WO2005044876A1 - 光学部品 - Google Patents

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Abstract

 パーフルオロシクロヘキサン環を含有する架橋型樹脂硬化物よりなる光学部品;パーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーの架橋型樹脂組成物;パーフルオロシクロヘキサン環を含有する重合体または/および共重合体とフッ素含有モノマーとの架橋型樹脂組成物、または、パーフルオロシクロヘキサン環を含有しないフッ素含有重合体または/および共重合体とパーフルオロシクロヘキサン環を含有するモノマーとの架橋型樹脂組成物をラジカル重合法によって硬化して得られる上記光学部品。

Description

明 細 書
光学部品
技術分野
[0001] 本発明は、硬化型榭脂組成物から、ラジカル重合法によって作製された榭脂硬化 物よりなる光学部品に関する。詳しくは、パーフルォロシクロへキサン環を必須成分と して含有する榭脂硬化物よりなる光学部品に関する。
背景技術
[0002] プラスチック光学部品には、矯正用眼鏡レンズおよびコンタクト ·レンズなどのような 民生用レンズ類、ファインダー、カメラ、複写機、オーバーヘッド 'プロジェクターおよ びテレビ用や大型スクリーン用プロジェクターなどに使用される結像系レンズ類とプリ ンターおよび光ピックアップなどに使用される偏光系レンズ類などのような光学機器 用レンズ類、ならびに光ファイバ一通信機器に使用される微小光学部品(レンズ、プ リズムなど)、ファイバー型光部品および光導波路型部品(光分岐 z結合導波路、光 分波 Z合波導波路、光方向性結合導波路、光スィッチ、光アイソレーター、光減衰 Z増幅部品、光インターコネクション、光導波回路など)などのような光部品類がある
。このようなレンズ類と光部品類に対する要求特性としては、使用される用途に応じて 、各種の光学物性および力学物性、耐熱性、耐湿性、耐光性および耐久性などがあ る。
[0003] プラスチック光学部品に使用されるプラスチック材料は、直鎖型ポリマーと架橋型ポ リマーに大別され、プラスチック光学部品の成型加工には、プラスチック材料に応じ て、各種の成型加工法が採用される。一般的にいえば、直鎖型ポリマーでは、屈折 率とアッベ数の選択幅が狭ぐ複屈折が発生しやすぐ耐熱性が不十分であり、また 、微細な成型加工は困難である。一方、架橋型ポリマーでは、直鎖型ポリマーのよう な光学物性と耐熱性の問題は少ないが、透明性がやや不十分であり、架橋反応によ る硬化収縮率が大きぐまた、微細な成型加工は可能であるが、多段の作製工程を 必要とするため、大量生産は困難である。
[0004] 光ファイバ一通信機器に使用されるプラスチック光部品類では、レンズ類に要求さ れる光学物性、力学物性や耐湿性などとは別に、低い光伝送損失 (以下、光損失と 略記する。 )と狭い幅の屈折率制御性などの光学物性および高温のはんだ耐熱性な どが要求特性となっている。具体的には、例えば、光導波路では、 1. 31 111と1. 55 mの波長帯での光損失値が 0. 5dBZcm以下であり、コア部とクラッド部の比屈折 率差が 0. 5%以下であり、はんだ耐熱性は 250°C以上であることが要求特性となつ ている。このような要求特性を有する架橋型ポリマーの開発が、業界各社によって進 められてきたが、要求特性を十分に満たす架橋型ポリマーの開発は、いまだ達成さ れて 、な 、のが現状である。
[0005] また、架橋型ポリマーを使用した光部品類では、微細な形状加工における加工容 易性の改良も、業界力も強く要求されている。例えば、光導波路では、作製工程数の より少ない加工法、精密加工性、基板面積増大による生産性向上などが要求されて いる。光導波路部品では、三次元的に光を閉じ込める構造となっている、コア部がク ラッド部の中に埋め込まれたチャネル型が主流である力 チャネル型の作製方法に は、大別すると、次記するような 5種類の加工法がある。選択重合法、直接露光法お よびスタンパー法による作製方法では、架橋型ポリマーを形成する架橋硬化型モノ マーあるいはモノマー混合物 (組成物)を原料とし、架橋硬化(以下、硬化と表記する 。)は光重合開始剤を添加した光 (UV光)硬化法によることが共通している。
[0006] <選択重合法 >
フィルムに含浸させたモノマーを、ホトマスクを用いて硬化させて、コア部を形成し、 未硬化のモノマーを気化除去したのち、フィルムの両面に基板を張り合わせる。 <ホトリソグラフィー +RIE法〉
基板上に形成された下部クラッド部表面に、コア部ポリマーを塗布し、さらにホトレジ ストを塗布したのち、ホトマスクを用いてホトレジスト層を硬化させる。次に、 RIE加工 により、コア部を形成したのち、上部クラッド部を形成する。
[0007] <直接露光法 >
基板上に形成された下部クラッド部表面に、モノマーを塗布し、ホトマスクを用いて 硬化させて、コア部を形成する。未硬化のモノマーを除去したのち、上部クラッド部を 形成する。 <ホトブリーチング法 >
基板上に形成された下部クラッド部表面に、色素のような特殊な化合物を含む榭脂 膜を重ね、ホトマスクを用いて光照射し、光照射された部分のみの屈折率を変化させ て、コア部を形成したのち、上部クラッド部を形成する。
<スタンパー法 >
基板上に塗布したモノマー層に、スタンパー(押し型)を当てた状態で硬化させたの ち、スタンパーを離型して、表面にコア凹部を有する下部クラッド部を形成する。次に 、コア凹部にモノマーを注入し、硬化させたのち、上部クラッド部を形成する。
[0008] 上記した 5種類の作製方法には、それぞれ長所と短所がある力 ホトマスクを用い なくてもよい、モノマーの除去を必要としない、コア部の微細な形状の精密形成が可 能である、作製工程数が少ない、基板面積の増大が可能である、光ファイバ一実装 が簡便であるなどの特長を有するスタンパー法が最も有望視されて ヽる。しかしなが ら、光導波路は、曲がり、分岐、方向性結合、交差の基本構造とこれらを組み合せた 複雑な構造を有して 、るため、スタンパー法に対してもコア部の微細形状賦形性の 一層の改良が最も重要な課題となっていた。
[0009] 光部品類に使用される架橋型ポリマーの光損失の主な原因は、ポリマーの化学構 造に起因する。すなわち、ポリマーを構成する化学構造のうち、 C-H結合とベンゼン 環は光損失を増大させる。この原因は、直鎖型ポリマーにも共通している。
[0010] C H結合では、伸縮振動吸収による光損失が大きい。一方、ベンゼン環では、 C H結合の伸縮振動吸収とパイ( π )電子遷移吸収による光損失に、レイリー散乱によ る光損失が加算されるため、光損失が増大する。
[0011] このようなポリマーの化学構造に起因する光損失を低減させるためには、 C Η結合 数の減少または C Η結合の無含有、ある 、はベンゼン環の無含有が有効であること は、以前力 よく知られていた。 C Η結合の C D (重水素)結合への置換は、ポリマ 一の光損失の低減には有効である力 ポリマーの吸湿性が増大するという新たな問 題が生じてくる。 C-H結合を C-X(Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を表わす。)結合 に置換すると、ポリマーの光損失は大幅に低減される。しかし、 Xが塩素、臭素および ヨウ素の場合は、 C X結合が化学的、熱的に不安定なため、切断、分解されやすぐ また、屈折率が非常に大きくなるという問題が生じてくる。 C-F (フッ素)結合は、結合 が安定であるば力りではなぐポリマーの屈折率を低下させるので、ポリマーの光損 失を低減させる最良の方法として、 C H結合を C F結合に置換した多種多様なポリ マーが提案され、その一部は実用化されてきた。
