JP2005313502A - Icカード及びその作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観が良く、密着性、カード印字性、表面保護層の転写性が向上する。
【解決手段】アンテナ41、ICチップ42を少なくとも有するICモジュール40が支持体30に保持されてなる枚葉形状であり、ICモジュール40を対向する2つのシート部材50,51の間に挟み込み接着剤52により一体化するICカードにおいて、ICモジュール40の支持体30は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが−30〜+30μmとなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、身分証明書カード、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する接触式又は非接触式の電子または磁気等のICカード及びその作成方法に関する。
身分証明書カード(IDカード)やクレジットカードなどには、従来磁気記録方式によりデータを記録する磁気カードが広く利用されてきた。しかしながら、磁気カードはデータの書き換えが比較的容易にできるため、データの改ざん防止が十分でないこと、磁気のため外的な影響を受けやすく、データの保護が十分でないこと、さらに記録できる容量が少ないなどの問題点があった。そこで、近年ICチップを内蔵したICカードが普及し始めている。
このICカードは、表面に設けられた電気接点やカード内部のループアンテナを介して外部の機器とデータの読み書きをする。ICカードは磁気カードに比べて記憶容量が大きく、セキュリティ性も大きく向上している。特に、カード内部にICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナを内蔵し、カード外部に電気接点を持たない非接触式ICカードは、電気接点をカード表面にもつ接触式ICカードに比べてセキュリティ性が優れ、IDカードのようにデータの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用されつつある。
これまでICカードとしては、カード表面に所持者の氏名や住所等の記載事項を印刷したり、所持者の顔写真を形成したりすることが多く、特に最近は感熱転写によりデジタル画像を形成することが可能であり、画像の加工性と保管性が大きく向上している。とりわけ昇華感熱転写は比較的簡便に画像を形成できるため、カードに後から顔画像を形成する要望が強くなっている。
例えば、ICモジュールが接着剤層を介して外装フィルムで挟み込まれてなるICカードの場合、外装フィルムに接着剤層を介して積層すると、接着剤が流動性のある時にはモジュールの形状に沿って形成されるため、硬化後のカード表面に凹凸を与えていた。これらの凹凸は画像に大きな影響を与え、特に感熱転写等による直接画像を形成する際には大きな、画像欠陥や白ヌケの発生の原因となり、表面性の良好なカードを形成することが困難であった。
このような問題点に対処するために、特開平11−139048には、ICモジュールを内蔵したICカードにおいて、ICカード表面に局所的な凹部又は凸部を有する場合、局所的な凹部又は凸部の最大部からカード短辺方向に平行に上下それぞれ10mmの距離の2点を結ぶカード平面を基準線とし、局所的な凹部又は凸部の最大部と基準線との距離が20μm以下であるものが提案されている。
また、特開2002−163619には、ICモジュールが接着剤層を介して一対の外装フィルムで挟み込まれてなるICカードであって、表面形状について、最大山高さと最大谷深さとの和が50μm以下であるか、又は連続する山谷が1つ以下である技術が提案されている。
特開平11−139048号公報(第1〜15頁、図1〜図10) 特開2002−163619号公報(第1〜8頁、図1〜図8)
しかし、ICカードの製造時、ICモジュールの支持体端部にバリ及び切断不良があるため、2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化する際に、接着剤の流動性が悪く空隙ができカード内凹凸が発生し、カード外観が劣化してしまう等の問題であった。
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、外観が良く、密着性、カード印字性、表面保護層の転写性が向上するICカード及びその作成方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、前記ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化するICカードにおいて、
前記ICモジュールの支持体は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが−30〜+30μmとなることを特徴とするICカードである。
請求項2に記載の発明は、アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化するICカードにおいて、
前記ICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面側または裏面側の平面部に対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有することを特徴とするICカードである。
請求項3に記載の発明は、前記枚葉形状の支持体大きさがカードサイズより小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカードである。
請求項4に記載の発明は、挟み込みする際の前記接着剤の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項5に記載の発明は、前記接着剤が反応型接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項6に記載の発明は、前記接着剤がエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項7に記載の発明は、少なくとも片面に受像層を有し、熱転写方式またはインクジェット方式による氏名、顔画像を含む個人識別情報を設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項8に記載の発明は、氏名、顔画像を含む個人識別情報を設けた上面に透明保護層が設けられ、
前記透明保護層が活性光線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項9に記載の発明は、アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、
前記ICモジュールの支持体は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが−30〜+30μmであり、
前記ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化することを特徴とするICカード作成方法である。
請求項10に記載の発明は、アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、
前記ICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面側または裏面側の平面部に対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有し、
前記ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化することを特徴とするICカード作成方法である。
請求項11に記載の発明は、挟み込みする際の前記接着剤の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いたことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のICカード作成方法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明によれば、ICモジュールの支持体は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが−30〜+30μmであり、この端部高さが規定以外では、急激に接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となるが、端部高さの規定によって急激に接着剤の流動性が劣化することがなく、接着剤の流動性が向上し、カード外観が向上する。
請求項2に記載の発明によれば、ICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面側または裏面側の平面部に対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有し、端部角度が規定以外では、接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となるが、端部角度(θ)の規定によって切欠部が特に接着剤流動性を良くし、外観性が向上する。
請求項3に記載の発明によれば、枚葉形状の支持体大きさがカードサイズより小さくなっており、チップ位置精度、材料を安価にするためにICモジュールのサイズはカードサイズより小さいことが好ましい。カードサイズを小さくすると、接着剤流動性劣化のためにカード表面に枚葉形状の支持体の形状がそのままカードの外観となって現れ外観不良となり問題であったが、枚葉形状の支持体大きさがカードサイズより小さい特定の形状を有することで外観不良が改善される。 請求項4に記載の発明によれば、挟み込みする際の接着剤の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いており、枚葉形状の支持体の形状を特定の形態にするとともに接着剤の流動性を良くするために接着剤自身の粘度特定することにより、より支持体の端部へ流動し外観不良を改善することができる。接着剤粘度が100000mPa・s以上であると流動性が劣化し外観不良が発生問題となり、1000mPa・s以下であると接着剤が流動しすぎて、目標のカード厚さが得られず問題となる。
請求項5に記載の発明によれば、接着剤が反応型接着剤であり、接着剤は、反応型接着剤であることが好ましく、反応型接着剤でないと有機溶剤等の薬品で溶解してしまったり、ICカードを加熱すると接着剤が溶解してしまいカード使用時に問題となったり、容易に偽造防止ができてしまい問題となる。
請求項6に記載の発明によれば、接着剤がエポキシ樹脂からなり、特に、反応時にガスが発生しない接着剤が好ましく、エポキシ樹脂からなる反応型接着剤が好ましい。
請求項7に記載の発明によれば、少なくとも片面に受像層を有し、熱転写方式またはインクジェット方式による氏名、顔画像を含む個人識別情報を設けるが、支持体の端部が画像形成表面の下部に掛かってしまうと画像欠陥や白抜けが発生し十分ではない。熱転写方式またはインクジェット方式による画像記録において、画像欠陥の発生しない、優れたICカード提供およびその方法を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、氏名、顔画像を含む個人識別情報を設けた上面に透明保護層が設けられ、透明保護層が活性光線硬化樹脂からなり、支持体の端部の影響によりカード外観不良の影響のため、表面保護層形成時に転写をすることができず問題であったが、転写が可能で十分なカード耐久性を持ち、優れたICカードを提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、ICモジュールの支持体は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが規定以外では、急激に接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となるが、端部高さの規定によって急激に接着剤の流動性が劣化することがなく、接着剤の流動性が向上し、カード外観が向上する。
請求項10に記載の発明によれば、ICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面側または裏面側の平面部に対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有し、端部角度が規定以外では、接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となるが、端部角度(θ)の規定によって切欠部が特に接着剤流動性を良くし、外観性が向上する。
請求項11に記載の発明によれば、挟み込みする際の接着剤の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いることで、より支持体の端部へ流動し外観不良を改善することができる。接着剤粘度が100000mPa・s以上であると流動性が劣化し外観不良が発生問題となり、1000mPa・s以下であると接着剤が流動しすぎて、目標のカード厚さが得られず問題となる。
以下、この発明のICカード及びその作成方法の実施の形態について説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明の用語はこれに限定されない。
まず、この発明のICカードは、ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化する。このICモジュールは支持体に保持されてなる枚葉形状であり、支持体は図1及び図2に示すように構成される。
次に、この発明のICモジュールの支持体を図1及び図2に基づいて説明する。図1に示すICモジュール40の支持体30は、裏面側の平面部30aが非アンテナ形成面であり、表面側の平面部30bがICチップ及びアンテナ搭載面である。この裏面側の平面部30aを基準として端部高さH1が−30〜+30μmとなるが、表面側の平面部30bを基準として端部高さH1が−30〜+30μmとなるものでもよい。この支持体30の端部高さH1が規定以外では、急激に接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となるが、端部高さH1の規定によって急激に接着剤の流動性が劣化することがなく、接着剤の流動性が向上し、カード外観が向上する。
図2に示すICモジュール40の支持体30は、対向する2辺又は4辺の端部が隣接する表面側の平面部30bに対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部30cを有するが、裏面側の平面部30aに対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部30cを有するものでもよい。端部角度(θ)が規定以外では、接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となるが、端部角度(θ)の規定によって切欠部が特に接着剤流動性を良くし、外観性が向上する。
