JP2007072933A - Icカード及びicカードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を改善し、尚且つ表面性を高い次元で改善する。
【解決手段】対向する第1シート部材1と第2シート部材2の間の所定位置に、ICチップ3a、ICチップ3aに隣接した補強構造物3b、アンテナ3cからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置されるICカードにおいて、補強構造物3b及びICチップ3aのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂20を設けてある。
【選択図】図1

Description

この発明は、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する非接触式の電子カード、あるいはシートに適用して好適なICカード及びICカードの製造方法に関するものである。
従来から、ICチップ上に補強構造物を設けることにより、ICカードの強度向上することは、特開2000−182016等で開示されている。しかし十分なカード耐久性が得られないため、多くの試みが行われている。例えば特開2004−38449では、ICチップに隣接したICチップの曲率半径の規定、補強構造物の形状、補強構造物に隣接する接着剤の物性などを規定することにより、外力を応力分散させ、ICチップを破壊より守り、また点圧等に非常に強くなり、ICカードの凹凸性が良好になり、印字性が向上することが開示されている。しかし、当該技術では、カード耐久性を満足するものではなかった。
特開2000−182016号公報 特開2004−38449号公報
この発明では、従来の補強構造物や接着剤の物性規定よりもむしろ、補強構造物とICチップ間の接着剤の構造がICカードの強度(点圧強度、衝撃、曲げ)に有効であることを導き出した。また、その構造は、ICカードを平滑化するには最も効率よい構造であることを見出した。
ICカードはセキュリティ性が高いために耐久性が偽造変造の観点からも重要になっている。特に、ICカード内部にICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナなどの電気部品が内蔵されているため、その耐久性を確保するためさまざまな試みが行われている。しかしながら、さまざまな用途に使用され普及しつつある中、さらに高い耐久性が必要とされてきた。ICカードという特性上、常に携帯しズボンのポケット等での繰返し曲げ、落下、コイン等の圧力に対して強い耐久性が要求される。これに対しICチップに強固な補強構造物を設ける等の改良が提案されている。しかしながら、一定の耐久性の向上は見られるが、さまざまな状況に対して十分な耐久性が得られてなく、例えば急激な応力がかかる衝撃への耐久性、繰返しに応力がかかる繰返し曲げ耐久性、繰返し局所荷重等に対して、ICチップが割れたり、ICカードが破損し引いては電気動作が不可能になるなどの問題が発生していた。また、これらの耐久性を改善するだけでなく、個人情報等を記載するためには、昇華印画、溶融印字等で濃度変動なくカスレのないようにするよう平滑なカード表面性が必要になる。
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、耐久性を改善し、尚且つ表面性を高い次元で改善するICカード及びICカードの製造方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置されるICカードにおいて、前記補強構造物及び前記ICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を設けてあることを特徴とするICカードである。
請求項2に記載の発明は、対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置されるICカードにおいて、前記補強構造物と前記ICチップを接続する接続用接着剤がJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂であることを特徴とするICカードである。
請求項3に記載の発明は、前記ICカード接着剤の2%弾性率が1kg/mm以上90kg/mm以下、破断点伸度が200%以上1300%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカードである。
請求項4に記載の発明は、前記ICチップの回路面と反対側に密着層、前記補強構造物の順に具備し、
前記ICチップの回路面側が、
モジュール支持体上に形成された前記アンテナとを電気的に接続するバンプと、
2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分またはJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂のいずれか一方を満たす材料からなる密着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項5に記載の発明は、前記ICチップの厚みが、5μm以上120μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項6に記載の発明は、対向する第1シート部材と第2シート部材の表面の少なくとも一方に受像層を有し、この受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項7に記載の発明は、前記ICカード接着剤が、反応型接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のICカードである。
請求項8に記載の発明は、対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置される請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のICカードの製造方法であり、
前記補強構造物及び前記ICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させたことを特徴とするICカードの製造方法である。
請求項9に記載の発明は、対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置される請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のICカードの製造方法であり、
前記補強構造物及び前記ICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させ、更に平板プレス、ロールプレスを用い成型することを特徴とするICカードの製造方法である。
請求項10に記載の発明は、対向する第1シート部材と第2シート部材の表面の少なくとも一方に受像層を有し、この受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のICカードの製造方法である。
請求項11に記載の発明は、前記ICカード接着剤が、反応型接着剤であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のICカードの製造方法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1に記載の発明では、補強構造物及びICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を設けてあり、特定な発泡樹脂を使用することにより、補強構造物とICチップ間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性、即ち点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。また、ICカード上に情報記録する場合、補強構造物とICチップが存在する部分では印字性(情報記録性)が劣化することなく、補強構造物とICチップ間に発泡樹脂を設けることでよりクッション性が向上し、これにより印字性が向上する。
請求項2に記載の発明では、補強構造物とICチップを接続する接続用接着剤がJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂であり、接続用接着剤に特定な発泡樹脂を使用することにより、補強構造物とICチップ間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性、即ち点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。また、ICカード上に情報記録する場合、補強構造物とICチップが存在する部分では印字性(情報記録性)が劣化することなく、補強構造物とICチップ間に発泡樹脂を設けることでよりクッション性が向上し、これにより印字性が向上する。
請求項3に記載の発明では、ICカード接着剤の2%弾性率、破断点伸度の規定により、ICモジュールの破損を防止することができ、かつより点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。
請求項4に記載の発明では、ICチップの回路面と反対側に密着層、補強構造物の順に具備し、ICチップの回路面側は、アンテナとを電気的に接続するバンプと、特定な樹脂成分またはJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂のいずれか一方を満たす材料からなる密着剤を使用することにより、補強構造物とICチップ間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性、即ち点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。
請求項5に記載の発明では、ICチップが厚いと曲げの応力に対してチップの回路が破壊しやすく、薄すぎると、局部応力により割れやすくなり、ICチップの厚みを規定することで、耐久性を改善することができる。
請求項6に記載の発明では、対向する第1シート部材と第2シート部材の表面の少なくとも一方に受像層を有し、この受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有することで、免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証等に印字性や筆記性がよく好ましく用いることができる。
請求項7に記載の発明では、ICカード接着剤が、反応型接着剤であり、平滑化した後で、反応を促進させ、かつ接着剤が硬化する前に接着することで、接着強度が充分取れるので、剥がれたりすることもなく逆に無理やりはがそうとすると、破壊が起こり、偽変造防止にもなる。
請求項8に記載の発明では、補強構造物及びICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂をICチップ上に形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させることで、発泡樹脂を制御しながら製造することができるため生産安定性を確保することができる。
請求項9に記載の発明では、補強構造物及びICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させることで、発泡樹脂を制御しながら製造することができるため生産安定性を確保することができる。更に、平板プレス、ロールプレスを用い成型し、発泡後、発泡を制御し、更にかさ密度の均一化をすることができる。
請求項10に記載の発明では、対向する第1シート部材と第2シート部材の表面の少なくとも一方に受像層を有し、この受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有することで、印字性や筆記性がよい免許証類、身分証明書、パスポート、外国人登録証、図書館利用カード、キャッシュカード、クレジットカード、従業者証、社員証、会員証、医療カード及び学生証等を製造することができる。
請求項11に記載の発明では、ICカード接着剤が、反応型接着剤であり、平滑化した後で、反応を促進させ、かつICカード接着剤が硬化する前に接着することで、接着強度が充分取れるので、剥がれたりすることもなく逆に無理やりはがそうとすると、破壊が起こり、偽変造防止にもなるICカードを製造することができる。
以下、この発明のICカード及びICカードの製造方法の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
まず、この発明のICカードについて説明する。図1はICカードを示し、図1(a)はICカードの層構成を示す図、図2(b)はICチップ部の平面図である。この実施の形態のICカードは、身分証明書カードやクレジットカードなどに広く適用することができ、対向する第1シート部材1と第2シート部材2の間の所定位置に、ICチップ3a、ICチップ3aに隣接した補強構造物3b、アンテナ3cからなるICモジュール3を含む部品が接着剤4a、4bを介在して配置されてなる。第1シート部材1は、表支持体1aと受像層1bからなり、第2シート部材2は、裏支持体2aと筆記層2bからなり、対向する2つの表支持体1aと裏支持体2aとの間に、ICカード接着剤4a、4bを介在してICモジュール3を含む部品が配置されている。
ICカード接着剤4a、4bは、同じ組成であり、この接着剤の2%弾性率が、1kg/mm以上90kg/mm以下、破断点伸度が200%以上1300%以下である。2%弾性率が90kg/mm以上になると応力を吸収できず、ICモジュール3を破損し、1kg/mm以下になると、自己支持性が低下し、ICモジュール3との一体化が低下し、ICモジュール3を破損するが、規定の2%弾性率の接着剤を介して固定することでICモジュール3の破損を防止することができる。また、破断伸度200%未満であると衝撃性、点圧強度、曲げ性が劣化し問題となる。1300%より大きいとカード状に成型する際に劣化し問題となり、2%弾性率が1kg/mm以上90kg/mm以下、破断点伸度200%以上1300%以下の材料であることが好ましいが、より好ましくは、発行後のICカードの薬品耐性等から、反応型接着剤が好ましい。
受像層1bには、氏名、顔画像を含む個人識別情報である認証画像8a、属性情報8bが記録される。この氏名、顔画像からなる個人識別情報は、溶融熱転写、または昇華熱転写で設けられ、濃度変動がなくカスレのない情報記録ができる。
受像層1bには、個人識別情報である認証画像8a、属性情報8bを保護する保護層9が設けられ、この保護層9を設けることで、摩耗や薬品などから、また、落下、コイン等の圧力に対して耐久性が向上する。
ICチップ3a、アンテナ3cは、モジュール支持体3d上に設けられ、このモジュール支持体3dは、例えばフィルムで構成される。ICチップ3aの厚みが、5μm以上120μm以下であり、ICチップ3aが厚いと曲げの応力に対してチップの回路が破壊しやすく、薄すぎると、局部応力により割れやすい。
フィルムで構成されるモジュール支持体3d上には、アンテナ3cが形成されている。このアンテナ3cとICチップ3aの回路面側3a1とは、バンプ3eによって電気的に接続され、ICチップ3aの回路面側3a1と反対側3a2には、補強構造物3bが隣接して具備されている。ICチップ3aを囲むようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂20が設けられ、補強構造物3b及びICチップ3aのいずれの部材にも隣接するようになっている。このICカードの製造は、発泡樹脂20を形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させ、この発泡樹脂20を発泡のためのエネルギーとして、例えば熱および光、圧力などを用いることができる。ICカードは、発泡樹脂20を発泡させ、更に平板プレス、ロールプレスを用い成型することができる。この補強構造物3bとICチップ3aを接続する接続用接着剤が、JISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂20である。
このように、特定な発泡樹脂20を使用することにより、補強構造物3bとICチップ3a間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性、即ち点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。また、ICカード上に情報記録する場合、補強構造物3bとICチップ3aが存在する部分では印字性(情報記録性)が劣化することなく、補強構造物3bとICチップ3a間に発泡樹脂20を設けることでよりクッション性が向上し、これにより印字性が向上する。
この実施の形態では、ICチップ3aより補強構造物3bを大きく形成し、この補強構造物3bと発泡樹脂20は、それぞれ上方から見て略同じ大きさに形成されているが、図1(b)に示すように、2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分21またはJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂22を用いることができ、ICチップ3aや補強構造物3bより樹脂成分21または発泡樹脂22を大きく形成することで、より補強構造物3bとICチップ3a間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性、即ち点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。
