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう加圧接 着した。表 2に記載したようなモジュール 1一 10、 19および 44一 47を作成した。 (モジュール構造 2作成 (図 4) )
密着剤をチップを封止しない程度に密着させた以外は、モジュール構造 1と同様に し作成した。表 2に記載したようなモジュール 11一 18および 20を作成した。
(モジュール構造 3作成 (図 6) )
エッチングによりアンテナパターンの形成された表 2記載のアンテナフィルム支持体 (ICモジュール支持体)に、表 2記載の厚み及び形状 ICチップを表 2記載の ACP (導 電性接合剤ペースト)及び NCP (非導電性ペースト)の 、ずれかを 20 μ厚みで接合 し、表 2記載の厚み及び形状の第 1の補強板 (SUS301からなる)を回路面と反対側 に表 2記載の密着剤を 10 μの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう加圧 接着した。
ついで第 1の補強板の上に表 2記載の厚み及び形状の第 2の補強板 (SUS301か らなる)を表 2記載の密着剤により第 2の補強板面積より大きくなり厚み 10 になるよ ぅポッティングしチップを封止するよう加圧接着させ表 2に記載したようなモジュール 2 1一 30、 32— 34、 39— 41および 43を作成した。
(モジュール構造 4作成 (図 8) )
密着剤をチップを封止しない程度に密着させた以外は、モジュール構造 3と同様に し作成した。表 2に記載したようなモジュール 31を作成した。
(モジュール構造 5—1作成(図 12) )
第 1, 2の補強板を 5mm φの円形にし、 ICチップを 120 mにした以外は、モジュ ール構造 3と同様にし作成した。表 2に記載したようなモジュール 35を作成した。 (モジュール構造 5— 2作成(図 10) )
第 1の補強板を 4mm φの円形にし、 ICチップを 120 μ mにした以外は、モジユー ル構造 3と同様にし作成した。表 2に記載したようなモジュール 36— 38を作成した。
(モジュール構造 6作成(図 11) )
第 2の補強板を 3mm X 3mm角にした以外は、モジュール構造 4と同様にし作成し た。表 2に記載したようなモジュール 42を作成した。
(モジュール構造 7作成 (図 15) )
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み 250 μの透明 PET支持体に、 表 2記載の厚み及び形状の ICチップを厚み 110 μ mの 4 X 5mm角板状のリードフレ ーム金属板上に回路面と反対側を、表 2記載の密着剤を表 2記載の厚さになるようポ ッティングしチップ密着させ、ワイヤーボンディングにより回路とリードフレームを電気 的に接続した後、封止するよう表 2記載の密着剤をさらに ICチップ上に 80 mとなる ようポッティングし ICチップを封止した。っ 、でアンテナを形成した透明 PETにチップ 封止部を嵌合しリードフレームとアンテナを表 2記載の ACP (導電性接合剤ペースト) 及び NCP (非導電性ペースト)の ヽずれかを 20 μ厚みで接合し表 2記載の ICモジュ ール 48— 51を得た。
(モジュール構造 8作成(図 16) )
50 m φの銅線アンテナに厚み 180 m、 3 X 3mm表 2記載の厚み及び形状の I Cチップのバンプを電気的に直接接続し、 SUS301からなる表 2記載の厚み及び形 状の第 1の補強板を回路面と反対側に表 2記載の密着剤を 10 の厚さになるようポ ッティングしチップを加圧接着した。ついで第 1の補強板の上に SUS301からなる表 2記載の厚み及び形状の第 2の補強板を表 2記載の密着剤により厚み 10 になるよ ぅポッティングしチップを加圧接着した。ついで厚み 50 mの不織布支持体上に補 強板とアンテナを密着させ表 2記載の ICモジュール 52を得た。
[表 2]
ッ フィル
1補強 密着剤 密着剤 密着 第 1捕第 2補 ICチッ モジ ル 第 2補強 チ
樹脂接合剤 密着剤 フイノレム チップ 第 プ厚
大きさ 板大きさ板大きさ 大きさ 弾性率補強板形状 剤厚ム支持 強板 強板 プ部最 支持体 み み 体厚み 厚み 厚み 大厚み モジュ一ノレ No. 樹脂接 弾性率 板
ール構 mm mm mm 補強 kg/ mmi第 1補強板/ μ m μ m β Π1 m μ m μ m 合剤 No. Kg/ mm2
造 No. 面積より 第 2補強板
モジュール 1 1 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュール 2 1 ACPI 0.4 密着剤 2 PET ά X 3mm 4X4mm 大きく封止 0.05 四角ノなし 60 10 38 100 250 モジュール 3 1 ACPI 0.4 密着剤 3 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 大きく封止 60 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュール 4 1 ACP2 60 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュール 5 1 ACP3 0.05 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュール 6 1 ACP4 108 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュ —ル 7 1 NCP1 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュール 8 1 NCP2 60 