図3はICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状を示す。図3(a)はICモジュールの平面図、図3(b)はICモジュールの平面測定を行なう平面図である。ICモジュール40は、アンテナ41、ICチップ42を少なくとも有し、ICチップ42には補強板43が設けられ、ICモジュール40が支持体30に保持されてなる枚葉形状である。この実施の形態では、支持体30が樹脂フィルムにより形成され、支持体30の裏面側の平面部30aには、アンテナ41が形成されている。このアンテナ41には、電気的にICチップ42が接続されている。ICモジュール40は、図3(b)に示すように走査して平面測定が行なわれる。
次に、ICモジュール40を備えるICカードを図4に基づいて説明する。 この実施の形態のICカードは、図4(a),(b)に示すように、ICモジュール40を対向する第1シート部材50と第2シート部材51の間に挟み込み接着剤52により一体化する構成である。挟み込みする際の接着剤52の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いており、枚葉形状の支持体30の形状を特定の形態にするとともに接着剤の流動性を良くするために接着剤自身の粘度特定することにより、より支持体30の端部へ流動し外観不良を改善することができる。接着剤粘度が100000mPa・s以上であると流動性が劣化し外観不良が発生問題となり、1000mPa・s以下であると接着剤52が流動しすぎて、目標のカード厚さが得られず問題となる。
また、接着剤52は、反応型接着剤であることが好ましく、反応型接着剤でないと有機溶剤等の薬品で溶解してしまったり、ICカードを加熱すると接着剤が溶解してしまいカード使用時に問題となったり、容易に偽造防止ができてしまい問題となる。この実施の形態では、接着剤52がエポキシ樹脂からなり、特に、反応時にガスが発生しない接着剤が好ましく、エポキシ樹脂からなる反応型接着剤が好ましい。
また、ICカードは、図4(b)に示すように、第1シート部材50の片面に受像層を有し、昇華熱転写または溶融熱転写等の熱転写方式またはインクジェット方式による氏名等の文字情報C1、顔画像等の画像情報C2を含む個人識別情報C3を設けている。このように、熱転写方式またはインクジェット方式による氏名、顔画像を含む個人識別情報C3を設ける画像記録において、画像欠陥が発生しない。
また、氏名、顔画像を含む個人識別情報C3を設けた上面に透明保護層54が設けられ、透明保護層54が活性光線硬化樹脂からなり、支持体30の端部の影響によりカード外観不良の影響のため、表面保護層形成時に転写をすることができず問題であったが、転写が可能で十分なカード耐久性を持ち、優れたICカードを得ることができる。
ICカードの製造時、図4(a)に示すように、ICモジュール40の支持体端部にバリ及び切断不良40aがあるため、第1シート部材50と第2シート部材51の間に挟み込み接着剤52により一体化する際に、接着剤52の流動性が悪く空隙ができカード内凹凸60が発生してしまい、カード外観が劣化してしまう等の問題であった。このカード内凹凸60は、ICモジュール40の支持体30の端部に沿って凹凸を発生させていたが、図1及び図2に示す構成により、凹凸60の発生がなくなり、外観が良く、密着性、カード印字性、表面保護転写性が向上する。
この実施の形態では、図5に示すように、ICモジュール40の枚葉形状の支持体大きさが、カードサイズ61より小さくなっており、チップ位置精度、材料を安価にするためにICモジュール40のサイズはカードサイズ61より小さいことが好ましい。カードサイズ61を小さくすると、接着剤流動性劣化のためにカード表面に枚葉形状の支持体の形状がそのままカードの外観となって現れ外観不良となり問題であったが、ICモジュール40の枚葉形状の支持体大きさがカードサイズ61より小さい特定の形状を有することで外観不良が改善される。
このICモジュール40は、図6に示すように、樹脂フィルムの支持体30に複数個並べて保持され、このICモジュール40の作成後に枚葉形状の支持体大きさがカードサイズ61より小さくなるように裁断する。
以下、この発明の構成部材について詳細に説明する。
[ICモジュール]
ICモジュールとは、ICカードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ及びICチップに接続されたコイル状のアンテナからなる電子部品のことを表す。ICチップはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピュータなどである。場合により電子部品にコンデンサーを含んでいてもよい。ICチップは、一般のIC(集積回路)の形態を具備している。すなわち、シリコンウェハ上に半導体を必要な形状にリソグラフィーやドーピングなどの手法で形成し、電子回路を形成する。このあと、必要な厚みに研摩し、ダイシング工程を経てICチップ形状にする。
ICチップの厚さは10μm〜190μmであることが好ましい。190μm以上であると曲げの応力に対してチップの回路が破壊しやすく、10μm以下であると局部応力により割れやすくなる。ICカードとして使用されるICチップは、接続端子を有しているが、これは、IC上の接続部分にバンプと称される接続端子をメッキなどの方法により設けることができる。この発明はこれに限定されず情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。
通常、アンテナは、PETやポリイミドなどの厚み10μm〜800μmの熱可塑性基材に銅材やアルミニウム材などを所定のパターンにエッチングしたもの、50μmφ〜300μmφの径を有する銅線材などを所定の形状に基材に配置する巻線形式により形成したもの、銀粒子を固形分にして50重量%〜90重量%含有した導電性ペーストインキを基材上にスクリーン印刷などの方式で所定形状配置したもの、などが使用される。アンテナの形状は、ループアンテナ形状が多く、そのターン数は、1〜数十ターンであり用途により適宜選択する。非接触ICカードでは、その通信距離に応じて、密着型(カードとリーダーライターを密着して通信する。)、近接型(通信距離は、一般に、数cm〜数十cm)、近傍型(通信距離:数十cm〜数m)、マイクロ波型(通信距離:1m〜数m)として分類されている。通信を行う電磁波の搬送波の周波数も限定されており、たとえば、近接型では、13.56MHzとすることが多い。アンテナの特性は、この電磁周波数に共振するようにターン数や線幅などが設計される。このようなICチップとアンテナを配した基材をインレットと称している。
ICチップをアンテナ端子に接続する方法としては、例えば、ワイヤーボンディング法、フリップチップボンディング法(FCB法)などが常用されている。ICチップの端子(バンプ)とアンテナ端子を金、Ni等で接続する方法が知られており、上記接続部にACF(異方性導電性フィルム)、ACP(異方性導電性ペースト)、NCF(非導電性樹脂フィルム)、NCP(非導電性樹脂ペースト)などで接続させ、その上にICチップを配置し、ICチップの端子とアンテナ端子を加熱加圧することにより接続固定する。この発明ではいずれの方法で接続しても良い。
この発明では、ICチップの回路面に形成されるバンプが、アンテナ形成されているフィルム支持体と対向して電気的に接合される。フィルム支持体の硬さが高い材料、密着性の高い材料が、回路面の保護効果が増して好ましい。
この発明では、ICチップの耐久性向上のためICチップに補強構造物を固定する。この発明の補強構造物は、機械的強度に優れることが好ましい。強度確保のため補強構造物を厚くするとカード厚みが厚くなり、表面印画性などが低下するため補強構造物は高強度の素材が好ましい。金属、セラミック、カーボンファイバー、ガラス繊維、アラミド繊維、高弾性樹脂などが上げられる。これらより選択される。1種または複数からなる複合材料でもよい。特にヤング率100GPa以上の素材が主構造に使用されているのが好ましい。厚みとしては、10〜300μm、好ましくは、20〜200μm、さらに好ましくは、50〜200μmがよい。補強構造物としての補強板の大きさは、チップの面積に対して同等若しくはそれより大きいことが好ましい。生産時の位置精度からチップの面積に対して1.02倍以上の大きさで有ることが本発明ではより好ましい。
補強構造上の形状としては、この発明の要旨に反しない適宜用いることができる。この発明では、補強構造物形状は、1つ以上の補強構造物を有することが好ましいが、個数、位置などの制約はなく、この発明の要旨に反しない適宜用いることができる。
補強板を用いる場合ICチップと補強板を密着させるための密着剤を使用することができる。具体的には、エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、シアノアクリレート系、ニトリルゴム等の合成ゴム系、UV硬化型、ホットメルト、嫌気性、セルロース系密着剤、酢酸ビニール系密着剤等の密着剤、を用いることができる。これらの密着剤単独、または、複数用いることができる。
例えば、特開昭63−63716、特開2000−229927、特開平6−87190、特開平5−295272のような密着剤を使用することができ、密着剤の膜厚は、電子部品と含めた厚さで100〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜450μm、更に好ましくは10μ〜350μmである。
この発明の密着剤には、この発明の趣旨より反しない限り、添加剤を加えることができる。特に密着剤に弾性粒子を含有するのが好ましい。密着剤に添加可能な素材としては、WAX、熱可塑性樹脂、無機微粒子、レベリング剤、ゴム弾性粒子、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、粘着剤、硬化剤、硬化触媒、流展剤、平板上粒子、針状粒子、その他添加剤等を配合することも可能である。
この発明においては、予めICチップを含む部品を所定の位置に載置してから2つの支持体の間に挟み接着剤により一体化するために、樹脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、樹脂の流動や冷却に起因して表面の平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに樹脂層を形成しておいて該樹脂層内に部品を封入するために該電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート等が使用されることが好ましい。 例えば特願平11−105476号等の記載されている方法等を用いることができる。例えば、アンテナフィルム支持体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、PET−G(少なくともエチレングリコール、テレフタル酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールの3成分を重合した変性ポリエステル樹脂)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸 、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリイミド等の合成樹脂シート等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。
この発明の支持体の厚みは10〜100μmが好ましい。10μm以下であると2つの支持体に挟み込み接着剤により一体化する際に熱収縮等を起こし問題である。100μm以上では、クッション効果が低下し、ICチップが破損しやすくなる。ICカードを製造時、ICモジュールの支持体端部にバリ及び切断不良があるため2つの支持体の間に挟み込み接着剤により一体化する際に、接着剤の流動性が悪く空隙ができカード内凹凸が発生しまいカード外観が劣化してしまい問題であったが、この発明ではICモジュールの支持体の例えば裏面側平面部を基準として端部高さを−30〜+30μmとした特定支持体を形成することにより接着剤の流動性が向上しカード外観が向上することが見いだされた。−30μm以下又は+30μmで有ると急激に接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となる。この発明においては、接着剤の流動性を挙げるためには、より好ましくは−25μm以下又は+25μmである。この発明においては、接着剤の流動性を挙げるためには、上記範囲の端部は支持体の1辺以上に有していれば良くより好ましくはICモジュールの支持体全体の接着剤流動性を良化させるために4辺がこの発明の形状を有することが好ましい。
この発明のICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面平面部に対し端部端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有することにより接着剤流動性を良化し外観性が向上するが、−60以上、+60度以上であると接着剤の流動性が劣化し外観不良に影響し問題となる。この発明においては、接着剤の流動性を挙げるためには、より好ましくは−55度以下又は+55度である。この発明においては、接着剤の流動性を挙げるためには、上記範囲の端部は支持体の1辺以上に有していれば良くより好ましくはICモジュールの支持体全体の接着剤流動性を良化させるために4辺が、この発明の形状を有することが好ましい。
上記で挙げる裏面側とは、図3に示すように、アンテナを保持していない支持体側を表し、表面平面部とは、ICチップ及びアンテナが装填された支持体側を表す。裏面平面支持体上のICモジュールの端部A〜Bを「三鷹光器(株)製:非接触3次元測定装置NH−3N」を用いて間隔Lmm、で碁盤目状にICモジュール厚みを測定した。得られた間隔L毎の厚みを差ΔHから、ΔH/Lを全ての測定に対して算出しその平均値を平面部とした。
この発明において、a)裏面側平面部を基準として端部高さを−30〜+30μmとした特定支持体、b)対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面平面部に対し端部角度が−60〜+60度の切欠部を有する支持体を得るためには、例えば、ロータリーシャー、フラングシャー、ダウンカットシャー、アップカットシャー、スリッター、枚葉断裁機など任意の中から選び用いることができる。例えばダウンカットシャーを用いa),b)のような特定形状からなる支持体は、上刃の刃先角20〜90°、下刃の刃先角10〜90°で両刃間のクリアランスを1〜100μm、両刃の交差角1〜60秒、接圧10〜500N/mの条件で作成することができる。他の方法としては、ヘリ部を削り取る方法、ヘリ部を研磨する方法、ヘリ部を圧等により押しつぶす方法、あるいは前記断裁時に同時に切片部を設けるスリッターなどを用いて断裁する方法などを用いることができるが、これに限定されるものでない。
この発明において、チップ位置精度、材料を安価にするためにICモジュールのサイズはカードサイズより小さいことが好ましい。カードサイズを小さくすると、前記記載のように接着剤流動性劣化のためにカード表面に枚葉形状のICモジュール用インレットフィルムの形状がそのままカードの外観となって現れ外観不良となり問題であったが、前記記載のように特定の形状を有することで外観不良が良化した。ICモジュール用支持体形状は、カード形状に対して95%以下の面積で有ることが好ましい。ICモジュール用インレットフィルム及びカードサイズは、2次元測定器Y−67(中村製作所製)を用い測定した。