図2はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図1の実施の形態と同様に構成されるが、ICチップ3aの回路面側3a1が、モジュール支持体3d上に形成されたアンテナ3cとを電気的に接続するバンプ3eと、2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分21またはJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂22のいずれか一方を満たす材料からなる密着剤である。樹脂成分21または発泡樹脂22は、ICチップ3aの側部周りからバンプ3eを囲むように設けれ、この樹脂成分21または発泡樹脂22を囲み、さらに回路面側3a1と反対側3a2も囲むように発泡樹脂20が設けられ、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2に発泡樹脂20、補強構造物3bの順に具備している。発泡樹脂20が、密着層を構成し、発泡樹脂20がICチップ3aと補強構造物3bとを接着し、補強構造物3bとICチップ3a間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図3はICカードを示し、図3(a)はICカードの層構成を示す図、図3(b)はICチップ部の平面図である。この実施の形態のICカードは、図1の実施の形態と同様に構成されるが、ICチップ3aの回路面側3a1が、モジュール支持体3d上に形成されたアンテナ3cとを電気的に接続するバンプ3eと、2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分21またはJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂20のいずれか一方を満たす材料からなる密着剤である。樹脂成分21または発泡樹脂22は、ICチップ3aの回路面側3a1と反対側3a2も囲み、さらにバンプ3eを囲むように設けられ、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2に樹脂成分21または発泡樹脂22、第1補強構造物3b1の順に具備している。樹脂成分21または発泡樹脂22が、密着層を構成し、樹脂成分21または発泡樹脂22がICチップ3aと第1補強構造物3b1とを接着する。この樹脂成分21または発泡樹脂22と第1補強構造物3b1とを囲むように発泡樹脂20が設けられ、この発泡樹脂20の上に第2補強構造物3b2が具備されている。この実施の形態では、第1補強構造物3b1と第2補強構造物3b2間の発泡樹脂20によりクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。第1補強構造物3b1と第2補強構造物3b2は、図3(a)に示すように、第1補強構造物3b1より第2補強構造物3b2を大きく形成してもよいし、図3(b)に示すように、第1補強構造物3b1と第2補強構造物3b2を同じ大きさで円形に形成してもよい。
図4はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図2の実施の形態と同様に構成されるが、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2に発泡樹脂20、補強構造物3bの順に具備し、さらにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂23が補強構造物3bより大きく接触するようにして配置されている。この実施の形態では、発泡樹脂23を補強構造物3bより大きく接触するようにして配置することで、発泡樹脂23により補強構造物3bのクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図5はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図1の実施の形態と同様に構成されるが、樹脂成分21または発泡樹脂20は、ICチップ3aからバンプ3eを囲むように設けられ、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2に樹脂成分21または発泡樹脂20、補強構造物3bの順に具備している。樹脂成分21または発泡樹脂20が、密着層を構成し、樹脂成分21または発泡樹脂20がICチップ3aと補強構造物3bとを接着し、補強構造物3bとICチップ3a間のクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性、即ち点圧強度、曲げ、衝撃が向上する。この実施の形態では、発泡樹脂20を補強構造物3bより大きくし、しかも接触しないように配置することで、発泡樹脂20により補強構造物3bのクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図6はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図5の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、発泡樹脂20が樹脂成分21または発泡樹脂22、補強構造物3bを囲み、さらにICカード接着剤4bの厚さ分に相当する厚さに形成されており、発泡樹脂20によってよりクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図7はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図5の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、発泡樹脂20が補強構造物3bに接触するように形成され、さらに発泡樹脂20と同様な発泡樹脂24をICチップ3aと反対側のモジュール支持体3dに設けており、発泡樹脂20と発泡樹脂24とによってよりクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図8はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図1の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、樹脂成分21または発泡樹脂22が、ICチップ3aの側部周りからバンプ3eを囲むように設けれ、ICカード接着剤4bとして発泡樹脂20を用い、発泡樹脂20によってよりクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図9はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図1の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、モジュール支持体3dを不織布で構成し、モジュール支持体3d上に補強構造物3b、発泡樹脂20、ICチップ3aの順に具備し、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2を発泡樹脂20に接着し、発泡樹脂20によってクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図10はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図9の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、樹脂成分21または発泡樹脂22が、ICチップ3aの側部周りからバンプ3eを囲むように設けれ、樹脂成分21または発泡樹脂21と、発泡樹脂20とによってクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図11はICカードを示し、図11(a)はICカードの層構成を示す図、図11(b)はICチップ部の平面図である。この実施の形態のICカードは、図10の実施の形態と同様に構成されるが、第1補強構造物3b1と第2補強構造物3b2とを有し、第1補強構造物3b1より第2補強構造物3b2が大きく形成されている。この第1補強構造物3b1と第2補強構造物3b2を囲むように発泡樹脂20が設けられ、この発泡樹脂20によってクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。この実施の形態では、第1補強構造物3b1より第2補強構造物3b2が大きく形成されているが、図11(b)に示すように、第1補強構造物3b1と第2補強構造物3b2とを円形で同じ大きさに形成してもよい。
図12はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図9の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、発泡樹脂20が、ICチップ3aの側部周りからバンプ3eを囲むように設けれ、発泡樹脂20とによってクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図13はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図12の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、モジュール支持体3dと表支持体1aとの間に発泡樹脂20と同じ構成の発泡樹脂24を設け、この発泡樹脂20と発泡樹脂24とによってクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図14はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図13の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、発泡樹脂20が、ICチップ3aの回路面3a1から側部周りを囲み、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2とバンプ3eは囲まないように設けられている。モジュール支持体3dと表支持体1aとの間に発泡樹脂20と同じ構成の発泡樹脂24は、ICカード接着剤4aと略同じ厚さに形成されている。また、ICチップ3aの回路面3a1と反対側3a2には、発泡樹脂20と同じ構成の発泡樹脂25が反対側3a2と接触しないように設けられている。この実施の形態では、発泡樹脂20、発泡樹脂24、発泡樹脂25によってクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図15はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図9の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、ICカード接着剤4bとして発泡樹脂20を用い、発泡樹脂20によってよりクッション性が向上すると共に応力分散し、耐久性が向上する。
図16はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図1の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、モジュール支持体3dをPET−Gシート3d1で構成し、このPET−Gシート3d1にICチップ3aを埋め込み、このICチップ3aとアンテナ3cとをワイヤーボンディング3fで接続している。このICチップ3aを囲むように発泡樹脂20が設けられ、この発泡樹脂20上を補強構造物3bで覆うようにし、この補強構造物3bとしてリードフレーム3b3を用いている。
図17はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図16の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、ICチップ3aを囲むように樹脂成分21または発泡樹脂22が設けられ、ICチップ3aとリードフレーム3b3は発泡樹脂20により接続している。
図18はICカードの層構成を示す図である。この実施の形態のICカードは、図16の実施の形態と同様に構成されるが、この実施の形態では、リードフレーム3b3の第2シート部材側に発泡樹脂20と同じ構成の発泡樹脂26が設けられている。
以下、この発明のICカード及びICカードの製造方法について詳細に説明する。
[第1シート部材と第2シート部材の定義]
この発明の第1シート部材(表シート基材)、第2シート部材(裏シート部材)の定義は、第1シート部材は、この発明では受像層などを付与しているカード券面側のシート部材を表す。第2シート部材とは、この発明では筆記層などを付与しているカード裏面側のシート部材を表す。
[第1シート部材]
この発明における第1シート部材とは、カード券面側に位置する部材を表すが、カード券面に位置する受像層、クッション層などを必要に応じて設けることができる。受像層とは、書誌情報及び識別情報を熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式等により形成することができる層のことを表す。
熱転写により情報を記録する方式としては、一般的に知られている昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式等が挙げられる。インクジェット方式で記録する方法としては、一般的に知られている方法を用いることができ具体的には特開2000−44857、特開平9−71743で記載されているような情報記録することができる。この発明では特に画像形成材料として制限はなく用いることができる。
[ICカード用材料]
<基材>
この発明ICカード用の第1シート部材、第2シート部材の支持体、または基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。この発明の支持体の厚みは30〜300μm望ましくは50〜200μmである。
ICカードを作成する際、同一または配向角を合わしても良く、場合によっては異なる基材または厚さの異なる支持体を複数積層し、貼り合わせ等により構成されたカードを作成しても良い。
また、支持体上に、易接化処理を施してもよく、カップリング剤、ラテックス、親水性樹脂、帯電防止樹脂などの樹脂層より形成される。場合により支持体をコロナ処理、プラズマ処理等の易接処理を施しても良い。また、熱収縮を低減するためにアニール処理などを行っても良い。
前記支持体には必要に応じてエンボス、サイン、ICメモリ、光メモリ、磁気記録層、偽変造防止用印刷層(パール顔料層、透かし印刷層、マイクロ文字等)、エンボス印刷層、ICチップ隠蔽層等を設けることができる。
[ICカード用材料への付加可能な材料]
前記記載のICカード用の基材には、必要に応じて、ICカードの材料構成に合わし、受像層、クッション層、筆記層、フォーマット印刷層などを設けることができる。尚、筆記層を設ける場合、受像層とは反対側のカード面に設けることが好ましい。
<受像層>
前記記載の基材上に下記記載の受像層などを設け第1シート部材などを設けることができる。以下、この発明に用いることができる受像層を形成する成分について詳述する。
この発明における受像層用のバインダーは、通常に知られているバインダーを適宜に用いることができる。例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えばアクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などさまざまのバインダーを使用することができる。具体的な1例として受像層を特開平6−286350号、特開平5−64989号に記載のような金属イオン化合物やキレート化合物、離型材料等の材料を用い重層により受像層する方法が挙げられる。また、必要に応じて基材色調剤として染料や顔料、膜強度を向上させるために硬膜剤、カチオン媒染剤、退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオンの各種界面活性剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
この発明に受像層として形成される材料を溶媒又は水に分散あるいは溶解してなる受像層用塗工液を調製し、その受像層用塗工液を前記基材上に塗工し、乾燥する塗工法によって製造することができる。
支持体に形成される受像層の厚みは、一般に0.01〜30μm、好ましくは0.01〜20μm、より好ましくは0.03〜20μm程度である。
<クッション層>
この発明には必要に応じて、印字性を良化させるためにクッション層を設けることができる。クッション層を構成する材質としては例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ブタジエンラバー、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−水素添加イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエン、特開2002−222403記載の光硬化型樹脂等を用いることができる。クッション層の厚さは通常、1〜50μm、好ましくは3〜30μmである。この発明でいうクッション層とは、IDカード用に作成した受像層と基材の間、筆記層と支持体の間のいずれの形態であればよく特に制限はなく、複数層合ってもかまわない。
