JP4441805B2 - Icカード、icモジュール及び非接触icカード用インレット - Google Patents

Icカード、icモジュール及び非接触icカード用インレット Download PDF

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Description

この発明は、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する非接触式の電子カード、あるいはシートに適用して好適なICカード、ICモジュール及び非接触ICカード用インレットに関する。
身分証明書カード(IDカード)やクレジットカードなどには、従来磁気記録方式によりデータを記録する磁気カードが広く利用されてきた。しかしながら、磁気カードはデータの書き換えが比較的容易にできるため、データの改ざん防止が十分でないこと、磁気のため外的な影響を受けやすく、データの保護が十分でないこと、さらに記録できる容量が少ないなどの問題点があった。そこで、近年ICチップを内蔵したICカードが普及し始めている。
ICカードは、表面に設けられた電気接点やカード内部のアンテナを介して外部の機器とデータの読み書きをする。ICカードは磁気カードに比べて記憶容量が大きく、セキュリティ性も大きく向上している。特に、カード内部にICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナを内蔵し、カード外部に電気接点を持たない非接触式ICカードは、電気接点をカード表面にもつ接触式ICカードに比べてセキュリティ性が優れ、IDカードのようにデータの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用されつつある。
このようなICカードとして、例えば第1のシート材と第2のシート材が接着剤を介して貼り合わされ、その接着剤層中にICチップ及びアンテナを有するICモジュールを封入するものがある。
ICカードはセキュリティ性が高いために耐久性が偽造変造の観点からも重要になっている。特に、カード内部にICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナなどの電気部品が内蔵されているため、その耐久性を確保するためさまざまな試みが行われている。しかしながら、さまざまな用途に使用され普及しつつある中、さらに高い耐久性が必要とされてきた。カードという特性上、常に携帯しズボンのポケット等での繰り返し曲げ、落下、コイン等の圧力に対して強い耐久性が要求される。これに対しICチップに強固な補強構造物を設ける等の改良が提案されている。
圧力、曲げ等によるICチップの破壊やアンテナの断線による耐久性に関しては、特開平6―199083号公報、特開平8―324166号公報に開示されている。また、チップ湾曲に関しては、特開平10−58873号公報、特開平11−204566号公報に開示されている。
特開平6―199083号公報 特開平8―324166号公報 特開平10−58873号公報 特開平11−204566号公報
しかしながら、従来のICカードでは、外部から加えられる力によるICカードの曲げや衝撃時の変形がそのままICチップの撓みに影響する構造であったために、カード内部のICチップがより多く撓んでしまい、外から加えられる力による曲げ力や衝撃により、比較的簡単にICチップが破壊されていた。
また、本来、ICチップと補強板の間には接着剤がもれなく施されなければならないが、従来の補強板の貼付方法では、ICチップと補強板の間に、気泡が入りやすかった。そのため、その気泡がある部分に当たるICチップ部分に応力がかかると、ICチップが非常に割れやすいという問題があった。しかしながら、ICチップと補強板の間の接着剤に気泡が入らないようにするにはかなり難しく、耐久性が劣っていたり、収縮率が著しく低下する要因となっていた。
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、第1に安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができ、第2に接着剤中に気泡が発生することを軽減し、点圧強度や耐衝撃性が安定して強いICカード、ICモジュール及び非接触ICカード用インレットを提供することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、内部に、少なくともICチップを内蔵し、このICチップに接着剤を介して補強板が設けられるICカードにおいて、
弾性率の高い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に設けられ、弾性 率が低い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に設けれ、
前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
前記2種以上の接着剤は、前記中央部に弾性率の高い接着剤が、前記周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICカードである。
請求項に記載の発明は、少なくともICチップを有し、このICチップに接着剤を介 して補強板が設けられるICモジュールにおいて、
弾性率の高い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に設けられ、弾性率が低い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に設けれ、
前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
前記2種以上の接着剤は、前記中央部に弾性率の高い接着剤が、前記周縁部に前記中央 部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするIC モジュールである。
請求項に記載の発明は、アンテナが接続されたICチップに接着剤を介して補強板が設けられた非接触ICカード用インレットにおいて、
弾性率の高い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に設けられ、弾性率が低い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に設けれ、
前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
前記2種以上の接着剤は、前記中央部に弾性率の高い接着剤が、前記周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする非接触ICカード用インレットである。
請求項に記載の発明は、内部に、少なくとも接着剤を介して複数の補強板で補強されているICチップを内蔵するICカードにおいて、
前記補強板の前記ICチップ側と反対面に、それぞれ前記接着剤が設けられ、
前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
前記2種以上の接着剤は、前記補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICカードである。
請求項に記載の発明は、前記ICチップと前記補強板を接合する接着剤は、前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、前記ICチップもしく は前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置 されていることを特徴とする請求項に記載のICカードである。
請求項に記載の発明は、少なくともICチップを有し、このICチップに接着剤を介して複数の補強板が設けられているICモジュールにおいて、