この発明で用いられたICモジュールの全厚さ(チップ等があるICモジュール最大高さ部を表し)は10〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜450μm、更に好ましくは10〜350μmが好ましい。
[ICカード用接着剤]
接着剤は、ホットメルト接着剤や反応型ホットメルト接着剤、光硬化型接着剤若しくは湿気硬化型接着剤、エポキシ接着剤等の用いることができる。ホットメルト接着剤としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられる。ポリアミド系ホットメルト接着剤としてはHenkel社製のマクロメルトシリーズ等がある。この発明においては、熱可塑性エラストマー系ホットメルト接着剤が好ましく、例えば、シェル化学社製カリフレックスTR及びクレイトンシリーズ、旭化成社製タフプレン、Firestone Synthetic Rubber and Latex社製タフデン、Phillips Petroleum社製ソルプレン400シリーズなどがある。ポリオレフィン系ホットメルト接着剤としては住友化学社製スミチック、チッソ石油化学製ビスタック、三菱油化製ユカタック、Henkel社製マクロメルトシリーズ、三井石油化学社製タフマー、宇部レキセン社製APAO、イーストマンケミカル社製イーストボンド、ハーキュレス社製A−FAX等がある。
この発明では、反応型ホットメルト接着剤として、a)湿気硬化型ホットメルト接着剤、b)光硬化型接着剤、c)エポキシ接着剤を用いることが好ましい。湿気硬化型の材料は特開2000−036026、特開2000−219855、特開平2000−211278、特開2002−175510で開示されている。光硬化型接着剤として特開平10−316959、特開平11−5964等で開示されている。湿気硬化接着剤の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型接着剤としては、例えば住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製Macroplast QR 3460、積水化学工業社製エスダインシリーズ等があげられる。また、湿気硬化型接着剤は素材の安全性から遊離MDI量が1.0%以下の物を使用することが好ましい。
この発明では特にガスが発生しないエポキシ系の接着剤が好ましい。エポキシ樹脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭63−63716に開示されるような、エポキシ樹脂とメルカプタン系硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物や、複素環状ジアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂が用いられてきた。作業環境特性、支持体との接着性、接着安定性を得るために特開平10−120764に開示されているような、ビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤として(C)ポリアミドアミン、(D)芳香族変性アミン、及び(E)脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ樹脂組成物が用いられている。また、特開2000−229927には、エポキシ樹脂とアミンイミド化合物系硬化剤との組み合わせからなる硬化速度が早いエポキシ樹脂が得られている。特開平6−87190、特開平5−295272には特殊変性シリコーンプレポリマーを硬化剤と用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示されている。
この発明で用いることができるエポキシ接着剤とは、例えば、セメダイン株式会社製、セメダインEP−001、株式会社スリーボンド社製、3950シリーズ、3950,3951,3952、コニシ株式会社製ボンドMOSシリーズ、MOS07、MOS10、東邦化成工業株式会社ウルタイト1500シリーズ、ウルタイト1540等を用いることが好ましい。
光硬化型接着剤としては光硬化型の公知の接着剤であれば特に制限はないが、d)エポキシ基を1分子内に2個以上含んだ化合物、e)10〜150℃の温度でカチオンを発生する化合物を少なくとも含む接着剤を用いることが好ましい。カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%以上であるのが好ましい。
カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体は、例えばスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等、
(2)ビニルナフタレン誘導体は、例えば1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等、
(3)ビニルエーテル類は、例えばイソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等、
(4)N−ビニル化合物類は、例えばN−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等である。
上記カチオン重合性化合物のカチオン重合性組成物中の含有量は1〜97重量%が好ましく、より好ましくは30〜95重量%である。活性光線を用いる場合、水銀灯、UVランプ、キセノン等の光源により、100mj〜500mjの露光で硬化し用いることができる。開始剤としてはカチオン系重合開始剤が好ましく、特に10〜150℃の温度でカチオンを発生する化合物が好ましい。
具体的には芳香族オニウム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩として、周期表第Va族元素の塩たとえばホスホニウム塩(例えばヘキサフルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウムなど)、第VIa族元素の塩たとえばスルホニウム塩(例えばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、スルホニウムおよびヘキシサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムなど)、及び第VIIa族元素の塩、例えばヨードニウム塩(例えば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙げることができる。 このような芳香族オニウム塩をエポキシ化合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用することは、米国特許第4,058,401号、同第4,069,055号、同第4,101,513号および同第4,161,478号公報に詳述されている。又特開2000−10271、機能材料(1995年5月号Vol.13,No.5 P.5〜11)記載等の熱酸発生剤を用いることもできる。
具体的には、三新化学工業株式会社製サンエイドSIシリーズのサンエイドSI−60L(熱カチオン発生温度90℃)、SI−80L(熱カチオン発生温度110℃)、SI−100L(熱カチオン発生温度120℃)、みどり化学株式会社製、NDI105(熱カチオン発生温度100℃)、NB−101(熱カチオン発生温度110℃)等を使用でき、接着剤の固形分中に0.1〜30重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%で有る。
この発明においては、枚葉形状の支持体の形状を特定の形態にするとともに接着剤の流動性を良化するために接着剤自身の粘度特定することにより、より支持体の端部へ流動し外観不良を改善することができる。挟み込みする際の接着剤粘度とは接着剤を支持体上に塗布等により設置された温度を表し、そのときの粘度が1000〜100000mPa・sであることが好ましい。より好ましくは、3000〜100000mPa・sである。100000mPa・s以上であると流動性が劣化し外観不良が発生問題となる。1000mPa・s以下であると接着剤が流動しすぎて、目標のカード厚さが得られず問題となる。
支持体に接着剤を設置する塗布等により温度は、10〜150℃であることが好ましい、150℃以上で使用してしまうと支持体が熱収縮してしまい問題となってしまう。また、温度が低く10℃以下であるとICモジュールの端部への流動性が低下し、カード外観劣化すると共にカードへの印字性も劣化する。
また、この発明においては反応型接着剤であることが好ましく、より好ましくは接着剤が熱、光、湿気等で硬化する際に反応ガスを発生しないことが好ましい。反応ガスが発生する接着剤を使用するとICモジュール端部と接着剤との間隙にガスが溜まりやすくカード外観が劣化し問題となる。
反応ガスが発生しガスが溜まりカード表面に凹凸ができた図を図19に示す。この接着剤の膜厚は、電子部品と含めた厚さで30〜700μmが好ましく、より好ましくは50〜600μm、更に好ましくは50μ〜550μmである。
[ICカード作成用支持体]
この発明に用いることができる第1シート部材及び第2シート部材のICカード用支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、または上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。
この発明の支持体の厚みは30〜300μm望ましくは50〜200μmである。50μm以下であると第1の支持体と第2の支持体の貼り合わせ時に熱収縮等を起こし問題である。この発明においては隠蔽性を向上させるために白色の顔料を混入させたり、熱収縮率を低減させるためにアニール処理を行ったりしてもよい。
この発明においては、支持体は150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下が好ましい。第1の支持体と第2の支持体の両方の面側から、接着剤を塗工又は貼り合わせ生産した場合、温度により支持体が熱収縮を起こしてしまい、その後の断裁工程、印刷工程での位置合わせが困難であった。しかし、この発明のようなICカード用接着剤と150℃/30minにおける熱収縮率が縦(MD)で1.2%以下、横(TD)で0.5%以下の支持体を用いることにより支持体の収縮が起きずに従来の問題点を改善することができた。また、必要に応じ、支持体上に後加工上密着性向上のため易接処理を行っていても良く、ICチップ保護のために帯電防止処理を行っていても良い。
具体的には、帝人デュポンフィルム株式会社製のU2シリーズ、U4シリーズ、ULシリーズ、東洋紡績株式会社製クリスパーGシリーズ、東レ株式会社製のE00シリーズ、E20シリーズ、E22シリーズ、X20シリーズ、E40シリーズ、E60シリーズQEシリーズを好適に用いることができる。
また、2つの支持体を貼り合わせる場合、支持体の配向角度をそろえ貼り合わせることが好ましい。配向角度差は45度以内が好ましい。45度以上であるとカードがソリ、カード平面性が劣化し個人識別情報を記載時に印画不良になり問題となってしまう。
支持体は場合により、カード利用者の顔画像を形成するため受像層、クッション層を設けてもよい。場合に応じて更にもう一枚の支持体層上に筆記層を設けることもできる。尚、個人認証カード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられたものが好ましい。
受像層用としては、公知の樹脂を用いることができ、例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂、特許第3127163号、特開平6−286350等で開示されている技術を用いることが可能である。
<クッション層>
この発明のクッション層を形成する材料としては、ポリオレフィンが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン、光硬化型樹脂層の様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。
具体的には、特開2002−222403等のクッション層を使用することができる。この発明でいうクッション層とは、支持体と画像を受容する受像層の間に位置し、ICモジュール等の電子部品による凹凸影響を緩和する役割をはたす軟質の樹脂層を意味する。
このクッション層は、a)受像層と電子部品の間にクッション層を有する形態であれば特に制限はないが、支持体の片面もしくは両面上に塗設あるいは貼合されて、形成される事が特に好ましい。
<筆記層>
支持体は場合により、筆記層は、IDカードの裏面に筆記をすることができるようにした層である。このような筆記層としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微細粉末を熱可塑性樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン類や、各種共重合体等)のフィルムに含有せしめて形成することができる。特開平1−205155号公報に記載の「書き込み層」をもって形成することができる。前記筆記層は支持体における、複数の層が積層されていない方の面に形成される。
<フォーマット印刷層(カード表裏印刷層)>
この発明においては、受像層上又は筆記層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体層を設けることができる。フォーマット印刷からなる情報坦持体とは、識別情報及び書籍情報を記録した複数の選ばれる少なくとも一つが設けられた情報坦持体を表し、具体的には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等を表す。この発明のフォーマット印刷層は目視による偽造防止の為に透かし印刷、ホログラム、細紋等が採用されてもよく、偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、燐片顔料層、IC隠蔽層、透かし印刷層などから表シートに印刷等で設けることも可能である。
フォーマット印刷からなる情報坦持体の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにカーボンなどのインキにより形成される。
この発明においては、フォーマット印刷層に使用することができる印刷層は、バインダー樹脂の代表例としては、例えば活性光線硬化性樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。この発明においては光硬化型樹脂層であることが好ましい。
[第1シート部材と、第2シート部材との間に電子部品とを備える方法]