[第2シート部材]
この発明における第2シート部材とはカード裏面側に位置する部材を表すが、カード裏面に位置するため筆記層、クッション層などを必要に応じて設けることができる。
<筆記層>
前記記載の基材上に下記記載の受像層などを設け第2シート部材などを設けることができる。この発明には必要に応じて、カードに追加情報を記録するために筆記層を設けてもよい。
筆記層は、バインダーと各種の添加剤で形成することができる。筆記層は、ICカードの裏面に筆記をすることができるようにした層でこの層が筆記性を有するため少なくとも1層以上からなることが好ましく、好ましくは1〜5層より形成されていることが好ましい。このような筆記層としては、例えば無機微細粉末、多孔質物質等を用いることができる。多孔質物質としては、例えば、シリカ(沈降性、またはゲルタイプ)、タルク、カオリン、クレー、アルミナホワイト、ケイソウ土、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を使用することができる。なお、上記多孔質物質としては、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。多孔質物質を含むことができ特に限定はない。
また、他にバインダーを用いることができ、例えばセラック、ロジンおよびその誘導体、硝化綿および繊維素誘導体、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、石油樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、塩素化ポリプロピレン、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、水溶性樹脂等を用いることができる。また、紫外線により共重合し硬化するプレポリマーを含有するUV硬化型樹脂を用いてもよい。それに用いる共重合性化合物としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアックリレート、ウレタンアクリレート、アルキドアクリレートがあげられる。中でも、ポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、が好ましく用いられる。なお、上記樹脂としては、上記化合物等の中から1種、または2種以上を混合して使用されるようにしてもよい。多孔質物質の粒径としては、1〜10μmのものを用いることができ、好ましくは平均粒径が1〜8μmであることが好ましい。樹脂に対する多孔質物質の重量比は、固形分比で樹脂100重量部に対し、20重量部〜100重量部であることが好ましい。その他の添加剤としてワックス、界面活性剤、溶剤、水を含んでいてもよく特に制限はない。
この筆記層の厚さは、好ましくは、5〜40μm、更に好ましくは5〜30μmである。筆記層を形成する場合、場合により支持体との密着性を良好にするために接着層、又は筆記性を良好にするためにクッション層などを設けてもよい。この発明の場合、仕上がった筆記層の表面Raが2.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2〜2.0μm、更に好ましくは0.3〜1.8μmである。表面粗さが0.2μm以下であると筆記性が劣化し問題となる。2.0μm以上であると、この発明の筆記可能層への表面保護材料との密着性劣化と、表面の粗さが粗いために筆記可能層に手作業または昇華熱転写方式、溶融熱転写方式、インクジェット方式に昇華熱転写、溶融熱転写、インクジェット、油性ペン、水性ペン、印鑑等により個人識別情報を記載した場合が滲んだりし判別がしづらく問題となる。
[印刷層]
この発明においては、第1シート部材、第2シート部材上に印刷層を設けることができる。具体的には受像層上または筆記層上にフォーマット印刷からなる情報坦持体を設けることができる。情報坦持体は、第1シート部材と第2シート部材は貼り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷または、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。特に限定はないが、この発明においては、オフセット印刷などで設けることが好ましい。
また、ICカードには、フォーマット印刷からなる情報坦持体が具備されており、識別情報及び書籍情報を記録した複数の選ばれる少なくとも一つが設けられた情報坦持体層からなる。具体的には、罫線、社名、カード名称、注意事項、発行元電話番号等が表記されている。
この発明のフォーマット印刷層は、目視による偽造防止の為に透かし印刷、細紋等が採用されてもよく、偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、燐片顔料層、IC隠蔽層、透かし印刷層などから表シートに印刷等で設けることも可能である。
フォーマット印刷からなる情報坦持体の形成には、日本印刷技術協会出版の「平版印刷技術」、「新・印刷技術概論」、「オフセット印刷技術」、「製版・印刷はやわかり図鑑」等に記載されている一般的なインキを用いて形成することができ、光硬化型インキ、油溶性インキ、溶剤型インキなどにカーボンなどのインキにより形成される。
この発明においては、フォーマット印刷層に使用することができる印刷層は、バインダー樹脂の代表例としては、例えば活性光線硬化性樹脂、ポリメタクリル酸メチル系のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、フェノール系樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等を挙げることができる。本発明においては光硬化型樹脂層であることが好ましく、更に好ましくは(a)一個以上の不飽和結合を有するモノマーもしくはオリゴマーの一種類以上からなるバインダー成分25〜95重量部、(b)開始剤1〜20重量部とを含む組成物からなる光硬化型樹脂組成物からなる印刷インキ層を用いることがカード表面強度の点から特に好ましいものである。活性光線硬化樹脂を用いる場合、水銀灯、UVランプ、キセノン等の光源により、100mj〜500mjの露光で硬化し用いることができる。
[ICモジュール材料]
<電子部品>
ICカードは、ICモジュールの電子部品を設けることができる。電子部品とは、情報記録部材のことを示し、具体的には当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップおよび該ICチップに接続されたコイル状のアンテナである。ICチップはメモリのみやそれに加えてマイクロコンピューターなどである。場合により電子部品にコンデンサーを含んでもよい。この発明はこれに限定はされず、情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。
<ICチップ>
この発明で用いられることのできるICチップの大きさに制限はないが、機械的強度の点からICチップの厚さは、5μm以上120μm以下であることが好ましい。好ましくは、10μm〜120μm、より好ましくは20μm〜120μmである。120μm以上であるとICチップ自身の強度が低下し、点圧強度、衝撃性、曲げ性が劣化する。5μm以下であると現状の加工技術では、均一に薄膜化できず表面性が劣化するため、点圧強度、衝撃性、曲げ性が劣化する。
<補強構造物>
この発明では、ICチップの耐久性向上のためICチップに補強構造物を固定する。この発明の補強構造物は、機械的強度に優れることが好ましい。強度確保のため補強構造物を厚くするとカード厚みが厚くなり、表面印画性などが低下するため補強構造物は高強度の素材が好ましい。金属、セラミック、カーボンファイバー、ガラス繊維、アラミト゛繊維、高弾性樹脂などが上げられる。これらより選択される。1種または複数からなる複合材料でもよい。特にヤング率100GPa以上の素材が主構造に使用されているのが好ましい。厚みとしては、10〜300μm、好ましくは、20〜200μm、さらに好ましくは、30〜150μmがよい。補強構造物の形状としては、この発明の趣旨に反しない限り、適宜用いることができる。この発明では、補強構造物形状は、1つ以上あれば特に制限はない。
<JISK−7222測定による、かさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂>
JISK−7222測定による、かさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂からなる接着剤とは、特開2004−189799、
特開平2−16180、特開2003−231875、特開平5−279508、特開2001−239606、特開2001−336104等に記載されているような発泡樹脂を用いることができる。
発泡樹脂に用いられることができるポリマー材料としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プロピレン−ジエン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリメチルアクリレート,ポリメチルメタクレート,エチレン−エチルアクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ブタジエン−スチレン,アクリロニトリル−スチレン,スチレン,スチレン−ブタジエン−スチレン,スチレン−イソプレン−スチレン,スチレン−アクリル酸等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニル−エチレン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル,ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン,6・6−ナイロン,12−ナイロン等のアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等の飽和エステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、各種エラストマーやこれらの架橋体、天然ゴムもしくは合成ゴム、ポリビニルアルコール、セルローズ、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の各種樹脂等の発泡体が挙げられる。
この発明の場合、取り扱いしやすさから好ましくは、熱、光などのトリガーにより架橋する材料であることが好ましい。具体的には熱硬化型、湿気硬化型、光硬化型などの樹脂材料からなる発泡樹脂であることが好ましい。
熱硬化型樹脂材料としては、常温で流動性を示し、加熱により硬化性を示す樹脂であれば特に限定されない。例えば、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリブタジエン、シリコーン樹脂等を挙げることができる。特に、発泡が容易で耐衝撃性の高いポリウレタン、エポキシ樹脂が好ましい。
光硬化型樹脂材料としては、ラジカル重合性成分及び光ラジカル重合開始剤、カチオン重合性成分及び光カチオン重合開始剤からなる組成物が用いることができる。この発明では、特に制限はないが好ましくは硬化後の膜の柔軟性があることより、カチオン重合性成分及び光カチオン重合開始剤からなる組成物を用いることが好ましい。
前記カチオン重合性成分としては、例えば、ビスフェノール−エポキシ樹脂、フェノリックエポキシ樹脂、ハロゲン化フェノールエポキシ樹脂、ポリアルキレングリコールエポキシ樹脂、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物が好適に用いられる。さらに、イソプロピルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物、オキセタンなどを用いることも可能である。具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性、カチオン重合成ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
前記光カチオン重合開始剤とは、光によってカチオン種を発生させる重合開始剤のことであり、一般的にはオニウム塩がよく知られている。オニウム塩としては、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩などが用いられる。これらの化合物の具体例としては、例えば、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩等が挙げられる。これらに限定されるものではなく、光照射によってカチオン種を発生させる化合物であれば使用可能である。
湿気硬化型樹脂材料としては、特開平2−16180、特開2000−036026、特開2000−219855、特開平2000−211278、特開平2000−219855、特願平2000−369855で開示されている。具体的には、ウレタン系樹脂、アルコキシド基含有シリコーン系樹脂などが挙げられる。湿気硬化接着剤の1例として、分子末端にイソシアネート基含有ウレタンポリマーを主成分とし、このイソシアネート基が水分と反応して架橋構造を形成するものがある。湿気硬化型接着剤としては、例えば積水化学工業社製9613N、住友スリーエム社製TE030、TE100、日立化成ポリマー社製ハイボン4820、カネボウエヌエスシー社製ボンドマスター170シリーズ、Henkel社製Macroplast QR3460等があげられる。
JISK−7222測定による、かさ密度が、0.03〜0.95g/cmになるためには、この発明では発泡剤が必要である。発泡剤は、前記記載の熱硬化型、湿気硬化型、光硬化型樹脂を用いた場合、発泡剤から気体が発生する前に樹脂が架橋するか、発泡剤から気体が発生した後に架橋するか、発泡剤からの気体発生と樹脂の架橋が同時に行われてもよく特に制限はない。
発泡剤は使用する樹脂により適宜選択できる。例えば、フロン、炭酸ガス、ペンタン等の物理的発泡剤や、特開2003−231875記載の気体発生剤としてアゾ化合物、アジド化合物や、重曹(炭酸水素ナトリウム)、タルク、炭酸カルシウム、クエン酸等の分解型発泡剤や、イソシアネートと水の反応で発生する炭酸ガス等の反応型発泡剤、特開平11−38610に開示されているような光熱変換材料、架橋促進剤などの反応促進型発泡剤が挙げられる。また、発泡剤としての機能が、この発明で使用する発泡剤としては、気体発生剤、分解型発泡剤、反応促進型発泡剤が製造の容易さから使用上好ましい。本発明の発泡樹脂材料中には必要に応じて各種公知の添加剤を加えることにより作製することができる。、例えば、気泡調整剤、粘着性付与剤、フィラー、粘度調整剤、染料、顔料、帯電防止剤、金属微粒子、難燃剤等が挙げられる。
また、発泡剤等の混合方法は公知の混合方法を適時採用することができる、具体的にはボールミル、メカニカル攪拌機、ホモジナイザー、超音波分散機等の公知技術を使用することができる。
前記記載の発泡樹脂組成物を使用する場合、この発明においてはかさ密度が、0.03〜0.95g/cmであることが好ましい。より好ましくは0.03〜0.90g/cmであり、より好ましくは0.03〜0.80g/cmである。0.03g/cm以下であると、クッション性が劣化し衝撃性、点圧強度、曲げ強度、印字性が劣化する。0.95g/cm以上であると空隙が多くなるため密着度が低下し、電子部品等の自由度が増し、曲げ強度、点圧強度が劣化する。かさ密度の測定法は、下記の手順で実施した。
<かさ密度測定方法>
JISK7222(発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定)の方法にて測定した。すなわち、別途10cm×10cm×5cmの大きさの物性測定用試験体を作成し、試験片を試料のセル構造を変えないように切断し、その質量を測定し、次式にて算出した。
かさ密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
<ICチップ及び補強構造物のいずれかひとつの部材に隣接の定義>
この発明では、ICチップ及び補強構造物のいずれかひとつの部材に隣接するように前記記載の、かさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂からなる接着剤を用いることが好ましい。この接着剤は、この発明で表されるカード構造中にある、ICカード用接着剤に使用するものとは違う材料である。カード端面に0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂からなる接着剤を用いると発泡した空隙層から水や薬品が浸透しやすくなり、カード破壊などがされやすく問題であるため使用はできない。ICカードに用いられる接着剤の詳細は後述する。
隣接部に設けるとはチップ部周辺、補強板周辺に設けることが好ましい。前記したようにカード端面に位置するような配置にする。より好ましくは、補強構造物と第1シート部材間、補強構造物と第2シート部材間、ICチップとアンテナ間、チップアンテナ接合部と第1シート部材間、チップアンテナ接合部と第2シート部材間、補強構造物とICチップを接続する部分に設けることが好ましく、更に好ましくは補強構造物とICチップを接続する部分に設けることが好ましい。