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュ —ル 9 1 NCP3 0.05 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4 4mm 大きく封止 0.4 四角ノなし 60 10 38 100 250 モジュ —ル 10 1 NCP4 108 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュール 11 2 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュ —ル 12 2 ACP2 60 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4 4mm 封止なし 0.4 四角ノなし 60 10 38 100 250 モジュ —ル 13 2 ACP3 0.05 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュール 14 2 ACP4 108 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュ —ル 15 2 NCP1 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4 4mm 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュール 16 2 NCP2 60 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュール 17 2 NCP3 0.05 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュ —ル 18 2 NCP4 108 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4 4mm 封止なし 0.4 四角/なし 60 10 38 100 250 モジュール 19 1 ACPI 0.4 密着剤 1ボリイミド 3 X 3mm 4X4mm ― 大きく封止 0.4 四角/なし 60 10 38 100 ― 250 モジュール 20 2 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm ― 封止なし 0.4 四角/なし 120 10 38 100 ― 310 モジュール 21 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュール 22 3 ACPI 0.4 密着剤 2 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.05四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュ —ル 23 3 ACPI 0.4 密着剤 3 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 60 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュール 24 3 ACP2 60 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュール 25 3 ACP3 0.05 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュ —ル 26 3 ACP4 108 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュール 27 3 NCP1 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュ —ル 28 3 NCP2 60 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4 4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュ —ル 29 3 NCP3 0.05 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュール 30 3 NCP4 108 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュ —ル 31 4 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4 4mm 5 X 5 mm 封止なし 0.4 四角/四角 60 10 38 50 50 260 モジュ —ル 32 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 180 10 25 30 30 327 モジュール 33 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PEN 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 180 10 25 30 30 327 モジュ —ル 34 3 ACPI 0.4 密着剤 1ボリイミド 3 X 3mm 4X4mm 5 X 5 mm大きく封止 0.4 四角/四角 120 10 10 50 50 292
チッ密着 フィノレ 第 1補第 2補 ICチッ モジユー チップ
ル 第 1補強第 2補強 密着剤 密着剤
樹脂接合剤 密着剤 フイノレム 補強板形状プ厚剤厚ム支持 強板 強板 プ部最 支持体 大きさ 板大きさ板大きさ 大きさ 弾性率
み み 体厚み 厚み 厚み 大厚み モジュ
率 第 1補強板/
モジ-エーノレ No,一ノレ構樹脂接 弾性
mm mm mill 補強板 kg/ mm2
合剤 m u m m u m m m No. Kg/mm2 面積より 第 2補強板
造 No.