この発明のICモジュールを対向する2つの支持体間(受像層塗布側支持体を第1シート部材と称す。筆記シート側支持体を第2シート部材と称す)に挟み込み接着剤により一体化する製造方式としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られているが、いずれの方法で貼り合わしてもよい。また、第1シート部材と第2シート部材は、貼り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷又は、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。
この発明のIC搭載カード基材の製造方法は、特開2000−036026、特開2000−219855、特開2000−211278、特開平10−316959、特開平11−5964等に貼り合わせ、塗設方法が開示されている。いずれの貼り合わせ方式、塗設方式方法等を用いることができ、この発明には特に制限はない。
ここで、この発明のICカード用接着剤を使用したこの発明のICカードの作製方法の一例を挙げる。ICカードの作製に当たっては、先ず表裏のシートにアプリケーターで、この発明のICカード用接着剤を所定の厚さに塗工する。塗工方法としてはローラー方式、Tダイ方式、ダイス方式などの通常の方法が使用される。この発明でストライプ状に塗工する場合、Tダイスリットを間欠に開口部を持たせる等の方法があるが、これに限られるものではない。装着する前に塗工した接着剤を予めヒータ等で加熱させておいてもよい。その後上下シート部材間にIC部材を装着したものを接着剤の貼り合わせ温度に加熱したプレスで所定時間プレスするか、又はプレスでの圧延の替わりに所定温度の恒温層中でシートを搬送しながらロールで圧延してもよい。又、貼り合わせ時に気泡が入るのを防止するために真空プレスしてもよい。
基材の表面平滑性、第1シート部材と第2シート部材との間に所定の電子部品の密着性をあげるために加熱及び加圧を行うことが好ましく、上下プレス方式、ラミネート方式、キャタピラ方式等で製造することが好ましい。
貼り合わせは、更にはIC部品の割れを考慮して、線接触に近く、僅かなズレでも無理な曲げ力が加わるローラを避けて平面プレス型とするのが好ましい。加熱は、10〜120℃が好ましく、より好ましくは30〜100である。加圧は、0.05〜300kgf/cm2が好ましく、より好ましくは0.05〜100kgf/cm2である。これより圧が高いICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ましくは、0.1〜180secより好ましくは0.1〜120secである。これより時間が長いと製造効率が低下する。
又、所定の加圧加温条件の下で基板用の部材、電子部品保持体及び表面用の部材とが貼り合わされるので、電子部品保持体自身を接着剤にして基板用の部材と、その電子部品保持体と、表面用の基板とを再現性良く貼り合わせることができる。
固形物又は粘調体の加熱状態で軟化する接着部材とは、接着剤自身をシート状に形成し具備する方法と接着剤自身を加熱又は常温で溶融し射出成型によって張り合わせることが好ましい。必要に応じて接着時剤を真空化、窒素下、アルガンガス下で使用するなど製造安定性を向上させてもよい。
前記接着剤貼合法や樹脂射出法で連続シートとして形成され、貼り合わせた枚葉シート又は連続塗工ラミロールは、接着剤の所定硬化時間に合わした時間内放置後或いは、接着剤に反応型接着剤を用いた場合は所定時間硬化反応させた後、認証識別画像や書誌事項を記録をしても良く、その後所定のカードサイズに成形しても良い。反応型接着剤を用いた場合、硬化促進のために貼り合わせたシートのカードサイズの周囲に反応に必要な水分供給のための穴を開ける方法が有効である。
所定のカードサイズに形成する方法としては打ち抜く方法、断裁する方法等が主に選択されICカード基材を作成することができる。作成されるカード厚さは、300〜1000μmであり更に好ましくは300〜900μmである。従来技術では、カード厚さが900μm以上であるとカードに熱転写又は表面保護層を設ける場合にカード厚さが厚いためへ十分に熱が伝達できない等の問題があり、印字性劣化、転写性劣化、高速プリント対応不可なので問題であったが、この発明では、1000μmのカード厚さ材料を用いても印字性、転写性、高速プリント対応が可能となった。
<画像形成方法>
この発明のICカードフォーマット印刷の他に画像要素が設けることができ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像から選ばれる少なくとも一つが設けられた基体上の該画像又は印刷面側に形成したものである。
顔画像は通常の場合、階調を有するフルカラー画像で、例えば昇華型感熱転写記録方式、インクジェット方式等により作製される。また、文字情報画像は二値画像よりなり、例えば溶融型感熱転写記録方式、昇華型感熱転写記録方式、インクジェット方式等により作製されている。この発明においては、昇華型感熱転写記録方式により顔画像等の認証識別画像、属性情報画像を記録することが好ましい。
属性情報は氏名、住所、生年月日、資格等であり、属性情報は通常文字情報として記録され溶融型感熱転写記録方法が一般的である。インクジェット方式、昇華転写方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。この発明では好ましくは昇華転写方式、熱溶融方式を用いることができる。
[昇華画像形成方法]
昇華型感熱転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された昇華性色素含有インク層とで構成することができる。
−支持体−
支持体としては、寸法安定性がよく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐える限り特に制限がなく、従来から公知のものを使用することができる。
−昇華性色素含有インク層−
上記昇華性色素含有インク層は、基本的に昇華性色素とバインダーとを含有する。前記昇華性色素としてはシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
前記シアン色素としては、特開昭59−78896号公報、同59−227948号公報、同60−24966号公報、同60−53563号公報、同60−130735号公報、同60−131292号公報、同60−239289号公報、同61−19396号公報、同61−22993号公報、同61−31292号公報、同61−31467号公報、同61−35994号公報、同61−49893号公報、同61−148269号公報、同62−191191号公報、同63−91288号公報、同63−91287号公報、同63−290793号公報などに記載されているナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
前記マゼンタ色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−30392号公報、同60−30394号公報、同60−253595号公報、同61−262190号公報、同63−5992号公報、同63−205288号公報、同64−159号、同64−63194号公報等の各公報に記載されているアントラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
イエロー色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−27594号公報、同60−31560号公報、同60−53565号公報、同61−12394号公報、同63−122594号公報等の各公報に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素およびアントライソチアゾール系色素が挙げられる。
また、昇華性色素として特に好ましいのは、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン色素およびフェノールまたはナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体のとのカップリング反応により得られるインドアニリン色素である。
また、受像層中に金属イオン含有化合物が配合されているときには、この金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素を、昇華性色素含有インク層中に含めておくのが良い。このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、同特開平4−094974号、同24−097894号、同4−089292号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式で表わすことができ る。
X1−N=N−X2−G
ただし、式中X1は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である。X2は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表わす。Gはキレート化基を表わす。
いずれの昇華性色素に関しても前記昇華性色素含有インク層に含有される昇華性色素は、形成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良く、形成しようとする画像の色調によっては、前記三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んでいても良い。前記昇華性色素の使用量は、通常、支持体1m2当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。また、インクシート用支持体には、バインダーとの接着性の改良や色素のインクシート用支持体側への転写、染着を防止する目的で下引層を有していてもよい。更にインクシート用支持体の裏面(インク層と反対側)には、ヘッドのインクシート用支持体に対する融着やスティッキング、熱昇華型感熱転写インクシートのシワが発生するのを防止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上記のオーバーコート層、下引層及びスティッキング防止層厚みは、通常0.1〜1μmである。
[熱溶融画像形成方法]
<熱溶融性インク層>
熱溶融転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された熱溶融含有インク層とで構成することができる。熱溶融性インク層は、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂および着色剤等から構成される。また、昇華型感熱転写記録用インクシート同様、熱溶融型感熱転写インクシートのシワが発生するのを防止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上記のオーバーコート層、下引層及びスティッキング防止層の厚みは、通常0.1〜1μmである。
前記熱溶融性化合物としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものを任意に使用することができ、具体的には、たとえば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂の低分子量物、特開昭63−193886号公報の第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行までに例示の物質を挙げることができ、さらにこれらの他に、ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジン変性グリセリン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性フェノ−ル樹脂およびエステルガム等のロジン誘導体、ならびにフェノ−ル樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペンタジエン樹脂および芳香族炭化水素樹脂などを挙げることができる。なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量が通常、10,000以下、特に、5,000以下で、融点もしくは軟化点が50〜150℃の範囲にあるものが好ましい。前記熱溶融性化合物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記熱可塑性樹脂としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものなど各種のものが使用可能であり、例えば、特開昭63−193886号公報の第4頁右上欄第5頁左上欄第18行に例示の物質を挙げることができる。前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記着色剤としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものを制限なく使用することができ、例えば、特開昭63−193886号公報第5頁右上欄第3行から第15行に記載の無機顔料、有機顔料等の顔料、ならびに有機染料等の染料を挙げることができる。
これら各種の着色剤は、一種単独で使用してもよいし、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。前記熱溶融性インク層には、必要に応じて、この発明の目的を阻害しない範囲で、上記以外の他の添加成分を適宜添加することができる。例えば、この熱溶融性インク層には、フッ素系界面活性剤を含有させても良い。フッ素系界面活性剤の含有により、前記熱溶融性インク層のブロッキング現象を防止することができる。また、転写した文字情報含有画像の先鋭性すなわち、文字境界部の切れを良くするために有機微粒子、無機微粒子、非相溶性樹脂を添加するのも効果的である。前記熱溶融性インク層の膜厚は、通常、0.6〜5.0μmであり、特に1.0〜4.0μmであるのが好ましい。この熱溶融性インク層は、形成成分を有機溶媒に分散あるいは溶解して塗布する方法(有機溶剤法)、加熱により熱可塑性樹脂などを軟化あるいは溶融状態にして塗布する方法(ホットメルト塗布法)などを採用して塗設されていても良いが、形成成分を水や有機溶媒に分散もしくは溶解させたエマルジョン、もしくは溶液などを用いて塗工されてなるのが好ましい。前記熱溶融性インク層の塗設に用いる塗工液中の層形成成分の合計の含有率は、通常は、5〜50重量%の範囲内に設定される。塗布方法は、通常の方法を利用して行なうことができる。塗布方法の例としては、ワイヤーバーを用いた方法、スクイズコート法およびグラビアコート法などを挙げることができる。また、熱溶融性インク層は、少なくとも一層で設けられていることが必要であるが、たとえば着色剤の種類および含有率、あるいは熱可塑性樹脂と熱溶融性化合物との配合比率などの異なる二層以上の熱溶融性インク層を積層して構成してもよい。
<階調情報含有画像の形成>
階調情報含有画像を形成するには、昇華型感熱転写記録用インクシートの熱拡散性色素含有インク層と基材における受像層とを重ねあわせ、熱拡散性色素含有インク層と受像層とにイメージワイズに熱エネルギーを与える。すると、熱拡散性色素含有インク層中の熱拡散性色素は、この画像形成時に加えられた熱エネルギーに応じた量だけ気化あるいは昇華し、受像層側に移行し、受容される結果、受像層に階調情報含有画像が形成される。