JISK−7222測定による、かさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂からなる接着剤は、ICチップ及び補強構造物に接触もしくは非接触で設けても良く、特に制限はないが、より好ましくは接触していることが好ましい。
<かさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂の作成方法>
前記記載の樹脂、発泡剤等の混合物後は、ICモジュール作成時またはICカード作成時のいずれかで付与することができる。ICモジュール作成時に形成する場合、ICチップ上または補強構造物上、バンプ近傍にポッティング、塗布、噴射、印刷、IJ形成等により、この発明の発泡樹脂を任意の大きさに形成することができる。
形成後、発泡のため熱、光、圧力などのトリガーなどにより発泡樹脂を発泡させることができる。
熱は20〜500℃の範囲の温度を与えることができればよく、具体的な手段としては、レーザー、ハロゲンランプ、電熱素子などの公知の技術であればよい。
光は、300〜1000nmの光源であればよく、具体的な素子としては例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等をあげることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられるが、この発明では特に制限はない。
前記発泡後、発泡を制御し、更にかさ密度の均一化をするために、この発明においては発泡後、平板プレス、ロールプレスなどを用いることが好ましい。平板プレス、ロールプレスは、圧力と特定の温度を付与するために用いられる。この発明では平板プレス、ロールプレスを用いているが、圧力と特定の温度を付与することがこの発明においては重要である。
特定の圧力とは、0.01〜100kgf/cmが好ましく、より好ましくは0.1〜50kgf/cmである。加圧時間は0.01〜180secより好ましくは0.05〜120secである。加熱は、10〜500℃が好ましく、より好ましくは30〜300℃である。
<アンテナ>
ICモジュールはアンテナとしてアンテナコイルを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、或いは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法を用いてもよい。プリント基板としては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。通信性から場合により樹脂、絶縁層などで被覆していても良い。
アンテナコイルを含む回路パターンは巻き線タイプであることが好ましく、場合により途中のコイルパターンと短絡することないよう別工程で電気的に接続することも可能である。アンテナコイルのターン回数は2〜10ターンであることが好ましいが、この発明では特に制限はない。この発明では、ICチップの回路面に形成されるバンプが、アンテナ形成されているフィルム支持体と対向してアンテナとバンプが電気的に接続される。
この発明においては、ICチップの回路面側がフィルム支持体上に形成されたアンテナとを電気的に接続するバンプ近傍に接続と2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分またはJISK−7222測定による「かさ密度」が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂のいずれか一方を満たす材料を含むことが好ましい。この発明においてはバンプ近傍に配置することが好ましいが、より好ましくはバンプに接触していることが好ましい。
この発明で使用する、2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分とは、500μmの厚さでの樹脂物性を表す(硬化性化合物である場合、硬化後樹脂物性)。この発明においては、0.05〜80kg/mmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜55kg/mmである。0.05kg/mmより低い又は80kg/mmより大きいと補強構造物への応力、変形がICチップに集中的にかかり、耐久性が低下し、問題となってしまう。この発明における2%弾性率は、下記のような方法にて測定を行った。
<2%弾性率の測定方法>
接着剤を、厚さ500μmの硬化後の接着剤シートを作成し、この接着剤シートを株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用いASTM D638に準じて、引張弾性率を測定した。
この発明で使用できる、2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分の詳細を下記に示す。
<2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂>
この発明の材料は、この発明の趣旨より反しない限り、一般に使用されている樹脂材を制限なく用いることができる。エポキシ系、ウレタン系、シリコン系、シアノアクリレート系、ニトリルゴム等の合成ゴム系、UV硬化型、ホットメルト、嫌気性、セルロース系密着剤、酢酸ビニール系密着剤等を用いることができる。これら単独、または、複数用いることもできる。好ましくは、弾性エポキシ材料が用いられる。弾性エポキシ樹脂として、例えば、低温時の硬化性を得るために特開昭63−63716に開示されるような、エポキシ樹脂とメルカプタン系硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物や、複素環状ジアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。また、高強度を得るためには芳香族ポリアミン硬化剤との組み合わせからなるエポキシ樹脂が用いられてきた。作業環境特性、支持体との接着性、接着安定性を得るために特開平10−120764に開示されているような、ビスフェノール型エポキシ樹脂とアミン系硬化剤として(C)ポリアミドアミン、(D)芳香族変性アミン、及び(E)脂肪族変性ポリアミンとの組み合わせによりエポキシ樹脂組成物が用いられている。また、特開平2000−229927には、エポキシ樹脂とアミンイミド化合物系硬化剤との組み合わせからなる硬化速度が早いエポキシ樹脂が得られている。特開平6−87190、特開平5−295272には特殊変性シリコーンプレポリマーを硬化剤と用いた記載がされており樹脂の柔軟性を改良した材料が開示されている。
この発明で用いることができる弾性エポキシ密着剤とは、例えば、セメダイン株式会社製、セメダインEP−001、株式会社スリーボンド社製、3950シリーズ、3950,3951,3952、コニシ株式会社製ボンドMOSシリーズ、MOS07、MOS10、東邦化成工業株式会社ウルタイト1500シリーズ、ウルタイト1540等を用いることが好ましい。
この発明における樹脂とは、23℃における粘度が1000〜35000cpsであることが好ましく、更に好ましくは3000〜35000cpsである。粘度が1000cps以下であるとICチップと補強構造物密着時に粘度が低すぎるため設けた液が流れてしまい膜厚制御、膜厚ムラができてしまい問題とる。また、粘度が35000cps以上であると製造時に塗工スジ、気泡が発生してしまい密着性が劣化してしまう。
また、この発明材料は、ポッティング、塗布、噴射、印刷、IJ形成等、特に制限なく補強構造物上、ICチップ上に設けることができる。
この発明では、この発明の趣旨より反しない限り、添加剤を加えることができる。特に密着剤に弾性粒子を含有するのが好ましい。密着剤に添加可能な素材としては、導電性材料、金属微粒子、WAX、熱可塑性樹脂、無機微粒子、レベリング剤、ゴム弾性粒子、熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂、粘着剤、硬化剤、硬化触媒、流展剤、平板上粒子、針状粒子、その他添加剤等を配合することも可能である。
<JISK−7222測定による「かさ密度」が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂>
前記記載した材料と同様な材料を用い、更に付与方法も同様なので省略する
<モジュール支持体>
予めICチップを含む部品を所定の位置に載置してから樹脂を充填するために、樹脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、樹脂の流動や冷却に起因して表面の平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに樹脂層を形成しておいて該樹脂層内に部品を封入するために該電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状にし使用されることができる。例えば特願平11−105476等の記載されている方法等を用いることができる。
例えば、アンテナフィルム支持体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、PET−G(イーストマンケミカル社)、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、生分解性脂肪族ポリエステル、 生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸 、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。この発明の支持体の厚みは10〜50μmが好ましい。10μm以下であると第1の支持体と第2の支持体の貼り合わせ時に熱収縮等を起こし問題である。50μm以上では、クッション効果が低下し、ICチップが破損しやすくなる。
前記記載のICチップ、アンテナ、補強構造物、モジュール支持体等からなるICモジュールの全厚さは、10〜500μmが好ましく、より好ましくは10〜450μm、更に好ましくは10〜350μmが好ましい。
[第1シート部材と、第2シート部材との間に所定の厚みの電子部品とを備える方法]
この発明の第1シート部材と第2シート部材との間に接着剤を介して所定のICモジュールとを備え、ICカード基材を製造する方法としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られているが、いずれの方法で貼り合わしてもよい。
ICカード基材の製造方法は、特開2000−036026、特開2000−219855、特開平2000−211278、特開平2000−219855、特開平10−316959、特開平11−5964等のように貼り合わせ、塗設方法が開示されている。
この発明のICカードの製造方法は、少なくとも、常温状態では固形物または粘調体であり、加熱状態では軟化する接着部材をカード用の支持体に設ける工程と、電子部品をこの支持体上に配置する工程と、この支持体上の電子部品を覆うように接着部材を設けた支持体を配置する工程と、所定の加圧加温条件の下で支持体、電子部品及び表面用の支持体とを貼り合わせる工程とを有し貼り合わせることができる。
また、この発明の「かさ密度」が0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂をこのときに用いることも可能である。具体的には、加熱状態では軟化する接着部材をカード用の支持体に設ける工程と、電子部品をこの支持体上に配置する工程と、「かさ密度」が0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂をポッティングなどによりICチップまたは補強構造物近傍に設ける工程、発泡樹脂を付与したICモジュールを、光又は熱により発泡させる工程、この支持体上の電子部品を覆うように接着部材を設けた支持体を配置する工程と、所定の加圧加温条件の下で支持体、電子部品及び表面用の支持体とを貼り合わせる工程とを有し貼り合わせることができる。
該固形物または粘調体の加熱状態で軟化する接着部材とは、接着剤自身をシート状に形成し具備する方法と接着剤自身を加熱または常温で溶融し射出成型によって貼り合わせることが好ましい。
該シート部材付与時に粘調体である接着部材とは、接着剤自身をシート状に形成し具備する方法と接着剤自身を加熱または常温で溶融し塗布又は射出成型によって貼り合わせることが好ましい。
貼り合わせ時には、基材の表面平滑性、第1シート部材と第2シート部材との間の密着性をあげるために加熱及び加圧を行うことが好ましく、上下プレス方式、ラミネート方式、キャタピラ方式等で製造することが好ましい。加熱は、10〜120℃が好ましく、より好ましくは30〜100℃である。加圧は、0.05〜300kgf/cmが好ましく、より好ましくは0.05〜100kgf/cmである。これより圧が高いICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ましくは、0.1〜180secより好ましくは0.1〜120secである。これより時間が長いと製造効率が低下する。
前記接着剤貼合法や樹脂射出法で貼り合わせた枚葉シート又は連続塗工ラミロールは、接着剤の所定硬化時間に合わした時間内放置後、認証識別画像や書誌事項を記録しても良く、その後所定のカードサイズに成形しても良い。所定のカードサイズに形成する方法としては打ち抜く方法、断裁する方法等が主に選択されICカード基材を作成することができる。
ICカード基材作成用に用いられるICカード接着剤とは、2%弾性率が1kg/mm以上90kg/mm以下、破断点伸度200%以上1300%以下の材料であることが好ましい。1kg/mm未満であるとカード状に成型する際に劣化し問題となる。90kg/mmより大きいと、衝撃性、点圧強度、曲げ性が劣化し問題となる。破断伸度200%未満であると衝撃性、点圧強度、曲げ性が劣化し問題となる。1300%より大きいとカード状に成型する際に劣化し問題となる。この発明では2%弾性率が1kg/mm以上90kg/mm以下、破断点伸度200%以上1300%以下の材料であることが好ましいが、より好ましくは、発行後のICカードの薬品耐性等から、反応型接着剤が好ましい。具体的には光硬化型接着剤若しくは湿気硬化型接着剤、エポキシ接着剤等である。この発明では湿気硬化型接着剤を用いることが好ましい。反応型ホットメルト接着剤として湿気硬化型の材料があり、特開2000−036026、特開2000−219855、特開平2000−211278、特願平2000−369855で開示されている。光硬化型接着剤として特開平10−316959、特開平11−5964等に開示されている。これら接着剤のいずれも使用してもよく、この発明には制限はない材料を用いることが好ましい。接着剤の全体の膜厚は、仕上がりカードに依存するが、800〜300μmが好ましく、更に好ましくは800〜400μm、より好ましくは700〜400μmである。
<2%弾性率、破断伸度の測定方法>
接着剤を、厚さ500μmの硬化後の接着剤シートを作成し、この接着剤シートは株式会社オリエンテックテンシロン万能試験機RTA−100を用いASTM D638に準じて、引張弾性率、破断伸度を測定した。
この発明で実施可能なICカードの断面層などの構成の1例を図1乃至図18に示した。
[仕上がりICカード厚さ]
この発明では前記記載の材料から構成されICカードを作成することができる。この発明対象ICカードは、厚さ300〜1200μmの厚さを有することが好ましく、更に好ましくは400〜1000μmであり、より好ましくは400〜1000μmであることがこのましい。最大膜厚をICカード厚さとした。厚み測定は、接触式の膜厚計(東京精密社製 電機マイクロメーター ミニコムM)を用いて測定を行った。
<画像記録体の画像形成方法>
前記作成されたICカードに画像要素すなわち顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも1つを設けた発行済みICカードを、画像記録体と称する。顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも1つは、第1シート部材または第2シート部材のいずれに設けてもよく、好ましくは第1シート部材側に設けることが好ましい。
顔画像は通常の場合、階調を有するフルカラー画像で、例えば昇華型感熱転写記録方式、溶融型感熱転写記録方式、電子写真方式、インクジェット方式等により作製されている。この発明においては、昇華型感熱転写記録方式により顔画像等の認証識別画像、属性情報画像を記録することが好ましい。
属性情報は氏名、住所、生年月日、資格等であり、属性情報は通常文字情報として記録され溶融型感熱転写記録方法が一般的である。フォーマット印刷または、情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によって形成することができる。
具体的に使用される昇華型熱転写材料及び形成方法、溶融型熱転写材料及び形成方法の具体的な材料を下記に示す。さらに、偽変造防止の目的で透かし印刷、ホログラム、細紋等を設けても良い。具体的な偽造変造防止層としては印刷物、ホログラム、バーコード、マット調柄、細紋、地紋、凹凸パターンなどで適時選択さ、可視光吸収色材、紫外線吸収材、赤外線吸収材、蛍光増白材、金属蒸着層、ガラス蒸着層、ビーズ層、光学変化素子層、パールインキ層、隣片顔料層などから成るものが挙げられる。