[0012] C H結合の大部分または全てを C F結合に置換した直鎖型脂肪族系ポリマーで は、置換の程度だけ光損失は低減されるが、耐熱性が不十分である(例えば、非特 許文献 1)。架橋型脂肪族系ポリマーでも、はんだ耐熱性を付与することは不可能で ある(例えば、特許文献 1)。 C H結合の全てを C F結合に置換したパーフルォ口べ ンゼン環含有の芳香族系ポリマーでは、光損失は低減される力 パーフルォロベン ゼン環に起因するパイ電子遷移吸収とレイリー散乱による光損失は依然として残存 する。全ての C H結合を C F結合に置換したパーフルォロ環状エーテル系ポリマ 一では、光損失は大幅に低減されるが、直鎖型ポリマーであるため、耐熱性が不十 分であると!/、う問題がある (例えば、非特許文献 2)。
[0013] 一方、耐熱性付与が可能な架橋型ポリマーを使用した光導波路の作製方法にお いては、加工容易性に優れたスタンパー法が最も有望視されていることは前記したと おりである。スタンパー法では、数/ z m寸法の非常に微細な形状のスタンパー(押し 型)を当てた状態のまま、架橋型モノマーまたはモノマー糸且成物(以下、架橋型榭脂 または架橋型榭脂組成物と表記する。)を硬化させたのち、スタンパーを離型して、 微細な形状が精密に賦形されることが、作製方法における必須要件である。このため 、硬化によって得られた架橋型ポリマー(以下、榭脂硬化物と表記する。)からのスタ ンパーの離型性と微細な形状が精密に賦形される精密形状賦形性が、作製工程に おける最も重要な加工要求特性となる。離型性が不十分な場合は、スタンパーの微 細な形状が精密に転写できな 、だけではなく、スタンパーの連続使用にも問題を生 じる。一方、微細形状賦形性が不十分な場合は、設計どおりの形状の賦形に問題を 生じ、歩留まりが低下する。これまでの榭脂硬化物では、上記したような離型性と微 細形状賦形性が十分とはいえず、それらの改良が最も必要となっていた。
非特許文献 1:「ふつ素榭脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、 1990年 11月 30日、 7 33頁 特許文献 1:特開 2002— 332313号公報
非特許文献 2 :「透明ポリマーの屈折率制御」、学会出版センター、 1998年 11月 10 曰、 206頁
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] プラスチック光学部品の中で、特に、光ファイバ一通信機器に使用される、榭脂硬 化物により形成された光導波路型部品類に対しては、レンズ類のような光学部品に 共通した光学物性、力学物性、耐湿性、耐光性、耐久性などの要求特性に加えて、 低い光損失、屈折率制御性、はんだ耐熱性などが重要な物性要求特性であり、この ような物性要求特性を満たす榭脂硬化物の開発が、業界力も強く要請されていた。
[0015] また、硬化型榭脂組成物から作製される光導波路の作製方法としては、優れたカロ 工容易性の観点から、スタンパー法が最も有望視されているが、榭脂硬化物からのス タンパ一の離型性と榭脂硬化物の微細形状賦形性という加工要求特性の改良も必 要となっていた。
[0016] しかしながら、上記した物性要求特性と加工要求特性とを同時に満足する榭脂硬 化物を提供できて 、な!、のが現状である。
[0017] 本発明は、上記した物性要求特性と加工要求特性とを同時に満足する榭脂硬化 物、特に低光損失特性、屈折率制御性、はんだ耐熱性、スタンパーの離型性および 微細形状賦形性に優れた榭脂硬化物よりなる光学部品を提供することを目的とする 課題を解決するための手段
[0018] 本発明者らは、 C - F結合を有する多様な化学構造を含有する榭脂硬化物につい て研究を続けてきた結果、ラジカル重合法によって得られたパーフルォロシクロへキ サン環を含有する榭脂硬化物は、上記した物性要求特性と加工要求特性を共有す ることを見出し、ようやく本発明に到達した。
[0019] 本発明は、ラジカル重合法によって作製されたパーフルォロシクロへキサン環を含 有する榭脂硬化物よりなる光学部品である。 発明の効果
[0020] 本発明の光学部品を構成する榭脂硬化物は、透明性、低屈折率などの光学物性、 強度、弾性率などの力学物性、耐湿性、耐光性に優れ、光損失値が小さぐ狭い幅 の屈折率制御が可能であり、はんだ耐熱性を有するば力りではなぐスタンパーの離 型性と微細形状賦形性にも優れている。したがって、本発明の榭脂硬化物は、プラス チック光学部品に好適であり、特に、微細な形状を有する光部品類の作製には、最 適の榭脂硬化物である。
発明を実施するための最良の形態
[0021] 本発明の光学部品は、パーフルォロシクロへキサン環を必須成分として含有する榭 脂硬化物よりなるものである。
本明細書中における「榭脂硬化物」とは、ラジカル重合によって三次元的な網目構 造を形成した架橋硬化物を意味する。
[0022] 榭脂硬化物に含有されるパーフルォロシクロへキサン環は、シクロへキサン環の全 ての C H結合が C F結合に置換されたィ匕学構造で示される。本発明で ヽぅパーフ ルォロシクロへキサン環には、 C F結合の一部が CFに置換されたパーフルォロシ
3
クロへキサン環も含まれる。
[0023] パーフルォロシクロへキサン環を含有する榭脂硬化物を得る方法としては、上記パ 一フルォロシクロへキサン環を榭脂硬化物に含有させることが可能な方法であれば 特に制限されるものではなぐ例えば、以下に示す基本的な 3方法がある。すなわち 、パーフルォロシクロへキサン環を含有するモノマーを含む架橋型榭脂または榭脂 組成物を硬化して榭脂硬化物を得る第 1の方法、パーフルォロシクロへキサン環を含 有する重合体または共重合体あるいは両者を、 2価以上のフッ素含有モノマーに溶 解した架橋型榭脂組成物を硬化して榭脂硬化物を得る第 2の方法、およびパーフル ォロシクロへキサン環を含有しな 、フッ素含有重合体または共重合体ある 、は両者 を、パーフルォロシクロへキサン環を含有する 2価以上のモノマーに溶解した架橋型 榭脂組成物を硬化して榭脂硬化物を得る第 3の方法である。
[0024] 第 1の方法において、パーフルォロシクロへキサン環を含有するモノマーとは、パー フルォロシクロへキサン環にラジカル重合基が直接的にまたは連結基を介して間接 的に結合したィ匕学構造で示されるモノマーである。ラジカル重合基としては、末端に ラジカル重合性不飽和結合を有するものであれば特に制限はな 、が、重合性の良 好な (メタ)アタリロイルォキシ基 (アタリロイルォキシ基とメタクリロイルォキシ基の両者 を表わす。以下の表記も同じである。)とビュル基が好ましぐ特に (メタ)アタリロイル ォキシ基が好ましい。パーフルォロシクロへキサン環含有モノマーには、ラジカル重 合基の数によって、 1置換体、 2置換体および 3置換体などがあり、それぞれ、 1価モ ノマー、 2価モノマーおよび 3価モノマーに相当する。すなわち n価モノマーは、 n個 のラジカル重合基を含有する。 2置換体では、 o m—または p—位にラジカル重合基 を有し、 3置換体では、 1, 2, 3 1, 2, 4 1, 3, 5—位などにラジカル重合基を有 する。パーフルォロシクロへキサン環含有モノマーが含有するパーフルォロシクロへ キサン環とラジカル重合基との間の連結基としては、— (CH )— (nは 0 1または 2で
2 n
あり、 0または 1であることが好ましい。)で示されるアルキレン基が好ましい。 nが 0の 場合は、ラジカル重合基がパーフルォロシクロへキサン環に直結したモノマーである