前記補強板の前記ICチップ側と反対面に、それぞれ前記接着剤が設けられ、
前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
前記2種以上の接着剤は、前記補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICモジュールである。
請求項に記載の発明は、前記ICチップと前記補強板を接合する前記接着剤は、前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、前記ICチップも しくは前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように 配置されていることを特徴とする請求項に記載のICモジュールである。
請求項に記載の発明は、アンテナが接続されたICチップに接着剤を介して複数の補強板が設けられた非接触ICカード用インレットにおいて、
前記補強板の前記ICチップ側と反対面に、それぞれ前記接着剤が設けられ、
前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
前記2種以上の接着剤は、前記補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする非接触ICカード用インレットである。
請求項に記載の発明は、前記ICチップと前記補強板を接合する前記接着剤は、前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする請求項に記載の非接触ICカード用インレットである。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、ICカードのICチップに弾性率の異なる2種以上の接着剤を介して補強板が設けられ、例えばICカードの強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。また、ICカードの2種以上の接着剤は、ICチップもしくは補強板の中央部には弾性率の高い接着剤が、周縁部には中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることで、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、ICモジュールのICチップに接着剤を介して補強板が設けられ、接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、例えばICモジュールの強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。また、ICモジュールの2種以上の接着剤は、ICチップもしくは補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることで、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、非接触ICカード用インレットのICチップに接着剤を介して補強板が設けられ、接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、例えば強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。また、非接触ICカード用インレットの2種以上の接着剤は、ICチップもしくは補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることで、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、ICカードの内部に、少なくとも接着剤を介して複数の補強板で補強されているICチップを内蔵し、補強板のICチップ側と反対面に、弾性率の異なる2種以上の接着剤が形成され、例えばICカードの強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。また、ICカードの2種以上の接着剤は、補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置され、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、ICカードのICチップと補強板を接合する接着剤は、ICチップもしくは補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置され、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項24に記載の発明では、ICカードの2種以上の接着剤が、パターン状に配置されていることで、例えば弾性率の高い接着剤と低い接着剤の2つをパターン状に用いることで、その頻度で中間の弾性率の接着剤を擬似的に得ることができ、なだらかな弾性率の傾きをもった接着剤層を構成することができる。
請求項に記載の発明では、ICモジュールのICチップに接着剤を介して複数の補強板が設けられ、補強板のICチップ側と反対面に、弾性率の異なる2種以上の接着剤が形成され、例えば強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。また、ICモジュールの2種以上の接着剤は、補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置され、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、ICモジュールのICチップと補強板を接合する接着剤は、ICチップもしくは補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置され、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、非接触ICカード用インレットの補強板のICチップ側と反対面に、弾性率の異なる2種以上の接着剤が形成され、例えば強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。また、非接触ICカード用インレットの2種以上の接着剤は、補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いようにパターン状に配置され、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
請求項に記載の発明では、非接触ICカード用インレットのICチップと補強板を接合する接着剤は、ICチップもしくは補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置され、接着剤中の気泡が周囲に押し出され、かつ安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
以下、この発明の画像評価装置の実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに限定されない。
まず、ICモジュール、非接触ICカード用インレット及びICカードの実施の形態を図1及び図2に示す。図1はICカードの断面図、図2はICチップと補強板を貼り合わせる図、図3はICカードの曲げ応力や衝撃力に対応する説明図である。
この実施の形態のICカードは、第1シート部材1と第2シート部材2との間に、ICモジュール6を有する非接触ICカード用インレット10が載置され、シート間接着剤7a,7bを充填して設けられている。
ICモジュール6は、ICチップ3、ICチップ3に隣接した補強板4、ICチップ3の接点であるバンプ9、導電性接着剤9c等で構成される。
非接触ICカード用インレット10は、ICモジュール6、ICモジュール6にバンプ9と導電性接着剤9cとを介して接続してアンテナ5、アンテナ5を支持するPETシート8b等で構成される。