<昇華画像形成方法>
昇華型感熱転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された昇華性色素含有インク層とで構成することができる。
(支持体)
支持体としては、寸法安定性がよく、感熱ヘッドでの記録の際の熱に耐える限り特に制限がなく、従来から公知のものを使用することができる。
(昇華性色素含有インク層)
上記昇華性色素含有インク層は、基本的に昇華性色素とバインダーとを含有する。前記昇華性色素としてはシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
シアン色素としては、特開昭59−78896号公報、同59−227948号公報、同60−24966号公報、同60−53563号公報、同60−130735号公報、同60−131292号公報、同60−239289号公報、同61−19396号公報、同61−22993号公報、同61−31292号公報、同61−31467号公報、同61−35994号公報、同61−49893号公報、同61−148269号公報、同62−191191号公報、同63−91288号公報、同63−91287号公報、同63−290793号公報などに記載されているナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
マゼンタ色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−30392号公報、同60−30394号公報、同60−253595号公報、同61−262190号公報、同63−5992号公報、同63−205288号公報、同64−159号、同64−63194号公報等の各公報に記載されているアントラキノン系色素、アゾ色素、アゾメチン系色素等が挙げられる。
イエロー色素としては、特開昭59−78896号公報、同60−27594号公報、同60−31560号公報、同60−53565号公報、同61−12394号公報、同63−122594号公報等の各公報に記載されているメチン系色素、アゾ系色素、キノフタロン系色素およびアントライソチアゾール系色素が挙げられる。
また、昇華性色素として特に好ましいのは、開鎖型または閉鎖型の活性メチレン基を有する化合物をp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン色素およびフェノールまたはナフトール誘導体またはp−フェニレンジアミン誘導体の酸化体またはp−アミノフェノール誘導体の酸化体のとのカップリング反応により得られるインドアニリン色素である。
また、受像層中に金属イオン含有化合物が配合されているときには、この金属イオン含有化合物と反応してキレートを形成する昇華性色素を、昇華性色素含有インク層中に含めておくのが良い。このようなキレート形成可能な昇華性色素としては、例えば特開昭59−78893号、同59−109349号、特願平2−213303号、同2−214719号、同2−203742号に記載されている、少なくとも2座のキレートを形成することができるシアン色素、マゼンタ色素およびイエロー色素を挙げることができる。
キレートの形成可能な好ましい昇華性色素は、下記一般式で表わすことができる。
X1 −N=N−X2 −G
ただし、式中X1 は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族の炭素環、または複素環を完成するのに必要な原子の集まりを表わし、アゾ結合に結合する炭素原子の隣接位の少なくとも一つが、窒素原子またはキレート化基で置換された炭素原子である。X2 は、少なくとも一つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族複素環または、芳香族炭素環を表わす。Gはキレート化基を表わす。
いずれの昇華性色素に関しても前記昇華性色素含有インク層に含有される昇華性色素は、形成しようとする画像が単色であるならば、イエロー色素、マゼンタ色素、およびシアン色素の何れであっても良く、形成しようとする画像の色調によっては、前記三種の色素のいずれか二種以上もしくは他の昇華性色素を含んでいても良い。前記昇華性色素の使用量は、通常、支持体1m当たり0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。
インク層のバインダーとしては特に制限がなく従来から公知のものを使用することができる。さらに前記インク層には、従来から公知の各種添加剤を適宜に添加することができる。また、インクシート用支持体には、バインダーとの接着性の改良や色素のインクシート用支持体側への転写、染着を防止する目的で下引層を有していてもよい。更にインクシート用支持体の裏面(インク層と反対側)には、ヘッドのインクシート用支持体に対する融着やスティッキング、熱昇華型感熱転写インクシートのシワが発生するのを防止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上記のオーバーコート層、下引層及びスティッキング防止層厚みは、通常0.1〜1μmである。
昇華型感熱転写記録用インクシートは、インク層を形成する前記各種の成分を溶媒に分散ないし溶解してなるインク層形成用塗工液を調製し、これを支持体の表面に塗工し、乾燥することにより製造することができる。かくして形成されたインク層の膜厚は、通常、0.2〜10μmであり、好ましくは、0.3〜3μmである。
<熱溶融画像形成方法>
(熱溶融性インク層)
熱溶融転写記録用インクシートは、支持体とその上に形成された熱溶融含有インク層とで構成することができる。熱溶融性インク層は、熱溶融性化合物、熱可塑性樹脂および着色剤等から構成される。また、昇華型感熱転写記録用インクシート同様、熱溶融型感熱転写インクシートのシワが発生するのを防止する目的でスティッキング防止層を設けてもよい。上記のオーバーコート層、下引層及びスティッキング防止層の厚みは、通常0.1〜1μmである。
熱溶融性化合物としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものを任意に使用することができ、具体的には、たとえば、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂の低分子量物、特開昭63−193886号公報の第4頁左上欄第8行から同頁右上欄第12行までに例示の物質を挙げることができ、さらにこれらの他に、ロジン、水添ロジン、重合ロジン、ロジン変性グリセリン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性ポリエステル樹脂、ロジン変性フェノ−ル樹脂およびエステルガム等のロジン誘導体、ならびにフェノ−ル樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、シクロペンタジエン樹脂および芳香族炭化水素樹脂などを挙げることができる。なお、これらの熱溶融性化合物は、分子量が通常、10,000以下、特に、5,000以下で、融点もしくは軟化点が50〜150℃の範囲にあるものが好ましい。前記熱溶融性化合物は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記熱可塑性樹脂としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものなど各種のものが使用可能であり、たとえば、特開昭63−193886号公報の第4頁右上欄第5頁左上欄第18行に例示の物質を挙げることができる。前記熱溶融性インク層の成分として使用される前記着色剤としては、通常この種の熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層に使用されるものを制限なく使用することができ、たとえば、特開昭63−193886号公報第5頁右上欄第3行から第15行に記載の無機顔料、有機顔料等の顔料、ならびに有機染料等の染料を挙げることができる。
これら各種の着色剤は、一種単独で使用してもよいし、必要に応じて、二種以上を併用してもよい。前記熱溶融性インク層には、必要に応じて本発明の目的を阻害しない範囲で、上記以外の他の添加成分を適宜添加することができる。たとえば、この熱溶融性インク層には、フッ素系界面活性剤を含有させても良い。フッ素系界面活性剤の含有により、前記熱溶融性インク層のブロッキング現象を防止することができる。また、転写した文字情報含有画像の先鋭性すなわち、文字境界部の切れを良くするために有機微粒子、無機微粒子、非相溶性樹脂を添加するのも効果的である。前記熱溶融性インク層の膜厚は、通常、0.6〜5.0μmであり、特に1.0〜4.0μmであるのが好ましい。この熱溶融性インク層は、形成成分を有機溶媒に分散あるいは溶解して塗布する方法(有機溶剤法)、加熱により熱可塑性樹脂などを軟化あるいは溶融状態にして塗布する方法(ホットメルト塗布法)などを採用して塗設されていても良いが、形成成分を水や有機溶媒に分散もしくは溶解させたエマルジョン、もしくは溶液などを用いて塗工されてなるのが好ましい。前記熱溶融性インク層の塗設に用いる塗工液中の層形成成分の合計の含有率は、通常は、5〜50重量%の範囲内に設定される。塗布方法は、通常の方法を利用して行なうことができる。塗布方法の例としては、ワイヤーバーを用いた方法、スクイズコート法およびグラビアコート法などを挙げることができる。また、熱溶融性インク層は、少なくとも一層で設けられていることが必要であるが、たとえば着色剤の種類および含有率、あるいは熱可塑性樹脂と熱溶融性化合物との配合比率などの異なる二層以上の熱溶融性インク層を積層して構成してもよい。
<認証識別画像の形成>
認証識別画像を形成するには、昇華型感熱転写記録用インクシートの熱拡散性色素含有インク層と基材における受像層とを重ねあわせ、熱拡散性色素含有インク層と受像層とにイメージワイズに熱エネルギーを与える。すると、熱拡散性色素含有インク層中の熱拡散性色素は、この画像形成時に加えられた熱エネルギーに応じた量だけ気化あるいは昇華し、受像層側に移行し、受容される結果、受像層に階調情報含有画像が形成される。
熱エネルギーを与える熱源としては、サーマルヘッドが一般的であるが、このほかにレーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のものを使用することができる。熱エネルギーを与える熱源としてサーマルヘッドを用いるときは、サーマルヘッドに印加する電圧あるいはパルス巾を変調することにより、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多段階に変化させることができる。熱エネルギーを与える熱源としてレーザー光を用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化させることにより与える熱エネルギーを変化させることができる。
この場合、レーザー光を吸収し易くするため、レーザー光吸収材料(例えば、半導体レーザーの場合、カーボンブラックや近赤外線吸収物質など)をインク層中、もしくはインク層近傍に存在せしめるとよい。なお、レーザー光を用いるときは昇華型感熱転写記録用インクシートと基材における受像層とを充分に密着させて行うとよい。
熱エネルギーの与え方としては昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なっても、感熱転写記録用受像シート側から行っても、あるいは両側から行ってもよいが、熱エネルギーの有効利用を優先させるなら、昇華型感熱転写記録用インクシート側から行なうのが望ましい。以上の熱転写記録により、感熱転写記録用受像シートの受像層に一色の画像を記録することができるが、下記の方法によると、各色の掛け合せからなるカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。たとえばイエロー、マゼンタ、シアンおよび必要に応じて黒色の感熱転写記録用感熱シートを順次取り換えて、各色に応じた熱転写を行なうと、各色のかけあわせからなるカラー写真調のカラー画像を得ることもできる。
さらに上記方法で画像を形成した後に、画像保存性の向上の目的で、上記記載の方法で加熱処理を施してもよい。たとえば、画像形成面全面にわたって、サーマルヘッドで昇華型感熱転写記録用インクシートの熱拡散性色素含有インク層を設けていない部分を用いて、加熱処理したり、あるいは新たにヒートロール等の加熱処理を行ってもよい。また、近赤外線吸収剤を含有している場合には、赤外線フラッシュランプを用いて画像形成面を露光させてもよい。いずれの場合も、加熱手段は問わないが、受像層内部に色素をさらに拡散させるのが目的であるので、加熱方向は受像層の支持体側から加熱するのが効果的で、この発明ではサーマルヘッドを用いることが好ましい。
この発明では、感熱転写記録用受像シ−トの受像層と熱溶融型感熱転写記録用シ−トとを重ね合わし、画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm〜0.01の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm〜0.01、更に好ましくは0.25kg/cm〜0.02である。
<属性情報の形成>
前記熱溶融型感熱転写記録用インクシートを用いる熱溶融型転写方法は、通常の感熱転写記録方法と異なるものではない前記記載の認証識別画像層を形成の際に使用した場合と同様な方法で形成することができる。
具体的には、熱溶融型感熱転写記録用インクシートの熱溶融性インク層と基材の受像層面とを密着させ、必要に応じてさらに熱溶融性インク層にサーマルヘッドによって熱パルスを与え、所望の印字ないし転写パターンに対応する熱溶融性インク層を局部的に加熱する。
熱溶融性インク層の被加熱部は、その温度が上昇し、速やかに軟化して基材の受像面に転写される。なお、この文字、図形、記号あるいは罫線等の階調性を必要としない非階調情報含有画像の形成は、前記した階調情報含有画像の形成に先立って行われても良く、また、階調情報含有画像が形成されてからこの非階調情報含有画像の形成が行われてもよい。また、この文字情報含有画像は、前記昇華型感熱転写記録用インクシートを使用することによっても形成することができる。
この発明では、感熱転写記録用受像シ−トの受像層と熱溶融型感熱転写記録用シ−トとを重ね合わし、文字情報画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm〜0.01の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm〜0.01、更に好ましくは0.25kg/cm〜0.02である。
<カード表面保護用転写箔>
ICカード発行装置において、カードの表面強度を向上させる目的で、一般な転写箔を用い表面保護をすることができる。例えば下記のような材料を用いることができる。
(転写箔用支持体)
支持体としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体が挙げられる。支持体の厚みは10〜200μm望ましくは15〜80μmである。10μm以下であると支持体が転写時に破壊してしまい問題である。本発明の特定離型層においては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作成手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。マットコーティングの場合有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレン或いはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。この発明で凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。また必要に応じて帯電防止層を具備していてもよい。
(転写箔離型層)
剥離層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、またはこの硬化物、等が挙げられる。他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは分散するなどして用いることができる。この離型層は、離型層の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.000g/m〜3.00g/mであり、より好ましくは0.000005g/m〜2.00g/mであり、さらに好ましくは0.00001g/m〜2.00g/mである。転写箔を2枚以上転写する場合は熱可塑性エラストマーを添加してもよい。
また、必要に応じて、この発明の離型層と樹脂層或いは活性光線硬化層との間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、前述のようにカードのゴミ付着、装置バグ防止を行うために、c)金属酸化物微粒子、d)導電性粉末又は導電性樹脂の何れか1つ以上を含んでいてもよい。
(表面保護層)
次いで離型層に隣接しカード表面保護層を設けることができる。具体的にはポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えばイソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリカーボネート、ポリスチレン、スビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、本発明のカード用表面保護層として好ましいのは、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの樹脂であり。特に好ましくは光硬化済硬化層を設けることが好ましい。
