JP4216484B2 - Icカード、個人認証カード及びその製造方法 - Google Patents

Icカード、個人認証カード及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はICチップ及びアンテナを有するICモジュールを内蔵するICカード、更にはICカードに個人情報を記載した個人認証カード及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
身分証明書カード(IDカード)やクレジットカードなどには、従来磁気記録方式によりデータを記録する磁気カードが広く利用されてきた。しかしながら、磁気カードはデータの書き換えが比較的容易にできるため、データの改ざん防止が十分でない、磁気のため外的な影響を受けやすく、データの保護が十分でない、更に記録できる容量が少ないなどの問題点があった。そこで、近年ICチップを内蔵したICカードが普及し始めている。
【0003】
ICカードは、表面に設けられた電気接点やカード内部のループアンテナを介して外部の機器とデータの読み書きをする。ICカードは磁気カードに比べて記憶容量が大きく、セキュリティ性も大きく向上している。特に、カード内部にICチップと外部との情報のやりとりをするためのアンテナを内蔵し、カード外部に電気接点を持たない非接触式ICカードは、電気接点をカード表面にもつ接触式ICカードに比べてセキュリティ性に優れ、IDカードのようにデータの機密性と偽変造防止性を高く要求する用途に使用されつつある。
【0004】
このようなICカードとして、例えば第1シート部材と第2シート部材が接着剤を介して貼り合わされ、その接着剤中にICチップおよびアンテナを有するICモジュールを封入するものがある。
【0005】
一般に、カード状サイズに基材を作製する場合、製造方法として、例えば第1シート部材と第2シート部材が接着剤を介して貼り合わされ、接着後積層されたICカード用のシート基材を上下刃を有する打ち抜き金型に供給し、打ち抜き金型装置によって、カード状サイズに打ち抜くことでICカードを生産する方法が提案されている。このようなICカードには、熱転写方式などにより顔画像等の認証識別画像、属性情報画像などが設けられた個人認証カードが提案されている。
【0006】
しかしながら打ち抜き加工において、打ち抜けない場合や、バリやヒゲが発生し周縁部のスムーズさが満足できないといった問題があった。また、個人認証カードを財布などに入れ、携帯する場合に、曲げ作用が働くことがある。この場合、接着面に大きな応力が加わり、割れや亀裂が生じ、結果的に電子部品破壊するなどの問題点が生じていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明はICカードとしての打ち抜き性を改良すると共に、個人認証カードとしての曲げ特性を向上させることを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ICカードとしての打ち抜き性を改良すると共に、個人認証カードとしての曲げ特性を向上させるべく鋭意検討を行った結果、特定の特性を持った接着剤を使用し、更には該接着剤を打ち抜き位置に対して特定の位置に配することにより、前記性能が向上することを見い出すに到った。
【0009】
本発明の目的は以下の構成により達成された。
1)第1シート部材と第2シート部材との間に電子部品を備えたICカードにおいて、第1シート部材と第2シート部材と電子部品とを、第1シート部材と電子部品、第2シート部材と電子部品それぞれの間に硬化後の引張弾性率が200MPa以上で、且つ引張破断点伸度が600%以下の接着剤を介在させて、貼り合わせたことを特徴とするICカード。
【0010】
2)第1シート部材と第2シート部材との間に電子部品を備えたICカードにおいて、第1シート部材と第2シート部材と電子部品とを、第1シート部材と電子部品、第2シート部材と電子部品それぞれの間に硬化後の引張降伏強さが3MPa以上で、且つ引張破断点伸度が600%以下の接着層を介在させて、貼り合わせたことを特徴とするICカード。
【0011】
3)第1シート部材と第2シート部材との間に電子部品を備えたICカードにおいて、ICカードの打ち抜き位置に対して外側に2mm以上、内側に2mm以上の幅をもって、硬化後の引張弾性率が200MPa以上で、且つ引張破断点伸度が600%以下の接着剤を介在させて、貼り合わせたことを特徴とするICカード。
【0012】
4)第1シート部材と第2シート部材との間に電子部品を備えたICカードにおいて、ICカードの打ち抜き位置に対して外側に2mm以上、内側に2mm以上の幅をもって、硬化後の引張降伏強さが3MPa以上で、且つ引張破断点伸度が600%以下の接着層を介在させて、貼り合わせたことを特徴とするICカード。
【0013】
5)ICカードの打ち抜き位置に対して内側に2mm以上の幅の位置より内側に、硬化後の引張弾性率が100MPa以上の接着層を介在させて、貼り合わせたことを特徴とする前記3)又は4)に記載のICカード。
【0014】
6)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のICカード上に、支持体上に少なくとも離型層、透明樹脂層を有する転写箔を、少なくとも1回以上該ICカードに熱転写した後、光又は熱硬化性層を設けたことを特徴とする個人認証カード。
【0015】
7)前記1)〜5)のいずれか1項に記載のICカード上に、支持体上に少なくとも離型層、透明樹脂層を有する転写箔を、少なくとも1回以上該ICカードに熱転写した後、光又は熱硬化性層を設けた後に活性光線で露光又は熱処理したことを特徴とする個人認証カードの製造方法。
【0016】
以下、本発明について詳述する。
本発明の接着剤は、「JIS K7127」あるいは「ASTM D638」の規定に準じて測定した、硬化後の引張弾性率が200MPa以上、引張破断点伸度が600%以下である。硬化後の引張弾性率としては、200〜600MPaが好ましく、あるいは伸度2%における引張弾性率が、300〜600MPaであることがより好ましい。
【0017】
引張破断点伸度としては50〜600%が好ましく、150〜500%がより好ましい。硬化後の引張弾性率が、200MPaよりも小さい場合には、曲げ特性が劣化する。また、引張破断点伸度が600%よりも大きい場合は、打ち抜き機の金属刃に接着剤が付着し、カード状に打ち抜けない問題やバリやヒゲといった問題が発生する。
【0018】
請求項2に示す接着剤は、前記同様の規定に準じて測定した、硬化後の引張降伏強さが3MPa以上で、引張破断点伸度が600%以下である。硬化後の引張降伏強さとしては10MPa以上が好ましく、10〜25MPaがより好ましい。引張破断点伸度としては50〜600%が好ましく、150〜500%がより好ましい。硬化後の引張降伏強さが3MPaよりも小さい場合には、曲げ特性が劣化する。
【0019】
このような特性を有する接着剤を打ち抜き位置に対して、外側と内側にそれぞれ2mm以上となるように配置することで、打ち抜き性を更に改善する事もできる。好ましくはそれぞれが5mm以上、最も好ましくは10mm以上、15mm以下が打ち抜き性の点で好ましい。2mmよりも小さい場合は、打ち抜き性の効果が得られない。
【0020】
また、打ち抜き位置に対して、内側に2mm以上の幅の位置より更に内側に、引張弾性率が100MPa以上である接着剤を有する事が好ましく、より好ましくは200〜600MPaである接着剤が、曲げ特性の点で好ましい。
【0021】
これら接着剤の種類としては、特に限定はしないが、ホットメルト接着剤、熱可塑性樹脂等を用いることが好ましい。例えば、ホットメルト接着剤としては、一般に使用されているものを用いることができる。ホットメルト接着剤の主成分としては、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、熱可塑性エラストマー系、ポリオレフィン系などが挙げられる。反応型ホットメルト接着剤としては、湿気硬化型の材料で特開2000−036026号、同2000−219855号、同2000−211278号などに開示されている。光硬化型接着剤としては、特開平10−316959号、同11−5964などに開示されている。
【0022】
本発明の特性を有していれば、これら接着剤のいずれも使用してもよく、材料に制限はない。また、これら接着剤に添加剤を混合することで、本発明の特性を発現する接着剤を作製してもよく、該添加剤は特に限定はしないが、例えば有機、無機顔料や樹脂材料としてフェノール樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0023】
また、本発明の接着剤の硬化後とは、温度25℃、50%RHの条件下で7日以上放置したもの、あるいはこれら接着層が硬化に必要とされる条件で硬化したものであれば特に限定はしない。
【0024】
ICカード基材用シート部材の支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4−フッ化エチレン、エチレン/4−フッ化エチレン共重合体等のポリフッ化エチレン系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体あるいはこれら2層以上の積層体が挙げられる。
【0025】
支持体の厚みは30〜300μm、望ましくは50〜200μmである。30μm以下であると、第1シート部材と第2シート部材の張り合わせ時に熱収縮等を起こし、問題である。
【0026】
湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いる場合は、シート部材の湿気透過率は10(g・25μm/m2、24hr)以上が好ましい。そうすると第1シート部材と第2シート部材の両方の面側から、接着剤に効率良く水分が供給され、接着剤の硬化を早くすることができ、生産性が向上する。またカード全面の硬化率が同じになり、均一な硬度のカードを作製することができる。ここでいう湿気透過率は、JIS K7128−Z0208の防湿包装材料の透湿度試験方法で測定したものであり、条件は40℃、90%RHである。