モジ:一ノレ 35 5-1 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3X 3mm 5 mm φ 5mm φ 大きく封止 0.4 円形ノ円形 120 10 38 50 50 320 モジ 一ノレ 36 5-2 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3 mm 4 mm φ 5 X 5mm大きく封止 0.4 円形ノ四角 120 10 38 50 50 320 モジ 一ノレ 37 5-2 ACPI 0.4 密着剤 2 PET 3 X 3 mm 4 mm φ 5 X 5mm大きく封止 0.05円形ノ四角 120 10 38 50 50 320 モジ:一ノレ 38 5-2 ACPI 0.4 密着剤 3 PET 3X 3mm 4mm φ 5X 5mm大きく封止 60 円形ノ四角 120 10 38 50 50 320 モジ 一ノレ 39 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3 mm 4X4mm 5 X 5mm大きく封止 0.4 四角ノ四角 200 10 38 30 30 360 モジ L一ノレ 40 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3 mm 4X4mm 5 X 5mm大きく封止 0.4 四角ノ四角 60 55 38 30 30 310 モジ:一ノレ 41 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3X 3mm 4X4mm 5X 5mm大きく封止 0.4 四角ノ四角 60 10 75 30 30 257 モジ:一ノレ 42 6 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3X 3mm 4X4mm 3X 3mm 封止なし 0.4 四角ノ四角 60 10 38 50 50 260 モジ L一ノレ 43 3 ACPI 0.4 密着剤 1 PET 3 X 3 mm 4X4mm 5 X 5mm大きく封止 0.4 四角ノ四角 25 10 38 50 50 225 モジ:一ノレ 44 1 ACP3 0.05 密着剤 4 PET 3X 3mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 120 10 38 50 ― 260 モジ L一ノレ 45 1 ACP4 108 密着剤 4 PET 3 X 3 mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 120 10 38 50 260 モジ:一ノレ 46 1 NCP3 0.05 密着剤 4 PET 3 X3mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 120 10 38 50 ― 260 モジ:一ノレ 47 1 NCP4 108 密着剤 4 PET 3 X3mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 120 10 38 50 ― 260 モジ L一ノレ 48 7 ACP3 0.05 密着剤 4 PETG 3 X 3 mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 180 10 250 100 なし 370 モジ L一ノレ 49 7 ACP4 108 密着剤 4 PET 3 X 3 mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 180 10 250 100 なし 370 モジ:一ノレ 50 7 NCP3 0.05 密着剤 4 PET 3X 3mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 180 10 250 100 なし 370 モジ 一ノレ 51 7 NCP4 108 密着剤 4 PET 3 X 3 mm 4X4mm なし 大きく封止 300 四角ノなし 180 10 250 100 なし 370 モジ 一ノレ 52 8 ACP4 108 密着剤 1 不織布 3 X 3 mm 4X4mm 5 X 5mm大きく封止 60 四角ノ四角 180 10 50 30 30 370
〔¾014
(表面カード支持体の作成)
表面シートとして帝人デュポンフィルム株式会社製 U2L98W-188低熱収縮ダレ ードを使用した。支持体表シート 188 /z mに下記組成物力もなるクッション層、受像 層を順次塗工乾燥してなる第 2シート部材 (表面シート 2)を形成した。
(光硬化型クッション層)