ICチップ3は第2シート部材2側でPETシート8bに配置され、補強板4が第1シート部材1側に配置されている。また、ICチップ3が導電性接着剤9cを介してPETシート8bに設けられている。
ICチップ3には、回路面側3aと反対面側3bに、接着剤20を介して補強板4が設けられ、この接着剤20は弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成されている。
この実施の形態では、2種以上の接着剤20a,20bが、補強板4上にパターン状に配置され、ICチップ3及び補強板4の中央部に弾性率の高い接着剤20aが、周縁部に中央部の接着剤20aより弾性率が低い接着剤20bが多いようにパターン状に配置されている。
このように、ICチップ3に弾性率の異なる2種以上の接着剤20a,20bを介して補強板4が設けられ、例えば強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
この実施の形態では、図3に示すように、ICカードに外部から曲げや衝撃を受けると、補強板4がICチップ3を保護する。このとき、曲げや衝撃が補強板4の中央部が大きく、周縁部が小さくなるが、弾性率の高い接着剤20aが中央部に設けられ、弾性率が低い接着剤20bが周縁部に設けられているために、強度が均一化して補強板4にかかる曲げ応力や衝撃力を効率的に吸収することができる。従って、曲げ応力や衝撃力が接着剤20によってそのまま補強板4からICチップ3に伝わりにくく、ICカードは曲げや衝撃に強く、点圧強度や耐衝撃性が安定して強く耐久性が向上する。
この場合、中央部の方が周縁部より配置されている接着剤の弾性率の高い接着剤の割合に応じれば良く、中央部には弾性率の高い接着剤のみが配置され、周縁部には、弾性率の低い接着剤のみが配置される場合や、中央部と周縁部共に2種の接着剤が割合を変えて配置されている場合も含む。
また、この実施の形態のICカードは、内部に、少なくとも2種類の弾性率の異なる接着剤20a,20bを介して補強板4で補強されているICチップ3を内蔵し、このICチップ3が第1シート部材1と第2シート部材2の表裏シートとシート間接着剤7a,7bで接着保持されている構造であり、この各接着剤7a,7bの弾性率の関係が、最も低弾性率の接着剤20b<シート間接着剤7a,7b<最も高弾性率の接着剤20aである。
この実施の形態では、シート間接着剤7a,7bと、最も高弾性率の接着剤20aと、最も低弾性率の接着剤20bの各接着剤の弾性率の関係の設定によって、ICカードが外部から曲げや衝撃を受けると、中間の弾性率のシート間接着剤7a,7bによってICチップ3と補強板4の曲げや衝撃を抑えることができる。さらに、最も低弾性率の接着剤20bと最も高弾性率の接着剤20aとによって、補強板4の中央部では曲げや衝撃を吸収し、補強板4の周縁部では抑えるようにして曲げ応力や衝撃力が接着剤20によってそのまま補強板4からICチップ3に伝わりにくくなり、ICカードは曲げや衝撃に強く、点圧強度や耐衝撃性が安定して強く耐久性が向上する。
次に、ICモジュール、非接触ICカード用インレット及びICカードの製造方法の実施の形態を図4乃至図6に示す。図4は非接触ICカード用インレットの平面図、図5は非接触ICカード用インレットの断面図、図6はICカードの断面図である。
この実施の形態のICモジュール6、非接触ICカード用インレット10は、図1の実施の形態と同様に構成されるが、2種の接着剤20が、パターン状に配置され、弾性率の高い接着剤20aと弾性率が低い接着剤20bが、図5及び図6に示すように、パターン状に配置されている。パターン状に設けられた弾性率の高い接着剤20aと弾性率が低い接着剤20bによって、安価で簡便に点圧強度などの強度均一化を図ることができ、曲げ応力や衝撃力が接着剤20によってそのまま補強板4からICチップ3に伝わりにくくなり、ICカードは曲げや衝撃に強く、点圧強度や耐衝撃性が安定して強く耐久性が向上する。
次に、ICモジュール及び非接触ICカード用インレットの製造方法の実施の形態を図7に示す。図7はICチップと補強板を貼り合わせる図である。
この実施の形態のICモジュール及び非接触ICカード用インレットの製造方法では、ICチップ3に接着剤20を介して補強板4を設けるが、ICチップ3または補強板4の少なくとも一方に、硬化後の弾性率が異なる2種以上の接着剤20をそれぞれパターン状に供給して形成する。
パターンとしては、ドットパターンとブロックパターンを挙げることができる。ドットパターンは、パターンディザ法、誤差拡散法、ハーフスクリーントーン法などが知られている。このドットパターンの一例を図7乃至図10に示す。
また、ブロックパターンは、回路パターン(CPU、メモリ、RF回路、バンプ周辺部)や、チップ各部の強度測定した強度レベルエリア(回路密度集中部、回路密度過疎部)毎のブロックパターンを挙げることができる。このブロックパターンの一例を図11及び図 12にす。
図7に示すドットパターンの実施の形態では、補強板4を準備し(図7(a))、この補強板4の上に2種の接着剤20をドットパターン状に供給し、補強板4の中央部に弾性率の高い接着剤20aを設け、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤20bが多いように設ける(図7(b))。そして、ICチップ3と補強板4を貼り合わせ、硬化処理をする(図7(c))。
図8に示すドットパターンの実施の形態では、補強板4の中央部に弾性率が高い接着剤20aが、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤20bが多いようにパターン状に配置されるが、弾性率が高い接着剤20aの一部を周縁部まで延ばして配置し、ICチップ3と補強板4を貼り合わせた後、硬化処理する。この弾性率が高い接着剤20aによって中心部の点圧強度が向上するとともに、このパターン化により応力が分散するため耐衝撃性が安定して、耐久性が向上する。
図9に示すドットパターンの実施の形態では、接着剤20のドットパターン状を、図9(a)は四角形にしたものであり、図9(b)は多角形にしたものであり、図9(c)は円形にしたものである。図9(a)では、中央部に弾性率の高い接着剤20aを設け、周縁部に中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤20bが多いように設けている。また、この実施の形態では、2種の接着剤20をドットパターン状に供給しているが、これに限定されず3種あるいはそれ以上であってもよい。
図9(a)では、中央部の接着剤20aと周縁部の接着剤20bは弾性率が異なり密度は同じになっているが、図9(b)及び図9(c)では、中央部の接着剤20aと周縁部の接着剤20bは、弾性率を同じにして接着剤の密度を中心部で高くしている。
図10に示すドットパターンの実施の形態では、中央部の中心に弾性率の高い接着剤20aを設け、その周囲に中心の接着剤より弾性率が低い接着剤20bを設け、さらにその周囲に弾性率が高い接着剤20aを設けて、点圧強度などの強度均一化を図ることができるようにしている。
接着剤20をドットパターン状に供給する手段として、インクジェット方式、あるいはパターン状に配置されたマルチノズル供給方式を用いることができる。インクジェット方式は、供給ヘッドは、例えばパターンデータに応じて供給される駆動制御信号に基づいて制御される電気機械変換体の圧力または電気熱変換体の加熱エネルギーにより形成された接着剤滴を、吐出口形成面を通じて吐出するものである。インクジェット方式は、高い密度のドットパターンを形成することができ、細かい強弱パターンに対応することができる。
マルチノズル供給方式は、高速化を目的として、吐出口が全供給領域、例えば補強板4、あるいはICチップ3の全幅にわたって形成される、いわゆるマルチノズル化され長尺化したものである。マルチノズル方式は、高粘度の接着剤を用いることができ、弾性率の差が大きく取れる。