【0027】
シート部材としては、白色の顔料を混入させた、あるいは気泡をハニカム構造に折り込んだ、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)等が好ましく、例えば射出成形用に結晶化がコントロールされているイーストマン・ケミカル(株)製のPET−G(R)が、受像シートが融着し易い点からも好適である。
【0028】
第2シート部材は場合により、当該カード利用者の顔画像を形成するため受像層、クッション層を設けてもよい。個人認証カード基体表面には画像要素が設けられ、顔画像等の認証識別画像、属性情報画像、フォーマット印刷から選ばれる少なくとも一つが設けられたものであってもよく、また全く印刷部分のないホワイトカードであってもよい。
【0029】
受像層用としては公知の樹脂を用いることができ、例えばポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例えば、イソブチルエーテル、プロピオン酸ビニル等)との共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリスチレン、スチレンと他のモノマー(例えば、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、塩化エチレン等)との共重合体、ビニルトルエンアクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、およびそれらの変性物などを挙げることができるが、好ましいのは、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマーとの共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレンと他のモノマーとの共重合体、エポキシ樹脂である。
【0030】
クッション層を形成する材料としては、ポリオレフィンが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/水素添加イソプレン/スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンの様な柔軟性を有し、熱伝導性の低いものが適する。クッション層とは、ICと画像を受容する受像層の間に位置し、ICモジュール等の電子部品による凹凸影響を緩和する役割をはたす軟質の樹脂層を意味する。該樹脂層は、前記基体と実質的に同質の別支持体の片面もしくは両面上に塗設あるいは貼合されて、形成される事が特に好ましい。
【0031】
ICカードの裏面シートとなる第1シート部材には、ペンで書ける筆記層、クッション層等を設けてもよく特に制限はない。筆記層は、例えば炭酸カルシウム、タルク、ケイソウ土、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機微細粉末を熱可塑性樹脂(ポリエチレン等のポリオレフィン類や各種共重合体等)のフィルムに含有せしめて形成する。
【0032】
本発明の電子部品とは、情報記録部材のことを示し、具体的には当該電子カードの利用者の情報を電気的に記憶するICチップ及び該ICチップに接続されたコイル状のアンテナ体である。ICチップはメモリのみや、それに加えてマイクロコンピューターなどである。場合により電子部品にコンデンサーを含んでもよい。本発明はこれに限定はされず、情報記録部材に必要な電子部品であれば特に限定はない。
【0033】
ICモジュールはアンテナコイルを有するものであるが、アンテナパターンを有する場合、導電性ペースト印刷加工、あるいは銅箔エッチング加工、巻線溶着加工等のいずれかの方法を用いてもよい。プリント基板としては、ポリエステル等の熱可塑性のフィルムが用いられ、更に耐熱性が要求される場合はポリイミドが有利である。ICチップとアンテナパターンとの接合は、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤(日立化成工業(株)製のEN−4000シリーズ、東芝ケミカル(株)製のXAPシリーズ等)や、異方性導電フィルム(日立化成工業(株)製のアニソルム等)を用いる方法、あるいは半田接合を行う方が知られているが、いずれの方法を用いてもよい。
【0034】
予めICチップを含む部品を、所定の位置に載置してから樹脂を充填するために、樹脂の流動による剪断力で接合部が外れたり、樹脂の流動や冷却に起因して表面の平滑性を損なったりと安定性に欠けることを解消するため、予め基板シートに樹脂層を形成しておいて該樹脂層内に部品を封入し、該電子部品を多孔質の樹脂フィルム、多孔質の発泡性樹脂フィルム、可撓性の樹脂シート、多孔性の樹脂シート又は不織布シート状にして使用することが好ましい。例えば、特願平11−105476号等の記載されている方法等を用いることができる。また、ICチップは点圧強度が弱いために、ICチップ近傍に補強板を有することも好ましい。
【0035】
電子部品の全厚さは10〜300μmが好ましく、より好ましくは30〜300μm、更に好ましくは30〜250μmが好ましい。
【0036】
本発明の第1シート部材と第2シート部材との間に、所定の電子部品とを備えるために製造方式としては、熱貼合法、接着剤貼合法及び射出成形法が知られているが、いずれの方法で張り合わせてもよい。又、第1シート部材と第2シート部材は張り合わせる前後いずれかにフォーマット印刷、又は情報記録を行ってもよく、オフセット印刷、グラビア印刷、シルク印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、凸版印刷、インクジェット方式、昇華転写方式、電子写真方式、熱溶融方式等のいずれの方式によっても形成することができる。
【0037】
本発明のIC搭載カード基材の製造方法は、特開2000−036026号、同2000−219855号、同2000−211278号、特開平10−316959号、同11−5964号等に開示されている。いずれの方法も用いることができ、本発明には特に制限はない。
【0038】
請求項3〜5に記載の様に、特定の位置に接着層を配置させる方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法などにより、所定位置に接着剤を塗布することにより製造することができる。また、ホットメルト接着剤を使用する場合には、ハンドガンタイプのホットメルトアプリケーターにより、ノズルから接着剤をビード状に塗布することで、それぞれの配置へ塗布することも可能である。あるいは、フィルム状に加工された該接着層を、所定の配置に設置するべく断裁し、それぞれの配置へ設置した後に、加熱、加圧処理を施して貼り合わせる事もできる。
【0039】
貼り合わせ時には、基材の表面平滑性、第1シート部材と第2シート部材との間に所定の電子部品の密着性を上げるために、加熱及び加圧を行うことが好ましく、上下プレス方式、ラミネート方式等で製造することが好ましい、更にはIC部品の割れを考慮して、線接触に近く、僅かなズレでも無理な曲げ力が加わるローラを避けて平面プレス型とするのが好ましい。加熱は10〜180℃が好ましく、より好ましくは30〜150℃である。加圧は9.80×104〜2.94×107Paが好ましく、より好ましくは9.80×104〜1.96×107Paである。これより圧が高いとICチップが破損する。加熱及び加圧時間は好ましくは0.001〜90sec、より好ましくは0.001〜60secである。これより時間が長いと製造効率が低下する。
【0040】
又、湿気硬化型接着剤のように水分等の影響により反応速度が低下するものは、即ち接着力、カード耐久性を劣化させるので張り合わせる際に真空下、若しくは窒素下で張りあわせることがより効果的である。その貼合又は塗設工程において、所定の加圧加温条件の下で基板用の部材、電子部品保持体及び表面用の部材とが貼り合わされるので、電子部品保持体自身を接着剤にして基板用の部材と、その電子部品保持体と、表面用の基板とを再現性よく貼り合わせることができる。
【0041】
第1シート部材と第2シート部材が接着剤を介して貼り合わされ、その接着剤層中にICチップおよびアンテナを有するICモジュールを有するICカード用のシートは、所定の条件下で保管された後に、ICカード用のシートを打ち抜き金型装置に供給し、ICカード用のシートからICカードを打ち抜くことによって、ICカードは製造される。この場合、打ち抜き加工の前に、認証識別画像や書誌事項を記録してもよい
光硬化型樹脂層は、付加重合性又は開環重合性を有する素材からなるものであり、付加重合性化合物とはラジカル重合性化合物、例えば特開平7−159983号、特公平7−31399号に記載されている光重合性(熱重合性も含む)組成物を用いた光硬化型材料であってもよい。付加重合性化合物とは、カチオン重合系の光硬化型材料が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化材料も、例えば特開平6−43633号に公開されている。ハイブリッド型重合系の光硬化材料としては、特開平4−181944号等で組成物が開示されている。具体的には、上記カチオン系開始剤、カチオン重合性化合物、ラジカル系開始剤、ラジカル重合性化合物のいずれかを含む光硬化層であり、本発明の目的においては、いずれの光硬化材料を用いても構わない。
【0042】
本発明において、熱硬化型樹脂層としては、例えばエポキシ系、ポリエステル系、アクリル系等の樹脂に硬化剤や硬化触媒、流展剤、その他添加剤等を配合したものが挙げられる。
【0043】