膜厚 8. O /z mウレタンアタリレートオリゴマー (新中村ィ匕学社製: NKオリゴ UA512)
55部
ポリエステルアタリレート(東亞合成社製:ァロニックス M6200)
15部
ウレタンアタリレートオリゴマー(新中村ィ匕学社製: NKオリゴ UA4000)
25部
ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン(チノく'スぺシャリティ^ ~ ·ケミカルズ:ィル ガキュア 184) 5部
メチルェチルケトン 100部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、 90°CZ30secで乾燥を行い、次いで水銀灯 (300mi/cm2)で光硬化を行った。 上記クッション層上に下記組成の第 1受像層形成用塗工液、第 2受像層形成用塗 工液及び第 3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが 0. 2 /ζ πι、2. 5 /ζ πι、0. 5 /z m〖こなるよう〖こ積層すること〖こより受像層を形成した。
〈第 1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルプチラール榭脂 9部
〔積水化学工業 (株)製:エスレック BL— 1〕
イソシァネート 1部
〔日本ポリウレタン工業 (株)製:コロネート HX〕
メチルェチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第 2受像層形成用塗工液〉
ポリビュルプチラール榭脂
〔積水化学工業 (株)製:エスレック BX-1〕
金属イオン含有化合物 (化合物 MS)
[化 1]
化合物 MS
メチルェチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第 3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業 (株)製:ハイテック E 1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業 (株)製:ハイテック S6254〕
メチルセルロース〔信越ィ匕学工業 (株)製: SM15〕 0. 1部
水 90部
(フォーマット印刷層からなる情報坦持体形成)
受像層上にオフセット印刷法により、フォーマット印刷 (従業員証、氏名)を行った。 印刷インキは UV硬化型墨インキ (絶縁性インキ)を用いた。印刷時の UV照射条件 は、高圧水銀灯で 200mj相当であった。
(透明榭脂層形成)
透明オーバープリント用 UV硬化型インキ(絶縁性インキ)印刷インキを用い、オフ
セット印刷法により受像層上又は上記フォーマット印刷上に印刷を行った。印刷時の
UV照射条件は、高圧水銀灯で 200mj相当であった。
(第 1のシート部材の作成)
裏面シート基材として帝人デュポンフィルム株式会社製 U2L98W— 188 μ m低熱 収グレード上に第 1筆記層形成用塗工液、第 2筆記層形成用塗工液及び第 3筆記層 形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが 5 m、 15 m、 0. 2 mになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第 1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル榭脂〔東洋紡績 (株)製:バイロン 200〕 8部
イソシァネート 1部
〔日本ポリウレタン工業 (株)製:コロネート HX〕
カーボンブラック 微量
二酸ィ匕チタン粒子〔石原産業 (株)製: CR80] 1部
メチルェチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第 2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル榭脂 4部
〔東洋紡績 (株)製:バイロナール MD 1200]
シリカ 5部
二酸ィ匕チタン粒子〔石原産業 (株)製: CR80] 1部
水 90部
〈第 3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド榭脂〔三和化学工業 (株)製:サンマイド 55〕 5部
メタノーノレ 95
(筆記層へのフォーマット印刷層の形成)
該筆記層上に榭脂凸印刷法により、榭脂凸印刷 (昇線、緊急連絡先)を行い フォ 一マット印刷済第 1シート部材 (塗布型筆記シート 1)を作成した。印刷インキは UV墨 インキを用いた。印刷時の UV照射条件は、高圧水銀灯で 200mj相当であった。
[ICカード用のシートの作成]