[0025] パーフルォロシクロへキサン環を含有する 1価モノマーの具体例としては、例えば、
(メタ)アタリロイルォキシパーフルォロシクロへキサン、(メタ)アタリロイルォキシメチル ノ ーフルォロシクロへキサン、(メタ)アタリロイルォキシェチルパーフルォロシクロへ キサン、およびビュルパーフルォロシクロへキサンなどが挙げられる。
パーフルォロシクロへキサン環を含有する 2価モノマーの具体例として、例えば、 o— m—および p—ジ(メタ)アタリロイルォキシパーフルォロシクロへキサン、 o m—およ び p—ビス((メタ)アタリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキサン、 o m—お よび p—ビス ( (メタ)アタリロイルォキシェチル)パーフルォロシクロへキサン、および p— ジビュルパーフルォロシクロへキサンなどが挙げられる。
パーフルォロシクロへキサン環を含有する 3価モノマーの具体例として、例えば、 1 , 3, 5—トリ(メタ)アタリロイルォキシパーフルォロシクロへキサン、 1, 3, 5—トリス((メ タ)アタリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキサン、および 1, 3, 5—トリス((メ タ)アタリロイルォキシェチル)パーフルォロシクロへキサンなどが挙げられる。
[0026] このようなパーフルォロシクロへキサン環を含有するモノマーは、公知技術である常 法によって合成することができる。例えば、溶媒中で、ヒドロキシメチルパーフルォロ シクロへキサンと (メタ)アクリル酸または (メタ)アクリル酸塩ィ匕物とのエステルイ匕反応 により、(メタ)アタリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサンを得ることができる
[0027] 第 1の方法においては、少なくとも上記したパーフルォロシクロへキサン環を含有す る 1価以上のモノマー群の 1種類以上を使用する。本発明の榭脂硬化物は架橋した 榭脂硬化物なので、第 1の方法においては、(i)パーフルォロシクロへキサン環を含 有する 2価以上のモノマー群の 1種類以上を選択して使用する力、または (ii)このよう な 2価以上のモノマーを使用しない場合は、パーフルォロシクロへキサン環を含有す る 1価モノマー群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキサン環を含有しない 2価以 上のフッ素含有モノマー群の 1種類以上とを併用する。
[0028] 上記 (i)の場合では、上記したパーフルォロシクロへキサン環を含有する 2価以上 のモノマー群の 1種類以上と、上記したパーフルォロシクロへキサン環を含有する 1 価モノマー群の 1種類以上とを併用することもできる。この併用の場合、 1価モノマー の配合比は、モノマー全量の 50重量%以下とするのが好ましい。 50重量%を超える と、榭脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性と微細形状賦形性の低下 の傾向が大きくなる。
[0029] また、上記 (i)の場合では、上記したパーフルォロシクロへキサン環を含有する 2価 以上のモノマー群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキサン環を含有しな 、フッ 素含有モノマー(以下、他のフッ素含有モノマーと表記する。)群の 1種類以上とを併 用することもできる。他のフッ素含有モノマーとしては、パーフルォロアルキル基また はパーフルォロアルキレン基とラジカル重合基とを含有し、パーフルォロアルキル基 またはパーフルォロアルキレン基とラジカル重合基との間に、前記したような連結基 を有するモノマーが使用可能である。他のフッ素含有モノマーにおいても、ラジカル 重合基の数によって、 1価または 2価以上のモノマーなどがある。他のフッ素含有モノ マーに含有されるラジカル重合基としては、パーフルォロシクロへキサン環を含有す るモノマーの重合性と同等とするために、(メタ)アタリロイルォキシ基またはビュル基 が好ましぐ(メタ)アタリロイルォキシ基が特に好ましい。榭脂硬化物の耐熱性を低下 させな!/、ためには、長鎖のパーフルォロアルキル基または長鎖のパーフルォロアル キレン基を含有するモノマーの使用は好ましくな 、。パーフルォロアルキル基または パーフルォロアルキレン基の炭素数としては、 3— 8の範囲が好まし!/、。
[0030] 1価の他のフッ素含有モノマーの具体例としては、例えば、パーフルォロェチルメチ ル (メタ)アタリレート、パーフルォロプロピルメチル (メタ)アタリレート、パーフルォロブ チルメチル(メタ)アタリレート、パーフルォロペンチルェチル(メタ)アタリレート、パー フルォ口へキシルェチル(メタ)アタリレート、パーフルォロォクチルェチル(メタ)アタリ レートなどが挙げられる。
2価以上の他のフッ素含有モノマーの具体例としては、例えば、 1, 3 ビス((メタ)ァ クリロイルォキシメチル)パーフルォロプロパン、 1, 4—ビス((メタ)アタリロイルォキシメ チル)パーフルォロブタン、 1, 4 ビス((メタ)アタリロイルォキシェチル)パーフルォロ ブタン、 1, 6 ビス((メタ)アタリロイルォキシメチル)パーフルォ口へキサン、 1, 8—ビ ス((メタ)アタリロイルォキシメチル)パーフルォロオクタンなどが挙げられる。
[0031] 他のフッ素含有モノマーの配合比は、 1価モノマーの場合では、モノマー全量の 40 重量%以下とするのが好ましぐ 2価以上のモノマーの場合では、 50重量%以下とす るのが好ましい。これらの配合比を超えると、榭脂硬化物のはんだ耐熱性が不十分と なり、またスタンパー法の離型性と微細形状賦形性も低下するので好ましくない。
[0032] 上記(ii)の場合にお 、ては、 2価以上の他のフッ素含有モノマーとして、上記(i)の 場合における他のフッ素含有モノマーとして使用可能な 2価以上のモノマーと同様な モノマーを 1種類以上使用することができる。この場合、パーフルォロシクロへキサン 環を含有する 1価モノマーの配合比は、モノマー全量の 60— 40重量0 /0の範囲であ る。 60重量%を超えると、はんだ耐熱性が不十分となり、一方、 40重量%未満では、 スタンパー法の離型性と微細形状賦形性が不十分となるので好ましくない。
[0033] 本発明の榭脂硬化物にパーフルォロシクロへキサン環を含有させる第 2の方法は、 パーフルォロシクロへキサン環を含有する重合体または共重合体あるいは両者を、 フッ素を含有する 2価以上のモノマー群力 選択される 1種類以上のモノマーに溶解 した榭脂組成物を硬化して、榭脂硬化物を得る方法である。
[0034] パーフルォロシクロへキサン環を含有する重合体は、前記した第 1の方法における パーフルォロシクロへキサン環を含有する 1価モノマー群の 1種類を重合して合成さ れる単独重合体である。
[0035] パーフルォロシクロへキサン環を含有する共重合体は、前記した第 1の方法におけ るパーフルォロシクロへキサン環を含有する 1価モノマー群の 2種類以上を共重合し て合成される共重合体である。パーフルォロシクロへキサン環を含有する 2価以上の モノマーを 1価モノマーと併用して共重合すると、架橋型ポリマーとなり、フッ素を含有 する 2価以上のモノマーに溶解し難くなるので好ましくない。