図11に示すブロックパターンの実施の形態では、中央部の中心位置と周囲の角位置に弾性率の高い接着剤20aを設け、その他の位置に中央部の中心位置と周囲の角位置の接着剤より弾性率が低い接着剤20bを設けて、点圧強度などの強度均一化を図ることができるようにしている。
図12に示すブロックパターンの実施の形態では、CPU、バンプ9の周辺部の位置に弾性率の高い接着剤20aを設け、ROM、不揮発性メモリ等の位置にCPU、バンプ9の周辺部の位置の接着剤より弾性率が低い接着剤20bを設けて、点圧強度などの強度均一化を図ることができるようにしている。
この実施の形態の接着剤20は、熱硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂であり、硬化処理がそれぞれ熱処理もしくは活性光線照射処理である。
また、接着剤20をドットパターンで構成すると、弾性率の高い接着剤と低い接着剤の2つをパターン状に用いることで、その頻度で中間の弾性率の接着剤を擬似的に得ることができ、なだらかな弾性率の傾きをもった接着剤層を構成することができる。そのため、点圧強度が低下することなく内部応力の集中を回避することができ、曲げ強度と点圧強度を両立することができる。
また、ICチップの各部は、回路パターン(CPU、メモリ、RF回路、バンプ周辺部)や、チップ回路の密度集中部、密度過疎部などの事情により、点圧などの強度レベルが各所で異なる。この強度のパターンに応じた接着剤のパターンとすることで、強度の均一化を図ることができる。具体的には、強度が弱い箇所には、弾性率の高い接着剤、強い箇所には弾性率の低い接着剤を頻度多く配置させることで、点圧強度などの強度均一化を図ることができる。
次に、内部に、少なくとも接着剤を介して複数の補強板で補強されているICチップを内蔵するICカードを図13に示す。図13はICカードの断面図である。
この実施の形態のICカードは、第1シート部材1と第2シート部材2との間に、ICモジュール6を有する非接触ICカード用インレット10が載置され、シート間接着剤7a,7bを充填して設けられている。
この実施の形態のICカードは、内部に接着剤20を介して補強板4で補強されているICチップ3を内蔵し、補強板4のICチップ側4aと反対面4bに、弾性率の異なる2種以上の接着剤40が形成され、この接着剤40を介して補強板50が設けられている。この実施の形態の接着剤20は、図1乃至図12の実施の形態と同様に構成され、2種以上の接着剤40も接着剤20と同様に構成される。このように、ICチップ3に弾性率の異なる2種以上の接着剤20を介して補強板4が設けられ、さらに弾性率の異なる2種以上の接着剤40を介して補強板50が設けられることから、外部から曲げや衝撃を受けても、それがそのまま接着剤によってICチップには伝わりにくく、ICモジュールは曲げや衝撃に強く耐久性が向上する。
この複数の補強板を有するICモジュール及び非接触ICカード用インレットの実施の形態では、接着剤40は硬化後弾性率が異なる2種以上の接着剤であり、インクジェット方式にてICチップ3の補強面もしくは補強板4の貼付面にそれぞれパターン状に供給し、ICチップ3と補強板4を貼り合わせた後、接着剤40を硬化処理する。
なお、2つの接着剤20,40をパターン状に配置する場合、一方の接着剤20をICチップ側に供給し、もう一方の接着剤40を補強板側に供給して、両者を合わせることで形成しても同じ効果を得ることができる。
次に、粘度が異なる接着剤を用いてICモジュール及び非接触ICカード用インレットを製造する実施の形態を図14乃至図16に示す。
図14に示す実施の形態では、ICチップ3または補強板4の少なくとも一方、この実施の形態では、補強板4に粘度が異なる2種以上の接着剤60a,60bをそれぞれドットパターン状に供給して形成している。補強板4の中央部に粘度が低い接着剤60aが、周縁部に粘度が高い接着剤60bが多いようにパターン状に配置され、ICチップ3と補強板4を貼り合わせた後、硬化処理する。補強板4の中央部に粘度が低い接着剤60aによって、接着剤60a中に気泡が発生せず、点圧強度や耐衝撃性が安定して強く耐久性が向上する。
図15に示す実施の形態では、図14の実施の形態と同様に、補強板4に粘度が異なる2種以上の接着剤60a,60bをそれぞれドットパターン状に供給して形成し、補強板4の中央部に粘度が低い接着剤60aが、周縁部に粘度が高い接着剤60bが多いようにパターン状に配置されるが、粘度が低い接着剤60aの一部を周縁部まで延ばして配置し、ICチップ3と補強板4を貼り合わせた後、硬化処理する。粘度が低い接着剤60aの一部を周縁部まで延ばして配置されており、この粘度が低い接着剤60aによって気泡が発生すると容易に外部に排出され、接着剤60a中に気泡が発生せず、点圧強度や耐衝撃性が安定して強く耐久性が向上する。
また、接着剤60をインクジェット方式にてICチップ3のICチップ面に供給し、補強板圧着後、硬化処理してもよい。
図16に示す実施の形態では、図14に示す実施の形態と同様に構成するが、接着剤70をインクジェット方式にて補強板4に供給し、補強板80を圧着後、硬化処理する。接着剤60,70は硬化後弾性率の異なる2種以上の接着剤であり、インクジェット方式にてICチップ3の補強面もしくは補強板4の貼付面にそれぞれパターン状に供給し、ICチップ3と補強板4を貼り合わせた後、接着剤60を硬化処理する。
また、ICカード表裏側の少なくとも一方に、即ち第1シート部材1と第2シート部材2の一方は、受像層を有し、少なくとも氏名、顔画像を含む個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有する。
<弾性率の測定方法>
接着剤を、厚さ500μmの硬化後の接着剤シートを作成し、この接着剤シートを株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用いASTM D638に準じて、2%引張弾性率を測定した。
<第1シート部材と第2シート部材>
第1シート部材と第2シート部材の支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、 生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸 、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。
この支持体の厚みは30〜300μm望ましくは50〜200μmである。50μm以下であると第1シート部材の支持体と第2シート部材の支持体の貼り合わせ時に熱収縮等を起こし問題である。
支持体は150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下が好ましい。第1シート部材の支持体と第2シート部材の支持体の両方の面側から、接着剤を塗工又は貼り合わせ生産した場合、温度により支持体が熱収縮を起こしてしまいその後の断裁工程、印刷工程での位置あわせが困難であった。しかし低温で接着する接着剤と150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下の支持体を用いることにより支持体の収縮が起きずに従来の問題点を改善することができた。
この発明においては隠蔽性を向上させるために白色の顔料を混入させたり、熱収縮率を低減させるためにアニール処理を行ったりして得られた150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下の支持体を用いることが好ましい。縦(MD)で1.2%以上、横(TD)で0.5%以上であると支持体の収縮により上記した後加工が困難になることが確認された。また、上記支持体上に後加工上密着性向上のため易接処理を行っていても良く、チップ保護のために帯電防止処理を行っていても良い。 具体的には、帝人デュポンフィルム株式会社製のU2シリーズ、U4シリーズ、ULシリーズ、東洋紡績株式会社製クリスパーGシリーズ、東レ株式会社製のE00シリーズ、E20シリーズ、E22シリーズ、X20シリーズ、E40シリーズ、E60シリーズQEシリーズを好適に用いることができる。