熱エネルギーを与える熱源としては、サーマルヘッドが一般的であるが、このほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のものを使用することができる。熱エネルギーを与える熱源としてサーマルヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに印加する電圧あるいはパルス幅を変調することにより、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることができる。熱エネルギーを与える熱源としてレーザー光を用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化させることにより与える熱エネルギーを変化させることができる。
この場合、レーザー光を吸収し易くするため、レーザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場合、カーボンブラックや近赤外線吸収物質など)をインク層中、もしくはインク層近傍に存在せしめるとよい。なお、レーザー光を用いるときは昇華型感熱転写記録用インクシートと基材における受像層とを充分に密着させて行うとよい。
音響光学素子を内蔵したドットジェネレーターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与えることもできる。熱エネルギーを与える熱源として赤外線フラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用いる場合と同様に、加熱を黒色などの着色層を介して行うとよい。あるいは黒色などの、画像の濃淡を連続的に表現したパターンあるいは網点パターンを介して加熱を行なってもよいし、また一面の黒色などの着色層と前記のパターンのネガに相当するネガパターンを組み合わせて加熱を行なってもよい。
熱エネルギーの与え方としては昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なっても、感熱転写記録用受像シート側から行なっても、あるいは両側から行なってもよいが、熱エネルギーの有効利用を優先させるなら、昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なうのが望ましい。以上の熱転写記録により、感熱転写記録用受像シートの受像層に一色の画像を記録することができるが、下記の方法によると、各色の掛け合せからなるカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。例えば、イエロー、マゼンタ、シアンおよび必要に応じて黒色の感熱転写記録用感熱シートを順次取り換えて、各色に応じた熱転写を行なうと、各色のかけあわせからなるカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。
それから、次の方法も有効である。すなわち、上記のように各色の昇華型感熱転写記録用インクシートを用いるかわりに、予め各色に塗り分けて形成した区域を有する昇華型感熱転写記録用インクシートを用いるのである。そして、まずイエローの区域を用いてイエローの分色画像を熱転写し、次にマゼンタの区域を用いてマゼンタの分色画像を熱転写し、以下、順次に繰り返すことによりイエロー、マゼンタ、シアン、及び必要により黒色の分色画像と順に熱転写する方法を採る。
さらに、上記方法で画像を形成した後に、画像保存性の向上の目的で、上記記載の方法で加熱処理を施してもよい。例えば、画像形成面全面にわたって、サーマルヘッドで昇華型感熱転写記録用インクシートの熱拡散性色素含有インク層を設けていない部分を用いて、加熱処理したり、あるいは新たにヒートロール等の加熱処理を行ってもよい。また、近赤外線吸収剤を含有している場合には、赤外線フラッシュランプを用いて画像形成面を露光させてもよい。いずれの場合も、加熱手段は問わないが、受像層内部に色素をさらに拡散させるのが目的であるので、加熱方向は受像層の支持体側から加熱するのが効果的で、この発明ではサーマルヘッドを用いることが好ましい。
この発明では、感熱転写記録用受像シ−トの受像層と熱溶融型感熱転写記録用シ−トとを重ね合わあせ、画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm2〜0.01kg/cm2の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.01kg/cm2、更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.02kg/cm2である。
<文字情報含有画像の形成>
前記熱溶融型感熱転写記録用インクシートを用いる熱溶融型転写方法は、通常の感熱転写記録方法と異なるものではないが、熱源として最も典型的な熱ヘッドを使用する場合を例にして説明する。まず、熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層と基材の受像層面とを密着させ、必要に応じてさらに熱溶融性インク層にサーマルヘッドによって熱パルスを与え、所望の印字ないし転写パターンに対応する熱溶融性インク層を局部的に加熱する。
熱溶融性インク層の被加熱部は、その温度が上昇し、速やかに軟化して基材の受像面に転写される。なお、この文字、図形、記号あるいは罫線等の階調性を必要としない非階調情報含有画像の形成は、前記した階調情報含有画像の形成に先立って行われても良く、また、階調情報含有画像が形成されてからこの非階調情報含有画像の形成が行われてもよい。また、この文字情報含有画像は、前記昇華型感熱転写記録用インクシートを使用することによっても形成することができる。
この発明では、感熱転写記録用受像シ−トの受像層と熱溶融型感熱転写記録用シ−トとを重ね合わせ、文字情報画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm2〜0.01kg/cm2の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.01kg/cm2、更に好ましくは0.25kg/cm2〜0.02kg/cm2である。
インクジェット方式を採用する場合、例えば、バブルジェット(登録商標)方式で400dpi程度の解像度で足りるし、顔画像については剪断モード方式で多階調とすることができる。特開平9−71743のように、アルキル基の炭素数18〜36の脂肪酸エステルと、ダイマー酸ベースのポリアミドを併用する方法や、特開2000−44857のように、光硬化性組成物中にバインダーを分散させるインク又は、特開平9−71743、特開2000−297237、特開2000−85236、特開平5−1254等に記載されているインキを用い製造することが出来る。また、後加工としてインクジェットで文字情報、顔画像等を書き込んだ後に後加熱、後露光等などを行っても良く、特にインキ種類、画像形成方法に制限はない。
<表面保護層>
この発明のカード表面に設けることができる表面保護層は、一般的な熱可塑性樹脂、例えば活性光線硬化性樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート等を用いることができるが、この発明においては活性光線硬化性樹脂が好ましい。具体的には、光硬化型画像記録体保護層材料は、付加合性又は開環重合性を有する素材からなるものであり、付加重合成化合物とは、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号等の各号公報に記載されている光重合成(熱重合性も含む)組成物を用いた光硬化型材料であってもよい。付加重合成化合物とは、カチオン重合系の光硬化型材料が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化材料も例えば、特開平6−43633号公報等に公開されている。ハイブリッド型重合系の光硬化材料としては特開平4−181944号等で組成物が開示されている。具体的には、上記カチオン系開始剤、カチオン重合性化合物、ラジカル系開始剤、ラジカル重合性化合物のいずれかを含む光硬化層であり、この発明の目的においてはいずれの光硬化層を用いても構わない。
[ラジカル重合開始剤]
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、特公昭61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413号、特公昭44−6413号及び特公昭47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、特公昭37−13109号、特公昭38−18015号、特公昭45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特開平5−213861号及び特開平5−255347号公報に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordinantion Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277頁)(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100重量部に対して0.01から10重量部の範囲で含有されるのが好ましい。
ラジカル重合性化合物を含有する感光性組成物には、ラジカル重合性モノマーの熱重合開始剤として、一般にラジカル重合による高分子合成反応に用いられる公知のラジカル重合開始剤を特に制限なく含有させることができる。ここで、熱重合開始剤とは、熱エネルギーを与えることにより重合性のラジカルを発生することが可能な化合物である。
このような化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスプロピオニトリル等のアゾビスニトリル系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過安息香酸t−ブチル、α−クミルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、過酸類、アルキルパーオキシカルバメート類、ニトロソアリールアシルアミン類等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の無機過酸化物、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム、アゾビス置換アルカン類、ジアゾチオエーテル類、アリールアゾスルフォン類等のアゾ又はジアゾ系化合物、ニトロソフェニル尿素、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジアリールジスルフィド類、ジベンゾイルジスルフィド、テトラアルキルチウラムジスルフィド類、ジアルキルキサントゲン酸ジスルフィド類、アリールスルフィン酸類、アリールアルキルスルフォン類、1−アルカンスルフィン酸類等を挙げることができる。
これらの中で特に好ましいものは、常温での安定性に優れ、加熱時の分解速度が速く、かつ分解時に無色となる化合物であり、このようなものとしては、過酸化ベンゾイル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。また、本発明では、これらの熱重合開始剤を1種又は2種以上混合して用いることができる。更に、熱重合開始剤は、熱重合性の組成物中通常0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%の範囲がより好ましい。
[ラジカル重合系光硬化樹脂]
[ラジカル重合性化合物]
ラジカル重合性組成物に含有されるラジカル重合性化合物には通常の光重合性化合物及び熱重合性化合物が包含される。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性組成物中の添加量は好ましくは1〜97重量%であり、より好ましくは30〜95重量%である。
[酸架橋系光硬化樹脂]
この発明の酸架橋性組成物において用いられる架橋剤は、活性光または放射線の照射により前記この発明の特定化合物から発生する酸により架橋反応を起こす化合物である。この発明において好適に用いられる架橋剤は、分子内に2個以上のヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基またはビニルエーテル基を有する化合物である。好ましくはこれらの架橋性官能基が芳香環に直接結合した化合物である。具体的には、メチロールメラミン、レゾール樹脂、エポキシ化されたノボラック樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。さらに、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三、金子東助著、大成社(株))に記載されている化合物も好ましい。特に、分子内に2個以上のヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を有するフェノール誘導体は画像形成した際の画像部の強度が良好であり好ましい。このようなフェノール誘導体として、具体的には、レゾール樹脂を挙げることができる。
しかしながら、これらの架橋剤は熱に対して不安定であり、画像記録材料を作製したあとの保存時の安定性があまりよくない。これに対し、分子内にベンゼン環に結合する2個以上のヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基を有し、さらに分子量が1,200以下であるフェノール誘導体は、保存時の安定性も良好であり、この発明において最も好適に用いられる。アルコキシメチル基としては、炭素数6以下のものが好ましい。具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基が好ましい。さらに、2−メトキシエトキシメチル基および2−メトキシ−1−プロポキシメチル基のように、アルコキシ置換されたアルコキシメチル基も好ましい。具体的には、特開平6−282067号公報、特開平7−64285号公報、EP632,003A1号明細書等に記載されている化合物を挙げることができる。
この発明において好適に用いられる他の架橋剤としては、アルデヒドやケトン化合物を挙げることができる。好ましくは、分子内に2個以上のアルデヒドまたはケトンを有する化合物である。
この発明において、架橋剤は全画像記録材料固形分中、5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%の添加量で用いられる。架橋剤の添加量が5重量%未満であると画像記録した際の画像部の膜強度が悪化し、また、70重量%を越えると保存時の安定性の点で好ましくない。これらの架橋剤は単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
[カチオン系重合開始剤]