[0036] パーフルォロシクロへキサン環を含有する共重合体には、前記した第 1の方法にお けるパーフルォロシクロへキサン環を含有する 1価モノマー群の 1種類以上と、 1価の 他のフッ素含有モノマー群の 1種類以上との共重合体も含まれる。この場合、 1価の 他のフッ素含有モノマーとしては、前記した第 1の方法における 1価の他のフッ素含 有モノマーが使用できる。炭素数が 9以上になると、榭脂硬化物のはんだ耐熱性ゃス タンパ一法での離型性と微細形状賦形性の低下傾向が大きくなるので好ましくない。
[0037] 第 2の方法における 1価の他のフッ素含有モノマーの共重合体中における重量比 は、パーフルォロアルキル基の炭素数にもよる力 重量比で 50重量%以下である。 重量比が 50重量%を超えると、榭脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法での離 型性と微細形状賦形性が不十分となるので好ましくない。
[0038] パーフルォロシクロへキサン環を含有する重合体と共重合体は、公知の方法、例え ば、溶媒中での熱重合法あるいは光重合法により合成することができる。重合体と共 重合体の分子量は、 5, 000—50, 000の範囲力 子ましく、 10, 000— 40, 000の範 囲がより好ましい。分子量が 5, 000未満では、榭脂硬化物のスタンパー法の離型性 と微細形状賦形性が十分とはいえず、また 50, 000を超えると、フッ素を含有する 2 価以上のモノマーへの溶解性や相溶性に問題を生じるので好ましくな 、。第 2の方 法による榭脂硬化物中におけるパーフルォロシクロへキサン環を含有する重合体ま たは共重合体、あるいは両者の重量比は、 40— 60重量%の範囲が好ましい。重量 比がこの範囲以外では、榭脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性ゃ微 細形状賦形性が十分とは ヽえなくなるので好ましくな ヽ。
[0039] パーフルォロシクロへキサン環を含有する重合体または共重合体の溶解に使用す る 2価以上のフッ素を含有するモノマーとしては、前記した第 1の方法におけるパーフ ルォロシクロへキサン環を含有する 2価以上のモノマーの使用が最も好ましいが、第 1の方法において他のフッ素含有モノマーとして使用可能な 2価以上のモノマー、す なわち、炭素数 3— 8のパーフルォロアルキレン基を含有する 2価以上のモノマー群 の 1種類以上を使用することもできる。パーフルォロアルキレン基の炭素数が 9以上 になると、榭脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性などに問題も生じて くるので好ましくない。また、前記した第 1の方法におけるパーフルォロシクロへキサ ン環を含有する 2価以上のモノマー群の 1種類以上と、第 1の方法における他のフッ 素含有モノマーとして使用可能な 2価以上のモノマー群の 1種類以上とを併用するこ ともできる。この場合、これらのモノマーの配合比は任意である。さら〖こは、本発明の 目的を達成できる範囲内であれば、上記のようなフッ素を含有する 2価以上のモノマ 一と、前記したパーフルォロシクロへキサン環を含有する 1価のモノマーを併用しても よい。
[0040] 本発明の榭脂硬化物にパーフルォロシクロへキサン環を含有させる第 3の方法は、 パーフルォロシクロへキサン環を含有しないフッ素含有重合体または共重合体ある いは両者を、パーフルォロシクロへキサン環を含有する 2価以上のモノマー群力 選 択される 1種類以上のモノマーに溶解した榭脂組成物を硬化して、榭脂硬化物を得 る方法である。
[0041] 第 3の方法にぉ 、て、パーフルォロシクロへキサン環を含有しな 、フッ素含有重合 体は、 1価の他のフッ素含有モノマーの 1種類を重合して合成される単独重合体であ る。 1価の他のフッ素含有モノマーとしては、第 2の方法における 1価の他のフッ素含 有モノマーと同じモノマーが使用できる。炭素数が 9以上になると、榭脂硬化物のは んだ耐熱性やスタンパー法の離型性と微細形状賦形性が不十分となるので好ましく ない。
パーフルォロシクロへキサン環を含有しな!、フッ素含有共重合体は、 1価の他のフ ッ素含有モノマー群の 2種類以上を共重合して合成される共重合体である。
[0042] パーフルォロシクロへキサン環を含有しないフッ素含有重合体と共重合体は、公知 の方法、例えば、溶媒中での熱重合法あるいは光重合法により合成することができる 。重合体と共重合体の分子量は、 5000— 50000の範囲力 S好ましく、 10000— 4000 0の範囲がより好ましい。分子量が 5000未満では、榭脂硬化物のスタンパー法の離 型性と微細形状賦形性が十分とはいえず、また、 50000を超えると、パーフルォロシ クロへキサン環を含有する 2価以上のモノマーへの溶解性や相溶性に問題を生じる ので好ましくない。第 3の方法による榭脂硬化物中におけるパーフルォロシクロへキ サン環を含有しな 、フッ素含有重合体または共重合体あるいは両者の重量比は 60 重量%以下が好ましぐ 50重量%以下がより好ましい。重量比が 60重量%を超える と、榭脂硬化物のはんだ耐熱性やスタンパー法の離型性と微細形状賦形性が十分と は ヽえなくなるので好ましくな 、。
[0043] 本発明の目的を達成できる範囲内であれば、パーフルォロシクロへキサン環を含 有する 2価以上のモノマーとともに、前記した第 1の方法におけるパーフルォロシクロ へキサン環を含有する 1価モノマーおよび Zまたは、前記した第 1の方法における他 のフッ素含有モノマーを併用してもょ 、。
[0044] 第 1一第 3の方法で使用される架橋型榭脂組成物には、硬化に必要な成分として、 重合開始剤が添加される。光硬化法 (以下、 UV硬化法と表記する。)を採用する場 合には、光重合開始剤が添加され、熱硬化法を採用する場合には熱重合開始剤が 添加される。両硬化法を併用する場合には両方の重合開始剤が添加される。
[0045] 光重合開始剤としては、一般の UV硬化型榭脂に使用されている光重合開始剤が 使用できる。すなわち、 α—開裂型、水素引き抜き型、電子移動型などの光重合開始 剤である。具体的な化合物としては、ァセトフエノン類、ベンゾフエノン類、ベンジル類 、ベンゾインエーテル類、ベンジルジケタール類、ベンゾィルベンゾエート類、チォキ サントン類、ァシルホスフィンオキサイド類、ァシルホスフィン酸エステル類などが例示 できる。ヒドロキシル基を含有する光重合開始剤や水素引き抜きによってヒドロキシル 基を生成する光重合開始剤は、榭脂硬化物を光導波路のような光部品類の作製に 用いる場合は、光損失を増大させるので、使用することは好ましくない。また、使用さ れる光重合開始剤は、本発明の架橋型榭脂組成物への溶解性からも選択する必要 がある。光重合開始剤の添加量は、組成物全量に対して 1一 5重量%とするのがー 般的である。 [0046] 熱重合開始剤としては、一般の熱硬化型榭脂に使用されている熱重合開始剤が使 用できる。すなわち、アルキルまたはァリルハイド口パーオキサイド型、ジアルキルま たはジァリルパーオキサイド型、パーォキシエステル型、ジァシルバーオキサイド型、 ケトンパーオキサイド型などの有機過酸ィ匕物やァゾィ匕合物のような熱重合開始剤で ある。しかし、安定性、取扱い性などから、中温ないしは高温分解型有機過酸化物を 使用するのがよい。具体的な化合物としては、 t プチルノヽイド口パーオキサイド、タメ ンハイド口パーオキサイド、ジー t ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、 t ブチルタミルパーオキサイド、 t ブチルパーォキシベンゾエート、ジー t ブチルパー ォキシフタレート、ァセチルパーオキサイド、ベンゾィルパーオキサイド、メチルー iーブ チルケトンパーオキサイドなどが例示できる。ヒドロキシ ·ラジカルを生成するノ、イド口 パーォキシ基を含有する有機過酸ィ匕物は、榭脂硬化物を光導波路のような光部品 類の作製に用いる場合は、光損失を増大させるので、使用することは好ましくない。 使用される熱重合開始剤は、本発明の架橋型榭脂組成物への溶解性からも選択す る必要がある。熱重合開始剤の添加量は組成物全量に対して 1一 5重量%とするの が一般的である。