ポリエステル樹脂の組成としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を主体とし、ジオール成分としてエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールを主体とするものがよく、これらにアジピン酸やアゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸やピロメリット酸等の三価以上のカルボン酸を縮重合させる。、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト−ル等の三価以上のアルコール等を少量含んでいるものは、溶融流動性、架橋反応性が向上するのでより好ましい。
【0044】
また、ポリエステル樹脂の平均重合度は、5〜50の範囲のものが好ましい。これより低いものはフィルムにしたとき十分な強度が得られず、これより高いものは粉砕が困難になる。次に硬化剤としては、ポリエステルの末端基が−OH型のものはイソシアナート化合物やメラミン樹脂、例えばε−カプロラクタムブロックイソシアナートやメチル化メラミン等がある。末端基が−COOH型のものはエポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート等がある。
【0045】
熱又は光硬化型樹脂層をICカード上に作製する場合、塗布方式で作製するか若しくは転写箔で形成することが好ましい。
【0046】
ICカードを保護する方法として塗布を選択する場合、従来公知の方法、例えば回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、フェルト塗布、エアーナイフ塗布、スプレイ塗布、エアースプレイ塗布、静電エアースプレイ塗布、ロール塗布ブレード塗布及びカーテン塗布等の方法が用いられる。この際塗布量は用途により異なるが、例えば固形分として0.05〜50.0g/m2の塗布量が好ましい。なお、塗布量が少なくなるにつれて見掛の感度が大になるが、画像形成層の皮膜特性、耐薬品性は低下する。
【0047】
塗布後硬化させる方法として、活性な電磁波を発生させるものは全て用いることができる。例えば、レーザー、発光ダイオード、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯、無電極光源等を挙げることができる。好ましくは、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、水銀灯等の光源が挙げられ、この際加えられるエネルギーは、重合開始剤の種類のより、露光距離、時間、強度を調整することにより適宜選択して用いることができる。
【0048】
レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。レーザー光源としては、アルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能である。
【0049】
又、活性光線を用い光硬化を行う場合、減圧下、窒素気流中で光硬化を安定化する手段等を用いてもかまわない。熱エネルギーを加えることもでき手段としては、オーブン、ヒ−トロ−ル、ホットスタンプ、サーマルヘッド、レーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどを適宜選択して用いることができる。
【0050】
熱又は光硬化型樹脂層からなる保護は、耐熱性の支持体、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上に塗工によって形成された透明保護層リボンもしくは透明保護箔をあらかじめ用意しておき、これを、例えばサーマルヘッドや熱転写ロールを用いて、熱転写することによって形成することができる。
【0051】
以下、転写箔及びICカード作製方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。まず第1の実施の形態を図1及び図2に示す。図1はICカード作製装置の概略構成図、図2はICカードの層構成を示す図である。
【0052】
この実施の形態のICカード作製装置1には、上方位置にカード基材供給部10及び情報記録部20が配置され、下方位置に、保護付与部及び又は光学変化素子付与部40、活性光線硬化層付与部及び/又は活性光線照射部90が配置され、ICカードとしてカードを作製するが、シートも作製することもできる。
【0053】
カード基材供給部10には、カード使用者の個人情報を書き込むために予め枚葉状にカットされた複数枚のカード基材50が、顔写真を記録する面を上に向けてストックされている。この例では、カード基材50が支持体51と受像層52からなり、このカード基材50は1枚づつカード基材供給部10から所定のタイミングで自動供給される。
【0054】
情報記録部20には、イエローリボンカセット21、マゼンタリボンカセット22、シアンリボンカセット23、ブラックリボンカセット24が配置され、それぞれに対応して記録ヘッド25〜28が配置されている。イエローリボン、マゼンタリボン、シアンリボン等の熱転写シートによる熱転写で、カード基材50が移動されている間に、その受像層52の所定領域にカード使用者の顔写真等の諧調を有する画像領域53が記録される。また、文字リボンカセット31及び記録ヘッド32が配置され、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の認証識別情報54が記録され、画像記録層が形成される。
【0055】
保護付与部又は光学変化素子付与部40では、転写箔カセット41が配置され、この転写箔カセット41に対応して熱転写ヘッド42が配置されている。透明保護転写箔64又は光学変化素子転写箔43を熱転写して、透明保護転写層640又は光学変化素子転写層430が設けられる。
【0056】
その後活性光線硬化層付与部又は活性光線照射部90により活性光線硬化液が塗布され、活性光線により露光が行なわれ、図2の構成のICカードの層構成が得られ、透明保護転写層640又は光学変化素子転写層430上に活性光線硬化層650が設けられる。
【0057】
次に、第2の実施の形態を図3及び図4に示す。図3はICカード作製装置の概略構成図、図4はICカードの層構成を示す図である。
【0058】
この実施の形態のICカード作製装置1では、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、情報記録部20の次に樹脂付与部60が配置されている。
【0059】
樹脂付与部60には、転写箔カセット61が配置され、この転写箔カセット61に対応して熱転写ヘッド62が配置位置されている。転写箔カセット61に硬化型転写箔66がセットされ、この硬化型転写箔66を転写し、硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0060】
次に、第3の実施の形態を図5及び図6に示す。図5はICカード作製装置の概略構成図、図6はICカードの層構成を示す図である。
【0061】
この実施の形態のICカード作製装置1では、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、情報記録部20の次に保護付与部及び又は光学変化素子付与部40、樹脂付与部60が配置される。
【0062】
保護付与部及び又は光学変化素子付与部40では、透明保護転写層640及び/又は光学変化素子転写層430が設けられる。樹脂付与部60では、受像層52上に透明保護転写層640又は光学変化素子転写層430で形成されたICカード上に硬化型転写箔66を熱転写し硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0063】
次に、第4の実施の形態を図7及び図8に示す。図7はICカード作製装置の概略構成図、図8はICカードの層構成を示す図である。
【0064】
この実施の形態のICカード作製装置1は、カード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、透明保護層又は光学変化素子転写層付与部又は樹脂層付与部70が配置され、この後更に透明保護層又は光学変化素子転写層付与部又は樹脂層付与部70が配置されている。
【0065】
透明保護層又は光学変化素子転写層付与部又は樹脂層付与部70では、転写箔カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド72が配置されている。光学変化素子転写箔43又は透明保護転写箔64、硬化型転写箔66を転写し、光学変化素子転写層430透明保護転写層640、硬化型保護層含有転写層660が設けられる。
【0066】
次に第5の実施形態を図9及び図10に示す。図9はICカード作製装置の概略図、図10はICカードの層構成を示す図である。
【0067】
この実施形態のICカード作製装置1はカード基材供給部10及び情報記録部20は同様に構成されるが、透明保護層又は光学変化素子転写付与部又は樹脂層付与部70が配置される。
【0068】
透明保護層又は光学変化素子転写付与部又は樹脂層付与部70には、転写カセット71が配置され、この転写箔カセット71に対応して熱転写ヘッド72が配置されている。硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44を転写し、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が設けられる。
【0069】
透明保護転写箔とは、画像を保護する透明保護箔であり、透明保護層とは、画像を保護する透明保護層である。また樹脂層とは、この発明にあたる破断伸度、摩擦係数を規定した樹脂を有する層である。また活性硬化線樹脂層とは、樹脂層の種類の一部であり、この発明では好ましい実施形態であるが、図1及び図2に示すように製造上樹脂層に限定される場合がある。また硬化型保護層含有光学変化素子層とは、硬化層と光学変化素子層が一体になっている層のことを表す。また保護性付与転写箔とは、樹脂層(好ましくは活性光線硬化性樹脂)を少なくとも一層含む転写箔のことを表す。