開始剤としては、カチオン重合開始剤が好ましく、具体的には芳香族オニウム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩として、周期表第Va族元素の塩、例えばホスホニウム塩(例えばヘキサフルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウムなど)、第VIa族元素の塩たとえばスルホニウム塩(例えばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、スルホニウムおよびヘキシサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムなど)、および第VIIa族元素の塩たとえばヨードニウム塩(例えば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙げることができる。このような芳香族オニウム塩をエポキシ化合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用することは、米国特許第4,058,401号、同第4,069,055号、同第4,101,513号および同第4,161,478号公報に詳述されている。
好ましいカチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫外線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスホニウムが好ましい。またフォトポリマーハンドブック(フォトポリマー懇話会編 工業調査会発行 1989年)の39〜56頁に記載の公知の光重合開始剤、特開昭64−13142号、特開平2−4804号に記載されている化合物を任意に用いることが可能である。
[カチオン重合系光硬化樹脂]
カチオン重合性化合物
カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%以上であるのが好ましい。
カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(2)ビニルナフタレン誘導体
例えば、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等
(3)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等
(4)N−ビニル化合物類
例えばN−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等。
上記カチオン重合性化合物のカチオン重合性組成物中の含有量は1〜97重量%が好ましくは、より好ましくは30〜95重量%である。
[ハイブリット系光硬化型樹脂層]
ハイブリットタイプ(ラジカル重合性タイプとカチオン重合タイプの併用)が用いられる場合は、特開平4−181944号等で組成物が開示されている。具体的には、上記カチオン系開始剤、カチオン重合性化合物、ラジカル系開始剤、ラジカル重合性化合物のいずれかを含めばよく、特に、この発明の場合は、カチオン系重合性化合物がビニルエーテル右傾化合物を用いることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
この発明では、光硬化性樹脂含有層に紫外線吸収剤を用いてもよく、紫外線吸収剤層に用いられる材料としては、、色素画像の紫外線吸収用として機能し、かつ熱転写が可能であればよく、例えば特開昭59−158287号、同63−74686号、同63−145089号、同59−196292号、同63−122596号、同61−283595号、特開平1−204788号等の各公報に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を使用することができる。
その他の添加剤として、大河原信等編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信等編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)、特願平7−108045号明細書等に記載の色素および増感剤光増感剤、米国特許第4,414,312号や特開昭64−13144号記載のチオール類、特開平2−291561号記載のジスルフィド類、米国特許第3,558,322号や特開昭64−17048号記載のチオン類、特開平2−291560号記載のo−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類などの重合促進剤や連鎖移動剤、 重合禁止剤、「11290の化学商品」化学工業日報社、p875〜876などに記載の帯電防止剤、特開昭62−251740号、特開平3−208514号等の各号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、或いは特開昭59−121044号、特開平4−13149号等の各号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。その他にポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロース系、熱可塑性ポリエステル、天然樹脂等、他の任意の高分子重合体を併用してもよい。また、その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体を併用してもよい。
この発明で特に不飽和基含有樹脂が好ましく、ラジカルまたは酸により重合可能な基を含むことを特徴としており、不飽和基とはここでは、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等を表す。具体的には下記に示すような構造を持つ樹脂を挙げることができる。感光性組成物中におけるこれら高分子重合体の含有量は、1〜70重量%の範囲が好ましく、5〜50重量%の範囲が更に好ましい。紫外線吸収剤と光硬化樹脂材料の保護層へ含有させる場合は、全固形分100重量%に対し紫外線吸収剤の添加量は、0〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは0重量%〜10重量%以下となる。この発明の紫外線吸収剤と光硬化樹脂材料の保護層膜厚は3〜50g/m2であることが好ましく、より好ましくは3〜40g/m2、更に好ましくは3〜35g/m2である。
この発明の保護層はさらに目的に応じて、染料、有機および無機顔料、ホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、着色剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定化剤、発砲剤、防カビ剤、磁性体やその他種々の特性を付与する添加剤、希釈溶剤等と混合して使用しても良い。
<作成方法>
この発明の光硬化樹脂材料からなる保護層を画像記録体上に作成する場合、塗布方式で作成するか若しくは転写箔で形成することが好ましい。
<形成方法1>
画像記録体上に保護する方法として塗布を選択する場合、従来公知の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、フェルト塗布、エアーナイフ塗布、スプレイ塗布、エアースプレイ塗布、静電エアースプレイ塗布、ロール塗布ブレード塗布及びカーテン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途により異なるが、例えば固形分として0.05〜50.0g/m2の塗布量が好ましい。なお、塗布量が少なくなるにつれて見掛の感度が大になるが画像形成層の皮膜特性、耐薬品性が低下する。塗布後硬化させる方法として活性な電磁波を発生させるものは全て用いることができる。
「活性硬化線」
塗布後に硬化させる方法として、例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等をあげることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられ、この際加えられるエネルギーは、重合開始剤の種類のより、露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択して用いることができる。また、活性光線を用い光硬化を行う場合、減圧下、窒素気流中で光硬化を安定化する手段等を用いてもかまわない。
形成方法1で形成する場合、画像記録体近傍に隣接するためには、予め下記記載の転写箔でいったん画像層表面を保護した上、上記の形成法により表面保護層を設けることもできる。
<形成方法2>
この発明で紫外線吸収剤と光硬化樹脂材料の保護層を画像記録体上に作成する場合、下記の材料から構成される転写箔で設けることが可能である。転写箔は少なくとも一回以上転写すれば、特に転写回数には制限はない。
「転写箔の詳細な説明」
この発明転写箔は、紫外線吸収剤と光硬化樹脂材料からなる保護層を有する支持体からなることがより好ましく、より好ましくは離型層、光硬化性樹脂層、画像表面保護層、中間層、バリヤー層、プライマー層、接着層を少なくとも1つから成る層を含んでいることが好ましい。更に好ましくは、いずれかの層に紫外線吸収剤が含有されていることが好ましい。
この発明の場合、ICチップにより偽変造等の防止が行えるが、目的で目視判別のために光学変化素子層を設けることも可能である。
「転写箔用支持体」
支持体としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。この発明の支持体の厚みは10〜200μm望ましくは15〜80μmである。10μm以下であると支持体が転写時に破壊してしまい問題である。
この発明の特定離型層においては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。この発明の支持体は必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作成手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。マットコーティングの場合有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。また、複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。この発明で凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。
「転写箔離型層」
剥離層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、またはこの硬化物、等が挙げられる。他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは分散するなどして用いることができる。
転写箔を2枚転写する場合は熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性エラストマーは具体的にスチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が上げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されている。離型層の厚みは0.000001〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.000001〜3.0μm、特に好ましくは0.00005〜3.0μmである。
また、必要に応じて、この発明の離型層と樹脂層或いは活性光線硬化層との間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
「光硬化性樹脂層」
上記記載の光硬化性樹脂層からなる保護層使用材料を用いることができる。
「画像表面保護層」
形成方法1で形成する場合、画像表面保護層を設けることが好ましく、これは前記記載の光硬化性樹脂層でもよいが、形成方法1により表面保護層を形成する場合、積層性を良好にするため、一般的な熱可塑性樹脂等を用いることができる。具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロース系、熱可塑性ポリエステル、天然樹脂等、他の任意の高分子重合体を表す。また、その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体を併用してもよい。この発明においては、画像記録体上に保護をする目的で、光または熱硬化性層の少なくとも一方を転写箔で設けることが好ましい。光または熱硬化性層の少なくとも一方とは前記記載の組成物からなる材料であれば特に制限はない。樹脂層の厚みは0.3〜20μmが好ましく、より好ましくは0.3〜10μm、特に好ましくは0.5〜10μmである。
「中間層及びプライマー層、バリヤ層」
転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく場合によりプライマー層、バリヤ層として介在しても層間の接着性をさらに向上させてもよい。例えば塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂、およびそれらの変性物などを用いることができる。
上述した樹脂の中でも、この発明の目的に好ましいのは、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂である。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。この発明の中間層において、重合度が1000以上のポリビニルブチラール樹脂としては積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては熱硬化前の重合度に限定はなく低重合度の樹脂でもよく、熱硬化にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。また、この中間層に前記記載の紫外線吸収剤又は酸化防止剤、光安定化剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を添加する場合は、全固形分100重量%に対し紫外線吸収剤の添加量は、0〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは0重量%〜10重量%以下となる。中間層の厚みは0.1〜3.0μmが好ましく、より好ましくは、0.1〜2.0μmである。
「接着層」
転写箔の接着層としては、熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えばフェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられそれらの共重合体や混合物でもよい。具体的には、ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体としては東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613、互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の重量比は9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。また、この接着層に前記記載の紫外線吸収剤又は酸化防止剤、光安定化剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。紫外線吸収剤を添加する場合は、全固形分100重量%に対し紫外線吸収剤の添加量は、0〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは0重量%〜10重量%以下となる。