[0047] 本発明に使用される架橋型榭脂組成物には、特別な目的のために、例えば、粘度 調整、相溶性や基板密着性向上などの目的のために、必要に応じて、フッ素を含有 しない他のモノマー、例えば、脂肪族系、脂環族系、芳香族系などのモノマーゃシラ ン系、チタン系などのカップリング剤などを添加してもよいが、添加量は、本発明の目 的を達成できる範囲内、例えば、組成物全量の数重量%以下にする必要がある。ま た、これらのモノマーやカップリング剤には、光損失を非常に増大させる水酸基、アミ ノ基、カルボキシル基、メルカプト基などは含有してはならない。
[0048] 本発明において使用される架橋型榭脂組成物を、 UV硬化法または Zおよび熱硬 化法によって硬化して得られる榭脂硬化物は、プラスチック光学部品として光学物性 、力学物性、耐湿性、耐光性、耐久性などの要求特性を有しているば力りではなぐ 光ファイバ一通信機器に使用される光部品類に要求される低光損失、屈折率制御 性、はんだ耐熱性などの厳しい物性要求特性も有している。また、微細な精密加工 性や加工容易性が要求される光部品類の作製において、例えば、光導波路の作製 にお ヽて、非常に良好なスタンパー離型性と微細形状賦形性などの加工要求特性 をも併有している。
[0049] 以下に、本発明の榭脂硬化物の最適の用途である光ファイバ一通信機器用光部 品類の中の光導波路の作製方法について説明するが、本発明の榭脂硬化物は最も 有望視されているスタンパー法に最も有用である。本発明によって、スタンパー法に おけるスタンパーの離型性と微細形状賦形性という加工要求特性の問題を解決する ことができたためである。スタンパー法による光導波路の作製には、硬化法としては、 UV硬化法と熱硬化法のどちらも採用できるが、硬化速度や作業性などの有利性か ら、 UV硬化法を採用することが好ましい。
[0050] UV硬化法による光導波路の作製では、まず、基板上に塗布された架橋型榭脂組 成物薄膜にスタンパーを押し当てた状態で、 UV照射して、榭脂硬化物となった下部 クラッド部を形成する。続いて、スタンパーを離型すれば、下部クラッド部表面に、スタ ンパー形状に相当するコア凹部が賦形されている。このコア凹部に、下部クラッド部 を形成する榭脂硬化物よりも、榭脂硬化物での屈折率がわずかに大きくなるように調 製された架橋型組成物を注入したのち、 UV硬化して、榭脂硬化物となったコア部を 形成する。次に、下部クラッド部とコア部の表面に、下部クラッド部と同じ架橋型榭脂 組成物を塗布したのち、 UV硬化して、榭脂硬化物となった上部クラッド部を形成す る。
[0051] スタンパーを用いる UV硬化法による光導波路の作製では、作製工程数が少なぐ ホトマスクは用いず、し力も、未硬化の架橋型榭脂組成物を除去するための工程が 不要である。コア部とクラッド部の榭脂硬化物間のわず力な屈折率差は、榭脂硬化物 を構成するモノマーの配合比を少し変えるだけで、容易に調整できるので、狭い幅の 屈折率制御が容易である。また、コア部とクラッド部の榭脂硬化物は、わずかに配合 比が異なるだけの共通した成分とすることができるので、界面の密着性は良好である 。一方、下部クラッド部と上部クラッド部の界面の密着性も良好であることはいうまでも ない。
[0052] 上記したスタンパーを用いる UV硬化法による光導波路の作製工程のうちでは、基 板上に塗布した架橋型榭脂組成物薄膜に、スタンパーを押し当てた状態で、 UV硬 化して、コア部の賦形と下部クラッド部の形成とを同時に行う工程が最も重要であるこ とは明白である。いいかえると、榭脂硬化物となって形成された下部クラッド部の表面 に押し当てられた状態にある微細な形状のスタンパーの離型性と離型後の賦形され た微細形状賦形性が最も重要な加工要求特性であるということができる。
[0053] 低い光損失を示すパーフルォロ脂肪族系モノマーの榭脂硬化物では、 UV硬化後 のスタンパーの離型性は一般的には良好であるが、離型後、賦形された凹部の微細 な形状に変化が生じ、スタンパーの微細形状が設計どおりに賦形できな 、と 、う欠点 がある。本発明のパーフルォロシクロへキサン環を含有する榭脂硬化物では、スタン パーの離型性は良好であるば力りではなぐ下部クラッド表面に賦形された凹部の微 細な形状に変化は生じな 、ので、スタンパーの微細形状が設計どおりに賦形できる 。この良好な微細形状賦形性について、さらに、その原因を究明したところ、榭脂硬 化物の力学物性の一物性であるヤング率が関係していることを見出した。すなわち、 本発明であるパーフルォロシクロへキサン環を含有する榭脂硬化物は、パーフルォ 口脂肪族系モノマーの榭脂硬化物に比べると、ヤング率が非常に大きいという予期 せぬ結果を見出した。榭脂硬化物の微細形状賦形性をヤング率で判定すると、 2, 5 OOMPa以上であることが好ましぐより好ましくは 3, OOOMPa以上である。
[0054] スタンパーを用いる UV硬化法による光導波路の作製に使用する架橋型榭脂組成 物中のモノマーの重合基としては、 UV硬化性、密着性、モノマー相溶性などが良好 なことから、(メタ)アタリロイルォキシ基が好ましい。 UV硬化法においては、 UV光源 が必要であり、高圧水銀灯やメタルハライド灯などが一般的に用いられる。本発明の 榭脂硬化物の形成に必要な UV照射量は、モノマーや光重合開始剤の種類、塗布 膜厚など力も決められるので、任意である力 通常 1, 000— 5, OOOmjZcm2の範 囲である。
[0055] 本発明の榭脂硬化物は熱硬化法によっても得ることができる。熱硬化法の場合は、 UV硬化法と異なり、架橋型榭脂組成物を加熱する必要がある。例えば、スタンパー 法により光導波路を作製する場合では、スタンパーを押し当てた状態で、 UV照射の 代わりに、加熱すればよい。加熱の温度と時間は任意である力 60°C、 60分間ない し 150°C、 10分間の範囲が一般的である。熱硬化により得られた榭脂硬化物のスタ ンパーの離型性や微細形状賦形性は、 uv硬化により得られた榭脂硬化物の場合と 変わりなぐ良好である。
[0056] 本発明の榭脂硬化物は、 UV硬化法と熱硬化法を組み合わせた硬化法によっても 得ることができる。この場合は、架橋型榭脂組成物を適当な程度にまで UV硬化させ たのち、熱硬化により完全硬化させる硬化法が一般的である。得られた榭脂硬化物 のスタンパーの離型性や微細形状賦形性は、単独硬化法による榭脂硬化物の作製 の場合と同じように良好である。
[0057] 本発明の榭脂硬化物は、優れた物性要求特性 (低光損失、屈折率制御性、はんだ 耐熱性など)および加工要求特性 (スタンパー離型性、微細形状賦形性など)を活か して、光ファイバ一通信機器に使用される光部品類、例えば、レンズおよびプリズム などの微小光学部品、ファイバー型光部品、ならびに光分岐 Z結合導波路、光分波
Z合波導波路、光方向性結合導波路、光スィッチ、光アイソレーター、光減衰 Z増 幅部品、光インターコネクションおよび光導波回路などの光導波路型部品類に最適 である。
[0058] 本発明の榭脂硬化物は、優れた透明性、耐熱性、耐湿性、耐光性などを活力ゝして 、各種の光学機器に装備される多様なプラスチック 'レンズ類、にも使用できる。本発 明の榭脂硬化物は、非常に良好なスタンパー離型性や微細形状賦形性を活かして 、微細形状を有するマイクロ'レンズ'アレイや光反射シートなどにも使用できる。さら に、本発明の榭脂硬化物は低屈折率や耐熱性などを活かして、光ファイバ一のクラッ ド材としての使用も可能である。