【0070】
次に、透明保護転写箔64の実施の形態を図11に示す。図11(a)の透明保護転写箔64は透明保護転写層640と支持体64bから構成され、透明保護転写層640は離型層64a1、透明保護層64a2、接着層64a3から構成され、透明保護層64a2の両側に離型層64a1、接着層64a3が設けられ、離型層64a1が支持体64bに接着されている。図11(b)の透明保護転写箔64は図11(a)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2と接着層64a3との間に中間層64a4が設けられている。図11(c)の透明保護転写箔64は図11(b)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2を2層設けている。図11(d)の透明保護転写箔64は図11(b)の転写箔と同様に構成されるが、透明保護層64a2と中間層64a4との間にバリヤー層64a5が設けられている。
【0071】
これらの透明保護転写箔64は、透明保護転写層640が支持体43bから剥離して転写される。
【0072】
光学変化素子転写箔43の実施の形態を図12に示す。図12(a)の光学変化素子転写箔43は光学変化素子転写層430と支持体43bから構成され、光学変化素子転写層430は離型層43a1、光学変化素子層43a2、接着層43a3から構成され、光学変化素子層43a2の両側に離型層43a1、接着層43a3が設けられ、離型層43a1が支持体43bに接着されている。図12(b)の光学変化素子転写箔43は図12(a)の転写箔と同様に構成されるが、接着層43a3と光学変化素子層43a2との間に中間層43a4が設けられている。図12(c)の光学変化素子転写箔43は図12(b)の転写箔と同様に構成されるが、光学変化素子層43a2と中間層43a4との間にバリヤー層43a5が設けられている。図12(d)の転写箔は図12(c)の転写箔と同様に構成されるが、離型層43a1と光学変化素子層43a2との間に透明保護層43a6が設けられている。
【0073】
これらの光学変化素子転写箔43は、光学変化素子転写層430が支持体43bから剥離して転写される。
【0074】
次に、硬化型転写箔66の実施の形態を図13に示す。図13(a)の硬化型転写箔66は硬化型保護層含有転写層660と支持体66bから構成され、硬化型保護層含有転写層660は離型層66a1、硬化層66a2、中間層66a4、接着層66a3から構成され、硬化層66a2の両側に離型層66a1と中間層66a4が設けられ、離型層66a1が支持体66bに接着されている。図13(b)の硬化型転写箔66は図13(a)の転写箔と同様に構成されるが、硬化層66a2を2層設けている。図13(c)の硬化型転写箔66は図13(a)の転写箔と同様に構成されるが、接着層66a3と中間層63a4との間にバリヤー層66a5が設けられている。
【0075】
これらの硬化型転写箔66は、硬化型保護層含有転写層660が支持体43bから剥離して転写される。
【0076】
次に、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44の実施の形態を図14に示す。図14(a)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440と支持体44bから構成され、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440は離型層44a1、硬化層44a9、光学変化素子層44a2、中間層44a4、バリヤー層44a5、接着層44a3から構成され、離型層44a1が支持体44bに接着されている。図14(b)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は図14(a)の転写箔と同様に構成されるが、中間層44a4がない構成であり、また図14(c)の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は図14(a)の転写箔と同様に構成されるが、バリヤー層44a5がない構成である。
【0077】
これらの硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が支持体44bから剥離して転写される。
【0078】
この実施の形態の硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔44は、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が支持体44bから剥離して転写され、硬化型樹脂層含有光学変化素子転写層440が、少なくとも、離型層、硬化層、光学変化素子層、中間層、接着層を有する構成であり、表面保護性、表面摩耗耐久性に優れている。
【0079】
また、少なくとも、光学変化素子層よりICカード表面側に位置する透明保護層が、紫外線硬化層または電子線硬化層であることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0080】
また、光学変化素子層が、凹凸像を有するハードコート層、蒸着層であることが、より偽変造防止の硬化があり好ましい。
【0081】
また、少なくとも1つの透明保護層が、カード全面に熱転写されていることが表面保護性、表面摩耗耐久性に優れ好ましい。
【0082】
更に、透明保護転写箔または光学変化素子転写箔のいずれかの層に、帯電防止剤が含有されていることが好ましく、ゴミが付着しないカード、あるいはシートを作製できる。
【0083】
また、先に転写された転写表面が、後から転写される転写箔の易接着加工されていることが、接着性がよく好ましい。
【0084】
転写箔においては、帯電防止層、離型層、透明保護層、光学変化素子層、バリヤ層、中間層、接着層に少なくとも一層が設けられることが好ましい。転写箔の帯電防止層は、帯電防止性に優れたアニオン性高分子物質及び/又は導電性粒子を含有する。転写箔は、離型層、透明樹脂層を有する支持体からなることが好ましく、より好ましくは離型層、透明樹脂層、中間層、バリヤー層、プライマー層、接着層を少なくとも1つから成る層で構成されていることが好ましい。本発明の場合、ICチップにより偽変造等の防止が行えるが、目的で目視判別のために光学変化素子層を設けることも可能である。
【0085】
転写箔用支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂シート、又は上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体あるいはこれら2層以上の積層体が挙げられる。支持体の厚みは10〜200μm、望ましくは15〜80μmである。10μm以下であると、支持体が転写時に破壊してしまい問題である。特定離型層においては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0086】
支持体は必要に応じて凹凸を有することができる。凹凸作製手段としては、マット剤練り込み、サンドブラスト加工、ヘアライン加工、マットコーティング、もしくはケミカルエッチング等が挙げられる。マットコーティングの場合、有機物及び無機物のいずれでもよい。例えば、無機物としては、スイス特許第330,158号等に記載のシリカ、仏国特許第1,296,995号等に記載のガラス粉、英国特許第1,173,181号等に記載のアルカリ土類金属又はカドミウム、亜鉛等の炭酸塩、等をマット剤として用いることができる。有機物としては、米国特許第2,322,037号等に記載の澱粉、ベルギー特許第625,451号や英国特許第981,198号等に記載された澱粉誘導体、特公昭44−3643号等に記載のポリビニルアルコール、スイス特許第330,158号等に記載のポリスチレンあるいはポリメタアクリレート、米国特許第3,079,257号等に記載のポリアクリロニトリル、米国特許第3,022,169号等に記載されたポリカーボネートの様な有機マット剤を用いることができる。マット剤の付着方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法であってもよいし、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法を用いてもよい。又複数の種類のマット剤を添加する場合は、両方の方法を併用してもよい。凹凸加工する場合、転写面、背面のいずれか片面以上に施すことが可能である。
【0087】
転写離型層としては、高ガラス転移温度を有するアクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ボリビニルブチラール樹脂などの樹脂、ワックス類、シリコンオイル類、フッ素化合物、水溶性を有するポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、Si変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース樹脂、ヒドロキシセルロース樹脂、シリコン樹脂、パラフィンワックス、アクリル変性シリコーン、ポリエチレンワックス、エチレン酢酸ビニルなどの樹脂が挙げられ、他にポリジメチルシロキサンやその変性物、例えばポリエステル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のオイルや樹脂、またはこの硬化物等が挙げられる。他のフッ素系化合物としては、フッ素化オレフィン、パーフルオロ燐酸エステル系化合物が挙げられる。好ましいオレフィン系化合物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の分散物、ポリエチレンイミンオクタデシル等の長鎖アルキル系化合物等が挙げられる。これらの離型剤で溶解性の乏しいものは、分散するなどして用いることができる。