第2シート部材の支持体は場合により、当該カード利用者の顔画像を形成するため受像層、クッション層を設けてもよい。個人認証カード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられたものが好ましい。
受像層用としては公知の樹脂を用いることができ、例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂である。
このICカードはクッション層を有することが好ましく、クッション層の形成する材料としては、特願2001−16934記載の光硬化型樹脂、ポリオレフィンが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンの様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。
このクッション層は、支持体と画像を受容する受像層の間に位置し、ICモジュール等の電子部品による凹凸影響を緩和する役割をはたす軟質の樹脂層を意味する。クッション層は、受像層と電子部品の間にクッション層を有する形態であれば特に制限はないが、支持体の片面もしくは両面上に塗設あるいは貼合されて、形成されることが特に好ましい。
<筆記層>
このICカードの筆記層は、ICカードの裏面に筆記をすることができるようにした層である。このような筆記層としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微細粉末を熱可塑性樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン類や、各種共重合体等)のフィルムに含有せしめて形成することができる。特開平1−205155号公報に記載の「書き込み層」をもって形成することができる。筆記層は支持体における、複数の層が積層されていない方の面に形成される。
<シート間接着剤>
この発明のICカードに用いられるシート間接着剤は、一般に使用されている樹脂を制限なく用いることができる。好ましくは、ホットメルト接着剤を用いることがよく、ホットメルト接着剤の主成分としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられる。但しカード基体がそりやすいとか、カード表面に感熱転写による画像形成のための受像層など高温加工に弱い層が設けられている場合に層がダメージを受け、或いは高温で貼り合わせるために基材が熱収縮等を起こし寸法及び貼り合わせ時の位置精度が劣化する等の問題点からシート間接着剤を介して貼り合わせる場合には、80℃以下で貼り合わせることが好ましくさらには10〜80℃、さらに好ましくは20〜80であることが好ましい。低温シート間接着剤の中でも具体的には反応型ホットメルト接着剤が好ましい。反応型ホットメルト接着剤(以下、反応型接着剤)は、樹脂を溶融させて接着した後、湿気を吸収して樹脂が硬化するタイプの接着剤である。その特徴として、通常のホットメルトと比較して硬化反応を有する上、それに要するだけ接着可能時間が長く、かつ接着後に軟化温度が高くなるため耐久性に富み、低温での加工に適していることが挙げられる。反応型接着剤の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。この発明に使用できる反応型接着剤としては住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製Macroplast QR 3460等が挙げられる。 反応型ホットメルト接着剤として湿気硬化型の材料で特開2000−036026号公報、特開2000−219855号公報、特開平2000−211278号公報、特開平2000−219855号公報、特願平2000−369855号公報で開示されている。光硬化型接着剤として特開平10−316959号公報、特開平11−5964号公報等が開示されている。
これらシート間接着剤のいずれも使用してもよく、この発明には制限はない材料を用いることが好ましい。シート間接着剤の膜厚は、この発明の範囲であれば電子部品と含めた厚さで10〜600μmが好ましく、より好ましくは10〜500μm、更に好ましくは10μ〜450μmである。
シート間接着剤の弾性率は、200Mpa以上、より好ましくは300Mpa以上である。これによりカード剛性が十分となり、曲げ剛性が上がるとともに.点圧強度が高いカードを得ることができる。
<電子部品(ICモジュール)>
ICモジュールは、薄膜加工されたICチップに、ICチップ回路に外部からの接続が可能となるように設けられた電気的接点もしくはアンテナ接続用接点が施され、さらにICチップ回路やIC基盤を静電気や外力から保護する補強部材で保護補強された構成物である。このようにICモジュールとは、情報記録部材のことを示し、具体的には当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ及びICチップに接続された接点である。ICチップはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピューターなどであり、場合により電子部品にコンデンサーを含んでもよい。この発明は、これに限定はされず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。
<インレット>
インレットは、ICモジュールのアンテナ接続用接点にアンテナが接統された構成物である。アンテナは、支持体に銅やアルミニウムの導電性パターンがコイル状に付与されたものが用いられる。この支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレナフタレート、ポリイミド、PET−Gなど、耐熱性、寸法安定性がよいものを用いることができる。また、銅線などをコイル状に巻いた巻線タイブでもよい。その場合は、不織布などの部材で保持されていてもよい。 このようにインレットはアンテナコイルを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、或いは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法を用いてもよい。プリント基板としては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。ICチップとアンテナパターンとの接合は銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤(日立化成工業のEN−4000シリーズ、東芝ケミカルのXAPシリーズ等)や、異方性導電フィルム(日立化成工業製アニソルム等)を用いる方法、或いは半田接合を行う方法が知られているがいずれの方法を用いてもよい。
予めICチップを含む部品を所定の位置に載置してから樹脂を充填するために、樹脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、樹脂の流動や冷却に起因して表面の平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに樹脂層を形成しておいて、樹脂層内に部品を封入するために該電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状にし使用されることが好ましい。例えば特願平11−105476号公報等の記載されている方法等を用いることができる。