実施例
[0059] 以下の実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定さ れるものではない。
実施例または比較例に記載の各種の試験は、次記する方法にしたがった。 スタンパーの離型件 微細形状賦形件
ガラス基板(50mm X 50mm、厚さ 0. 5mm)上に、架橋型榭脂組成物を塗布した のち、 10mm X 5 m X高さ 5 μ mの凸部が 5mm間隔で 5個配列した金型(スタンパ 一)を塗布膜厚が約 25 /z mとなるように押し当てた。この状態で、ガラス基板側から、 高圧水銀灯を 3, OOOmiZcm2照射して、 UV硬化した榭脂硬化物薄膜を得た。次 に、スタンパーを離型し、スタンパーの離れ易さの良否から、離型性の程度を判定し た。作製された試験片の榭脂硬化物薄膜表面に賦形された凹部の微細形状は、 FE - SEM型電子顕微鏡写真により、微細形状の賦形状態の良否を判定した。
[0060] ヤング率
JIS K7162に規定されている 5B型試験片作製用注型型に架橋型榭脂組成物を 流し込んだのち、石英ガラス板で覆い、高圧水銀灯を 3, OOOmiZcm2照射して、 U V硬化したダンベル型引張特性試験片を作製した。 JIS K7161の試験方法にした 力 Sい、引張試験機((株)島津製作所:島津オートグラフ、型式 AGS— 20kNG)を用 いて、試験速度 ImmZ分の条件で、ヤング率を測定した。
[0061] はんだ耐熱件
スタンパーの離型性と微細形状賦形性の試験において作製された榭脂硬化膜表 面に凹部が賦形された試験片を、循環式加熱炉中に、 250°Cで 20秒間静置したの ち取り出し、 FE— SEM型電子顕微鏡写真により、微細形状の変形の有無や程度を 判定した。
[0062] 実施例 1
1, 2—ビス(アタリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキサン(共栄社化学 (株 )製品) 6. Og、メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(ァズマックス( 株)製品) 4. Ogおよび光重合開始剤であるィルガキュア 907 (チバ 'スペシャルティ · ケミカルズ (株)製品) 0. 3gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物 (I)を調製した。 上記したスタンパーの離型性と微細形状賦形性の試験方法にしたがって、架橋型 榭脂組成物 (I)の榭脂硬化物につ ヽて、離型性と微細形状賦形性を試験した結果、 いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形されていた。 この賦形された試験片のはんだ耐熱性を、上記した試験方法にしたがって試験した 結果も良好であり、微細形状に変化はみられな力つた。上記した試験方法にしたがつ て、架橋型榭脂組成物 (I)カゝら別に作製したダンベル型試験片を用いて測定したャ ング率は 3, 600MPaであり、非常に大きな値を示した。
[0063] 実施例 2 1, 2 ビス(アタリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキサン(前出) 7. 5g、 1 , 4 ビス (メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロブタン (ァズマックス (株)製品) 2. 5gおよびィルガキュア 907 (前出) 0. 3gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物(Π)を 調製した。
この架橋型榭脂組成物 (Π)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を試 験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦形 されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はな ぐ良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (II)から別に作製したダン ベル型試験片を用いて測定したヤング率は 3, 200MPaであり、非常に大きな値を 示した。
[0064] 実施例 3
メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(前出) 5. Og、 1, 4 ビス(メ タクリロイルォキシメチル)パーフルォロブタン(前出) 5. Ogおよびィルガキュア 907 ( 前出) 0. 3gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物 (III)を調製した。
この架橋型榭脂組成物 (ΠΙ)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を 試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦 形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は 殆どなぐ良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (III)から別に作製 したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は 2, 600MPaであり、大きな値を 示した。
[0065] 比較例 1
1, 4 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロブタン(前出) 5. 0g、へキサフ ルォロイソプロピルメタタリレート (東京化成工業 (株)製品) 5. Ogおよびィルガキュア 907 (前出) 0. 3gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物(1)を調製した。
この架橋型榭脂組成物(1)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を 試験した結果、離型性は普通であつたが、スタンパー形状は、精密に賦形されず、崩 れた形状となった。この試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状はさらに崩れて しまった。架橋型榭脂組成物(1)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定 したヤング率は 600MPaであり、非常に小さ 、値を示した。
[0066] 実施例 4
メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(前出)から、パーフルォロ— 1, 3-ジメチルシクロへキサン (ァズマックス (株)製品)を溶媒として、 《、 ひしァゾビ ス (イソプチ口-トリル)け力ライテスタ (株)製品)を重合触媒とした公知の溶液熱重 合法にしたがって重合体を合成した。この重合体溶液をメタノールに混合して、重合 体を沈殿させたのち、洗浄、乾燥して、白色の粉末状重合体 (A)を得た。重合体 (A )のゲル'パーミエーシヨン'クロマトグラフィー法 (GPC法)により測定した数平均分子 量は 14, 000であった。