【0088】
転写箔を2枚転写する場合は、熱可塑性エラストマーを添加してもよい。熱可塑性エラストマーとしては、具体的にスチレン系(スチレン・ブロック・コポリマー(SBC))、オレフィン系(TP)、ウレタン系(TPU)、ポリエステル系(TPEE)、ポリアミド系(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系、塩ビ系(TPVC)、フッ素系、アイオノマー樹脂、塩素化ポリエチレン、シリコーン系等が挙げられ、具体的には1996年度版「12996の化学商品」(化学工業日報社)等に記載されている。
【0089】
好適に用いられるポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる引っ張り伸びが100%以上の熱可塑性エラストマーとは、スチレンおよび炭素数10以下の直鎖または分岐の飽和アルキルのブロックからなる熱可塑性樹脂(以下熱可塑性樹脂S1ともいう)を言う。特に、ポリスチレン相とポリオレフィンを水素添加した相をもつブロックポリマーである、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)のブロックポリマー等が挙げられる。
【0090】
又必要に応じて、離型層と樹脂層あるいは活性光線硬化層との間に熱硬化型樹脂層を用いてもよい。具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
【0091】
転写箔の透明樹脂層には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、スチレン、パラメチルスチレン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル等のビニル単量体やセルロース系、熱可塑性ポリエステル、天然樹脂等が用いられ、他の任意の高分子重合体を併用してもよい。また、その他、赤松清監修、「新・感光性樹脂の実際技術」、(シーエムシー、1987年)や「10188の化学商品」657〜767頁(化学工業日報社、1988年)記載の業界公知の有機高分子重合体を併用してもよい。本発明においては、ICカードを保護をする目的で光又は/熱硬化性層を転写箔で設けることが好ましい。光又は/熱硬化性層とは前記記載の組成物からなる材料であれば特に制限はない。透明樹脂層の厚みは0.3〜50μmが好ましく、より好ましくは0.3〜30μm、特に好ましくは0.3〜20μmである。
【0092】
転写箔の中間層としては、中間層1層以上の層から構成されることが好ましく場合によりプライマー層、バリヤ層として介在しても層間の接着性を更に向上させてもよい。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂、およびそれらの変性物などを用いることができる。
【0093】
上述した樹脂の中でも好ましいのは、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、SEBS樹脂、SEPS樹脂である。これらの樹脂は一種を単独に用いることもできるし、二種以上を組み合わせて用いることもできる。具体的な化合物としては、ポリスチレンとポリオレフィンのブロックポリマーからなる熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール等が好ましい。重合度が1000以上のポリビニルブチラール樹脂としては、積水化学工業(株)製のエスレックBH−3、BX−1、BX−2、BX−5、BX−55、BH−S、電気化学工業(株)製のデンカブチラール#4000−2、#5000−A、#6000−EP等が市販されている。中間層のポリブチラールの熱硬化樹脂としては、熱硬化前の重合度に限定はなく低重合度の樹脂でもよく、熱硬化にはイソシアネート硬化剤やエポキシ硬化剤等を用いることができ、熱硬化条件は50〜90℃で1〜24時間が好ましい。中間層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0094】
転写箔の接着層の熱貼着性樹脂としてエチレン酢酸ビニル樹脂、エチンエチルアクリレート樹脂、エチレンアクリル酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、粘着付与剤(例えば、フェノール樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂など)などが挙げられ、それらの共重合体や混合物でもよい。
【0095】
具体的には、ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体としては、東邦化学工業(株)製のハイテックS−6254、S−6254B、S−3129等が市販され、ポリアクリル酸エステル共重合体としては、日本純薬(株)製のジュリマーAT−210、AT−510、AT−613、互応化学工業(株)製のプラスサイズL−201、SR−102、SR−103、J−4等が市販されている。ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体とポリアクリル酸エステル共重合体の質量比は、9:1から2:8が好ましく、接着層の厚みは0.1〜1.0μmが好ましい。
【0096】
場合により、偽変造防止の目的で光学変化素子層を転写箔に設けることが可能である。光学変化素子(Optical Variable Device:OVD)とは、1)キネグラムのような回析格子の2次元のCG画像であり、線画像構成の画像が移動、回転、膨張、縮小等自由に動き変化する点に特徴があるもの、2)Pixelgramのような画像がポジとネガに変化する特徴があるようなもの、3)OSD(Optical Security Device)のような色が金色から緑色に変化するもの、4)LEAD(Long Lasting Economical Anticopy Device)のような像画が変化して見えるもの、5)ストライブ型OVD、6)金属箔等を表し、日本印刷学会誌(1998年)第35巻、第6号P482〜496記載にあるような用紙の素材、特殊な印刷技法、特殊インキ等でセキュリティを維持してもよい。中でもホログラムが特に好ましい。
【0097】
ホログラムとしては、レリーフホログラム、フレネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログラム、リップマンホログラム、レインボーホログラム等の白色再生ホログラム、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチフレックスホログラム、ホログラムフレックステレオグラム、ホログラフィック回折格子等任意に採用できる。
【0098】
光学変化素子層は、例えばホログラムシートを受像層上に接着することによって形成することができる。ホログラムシートとしては、レリーフ型ホログラムシートを使用することができる。レリーフ型ホログラムシートは、支持体フィルム上にホログラム形成層とホログラム効果層とをこの順に積層してなる。具体的に言うと、ホログラムシートは、例えばポリエチレンテフタレートフィルム等の支持体フィルムの表面に、常温で固体であり、しかも熱形成性を有する樹脂層、例えば常温で固体の熱可塑成性の電子線硬化性樹脂層(ホログラム形成層)を形成し、この面にホログラムの干渉模様が凹凸状に形成されているホログラム原版を加圧圧縮させて、凹凸形状を樹脂表面に転写し、硬化し、更に凹凸形状の表面に十分な透明性とある角度での大きな反射性を兼ね備え、且つホログラム形成層と屈折率が異なる材料(例えば、TiO2、SiO2、ZnSなどの蒸着膜)からなる薄膜のホログラム効果層を形成することによって得ることができる。昼光、照明光等の白色光で像が再生されるホログラムは、通常の状態でもホログラム像が観察されるので、装飾性にも優れている。一方、レーザー光によって像が再生されるタイプのものは、改ざんの発見性に優れている。
【0099】
また、ビーズ保有層を設けることができ、かかるビーズを有するビーズ保有層は、人射光の一部に位相差を付与して再合成し、特定波長領域の光成分を干渉により強調し入射光とは異なる色調の着色光を入射光進入方向へ帰還させ、反射基板と、基板上に整列配置された透明なビーズとを有する。ビーズを有するビーズ保有層は、反射基板上に樹脂層を設け、更にその表層側にガラス等よりなるビーズ径が10〜60μm、好ましくは15〜40μmのビーズを多数整列配置して構成され、ビーズの光屈折率は1.6〜2.1が好ましく、1.7〜2.0が更に好ましい。外方より入射した入射光は、ビーズ内に進行し、少なくともその一部は透明なビーズより樹脂層を介して反射基板に反射され、再度ビーズに帰還し、外方へ進行する。ビーズの外方へ突出している面は球面であるので、入射角の多少の変動があっても同様な作用を生じ、入射方向へ反射光を帰還させることができる。
【0100】
又、反射性層を設けることができ、反射性層としては、少なくとも金属薄膜、金属酸化物薄膜、光干渉性物質及び光回折層から選ばれる。反射性層は干渉性物質、金属酸化物、雲母等干渉色を発現できる粉末を含有する塗料を任意の紋様に印刷することで設けることが好ましい。
【0101】
金属酸化物としては、二酸化チタン、酸化鉄、低次酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化コバルト、酸化ニッケル、チタン酸コバルトなど、及びLi2CoTi38あるいはKNiTiOxなどの複合酸化物、あるいはこれらの金属酸化物の混合物などが挙げられるが、干渉色を発現できる金属酸化物であれば、特にこれらに限定されるものではない。干渉物質層としては、金属膜の表面を酸化することによって得られる干渉色を持った金属膜を用いることができる。これらの金属膜は、金属アルミニウム、金属チタン、ステンレス膜などを陽極酸化する方法や、干渉色を発現できる金属酸化物をゾルーゲル法によって調製し、これをコートする方法あるいは干渉色を発現できる金属のアルコキシドを金属膜に塗布してこれを加熱分解する方法、及びCVDやPVDのような蒸着操作法などが拳げられる。