第 19図は ICカードの製造方法の一例を示す図である。 ICカードの製造装置 109 には、第 1のシート材 101を送り出す送出軸 110が設けられ、この送出軸 110から送 り出される第 1のシート材 101はガイドローラ 111、駆動ローラ 112に掛け渡されて供 給される。送出軸 110とガイドローラ 111間には、アプリケーターコーター 113が配置 されて 、る。アプリケーターコーター 113は接着剤層 102aを所定の厚さでシートに塗 ェする。
[0147] また、 ICカードの製造装置 109には、第 2のシート材 104を送り出す送出軸 114が 設けられ、この送出軸 114から送り出される第 2のシート材 104はガイドローラ 115、 駆動ローラ 116に掛け渡されて供給される。送出軸 114とガイドローラ 115間には、 アプリケーターコーター 117が配置されている。アプリケーターコーター 117は接着 剤層 102bを所定の厚さでシートに塗工する。
[0148] 接着剤が塗工された第 1のシート材と、第 2のシート材とは離間して対向する状態か ら接触して搬送路 118に沿って搬送される。第 1のシート材と、第 2のシート材の離間 して対向する位置には、 ICモジュール 103が挿入される。 ICモジュール 103は単体 あるいはシートやロール状で複数で供給される。 ICカードの製造装置 109の搬送路 118中には、第 1のシート材と、第 2のシート材の搬送方向に沿って、加熱ラミネート 部 119、切断部 120が配置される。加熱ラミネートは真空加熱ラミネートであることが 好ましい。又加熱ラミネート部 119の前には保護フィルム供給部を設けても良ぐ搬送 路 118の上下に対向して配置されるのが好ましい。加熱ラミネート部 119は、搬送路 118の上下に対向して配置される平型の加熱ラミネート上型 121と加熱ラミネート下 型 122とからなる。加熱ラミネート上型 121と下型 122は互いに接離する方向に移動 可能に設けられて 、る。加熱ラミネート部 119を経た後は切断部にてシート材カも所 定の大きさにカットする。
(ICカード用シート 1の作成)
第 19図のカード製造装置を使用し、裏カード支持体及び表カード支持体としてく 基材 1 >を用いて作成した前記裏基材及び受像層を有する表基材を使用した。 受 像層を有する表基材に接着剤 1を Tダイを使用して厚みが 40 mになるように塗工し
、裏基材に接着剤 1を Tダイを使用して貼り合わせ後のシート全厚が厚みが 760 m になるように厚み調整し塗工し表基材に ICモジュール 1を受像層側に ICモジュール の ICチップが実装されて 、な 、支持体面となるように載置し上下のシートで挟み込 み 70°Cで 1分間ラミネートして作製した。このように作成された ICカード用シートの厚 みは 760 mであった。作製後は 25°C50%RHの環境ィ匕で 7日間保存した。
[打ち抜き]
このように作成された、 ICカード用のシートを、以下の ICカードを打ち抜き金型装置 によって、打ち抜き加工を施した。
第 20図は打抜金型装置の全体概略斜視図であり、第 21図は打抜金型装置の主 要部の正面端面図である。この打抜金型装置は、上刃 210及び下刃 220を有する打 抜金型を有する。そして、上刃 210は、外延の内側に逃げ 241が設けられた打抜用 ポンチ 211を含み、下刃 220は、打抜用ダイス 221を有する。打抜用ポンチ 211を、 打抜用ダイス 221の中央に設けられたダイス孔 222に、下降させることにより、ダイス 孔 222と同じサイズの ICカードを打ち抜く。また、このために、打抜用ポンチ 211のサ ィズは、ダイス孔 222のサイズより若干小さくなつて 、る。
[個人認証用カードへの個人情報記載方法及び表面保護方法]
打ち抜き加工を施した ICカードに下記により顔画像と属性情報とフォーマット印刷 を設けた個人認証カードの作成を行った。
(昇華型感熱転写記録用のインクシートの作成)
裏面に融着防止加工した厚さ 6 μ mのポリエチレンテレフタレートシートに下記糸且成 のイェローインク層形成用塗工液、マゼンダインク層形成用塗工液、シアンインク層 形成用塗工液を各々の厚みが 1 μ mになる様に設け、イェロー、マゼンダ、シアンの 3色のインクシートを得た。
〈イェローインク層形成用塗工液〉
イェロー染料 (三井東圧染料 (株)製 MS Yellow) 3部
ポリビュルァセタール 5. 5部
〔電気化学工業 (株)製:デンカブチラール KY— 24〕
ポリメチルメタアタリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業 (株)製:レデダ GP— 200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0. 5部