重合体 (A) 4. 0g、 1, 3 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキ サン (共栄社化学 (株)製品) 6. Ogおよび光重合開始剤であるルシリン TPO— L (BA SFジャパン (株)製品) 0. 4gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物 (IV)を調製した。 この架橋型榭脂組成物 (IV)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を 試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦 形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は なぐ良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (IV)から別に作製した ダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は 3, 400MPaであり、非常に大きな値 を示した。
[0067] 実施例 5
実施例 4において合成した重合体 (A) 3. 5g、メタクリロイルォキシメチルパーフル ォロシクロへキサン(前出) 2. 0g、 1, 4 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォ ロブタン (前出) 4. 5gおよびルシリン TPO-L (前出) 0. 4gを混合、溶解して、架橋型 榭脂組成物 (V)を調製した。
この架橋型榭脂組成物 (V)の榭脂硬化物につ!/ヽて、離型性と微細形状賦形性を 試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦 形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は なぐ良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (V)から別に作製した ダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は 3, OOOMPaであり、大きな値を示し た。
[0068] 実施例 6
メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(前出)およびパーフルォロ n プロピルメチルメタタリレート(ァズマックス (株)製品)から、実施例 4と同様にして 、共重合体を合成したのち、洗浄、乾燥して、白色の粉末状共重合体 (B)を得た。共 重合体 (B)の赤外吸収スペクトル力も分析した共重合比は、約 75: 25 (重量%)であ つた。また、共重合体 (B)の GPC法により測定した数平均分子量は 17, 000であつ た。
共重合体(B) 4. 5g、メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(前出) 1. 5g、 1, 4 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロブタン(前出) 4. Ogおよ びルシリン TPO-L (前出) 0. 4gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物 (VI)を調製し た。
この架橋型榭脂組成物 (VI)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を 試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦 形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は 殆どなぐ良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (VI)から別に作製 したダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は 2, 800MPaであり、大きな値を 示した。
[0069] 実施例 7
2, 2, 2—トリフルォロェチルアタリレートの重合体 (共栄社ィ匕学 (株)製品:数平均分 子量 12, 000) (C) 3. 0g、 1, 3 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロシク 口へキサン(前出) 6. 0g、メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(前 出) 1. Ogおよびルシリン TPO-L (前出) 0. 4gを混合、溶解して架橋型榭脂組成物( VII)を調製した。
この架橋型榭脂組成物 (VII)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状賦形性を 試験した結果、いずれの加工特性も非常に良好であり、スタンパー形状が精密に賦 形されていた。この賦形された試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化は なぐ良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (VII)から別に作製した ダンベル型試験片を用いて測定したヤング率は 2, 900MPaであり、大きな値を示し た。
[0070] 比較例 2
2, 2, 2—トリフルォロェチルアタリレートの重合体(C) (前出) 3. Og、 1, 4—ビス(メタ クリロイルォキシメチル)パーフルォロブタン(前出) 6. Ogおよびルシリン TPO— L (前 出) 0. 4gを混合、溶解して、架橋型榭脂組成物 (2)を調製した。
この架橋型榭脂組成物(2)の榭脂硬化物について、離型性と微細形状保持性を 試験した結果、離型性は少し不良であり、スタンパー形状は精密に賦形されず、崩 れた形状となった。この試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状はさらに崩れて しまった。架橋型榭脂組成物(2)から別に作製したダンベル型試験片を用いて測定 したヤング率は 900MPaであり、非常に小さい値を示した。
[0071] 実施例 8
1, 3 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキサン(前出) 7. 0g、 1, 4 ビス(メタクリロイルォキシメチル)パーフルォロブタン(前出) 3. Ogおよびジー t -ブチルバ一オキサイドけ力ライテスタ (株)製品) 0. 3gを混合、溶解して、架橋型 榭脂組成物 (vm)を調製した。
前記したスタンパーの離型性と微細形状賦形性の試験方法と同様にして、架橋型 榭脂組成物 (VIII)の塗布薄膜にスタンパーを押し当てた状態で、循環式加熱炉中、 110°C、 10分間加熱して、榭脂硬化物薄膜を得た。この榭脂硬化物薄膜からのスタ ンパーの離型性は非常に良好であり、榭脂硬化物薄膜には、スタンパー形状が精密 に賦形されていた。この試験片のはんだ耐熱性を試験した結果、形状変化はなぐ 良好なはんだ耐熱性を有していた。架橋型榭脂組成物 (vm)から、前記した 5B型試 験片作製用注型型を用いて、加熱(110°Cで 30分間、続いて、 150°Cで 5分間)によ り、ダンベル型試験片を作製した。測定したヤング率は 3, lOOMPaであり、非常に 大きな値を示した。
[0072] 実施例 9