例えば、不織シート部材として、不織布などのメッシュ状織物や、平織、綾織、繻子織の織物などがある。また、モケット、プラッシュベロア、シール、ベルベット、スウェードと呼ばれるパイルを有する織物などを用いることができる。材質としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン8等のポリアミド系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフルオロエチレン系、ポリウレタン系等の合成樹脂、絹、綿、羊毛、セルロース系、セルロースエステル系等の天然繊維、再生繊維(レーヨン、アセテート)、アラミド繊維の中から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせた繊維が上げられる。これらの繊維材料において好ましくは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系、ポリアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアイド等のアクリル系、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系、再生繊維としてのセルロース系、セルロースエステル系であるレーヨン及びアセテート、アラミド繊維があげられる。
<接着剤>
この発明の接着剤には、この発明の趣旨より反しない限り、一般に使用されている樹脂材を制限なく用いることができる。エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、シアノアクリレート系、ニトリルゴム等の合成ゴム系、UV硬化型、ホットメルト、嫌気性、セルロース系接着剤、酢酸ビニール系密着剤等の接着剤、を用いることができる。これらの接着剤を単独、または、複数用いることができる。好ましくは、弾性エポキシ接着剤が用いられる。弾性エポキシ樹脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭63−63716号公報に開示されるような、エポキシ樹脂とメルカプタン系硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物や、複素環状ジアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂が用いられてきた。
作業環境特性、支持体との接着性、接着安定性を得るために特開平10−120764号公報に開示されているような、ビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤として(C)ポリアミドアミン、(D)芳香族変性アミン、及び(E)脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ樹脂組成物が用いられている。また、特開2000−229927号公報には、エポキシ樹脂とアミンイミド化合物系硬化剤との組み合わせからなる硬化速度が早いエポキシ樹脂が得られている。特開平6−87190号公報、特開平5−295272号公報には特殊変性シリコーンプレポリマーを硬化剤と用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示されている。
この発明で用いることができる弾性エポキシ接着剤とは、例えば、セメダイン株式会社製、セメダインEP−001、株式会社スリーボンド社製、3950シリーズ、3950,3951,3952、コニシ株式会社製ボンドMOSシリーズ、MOS07、MOS10、東邦化成工業株式会社ウルタイト1500シリーズ、ウルタイト1540灯を用いることが好ましい。
接着剤の膜厚は、1〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜70μm、更に好ましくは3μ〜50μmである。
この発明における接着剤は、広範な粘度のものを用いることができる。好ましい粘度は、接着剤の供給方法により異なる。インクジェット方式で供給する場合の接着剤の粘度は、0.001〜0.2Pa・Sであることが好ましく、さらに好ましくは0.002〜0.1Pa・Sである。マルチノズル方式で供給する場合の接着剤の粘度は、1〜1000Pa・Sであることが好ましく、さらに好ましくは、10〜500Pa・Sである。粘度の高い接着剤と低い接着剤の粘度差は、2倍以上であることが好ましく、より好ましくは5倍以上である。粘度が0.001Pa・S以下であるとICチップと補強板接着時に粘度が低すぎるため設けた液が流れてしまい膜厚制御、膜厚ムラができてしまい問題となる。また、粘度が1000Pa・S以上であると製造時に塗工スジ、気泡が発生してしまい密着性が劣化してしまう。
ここで粘度は、B型粘度計やコーンプレート型の粘度計で測定することができる。この発明でいう接着剤の粘度は、補強板もしくはICチップに接着剤を供給し、貼り合わせる際の粘度である。
この発明に使用できる接着剤の硬化後の弾性率は広範囲のものを用いることができる。弾性率の低い方の接着剤が、弾性率1000Mpa以下、好ましくは500Mpa以下である。弾性率が高い方の接着剤は、1000Mpa以上、好ましくは2000Mpa以上である。両方の弾性率差は大きいほど好ましく、2倍以上、より好ましくは、10倍以上であることが好ましい。弾性率の差が大きいほど、ICチップの強度バラツキを補正することができ、有利である。
また、接着剤は、ポッティング、塗布、噴射、印刷等、特に制限なく補強構造物上、ICチップ上に設けることができる。ポッティングで設ける場合、ポッティングノズル数を多くすることが好ましい。塗布で設ける場合、平滑に設けることが好ましい。いずれも、ICチップに補強板を固定する時、均一に接着剤を設けることが好ましく、この発明においては、湾曲したICチップと補強板の間に存在する接着剤設けられている接着剤面積がICチップ面積を上回っていることが好ましい。ICチップと補強板間に接着剤が満たされることで耐久性が向上する。
<補強板>
この発明では、ICチップの耐久性向上のためICチップに補強板を固定する。この発明の補強板は、機械的強度に優れることが好ましい。強度確保のため補強板を厚くするとカード厚みが厚くなり、表面印画性などが低下するため補強板は高強度の素材が好ましい。金属、セラミック、カーボンファイバー、ガラス繊維、アラミド繊維、高弾性樹脂などが上げられる。これらより選択される、1種または複数からなる複合材料でもよい。特にヤング率100GPa以上の素材が主構造に使用されているのが好ましい。厚みとしては、10〜300μm、好ましくは、30〜200μm、さらに好ましくは、50〜150μmがよい。補強板の形状としては、この発明の趣旨に反しない限り、適宜用いることができる。この発明では、チップの湾曲に合わせた湾曲面を持つ補強板形状が好ましい。補強板形状は、単一で形成されてもよいが、複数の部材より形成されるのがチップへの応力分散となり更に好ましい。複数の部材で構成される場合、機械的強度に優れる部材を積層することが好ましい。
<第1シート部材と第2シート部材との間に所定の厚みの電子部品(ICモジュール)を備える方法>
この発明の第1シート部材と第2シート部材との間に所定の電子部品(ICモジュール)とを備えるために製造方式としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られているが、いずれの方法で貼り合わせてもよい。また、第1シート部材と第2シート部材は貼り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷または、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。
この発明のICカードの製造方法は、少なくとも、常温状態では固形物または粘調体であり、加熱状態では軟化する接着部材をカード用の支持体に設ける工程と、電子部品をこの支持体上に配置する工程と、この支持体上の電子部品を覆うように接着部材を設けた表面用の支持体を配置する工程と、所定の加圧加温条件の下で支持体、電子部品及び表面用の支持体とを貼り合わせる工程とを有し貼り合わせることが好ましい。