【0102】
転写箔の被転写材への転写は、通常サーマルヘッド、ヒートローラー、ホットスタンプマシンなどで加熱しながら加圧を行える手段を用い転写を行う。
【0103】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、以下において「部」は「質量部」を示す。
【0104】
実施例1
《接着剤の作製》
接着剤1
Henkel(株)製Macroplast QR3460(湿気硬化型接着剤)を使用した。
【0105】
接着剤2
接着剤1 80部
多孔質高シリカアルミノシリケート(AMT−SILICA#200B:水澤
化学工業(株)製) 20部
上記成分を温度150℃にて、60分間ホモジナイザーにて攪拌し、接着剤2を得た。
【0106】
接着剤3
エピコート#828(エポキシ当量184〜194:油化シェルエポキシ(株
)製) 30部
エポライト3002(共栄社化学(株)製) 20部
シクロプロピルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート(東京化成(
株)製) 5部
エポフレンド1020(ダイセル化学工業(株)製) 45部
トルエン 100部
上記成分を共に配合しホモジナイザーにて均一になるまで攪拌し、接着剤3を得た。
【0107】
このようにして得た接着剤3を、50μm厚みの離型PETフィルムに、最終厚みが300μmとなるように、ロールコーターにて塗布、乾燥し、光硬化型接着シートを得た。光硬化型接着シートの表面には、粘着面を保護するために、シリコーンで表面が離型処理されたポリエチレンをラミネートした。
【0108】
Figure 0004216484
上記成分を共に配合しホモジナイザーにて均一になるまで攪拌し、接着剤4を得た。
【0109】
このようにして得た接着剤4を、50μm厚みの離型PETフィルムに、最終厚みが300μmとなるようにロールコーターにて塗布、乾燥し、光硬化型接着シートを得た。光硬化型接着シートの表面には、粘着面を保護するためにシリコーンで表面が離型処理されたポリエチレンをラミネートした。
【0110】
接着剤5
エスダイン9631S(積水化学工業(株)製) 95部
多孔質高シリカアルミノシリケート(AMT−SILICA#200B:水澤
化学工業(株)製) 5部
上記成分を温度150℃にて、60分間ホモジナイザーにて攪拌し、接着剤5を得た。
【0111】
《接着剤の物性測定》
〈引張弾性率、引張破断点伸度の測定〉
接着剤1、2について、ミニテストプレス MP−WNL(東洋精機(株)製)を使用し、該接着剤と厚さ300μmのスペーサーを50μm厚みの離型PETフィルムの間に挟み、100℃で且つ4.9×105Paの条件で3分間プレスした後、温度25℃、50%RHの条件で7日間放置し、前記離型PETフィルムを取り除き、厚さ300μmの硬化後の接着シートを得た。
【0112】
接着剤3で作製した厚さ300μmの光硬化型接着シートを、出力160W/cmの高圧水銀ランプで積算光量が1500mJ/cm2となるように照射した後に、温度25℃、50%RHの条件で7日間放置し、厚さ300μmの硬化後の接着シートを得た。
【0113】
このようにして得られた接着シートについて、オリエンテックテンシロン(株)製万能試験機RTA−100を用い、ASTM D638に準じて、引張弾性率、引張破断点伸度を測定した。測定した結果を表1に示す。
【0114】
〈引張降伏強さ、引張破断点伸度の測定〉
接着剤5について、ミニテストプレス MP−WNL(東洋精機(株)製)を使用し、該接着剤と厚さ300μmのスペーサーを50μm厚みの離型PETフィルムの間に挟み、100℃で且つ4.9×105Paの条件で3分間プレスした後、温度25℃、50%RHの条件で7日間放置し、前記離型PETフィルムを取り除き、厚さ300μmの硬化後の接着シートを得た。
【0115】
接着剤4で作製した厚さ300μmの光硬化型接着シートを、出力160W/cmの高圧水銀ランプで積算光量が1500mJ/cm2となるように照射した後に、温度25℃、50%RHの条件で7日間放置し、厚さ300μmの硬化後の接着シートを得た。
【0116】
このようにして得られた硬化後の接着シートについて、オリエンテックテンシロン(株)製万能試験機RTA−100を用い、ASTM D638に準じて、引張降伏強さ、引張破断点伸度を測定した。測定した結果を表2に示す。
【0117】
《ICカードの作製》
図15に本発明のICカード、個人認証カードの積層構成の斜視図を示す。
【0118】
この実施の形態では、予め多孔質の収納部材に収納された厚さ300μmの電子部品104が、厚さ100μmの接着シート110A及び厚さ100μmの接着シート110Bを介在して厚さ100μmの表面シート105と厚さ75μmの裏面シート101との間に所定の加工温度条件の下に貼合されたものである。
【0119】
接着シート110Aと接着シート110Bの間には、ICチップ104Aやアンテナ体104Bなどの電子部品104が収納された織物状又は不織布状の樹脂シートを使用する。300μm程度の電子部品104の上下にクッション性のある多孔質体や接着シート110A、110Bによって保護するようにすれば、より耐久性が向上する。電子部品104が収納された織物状又は不織布状の樹脂シートに多孔質状のものを使用するのは、加熱貼合時の接着シート110A、110Bの含浸性が良くなって部材間の接着性が優位になるからである。
【0120】
支持体1
表面シートおよび裏面シートとして、JIS K7128−Z0208による湿気透過率が22(g・25μm/m2、24hr)である厚さ100μm、75μmの白色ポリエステルシートを使用した。
【0121】
支持体2
表面シートおよび裏面シートとして、JIS K7128−Z0208による湿気透過率が5(g・25μm/m2、24hr)である厚さ100μm、75μmの白色塩ビシートを使用した。
【0122】
〈表面シートの作製〉
前記支持体の表面シート100μmにコロナ放電処理した面に、下記組成の第1受像層形成用塗工液、第2受像層形成用塗工液及び第3受像層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが0.2μm、2.5μm、0.5μmになるように積層することにより受像層を形成した。
【0123】
Figure 0004216484
【0124】
【化1】
Figure 0004216484
【0125】
Figure 0004216484
〈フォーマット印刷〉
樹脂凸版印刷法により、ロゴとOPニスを順次印刷した。
【0126】
〈裏面シートの作製〉
前記支持体の裏面シート75μmにコロナ放電処理した面に、ユポDFG−65シート(王子油化(株)製)を貼合し、下記組成の第1筆記層形成用塗工液、第2筆記層形成用塗工液及び第3筆記層形成用塗工液をこの順に塗布乾燥して、それぞれの厚みが5μm、15μm、0.2μmになるように積層することにより筆記層を形成した。
【0127】
〔第1筆記層形成用塗工液〕
ポリエステル樹脂(バイロン200:東洋紡績(株)製) 8部
イソシアネート(コロネートHX:日本ポリウレタン工業(株)製)1部
カーボンブラック 微量
二酸化チタン粒子(CR80:石原産業(株)製) 1部
メチルエチルケトン 80部
酢酸ブチル 10部
〔第2筆記層形成用塗工液〕
ポリエステル樹脂(バイロナールMD1200:東洋紡績(株)製)4部
シリカ 5部
二酸化チタン粒子(CR80:石原産業(株)製) 1部
水 90部
〔第3筆記層形成用塗工液〕
ポリアミド樹脂(サンマイド55:三和化学工業(株)製) 5部
メタノール 95部
得られた筆記層の中心線平均粗さは1.34μmであった。
【0128】
〈ICカード用シートの作製〉
図16に本発明のICカード用シート作製装置を示す。
【0129】
ICカード用シート作製装置89には、第1シート部材80を送り出す送出軸900が設けられ、この送出軸900から送り出される第1シート部材80はガイドローラ91、駆動ローラ92に掛け渡されて供給される。送出軸900とガイドローラ91の間には、アプリケーターコーター93が配置されている。アプリケーターコーター93は接着剤82aを所定の厚さでシートに塗工する。
【0130】
又、ICカード用シート作製装置89には、第2シート部材84を送り出す送出軸940が設けられ、この送出軸940から送り出される第2シート部材84は、ガイドローラ95、駆動ローラ96に掛け渡されて供給される。送出軸940とガイドローラ95間には、アプリケーターコーター97が配置されている。アプリケーターコーター97は接着剤82bを所定の厚さでシートに塗工する。
【0131】
接着剤が塗工された第1シート部材と、第2シート部材とは離間して対向する状態から接触して搬送路98に沿って搬送される。第1シート部材と第2シート部材の離間して対向する位置には、ICモジュール83が挿入される。
【0132】
ICモジュール83は単体あるいはシートやロール状で複数で供給される。ICカード用シート作製装置89の搬送路98中には、第1シート部材と、第2シート部材の搬送方向に沿って、加熱ラミネート部99、切断部200が配置される。加熱ラミネートは真空加熱ラミネートであることが好ましい。又加熱ラミネート部99の前には保護フィルム供給部を設けても良く、搬送路98の上下に対向して配置されるのが好ましい。加熱ラミネート部99は、搬送路98の上下に対向して配置される平型の加熱ラミネート上型201と加熱ラミネート下型202とからなる。加熱ラミネート上型201と下型202は互いに接離する方向に移動可能に設けられている。加熱ラミネート部99を経た後は切断部にてシート部材から所定の大きさにカットする。