光硬化型樹脂層としては、活性光線硬化性樹脂を用いることができる。活性光線硬化性樹脂は、付加重合性または開環重合性を有するものであり、付加重合性化合物とは、ラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982、特開平10−863の各号公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料などである。付加重合性化合物とは、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号、特開平8−324137公報等に公開されている。ラジカル重合性化合物には通常の光重合性化合物及び熱重合性化合物が包含される。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性組成物中の添加量は好ましくは1〜97重量%であり、より好ましくは30〜95重量%である。これらの中で特に好ましいものは、常温での安定性に優れ、加熱時の分解速度が速く、かつ分解時に無色となる化合物であり、このようなものとしては、過酸化ベンゾイル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。また、この発明では、これらの熱重合開始剤を1種又は2種以上混合して用いることができる。更に、熱重合開始剤は、熱重合性の組成物中通常0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜20重量%の範囲がより好ましい。カチオン重合系光硬化樹脂としては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプ(主にエポキシタイプ)のエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。紫外線硬化保護層形成用コーティング剤中の、エポキシ基を1分子内に2個以上有するプレポリマーの含有量は70重量%以上であるのが好ましい。カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
上記カチオン重合性化合物のカチオン重合性組成物中の含有量は1〜97重量%が好ましくは、より好ましくは30〜95重量%である。
カチオン重合系光硬化樹脂の開始剤としては、芳香族オニウム塩を挙げることができる。この芳香族オニウム塩として、周期表第Va族元素の塩たとえばホスホニウム塩(たとえばヘキサフルオロリン酸トリフェニルフェナシルホスホニウムなど)、第VIa族元素の塩たとえばスルホニウム塩(たとえばテトラフルオロホウ酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリフェニルスルホニウム、ヘキサフルオロリン酸トリス(4−チオメトキシフェニル)、スルホニウムおよびヘキシサフルオロアンチモン酸トリフェニルスルホニウムなど)、および第VII a族元素の塩たとえばヨードニウム塩(たとえば塩化ジフェニルヨードニウムなど)を挙げることができる。
このような芳香族オニウム塩をエポキシ化合物の重合におけるカチオン重合開始剤として使用することは、米国特許第4,058,401号、同第4,069,055号、同第4,101,513号および同第4,161,478号公報に詳述されている。好ましいカチオン重合開始剤としては、第VIa族元素のスルホニウム塩が挙げられる。その中でも、紫外線硬化性と紫外線硬化性の組成物の貯蔵安定性の観点からすると、ヘキサフルオロアンチモン酸トリアリールスホニウムが好ましい。またフォトポリマーハンドブック(フォトポリマー懇話会編 工業調査会発行 1989年)の39〜56頁に記載の公知の光重合開始剤、特開昭64−13142号、特開平2−4804号に記載されている化合物を任意に用いることが可能である。活性光線硬化型樹脂層には必要に応じて、増感剤、重合促進剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加できる。
この光硬化済硬化層は、3.0〜15g/mであることが好ましい。特に好ましくは、3.0〜13g/m、より好ましくは5.0〜13g/mである。3.0g/m以下であるとスクラッチ強度が低下し問題となる。光硬化済層の膜厚15g/m以上であるとスクラッチ強度は良好であるもののカード転写後時の剥離力変化によりバリが発生しやすくなり装置内でのゴミ発生量が増しゴミ付着量が増大し問題となる。
前記光硬化層を硬化させる方法としては、製造時に硬化させる方法などいずれの方式を採用してもよい。活性光線としては、重合開始剤に対し活性な電磁波を発生させるものは全て用いることができる。例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等をあげることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられ、この際加えられるエネルギーは、重合開始剤の種類のより、露光距離、時間、強度を調整することにより適時選択して用いることができる。また活性光線は、場合により、窒素置換、減圧下等による方法で空気を遮断し重合速度を向上させてもよい。レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。レーザー光源としてはアルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。
表面保護と偽変造防止の目的で光学変化素子層転写層設けることが可能である。光学変化素子(Optical Variable Device:OVD)とは、1)キネグラムのような回析格子の2次元のCG画像であり、線画像構成の画像が移動、回転、膨張、縮小等自由に動き変化する点に特徴があるもの、2)Pixelgramのような画像がポジとネガに変化する特徴があるようなもの、3)OSD(Optical Security Device)のような色が金色から緑色に変化するもの、4)LEAD(Long Lasting Economical Anticopy Device)のような像画が変化して見えるもの、5)ストライブ型OVD、6)金属箔等を表し、日本印刷学会誌(1998年)第35巻第6号P482〜P496記載に有るような用紙の素材、特殊な印刷技法、特殊インキ等でセキュリティを維持してもよい。この発明においては、ホログラムがとくに好ましい。
(中間層及びプライマー層、バリヤ層)
転写箔は、該表面保護層に隣接したポリビニルブチラール樹脂又はポリブチラールの中間層又は/及び接着層を有し、且つ該中間層又は/及び接着層に紫外線吸収剤を含有することが好ましい。該中間層の他にバリヤ層、ホログラム層、光学変化素子層、プライマー層等を層間密着性、カード密着性のために付与してもよく制限はない。
転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく、場合によりプライマー層、バリヤ層として介在しても層間の接着性をさらに向上させてもよい。中間層は、画像の耐光性をあげるために、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、色素画像の紫外線吸収用として機能し、かつ熱転写が可能であればよく、例えば特開昭59−158287号、同63−74686号、同63−145089号、同59−196292号、同62−229594号、同63−122596号、同61−283595号、特開平1−204788号等の各公報に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を使用することができる。具体的にはサリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系のものが挙げられ、例えばTinuvin P、Tinuvin123、234、320、326、327、328、312、315、384、400(チバガイギー社製)、Sumisorb−110、130、140、200、250、300、320、340、350、400(住友化学工業(株)製)、MarkLa−32、36、1413(アデカア−ガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。また、ベンゾフェノン誘導体等を側鎖に持つペンダントポリマーも好ましく用いられる。また、紫外線領域に吸収を持つ無機微粒子、超微粒子金属酸化物粉末分散剤等も使用することができる。無機微粒子としては酸化チタン、酸化亜鉛、ケイ素化合物等が挙げられる。超微粒子金属酸化物粉末分散剤としては、超微粒子酸化亜鉛粉末、超微粒子酸化チタン粉末、等を水又はアルコール混合液又は各種油性分散媒体と、界面活性剤や水溶性高分子や溶剤可溶性高分子等の分散剤を用いて作られたものが挙げられる。
酸化防止剤としては、特開昭59−182785号、同60−130735号、特開平1−127387号等の各公報に記載の酸化防止剤、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。具体的にはフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、アミン系等の一次酸化防止剤、或いは硫黄系、リン系等の二次酸化防止剤が挙げられ、例えばSumilizerBBM−S、BHT、BP−76、MDP−S、GM、WX−R、BP−179、GA、TPM、TP−D、TNP(住友化学工業(株)製)、Irganox−245、259、565、1010、1035、1076、1081、1098、3114(チバガイギー社製)、MarkAQ−20、AO−30、AO−40(アデカアーガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。
光安定化剤としては、特開昭59−158287号、同63−74686号、同63−145089号、同59−196292号、同62−229594号、同63−122596号、同61−283595号、特開平1−204788号等の各公報に記載の化合物、及び写真その他の画像記録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を挙げることができる。具体的にはヒンダードアミン系等が挙げられ、例えばTinuvin622LD、144、Chimassob 944 LD(チバガイギー社製)、サノール LS−770、LS−765、LS−292、LS−2626、LS−114、LS−774(三共(株)製)、Mark LA−62、LA−67、LA−63、LA−68、LA−82、LA−87(アデカアーガス化学(株)製)等の商品名のものが使用できる。
紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤の他にバインダーを用いることができ、本発明では、中間層として光硬化済層への密着性等からポリビニルブチラール樹脂又はポリブチラールを用いることが特に好ましい。
併用して、例えば熱可塑性樹脂として塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が挙げられ具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されているSEBS樹脂、SEPS樹脂およびそれらの変性物などを用いることができる。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。
具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂としては積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、BL−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては熱硬化前の重合度に限定はい。皮膜強度UPのために熱硬化性化合物を添加してもよい。具体的にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。
紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤はバインダーに100重量%に対し0.05〜20重量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05重量%〜10重量%以下となる。紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤を含有している中間層膜厚は、0.05〜15.0g/mであることが好ましく、より好ましくは0.05〜10g/m、更に好ましくは0.1〜10.0g/mである。
(接着層)
転写箔の接着層としては、熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えばフェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられそれらの共重合体や混合物でもよい。
具体的には、ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体としては東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613、互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の重量比は9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。またこの層には、前記記載の紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤を含有していてよい。
<ICカード作成装置>
以下、ICカード作成装置実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態の説明及び図面に限定されるものではない。ICカード作成装置の実施の形態を図19に示す。
図19には、上方位置にカード供給部110及び情報記録部120が配置され、下方位置に、表面保護層付与部170が配置され、この後更に表面保護層付与部170が配置され、画像記録体としてICカードを作成することができる。
カード基材供給部110には、カード使用者の個人情報を書き込むために予め枚葉状にカットされた複数枚のカード基材150が、顔写真を記録する面を上に向けてストックされている。この例では、カード基材150が支持体と受像層からなり、このカード基材150は1枚ずつカード基材供給部110から所定のタイミングで自動供給される。
情報記録部120には、イエローリボンカセット121、マゼンタリボンカセット122、シアンリボンカセット123、ブラックリボンカセット131が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド125〜128が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材150が移動されている間に、その受像層の所定領域にカード使用者の顔写真等の諧調を有する画像領域が記録される。また、文字リボンカセット131及び記録ヘッド132が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の認証識別情報が記録され、画像記録層が形成される。文字情報画像を形成する際に記録信号に応じて0.3kg/cm〜0.01の範囲で加圧し、ヘッドの温度50〜500℃、好ましくは100〜500℃、100〜400℃で階調情報含有画像を形成することが好ましい。更に好ましくは0.25kg/cm〜0.01、更に好ましくは0.25kg/cm〜0.02である。
さらに画像、文字が記録された受像体上に下記手段によって表面保護層を設けた。
表面保護層170では、転写箔カセット171が配置され、この転写箔カセット171に対応してヒートロール172が配置されている。表面保護転写箔164を転写し、表面保護層含有転写層が設けられる。
透明保護層形成する際のヒートロール表面温度は200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力150kg/cmで1.2秒間熱をかけて転写を行った。この発明では、カードに書誌情報及び識別情報を記録するICカード作成装置であれば特に制限はなく、この発明の事例の1つとして表面保護層を2層設けたときの実例を示した。
「実施例」
以下、実施例を挙げて、この発明を詳細に説明するが、この発明の態様はこれに限定されない。
[発泡樹脂の作成]
<発泡樹脂1>
Henkel社製Macroplast QR3460(湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱しながら乾燥窒素を吹き込み混連攪拌がら発泡樹脂を得た。かさ密度は、0.45g/cmであった。
<発泡樹脂2>
下記の組成物を120℃で加熱混合して光重合性組成物を調製した。この組成物を120℃に加熱し乾燥窒素ガスにより0.4MPaに加圧しながら、200rpmで30分間撹拌して窒素ガスを圧入した後大気圧下に開放して発泡させ、更に365nmの紫外線を1500mJ/cmの強度で照射し光硬化型粘着性発泡体を得た。かさ密度は、0.9g/cmであった。