〔大日精化工業 (株)製:ダイァロマー SP - 2105〕
メチルェチルケトン 70部
卜ノレェン 20
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンダ染料 (三井東圧染料 (株)製 MS Magenta)
2部
ポリビュルァセタール 5. 5部
〔電気化学工業 (株)製:デンカブチラール KY— 24〕
ポリメチルメタアタリレート変性ポリスチレン 2部
〔東亜合成化学工業 (株)製:レデダ GP— 200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0. 5部
〔大日精化工業 (株)製:ダイァロマー SP - 2105〕
メチルェチルケトン 70部
卜ノレェン 20咅
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン染料(日本ィ匕薬 (株)製カャセットブルー 136) 3. 0部
ポリビュルァセタール 5. 6部
〔電気化学工業 (株)製:デンカブチラール KY— 24〕
ポリメチルメタアタリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業 (株)製:レデダ GP— 200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0. 5部
〔大曰精化工業 (株)製:ダイァロマー SP - 2105〕
メチルェチルケトン 70部
卜ノレェン 20
(溶融型感熱転写記録用のインクシートの作成)
裏面に融着防止加工した厚さ 6 μ mのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成
のインク層形成用塗工液を厚みが 2 μ mになる様に塗布乾燥してインクシートを得た
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1部
〔三井デュポンケミカル社製: EV40Y]
カーボンブラック 3部
フ ノール榭脂〔荒 J 11化学工業 (株)製:タマノル 521〕 5部
メチルェチルケトン 90部
(顔画像の形成)
受像層と昇華型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシ一 ト側からサーマルヘッドを用いて出力 0. 23WZドット、パルス幅 0. 3—4. 5m秒、ド ット密度 16ドット Zmmの条件で加熱することにより画像に階調性のある人物画像を 受像層に形成した。この画像にお!ヽては上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成 している。(文字情報の形成)
OPニス部と溶融型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシ ート側からサーマルヘッドを用いて出力 0. 5WZドット、パルス幅 1. Om秒、ドット密 度 16ドット Zmmの条件で加熱することにより文字情報を OPニス上に形成した。
[表面保護方法]
上記のように個人認証用カードへの個人情報記載したあと、下記の表面保護材料 を用い更に表面保護層を形成した
[表面保護層形成方法]
[活性光線硬化型転写箔の作成]
0. 1 mのフッ素榭脂層の離型層を設けた厚み 25 μ mのポリエチレンテレフタレ 一トフイルム一 2の離型層上に下記組成物を積層し活性光線硬化型転写箔の作成を 行った。
(活性光線硬化性化合物)
新中村化学社製 A-9300Z新中村ィ匕学社製 EA-1020 = 35/11. 75部反応
開始剤
ィルガキュア 184日本チバガイギ一社製 5部
下記合成例 (*)に基づき作成された榭脂 1 48部
(*)窒素気流下の三ッロフラスコに、メタアクリル酸メチル 73部、スチレン 15部、メタ アクリル酸 12部とエタノール 500部、 α、 α ァゾビスイソブチ口-トリル 3部を入れ、 窒素気流中 80°Cのオイルバスで 6時間反応させた。その後、トリェチルアンモ -ゥム クロライド 3部、グリシジルメタタリレート 1.0部をカロえ、 3時間反応させ目的のアクリル 系共重合体の合成バインダー (榭脂 1)を得た。 分子量は 17000、酸価 32であった その他の添加剤
大日本インキ界面活性剤 F-179 0. 25部
塗布後の活性光線硬化性榭脂は、 90°CZ30sec.で乾燥を行い、ついで水銀灯( 300mi/cm2)で光硬化を行った。
〈中間層形成塗工液〉 膜厚 1. 0 /z m
ポリビュルプチラール榭脂
〔積水化学 (株)製:エスレック BX— 1〕 3. 5部
タフテックス M— 1913 (旭化成) 5部