【0133】
〈ICカード用シート1の作製〉
図16に掲げたICカード用シート作製装置を使用し、第1シート部材および第2シート部材として前記裏面シート及び表面シートを使用した。それぞれのシートに接着剤1を、Tダイを使用して厚みが280μmになるように塗工し、該接着剤付き上下シートの間にICモジュールを入れ、70℃で1分間真空ラミネートして作製した。このように作製されたICカード用シートの厚みは、760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0134】
〈ICカード用シート2の作製〉
前記ICカード用シート1の作製と同様の方法で、接着剤1を接着剤2に変更し、ICカード用シート2を作製した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0135】
〈ICカード用シート3の作製〉
図16に掲げたICカード用シート作製装置において、アプリケーターコーター93による塗工は行わずに、以下の露光済みの光硬化型接着シートを第1シート部材と、第2シート部材とICモジュールとの間に、前記光硬化型接着シートを供給し、70℃で1分間真空ラミネートしてICカード用シート3を作製した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0136】
露光済みの光硬化型接着シートの作製
接着剤3を50μm厚みの離型PETフィルムに、厚みが280μmとなるようにロールコーターにて塗布、乾燥し、光硬化型接着シートを得た。光硬化型接着シートの表面には、粘着面を保護するためにシリコーンで表面が離型処理されたポリエチレンをラミネートした。このようにして得られた光硬化型接着シートを、出力160W/cmの高圧水銀ランプで積算光量が1500mJ/cm2となるように照射して露光済みの光硬化型接着シートを得た。
【0137】
〈ICカード用シート4の作製〉
接着剤1、2について、ミニテストプレス MP−WNL(東洋精機(株)製)を使用し、該接着剤と厚さ300μmのスペーサーを50μm厚みの離型PETフィルムの間に挟み、100℃で且つ4.9×105Paの条件で3分間プレスした後、厚さ280μmの接着シートを得た。
【0138】
接着剤2の厚さ280μmの接着シートを、図17のcの幅10mm、dの幅が5mmとなるように、即ち幅15mmの輪になるように断裁した。一方、接着剤1の厚さ280μmの接着シートを、図17のeの領域に配置できるように断裁した。
【0139】
次いで、第1シート部材および第2シート部材として前記裏面シート及び表面シートを使用した。第1シート部材および第2シート部材上の図17の打ち抜き位置bに対して、前記断裁した接着シートを図17の様に配置し、ICモジュールを入れ、70℃で1分間真空ラミネートして作製した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0140】
〈ICカード用シート5の作製〉
ICカード用シート4の作製に記載の接着剤2の接着シートを、図17のcの幅1mm、dの幅が1mmとなるように、即ち幅2mmの輪になるように断裁した。一方、ICカード用シート4の作製に記載の接着剤1の接着シートを、図17のeの領域に配置できるように断裁した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0141】
〈ICカード用シート6の作製〉
前記ICカード用のシート3作製と同様の方法で、接着剤3を接着剤4に変更し、ICカード用のシート6を作製した。
【0142】
〈ICカード用シート7の作製〉
ICカード用シート1の作製と同様の方法で、接着剤1を接着剤5に変更し、ICカード用シート7を作製した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0143】
〈ICカード用シート8の作製〉
接着剤5について、ミニテストプレス MP−WNL(東洋精機(株)製)を使用し、該接着剤と厚さ300μmのスペーサーを50μm厚みの離型PETフィルムの間に挟み、100℃で且つ4.9×105Paの条件で3分間プレスした後、厚さ280μmの接着シートを得た。この接着シートを、図17のcの幅5mm、dの幅が10mmとなるように、即ち幅が15mmとなるように断裁した。一方、接着剤2の厚さ280μmの接着シートを、図17のeの領域に配置できるように断裁した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。
【0144】
以後は、ICカード用シート4の作製と同様の方法で、ICカード用シート8を作製した。
【0145】
〈ICカード用シート9の作製〉
接着剤5の厚さ280μmの接着シートを、図17のcの幅1mm、dの幅が1mmとなるように、即ち幅が2mmの輪になるように断裁した。一方、接着剤2の厚さ280μm接着のシートを、図17のeの領域に配置できるように断裁した。このように作製されたICカード用シートの厚みは760μmであった。作製後は25℃、50%RHの環境下で7日間保存した。以後は、ICカード用シート4の作製と同様の方法で、ICカード用シート9を作製した。
【0146】
《打ち抜き性の評価》
このように作製されたICカード用シートを、図18、19に示す打ち抜き金型装置によって、打ち抜き加工を施し、打ち抜き性を評価した。得られた結果を表1、2に示す。
【0147】
○:問題なく打ち抜かれている
△:打ち抜くことはできたが、周辺部にバリやヒゲが生じている
×:打ち抜く事ができない
【0148】
【表1】
Figure 0004216484
【0149】
【表2】
Figure 0004216484
【0150】
表1、2から、硬化後の接着剤の特性または打ち抜き位置が請求項の要件を満足するとき、打ち抜き性に優れることが分かる。
【0151】
図18は打ち抜き金型装置の全体概略斜視図であり、図19は打ち抜き金型装置の主要部の正面断面図である。この打ち抜き金型装置は上刃110及び下刃120を有する打ち抜き金型を有する。そして上刃110は外延の内側に逃げ141が設けられた打抜用ポンチ111を含み、下刃120は打抜用ダイス121を有する。打抜用ポンチ111を、打抜用ダイス121の中央に設けられたダイス孔122に下降させることにより、ダイス孔122と同じサイズのICカードを打ち抜く。また、このために、打抜用ポンチ111のサイズは、ダイス孔122のサイズより若干小さくなっている。
【0152】
《個人認証カードへの個人情報記録》
前記打ち抜き加工を施したICカードに、下記により顔画像と属性情報とフォーマット印刷を設けた個人認証カードの作製を行った。
【0153】
〈昇華型感熱転写記録用のインクシートの作製〉
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに、下記組成のイエローインク層形成用塗工液、マゼンタインク層形成用塗工液、シアンインク層形成用塗工液を各々の厚みが1μmになるように設け、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクシートを得た。
【0154】
〔イエローインク層形成用塗工液〕
イエロー染料(化合物Y−1) 3部
ポリビニルアセタール(デンカブチラールKY−24:電気化学工業(株)製
) 5.5部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン(レデダGP−200:東亜合
成化学工業(株)製) 1部
ウレタン変性シリコンオイル(ダイアロマーSP−2105:大日精化工業(
株)製) 0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〔マゼンタインク層形成用塗工液〕
マゼンタ染料(化合物M−1) 2部
ポリビニルアセタール(デンカブチラールKY−24:電気化学工業(株)製
) 5.5部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン(レデダGP−200:東亜合
成化学工業(株)製) 2部
ウレタン変性シリコンオイル(ダイアロマーSP−2105:大日精化工業(
株)製) 0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
〔シアンインク層形成用塗工液〕
シアン染料(化合物C−1) 1.5部
シアン染料(化合物C−2) 1.5部
ポリビニルアセタール(デンカブチラールKY−24:電気化学工業(株)製
) 5.6部
ポリメチルメタアクリレート変性ポリスチレン(レデダGP−200:東亜合
成化学工業(株)製) 1部
ウレタン変性シリコンオイル(ダイアロマーSP−2105:大日精化工業(
株)製) 0.5部
メチルエチルケトン 70部
トルエン 20部
【0155】
【化2】
Figure 0004216484
【0156】
〈溶融型感熱転写記録用のインクシートの作製〉
裏面に融着防止加工した厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートシートに、下記組成のインク層形成用塗工液を厚みが2μmになるように、塗布、乾燥してインクシートを得た。
【0157】
Figure 0004216484
〈顔画像の形成〉
受像層と昇華型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせ、インクシート側からサーマルヘッドを用いて、出力0.23W/ドット、パルス幅0.3〜4.5m/秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより、画像に階調性のある人物画像を受像層に形成した。この画像においては、上記色素と受像層のニッケルが錯体を形成している。