固形物又は粘調体の加熱状態で軟化する接着部材とは、接着剤自身をシート状に形成し具備する方法と接着剤自身を加熱又は常温で溶融し射出成型によって貼り合わせることが好ましい。
第1シート部材の支持体と第2シート部材の支持体との間に所定の電子部品の接着可能な温度は、180℃以下であることが好ましく、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは120℃以下である。貼り合わせ後に支持体のそり等を低減させるために冷却工程を設けることが好ましい。冷却温度は100℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは10〜60℃である。
加圧は、0.1〜300kgf/cm2が好ましく、より好ましくは0.1〜100kgf/cm2である。これより圧が高いとICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ましくは、0.1〜180secより好ましくは0.1〜120secである。
接着剤貼合法や樹脂射出法で連続シートとして形成された貼り合わせた枚葉シート又は連続塗工ラミロールは、接着剤の所定硬化時間に合わせた時間内放置後、認証識別画像や書誌事項を記録をしても良く、その後所定のカードサイズに成形しても良い。所定のカードサイズに形成する方法としては打ち抜く方法、断裁する方法等が主に選択される。
<ICカード(画像記録体)の画像形成方法>
この発明のICカード(画像記録体)には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられた基体上の該画像又は印刷面側に形成したものである。
顔画像は通常の場合、階調を有するフルカラー画像で、例えば昇華型感熱転写記録方式、ハロゲン化銀カラー写真方式等により作製される。また、文字情報画像は二値画像よりなり、例えば溶融型感熱転写記録方式、昇華型感熱転写記録方式、ハロゲン化銀カラー写真方式、電子写真方式、インクジェット方式等により作製されている。また、発明においては、昇華型感熱転写記録方式により顔画像等の認証識別画像、属性情報画像を記録することが好ましい。
属性情報は氏名、住所、生年月日、資格等であり、属性情報は通常文字情報として記録され溶融型感熱転写記録方法が一般的である。フォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。
さらに、偽変造防止の目的では透かし印刷、ホログラム、細紋等が採用されてもよい。偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択され、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、金属蒸着層、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、隣片顔料層などからなる。
<昇華画像形成方法>
昇華型感熱転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された昇華性色素含有インク層とで構成することができる。
−支持体−
支持体としては、寸法安定性がよく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐える限り特に制限がなく、従来から公知のものを使用することができる。
−昇華性色素含有インク層−
昇華性色素含有インク層は、基本的に昇華性色素とバインダーとを含有する。 昇華性色素としてはシアン色素、マゼンダ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
シアン色素としては、特開昭59−78896号公報、同59−227948号公報、同60−24966号公報、同60−53563号公報、同60−130735号公報、同60−131292号公報、同60−239289号公報、同61−19396号公報、同61−22993号公報、同61−31292号公報、同61−31467号公報、同61−35994号公報、同61−49893号公報、同61−148269号公報、同62−191191号公報、同63−91288号公報、同63−91287号公報、同63−290793号公報などに記載されているナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
マゼンダ色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−30392号公報、同60−30394号公報、同60−253595号公報、同61−262190号公報、同63−5992号公報、同63−205288号公報、同64−159号、同64−63194号公報等の各公報に記載されているアントラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
イエロー色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−27594号公報、同60−31560号公報、同60−53565号公報、同61−12394号公報、同63−122594号公報等の各公報に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素およびアントライソチアゾール系色素が挙げられる。
また、昇華性色素として特に好ましいのは、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン色素およびフェノールまたはナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られるインドアニリン色素である。
また、受像層中に金属イオン含有化合物が配合されているときには、この金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素を、昇華性色素含有インク層中に含めておくのが良い。このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、同特願平2−213303号、同2−214719号、同2−203742号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式で表わすことができる。
X1−N=N−X2−G
ただし、式中X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である。X2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表わす。Gはキレート化基を表わす。
いずれの昇華性色素に関しても昇華性色素含有インク層に含有される昇華性色素は、形成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良く、形成しようとする画像の色調によっては、三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んでいても良い。昇華性色素の使用量は、通常、支持体1m2当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。
インク層のバインダーとしては特に制限がなく従来から公知のものを使用することができる。さらに前記インク層には、従来から公知の各種添加剤を適宜に添加することができる。
昇華型感熱転写記録用インクシートは、インク層を形成する前記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解してなるインク層形成用塗工液を調製し、これを支持体の表面に塗工し、乾燥することにより製造することができる。かくして形成されたインク層の膜厚は、通常、0.2〜10μmであり、好ましくは、0.3〜3μmである。
[実施例]
以下、この発明の実施例を説明する。
実施例1