「その他層」
場合により偽変造防止の目的で光学変化素子層転写層設けることが可能である。光学変化素子(Optical Variable Device:OVD)とは、1)キネグラムのような回析格子の2次元のCG画像であり、線画像構成の画像が移動、回転、膨張、縮小等自由に動き変化する点に特徴があるもの、2)Pixelgramのような画像がポジとネガに変化する特徴があるようなもの、3)OSD(Optical Security Device)のような色が金色から緑色に変化するもの、4)LEAD(Long Lasting Economical Anticopy Device)のような像画が変化して見えるもの、5)ストライブ型OVD、6)金属箔等を表し、日本印刷学会誌(1998年)第35巻第6号P482〜P496記載に有るような用紙の素材、特殊な印刷技法、特殊インキ等でセキュリティを維持してもよい。この発明においては、ホログラムがとくに好ましい。
この発明で用いるホログラムは、レリーフホログラム、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、リップマンホログラム、レインボーホログラム等の白色再生ホログラム、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチフレックスホログラム、ホログラムフレックステレオグラム、ホログラフィック回折格子等任意に採用できる。
「画像記録体上への転写箔付与方法」
転写箔の被転写材への転写は通常サーマルヘッド、ヒートローラー、ホットスタンプマシンなどの加熱しながら加圧を行える手段を用い転写を行う。
[実施例]
<ICモジュールの作成>
エッチングによりアンテナパターンの形成された帝人デュポン社製 G2P8―38μ透明PET支持体に、3×3mmのチップ大きさ、チップ厚さ80μmのICチップを東邦化成工業株式会社製 ウルタイト1540セット 30重量部、5μmニッケル粒子70重量部を添加してなる導電性接着剤を20μ厚みで接合し、SUS301からなる補強板の大きさ5×10mm(長方形)、補強板厚さ125μmの補強板を回路面と反対側に設けた。ICチップと補強板は東邦化成工業株式会社製ウルタイト1540セット(2液硬化型弾性エポキシ接着剤)を10μの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう加圧接着した。得られたICモジュール形態を図6に示す。
<ICモジュールの断裁方法>
図7に示すような断裁装置70を用いクロスカットし、この発明の形状になるようにICモジュールを作成し、図11乃至図13に示すICカード用画像記録体の作成装置により各ICカード用画像記録体を作成した。
図7は長尺状の多面付けされたICモジュールを元巻きから繰り出してシート状に加工する断裁装置70の一例を示す。図7において、71は多面付けされたICモジュールの元巻き、72がスリットカッター、73が所定長さ毎に切断するクロスカッターである。
次に、この発明の切断方法について説明する。
<断裁方法1>
図8はICチップ及びアンテナを有する支持体30面を上刃74側とし、上刃74の刃先角を鋭角とし、両刃に圧接をかけながらいわゆるシャーリングカットで切断する場合を示す。60°の下刃75、ICチップ及びアンテナを有する支持体30側から60°の上刃74に押されて断裁する。矢印は上刃の進行方向を表す。ICモジュール断面については、図1及び2に示すモデル図で説明する。
<断裁方法2>
図9は発明を説明する図で、ICチップ及びアンテナを有する支持体30面を上刃74側とし、上刃74の刃先角を鈍角とし、両刃に圧接をかけながらシャーリングカットで切断する場合を示す。刃先角90°の上刃74が矢印方向に切断を始め(図9(a))、上刃74のミネがICチップ及びアンテナを有する支持体面を抑えて滑り、支持体30に両刃からクラック31が入って切断が終了する(図9(b))。好ましい切断条件は、上刃74の刃先角80〜90°、下刃75の刃先角80〜90°で両刃の交差角1〜60秒、接圧200N/mである。
<断裁方法3>
図10は発明を説明する図で、ICチップ及びアンテナを有する支持体面を下刃74側とし、上刃74の刃先角を鋭角として切断する場合を示す。まな板の役割をする下刃75に支えられて支持体30に侵入した上刃74は(図10(a))、そのままICチップ及びアンテナを有する支持体面を切断して(図10(b))終了する。好ましい切断条件は、上刃74の刃先角25〜40°、下刃75の刃先角80〜90°、両刃間のクリアランスW1は20μmである。
<断裁方法4>
(比較例)
図10は発明を説明する図で、ICチップ及びアンテナを有する支持体面を下刃74側とし、上刃74の刃先角を鋭角として切断する場合を示す。まな板の役割をする下刃75に支えられて支持体30に侵入した上刃74は(図10(a))、そのままICチップ及びアンテナを有する支持体面を切断して(図10(b))終了する。好ましい切断条件は、上刃74の刃先角25〜40°、下刃75の刃先角80〜90°、両刃間のクリアランスW1は50μmである。
<ICカード用画像記録体の作成1>
上記作成されたICモジュールを用い、図11に示すように、第2シート部材(裏シート)は第2シート部材供給部601、第1シート部材(表シート)は第1シート部材供給部600に設置する。第1シート部材に湿気硬化型接着剤溶解供給部630から接着剤を溶融し、シート貼り合わせ用接着剤供給部611からTダイ塗布方式により接着剤供給し、第2シート部材に湿気硬化型接着剤溶解供給部630から接着剤を溶融し、シート貼り合わせ用接着剤供給部602からTダイ塗布方式により接着剤供給する。
第2シート部材の塗布部上にIC/固定部材は、IC/固定部材供給部612から配置される。低温接着剤が塗工された第2シート部材は、塗工シート加熱部材603で加熱し、低温接着剤が塗工された第1シート部材は、塗工シート加熱部材613で加熱し、第2のシート部材、第1のシート部材を加熱/加圧ロール621により貼り合わされ、膜厚制御ロール622により制御されたICカード基材原版が作成され、IC搭載カード基材搬送部材623によって次の工程へ搬送される。
この実施の形態では、湿気硬化型接着剤溶解供給部630に積水化学工業社製の湿気硬化型接着剤 エスダイン2013MKを投入し、第1及び第2シート部材に塗工し、この発明のICモジュール40を挿入し790μmのICカード用画像記録体を得た。支持体上に接着剤設置温度は、40000mPa・s/110℃であった。
作製後は25℃50%RHの環境化で7日間保存後、打ち抜き機で化粧断裁をし、55mm×85mmサイズのICカード用画像記録体を作成した。下記の条件でICカードを製造しカード基材を得た。
1)接着剤供給部611,602の温度は110℃。
2)加熱/加圧ロール621の条件は、加圧が0.2kg/cm2、加熱温度が75℃。
3)IC搭載カード基材搬送部材623の条件は、加圧が0.4kg/cm2、冷却温度が50℃
4)搬送速度:1m/min
<ICカード用画像記録体の作成2>
上記作成されたICモジュールを用い、図12に示すように、第2シート部材(裏シート)は第2シート部材供給部601、第1シート部材(表シート)は第1シート部材供給部600に設置する。
第1シート部材に光硬化型接着剤溶解供給部630から接着剤を溶融し、シート貼り合わせ用接着剤供給部611からTダイ塗布方式により接着剤供給し、第2シート部材に光硬化型接着剤溶解供給部630から接着剤を溶融し、シート貼り合わせ用接着剤供給部602からTダイ塗布方式により接着剤供給する。
第2シート部材の塗布部に活性光線照射部604により加熱し、第2シート部材の塗布部上にIC/固定部材は、IC/固定部材供給部612から配置される。低温接着剤が塗工された第1シート部材は、活性光線照射部614により加熱し、第2のシート部材、第1のシート部材を加熱/加圧ロール621により貼り合わされ、膜厚制御ロール622により制御されたICカード基材原版が作成され、IC搭載カード基材搬送部材623によって次の工程へ搬送される。
この実施の形態では、光硬化型接着剤溶解供給部630に組成のエポキシ系光硬化型接着剤を投入し、第1及び第2シート部材に塗工し、1000mjのUV照射を実施し、直ちに光硬化後、この発明ICモジュールを挿入し790μmのICカード用画像記録体を得た。支持体上に接着剤設置温度は、25000mPa・s/40℃であった。接着剤が硬化したことを確認後、打ち抜き機で化粧断裁をし55mm×85mmサイズのICカード用画像記録体を作成した。
下記の条件でカードを製造しカード基材を得た。
1)接着剤供給部611,602の温度は40℃。
2)加圧、加熱ロール621の条件は、加圧が0.2kg/cm2、加熱温度が75℃。
3)IC搭載カード基材搬送部材623の条件は、加圧が0.4kg/cm2、冷却温度が50℃
4)搬送速度:1m/min
使用、この発明の熱硬化型接着剤組成物:
1)エポキシ基を1分子内に2個以上含んだ化合物
・セロキサイド2021
(ダイセル化学工業株式会社製)エポキシ当量128〜140) 35部
・エポライト3002(共栄社化学株式会社製) 25部
・エピコート#828(油化シェルエポキシ社製)エポキシ当量184〜194) 30部
2)光カチオンを発生する化合物
・光カチオン発生化合物:TPS−1
(みどり化学株式会社製) 10部
<ICカード用画像記録体の作成3>
上記作成されたICモジュールを用い、図13に示すように、第2シート部材(裏シート)は第2シート部材供給部601、第1シート部材(表シート)は第1シート部材供給部600に設置する。第1シート部材に1液エポキシ接着剤溶解供給部631から接着剤を溶融し、シート貼り合わせ用接着剤供給部611からTダイ塗布方式により接着剤供給し、第2シート部材に1液エポキシ接着剤溶解供給部631から接着剤を溶融し、シート貼り合わせ用接着剤供給部602からTダイ塗布方式により接着剤供給する。
第2シート部材の塗布部上にIC/固定部材は、IC/固定部材供給部612から配置される。第2のシート部材、第1のシート部材を加熱/加圧ロール621により貼り合わされ、膜厚制御ロール622により制御されたICカード基材原版が作成され、IC搭載カード基材搬送部材623によって次の工程へ搬送される。
1液エポキシ接着剤溶解供給部631にエポキシ系熱硬化型接着剤 コニシ株式会社 ボンドEセットHの主剤A及び硬化剤Bを各供給部に投入した。混合、脱泡を実施した後、第1及び第2シート部材に塗工し、この発明ICモジュールを挿入し790μmのICカード用画像記録体を得た。支持体上に接着剤設置温度は、150000mPa・s/25℃であった。
接着剤が硬化したことを確認後、打ち抜き機で化粧断裁をし55mm×85mmサイズのICカード用画像記録体を作成した。
1)接着剤供給部611,602の温度は25℃。
2)加圧、加熱ロール621の条件は、加圧が0.2kg/cm2、加熱温度が75℃。
3)IC搭載カード基材搬送部材623の条件は、加圧が0.4kg/cm2、冷却温度が50℃
4)搬送速度:1m/min
<カード形状への成型方法(打ち抜き方法)>
上記により作成されたICカード用画像記録体をICカード用の形状に成型した方法について示す。具体的には打ち抜き金型装置によって、打ち抜き加工を施した。
図14は、打抜金型装置の全体概略斜視図であり、図15は、打抜金型装置の主要部の正面端面図である。この打抜金型装置は、上刃210及び下刃220を有する打抜金型を有する。そして、上刃210は、外延の内側に逃げ241が設けられた打抜用ポンチ211を含み、下刃220は、打抜用ダイス221を有する。打抜用ポンチ211を、打抜用ダイス221の中央に設けられたダイス孔222に、下降させることにより、ダイス孔222と同じサイズのICカードを打ち抜く。また、このために、打抜用ポンチ211のサイズは、ダイス孔222のサイズより若干小さくなっている。
<ICカード用画像記録体に用いられた、第1シート部材と第2シート部材の作成方法>
<第1シート部材の作成>
表シートとして帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188低熱収グレードを使用した。
前記支持体表シート188μmに下記組成物からなるクッション層、受像層を順次塗工乾燥してなる第1シート部材(表シート2)を形成した。
(光硬化型クッション層) 膜厚8.0μm
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA512) 55部
ポリエステルアクリレート(東亞合成社製:アロニックスM6200) 15部
ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学社製:NKオリゴUA4000) 25部
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ:イルガキュア184) 5部
メチルエチルケトン 100部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm2)で光硬化を行った。
(受像層)
上記クッション層上に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 9部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBL−1〕
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6部
〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第3受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1部
水 90部
(フォーマット印刷層からなる情報坦持体形成)
受像層上にオフセット印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名)を行った。印刷インキはUV硬化型墨インキ(絶縁性インキ)を用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
(透明樹脂層形成)
透明オーバープリント用UV硬化型インキ(絶縁性インキ)印刷インキを用い、オフセット印刷法により受像層上又は上記フォーマット印刷上に印刷を行った。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
<第2シート部材の作成>
裏シート基材として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上に第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8部