【0158】
〈文字情報の形成〉
OPニス部と溶融型感熱転写記録用のインクシートのインク側を重ね合わせ、インクシート側からサーマルヘッドを用いて、出力0.5W/ドット、パルス幅1.0m/秒、ドット密度16ドット/mmの条件で加熱することにより文字情報をOPニス上に形成した。
【0159】
《個人認証カードの表面保護》
〈表面保護層形成方法1〉
〔透明樹脂転写箔1の作製〕
ダイアホイルヘキスト(株)製ポリエチレンテレフタレート(S−25)の片面に、下記処方をワイヤーバーコーティングにて塗工乾燥して、透明樹脂転写箔1を作製した。
【0160】
Figure 0004216484
上記組成の離型層、樹脂層、中間層、接着層で構成される透明樹脂転写箔1を作製した。
【0161】
次いで、図1のICカード作製装置を使用して、前記顔画像と属性情報とフォーマット印刷を設けたカードに、透明樹脂転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力1.47×107Paで、1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写箔1が転写されたカードに、前記紫外線硬化樹脂含有塗布液を20g/m2の塗布量になるように、特定の地模様を持つグラビアロールコーターにより塗布し、下記の硬化条件にて紫外線硬化樹脂含有塗布液1を硬化させて紫外線硬化保護層を形成し、表面保護層を有する個人認証カードを作製した。
【0162】
Figure 0004216484
〈表面保護層形成方法2〉
〔活性光線硬化型転写箔1の作製〕
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に、下記組成物を積層し活性光線硬化型転写箔1の作製を行った。
【0163】
Figure 0004216484
塗布後硬化剤の硬化は50℃、24時間で行った。
【0164】
〔接着層形成塗工液〕:膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体(ハイテックS6254B
:東邦化学工業(株)製) 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体(ジュリマーAT510:日本純薬(株)製
) 2部
水 45部
エタノール 45部
更に画像、文字が記録された前記受像体上に、前記構成からなる活性光線硬化型転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力1.47×107Paで、1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写は図3のICカード作製装置を使用して行った。
【0165】
〈表面保護層形成方法3〉
〔活性光線硬化型転写箔2の作製〕
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた、厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に、下記組成物を積層し活性光線硬化型転写箔2の作製を行った。
【0166】
Figure 0004216484
塗布後硬化剤の硬化は50℃、24時間で行った。
【0167】
Figure 0004216484
更に画像、文字が記録された前記受像体上に、前記構成からなる活性光線硬化型転写箔2を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力1.47×107Paで、1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写は図3のICカード作製装置を使用して行った。
【0168】
〈表面保護層形成方法4〉
〔光学変化素子転写箔1の作製〕
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に、下記組成物を積層し光学変化素子転写箔1の作製を行った。
【0169】
Figure 0004216484
塗布後硬化剤の硬化は50℃、24時間で行った。
【0170】
〔接着層形成塗工液〕:膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体(ハイテックS6254B
:東邦化学工業(株)製) 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体(ジュリマーAT510:日本純薬(株)製
) 2部
水 45部
エタノール 45部
更に画像、文字が記録された前記受像体上に、前記構成からなる光学変化素子転写箔1を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力1.47×107Paで、1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写は図3のICカード作製装置を使用して行った。
【0171】
〈表面保護層形成方法5〉
〔光学変化素子転写箔2の作製〕
0.1μmのフッ素樹脂層の離型層を設けた厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの離型層上に、下記組成物を積層し光学変化素子転写箔2の作製を行った。
【0172】
Figure 0004216484
塗布後硬化剤の硬化は50℃、24時間で行った。
【0173】
〔接着層形成塗工液〕:膜厚0.5μm
ウレタン変性エチレンエチルアクリレート共重合体(ハイテックS6254B
:東邦化学工業(株)製) 8部
ポリアクリル酸エステル共重合体(ジュリマーAT510:日本純薬(株)製
) 2部
水 45部
エタノール 45部
更に画像、文字が記録された前記受像体上に前記構成からなる光学変化素子転写箔2を用いて表面温度200℃に加熱した、直径5cm、ゴム硬度85のヒートローラーを用いて圧力1.47×107Paで、1.2秒間熱をかけて転写をおこなった。前記転写は表3に記載のICカード作製装置を使用して行った。
【0174】
なお、表3における図7のICカード作製装置においては、表面保護層は表3に示す如く2層形成される。
【0175】
《曲げ特性の評価》
このように作製された個人認証カードを、カードの長辺方向のたわみが35mm、カードの短辺方向のたわみが15mmとなるように、125回毎に長辺方向、短辺方向を周期30/minの条件で合計1000回のテストを行った。得られた結果を表3に示す。
【0176】
○:変形がなく、IC機能も問題ない
△:変形はないが、IC機能が失われている
×:折れ曲がってしまい、IC機能が失われている
【0177】
【表3】
Figure 0004216484
【0178】
表3から、表面保護層の如何にかかわらず、本発明ICカードは曲げ特性が優れていることが分かる。
【0179】
【発明の効果】
本発明によって、打ち抜き性が優れたICカードと共に曲げ特性が優れた個人認証カードを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ICカード作製装置の概略構成図である。
【図2】ICカードの層構成を示す図である。
【図3】ICカード作製装置の概略構成図である。
【図4】ICカードの層構成を示す図である。
【図5】ICカード作製装置の概略構成図である。
【図6】ICカードの層構成を示す図である。
【図7】ICカード作製装置の概略構成図である。
【図8】ICカードの層構成を示す図である。
【図9】ICカード作製装置の概略構成図である。
【図10】ICカードの層構成を示す図である。
【図11】透明保護転写箔の実施の形態を示す図である。
【図12】光学変化素子転写箔の実施の形態を示す図である。
【図13】硬化型転写箔の実施の形態を示す図である。
【図14】硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔の実施の形態を示す図である。
【図15】ICカードの積層構成例を示す斜視図である。
【図16】ICカード用シート作製装置の概略図である。
【図17】接着シートの打ち抜き位置を示す図である。
【図18】打ち抜き金型装置の全体概略斜視図である。
【図19】打ち抜き金型装置の主要部の正面断面図である。
【符号の説明】
1 ICカード作製装置
10 カード基材供給部
20 情報記録部
40 保護付与部及び/又は光学変化素子付与部
43 光学変化素子転写箔
44 硬化型樹脂層含有光学変化素子転写箔
50 カード基材
80 第1シート部材
82a、82b 接着剤
83 ICモジュール
84 第2シート部材
89 ICカード用シート作製装置
100 ICカード
101 裏面シート
104 電子部品
104A ICチップ
104B アンテナ体
105 表面シート(第2シート部材)
110 上刃
120 下刃
121 打抜用ダイス

Claims (3)

  1. 第1シート部材と第2シート部材との間に電子部品を備えたICカードにおいて、ICカードの打ち抜き位置に対して外側に2mm以上、内側に2mm以上の幅をもって、硬化後の引張弾性率が200Mpa以上で、且つ引張破断点伸度が600%以下の接着剤を介在させて、貼り合わせたことを特徴とするICカード。
  2. 第1シート部材と第2シート部材との間に電子部品を備えたICカードにおいて、ICカードの打ち抜き位置に対して外側に2mm以上、内側に2mm以上の幅をもって、硬化後の引張降伏強さが3Mpa以上で、且つ引張破断点伸度が600%以下の接着層を介在させて、貼り合わせたことを特徴とするICカード。
  3. ICカードの打ち抜き位置に対して内側に2mm以上の幅の位置より内側に、硬化後の引張弾性率が100Mpa以上の接着層を介在させて、貼り合わせたことを特徴とする請求項1又は2に記載のICカード。
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