硬化剤 ポリイソシァネート [コロネート HX 日本ポリウレタン製]
1. 5部
メチルェチルケトン 90部
塗布後硬化剤の硬化は、 50°C、 24時間で行った。
〈接着層形成塗工液〉 膜厚 0. 5 m
ウレタン変性エチレンェチルアタリレート共重合体〔東邦化学工業 (株)製:ハイテ ック S6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬 (株)製:ジュリマー AT510〕
2部
水 45部
エタノール 45部
さらに画像、文字が記録された前記受像体上に前記構成からなる活性光線硬化型 転写箔 1を用いて表面温度 200°Cに加熱した、直径 5cmゴム硬度 85のヒートローラ 一を用いて圧力 150kgZcm2で 1. 2秒間熱をかけて転写を行なった。
[評価]
<繰り返し曲げ試験 >
JIS K6404— 6の揉み試験装置を用い、チップ上をクランプし振幅 50mm、間隙 3 Omm, 120回 Z分で繰り返し曲げを 100回行った。試験後動作および変形、破損を 確認した。
Α· · ·変形'剥離なく変化なし
Β· · ·変形 ·剥離なく問題ないが痕跡が残っている
C · · ·剥離破損はな 、が変形して!/、る
D…変形 ·剥離破損あり
<点圧強度試験 >
先端直径 lmmの鋼球で lkg荷重を ICチップの回路面、非回路面それぞれ硬度 5 0のゴムシート上で 200回かけた。試験後動作および変形、破損を確認した。
Α· · ·変形'剥離なく変化なし
Β· · ·変形 ·剥離なく問題ないが痕跡が残っている
C · · ·剥離破損はな 、が変形して!/、る
0','変形'破損ぁり
<衝撃試験 >
JIS K5600-5—3の落体式衝撃試験機を用い、内径 27mmの穴の空いた受け台 に ICチップが中心にくるようにカードを上下より挟んで強固に固定し、先端直径 20m m、重さ 100g重の重り(S45C鋼)を 10cmの高さより受け台中心の ICチップ上に自 由落下させた。試験後動作および変形、破損を確認した。
Α· · ·変形'剥離なく変化なし
Β· · ·変形 ·剥離なく問題ないが痕跡が残っている
C · · ·剥離破損はな 、が変形して!/、る
D…変形 ·剥離破損あり
<印字性試験 >
作成したカードに昇華画像を印画し、かすれ具合を評価した。
Α· · ·問題なく印画できる
B 部濃度が低下する部分があるが判別できるレベルである
C 部濃度が低下し判別できな 、レベルである
D- · '完全に色抜けする部分がある
個人認証用カードへの個人情報記載方法及び表面保護層を設けた仕上がりカー ドの評価結果を表 3に示す。
[表 3]
モジュール ICカード用接着剤 結果
No. 弾性率
Kg/ mm2 繰り返し曲げ 点圧強度 衝撃 印字性 実施例 1 モジユール 1 接着剤 1 15 A A A A 実施例 2 モジユール 2 接着剤 1 15 B A A A 実施例 3 モジュ^"ール 3 接着剤 1 15 B B C A 実施例 4 モジュ^"ール 4 接着剤 1 15 A B B A 比較例 1 モジユール 5 接着剤 1 15 C C D A 比較例 2 モジュ^"ール 6 接着剤 1 15 D D D A 実施例 5 モジュ^"ール 7 接着剤 1 15 A A A A 実施例 6 モジユール 8 接着剤 1 15 A B B A 比較例 3 モジユール 9 接着剤 1 15 C C D A 比較例 4 モジユ レ 10 接着剤 1 15 D D D A 実施例 7 モジユ レ 1 1 接着剤 1 15 A A A B 実施例 8 モジユ -ル 12 接着剤 1 15 A A B B 比較例 5 モジ -ノレ 13 接着剤 1 15 C C D B 比較例 6 モジユ レ 14 接着剤 1 15 D D D B 実施例 9 モジユ -ル 15 接着剤 1 15 A A A B 実施例 10 モジユ -ル 16 接着剤 1 15 B B C B 比較例 7 モジユ レ 17 接着剤 1 15 C C D B 比較例 8 モジユ レ 18 接着剤 1 15 D D D B 実施例 11 モジユ -ル 19 接着剤 1 15 A A A A 実施例 12 モジユ -ル 20 接着剤 1 15 A A A B 実施例 13 モジユ レ 21 接着剤 1 15 A A A A 実施例 14 モジユ レ 22 接着剤 1 15 A A A A 実施例 15 モジユ -ル 23 接着剤 1 15 A A A A 実施例 16 モジユ レ 24 接着剤 1 15 A A B A 比較例 9 モジユ レ 25 接着剤 1 15 B C D A 比較例 10 モジユ -ル 26 接着剤 1 15 C B D A 実施例 17 モジユ レ 27 接着剤 1 15 A A A