発泡樹脂2組成物
リカレジンDME−100(新日本理化(株)社製) 7重量部
リカレジンBEO−60E(新日本理化(株)社製) 25重量部
エピコート1003F(油化シェルエポキシ(株)社製) 60重量部
光カチオン重合開始剤UVI−6990(ユニオンカーバイド(株)社製) 5重量部
<発泡樹脂3>
下記の組成物を120で加熱混合して発泡樹脂を調製した。この組成物を120℃に加熱し特定箇所に皮膜を形成し、発振波長830nmの半導体レーザーを用い、0.1メガワット/cmの露光強度で皮膜全表面を露光し、湿気硬化型発泡体を得た。かさ密度は、0.4g/cm3であった。
発泡樹脂3組成物
エスダイン9621(湿気硬化型接着剤) 80重量部
カーボンブラック分散物〔大日本インキ化学工業(株)製、SD−9020〕
20重量部
<発泡樹脂4>(比較例)
発泡樹脂1と同様な製造方法で作成したが、乾燥窒素吹き込み量を約10倍にし混連攪拌しながら発泡樹脂を得た。かさ密度は、1.2g/cmであった。
<発泡樹脂5>(比較例)
発泡樹脂1と同様な製造方法で作成したが、乾燥窒素吹き込みは実施しなかった。かさ密度は、0g/cmであった。
[アンテナとを電気的に接続するバンプ部に使用する密着剤の作成]
<密着剤1>
2液硬化型弾性エポキシ接着剤:東邦化成工業株式会社製
ウルタイト1540セット(硬化後、2%弾性率0.4%、)を用いた主剤と硬化剤を使用した。
<密着剤2>
スリーボンド本剤2002H/硬化剤2105F(硬化後2%弾性率0.05%)を用いた主剤と硬化剤を使用した。
<密着剤3>
アロンアルファGEL−10(2%弾性率60kg/mm、東亜合成(株)社製)を使用した。
<密着剤4>(比較例)
セミコート220H(2%弾性率300kg/mm、信越化学社製)を使用した。
<密着剤5>
前記発泡樹脂1を使用した。
<密着剤6>
前記発泡樹脂2を使用した。
<密着剤7>
前記発泡樹脂3を使用した。
<密着剤8>(比較例)
前記発泡樹脂4を使用した。
<密着剤9>(比較例)
前記発泡樹脂5を使用した。
[ICモジュールの作成]
<ICモジュール1>
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μmの透明PET支持体に、厚み60μm、3×3mm角のICチップとアンテナを導電性接着剤で厚み20μm接合し、次いでSUS301からなる厚み50μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させICモジュール1を得た。
<ICモジュール2>
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μmの透明PET支持体に、厚み60μm、3×3mm角のICチップとアンテナを導電性接着剤で厚み20μm接合し、次いでSUS301からなる厚み50μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついで第1補強板の上にSU301からなる厚み50μmの5×5mm角板状の第2補強板を乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1により第2の補強板面積より大きくなり厚み10μmになるようポッティングしチップを封止するよう離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させICモジュール2を得た。
<ICモジュール3>
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μmの透明PET支持体に、厚み60μm、3×3mm角のICチップとアンテナを導電性接着剤で厚み20μm接合し、次いでSUS301からなる厚み50μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂2を10μmの厚さでチップを封止するようにポッティングし、365nmの紫外線を1500mJ/cmの強度で照射し、離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレス後硬化させた後ICモジュール3を得た。
<ICモジュール4>
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μmの透明PET支持体に、厚み60μm、3×3mm角のICチップとアンテナを導電性接着剤で厚み20μm接合し、次いでSUS301からなる厚み50μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂3を10μmの厚さになるようポッティングし、チップを封止するよう形成する。更に半導体レーザーで露光し、離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させICモジュール4を得た。
<ICモジュール5>(比較例)
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μmの透明PET支持体に、厚み60μm、3×3mm角のICチップとアンテナを導電性接着剤で厚み20μm接合し、次いでSUS301からなる厚み50μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂4を10μmの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させICモジュール5を得た。
<ICモジュール6>(比較例)
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み38μmの透明PET支持体に、厚み60μm、3×3mm角のICチップとアンテナを導電性接着剤で厚み20μm接合し、次いでSUS301からなる厚み50μmの4×4mm角板状の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂5を10μmの厚さになるようポッティングしチップを封止するよう離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させICモジュール6を得た。
<ICモジュール7>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させICモジュール7を得た。
<ICモジュール8>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から密着剤1により厚み10μmになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール8を得た。
<ICモジュール9>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から密着剤2により厚み10μになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させ、密着剤2に対して365nmの紫外線を1500mJ/cmの強度で照射し、ICモジュール9を得た。
<ICモジュール10>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から密着剤3により厚み10μmになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させ密着剤3に対して半導体レーザーで照射後、ICモジュール10を得た。
<ICモジュール11>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から密着剤4により厚み10μmになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール11を得た。
<ICモジュール12>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのハ゛ンフ゜を電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から乾燥窒素の圧力により発泡させた密着剤5により厚み10μmになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール12を得た。
<ICモジュール13>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から窒素ガスの圧力により発泡させた密着剤6により厚み10μmになるようバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール13を得た。
<ICモジュール14>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側からポッティングし、半導体レーザーにより発泡させた密着剤7を厚み10μmになるようバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール14を得た。
<ICモジュール15>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から乾燥窒素の圧力により発泡させた密着剤8により厚み10μmになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール15を得た。
<ICモジュール16>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついでバンプを電気的に直接接続した側から乾燥窒素の圧力により発泡させた密着剤9により厚み10μmになるようポッティングしバンプ部を封止した。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール16を得た。
<ICモジュール17>
直径50μmの銅線アンテナに厚み180μm、3×3mm角のICチップのバンプを電気的に直接接続し、SUS301からなる厚み30μmの4×4mm角板状の第1の補強板を回路面と反対側に乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1を10μmの厚さになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついで第1補強板の上にSUS301からなる厚み30μmの5×5mm角板状の第2補強板を配置し、乾燥窒素の圧力により発泡させた発泡樹脂1により厚み10μmになるようポッティングしチップを離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし接着させた。ついで厚み50μmの不織布支持体上に補強板とアンテナを密着させICモジュール17を得た。
<ICモジュール18>
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み250μmの透明PET支持体に、厚み180μm、3×3mm角のICチップを厚み110μmの4×5mm角板状のリードフレーム金属板上に回路面と反対側を、発泡樹脂1を5μmの厚さになるようポッティングしチップ密着させ、ワイヤーボンディングにより回路とリードフレームを電気的に接続した後、封止するよう密着剤樹脂1をさらにICチップ上に80μmとなるようポッティングしICチップを封止した。その後、離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし成型した。ついでアンテナを形成した透明PETにチップ封止部を勘合しリードフレームとアンテナを導電性接着剤により電気的に接合しICモジュール18を得た。
<ICモジュール19>
エッチングによりアンテナパターンの形成された厚み250μmの透明PET支持体に、厚み180μm、3×3mm角のICチップを厚み110μmの4×5mm角板状のリードフレーム金属板上に回路面と反対側を、発泡樹脂1を5μmの厚さになるようポッティングしチップ密着させ、ワイヤーボンディングにより回路とリードフレームを電気的に接続した後、封止するよう密着剤樹脂5をさらにICチップ上に80μmとなるようポッティングしICチップを封止した。その後、離型処理された加圧ロール(0.001kg/cm)によりプレスし成型した。ついで、アンテナを形成した透明PETにチップ封止部を勘合しリードフレームとアンテナを導電性接着剤により電気的に接合しICモジュール19を得た。
<ICモジュール20>
ICモジュール1と同様な方法で作成したが、平板プレス等で加圧等を実施せず、ICモジュール20を得た。
[第1シート部材及び第2シート部材の作成]
下記作成の受像層を有する第1シート部材、筆記層を有する第2シート部材作成方法シートを作成し、下記ICカード基材作成方法によりテストカード1を作成した。
<第1シート部材作成方法>
表面シート基材として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上に下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが第1受像層2.5μm、第2受像層0.5μmになる様に積層することにより受像層を形成した。
<受像層の形成>
〈第1受像層形成用塗工液〉
ポリビニルブチラール樹脂 6重量部

〔積水化学工業(株)製:エスレックBX−1〕
金属イオン含有化合物(化合物MS) 4重量部
メチルエチルケトン 80重量部
酢酸ブチル 10重量部
〈第2受像層形成用塗工液〉
ポリエチレンワックス 2重量部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックE1000〕
ウレタン変性エチレンアクリル酸共重合体 8重量部
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254〕
メチルセルロース〔信越化学工業(株)製:SM15〕 0.1重量部
水 90重量部
(受像層へのフォーマット印刷層の形成)
該受像層上に樹脂凸印刷法により、フォーマット印刷(従業員証、氏名)を行いフォーマット印刷済第1シート部材を作成した。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
<第2シート部材の作成方法>
裏面シート基材として帝人デュポンフィルム株式会社製U2L98W−188μm低熱収グレード上に第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが第1筆記層から5μm、15μm、0.2μmになる様に積層することにより筆記層を形成した。筆記層の塗布後の最表面のRaは、1.56μmであった。
〈第1筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製:バイロン200〕 8重量部
イソシアネート 1重量部
〔日本ポリウレタン工業(株)製:コロネートHX〕
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 1重量部
メチルエチルケトン 80重量部
酢酸ブチル 10重量部
〈第2筆記層形成用塗工液〉
ポリエステル樹脂 4重量部
〔東洋紡績(株)製:バイロナールMD1200〕
シリカ 6重量部
二酸化チタン粒子〔石原産業(株)製:CR80〕 2重量部
水 90重量部
〈第3筆記層形成用塗工液〉
ポリアミド樹脂〔三和化学工業(株)製:サンマイド55〕 5重量部
メタノール 95重量部
(筆記層へのフォーマット印刷層の形成)
筆記層上に樹脂凸印刷法により、樹脂凸印刷(罫線、発行者名、発行者電話番号)を行いフォーマット印刷済第2シート部材1を作成した。印刷インキはUV墨インキを用いた。印刷時のUV照射条件は、高圧水銀灯で200mj相当であった。
前記作成された、第1シート部材、第2シート部材を用い下記の製造方法でICカード基材を得ることができた。
<IDカード基材の製造方法>
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態としての画像記録体、その製造装置及びその製造方法について説明をする。
[ICカード基材の作成]
第1シート部材、第2シート部材を用い図20乃至図22のICカード作成装置によりICカードを作成した。以下ICカード作成装置について説明する。
<ICカード基材作成方法1>
実施形態としての図20のICカード作成装置について説明をする。この発明のICカード作成装置は、長尺シート状で第2シート部材(裏シート)と、枚葉シート状で第1シート部材(表シート)とが配備され、第1シート部材に接着剤供給部から積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013接着剤を窒素下120℃で溶融し、接着剤供給部からTダイ塗布方式により接着剤供給し、その塗布部上にICチップ、補強構造物、アンテナ等から構成されるICモジュールをICモジュール供給部から配置される。第2シート部材(裏シート)に接着剤供給部からICカード用接着剤、積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013接着剤を窒素下120℃で溶融し、接着剤供給部からTダイ塗布方式により接着剤供給した。