イソシアネート 1部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4部
〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 5部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1部
水 90部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5部
メタノール 95部
得られた筆記層の中心線平均粗さは1.1μmであった。
(筆記層へのフォーマット印刷層の形成)
筆記層上に樹脂凸印刷法により、樹脂凸印刷(罫線、緊急連絡先)を行いフォーマット印刷済第1シート部材(塗布型筆記シート1)を作成した。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
[個人認証用カードへの個人情報記載方法及び表面保護方法]
前記打ち抜き加工を施したICカードに下記により顔画像と属性情報とフォーマット印刷を設けた個人認証カードの作成を行った。
<個人認証用カードへの個人情報記載方法>
(昇華型感熱転写記録用のインクシートの作成)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
〈イエローインク層形成用塗工液〉
イエロー染料
(三井東圧染料(株)製MSYellow) 3部
ポリビニルアセタール 5.5部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンタ染料
(三井東圧染料(株)製 MS Magenta) 2部
ポリビニルアセタール 5.5部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 2部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン染料
(日本化薬(株)製 カヤセットブルー136) 3部
ポリビニルアセタール 5.6部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
(溶融型感熱転写記録用のインクシートの作成)
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥してインクシートを得た。
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1部
〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3部
フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5部
メチルエチルケトン 90部
(顔画像の形成)
受像層と昇華型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより画像に階調性のある人物画像を受像層に形成した。この画像においては上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成している。
(文字情報の形成)
OPニス部と溶融型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報をOPニス上に形成した。
<表面保護層形成方法>
[活性光線硬化型転写箔1の作成]
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムー2の離型層上に下記組成物を積層し活性光線硬化型転写箔の作成を行った。
(活性光線硬化性化合物)
新中村化学社製 A−9300/新中村化学社製 EA−1020=35/11.75部
反応開始剤
イルガキュア184日本チバガイギー社製 5部
添加剤不飽和基含有樹脂 48部
その他の添加剤
大日本インキ界面活性剤F−179 0.25部
〈中間層形成塗工液〉 膜厚1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 3.5部
タフテックスM−1913(旭化成) 5部
硬化剤
ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5部
メチルエチルケトン 90部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
〈接着層形成塗工液〉 膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製
:ジュリマーAT510〕 2部
水 45部
エタノール 45部
さらに画像、文字が記録された前記受像体上に前記構成からなる活性光線硬化型転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力150kg/cm2で1.2秒間熱をかけて転写を行なった。
この発明により作成されたICカードを、図16及び図17に示す。図16はICカードの断面図、図17はICカードの構成図である。この実施例のICカードは、身分証明書カードやクレジットカードなどに広く適用することができ、対向する2つの裏カード支持体1と表カード支持体2との間に、裏接着剤52bと表接着剤52aを介在してアンテナ41、ICチップ42を有するICモジュール40を含む部品が配置されてなる。
一方の裏カード支持体1には筆記可能な筆記層9aが設けられている。他方の表カード支持体2には、受像層8aが設けられ、この受像層8aに氏名、顔画像を含む個人識別情報である認証画像、属性情報が記録される。受像層8aには、個人識別情報である認証画像、属性情報を保護する透明保護層54が設けられ、この透明保護層54を設けることで、摩耗や薬品など、また、落下、コイン等の圧力に対して耐久性が向上する。この受像層8aに氏名、顔画像からなる個人識別情報が溶融熱転写、または昇華熱転写で設けられ、濃度変動がなくカスレのない情報記録ができる。
このアンテナ41、ICチップ42は支持体30上に設けられ、支持体30は、例えばフィルムで構成される。支持体30には、ICチップ42の回路面とアンテナ41とが導電性接着剤90を介して電気的に接続され、また非導電性接着剤95を介して接続される。
このICチップ42の回路面と反対側には、密着剤91を介して補強板43が接続されている。このように、ICカードは、ICチップ42の回路面と反対側に、密着剤91を介して補強板43を隣接してこの順に具備している。
この密着剤91はICチップ42を囲むように支持体30上に設けられ、ICチップ42に密着剤91を介して補強板43が接続される。このように、ICチップ42の回路面側が支持体30上に形成されたアンテナ41と導電性接着剤90を介して密着接続し、または非導電性接着剤95を介して密着接続し、ICチップ42の回路面側は、支持体30でICチップ42を保護している。ICチップ42の回路面と反対側は、密着剤91を介して補強板43を具備し、1枚の補強板で強固にICチップ42を保護し、かつ、応力を分散させ、これによりICチップ42を破壊より守ることができる。
[評価]
<端部高さ測定方法>
図1、図18及び図21に示すように、アンテナを保持していない支持体側を表し、表面の平面部とは、ICチップ及びアンテナが装填された支持体側を表す。裏面の平面支持体上のICモジュールの端部A〜Bを「三鷹光器(株)製:非接触3次元測定装置NH−3N」を用いて間隔2mmで碁盤目状にICモジュール厚みを測定した。得られた間隔L毎の厚みを差ΔHから、ΔH/Lを全ての測定に対して算出しその平均値を平面部とした。端部は上記装置を用い測定した。前記平面部と端部高さより端部高さとして算出した。
<端部角度測定方法>
図20に示すように、端部の角度測定は、対向するICモジュール端部から隣接する5mmの部分を0゜とし、支持体切欠部(ヘリ部)から前記記載の0゜迄の角度を測定した。測定は4辺を各5点づつ測定し、平均角度を算出し端部角度とした。測定方法は、電子顕微鏡で観察し、写真撮影を行った後測定を行った。<外観性評価>
カード作成を100枚し、作成されたカードをルーペで観察し表面にひび割れ、転写ムラ、転写筋の外観不良率の発生頻度(%)を算出した。
<表面保護転写箔転写性>
カード作成を100枚し、仕上がった100枚カードを金尺を用い測定し、平均未転写面積値及び最大未転写面積値(mm2)を算出した。2枚転写した場合、1枚目の転写箔転写性と2枚目転写箔転写性を評価し、全体の平均未転写面積値及び全体の最大未転写面積値(mm2)を算出した。
未転写面積がゼロに近いほど良好。数字が大きいほど転写性が劣化するということを意味する。
<カード印字性>
作成したカードに昇華画像を印画し、かすれ具合を評価した。
◎・・・問題なく印画できる
○・・・一部濃度が低下する部分があるが判別できるレベルである
△・・・一部濃度が低下し判別できないレベルである
×・・・完全に色抜けする部分がある
<密着性>
表面にセロハン粘着テープ(ニチバン製)を強く貼り付け、急速に表面からセロハン粘着テープを剥離した後、剥離状態をJIS K−5400碁盤目テープ法規定の方法で、評価した。
保護層の表面にナイフ等の鋭利な刃物で30°の角度で切り込み、素地に達する1mmまたは1.5mmの碁盤目100個(10×10)を作り、この時はがれないで残った塗膜の碁盤目数を測定した。全体的に接着性が良好な塗膜である場合には、碁盤目を作った後、その表面にセロテープを貼り、テープをはがして碁盤目のはがれた厚み方向の部位とはがれた数を測定して評価した。
評価は下記の評価点数法で行った。
碁盤目試験の評価点数
評価点数 傷の状態
10 切り傷1本ごとが、細くて両側が滑らかで、切り傷の交点の正方形の一目一目にはがれない。
8 切り傷の交点にわずかなはがれがあって、正方形の一目一目にはがれがなく、欠損部の面積
は全正方形面積の5%以内。
6 切り傷の両側と交点とにはがれがあって、欠損部の面積は全正方形面積の5〜15%。
4 切り傷によるはがれの幅が広く、欠損部の面積は全正方形面積の15〜35%。
2 切り傷によるはがれの幅は4点よりも広く、欠損部の面積は全正方形面積の35〜65%。
0 はがれの面積は、全正方形面積の65%以上。
個人認証用カードへの個人情報記載方法及び表面保護層を設けた仕上がりカードの評価結果を表1に示す。
表1
Figure 2005313502
この発明は、アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化するICカードに適用できる。
ICモジュールの端部断面図である。 ICモジュールの端部断面図である。 ICモジュールの平面規定補足図である。 ICモジュール端部と凹凸によるカードヘの凹凸影響図である。 ICカードとICモジュールの面積関係図である。 ICモジュールの形態(多面付け)を示す図である。 具体的な断裁歯形状を示す図である。 具体的な断裁歯形状を示す図である。 具体的な断裁歯形状を示す図である。 具体的な断裁装置である。 ICカード製造の湿気硬化用製造装置を示す図である。 ICカード製造の光硬化型用製造装置を示す図である。 ICカード製造の1液硬化型用製造装置を示す図である。 打抜金型装置の全体概略斜視図である。 打抜金型装置の主要部の端面図である。 この発明により作成されたICカードの断面図である。 この発明により作成されたICカードの構成図である。 ICモジュールの端部高さ測定結果を示す図である。 ICモジュール端部と接着剤塗布部にガスが溜まりやすいことを示す図である。 ICモジュールの端部角度の測定図である。 ICモジュールの測定図である。
符号の説明
30 支持体
30a 裏面側の平面部
30b 表面側の平面部
30c 切欠部
40 ICモジュール
41 アンテナ
42 ICチップ
43 補強板
50 第1シート部材
51 第2シート部材
52 接着剤
54 透明保護層

Claims (11)

  1. アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、前記ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化するICカードにおいて、
    前記ICモジュールの支持体は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが−30〜+30μmとなることを特徴とするICカード。
  2. アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化するICカードにおいて、
    前記ICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面側または裏面側の平面部に対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有することを特徴とするICカード。
  3. 前記枚葉形状の支持体大きさがカードサイズより小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカード。
  4. 挟み込みする際の前記接着剤の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のICカード。
  5. 前記接着剤が反応型接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のICカード。
  6. 前記接着剤がエポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のICカード。
  7. 少なくとも片面に受像層を有し、熱転写方式またはインクジェット方式による氏名、顔画像を含む個人識別情報を設けていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のICカード。
  8. 氏名、顔画像を含む個人識別情報を設けた上面に透明保護層が設けられ、
    前記透明保護層が活性光線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のICカード。
  9. アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、
    前記ICモジュールの支持体は裏面側または裏面側の平面部を基準として端部高さが−30〜+30μmであり、
    前記ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化することを特徴とするICカード作成方法。
  10. アンテナ、ICチップを少なくとも有するICモジュールが支持体に保持されてなる枚葉形状であり、
    前記ICモジュールの支持体は対向する2辺又は4辺の端部が隣接する裏面側または裏面側の平面部に対し端部角度(θ)が−60〜+60度の切欠部を有し、
    前記ICモジュールを対向する2つのシート部材の間に挟み込み接着剤により一体化することを特徴とするICカード作成方法。
  11. 挟み込みする際の前記接着剤の粘度が、1000〜100000mPa・sを用いたことを特徴とする請求項9または請求項10に記載のICカード作成方法。
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