硬化後の弾性率が3800Mpaの1液硬化型エポキシ接着剤Aと硬化後の弾性率が49Mpaの1液硬化型エポキシ接着剤Bを用いて、図17のパターンでICモジュールを作成し、0.8mm厚の図1に示す構成のICカードを作成して点圧強度の測定及び曲げ試験を実施した。この結果を表1に示す。
表1
Figure 0004441805
この表1より実施例1は点圧強度及び繰り返し曲げ試験とも良好であったが、比較例1は点圧強度が不足し、比較例2は繰り返し曲げ試験では剥離が発生した。
実施例2
ポッティング装置にて、粘度が650Pa・Sの1液硬化型エポキシ接着剤Cと粘度が9Pa・Sの2液硬化型エポキシ接着剤Dを用いて、図18のパターンでICモジュールを作成し、0.8mm厚の図1構成のICカードを作成して点圧強度の測定を実施した。また、使用したICモジュールからICチップを剥がして、気泡の有無、接着剤のはみ出し度合いを観察した。この結果を表2に示す。
表2
Figure 0004441805
この表2より実施例2は点圧強度があり、気泡の発生、接着剤はみ出しがなかったが、比較例3は点圧強度があり、気泡の発生はなかったが、接着剤はみ出しがあった。また、比較例4は接着剤はみ出しがなかったが、点圧強度がなく、気泡の発生があった。
このICカード、ICモジュール及び非接触ICカード用インレットは、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する非接触式の電子カード、あるいはシートに好ましく適用できる。

ICカードの断面図である。 非接触ICカード用インレットの断面図である。 ICカードの曲げ応力や衝撃力に対応する説明図である。 非接触ICカード用インレットの平面図である。 非接触ICカード用インレットの断面図である。 ICカードの断面図である。 ICチップと補強板を貼り合わせる図である。 接着剤のドットパターン状の一例を示す図である。 接着剤のドットパターン状の一例を示す図である。 接着剤のドットパターン状の一例を示す図である。 接着剤のブロックパターン状の一例を示す図である。 接着剤のブロックパターン状の一例を示す図である。 ICカードの断面図である。 ICモジュール及び非接触ICカード用インレットの実施の形態を示す図である。 ICモジュール及び非接触ICカード用インレットの実施の形態を示す図である。 ICモジュール及び非接触ICカード用インレットの実施の形態を示す図である。 実施例1を比較例1及び比較例2と比較して示す図である。 実施例2を比較例3及び比較例4と比較して示す図である。
符号の説明
1 第1シート部材
2 第2シート部材
3 ICチップ
4 補強板
5 アンテナ
6 ICモジュール
7a,7b シート間接着剤
8b PETシート
9 バンプ
9c 導電性接着剤
10 非接触ICカード用インレット
20 接着剤
20a 弾性率の高い接着剤
20b 弾性率の低い接着剤

Claims (9)

  1. 内部に、少なくともICチップを内蔵し、このICチップに接着剤を介して補強板が設けられるICカードにおいて、
    弾性率の高い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に設けられ、弾性率が低い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に設けれ、
    前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
    前記2種以上の接着剤は、前記中央部に弾性率の高い接着剤が、前記周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICカード。
  2. 少なくともICチップを有し、このICチップに接着剤を介して補強板が設けられるICモジュールにおいて、
    弾性率の高い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に設けられ、弾性率が低い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に設けれ、
    前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
    前記2種以上の接着剤は、前記中央部に弾性率の高い接着剤が、前記周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICモジュール。
  3. アンテナが接続されたICチップに接着剤を介して補強板が設けられた非接触ICカード用インレットにおいて、
    弾性率の高い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に設けられ、弾性率が低い接着剤が前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に設けれ、
    前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
    前記2種以上の接着剤は、前記中央部に弾性率の高い接着剤が、前記周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする非接触ICカード用インレット。
  4. 内部に、少なくとも接着剤を介して複数の補強板で補強されているICチップを内蔵するICカードにおいて、
    前記補強板の前記ICチップ側と反対面に、それぞれ前記接着剤が設けられ、
    前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
    前記2種以上の接着剤は、前記補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICカード。
  5. 前記ICチップと前記補強板を接合する接着剤は、前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする請求項に記載のICカード。
  6. 少なくともICチップを有し、このICチップに接着剤を介して複数の補強板が設けられているICモジュールにおいて、
    前記補強板の前記ICチップ側と反対面に、それぞれ前記接着剤が設けられ、
    前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
    前記2種以上の接着剤は、前記補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とするICモジュール。
  7. 前記ICチップと前記補強板を接合する前記接着剤は、前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に 前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする請求項に記載のICモジュール。
  8. アンテナが接続されたICチップに接着剤を介して複数の補強板が設けられた非接触ICカード用インレットにおいて、
    前記補強板の前記ICチップ側と反対面に、それぞれ前記接着剤が設けられ、
    前記接着剤が弾性率の異なる2種以上の接着剤から構成され、
    前記2種以上の接着剤は、前記補強板の中央部に弾性率の高い接着剤が、前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする非接触ICカード用インレット。
  9. 前記ICチップと前記補強板を接合する前記接着剤は、前記ICチップもしくは前記補強板の中央部に、弾性率の高い接着剤が、前記ICチップもしくは前記補強板の周縁部に前記中央部の接着剤より弾性率が低い接着剤が多いように配置されていることを特徴とする請求項に記載の非接触ICカード用インレット。
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