接着剤が塗工された第1シート部材、第2シート部材を加熱/加圧ロール、(圧力3kg/cm、ロール表面温度65℃)により貼合され、膜厚制御ロールにより760μmに制御されたICカード基材4用の原版が作成される。接着剤の硬化、支持体との密着性が十分に行われたてから化粧断裁することが好ましく、この発明では、23℃/55%環境下で14日硬化促進させた後、原版を図23に示すカード打ち抜き機により55mm×85mmサイズ、厚さ760μmのICカード基材を得ることができた。
<ICカード基材作成方法2>
実施形態としての図21のICカード作成装置について説明をする。この発明のICカード作成装置は、長尺シート状で第2シート部材(裏シート)と、枚葉シート状で第1シート部材(表シート)とが配備され、第1シート部材に接着剤供給部から積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013接着剤を120℃で窒素下で溶融し、接着剤供給部からTダイ塗布方式により接着剤供給し、その塗布部上にICチップ、補強構造体、アンテナ等から構成されるICモジュールをICモジュール供給部から配置される。更にICモジュール供給後、補強板上もしくはバンプ上に発泡樹脂供給部から熱溶融された発泡樹脂をポッティングし発泡前の発泡樹脂3を配置し、半導体レザー照射部から半導体レザーにより発泡樹脂3の発泡を行った。
その後、第2シート部材(裏シート)に接着剤供給部からICカード用接着剤、積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013接着剤を窒素下で120℃溶融し、接着剤供給部からTダイ塗布方式により接着剤供給した。
上記、接着剤塗工された第1シート部材、第2シート部材を加熱/加圧ロール、(圧力3kg/cm2、ロール表面温度65℃)により貼合され、膜厚制御ロールにより760μmに制御されたICカード基材4用の原版が作成される。接着剤の硬化、支持体との密着性が十分に行われたてから化粧断裁することが好ましく、この発明では、23℃/55%環境下で14日硬化促進させた後、原版を図23に示すカード打ち抜き機により55mm×85mmサイズ、厚さ760μmのICカード基材を得ることができた。
<ICカード基材作成方法3>
実施形態としての図22のICカード作成装置について説明をする。この発明のICカード作成装置は、長尺シート状で第2シート部材(裏シート)と、枚葉シート状で第1シート部材(表シート)とが配備され、第1シート部材に接着剤供給部から積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013接着剤を窒素下で120℃溶融し、接着剤供給部からTダイ塗布方式により接着剤供給し、その塗布部上にICチップ、補強構造体、アンテナ等から構成されるICモジュールをICモジュール供給部から配置される。更にICモジュール供給後、補強板上もしくはバンプ上に発泡樹脂供給部から熱溶融された発泡樹脂をポッティングし、光硬化前の発泡樹脂2を配置し、紫外線照射部から紫外線照射により発泡樹脂2の固定化を行った。
その後、第2シート部材(裏シート)に接着剤供給部からICカード用接着剤、積水化学工業株式会社製 湿気硬化型ホットメルト接着剤MK2013接着剤を窒素下で120℃溶融し、接着剤供給部からTダイ塗布方式により接着剤供給し、その直後、第1シートに供給されたICモジュールの補強板上もしくはバンプ上に配置されるような位置に発泡樹脂供給部から熱溶融された発泡樹脂をポッティングし、光硬化前の発泡樹脂2を配置し、紫外線照射部から紫外線照射により発泡樹脂2の固定化を行った。
その後、接着剤塗工された第1シート部材、第2シート部材を加熱/加圧ロール、(圧力3kg/cm、ロール表面温度65℃)により貼合され、膜厚制御ロールにより760μmに制御されたICカード基材4用の原版が作成される。接着剤の硬化、支持体との密着性が十分に行われたてから化粧断裁することが好ましく、この発明では、23℃/55%環境下で14日硬化促進させた後、原版を図23に示すカード打ち抜き機により55mm×85mmサイズ、厚さ760μmのICカード基材を得ることができた。
「ICカード発行装置での使用材料詳細」
<書誌情報及び識別情報用材料の作成>
下記記載の感熱転写記録用インクシート1、表面保護層用転写箔1を用い、ICカード発行装置図23で書誌情報及び識別情報の記録を行い、ICカードを作成した。
[昇華型感熱転写記録用インクシート作成1と記録方法]
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになる様に設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
カード上への書誌情報及び識別情報の記録は、昇華型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより画像に階調性のある人物画像を形成することができた。
〈イエローインク層形成用塗工液〉
イエロー染料
(三井東圧染料(株)製MSYellow) 3重量部
ポリビニルアセタール 5.5重量部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1重量部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5重量部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70重量部
トルエン 20重量部
〈マゼンタインク層形成用塗工液〉
マゼンタ染料
(三井東圧染料(株)製 MS Magenta) 2重量部
ポリビニルアセタール 5.5重量部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 2重量部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5重量部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70重量部
トルエン 20重量部
〈シアンインク層形成用塗工液〉
シアン染料
(日本化薬(株)製 カヤセットブルー136) 3重量部
ポリビニルアセタール 5.6重量部
〔電気化学工業(株)製:デンカブチラールKY−24〕
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン 1重量部
〔東亜合成化学工業(株)製:レデダGP−200〕
ウレタン変性シリコンオイル 0.5重量部
〔大日精化工業(株)製:ダイアロマーSP−2105〕
メチルエチルケトン 70重量部
トルエン 20重量部
(溶融型感熱転写記録用のインクシートの作成(受像層面溶融印字用))
[溶融型感熱転写記録用インクシート作成1と記録方法]
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになる様に塗布乾燥してインクシートを得た。
カード上への書誌情報及び識別情報の記録は、溶融型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせインクシート側からサーマルヘッドを用いて出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報を形成することができた。
〈インク層形成用塗工液〉
カルナバワックス 1重量部
エチレン酢酸ビニル共重合体 1重量部
〔三井デュポンケミカル社製:EV40Y〕
カーボンブラック 3重量部
フェノール樹脂〔荒川化学工業(株)製:タマノル521〕 5重量部
メチルエチルケトン 90重量部
<カード表面保護転写箔の作成>
下記記載の表面保護転写箔1を用い、ICカード発行装置でカードへの表面保護を実施した。
[表面保護層使用樹脂の合成]
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタアクリル酸メチル73部、スチレン15部、メタアクリル酸12部とエタノール500部、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、トリエチルアンモニウムクロライド3部、グリシジルメタクリレート1.0部を加え、3時間反応させ目的のアクリル系共重合体の合成バインダー1を得た。
<表面保護転写箔1の作成>
(離型層形成塗工液) 膜厚0.2μm
ポリビニルアルコール(GL−05) (日本合成化学(株)社製) 10重量部
水 90重量部
離型層は、90℃/30secの乾燥条件により塗工を行った。
(活性光線硬化性化合物) 膜厚7.0μm
新中村化学社製A−9300/新中村化学社製EA−1020=35/11.75重量部
反応開始剤
イルガキュア184日本チバガイギー社製 5重量部
上記合成バインダー1 48重量部
大日本インキ界面活性剤F−179 0.25重量部
トルエン 500重量部
塗布後の活性光線硬化性化合物は、90℃/30secで乾燥を行い、次いで水銀灯(300mJ/cm)で光硬化を行った。
〈中間層形成塗工液〉 膜厚1.0μm
ポリビニルブチラール樹脂〔積水化学(株)製:エスレックBX−1〕 3.5重量部
タフテックスM−1913(旭化成) 5重量部
硬化剤 ポリイソシアネート[コロネートHX 日本ポリウレタン製] 1.5重量部
メチルエチルケトン 90重量部
塗布後硬化剤の硬化は、50℃、24時間で行った。
〈接着層形成塗工液〉 膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体
〔東邦化学工業(株)製:ハイテックS6254B〕 8重量部
ポリアクリル酸エステル共重合体〔日本純薬(株)製:ジュリマーAT510〕2重量部
水 45重量部
エタノール 45重量部
塗布後、70℃/30secで乾燥を行った。
さらに画像、文字が記録された前記受像体又は透明樹脂層、鱗片顔料含有層上に前記構成からなる活性光線硬化型転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cmゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力150kg/cmで1.2秒間熱をかけて転写を行った。
「評価方法」
<繰り返し曲げ試験>
JIS K6404−6 の揉み試験装置を用い、チップ上をクランプし振幅50mm、間隙30mm、120回/分で繰り返し曲げを100回行った。試験後動作および変形、破損を確認した。
◎・・・変形・剥離なく変化なし
○・・・変形・剥離なく問題ないが痕跡が残っている
△・・・剥離破損はないが変形している
×・・・変形・剥離破損あり
<点圧強度試験>
先端直径1mmの鋼球で1kg荷重をICチップの回路面、非回路面それぞれ硬度50のゴムシート上で200回かけた。試験後動作および変形、破損を確認した。
◎・・・変形・剥離なく変化なし
○・・・変形・剥離なく問題ないが痕跡が残っている
△・・・剥離破損はないが変形している
×・・・変形・破損あり
<衝撃試験>
JIS K5600‐5−3の落体式衝撃試験機を用い、内径27mmの穴の空いた受け台にICチップが中心にくるようにカードを上下より挟んで強固に固定し、先端直径20mm、重さ100g重の重り(S45C鋼)を10cmの高さより受け台中心のICチップ上に自由落下させた。試験後動作および変形、破損を確認した。
◎・・・変形・剥離なく変化なし
○・・・変形・剥離なく問題ないが痕跡が残っている
△・・・剥離破損はないが変形している
×・・・変形・剥離破損あり
<印字性>
作成したカードに昇華画像を印画し、かすれ具合を評価した。
◎・・・問題なく印画できる
○・・・一部濃度が低下する部分があるが判別できるレベルである
△・・・一部濃度が低下し判別できないレベルである
×・・・完全に色抜けする部分がある
以下、表1に実施例、表2に結果を示す。
(表1)
<ICモジュール>

(表2)

この発明は、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)が要求される個人情報等を記憶する非接触式の電子カード、あるいはシートに適用して好適なICカード及びICカードの製造方法に適用でき、耐久性を改善し、尚且つ表面性を高い次元で改善する。
ICカードを示し、図1(a)はICカードの層構成を示す図、図2(b)はICチップ部の平面図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードを示し、図1(a)はICカードの層構成を示す図、図2(b)はICチップ部の平面図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードを示し、図1(a)はICカードの層構成を示す図、図2(b)はICチップ部の平面図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカードの層構成を示す図である。 ICカード作成装置の実施の形態を示す図である。 ICカード作成装置の実施の形態を示す図である。 ICカード作成装置の実施の形態を示す図である。 ICカード作成装置の実施の形態を示す図である。 ICカード作成装置の実施の形態を示す図である。
符号の説明
1 第1シート部材
2 第2シート部材
3 ICモジュール
3a ICチップ
3b 補強構造物
3c アンテナ
4a、4b ICカード接着剤
20、22、23、24、25 発泡樹脂

Claims (11)

  1. 対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置されるICカードにおいて、
    前記補強構造物及び前記ICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を設けてあることを特徴とするICカード。
  2. 対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置されるICカードにおいて、
    前記補強構造物と前記ICチップを接続する接続用接着剤がJISK-7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂であることを特徴とするICカード。
  3. 前記ICカード接着剤の2%弾性率が1kg/mm以上90kg/mm以下、破断点伸度が200%以上1300%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICカード。
  4. 前記ICチップの回路面と反対側に密着層、前記補強構造物の順に具備し、
    前記ICチップの回路面側が、
    モジュール支持体上に形成された前記アンテナと電気的に接続するバンプと、
    2%弾性率が0.05〜80kg/mmからなる樹脂成分またはJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂のいずれか一方を満たす材料からなる密着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のICカード。
  5. 前記ICチップの厚みが、5μm以上120μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のICカード。
  6. 対向する第1シート部材と第2シート部材の表面の少なくとも一方に受像層を有し、この受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のICカード。
  7. 前記ICカード接着剤が、反応型接着剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のICカード。
  8. 対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品が接着剤を介在して配置される請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のICカードの製造方法であり、
    前記補強構造物及び前記ICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させたことを特徴とするICカードの製造方法。
  9. 対向する第1シート部材と第2シート部材の間の所定位置に、ICチップ、ICチップに隣接した補強構造物、アンテナからなるICモジュールを含む部品がICカード接着剤を介在して配置される請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のICカードの製造方法であり、
    前記補強構造物及び前記ICチップのいずれかひとつの部材に隣接するようにJISK−7222測定によるかさ密度が、0.03〜0.95g/cmである発泡樹脂を形成した後、発泡のためのエネルギーにより発泡させ、更に平板プレス、ロールプレスを用い成型することを特徴とするICカードの製造方法。
  10. 対向する第1シート部材と第2シート部材の表面の少なくとも一方に受像層を有し、この受像層に氏名、顔画像からなる個人識別情報が設けられ、他方に筆記可能な筆記層を有することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のICカードの製造方法。
  11. 前記ICカード接着剤が、反応型接着剤であることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載のICカードの製造方法。












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