A 実施例 18 モジユ -ル 28 接着剤 1 15 A A B A 比較例 11 モジユ -ル 29 接着剤 1 15 B C D A 比較例 12 モジユ レ 30 接着剤 1 15 C B D A 実施例 19 モジユ レ 31 接着剤 1 15 A A A B 実施例 20 モジユ -ル 32 接着剤 1 15 A A A B 実施例 21 モジユ レ 33 接着剤 1 15 A A A B 実施例 22 モジユ レ 34 接着剤 1 15 A A A A 実施例 23 モジユ -ル 35 接着剤 1 15 A A B A 実施例 24 モジユ -ル 36 接着剤 1 15 A A A A 実施例 25 モジユ レ 37 接着剤 1 15 A B A A 実施例 26 モジユ -ル 38 接着剤 1 15 A A B A 実施例 27 モジユ -ル 39 接着剤 1 15 B A B C 実施例 28 モジユ レ 40 接着剤 1 15 A B B A 実施例 29 モジユ レ 41 接着剤 1 15 B A A A 実施例 30 モジユ -ノレ 42 接着剤 1 15 B A B B 実施例 31 モジユ -ノレ 43 接着剤 1 15 A C A A 比較例 13 モジユ レ 44 接着剤 1 15 C D D A 比較例 14 モジユ レ 45 接着剤 1 15 D D D A 比較例 15 モジ -ノレ 46 接着剤 1 15 C D D A 比較例 16 モジユ レ 47 接着剤 1 15 D D D A 比較例 17 モジユ レ 48 接着剤 1 15 D C D D 比較例 18 モジ -ル 49 接着剤 1 15 D D D D 比較例 19 モジ -ノレ 50 接着剤 1 15 D C D D 比較例 20 モジユ レ 51 接着剤 1 15 D D D D 比較例 21 モジユ レ 52 接着剤 1 15 D D D D 実施例 32 モジユール 1 接着剤 2 53 A A A A 実施例 33 モジユール 1 接着剤 3 0.4 B A A A 実施例 34 モジユール 1 接着剤 4 300 B B B B 実施例 35 モジュ^"ール 7 接着剤 2 53 A A A A 実施例 36 モジュ^"ール 7 接着剤 3 0.4 B A A A 実施例 37 モジユール 7 接着剤 4 300 B B B B
産業上の利用可能性
[0151] 耐久性を改善し、なお且つ表面性を高い次元で改善することが可能であり、偽造、 変造防止等の安全性 (セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する非接触式の 電子カード等の ICカード及び ICカードの製造方法に適用できる。
[0152] また本発明の構成により、以下のような効果を有する。
外部からの応力に対して内部で応力を分散させ、接合部に負荷をかけずに断線など による通信不良を低減することができる。
また補強板を 1枚設けたものに比べ 2枚にすることで極めて高いレベルで応力を分散 させ ICチップを破壊より守ることができる。
また、前記第 1の補強板が、前記 ICチップの面積及び外周より大きぐ前記第 2の補 強板が、前記第 1の補強板の面積及び外周より大きいことにより、一番大きい第 2補 強板に曲げたり、押したりしたときの荷重が力かりやすいため、 ICチップの耐久性が 向上する。
また、前記第 2の補強板より前記密着剤の面積及び外周が大きぐ前記 ICチップが 前記密着剤で封止されていることにより、空隙がなくなり耐久性が向上し、凹凸性が 低下してモジュール支持体上になだらかに ICチップ部分が形成されることになり、平 滑なカード表面を得ることができる。
さらに、 ICチップと前記補強板とが、 2%弾性率が 0. 1以上 55kgZmm2以下の密着 剤榭脂を介し固定され、 2%弾性率が 55. OkgZmm2以下になると応力を吸収する のに優れ、 ICチップをより破損から守り、 0. lkgZmm2以上になると、自己支持性が より向上し、補強板との一体ィ匕が向上し、 ICチップ破損防止効果が高い。
また、 ICチップの厚みと密着剤の厚みを規定すること、アンテナが形成されるモジュ ール支持体の厚みと ICモジュールの ICチップ部の最大厚みを規定することで、耐久 性を改善することができる。
また、補強板の重心位置と ICチップの重心位置が略同一で、補強板形状が、第 1の 補強板が金属よりなり円形または正方形、第 2の補強板が金属よりなり正方形である ことで、第 1の補強板と第 2の補強板で重心がずれていても良いが、最外層の補強板 が重心よりより離れたところにあるほど、曲げ変形等の外部応力が加わったとき最外
層が破壊されやすくなるため、略同一の補強板重心であることでその結果 ICチップ を保護できる。