50 m厚さのスぺーサ一によつて縁どりされたガラス基板上に、実施例 1において 調製された架橋型榭脂組成物 (I)を滴下し、 25 μ m厚さになるようにスタンパー(凸 部寸法: 10mm X 5 mX 5 m)を押し当てた。この状態で、ガラス基板側から、高 圧水銀灯を 3, OOOmiZcm2照射して、架橋型榭脂組成物 (I)を UV硬化させて、下 部クラッド部を形成した。スタンパーを離型したのち、下部クラッド部表面に形成され た凹部に、 1, 2—ビス(アタリロイルォキシメチル)パーフルォロシクロへキサン (前出) 5. 5g、メタクリロイルォキシメチルパーフルォロシクロへキサン(前出) 4. 5gおよびィ ルガキュア 907 (前出) 0. 3gを混合、溶解して調製された架橋型榭脂組成物 (IX)を 滴下して満たした。続いて、高圧水銀灯を 3, OOOmjZcm2照射して、凹部内の架橋 型榭脂組成物(IX)を UV硬化させて、コア部を形成した。次に、コア部が形成された 下部クラッド部表面に、架橋型榭脂組成物 (I)をスぺーサ一の厚さまで滴下したのち 、ガラス板で覆い、高圧水銀灯を 3, OOOmjZcm2照射して UV硬化させて、上部クラ ッド部を形成した。
作製された光導波路試験片を取り出し、コア部が露出するように両端をダイシング 装置で切断し、光導波路を得た。光損失測定装置 (Agilent Technology社製品)を用 いて、得られた光導波路の光損失値を測定した結果は、 1. 31 mの波長帯におい て 0. 15dBZcmであり、非常に低い光損失値を示した。この光導波路のはんだ耐熱 性試験後の光損失値を測定した結果も 0. 15dBZcmであり、光損失値に変化は見 られず、光導波路として、良好なはんだ耐熱性を有していた。

Claims

請求の範囲
[1] ラジカル重合法によって作製されたパーフルォロシクロへキサン環を含有する榭脂 硬化物よりなる光学部品。
[2] パーフルォロシクロへキサン環として、 1置換、 2置換、および 3置換構造のパーフ ルォロシクロへキサン環の 1種類以上を含有することを特徴とする請求項 1に記載の 榭脂硬化物よりなる光学部品。
[3] パーフルォロシクロへキサン環および 1個以上のラジカル重合基を含有するモノマ 一群の 1種類以上より作製されたことを特徴とする請求項 1または 2に記載の榭脂硬 化物よりなる光学部品。
[4] パーフルォロシクロへキサン環および 2個以上のラジカル重合基を含有するモノマ 一群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキサン環を含有しな 、フッ素含有モノマ 一群の 1種類以上とより作製された力、またはパーフルォロシクロへキサン環および 1 個のラジカル重合基を含有するモノマー群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキ サン環を含有せず、 2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1 種類以上とより作製されたことを特徴とする請求項 3に記載の榭脂硬化物よりなる光 学部品。
[5] パーフルォロシクロへキサン環を含有する 1種類以上の重合体または共重合体ある いは両者を、 2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1種類以 上のモノマーに溶解した組成物より作製されたことを特徴とする請求項 1または 2に記 載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
[6] 2個以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1種類以上のモノマ 一力 パーフルォロシクロへキサン環を含有することを特徴とする請求項 5に記載の 榭脂硬化物よりなる光学部品。
[7] 共重合体が、パーフルォロシクロへキサン環および 1個のラジカル重合基を含有す るモノマー群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキサン環を含有せず、 1個のラジ カル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1種類以上との共重合体であることを 特徴とする請求項 5または 6に記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
[8] 共重合体が、パーフルォロシクロへキサン環および 1個のラジカル重合基を含有す るモノマー群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキサン環を含有せず、 1個のラジ カル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1種類以上との共重合体であり、 2個 以上のラジカル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1種類以上のモノマーが 、パーフルォロシクロへキサン環および 2個以上のラジカル重合基を含有するモノマ 一群、または Zおよびパーフルォロシクロへキサン環を含有せず、 2個以上のラジカ ル重合基を含有するフッ素含有モノマー群の 1種類以上であることを特徴とする請求 項 5— 7のいずれかに記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
パーフルォロシクロへキサン環を含有しない 1種類以上のフッ素含有重合体または 共重合体あるいは両者を、パーフルォロシクロへキサン環および 2個以上のラジカル 重合基を含有するモノマー群の 1種類以上のモノマーに溶解した組成物より作製さ れたことを特徴とする請求項 1または 2に記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
パーフルォロシクロへキサン環および 2個以上のラジカル重合基を含有するモノマ 一群の 1種類以上と、パーフルォロシクロへキサン環を含有しな 、フッ素含有モノマ 一群の 1種類以上とを併用することを特徴とする請求項 9に記載の榭脂硬化物よりな る光学部品。
ラジカル重合基がアタリロイルォキシ基またはメタクリロイルォキシ基であることを特 徴とする請求項 3— 10のいずれかに記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
パーフルォロシクロへキサン環と 1個以上のラジカル重合基を含有するモノマー力 パーフルォロシクロへキサン環とラジカル重合基との間に一般式; (CH )— (n=0
2 n
、 1または 2)で表されるアルキレン基を含有することを特徴とする請求項 3— 10の ヽ ずれかに記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
ラジカル重合法が光または Zおよび熱硬化法によることを特徴とする請求項 1一 12 のいずれかに記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
榭脂硬化物のヤング率が 2500MPa以上であることを特徴とする請求項 1一 13の いずれかに記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
榭脂硬化物よりなる光学部品が光導波路型部品であることを特徴とする請求項 1一 14のいずれかに記載の榭脂硬化物よりなる光学部品。
光導波路型部品がスタンパー法によって作製されたことを特徴とする請求項 15に 記載の光導波路型部品。
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